JP2016172462A - 防振装置 - Google Patents
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Abstract
Description
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態について詳しく説明する。
図6(B),(C)に示すように、ゴム部材11Aは、軸ばね9のばね座9a(車両2の車体フレーム側部材)に金属板12Aを介して配置されており、ゴム部材11Bは、軸箱7の上面部7a(車両2の輪軸側部材)に金属板12Bを介して配置されている。
(1)本実施形態に係る防振装置10は、ゴム部11が一方側のゴム部材11Aと他方側のゴム部材11Bとを有し、これらゴム部材11A,11Bの対向面間に挟み込まれた圧電センサ13によってゴム部11に作用する荷重が検出される。このため、防振装置10を廃棄するときにゴム部材11Aとゴム部材11Bとを分離して、ゴム部11から圧電センサ13を簡単に取り出して回収することができる。また、ゴム部11が経年劣化したときに劣化後のゴム部11から圧電センサ13を取り出して、新品のゴム部11にこの圧電センサ13を取り付けて再使用することができる。さらに、ゴム部材11Aとゴム部材11Bとの間に圧電センサ13を挟み込むことによって、ゴム部材11A,11Bによって圧電センサ13を保護し、圧電センサ13の損傷を防ぐことができるとともに、圧電センサ13の防水性を確保することができる。
(2)本実施形態に係る防振装置10が備えるゴム部11は、車両2の軸ばね9上に配置される一方側のゴム部材11Aと、車両2の軸箱7上に配置される他方側のゴム部材11Bとからなる軸ばねゴムである。このため、例えば、軸ばねゴムとともに弾性変形する圧電センサ13(圧電ゴム部14C)からの出力信号を解析することによって、車両2の状態を監視することができる。
(3)本実施形態におけるゴム部材11Aは発泡ゴムである。このため、ゴム部11に荷重が作用してもゴム部材11Aが水平方向(左右方向)にボリューム移動することがない。すなわち、ゴム部材11Aの当接領域11aが水平方向に移動するのを規制する移動規制手段として機能する。このため、圧電センサ13に引張力が作用し、圧電センサ13が破損することがない。同様の理由より、電極部14A,14Bを厚くして圧電センサ13の強度を高める必要がなく、圧電センサ13のコンパクト化(薄型化)が可能である。
(4)本実施形態では、水平方向(左右方向)のボリューム移動が最も発生し難いスキン層11bに当接領域11aが設けられているので、上記(3)の効果がより一層顕著に得られる。
以下では、図1〜図9に示す部分と同一の部分については、同一の番号を付して詳細な説明を省略する。
(1)本実施形態では、ゴム部11に荷重が作用したときに、圧電センサ13と当接している当接領域11aの移動が移動規制手段である壁状部16aによって規制される。よって、ゴム部11と圧電センサ13との間における摩擦に起因して圧電センサ13に引張力が作用することがなく、圧電センサ13が引裂き破壊される虞がなく、また、リード線15が破断される虞もない。さらに、圧電センサ13の強度を高めるために電極部14A,14Bを厚くする必要がなく、圧電センサ13のコンパクト化(薄型化)が可能である。
(2)本実施形態では、移動規制手段である壁状部16aが、圧電センサ13及び嵌合部16bが収容される収容部11h,11iの内面によって構成されており、この壁状部16aは、少なくとも当接領域11aを含むゴム部材11Aの嵌合部16bよりも剛性が高い。このため、ゴム部11に荷重が作用したときに、当接領域11aを含む嵌合部16bの水平方向へのボリューム移動が規制される。また、ゴム部材11Aとゴム部材11Bとの位置ずれも防止される。
図15、図16及び図18に示すゴム部材11Bは、対向する相手側のゴム部材11Aに対して、厚みが薄く形成されている。また、図15〜図17に示すゴム部材11Aは、第1実施形態におけるゴム部材11Aと同様の発泡ゴムであり、図15,図16及び図18に示すゴム部材11Bはソリッドゴムである。ゴム部材11Bに設けられている収容部11h,11iは、これまでに説明した収容部11h,11iとは異なり、図16(B)に示すように、金属板12Bの表面に薄いゴム膜17を残して、ゴム部材11Bをほぼ貫通して形成されている。図16(B)に示すように、金属板12Bの上面に貼り付けられたゴム膜17が収容部11h,11iの底面である。尚、収容部11h,11iの底部にゴム膜17を残さず、ゴム部材11Bを貫通する収容部11h,11iを形成することもできるが、その場合、金属板12Bの露出面について、図示せぬ絶縁処理や防錆処理を行うことが好ましい。
(1)本第実施形態では、一方側のゴム部材11Aの背面側及び他方側のゴム部材11Bの背面側に金属板12A,12Bがそれぞれ固着されており、圧電センサ13が埋め込まれる他方側のゴム部材11Bは、対向する相手側のゴム部材11Aに対して、厚みが薄く形成されている。ここで、金属板12Bに固定されているゴム部材11Bは、金属板12Bに近いほど変形が拘束される。このため、ゴム部11に荷重が作用したときに、厚みが薄いゴム部材11Bの水平方向の膨張量は、厚みが厚いゴム部材11Aの水平方向の膨張量に比べて少ない。
(2)本実施形態では、圧電センサ13に接続されているリード線15が金属板12Bに沿って配線されている。換言すれば、ゴム部11のうちで膨張が最も小さい金属板12Bの近傍にリード線15が配線されている。よって、ゴム部11に荷重が作用し、ゴム部11が膨張しても、リード線15に引張力が作用しないか、作用する引張り力は極めて小さく、リード線15の破断が防止される。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、以下に記載するように種々の変形又は変更が可能であり、これらも本発明の範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、軸箱7の振動を抑える防振装置10に作用する荷重を圧電センサ13によって検出する場合を例に挙げて説明したが、軸箱7以外の物体の振動を抑える防振装置についても、本発明を適用することができる。また、上記実施形態では、圧電センサ13を車両2の幅方向(車軸5bの長さ方向)に配置する場合を例に挙げて説明したが、車両2の幅方向に代えて又は車両2の幅方向とともに車両2の長さ方向(車軸5bの長さ方向と直交する方向)に配置することもできる。さらに、上記実施形態では、ゴム部材11Aが発泡ゴム又は低硬度ソリッドゴムである場合を例に挙げて説明したがこのようなゴムに限定するものではない。例えば、ゴム部11に荷重が作用したときに、このゴム部11のボリューム移動をゴム部材11A内の隙間によって吸収可能な溝付きゴムをゴム部材11Aとして使用することもできる。
(2)上記実施形態では、ゴム部材11Aが剛性の低い低剛性ゴム部材であり、ゴム部材11Bが剛性の高い高剛性ゴム部材である場合を例に挙げて説明したが、ゴム部材11A,11Bの双方に剛性が同じゴム部材を使用することもできる。また、上記実施形態では、凹状の嵌合部11cをゴム部材11Aに形成し、凸状の嵌合部11fをゴム部材11Bに形成する場合を例に挙げて説明したが、凹状の嵌合部11cをゴム部材11Bに形成し、凸状の嵌合部11fをゴム部材11Aに形成することもできる。さらに、上記実施形態では、ゴム部材11Aが金属板12Aに固定され,ゴム部材11Bが金属板12Bに固定される場合を例に挙げて説明したが、これら金属板12A,12Bの一方を省略することもできる。
(3)上記実施形態では、防振装置10の円周方向に沿って等間隔で2つの圧電センサ13を配置する場合を例に挙げて説明したが、3つ以上の圧電センサ13を等間隔で配置することもできる。また、上記実施形態では、電極部14A,14Bを露出させた状態で圧電センサ13をゴム部11に内蔵させる場合を例に挙げて説明したが、電極部14A,14Bを被覆した状態で圧電センサ13をゴム部11に内蔵させることもできる。例えば、耐熱性を有するフッ素樹脂製などの被覆材である保護部によって、圧電ゴム部14C及び電極部14A,14Bを被覆し、圧電ゴム部14C及び電極部14A,14Bを保護することもできる。
(4)上記実施形態では、リード線15が可撓性を有する導電部である場合を例に挙げて説明したが、剛性を有する金属端子のような導電部を使用することもできる。また、第1実施形態では、ゴム部材11Aが発泡ゴムであり、ゴム部材11Bがソリッドゴムである場合を例に挙げて説明したが、このような組み合わせに限定するものではない。例えば、ゴム部材11A,11Bの双方が発泡ゴムである場合や、ゴム部材11Aがソリッドゴムであり、ゴム部材11Bが発泡ゴムである実施形態も本発明に含まれる。さらに、第2実施形態では、ゴム部材11Aが低硬度ソリッドゴムであり、ゴム部材11Bが高硬度ソリッドゴムである場合を例に挙げて説明したが、このような組み合わせに限定するものではない。例えば、ゴム部材11Aが高硬度ソリッドゴムであり、ゴム部材11Bが低硬度ソリッドゴムである実施形態も本発明に含まれる。かかる実施形態では、図14に示されている収容部11hや移動規制手段である壁状部16aがゴム部材11Aに設けられ、当接領域11aを含む嵌合部16bがゴム部材11Bに設けられる。すなわち、図14に示されている配置と上下が逆転した配置となる。かかる実施形態には、収容部11h,11iへの雨水等の侵入をより効果的に防止できる利点がある。また、図14に示されているゴム部材11Aが発泡ゴム又は溝付きゴムである実施形態も本発明に含まれる。
(5)上記第1実施形態及び第3実施形態では、嵌合部11c,11fを2つ配置する場合を例に挙げて説明したが、嵌合部11c,11fを3つ以上配置することもできる。また、第1実施形態及び第3実施形態では、嵌合部11c,11fを車両2の長さ方向(車軸5bの長さ方向と直交する方向)に配置する場合を例に挙げて説明したが、車両2の長さ方向に代えて又は車両2の長さ向とともに車両2の幅方向(車軸5bの長さ方向)に配置することもできる。
1a レール
2 車両
3 車体
4 台車
5 輪軸
5a 車輪
5b 車軸
6 軸受
7 軸箱
7a 上面部
7b 心棒
8 台車枠
9 軸ばね
10 防振装置
11 ゴム部
11A,11B ゴム部材
11a 当接領域
11b スキン層
11c 嵌合部
11d 貫通孔
11f 嵌合部
11g 貫通孔
11h,11i 収容部
12A,12B 金属板
12a,12b 貫通孔
13 圧電センサ
14A,14B 電極部
14C 圧電ゴム部
15 リード線
16a 壁状部(移動規制手段)
16b 嵌合部
17 ゴム膜
Claims (8)
- 鉄道車両の走行振動を吸収するゴム部を有する防振装置であって、
前記ゴム部は、一方側ゴム部材と他方側ゴム部材とを有し、前記一方側ゴム部材と前記他方側ゴム部材とが対向する面の間に挟み込まれた状態で、このゴム部に作用する荷重を検出する圧電センサを備えること、
を特徴とする防振装置。 - 請求項1に記載の防振装置であって、
前記ゴム部は、前記鉄道車両の車体フレーム側部材に当接可能に配置される前記一方側ゴム部材と、前記鉄道車両の輪軸側部材に当接可能に配置される前記他方側ゴム部材と、を有する軸ばねゴムであること、
を特徴とする防振装置。 - 請求項1又は2に記載の防振装置において、
前記ゴム部に荷重が作用したときに、前記一方側ゴム部材及び/又は前記他方側ゴム部材の前記圧電センサと接触している当接領域が前記荷重の作用方向と交差する方向へ移動することを規制する移動規制手段を備えること、
を特徴とする防振装置。 - 請求項3に記載の防振装置において、
前記移動規制手段は、前記圧電センサの外周に沿って立設された壁状部により構成され、少なくとも前記当接領域よりも剛性が高いこと、
を特徴とする防振装置。 - 請求項3又は4に記載の防振装置において、
前記一方側ゴム部材及び/又は前記他方側ゴム部材は、発泡ゴムよりなること、
を特徴とする防振装置。 - 請求項5に記載の防振装置において、
前記当接領域は、前記発泡ゴムのスキン層の一部であること、
を特徴とする防振装置。 - 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の防振装置において、
前記一方側ゴム部材の背面側及び/又は前記他方側ゴム部材の背面側には、金属板が固着され、
前記一方側ゴム部材又は前記他方側ゴム部材は、対向する相手側ゴム部材よりも厚みが薄く形成されていること、
を特徴とする防振装置。 - 請求項7に記載の防振装置において、
前記圧電センサから出力される電気信号を取り出すための電線が前記金属板に沿って配線されていること、
を特徴とする防振装置。
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