JP2009236228A - 防振支持装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型の防振支持装置を提供する。
【解決手段】防振支持装置10は、第1の部材としてのエンジン11と第2の部材としての車体12を連結するとともにエンジン11から車体12へ伝達される振動を吸収する。エンジン11と車体12との間には、主弾性体23とこれの外側に配置される補強弾性体27とが装着され、補強弾性体27は主弾性体23よりも剛性が高い弾性体により形成されており、補強弾性体27により主弾性体23の外側への変形が規制される。
【選択図】図1

Description

本発明は部材間の荷重を支持するとともに振動伝達を防止する防振支持装置に関する。
自動車用のエンジンはエンジンの振動が車体に伝達されるのを防止するために防振支持装置を介して車体に搭載されている。油圧ショベルや油圧クレーンなどの土木建設機械においては運転席つまりキャブが車体に防振支持装置を介して搭載されており、車体からキャブに振動が伝達されるのを防止している。
特許文献1には軟質ゴムと鉄製のストッパとを有するエンジン用の防振支持装置が記載されている。また、特許文献2には内部に液体等の流動性媒体が供給されるようになった円柱形状のばね要素と、これに平行となって配置される円筒形状のばね要素とを有するエンジンマウントつまり防振支持装置が記載されている。一方、土木建設機械用の防振支持装置としては、特許文献3に記載されるように、車体フレームとキャブとの間に配置されるアッパーマウントゴムと、車体フレームの下方に取り付けられる下金具と車体フレームとの間に配置されるロアーマウントゴムとを有するものがある。
特開平5−106685号公報 特開平5−187475号公報 特開2004−291795号公報
エンジン支持用またはキャブ支持用に使用されるゴム単体からなる防振支持装置としては、通常、エンジンやキャブ等の荷重を支持する必要から、JIS K6253に規定されるデュロメータータイプAによって測定したゴム硬度(以下、「ショアA」という)で、60〜70°Hs程度の比較的硬質のゴム単体からなるものが使用されている。しかしながら、このような硬質ゴム単体からなる防振支持装置においては、エンジンやキャブの振動を十分に吸収することは難しいものであった。また、防振性を重要視して、軟質ゴム単体を採用した防振支持装置においては、軟質ゴムの荷重特性を定常の防振支持状態における振動を基準に設定すると、エンジンやキャブの振動を吸収し乗員の乗り心地を良好にすることができるが、軟質ゴム単体に過大な荷重が加わると変位量が大きくなって軟質ゴムが破壊し易いという問題点がある。この対策としては、比較的荷重が大きくならない定常の防振支持状態では乗り心地を良好とし、過大な荷重が加わったときには軟質ゴムが破壊しないようにすることが好ましい。
そのため、軟質ゴム単位の内部に金属を内蔵するようにしたり、特許文献1に記載されるように軟質ゴム単体に加えてその外側に隙間を介して鉄材質のストッパを設けたりすることがなされている。しかしながら、軟質ゴムの内部に金属を組み込むようにすると、金具を用いたり金属とゴムとを接着したりする必要があり、防振支持装置の製造コストが高くなる。一方、軟質ゴムに加えて金属製のストッパを軟質ゴムの外側に隙間を介して設けるようにすると、防振支持装置の重量が嵩むだけでなく外径が大きくなる上、過荷重が加わった場合にはストッパに車体が衝撃的に接触することになり好ましくない。
本発明の目的は優れた防振特性を有する防振支持装置を提供することにある。
本発明の他の目的は過大な荷重が加わったときにも振動を緩和し、容易に破壊し難い防振支持装置を提供することにある。
本発明の防振支持装置は、第1の部材と第2の部材を連結するとともに一方の前記部材から他方の前記部材へ伝達される振動を吸収する防振支持装置であって、前記第1の部材と第2の部材の間に取り付けられる主弾性体と、前記主弾性体よりも剛性が高い弾性体により形成され、前記主弾性体の外側に配置される補強弾性体とを有し、前記補強弾性体により、前記第1と第2の部材間の荷重による前記主弾性体の外側への変形を規制することを特徴とする。
本発明の防振支持装置は、前記第1の部材と前記第2の部材に圧縮方向に荷重が負荷され、前記補強弾性体が前記第1の部材と第2の部材に当接するときに生じる主弾性体の変形によるボリューム移動を許容する空間を、前記主弾性体と前記補強弾性体との間に備えることを特徴とする。また、本発明の防振支持装置は、前記主弾性体は、略円筒形状または円盤形状であり、前記補強弾性体は、内径側に前記主弾性体が内挿される円環形状であることを特徴とする。
本発明の防振支持装置は、前記主弾性体は、内径側から外径側へ漸減するテーパを有することを特徴とする。本発明の防振支持装置は、前記主弾性体の外周面と前記補強弾性体の内周面は嵌合固定されていることを特徴とする。本発明の防振支持装置は、前記第1の部材と前記第2の部材との間に配置される第1の主弾性体と、前記第2の部材とこれに対向し前記第1の部材に対して反対側に設けられるとともに前記第1の部材に連結される連結プレートとの間に配置される第2の主弾性体と、前記第1の主弾性体の外側に配置される第1の補強弾性体と、前記第2の主弾性体の外側に配置される第2の補強弾性体とを有することを特徴とする。
本発明によれば、2つの部材を弾性的に連結する防振支持装置において、主弾性体とその外側に配置される補強弾性体とを有し、補強弾性体は主弾性体よりも剛性が高く設定され、一方の部材から他方の部材に加わる荷重により主弾性体に所定値以上の圧縮力が加えられると主弾性体は主弾性体よりも高剛性である補強弾性体により外側への変形が規制ないし抑制されるので、主弾性体と補強弾性体とからなる複合化された弾性体の荷重特性を奏することとなる。すなわち、所定値以下の荷重では、主弾性体が有する低いばね定数値による好適な防振性を有し、所定値以上の荷重では、主弾性体と補強弾性体による複合化された弾性体の高いばね定数値により軸方向変位を少なくできるという、優れた荷重特性を奏することができる。これにより、複雑な構造を取ることなしに、所定値以下の荷重(小振幅振動)時には、柔軟な弾性体で振動を吸収し、所定値以上の荷重(大振幅振動)時には、緩衝しつつも強い荷重支持が可能であるので、一方の部材から他方の部材に伝達される振動を広い荷重範囲で緩衝しつつ、エンジンやキャブなどの荷重を支持することができる。
複合化された弾性体の荷重特性は、主弾性体と補強弾性体のそれぞれの剛性を変化させること、および主弾性体と補強弾性体の嵌合程度を変化させることにより、その荷重特性を容易に種々のパターンに変更することができる。
防振支持装置に所定の荷重を越えて、さらに過大な荷重が加わったときには、補強弾性体が直接当接して荷重を支持することにより、2つの部材の衝撃的接触を緩衝するとともに、主弾性体に対して、一定以上の荷重が加わることを防止することで、主弾性体の損傷発生を防止することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の一実施の形態である防振支持装置を示す断面図である。
図1は防振支持装置10により第1の部材としての自動車用のエンジン11を第2の部材としての車体12に連結している状態を示している。この防振支持装置10により自動車用のエンジン11が車体12に取り付けられ、防振支持装置10はエンジン11の振動を吸収して車体12に振動が伝達されるのを防止する。なお、図1において、エンジン11はその台座部に設けられたフランジ部の一部が示されており、車体12はそのフレームの一部が示されている。
この防振支持装置10は第1の複合弾性体21aと第2の複合弾性体21bとを有しており、それぞれの複合弾性体21a,21bは相互に共通の基本構造となっている。第1の複合弾性体21aはエンジン11とこれの下側の車体12との間に配置され、第2の複合弾性体21bは車体12に対して反対側であるエンジン11の上側に配置されており、エンジン11に対向している。
複合弾性体21aは金属製の円筒形状のスリーブ22を有し、その外側には外周面が円形となった略円筒形状の主弾性体23が取り付けられており、主弾性体23は、例えば、ショアA硬度が56°(Hs)程度の軟質ゴムにより形成されている。主弾性体23の軸方向内方端側には環状の取付金具24が固定され、取付金具24は円筒部25とこれに一体となった径方向部26とを有している。円筒部25はエンジン11に形成された貫通孔13に図1において下側から嵌合され、径方向部26はエンジン11の下側の取付面14に突き当てられることになる。これにより、第1の複合弾性体21aの主弾性体23は第1の主弾性体としてエンジン11と車体12の間に取り付けられることになる。
主弾性体23の軸方向外方端側には、円環形状の補強弾性体27が配置されている。補強弾性体27は、ショアA硬度が80°(Hs)程度の硬質ゴムにより形成され、主弾性体23よりも剛性が高く、高硬度となっており、主弾性体23の外側に直接嵌合されている。第1の複合弾性体21aの補強弾性体27は第1の補強弾性体を構成している。
主弾性体23は取付金具24の径方向部26の外面を覆う薄肉部28を有し、この薄肉部28に連なる括れ部29が主弾性体23の外周面に形成されている。この括れ部29に連なって主弾性体23の軸方向外方端側には径方向に突出した突起部30が環状に設けられている。主弾性体23の軸方向外方端面から突起部30の間には、主弾性体23の軸方向寸法が内径側から外径側へ向けて漸減するテーパ面31が形成されている。一方、補強弾性体27は、主弾性体23の外側に直接接触させて嵌合固定されるので、括れ部29に嵌合される小径部32と、突起部30に嵌合される大径部33とを有し、内周面には段差が設けられている。したがって、補強弾性体27をその内径側に主弾性体23に内装して嵌合させると、補強弾性体27の内周面は主弾性体23の外周面と凹凸嵌合することになり、補強弾性体27が主弾性体23から抜けることが防止される。なお、本実施の形態においては、主弾性体23と補強弾性体27の嵌合は、無負荷状態においてほぼ隙間の無い中間ばめとしている。
図2は図1に示された第2の複合弾性体21bを示す一部切欠き斜視図である。第2の複合弾性体21bの基本構造は第1の複合弾性体21aと共通しており、それぞれの複合弾性体21a,21bを構成する各部材のうち相互に共通する部材には同一の符号を付して第2の複合弾性体21bについての重複した説明を省略する。
第2の複合弾性体21bは第1の複合弾性体21aに対してエンジン11を介して反対側つまり図1においてエンジン11の上側に配置されるので、第2の複合弾性体21bの主弾性体23は第2の主弾性体を構成し、補強弾性体27は第2の補強弾性体を構成する。
それぞれの複合弾性体21a,21bは相互に共通した基本構造となっているが、2つの複合弾性体21a,21bを図1に示すように配置すると、エンジンが停止された静止状態のもとでは、それぞれの主弾性体23に加わる荷重が相違することになり、エンジン11の荷重は下側の主弾性体23には圧縮方向に作用し、上側の主弾性体23には引っ張り方向に作用することになる。このように、下側の主弾性体23には圧縮方向の荷重が加わって沈み込むことになるので、複合弾性体21aの主弾性体23の被圧縮部寸法B1は、エンジンが停止されている状態のもとでは、複合弾性体21bの主弾性体23の被圧縮部寸法B2よりも短くなるように設定されており、補強弾性体27の軸方向寸法を図示するようにそれぞれの複合弾性体21a,21bで相違させると、エンジン停止状態のもとではそれぞれの補強弾性体27と連結プレート41,42との間のクリアランスが同じように設定される。これに対応させて、スリーブ22は複合弾性体21aの軸方向寸法M1の方が複合弾性体21bの軸方向寸法M2よりも短く設定されている。
第1の複合弾性体21aはエンジン11の下側の取付面14側から貫通孔13に組み付けられ、第2の複合弾性体21bはエンジン11の上側の取付面15側から貫通孔13に組み付けられ、それぞれのスリーブ22が軸方向内方端で相互に突き当てられた状態となって2つの複合弾性体21a,21bがエンジン11に装着される。それぞれのスリーブ22の軸方向外方端面には連結プレート41,42が突き当てられるようになっており、ボルト43とこれにねじ結合されるナット44により連結プレート41,42は剛的に締結されて防振支持装置10によりエンジン11が車体12に固定される。なお、図1においては、ボルト43の頭部が上側となり、ナット44が下側となっているが、これらの上下関係を逆向きとしても良い。
連結プレート41は図1に示されるように車体12と第1の複合弾性体21aとの間に組み込まれ、連結プレート42はボルト43を介して車体12に連結されており、第2の複合弾性体21bは連結プレート42とエンジン11との間に配置される。なお、連結プレート41を用いることなく、第1の複合弾性体21aの主弾性体23の端面を車体12に直接当接させるようにしても良い。
ボルト43とナット44により複合弾性体21a,21bがエンジン11に取り付けられると、図1に示すように、それぞれの主弾性体23は軸方向に予圧縮された状態となる。エンジンが停止された静止状態のもとでは、それぞれのテーパ面31と連結プレート41,42との間にはそれぞれ空間34が形成される。それぞれの主弾性体23の内方端面には凹部35が形成されており、それぞれの凹部35により2つの主弾性体23の間に空間36が形成される。図1に示すように、エンジンが停止された静止状態のもとでは、補強弾性体27と連結プレート41,42との間には隙間37が形成されており、この隙間37のストロークの範囲において主弾性体23が軸方向に圧縮するときには補強弾性体27には軸方向の圧縮力は加わらない。
エンジン11が駆動されて自動車が走行している防振支持状態のもとでは、エンジン振動や車両の上下振動によりエンジン11は車体12に対して接近する方向と離反する方向とに振動することになる。エンジン11が車体12に対して接近する方向に振動すると、第1の複合弾性体21aの主弾性体23には圧縮方向の荷重が負荷される一方、第2の複合弾性体21bの主弾性体23には引っ張り方向の荷重が負荷される。これに対し、エンジン11が車体12から離反する方向に振動すると、上述とは逆方向にそれぞれの主弾性体23に荷重が負荷されることになる。
上述のように、それぞれの主弾性体23は軟質ゴムにより形成され、補強弾性体27は硬質ゴムにより形成されており、補強弾性体27は主弾性体23よりも剛性が高く、硬度が高くなっている。つまり、主弾性体23は補強弾性体27よりも低剛性、低硬度となっている。したがって、エンジン11が車体12に対して図1において上下に振動し、主弾性体23に圧縮方向の荷重が負荷されると、主弾性体23の軸方向両端側には空間34、36が形成されているので、まずは、主弾性体23自体のばね特性に依存して主弾性体23は主に軸方向に変形して空間34,36内に変位することになる。このように、それぞれの空間34は、主弾性体23に圧縮方向の荷重が加わったときに主弾性体23の変形によるボリューム移動を許容することになる。
主弾性体23に加えられる圧縮方向の荷重が高められると、主弾性体23にはそれぞれの外側に補強弾性体27が配置されているので、主弾性体23の径方向外側への変形が補強弾性体27により規制されることになる。このように、主弾性体23は径方向外側への変形が補強弾性体27により規制されるので、主弾性体23に加わる圧縮方向の荷重が所定値以上高くなると、高剛性の補強弾性体27により主弾性体23と補強弾性体27が複合されて見かけ上のばね定数が高められることになり、防振支持装置10の軸方向の変位量が主弾性体23と補強弾性体27を全て軟質ゴムにより形成した場合よりも小さくなる。したがって、防振支持装置10は、複雑な構造を取ることなしに、低荷重(小振幅振動)時には、柔軟な弾性体で振動を吸収し、大荷重(大振幅振動)時には、緩衝しつつも強い荷重支持が可能である。
主弾性体23に過度の圧縮方向の荷重が加わり、主弾性体23の軸方向の変形量が所定値以上となると、補強弾性体27が一方の連結プレート41,42に当接することになって補強弾性体27はストッパとしての機能を果たすことになる。これにより、主弾性体23を破損したり破壊したりすることを防止しつつ、ゴム製の補強弾性体27はエンジン11と車体12との間の衝撃を緩衝することができ、防振支持装置10の耐久性を高めることができる。
このように主弾性体23と補強弾性体27とを組み合わせて複合弾性体21a,21bを形成すると、それぞれの剛性ないしばね定数が相違する複数の主弾性体23と補強弾性体27との組み合わせパターンを変更することにより、それぞれの形状を変えることなく、複合化された弾性体の荷重特性を多数選定することができる。例えば、主弾性体23に嵌合される補強弾性体27を締りばめにて嵌合させると、主弾性体23は、小変位でも複合的な荷重特性を示すことになり、また主弾性体23と補強弾性体27をすきまばめにて嵌合させると、相当大きな変位まで複合的な荷重特性を示さなくすることもできる。
図3(A),(B)は第1の複合弾性体21aの組立手順を示す断面図である。図3(A)に示すように、主弾性体23を金型を用いて成形する際に金型内にスリーブ22と取付金具24とを配置した状態のもとでゴム生地を金型内に充填することにより、主弾性体23にはスリーブ22と取付金具24とが加硫接着により固定される。ただし、これらを加硫接着することなく、主弾性体23を形成した後に、スリーブ22と取付金具24とを主弾性体23に挿通または圧入するようにしても良い。
このようにスリーブ22と取付金具24とが一体となった主弾性体23の外側には、補強弾性体27が圧入により嵌合される。このときには、主弾性体23の外側に補強弾性体27を圧入すると、主弾性体23が径方向内方に弾性変形し、補強弾性体27が径方向外方に弾性変形することになる。図3(B)はこのようにして主弾性体2の外側に補強弾性体27が組み立てられた状態を示す。組み立てられた状態のもとでは、補強弾性体27と主弾性体23とが凹凸嵌合することになるので、補強弾性体27が主弾性体23から抜けることが防止される。なお、第2の複合弾性体21bも同様にして組み立てられる。
図4は図3に示されるようにして組み立てられた2つの複合弾性体21a,21bを同心上に配置した状態を示す断面図である。2つの複合弾性体21a,21bをそれぞれの内方端で相互に突き当てると、それぞれの取付金具24の円筒部25が接触した状態となる。このときには、それぞれの主弾性体23の外方端部はスリーブ22の外方端面よりも外方に突出した状態となるので、予圧縮前の防振支持装置10の全長Lは2つのスリーブ22の長さM1,M2の合計長さLaよりも長くなる。
2つの複合弾性体21a,21bをボルト43とナット44を用いてエンジン11に取り付けると、図1に示すように、2つのスリーブ22が連結プレート41,42の間で締め付けられるので、それぞれの主弾性体23は軸方向に予圧縮される。予圧縮のストロークは、図4に示す全長Lから2つのスリーブ22の長さ寸法M1,M2を引いた長さとなる。このように、予圧縮した状態でも、主弾性体23と補強弾性体27との間には空間34を有している。
図1に示す防振支持装置10は2つの複合弾性体21a,21bを有しており、一方の複合弾性体21aに圧縮力が加わると、他方の複合弾性体21bには引っ張り力が加わることになり、防振特性を高めることができる。ただし、防振支持装置としては1組の複合弾性体からなるタイプもあり、そのタイプにおいては複合弾性体がエンジン11と車体12との間に配置されることになる。
図1に示す防振支持装置10はエンジン11に形成された貫通孔13に複合弾性体21a,21bのそれぞれの取付金具24を嵌合させているが、車体12に形成された貫通孔にそれぞれの取付金具24を嵌合させるようにしても良い。
この防振支持装置10は油圧ショベルや油圧クレーン等の土木建設機械のキャブを車体に取り付け、車体の振動がキャブに伝達されるのを防止するためにも使用される。その場合にはキャブが車体の上側となるので、車体に形成された貫通孔にそれぞれの取付金具24が嵌合され、図1に示された連結プレート42の上にキャブが取り付けられることになる。このように、連結プレート42の上に第2の部材としてのキャブが取り付けられると、第1の部材としての車体とキャブとの間に配置される複合弾性体21bが第1の複合弾性体となり、車体の下側となる複合弾性体21aが第2の複合弾性体となり、連結プレート41を介して複合弾性体21aはボルト43によりキャブに連結される。なお、キャブが車体に取り付けられる場合には、連結プレート42を用いることなく、キャブに主弾性体23を直接当接させるようにしても良い。
図5は本発明の他の実施の形態である防振支持装置10aを示す断面図である。図5は防振支持装置10aがエンジン11と車体12との間に装着された状態を示している。この防振支持装置10aは1組の複合弾性体21を備えており、複合弾性体21は外周面が円形となった略円盤形状の主弾性体23と、これの外側に配置される補強弾性体27とを有している。
主弾性体23の両端面にはそれぞれ連結プレート45,46が加硫接着により固定されるようになっており、連結プレート46は主弾性体23に設けられた小径の連結部38の端面に固定される。このように主弾性体23には小径の連結部38が設けられているので、主弾性体23は連結部38側の端面39が開放され、主弾性体23に軸方向の圧力が加えられると、端面39が軸方向に変位するように主弾性体23の軸方向の弾性変形が許容される。
それぞれの連結プレート45,46にはボルト47,48が設けられており、ボルト47にねじ結合するナット49により連結プレート45は車体12に固定される。一方、ボルト48にねじ結合するナット50により連結プレート46はエンジン11に固定される。
主弾性体23の外側に配置される補強弾性体27は、主弾性体23の連結プレート45側に形成された括れ部29に嵌合する小径部32と、主弾性体23の突起部30に嵌合する大径部33とを有し、主弾性体23と補強弾性体27は凹凸嵌合している。
エンジン11が停止している静止状態のもとでは、連結プレート45とエンジン11との間の距離よりも補強弾性体27の軸方向寸法は短く設定されており、補強弾性体27とエンジン11との間には隙間37が形成される。主弾性体23は上述した実施の形態と同様に、ショアA硬度が例えば56°(Hs)の軟質ゴムにより形成され、補強弾性体27はショアA硬度が例えば80°(Hs)の硬質ゴムにより形成され、補強弾性体27は主弾性体23よりも剛性が高く、硬度が高くなっている。つまり、主弾性体23は補強弾性体27よりも低剛性、低硬度となっている。したがって、エンジン11が車体12に対して図5において上下に振動し、主弾性体23に圧縮方向の負荷が負荷されると、主弾性体23の端面39側は開放されているので、まずは、主弾性体23自体のばね特性に依存して主弾性体23は主に軸方向に変形して端面39が変位することになる。このように、補強弾性体27の内側であって端面39とエンジン11との間の空間は、主弾性体23に軸方向の荷重が加わったときに主弾性体23の変形によるボリューム移動を許容することになる。
主弾性体23に加えられる圧縮方向の荷重が高められると、主弾性体23には外側に補強弾性体27が配置されているので、主弾性体23の径方向外側への変形が補強弾性体27により規制されることになる。このように、主弾性体23は径方向外側への変形が補強弾性体27により規制されるので、主弾性体23に加わる圧縮方向の荷重が所定値以上高くなると、高剛性の補強弾性体27により主弾性体23と補強弾性体27が複合された見かけ上のばね定数が高められることになり、防振支持装置10aの軸方向の変位量が主弾性体23と補強弾性体27を全て軟質ゴムにより形成した場合よりも小さくなる。したがって、防振支持装置10aは複雑な構造を取ることなしに、低荷重(小振幅振動)時には、柔軟な弾性体で振動を吸収し、大荷重(大振幅振動)時には、緩衝しつつも強い荷重支持が可能である。
主弾性体23に過度の圧縮方向の荷重が加わり、主弾性体23の軸方向の変形量が所定値を越えて過大となると、補強弾性体27がエンジン11に当接することになって補強弾性体27はストッパとしての機能を果たすことになる。これにより、主弾性体23を破損したり破壊したりすることを防止しつつ、ゴム製の補強弾性体27はエンジン11と車体12との間の衝撃を緩衝することができ、防振支持装置の耐久性を高めることができる。
図5に示す防振支持装置10aも油圧ショベルや油圧クレーンなどの土木建設機械に対して適用される。
図6は図1に示した防振支持装置10の防振特性と比較例の防振特性とを示す荷重特性曲線である。図6において実線は図1に示すように複合弾性体21a,21bを備えた防振支持装置10に加わる荷重と複合弾性体の軸方向の変位との変化を示し、一点鎖線は軟質ゴムからなる単一の弾性体を備えた防振支持装置に加わる荷重と弾性体の軸方向の変位との関係を示す。
図6はエンジン11から車体12に対して接近させる方向の荷重(プラス)と離反させる方向の荷重(マイナス)とを加えた実験結果を示している。図6に示されるように、加える荷重が約4×103[N]を越えるまでは、本発明の防振支持装置は比較例と同様の変位であったが、これを越える荷重が加えられると、本発明の防振支持装置は比較例に比して変位量が少なくなった。この理由は、高剛性の補強弾性体27により主弾性体23の外側への変形が規制されるので、複合弾性体の見かけ上のばね定数が高められることになるからである。このような特性は図5に示すように1組の複合弾性体21を備えた防振支持装置10aにおいても同様であった。
したがって、本発明にかかる防振支持装置では、所定値以下の荷重では、主弾性体が有する低いばね定数による好適な防振性を有し、所定値以上の荷重では、主弾性体と補強弾性体による複合化された弾性体の高いばね定数値により軸方向変位を少なくできるという、優れた荷重特性を奏するといえる。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。補強弾性体27は主弾性体23よりも剛性、硬度が高められていれば良く、例えば、補強弾性体27の内部に金属メッシュなどを埋め込むことにより、両者を同一の軟質ゴムを用いて成形しても、補強弾性体27の剛性を高めることができる。また、主弾性体および補強弾性体は、ゴムに代えて、樹脂エラストマーを使用することもできるし、それぞれを組み合わせてもよい。
本発明の一実施の形態である防振支持装置を示す断面図である。 図1に示された第2の複合弾性体を示す一部切欠き斜視図である。 (A),(B)は複合弾性体の組立手順を示す断面図である。 図3に示されるようにして組み立てられた2つの複合弾性体を同心上に配置した状態を示す断面図である。 本発明の他の実施の形態である防振支持装置を示す断面図である。 図1に示した防振支持装置の防振特性と比較例の防振特性とを示す荷重曲線である。
符号の説明
11 エンジン(第1の部材)
12 車体(第2の部材)
21a 第1の複合弾性体
21b 第2の複合弾性体
22 スリーブ
23 主弾性体
27 補強弾性体
34 空間
41,42 連結プレート

Claims (6)

  1. 第1の部材と第2の部材を連結するとともに一方の前記部材から他方の前記部材へ伝達される振動を吸収する防振支持装置であって、
    前記第1の部材と第2の部材の間に取り付けられる主弾性体と、
    前記主弾性体よりも剛性が高い弾性体により形成され、前記主弾性体の外側に配置される補強弾性体とを有し、
    前記補強弾性体により、前記第1と第2の部材間の荷重による前記主弾性体の外側への変形を規制することを特徴とする防振支持装置。
  2. 請求項1記載の防振支持装置において、前記第1の部材と前記第2の部材に圧縮方向に荷重が負荷され、前記補強弾性体が前記第1の部材と第2の部材に当接するときに生じる主弾性体の変形によるボリューム移動を許容する空間を、前記主弾性体と前記補強弾性体との間に備えることを特徴とする防振支持装置。
  3. 請求項1または2記載の防振支持装置において、前記主弾性体は、略円筒形状または円盤形状であり、前記補強弾性体は、内径側に前記主弾性体が内挿される円環形状であることを特徴とする防振支持装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の防振支持装置において、前記主弾性体は、内径側から外径側へ漸減するテーパを有することを特徴とする防振支持装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の防振支持装置において、前記主弾性体の外周面と前記補強弾性体の内周面は嵌合固定されていることを特徴とする防振支持装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の防振支持装置において、前記第1の部材と前記第2の部材との間に配置される第1の主弾性体と、前記第1の部材とこれに対向し前記第2の部材に対して反対側に設けられるとともに前記第2の部材に連結される連結プレートとの間に配置される第2の主弾性体と、前記第1の主弾性体の外側に配置される第1の補強弾性体と、前記第2の主弾性体の外側に配置される第2の補強弾性体とを有することを特徴とする防振支持装置。
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