JP7286060B2 - 半導体ナノ粒子 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体ナノ粒子に関する。
ディスプレイの波長変換材料として、微小な粒径の半導体ナノ粒子(量子ドット;QD)が利用されている。量子閉じ込め効果が発現するほど微小な半導体ナノ粒子は、粒径に依存したバンドギャップを有する。光励起、電荷注入等の手段によって半導体ナノ粒子内に形成された励起子は、再結合によりバンドギャップに応じたエネルギーの光子を放出するため、半導体ナノ粒子の組成とその粒径を適切に選択することにより、所望の波長での発光を得ることができる。半導体ナノ粒子から得られる蛍光は半値幅が狭いため、これを用いることによりディスプレイの色再現性を高めることができる。
可視光での発光にはCdカルコゲナイド半導体ナノ粒子やInPをベースとした半導体ナノ粒子を用いることができる(例えば、特許文献1~3等参照)。InP系半導体ナノ粒子は有害なCdを含まないため有用であるが、一般的に蛍光量子効率(QY)や半値幅(FWHM)はCd系半導体ナノ粒子に劣ってしまう。
図2に、従来のディスプレイにおいて光源からの波長を変換するための装置構成の概略を示す。図2に示すように、光源には青色LED101が用いられており、まずは、この青色光を白色光に変換することが行われている。青色光から白色光への変換には、半導体ナノ粒子を樹脂中に分散させて厚みが100μm程度のフィルム状に形成して成るQDフィルム102が好適に用いられている。QDフィルム102のような波長変換層によって得られた白色光は、更に、カラーフィルター(R)104、カラーフィルター(G)105、およびカラーフィルター(B)106によって、それぞれ赤色光、緑色光、および青色光に変換される。なお、図2においては、偏光板は省略されている。
米国特許出願公開第2015/083969号明細書 米国特許第9169435号明細書 米国特許第9884993号明細書
近年、図1に示す様に、QDフィルムを用いずにQDパターニングを波長変換層として用いるタイプのディスプレイ(偏板は不図示)の開発が進められている。図1に示すタイプのディスプレイでは、光源である青色LED1からの青色光を白色光に変換せずに、QDパターニング(7、8)を用いて青色光から赤色光あるいは青色光から緑色光に直接変換する。QDパターニング(7、8)は、樹脂中に分散された半導体ナノ粒子をパターニングすることによって形成され、厚みはディスプレイの構造上の制限から5μm~10μm程度となる。なお、青色については、光源である青色LED1からの青色光を、拡散剤を含む拡散層9を透過させたものが利用される。
QDパターニング(7、8)の厚みが5μm~10μm程度であると、光路中に多くの半導体ナノ粒子を配置することができない。このため、吸光係数がより大きな半導体ナノ粒子を用いることが必要となる。吸光係数は半導体ナノ粒子の重要な指標の一つであり、吸光係数が高いほど半導体ナノ粒子の使用量をより少なくすることができる。
また、QDパターニング(7、8)中の半導体ナノ粒子が、青色光を十分に吸収しきれずに透過させてしまうと混色が生じてしまうため、QDパターニング(7、8)に用いられる半導体ナノ粒子の吸光係数はより高いことが望まれる。
半導体ナノ粒子は蛍光量子効率および安定性向上のためコアシェル構造が用いられるが、従来の半導体ナノ粒子は、シェル材料のバンドギャップが大きくシェルでの青色光の吸収が少ないため、シェル厚が増えるほど半導体ナノ粒子の吸光係数は下がってしまう。シェル材料に適切なバンドギャップのものを用いることで半導体ナノ粒子の吸光係数を改善することができるが、青色光を吸収可能なシェル材料として公知のものはCdZnSeSなどCdを含むものであり、毒性が問題となる。
そこで本発明は、Cdを実質的に含まずに、高い安定性を保ったまま青色光の吸光係数の向上した半導体ナノ粒子を提供することを目的とする。
本発明者らは上記の課題に対し、以下の解決法を見出した。
すなわち、本発明の一態様に係る半導体ナノ粒子は、
少なくともInおよびPを含むコアと、1層以上のシェルと、を有する半導体ナノ粒子であって、
前記シェルの少なくとも1層がZnSeTe(但し、Te/(Se+Te)=0.03~0.50である)であり、
前記半導体ナノ粒子を分散媒中に分散させて無機質量で1mg/mLの分散液にしたとき、450nmの光に対して光路長1cmでの吸光度が0.9以上である、
半導体ナノ粒子である。
本発明の別の態様に係る半導体ナノ粒子は、
少なくともInおよびPを含むコアと、1層以上のシェルと、を有する半導体ナノ粒子であって、
前記シェルの少なくとも1層がZnSTe(但し、Te/(S+Te)=0.02~0.60である)であり、
前記半導体ナノ粒子を分散媒中に分散させて無機質量で1mg/mLの分散液にしたとき、450nmの光に対して光路長1cmでの吸光度が0.9以上である、
半導体ナノ粒子である。
本発明の更に別の態様に係る半導体ナノ粒子は、
少なくともInおよびPを含むコアと、1層以上のシェルと、を有する半導体ナノ粒子であって、
前記シェルの少なくとも1層がZnSeSTe(但し、Te/(Se+S+Te)=0.05~0.50である)であり、
前記半導体ナノ粒子を分散媒中に散させて無機質量で1mg/mLの分散液にしたとき、450nmの光に対して光路長1cmでの吸光度が0.9以上である、半導体ナノ粒子。
なお、本願において「~」で示す範囲は、その両端に示す数字を含んだ範囲とする。
本発明によれば、Cdを実質的に含まずに、高い安定性を保ったまま青色光の吸光係数の向上した半導体ナノ粒子を提供することができる。
本発明の実施形態に係る半導体ナノ粒子をQDパターニングとして用いたディスプレイの一例の概略を表す図である。 半導体ナノ粒子をQDフィルムとして用いたディスプレイの一例の概略を表す図である。
InP系の半導体ナノ粒子のシェル材料として、頻繁に用いられているZnSeまたはZnSはバンドギャップが大きすぎ、青色光を十分に吸収できないことが知られている。そこで本発明者らは青色光を十分に吸収可能なシェル材料の検討を行い、その過程でZnTeに着目した。
しかしながら、ZnTeは青色光を吸収できるものの、ZnTeの伝導体下端と価電子帯上端はInPのものよりもそれぞれ高いエネルギーに位置するII型構造をとるため、電荷を閉じ込めるシェルとしては好適ではないという知見を得た。
そこで、本発明者らは更なる検討を重ね、InP系の半導体ナノ粒子のシェル材料として、ZnSeTe、ZnSTe、またはZnSeSTeを用いることで、I型構造を保ちつつ、青色光を吸収できる領域までシェルのバンドギャップを調節することが可能となることを見出した。
(半導体ナノ粒子)
本発明の実施形態に係る半導体ナノ粒子は、コアシェル構造を有する半導体ナノ粒子である。また、本発明の実施形態に係る半導体ナノ粒子は、分散媒中に分散させて無機質量で1mg/mLの分散液とした場合に、450nmの光に対して光路長1cmでの吸光度(OD)が0.9以上であればよい。
ここで、半導体ナノ粒子が分散媒中に分散している状態とは半導体ナノ粒子と分散媒とを混合させた場合に、半導体ナノ粒子が沈殿もしくは目視可能な濁り(曇り)として残留しない状態であることを表す。なお、前述した半導体ナノ粒子が分散媒中に分散した液を分散液とする。
前記分散液とした場合に、前記吸光度が0.9以上であることにより、例えば、厚さが5μm~10μm程度のQDパターニングとして用いたとしても、青色光を十分に吸収することが可能な半導体ナノ粒子を提供することができる。この観点から、本発明の実施形態に係る半導体ナノ粒子は、前記分散液とした場合において、450nmの光に対して光路長1cmでの吸光度が、1.0以上であることがより好ましい。なお、前記半導体ナノ粒子を分散させる分散媒は特に限定されず、例えば、ヘキサン、オクタデセン、トルエン等を用いることができる。
-コア-
半導体ナノ粒子の粒径は特に限定されるものではないが、例えば、1nm~20nmであることが好ましく、1nm~10nmであることがより好ましい。
半導体ナノ粒子においてコアは、少なくともInおよびPを含むものであればよい。コアに含まれる他の元素としては、例えば、ZnやS、Ga、ハロゲン等が挙げられる。
本発明の実施形態に係る半導体ナノ粒子のコアは、コアの平均粒径が1nm~5nm程度であることが好ましい。半導体ナノ粒子のコアの平均粒径が1nm~3nm程度であると、波長が450nmの励起光を、発光ピーク波長が500nm~550nmの光(緑色)に変換することができる。また、半導体ナノ粒子のコアの平均粒径が3nm~5nm程度であると、波長が450nmの励起光を、発光ピーク波長が600nm~650nmの光(赤色)に変換することができる。
また、本発明の実施形態に係る半導体ナノ粒子、ならびに半導体ナノ粒子のコアの平均粒径は、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)により観察される粒子画像において、10個以上の粒子の粒径を面積円相当径(Heywood径)で算出することにより測定することができる。
当該半導体ナノ粒子のコアには後述するシェルが形成されていることが好ましい。
-シェル-
本発明の実施形態に係る半導体ナノ粒子は、前記コアの表面に、ZnおよびTeを含むII-VI族によって形成されたシェルを1層以上有する。コアの表面に形成されているシェルのうち、少なくとも1層は、ZnSeTe、ZnSTe、またはZnSeSTeによって構成されていればよい。ここでZnXTe(但し、前記Xは、Se、S、またはSeおよびSである)で表される物質はZn元素、X元素、Te元素で構成される化合物である。
前記シェルがZnSeTeによる層を有する場合には、前記ZnSeTeは、Te/(Se+Te)=0.03~0.50を満たしていればよい。前記ZnSeTeにおいて、Te/(Se+Te)が0.03以上であることにより、従来の半導体ナノ粒子におけるシェル材料に比べて、青色光の吸光係数が非常に高いシェル材料を提供することができる。また、前記ZnSeTeにおいて、Te/(Se+Te)が0.50以下であることにより、InP/ZnSeTeコア/シェル構造がII型のバンド構造となることを防ぎ、励起子の閉じ込め効果を維持することができる。これらの観点から、前記ZnSeTeにおいて、Te/(Se+Te)は、0.05~0.50であることがより好ましい。
前記シェルがZnSTeによる層を有する場合には、前記ZnSTeは、Te/(S+Te)=0.02~0.60を満たしていればよい。上記のZnSeTeの場合と同様の観点から、ZnSTeにおいて、Te/(S+Te)は0.05~0.60であることがより好ましい。
前記シェルがZnSeSTeによる層を有する場合には、前記ZnSeSTeは、Te/(Se+S+Te)=0.05~0.50を満たしていればよい。上記のZnSeTeの場合と同様の観点から、ZnSeSTeにおいて、Te/(Se+S+Te)は0.10~0.50であることがより好ましい。
前記ZnXTe(但し、前記Xは、Se、S、またはSeおよびSである)によって構成されているシェルの厚みは、1.5nm以上であることが好ましい。これにより、青色光を十分に吸収可能なシェル材料を提供することができる。この観点から、前記ZnXTeによって構成されているシェルの厚みは、2.0nm以上であることがより好ましい。
また、前記ZnXTeによって構成されているシェルの厚みの上限は特に限定されるものではないが、他の成分によるシェル層の厚みとの合計が5nm以下であることが好ましい。これにより、後述するような分散媒、あるいはQDフィルム、QDパターニング中の半導体ナノ粒子の含有量を高くすることができる。この観点から、前記ZnXTeによって構成されているシェルの厚みと、他の成分によって構成されているシェル層の厚みとの合計は、4nm以下であることがより好ましい。
Teの含有率が少ない前記ZnXTeや、Teを含まないZnS、ZnSeおよびZnSeSは、バンドギャップが大きく安定であるため、半導体ナノ粒子のシェルの外側に近い部分はこのような成分によって構成されていることが好ましい。
このため、本発明の実施形態に係る半導体ナノ粒子のシェルのうち前記ZnXTeからなるシェルは、前記ZnXTe中のTeの含有率がシェルの外側へ向かって少なくなるように濃度勾配が形成されていることが好ましい。なお、シェルの外側とは、コアの中心部から離れる方向をいうものとする。
また、前記ZnXTeからなるシェルにおいて、Teの含有率に濃度勾配があるとは、Teの濃度が連続的に変化している場合だけでなく、不連続に変化している場合も含むものとする。シェルの外側に向かってTeの含有率が不連続に変化している場合としては、例えば、層内におけるTe濃度が一定のシェル層を2層以上有し、コアに近いシェル層はTe濃度が高く、当該シェル層よりもTe濃度が低いシェル層が順に形成されている場合が上げられる。
本発明の実施形態に係る半導体ナノ粒子は、シェルを2層以上有し、最外層のシェルがZnSによって形成されていることが好ましい。上述のようにZnSはバンドギャップが大きいため、ZnSからなる最外層を有することにより、半導体ナノ粒子の最外層を安定化させることができる。
また、本発明の実施形態に係る半導体ナノ粒子は、シェルを2層以上有し、最外層のシェルが酸化物によって形成されていることが好ましい。半導体ナノ粒子の最表面に酸化物コートが設けられていることにより、半導体ナノ粒子の経時劣化を抑制することができる。最外層のシェルを構成する前記酸化物としては、例えば、Al、SiO、ZnOなどが挙げられる。
本発明の実施形態に係る半導体ナノ粒子は、蛍光量子効率が70%以上であることが好ましい。蛍光量子効率が高い程、高効率で入射光から蛍光が得られる。このため前記蛍光量子効率は高ければ高いほど好ましく、80%以上であることがより好ましい。
本発明の実施形態に係る半導体ナノ粒子は、蛍光半値幅が42nm以下であることが好ましい。蛍光半値幅が小さい程、波長が揃った蛍光が得られる。このため前記蛍光半値幅は小さければ小さいほど好ましく、38nm以下であることがより好ましい。
本発明の実施形態に係る半導体ナノ粒子は、大気中で180℃5時間の条件で加熱した場合に、加熱前の蛍光量子効率と加熱後の蛍光量子効率の変化率が10%以下であることが好ましい。加熱の前後の蛍光量子効率の変化率が小さいほど、温度変化に対する安定性が高い半導体ナノ粒子である。このため前記加熱の前後における蛍光量子効率の変化率は小さければ小さいほど好ましく、5%以下であることがより好ましい。
本発明の実施形態に係る半導体ナノ粒子は、Cdの含有率が100ppm以下であることが好ましい。例えば、CdZnSeSからなるシェルのように、Cdが含まれていると青色光の吸光度が高くなるが、前述のようにCdの毒性が問題となる。このため、Cdが実質的に含まれていないことが好ましい。Cdが実質的に含まれていないとは、半導体ナノ粒子におけるCdの含有率が100ppm以下であることをいうものとする。半導体ナノ粒子におけるCdの含有率は少なければ少ないほど好ましく、50ppm以下であることがより好ましい。
なお、本発明の実施形態に係る半導体ナノ粒子は、本発明の作用効果を害さない限り、In、P、Zn、S、Se及びTe以外の元素が不可避的又は意図的に含まれていてもよく、例えばSi、Ge、ハロゲンをはじめとする元素が含まれていても良い。
(半導体ナノ粒子の製造方法)
上記の本発明の実施形態に係る半導体ナノ粒子を製造する方法は特に限定されるものではなく、例えば、以下のようにして製造することができる。
-コアの合成-
InP系半導体ナノ粒子は、In前駆体とP前駆体を反応させることで合成する。
In前駆体としては、例えば、酢酸インジウム、プロピオン酸インジウム、ミリスチン酸インジウム、オレイン酸インジウム等のカルボン酸インジウム、フッ化インジウム、塩化インジウム、臭化インジウム、ヨウ化インジウム等のハロゲン化インジウム、インジウムチオラート、トリアルキルインジウムが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
P前駆体としては、例えば、トリス(トリメチルシリル)ホスフィン、トリス(トリメチルゲルミル)ホスフィン、トリス(ジメチルアミノ)ホスフィン、トリス(ジエチルアミノ)ホスフィン、トリス(ジオクチルアミノ)ホスフィン、トリアルキルホスフィン、PHガス等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
P前駆体としてトリス(トリメチルシリル)ホスフィンを使用した場合、Si元素が半導体ナノ粒子の組成として組み込まれる場合があるが、本発明の作用を害するものではない。
In前駆体と、溶媒を混合し、金属前駆体溶液を作製する。金属前駆体溶液には、必要に応じて後段で例示する分散剤または/および添加剤を追加することができる。分散剤は半導体ナノ粒子の表面に配位し、粒子同士の凝集を防ぎ安定的に溶媒中に分散させる働きをもつ。なお、金属前駆体に長鎖の炭素鎖をもつものが含まれる場合、それが分散剤としての役割を果たすのでその場合は必ずしも分散剤を追加する必要はない。
前記分散剤としては、例えば、カルボン酸類、アミン類、チオール類、ホスフィン類、ホスフィンオキシド類、ホスフィン酸類、ホスホン酸類などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。分散剤は溶媒を兼ねることもできる。
前記溶媒としては、例えば、1-オクタデセン、ヘキサデカン、スクアラン、オレイルアミン、トリオクチルホスフィン、トリオクチルホスフィンオキシドなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前記添加剤としては、S前駆体、Zn前駆体、ハロゲン化物等が挙げられる。これらの前駆体、ハロゲン化物を添加剤として加えることで、コア粒子のサイズ分布をさらに狭くする、半値幅を狭くする、量子効率を向上させる等の効果を得ることができる。
これらの添加剤は半導体ナノ粒子のコア内部に組み込まれてもよいし、コアの表面のみに存在しても良い。
S前駆体としては、例えば、硫化トリオクチルホスフィン、硫化トリブチルホスフィン、チオール類、ビス(トリメチルシリル)スルフィドなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Zn前駆体としては、例えば、酢酸亜鉛、プロピオン酸亜鉛ミリスチン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛等のカルボン酸亜鉛、フッ化亜鉛、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛等のハロゲン化亜鉛、亜鉛チオラート、ジアルキル亜鉛等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ハロゲン化物としてはHF、HCl、HBr、HI、塩化オレオイル、塩化オクタノイル等のカルボン酸ハロゲン化物、塩化亜鉛、塩化インジウム、塩化ガリウム等のハロゲン化金属が挙げられるが、これに限定されるものではない。
ここで用いられた添加剤は金属前駆体溶液中に添加してもよいし、コア合成後に添加しコア粒子と反応させてもよい。
ある実施形態では、In前駆体、および必要に応じて分散剤、添加剤を溶媒中に添加した金属前駆体溶液を真空下で混合し、一旦100℃~300℃で6時間~24時間加熱した後、さらにP前駆体を添加して200℃~400℃で1分~60分加熱後冷却することで、半導体ナノ粒子のコア粒子が分散したコア粒子分散液が得られる。
-シェルの合成-
上記のようにして合成されたコア粒子分散液、あるいはハロゲン添加コア粒子分散液に、さらにZn、X、Te元素(但し、XはSe、S、またはその両方)を添加してシェルを形成することにより、青色光の吸光度が高い半導体ナノ粒子を得ることができる。
Zn、Se、S、Te元素は、主にコア粒子の表面付近に存在し、半導体ナノ粒子を外的因子から保護する役割を持っている。なお、これらの元素は主にコア粒子の表面だけでなく、一部は拡散によってコア粒子の内部に移動していてもよい。
シェル形成時に添加するZn前駆体としては、例えば、酢酸亜鉛、プロピオン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛等のカルボン酸亜鉛、フッ化亜鉛、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛等のハロゲン化亜鉛、亜鉛チオラート、ジアルキル亜鉛等が挙げられるが、これに限定されるものではない。また、シェル形成時に添加するZn前駆体はコア作製時に添加するZn前駆体と同じZn前駆体でもよいし、異なるZn前駆体でもよい。
Se前駆体としては、例えば、セレン化トリアルキルホスフィン、セレノールなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。
S前駆体としては、例えば、硫化トリオクチルホスフィン、硫化トリブチルホスフィン、チオール類、ビス(トリメチルシリル)スルフィド等が挙げられるが、これに限定されるものではない。また、シェル形成時に添加するS前駆体はコア作製時に添加するS前駆体と同じS前駆体でもよいし、異なるS前駆体でもよい。
Te前駆体としては、例えば、テルル化トリオクチルホスフィン、テルル化トリブチルホスフィン等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
ある実施形態では、前述したコア粒子分散液にZn前駆体、Se前駆体およびTe前駆体を添加後150℃~300℃、さらに好ましくは180℃~250℃で加熱し、その後Zn前駆体とS前駆体を添加後、200℃~400℃、好ましくは250℃~350℃で加熱することで、コア粒子の表面にZnSeTeが含まれるシェルを形成し、更にその外側にZnSが含まれるシェルが形成された半導体ナノ粒子が得られる。
シェルの前駆体はあらかじめ混合し、一度で、あるいは複数回に分けて添加してもよいし、それぞれ別々に一度で、あるいは複数回に分けて添加してもよい。シェル前駆体を複数回に分けて添加する場合は、各シェル前駆体添加後にそれぞれ温度を変えて加熱してもよい。Te前駆体を複数回に分けて添加する場合には、Te前駆体におけるTeの濃度を順次低くすることで、前記ZnXTe中のTeの含有率がシェルの外側へ向かって少なくなるように勾配を持ったシェルを有する半導体ナノ粒子を得ることができる。また、上記のように最後にZn前駆体およびS前駆体を添加することで、最外層がZnSによって形成された半導体ナノ粒子を得ることができる。
-精製-
上記のようにして得られる半導体ナノ粒子は、さらに精製することができる。例えば、アセトン等の極性転換溶媒を添加することによって前記半導体ナノ粒子を溶液から析出させることができる。半導体ナノ粒子は濾過や遠心分離によって回収することができる。一方、未反応の出発物質および他の不純物を含む上澄みは廃棄または再利用することができる。次いで、回収した半導体ナノ粒子をさらなる溶媒で洗浄し、再び溶解することができる。この精製プロセスは、例えば、2~4回、または所望の純度に到達するまで、繰り返すことができる。他の精製方式としては、例えば、凝集、液液抽出、蒸留、電着、サイズ排除クロマトグラフィーおよび/または限外濾過を挙げることができ、上述の精製方式のいずれかまたは全てを単独でまたは組み合わせて使用することができる。
なお、上記のようにシェルを形成した半導体ナノ粒子に表面活性剤を添加し、攪拌後、無機含有組成物を添加し、再度攪拌することで、半導体ナノ粒子の表面に酸化物による最外層を形成することができる。
ここで使用される界面活性剤は特に限定されることはないが、ドデシル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、n-ブタノール、ジオクチルソジウムスルホサクシネート等が挙げられる。
無機含有組成物は特に限定はされないがシランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミネートカップリング剤等が挙げられる。
ある実施形態では、シェルを形成した半導体ナノ粒子を精製後、界面活性剤を含む水溶液を添加し、混合液を混合・攪拌することでミセルを形成する。ミセルの形成は混合液の白濁によって確認できる。ミセルが形成された水相を回収し、これに無機含有組成物を添加し、10℃~30℃で10分~6時間攪拌する。未反応物を除去後、これらを再度精製することで酸化物の最外層を有する半導体ナノ粒子が得られる。
酸化物の最外層を形成する方法としては、上記方法に限定されず、シェル合成時に無機含有組成物を添加する方法や、その他公知の方法が使用される。
-プロセス-
ある実施形態では、上記プロセスをバッチプロセスで実施することができる。また、別の実施形態では上記プロセスの少なくとも一部を例えば国際公開第2016/194802号、国際公開第2017/014314号、国際公開第2017/014313号、国際出願番号PCT/JP2017/016494に記載されているような連続フロープロセスで行うことができる。
(応用)
本発明の実施形態に係る半導体ナノ粒子は、例えば、適した有機物または溶媒に分散され半導体ナノ粒子分散液として使用することができる。分散液の粘度については限定されない。また、半導体ナノ粒子の分散液はQDフィルムやQDパターニング等の光学部材に使用することができる。
-波長変換層-
本発明の実施形態に係る半導体ナノ粒子は、青色光を吸収して白色光に変換するQDフィルムや、青色光を吸収して赤色光または緑色光に変換するQDパターニングのような波長変換層(光学部材)として好ましく用いることができる。
例えば、半導体ナノ粒子のフィルム化工程、又は半導体ナノ粒子含有フォトレジストのベーキング工程、あるいは半導体ナノ粒子のインクジェットパターニング後における溶媒除去および樹脂硬化工程等を経ることによって、QDフィルムやQDパターニングを得ることができる。本発明の実施形態に係る半導体ナノ粒子は、青色光の吸光度が非常に高いため、図1に示す構造のディスプレイのように、厚みが5μm程度と非常に薄いQDパターニングにおいて特に好ましく用いることができる。本発明の実施形態に係る半導体ナノ粒子を用いたQDパターニングは、青色光を十分に吸収することができるため、青色光の透過による混色を抑制することができる。
前記波長変換層は、膜厚が5μmの場合には、膜に垂直な方向の光学密度が450nmの光に対して1以上であることが好ましい。これにより、緑色および赤色光への青色光の混入が抑えられ、利用可能な色域を広くすることができる。前記光学密度は、450nmの光に対して1.5以上であることがより好ましい。
前記波長変換層は、前記半導体ナノ粒子の割合が20質量%~60質量%であることが好ましい。波長変換層における半導体ナノ粒子の割合が20質量%以上であることにより、青色光の吸光度が非常に高い波長変換層を提供することができる。また、波長変換層における半導体ナノ粒子の割合が60質量%以下であることにより、樹脂成分割合の減少による効果不足を防ぐことができる。これらの観点から、波長変換層における半導体ナノ粒子の割合は25質量%~50質量%であることがより好ましい。
(測定)
半導体ナノ粒子の元素分析は、高周波誘導結合プラズマ発光分析装置(ICP)あるいは蛍光X線分析装置(XRF)を用いて行うことができる。ICP測定では精製した半導体ナノ粒子を硝酸で溶解し加熱後、水に希釈してICP発光分析装置(島津製作所製、ICPS-8100)を用いて検量線法で測定する。XRF測定は分散液を濾紙に含浸させたものをサンプルホルダに入れ蛍光X線分析装置(リガク製、ZSX100e)を用いて定量分析を行う。
また、半導体ナノ粒子の光学特性は蛍光量子効率測定システム(大塚電子製、QE-2100)を用いて測定できる。得られた半導体ナノ粒子を分散に分散させ、励起光を当て発光スペクトルを得る。ここで得られた発光スペクトルより再励起されて蛍光発光した分の再励起蛍光発光スペクトルを除いた再励起補正後の発光スペクトルより蛍光量子効率(QY)と半値幅(FWHM)を算出する。分散は例えばノルマルヘキサンやオクタデセンが挙げられる。
半導体ナノ粒子の耐熱性は乾粉を評価する。前記精製した半導体ナノ粒子から溶媒を除去し、乾粉の状態で大気中180℃、5時間加熱する。熱処理後、半導体ナノ粒子を分散液に再分散させ、再励起補正した蛍光量子効率(=QYb)を測定する。加熱前の蛍光量子効率を(QYa)とすると熱処理前後の蛍光量子効率の変化率(耐熱性)は下記式により算出できる。
(式): {1-(QYb/QYa)}×100
本発明の実施の形態としては以下の(1)から(14)を挙げることができる。
(1)少なくともInおよびPを含むコアと、1層以上のシェルと、を有する半導体ナノ粒子であって、
前記シェルの少なくとも1層がZnSeTe(但し、Te/(Se+Te)=0.03~0.50である)であり、
前記半導体ナノ粒子を分散媒中に分散させて無機質量で1mg/mLの分散液にしたとき、450nmの光に対して光路長1cmでの吸光度が0.9以上である、半導体ナノ粒子。
(2)前記ZnSeTeに含まれるSeとTeの物質量が、Te/(Se+Te)=0.05~0.50の範囲であり、前記吸光度が1.0以上である、上記(1)に記載の半導体ナノ粒子。
(3)少なくともInおよびPを含むコアと、1層以上のシェルと、を有する半導体ナノ粒子であって、
前記シェルの少なくとも1層がZnSTe(但し、Te/(S+Te)=0.02~0.60である)であり、
前記半導体ナノ粒子を分散媒中に分散させて無機質量で1mg/mLの分散液にしたとき、450nmの光に対して光路長1cmでの吸光度が0.9以上である、半導体ナノ粒子。
(4)前記ZnSTeに含まれるSとTeの物質量が、Te/(S+Te)=0.05~0.60の範囲であり、前記吸光度が1.0以上である、上記(3)に記載の半導体ナノ粒子。
(5)少なくともInおよびPを含むコアと、1層以上のシェルと、を有する半導体ナノ粒子であって、
前記シェルの少なくとも1層がZnSeSTe(但し、Te/(Se+S+Te)=0.05~0.50であり、かつSe>0、S>0)であり、
前記半導体ナノ粒子を分散媒中に散させて無機質量で1mg/mLの分散液にしたとき、450nmの光に対して光路長1cmでの吸光度が0.9以上である、半導体ナノ粒子。
(6)前記ZnSeSTeに含まれるSe、SおよびTeの物質量が、Te/(Se+S+Te)=0.10~0.50、かつSe>0、S>0の範囲であり、前記吸光度が1.0以上である、上記(5)に記載の半導体ナノ粒子。
(7)前記半導体ナノ粒子の、前記ZnXTe(但し、前記Xは、Se、S、またはSeおよびSである)からなるシェルの厚みが1.5nm以上である、上記(1)から上記(6)のいずれか一項に記載の半導体ナノ粒子。
(8)前記半導体ナノ粒子の、前記ZnXTe(但し、前記Xは、Se、S、またはSeおよびSである)からなるシェルは、前記ZnXTe中のTeの含有率がシェルの外側へ向かって少なくなるように勾配を持つ、上記(1)~上記(7)のいずれか一項に記載の半導体ナノ粒子。
(9)前記半導体ナノ粒子の前記シェルが2層以上であり、最外層がZnSである、上記(1)~上記(8)のいずれか一項に記載の半導体ナノ粒子。
(10)前記半導体ナノ粒子の前記シェルが2層以上であり、最外層が酸化物である、上記(1)~上記(8)のいずれか一項に記載の半導体ナノ粒子。
(11)前記半導体ナノ粒子の蛍光量子効率が70%以上である、上記(1)~上記(10)のいずれか一項に記載の半導体ナノ粒子。
(12)前記半導体ナノ粒子の蛍光半値幅が42nm以下である、上記(1)~上記(11)のいずれか一項に記載の半導体ナノ粒子。
(13)前記半導体ナノ粒子を大気中で180℃5時間加熱した時、加熱前の蛍光量子効率と加熱後の蛍光量子効率の変化率が10%以下である上記(1)~上記(12)のいずれか一項に記載の半導体ナノ粒子。
(14)前記半導体ナノ粒子のCd含有率が100ppm以下である、上記(1)~上記(13)のいずれか一項に記載の半導体ナノ粒子。
本明細書に記載の構成および/または方法は例として示され、多数の変形形態が可能であるため、これらの具体例または実施例は限定の意味であると見なすべきではないことが理解されよう。本明細書に記載の特定の手順または方法は、多数の処理方法の1つを表しうる。したがって、説明および/または記載される種々の行為は、説明および/または記載される順序で行うことができ、または省略することもできる。同様に前述の方法の順序は変更可能である。
本開示の主題は、本明細書に開示される種々の方法、システムおよび構成、並びにほかの特徴、機能、行為、および/または性質のあらゆる新規のかつ自明でない組み合わせ及び副次的組み合わせ、並びにそれらのあらゆる均等物を含む。
以下の方法に従って、InP系半導体ナノ粒子の作製を行い、得られたInP系半導体ナノ粒子の、組成、光学特性、温度特性の測定をした。
<コア>
酢酸インジウム(0.3mmol)およびオレイン酸亜鉛(0.6mmol)を、オレイン酸(0.9mmol)と1-ドデカンチオール(0.1mmol)とオクタデセン(10mL)との混合物に加え、真空下(<20Pa)で約120℃に加熱し、1時間反応させた。真空で反応させた混合物を25℃、窒素雰囲気下にして、トリス(トリメチルシリル)ホスフィン(0.2mmol)を加えたのち、約300℃に加熱し、10分間反応させた。反応液を25℃に冷却し、オクタン酸クロリド(0.45mmol)を注入し、約250℃で30分間加熱後、25℃に冷却して、InP系半導体ナノ粒子の分散溶液を得た。得られたInP系半導体ナノ粒子の平均粒径は、2.6nmであった。
上記のようにして得られたInP系半導体ナノ粒子をコアとして使用し、コアの表面にそれぞれ表1に示す構成のシェルを以下のようにして形成してコア/シェル型構造の半導体ナノ粒子を作製した。
<シェル>
シェルの作製にあたって、まずは前駆体の調整を行った。
-Zn前駆体溶液の調整-
40mmolのオレイン酸亜鉛と75mLのオクタデセンを混合し、真空化で110℃にて1時間加熱し、[Zn]=0.4MのZn前駆体溶液を調整した。
-Se前駆体(セレン化トリオクチルホスフィン)の調製-
22mmolのセレン粉末と10mLのトリオクチルホスフィンを窒素中で混合し、全て溶けるまで撹拌して[Se]=2.2Mのセレン化トリオクチルホスフィンを得た。
-S前駆体(硫化トリオクチルホスフィン)の調整-
22mmolの硫黄粉末と10mLのトリオクチルホスフィンを窒素中で混合し、全て溶けるまで撹拌して[S]=2.2Mの硫化トリオクチルホスフィンを得た。
-Te前駆体(テルル化トリオクチルホスフィン)の調整-
3mmolのテルル粉末と10mLのトリオクチルホスフィンを窒素中で混合し、250℃に加熱して全て溶けるまで攪拌して[Te]=0.3Mのテルル化トリオクチルホスフィンを得た。
-シェルの形成-
上記のようにして得られた各前駆体を用いて、次のようにして前記コアの表面にシェルを形成した。
コアの分散溶液を200℃まで加熱した。200℃において0.75mLのZn前駆体溶液、セレン化トリオクチルホスフィンおよび/または硫化トリオクチルホスフィン、およびテルル化トリオクチルホスフィンを同時に添加し、30分間反応させコア(InP系半導体ナノ粒子)の表面にZnSeTeシェル、ZnSTeシェル、またはZnSeSTeシェルを形成した。
なお、各半導体ナノ粒子のシェルにおいて、Te/(Se+Te)、Te/(S+Te)、またはTe/(Se+S+Te)は、表1に示す値となるようにした。表1において、Xは、ZnSeTe、ZnSTe、またはZnSeSTeにおけるSe、S、またはSeおよびSを表す。また、Te/(Se+Te)、Te/(S+Te)、またはTe/(Se+S+Te)が0のときは、Te=0の場合、すなわち前記ZnXTeシェルの形成時にテルル化トリオクチルホスフィンを添加しなかった場合を意味する。
さらに、1.5mLのZn前駆体溶液と0.6mmolの硫化トリオクチルホスフィンを添加し、250℃に昇温して1時間反応させZnSシェルを形成した。
<精製>
上記のようにして得られたコア/シェル型構造の半導体ナノ粒子が分散した溶液にアセトンを加え、半導体ナノ粒子を凝集させた。遠心分離(4000rpm、10分間)後、上澄みを除去し、半導体ナノ粒子をヘキサンに再分散させた。これを繰り返して、精製された半導体ナノ粒子ヘキサン溶液を得た。
得られた半導体ナノ粒子の平均粒径は、5.8nmであった。
Figure 0007286060000001
表中のXは、ZnSeTe、ZnSTeまたはZnSeSTeにおけるSe、SまたはSeおよびSを表す。
<評価>
精製した半導体ナノ粒子について、以下のようにして、吸光度、蛍光量子効率、加熱処理前後の蛍光量子効率の変化率、組成を評価した。評価結果を上記表1に示す。
-吸光度-
熱重量分析により、半導体ナノ粒子ヘキサン溶液の無機分濃度を求めた。1℃/minで550℃まで昇温し、10分間保持後の残差を半導体ナノ粒子ヘキサン溶液中のナノ粒子の無機質量とした。この値をもとに、濃度を1g/mLに調整した。この溶液を光路長1cmの光学セルに入れ、可視紫外分光光度計により測定した450nmでの吸光度をOD450とした。
-蛍光量子効率-
光学特性は前述したとおり、量子効率測定システムを用いて測定した。この時、励起光は450nmの単一波長とした。
-加熱処理前後の蛍光量子効率の変化率-
耐熱性は前述した方法で評価した。
-組成-
組成分析は蛍光X線分析装置(XRF)を用いて測定した。
1 青色LED
3 液晶
7 QDパターニング(R)
8 QDパターニング(G)
9 拡散層
101 青色LED
102 QDフィルム
103 液晶
104 カラーフィルター(R)
105 カラーフィルター(G)
106 カラーフィルター(B)

Claims (10)

  1. 少なくともInおよびPを含むコアと、1層以上のシェルと、を有する半導体ナノ粒子であって、
    前記シェルの少なくとも1層がZnSTe(但し、Te/(S+Te)=0.02~0.60である)であり、
    前記半導体ナノ粒子を分散媒中に分散させて無機質量で1mg/mLの分散液にしたとき、450nmの光に対して光路長1cmでの吸光度が0.9以上である、半導体ナノ粒子。
  2. 前記ZnSTeに含まれるSとTeの物質量が、Te/(S+Te)=0.05~0.60の範囲であり、前記吸光度が1.0以上である、請求項に記載の半導体ナノ粒子。
  3. 前記半導体ナノ粒子の、前記ZnSTeからなるシェルの厚みが1.5nm以上である、請求項1または2に記載の半導体ナノ粒子。
  4. 前記半導体ナノ粒子の、前記ZnSTeからなるシェルは、前記ZnTe中のTeの含有率がシェルの外側へ向かって少なくなるように勾配を持つ請求項1~のいずれか一項に記載の半導体ナノ粒子。
  5. 前記半導体ナノ粒子の前記シェルが2層以上であり、最外層がZnSである、請求項1~のいずれか一項に記載の半導体ナノ粒子。
  6. 前記半導体ナノ粒子の前記シェルが2層以上であり、最外層が酸化物である、請求項1~のいずれか一項に記載の半導体ナノ粒子。
  7. 前記半導体ナノ粒子の蛍光量子効率が70%以上である、請求項1~のいずれか一項に記載の半導体ナノ粒子。
  8. 前記半導体ナノ粒子の蛍光半値幅が42nm以下である、請求項1~のいずれか一項に記載の半導体ナノ粒子。
  9. 前記半導体ナノ粒子を大気中で180℃5時間加熱した時、加熱前の蛍光量子効率と加熱後の蛍光量子効率の変化率が10%以下である、請求項1~のいずれか一項に記載の半導体ナノ粒子。
  10. 前記半導体ナノ粒子のCd含有率が100ppm以下である、請求項1~のいずれか一項に記載の半導体ナノ粒子。
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