JP2016171968A - 描画装置及び描画方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構成で爪領域の検出精度を向上させることができる描画装置及び描画装置の描画方法を提供する。【解決手段】指U1の爪Tに描画を施す描画装置において、指の爪Tに隣接した領域にマスキング剤が塗布されて形成されているマスキング部Mを撮影して取得した画像に基づいて、指における爪Tの領域を爪領域として検出する爪領域検出部を備える。【選択図】図4

Description

本発明は、描画装置及び描画装置の描画方法に関するものである。
従来、爪にネイルデザインを描画する描画装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような装置を用いれば、ネイルサロン等を利用しなくても手軽にネイルデザインを楽しむことができる。
ところで、描画装置によってネイルデザインを描画する場合には、下地の塗布、デザインの描画、トップコートの塗布などの複数の工程を行って、爪に所望のネイルデザインを描画する。このとき、各工程間で、例えば描画したインクの乾燥等のために指を描画装置から抜き差しすることも想定される。
このように、各工程間で指を描画装置から抜き出したり、挿入したりすることを繰り返す場合、各工程間で爪を同じ位置に固定させるのは難しい。
このため、指を装置に挿入する度に、爪領域の検出を行い、爪と装置との相対的な位置を測定し、その結果に応じて描画データを修正しながら描画を行っていくことで、工程間で描画位置がずれることを抑制する必要がある。
また、仮に装置内に爪に描画したインクを乾燥させるための機構を設けて、各工程間における指の抜き差しを不要とした場合でも、インクを乾燥させている間等に装置内で指が動いてしまうおそれもある。
このため、描画開始から終了まで指の抜き差しをせずにネイルプリントが可能な装置構成の場合でも、乾燥終了後に次の描画工程に移る際等には適宜爪領域を検出し直す必要が生じる。
特表2003−534083号公報
しかしながら、描画の工程が進んで爪にデザインなどが描画された状態では、描画されているデザイン等に起因して、描画開始前に検出された初期状態の爪領域とは異なる範囲が爪領域として検出されてしまう等、爪領域の検出精度が低下する場合がある。
このように、爪領域として検出される範囲にずれが生じると、当該検出後の描画工程において爪以外の領域にも描画してしまい、指が汚れてしまうおそれがある。
また、各工程間で異なる範囲が爪領域として検出されてしまうと、描画されるデザインが本来描画すべき位置からずれてしまい、美しい仕上がりとならないおそれもある。
本発明の課題は、簡易な構成で爪領域の検出精度を向上させることができる描画装置及び描画装置の描画方法を提供することである。
前記課題を解決するために、本発明の描画装置は、
指の爪に描画を施す描画装置において、
前記指の前記爪に隣接した領域にマスキング剤が塗布されて形成されているマスキング部を撮影して取得した画像に基づいて、前記指における前記爪の領域を爪領域として検出する爪領域検出部を備えることを特徴としている。
本発明によれば、描画装置において、簡易な構成で爪領域の検出精度を向上させることができる。
本実施形態における描画装置の正面図である。 図1に示す描画装置の一部を断面にして内部構成を示した側断面図である。 本実施形態に係る描画装置の制御構成を示した要部ブロック図である。 (a)は、印刷指から爪領域を検出した状態を示す指の平面図であり、(b)は、爪領域の周囲にマスキング部を形成した状態を示す指の平面図であり、(c)は、爪領域にデザイン画像を描画した状態を示す指の平面図であり、(d)は、印刷指からマスキング部を剥離した状態を示す指の平面図である。 本実施形態における描画処理を示すフローチャートである。 本実施形態における描画処理を示すフローチャートである。 (a)及び(b)は、特徴部を設けたマスキング部の一例を示す平面図である。 (a)は、本実施形態における描画装置の一変形例の正面図であり、(b)は、(a)に示された描画装置の内部構成を示す側面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明に係る描画装置及び描画装置の描画方法の実施形態の一例を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
また、以下の実施形態では、描画装置は手の指の爪を描画対象として、これに描画するものとして説明するが、本発明の描画対象は手の指の爪に限るものではなく、例えば足の指の爪を描画対象としてもよい。
図1は、描画装置の正面図であり、図2は、図1に示す描画装置の一部を断面にして内部構造を示した側面図である。
図1及び図2に示すように、この描画装置1は、描画ヘッド41とペン等の筆記具71とを備えるハイブリッド方式のネイルプリント装置であり、ケース本体2と、このケース本体2に収容される装置本体10と、を備えている。なお、図1及び図2において、ケース本体を二点鎖線で示している。
ケース本体2の前面上部の一端には、後述する描画部40の筆記具71を交換するために開閉可能に構成された筆記具交換用蓋部23が設けられている。筆記具交換用蓋部23は、例えばヒンジ等を介して、図2に示すように閉状態から開状態まで回動自在となっている。
さらに、ケース本体2の一側面(本実施形態では、図1において左側面)であって後述する筆記具慣書部61に対応する位置には、筆記具慣書部61に載置される被描画媒体(図示せず)を入れ替え可能な媒体挿出口24が形成されている。
ケース本体2の上面(天板)には操作部25(図3参照)が設置されている。
操作部25は、ユーザが各種入力を行う入力部である。
操作部25には、例えば、描画装置1の電源をONする電源スイッチ釦、動作を停止させる停止スイッチ釦、爪Tに描画するデザイン画像を選択するデザイン選択釦、描画開始を指示する描画開始釦等、各種の入力を行うための図示しない操作釦が配置されている。
また、ケース本体2の上面(天板)のほぼ中央部には表示部26が設置されている。
表示部26は、例えば液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイその他のフラットディスプレイ等で構成されている。
本実施形態において、この表示部26には、例えば、印刷指U1を撮影して得た指画像(爪Tの画像を含む印刷指U1の画像)、この指画像中に含まれる爪Tの輪郭線等の画像、爪Tに描画すべきデザイン画像を選択するためのデザイン選択画面、デザイン確認用のサムネイル画像、各種の指示を表示させる指示画面等が適宜表示される。
なお、表示部26の表面にタッチパネルが一体的に構成されていてもよい。この場合には、例えば、指先等でタッチパネル表面にタッチすることにより各種選択や指示を行うことができる。指以外でも例えばスタイラスペンや、先の尖った棒状の筆記具等によって表示部26の表面をタッチするタッチ操作によっても各種の入力を行うことができるように構成される。
装置本体10は、ほぼ箱状に形成され、ケース本体2の内部下方に設置された下部機枠11と、この下部機枠11の上方で且つケース本体2の内部上方に設置されている上部機枠12と、を備えている。
まず、下部機枠11について説明する。
下部機枠11は、背面板111、底板112、左右一対の側板113a,113b、X方向移動ステージ収容部114、Y方向移動ステージ収容部115及び隔壁116を有する。
側板113a,113bの下端部は、底板112の左右両端部にそれぞれ連結され、側板113a,113bが底板112に対して立てられた状態に設けられている。
図2に示すように、背面板111の下部は、前方(指挿入方向手前側)に向かって2段に窪むように形成されている。背面板111の下端部は底板112の前端部に連結されており、背面板111は、底板112と側板113a,113bによって囲われた領域を前後に区切っている。
この窪んだ背面板111の後ろ側に形成される空間がX方向移動ステージ収容部114、Y方向移動ステージ収容部115(図2参照)となっている。X方向移動ステージ収容部114内には、描画部40(図2参照)が前方(指挿入方向手前側)に移動した際に描画部40のX方向移動ステージ45が収容される。また、Y方向移動ステージ収容部115内には、描画部40のY方向移動ステージ47が配置されている。
また、隔壁116は、下部機枠11の内部前方側の空間(背面板111、底板112及び側板113a,113bによって囲われた指挿入方向手前側の空間)を上下に区切るように下部機枠11の内側に設けられている。隔壁116はほぼ水平に設けられ、隔壁116の左右両端部が側板113a,113bにそれぞれ連結され、隔壁116の後端部が背面板111に連結されている。
この下部機枠11には、指固定部30が一体的に設けられている。
図3を参照して、指固定部30について説明する。
図3は指固定部30及びその周辺の構成を模式的に示した要部断面図である。
指固定部30は、描画対象である、描画を施す爪Tに対応する指(以下、これを「印刷指U1」という。)を受け入れる指受入部31と、描画対象でない、この印刷指U1以外の指(以下、これを「非印刷指U2」という。)を退避させる指退避部32と、から構成されている。
指受入部31は、隔壁116の上側であって下部機枠11の幅方向のほぼ中央部に配置されている。また、隔壁116によって下部機枠11の下側に区分けられた空間が指退避部32を構成している。
例えば、薬指の爪Tに描画を施す場合には、図2に示すように、指受入部31に印刷指U1としての薬指を挿入し、非印刷指U2であるその他の4指(親指、人差し指、中指、小指)を指退避部32に挿入する。
指受入部31は、下部機枠11の前面側(印刷指挿入方向の手前側)に開口しており、下側が隔壁116の一部を構成する指載置部116a、両側及び奥側が図示しない仕切りによって区画されている。指載置部116aは、載置面(XY平面)を有し、描画を施す爪Tの指(印刷指U1)を載置面上に載置するものである。
また、指受入部31の上側は天井部となっており、この天井部には、指受入部31に挿入された印刷指U1の爪Tを露出させるための開口部が形成されている。
指載置部116aの載置面上には、指受入部31内に挿入された印刷指U1を下側から保持する指保持部33が配置されている。指保持部33は、図示しない機構により昇降可能に構成されていてもよい。この場合には、印刷指U1を指受入部31内に挿入したり、指受入部31内から取り出したりする際には、指保持部33が印刷指U1の出し入れの支障とならない高さまで下降し、印刷指U1を固定する際には、印刷指U1の上面が天井部31dの下面に突き当たる位置まで印刷指U1を押し上げるように指保持部33が上昇するようにする。
また、指受入部31内には、奥側の仕切りから突出する爪乗せ台34が設けられており、印刷指U1が指保持部33によって押し上げられた状態において、爪Tの先端部分が爪乗せ台34の上に乗るようになっている。これにより、爪Tの高さ方向における位置が固定される。
なお、指保持部33、爪乗せ台34は描画装置の必須の構成ではなく、これを備えない装置でもよい。
また、隔壁116の上面であって下部機枠11の前面側の両側部には、下部機枠11の前面側を塞ぐ前壁31f(図1参照)が立設されている。また、隔壁116の上面には、この前壁31fの中央部寄りの端部から前記指受入部31に向けて狭窄し、印刷指U1を指受入部31内に案内する一対のガイド壁31gが立設されている。
ユーザは指受入部31に挿入した印刷指U1と指退避部32に挿入した非印刷指U2との間に隔壁116を挟むことができる。そのため、指受入部31内に挿入された印刷指U1が安定して固定される。
なお、本実施形態では、隔壁116の前端部に下方向に張り出した突出部116bが形成されている。突出部116bは、手前側に向かうにつれてその厚さが漸減し、奥側に向かうにつれて漸増するテーパー部となっていてもよいし、突出部116bの厚さが、隔壁116の奥側の窪みに対して全体が厚い構造になっていてもよい。隔壁116の前端部に突出部116bが形成されていることにより、非印刷指U2が指退避部32に挿入された際、描画済みの指の爪Tと隔壁116との間に空間が確保され、爪Tが隔壁116の下面に接触して装置側にインクが付着したり、爪Tに描画された絵柄が擦れて損なわれたりするのを防止することができる。
隔壁116の上面であって、指受入部31の横(ケース本体2の媒体挿出口24に対応する位置であり、本実施形態では、図1において左側)の領域は、非描画時に、描画ヘッド41及び筆記具71が待機しているホームエリアとなっている。
このホームエリアには、筆記具慣書部61、筆記具キャップ62及びヘッドキャップ機構43が設けられている。
筆記具慣書部61は、後述する筆記具71の慣らし書きをするためのものであり、筆記具71による描画可能範囲内に配置されている。
筆記具慣書部61は、平板状の部分であり、前述のケース本体2の媒体挿出口24から挿入された図示しない被描画媒体が載置されるようになっている。
筆記具慣書部61に載置される被描画媒体は、ペン先712を慣らすことができるものであればよく、例えば紙片である。
なお、筆記具慣書部61は、印刷指U1が指受入部31に挿入された際の爪Tの高さとほぼ同じとなる高さに設けられていることが好ましい。
筆記具慣書部61は、ペン先712が乾いていたりインクの乗りが悪い等により書き始めがかすれたりするのを防止するために、爪Tに画像データによる描画を開始する前に被描画媒体の上に筆記具71を下ろして「○」や「∞」等の所定の図形を描画して慣らし書きを行い、ペン先712の状態を良好にするためのものである。慣らし書きを行う際に描画する所定の図形は特に限定されないが、インクを無駄に使いすぎないよう、「○」や「∞」等の単純な図形であることが好ましい。この慣らし書きにおいては、筆記具慣書部61の範囲内で、慣らし書きを行う度に「○」や「∞」等の所定の図形を描画する位置を少しずつずらしながら書くようにすることが好ましい。なお、被描画媒体のほぼ全面に書いてしまったときには、表示部26に「紙を交換して下さい」等の被描画媒体の交換を促す表示画面を表示させるようにする。この場合、ユーザが媒体挿出口24から被描画媒体を取り出して新しいものと交換することにより新しい被描画媒体に慣らし書きができる状態となる。もし、被描画媒体がロール紙である場合は、描画スペースが無くなったときには、ロール紙から被描画媒体を繰り出し、新しい描画面に慣らし書きを行えるようにする。
筆記具キャップ62は、描画部40に筆記具71を装着後であって描画を行っていないとき(非描画時)に、筆記具71(特に筆記具71のペン先712)が収容されるものであり、例えばゴム等で形成されている。
本実施形態では、筆記具キャップ62が筆記具慣書部61の前方(指挿入方向の手前側)に設置されている。筆記具キャップ62は、描画部40に装着される筆記具71に対応する数(本実施形態では4つ)だけ設けられている。
非描画時には、筆記具71を筆記具キャップ62の真上に筆記具71を移動させた後、後述するソレノイド742によって筆記具71を下降させ、ペン先712を筆記具キャップ62内に収容する。これにより、非描画時におけるペン先712の乾燥を防止できるようになっている。なお、筆記具キャップ62の形状等は図示例に限定されず、例えば、描画部40に装着される全ての筆記具71のペン先712を受け入れることのできる長尺な溝状の筆記具キャップ等であってもよい。
なお、本実施形態では、このように、筆記具キャップ62が筆記具慣書部61の傍に設けられているので、描画を開始するときには、筆記具71を上昇させてすぐ傍の筆記具慣書部61で慣らし書きを行い、描画を開始することができる。このため、筆記具71の移動等にかかる時間を最小限に抑えることができ、迅速な描画動作を行うことができる。
また、ヘッドキャップ機構43は、非描画時に描画ヘッド41の吐出面を覆うものである。ヘッドキャップ機構43は、隔壁116の上であって、筆記具71が筆記具キャップ62内に収容されている際に描画ヘッド41が配置される位置に対応する位置に配置されている。
ヘッドキャップ機構43を設けて、非描画時に描画ヘッド41の吐出面を覆うことにより、非描画時における描画ヘッド41の乾燥を防ぐことができる。
描画部40は、複数種類のインクを用いて、選択されたデザイン画像の画像データに基づき爪Tに描画を施すものであり、本実施形態では描画用具である描画ヘッド41及び筆記具71を備える筆記具ユニット72が搭載されたキャリッジ42を備えている。
キャリッジ42は、キャリッジ支持部材44に取り付けられており、これにより、描画ヘッド41及び筆記具ユニット72は、キャリッジ42を介してキャリッジ支持部材44に支持されている。
描画部40は、キャリッジ42及びこれを支持するキャリッジ支持部材44の他、キャリッジ42をX方向(図1におけるX方向、描画装置1の左右方向)に移動させるためのX方向移動ステージ45、X方向移動モータ46、キャリッジ42をY方向(図2におけるY方向、描画装置1の前後方向)に移動させるためのY方向移動ステージ47、Y方向移動モータ48等を備えて構成されている。
描画ヘッド41は、液状材料であるインクを描画対象面である爪Tの表面に噴射塗布して、この爪Tの表面に描画を施すインクジェット方式の描画用具である。なお、描画ヘッド41がインクを噴射塗布する構成、方式は特に限定されない。
本実施形態の描画ヘッド41は、インクタンクが一体化された一体型のカートリッジであり、内部には、個別に仕切られた複数のインク室(インク収容部、図示せず)が設けられ、各インク室内には、デザインを描画する液状材料として、例えばC,M,Y3色のインクがそれぞれ充填されている。
なお、インク(液状材料)の種類や数はここに例示したものに限定されない。
また、本実施形態では、描画ヘッド41の何れかのインク室に、爪領域の周囲にマスキング部Mを形成するための液状のマスキング剤が充填されている。
マスキング剤は、直接皮膚に塗布するものであるため、できるだけ人体に対する影響の少ないものが好ましく、また、爪Tへの描画に用いられるインクに対して耐性を有し、マスキングとして機能し得るものである。具体的には、例えば、PVA系マスキングゾル等をマスキング剤として用いることができる。
マスキング剤は、後述する爪情報検出部812による検出がしやすいように、描画用具である描画ヘッド41や筆記具71により描画されるデザインで使用される色とは異なる色を有していることが好ましい。
また、マスキング剤は、爪Tや指の皮膚の色等とも明らかに区別することのできる色であることが好ましく、例えば、HSV色空間(HSV model、すなわち、彩度(Saturation・Chroma)、明度(Value・Lightness・Brightness)の三つの成分からなる色空間。)等において、爪の色や肌色からできるだけ離れた位置に位置付けられている色(例えば、青色や緑色等)を有していることが好ましい。
さらに、マスキング剤は、液状で塗布された後、乾燥した状態で膜状となるものであることが好ましい。乾燥したときに膜状となるマスキング剤を用いることにより、マスキング部M全体が膜状になっているために、これを容易に剥離することが可能となり、描画工程がすべて完了した後にマスキング部Mを容易に除去することが可能となる。
描画ヘッド41の下側面(描画ヘッド41をキャリッジ42に装着した際に指載置部116aに対向する面)には、インク室に充填されている各色のインクを吐出させる吐出口が形成された吐出面(図示せず)が設けられている。
描画ヘッド41は、この吐出面の吐出口からインクを吐出させるためのインク吐出部411を備えている。インク吐出部411は、例えばアクチュエータとしてのピエゾ素子(図示せず)等で構成されている。
キャリッジ42には、描画ヘッド41を駆動させるヘッドドライブ回路基板(図示せず)が設けられており、キャリッジ42に描画ヘッド41を装着した際に描画ヘッド41側のコネクタ(図示せず)がヘッドドライブ回路基板と接続され、ヘッドドライブ回路基板を介してインク吐出部411が制御装置80と電気的に接続される。これにより、後述する描画制御部815(図3参照)の制御にしたがって、インク吐出部411を構成するピエゾ素子に駆動電圧が印加され、電圧の印加によってピエゾ素子が変形又は振動することで図示しないインク流路が圧縮されて吐出面の吐出口からインクが吐出されるようになっている。
筆記具ユニット72は、印刷指U1の爪Tに描画を施す描画用具である筆記具71を少なくとも一つ備えている。筆記具71は筆記具保持部73に保持されている。
本実施形態において、筆記具ユニット72は、それぞれ1本ずつ筆記具71を保持する筆記具保持部73(後述)を4つ備えている。なお、筆記具保持部73の数・形状等は図示例に限定されない。
筆記具71は、前述の筆記具交換用蓋部23を開けて適宜交換することが可能である。なお、筆記具71は、全ての筆記具保持部73に装着されていてもよいし、4つの筆記具保持部73のうちの一部のみに装着されていてもよい。
描画用具である筆記具71は、爪Tの表面に液状材料であるインクを塗布して描画を施すものである。
各筆記具保持部73に保持される筆記具(描画用具)71は、ペン軸部711の先端側にペン先712が設けられたものである。ペン軸部711の内部は、各種インクを収容するインク収容部となっている。ペン軸部711の内部に収容されるインクは、粘度や色材の粒径(粒子の大きさ)等は特に限定されず、例えば、金銀のラメ入りのインクや白色のインク、UV硬化型のインクやジェルネイル、アンダーコート用、トップコート用やマニキュア等も用いることができる。
筆記具71は、例えばペン先712を爪Tの表面に押し当てることでペン軸部711内に収容されているインクが染み出して描画する、ペン先712がボールペンタイプとなったペンである。なお、筆記具71は、ボールペンタイプのものに限定されず、例えばフェルト状のペン先にインクを染み込ませて描画するサインペンタイプや、束ねた毛にインクを染み込ませて描画する筆ペンタイプのもの等であってもよい。また、ペン先712の太さも各種のものを用意することができる。
各筆記具保持部73に保持される筆記具71は、同じタイプのペン先712を有するペンでもよいし、異なるタイプのペン先712を有する筆記具であってもよい。
なお、本実施形態では、筆記具71を保持する筆記具保持部73が装置の幅方向(左右方向、図1におけるX方向)に4つ並んでいるため、ペン先712の位置がX方向(装置の左右方向)にずれているが、このずれは描画動作における1ステップの整数倍になっており、描画に使われる筆記具71に応じて当該ずれている分のステップ数だけ補正して描画を行うため、4つの筆記具71は、同じ位置に描画を行うことができるようになっている。
各筆記具保持部73には、筆記具71をほぼ垂直に保持する筒状部である筆記具ホルダ731が設けられている。筆記具ホルダ731は、筆記具71をほぼ垂直に保持した状態でばね741とソレノイド742との協働によって筆記具71を上下移動させるようになっている。具体的には、ソレノイド742が駆動されている状態ではばね741の付勢力に抗して筆記具71が降下して、描画対象である爪Tの表面や被描画媒体と接触可能な描画状態となる。また、ソレノイド742が開放された状態では、ばね741の付勢力によって筆記具71が上昇し、爪Tの表面や被描画媒体と接触しない非描画状態となる。
なお、本実施形態では、筆記具71を上下させるためのアクチュエータとしてソレノイド742を用いているが、筆記具71を上下させるためのアクチュエータは、ソレノイド742に限定されない。筆記具71は軽量であるため、ソレノイドの他、各種小型の駆動装置により筆記具71を上下させるためのアクチュエータを構成することができる。
キャリッジ42を支持するキャリッジ支持部材44は、X方向移動ステージ45に取り付けられたX方向移動部451に固定されている。X方向移動部451は、X方向移動モータ46の駆動によりX方向移動ステージ45上を図示しないガイドに沿ってX方向に移動するようになっており、これにより、キャリッジ42がX方向(図1におけるX方向、描画装置1の左右方向)に移動するようになっている。
また、X方向移動ステージ45は、Y方向移動ステージ47のY方向移動部471に固定されている。Y方向移動部471は、Y方向移動モータ48の駆動によりY方向移動ステージ47上を図示しないガイドに沿ってY方向に移動するようになっており、これにより、キャリッジ42がY方向(図2におけるY方向、描画装置1の前後方向)に移動するようになっている。
なお、本実施形態において、X方向移動ステージ45及びY方向移動ステージ47は、X方向移動モータ46、Y方向移動モータ48と、図示しないボールネジ及びガイドとを組み合わせることで構成されている。本実施形態のX方向移動モータ46及びY方向移動モータ48としては、1パルス送られるごとに所定量ずつ移動するステップモータが適用される。
本実施形態では、X方向移動モータ46及びY方向移動モータ48等により、爪Tに描画を施す筆記具71を備えるキャリッジ42をX方向及びY方向に駆動するキャリッジ移動部49(図3参照)が構成されている。
描画部40における描画ヘッド41のインク吐出部411、筆記具71を上下移動させるためのソレノイド742、X方向移動モータ46、Y方向移動モータ48は、後述する制御装置80の描画制御部815(図3参照)に接続され、該描画制御部815によって制御されるようになっている。
図1及び図2に示すように、撮影部50は、上部機枠12に設けられている。
すなわち、上部機枠12には基板13が設置されており、この基板13の中央部下面には、撮像装置としてのカメラ51が例えば2つ設置されている。カメラ51は、例えば200万画素程度以上の画素を有するものであることが好ましい。
カメラ51は、指受入部31内に挿入されている印刷指U1の爪Tを撮影して、印刷指U1の爪Tの画像である爪画像を含む指画像を得るものである。
本実施形態では、2つのカメラ51は、指受入部31に挿入されている印刷指U1の爪Tの幅方向にほぼ並んで設けられている。2つのカメラ51のうち、一方のカメラ51は、指受入部31の底面に対向して設けられており、爪Tを真上から撮影するものである。また、他方のカメラ51は、指受入部31の底面に対して僅かに傾けて配置されており、爪Tを斜め上方向から撮影するものである。
また、基板13には、カメラ51を囲むように白色LED等の照明灯(照明装置)52が設置されている。照明灯52は、カメラ51による撮影の際に、印刷指U1の爪Tを照明するものである。撮影部50は、このカメラ51及び照明灯52を備えて構成されている。
この撮影部50は、後述する制御装置80の撮影制御部811(図3参照)に接続され、該撮影制御部811によって制御されるようになっている。
撮影部50によって撮影された画像の画像データは、後述する記憶部82の爪画像記憶領域821に記憶される。
本実施形態では、撮像装置としての2つのカメラ51によって少なくとも2つの異なった位置・角度から爪Tを撮影することができ、少なくとも2枚の爪画像が取得される。
そして、これらの爪画像に基づいて、後述する爪情報検出部812が、爪Tの輪郭(爪Tの形状)の他、爪Tの幅方向における、爪Tの表面の載置面に対する傾斜角度に対応する値(以下「爪曲率」ともいう。)や爪Tの垂直位置等の爪情報を検出できるようになっている。すなわち、例えば、爪Tの真上からの画像と、爪Tの斜め上方向からの画像と、を取り込むことにより、爪Tの輪郭だけでなく、位置、爪Tの表面の傾斜角度(爪曲率)を正確に検出することができる。
なお、撮像装置として2つのカメラ51を備え、爪Tの傾斜角度(爪曲率)を検出できるように構成することは必須の構成ではなく、カメラ51を一つだけ備え、爪Tを上方向のみから撮影して爪Tの輪郭(爪Tの形状)を爪情報として検出するようにしてもよい。
また、制御装置80は、例えば上部機枠12に配置された基板13等に設置されている。
図3は、本実施形態における制御構成を示す要部ブロック図である。
制御装置80は、図3に示すように、図示しないCPU(Central Processing Unit)により構成される制御部81と、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等(いずれも図示せず)で構成される記憶部82とを備えるコンピュータである。
記憶部82には、描画装置1を動作させるための各種プログラムや各種データ等が格納されている。
具体的には、記憶部82のROMには、指画像から爪Tの形状や位置、爪Tの爪領域等の爪情報を検出するための爪情報検出プログラム、描画データを生成するための描画データ生成プログラム、描画処理を行うための描画プログラム等の各種プログラムが格納されており、これらのプログラムが制御装置80によって実行されることによって、描画装置1の各部が統括制御されるようになっている。
また、本実施形態において記憶部82には、撮影部50によって取得されたユーザの印刷指U1の爪Tの画像(爪Tの画像を含む指画像)を記憶する爪画像記憶領域821、爪情報検出部812によって検出された爪情報が記憶される爪情報記憶領域822、爪Tに描画されるデザイン画像の画像データを記憶するデザイン記憶領域823等が設けられている。
さらに、本実施形態では、マスキング部Mを形成する範囲やマスキング部Mの形状等についての情報も記憶部82に記憶されている。
マスキング部Mを形成する範囲や形状は特に限定されないが、例えば描画ヘッド41から吐出されたインクがミスト状になって飛散した場合等にも皮膚にインクが付着しないようにするために、マスキング剤は爪Tの左右と爪Tの下側の付け根部分に隣接する部分に、爪領域外の指の皮膚部分から爪Tと指の皮膚との境界ぎりぎりのところまで塗布することが好ましい。このため、例えば、爪Tの爪領域として検出された領域と爪領域外との境界から、指の爪領域外の領域において、所定の範囲だけ外側までの部分をマスキング部Mとするようにマスキング部Mの形成範囲が設定される。これにより、図4(b)等に示すように、爪領域をコ字状に取り囲むようにマスキング部Mが形成される。
制御部81は、機能的に見た場合、撮影制御部811、爪情報検出部812、描画データ生成部813、表示制御部814及び描画制御部815等を備えている。これら撮影制御部811、爪情報検出部812、描画データ生成部813、表示制御部814及び描画制御部815等としての機能は、制御部81のCPUと記憶部82のROMに記憶されたプログラムとの共働によって実現される。
撮影制御部811は、撮影部50のカメラ51及び照明灯52を制御してカメラ51により、指受入部31に挿入された印刷指U1の爪Tの画像を撮影させるものである。
撮影制御部811は、撮影部50のカメラ51及び照明灯52を制御して、印刷指U1の爪Tについて撮影を行い、爪Tの画像を含む指画像を取得する。
また、本実施形態では、マスキング部Mが形成されている場合に、このマスキング部Mも爪領域の検出のために用いるように構成される。このため、撮影制御部811は、カメラ51によって、爪Tとともに爪Tの周囲に設けられたマスキング部Mをも含めて撮影するように制御する。
爪情報検出部(爪領域検出部)812は、カメラ51によって撮影された指画像(すなわち、爪T及びマスキング部Mの画像を含む印刷指U1の画像)に基づいて、印刷指U1の爪Tについての、爪領域を含む爪情報を検出するものである。
ここで、爪情報とは、爪Tの輪郭の形状や大きさ、爪Tの水平位置、爪Tの高さ(爪Tの垂直方向の位置、以下「爪Tの垂直位置」又は単に「爪Tの位置」ともいう。)、爪Tの傾斜角度(爪曲率)であり、爪情報検出部812は、これら爪Tの形状、爪Tの位置、爪Tの爪曲率を爪情報として検出する。ここで、爪Tの輪郭がなす領域の全体を爪領域(描画領域)とする。
具体的には、爪情報検出部812は、カメラ51により取得された印刷指U1の指画像から、爪Tの輪郭の形状や大きさ)、その位置を検出し、この輪郭をx,y座標等で表される情報として取得する。
本実施形態では、爪情報検出部812は、マスキング部Mの形成後であって、描画用具である描画ヘッド41や筆記具71による第1の描画の前に第1の爪領域検出を行い、描画用具による第1の描画後であって、描画用具による第2の描画の前に第2の爪領域検出を行う。
ここで「第1の描画」とは、爪Tに何も描画されていない状態で行われる描画を意味し、「第2の描画」とは、爪Tに何らかの描画(下地の塗布、デザイン画像の描画等を含む)が施された後に行われる描画を意味する。
マスキング部Mは、爪T及び印刷指U1にはまだ何も描画されていない状態で形成される。すなわち、マスキング部Mの形成前には、爪T及び印刷指U1にはまだ何も描画されておらず、このとき、爪情報検出部812は、例えば、カメラ51により取得された印刷指U1の爪Tの爪画像を含む指画像から爪Tとそれ以外の指部分との色の違い等に基づいて爪Tの輪郭(形状)を検出する。
また、マスキング部Mの形成後に行う第1の爪領域検出及び第2の爪領域検出の際には、爪情報検出部812は、例えば、カメラ51により取得された印刷指U1の爪Tの爪画像を含む指画像から爪Tとマスキング部Mとの色の違い等に基づいて爪Tの輪郭(形状)を検出する。前述のように、マスキング部Mを形成するマスキング剤は、爪Tに施されるデザインの色と異なる色を有しているため、爪情報検出部812は、爪Tに下地やデザイン画像等が描画された後でも爪領域を正確に検出することができる。第1の爪領域検出で取得された爪領域の第1の検出結果及び第2の爪領域検出で取得された爪領域の第2の検出結果は、爪情報記憶領域822に記憶される。
なお、第2の爪領域検出は、例えば、「第1の描画」として爪Tに対して下地が塗布され、下地を乾燥させるため等により一旦印刷指U1を指受入部31から抜いた後、再度指受入部31に印刷指U1を挿入した際や、デザイン画像の描画後、仕上げのトップコートを行うまでの間、一旦印刷指U1を指受入部31から抜いた後、再度指受入部31に印刷指U1を挿入した際等、各描画工程の間で印刷指U1を抜き差しした際に次の描画工程を行う前に行われる。
爪情報記憶領域822に第2の検出結果として記憶されている爪領域の情報は、新たに第2の爪領域検出が行われて、新たな第2の検出結果が取得される度に、新しい情報に更新される。
なお、第1の爪領域検出において爪情報検出部812が爪Tの輪郭(形状)を検出する手法は特に限定されず、ここに挙げたものに限られない。
第1の爪領域検出及び第2の爪領域検出において爪情報検出部812がマスキング部Mの輪郭をも検出し、このマスキング部Mの輪郭情報も記憶部82に記憶させてもよい。
また、爪情報検出部812は、カメラ51によって撮影された爪Tの画像に基づいて、爪Tについて爪高さを検出する。ここで、爪高さとは、爪Tの垂直方向の位置である。
さらに、爪情報検出部812は、カメラ51によって撮影された爪Tの画像に基づいて、爪Tについて爪曲率を検出する。爪曲率とは、爪Tの幅方向における、爪Tの表面の載置面に対する傾斜角度に対応する値である。
例えばカメラ51によって2つの異なる角度から爪Tを撮影させることにより、爪情報検出部812は、爪画像に現われる陰影の変化等から爪Tについての爪高さや爪曲率を推定することができる。
なお、爪情報検出部812が爪Tの爪高さや爪曲率を検出する手法は特に限定されず、ここに挙げたものに限られない。
描画データ生成部813は、爪情報検出部812により検出された爪情報に基づいて、描画部40により印刷指U1の爪Tに施される描画用のデータを生成する。
具体的には、描画データ生成部813は、爪情報検出部812により検出された爪Tの形状等の爪情報に基づいてデザイン画像の画像データを縮小又は拡大する等による合せ込み処理(フィッティング処理)を行い、爪Tに、デザイン画像を描画するための描画データを生成する。
また、本実施形態の画データ生成部813は、描画データを補正する描画データ補正部813aを含んでいる。
描画データ補正部813aは、描画用具である描画ヘッド41や筆記具71により描画されるデザインの描画データの補正を行うものである。
描画データ補正部813aは、爪情報検出部812による第1の爪領域検出で取得された爪領域の第1の検出結果と、第2の爪領域検出で取得された爪領域の第2の検出結果と、から爪領域の位置移動量を算出して、描画データの補正を行う。例えば、第2の検出結果である爪領域の位置が第1の検出結果である爪領域の位置よりもX方向右側(図1における右方向、すなわち描画装置1の右方向)に1mm移動している場合には、描画データ補正部813aは、描画データについて描画位置を右に1mmずらすように補正する。
本実施形態では、具体的には描画データ補正部813aは、第1の検出結果である初期状態(すなわち、爪Tに何も描画されていない状態)の爪領域と第2の検出結果である爪領域とをマッチングすることにより、爪領域の位置移動量を算出する。
なお、第2の検出結果である爪領域を第1の検出結果である初期状態の爪領域ではなく、例えば直近の第2の検出結果である描画状態の爪領域とマッチングして、直近の描画工程における爪領域の位置からの移動量を算出してもよい。
例えば、複数の色を用いて1つの絵柄を描画する場合に、1つの色で描画するごとに乾燥させ、乾燥後に次の色を塗り重ねて、徐々に絵柄を完成させていくような場合、直前の描画工程との位置ずれを補正することで、位置ずれなく美しい絵柄を描くことができる。
なお、各描画工程(すなわち、例えば下地塗布工程、背景色描画工程、絵柄描画工程、トップコート塗布工程等)の前にマスキング部M自体についても位置や範囲の検出を行い、この検出結果を記憶部82に記憶させ、マスキング部M同士をマッチングして位置ずれを検出することで、爪領域の位置移動量を算出してもよい。
描画工程を経るうちに爪Tに様々な色のインクが塗布されている場合には、第2の爪領域検出において爪領域について正確な検出結果が得られず、爪領域同士のマッチングが困難である場合もある。
この場合でも、マスキング部Mの形状(特に爪Tへの描画によって影響を受けにくいマスキング部Mの外縁部の形状)は変化しないため、マスキング部M同士をマッチングすることで、より精密な位置移動量の算出を行うことができる。
そして、描画データ補正部813aは、算出された位置移動量に基づいて描画データの補正を行う。これにより、描画工程ごとに爪Tの位置がずれたとしても位置ずれのない描画を行うことができる。
また、描画データ補正部813aは、爪情報検出部812により検出された爪Tの爪曲率に基づく爪Tの湾曲形状に応じて爪Tに描画を施すための描画データについて曲面補正を施す。
なお、爪情報検出部812が爪曲率を各爪Tごとに精密に検出し、描画データ補正部813aがこれに応じて精緻に曲面補正の補正値を求めてもよいが、例えば、爪Tの爪曲率に基づく湾曲形状を、あらかじめ設定されている複数段階の湾曲パターンの何れかに分類し、描画データ補正部813aにおいて各分類ごとに補正値があらかじめ用意されていて、分類された湾曲パターンに対して用意されている補正値を適用することにより、描画データの曲面補正を行ってもよい。この場合には、記憶部82に、各湾曲パターンに応じた所定の補正値を記憶させておく。爪Tを複数の湾曲パターンの何れかに分類し、各湾曲パターンごとに用意された補正値で曲面補正することにより、曲面補正を簡易かつ迅速に行うことができる。
表示制御部814は、表示部26を制御して表示部26に各種の表示画面を表示させるものである。本実施形態では、表示制御部814は、例えばデザイン画像の選択画面やデザイン確認用のサムネイル画像、印刷指U1を撮影した指画像や指画像に含まれる爪画像(爪Tの画像)、各種の指示画面等を表示部26に表示させるようになっている。
描画制御部815は、描画データ生成部813によって適宜爪Tの位置移動量に応じた補正及び曲面補正が施された上で生成されたデザイン画像の描画データを描画部40に出力し、爪Tに対してこの描画データにしたがった描画を施すように、描画部40のキャリッジ移動部49であるX方向移動モータ46、Y方向移動モータ48、描画ヘッド41のインク吐出部411、筆記具71を上下させるソレノイド742の動作を制御する。
また、本実施形態では、描画制御部815は、爪Tにデザイン画像を描画する前に、描画用具(本実施形態では描画ヘッド41)により爪領域に隣接する爪領域外の所定領域にマスキング剤を塗布させて、爪領域の周囲にマスキング部Mを形成させる。
なお、マスキング部Mを形成させる範囲は、記憶部82に記憶されている情報に基づいて設定される。
なお、複数の指(例えば両手の親指から小指の全10本の指)に描画を施す場合には、10本すべての指について順次マスキング部Mを形成する。
次に、図4及び図5を参照しつつ、本実施形態における描画装置1の動作及び描画装置1の描画方法について説明する。
図4(a)から図4(d)は、爪領域の検出から爪Tへのデザイン画像の描画までを模式的に示した印刷指の平面図であり、図5は、本実施形態の描画方法の流れを示すフローチャートである。
描画装置1により描画を行う場合には、ユーザは、電源スイッチを入れて制御装置80を起動させた後、印刷指U1を指受入部31に挿入し、非印刷指U2を指退避部32に挿入して、印刷指U1を固定した上で、印刷スイッチを操作する。
印刷スイッチから指示が入力されると、印刷動作を開始する前に、図5に示すように、まず撮影制御部811が撮影部50を制御して、照明灯52により印刷指U1を照明しながらカメラ51により印刷指U1を撮影させ、指受入部31に挿入された印刷指U1の指画像を取得する(ステップS1)。
次に、爪情報検出部812は、撮影部50によって取得された指画像に基づいて爪Tの輪郭(爪領域)を検出する(すなわち、図4(a)において斜線で示す爪T部分を爪領域として検出する。ステップS2)。
また、表示制御部814は、表示部26にデザイン選択画面を表示させる。ユーザは操作部25を操作して、デザイン選択画面に表示された複数のデザイン画像の中から所望のデザイン画像を選択し、これにより、操作部25から選択指示信号が出力されて爪Tに印刷すべきデザイン画像が選択される(ステップS3)。
爪情報検出部812により爪Tの爪領域が検出されると、描画制御部815は、記憶部82からマスキング部Mを形成する範囲に関する情報を取得し、この情報と爪領域の情報に基づいて描画部40を動作させ、爪領域外の所定範囲にマスキング剤を塗布させてマスキング部Mを形成させる(ステップS4、図4(b)参照)。
具体的には、描画制御部815は、キャリッジ移動部49を動作させ、描画ヘッド41をXY方向に適宜移動させるとともに、インク吐出部411を動作させてマスキング剤を描画ヘッド41から吐出させ、爪領域外の所定範囲にマスキング部Mを形成させる。
なお、両手の10指等、複数の指にデザイン画像を描画する場合には、描画対象となるすべての指を順次装置内に挿入し、ステップS1、ステップS2及びステップS4の工程を繰り返し行うことで、描画対象となるすべての指にマスキング部Mを形成する。
マスキング部Mの形成後であって第1の描画前に、撮影制御部811は再度撮影部50を制御して指受入部31に挿入された印刷指U1の指画像を取得する(ステップS5)。
次に、爪情報検出部812は、この指画像について第1の爪領域検出を行い第1の検出結果を得る。具体的には、爪情報検出部812は、ステップS5で取得された指画像に基づいて爪Tの輪郭(爪領域)を検出する(すなわち、第1の爪領域検出による第1の検出結果の取得、ステップS6)。具体的には、指画像中の色を解析し、爪Tとマスキング部Mとの色の違いから爪領域を検出する。このとき、更に、マスキング部M自体の輪郭(マスキング領域)を検出してもよい。なお、このとき、爪情報検出部812は、爪Tの高さ方向の位置や爪曲率等の爪領域以外の爪情報も併せて取得する。
取得された爪領域等の爪情報は、記憶部82の爪情報記憶領域822に記憶される。
描画データ生成部813は、爪情報検出部812によって取得された爪情報に基づいて、デザイン画像が爪領域にフィッティングされるようにデザイン画像の画像データを処理し、描画データを生成する(ステップS7)。
このとき、描画データ補正部813aは、爪情報に含まれる爪曲率にしたがって描画データに曲面補正を施す。
曲面補正された描画データが生成されると、描画制御部815は、当該描画データを描画部40に出力し、描画部40により爪Tに対してこの当該描画データにしたがった描画処理が行われる(ステップS8、図4(c)参照)。
具体的には、描画制御部815は、描画データに基づいてキャリッジ移動部49を動作させ、描画ヘッドをXY方向に適宜移動させるとともに、インク吐出部411を動作させて各色のインクを描画ヘッド41から吐出させ、爪Tに描画を行わせる。
なお、筆記具71を用いて描画を行う場合には、描画制御部815は、ソレノイド742を駆動させて筆記具71を描画可能状態とするとともに、描画データに基づいてキャリッジ移動部49を動作させ、筆記具71をXY方向に適宜移動させて爪Tに描画を行わせる。このとき、筆記具71は自重により爪Tの表面に押し当てられ、爪Tの表面形状に追従して上下動しながら描画を行う。
また、例えば、背景を筆記具71によって描画し、細かい絵柄部分を描画ヘッド41によって描画する場合のように、1つのデザイン画像の中に描画ヘッド41によって描画する部分と筆記具71によって描画する部分とがある場合には、描画制御部815は、適宜描画ヘッド41のインク吐出部411及び筆記具71のソレノイド742を動作させて、描画ヘッド41と筆記具71の両方を用いて描画を行わせる。
ここで、図6を参照しつつ、マスキング部Mの形成(すなわち、図5におけるステップS6)後における描画処理(すなわち、図5におけるステップS8)の具体的な流れを説明する。
例えば、図4(c)及び図4(d)のように、下地部分Dbと、絵柄部分Dd1〜Dd3とがあるデザイン画像を描画する場合、まず、マスキング部Mの形成後、印刷指U1についての爪情報の検出(すなわち、図5におけるステップS6)及びこれに基づく描画データの生成(すなわち、図5におけるステップS7)が行われると、描画制御部815は、生成された描画データを描画部40に出力して、第1の描画である下地部分Dbの描画を行わせる(ステップS11)。
次に、第2の描画である絵柄部分Dd1を描画する際は、絵柄部分Dd1の描画を行う前に、爪T及びマスキング部Mを含む印刷指U1を撮影し、指画像を取得する(ステップS12)。
爪情報検出部812は、当該指画像から爪領域を検出する(すなわち、第2の爪領域検出による第2の検出結果の取得、ステップS13)。具体的には、指画像中の色を解析し、爪Tとマスキング部Mとの色の違いから爪領域を検出する。
爪領域が検出されると、描画データ補正部813aが当該爪領域と、ステップS7の第1の爪領域検出により得られた第1の検出結果である爪領域とをマッチングすることにより、爪領域の位置移動量を算出して、描画データを補正する(ステップS14)。
なお、描画データ補正部813aが爪領域の位置移動量を算出する際には、爪領域同士のマッチングと併せて、又は爪領域同士のマッチングに代えて、マスキング部M同士をマッチングしてもよい。
そして、描画制御部815は、補正後の描画データを描画部40に出力して、第2の描画である絵柄部分Dd1の描画を行わせる(ステップS15)。
制御部81は当該爪Tについて描画すべきデザイン画像の描画工程がすべて完了したか否か(すなわち、図4(c)及び図4(d)の例では、デザイン画像を構成する下地部分Db及び絵柄部分Dd1〜Dd3の描画が完了したか否か)を判断し(ステップS16)、デザイン画像の描画工程がすべて完了している場合(ステップS16;YES)には処理を終了する。他方、描画が完了していないと判断する場合(ステップS16;NO)には、ステップS12に戻って以降の処理を繰り返す。
なお、描画を施す指が複数ある場合には、各指について、第1の描画処理としての下地部分Dbの描画、第2の描画処理としての絵柄部分Dd1〜Dd3の描画を順次行い、1つの指について全ての描画工程が完了したら次の指について同じ処理を繰り返すようにしてもよい。
この場合には、例えば、親指と薬指に描画を行う場合、まず親指について下地部分Dbの描画、絵柄部分Dd1〜Dd3の描画を行い、次に指を入れ替えて薬指について下地部分Dbの描画、絵柄部分Dd1〜Dd3の描画を行う。
また、すべての指について、まず、順次指を入れ替えながら各指について第1の描画処理としての下地部分Dbの描画を行い、次に、同様に順次指を入れ替えながら各指について第2の描画処理としての絵柄部分Dd1〜Dd3の描画を行うようにしてもよい。
この場合には、例えば、親指と薬指に描画を行う場合、まず親指について下地部分Dbの描画を行い、次に指を入れ替えて薬指について下地部分Dbの描画を行い、次いで親指について絵柄部分Dd1〜Dd3の描画を行い、さらに指を入れ替えて薬指について絵柄部分Dd1〜Dd3の描画を行う。このような手順で描画した場合には、1つの指について下地部分Db、絵柄部分Dd1〜Dd3の描画後にそれぞれ乾燥のための時間を空ける必要がある場合でも、その時間に他の指の描画を行うことができ、時間を有効利用してより迅速に描画処理を行うことができる。
爪Tについてデザイン画像の描画が完了すると、描画制御部815は、描画ヘッド41がヘッドキャップ機構43の上に位置し、筆記具71が筆記具キャップ62の上に位置するところまでキャリッジ42を移動させ、描画ヘッド41の吐出面をヘッドキャップ機構43によって覆うとともに、筆記具71に筆記具キャップ62を取り付けて乾燥を防止する。
そして、ユーザは、印刷指U1を装置から抜き取り、膜状となっているマスキング部Mを剥がして除去する(図4(d)参照)。
以上のように、本実施形態によれば、爪Tに描画を開始する前に爪領域の周りにマスキング部Mを設けて、マスキング部の形成後であって第1の描画前に第1の爪領域検出を行うとともに、第1の描画後であって第2の描画前に第2の爪領域検出を行い、第1の爪領域検出による検出結果と第2の爪領域検出による検出結果とから爪領域の位置移動量を算出して、描画データの補正を行う。
このため、マスキング部Mに囲まれた領域を検出することで正確に爪領域を検出することができる。これにより、描画を行う過程で印刷指U1が装置から抜き差しされたり、時間の経過とともに指が動くことで爪Tの位置が当初描画を開始した位置から爪幅方向(すなわち、図4(a)から図4(d)における横方向)や指の延在方向(すなわち、図4(a)から図4(d)における縦方向)、にずれたり、斜め(すなわち、図4(a)から図4(d)における斜め方向)に傾いてしまった場合でも、爪領域の位置ずれを高精度に補正して、美しい仕上がりのネイルプリントを行うことができる。
また、本実施形態のマスキング剤は、描画用具により描画されるデザインで使用される色とは異なる色を有しているため、爪Tにどのような色が塗布され、どのような絵柄が描かれたとしても、爪領域を確実に検出することができる。
また、マスキング剤は、爪Tや肌の色とも区別できる色を有しているため、マスキング剤が塗布されたマスキング部Mの領域自体をマッチング処理に用いることもでき、爪領域の位置移動量をより正確・確実に検出することができる。
また、爪領域の周囲に、爪領域の境界ぎりぎりまでマスキング部Mを設けているため、万が一インクが飛散したり、爪領域外にはみ出して描画されたりした場合でも、指にインクが付着することなく、描画処理完了後にマスキング部Mを剥離することで、爪領域外に付着した汚れを除去することができる。
また、マスキング剤は、塗布後乾燥により膜状となるため、ユーザが剥離しやすく、爪Tについての全ての描画工程が完了した後に、容易にマスキング部Mを除去することができる。
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態では、図4(b)及び図4(c)に示すように、爪Tの生え際側のマスキング部Mの外形形状が直線状となっているが、マスキング部Mの外形形状はこれに限定されない。
例えば、図7(a)に示すように、爪Tの生え際側のマスキング部Mに先端が鋭角となった突起状の特徴部Maを設けたり、図7(b)に示すように、爪Tの生え際側のマスキング部Mに矩形状の特徴部Mbを設けたりしてもよい。
このような特徴部Ma,Mbは、描画データ補正部813aがマスキング部M同士をマッチングして爪領域の位置移動量を算出する場合の指標とすることができて、当該特徴部Ma,Mbのずれ量を検出することで、簡易かつ正確に爪領域の位置移動量を算出することができる。
また、このような特徴部Ma,Mbを設けた場合には、マスキング部Mを剥離する際にも特徴部Ma,Mbにユーザが爪等を引っ掛けることで、マスキング部Mを容易に剥がすことができる。
また、このような特徴部Ma,Mbを印刷指U1の幅方向の端部に近い部分に設けた場合には、印刷指U1が指の延在方向の軸を回転中心として大きく回転したときに、特徴部Ma,Mbが指画像に写らなくなる。このため、指画像を解析するだけで印刷指U1の回転を容易に検出することが可能となる。
また、本実施形態では、爪領域の位置ずれが検出された場合に、描画データ補正部813aが描画データを補正する場合を例示したが、爪領域の位置ずれが検出された場合の対応はこれに限定されない。
例えば、位置ずれが所定値以上であって補正で対応できる範囲を超えるような場合には、表示部26等にその旨を表示させてユーザに報知するようにしてもよい。
補正で対応できる範囲を超えるか否かの判断は、閾値を設けて行ってもよい。また、例えば、図7(a)及び図7(b)のようにマスキング部Mにおける指の幅方向の端部近傍に特徴点Ma,Mbを設けた場合には、いずれかの特徴部Ma,Mbが指画像に写らなくなった場合に、補正で対応可能な範囲を超える位置ずれがあったと判断して、描画動作を中止して印刷指U1をセットし直すように報知や警告を行うようにしてもよい。
また、本実施形態では、描画処理の完了後、ユーザがマスキング部Mを剥離して除去する場合を例示したが、例えば描画装置1内にマスキング部Mを引っ掛けて自動的に剥離する除去機構を設けてもよい。
このような機構を設けた場合には、ユーザがマスキング部Mを剥離する手間を省くことができる。
また、本実施形態では描画装置1が、描画用具として、インクジェット方式の描画ヘッド41と筆記具71とを備えるハイブリット式のネイルプリント装置である場合を例示して説明したが、描画装置はこれに限定されず、筆記具71のみを備えるプロッタ方式のネイルプリント装置やインクジェット方式の描画ヘッドのみを備えるネイルプリント装置(図8参照)であっても本発明の構成を用いることも可能である。
描画装置が筆記具71のみを備えるプロッタ方式のネイルプリント装置である場合には、マスキング剤の塗布も筆記具71によって行う。
また、図8(a)及び図8(b)に示すように、描画装置1内にインクを乾燥させるヒータ等を備える乾燥機構9を設けてもよい。
乾燥機構9を設けた場合には、描画工程ごとにインクを乾燥させるために印刷指U1を抜き差しする必要はないが、全ての描画が終了するまでに指が動くおそれがある。
このため、本実施形態の手法によりマスキング部Mの形成後であって第1の描画(例えば図4(b)における下地部分Dbの描画)前に第1の爪領域検出を行うとともに、第1の描画(例えば図4(b)における下地部分Dbの描画)後であって第2の描画(例えば図4(b)における絵柄部分Dd1〜Dd3の描画)前に第2の爪領域検出を行い、描画データ補正部813aが、第1の爪領域検出で得られた第1の検出結果である爪領域と第2の爪領域検出で得られた第2の検出結果である爪領域とから爪領域の位置移動量を算出して、描画データの補正を行った上で第2の描画(例えば図4(b)における絵柄部分Dd1〜Dd3の描画)を行うことが好ましい。
また、本実施形態では描画装置1において、描画ヘッド又は筆記具71によりマスキング剤を塗布してマスキング部Mを自動的に形成する構成としたが、これに限るものではなく、例えば筆等を用いて、ユーザが印刷指U1の爪Tに隣接する領域にマスキング剤を塗ってマスキング部Mを手動により形成する態様であってもよい。この場合には、描画ヘッド又は筆記具71にマスキング剤を塗布可能なものを用意する必要がない。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲をその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
指の爪に描画を施す描画装置において、
前記指の前記爪に隣接した領域にマスキング剤が塗布されて形成されているマスキング部を撮影して取得した画像に基づいて、前記指における前記爪の領域を爪領域として検出する爪領域検出部を備えることを特徴とする描画装置。
<請求項2>
前記マスキング剤を塗布するマスキング用の描画用具を有する描画部と、
前記マスキング用の描画用具を用いて前記マスキング部を形成する描画制御部と、
を備え、
前記爪領域検出部は、前記指に前記マスキング部が形成されていないとき、前記爪を撮影して取得した画像に基づいて、前記爪領域を検出し、
前記描画制御部は、前記指における、前記爪領域検出部により検出された前記爪領域に隣接する領域に、前記マスキング用の描画用具により前記マスキング剤を塗布させるように制御することを特徴とする請求項1に記載の描画装置。
<請求項3>
前記描画部は、更に、選択されたデザインを前記爪に描画するための、少なくとも1つのデザイン用の描画用具を有し、
前記デザイン用の描画用具により描画される前記デザインの描画データの補正を行う描画データ補正部を備え、
前記爪領域検出部は、前記デザイン用の描画用具による第1の描画前に前記爪領域の第1の検出結果を取得し、前記第1の描画後であって、前記デザイン用の描画用具による第2の描画前に前記爪領域の第2の検出結果を取得し、
前記描画データ補正部は、前記デザイン用の描画用具による前記第2の描画を行う際に、前記爪領域の前記第1の検出結果と前記第2の検出結果との比較に基づいて前記爪領域の位置の移動量を算出し、前記移動量に対応して前記描画データの補正を行うことを特徴とする請求項2に記載の描画装置。
<請求項4>
前記描画データ補正部は、前記第1の検出結果と前記第2の検出結果とをマッチングすることにより前記爪領域の位置移動量を算出するものであり、
前記マスキング部には、前記描画データ補正部によるマッチングの際の指標となる特徴部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の描画装置。
<請求項5>
前記マスキング剤は、前記デザインで使用される色とは異なる色を有していることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の描画装置。
<請求項6>
前記マスキング剤は、塗布後乾燥により膜状となる材料であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の描画装置。
<請求項7>
描画装置の描画方法であって、
前記指の前記爪に隣接した領域にマスキング剤が塗布されて形成されているマスキング部を撮影して取得した画像に基づいて、前記指における前記爪の領域を爪領域として検出する動作を含むことを特徴とする描画方法。
<請求項8>
前記描画装置は、前記マスキング剤を塗布するマスキング用の描画用具を有する描画部を有し、
前記指に前記マスキング部が形成されていないとき、前記爪を撮影して取得した画像に基づいて、前記爪領域を検出し、
前記指における、検出された前記爪領域に隣接する領域に、前記マスキング用の描画用具により前記マスキング剤を塗布させる動作を含むことを特徴とする請求項7に記載の描画方法。
<請求項9>
前記描画部は、更に、選択されたデザインを前記爪に描画するための、少なくとも1つのデザイン用の描画用具を有し、
前記デザイン用の描画用具による第1の描画前における前記爪領域の検出において、前記爪領域として第1の検出結果を取得し、
前記第1の描画後であって、前記デザイン用の描画用具による第2の描画前における前記爪領域の検出においては、前記爪領域として第2の検出結果を取得し、
前記デザイン用の描画用具による前記第2の描画を行う際に、前記爪領域の前記第1の検出結果と前記第2の検出結果との比較に基づいて前記爪領域の位置の移動量を算出し、前記移動量に対応して前記デザイン用の描画用具により描画されるデザインの描画データの補正を行うことを特徴とする請求項8に記載の描画方法。
1 描画装置
10 装置本体
40 描画部
41 描画ヘッド
49 キャリッジ移動部
50 撮影部
51 カメラ
71 筆記具
80 制御装置
81 制御部
82 記憶部
811 撮影制御部
812 爪情報検出部
813 描画データ生成部
813a 描画データ補正部
814 表示制御部
815 描画制御部
T 爪

Claims (9)

  1. 指の爪に描画を施す描画装置において、
    前記指の前記爪に隣接した領域にマスキング剤が塗布されて形成されているマスキング部を撮影して取得した画像に基づいて、前記指における前記爪の領域を爪領域として検出する爪領域検出部を備えることを特徴とする描画装置。
  2. 前記マスキング剤を塗布するマスキング用の描画用具を有する描画部と、
    前記マスキング用の描画用具を用いて前記マスキング部を形成する描画制御部と、
    を備え、
    前記爪領域検出部は、前記指に前記マスキング部が形成されていないとき、前記爪を撮影して取得した画像に基づいて、前記爪領域を検出し、
    前記描画制御部は、前記指における、前記爪領域検出部により検出された前記爪領域に隣接する領域に、前記マスキング用の描画用具により前記マスキング剤を塗布させるように制御することを特徴とする請求項1に記載の描画装置。
  3. 前記描画部は、更に、選択されたデザインを前記爪に描画するための、少なくとも1つのデザイン用の描画用具を有し、
    前記デザイン用の描画用具により描画される前記デザインの描画データの補正を行う描画データ補正部を備え、
    前記爪領域検出部は、前記デザイン用の描画用具による第1の描画前に前記爪領域の第1の検出結果を取得し、前記第1の描画後であって、前記デザイン用の描画用具による第2の描画前に前記爪領域の第2の検出結果を取得し、
    前記描画データ補正部は、前記デザイン用の描画用具による前記第2の描画を行う際に、前記爪領域の前記第1の検出結果と前記第2の検出結果との比較に基づいて前記爪領域の位置の移動量を算出し、前記移動量に対応して前記描画データの補正を行うことを特徴とする請求項2に記載の描画装置。
  4. 前記描画データ補正部は、前記第1の検出結果と前記第2の検出結果とをマッチングすることにより前記爪領域の位置移動量を算出するものであり、
    前記マスキング部には、前記描画データ補正部によるマッチングの際の指標となる特徴部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の描画装置。
  5. 前記マスキング剤は、前記デザインで使用される色とは異なる色を有していることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の描画装置。
  6. 前記マスキング剤は、塗布後乾燥により膜状となる材料であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の描画装置。
  7. 描画装置の描画方法であって、
    前記指の前記爪に隣接した領域にマスキング剤が塗布されて形成されているマスキング部を撮影して取得した画像に基づいて、前記指における前記爪の領域を爪領域として検出する動作を含むことを特徴とする描画方法。
  8. 前記描画装置は、前記マスキング剤を塗布するマスキング用の描画用具を有する描画部を有し、
    前記指に前記マスキング部が形成されていないとき、前記爪を撮影して取得した画像に基づいて、前記爪領域を検出し、
    前記指における、検出された前記爪領域に隣接する領域に、前記マスキング用の描画用具により前記マスキング剤を塗布させる動作を含むことを特徴とする請求項7に記載の描画方法。
  9. 前記描画部は、更に、選択されたデザインを前記爪に描画するための、少なくとも1つのデザイン用の描画用具を有し、
    前記デザイン用の描画用具による第1の描画前における前記爪領域の検出において、前記爪領域として第1の検出結果を取得し、
    前記第1の描画後であって、前記デザイン用の描画用具による第2の描画前における前記爪領域の検出においては、前記爪領域として第2の検出結果を取得し、
    前記デザイン用の描画用具による前記第2の描画を行う際に、前記爪領域の前記第1の検出結果と前記第2の検出結果との比較に基づいて前記爪領域の位置の移動量を算出し、前記移動量に対応して前記デザイン用の描画用具により描画されるデザインの描画データの補正を行うことを特徴とする請求項8に記載の描画方法。
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