JP2016172829A - 被覆半導体ナノ粒子およびその製造方法。 - Google Patents
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Abstract
【課題】十分な蛍光強度を有する被覆半導体ナノ粒子を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の被覆半導体ナノ粒子の製造方法は、コア/シェル構造を有する半導体ナノ粒子と、当該半導体ナノ粒子を被覆するケイ素を含有する透光性被覆層とを有する被覆半導体ナノ粒子の製造方法に関する。そして、半導体ナノ粒子と、シラン化合物とを酸化防止剤の存在下で接触させる工程を有し、当該酸化防止剤は、リン原子および硫黄原子の少なくとも一方を有し、かつ、ヒドロキシ基を有さない化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする。
【選択図】なし
【解決手段】本発明の被覆半導体ナノ粒子の製造方法は、コア/シェル構造を有する半導体ナノ粒子と、当該半導体ナノ粒子を被覆するケイ素を含有する透光性被覆層とを有する被覆半導体ナノ粒子の製造方法に関する。そして、半導体ナノ粒子と、シラン化合物とを酸化防止剤の存在下で接触させる工程を有し、当該酸化防止剤は、リン原子および硫黄原子の少なくとも一方を有し、かつ、ヒドロキシ基を有さない化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、被覆半導体ナノ粒子およびその製造方法に関する。より詳細には、本発明は、被覆半導体ナノ粒子半導体の蛍光強度を向上させるための技術に関する。
近年、バイオイメージングにおける標識剤やディスプレイ、LED照明などに使用するために発光効率および輝度が高く、種々の色で発光する高性能な蛍光体が不可欠となっている。さらに、ディスプレイや照明においては演色性や耐久性も蛍光体に要望されている。従来の希土類イオンや遷移金属イオンを用いた蛍光体は、有機色素等に比べると耐久性に優れていたためディスプレイ等に使用されてきたが、輝度や演色性は必ずしも十分ではなく、それらを凌ぐ高性能の蛍光体、特に、高輝度の蛍光体が要望されている。
これらの要望を実現するための高性能蛍光体として、半導体ナノ粒子が注目されている。蛍光発光する半導体ナノ粒子としてはII−VI、およびIII−V族の半導体ナノ粒子が広く知られている。しかし、これらの半導体ナノ粒子を使用する場合、一粒子当たりの輝度はまだまだ足りないというのが現状である。
一般的に、コア半導体ナノ粒子だけでは粒子の輝度は非常に低いため、コア粒子よりもバンドギャップの広い半導体材料をシェルとして用いる技術が提案されている。このようなコア/シェル構造を有する半導体ナノ粒子とすることにより、量子井戸が形成され量子閉じ込め効果により輝度が著しく向上する。
また、半導体ナノ粒子は、凝集したり、外部環境により劣化したりすることによって、輝度が低下することが知られている。したがって、高輝度化する方法として、半導体ナノ粒子の表面を透明なガラス等の材料で被覆する、あるいは、当該材料からなるマトリックス中に分散固定する形で閉じ込めることにより、種々の環境下で長期にわたって高輝度発光特性を示す光学的応用に適した固体材料とする技術が提案されている。
例えば、特許文献1では、湿式方法で製造された量子ドットの表面をホスフィン系、アミン系、またはチオール系の作用基と、ゾル−ゲル反応性基を有するシラン化合物で置換した後、置換された量子ドットを基板上にコーティングしてからゾル−ゲル反応させて熱処理する段階を含む量子ドットシリケート薄膜の製造方法が開示されている。
特許文献2では、pH5.5〜8.5に調整した金属アルコキシドの加水分解溶液と、発光効率25%以上の半導体ナノ粒子の分散液とを混合した後、硬化させる、蛍光体の製造方法が開示されている。
特許文献3では、オルガノアルコキシシランで表面処理した基体を、界面活性剤を含む半導体ナノ粒子の水溶液およびオルガノアルコキシシランで交互に処理する、蛍光体の製造方法(レイヤーバーイレイヤー法)が開示されている。
特許文献4では、半導体ナノ粒子を分散した有機溶媒と、異なる加水分解速度を有する2種の金属アルコキシドとを混合、攪拌して、半導体ナノ粒子集合体を得た後、これを含むアルカリ性水溶液中に金属アルコキシドを含む溶液を添加し、半導体ナノ粒子集合体の表面に被覆層を形成する、蛍光性微粒子の製造方法が開示されている。
しかしながら、上記製造方法によって被覆された半導体ナノ粒子であっても、所望のレベルの蛍光強度を達成するには至っていない、という問題を有していた。
そこで本発明は、十分な蛍光強度を有する被覆半導体ナノ粒子を提供することを目的とする。
本発明の上記課題は、以下の構成により解決される。
1.コア/シェル構造を有する半導体ナノ粒子と、前記半導体ナノ粒子を被覆するケイ素を含有する透光性被覆層とを有する被覆半導体ナノ粒子の製造方法であって、
前記半導体ナノ粒子と、シラン化合物とを酸化防止剤の存在下で接触させる工程を有し、
前記酸化防止剤は、リン原子および硫黄原子の少なくとも一方を有し、かつ、ヒドロキシ基を有さない化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含む、被覆半導体ナノ粒子の製造方法。
2.前記酸化防止剤は、ホスファイト化合物およびチオエーテル化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含む、上記1に記載の被覆半導体ナノ粒子の製造方法。
3.前記酸化防止剤は、下記一般式1〜6で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含む、上記請求項1または2に記載の被覆半導体ナノ粒子の製造方法;
1.コア/シェル構造を有する半導体ナノ粒子と、前記半導体ナノ粒子を被覆するケイ素を含有する透光性被覆層とを有する被覆半導体ナノ粒子の製造方法であって、
前記半導体ナノ粒子と、シラン化合物とを酸化防止剤の存在下で接触させる工程を有し、
前記酸化防止剤は、リン原子および硫黄原子の少なくとも一方を有し、かつ、ヒドロキシ基を有さない化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含む、被覆半導体ナノ粒子の製造方法。
2.前記酸化防止剤は、ホスファイト化合物およびチオエーテル化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含む、上記1に記載の被覆半導体ナノ粒子の製造方法。
3.前記酸化防止剤は、下記一般式1〜6で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含む、上記請求項1または2に記載の被覆半導体ナノ粒子の製造方法;
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立して、置換されたもしくは非置換の炭素原子数1〜30のアルキル基を表す。)
(式中、R3、R4、R5、およびR6は、それぞれ独立して、置換されたもしくは非置換の炭素原子数1〜25のアルキル基、または、置換されたもしくは非置換の炭素原子数6〜30のアリール基を表し、R7は、置換されたもしくは非置換の炭素原子数4〜33のアルキレン基、置換されたもしくは非置換の炭素原子数6〜40のアリーレン基を表す。)
(式中、Ar1およびAr2は、それぞれ独立して、置換されたもしくは非置換の炭素原子数6〜35のアリール基を表す。)
(式中、R8およびR9は、それぞれ独立して、水素原子、または、置換されたもしくは非置換の炭素原子数1〜4のアルキル基を表す。)
(式中、R10およびR11は、それぞれ独立して、水素原子、または、置換されたもしくは非置換の炭素原子数1〜4のアルキル基を表す。)
(式中、R12およびR14は、それぞれ独立して、水素原子、または、置換されたもしくは非置換の炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、R13は、置換されたもしくは非置換の炭素原子数1〜18のアルキル基を表す。)
4.前記工程において、前記半導体ナノ粒子を分散させた分散液に、酸化防止剤を前記半導体ナノ粒子1molに対し、0.1〜200mol%添加する、上記1〜3のいずれかに記載の被覆半導体ナノ粒子の製造方法。
5.上記1〜4のいずれかに記載の製造方法によって製造されてなる、被覆半導体ナノ粒子。
6.上記5に記載の被覆半導体ナノ粒子が複数凝集した凝集体を含む、半導体ナノ粒子集積体。
5.上記1〜4のいずれかに記載の製造方法によって製造されてなる、被覆半導体ナノ粒子。
6.上記5に記載の被覆半導体ナノ粒子が複数凝集した凝集体を含む、半導体ナノ粒子集積体。
本発明によれば、十分な蛍光強度を有する被覆半導体ナノ粒子を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施形態を説明する。ただし、本発明は以下の形態のみに制限されない。なお、数値範囲を示す「〜」の記載については、その前後に記載される下限値および上限値が当該数値範囲に含まれる。
本発明の一形態に係る被覆半導体ナノ粒子の製造方法は、コア/シェル構造を有する半導体ナノ粒子と、当該半導体ナノ粒子を被覆するケイ素を含有する透光性被覆層とを有する被覆半導体ナノ粒子の製造方法に関する。そして、半導体ナノ粒子と、シラン化合物とを酸化防止剤の存在下で接触させる工程を有し、当該酸化防止剤は、リン原子および硫黄原子の少なくとも一方を有し、かつ、ヒドロキシ基を有さない化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする。また、本発明の他の一形態に係る被覆半導体ナノ粒子、上記製造方法によって製造されてなることを特徴とする。
本形態の製造方法は、上記の構成を有することにより、十分な蛍光強度を有する被覆半導体ナノ粒子を提供することが可能となる。
本形態の製造方法によって製造されてなる被覆半導体ナノ粒子が上記効果を奏する理由は、定かではないが、本発明者らは以下のように推測している。すなわち、半導体ナノ粒子は、通常、粒子の表面に有機配位子が配位された状態で溶液中に存在する。被覆半導体ナノ粒子を製造する際は、溶液中で当該有機配位子が、シラン化合物により置換される段階を経ることになる(以下、この置換される段階を「表面シラン化」とも称する)。本形態の製造方法によると、半導体ナノ粒子と、シラン化合物とを接触させる際に、特定の構造を有する酸化防止剤の存在下で行うことにより、有機配位子とシラン化合物との交換が緩やかに起こる(交換速度が遅くなる)ため、半導体ナノ粒子の表面にシラン化合物の層が緻密に形成されうる。その結果、緻密で欠陥等の少ない透光性被覆層が形成され、半導体ナノ粒子の蛍光強度が向上するものと推測される。
また、半導体ナノ粒子の表面に配位する有機配位子は、半導体ナノ粒子を外部環境(光、酸素、熱)等から保護する役割を有するが、表面シラン化の際、一時的に半導体ナノ粒子の表面は有機配位子が外れた無防備な状態となり、反応系内に存在する酸素や、ラジカル化および/または酸化された有機配位子などの影響により半導体ナノ粒子の劣化が進行しやすくなる。本形態の製造方法によると、表面シラン化の際に、半導体ナノ粒子の表面近傍に酸化防止剤が存在することにより、このような半導体ナノ粒子の劣化が抑制され、半導体ナノ粒子の蛍光強度が維持されるものと推測される。なお、上記メカニズムはあくまでも推測であり、本発明は当該メカニズムに何ら制限されるものではない。
以下では、まず本発明の一形態に係る被覆半導体ナノ粒子の構成について説明した後で、当該被覆半導体ナノ粒子の製造方法について説明する。
〈被覆半導体ナノ粒子〉
図1は、本発明の一実施形態に係る被覆半導体ナノ粒子の典型的な構成を表す断面模式図である。図1によると、被覆半導体ナノ粒子10は、コア部11およびシェル部12を有する半導体ナノ粒子13と、半導体ナノ粒子13を被覆する透光性被覆層14とを有する。なお、図1では、半導体ナノ粒子13の表面全体が透光性被覆層14により被覆されているが、本発明に係る被覆半導体ナノ粒子はこのような形態のみに限定されず、半導体ナノ粒子13の表面の少なくとも一部が透光性被覆層14により被覆されていればよい。
図1は、本発明の一実施形態に係る被覆半導体ナノ粒子の典型的な構成を表す断面模式図である。図1によると、被覆半導体ナノ粒子10は、コア部11およびシェル部12を有する半導体ナノ粒子13と、半導体ナノ粒子13を被覆する透光性被覆層14とを有する。なお、図1では、半導体ナノ粒子13の表面全体が透光性被覆層14により被覆されているが、本発明に係る被覆半導体ナノ粒子はこのような形態のみに限定されず、半導体ナノ粒子13の表面の少なくとも一部が透光性被覆層14により被覆されていればよい。
[半導体ナノ粒子]
本明細書において、半導体ナノ粒子とは、半導体材料の結晶で構成され、量子閉じ込め効果を有する所定の大きさの粒子をいい、その粒径が数nm〜数十nm程度の微粒子であり、下記に示す量子ドット効果が得られるものをいう。
本明細書において、半導体ナノ粒子とは、半導体材料の結晶で構成され、量子閉じ込め効果を有する所定の大きさの粒子をいい、その粒径が数nm〜数十nm程度の微粒子であり、下記に示す量子ドット効果が得られるものをいう。
このような半導体ナノ粒子のエネルギー準位Eは、一般に、プランク定数を「h」と、電子の有効質量を「m」と、半導体ナノ粒子の半径を「R」としたとき、下記式(1)で表される。
式(1)で示されるように、半導体ナノ粒子のバンドギャップは、「R−2」に比例して大きくなり、いわゆる、量子ドット効果が得られる。このように、半導体ナノ粒子の粒径を制御、規定することによって、半導体ナノ粒子のバンドギャップ値を制御することができる。すなわち、微粒子の粒径を制御、規定することにより、通常の原子にはない多様性を持たせることができる。そのため、光によって励起させたり、光を所望の波長の光に変換して出射させたりすることができる。本明細書では、このような発光性の半導体ナノ粒子材料を半導体ナノ粒子と定義する。
本形態に係る半導体ナノ粒子は、コア/シェル構造を有する。コア/シェル構造を有することにより、量子井戸が形成され量子閉じ込め効果により輝度が向上する。
なお、本明細書中、コア/シェル構造を有する半導体ナノ粒子を、単に「コアシェル半導体ナノ粒子」とも称する。また、本明細書中、コア/シェル構造を有する半導体ナノ粒子の表記法として、例えば、コア部がCdSe、シェル部がZnSの場合、「CdSe/ZnS」と表記する場合があり、このようなコアシェル半導体ナノ粒子を、「CdSe/ZnSコアシェル半導体ナノ粒子」と称する場合がある。
〔半導体ナノ粒子の構成材料〕
コアシェル半導体ナノ粒子のコア部の構成材料としては、以下のものを使用することができる。例えば、炭素、ケイ素、ゲルマニウム、スズ等の長周期型周期表第14族元素の単体;リン(黒リン)等の長周期型周期表第15族元素の単体;セレン、テルル等の長周期型周期表第16族元素の単体;炭化ケイ素(SiC)等の複数の長周期型周期表第14族元素からなる化合物;酸化スズ(IV)(SnO2)、硫化スズ(II、IV)(Sn(II)Sn(IV)S3)、硫化スズ(IV)(SnS2)、硫化スズ(II)(SnS)、セレン化スズ(II)(SnSe)、テルル化スズ(II)(SnTe)、硫化鉛(II)(PbS)、セレン化鉛(II)(PbSe)、テルル化鉛(II)(PbTe)等の長周期型周期表第14族元素と長周期型周期表第16族元素との化合物;窒化ホウ素(BN)、リン化ホウ素(BP)、ヒ化ホウ素(BAs)、窒化アルミニウム(AlN)、リン化アルミニウム(AlP)、ヒ化アルミニウム(AlAs)、アンチモン化アルミニウム(AlSb)、窒化ガリウム(GaN)、リン化ガリウム(GaP)、ヒ化ガリウム(GaAs)、アンチモン化ガリウム(GaSb)、窒化インジウム(InN)、リン化インジウム(InP)、ヒ化インジウム(InAs)、アンチモン化インジウム(InSb)等の長周期型周期表第13族元素と周期表第15族元素との化合物(あるいはIII−V族化合物半導体);硫化アルミニウム(Al2S3)、セレン化アルミニウム(Al2Se3)、硫化ガリウム(Ga2S3)、セレン化ガリウム(Ga2Se3)、テルル化ガリウム(Ga2Te3)、酸化インジウム(In2O3)、硫化インジウム(In2S3)、セレン化インジウム(In2Se3)、テルル化インジウム(In2Te3)等の長周期型周期表第13族元素と長周期型周期表第16族元素との化合物;塩化タリウム(I)(TlCl)、臭化タリウム(I)(TlBr)、ヨウ化タリウム(I)(TlI)等の長周期型周期表第13族元素と長周期型周期表第17族元素との化合物;酸化亜鉛(ZnO)、硫化亜鉛(ZnS)、セレン化亜鉛(ZnSe)、テルル化亜鉛(ZnTe)、酸化カドミウム(CdO)、硫化カドミウム(CdS)、セレン化カドミウム(CdSe)、テルル化カドミウム(CdTe)、硫化水銀(HgS)、セレン化水銀(HgSe)、テルル化水銀(HgTe)等の長周期型周期表第12族元素と長周期型周期表第16族元素との化合物(あるいはII−VI族化合物半導体)、硫化ヒ素(III)(As2S3)、セレン化ヒ素(III)(As2Se3)、テルル化ヒ素(III)(As2Te3)、硫化アンチモン(III)(Sb2S3)、セレン化アンチモン(III)(Sb2Se3)、テルル化アンチモン(III)(Sb2Te3)、硫化ビスマス(III)(Bi2S3)、セレン化ビスマス(III)(Bi2Se3)、テルル化ビスマス(III)(Bi2Te3)等の長周期型周期表第15族元素と長周期型周期表第16族元素との化合物;酸化銅(I)(Cu2O)、セレン化銅(I)(Cu2Se)等の長周期型周期表第11族元素と長周期型周期表第16族元素との化合物;塩化銅(I)(CuCl)、臭化銅(I)(CuBr)、ヨウ化銅(I)(CuI)、塩化銀(AgCl)、臭化銀(AgBr)等の長周期型周期表第11族元素と長周期型周期表第17族元素との化合物;酸化ニッケル(II)(NiO)等の長周期型周期表第10族元素と長周期型周期表第16族元素との化合物;酸化コバルト(II)(CoO)、硫化コバルト(II)(CoS)等の長周期型周期表第9族元素と長周期型周期表第16族元素との化合物、四酸化三鉄(Fe3O4)、硫化鉄(II)(FeS)等の長周期型周期表第8族元素と長周期型周期表第16族元素との化合物;酸化マンガン(II)(MnO)等の長周期型周期表第7族元素と長周期型周期表第16族元素との化合物;硫化モリブデン(IV)(MoS2)、酸化タングステン(IV)(WO2)等の長周期型周期表第6族元素と長周期型周期表第16族元素との化合物;酸化バナジウム(II)(VO)、酸化バナジウム(IV)(VO2)、酸化タンタル(V)(Ta2O5)等の長周期型周期表第5族元素と長周期型周期表第16族元素との化合物;酸化チタン(TiO2、Ti2O5、Ti2O3、Ti5O9等)等の長周期型周期表第4族元素と長周期型周期表第16族元素との化合物;硫化マグネシウム(MgS)、セレン化マグネシウム(MgSe)等の長周期型周期表第2族元素と長周期型周期表第16族元素との化合物;酸化カドミウム(II)クロム(III)(CdCr2O4)、セレン化カドミウム(II)クロム(III)(CdCr2Se4)、硫化銅(II)クロム(III)(CuCr2S4)、セレン化水銀(II)クロム(III)(HgCr2Se4)等のカルコゲンスピネル類、バリウムチタネート(BaTiO3)等が挙げられる。これらコア部の構成材料は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
コアシェル半導体ナノ粒子のコア部の構成材料としては、以下のものを使用することができる。例えば、炭素、ケイ素、ゲルマニウム、スズ等の長周期型周期表第14族元素の単体;リン(黒リン)等の長周期型周期表第15族元素の単体;セレン、テルル等の長周期型周期表第16族元素の単体;炭化ケイ素(SiC)等の複数の長周期型周期表第14族元素からなる化合物;酸化スズ(IV)(SnO2)、硫化スズ(II、IV)(Sn(II)Sn(IV)S3)、硫化スズ(IV)(SnS2)、硫化スズ(II)(SnS)、セレン化スズ(II)(SnSe)、テルル化スズ(II)(SnTe)、硫化鉛(II)(PbS)、セレン化鉛(II)(PbSe)、テルル化鉛(II)(PbTe)等の長周期型周期表第14族元素と長周期型周期表第16族元素との化合物;窒化ホウ素(BN)、リン化ホウ素(BP)、ヒ化ホウ素(BAs)、窒化アルミニウム(AlN)、リン化アルミニウム(AlP)、ヒ化アルミニウム(AlAs)、アンチモン化アルミニウム(AlSb)、窒化ガリウム(GaN)、リン化ガリウム(GaP)、ヒ化ガリウム(GaAs)、アンチモン化ガリウム(GaSb)、窒化インジウム(InN)、リン化インジウム(InP)、ヒ化インジウム(InAs)、アンチモン化インジウム(InSb)等の長周期型周期表第13族元素と周期表第15族元素との化合物(あるいはIII−V族化合物半導体);硫化アルミニウム(Al2S3)、セレン化アルミニウム(Al2Se3)、硫化ガリウム(Ga2S3)、セレン化ガリウム(Ga2Se3)、テルル化ガリウム(Ga2Te3)、酸化インジウム(In2O3)、硫化インジウム(In2S3)、セレン化インジウム(In2Se3)、テルル化インジウム(In2Te3)等の長周期型周期表第13族元素と長周期型周期表第16族元素との化合物;塩化タリウム(I)(TlCl)、臭化タリウム(I)(TlBr)、ヨウ化タリウム(I)(TlI)等の長周期型周期表第13族元素と長周期型周期表第17族元素との化合物;酸化亜鉛(ZnO)、硫化亜鉛(ZnS)、セレン化亜鉛(ZnSe)、テルル化亜鉛(ZnTe)、酸化カドミウム(CdO)、硫化カドミウム(CdS)、セレン化カドミウム(CdSe)、テルル化カドミウム(CdTe)、硫化水銀(HgS)、セレン化水銀(HgSe)、テルル化水銀(HgTe)等の長周期型周期表第12族元素と長周期型周期表第16族元素との化合物(あるいはII−VI族化合物半導体)、硫化ヒ素(III)(As2S3)、セレン化ヒ素(III)(As2Se3)、テルル化ヒ素(III)(As2Te3)、硫化アンチモン(III)(Sb2S3)、セレン化アンチモン(III)(Sb2Se3)、テルル化アンチモン(III)(Sb2Te3)、硫化ビスマス(III)(Bi2S3)、セレン化ビスマス(III)(Bi2Se3)、テルル化ビスマス(III)(Bi2Te3)等の長周期型周期表第15族元素と長周期型周期表第16族元素との化合物;酸化銅(I)(Cu2O)、セレン化銅(I)(Cu2Se)等の長周期型周期表第11族元素と長周期型周期表第16族元素との化合物;塩化銅(I)(CuCl)、臭化銅(I)(CuBr)、ヨウ化銅(I)(CuI)、塩化銀(AgCl)、臭化銀(AgBr)等の長周期型周期表第11族元素と長周期型周期表第17族元素との化合物;酸化ニッケル(II)(NiO)等の長周期型周期表第10族元素と長周期型周期表第16族元素との化合物;酸化コバルト(II)(CoO)、硫化コバルト(II)(CoS)等の長周期型周期表第9族元素と長周期型周期表第16族元素との化合物、四酸化三鉄(Fe3O4)、硫化鉄(II)(FeS)等の長周期型周期表第8族元素と長周期型周期表第16族元素との化合物;酸化マンガン(II)(MnO)等の長周期型周期表第7族元素と長周期型周期表第16族元素との化合物;硫化モリブデン(IV)(MoS2)、酸化タングステン(IV)(WO2)等の長周期型周期表第6族元素と長周期型周期表第16族元素との化合物;酸化バナジウム(II)(VO)、酸化バナジウム(IV)(VO2)、酸化タンタル(V)(Ta2O5)等の長周期型周期表第5族元素と長周期型周期表第16族元素との化合物;酸化チタン(TiO2、Ti2O5、Ti2O3、Ti5O9等)等の長周期型周期表第4族元素と長周期型周期表第16族元素との化合物;硫化マグネシウム(MgS)、セレン化マグネシウム(MgSe)等の長周期型周期表第2族元素と長周期型周期表第16族元素との化合物;酸化カドミウム(II)クロム(III)(CdCr2O4)、セレン化カドミウム(II)クロム(III)(CdCr2Se4)、硫化銅(II)クロム(III)(CuCr2S4)、セレン化水銀(II)クロム(III)(HgCr2Se4)等のカルコゲンスピネル類、バリウムチタネート(BaTiO3)等が挙げられる。これらコア部の構成材料は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、SnS2、SnS、SnSe、SnTe、PbS、PbSe、PbTe等の長周期型周期表第14族元素と長周期型周期表第16族元素との化合物、GaN、GaP、GaAs、GaSb、InN、InP、InAs、InSb等のIII−V族化合物半導体、Ga2O3、Ga2S3、Ga2Se3、Ga2Te3、In2O3、In2S3、In2Se3、In2Te3等の長周期型周期表第13族元素と長周期型周期表第16族元素との化合物;ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdO、CdS、CdSe、CdTe、HgO、HgS、HgSe、HgTe等のII−VI族化合物半導体、As2O3、As2S3、As2Se3、As2Te3、Sb2O3、Sb2S3、Sb2Se3、Sb2Te3、Bi2O3、Bi2S3、Bi2Se3、Bi2Te3等の長周期型周期表第15族元素と長周期型周期表第16族元素との化合物;MgS、MgSe等の長周期型周期表第2族元素と長周期型周期表第16族元素との化合物が好ましい。さらに、Si、Ge、GaN、GaP、InN、InP、Ga2O3、Ga2S3、In2O3、In2S3、ZnO、ZnS、ZnSe、CdO、CdS、CdSeがより好ましい。これらの物質は、毒性の高い陰性元素を含まないので耐環境汚染性や生物への安全性に優れている。これらの材料のうち、InP、CdSe、ZnSe、CdSは、発光の安定性の点で特に好ましい。
シェル部としては、コア部の保護膜として機能する材料であれば、特に制限はなく使用できる。シェル部は、バンドギャップ(禁制帯幅)が、コア部のバンドギャップよりも大きな半導体を含むことが好ましい。シェル部にこのような半導体を用いることによって、半導体ナノ粒子にエネルギー的な障壁が形成され、良好な発光性能を得ることができる。
シェルに好ましく用いられる半導体材料は、用いられるコアのバンドギャップにも依存するが、例えば、ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdO、CdS、CdSe、CdTe、MgS、MgSe、GaAs、GaN、GaP、GaAs、GaSb、HgO、HgS、HgSe、HgTe、InAs、InN、InP、InSb、AlAs、AlN、AlP、AlSbからなる群から選択される1種またはそれ以上の半導体、またはそれらの合金もしくは混晶が挙げられる。これらシェル部の材料の中でも、輝度向上の観点から、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdSeが好ましい。
なお、シェル部は、コア部が部分的に露出することによる弊害が生じない限り、コア部の全表面を完全に被覆するものでなくてもよく、コア部の少なくとも一部を被覆していればよい。また、コア/シェル構造は、少なくとも2種類の化合物で形成されていることが好ましく、2種類以上の化合物でグラジエント構造(傾斜構造)を形成していてもよい。
シェル部の厚さは、特に限定されないが、0.1〜10nmであることが好ましく、0.1〜5nmであることがより好ましい。
一般に、半導体ナノ粒子の平均粒径により発光色を制御することができ、被膜の厚さが上記範囲内の値であれば、被膜の厚さが原子数個分に相当する厚さから半導体ナノ粒子1個に満たない厚さであり、半導体ナノ粒子を高密度で充填することができ、十分な発光量が得られる。また、被膜の存在により、お互いのコア粒子の粒子表面に存在する欠陥、ダングリングボンドへの電子トラップによる非発光の電子エネルギーの転移を抑制でき、量子効率の低下を抑えることができる。
コアシェル半導体ナノ粒子の平均粒径(直径)の測定方法としては、公知の方法、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)により半導体ナノ粒子の粒子観察を行い、そこから粒径分布の数平均粒径として求める方法、ランダムに抽出した所定数の半導体ナノ粒子をTEMで観察し、体積換算した粒径の平均値をとることで算出した平均体積粒径として求める方法、電子間力顕微鏡(AFM)を用いて平均粒径を求める方法、動的光散乱法による粒径測定装置(例えば、Malvern社製ZETASIZERNano Series Nano−ZS)を用いて測定する方法、X線小角散乱法により得られたスペクトルから半導体ナノ粒子の粒径分布シミュレーション計算を用いて粒径分布を導出する方法等を用いることができる。本明細書においては、ランダムに抽出した所定数の半導体ナノ粒子をTEMで観察し、体積換算した粒径の平均値をとることで算出した平均体積粒径で表している。本形態に係るコアシェル半導体ナノ粒子の平均体積粒径としては、具体的には1〜20nmの範囲内であることが好ましく、1〜10nmの範囲内であることがより好ましい。
なお、上述した半導体ナノ粒子の構成材料には、必要に応じて微量の各種元素を不純物としてドープすることができる。このようなドープ物質を添加することにより発光特性をより向上させることができる。
〔コアシェル半導体ナノ粒子の製造方法〕
コアシェル半導体ナノ粒子の製造方法としては、液相法、気相法等、従来行われている公知の任意の方法を用いることができる。
コアシェル半導体ナノ粒子の製造方法としては、液相法、気相法等、従来行われている公知の任意の方法を用いることができる。
液相法の製造方法としては、沈殿法である、共沈法、ゾル−ゲル法、均一沈殿法、還元法などがある。そのほかに、逆ミセル法、超臨界水熱合成法、ホットソープ法などもナノ粒子を作製する上で優れた方法である(例えば、特開2002−322468号公報、特開2005−239775号公報、特開平10−310770号公報、特開2000−104058号公報等を参照)。
気相法の製造方法としては、対向する原料半導体を電極間で発生させた第一の高温プラズマによって蒸発させ、減圧雰囲気中において無電極放電で発生させた第二の高温プラズマ中に通過させる方法(例えば特開平6−279015号公報参照)、電気化学的エッチングによって、原料半導体からなる陽極からナノ粒子を分離・除去する方法(例えば特表2003−515459号公報参照)、レーザーアブレーション法(例えば特開2004−356163号公報参照)などが用いられる。また、原料ガスを低圧状態で気相反応させて、粒子を含む粉末を合成する方法も好ましく用いられる。
コアシェル半導体ナノ粒子の製造方法としては、液相法による製造方法が好ましい。
また、本形態に係るコアシェル半導体ナノ粒子は、蛍光体としての機能を損なわない限り、合成過程で用いうる安定剤、界面活性剤、溶媒等、他の成分を含んでいてもよい。
[透光性被覆層]
本形態に係る半導体ナノ粒子は、コアシェル半導体ナノ粒子の表面に、透光性被覆層を有する。該透光性被覆層を有することにより、コアシェル半導体ナノ粒子を外部の酸素から保護する機能がより向上する。なお、本明細書において、透光性被覆層を有するコアシェル半導体ナノ粒子を、単に被覆半導体ナノ粒子とも称する。
本形態に係る半導体ナノ粒子は、コアシェル半導体ナノ粒子の表面に、透光性被覆層を有する。該透光性被覆層を有することにより、コアシェル半導体ナノ粒子を外部の酸素から保護する機能がより向上する。なお、本明細書において、透光性被覆層を有するコアシェル半導体ナノ粒子を、単に被覆半導体ナノ粒子とも称する。
透光性被覆層の厚さは、3nm以上15nm以下であることが好ましい。透光性被覆層の厚さが3nm以上であると、コアシェル半導体ナノ粒子の粒子間距離が十分に取れるため、蛍光消光による発光効率の低下を抑制することができる。一方、15nm以下であると、透光性被覆層自体の光の吸収等が起こりにくくなり、発光効率が向上する。該厚さはより好ましくは4〜12nmである。該透光性被覆層の厚さは、半導体ナノ粒子に対する透光性被覆層の形成材料の添加量、透光性被覆層を形成する際の反応時間、反応溶液中の半導体ナノ粒子濃度、等の方法により制御することができる。また、透光性被覆層の厚さは、透過型電子顕微鏡(TEM)像の観察により、測定することができる。
該透光性被覆層は、ケイ素を含有する。ケイ素を含有することにより、ガラス状の層となりやすく、被覆半導体ナノ粒子の耐熱性や耐酸化性がより向上する。なお、透光性被覆層を形成するための材料や、形成方法については、後述の被覆半導体ナノ粒子の製造方法において詳細に説明する。
〈被覆半導体ナノ粒子の製造方法〉
本発明の一形態に係る被覆半導体ナノ粒子の製造方法は、コア/シェル構造を有する半導体ナノ粒子と、シラン化合物とを特定の酸化防止剤の存在下で接触させる工程(以下、「工程A」とも称する。)を有することを特徴とする。
本発明の一形態に係る被覆半導体ナノ粒子の製造方法は、コア/シェル構造を有する半導体ナノ粒子と、シラン化合物とを特定の酸化防止剤の存在下で接触させる工程(以下、「工程A」とも称する。)を有することを特徴とする。
[工程A]
工程Aでは、コア/シェル構造を有する半導体ナノ粒子と、シラン化合物とを特定の酸化防止剤の存在下で接触させる。なお、コア/シェル構造を有する半導体ナノ粒子については、前述の[半導体ナノ粒子]で説明したのと同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
工程Aでは、コア/シェル構造を有する半導体ナノ粒子と、シラン化合物とを特定の酸化防止剤の存在下で接触させる。なお、コア/シェル構造を有する半導体ナノ粒子については、前述の[半導体ナノ粒子]で説明したのと同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
〔シラン化合物〕
本明細書において、「シラン化合物」とは、水素化ケイ素(SiH4)および水素化ケイ素の水素原子の一部または全部が有機基で置換された有機シラン化合物の両方を意味する。当該シラン化合物は、透光性被覆層の形成材料となる。
本明細書において、「シラン化合物」とは、水素化ケイ素(SiH4)および水素化ケイ素の水素原子の一部または全部が有機基で置換された有機シラン化合物の両方を意味する。当該シラン化合物は、透光性被覆層の形成材料となる。
シラン化合物としては、特に制限されないが、例えば、テトラメチルシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン(TEOS)、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシラザン、1,1−ジメチル−1−シラシクロブタン、トリメチルビニルシラン、メトキシジメチルビニルシラン、トリメトキシビニルシラン、エチルトリメトキシシラン、ジメチルジビニルシラン、ジメチルエトキシエチニルシラン、ジアセトキシジメチルシラン、ジメトキシメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、アリールトリメトキシシラン、エトキシジメチルビニルシラン、アリールアミノトリメトキシシラン、N−メチル−N−トリメチルシリルアセトアミド、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、メチルトリビニルシラン、ジアセトキシメチルビニルシラン、メチルトリアセトキシシラン、アリールオキシジメチルビニルシラン、ジエチルビニルシラン、ブチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、テトラビニルシラン、トリアセトキシビニルシラン、テトラアセトキシシラン、3−トリフルオロアセトキシプロピルトリメトキシシラン、ジアリールジメトキシシラン、ブチルジメトキシビニルシラン、トリメチル−3−ビニルチオプロピルシラン、フェニルトリメチルシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、フェニルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルジメトキシメチルシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ジメチルイソペンチロキシビニルシラン、2−アリールオキシエチルチオメトキシトリメチルシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−アリールアミノプロピルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、ジメチルエチキシフェニルシラン、ベンゾイロキシトリメチルシラン、3−メタクリロキシプロピルジメトキシメチルシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、ジメチルエトキシ−3−グリシドキシプロピルシラン、ジブトキシジメチルシラン、3−ブチルアミノプロピルトリメチルシラン、3−ジメチルアミノプロピルジエトキシメチルシラン、2−(2−アミノエチルチオエチル)トリエトキシシラン、ビス(ブチルアミノ)ジメチルシラン、ジビニルメチルフェニルシラン、ジアセトキシメチルフェニルシラン、ジメチル−p−トリルビニルシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、ジエチルメチルフェニルシラン、ベンジルジメチルエトキシシラン、ジエトキシメチルフェニルシラン、デシルメチルジメトキシシラン、ジエトキシ−3−グリシドキシプロピルメチルシラン、オクチロキシトリメチルシラン、フェニルトリビニルシラン、テトラアリールオキシシラン、ドデシルトリメチルシラン、ジアリールメチルフェニルシラン、ジフェニルメチルビニルシラン、ジフェニルエトキシメチルシラン、ジアセトキシジフェニルシラン、ジベンジルジメチルシラン、ジアリールジフェニルシラン、オクタデシルトリメチルシラン、メチルオクタデシルジメチルシラン、ドコシルメチルジメチルシラン等が挙げられる。なかでも、透光性が高いことや反応の制御の容易性の観点から、テトラエトキシシラン(TEOS)、テトラメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザンが好ましい。これらのシラン化合物は、1種のみを単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用しても構わない。
〔酸化防止剤〕
本形態において、酸化防止剤は、リン原子および硫黄原子の少なくとも一方を有し、かつ、ヒドロキシ基を有さない化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含むことを必須とする。このような特定の構造を有する酸化防止剤の存在下で、半導体ナノ粒子とシラン化合物とを接触させることにより、被覆半導体ナノ粒子の蛍光強度を向上させることができる。
本形態において、酸化防止剤は、リン原子および硫黄原子の少なくとも一方を有し、かつ、ヒドロキシ基を有さない化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含むことを必須とする。このような特定の構造を有する酸化防止剤の存在下で、半導体ナノ粒子とシラン化合物とを接触させることにより、被覆半導体ナノ粒子の蛍光強度を向上させることができる。
本形態では、酸化防止剤は、ホスファイト化合物(亜リン酸エステル化合物とも称される;P(OR)3)およびチオエーテル化合物(スルフィド化合物とも称される;R−S−R)からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
ホスファイト化合物の好ましい例としては、下記一般式1〜6で表される化合物が挙げられる。
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立して、置換されたもしくは非置換の炭素原子数1〜30のアルキル基を表す。)
上記置換されたもしくは非置換の炭素原子数1〜30のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、第2ブチル基、第3ブチル基、イソブチル基、アミル基、第3アミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、シクロヘキシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、ドコシル基、テトラコシル基、トリアコンチル基などが挙げられる。なかでも、オクタデシル基、ヘキサデシル基が好ましい。
上記置換されたもしくは非置換の炭素原子数1〜30のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、第2ブチル基、第3ブチル基、イソブチル基、アミル基、第3アミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、シクロヘキシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、ドコシル基、テトラコシル基、トリアコンチル基などが挙げられる。なかでも、オクタデシル基、ヘキサデシル基が好ましい。
(式中、R3、R4、R5、およびR6は、それぞれ独立して、置換されたもしくは非置換の炭素原子数1〜25のアルキル基、または、置換されたもしくは非置換の炭素原子数6〜30のアリール基を表し、R7は、置換されたもしくは非置換の炭素原子数4〜33のアルキレン基、置換されたもしくは非置換の炭素原子数6〜40のアリーレン基を表す。)
上記置換されたもしくは非置換の炭素原子数1〜25のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、ブチル基、オクチル基、デシル基、ラウリル基、トリデシル基、ステアリル基などが挙げられる。なかでも、ラウリル基が好ましい。
上記置換されたもしくは非置換の炭素原子数1〜25のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、ブチル基、オクチル基、デシル基、ラウリル基、トリデシル基、ステアリル基などが挙げられる。なかでも、ラウリル基が好ましい。
上記置換されたもしくは非置換の炭素原子数6〜30のアリール基としては、例えば、フェニル基、アルキル基および/またはアルコキシ基で置換されたフェニル基などが挙げられる。なかでも、フェニル基、トリル基、キシリル基が好ましい。
上記置換されたもしくは非置換の炭素原子数4〜33のアルキレン基としては、例えば、ブチレン基、オクチレン基などが挙げられる。なかでも、ブチレン基が好ましい。
上記置換されたもしくは非置換の炭素原子数6〜40のアリーレン基としては、例えば、フェニレン基、ジフェニレン基、下記一般式2A:
(式中、Xは、オキシ基、スルホニル基、カルボニル基、メチレン基、エチリデン基、ブチリデン基、イソプロピリデン基、ジアゾ基を表す。)
で示される基などが挙げられる。なかでも、イソプロピリデン基、メチレン基が好ましい。
で示される基などが挙げられる。なかでも、イソプロピリデン基、メチレン基が好ましい。
上記一般式2で表される化合物としては、特に、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ジフェニレンホスファイトが好ましい。
(式中、Ar1およびAr2は、それぞれ独立して、置換されたもしくは非置換の炭素原子数6〜35のアリール基を表す。)
上記置換されたもしくは非置換の炭素原子数6〜35のアリール基としては、例えば、アルキル基、ヒドロキシ基、および/またはアルコキシ基で置換されたもしくは非置換のフェニル基、ナフチル基、ジフェニル基などが挙げられる。なかでも、アルキル基で置換されたフェニル基、ナフチル基が好ましい。
上記置換されたもしくは非置換の炭素原子数6〜35のアリール基としては、例えば、アルキル基、ヒドロキシ基、および/またはアルコキシ基で置換されたもしくは非置換のフェニル基、ナフチル基、ジフェニル基などが挙げられる。なかでも、アルキル基で置換されたフェニル基、ナフチル基が好ましい。
上記一般式3で表される化合物の具体例としては、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、4−フェノキシ−9−α−(4−ヒドロキシフェニル)−p−クメルオキシ−3,5,8,10−テトラオキサ−4,9−ジホスファスピロ[5,5]ウンデカン等が挙げられる。なかでも、特に、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトが好ましい。
(式中、R8およびR9は、それぞれ独立して、水素原子、または、置換されたもしくは非置換の炭素原子数1〜4のアルキル基を表す。)
上記置換されたもしくは非置換の炭素原子数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プ口ピル基、イソプ口ピル基、ブチル基、第二ブチル基、第三ブチル基、イソブチル基などが挙げられる。なかでも、第三ブチル基が好ましい。
上記置換されたもしくは非置換の炭素原子数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プ口ピル基、イソプ口ピル基、ブチル基、第二ブチル基、第三ブチル基、イソブチル基などが挙げられる。なかでも、第三ブチル基が好ましい。
上記一般式4で表される化合物の具体例としては、卜リス(2−第三ブチルフェニル)ホスファイ卜、卜リス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイ卜、卜リス(2,5−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイ卜、卜リス(2−第三ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイ卜、卜リス(2−第三ブチル−5−メチルフェニル)ホスファイ卜、卜リス(2−第三ブチル−4,6−ジメチルフェニル)ホスファイ卜などが挙げられる。なかでも、特に、卜リス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイ卜が好ましい。
(式中、R10およびR11は、それぞれ独立して、水素原子、または、置換されたもしくは非置換の炭素原子数1〜4のアルキル基を表す。)
上記置換されたもしくは非置換の炭素原子数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プ口ピル基、イソプ口ピル基、ブチル基、第二ブチル基、第三ブチル基、イソブチル基などが挙げられる。なかでも、第三ブチル基が好ましい。
上記置換されたもしくは非置換の炭素原子数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プ口ピル基、イソプ口ピル基、ブチル基、第二ブチル基、第三ブチル基、イソブチル基などが挙げられる。なかでも、第三ブチル基が好ましい。
上記一般式5で表される化合物の具体例としては、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイ卜、ビス(2,6−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイ卜、ビス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイ卜、ビス(2,6−ジ第三ブチル−4−エチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイ卜、ビス(2,6−ジ第三ブチル−4−イソプロピルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイ卜、ビス(2,4,6−卜リ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイ卜、ビス(2,6−ジ第三ブチル−4−第二ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイ卜、ビス(2,4−ジ第三ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイ卜などが挙げられる。なかでも、特に、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイ卜、ビス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイ卜、ビス(2,4,6−卜リ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイ卜が好ましい。
(式中、R12およびR14は、それぞれ独立して、水素原子、または、置換されたもしくは非置換の炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、R13は、置換されたもしくは非置換の炭素原子数1〜18のアルキル基を表す。)
上記置換されたもしくは非置換の炭素原子数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、第二ブチル基、第三ブチル基、イソブチル基などが挙げられる。なかでも、第三ブチル基が好ましい。
上記置換されたもしくは非置換の炭素原子数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、第二ブチル基、第三ブチル基、イソブチル基などが挙げられる。なかでも、第三ブチル基が好ましい。
上記置換されたもしくは非置換の炭素原子数1〜18のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、第二ブチル基、第三ブチル基、イソブチル基、アミル基、イソアミル基、第三アミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、2−ヘプチル基、イソヘプチル基、第三ヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、第三オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、へプタデシル基、オクタデシル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、2−ブトキシエチル基、2−メトキシプロピル基、3−メトキシプロピル基、2,3−ジヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル基、2,3−ジメトキシプロピル基、2−(2−メトキシエトキシ)エチル基などが挙げられる。なかでも、2−エチルヘキシル基が好ましい。
ホスファイト化合物の好ましい具体例としては、下記化学式P1〜P10で表される化合物が挙げられる。
なお、上記化学式P1〜P10で表される化合物は、それぞれ、株式会社ADEKA製のホスファイト系酸化防止剤PEP−8(上記化学式P1)、PEP−36(上記化学式P2)、HP−10(上記化学式P3)、2112(上記化学式P4)、1178(上記化学式P5)、1500(上記化学式P6)、C(上記化学式P7)、135A(上記化学式P8)、3010(上記化学式P9)、TPP(上記化学式P10)として市販されている。
チオエーテル化合物の好ましい具体例としては、下記化学式S1〜S2で表される化合物が挙げられる。
なお、上記化学式S1〜S2で表される化合物は、それぞれ、株式会社ADEKA製のチオエーテル系酸化防止剤AO−412S(上記化学式S1)、AO−503(上記化学式S2)として市販されている。
以上の酸化防止剤は、1種のみを単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用しても構わない。
工程Aにおいて、コア/シェル構造を有する半導体ナノ粒子と、シラン化合物とを特定の酸化防止剤の存在下で接触させ、半導体ナノ粒子の表面をシラン化する方法は、特に制限されないが、半導体ナノ粒子とシラン化合物とを接触させる前、あるいは、接触させるのと同時に、半導体ナノ粒子が分散された分散媒中に酸化防止剤が存在していればよい。例えば、(1)半導体ナノ粒子の分散液に酸化防止剤を添加した混合液と、シラン化合物溶液とを混合する方法;(2)半導体ナノ粒子の分散液と、酸化防止剤を添加したシラン化合物溶液とを混合する方法などが挙げられる。
半導体ナノ粒子を分散させる分散媒や、シラン化合物を溶解させる溶媒などは、特に制限されず、本技術分野で使用される公知の分散媒または溶媒が適宜採用されうる。例えば、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素等の炭化水素系溶媒;脂肪族エーテル、脂環式エーテル等のエーテル系溶媒が挙げられる。より具体的に、炭化水素溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、ソルベッソ、ターペン、塩化メチレン、トリクロロエタン等が挙げられる。また、エーテル系溶媒としては、ジブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。なかでも、半導体ナノ粒子の分散性の観点から、シクロヘキサン、トルエンが好ましい。これらの分散媒または溶媒は、それぞれ、1種のみを単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用しても構わない。
酸化防止剤の添加量は、特に制限されないが、半導体ナノ粒子1molに対し、0.1〜200mol%であることが好ましく、0.5〜100mol%であることがより好ましく、1〜100mol%であることがさらに好ましい。酸化防止剤の添加量が、0.1mol%以上であると、粒子近傍における活性酸素安定化の効果が発現する点で好ましい。一方、添加量が、200mol%以下であると、粒子表面に対するシラン化合物への配位を妨害しないという点で好ましい。
また、シラン化合物の添加量も、特に制限されず、本技術分野における公知の知見を適宜採用することができるが、半導体ナノ粒子の100質量部に対し、0.5〜10質量部であることが好ましく、1〜5質量部であることがより好ましい。シラン化合物の添加量が0.5質量部以上であると、粒子表面を十分に被覆できる点で好ましい。一方、添加量が10質量部以下であると、被覆層が不必要に厚くなることがなく、発光強度を損なうことがない点で好ましい。
半導体ナノ粒子の表面をシラン化するために要する時間は、特に制限されないが、半導体ナノ粒子、酸化防止剤、およびシラン化合物を分散媒または溶媒中で、10〜40時間反応させることが好ましく、20〜40時間反応させることがより好ましい。反応時間が10時間以上であると、半導体ナノ粒子の表面に配位している有機配位子が、シラン化合物と十分に置換できる点で好ましい。一方、反応時間が、40時間以下であると、シラン化合物が配位した粒子が凝集し始めない点で好ましい。なお、反応の際は、半導体ナノ粒子、酸化防止剤、およびシラン化合物を含む混合液を攪拌しながら行うことが好ましい。
シラン化反応の際の反応温度は、特に制限されないが、20〜80℃であることが好ましく、20〜40℃であることがより好ましい。反応温度が20℃以上であると、半導体ナノ粒子の表面に配位している有機配位子とシラン化合物の置換反応が進むという点で好ましい。一方、反応温度が80℃以下であると、急激な置換反応が起こらず、粒子の凝集が起こらないという点で好ましい。
本形態の製造方法では、上記工程Aによって得られる、半導体ナノ粒子表面のシラン化合物を、以下の工程Bにおいて加水分解することによって、半導体ナノ粒子の表面に透光性被覆層を形成することが好ましい。すなわち、本形態の被覆半導体ナノ粒子の製造方法の好ましい一形態は、上記工程Aの後、工程Aで得られた半導体ナノ粒子表面のシラン化合物を、加水分解する工程Bを含む。
半導体ナノ粒子表面のシラン化合物を加水分解する方法は、特に制限されないが、水および加水分解触媒の存在下でシラン化合物の加水分解反応を行う方法が挙げられる。
この際に使用される加水分解触媒は、本技術分野で使用される公知の酸または塩基を適宜採用することができる。酸触媒としては、例えば、酢酸、トリクロロ酢酸、塩酸などが挙げられる。塩基触媒としては、例えば、アンモニア水、エチレンジアミン、尿素などが挙げられる。なかでも急激な加水分解が起こると半導体ナノ粒子へのダメージが大きくなることから、アンモニア水、酢酸などの弱塩基、弱酸の触媒が好ましい。なお、これらの加水分解触媒は、1種のみを単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用しても構わない。なお、加水分解触媒の使用量も特に制限されないが、通常、シラン化合物100質量部に対し5〜50質量部程度である。
加水分解反応を行う際に、反応効率を向上させる観点から、反応系内に、界面活性剤を存在させることが好ましい。この際に使用される界面活性剤は、特に制限されず、イオン性界面活性剤(カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤)、非イオン性界面活性剤のいずれも使用可能である。なかでも、分散剤としても効果が得られるという観点から、イゲパル(登録商標)シリーズ(例えば、CO−520、CA−630)等のポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、オクチルフェニル−ポリエチレングリコール等の非イオン性界面活性剤を使用することが好ましい。なお、界面活性剤の使用量も特に制限されないが、通常、反応溶液100に対し1〜20質量部程度である。
また、加水分解反応の際に、透光性被覆層の厚さや密度を調整する観点から、反応系内にシラン化合物をさらに添加することもまた好ましい。なお、この際に添加するシラン化合物は、上記工程Aで使用したシラン化合物と同じであってもよいし、異なっていても構わない。
加水分解反応の反応温度および反応時間は、特に制限されないが、通常20〜40℃で、12〜48時間程度である。なお、反応終了後に、反応液を遠心分離などによって固液分離、洗浄することによって、半導体ナノ粒子の表面が透光性被覆層で被覆されてなる被覆半導体ナノ粒子を得ることができる。
〈半導体ナノ粒子集積体〉
前述の本発明の製造方法によって得られる被覆半導体ナノ粒子は、当該粒子が複数凝集した凝集体を含む集積体として利用されうる。すなわち、本発明の他の一形態によると、上記被覆半導体ナノ粒子が複数凝集した凝集体を含む半導体ナノ粒子集積体が提供される。
前述の本発明の製造方法によって得られる被覆半導体ナノ粒子は、当該粒子が複数凝集した凝集体を含む集積体として利用されうる。すなわち、本発明の他の一形態によると、上記被覆半導体ナノ粒子が複数凝集した凝集体を含む半導体ナノ粒子集積体が提供される。
図2は、本実施形態の半導体ナノ粒子集積体の典型的な構成を示す断面模式図である。半導体ナノ粒子集積体20は、コア部11およびシェル部12を有する半導体ナノ粒子13と、半導体ナノ粒子13を被覆する透光性被覆層14とを有する被覆半導体ナノ粒子10が複数凝集した凝集体を含む。図2に示す半導体ナノ粒子集積体20は、被覆半導体ナノ粒子10同士の凝集をより強固にする目的でマトリックス15を有しているが、このマトリックス16は有していなくてもよい。
本形態の半導体ナノ粒子集積体は、上記の複数の被覆半導体ナノ粒子が相互に接触した状態で凝集した凝集体を含有してなる粒子である。この半導体ナノ粒子集積体は、蛍光体として機能する。
半導体ナノ粒子集積体を構成する被覆半導体ナノ粒子は、1種単独であってもよく、異なる2種以上を組み合わせたものであってもよい。ここで、コア部の形成材料、コア部の粒径、シェル部の形成材料、シェル部の厚さ、コアシェル半導体ナノ粒子の粒径、透光性被覆層の形成材料、および透光性被覆層の厚さのうち少なくとも1つが異なっている2種以上の被覆半導体ナノ粒子の組み合わせであれば、すべて、異なる2種以上の被覆半導体ナノ粒子を組み合わせた半導体ナノ粒子集積体に包含されるものとする。
本形態の半導体ナノ粒子集積体は、複数個の上記被覆半導体ナノ粒子がそれ自体で互いに凝集した凝集体を含む集積体であってもよいが、半導体ナノ粒子集積体における被覆半導体ナノ粒子同士の凝集をより強固にするという観点から、複数個の被覆半導体ナノ粒子がマトリックスを介して互いに凝集した凝集体を含む集積体であることが好ましい。すなわち、本発明の一形態に係る半導体ナノ粒子集積体は、凝集体全体を被覆するマトリックスをさらに備えることが好ましい。
ここで、マトリックスの形成に用いられる材料としては、被覆半導体ナノ粒子の凝集体を被覆することができれば特に制限されず、無機物質、有機物質のいずれも用いることができる。発光効率や容易に凝集体を作製できる等の観点から、ケイ素を含有する材料またはポリマー材料を含むことが好ましい。
ポリマー材料としては、例えば、ポリ無水マレイン酸−alt−1−オクタデセン(無水マレイン酸−1−オクタデセン交互共重合体)、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレングリコール(PEG)を結合させたポリ乳酸、PEGを結合させた乳酸−グリコール酸共重合体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン等の両親媒性ポリマー;ゼラチン、グアーゴム、カルボキシメチルセルロース、ペクチン、カラヤゴム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、スチレン−アクリル酸共重合体、酢酸ビニル系共重合体等の親水性ポリマー;等が挙げられる。また、ケイ素を含有する材料としては、例えば、上記の透光性被覆層の形成材料として例示したシラン化合物や、パーヒドロポリシラザン(PHPS)、オルガノポリシラザン、シルセスキオキサン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、1,3−ビス(3−アセトキシプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリビニルシクロトリシロキサン、1,3,5−トリス(3,3,3−トリフルオロプロピル)−1,3,5−トリメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラエトキシ−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等のケイ素化合物を挙げることができる。これらマトリックスの形成材料は、単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
これらマトリックスの形成材料の中でも、ポリ無水マレイン酸−alt−1−オクタデセン、ポリシラザン(パーヒドロポリシラザン(PHPS)、オルガノポリシラザン)、テトラエトキシシラン(TEOS)、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)等が好ましい。
ポリシラザンとは、シラザン結合を有する高分子化合物であり、分子内にSi−N結合を有する高分子化合物を意味する。具体的には、その構造内にSi−N、Si−H、N−H等の結合を有し、SiO2、Si3N4、および両方の中間固溶体SiOxNy等のセラミック前駆体無機ポリマーである。
使用可能なポリシラザンとしては、特に制限されないが、例えば、下記の一般式(I)で表される単位からなる主骨格を有する化合物であることが好ましい。
上記一般式(I)において、R1、R2、およびR3は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、またはアルコキシ基を表す。
ポリシラザンは、R1、R2、およびR3のすべてが水素原子であるパーヒドロポリシラザン(PHPS)であることがより好ましい。
パーヒドロポリシラザンは、直鎖構造と6員環および8員環を中心とする環構造とが存在した構造と推定されている。その分子量は数平均分子量(Mn)で約600〜2000程度(ポリスチレン換算)であり、分子量によって液体または固体の物質でありうる。当該パーヒドロポリシラザンは、合成品を使用してもよく、市販品を使用してもよい。
また、ポリシラザンの別の例としては、上記一般式(I)で表されるポリシラザンにケイ素アルコキシドを反応させて得られるケイ素アルコキシド付加ポリシラザン(例えば、特開平5−238827号公報)、グリシドールを反応させて得られるグリシドール付加ポリシラザン(例えば、特開平6−122852号公報)、アルコールを反応させて得られるアルコール付加ポリシラザン(例えば、特開平6−240208号公報)、金属カルボン酸塩を反応させて得られる金属カルボン酸塩付加ポリシラザン(例えば、特開平6−299118号公報)、金属を含むアセチルアセトナート錯体を反応させて得られるアセチルアセトナート錯体付加ポリシラザン(例えば、特開平6−306329号公報)、金属微粒子を添加して得られる金属微粒子添加ポリシラザン(例えば、特開平7−196986号公報)等が挙げられる。
上記ポリシラザンをそのままマトリックスの材料として用いることもできるが、下記に述べるようなポリシラザンの改質を行うことが好ましい。改質とは、ポリシラザンの一部または全部を、酸化ケイ素、窒化ケイ素、または酸窒化ケイ素等へ転化させる反応を意味する。改質は、例えば加熱処理、紫外線照射処理、およびプラズマ処理のうち少なくとも1つの処理によって行う。改質を行うことにより、マトリックスのガラス性がより高まり、半導体ナノ粒子集積体の耐熱性および耐酸化性がより向上する。改質の条件については、後で詳述する。
本形態の半導体ナノ粒子集積体は、蛍光体としての機能を損なわない限り、合成過程で用いうる安定剤、界面活性剤、溶媒、触媒等、他の成分を含んでいてもよい。
〈半導体ナノ粒子集積体の製造方法〉
本形態の半導体ナノ粒子集積体は、上記の被覆半導体ナノ粒子を、適当な方法により複数凝集させて凝集体を形成することにより得ることができる。この際、上記被覆半導体ナノ粒子が相互に接触した状態の凝集体を、マトリックスの構築を行うことなくそのまま半導体ナノ粒子集積体としてもよい。しかしながら、より強固な集積体を得る観点から、被覆半導体ナノ粒子を複数凝集させて凝集体を作製した後、液相法などの方法によって凝集体全体を被覆するマトリックスの形成をさらに行うことが好ましい。
本形態の半導体ナノ粒子集積体は、上記の被覆半導体ナノ粒子を、適当な方法により複数凝集させて凝集体を形成することにより得ることができる。この際、上記被覆半導体ナノ粒子が相互に接触した状態の凝集体を、マトリックスの構築を行うことなくそのまま半導体ナノ粒子集積体としてもよい。しかしながら、より強固な集積体を得る観点から、被覆半導体ナノ粒子を複数凝集させて凝集体を作製した後、液相法などの方法によって凝集体全体を被覆するマトリックスの形成をさらに行うことが好ましい。
マトリックスを形成せずに被覆半導体ナノ粒子を凝集させて集積体を作製する方法としては、特に制限されないが、被覆半導体ナノ粒子を溶解しないような貧溶媒中で、攪拌混合する方法が挙げられる。貧溶媒としては、例えば、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)等を用いることができる。混合時の温度は20〜80℃が好ましく、混合時間は10〜40時間が好ましい。
また、マトリックスを形成して被覆半導体ナノ粒子を凝集させて凝集体を作製する方法としては、例えば、被覆半導体ナノ粒子とマトリックスの形成材料とを、溶媒中で反応させる方法が挙げられる。
用いることができる上記溶媒としては、例えば、水、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素等の炭化水素系溶媒;脂肪族エーテル、脂環式エーテル等のエーテル系溶媒;極性溶媒等が挙げられる。より具体的に、炭化水素溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、ソルベッソ、ターペン、塩化メチレン、トリクロロエタン等が挙げられる。また、エーテル系溶媒としては、ジブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)等が挙げられる。極性溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等が挙げられる。これらの溶媒は単独でも、または2種以上を混合しても用いることができる。
被覆半導体ナノ粒子に対するマトリックスの形成材料の使用量は、被覆半導体ナノ粒子100質量部に対して、0.5〜10質量部が好ましい。反応温度は、特に制限されないが、20〜80℃が好ましく、25〜40℃がより好ましい。また、反応時間も特に制限されないが、1〜300時間が好ましく、10〜200時間がより好ましい。
さらに、必要に応じて、ポリオキシエチレンノニルエチルエーテル等の界面活性剤、アンモニア等のマトリックスの形成材料を加水分解する触媒等を反応系内に添加してもよい。
マトリックスの形成材料としてポリシラザンを用いた場合は、さらに改質を行い、マトリックスとすることができる。改質とは、上記したようにポリシラザンの一部または全部を、酸化ケイ素、窒化ケイ素、または酸窒化ケイ素等へ転化させる反応を意味する。改質は、例えば加熱処理、紫外線照射処理、およびプラズマ処理の少なくとも1つの処理によって行う。以下では、好ましい改質処理である紫外線照射処理について説明する。
ここで、「紫外線」とは、一般的に10〜400nmの波長を有する電磁波をいうが、改質を効率的に行うという観点から、好ましくは波長10〜200nmの真空紫外線を用いる。
このような紫外線の発生手段としては、例えば、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、キセノンアークランプ、カーボンアークランプ、エキシマランプ(172nm、222nm、308nmの単一波長、例えば、ウシオ電機株式会社製や株式会社エム・ディ・コム製)、UV光レーザー等が挙げられるが、特に限定されない。
以下では、本形態の半導体ナノ粒子集積体の製造方法において最も好ましい改質としての真空紫外線照射処理(エキシマ照射処理)について詳細に説明する。
(真空紫外線照射処理:エキシマ照射処理)
真空紫外線の照射により、ポリシラザンがシラノールを経由することなく直接酸化されることから(光量子プロセスと呼ばれる光子の作用)、当該酸化過程において体積変化が少なく、高密度で欠陥の少ない緻密な酸化ケイ素、窒化ケイ素、および酸化窒化ケイ素等を含む透光性被覆層が得られうる。したがって、真空紫外線照射処理により、ポリシラザンが改質されて得られるマトリックスは、高い酸素バリア性を有しうる。
真空紫外線の照射により、ポリシラザンがシラノールを経由することなく直接酸化されることから(光量子プロセスと呼ばれる光子の作用)、当該酸化過程において体積変化が少なく、高密度で欠陥の少ない緻密な酸化ケイ素、窒化ケイ素、および酸化窒化ケイ素等を含む透光性被覆層が得られうる。したがって、真空紫外線照射処理により、ポリシラザンが改質されて得られるマトリックスは、高い酸素バリア性を有しうる。
真空紫外線光源としては、Xe、Kr、Ar、Neなどの希ガスエキシマランプが好ましく用いられる。これらのうち、Xeエキシマランプは、波長の短い172nmの紫外線を単一波長で放射することから、発光効率に優れている。この光は、酸素の吸収係数が大きいため、微量な酸素でラジカルな酸素原子種やオゾンを高濃度で発生することができる。また、波長の短い172nmの光のエネルギーは、有機物の結合を解離させる能力が高いことが知られている。この活性酸素やオゾンと紫外線放射とが有する高いエネルギーによって、短時間でポリシラザンの改質を実現できる。
真空紫外線照射において、用いる光源の照射強度は、0.01〜2.0mW/cm2の範囲であることが好ましく、0.1〜1.0mW/cm2の範囲であることがより好ましい。この範囲であれば、改質効率が十分に高まる。
真空紫外線の照射エネルギー量(積算量)は、0.1〜2000J/cm2の範囲であることが好ましく、1.0〜1000J/cm2の範囲であることがより好ましい。この範囲であれば、改質が効率よく行われる。
なお、紫外線照射時の雰囲気は特に制限されず、例えば不活性ガス雰囲気が挙げられる。
半導体ナノ粒子集積体の平均体積粒径は、好ましくは50〜1500nm、より好ましくは70〜1300nm、さらに好ましくは100〜1000nmである。このような範囲であれば、発光効率をより向上させることができる。該平均体積粒径は、被覆半導体ナノ粒子を集積させる際の混合(反応)時間、被覆半導体ナノ粒子に対するマトリックスの形成材料の添加量、界面活性剤等の混合比率、反応液中の被覆半導体ナノ粒子の濃度等を制御することにより制御することができる。また、該平均体積粒径は、半導体ナノ粒子の平均体積粒径の測定方法に準じた方法により測定することができる。
[用途]
本形態の半導体ナノ粒子集積体は、例えば、太陽電池、液晶表示装置用のバックライト、カラーホイール、白色LED、光通信等が備える波長変換素子に含まれる波長変換層の形成材料;発光装置の封止材;光電変換材料等に好適に用いられる。
本形態の半導体ナノ粒子集積体は、例えば、太陽電池、液晶表示装置用のバックライト、カラーホイール、白色LED、光通信等が備える波長変換素子に含まれる波長変換層の形成材料;発光装置の封止材;光電変換材料等に好適に用いられる。
また、本形態の半導体ナノ粒子集積体は、被覆半導体ナノ粒子をより強固に凝集させるマトリックスを有することが好ましい。しかしながら、マトリックスの有無にかかわらず、半導体ナノ粒子集積体は、樹脂バインダー等と混合することにより、容易にフィルム状やシート状に加工することができ、上記以外の様々な分野にも、好適に用いることができる。
フィルム状やシート状に加工する方法としては、基材上に紫外線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂等の樹脂バインダーに分散させた半導体ナノ粒子集積体を塗布し、必要に応じて乾燥する方法や、基材原料に直接半導体ナノ粒子集積体を分散させた上で成膜する方法等が挙げられる。
基材としては、透光性を有するものが用いられる。好ましく用いられる材料は、例えば、ガラス、石英、樹脂フィルム等が挙げられるが、特に好ましくはフィルムやシートにフレキシブル性を与えることが可能な樹脂フィルムである。
樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートフタレート、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類またはそれらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール(エチレン−ビニルアルコール共重合体)、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン(登録商標)、ポリメチルメタクリレート、アクリルまたはポリアリレート類等の樹脂を含むフィルムや、アートン(登録商標、JSR株式会社製)またはアペル(登録商標、三井化学株式会社製)といったシクロオレフィン樹脂フィルム等が挙げられる。
以下、本発明を、実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明は以下実施例に限定されるものではない。なお、特記しない限り、下記の操作および物性等の測定は、室温(20〜25℃)、相対湿度40〜50%RHの条件で行った。
〈被覆半導体ナノ粒子の製造〉
[実施例1]
コア/シェル構造を有する半導体ナノ粒子としてInP/ZnS(インジウムリン/硫化亜鉛) CoreShell Nanocrystals(NNラボス社製:型番「INP530−100」)0.5mL(粒子含有量:0.5mg、有機配位子:オレイルアミン)、シクロヘキサン500μL、テトラエトキシシラン(TEOS、Sigma Aldrich社製)5μL、および酸化防止剤としてホスファイト系酸化防止剤C(ADEKA社製)を半導体ナノ粒子1molに対して0.1mol%を混合し、室温(25℃)で20時間撹拌し、粒子表面をシラン化処理した。
[実施例1]
コア/シェル構造を有する半導体ナノ粒子としてInP/ZnS(インジウムリン/硫化亜鉛) CoreShell Nanocrystals(NNラボス社製:型番「INP530−100」)0.5mL(粒子含有量:0.5mg、有機配位子:オレイルアミン)、シクロヘキサン500μL、テトラエトキシシラン(TEOS、Sigma Aldrich社製)5μL、および酸化防止剤としてホスファイト系酸化防止剤C(ADEKA社製)を半導体ナノ粒子1molに対して0.1mol%を混合し、室温(25℃)で20時間撹拌し、粒子表面をシラン化処理した。
別途、界面活性剤であるイゲパル(登録商標)CO−520(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)1gをシクロヘキサン10mLに添加した後、液が透明になるまで撹拌した。この混合液に対して、前述のシラン化処理済みInP/ZnS粒子の分散液を加え、更に28質量%アンモニア溶液50μLを添加した後、追加のTEOS 30μLを加え、室温で20時間撹拌し、反応を行った。
反応終了後、遠心分離による固液分離を行い、洗浄、遠心分離を3回繰り返した後、被覆半導体ナノ粒子濃度が5.5×10−7Mとなるようにトルエン中に分散し、被覆半導体ナノ粒子分散液(透光性被覆層の厚さ8nm)を得た。
[実施例2]
ホスファイト系酸化防止剤C(ADEKA社製)の添加量を半導体ナノ粒子1molに対して1mol%としたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、被覆半導体ナノ粒子分散液を得た。
ホスファイト系酸化防止剤C(ADEKA社製)の添加量を半導体ナノ粒子1molに対して1mol%としたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、被覆半導体ナノ粒子分散液を得た。
[実施例3]
ホスファイト系酸化防止剤C(ADEKA社製)の添加量を半導体ナノ粒子1molに対して10mol%としたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、被覆半導体ナノ粒子分散液を得た。
ホスファイト系酸化防止剤C(ADEKA社製)の添加量を半導体ナノ粒子1molに対して10mol%としたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、被覆半導体ナノ粒子分散液を得た。
[実施例4]
酸化防止剤としてPEP−36(ADEKA社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、被覆半導体ナノ粒子分散液を得た。
酸化防止剤としてPEP−36(ADEKA社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、被覆半導体ナノ粒子分散液を得た。
[実施例5]
PEP−36(ADEKA社製)の添加量を半導体ナノ粒子1molに対して10mol%としたこと以外は、実施例4と同様の操作を行い、被覆半導体ナノ粒子分散液を得た。
PEP−36(ADEKA社製)の添加量を半導体ナノ粒子1molに対して10mol%としたこと以外は、実施例4と同様の操作を行い、被覆半導体ナノ粒子分散液を得た。
[実施例6]
PEP−36(ADEKA社製)の添加量を半導体ナノ粒子1molに対して100mol%としたこと以外は、実施例4と同様の操作を行い、被覆半導体ナノ粒子分散液を得た。
PEP−36(ADEKA社製)の添加量を半導体ナノ粒子1molに対して100mol%としたこと以外は、実施例4と同様の操作を行い、被覆半導体ナノ粒子分散液を得た。
[実施例7]
PEP−36(ADEKA社製)の添加量を半導体ナノ粒子1molに対して200mol%としたこと以外は、実施例4と同様の操作を行い、被覆半導体ナノ粒子分散液を得た。
PEP−36(ADEKA社製)の添加量を半導体ナノ粒子1molに対して200mol%としたこと以外は、実施例4と同様の操作を行い、被覆半導体ナノ粒子分散液を得た。
[実施例8]
酸化防止剤としてチオエーテル系酸化防止剤AO−412S(ADEKA社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、被覆半導体ナノ粒子分散液を得た。
酸化防止剤としてチオエーテル系酸化防止剤AO−412S(ADEKA社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、被覆半導体ナノ粒子分散液を得た。
[実施例9]
チオエーテル系酸化防止剤AO−412S(ADEKA社製)の添加量を半導体ナノ粒子1molに対して10mol%としたこと以外は、実施例8と同様の操作を行い、被覆半導体ナノ粒子分散液を得た。
チオエーテル系酸化防止剤AO−412S(ADEKA社製)の添加量を半導体ナノ粒子1molに対して10mol%としたこと以外は、実施例8と同様の操作を行い、被覆半導体ナノ粒子分散液を得た。
[実施例10]
チオエーテル系酸化防止剤AO−412S(ADEKA社製)の添加量を半導体ナノ粒子1molに対して100mol%としたこと以外は、実施例8と同様の操作を行い、被覆半導体ナノ粒子分散液を得た。
チオエーテル系酸化防止剤AO−412S(ADEKA社製)の添加量を半導体ナノ粒子1molに対して100mol%としたこと以外は、実施例8と同様の操作を行い、被覆半導体ナノ粒子分散液を得た。
[実施例11]
チオエーテル系酸化防止剤AO−412S(ADEKA社製)の添加量を半導体ナノ粒子1molに対して200mol%としたこと以外は、実施例8と同様の操作を行い、被覆半導体ナノ粒子分散液を得た。
チオエーテル系酸化防止剤AO−412S(ADEKA社製)の添加量を半導体ナノ粒子1molに対して200mol%としたこと以外は、実施例8と同様の操作を行い、被覆半導体ナノ粒子分散液を得た。
[比較例1]
被覆処理を行わずに、実施例1に記載の半導体ナノ粒子をそのまま、濃度が5.5×10−7Mとなるようにトルエン中に分散し、半導体ナノ粒子分散液を得た。
被覆処理を行わずに、実施例1に記載の半導体ナノ粒子をそのまま、濃度が5.5×10−7Mとなるようにトルエン中に分散し、半導体ナノ粒子分散液を得た。
[比較例2]
酸化防止剤を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、被覆半導体ナノ粒子分散液を得た。
酸化防止剤を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、被覆半導体ナノ粒子分散液を得た。
〈評価〉
実施例および比較例で得た各分散液について、光照射前後における最大蛍光強度を測定した。まず、光照射前の最大蛍光強度を測定した。測定は、分光蛍光光度計(日立ハイテクサイエンス社製、製品名「F−4500」)を用い、励起波長400nm、ホトマル700Vにて行った。
実施例および比較例で得た各分散液について、光照射前後における最大蛍光強度を測定した。まず、光照射前の最大蛍光強度を測定した。測定は、分光蛍光光度計(日立ハイテクサイエンス社製、製品名「F−4500」)を用い、励起波長400nm、ホトマル700Vにて行った。
続いて、各分散液に8W/m2(450nm)の光照射を室温で30分間行い、直後の最大蛍光強度を光照射前と同じ条件で測定した。
結果を表1に示す。
表1に示されるように、光照射前においては、比較例1よりも比較例2の方が最大蛍光強度が低くなった。当該結果より、酸化防止剤の非存在下での被覆処理により、本来の半導体ナノ粒子の蛍光強度が低下することが示唆された。また、光照射後においては、比較例1よりも比較例2の方が最大蛍光強度が高くなった。当該結果より、被覆された半導体ナノ粒子では、光照射による蛍光強度の低下が抑制されることが示された。
一方、本発明に係る実施例1〜11は、比較例2よりも、光照射前後における最大蛍光強度が著しく向上した。当該結果より、被覆処理において、半導体ナノ粒子とシラン化合物との接触を、酸化防止剤の存在下で行うことにより、半導体ナノ粒子が本来有する蛍光強度が維持・向上するとともに、被覆半導体ナノ粒子の光劣化も抑制されることが示された。
10 被覆半導体ナノ粒子、
11 コア部、
12 シェル部、
13 半導体ナノ粒子、
14 透光性被覆層、
15 マトリックス、
20 半導体ナノ粒子集積体。
11 コア部、
12 シェル部、
13 半導体ナノ粒子、
14 透光性被覆層、
15 マトリックス、
20 半導体ナノ粒子集積体。
Claims (6)
- コア/シェル構造を有する半導体ナノ粒子と、前記半導体ナノ粒子を被覆するケイ素を含有する透光性被覆層とを有する被覆半導体ナノ粒子の製造方法であって、
前記半導体ナノ粒子と、シラン化合物とを酸化防止剤の存在下で接触させる工程を有し、
前記酸化防止剤は、リン原子および硫黄原子の少なくとも一方を有し、かつ、ヒドロキシ基を有さない化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含む、被覆半導体ナノ粒子の製造方法。 - 前記酸化防止剤は、ホスファイト化合物およびチオエーテル化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1に記載の被覆半導体ナノ粒子の製造方法。
- 前記酸化防止剤は、下記一般式1〜6および化学式S1〜S2で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1または2に記載の被覆半導体ナノ粒子の製造方法;
- 前記工程において、前記半導体ナノ粒子を分散させた分散液に、酸化防止剤を前記半導体ナノ粒子1molに対し、0.1〜200mol%添加する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の被覆半導体ナノ粒子の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法によって製造されてなる、被覆半導体ナノ粒子。
- 請求項5に記載の被覆半導体ナノ粒子が複数凝集した凝集体を含む、半導体ナノ粒子集積体。
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