JP2016164659A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置、ならびに、ヒドロキシガリウムフタロシアニンとクロロガリウムフタロシアニンとの混合結晶、およびその混合結晶の製造方法 - Google Patents
電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置、ならびに、ヒドロキシガリウムフタロシアニンとクロロガリウムフタロシアニンとの混合結晶、およびその混合結晶の製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】 常温常湿環境下、および、厳しい条件である低温低湿環境下において、ゴースト現象による画像欠陥が抑制された電子写真感光体を提供する。【解決手段】 支持体と、感光層とをこの順に有する電子写真感光体において、感光層が、ヒドロキシガリウムフタロシアニンとクロロガリウムフタロシアニンとの混合結晶を含有し、該混合結晶が、下記式(1)で示されるアミド化合物を結晶内に含有することを特徴とする電子写真感光体。R1−NHCHO (1)(上記式(1)中、R1は、メチル基、プロピル基、またはビニル基を示す。)【選択図】 なし
Description
本発明は、電子写真感光体、電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置、ならびに、ヒドロキシガリウムフタロシアニンとクロロガリウムフタロシアニンとの混合結晶およびその混合結晶の製造方法に関する。
現在、電子写真分野における像露光手段としてよく用いられている半導体レーザーの発振波長は、650〜820nmと長波長であり、これらの長波長の光に高い感度を有する電子写真感光体の開発が進められている。
フタロシアニン顔料は、こうした長波長領域までの光に高い感度を有する電荷発生物質として有効である。特にオキシチタニウムフタロシアニンやガリウムフタロシアニンは、優れた感度特性を有しており、これまでに様々な結晶形が報告されている。
ところが、フタロシアニン顔料を用いた電子写真感光体は、優れた感度特性を有しているものの、生成したフォトキャリアが感光層に残存しやすく、一種のメモリーとして、ゴースト現象などの電位変動を起こしやすいという課題があった。
特許文献1には、フタロシアニン顔料のアシッドペースティング工程時に特定の有機電子アクセプターを添加することにより、増感効果が得られることが報告されている。しかしながら、この製造方法では添加物(有機電子アクセプター)が化学変化することの懸念、および、所望の結晶形への変換が困難である場合があるという課題がある。
そこで、特許文献2では、顔料と特定の有機電子アクセプターとを湿式粉砕処理することにより、結晶変換と同時に結晶の表面に有機電子アクセプターを取り込み、電子写真特性を改善することが報告されている。
また、特許文献3には、極性有機溶剤を含有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶が開示されている。N,N−ジメチルアミノホルムアミドなどを変換溶剤に使用することにより極性有機溶剤が結晶内に取り込まれ、優れた感度特性を有する結晶が得られている。
近年のさらなる高画質化に対しては、様々な環境下においてゴースト現象による画質劣化の改善が望まれている。その中でも特に、低温低湿環境下では、よりゴースト現象が発生しやすくなるため、更なる改善が求められている。
しかしながら、特許文献2、3に記載された技術は、ゴースト現象による画質劣化の改善が十分とはいえない場合があることが分かった。特許文献2に記載されたフタロシアニン結晶は、結晶内部に有機電子アクセプターを含有してはおらず、混合状態または表面に付着した程度である。そのため、有機電子アクセプターによる残存するフォトキャリアを減少させる効果が十分に得られず、ゴースト現象が生じることがあった。また、特許文献3に記載されたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶では、残存するフォトキャリアが増加して、ゴースト現象の生じやすくなることがわかった。
本発明の目的は、常温常湿環境下、および、厳しい条件である低温低湿環境下において、ゴースト現象による画像欠陥が抑制された電子写真感光体、ならびに、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することにある。
更に、本発明の他の目的は、電荷発生物質として優れた特性を有するヒドロキシガリウムフタロシアニンとクロロガリウムフタロシアニンとの混合結晶、および該混合結晶の製造方法を提供することにある。
本発明は、支持体および該支持体上に形成された感光層を有する電子写真感光体において、
該感光層が、ヒドロキシガリウムフタロシアニンとクロロガリウムフタロシアニンとの混合結晶を含有し、
該混合結晶が、下記式(1)で示されるアミド化合物を結晶内に含有することを特徴とする電子写真感光体である。
R1−NHCHO (1)
(上記式(1)中、R1は、メチル基、プロピル基、またはビニル基を示す。)
該感光層が、ヒドロキシガリウムフタロシアニンとクロロガリウムフタロシアニンとの混合結晶を含有し、
該混合結晶が、下記式(1)で示されるアミド化合物を結晶内に含有することを特徴とする電子写真感光体である。
R1−NHCHO (1)
(上記式(1)中、R1は、メチル基、プロピル基、またはビニル基を示す。)
また、本発明は、上記電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジである。
また、本発明は、上記電子写真感光体、ならびに、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有する電子写真装置である。
また、本発明は、前記式(1)で示されるアミド化合物を結晶内に含有することを特徴とするヒドロキシガリウムフタロシアニンとクロロガリウムフタロシアニンとの混合結晶である。
また、本発明は、前記混合結晶の製造方法において、アシッドペースティング法により得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、および前記式(1)で示されるアミド化合物を、ミリング処理する工程を有することを特徴とするヒドロキシガリウムフタロシアニンとクロロガリウムフタロシアニンとの混合結晶の製造方法である。
本発明によれば、常温常湿環境下、および、厳しい条件である低温低湿環境下において、ゴースト現象による画像欠陥が抑制された電子写真感光体、ならびに、電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することができる。
さらに、本発明によれば、電荷発生物質として優れた特性を有するヒドロキシガリウムフタロシアニンとクロロガリウムフタロシアニンとの混合結晶、および該混合結晶の製造方法を提供することができる。
<電子写真感光体>
本発明の電子写真感光体は、支持体および該支持体上に形成された感光層を有し、感光層に本発明は、支持体および該支持体上に形成された感光層を有する。
本発明の電子写真感光体は、支持体および該支持体上に形成された感光層を有し、感光層に本発明は、支持体および該支持体上に形成された感光層を有する。
そして、該感光層が、ヒドロキシガリウムフタロシアニンとクロロガリウムフタロシアニンとの混合結晶を含有し、該混合結晶が、下記式(1)で示されるアミド化合物を結晶内に含有することを特徴とする。
R1−NHCHO (1)
(上記式(1)中、R1は、メチル基、プロピル基、またはビニル基を示す。)
R1−NHCHO (1)
(上記式(1)中、R1は、メチル基、プロピル基、またはビニル基を示す。)
なお、本発明において、ヒドロキシガリウムフタロシアニンとクロロガリウムフタロシアニンとの混合結晶を、ガリウムフタロシアニン混合結晶とも称する。
〔ヒドロキシガリウムフタロシアニンとクロロガリウムフタロシアニンとの混合結晶〕前記ガリウムフタロシアニン混合結晶を構成するヒドロキシガリウムフタロシアニンは、フタロシアニン環に中心金属としてガリウム原子を有し、該ガリウム原子に軸配位子としてヒドロキシ基を有するものである。また、前記ガリウムフタロシアニン混合結晶を構成するクロロガリウムフタロシアニンは、フタロシアニン環に中心金属としてガリウム原子を有し、該ガリウム原子に軸配位子として塩素原子を有するものである。また、それぞれのフタロシアニン環にハロゲン原子などの置換基を有していてもよい。
該ガリウムフタロシアニン混合結晶は、CuKα線のX線回折におけるブラッグ角2θにおいて7.4°±0.3°および28.3°±0.3°にピークを有することが電子写真特性において高感度である点で好ましい。
また、前記ガリウムフタロシアニン混合結晶中に、下記式(2)で示される化合物をさらに含有することが好ましい。
(上記式(2)中、nは4〜8の整数を示す。n個のR2は、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を示す。n個のR3は、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を示す。n個のR4は、それぞれ独立に、水素原子または置換もしくは無置換のアルキル基を示す。n個のAr1は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素環、置換もしくは無置換の複素環、または、置換の芳香族炭化水素環、無置換の芳香族炭化水素環、置換の複素環および無置換の複素環からなる群より選択される複数の基が結合して形成された1価の基を示す。また、n個のAr1は、同一であっても異なっていてもよい。)。
ガリウムフタロシアニン混合結晶中に、上記式(2)で示される化合物を含有させることによって、更にゴースト現象による画像欠陥を抑制することができる。
また、前記ガリウムフタロシアニン混合結晶中に、下記式(3)または式(4)で示される化合物をさらに含有することが好ましい。
(上記式(3)中、R11及びR12は、それぞれ独立に、水素原子、またはアルキル基を示す。X1は、酸素原子または硫黄原子を示す。Ar11およびAr12、は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアリール基を示し、Ar11およびAr12の少なくとも1つは、置換もしくは無置換のアリール基である。
該置換アリール基の置換基は、シアノ基、ジアルキルアミノ基、ヒドロキシ基、アルキル基、アルコキシ置換アルキル基、ハロゲン置換アルキル基、アルコキシ基、アルコキシ置換アルコキシ基、ハロゲン置換アルコキシ基、ニトロ基、またはハロゲン原子である。)、
(上記式(4)中、R21〜R24は、それぞれ独立に、水素原子、またはアルキル基を示す。X2およびX3は、それぞれ独立に、酸素原子または硫黄原子を示す。Ar22は置換もしくは無置換のアリーレン基を示す。Ar21およびAr23は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアリール基を示し、Ar21およびAr23の少なくとも1つは、置換もしくは無置換のアリール基である。
該置換アリーレン基の置換基は、アルキル基、アルコキシ置換アルキル基、ハロゲン置換アルキル基、アルコキシ基、アルコキシ置換アルコキシ基、ハロゲン置換アルコキシ基、または、ハロゲン原子である。
該置換アリール基の置換基は、シアノ基、ジアルキルアミノ基、ヒドロキシ基、アルキル基、アルコキシ置換アルキル基、ハロゲン置換アルキル基、アルコキシ基、アルコキシ置換アルコキシ基、ハロゲン置換アルコキシ基、ニトロ基、またはハロゲン原子である。)。
該置換アリーレン基の置換基は、アルキル基、アルコキシ置換アルキル基、ハロゲン置換アルキル基、アルコキシ基、アルコキシ置換アルコキシ基、ハロゲン置換アルコキシ基、または、ハロゲン原子である。
該置換アリール基の置換基は、シアノ基、ジアルキルアミノ基、ヒドロキシ基、アルキル基、アルコキシ置換アルキル基、ハロゲン置換アルキル基、アルコキシ基、アルコキシ置換アルコキシ基、ハロゲン置換アルコキシ基、ニトロ基、またはハロゲン原子である。)。
ガリウムフタロシアニン混合結晶中に、式(3)または式(4)で示される化合物を含有させることによって、更にゴースト現象による画像欠陥を抑制することができる。
前記式(1)で示されるアミド化合物を結晶内に含有するガリウムフタロシアニン混合結晶の製造方法について説明する。
前記式(1)で示されるアミド化合物を結晶内に含有するガリウムフタロシアニン混合結晶は、アシッドペースティング法または乾式ミリング法により得られたヒドロキシガリウムフタロシアニンを、クロロガリウムフタロシアニン、および前記式(1)で示されるアミド化合物と共に、湿式ミリング処理することにより得られる。また、より高感度のガリウムフタロシアニン混合結晶を得るために、このガリウムフタロシアニン混合結晶の製造方法において、アシッドペースティング法により得られたヒドロキシガリウムフタロシアニンを用いることが好ましい。
また、ガリウムフタロシアニン混合結晶中に、さらに前記式(2)〜(4)で示される化合物を含有させる場合は、湿式ミリング処理を行う際に前記式(2)〜(4)で示される化合物をさらに添加すればよい。
ここで行う湿式ミリング処理とは、サンドミル、ボールミル、攪拌装置などのミリング装置を用いて行う処理である。そこに必要に応じて、ガラスビーズ、スチールビーズ、アルミナボールといった分散剤を加えても良い。ミリング時間は、20〜1000時間程度が好ましい。特に好ましい方法は、10〜50時間おきにサンプルをとり、結晶のブラッグ角、およびNMR測定により前記式(1)で示されるアミド化合物の含有量を確認する方法である。
ミリング処理で必要に応じて加えられる分散剤の量は、質量基準でヒドロキシガリウムフタロシアニンとクロロガリウムフタロシアニンの総和に対し、10〜50倍であることが好ましい。
また、前記式(1)で示されるアミド化合物の含有量は、質量基準でヒドロキシガリウムフタロシアニンとクロロガリウムフタロシアニンの総和に対し、5〜30倍であることが好ましい。
また、長波長の光に対する優れた感度特性とゴースト現象による画像欠陥の抑制をより高いレベルで両立させるために、前記混合結晶中の、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量は、クロロガリウムフタロシアニンの含有量以上であることが好ましい。即ち、混合結晶中の、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量が、クロロガリウムフタロシアニンの含有量に対して、5/5以上であることが好ましい。更には、混合結晶中の、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量が、クロロガリウムフタロシアニンの含有量に対して、70/30以上95/5以下であることがより好ましい。
また、ゴースト現象による画像欠陥の抑制の観点から、前記式(1)で示されるアミド化合物は、N−メチルホルムアミドであることが好ましい。これは、N−メチルホルムアミドが、ガリウムフタロシアニンとの相溶性が高く、特に分極しやすい特性を有するためであると考えられる。すなわち、この特性によって、該混合結晶内に取り込まれやすく、かつ、該混合結晶内において、ゴースト現象の原因となる電荷の滞留状態を更に改善することができるものと推測される。
また、該混合結晶内に含有される前記式(1)で示されるアミド化合物の含有量が、ガリウムフタロシアニン化合物に対して0.1質量%以上3.0質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.4質量%以上2.0質量%以下である。前記式(1)で示されるアミド化合物の含有量が上記の範囲内であることによって、更にゴースト現象による画像欠陥を抑制することができる。
本発明において、ガリウムフタロシアニン結晶が前記式(1)で示されるアミド化合物を結晶内に含有しているかどうかについては、得られたガリウムフタロシアニン混合結晶をNMR測定のデータを解析することにより決定した。
本発明において、ガリウムフタロシアニン結晶のX線回折およびNMR測定は、次の条件で行ったものである。
[粉末X線回折測定]
使用測定機:理学電気(株)製、X線回折装置RINT−TTRII
X線管球:Cu
管電圧:50KV
管電流:300mA
スキャン方法:2θ/θスキャン
スキャン速度:4.0°/min
サンプリング間隔:0.02°
スタート角度(2θ):5.0°
ストップ角度(2θ):40.0°
アタッチメント:標準試料ホルダー
フィルター:不使用
インシデントモノクロ:使用
カウンターモノクロメーター:不使用
発散スリット:開放
発散縦制限スリット:10.00mm
散乱スリット:開放
受光スリット:開放
平板モノクロメーター:使用
カウンター:シンチレーションカウンター。
使用測定機:理学電気(株)製、X線回折装置RINT−TTRII
X線管球:Cu
管電圧:50KV
管電流:300mA
スキャン方法:2θ/θスキャン
スキャン速度:4.0°/min
サンプリング間隔:0.02°
スタート角度(2θ):5.0°
ストップ角度(2θ):40.0°
アタッチメント:標準試料ホルダー
フィルター:不使用
インシデントモノクロ:使用
カウンターモノクロメーター:不使用
発散スリット:開放
発散縦制限スリット:10.00mm
散乱スリット:開放
受光スリット:開放
平板モノクロメーター:使用
カウンター:シンチレーションカウンター。
[NMR測定(1H−NMR測定)]
使用測定器:BRUKER製、AVANCEIII 500
測定核種:1H
溶媒:重硫酸(D2SO4)
積算回数:2000。
使用測定器:BRUKER製、AVANCEIII 500
測定核種:1H
溶媒:重硫酸(D2SO4)
積算回数:2000。
前記式(1)で示されるアミド化合物を結晶内に含有するガリウムフタロシアニン混合結晶は、光導電体としての機能に優れ、電子写真感光体以外にも、太陽電池、センサー、スイッチング素子などに適用することが可能である。
次に、前記式(1)で示されるアミド化合物を結晶内に含有するガリウムフタロシアニン混合結晶を電子写真感光体における電荷発生物質として用いる場合について説明する。
本発明の電子写真感光体は、支持体および該支持体上に形成された感光層を有する。感光層は、電荷発生物質および電荷輸送物質をともに含有する単層型感光層や、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とに分離した積層型感光層がある。中でも、電荷発生層、電荷発生層上に形成された電荷輸送層を有する積層型感光層が好ましい。
図9の(a)および(b)は、本発明の電子写真感光体の層構成の一例を示す図である。図9の(a)および(b)中、101は支持体であり、102は下引き層であり、103は感光層であり、104は電荷発生層、105は電荷輸送層である。
〔支持体〕
支持体としては、導電性を有するもの(導電性支持体)が好ましい。例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、亜鉛、ステンレス、バナジウム、モリブデン、クロム、チタン、ニッケル、インジウム、金および白金などの金属製、合金製の支持体が挙げられる。また、アルミニウム、アルミニウム合金、酸化インジウム、酸化スズおよび酸化インジウム−酸化スズ合金を真空蒸着法によって被膜形成された層を有する樹脂製支持体も用いることができる。また、導電性粒子をプラスチックや紙に含浸させた支持体や、導電性ポリマーを有するプラスチックなどを支持体として用いることができる。支持体の表面には、レーザー光の散乱による干渉縞の抑制などを目的として、切削処理、粗面化処理、アルマイト処理、電解複合研磨処理、湿式ホーニング処理、乾式ホーニング処理などを施してもよい。
支持体としては、導電性を有するもの(導電性支持体)が好ましい。例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、亜鉛、ステンレス、バナジウム、モリブデン、クロム、チタン、ニッケル、インジウム、金および白金などの金属製、合金製の支持体が挙げられる。また、アルミニウム、アルミニウム合金、酸化インジウム、酸化スズおよび酸化インジウム−酸化スズ合金を真空蒸着法によって被膜形成された層を有する樹脂製支持体も用いることができる。また、導電性粒子をプラスチックや紙に含浸させた支持体や、導電性ポリマーを有するプラスチックなどを支持体として用いることができる。支持体の表面には、レーザー光の散乱による干渉縞の抑制などを目的として、切削処理、粗面化処理、アルマイト処理、電解複合研磨処理、湿式ホーニング処理、乾式ホーニング処理などを施してもよい。
〔導電層〕
支持体と後述の下引き層との間には、レーザー光の散乱による干渉縞の抑制や、支持体の傷の隠蔽(被覆)などを目的として、導電層を設けてもよい。導電層は、カーボンブラック、金属粒子、金属酸化物粒子などの導電性粒子、結着樹脂、および、溶剤を分散処理することによって得られる導電層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することができる。
支持体と後述の下引き層との間には、レーザー光の散乱による干渉縞の抑制や、支持体の傷の隠蔽(被覆)などを目的として、導電層を設けてもよい。導電層は、カーボンブラック、金属粒子、金属酸化物粒子などの導電性粒子、結着樹脂、および、溶剤を分散処理することによって得られる導電層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することができる。
導電性粒子としては、例えば、アルミニウム粒子、酸化チタン粒子、酸化スズ粒子、酸化亜鉛粒子、カーボンブラック、銀粒子が挙げられる。結着樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂が挙げられる。導電層用塗布液の溶剤としては、例えば、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤が挙げられる。
〔下引き層〕
支持体および感光層の間にはバリア機能と接着機能とを持つ下引き層(バリア層、中間層とも呼ばれる。)を設けることもできる。下引き層は、結着樹脂、および溶剤を混合することによって得られる下引き層用塗布液の塗膜を形成し、この塗膜を乾燥させることによって下引き層を形成することができる。さらには、電子写真感光体の電位変動を改善する目的で抵抗制御剤、電子輸送性化合物、アクセプター化合物を加えてもよい。
支持体および感光層の間にはバリア機能と接着機能とを持つ下引き層(バリア層、中間層とも呼ばれる。)を設けることもできる。下引き層は、結着樹脂、および溶剤を混合することによって得られる下引き層用塗布液の塗膜を形成し、この塗膜を乾燥させることによって下引き層を形成することができる。さらには、電子写真感光体の電位変動を改善する目的で抵抗制御剤、電子輸送性化合物、アクセプター化合物を加えてもよい。
結着樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、メチルセルロース、カゼイン、ポリアミド(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、共重合ナイロンおよびN−アルコキシメチル化ナイロンなど)、ポリウレタン、アクリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂が挙げられる。下引き層の膜厚は、0.1〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.5〜5μmである。下引き層用塗布液の溶剤としては、例えば、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤が挙げられる。抵抗制御剤としては、例えば、酸化チタン粒子、酸化スズ粒子、酸化亜鉛粒子が挙げられる。電子輸送性化合物やアクセプター化合物としてはとしては、アゾ顔料、ペリレン顔料等のN型顔料、ベンゾキノン、アントラキノン、アリザリン、ベンズアントロン等の芳香族ケトン系化合物が挙げられる。
〔感光層〕
本発明において、感光層は、単層型でも、積層型(電荷発生層と、電荷輸送層とを、支持体側からこの順に有する)でもいい。積層型感光層の場合、本発明の電子写真感光体は、支持体と、電荷発生層と、電荷輸送層とをこの順に有する。感光層は単層型より積層型の方が電荷発生物質の機能が効率的に発揮されるため好ましい。
本発明において、感光層は、単層型でも、積層型(電荷発生層と、電荷輸送層とを、支持体側からこの順に有する)でもいい。積層型感光層の場合、本発明の電子写真感光体は、支持体と、電荷発生層と、電荷輸送層とをこの順に有する。感光層は単層型より積層型の方が電荷発生物質の機能が効率的に発揮されるため好ましい。
感光層の塗布方法としては、ディッピング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法などの塗布方法を用いることができる。
(単層型感光層の場合)
単層型感光層の場合、電荷発生物質として前記式(1)で示されるアミド化合物を結晶内に含有するガリウムフタロシアニン混合結晶、電荷輸送物質、および結着樹脂を溶剤に混合して、塗布液を調製する。この塗布液の塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥させることによって単層型感光層を形成することができる。
単層型感光層の場合、電荷発生物質として前記式(1)で示されるアミド化合物を結晶内に含有するガリウムフタロシアニン混合結晶、電荷輸送物質、および結着樹脂を溶剤に混合して、塗布液を調製する。この塗布液の塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥させることによって単層型感光層を形成することができる。
結着樹脂としては、例えば、ポリカーボネート、ポリエステル、ブチラール樹脂、ポリビニルアセタール、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、尿素樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ブチラール樹脂が好ましい。また、これらの結着樹脂は、1種のみを使用してもよく、混合または共重合体として2種以上を併用してもよい。
単層型感光層用の塗布液に用いられる溶剤としては、例えば、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤または芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。また、これらの溶剤は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
電荷発生物質の含有量は、感光層の全質量に対して3〜30質量%であることが好ましい。また、電荷輸送物質の含有量は、感光層の全質量に対して30〜70質量%であることが好ましい。単層型感光層の膜厚は、5〜40μmであることが好ましく、10〜30μmであることがより好ましい。
本発明においては、前記式(1)で示されるアミド化合物を結晶内に含有するガリウムフタロシアニン混合結晶を電荷発生物質として用いるが、他の電荷発生物質と混合して用いることが可能である。この場合、前記式(1)で示されるアミド化合物を結晶内に含有するガリウムフタロシアニン混合結晶の含有率は、全ての電荷発生物質の合計の質量に対して50質量%以上であることが好ましい。
(積層型感光層の場合)
(i)電荷発生層
電荷発生層は、電荷発生物質として前記式(1)で示されるアミド化合物を結晶内に含有するガリウムフタロシアニン混合結晶、および結着樹脂を溶剤に混合させて電荷発生層用塗布液を調製する。この電荷発生層用塗布液の塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥させることによって電荷発生層を形成することができる。また、蒸着によって電荷発生層を形成することもできる。
(i)電荷発生層
電荷発生層は、電荷発生物質として前記式(1)で示されるアミド化合物を結晶内に含有するガリウムフタロシアニン混合結晶、および結着樹脂を溶剤に混合させて電荷発生層用塗布液を調製する。この電荷発生層用塗布液の塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥させることによって電荷発生層を形成することができる。また、蒸着によって電荷発生層を形成することもできる。
結着樹脂としては、例えば、ポリカーボネート、ポリエステル、ブチラール樹脂、ポリビニルアセタール、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、尿素樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ブチラール樹脂が好ましい。また、これらの結着樹脂は、1種のみを使用してもよく、混合または共重合体として2種以上を併用してもよい。
電荷発生層用塗布液に用いられる溶剤としては、例えば、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤または芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。また、これらの溶剤は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
電荷発生物質の含有量は、電荷発生層の全質量に対して20〜90質量%であることが好ましく、50〜80質量%であることがより好ましい。電荷発生層の膜厚は、0.01〜10μmであることが好ましく、0.1〜3μmであることがより好ましい。
本発明においては、前記式(1)で示されるアミド化合物を結晶内に含有するガリウムフタロシアニン混合結晶を電荷発生物質として用いるが、他の電荷発生物質と混合して用いることが可能である。この場合、前記式(1)で示されるアミド化合物を結晶内に含有するガリウムフタロシアニン混合結晶の含有率は、全ての電荷発生物質の合計の質量に対して50質量%以上であることが好ましい。
(ii)電荷輸送層
電荷輸送層は、電荷輸送物質および結着樹脂を溶剤に溶解させて得られた電荷輸送層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥させることによって電荷輸送層を形成することができる。
電荷輸送層は、電荷輸送物質および結着樹脂を溶剤に溶解させて得られた電荷輸送層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥させることによって電荷輸送層を形成することができる。
電荷輸送物質としては、例えば、トリアリールアミン系化合物、ヒドラゾン系化合物、スチルベン系化合物、ピラゾリン系化合物、オキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、トリアリルメタン系化合物などが挙げられる。
電荷輸送層に用いられる結着樹脂としては、例えば、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリビニルカルバゾール、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリサルホン、ポリアリレート(polyarylate)、ポリ塩化ビニリデン、アクリロニトリル共重合体、ポリビニルベンザールなどの樹脂が用いられる。
また、電荷輸送物質の含有量は、電荷輸送層の全質量に対して20〜80質量%であることが好ましく、30〜70質量%であることがより好ましい。電荷輸送層の膜厚は、5〜40μmであることが好ましく、10〜30μmであることがより好ましい。
〔保護層〕
感光層上には、必要に応じて保護層を設けてもよい。保護層は、結着樹脂を溶剤に溶解させて得られた保護層用塗布液の塗膜を形成し、この塗膜を乾燥させることによって形成することができる。結着樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール、ポリエステル、ポリカーボネート(ポリカーボネートZ、変性ポリカーボネートなど)、ナイロン、ポリイミド、ポリアリレート、ポリウレタン、スチレン−ブタジエンコポリマー、スチレン−アクリル酸コポリマー、スチレン−アクリロニトリルコポリマーが挙げられる。
感光層上には、必要に応じて保護層を設けてもよい。保護層は、結着樹脂を溶剤に溶解させて得られた保護層用塗布液の塗膜を形成し、この塗膜を乾燥させることによって形成することができる。結着樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール、ポリエステル、ポリカーボネート(ポリカーボネートZ、変性ポリカーボネートなど)、ナイロン、ポリイミド、ポリアリレート、ポリウレタン、スチレン−ブタジエンコポリマー、スチレン−アクリル酸コポリマー、スチレン−アクリロニトリルコポリマーが挙げられる。
また、保護層に電荷輸送能を持たせるために、電荷輸送能(正孔輸送能)を有するモノマーを種々の重合反応、架橋反応を用いて硬化させることによって保護層を形成してもよい。具体的には、連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物(正孔輸送性化合物)を重合または架橋させ、硬化させることによって保護層を形成することが好ましい。
保護層の膜厚は、0.05〜20μmであることが好ましい。保護層には、導電性粒子や紫外線吸収剤などを含有させてもよい。導電性粒子としては、例えば、酸化スズ粒子などの金属酸化物粒子が挙げられる。
<プロセスカートリッジおよび電子写真装置>
図1に、電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す。
図1に、電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す。
図1において、円筒状(ドラム状)の電子写真感光体1は、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。電子写真感光体1の表面は、回転過程において、帯電手段3により、正または負の所定電位に帯電される。次いで、帯電された電子写真感光体1の表面には、像露光手段(不図示)から像露光光4が照射され、目的の画像情報に対応した静電潜像が形成されていく。像露光光4は、例えば、スリット露光やレーザービーム走査露光などの像露光手段から出力される、目的の画像情報の時系列電気デジタル画像信号に対応して強度変調された光である。
電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、現像手段5内に収容された現像剤(トナー)で現像(正規現像または反転現像)され、電子写真感光体1の表面にはトナー像が形成される。電子写真感光体1の表面に形成されたトナー像は、転写手段6により、転写材7に転写されていく。このとき、転写手段6には、バイアス電源(不図示)からトナーの保有電荷とは逆極性の電圧(転写バイアス)が印加される。また、転写材7は、転写材供給手段(不図示)から電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて、電子写真感光体1と転写手段6との間(当接部)に給送される。
トナー像が転写された転写材7は、電子写真感光体1の表面から分離されて、像定着手段8へ搬送されて、トナー像の定着処理を受け、画像形成物(プリント、コピー)として電子写真装置の外へプリントアウトされる。
トナー像が転写材7に転写された後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段9により、転写残りの現像剤(転写残トナー)などの付着物の除去を受けて清浄される。また、転写残トナーを現像手段などで回収することもできる(クリーナレスシステム)。
さらに、電子写真感光体1の表面には、前露光手段(不図示)からの前露光光10が照射され、除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、図1に示すように、帯電手段3が帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光手段は必ずしも必要ではない。
本発明においては、上述の電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段9などの構成要素のうち、複数の構成要素を容器に納めて一体に支持してプロセスカートリッジを形成してもよい。このプロセスカートリッジを電子写真装置本体に対して着脱自在に構成することができる。例えば、電子写真感光体1と、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段9から選択される少なくとも1つとを一体に支持してカートリッジ化する。そして、電子写真装置本体のレールなどの案内手段12を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ11とすることができる。
像露光光4は、電子写真装置が複写機やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過光であってもよい。または、センサーで原稿を読み取り、信号化し、この信号に従って行われるレーザービームの走査、LEDアレイの駆動もしくは液晶シャッターアレイの駆動などにより放射される光であってもよい。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明は、これらに限定されるものではない。以下に記載の「部」は、「質量部」を意味し、「%」は「質量%」を意味する。なお、実施例および比較例の電子写真感光体の各層の膜厚は、渦電流式膜厚計(Fischerscope、フィッシャーインスツルメント社製)で求め、または、単位面積当たりの質量から比重換算で求めた。
<ガリウムフタロシアニン顔料の合成>
〔合成例1〕
窒素フローの雰囲気下、フタロニトリル5.46部およびα−クロロナフタレン45部を反応釜に投入した後、加熱し、温度30℃まで昇温させた後、この温度を維持した。次に、この温度(30℃)で三塩化ガリウム3.75部を投入した。投入時の混合液の水分値は150ppmであった。その後、温度200℃まで昇温させた。次に、窒素フローの雰囲気下、温度200℃で4.5時間反応させた後、冷却し、温度150℃に達したときに生成物を濾過した。得られた濾過物をN,N−ジメチルホルムアミドを用いて温度140℃で2時間分散洗浄した後、濾過した。得られた濾過物をメタノールで洗浄した後、乾燥させ、クロロガリウムフタロシアニン顔料を4.65部(収率71%)得た。
〔合成例1〕
窒素フローの雰囲気下、フタロニトリル5.46部およびα−クロロナフタレン45部を反応釜に投入した後、加熱し、温度30℃まで昇温させた後、この温度を維持した。次に、この温度(30℃)で三塩化ガリウム3.75部を投入した。投入時の混合液の水分値は150ppmであった。その後、温度200℃まで昇温させた。次に、窒素フローの雰囲気下、温度200℃で4.5時間反応させた後、冷却し、温度150℃に達したときに生成物を濾過した。得られた濾過物をN,N−ジメチルホルムアミドを用いて温度140℃で2時間分散洗浄した後、濾過した。得られた濾過物をメタノールで洗浄した後、乾燥させ、クロロガリウムフタロシアニン顔料を4.65部(収率71%)得た。
〔合成例2〕
合成例1で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料4.65部を、温度10℃で濃硫酸139.5部に溶解させ、攪拌下、氷水620部中に滴下して再析出させて、フィルタープレスを用いて濾過した。得られたウエットケーキ(濾過物)を2%アンモニア水で分散洗浄した後、フィルタープレスを用いて濾過した。次いで、得られたウエットケーキ(濾過物)をイオン交換水で分散洗浄した後、フィルタープレスを用いた濾過を3回繰り返し、その後、固形分23%の含水ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を18.6部得た。
合成例1で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料4.65部を、温度10℃で濃硫酸139.5部に溶解させ、攪拌下、氷水620部中に滴下して再析出させて、フィルタープレスを用いて濾過した。得られたウエットケーキ(濾過物)を2%アンモニア水で分散洗浄した後、フィルタープレスを用いて濾過した。次いで、得られたウエットケーキ(濾過物)をイオン交換水で分散洗浄した後、フィルタープレスを用いた濾過を3回繰り返し、その後、固形分23%の含水ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を18.6部得た。
次に、得られた含水ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料6.6部をハイパー・ドライ乾燥機(商品名:ハイパー・ドライHD−06R、周波数(発振周波数):2455MHz±15MHz、日本バイオコン(株)製)を用いて以下のように乾燥させた。
前記含水ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を、専用円形プラスチックトレイにフィルタープレスより取り出したままの固まりの状態(含水ケーキ厚4cm以下)で載せ、遠赤外線はオフ、乾燥機の内壁の温度は50℃になるように設定した。そして、マイクロ波照射時は真空ポンプとリークバルブを調整し、真空度を4.0〜10.0kPaに調整した。
まず、第1工程として、4.8kWのマイクロ波をヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料に50分間照射し、次に、マイクロ波を一旦切ってリークバルブを一旦閉じて2kPa以下の高真空にした。この時点でのヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の固形分は88%であった。
第2工程として、リークバルブを調整し、真空度(乾燥機内の圧力)を前記設定値内(4.0〜10.0kPa)に調整した後、1.2kWのマイクロ波をヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料に5分間照射し、また、マイクロ波を一旦切ってリークバルブを一旦閉じて2kPa以下の高真空にした。この第2工程をさらに1回繰り返した(計2回)。この時点でのヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の固形分は98%であった。
さらに第3工程として、第2工程でのマイクロ波を1.2kWから0.8kWに代えた以外は第2工程と同様にしてマイクロ波照射を行った。この第3工程をさらに1回繰り返した(計2回)。
さらに第4工程として、リークバルブを調整し、真空度(乾燥機内の圧力)を前記設定値内(4.0〜10.0kPa)に復圧した後、0.4kWのマイクロ波をヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料に3分間照射し、また、マイクロ波を一旦切ってリークバルブを一旦閉じて2kPa以下の高真空にした。この第4工程をさらに7回繰り返した(計8回)。
以上、合計3時間で、含水率1%以下のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を1.52部得た。
〔合成例3〕
合成例2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料1部と、濃度35質量%の塩酸水溶液20部とを混合し、室温下90分間撹拌処理した。撹拌後、この分散溶液を氷水100部中に滴下して、さらに30分間撹拌した。この分散液を、No.5C(アドバンテック社製)のろ紙を用いて減圧下ろ過した。得られたウエットケーキ(濾過物)をイオン交換水で分散洗浄とろ過を4回繰り返した。得られた含水ウエットケーキ(濾過物)をフリーズドライ乾燥して、クロロガリウムフタロシアニン顔料を0.9部得た。
合成例2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料1部と、濃度35質量%の塩酸水溶液20部とを混合し、室温下90分間撹拌処理した。撹拌後、この分散溶液を氷水100部中に滴下して、さらに30分間撹拌した。この分散液を、No.5C(アドバンテック社製)のろ紙を用いて減圧下ろ過した。得られたウエットケーキ(濾過物)をイオン交換水で分散洗浄とろ過を4回繰り返した。得られた含水ウエットケーキ(濾過物)をフリーズドライ乾燥して、クロロガリウムフタロシアニン顔料を0.9部得た。
<実施例1−1〜1−11、および、比較例1−1〜1−3>
〔実施例1−1〕
合成例2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.45部、合成例3で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料0.05部、およびN−メチルホルムアミド10部を、直径0.8mmのガラスビーズ20部とともにボールミルでミリング処理を室温(23℃)下で800時間行った。この際、容器は規格びん(製品コード:PS−6、柏洋硝子製)を用い、容器が1分間に120回転する条件で行った。こうして得られた分散液にテトラヒドロフランを30部添加した後、濾過器によって濾過し、さらに濾過器に残った濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ガリウムフタロシアニン混合結晶を0.47部得た。得られた結晶の粉末X線回折図を図2に示す。
〔実施例1−1〕
合成例2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.45部、合成例3で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料0.05部、およびN−メチルホルムアミド10部を、直径0.8mmのガラスビーズ20部とともにボールミルでミリング処理を室温(23℃)下で800時間行った。この際、容器は規格びん(製品コード:PS−6、柏洋硝子製)を用い、容器が1分間に120回転する条件で行った。こうして得られた分散液にテトラヒドロフランを30部添加した後、濾過器によって濾過し、さらに濾過器に残った濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ガリウムフタロシアニン混合結晶を0.47部得た。得られた結晶の粉末X線回折図を図2に示す。
また、NMR測定により、実施例1−1で得られたガリウムフタロシアニン混合結晶内に、プロトン比率から換算し、ガリウムフタロシアニンに対して、N−メチルホルムアミドが0.8質量%含有されていることが確認された。N−メチルホルムアミドはテトラヒドロフランに相溶することから、N−メチルホルムアミドは結晶内に含有することが分かる。得られたガリウムフタロシアニン混合結晶のNMRスペクトルを図10に示す。
〔実施例1−2〕
実施例1−1において、合成例2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.45部、合成例3で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料0.05部を、合成例2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.40部、合成例3で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料0.10部に代えた以外は、実施例1−1と同様に処理し、ガリウムフタロシアニン混合結晶を0.48部得た。得られた結晶の粉末X線回折図を図3に示す。
実施例1−1において、合成例2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.45部、合成例3で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料0.05部を、合成例2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.40部、合成例3で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料0.10部に代えた以外は、実施例1−1と同様に処理し、ガリウムフタロシアニン混合結晶を0.48部得た。得られた結晶の粉末X線回折図を図3に示す。
また、NMR測定により、実施例1−2で得られたガリウムフタロシアニン混合結晶内に、プロトン比率から換算し、ガリウムフタロシアニンに対して、N−メチルホルムアミドが0.6質量%含有されていることが確認された。
〔実施例1−3〕
実施例1−1において、合成例2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.45部、合成例3で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料0.05部を、合成例2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.25部、合成例3で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料0.25部に代えた以外は、実施例1−1と同様に処理し、ガリウムフタロシアニン混合結晶を0.48部得た。得られた結晶の粉末X線回折図を図4に示す。
実施例1−1において、合成例2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.45部、合成例3で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料0.05部を、合成例2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.25部、合成例3で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料0.25部に代えた以外は、実施例1−1と同様に処理し、ガリウムフタロシアニン混合結晶を0.48部得た。得られた結晶の粉末X線回折図を図4に示す。
また、NMR測定により、実施例1−3で得られたガリウムフタロシアニン混合結晶内に、プロトン比率から換算し、ガリウムフタロシアニンに対して、N−メチルホルムアミドが0.6質量%含有されていることが確認された。
〔実施例1−4〕
実施例1−1において、合成例2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.45部、合成例3で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料0.05部を、合成例2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.10部、合成例3で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料0.40部に代えた以外は、実施例1−1と同様に処理し、ガリウムフタロシアニン混合結晶を0.47部得た。得られた結晶の粉末X線回折図を図5に示す。
実施例1−1において、合成例2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.45部、合成例3で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料0.05部を、合成例2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.10部、合成例3で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料0.40部に代えた以外は、実施例1−1と同様に処理し、ガリウムフタロシアニン混合結晶を0.47部得た。得られた結晶の粉末X線回折図を図5に示す。
また、NMR測定により、実施例1−4で得られたガリウムフタロシアニン混合結晶内に、プロトン比率から換算し、ガリウムフタロシアニンに対して、N−メチルホルムアミドが0.6質量%含有されていることが確認された。
〔実施例1−5〕
実施例1−1において、合成例2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.45部、合成例3で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料0.05部を、合成例2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.05部、合成例3で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料0.45部に代えた以外は、実施例1−1と同様に処理し、ガリウムフタロシアニン混合結晶を0.48部得た。得られたガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図5と同様であった。
実施例1−1において、合成例2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.45部、合成例3で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料0.05部を、合成例2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.05部、合成例3で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料0.45部に代えた以外は、実施例1−1と同様に処理し、ガリウムフタロシアニン混合結晶を0.48部得た。得られたガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図5と同様であった。
また、NMR測定により、実施例1−5で得られたガリウムフタロシアニン混合結晶内に、プロトン比率から換算し、ガリウムフタロシアニンに対して、N−メチルホルムアミドが0.5質量%含有されていることが確認された。
〔実施例1−6〕
実施例1−1のミリング処理において、下記式(2−1)で示される化合物0.001部をさらに添加した以外は、実施例1−1と同様に処理し、ガリウムフタロシアニン混合結晶を0.47部得た。得られたガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図2と同様であった。
実施例1−1のミリング処理において、下記式(2−1)で示される化合物0.001部をさらに添加した以外は、実施例1−1と同様に処理し、ガリウムフタロシアニン混合結晶を0.47部得た。得られたガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図2と同様であった。
また、NMR測定により、実施例1−6で得られたガリウムフタロシアニン混合結晶内に、プロトン比率から換算し、ガリウムフタロシアニンに対して、N−メチルホルムアミドが0.6質量%含有されていることが確認された。
〔実施例1−7〕
実施例1−2のミリング処理において、前記式(2−1)で示される化合物0.001部をさらに添加した以外は、実施例1−2と同様に処理し、ガリウムフタロシアニン混合結晶を0.48部得た。得られた結晶の粉末X線回折図を図6に示す。
実施例1−2のミリング処理において、前記式(2−1)で示される化合物0.001部をさらに添加した以外は、実施例1−2と同様に処理し、ガリウムフタロシアニン混合結晶を0.48部得た。得られた結晶の粉末X線回折図を図6に示す。
また、NMR測定により、実施例1−7で得られたガリウムフタロシアニン混合結晶内に、プロトン比率から換算し、ガリウムフタロシアニンに対して、N−メチルホルムアミドが0.6質量%含有されていることが確認された。
〔実施例1−8〕
実施例1−3のミリング処理において、前記式(2−1)で示される化合物0.001部をさらに添加した以外は、実施例1−3と同様に処理し、ガリウムフタロシアニン混合結晶を0.47部得た。得られたガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図4と同様であった。
実施例1−3のミリング処理において、前記式(2−1)で示される化合物0.001部をさらに添加した以外は、実施例1−3と同様に処理し、ガリウムフタロシアニン混合結晶を0.47部得た。得られたガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図4と同様であった。
また、NMR測定により、実施例1−8で得られたガリウムフタロシアニン混合結晶内に、プロトン比率から換算し、ガリウムフタロシアニンに対して、N−メチルホルムアミドが0.6質量%含有されていることが確認された。
〔実施例1−9〕
実施例1−2のミリング処理において、下記式(3−1)で示される化合物0.5部をさらに添加した以外は、実施例1−2と同様に処理し、ガリウムフタロシアニン混合結晶を0.48部得た。得られたガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図3と同様であった。なお、式(3−1)中のMeはメチル基を意味する。
実施例1−2のミリング処理において、下記式(3−1)で示される化合物0.5部をさらに添加した以外は、実施例1−2と同様に処理し、ガリウムフタロシアニン混合結晶を0.48部得た。得られたガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図3と同様であった。なお、式(3−1)中のMeはメチル基を意味する。
また、NMR測定により、実施例1−9で得られたガリウムフタロシアニン混合結晶内に、プロトン比率から換算し、ガリウムフタロシアニンに対して、N−メチルホルムアミドが0.6質量%含有されていることが確認された。
(3−1)
〔実施例1−10〕
実施例1−2において、N−メチルホルムアミド10部を、N−n−プロピルホルムアミド10部に代えた以外は、実施例1−2と同様に処理し、ガリウムフタロシアニン混合結晶を0.48部得た。得られたガリウムフタロシアニン混合結晶の粉末X線回折は、図3と同様であった。
実施例1−2において、N−メチルホルムアミド10部を、N−n−プロピルホルムアミド10部に代えた以外は、実施例1−2と同様に処理し、ガリウムフタロシアニン混合結晶を0.48部得た。得られたガリウムフタロシアニン混合結晶の粉末X線回折は、図3と同様であった。
また、NMR測定により、実施例1−10で得られたガリウムフタロシアニン混合結晶内に、プロトン比率から換算し、ガリウムフタロシアニンに対して、N−n−プロピルホルムアミドが0.6質量%含有されていることが確認された。
〔実施例1−11〕
実施例1−2において、N−メチルホルムアミド10部を、N−ビニルホルムアミド10部に代えた以外は、実施例1−2と同様に処理し、ガリウムフタロシアニン混合結晶を0.47部得た。得られたガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図3と同様であった。
実施例1−2において、N−メチルホルムアミド10部を、N−ビニルホルムアミド10部に代えた以外は、実施例1−2と同様に処理し、ガリウムフタロシアニン混合結晶を0.47部得た。得られたガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図3と同様であった。
また、NMR測定により、実施例1−11で得られたガリウムフタロシアニン混合結晶内に、プロトン比率から換算し、ガリウムフタロシアニンに対して、N−ビニルホルムアミドが0.6質量%含有されていることが確認された。
〔比較例1−1〕
実施例1−1において、合成例2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.45部、合成例3で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料0.05部を、合成例2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.50部に、N−メチルホルムアミド10部を、N,N−ジメチルホルムアミド10部に、ミリング時間を48時間に代えた以外は、実施例1−1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.45部得た。得られた結晶の粉末X線回折図を図7に示す。
実施例1−1において、合成例2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.45部、合成例3で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料0.05部を、合成例2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.50部に、N−メチルホルムアミド10部を、N,N−ジメチルホルムアミド10部に、ミリング時間を48時間に代えた以外は、実施例1−1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.45部得た。得られた結晶の粉末X線回折図を図7に示す。
また、NMR測定により、比較例1−1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、ヒドロキシガリウムフタロシアニンに対して、N,N−ジメチルホルムアミドが2.1質量%含有されていることが確認された。得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶のNMRスペクトルを図11に示す。
〔比較例1−2〕
比較例1−1において、N,N−ジメチルホルムアミド10部をジメチルスルホキシド10部に変更した以外は、比較例1−1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.46部得た。
比較例1−1において、N,N−ジメチルホルムアミド10部をジメチルスルホキシド10部に変更した以外は、比較例1−1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.46部得た。
また、NMR測定により、比較例1−2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、ヒドロキシガリウムフタロシアニンに対して、ジメチルスルホキシドが2.1質量%含有されていることが確認された。
〔比較例1−3〕
合成例1で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料0.5部、および直径0.8mmのガラスビーズ20部とともにボールミルでミリング処理を室温(23℃)下で48時間行った。この際、容器は規格びん(製品コード:PS−6、柏洋硝子製)を用い、容器が1分間に120回転する条件で行った。次に、この容器内にN,N−ジメチルホルムアミド10部を加え、同条件でミリング処理を150時間行った。こうして得られた分散液にテトラヒドロフランを30部添加した後、濾過器によって濾過し、さらに濾過器上に残った濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、クロロガリウムフタロシアニン結晶を0.48部得た。得られた結晶の粉末X線回折図を図8に示す。
合成例1で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料0.5部、および直径0.8mmのガラスビーズ20部とともにボールミルでミリング処理を室温(23℃)下で48時間行った。この際、容器は規格びん(製品コード:PS−6、柏洋硝子製)を用い、容器が1分間に120回転する条件で行った。次に、この容器内にN,N−ジメチルホルムアミド10部を加え、同条件でミリング処理を150時間行った。こうして得られた分散液にテトラヒドロフランを30部添加した後、濾過器によって濾過し、さらに濾過器上に残った濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、クロロガリウムフタロシアニン結晶を0.48部得た。得られた結晶の粉末X線回折図を図8に示す。
また、NMR測定により、比較例1−3で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、クロロガリウムフタロシアニンに対して、N,N−ジメチルホルムアミドが0.9質量%含有されていることが確認された。
<実施例2−1〜2−11、および、比較例2−1〜2−3>
〔実施例2−1〕
酸化スズで被覆した硫酸バリウム粒子(商品名:パストランPC1、三井金属鉱業(株)製)60部、酸化チタン粒子(商品名:TITANIX JR、テイカ(株)製)15部、レゾール型フェノール樹脂(商品名:フェノライト J−325、DIC(株)製、固形分70質量%)43部、シリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レ・ダウコーニング(株)製)0.015部、シリコーン樹脂(商品名:トスパール120、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアル(株)製)3.6部、2−メトキシ−1−プロパノール50部、およびメタノール50部をボールミルに入れて、20時間分散処理することによって、導電層用塗布液を調製した。
〔実施例2−1〕
酸化スズで被覆した硫酸バリウム粒子(商品名:パストランPC1、三井金属鉱業(株)製)60部、酸化チタン粒子(商品名:TITANIX JR、テイカ(株)製)15部、レゾール型フェノール樹脂(商品名:フェノライト J−325、DIC(株)製、固形分70質量%)43部、シリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レ・ダウコーニング(株)製)0.015部、シリコーン樹脂(商品名:トスパール120、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアル(株)製)3.6部、2−メトキシ−1−プロパノール50部、およびメタノール50部をボールミルに入れて、20時間分散処理することによって、導電層用塗布液を調製した。
この導電層用塗布液を、支持体としてのアルミニウムシリンダー(直径24mm)上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を30分間140℃で乾燥させた。このようにして、膜厚が15μmの導電層を形成した。
次に、共重合ナイロン樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製)10部およびメトキシメチル化6ナイロン樹脂(商品名:トレジンEF−30T、ナガセケムテックス(株)製)30部を、メタノール400部/n−ブタノール200部の混合溶剤に溶解させることによって、下引き層用塗布液を調製した。
この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥させることによって、膜厚が0.5μmの下引き層を形成した。
次に、実施例1−1で得られたガリウムフタロシアニン混合結晶(電荷発生物質)10部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)5部、および、シクロヘキサノン250部を混合した。これを、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルに入れ、4時間分散処理して分散液を調製し、分散液に酢酸エチル250部を加えて希釈することによって、電荷発生層用塗布液を調製した。
この電荷発生層用塗布液を下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を10分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.16μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記式(5)で示される化合物(電荷輸送物質)8部、および、ポリカーボネート(商品名:ユーピロンZ−200、三菱ガス化学(株)製)10部を、モノクロロベンゼン70部に溶解させて、電荷輸送層用塗布液を調製した。
(5)
この電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を1時間110℃で乾燥させることによって、膜厚が23μmの電荷輸送層を形成した。
このようにして、円筒状(ドラム状)の実施例2−1の電子写真感光体を作製した。
〔実施例2−2〜2−11〕
実施例2−1において、電荷発生層用塗布液を調製する際のガリウムフタロシアニン混合結晶を、実施例1−2〜1−11で得られたガリウムフタロシアニン混合結晶にそれぞれ変更した。それ以外は、実施例2−1と同様にして実施例2−2〜2−11の電子写真感光体をそれぞれ作製した。
実施例2−1において、電荷発生層用塗布液を調製する際のガリウムフタロシアニン混合結晶を、実施例1−2〜1−11で得られたガリウムフタロシアニン混合結晶にそれぞれ変更した。それ以外は、実施例2−1と同様にして実施例2−2〜2−11の電子写真感光体をそれぞれ作製した。
〔比較例2−1〜2−3〕
実施例2−1において、電荷発生層用塗布液を調製する際のガリウムフタロシアニン混合結晶を、比較例1−1〜1−3で得られたガリウムフタロシアニン結晶にそれぞれ変更した。それ以外は、実施例2−1と同様にして比較例2−1〜2−3の電子写真感光体をそれぞれ作製した。
実施例2−1において、電荷発生層用塗布液を調製する際のガリウムフタロシアニン混合結晶を、比較例1−1〜1−3で得られたガリウムフタロシアニン結晶にそれぞれ変更した。それ以外は、実施例2−1と同様にして比較例2−1〜2−3の電子写真感光体をそれぞれ作製した。
〔比較例2−4〕
実施例2−1において、電荷発生層用塗布液を調製する際のガリウムフタロシアニン混合結晶10部を、比較例1−1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶5部と1−3で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶5部に変更した。それ以外は、実施例2−1と同様にして比較例2−4の電子写真感光体を作製した。
実施例2−1において、電荷発生層用塗布液を調製する際のガリウムフタロシアニン混合結晶10部を、比較例1−1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶5部と1−3で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶5部に変更した。それ以外は、実施例2−1と同様にして比較例2−4の電子写真感光体を作製した。
〔評価〕
実施例2−1〜2−11および比較例2−1〜2−3の電子写真感光体について、ゴースト画像評価を行った。
実施例2−1〜2−11および比較例2−1〜2−3の電子写真感光体について、ゴースト画像評価を行った。
評価用の電子写真装置としては、日本ヒューレットパッカード(株)製のレーザービームプリンター(商品名:Color Laser Jet CP3525dn)を、以下に示す改造を施して用いた。すなわち、前露光は点灯せず、帯電条件と像露光量は可変で作動するようにした。また、シアン色用のプロセスカートリッジに上記作製した電子写真感光体を装着してシアン色用のプロセスカートリッジのステーションに取り付けた。また、他の色(マゼンタ、イエロー、ブラック)用のプロセスカートリッジをプリンター本体に装着せずとも作動するようにした。
画像の出力に際しては、シアン色用のプロセスカートリッジのみを本体に取り付け、シアントナーのみによる単色画像を出力した。
まず、温度23℃/湿度55%RHの常温常湿環境下で、初期の暗部電位が−500V、初期の明部電位が−100Vになるように帯電条件と像露光量を調整した。電位設定の際の円筒状の電子写真感光体の表面電位の測定は、プロセスカートリッジを改造し、現像位置に電位プローブ(商品名:model6000B−8、トレック・ジャパン(株)製)を装着した。さらに、円筒状の電子写真感光体の中央部の電位を表面電位計(商品名:model344、トレック・ジャパン(株)製)を使用して測定した。
その後、同条件(常温常湿環境)下でゴースト画像評価を行った。その後、1000枚の繰り返し通紙試験を行い、繰り返し通紙試験終了直後および繰り返し通紙試験終了後15時間経過時でのゴースト画像評価を行った。常温常湿環境下における評価結果を表1に示す。
次に、電子写真感光体を評価用の電子写真装置とともに温度15℃/湿度10%RHの低温低湿環境下で3日間放置した後、ゴースト画像評価を行った。そして、同条件(低温低湿環境)下で1000枚の繰り返し通紙試験を行い、繰り返し通紙試験終了直後および繰り返し通紙試験終了後15時間経過時でのゴースト画像評価を行った。低温低湿環境下における評価結果を表1に示す。
なお、繰り返し通紙試験は、印字率1%でE文字画像をA4サイズの普通紙にシアン単色で印字する条件で行った。
また、ゴースト画像評価の方法は、以下の通りである。
ゴースト画像評価は、1枚目にベタ白画像を出力し、その後ゴーストチャートを4種各1枚の計4枚出力する。次に、ベタ黒画像を1枚出力した後に再度ゴーストチャートを4種各1枚の計4枚出力する。この順番で画像出力を行い、計8枚のゴースト画像で評価した。ゴーストチャートは、出力画像書き出し(紙上端10mm)位置から30mmの範囲をベタ白背景に25mm四方のベタ黒の正方形を等間隔、かつ、平行に4つ並べ、出力画像書き出し位置から30mm以降はハーフトーンの印字パターンを4種類出力した。4種類のゴーストチャートをもとに、ランク分けを行った。
なお、4種類のゴーストチャートとは、出力画像書き出し位置から30mm以降のハーフトーンパターンのみ異なるチャートで、ハーフトーンのパターンは、以下の4種類である。
(1)横*1ドット、1スペースの印字(レーザー露光)パターン。
(2)横*2ドット、2スペースの印字(レーザー露光)パターン。
(3)横*2ドット、3スペースの印字(レーザー露光)パターン。
(4)桂馬パターンの印字(レーザー露光)パターン。(将棋の桂馬の動きのように6マスに2ドット印字するパターン)
*:「横」とは、レーザースキャナーの走査方向(出力された用紙では水平方向)を指す。
(1)横*1ドット、1スペースの印字(レーザー露光)パターン。
(2)横*2ドット、2スペースの印字(レーザー露光)パターン。
(3)横*2ドット、3スペースの印字(レーザー露光)パターン。
(4)桂馬パターンの印字(レーザー露光)パターン。(将棋の桂馬の動きのように6マスに2ドット印字するパターン)
*:「横」とは、レーザースキャナーの走査方向(出力された用紙では水平方向)を指す。
ゴースト画像のランク分けは、目視で以下のように行った。なお、ランク4、5、6は、本発明の効果が十分に得られていないレベルと判断した。
ランク1:いずれのゴーストチャートでもゴーストは見えない。
ランク2:特定のゴーストチャートでゴーストがうっすら見える。
ランク3:いずれのゴーストチャートでもゴーストがうっすら見える。
ランク4:特定のゴーストチャートでゴーストが見える。
ランク5:いずれのゴーストチャートでもゴーストが見える。
ランク6:特定のゴーストチャートでゴーストがはっきり見える。
ランク1:いずれのゴーストチャートでもゴーストは見えない。
ランク2:特定のゴーストチャートでゴーストがうっすら見える。
ランク3:いずれのゴーストチャートでもゴーストがうっすら見える。
ランク4:特定のゴーストチャートでゴーストが見える。
ランク5:いずれのゴーストチャートでもゴーストが見える。
ランク6:特定のゴーストチャートでゴーストがはっきり見える。
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 像露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 像定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 案内手段
2 軸
3 帯電手段
4 像露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 像定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 案内手段
Claims (13)
- 支持体と、感光層とをこの順に有する電子写真感光体において、
該感光層が、ヒドロキシガリウムフタロシアニンとクロロガリウムフタロシアニンとの混合結晶を含有し、
該混合結晶が、式(1)で示されるアミド化合物をその結晶内に含有することを特徴とする電子写真感光体。
R1−NHCHO (1)
(上記式(1)中、R1は、メチル基、プロピル基、またはビニル基を示す。) - 前記式(1)で示されるアミド化合物がN−メチルホルムアミドである請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記感光層が、電荷発生層と、電荷輸送層とを、前記支持体側からこの順に有し、
前記混合結晶が該電荷発生層に含有されている請求項1に記載の電子写真感光体。 - 前記混合結晶が、CuKα線のX線回折におけるブラッグ角2θにおいて7.4°±0.3°および28.3°±0.3°にピークを有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記混合結晶中の、前記ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量が、前記クロロガリウムフタロシアニンの含有量に対して、5/5以上である請請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記混合結晶中の、前記ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量が、前記クロロガリウムフタロシアニンの含有量に対して、70/30以上95/5以下である請請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記混合結晶内に含有される前記式(1)で示されるアミド化合物の含有量が、0.1質量%以上3.0質量%以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記混合結晶内に、式(2)で示される化合物を更に含有している請求項1〜7のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
(上記式(2)中、nは4〜8の整数を示す。n個のR2は、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を示す。n個のR3は、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を示す。n個のR4は、それぞれ独立に、水素原子または置換もしくは無置換のアルキル基を示す。n個のAr1は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素環、置換もしくは無置換の複素環、または、置換の芳香族炭化水素環、無置換の芳香族炭化水素環、置換の複素環および無置換の複素環からなる群より選択される複数の基が結合して形成された1価の基を示す。) - 前記混合結晶内に、式(3)で示される化合物または式(4)で示される化合物を更に含有している請求項1〜8のいずれか1項に記載の電子写真感光体:
(上記式(3)中、R11及びR12は、それぞれ独立に、水素原子、またはアルキル基を示す。X1は、酸素原子または硫黄原子を示す。Ar11およびAr12、は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアリール基を示し、Ar11およびAr12の少なくとも1つは、置換もしくは無置換のアリール基である。
該置換アリール基の置換基は、シアノ基、ジアルキルアミノ基、ヒドロキシ基、アルキル基、アルコキシ置換アルキル基、ハロゲン置換アルキル基、アルコキシ基、アルコキシ置換アルコキシ基、ハロゲン置換アルコキシ基、ニトロ基、またはハロゲン原子である。)、
(上記式(4)中、R21〜R24は、それぞれ独立に、水素原子、またはアルキル基を示す。X2およびX3は、それぞれ独立に、酸素原子または硫黄原子を示す。Ar22は置換もしくは無置換のアリーレン基を示す。Ar21およびAr23は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアリール基を示す。Ar21およびAr23の少なくとも1つは、置換もしくは無置換のアリール基である。
該置換アリーレン基の置換基は、アルキル基、アルコキシ置換アルキル基、ハロゲン置換アルキル基、アルコキシ基、アルコキシ置換アルコキシ基、ハロゲン置換アルコキシ基、または、ハロゲン原子である。
該置換アリール基の置換基は、シアノ基、ジアルキルアミノ基、ヒドロキシ基、アルキル基、アルコキシ置換アルキル基、ハロゲン置換アルキル基、アルコキシ基、アルコキシ置換アルコキシ基、ハロゲン置換アルコキシ基、ニトロ基、またはハロゲン原子である。) - 電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジであって、
請求項1〜9のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
帯電手段、現像手段、およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段と、を有し、かつ、
該電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とは、一体に支持されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。 - 請求項1〜9のいずれか1項に記載の電子写真感光体、ならびに、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
- 式(1)で示されるアミド化合物を結晶内に含有することを特徴とするヒドロキシガリウムフタロシアニンとクロロガリウムフタロシアニンとの混合結晶:
R1−NHCHO (1)
(上記式(1)中、R1は、メチル基、プロピル基、またはビニル基を示す。) - 請求項12に記載のヒドロキシガリウムフタロシアニンとクロロガリウムフタロシアニンとの混合結晶を製造するためのヒドロキシガリウムフタロシアニンとクロロガリウムフタロシアニンとの混合結晶の製造方法において、
該製造方法が、アシッドペースティング法により得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、および前記式(1)で示されるアミド化合物を、湿式ミリング処理する工程を有することを特徴とするヒドロキシガリウムフタロシアニンとクロロガリウムフタロシアニンとの混合結晶の製造方法。
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