JP2016185018A - 系統電圧抑制制御装置及び系統電圧抑制制御方法 - Google Patents

系統電圧抑制制御装置及び系統電圧抑制制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】自然エネルギーを発電に有効利用しながらも、直近の配電線の商用系統電圧の安定化を向上できるパワーコンディショナの系統電圧抑制制御装置を提供する。【解決手段】商用系統と連系するインバータの出力電流から所定の数式で求まるLCフィルタのコンデンサ電流を減算して逆潮流電流を推定する逆潮流電流推定部と、商用系統電圧の位相角度を求める第1のPLL処理部と、推定逆潮流電流からその位相角度を出力する第2のPLL処理部と、位相差Δφ(θuw−θsp)に基づいて力率帰還信号及び無効電流帰還信号を生成する帰還信号生成部と、商用系統電圧が低下するとその低下を抑制する抑制変化量を求め、上昇するとその上昇を抑制する抑制変化量を求める。また、抑制変化量に基づいて力率指令値及び出力抑制の指令値に制御する力率制御部と、出力制限部と無効電流帰還信号に基づいて無効電流目標値を出力する無効電流制御部とを備える。【選択図】図5

Description

本発明は、直流発電電力を交流電力に変換して商用系統と連系するインバータと、インバータの出力から高調波成分を除去するLCフィルタを備えたパワーコンディショナの系統電圧抑制制御装置及び系統電圧抑制制御方法に関する。
太陽電光発電システムを構成する分散型電源は、商用系統に連系させて使用するために、電力系統の系統周波数や系統電圧に適合する周波数及び電圧の交流電力に変換するパワーコンディショナを備えている。
パワーコンディショナは、分散型電源で生成された直流電圧を所定の直流電圧値に調整するDC/DCコンバータと、DC/DCコンバータから出力される直流電力を交流電力に変換するインバータと、インバータの出力から高周波成分を除去するLCフィルタ等を備えている。
太陽光発電システムの導入拡大により配電線の電圧を所定の許容範囲に維持するための管理が難しくなっている。一般的に電力会社はタップ制御機器(SVR)やSTATCOM等を導入して配電線が適正電圧に維持されるように管理している。
しかし、近年はパワーコンディショナ側から直近の配電線の電圧を調整すべく、系統連系運転時にパワーコンディショナの運転力率を一定に調整し、或いは商用系統電圧の上昇を抑制する機能を備えることが要求されるようになった。
特許文献1には、商用系統周波数の偏差に応じてパワーコンディショナが出力すべき進相無効電力または遅相無効電力である第1無効電力の変化量と、商用系統電圧の上昇を抑制するためにパワーコンディショナが出力すべき第2無効電力の変化量の少なくとも一方に基づいて、パワーコンディショナの出力を制御する制御装置が提案されている。
当該制御装置は、第2無効電力の変化量に基づいてパワーコンディショナが出力する進相無効電力を増加させる方向に変化させる場合に、パワーコンディショナの出力電圧に対応する電圧が上限電圧以上になると、パワーコンディショナが出力する有効電力を減少させるように、パワーコンディショナの出力を制御するように構成されている。
特許文献2には、分散電源及び負荷をそれぞれ有する複数の分散電源保有設備が配電系統に接続された構成の分散電源連系システムに関し、配電系統の電圧低下抑制のために従来設けられていた機器を減らすことを目的とした分散電源連系システムが開示されている。
当該分散電源連系システムは、複数の分散電源保有設備が第1群と第2群との2群に分類されていて、うなりを生じさせる二つの注入周波数からそれぞれ成る2組の注入周波数であって、各組を成す二つの注入周波数間の周波数差は両組で互いに同じであり、かつ両組を構成する四つの注入周波数はそれぞれ異なると共に前記配電系統の基本波周波数とも異なる第1組及び第2組の注入周波数を用いて、前記第1群に属する各分散電源保有設備は、前記第1組の注入周波数の電流組を含む注入電流を前記配電系統に注入する電流注入装置と、自設備と前記配電系統との連系点における電圧であって前記第2組の注入周波数の内の少なくとも一方の注入周波数の電圧を測定する注入周波数電圧測定装置とをそれぞれ備えており、前記第2群に属する各分散電源保有設備は、前記第2組の注入周波数の電流組を含む注入電流を前記配電系統に注入する電流注入装置と、自設備と前記配電系統との連系点における電圧であって前記第1組の注入周波数の内の少なくとも一方の注入周波数の電圧を測定する注入周波数電圧測定装置とをそれぞれ備えており、かつ両群の各分散電源保有設備は、自設備が属する方の群を自群、自設備が属さない方の群を他群と呼ぶと、自設備の前記電流注入装置が注入する注入電流を構成する電流組の各電流の位相を、当該注入電流が生じさせるうなりである自設備うなりの位相に対して同一群内で共通した一定の位相関係に保つと共に、当該自設備うなりを、他群に属する分散電源保有設備の前記電流注入装置が注入する注入電流の総体が生じさせる電圧のうなりである他群うなりに同期させる同期制御装置をそれぞれ備えている。
そして、両群の各分散電源保有設備は、自設備の前記配電系統から受電している消費電力を測定する消費電力測定器をそれぞれ備えており、両群の各分散電源保有設備の前記電流注入装置は、自設備の前記消費電力測定器が測定する前記消費電力に応じた大きさの前記注入電流を前記配電系統にそれぞれ注入するものであり、更に両群の各分散電源保有設備は、自設備の分散電源を制御して、自設備の前記注入周波数電圧測定装置が測定する前記注入周波数電圧に応じた大きさの遅相無効電力を自設備の分散電源から出力させる遅相無効電力制御回路をそれぞれ備えている。
特開2014−207811号公報 特開2011−36067号公報
しかし、特許文献1に開示された制御装置によれば、商用系統電圧が電気事業法で定められた範囲例えば101V±6Vに維持されている定常時では、無効電力の増減量は一定であるため、商用系統電圧の整定値の付近で有効電力及び無効電力の変動を抑えることが困難であった。
また、特許文献2に開示された分散電源連系システムは、自設備に消費電力測定器を設けて負荷消費電力及び配電線の電圧を監視し、負荷消費電力を増加するともに配電線の商用系統電圧の低下分を抑制するために遅相無効電力を供給するように構成されているので、常に負荷消費電力を監視するために多くの電流センサが必要になり、コストが嵩み制御プログラムも複雑になるという問題があった。
本発明の目的は、上述した問題点に鑑み、自然エネルギーを発電に有効利用しながらも、直近の配電線の商用系統電圧を安定的に調整可能なパワーコンディショナの系統電圧抑制制御装置及び系統電圧抑制制御方法を提供する点にある。
上述の目的を達成するため、本発明による系統電圧抑制制御装置の第一の特徴構成は、特許請求の範囲の書類の請求項1に記載した通り、直流発電電力を交流電力に変換して商用系統と連系するインバータを備えたパワーコンディショナの系統電圧抑制制御装置であって、予め商用系統電圧の実効値Euwに第1閾値電圧及び第1閾値電圧より高い第2閾値電圧を設定し、前記第1閾値電圧と前記第2閾値電圧との間をヒステリシス領域として、商用系統電圧の実効値Euwが前記第1閾値電圧以下のときに、遅相電力の供給のみにより商用系統電圧の低下を抑制する系統電圧低下抑制モードで前記インバータを制御し、商用系統電圧の実効値Euwが前記第2閾値電圧以上のときに、進相電力の供給及び/または有効電力の低減により商用系統電圧の上昇を抑制する系統電圧上昇抑制モードで前記インバータを制御するように構成されている点にある。
商用系統電圧が電気事業法で定められた範囲例えば101V±6Vに維持されている定常状態であっても、第1閾値電圧以下に低下すると遅相電力を供給することにより系統電圧の低下が抑制され、第2閾値電圧以上に上昇すると進相電力を供給し、さらに必要に応じて有効電力を低減することにより商用系統電圧の上昇が抑制され、しかもヒステリシス領域を設けることにより系統電圧の上昇抑制と低下抑制とが繰り返されないようにすることで商用系統電圧の安定化が図られる。
同第二の特徴構成は、同請求項2に記載した通り、上述の第一の特徴構成に加えて、直流発電電力を交流電力に変換して商用系統と連系するインバータと、前記インバータの出力から高調波成分を除去するLCフィルタを備えたパワーコンディショナの系統電圧抑制制御装置であって、商用系統電圧euw、LCフィルタのコンデンサ電流i、コンデンサ容量C、内部抵抗Rとして、インバータ出力電流iinvの計測値から

で求まるコンデンサ電流iを減算することによりパワーコンディショナから商用系統電源に出力される逆潮流電流ispを推定する逆潮流電流推定部と、商用系統電圧euwの計測値から商用系統電圧euwの位相角度θuwを出力する第1のPLL処理部と、前記逆潮流電流推定部で推定された逆潮流電流ispから逆潮流電流ispの位相角度θspを出力する第2のPLL処理部と、前記第1のPLL処理部及び第2のPLL処理部から出力される位相角度から得られる商用系統電圧euwと逆潮流電流ispの位相差Δφ(θuw−θsp)に基づいて、力率帰還信号及び無効電流帰還信号を生成する帰還信号生成部と、前記商用系統電圧の実効値Euwが第1閾値電圧以下のときに商用系統電圧の低下を抑制する低下抑制変化量を求める低下抑制制御部と、前記実効値Euwが前記第1閾値電圧より高い第2閾値電圧以上のときに商用系統電圧の上昇を抑制する上昇抑制変化量を求める上昇抑制制御部を含む運転力率設定部と、前記力率帰還信号に基づいて逆潮流電力の力率が前記運転力率設定部で設定された力率指令値に収束するように目標力率を生成する力率制御部と、前記力率帰還信号に基づいて逆潮流電力の力率が前記力率設定部で設定された力率指令値に収束するように目標力率を生成する力率制御部と、前記力率制御部で生成された目標力率と前記無効電流帰還信号に基づいて、前記インバータを制御するインバータ制御部に無効電流目標値を出力する無効電流制御部と、を備えている点にある。
インバータを制御するために必要となるインバータの出力電流iinv以外に逆潮流電流を検知する別途のセンサを備えなくても、商用系統電圧euwを計測すれば、〔数1〕で示す数式によって、コンデンサの容量C、内部抵抗Rを考慮した正確なコンデンサ電流iが推定できる。そのようなコンデンサ電流iに基づいて第2のPLL処理部から得られる逆潮流電流ispの位相角度θspと、商用系統電圧euwに基づいて第1のPLL処理部から得られる商用系統電圧euwの位相角度θuwとから、商用系統電圧euwと逆潮流電流ispの位相差Δφ(θuw−θsp)が得られ、帰還信号生成部によって位相差Δφから力率帰還信号及び無効電流帰還信号が生成される。
運転力率設定部では低下抑制制御部によって、商用系統電圧の実効値Euwが第1閾値電圧以下のときに商用系統電圧の低下を抑制するように、つまり遅相無効電流が増加するように低下抑制変化量に基づき力率指令値を補正し、実効値Euwが第1閾値電圧より高い第2閾値電圧以上のときに商用系統電圧の上昇を抑制するように、つまり進相無効電流が増加するように上昇抑制変化量に基づき力率指令値を補正し、力率制御部では各力率指令値と力率帰還信号とから目標力率が算出され、当該目標力率と無効電流帰還信号に基づいて無効電流制御部によって無効電流目標値が生成され、インバータから所望の逆潮流電流ispが適切に出力される。その結果、パワーコンディショナが接続された直近の配電線の商用系統電圧の変動が抑制されるようになる。
同第三の特徴構成は、同請求項3に記載した通り、上述の第二の特徴構成に加えて、前記低下抑制制御部は、予め設定された力率下限値PFminまでの間で、前記商用系統電圧の下限許容電圧E minに対する商用系統電圧の偏差に基づいて算出した低下抑制変化量Δyにより現在の力率指令値PFを補正するように構成され、前記上昇抑制制御部は、予め設定された力率下限値PFminまでの間で、上限許容電圧E maxに対する商用系統電圧の偏差に基づいて算出した上昇抑制変化量Δyにより現在の力率指令値PFを補正するように構成されている点にある。
商用系統電圧の実効値Euwが第1閾値電圧以下のときに、低下抑制制御部によって商用系統電圧の下限許容電圧E minと計測された商用系統電圧の実効値との偏差に基づいた低下抑制変化量Δyが算出されてその低下抑制変化量Δyに従って力率指令値PFが設定され、商用系統電圧の実効値Euwが第2閾値電圧以上のときに、第2力率指令値設定部によって商用系統電圧の上限E maxに対する商用系統電圧の偏差に基づいた上昇抑制変化量Δyが算出されてその上昇抑制変化量Δyに従って力率指令値PFが設定される。何れも力率指令値PFは予め設定された力率下限値PFminを下回ることはない。
同第四の特徴構成は、同請求項4に記載した通り、上述の第三の特徴構成に加えて、前記上昇抑制制御部により設定された力率指令値PFが力率下限値PFminに達すると、前記無効電流制御部により出力される無効電流目標値を制限する出力制限部を備えている点にある。
上昇抑制変化量に基づいて商用系統電圧の上昇を抑制するための力率指令値PFを補正し、その力率指令値PFが力率下限値PFminに達すると、出力制限部によって無効電流目標値が制限されることにより、系統電圧の上昇が抑制される。無効電流制御部によって無効電流が可変に制御されることにより皮相電力が大きくなると、パワーコンディショナを構成する回路素子の負担が大きくなるため、それに耐える高価な回路素子を選択する必要がある。この問題に対処すべく、有効電力を減少するように調整すると、運転力率の安定性が損なわれ、惹いては商用系統電圧の安定性が損なわれるという問題が生じる。そのような場合でも、出力制限部を備えることにより無効電流制御部により出力される無効電流目標値が制限されるので、皮相電力を定格値に抑制しながらも安定的に運転力率が制御できるようになる。
同第五の特徴構成は、同請求項5に記載した通り、上述の第二から第四の何れかの特徴構成に加えて、前記力率制御部は、力率指令値PFと力率帰還信号の偏差に基づいて補正値を生成するPI制御部と、前記PI制御部で生成された補正値に力率指令値PFを加算して得られる力率目標値PF realから無効電力を求める係数

を生成し、力率指令値PFに従って当該係数に進相または遅相を示す符号を付加する係数生成部を備えて構成されている点にある。
帰還信号生成部から出力される力率帰還信号と予め設定された力率指令値PFとの偏差からPI制御部によって力率帰還信号が力率指令値PFに収束するような補正値が算出され、当該補正値に力率指令値PFを加算した力率目標値PF realが得られる。係数生成部によって、有効電力に対する無効電力の比である〔数2〕で示される係数が算出されるとともに、力率指令値に従った符号が付加される。具体的に、力率指令値PFが遅相無効電流を示す場合には符号「+1」が付加され、進相無効電流を示す場合には符号「−1」が付加される。
同第六の特徴構成は、同請求項6に記載した通り、上述の第二から第五の何れかの特徴構成に加えて、前記無効電流制御部により出力される無効電流目標値の更新時期は、商用系統周波数の半周期毎であって逆潮流電流ispの絶対値が最大値を示す時期またはその近傍時期に設定され、測定した逆潮流電流ispの無効成分が逆潮流電流ispの絶対値の最大値の近傍時期で変化するように構成されている点にある。
逆潮流電流の振幅は商用系統周波数に基づいてサインカーブを描いて変動するのであるが、サインカーブのゼロクロス点つまり逆潮流電流ispの絶対値が最小値を示す時期に無効電流目標値が更新されると、出力電流の指令値i invの無効成分(無効電流の目標振幅値とCOS(θuw)との積で算出される値)の影響が大きくなるタイミングで出力電流の指令値i invが大きく変化する。その結果、出力電流iinvのオーバーシュートやアンダーシュートが発生し易く、出力電流iinvの安定性が損なわれるおそれがある。
しかし、商用系統周波数の半周期毎であって逆潮流電流ispの絶対値が最大値を示す時期またはその近傍時期に無効電流目標値が更新されると、出力電流の指令値i invの無効成分(無効電流の目標振幅値とCOS(θuw)との積で算出される値)の影響が小さくなるタイミングで出力電流iinvが制御されるため、力率制御の応答性が向上するのみならず出力電流iinvの安定性も向上するようになる。
同第七の特徴構成は、同請求項7に記載した通り、上述の第二から第六の何れかの特徴構成に加えて、前記低下抑制変化量Δyは、少なくとも電圧低下抑制の整定値と商用系統電圧との差分ΔEminと比例ゲインKpとの積により求められ、前記比例ゲインKpが前記差分ΔEminの大小に基づいて大小に替えられ、前記上昇抑制変化量Δyは、少なくとも電圧上昇抑制の整定値と商用系統電圧との差分ΔEmaxと比例ゲインKpとの積により求められ、前記比例ゲインKpが前記差分ΔEminの大小に基づいて大小に替えられるように構成されている点にある。
低下抑制または上昇抑制変化量Δyが、差分ΔEminと比例ゲインKpとの積に基づいて算出され、その際に差分ΔEminが大きければ比例ゲインKpが大きな値に設定されて変化量Δyが大きくなるので大きな抑制量が得られ、差分ΔEminが小さければ比例ゲインKpが小さな値に設定されて変化量Δyが小さくなり整定値付近でのハンチングが抑制され収束性がよくなる。
本発明による系統電圧抑制制御方法の第一の特徴構成は、同請求項8に記載した通り、直流発電電力を交流電力に変換して商用系統と連系するインバータと、前記インバータの出力から高調波成分を除去するLCフィルタを備えたパワーコンディショナの系統電圧抑制制御方法であって、商用系統電圧euw、LCフィルタのコンデンサ電流i、コンデンサ容量C、内部抵抗Rとして、インバータ出力電流iinvの計測値から

で求まるコンデンサ電流iを減算することによりパワーコンディショナから商用系統電源に出力される逆潮流電流ispを推定する逆潮流電流推定ステップと、商用系統電圧euwの計測値から商用系統電圧euwの位相角度θuwを出力する第1のPLL処理ステップと、前記逆潮流電流推定ステップで推定された逆潮流電流ispから逆潮流電流ispの位相角度θspを出力する第2のPLL処理ステップと、前記第1のPLL処理ステップ及び第2のPLL処理ステップから出力される位相角度から得られる商用系統電圧euwと逆潮流電流ispの位相差Δφ(θuw−θsp)に基づいて、力率帰還信号及び無効電流帰還信号を生成する帰還信号生成ステップと、前記商用系統電圧の実効値Euwが第1閾値電圧以下のときに商用系統電圧の低下を抑制する低下抑制変化量を求める低下抑制制御ステップと、前記実効値Euwが前記第1閾値電圧より高い第2閾値電圧以上のときに商用系統電圧の上昇を抑制する上昇抑制変化量を求める上昇抑制制御ステップを含む運転力率設定ステップと、前記力率帰還信号に基づいて逆潮流電力の力率が前記運転力率設定ステップで設定された力率指令値に収束するように目標力率を生成する力率制御ステップと、前記力率帰還信号に基づいて逆潮流電力の力率が前記力率設定ステップで設定された力率指令値に収束するように目標力率を生成する力率制御ステップと、前記力率制御ステップで生成された目標力率と前記無効電流帰還信号に基づいて、前記インバータを制御するインバータ制御部に無効電流目標値を出力する無効電流制御ステップと、を備えている点にある。
同第二の特徴構成は、同請求項9に記載した通り、上述の第一の特徴構成に加えて、前記低下抑制制御ステップは、予め設定された力率下限値PFminまでの間で、前記商用系統電圧の下限許容電圧E minに対する商用系統電圧の偏差に基づいて算出した低下抑制変化量Δyにより現在の力率指令値PFを補正するように構成され、前記上昇抑制制御ステップは、予め設定された力率下限値PFminまでの間で、上限許容電圧E maxに対する商用系統電圧の偏差に基づいて算出した上昇抑制変化量Δyにより現在の力率指令値PFを補正するように構成されている点にある。
同第三の特徴構成は、同請求項10に記載した通り、上述の第二の特徴構成に加えて、前記上昇抑制制御ステップにより設定された力率指令値PFが力率下限値PFminに達すると、前記無効電流制御ステップにより出力される無効電流目標値を制限する出力制限ステップを備えている点にある。
同第四の特徴構成は、同請求項11に記載した通り、上述の第一から第三の何れかの特徴構成に加えて、前記運転力率制御ステップは、力率指令値PFと力率帰還信号の偏差に基づいて補正値を生成するPI制御ステップと、前記PI制御ステップで生成された補正値に力率指令値PFを加算して得られる力率目標値PF realから無効電力を求める係数

を生成し、力率指令値PFに従って当該係数に進相または遅相を示す符号を付加する係数生成ステップを備えて構成されている点にある。
同第五の特徴構成は、同請求項12に記載した通り、上述の第一から第四の何れかの特徴構成に加えて、前記無効電流制御ステップにより出力される無効電流目標値の更新時期は、商用系統周波数の半周期毎であって逆潮流電流ispの絶対値が最大値を示す時期またはその近傍時期に設定されている点にある。
同第六の特徴構成は、同請求項13に記載した通り、上述の第一から第五の何れかの特徴構成に加えて、前記低下抑制変化量Δyは、少なくとも電圧低下抑制の整定値と商用系統電圧との差分ΔEminと比例ゲインKpとの積により求められ、前記比例ゲインKpが前記差分ΔEminの大小に基づいて大小に替えられ、前記上昇抑制変化量Δyは、少なくとも電圧上昇抑制の整定値と商用系統電圧との差分ΔEmaxと比例ゲインKpとの積により求められ、前記比例ゲインKpが前記差分ΔEminの大小に基づいて大小に替えられるように構成されている点にある。
同第七の特徴構成は、同請求項14に記載した通り、上述の第一から第六の何れかの特徴構成に加えて、系統連系運転前に運転力率を設定する運転力率設定ステップを備え、系統連系運転時に、系統電圧抑制制御を解除した直後に前記運転力率設定ステップで設定された運転力率で系統連系運転するように構成されている点にある。
本発明によるパワーコンディショナの特徴構成は、同請求項15に記載した通り、上述した第一から第七の何れかの系統電圧抑制制御装置が組み込まれて構成されている点にある。
以上説明した通り、本発明によれば、自然エネルギーを発電に有効利用しながらも、直近の配電線の商用系統電圧を安定的に調整可能なパワーコンディショナの系統電圧抑制制御装置及び系統電圧抑制制御方法を提供することができるようになった。
本発明による系統電圧抑制制御装置が適用される分散型電源の回路構成図 本発明による系統電圧抑制制御装置の制御ブロック図 (a)は出力制限制御ブロック図、(b)は図3(a)のスイッチSWの動作説明図 (a)は力率制御ブロック図、(b)は無効電流制御部により出力される無効電流目標値の更新時期の説明図 (a)は商用系統電圧と第1及び第2閾値電圧と抑制制御モードとの関係の説明図、(b)は各抑制制御時の制御方式の説明図 (a)は低下及び上昇抑制制御部、(b)は低下抑制制御部で算出される低下抑制変化量Δyの特性図、(c)は上昇抑制制御部で算出される上昇抑制変化量Δyの特性図 電圧上昇抑制制御の動作を説明するフローチャート 低下及び上昇抑制制御部のゲイン可変の説明図
以下、本発明による電力変換装置であるパワーコンディショナの系統電圧抑制制御装置及び系統電圧抑制制御方法を図面に基づいて説明する。
図1には、分散型電源の一例である太陽電池発電装置100が示されている。太陽電池発電装置100は太陽電池パネルSPと太陽電池パネルSPが接続されたパワーコンディショナPCを備えて構成され、連系リレー(図示せず)を介して単層三線式の商用系統電源egridに接続されている。尚、本発明はパワーコンディショナPCに接続される発電装置が太陽電池パネルSPに限定されるものではなく、燃料電池等の他の発電装置が接続される場合でも適用可能である。
パワーコンディショナPCは、太陽電池パネルSPで発電された直流電圧を所定の直流リンク電圧Vdcに昇圧するDC/DCコンバータ1と、商用系統電源と連系するように所定の周波数及び電圧値の交流電圧に変換するインバータ3と、インダクタLとコンデンサCで構成され、高調波成分を除去するLCフィルタ4を備えている。尚、Rはインダクタの抵抗成分であり、Rはコンデンサの抵抗成分である。
インバータ3に備えたスイッチS1,S2,S3,S4は、商用系統電源に連系させるべく周波数や電圧が適合するように系統電圧抑制制御装置10を含む制御ブロックによって実行されるPWM制御によってオン/オフされ、LCフィルタ4によってインバータ3の出力から高調波成分が除去され、正弦波の交流電力として出力される。尚、図中、符号Cdcは直流リンク電圧の安定化用の電解コンデンサ、iinvはインバータの出力電流、Rgrid及びLgridは商用系統インピーダンス、euwはu−wの線間電圧、euoはu-o間の商用系統電圧、ewoはw-o間の商用系統電圧、ispは逆潮流電流、Ruwは商用系統に接続されている交流負荷を示す。
図2には、マイクロコンピュータ、メモリ及び周辺回路等を備えて構成された系統電圧抑制制御装置10の制御ブロックを示している。
系統電圧抑制制御装置10は、力率制御部、直流電圧制御部、無効電流制御部、インバータの出力電流制御部の4つの制御ブロックで構成されている。系統電圧抑制制御装置10は、商用電源周期よりも十分短い周期例えば数msec.の周期で各制御ブロックに対応する制御プログラムが繰返し実行される。
具体的に、逆潮流電流推定部11と、第1のPLL処理部12と、第2のPLL処理部13と、帰還信号生成部14と、力率制御部15と、無効電流制御部16と、直流電圧制御部17と、出力制限部18と、無効電力生成部19と、有効電力生成部20と、インバータ出力電流制御部21と、PWM制御部22と、運転力率設定部23等の各制御ブロックを備えている。
逆潮流電流推定部11と第1のPLL処理部12と第2のPLL処理部13と帰還信号生成部14と力率設定部23と力率制御部15により力率制御ブロックが構成され、直流電圧制御部17により直流バス電圧の一定制御ブロックが構成され、無効電流制御部16により無効電流制御ブロックが構成され、無効電力生成部19と有効電力生成部20とインバータ出力電流制御部21とPWM制御部22により出力電流制御ブロックが構成されている。
逆潮流電流推定部11は、電流センサ等を用いたインバータ出力電流iinvの計測値から以下の〔数5〕で求まるコンデンサ電流iを減算することによりパワーコンディショナから商用系統電源egridに出力される逆潮流電流isp(isp=iinv−i)を推定するブロックである。尚、euwは商用系統電圧、iはLCフィルタのコンデンサ電流、Cはコンデンサ容量、Rは内部抵抗である。
第1のPLL処理部12は、商用系統電圧euwの計測値から商用系統電圧euwの位相角度θuwを出力するブロックで、抵抗分圧回路で分圧された交流電圧が商用系統電圧euwとして第1のPLL処理部12に入力されている。
第2のPLL処理部13は、逆潮流電流推定部11で推定された逆潮流電流ispが入力され、PLL処理によって逆潮流電流ispの位相角度θspを出力するブロックである。
帰還信号生成部14は、第1のPLL処理部12及び第2のPLL処理部13から出力される位相角度から得られる商用系統電圧euwと逆潮流電流ispの位相差Δφ(θuw−θsp)に基づいて、力率帰還信号及び無効電流帰還信号を生成するブロックで、cos(Δφ)の値が力率帰還信号PFとして生成され、tan(Δφ)と有効電流の波高値2Puw/Euw・maxの積が無効電流帰還信号Iとして生成される。尚、以下の〔数6〕に示すように、Puwは有効電力、Euw・maxは電圧の最大値、TGridは系統電圧の周期である。
電気事業法により単相三線式の配電系統の電圧範囲は101V±6Vに調整される必要がある。そこで、運転力率設定部23は、商用系統電圧の実効値Euwが第1閾値電圧(本実施形態では98V)以下のときに商用系統電圧の低下を抑制する低下抑制変化量を求めて力率指令値を補正する低下抑制制御部と、実効値Euwが第1閾値電圧より高い第2閾値電圧(本実施形態では104V)以上のときに系統電圧の上昇を抑制する上昇抑制変化量を求めて補力率指令値を補正する上昇抑制制御部とを備えている。補正された力率指令値により系統電圧の上昇抑制及び低下抑制が図られる。
図4(a)に示すように、力率制御部15は、運転力率設定部23で設定され率指令値PFと力率帰還信号PFの偏差に基づいて補正値を生成するPI制御部15Aと、PI制御部15Aで生成された補正値に力率指令値PFを加算して得られる力率目標値PF realから無効電力を求める係数を、以下の〔数7〕に基づいて生成し、力率指令値PFに従って当該係数に進相または遅相を示す符号を付加する係数生成部15Bを備えている。尚、力率指令値PFが遅相無効電流を示す場合には符号「+1」が付加され、進相無効電流を示す場合には符号「−1」が付加される。
無効電流制御部16は、力率制御部15で生成された目標力率PFoutと無効電流帰還信号Iとに基づいてインバータ3を制御するインバータ出力電流制御部21に無効電流目標値を出力する制御ブロックである。
具体的に、目標力率PFoutと有効電流の波高値2Puw/Euw・maxの積が無効電流制御値I として生成され、無効電流帰還信号Iが無効電流制御値I に収束するように制御量をPI演算する制御ブロックである。
無効電力生成部19は無効電流制御部16で帰還制御された指令値と、第1のPLL処理部12から入力される商用系統電圧に対応する位相角度θuwの余弦波とを乗算して無効電力成分を生成する制御ブロックである。
有効電力生成部20は直流電圧制御部17から出力されたバイアス直流電圧と商用系統電圧に対応する位相角度θuwの正弦波とを乗算して有効電力成分を生成するブロックである。バイアス直流電圧はDC/DCコンバータ1から入力される直流リンク電圧Vdcを直流バス電圧の指令値V dcに調整して出力する直流電圧制御部17から入力され、商用系統電圧に対応する位相角度θuwの正弦波は第1のPLL処理部12から入力される。
有効電力生成部20及び無効電力生成部16からの出力が加算器で加算されてインバータ3に対する電流指令値i invが生成され、その電流指令値i invがインバータ制御部21に入力される。
無効電流制御部16によって無効電流が可変に制御されることにより皮相電力が大きくなると、パワーコンディショナPCを構成する回路素子の負担が大きくなるため、それに耐える高価な回路素子を選択する必要がある。この問題に対処すべく、有効電力を減少するように調整すると、運転力率の安定性が損なわれ、惹いては商用系統電圧の安定性が損なわれるという問題が生じる。
そこで、出力電力が定格電力に対して所定の許容範囲を逸脱すると、無効電流制御部16及び直流電圧制御部17により出力される電流目標値を制限する出力制限部18を備えている。出力制限部18を備えることにより無効電流制御部16及び直流電圧制御部17により出力される電流目標値が制限されるので、皮相電力を定格値に抑制しながらも安定的に力率が制御できるようになる。
図3(a),(b)に示すように、出力制限部18は、皮相電力の帰還値Suwが皮相電力指令値S uwに収束するようにPI制御を行なう皮相電力制御部と、スイッチSWと加算器を備えている。皮相電力の帰還値Suwが定格電力SPU(SPU=Suw/S uw)に対して±Δx%の範囲内にあるときには、スイッチSWの接点が1に切り替えられて皮相電力が制御され、皮相電力の帰還値Suwが定格電力SPUに対して±Δx%の範囲から逸脱すると、スイッチSWの接点が0に切り替えられ出力がIlimつまり定格電力に制限される。スイッチSWはΔx%のヒステリシスを持って切り替えられる。
インバータ3の出力電流値iinvが帰還値として入力されたインバータ制御部21は、インバータ3の出力電流値が電流指令値i invになるように例えばPI演算等を用いて帰還制御し、インバータ3に対する制御値、ここではデューティ比Dを生成する。インバータ制御部19で生成されたデューティ比DはPWM制御部22に入力されて、PWM制御部22で各スイッチS1,S2,S3,S4に対する制御信号が生成され、バッファ回路を介してインバータ3のスイッチS1,S2,S3,S4に出力される。
図4(b)に示すように、無効電流制御部16及び直流電圧制御部17により出力される電流目標値の更新時期は、商用系統周波数の半周期毎であって逆潮流電流ispの絶対値が最大値を示す時期またはその近傍時期に設定されている。具体的には、|isp|≧X・Ispmaxの範囲(0≦X≦1)に定めている。尚、X≧0.9に設定することが好ましい。
逆潮流電流の振幅は商用系統周波数に基づいてサインカーブを描いて変動するのであるが、サインカーブのゼロクロス点つまり逆潮流電流ispの絶対値が最小値を示す時期に無効電流目標値が更新されると、出力電流の指令値i invの無効成分(無効電流の目標振幅値とCOS(θuw)との積で算出される値)の影響が大きくなるタイミングで出力電流の指令値i invが大きく変化する。その結果、出力電流iinvのオーバーシュートやアンダーシュートが発生し易く、出力電流iinvの安定性が損なわれるおそれがある。
しかし、商用系統周波数の半周期毎であって逆潮流電流ispの絶対値が最大値を示す時期またはその近傍時期に無効電流目標値が更新されると、出力電流の指令値i invの無効成分(無効電流の目標振幅値とCOS(θuw)との積で算出される値)の影響が小さくなるタイミングで出力電流iinvが制御されるため、力率制御の応答性が向上するのみならず出力電流iinvの安定性も向上するようになる。
その結果、力率制御部15で生成された目標力率と無効電流帰還信号に基づいて無効電流制御部16によって無効電流目標値が生成され、インバータ3から所望の逆潮流電流ispが適切に出力されるようになり、商用系統電圧の変動を適切に抑制できるようになる。
以下に、運転力率設定部23について詳述する。
図5(a),(b)に示すように、商用系統電圧の実効値Euwが101±ΔVの範囲に入る標準状態で運転力率設定部23により力率指令値が1に設定された後、商用系統電圧の実効値Euwが101‐ΔV以下に低下すると、低下抑制制御部により低下抑制変化量が算出され、それに基づいて力率指令値PFが補正され、さらに力率制御部によって商用系統に遅相無効電流が供給されることにより商用系統電圧が上昇制御される。また、商用系統電圧の実効値Euwが101+ΔV以上に上昇すると、上昇抑制制御部により上昇抑制変化量が算出され、それに基づいて力率指令値PFが補正され、さらに力率制御部によって商用系統に進相無効電流が供給されることにより商用系統電圧が低下制御される。
そして、系統電圧低下時の抑制制御と系統電圧上昇時の抑制制御との間で制御状態が頻繁に変化しないように、商用系統電圧の実効値Euw101±ΔVの範囲でヒステリシス特性が実現されるように設定されている。力率指令値の下限値PFminは0.8(80%)に設定されている。尚、これらの制御が実行される閾値(実効値Euw101±ΔV)は特に制限される値ではなく適宜設定される値で、単相三線式の商用系統電圧が101±6Vの範囲に規定される日本では、その範囲で設定すればよい。尚、本実施形態ではΔV=3に設定されている。
力率制御部15では各力率指令値PFと力率帰還信号PFとから目標力率が算出され、当該目標力率と無効電流帰還信号に基づいて無効電流制御部16によって無効電流目標値が生成され、インバータ3から所望の逆潮流電流ispが適切に出力される。その結果、パワーコンディショナPCが接続された直近の配電線の商用系統電圧の変動が抑制されるようになる。
低下抑制制御部は、予め設定された力率下限値PFmin(=0.8)までの間で、商用系統電圧の下限許容電圧E minに対する商用系統電圧の偏差に基づいて算出した低下抑制変化量Δyにより現在の力率指令値を補正するように構成され、上昇抑制制御部は、予め設定された力率下限値PFmin(=0.8)までの間で、上限許容電圧E maxに対する商用系統電圧の偏差に基づいて算出した抑制変化量Δyにより現在の力率指令値PFを補正するように構成されている。
図6(a)に示すように、商用系統電圧の実効値Euwが101‐ΔV以下になると、制御スイッチSWが0の位置に切り替わり、電圧低下抑制のための低下抑制変化量Δyが算出され、商用系統電圧の実効値Euwが101+ΔV以上になると、制御スイッチSWが1の位置に切り替わり、電圧上昇抑制のための上昇抑制変化量Δyが算出される。商用系統電圧の実効値は、商用系統の数周期から数十周期の平均値が用いられる。
図6(a)で示す符号E minは電圧低下抑制の整定値つまり101−2・ΔV(=95V)、符号Eminはu‐oとw‐o間の電圧実効値の最小値、符号E maxは電圧上昇抑制の整定値つまり101+2・ΔV(=107V)、符号Emaxはu‐oとw‐o間の電圧実効値の最大値、Δuは電圧上昇抑制の整定値E maxとu‐oとw‐o間の電圧実効値の最大値Emaxの差分である。
電圧低下抑制時の低下抑制変化量Δyつまり補正量は、EminとE minの差分ΔEminに1/(Euo+Ewo)を乗じて正規化した後に、急峻な変動を除去するローパスフィルタ処理し、比例ゲインKpを乗じ、さらにリミッターで上限を制限した値である。図6(b)には、比例ゲインKpが0.5または1.0とした場合の低下抑制変化量Δyが示されている。ここで、リミッターの上下限値はΔV/101に設定している。
電圧上昇抑制時の上昇抑制変化量Δyつまり補正量は、EmaxとE maxの差分ΔEmaxに1/(Euo+Ewo)を乗じて正規化した後に、急峻な変動を除去するローパスフィルタ処理し、比例ゲインKpを乗じ、さらにリミッターで上限を制限した値である。図6(c)には、比例ゲインKpが0.5または1.0とした場合の上昇抑制変化量Δyが示されている。fcはローパスフィルタの遮断周波数である。
比例ゲインKpが小さければ小さいほど、電圧上昇・低下抑制の整定値の付近で上昇・低下抑制変化量Δyが微小になりパワーコンディショナPCの運転力率が安定し、有効・無効電力の変動による商用系統電圧の抑制変動量も抑えることが可能になる。
商用系統電圧の実効値Euwが第1閾値電圧以下のときに、低下抑制制御部によって商用系統電圧の下限許容電圧E minと計測された商用系統電圧の実効値との偏差に基づいた低下抑制変化量Δyが算出されてその低下抑制変化量Δyに従って力率指令値が設定され、商用系統電圧の実効値Euwが第2閾値電圧以上のときに、上昇抑制制御部によって商用系統電圧の上限E maxに対する商用系統電圧の偏差に基づいた上昇抑制変化量Δyが算出されてその上昇抑制変化量Δyに従って力率指令値PFが設定される。何れも力率指令値PFは予め設定された力率下限値PFminを下回ることはない。
上述の出力制限部18は、上昇抑制変化量Δyにより補正された力率指令値が力率下限値PFminに達したときに、無効電流制御部16により出力される無効電流目標値を制限するように構成されている。また、商用系統電圧の上昇を抑制するための力率指令値PFであり、その力率指令値PFが力率下限値PFminに達すると、出力制限部によって無効電流目標値が制限されることにより、商用系統電圧の上昇が抑制される。尚、低下抑制変化量Δyにより補正された力率指令値PFが力率下限値PFminに達しても出力制限部18による無効電流目標値は制限されることがない。
〔数8〕に上昇・抑制変化量Δyを反映した商用系統電圧低下抑制のための力率指令値PFの演算式を示す。
出力電力Puwと定格皮相電力Suw.ratedとの割合から定格時の運転力率係数aを求め、力率下限値PFminと比較して、運転力率係数aと力率下限値PFminとの最大値を求める。運転力率係数aと力率下限値PFminとの最大値を求める理由は、出力制限の制御を行わずに遅れ電力を供給し、力率下限値PFmin(=0.8)まで変更できるようにするためである。商用系統電圧の実効値Euwが101‐ΔV(=98V)以上になると力率指令値PFが運転力率整定値PFcstに戻る。尚、運転力率整定値PFcstの範囲は、力率下限値PFminから1までの間の値に設定可能に構成されている。
図7には、〔数8〕及び〔数9〕に基づく系統電圧上昇抑制のための力率指令値の演算フローが示されている。系統電圧上昇抑制制御の整定値101+2・ΔV(=107V)とフィードバック値の差分Δuが負であれば抑制動作を行ない(S1,S2,S3,S4)、逆であれば抑制解除を行なう(S1,S5,S6,S7)。ここで,電圧上昇抑制動作を行う場合,運転力率を下限値(0.8)まで下げて電圧上昇分を抑制する。この時、商用系統電圧が上昇すると出力制限のためのリミッター値Ilim(図3(b)参照)を下げて出力電力を抑制する。また,電圧上昇抑制解除を行なう場合には出力制限を解除してから運転力率を運転力率整定値PFcstに戻すように構成されている。また、出力制限のためのリミッター値Ilimが力率下限値PFminより大きければ、〔数8〕と〔数9〕を用いて出力制限のためのリミッター値Ilim及び力率指令値PFを運転力率整定値PFcstまで戻して運転力率の一定制御を行なう。
図8には、抑制制御ループの比例ゲインKpを可変に設定される構成が示されている。
図6(a)に示した制御ブロックの抑制電圧の指令値Eの±X%の範囲で、それぞれの比例ゲインKpの値の変更ができるように構成されていることが好ましい。商用系統電圧の上昇抑制動作または低下抑制動作及びその解除の速さを比例ゲインKpの値で調整することができるようになり、抑制指令値の付近でシステムの安定性を向上するために比例ゲインKpの値を下げることもできるためである。尚、比例ゲインKp、Xの値は実験等によって適宜設定される値である。本実施形態ではK1=0.5、K2=0.25、K3=1、X=5に設定されている。
つまり、低下抑制変化量Δyは、少なくとも電圧低下抑制の整定値と商用系統電圧との差分ΔEminと比例ゲインKpとの積により求められ、比例ゲインKpが差分ΔEminの大小に基づいて大小に替えられ、上昇抑制変化量Δyは、少なくとも電圧上昇抑制の整定値と商用系統電圧との差分ΔEmaxと比例ゲインKpとの積により求められ、比例ゲインKpが差分ΔEminの大小に基づいて大小に替えられるように構成されている。
つまり、本発明によるパワーコンディショナの系統電圧抑制制御方法は、商用系統電圧euw、LCフィルタのコンデンサ電流i、コンデンサ容量C、内部抵抗Rとして、インバータ出力電流iinvの計測値から上述した〔数3〕で求まるコンデンサ電流iを減算することによりパワーコンディショナから商用系統電源に出力される逆潮流電流ispを推定する逆潮流電流推定ステップと、商用系統電圧euwの計測値から商用系統電圧euwの位相角度θuwを出力する第1のPLL処理ステップと、逆潮流電流推定ステップで推定された逆潮流電流ispから逆潮流電流ispの位相角度θspを出力する第2のPLL処理ステップと、第1のPLL処理ステップ及び第2のPLL処理ステップから出力される位相角度から得られる商用系統電圧euwと逆潮流電流ispの位相差Δφ(θuw−θsp)に基づいて、力率帰還信号及び無効電流帰還信号を生成する帰還信号生成ステップと、前記商用系統電圧の実効値Euwが第1閾値電圧以下のときに商用系統電圧の低下を抑制する低下抑制変化量を求める低下抑制制御ステップと、前記実効値Euwが前記第1閾値電圧より高い第2閾値電圧以上のときに商用系統電圧の上昇を抑制する上昇抑制変化量を求める上昇抑制制御ステップを含む運転力率設定ステップと、前記力率帰還信号に基づいて逆潮流電力の力率が前記運転力率設定ステップで設定された力率指令値に収束するように目標力率を生成する力率制御ステップと、前記力率制御ステップで生成された目標力率と前記無効電流帰還信号に基づいて、前記インバータを制御するインバータ制御部に無効電流目標値を出力する無効電流制御ステップと、を備えている。
そして、低下抑制変化量により補正された力率指令値は、予め設定された力率下限値PFminまでの間で、商用系統電圧の下限許容電圧E minに対する商用系統電圧の偏差に基づいて算出した低下抑制変化量Δyにより現在の力率指令値を補正するように構成される。また、上昇抑制変化量により補正された力率指令値は、予め設定された力率下限値までの間で、上限許容電圧E maxに対する商用系統電圧の偏差に基づいて算出した上昇抑制変化量Δyにより現在の力率指令値PFを補正するように構成されている。
さらに、上昇抑制制御ステップにより設定された力率指令値PFが力率下限値PFminに達すると、前記無効電流制御ステップにより出力される無効電流目標値を制限する出力制限ステップを備えている。
運転力率制御ステップは、力率指令値PFと力率帰還信号の偏差に基づいて補正値を生成するPI制御ステップと、PI制御ステップで生成された補正値に力率指令値PFを加算して得られる力率目標値PF realから無効電力を求める上述した〔数4〕で定まる係数を生成し、力率指令値に従って当該係数に進相または遅相を示す符号を付加する係数生成ステップを備えて構成されている。
以上説明したように、系統電圧抑制制御装置は、予め商用系統電圧の実効値Euwに第1閾値電圧及び第1閾値電圧より高い第2閾値電圧を設定し、第1閾値電圧と第2閾値電圧との間をヒステリシス領域として、商用系統電圧の実効値Euwが第1閾値電圧以下のときに、遅相電力の供給のみにより商用系統電圧の低下を抑制する系統電圧低下抑制モードで前記インバータを制御し、商用系統電圧の実効値Euwが第2閾値電圧以上のときに、進相電力の供給及び/または有効電力の低減により商用系統電圧の上昇を抑制する系統電圧上昇抑制モードで前記インバータを制御するように構成されている。
上述の各実施形態は本発明によるパワーコンディショナの系統電圧抑制制御装置及び制御方法の一例に過ぎず、各構成ブロックの具体的な構成(ハードウェアやソフトウェア)や各種の数値等は本発明による作用効果が奏される範囲で適宜変更設計することも可能であることはいうまでもない。
1:DC/DCコンバータ
3:インバータ
4:LCフィルタ
10:系統電圧抑制制御装置
11:逆潮流電流推定部
12:第1のPLL処理部
13:第2のPLL処理部
14:帰還信号生成部
15:力率制御部
16:無効電流制御部
17:直流電圧制御部
18:出力制限部
19:無効電力生成部
20:有効電力生成部
21:インバータ制御部
22:PWM制御部
23:運転力率設定部
100:分散型電源(太陽電池発電装置)
PC:パワーコンディショナ
SP:太陽電池パネル
S1,S2,S3,S4:インバータ装置に備えたスイッチ素子
本発明は、直流発電電力を交流電力に変換して商用系統と連系するインバータと、インバータの出力から高調波成分を除去するLCフィルタを備えたパワーコンディショナの系統電圧抑制制御装置及び系統電圧抑制制御方法に関する。
太陽電光発電システムを構成する分散型電源は、商用系統に連系させて使用するために、電力系統の系統周波数や系統電圧に適合する周波数及び電圧の交流電力に変換するパワーコンディショナを備えている。
パワーコンディショナは、分散型電源で生成された直流電圧を所定の直流電圧値に調整するDC/DCコンバータと、DC/DCコンバータから出力される直流電力を交流電力に変換するインバータと、インバータの出力から高周波成分を除去するLCフィルタ等を備えている。
太陽光発電システムの導入拡大により配電線の電圧を所定の許容範囲に維持するための管理が難しくなっている。一般的に電力会社はタップ制御機器(SVR)やSTATCOM等を導入して配電線が適正電圧に維持されるように管理している。
しかし、近年はパワーコンディショナ側から直近の配電線の電圧を調整すべく、系統連系運転時にパワーコンディショナの運転力率を一定に調整し、或いは商用系統電圧の上昇を抑制する機能を備えることが要求されるようになった。
特許文献1には、商用系統周波数の偏差に応じてパワーコンディショナが出力すべき進相無効電力または遅相無効電力である第1無効電力の変化量と、商用系統電圧の上昇を抑制するためにパワーコンディショナが出力すべき第2無効電力の変化量の少なくとも一方に基づいて、パワーコンディショナの出力を制御する制御装置が提案されている。
当該制御装置は、第2無効電力の変化量に基づいてパワーコンディショナが出力する進相無効電力を増加させる方向に変化させる場合に、パワーコンディショナの出力電圧に対応する電圧が上限電圧以上になると、パワーコンディショナが出力する有効電力を減少させるように、パワーコンディショナの出力を制御するように構成されている。
特許文献2には、分散電源及び負荷をそれぞれ有する複数の分散電源保有設備が配電系統に接続された構成の分散電源連系システムに関し、配電系統の電圧低下抑制のために従来設けられていた機器を減らすことを目的とした分散電源連系システムが開示されている。
当該分散電源連系システムは、複数の分散電源保有設備が第1群と第2群との2群に分類されていて、うなりを生じさせる二つの注入周波数からそれぞれ成る2組の注入周波数であって、各組を成す二つの注入周波数間の周波数差は両組で互いに同じであり、かつ両組を構成する四つの注入周波数はそれぞれ異なると共に前記配電系統の基本波周波数とも異なる第1組及び第2組の注入周波数を用いて、前記第1群に属する各分散電源保有設備は、前記第1組の注入周波数の電流組を含む注入電流を前記配電系統に注入する電流注入装置と、自設備と前記配電系統との連系点における電圧であって前記第2組の注入周波数の内の少なくとも一方の注入周波数の電圧を測定する注入周波数電圧測定装置とをそれぞれ備えており、前記第2群に属する各分散電源保有設備は、前記第2組の注入周波数の電流組を含む注入電流を前記配電系統に注入する電流注入装置と、自設備と前記配電系統との連系点における電圧であって前記第1組の注入周波数の内の少なくとも一方の注入周波数の電圧を測定する注入周波数電圧測定装置とをそれぞれ備えており、かつ両群の各分散電源保有設備は、自設備が属する方の群を自群、自設備が属さない方の群を他群と呼ぶと、自設備の前記電流注入装置が注入する注入電流を構成する電流組の各電流の位相を、当該注入電流が生じさせるうなりである自設備うなりの位相に対して同一群内で共通した一定の位相関係に保つと共に、当該自設備うなりを、他群に属する分散電源保有設備の前記電流注入装置が注入する注入電流の総体が生じさせる電圧のうなりである他群うなりに同期させる同期制御装置をそれぞれ備えている。
そして、両群の各分散電源保有設備は、自設備の前記配電系統から受電している消費電力を測定する消費電力測定器をそれぞれ備えており、両群の各分散電源保有設備の前記電流注入装置は、自設備の前記消費電力測定器が測定する前記消費電力に応じた大きさの前記注入電流を前記配電系統にそれぞれ注入するものであり、更に両群の各分散電源保有設備は、自設備の分散電源を制御して、自設備の前記注入周波数電圧測定装置が測定する前記注入周波数電圧に応じた大きさの遅相無効電力を自設備の分散電源から出力させる遅相無効電力制御回路をそれぞれ備えている。
特開2014−207811号公報 特開2011−36067号公報
しかし、特許文献1に開示された制御装置によれば、商用系統電圧が電気事業法で定められた範囲例えば101V±6Vに維持されている定常時では、無効電力の増減量は一定であるため、商用系統電圧の整定値の付近で有効電力及び無効電力の変動を抑えることが困難であった。
また、特許文献2に開示された分散電源連系システムは、自設備に消費電力測定器を設けて負荷消費電力及び配電線の電圧を監視し、負荷消費電力を増加するともに配電線の商用系統電圧の低下分を抑制するために遅相無効電力を供給するように構成されているので、常に負荷消費電力を監視するために多くの電流センサが必要になり、コストが嵩み制御プログラムも複雑になるという問題があった。
本発明の目的は、上述した問題点に鑑み、自然エネルギーを発電に有効利用しながらも、直近の配電線の商用系統電圧を安定的に調整可能なパワーコンディショナの系統電圧抑制制御装置及び系統電圧抑制制御方法を提供する点にある。
上述の目的を達成するため、本発明による系統電圧抑制制御装置の第一の特徴構成は、特許請求の範囲の書類の請求項1に記載した通り、直流発電電力を交流電力に変換して商用系統と連系するインバータを備えたパワーコンディショナの系統電圧抑制制御装置であって、予め商用系統電圧の実効値Euwに第1閾値電圧及び第1閾値電圧より高い第2閾値電圧を設定し、前記第1閾値電圧と前記第2閾値電圧との間をヒステリシス領域として、商用系統電圧の実効値Euwが前記第1閾値電圧以下のときに、遅相電力の供給のみにより商用系統電圧の低下を抑制する系統電圧低下抑制モードで前記インバータを制御し、商用系統電圧の実効値Euwが前記第2閾値電圧以上のときに、進相電力の供給及び/または有効電力の低減により商用系統電圧の上昇を抑制する系統電圧上昇抑制モードで前記インバータを制御するように構成されている点にある。
商用系統電圧が電気事業法で定められた範囲例えば101V±6Vに維持されている定常状態であっても、第1閾値電圧以下に低下すると遅相電力を供給することにより系統電圧の低下が抑制され、第2閾値電圧以上に上昇すると進相電力を供給し、さらに必要に応じて有効電力を低減することにより商用系統電圧の上昇が抑制され、しかもヒステリシス領域を設けることにより系統電圧の上昇抑制と低下抑制とが繰り返されないようにすることで商用系統電圧の安定化が図られる。
同第二の特徴構成は、同請求項2に記載した通り、上述の第一の特徴構成に加えて、直流発電電力を交流電力に変換して商用系統と連系するインバータと、前記インバータの出力から高調波成分を除去するLCフィルタを備えたパワーコンディショナの系統電圧抑制制御装置であって、商用系統電圧euw、LCフィルタのコンデンサ電流i、コンデンサ容量C、内部抵抗Rとして、インバータ出力電流iinvの計測値から

で求まるコンデンサ電流iを減算することによりパワーコンディショナから商用系統電源に出力される逆潮流電流ispを推定する逆潮流電流推定部と、商用系統電圧euwの計測値から商用系統電圧euwの位相角度θuwを出力する第1のPLL処理部と、前記逆潮流電流推定部で推定された逆潮流電流ispから逆潮流電流ispの位相角度θspを出力する第2のPLL処理部と、前記第1のPLL処理部及び第2のPLL処理部から出力される位相角度から得られる商用系統電圧euwと逆潮流電流ispの位相差Δφ(θuw−θsp)に基づいて、力率帰還信号及び無効電流帰還信号を生成する帰還信号生成部と、前記商用系統電圧の実効値Euwが第1閾値電圧以下のときに商用系統電圧の低下を抑制する低下抑制変化量を求める低下抑制制御部と、前記実効値Euwが前記第1閾値電圧より高い第2閾値電圧以上のときに商用系統電圧の上昇を抑制する上昇抑制変化量を求める上昇抑制制御部を含む運転力率設定部と、前記力率帰還信号に基づいて逆潮流電力の力率が前記力率設定部で設定された力率指令値に収束するように目標力率を生成する力率制御部と、前記力率制御部で生成された目標力率と前記無効電流帰還信号に基づいて、前記インバータを制御するインバータ制御部に無効電流目標値を出力する無効電流制御部と、を備えている点にある。
インバータを制御するために必要となるインバータの出力電流iinv以外に逆潮流電流を検知する別途のセンサを備えなくても、商用系統電圧euwを計測すれば、〔数1〕で示す数式によって、コンデンサの容量C、内部抵抗Rを考慮した正確なコンデンサ電流iが推定できる。そのようなコンデンサ電流iに基づいて第2のPLL処理部から得られる逆潮流電流ispの位相角度θspと、商用系統電圧euwに基づいて第1のPLL処理部から得られる商用系統電圧euwの位相角度θuwとから、商用系統電圧euwと逆潮流電流ispの位相差Δφ(θuw−θsp)が得られ、帰還信号生成部によって位相差Δφから力率帰還信号及び無効電流帰還信号が生成される。
運転力率設定部では低下抑制制御部によって、商用系統電圧の実効値Euwが第1閾値電圧以下のときに商用系統電圧の低下を抑制するように、つまり遅相無効電流が増加するように低下抑制変化量に基づき力率指令値を補正し、実効値Euwが第1閾値電圧より高い第2閾値電圧以上のときに商用系統電圧の上昇を抑制するように、つまり進相無効電流が増加するように上昇抑制変化量に基づき力率指令値を補正し、力率制御部では各力率指令値と力率帰還信号とから目標力率が算出され、当該目標力率と無効電流帰還信号に基づいて無効電流制御部によって無効電流目標値が生成され、インバータから所望の逆潮流電流ispが適切に出力される。その結果、パワーコンディショナが接続された直近の配電線の商用系統電圧の変動が抑制されるようになる。
同第三の特徴構成は、同請求項3に記載した通り、上述の第二の特徴構成に加えて、前記低下抑制制御部は、予め設定された力率下限値PFminまでの間で、前記商用系統電圧の下限許容電圧E minに対する商用系統電圧の偏差に基づいて算出した低下抑制変化量Δyにより現在の力率指令値PFを補正するように構成され、前記上昇抑制制御部は、予め設定された力率下限値PFminまでの間で、上限許容電圧E maxに対する商用系統電圧の偏差に基づいて算出した上昇抑制変化量Δyにより現在の力率指令値PFを補正するように構成されている点にある。
商用系統電圧の実効値Euwが第1閾値電圧以下のときに、低下抑制制御部によって商用系統電圧の下限許容電圧E minと計測された商用系統電圧の実効値との偏差に基づいた低下抑制変化量Δyが算出されてその低下抑制変化量Δyに従って力率指令値PFが設定され、商用系統電圧の実効値Euwが第2閾値電圧以上のときに、第2力率指令値設定部によって商用系統電圧の上限E maxに対する商用系統電圧の偏差に基づいた上昇抑制変化量Δyが算出されてその上昇抑制変化量Δyに従って力率指令値PFが設定される。何れも力率指令値PFは予め設定された力率下限値PFminを下回ることはない。
同第四の特徴構成は、同請求項4に記載した通り、上述の第三の特徴構成に加えて、前記低下抑制変化量Δyは、少なくとも電圧低下抑制の整定値と商用系統電圧との差分ΔE min と比例ゲインKpとの積により求められ、前記比例ゲインKpが前記差分ΔE min の大小に基づいて大小に替えられ、前記上昇抑制変化量Δyは、少なくとも電圧上昇抑制の整定値と商用系統電圧との差分ΔE max と比例ゲインKpとの積により求められ、前記比例ゲインKpが前記差分ΔE max の大小に基づいて大小に替えられるように構成されている点にある。
低下抑制または上昇抑制変化量Δyが、差分ΔE min と比例ゲインKpとの積に基づいて算出され、その際に差分ΔE min または差分ΔE max が大きければ比例ゲインKpが大きな値に設定されて変化量Δyが大きくなるので大きな抑制量が得られ、差分ΔE min が小さければ比例ゲインKpが小さな値に設定されて変化量Δyが小さくなり整定値付近でのハンチングが抑制され収束性がよくなる。
同第の特徴構成は、同請求項に記載した通り、上述の第三または第四の特徴構成に加えて、前記上昇抑制制御部により設定された力率指令値PFが力率下限値PFminに達すると、前記無効電流制御部により出力される無効電流目標値を制限する出力制限部を備えている点にある。
上昇抑制変化量に基づいて商用系統電圧の上昇を抑制するための力率指令値PFを補正し、その力率指令値PFが力率下限値PFminに達すると、出力制限部によって無効電流目標値が制限されることにより、系統電圧の上昇が抑制される。無効電流制御部によって無効電流が可変に制御されることにより皮相電力が大きくなると、パワーコンディショナを構成する回路素子の負担が大きくなるため、それに耐える高価な回路素子を選択する必要がある。この問題に対処すべく、有効電力を減少するように調整すると、運転力率の安定性が損なわれ、惹いては商用系統電圧の安定性が損なわれるという問題が生じる。そのような場合でも、出力制限部を備えることにより無効電流制御部により出力される無効電流目標値が制限されるので、皮相電力を定格値に抑制しながらも安定的に運転力率が制御できるようになる。
同第の特徴構成は、同請求項に記載した通り、上述の第二から第の何れかの特徴構成に加えて、前記力率制御部は、力率指令値PFと力率帰還信号の偏差に基づいて補正値を生成するPI制御部と、前記PI制御部で生成された補正値に力率指令値PFを加算して得られる力率目標値PF realから無効電力を求める係数

を生成し、力率指令値PFに従って当該係数に進相または遅相を示す符号を付加する係数生成部を備えて構成されている点にある。
帰還信号生成部から出力される力率帰還信号と予め設定された力率指令値PFとの偏差からPI制御部によって力率帰還信号が力率指令値PFに収束するような補正値が算出され、当該補正値に力率指令値PFを加算した力率目標値PF realが得られる。係数生成部によって、有効電力に対する無効電力の比である〔数2〕で示される係数が算出されるとともに、力率指令値に従った符号が付加される。具体的に、力率指令値PFが遅相無効電流を示す場合には符号「+1」が付加され、進相無効電流を示す場合には符号「−1」が付加される。
同第の特徴構成は、同請求項に記載した通り、上述の第二から第の何れかの特徴構成に加えて、前記無効電流制御部により出力される無効電流目標値の更新時期は、商用系統周波数の半周期毎であって逆潮流電流ispの絶対値が最大値を示す時期またはその近傍時期に設定され、測定した逆潮流電流ispの無効成分が逆潮流電流ispの絶対値の最大値の近傍時期で変化するように構成されている点にある。
逆潮流電流の振幅は商用系統周波数に基づいてサインカーブを描いて変動するのであるが、サインカーブのゼロクロス点つまり逆潮流電流ispの絶対値が最小値を示す時期に無効電流目標値が更新されると、出力電流の指令値i invの無効成分(無効電流の目標振幅値とCOS(θuw)との積で算出される値)の影響が大きくなるタイミングで出力電流の指令値i invが大きく変化する。その結果、出力電流iinvのオーバーシュートやアンダーシュートが発生し易く、出力電流iinvの安定性が損なわれるおそれがある。
しかし、商用系統周波数の半周期毎であって逆潮流電流ispの絶対値が最大値を示す時期またはその近傍時期に無効電流目標値が更新されると、出力電流の指令値i invの無効成分(無効電流の目標振幅値とCOS(θuw)との積で算出される値)の影響が小さくなるタイミングで出力電流iinvが制御されるため、力率制御の応答性が向上するのみならず出力電流iinvの安定性も向上するようになる。
本発明による系統電圧抑制制御方法の第一の特徴構成は、同請求項8に記載した通り、直流発電電力を交流電力に変換して商用系統と連系するインバータと、前記インバータの出力から高調波成分を除去するLCフィルタを備えたパワーコンディショナの系統電圧抑制制御方法であって、商用系統電圧euw、LCフィルタのコンデンサ電流i、コンデンサ容量C、内部抵抗Rとして、インバータ出力電流iinvの計測値から

で求まるコンデンサ電流iを減算することによりパワーコンディショナから商用系統電源に出力される逆潮流電流ispを推定する逆潮流電流推定ステップと、商用系統電圧euwの計測値から商用系統電圧euwの位相角度θuwを出力する第1のPLL処理ステップと、前記逆潮流電流推定ステップで推定された逆潮流電流ispから逆潮流電流ispの位相角度θspを出力する第2のPLL処理ステップと、前記第1のPLL処理ステップ及び第2のPLL処理ステップから出力される位相角度から得られる商用系統電圧euwと逆潮流電流ispの位相差Δφ(θuw−θsp)に基づいて、力率帰還信号及び無効電流帰還信号を生成する帰還信号生成ステップと、前記商用系統電圧の実効値Euwが第1閾値電圧以下のときに商用系統電圧の低下を抑制する低下抑制変化量を求める低下抑制制御ステップと、前記実効値Euwが前記第1閾値電圧より高い第2閾値電圧以上のときに商用系統電圧の上昇を抑制する上昇抑制変化量を求める上昇抑制制御ステップを含む運転力率設定ステップと、前記力率帰還信号に基づいて逆潮流電力の力率が前記運転力率設定ステップで設定された力率指令値に収束するように目標力率を生成する力率制御ステップと、前記力率帰還信号に基づいて逆潮流電力の力率が前記力率設定ステップで設定された力率指令値に収束するように目標力率を生成する力率制御ステップと、前記力率制御ステップで生成された目標力率と前記無効電流帰還信号に基づいて、前記インバータを制御するインバータ制御部に無効電流目標値を出力する無効電流制御ステップと、を備えている点にある。
同第二の特徴構成は、同請求項9に記載した通り、上述の第一の特徴構成に加えて、前記低下抑制制御ステップは、予め設定された力率下限値PFminまでの間で、前記商用系統電圧の下限許容電圧E minに対する商用系統電圧の偏差に基づいて算出した低下抑制変化量Δyにより現在の力率指令値PFを補正するように構成され、前記上昇抑制制御ステップは、予め設定された力率下限値PFminまでの間で、上限許容電圧E maxに対する商用系統電圧の偏差に基づいて算出した上昇抑制変化量Δyにより現在の力率指令値PFを補正するように構成されている点にある。
同第三の特徴構成は、同請求項10に記載した通り、上述の第一または第二の特徴構成に加えて、前記低下抑制変化量Δyは、少なくとも電圧低下抑制の整定値と商用系統電圧との差分ΔE min と比例ゲインKpとの積により求められ、前記比例ゲインKpが前記差分ΔE min の大小に基づいて大小に替えられ、前記上昇抑制変化量Δyは、少なくとも電圧上昇抑制の整定値と商用系統電圧との差分ΔE max と比例ゲインKpとの積により求められ、前記比例ゲインKpが前記差分ΔE max の大小に基づいて大小に替えられるように構成されている点にある。
同第の特徴構成は、同請求項11に記載した通り、上述の第二または第三の特徴構成に加えて、前記上昇抑制制御ステップにより設定された力率指令値PFが力率下限値PFminに達すると、前記無効電流制御ステップにより出力される無効電流目標値を制限する出力制限ステップを備えている点にある。
同第の特徴構成は、同請求項12に記載した通り、上述の第一から第の何れかの特徴構成に加えて、前記運転力率制御ステップは、力率指令値PFと力率帰還信号の偏差に基づいて補正値を生成するPI制御ステップと、前記PI制御ステップで生成された補正値に力率指令値PFを加算して得られる力率目標値PF realから無効電力を求める係数

を生成し、力率指令値PFに従って当該係数に進相または遅相を示す符号を付加する係数生成ステップを備えて構成されている点にある。
同第の特徴構成は、同請求項13に記載した通り、上述の第一から第の何れかの特徴構成に加えて、前記無効電流制御ステップにより出力される無効電流目標値の更新時期は、商用系統周波数の半周期毎であって逆潮流電流ispの絶対値が最大値を示す時期またはその近傍時期に設定されている点にある。
同第七の特徴構成は、同請求項14に記載した通り、上述の第一から第六の何れかの特徴構成に加えて、系統連系運転前に運転力率を設定する運転力率設定ステップを備え、系統連系運転時に、系統電圧抑制制御を解除した直後に前記運転力率設定ステップで設定された運転力率で系統連系運転するように構成されている点にある。
本発明によるパワーコンディショナの特徴構成は、同請求項15に記載した通り、上述した第一から第七の何れかの系統電圧抑制制御装置が組み込まれて構成されている点にある。
以上説明した通り、本発明によれば、自然エネルギーを発電に有効利用しながらも、直近の配電線の商用系統電圧を安定的に調整可能なパワーコンディショナの系統電圧抑制制御装置及び系統電圧抑制制御方法を提供することができるようになった。
本発明による系統電圧抑制制御装置が適用される分散型電源の回路構成図 本発明による系統電圧抑制制御装置の制御ブロック図 (a)は出力制限制御ブロック図、(b)は図3(a)のスイッチSWの動作説明図 (a)は力率制御ブロック図、(b)は無効電流制御部により出力される無効電流目標値の更新時期の説明図 (a)は商用系統電圧と第1及び第2閾値電圧と抑制制御モードとの関係の説明図、(b)は各抑制制御時の制御方式の説明図 (a)は低下及び上昇抑制制御部、(b)は低下抑制制御部で算出される低下抑制変化量Δyの特性図、(c)は上昇抑制制御部で算出される上昇抑制変化量Δyの特性図 電圧上昇抑制制御の動作を説明するフローチャート 低下及び上昇抑制制御部のゲイン可変の説明図
以下、本発明による電力変換装置であるパワーコンディショナの系統電圧抑制制御装置及び系統電圧抑制制御方法を図面に基づいて説明する。
図1には、分散型電源の一例である太陽電池発電装置100が示されている。太陽電池発電装置100は太陽電池パネルSPと太陽電池パネルSPが接続されたパワーコンディショナPCを備えて構成され、連系リレー(図示せず)を介して単層三線式の商用系統電源egridに接続されている。尚、本発明はパワーコンディショナPCに接続される発電装置が太陽電池パネルSPに限定されるものではなく、燃料電池等の他の発電装置が接続される場合でも適用可能である。
パワーコンディショナPCは、太陽電池パネルSPで発電された直流電圧を所定の直流リンク電圧Vdcに昇圧するDC/DCコンバータ1と、商用系統電源と連系するように所定の周波数及び電圧値の交流電圧に変換するインバータ3と、インダクタLとコンデンサCで構成され、高調波成分を除去するLCフィルタ4を備えている。尚、Rはインダクタの抵抗成分であり、Rはコンデンサの抵抗成分である。
インバータ3に備えたスイッチS1,S2,S3,S4は、商用系統電源に連系させるべく周波数や電圧が適合するように系統電圧抑制制御装置10を含む制御ブロックによって実行されるPWM制御によってオン/オフされ、LCフィルタ4によってインバータ3の出力から高調波成分が除去され、正弦波の交流電力として出力される。尚、図中、符号Cdcは直流リンク電圧の安定化用の電解コンデンサ、iinvはインバータの出力電流、Rgrid及びLgridは商用系統インピーダンス、euwはu−wの線間電圧、euoはu-o間の商用系統電圧、ewoはw-o間の商用系統電圧、ispは逆潮流電流、Ruwは商用系統に接続されている交流負荷を示す。
図2には、マイクロコンピュータ、メモリ及び周辺回路等を備えて構成された系統電圧抑制制御装置10の制御ブロックを示している。
系統電圧抑制制御装置10は、力率制御部、直流電圧制御部、無効電流制御部、インバータの出力電流制御部の4つの制御ブロックで構成されている。系統電圧抑制制御装置10は、商用電源周期よりも十分短い周期例えば数msec.の周期で各制御ブロックに対応する制御プログラムが繰返し実行される。
具体的に、逆潮流電流推定部11と、第1のPLL処理部12と、第2のPLL処理部13と、帰還信号生成部14と、力率制御部15と、無効電流制御部16と、直流電圧制御部17と、出力制限部18と、無効電力生成部19と、有効電力生成部20と、インバータ出力電流制御部21と、PWM制御部22と、運転力率設定部23等の各制御ブロックを備えている。
逆潮流電流推定部11と第1のPLL処理部12と第2のPLL処理部13と帰還信号生成部14と力率設定部23と力率制御部15により力率制御ブロックが構成され、直流電圧制御部17により直流バス電圧の一定制御ブロックが構成され、無効電流制御部16により無効電流制御ブロックが構成され、無効電力生成部19と有効電力生成部20とインバータ出力電流制御部21とPWM制御部22により出力電流制御ブロックが構成されている。
逆潮流電流推定部11は、電流センサ等を用いたインバータ出力電流iinvの計測値から以下の〔数5〕で求まるコンデンサ電流iを減算することによりパワーコンディショナから商用系統電源egridに出力される逆潮流電流isp(isp=iinv−i)を推定するブロックである。尚、euwは商用系統電圧、iはLCフィルタのコンデンサ電流、Cはコンデンサ容量、Rは内部抵抗である。
第1のPLL処理部12は、商用系統電圧euwの計測値から商用系統電圧euwの位相角度θuwを出力するブロックで、抵抗分圧回路で分圧された交流電圧が商用系統電圧euwとして第1のPLL処理部12に入力されている。
第2のPLL処理部13は、逆潮流電流推定部11で推定された逆潮流電流ispが入力され、PLL処理によって逆潮流電流ispの位相角度θspを出力するブロックである。
帰還信号生成部14は、第1のPLL処理部12及び第2のPLL処理部13から出力される位相角度から得られる商用系統電圧euwと逆潮流電流ispの位相差Δφ(θuw−θsp)に基づいて、力率帰還信号及び無効電流帰還信号を生成するブロックで、cos(Δφ)の値が力率帰還信号PFとして生成され、tan(Δφ)と有効電流の波高値2Puw/Euw・maxの積が無効電流帰還信号Iとして生成される。尚、以下の〔数6〕に示すように、Puwは有効電力、Euw・maxは電圧の最大値、TGridは系統電圧の周期である。
電気事業法により単相三線式の配電系統の電圧範囲は101V±6Vに調整される必要がある。そこで、運転力率設定部23は、商用系統電圧の実効値Euwが第1閾値電圧(本実施形態では98V)以下のときに商用系統電圧の低下を抑制する低下抑制変化量を求めて力率指令値を補正する低下抑制制御部と、実効値Euwが第1閾値電圧より高い第2閾値電圧(本実施形態では104V)以上のときに系統電圧の上昇を抑制する上昇抑制変化量を求めて補力率指令値を補正する上昇抑制制御部とを備えている。補正された力率指令値により系統電圧の上昇抑制及び低下抑制が図られる。
図4(a)に示すように、力率制御部15は、運転力率設定部23で設定された力率指令値PFと力率帰還信号PFの偏差に基づいて補正値を生成するPI制御部15Aと、PI制御部15Aで生成された補正値に力率指令値PFを加算して得られる力率目標値PF realから無効電力を求める係数を、以下の〔数7〕に基づいて生成し、力率指令値PFに従って当該係数に進相または遅相を示す符号を付加する係数生成部15を備えている。尚、力率指令値PFが遅相無効電流を示す場合には符号「+1」が付加され、進相無効電流を示す場合には符号「−1」が付加される。
無効電流制御部16は、力率制御部15で生成された目標力率PFoutと無効電流帰還信号Iとに基づいてインバータ3を制御するインバータ出力電流制御部21に無効電流目標値を出力する制御ブロックである。
具体的に、目標力率PFoutと有効電流の波高値2Puw/Euw・maxの積が無効電流制御値I として生成され、無効電流帰還信号Iが無効電流制御値I に収束するように制御量をPI演算する制御ブロックである。
無効電力生成部19は無効電流制御部16で帰還制御された指令値と、第1のPLL処理部12から入力される商用系統電圧に対応する位相角度θuwの余弦波とを乗算して無効電力成分を生成する制御ブロックである。
有効電力生成部20は直流電圧制御部17から出力されたバイアス直流電圧と商用系統電圧に対応する位相角度θuwの正弦波とを乗算して有効電力成分を生成するブロックである。バイアス直流電圧はDC/DCコンバータ1から入力される直流リンク電圧Vdcを直流バス電圧の指令値V dcに調整して出力する直流電圧制御部17から入力され、商用系統電圧に対応する位相角度θuwの正弦波は第1のPLL処理部12から入力される。
有効電力生成部20及び無効電力生成部19からの出力が加算器で加算されてインバータ3に対する電流指令値i invが生成され、その電流指令値i invがインバータ制御部21に入力される。
無効電流制御部16によって無効電流が可変に制御されることにより皮相電力が大きくなると、パワーコンディショナPCを構成する回路素子の負担が大きくなるため、それに耐える高価な回路素子を選択する必要がある。この問題に対処すべく、有効電力を減少するように調整すると、運転力率の安定性が損なわれ、惹いては商用系統電圧の安定性が損なわれるという問題が生じる。
そこで、出力電力が定格電力に対して所定の許容範囲を逸脱すると、無効電流制御部16及び直流電圧制御部17により出力される電流目標値を制限する出力制限部18を備えている。出力制限部18を備えることにより無効電流制御部16及び直流電圧制御部17により出力される電流目標値が制限されるので、皮相電力を定格値に抑制しながらも安定的に力率が制御できるようになる。
図3(a),(b)に示すように、出力制限部18は、皮相電力の帰還値Suwが皮相電力指令値S uwに収束するようにPI制御を行なう皮相電力制御部と、スイッチSWと加算器を備えている。皮相電力の帰還値Suwが定格電力SPU(SPU=Suw/S uw)に対して±Δx%の範囲内にあるときには、スイッチSWの接点が1に切り替えられて皮相電力が制御され、皮相電力の帰還値Suwが定格電力SPUに対して±Δx%の範囲から逸脱すると、スイッチSWの接点が0に切り替えられ出力がIlimつまり定格電力に制限される。スイッチSWはΔx%のヒステリシスを持って切り替えられる。
インバータ3の出力電流値iinvが帰還値として入力されたインバータ制御部21は、インバータ3の出力電流値が電流指令値i invになるように例えばPI演算等を用いて帰還制御し、インバータ3に対する制御値、ここではデューティ比Dを生成する。インバータ制御部19で生成されたデューティ比DはPWM制御部22に入力されて、PWM制御部22で各スイッチS1,S2,S3,S4に対する制御信号が生成され、バッファ回路を介してインバータ3のスイッチS1,S2,S3,S4に出力される。
図4(b)に示すように、無効電流制御部16及び直流電圧制御部17により出力される電流目標値の更新時期は、商用系統周波数の半周期毎であって逆潮流電流ispの絶対値が最大値を示す時期またはその近傍時期に設定されている。具体的には、|isp|≧X・Ispmaxの範囲(0≦X≦1)に定めている。尚、X≧0.9に設定することが好ましい。
逆潮流電流の振幅は商用系統周波数に基づいてサインカーブを描いて変動するのであるが、サインカーブのゼロクロス点つまり逆潮流電流ispの絶対値が最小値を示す時期に無効電流目標値が更新されると、出力電流の指令値i invの無効成分(無効電流の目標振幅値とCOS(θuw)との積で算出される値)の影響が大きくなるタイミングで出力電流の指令値i invが大きく変化する。その結果、出力電流iinvのオーバーシュートやアンダーシュートが発生し易く、出力電流iinvの安定性が損なわれるおそれがある。
しかし、商用系統周波数の半周期毎であって逆潮流電流ispの絶対値が最大値を示す時期またはその近傍時期に無効電流目標値が更新されると、出力電流の指令値i invの無効成分(無効電流の目標振幅値とCOS(θuw)との積で算出される値)の影響が小さくなるタイミングで出力電流iinvが制御されるため、力率制御の応答性が向上するのみならず出力電流iinvの安定性も向上するようになる。
その結果、力率制御部15で生成された目標力率と無効電流帰還信号に基づいて無効電流制御部16によって無効電流目標値が生成され、インバータ3から所望の逆潮流電流ispが適切に出力されるようになり、商用系統電圧の変動を適切に抑制できるようになる。
以下に、運転力率設定部23について詳述する。
図5(a),(b)に示すように、商用系統電圧の実効値Euwが101±ΔVの範囲に入る標準状態で運転力率設定部23により力率指令値が1に設定された後、商用系統電圧の実効値Euwが101‐ΔV以下に低下すると、低下抑制制御部により低下抑制変化量が算出され、それに基づいて力率指令値PFが補正され、さらに力率制御部によって商用系統に遅相無効電流が供給されることにより商用系統電圧が上昇制御される。また、商用系統電圧の実効値Euwが101+ΔV以上に上昇すると、上昇抑制制御部により上昇抑制変化量が算出され、それに基づいて力率指令値PFが補正され、さらに力率制御部によって商用系統に進相無効電流が供給されることにより商用系統電圧が低下制御される。
そして、系統電圧低下時の抑制制御と系統電圧上昇時の抑制制御との間で制御状態が頻繁に変化しないように、商用系統電圧の実効値Euw101±ΔVの範囲でヒステリシス特性が実現されるように設定されている。力率指令値の下限値PFminは0.8(80%)に設定されている。尚、これらの制御が実行される閾値(実効値Euw101±ΔV)は特に制限される値ではなく適宜設定される値で、単相三線式の商用系統電圧が101±6Vの範囲に規定される日本では、その範囲で設定すればよい。尚、本実施形態ではΔV=3に設定されている。
力率制御部15では各力率指令値PFと力率帰還信号PFとから目標力率が算出され、当該目標力率と無効電流帰還信号に基づいて無効電流制御部16によって無効電流目標値が生成され、インバータ3から所望の逆潮流電流ispが適切に出力される。その結果、パワーコンディショナPCが接続された直近の配電線の商用系統電圧の変動が抑制されるようになる。
低下抑制制御部は、予め設定された力率下限値PFmin(=0.8)までの間で、商用系統電圧の下限許容電圧E minに対する商用系統電圧の偏差に基づいて算出した低下抑制変化量Δyにより現在の力率指令値を補正するように構成され、上昇抑制制御部は、予め設定された力率下限値PFmin(=0.8)までの間で、上限許容電圧E maxに対する商用系統電圧の偏差に基づいて算出した抑制変化量Δyにより現在の力率指令値PFを補正するように構成されている。
図6(a)に示すように、商用系統電圧の実効値Euwが101‐ΔV以下になると、制御スイッチSWが0の位置に切り替わり、電圧低下抑制のための低下抑制変化量Δyが算出され、商用系統電圧の実効値Euwが101+ΔV以上になると、制御スイッチSWが1の位置に切り替わり、電圧上昇抑制のための上昇抑制変化量Δyが算出される。商用系統電圧の実効値は、商用系統の数周期から数十周期の平均値が用いられる。
図6(a)で示す符号E minは電圧低下抑制の整定値つまり101−2・ΔV(=95V)、符号Eminはu‐oとw‐o間の電圧実効値の最小値、符号E maxは電圧上昇抑制の整定値つまり101+2・ΔV(=107V)、符号Emaxはu‐oとw‐o間の電圧実効値の最大値、Δuは電圧上昇抑制の整定値E maxとu‐oとw‐o間の電圧実効値の最大値Emaxの差分である。
電圧低下抑制時の低下抑制変化量Δyつまり補正量は、EminとE minの差分ΔEminに1/(Euo+Ewo)を乗じて正規化した後に、急峻な変動を除去するローパスフィルタ処理し、比例ゲインKpを乗じ、さらにリミッターで上限を制限した値である。図6(b)には、比例ゲインKpが0.5または1.0とした場合の低下抑制変化量Δyが示されている。ここで、リミッターの上下限値はΔV/101に設定している。
電圧上昇抑制時の上昇抑制変化量Δyつまり補正量は、EmaxとE maxの差分ΔEmaxに1/(Euo+Ewo)を乗じて正規化した後に、急峻な変動を除去するローパスフィルタ処理し、比例ゲインKpを乗じ、さらにリミッターで上限を制限した値である。図6(c)には、比例ゲインKpが0.5または1.0とした場合の上昇抑制変化量Δyが示されている。fcはローパスフィルタの遮断周波数である。
比例ゲインKpが小さければ小さいほど、電圧上昇・低下抑制の整定値の付近で上昇・低下抑制変化量Δyが微小になりパワーコンディショナPCの運転力率が安定し、有効・無効電力の変動による商用系統電圧の抑制変動量も抑えることが可能になる。
商用系統電圧の実効値Euwが第1閾値電圧以下のときに、低下抑制制御部によって商用系統電圧の下限許容電圧E minと計測された商用系統電圧の実効値との偏差に基づいた低下抑制変化量Δyが算出されてその低下抑制変化量Δyに従って力率指令値が設定され、商用系統電圧の実効値Euwが第2閾値電圧以上のときに、上昇抑制制御部によって商用系統電圧の上限E maxに対する商用系統電圧の偏差に基づいた上昇抑制変化量Δyが算出されてその上昇抑制変化量Δyに従って力率指令値PFが設定される。何れも力率指令値PFは予め設定された力率下限値PFminを下回ることはない。
上述の出力制限部18は、上昇抑制変化量Δyにより補正された力率指令値が力率下限値PFminに達したときに、無効電流制御部16により出力される無効電流目標値を制限するように構成されている。また、商用系統電圧の上昇を抑制するための力率指令値PFであり、その力率指令値PFが力率下限値PFminに達すると、出力制限部によって無効電流目標値が制限されることにより、商用系統電圧の上昇が抑制される。尚、低下抑制変化量Δyにより補正された力率指令値PFが力率下限値PFminに達しても出力制限部18による無効電流目標値は制限されることがない。
〔数8〕に上昇・抑制変化量Δyを反映した商用系統電圧低下抑制のための力率指令値PFの演算式を示す。
出力電力Puwと定格皮相電力Suw.ratedとの割合から定格時の運転力率係数aを求め、力率下限値PFminと比較して、運転力率係数aと力率下限値PFminとの最大値を求める。運転力率係数aと力率下限値PFminとの最大値を求める理由は、出力制限の制御を行わずに遅れ電力を供給し、力率下限値PFmin(=0.8)まで変更できるようにするためである。商用系統電圧の実効値Euwが101‐ΔV(=98V)以上になると力率指令値PFが運転力率整定値PFcstに戻る。尚、運転力率整定値PFcstの範囲は、力率下限値PFminから1までの間の値に設定可能に構成されている。
図7には、〔数8〕及び〔数9〕に基づく系統電圧上昇抑制のための力率指令値の演算フローが示されている。系統電圧上昇抑制制御の整定値101+2・ΔV(=107V)とフィードバック値の差分Δuが負であれば抑制動作を行ない(S1,S2,S3,S4)、逆であれば抑制解除を行なう(S1,S5,S6,S7)。ここで,電圧上昇抑制動作を行う場合,運転力率を下限値(0.8)まで下げて電圧上昇分を抑制する。この時、商用系統電圧が上昇すると出力制限のためのリミッター値Ilim(図3(b)参照)を下げて出力電力を抑制する。また,電圧上昇抑制解除を行なう場合には出力制限を解除してから運転力率を運転力率整定値PFcstに戻すように構成されている。また、出力制限のためのリミッター値Ilimが力率下限値PFminより大きければ、〔数8〕と〔数9〕を用いて出力制限のためのリミッター値Ilim及び力率指令値PFを運転力率整定値PFcstまで戻して運転力率の一定制御を行なう。
図8には、抑制制御ループの比例ゲインKpを可変に設定される構成が示されている。
図6(a)に示した制御ブロックの抑制電圧の指令値Eの±X%の範囲で、それぞれの比例ゲインKpの値の変更ができるように構成されていることが好ましい。商用系統電圧の上昇抑制動作または低下抑制動作及びその解除の速さを比例ゲインKpの値で調整することができるようになり、抑制指令値の付近でシステムの安定性を向上するために比例ゲインKpの値を下げることもできるためである。尚、比例ゲインKp、Xの値は実験等によって適宜設定される値である。本実施形態ではK1=0.5、K2=0.25、K3=1、X=5に設定されている。
つまり、低下抑制変化量Δyは、少なくとも電圧低下抑制の整定値と商用系統電圧との差分ΔEminと比例ゲインKpとの積により求められ、比例ゲインKpが差分ΔEminの大小に基づいて大小に替えられ、上昇抑制変化量Δyは、少なくとも電圧上昇抑制の整定値と商用系統電圧との差分ΔEmaxと比例ゲインKpとの積により求められ、比例ゲインKpが差分ΔE max の大小に基づいて大小に替えられるように構成されている。
つまり、本発明によるパワーコンディショナの系統電圧抑制制御方法は、商用系統電圧euw、LCフィルタのコンデンサ電流i、コンデンサ容量C、内部抵抗Rとして、インバータ出力電流iinvの計測値から上述した〔数3〕で求まるコンデンサ電流iを減算することによりパワーコンディショナから商用系統電源に出力される逆潮流電流ispを推定する逆潮流電流推定ステップと、商用系統電圧euwの計測値から商用系統電圧euwの位相角度θuwを出力する第1のPLL処理ステップと、逆潮流電流推定ステップで推定された逆潮流電流ispから逆潮流電流ispの位相角度θspを出力する第2のPLL処理ステップと、第1のPLL処理ステップ及び第2のPLL処理ステップから出力される位相角度から得られる商用系統電圧euwと逆潮流電流ispの位相差Δφ(θuw−θsp)に基づいて、力率帰還信号及び無効電流帰還信号を生成する帰還信号生成ステップと、前記商用系統電圧の実効値Euwが第1閾値電圧以下のときに商用系統電圧の低下を抑制する低下抑制変化量を求める低下抑制制御ステップと、前記実効値Euwが前記第1閾値電圧より高い第2閾値電圧以上のときに商用系統電圧の上昇を抑制する上昇抑制変化量を求める上昇抑制制御ステップを含む運転力率設定ステップと、前記力率帰還信号に基づいて逆潮流電力の力率が前記運転力率設定ステップで設定された力率指令値に収束するように目標力率を生成する力率制御ステップと、前記力率制御ステップで生成された目標力率と前記無効電流帰還信号に基づいて、前記インバータを制御するインバータ制御部に無効電流目標値を出力する無効電流制御ステップと、を備えている。
そして、低下抑制変化量により補正された力率指令値は、予め設定された力率下限値PFminまでの間で、商用系統電圧の下限許容電圧E minに対する商用系統電圧の偏差に基づいて算出した低下抑制変化量Δyにより現在の力率指令値を補正するように構成される。また、上昇抑制変化量により補正された力率指令値は、予め設定された力率下限値までの間で、上限許容電圧E maxに対する商用系統電圧の偏差に基づいて算出した上昇抑制変化量Δyにより現在の力率指令値PFを補正するように構成されている。
さらに、上昇抑制制御ステップにより設定された力率指令値PFが力率下限値PFminに達すると、前記無効電流制御ステップにより出力される無効電流目標値を制限する出力制限ステップを備えている。
運転力率制御ステップは、力率指令値PFと力率帰還信号の偏差に基づいて補正値を生成するPI制御ステップと、PI制御ステップで生成された補正値に力率指令値PFを加算して得られる力率目標値PF realから無効電力を求める上述した〔数4〕で定まる係数を生成し、力率指令値に従って当該係数に進相または遅相を示す符号を付加する係数生成ステップを備えて構成されている。
以上説明したように、系統電圧抑制制御装置は、予め商用系統電圧の実効値Euwに第1閾値電圧及び第1閾値電圧より高い第2閾値電圧を設定し、第1閾値電圧と第2閾値電圧との間をヒステリシス領域として、商用系統電圧の実効値Euwが第1閾値電圧以下のときに、遅相電力の供給のみにより商用系統電圧の低下を抑制する系統電圧低下抑制モードで前記インバータを制御し、商用系統電圧の実効値Euwが第2閾値電圧以上のときに、進相電力の供給及び/または有効電力の低減により商用系統電圧の上昇を抑制する系統電圧上昇抑制モードで前記インバータを制御するように構成されている。
上述の各実施形態は本発明によるパワーコンディショナの系統電圧抑制制御装置及び制御方法の一例に過ぎず、各構成ブロックの具体的な構成(ハードウェアやソフトウェア)や各種の数値等は本発明による作用効果が奏される範囲で適宜変更設計することも可能であることはいうまでもない。
1:DC/DCコンバータ
3:インバータ
4:LCフィルタ
10:系統電圧抑制制御装置
11:逆潮流電流推定部
12:第1のPLL処理部
13:第2のPLL処理部
14:帰還信号生成部
15:力率制御部
16:無効電流制御部
17:直流電圧制御部
18:出力制限部
19:無効電力生成部
20:有効電力生成部
21:インバータ制御部
22:PWM制御部
23:運転力率設定部
100:分散型電源(太陽電池発電装置)
PC:パワーコンディショナ
SP:太陽電池パネル
S1,S2,S3,S4:インバータ装置に備えたスイッチ素子

Claims (15)

  1. 直流発電電力を交流電力に変換して商用系統と連系するインバータを備えたパワーコンディショナの系統電圧抑制制御装置であって、
    予め商用系統電圧の実効値Euwに第1閾値電圧及び第1閾値電圧より高い第2閾値電圧を設定し、前記第1閾値電圧と前記第2閾値電圧との間をヒステリシス領域として、商用系統電圧の実効値Euwが前記第1閾値電圧以下のときに、遅相電力の供給のみにより商用系統電圧の低下を抑制する系統電圧低下抑制モードで前記インバータを制御し、商用系統電圧の実効値Euwが前記第2閾値電圧以上のときに、進相電力の供給及び/または有効電力の低減により商用系統電圧の上昇を抑制する系統電圧上昇抑制モードで前記インバータを制御するように構成されている系統電圧抑制制御装置。
  2. 直流発電電力を交流電力に変換して商用系統と連系するインバータと、前記インバータの出力から高調波成分を除去するLCフィルタを備えたパワーコンディショナの系統電圧抑制制御装置であって、
    商用系統電圧euw、LCフィルタのコンデンサ電流i、コンデンサ容量C、内部抵抗Rとして、インバータ出力電流iinvの計測値から

    で求まるコンデンサ電流iを減算することによりパワーコンディショナから商用系統電源に出力される逆潮流電流ispを推定する逆潮流電流推定部と、
    商用系統電圧euwの計測値から商用系統電圧euwの位相角度θuwを出力する第1のPLL処理部と、
    前記逆潮流電流推定部で推定された逆潮流電流ispから逆潮流電流ispの位相角度θspを出力する第2のPLL処理部と、
    前記第1のPLL処理部及び第2のPLL処理部から出力される位相角度から得られる商用系統電圧euwと逆潮流電流ispの位相差Δφ(θuw−θsp)に基づいて、力率帰還信号及び無効電流帰還信号を生成する帰還信号生成部と、
    前記商用系統電圧の実効値Euwが第1閾値電圧以下のときに商用系統電圧の低下を抑制する低下抑制変化量を求める低下抑制制御部と、前記実効値Euwが前記第1閾値電圧より高い第2閾値電圧以上のときに商用系統電圧の上昇を抑制する上昇抑制変化量を求める上昇抑制制御部を含む運転力率設定部と、
    前記力率帰還信号に基づいて逆潮流電力の力率が前記運転力率設定部で設定された力率指令値に収束するように目標力率を生成する力率制御部と、
    前記力率制御部で生成された目標力率と前記無効電流帰還信号に基づいて、前記インバータを制御するインバータ制御部に無効電流目標値を出力する無効電流制御部と、
    を備えている系統電圧抑制制御装置。
  3. 前記低下抑制制御部は、予め設定された力率下限値PFminまでの間で、前記商用系統電圧の下限許容電圧E minに対する商用系統電圧の偏差に基づいて算出した低下抑制変化量Δyにより現在の力率指令値PFを補正するように構成され、
    前記上昇抑制制御部は、予め設定された力率下限値PFminまでの間で、上限許容電圧E maxに対する商用系統電圧の偏差に基づいて算出した上昇抑制変化量Δyにより現在の力率指令値PFを補正するように構成されている請求項2記載の系統電圧抑制制御装置。
  4. 前記上昇抑制制御部により設定された力率指令値PFが力率下限値PFminに達すると、前記無効電流制御部により出力される無効電流目標値を制限する出力制限部を備えている請求項3記載の系統電圧抑制制御装置。
  5. 前記力率制御部は、力率指令値PFと力率帰還信号の偏差に基づいて補正値を生成するPI制御部と、前記PI制御部で生成された補正値に力率指令値PFを加算して得られる力率目標値PF realから無効電力を求める係数

    を生成し、力率指令値PFに従って当該係数に進相または遅相を示す符号を付加する係数生成部を備えて構成されている請求項2から4の何れかに記載の系統電圧抑制制御装置。
  6. 前記無効電流制御部により出力される無効電流目標値の更新時期は、商用系統周波数の半周期毎であって逆潮流電流ispの絶対値が最大値を示す時期またはその近傍時期に設定され、測定した逆潮流電流ispの無効成分が逆潮流電流ispの絶対値の最大値の近傍時期で変化するように構成されている請求項2から5の何れかに記載の系統電圧抑制制御装置。
  7. 前記低下抑制変化量Δyは、少なくとも電圧低下抑制の整定値と商用系統電圧との差分ΔEminと比例ゲインKpとの積により求められ、前記比例ゲインKpが前記差分ΔEminの大小に基づいて大小に替えられ、前記上昇抑制変化量Δyは、少なくとも電圧上昇抑制の整定値と商用系統電圧との差分ΔEmaxと比例ゲインKpとの積により求められ、前記比例ゲインKpが前記差分ΔEminの大小に基づいて大小に替えられるように構成されている請求項2から6の何れかに記載の系統電圧抑制制御装置。
  8. 直流発電電力を交流電力に変換して商用系統と連系するインバータと、前記インバータの出力から高調波成分を除去するLCフィルタを備えたパワーコンディショナの系統電圧抑制制御方法であって、
    商用系統電圧euw、LCフィルタのコンデンサ電流i、コンデンサ容量C、内部抵抗Rとして、インバータ出力電流iinvの計測値から

    で求まるコンデンサ電流iを減算することによりパワーコンディショナから商用系統電源に出力される逆潮流電流ispを推定する逆潮流電流推定ステップと、
    商用系統電圧euwの計測値から商用系統電圧euwの位相角度θuwを出力する第1のPLL処理ステップと、
    前記逆潮流電流推定ステップで推定された逆潮流電流ispから逆潮流電流ispの位相角度θspを出力する第2のPLL処理ステップと、
    前記第1のPLL処理ステップ及び第2のPLL処理ステップから出力される位相角度から得られる商用系統電圧euwと逆潮流電流ispの位相差Δφ(θuw−θsp)に基づいて、力率帰還信号及び無効電流帰還信号を生成する帰還信号生成ステップと、
    前記商用系統電圧の実効値Euwが第1閾値電圧以下のときに商用系統電圧の低下を抑制する低下抑制変化量を求める低下抑制制御ステップと、前記実効値Euwが前記第1閾値電圧より高い第2閾値電圧以上のときに商用系統電圧の上昇を抑制する上昇抑制変化量を求める上昇抑制制御ステップを含む運転力率設定ステップと、
    前記力率帰還信号に基づいて逆潮流電力の力率が前記運転力率設定ステップで設定された力率指令値に収束するように目標力率を生成する力率制御ステップと、
    前記力率制御ステップで生成された目標力率と前記無効電流帰還信号に基づいて、前記インバータを制御するインバータ制御部に無効電流目標値を出力する無効電流制御ステップと、
    を備えている系統電圧抑制制御方法。
  9. 前記低下抑制制御ステップは、予め設定された力率下限値PFminまでの間で、前記商用系統電圧の下限許容電圧E minに対する商用系統電圧の偏差に基づいて算出した低下抑制変化量Δyにより現在の力率指令値PFを補正するように構成され、
    前記上昇抑制制御ステップは、予め設定された力率下限値PFminまでの間で、上限許容電圧E maxに対する商用系統電圧の偏差に基づいて算出した上昇抑制変化量Δyにより現在の力率指令値PFを補正するように構成されている請求項8記載の系統電圧抑制制御方法。
  10. 前記上昇抑制制御ステップにより設定された力率指令値PFが力率下限値PFminに達すると、前記無効電流制御ステップにより出力される無効電流目標値を制限する出力制限ステップを備えている請求項9記載の系統電圧抑制制御方法。
  11. 前記運転力率制御ステップは、力率指令値PFと力率帰還信号の偏差に基づいて補正値を生成するPI制御ステップと、前記PI制御ステップで生成された補正値に力率指令値PFを加算して得られる力率目標値PF realから無効電力を求める係数

    を生成し、力率指令値PFに従って当該係数に進相または遅相を示す符号を付加する係数生成ステップを備えて構成されている請求項8から10の何れかに記載の系統電圧抑制制御方法。
  12. 前記無効電流制御ステップにより出力される無効電流目標値の更新時期は、商用系統周波数の半周期毎であって逆潮流電流ispの絶対値が最大値を示す時期またはその近傍時期に設定されている請求項8から11の何れかに記載のパワーコンディショナの系統電圧抑制制御方法。
  13. 前記低下抑制変化量Δyは、少なくとも電圧低下抑制の整定値と商用系統電圧との差分ΔEminと比例ゲインKpとの積により求められ、前記比例ゲインKpが前記差分ΔEminの大小に基づいて大小に替えられ、前記上昇抑制変化量Δyは、少なくとも電圧上昇抑制の整定値と商用系統電圧との差分ΔEmaxと比例ゲインKpとの積により求められ、前記比例ゲインKpが前記差分ΔEminの大小に基づいて大小に替えられるように構成されている請求項8から12の何れかに記載の系統電圧抑制制御装置。
  14. 系統連系運転前に運転力率を設定する運転力率設定ステップを備え、
    系統連系運転時に、系統電圧抑制制御を解除した直後に前記運転力率設定ステップで設定された運転力率で系統連系運転するように構成されている請求項8から13の何れかに記載の系統電圧抑制制御方法。
  15. 請求項1から7の何れかに記載の系統電圧抑制制御装置が組み込まれて構成されているパワーコンディショナ。
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