JP2016172462A - 防振装置 - Google Patents

防振装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2016172462A
JP2016172462A JP2015052092A JP2015052092A JP2016172462A JP 2016172462 A JP2016172462 A JP 2016172462A JP 2015052092 A JP2015052092 A JP 2015052092A JP 2015052092 A JP2015052092 A JP 2015052092A JP 2016172462 A JP2016172462 A JP 2016172462A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber
rubber member
piezoelectric sensor
vibration isolator
vibration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015052092A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6462436B2 (ja
Inventor
祥吾 間々田
Shogo Mamada
祥吾 間々田
吉晃 岡村
Yoshiaki Okamura
吉晃 岡村
大樹 梅原
Daiki Umehara
大樹 梅原
至規 岡田
Yukinori Okada
至規 岡田
和義 村上
Kazuyoshi Murakami
和義 村上
伊藤 浩史
Hiroshi Ito
浩史 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Railway Technical Research Institute
Fukoku Co Ltd
Fukoku KK
Original Assignee
Railway Technical Research Institute
Fukoku Co Ltd
Fukoku KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Railway Technical Research Institute, Fukoku Co Ltd, Fukoku KK filed Critical Railway Technical Research Institute
Priority to JP2015052092A priority Critical patent/JP6462436B2/ja
Publication of JP2016172462A publication Critical patent/JP2016172462A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6462436B2 publication Critical patent/JP6462436B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Vibration Prevention Devices (AREA)

Abstract

【課題】走行中の鉄道車両の振動を抑制でき、かつ、走行中の鉄道車両に作用する荷重を検出することができる防振装置を実現する。【解決手段】防振装置に荷重が作用すると、この荷重の作用方向にゴム部材11A及びゴム部材11Bからなるゴム部11が圧縮される。圧電センサ13の電極部14Aと接触しているゴム部材11Aは発泡ゴムであり、荷重の作用方向に圧縮されても、荷重の作用方向と交差する方向に膨張しない。よって、防振装置に荷重が作用しても、圧電センサ13と接触しているゴム部材11Aの当接領域11aが荷重の作用方向と交差する方向に移動することがなく、圧電センサ13に引張力が作用しない。【選択図】図9

Description

本発明は、鉄道車両の走行振動を抑制する防振装置に関する。
従来、鉄道車両の走行振動を抑制する手段として、走行振動を吸収するゴム部材を備えた防振装置が知られている。一方、鉄道の分野では、鉄道車両の走行振動を抑制することのみでなく、走行中の鉄道車両に作用する荷重を検出することが求められている。鉄道車両の走行に伴う荷重を検出する技術として、例えば特許文献1に記載されている技術がある。この技術は、鉄道車両(列車)が走行するレールとこのレールを支持するまくらぎ等の支持体との間に、走行振動を圧電効果によって電気信号に変換する圧電ゴム部を挿入するものである。
特開2010−132193号公報
特許文献1に記載されている技術によれば、鉄道車両の走行に伴ってレールに作用する荷重を検出することはできる。しかし、鉄道車両自体に作用する荷重を直接的に検出することはできず、また、鉄道車両に発生する振動を抑制することもできない。
本発明の目的は、走行中の鉄道車両の振動を抑制でき、かつ、走行中の鉄道車両に作用する荷重を検出することができる防振装置を提供することである。
本発明の防振装置は、鉄道車両の走行振動を吸収するゴム部を有する防振装置である。本発明の一態様では、前記ゴム部は、一方側ゴム部材と他方側ゴム部材とを有する。また、前記一方側ゴム部材と前記他方側ゴム部材とが対向する面の間に挟み込まれた状態で、前記ゴム部に作用する荷重を検出する圧電センサが設けられる。
本発明によれば、走行中の鉄道車両の振動を抑制でき、かつ、走行中の鉄道車両に作用する荷重を検出することができる防振装置が実現される。
本発明の第1実施形態に係る防振装置を備える車両を模式的に示す平面図である。 本発明の第1実施形態に係る防振装置を備える車両を模式的に示す側面図である。 本発明の第1実施形態に係る防振装置を備える車両の台車を模式的に示す平面図である。 本発明の第1実施形態に係る防振装置を備える車両の台車を模式的に示す正面図である。 本発明の第1実施形態に係る防振装置の分解図である。 本発明の第1実施形態に係る防振装置の外観図であり、(A)は平面図であり、(B)は(A)のVI-VIB線で切断した状態を示す断面図であり、(C)は(A)のVI-VIC線で切断した状態を示す断面図である。 本発明の第1実施形態に係る防振装置の一方側ゴム部材の外観図であり、(A)は平面図であり、(B)は(A)のVII-VIIB線で切断した状態を示す断面図である。 本発明の第1実施形態に係る防振装置の他方側ゴム部材の外観図であり、(A)は平面図であり、(B)は(A)のVIII-VIIIB線で切断した状態を示す断面図であり、(C)は(A)のVIII-VIIIC線で切断した状態を示す断面図である。 本発明の第1実施形態に係る防振装置のゴム部の機能を模式的に示す断面図であり、(A)は防振装置に荷重が作用していないときの状態を示す断面図であり、(B)は防振装置に荷重が作用しているときの状態を示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係る防振装置の分解図である。 本発明の第2実施形態に係る防振装置の外観図であり、(A)は平面図であり、(B)は(A)のXI-XIB線で切断した状態を示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係る防振装置の一方側ゴム部材の外観図であり、(A)は平面図であり、(B)は(A)のXII-XIIB線で切断した状態を示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係る防振装置の他方側ゴム部材の外観図であり、(A)は平面図であり、(B)は(A)のXIII-XIIIB線で切断した状態を示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係る防振装置のゴム部の機能を模式的に示す断面図であり、(A)は防振装置に荷重が作用していないときの状態を示す断面図であり、(B)は防振装置に荷重が作用しているときの状態を示す断面図である。 本発明の第3実施形態に係る防振装置の分解図である。 本発明の第3実施形態に係る防振装置の外観図であり、(A)は平面図であり、(B)は(A)のXVI-XVIB線で切断した状態を示す断面図であり、(C)は(A)のXVI-XVIC線で切断した状態を示す断面図である。 本発明の第3実施形態に係る防振装置の一方側ゴム部材の外観図であり、(A)は平面図であり、(B)は(A)のXVII-XVIIB線で切断した状態を示す断面図である。 本発明の第3実施形態に係る防振装置の他方側ゴム部材の外観図であり、(A)は平面図であり、(B)は(A)のXVIII-XVIIIB線で切断した状態を示す断面図であり、(C)は(A)のXVIII-XVIIIC線で切断した状態を示す断面図である。 本発明の第3実施形態に係る防振装置のゴム部の機能を模式的に示す断面図であって、防振装置に荷重が作用しているときの状態を示す断面図である。
(第1実施形態)
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態について詳しく説明する。
図2〜図4に示す軌道1は、車両2が走行する通路(線路)である。軌道1は、車両2の車輪5aを支持し案内してこの車両2を走行させるレール1aなどを備えている。
図1,図2に示す車両2は、軌道1に沿って走行する鉄道車両である。車両2は、例えば、電車,気動車,機関車,客車又は貨車などである。車両2は、車体3と台車4などを備えている。車体3は、旅客又は貨物などの積載物を輸送するための構造物である。
図1、図2及び図4に示す台車4は、車体3を支持して走行する装置である。台車4は、図1、図3及び図4に示す輪軸5と、図4に示す軸受6と、図1〜図4に示す軸箱7と、図1、図2及び図4に示す台車枠8と、図2及び図4に示す軸ばね9と、図1〜図6に示す防振装置10などを備えている。図1、図2及び図4に示す台車4は、図2に示すように、軸箱7と一体となったリンク部材(軸ばり)をゴムブシュ及びピンを介して台車枠8に連結する構造であり、在来線車両に使用される軸はり式台車である。
図1、図3及び図4に示す輪軸5は、車輪5aと車軸5bとを組み立てた部材である。車輪5aは、レール1aと転がり接触する部材である。車軸5bは、車輪5aと一体となって回転する部材であり、両端部側に左右一対の車輪5aが圧入され取り付けられている。図4に示す軸受6は、車軸5bを支持する部材であり、車軸5bの両端部を回転自在に支持する転がり軸受である。
図1〜図4に示す軸箱7は、軸受6を収容する部材であり、軸箱支持装置によって台車枠8の所定の位置に保持されている。軸箱7は、図6(B),(C)に示すように、上面部7aと心棒7bなどを備えている。上面部7aは、防振装置10を支持する部分であり、軸箱7の上端に設けられた平坦面である。心棒7bは、軸箱7上の所定の位置に防振装置10を位置決めする部材である。心棒7bは、防振装置10の貫通孔11d,11g,12a,12bを貫通する円柱状の突起部である。図3に示すように、心棒7bの中心線は、車軸5bの中心線に対して直交しており、図6(B),(C)に示すように、上面部7aから突出して上面部7aと一体に形成されている。
図1、図2及び図4に示す台車枠8は、台車4の主要構成部である。台車枠8は、図1,図2に示すように、左右の側梁とこれらをつなぐ横梁などによって構成されている。台車枠8は、図示しないけん引装置によって車体3に連結されており、車体3との間で前後方向の力が伝達される。
図2及び図4に示す軸ばね9は、軸箱7と台車枠8との間の衝撃を緩和する部材である。軸ばね9は、図4に示すように、軸箱7と台車枠8との間で垂直方向の荷重を弾性的に支持しており、図6(B),(C)に示すように、ばね座9aなどを備えている。ばね座9aは、軸ばね9の下端を支持する部分である。ばね座9aは、軸ばね9と防振装置10との間に挟み込まれており、軸ばね9の下端が均一に防振装置10と接触するように、防振装置10の金属板12Aと接触する側が平坦面に形成されている。
図1〜図6に示す防振装置10は、車両2の軸箱7の振動を抑える部材である。防振装置10は、図2、図4及び図6に示すように、軸箱7と軸ばね9との間に挟み込まれた状態でこれらの間に装着されている。防振装置10は、軸箱7の振動を抑え振動の伝達を防止するとともに、これらの間に発生する衝撃を緩和して騒音の発生を防止する。防振装置10は、図6(A)に示すように、平面形状が円形の板状部材である。防振装置10は、図5に示すように、ゴム部11と、金属板12A,12Bと、圧電センサ13などを備えている。換言すれば、防振装置10は、圧電センサ13を内蔵する圧電センサ内蔵型の軸ばねゴム(軸ばね防振ゴム)である。図7に示すように、ゴム部材11Aと金属板12Aとは一体に接合されており、図8に示すように、ゴム部材11Bと金属板12Bとは一体に接合されている。防振装置10は、例えば、図1に示す鉄道車両用台車に適用する場合には、台車4の車軸5bの左右に1個ずつ配置され、台車1台当たり合計4個(1両当たり合計8個)配置される。
図5、図6及び図9に示すゴム部11は、複数のゴム部材11A,11Bに分割可能であり、車両2の走行振動を吸収する。ゴム部11は、例えば、天然ゴム、スチレンゴムなどの一般加硫ゴム、ニトリルゴムなどの耐油性を有する加硫ゴム、クロロプレンゴムなどの耐候性及び耐熱性を有する加硫ゴム、ブチルゴムなどの振動緩衝性能を有する加硫ゴム、その他の合成ゴム又はこれら加硫ゴムのブレンドゴム、樹脂エラストマーなどの弾性材である。ゴム部11は、図5〜図7及び図9に示すゴム部材11Aと、図5、図6、図8及び図9に示すゴム部材11Bとを備えている。ゴム部11においては、図5、図6(B)及び図9に示すように、一方のゴム部材11Aと他方のゴム部材11Bとが対向する面の間に圧電センサ13が挟み込まれている。ゴム部11は、ゴム部材11Aとゴム部材11Bとに分割可能なように、非接着で接合されている。また、ゴム部材11Aとゴム部材11Bとに容易に分割できるように、ゴム部11は、例えば、加硫成形済みのゴム部材11A,11Bの接着面に未加硫の接着用ゴムを介在させて加圧加硫する加熱加硫接着法による接合、加硫成形済みのゴム部材11A,11Bの接着面に塗布した加硫剤を含む接着剤を常温で硬化させ加硫する自然加硫接着法による接合、すなわち、加硫成形済みのゴム部材を接合する後加硫接合技術を用いて接合されている。これら後加硫接合は、未加硫ゴムによる接合に比べて接合力は劣るものの、接合物同士が加圧状態にある場合には、高い接着力を有しているが、引張力に対しては比較的弱いため、容易に分割可能である。
図5〜図9に示すゴム部材11A,11Bは、防振装置10の本体を構成する部分である。ゴム部材11A,11Bは、図5、図7及び図8に示すように、円板状の部材である。
図6(B),(C)に示すように、ゴム部材11Aは、軸ばね9のばね座9a(車両2の車体フレーム側部材)に金属板12Aを介して配置されており、ゴム部材11Bは、軸箱7の上面部7a(車両2の輪軸側部材)に金属板12Bを介して配置されている。
図5〜図7及び図9に示すように、ゴム部材11Aは、当接領域11aを含むスキン層11b(図9)、嵌合部11c(図6,図7)、貫通孔11d(図5〜図7)などを備えている。ゴム部材11Bは、嵌合部11f(図5,図6及び図8)、貫通孔11g(図5,図6及び図8)、収容部11h,11i(図5,図6,図8及び図9)などを備え、圧電センサ13を収容する。
本実施形態におけるゴム部材11A及びゴム部材11Bは、同一のゴム材により構成された発泡ゴムである。発泡ゴムは、例えば、天然ゴム又は合成ゴムなどの原料ゴムに、有機発泡剤,架橋剤,軟化剤及び補強剤を練り込み、密閉された型内で加硫しながら発泡剤を分解させて内部に気泡を形成したゴムである。このような発泡ゴムとしては、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、塩素化−エチレン−プロピレン−ジエンゴム(Cl-EPDM)又はエピクロルヒドリンゴムなどを発泡させたゴムがある。もっとも、ゴム部材11Aを剛性が高い高剛性ゴム部材とし、ゴム部材11Bはゴム部材11Aよりも剛性の低い低剛性ゴム部材としてもよい。ここで、ゴム部材の剛性は、ゴム素材の硬度、発泡ゴムの場合は、発泡率により調整することができる。
図9に示されるように、当接領域11aは、ゴム部材11Aが備えるスキン層11bの一部であって、圧電センサ13の上面と対向し、該上面に接触している領域である。上記のとおり、本実施形態におけるゴム部材11Aは気泡を含む発泡ゴムである。よって、ゴム部11(ゴム部材11A,11B)に荷重が作用すると、ゴム部材11Aは、荷重の作用方向(垂直方向(上下方向))に弾性変形する一方、荷重の作用方向と交差する方向(水平方向(左右方向))にはほとんど弾性変形しない。すなわち、ゴム部11に荷重が作用すると、ゴム部材11Aは、垂直方向に圧縮されるが、かかる圧縮に伴って水平方向に膨張することはない。換言すれば、ゴム部11に荷重が作用してもゴム部材11Aが水平方向にボリューム移動することはない。従って、圧電センサ13の上面とこれに圧接されている当接領域11aとの間における摩擦に起因して引張力が生じることがなく、圧電センサ13が引裂き破壊される虞がない。尚、ゴム部材11Aの垂直方向における弾性変形によって振動が吸収されることはもちろんである。
特に、スキン層11b及びその近傍は、他の部分に比べて水平方向のボリューム移動が最も発生し難い部位である。よって、かかるスキン層11bに当接領域11aが設けられている本実施形態では上記効果がより一層顕著に得られる。
図9に示されるように、本実施形態では、ゴム部材11Bと接合されるゴム部材11Aの表面(下面)にのみスキン層11bが形成されており、このスキン層11bの一部に当接領域11aが設けられている。しかし、発泡ゴムであるゴム部材11Aが水を溜めこむことを防ぐ観点からは、ゴム部材11Aの下面のみでなく、側面や上面にもスキン層を形成することが好ましい。
図5〜図7に示す嵌合部11c,11fは、ゴム部材11Aとゴム部材11Bとが嵌合する部分である。嵌合部11c,11fは、ゴム部材11Aとゴム部材11Bとを接合させるときに、これらを位置決めする位置決め部として機能するとともに、ゴム部11に荷重が作用したときに、ゴム部材11Aとゴム部材11Bとが位置ずれするのを防止する位置ずれ防止部としても機能する。図6,図7に示す嵌合部11cは、ゴム部材11Aの表面に形成された凹部であり、ゴム部材11Aの中心に対して点対称にスキン層11b(図9)の表面に2つ形成されている。図5、図6及び図8に示す嵌合部11fは、ゴム部材11Bの表面に形成された凸部であり、ゴム部材11Aの嵌合部11cと嵌合可能なように、ゴム部材11Aの中心に対して点対称に2つ形成されている。嵌合部11cは、ゴム部材11Aを成形するときにゴム部材11Aと一体に成形され、嵌合部11fはゴム部材11Bを成形するときにゴム部材11Bと一体に成形される。嵌合部11fは、ゴム部11の中心軸を中心として圧電センサ13に対して90度ずらして配置されている。嵌合部11c,11fは、例えば、図3に示すように、車両2の長さ方向(車軸5bの長さ方向と直交する方向)に配置されている。図5〜図7に示す貫通孔11dは、軸ばね9の心棒7bが貫通する部分であり、ゴム部材11Aの中心に形成されている。
図9に示すように、当接領域11a以外のスキン層11bの表面は、ゴム部材11Bの表面(上面)と密着する。ゴム部材11Bは、ゴム部材11Aとは異なり、内部に気泡が存在しないソリッドゴム(硬質ゴム)である。このようなソリッドゴムとしては、ニトリルゴム(NBR)又はエチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)などがある。図5、図6及び図8に示す貫通孔11gは、軸ばね9の心棒7bが貫通する部分であり、貫通孔11dと接続するようにゴム部材11Bの中心に形成されている。
図5、図6、図8及び図9に示す収容部11hは、圧電センサ13を収容する部分である。収容部11hは、ゴム部材11Bの表面に形成された凹部であり、ゴム部材11Bの表面を切り欠くように形成されている。収容部11hの深さは、ゴム部材11Aの当接領域11aが圧電センサ13の電極部14Aと密着するように、圧電センサ13の厚みよりも僅かに浅く形成されている。収容部11hは、図5に示すように、圧電センサ13が嵌合可能なように圧電センサ13の外形と略同一形状に形成されている。
図5、図6、図8に示す収容部11iは、電線(リード線)15を収容する部分である。収容部11iは、収容部11hと同様に、ゴム部材11Bの表面に形成された凹部であり、ゴム部材11Bの表面を切り欠くように形成されている。収容部11iは、図5、図6及び図8に示すように、リード線15の余長部を撓ませた状態で収容可能なように幅広に形成されている。また、ゴム部材11Bには、一端が収容部11iの内面に連通し、他端がゴム部材11Bの外周面に連通する配線溝が形成されている。配線溝の幅はリード線15の幅と略同じ幅に形成されており、この配線溝を通してリード線15をゴム部11の外に引き出せるようになっている。
図5〜図8に示す金属板12A,12Bは、防振装置10の上面及び下面を構成する部分である。金属板12A,12Bは、ゴム部11を挟み込むようにゴム部11の上面及び下面に積層されている金具部であり、ゴム部11の上面及び下面の全域を被覆するようにこのゴム部11に接合されている。金属板12Aは、ゴム部材11Aの背面側に固着されており、金属板12Bはゴム部材11Bの背面側に固着されている。金属板12A,12Bは、例えば、一般圧延用鋼材(SS400)などであり、互いに平行になるようにゴム部11の両面に加硫接着又は接着剤によって接着されている。金属板12Aは、防振装置10の上面プレート部を構成し、金属板12Bは防振装置10の下面プレート部を構成する。金属板12Aは、貫通孔12aを備えており、金属板12Bは貫通孔12bと密着面12cを備えている。貫通孔12a,12bは、軸ばね9の心棒7bが貫通する部分であり、金属板12A,12Bの中心に形成されている。貫通孔12aは、貫通孔12bよりも内径が小さく形成されている。密着面12cは、図6(B),(C)に示すように、軸箱7の上面部7aの全面と密着する部分である。密着面12cは、軸箱7の上面部7aと接触する側の金属板12Bの表面である。密着面12cは、この密着面12cと軸箱7の上面部7aの全面との間で荷重が均等に作用するように、軸箱7の上面部7aと同じく平坦面に形成されている。
図5、図6及び図9に示す圧電センサ13は、ゴム部11に作用する荷重を検出する部分である。圧電センサ13は、軌道1上を車両2が走行するときに発生する機械的な振動を電気信号に変換する機械電気変換部として機能する荷重検出装置である。圧電センサ13は、例えば、車両2の走行によって軸箱7が振動したときに発生する電力によって、軸箱7に作用する荷重を検出して軸受6の状態を監視する軸受監視センサとしても機能する。圧電センサ13は、図5に示す電極部14A,14Bと、圧電ゴム部14Cと、リード線15とを備えている。圧電センサ13の表面(電極部14Aの表面)は、ゴム部材11Aの当接領域11aと密着する(図9)。圧電センサ13は、図5及び図6(A)に示すように、ゴム部材11Bの中心に対して点対称に配置されており、ゴム部材11Bの円周方向に等間隔で2つ配置されている。圧電センサ13は、例えば、図3に示すように、車両2の幅方向(車軸5bの長さ方向)に配置されている。
圧電センサ13は、ゴム部11に内蔵された状態(ゴム部材11Aとゴム部材11Bとに挟まれた状態)でゴム部11に作用する荷重に応じて電気信号を出力する。圧電センサ13は、軌道1上を車両2が走行するときに発生する振動を圧電効果によって電気信号に変換する。圧電センサ13は、ゴム部材11A,11Bに挟み込まれた状態で、このゴム部材11A,11Bに作用する荷重を検出する。圧電センサ13を構成する圧電ゴム部14Cは、ゴム中に圧電材料を分散させた部材であり、振動の大きさ(荷重の大きさ)に応じた電力を発生する弾性を有する圧電素子である。圧電ゴム部14Cは、例えば、ニトリルゴムなどのゴム材とチタン酸ジルコン酸鉛(商品名PZT)などの圧電セラミック粉末とを混合する混合工程と、この混合工程後の混合物を加硫する加硫工程と、この加硫工程後の混合物の両端部に電圧を印加してこの混合物を分極させる分極工程とによって製造される。
図5に示す電極部14A,14Bは、圧電ゴム部14Cに電気的に接続された接点部分である。電極部14A,14Bは、圧電ゴム部14Cの上面及び下面に積層されており、圧電ゴム部14Cの上面及び下面の全域を被覆するように接合されている。電極部14Aは、ゴム部材11Aのスキン層11b(当接領域11a)に密着し、電極部14Bはゴム部材11Bの収容部11hの底面と密着する。電極部14A,14Bは、例えば、互いに平行になるように圧電ゴム部14Cの両面に加硫接着して形成したり、金属、金属酸化物又はカーボンなどの導電性材料を蒸着、シルクスクリーン印刷又はイオンスパッタリングなどの方法によって圧電ゴム部14Cの両面に形成したり、導電性材料を含有する樹脂又は導電性高分子などの導電性樹脂を圧電ゴム部14Cの両面に多層化して形成したりする。
図5及び図6(A)に示すリード線15は、圧電ゴム部14Cが発生する電流が流れる部分である。リード線15は、導電材の表面が絶縁材によって被覆された導電部であって、電極部14A,14Bに接続された、圧電ゴム部14Cから出力された電気信号(荷重検出信号)を取り出すための信号線である。リード線15は、ゴム部11に荷重が作用してリード線15に摩擦力が作用したときに、電極部14A,14Bとの接続部から切断しないように、図5及び図6(A)に示すように収容部11i内に弛んだ状態で収容されている。
次に、本実施形態に係る防振装置10の作用を説明する。図2に示される軌道1上を車両2が走行すると軸箱7が振動し、防振装置10に荷重が作用する。すると、図9(B)に示されるように、荷重の作用方向と交差する方向(垂直方向(上下方向))にゴム部11が圧縮される。しかし、ゴム部材11Aは発泡ゴムなので、上下方向に圧縮された分のボリュームが水平方向(左右方向)に移動することはない。従って、圧電センサ13の電極部14Aと密着しているゴム部材11Aの当接領域11aが左右に移動することはなく、従って、電極部14Aと当接領域11aとの間における摩擦に起因して圧電センサ13に引張力が作用することがなく、圧電センサ13が引裂き破壊される虞がない。尚、ゴム部11の垂直方向における弾性変形(特に、ゴム部材11Aの弾性変形)によって振動が吸収されることはもちろんである。
本実施形態に係る防振装置10には、少なくとも以下に記載するような効果がある。
(1)本実施形態に係る防振装置10は、ゴム部11が一方側のゴム部材11Aと他方側のゴム部材11Bとを有し、これらゴム部材11A,11Bの対向面間に挟み込まれた圧電センサ13によってゴム部11に作用する荷重が検出される。このため、防振装置10を廃棄するときにゴム部材11Aとゴム部材11Bとを分離して、ゴム部11から圧電センサ13を簡単に取り出して回収することができる。また、ゴム部11が経年劣化したときに劣化後のゴム部11から圧電センサ13を取り出して、新品のゴム部11にこの圧電センサ13を取り付けて再使用することができる。さらに、ゴム部材11Aとゴム部材11Bとの間に圧電センサ13を挟み込むことによって、ゴム部材11A,11Bによって圧電センサ13を保護し、圧電センサ13の損傷を防ぐことができるとともに、圧電センサ13の防水性を確保することができる。
(2)本実施形態に係る防振装置10が備えるゴム部11は、車両2の軸ばね9上に配置される一方側のゴム部材11Aと、車両2の軸箱7上に配置される他方側のゴム部材11Bとからなる軸ばねゴムである。このため、例えば、軸ばねゴムとともに弾性変形する圧電センサ13(圧電ゴム部14C)からの出力信号を解析することによって、車両2の状態を監視することができる。
(3)本実施形態におけるゴム部材11Aは発泡ゴムである。このため、ゴム部11に荷重が作用してもゴム部材11Aが水平方向(左右方向)にボリューム移動することがない。すなわち、ゴム部材11Aの当接領域11aが水平方向に移動するのを規制する移動規制手段として機能する。このため、圧電センサ13に引張力が作用し、圧電センサ13が破損することがない。同様の理由より、電極部14A,14Bを厚くして圧電センサ13の強度を高める必要がなく、圧電センサ13のコンパクト化(薄型化)が可能である。
(4)本実施形態では、水平方向(左右方向)のボリューム移動が最も発生し難いスキン層11bに当接領域11aが設けられているので、上記(3)の効果がより一層顕著に得られる。
(第2実施形態)
以下では、図1〜図9に示す部分と同一の部分については、同一の番号を付して詳細な説明を省略する。
図10〜図14に示すゴム部11は、図5〜図9に示すゴム部11とは異なる移動規制手段などを備えている。図10,図11,図13及び図14に示すゴム部材11Bは、圧電センサ13を収容する剛性が高い高剛性ゴム部材(ソリッドゴム)である。図10〜図12及び図14に示すゴム部材11Aは、ゴム部材11Bよりも剛性の低い低剛性ゴム部材(ソリッドゴム)である。このような低硬度剛性ソリッドゴムとしては、ポリノルボーネンゴム,シリコーンゴム,スチレン−ブタジエンゴム(SBR)又はエピクロルヒドリンゴムなどがある。なお、ゴム部材11A、ゴム部材11Bともに、同種ゴムを使用し、ゴム部材11Bよりも低剛性、すなわち、ゴム硬度の低いゴムをゴム部材Aとして使用してもよい。
上記移動規制手段は、ゴム部11に荷重が作用したときに、ゴム部材11Aの当接領域11aが水平方向に移動するのを規制する手段である。本実施形態における当接領域11aは、圧電センサ13に接触しているゴム部材11Aの表面(下面)の一部である点で第1実施形態における当接領域11aと共通する。しかし、ゴム部材11Aが発泡ゴムである第1実施形態における当接領域11aがスキン層11bの一部であったのに対し、ゴム部材11Aがソリッドゴムである本実施形態における当接領域11aは、スキン層の一部ではない。
上記移動規制手段は、ゴム部11に荷重が作用したときに、当接領域11aが水平方向に移動することを回避すべく、ゴム部材11Aの同方向への膨張を部分的に抑制する膨張抑制部としても機能する。また、移動規制手段は、ゴム部11に荷重が作用したときに、圧電センサ13の電極部14Aと接触している当接領域11aが電極部14Aに沿って移動することを規制する。図10,図11,図13及び図14に示されるように、本実施形態における移動規制手段は、圧電センサ13の外周に沿って立設する壁状に形成されたゴム部材11Bの一部(壁状部16a)によって構成されている。ゴム部材11Bは、ゴム部材11Aよりも剛性が高いので、ゴム部材11Bの一部である壁状部16aは、ゴム部11に荷重が作用したときに、壁状部16aによって囲まれている当接領域11aを含むゴム部材11Aの一部が水平方向に膨張することを規制する。
図10,図11,図13及び図14に示されるように、ゴム部材11Bの壁状部16aは、収容部11h,11iの内壁である。すなわち、本実施形態では、圧電センサ13及びリード線15が収容される収容部11h,11iが第1実施形態のそれらに比べて深く形成されており、圧電センサ13は収容部11h内に埋設される。これに対応して、図11,図12及び図14に示されるように、ゴム部材11Aには、圧電センサ13の上から収容部11h,11i内に嵌め込まれる凸状の嵌合部16bが設けられている。
図11及び図14に示されるように、嵌合部16bは圧電センサ13が収容された収容部11hに、圧電センサ13の上から嵌合され、収容部11hとの間で圧電センサ13を挟み込む。すなわち、本実施形態では、嵌合部16bの表面(下面)が圧電センサ13に当接する当接領域11aである。
図10,図13に示されるように、収容部11h,11iは、ゴム部材11Bの表面を切り欠くように形成されている。一方、図11,12に示されるように、嵌合部16bは、収容部11h,11iと同一形状に成形されており、嵌合部16bの高さは収容部11h,11iの深さよりも低く形成されている。ゴム部11に荷重が作用すると、嵌合部16bの表面(当接領域11a)は圧電センサ13の上面に押し付けられ、この上面に密着する。
次に、本実施形態に係る防振装置10の作用を説明する。図2に示されている軌道1上を車両2が走行すると軸箱7が振動し、防振装置10に荷重が作用する。すると、図14(B)に示されるように、荷重の作用方向と交差する方向(垂直方向(上下方向))にゴム部11が圧縮される。具体的には、ゴム部材11A及びゴム部材11Bが上下方向に圧縮され、圧縮された分のボリュームが水平方向(左右方向)に移動する。すなわち、ゴム部材11A及びゴム部材11Bは、全体として上下方向に圧縮され、左右方向に膨張する。ここで、ゴム部材11Aは低硬度ソリッドゴムである一方、ゴム部材11Bは高硬度ソリッドゴムであるので、ゴム部11に荷重が作用した際、ゴム部材11Aの変形量は、ゴム部材11Bの変形量に比べて大きい。しかし、当接領域11aを含むゴム部材11Aの一部(嵌合部16b)は、ゴム部材11Bの一部である収容部11h,11iの内面(壁状部16a)によって包囲されている。よって、ゴム部材11Aの嵌合部16bは、水平方向へのボリューム移動が規制され、当接領域11aは同方向にほとんど移動しない。すなわち、圧電センサ13の電極部14Aと密着しているゴム部材11Aの当接領域11aが左右に移動することはなく、従って、電極部14Aと当接領域11aとの間における摩擦に起因して圧電センサ13に引張力が生じることがなく、圧電センサ13が引裂き破壊される虞がない。このように、収容部11h,11iの内壁(壁状部16a)は、ゴム部11に荷重が作用したときに、当接領域11aが水平方向に移動することを規制する移動規制手段として機能する。尚、ゴム部11の垂直方向における弾性変形によって振動が吸収されることはもちろんである。
本実施形態に係る防振装置10は、第1実施形態に係る防振装置10の効果に加えて、少なくとも以下に記載するような効果がある。
(1)本実施形態では、ゴム部11に荷重が作用したときに、圧電センサ13と当接している当接領域11aの移動が移動規制手段である壁状部16aによって規制される。よって、ゴム部11と圧電センサ13との間における摩擦に起因して圧電センサ13に引張力が作用することがなく、圧電センサ13が引裂き破壊される虞がなく、また、リード線15が破断される虞もない。さらに、圧電センサ13の強度を高めるために電極部14A,14Bを厚くする必要がなく、圧電センサ13のコンパクト化(薄型化)が可能である。
(2)本実施形態では、移動規制手段である壁状部16aが、圧電センサ13及び嵌合部16bが収容される収容部11h,11iの内面によって構成されており、この壁状部16aは、少なくとも当接領域11aを含むゴム部材11Aの嵌合部16bよりも剛性が高い。このため、ゴム部11に荷重が作用したときに、当接領域11aを含む嵌合部16bの水平方向へのボリューム移動が規制される。また、ゴム部材11Aとゴム部材11Bとの位置ずれも防止される。
(第3実施形態)
図15、図16及び図18に示すゴム部材11Bは、対向する相手側のゴム部材11Aに対して、厚みが薄く形成されている。また、図15〜図17に示すゴム部材11Aは、第1実施形態におけるゴム部材11Aと同様の発泡ゴムであり、図15,図16及び図18に示すゴム部材11Bはソリッドゴムである。ゴム部材11Bに設けられている収容部11h,11iは、これまでに説明した収容部11h,11iとは異なり、図16(B)に示すように、金属板12Bの表面に薄いゴム膜17を残して、ゴム部材11Bをほぼ貫通して形成されている。図16(B)に示すように、金属板12Bの上面に貼り付けられたゴム膜17が収容部11h,11iの底面である。尚、収容部11h,11iの底部にゴム膜17を残さず、ゴム部材11Bを貫通する収容部11h,11iを形成することもできるが、その場合、金属板12Bの露出面について、図示せぬ絶縁処理や防錆処理を行うことが好ましい。
図17に示す金属板12Aは、ゴム部材11Aの背面側に固着されており、図18に示す金属板12Bは、ゴム部材11Bの背面側に固着されている。図15及び図16に示す圧電センサ13は、図9及び図14に示す圧電センサ13とは異なり、ゴム部11の厚み方向に関して金属板12Bの近傍に配置されている(図19参照)。圧電センサ13及びリード線15に対する防水性や絶縁性を高めるべく、これらは薄いゴム膜17を介して金属板12Bの上に載置されており、圧電センサ13の電極部14Bはゴム膜17に密着している。もっとも、圧電センサ13は、金属板12Bの上に直接載置してもよいことは既述のとおりであり、この場合、電極部14Bは金属板12Bに密着する。なお、上記構成に加え、絶縁性確保、防水性向上、電極部14A,14Bと当接領域11aとの固着防止、摩擦低減を目的に、圧電センサ13をフッ素樹脂などのシート材で包んでもよい。
図19に示されるように、リード線15は、その余長部が収容部11i内に収容されているとともに、他の部分が金属板12Bに沿って配線されて、ゴム部材11Bの外周面から外部に引き出されている。
次に、本実施形態に係る防振装置10の作用を説明する。
図2に示される軌道1上を車両2が走行すると軸箱7が振動し、防振装置10に荷重が作用する。すると、図16(B),(C)に示されているゴム部11は、荷重の作用方向(垂直方向(上下方向))と交差する方向に圧縮され、圧縮された分のボリュームが水平方向(左右方向)に移動する。すなわち、ゴム部11は、上下方向に圧縮され、左右方向に膨張する。このとき、ゴム部11の厚み方向中央部の膨張量が最も多く、金属板12A,12Bに拘束されているゴム部11の厚み方向両端部ほど膨張量が少ない。従って、図19に示すように、膨張量が少ない金属板12Bの近傍にリード線15を配置すると、ゴム部11に垂直方向の荷重が作用しても、リード線15に作用する引張力が小さくなり、リード線15の破断が防止される。尚、図19中の複数本の矢印の長短は、膨張量の多少を模式的に示している。
本実施形態に係る防振装置10には、第1実施形態及び第2実施形態に係る防振装置10の効果に加えて、少なくとも以下に記載するような効果がある。
(1)本第実施形態では、一方側のゴム部材11Aの背面側及び他方側のゴム部材11Bの背面側に金属板12A,12Bがそれぞれ固着されており、圧電センサ13が埋め込まれる他方側のゴム部材11Bは、対向する相手側のゴム部材11Aに対して、厚みが薄く形成されている。ここで、金属板12Bに固定されているゴム部材11Bは、金属板12Bに近いほど変形が拘束される。このため、ゴム部11に荷重が作用したときに、厚みが薄いゴム部材11Bの水平方向の膨張量は、厚みが厚いゴム部材11Aの水平方向の膨張量に比べて少ない。
(2)本実施形態では、圧電センサ13に接続されているリード線15が金属板12Bに沿って配線されている。換言すれば、ゴム部11のうちで膨張が最も小さい金属板12Bの近傍にリード線15が配線されている。よって、ゴム部11に荷重が作用し、ゴム部11が膨張しても、リード線15に引張力が作用しないか、作用する引張り力は極めて小さく、リード線15の破断が防止される。
(他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、以下に記載するように種々の変形又は変更が可能であり、これらも本発明の範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、軸箱7の振動を抑える防振装置10に作用する荷重を圧電センサ13によって検出する場合を例に挙げて説明したが、軸箱7以外の物体の振動を抑える防振装置についても、本発明を適用することができる。また、上記実施形態では、圧電センサ13を車両2の幅方向(車軸5bの長さ方向)に配置する場合を例に挙げて説明したが、車両2の幅方向に代えて又は車両2の幅方向とともに車両2の長さ方向(車軸5bの長さ方向と直交する方向)に配置することもできる。さらに、上記実施形態では、ゴム部材11Aが発泡ゴム又は低硬度ソリッドゴムである場合を例に挙げて説明したがこのようなゴムに限定するものではない。例えば、ゴム部11に荷重が作用したときに、このゴム部11のボリューム移動をゴム部材11A内の隙間によって吸収可能な溝付きゴムをゴム部材11Aとして使用することもできる。
(2)上記実施形態では、ゴム部材11Aが剛性の低い低剛性ゴム部材であり、ゴム部材11Bが剛性の高い高剛性ゴム部材である場合を例に挙げて説明したが、ゴム部材11A,11Bの双方に剛性が同じゴム部材を使用することもできる。また、上記実施形態では、凹状の嵌合部11cをゴム部材11Aに形成し、凸状の嵌合部11fをゴム部材11Bに形成する場合を例に挙げて説明したが、凹状の嵌合部11cをゴム部材11Bに形成し、凸状の嵌合部11fをゴム部材11Aに形成することもできる。さらに、上記実施形態では、ゴム部材11Aが金属板12Aに固定され,ゴム部材11Bが金属板12Bに固定される場合を例に挙げて説明したが、これら金属板12A,12Bの一方を省略することもできる。
(3)上記実施形態では、防振装置10の円周方向に沿って等間隔で2つの圧電センサ13を配置する場合を例に挙げて説明したが、3つ以上の圧電センサ13を等間隔で配置することもできる。また、上記実施形態では、電極部14A,14Bを露出させた状態で圧電センサ13をゴム部11に内蔵させる場合を例に挙げて説明したが、電極部14A,14Bを被覆した状態で圧電センサ13をゴム部11に内蔵させることもできる。例えば、耐熱性を有するフッ素樹脂製などの被覆材である保護部によって、圧電ゴム部14C及び電極部14A,14Bを被覆し、圧電ゴム部14C及び電極部14A,14Bを保護することもできる。
(4)上記実施形態では、リード線15が可撓性を有する導電部である場合を例に挙げて説明したが、剛性を有する金属端子のような導電部を使用することもできる。また、第1実施形態では、ゴム部材11Aが発泡ゴムであり、ゴム部材11Bがソリッドゴムである場合を例に挙げて説明したが、このような組み合わせに限定するものではない。例えば、ゴム部材11A,11Bの双方が発泡ゴムである場合や、ゴム部材11Aがソリッドゴムであり、ゴム部材11Bが発泡ゴムである実施形態も本発明に含まれる。さらに、第2実施形態では、ゴム部材11Aが低硬度ソリッドゴムであり、ゴム部材11Bが高硬度ソリッドゴムである場合を例に挙げて説明したが、このような組み合わせに限定するものではない。例えば、ゴム部材11Aが高硬度ソリッドゴムであり、ゴム部材11Bが低硬度ソリッドゴムである実施形態も本発明に含まれる。かかる実施形態では、図14に示されている収容部11hや移動規制手段である壁状部16aがゴム部材11Aに設けられ、当接領域11aを含む嵌合部16bがゴム部材11Bに設けられる。すなわち、図14に示されている配置と上下が逆転した配置となる。かかる実施形態には、収容部11h,11iへの雨水等の侵入をより効果的に防止できる利点がある。また、図14に示されているゴム部材11Aが発泡ゴム又は溝付きゴムである実施形態も本発明に含まれる。
(5)上記第1実施形態及び第3実施形態では、嵌合部11c,11fを2つ配置する場合を例に挙げて説明したが、嵌合部11c,11fを3つ以上配置することもできる。また、第1実施形態及び第3実施形態では、嵌合部11c,11fを車両2の長さ方向(車軸5bの長さ方向と直交する方向)に配置する場合を例に挙げて説明したが、車両2の長さ方向に代えて又は車両2の長さ向とともに車両2の幅方向(車軸5bの長さ方向)に配置することもできる。
1 軌道
1a レール
2 車両
3 車体
4 台車
5 輪軸
5a 車輪
5b 車軸
6 軸受
7 軸箱
7a 上面部
7b 心棒
8 台車枠
9 軸ばね
10 防振装置
11 ゴム部
11A,11B ゴム部材
11a 当接領域
11b スキン層
11c 嵌合部
11d 貫通孔
11f 嵌合部
11g 貫通孔
11h,11i 収容部
12A,12B 金属板
12a,12b 貫通孔
13 圧電センサ
14A,14B 電極部
14C 圧電ゴム部
15 リード線
16a 壁状部(移動規制手段)
16b 嵌合部
17 ゴム膜

Claims (8)

  1. 鉄道車両の走行振動を吸収するゴム部を有する防振装置であって、
    前記ゴム部は、一方側ゴム部材と他方側ゴム部材とを有し、前記一方側ゴム部材と前記他方側ゴム部材とが対向する面の間に挟み込まれた状態で、このゴム部に作用する荷重を検出する圧電センサを備えること、
    を特徴とする防振装置。
  2. 請求項1に記載の防振装置であって、
    前記ゴム部は、前記鉄道車両の車体フレーム側部材に当接可能に配置される前記一方側ゴム部材と、前記鉄道車両の輪軸側部材に当接可能に配置される前記他方側ゴム部材と、を有する軸ばねゴムであること、
    を特徴とする防振装置。
  3. 請求項1又は2に記載の防振装置において、
    前記ゴム部に荷重が作用したときに、前記一方側ゴム部材及び/又は前記他方側ゴム部材の前記圧電センサと接触している当接領域が前記荷重の作用方向と交差する方向へ移動することを規制する移動規制手段を備えること、
    を特徴とする防振装置。
  4. 請求項3に記載の防振装置において、
    前記移動規制手段は、前記圧電センサの外周に沿って立設された壁状部により構成され、少なくとも前記当接領域よりも剛性が高いこと、
    を特徴とする防振装置。
  5. 請求項3又は4に記載の防振装置において、
    前記一方側ゴム部材及び/又は前記他方側ゴム部材は、発泡ゴムよりなること、
    を特徴とする防振装置。
  6. 請求項5に記載の防振装置において、
    前記当接領域は、前記発泡ゴムのスキン層の一部であること、
    を特徴とする防振装置。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の防振装置において、
    前記一方側ゴム部材の背面側及び/又は前記他方側ゴム部材の背面側には、金属板が固着され、
    前記一方側ゴム部材又は前記他方側ゴム部材は、対向する相手側ゴム部材よりも厚みが薄く形成されていること、
    を特徴とする防振装置。
  8. 請求項7に記載の防振装置において、
    前記圧電センサから出力される電気信号を取り出すための電線が前記金属板に沿って配線されていること、
    を特徴とする防振装置。
JP2015052092A 2015-03-16 2015-03-16 防振装置 Expired - Fee Related JP6462436B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015052092A JP6462436B2 (ja) 2015-03-16 2015-03-16 防振装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015052092A JP6462436B2 (ja) 2015-03-16 2015-03-16 防振装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016172462A true JP2016172462A (ja) 2016-09-29
JP6462436B2 JP6462436B2 (ja) 2019-01-30

Family

ID=57007928

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015052092A Expired - Fee Related JP6462436B2 (ja) 2015-03-16 2015-03-16 防振装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6462436B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020200867A (ja) * 2019-06-07 2020-12-17 株式会社フコク 振動検出可能な防振装置
CN114001115A (zh) * 2021-10-29 2022-02-01 西安交通大学 一种基于机-电转换的梯度减振结构和减振方法
CN115223534A (zh) * 2022-02-16 2022-10-21 广州汽车集团股份有限公司 激振器组件、目标物体及降噪方法

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4168666A (en) * 1976-07-26 1979-09-25 The Polymer Corporation Railway truck floating pedestal liner
US5237933A (en) * 1991-07-25 1993-08-24 Lord Corporation Service-life, low-profile, retrofittable, elastomeric mounting for three-piece, railroad-car trucks
JP2002331931A (ja) * 2001-05-08 2002-11-19 Nippon Sharyo Seizo Kaisha Ltd 軸箱支持装置及び荷重測定システム
JP2005003375A (ja) * 2003-06-09 2005-01-06 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd 輪重計測装置
JP2009521902A (ja) * 2005-12-23 2009-06-04 エーエスエフ−キーストーン インコーポレイテッド 列車監視システム
JP2012153158A (ja) * 2011-01-21 2012-08-16 Sumitomo Metal Ind Ltd 鉄道車両用台車の軸箱支持装置
JP2013018342A (ja) * 2011-07-11 2013-01-31 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp 鉄道車両用軸箱支持装置
JP2014015329A (ja) * 2012-07-11 2014-01-30 Toshiba Elevator Co Ltd エレベータの発電システム
WO2015098091A1 (ja) * 2013-12-25 2015-07-02 川崎重工業株式会社 鉄道車両台車用の荷重計測装置

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4168666A (en) * 1976-07-26 1979-09-25 The Polymer Corporation Railway truck floating pedestal liner
US5237933A (en) * 1991-07-25 1993-08-24 Lord Corporation Service-life, low-profile, retrofittable, elastomeric mounting for three-piece, railroad-car trucks
JP2002331931A (ja) * 2001-05-08 2002-11-19 Nippon Sharyo Seizo Kaisha Ltd 軸箱支持装置及び荷重測定システム
JP2005003375A (ja) * 2003-06-09 2005-01-06 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd 輪重計測装置
JP2009521902A (ja) * 2005-12-23 2009-06-04 エーエスエフ−キーストーン インコーポレイテッド 列車監視システム
JP2012153158A (ja) * 2011-01-21 2012-08-16 Sumitomo Metal Ind Ltd 鉄道車両用台車の軸箱支持装置
JP2013018342A (ja) * 2011-07-11 2013-01-31 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp 鉄道車両用軸箱支持装置
JP2014015329A (ja) * 2012-07-11 2014-01-30 Toshiba Elevator Co Ltd エレベータの発電システム
WO2015098091A1 (ja) * 2013-12-25 2015-07-02 川崎重工業株式会社 鉄道車両台車用の荷重計測装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020200867A (ja) * 2019-06-07 2020-12-17 株式会社フコク 振動検出可能な防振装置
JP7235600B2 (ja) 2019-06-07 2023-03-08 株式会社フコク 振動検出可能な防振装置
CN114001115A (zh) * 2021-10-29 2022-02-01 西安交通大学 一种基于机-电转换的梯度减振结构和减振方法
CN115223534A (zh) * 2022-02-16 2022-10-21 广州汽车集团股份有限公司 激振器组件、目标物体及降噪方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6462436B2 (ja) 2019-01-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9903433B2 (en) Anti-vibration structure
JP6462436B2 (ja) 防振装置
PE20220267A1 (es) Sistema de motopropulsion electrico para vehiculos pesados
US8174168B2 (en) Piezoelectric power generating device
EP3412929B1 (en) Seismic isolation device
JP6355255B2 (ja) 防振装置
US9759282B2 (en) Air spring
JP2013057395A (ja) 車両用エンジンマウント
JP2008277102A (ja) 燃料電池用スタックおよび燃料電池搭載車両
JPWO2015053231A1 (ja) 空気ばね用アセンブリ、空気ばね、および、移動体用台車
JP5248458B2 (ja) 二重構造タイヤ発電装置
JP2006194333A (ja) 空気バネ
EP2650559A1 (en) Air spring and method for producing same
JP2009236228A (ja) 防振支持装置
JP6409357B2 (ja) 振動低減ユニット、振動低減支持装置及び振動低減方法
JPWO2013094136A1 (ja) 空気ばね
JP2007292150A (ja) ゴムマウント
CN110312654B (zh) 铁道车辆用转向架
JP7235600B2 (ja) 振動検出可能な防振装置
US20150159762A1 (en) Seal assembly
JPWO2016088299A1 (ja) 防振装置及び防振装置の取付構造
JP4761801B2 (ja) 磁気浮上式鉄道用地上コイル装置
JP2008298124A (ja) 車両用空気バネ
JP2007078159A (ja) ダイナミックダンパ
JP6650833B2 (ja) 電気配線の敷設構造及びタイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170731

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180410

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180508

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181211

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181227

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6462436

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees