JP2016155404A - ハイブリッド車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸気通路に燃料の噴射を行なうポート噴射弁を含むエンジンを備えたハイブリッド車両において、燃料配管系の部品の耐久性の低下を防止する。
【解決手段】エンジンECU141は、車両走行に要求される走行パワーと蓄電装置のSOCを制御するための蓄電装置の充放電パワーとの和に従ってエンジン10の出力パワーを制御するとともに、低圧デリバリーパイプ53に貯留される燃料の圧力が目標燃圧になるようにフィードポンプ512を制御する。エンジンECU141は、エンジン10に要求されるパワーを出力するための動作点により定まるエンジン10の目標回転速度が、低圧デリバリーパイプ53に共鳴現象を発生し得る共鳴範囲内にあると判定された場合には、目標回転速度が共鳴範囲外になるように、燃費最適動作線上、または、等パワー線上に沿って、エンジン10の動作点を変更する。
【選択図】図2

Description

本発明は、吸気通路に燃料の噴射を行なうポート噴射弁を含むエンジンを備えたハイブリッド車両の制御に関する。
特開2013−68127号公報(特許文献1)には、燃料ポンプと、燃料ポンプによるポート噴射弁への燃料の供給圧を検出する燃圧センサとを備えたエンジンに適用され、燃圧センサの検出値に応じて燃料ポンプの操作量を制御する制御装置が開示されている。この制御装置は、燃圧センサの診断のために、供給圧を上昇させる方向に燃料ポンプの操作量を変化させるとともに、このときの燃圧センサの検出値に基づいて、燃圧センサにおける故障の有無を判断する。
燃圧センサの故障診断においては、燃料ポンプの駆動デューティを診断用デューティにまで増大させることにより、燃圧をリリーフバルブの開弁圧にまで上昇させる。そして、このときの燃圧センサが開弁圧付近を検出していない場合には、燃圧センサが異常であると判断する。
特開2013−68127号公報
しかしながら、本発明者らの実験の結果、燃圧を診断用の燃圧まで上昇させたときに、エンジンの回転速度によっては燃圧センサの検出値が安定しない現象が発生することが分かった。そして、この現象が発生すると、燃圧に顕著な脈動成分が重畳されることによって、燃圧配管系を構成する部品に対して応力が作用するため、当該部品の耐久性を低下させることが分かった。
この発明は、このような課題を解決するためになされたものであって、この発明の目的は、吸気通路に燃料の噴射を行なうポート噴射弁を含むエンジンを備えたハイブリッド車両において、燃料配管系の部品の耐久性の低下を防止することである。
この発明のある局面では、ハイブリッド車両は、エンジンと、蓄電装置と、蓄電装置からの電力によって車両駆動力を発生する電動機と、エンジンに燃料を供給する燃料供給装置と、エンジン、電動機および燃料供給装置を制御する制御装置とを備える。燃料供給装置は、吸気通路に噴射するための燃料を貯留する貯留部と、燃料を加圧して貯留部に供給するフィードポンプと、筒内に噴射するための燃料を貯留する高圧貯留部と、エンジンの回転に応じて駆動され、燃料を加圧して高圧貯留部に供給する高圧ポンプとを含む。貯留部に貯留される燃料の圧力は、高圧貯留部に貯留される燃料の圧力よりも低く設定される。制御装置は、車両走行に要求される走行パワーと蓄電装置のSOCを制御するための蓄電装置の充放電パワーとの和に従ってエンジンの出力パワーを制御するとともに、貯留部に貯留される燃料の圧力が目標燃圧になるようにフィードポンプを制御するように構成される。制御装置は、エンジンに要求されるパワーを出力するための動作点により定まるエンジンの目標回転速度が、貯留部に共鳴現象を発生し得る共鳴範囲内にあると判定された場合には、目標回転速度が共鳴範囲外になるように、エンジンの効率に従って予め設定される最適動作線上、または、エンジン出力パワーが同一となる動作点の集合である等パワー線上に沿って、エンジンの動作点を変更する。
上記ハイブリッド車両によれば、エンジンの目標動作点を変更することによってエンジンの回転速度が共鳴範囲外に変更されるため、低圧燃料配管系に生じる共鳴を抑制することができる。これにより、低圧燃料配管系における燃圧の脈動が低減されるため、部品の耐久性の低下を防止することができる。
この発明によれば、吸気通路に燃料の噴射を行なうポート噴射弁を含むエンジンを備えたハイブリッド車両において、燃料配管系の部品の耐久性の低下を防止することができる。
本発明が適用されるハイブリッド車両の構成を示すブロック図である。 燃料供給に関するエンジンおよび燃料供給装置の構成を示した図である。 スタック検出処理が実行された場合の燃圧変化の一例を示した波形図である。 図3に示される実燃圧の変化の一部を拡大した波形図である。 燃料タンクから高圧デリバリーパイプおよび低圧デリバリーパイプに至る経路を示した模式図である。 燃圧脈動の振幅と目標燃圧との関係を説明するための図である。 パルセーションダンパの弾性変形による内部容積変化率および燃圧脈動の振幅と目標燃圧との関係を説明するための図である。 燃圧脈動とエンジン回転速度との関係を説明するための図である。 本実施の形態におけるエンジン回転速度の制御について説明するための図である。 動力分割機構の各回転要素の回転速度を示した共線図である。 本実施の形態に係るエンジン回転速度の変更方法を説明するためのフローチャートである。 本実施の形態に係るエンジン回転速度の変更方法を説明するためのフローチャートである。 図12のステップS15の処理の詳細を説明するためのフローチャートである。 本実施の形態の変形例における、エンジン回転速度の制御について説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当する部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
(基本構成の説明)
図1は、本発明が適用されるハイブリッド車両1の構成を示すブロック図である。図1を参照して、ハイブリッド車両1は、エンジン10と、燃料供給装置15と、モータジェネレータ20,30と、動力分割機構40と、リダクション機構58と、駆動輪62と、パワーコントロールユニット(PCU)60と、バッテリ(蓄電装置)70と、制御装置100とを備える。
このハイブリッド車両1は、シリーズ・パラレル型のハイブリッド車両であり、エンジン10およびモータジェネレータ30の少なくとも一方を駆動源として走行可能に構成される。
エンジン10とモータジェネレータ20とモータジェネレータ30とは、動力分割機構40を介して相互に連結されている。動力分割機構40に連結されるモータジェネレータ30の回転軸16には、リダクション機構58が接続される。回転軸16は、リダクション機構58を介して、駆動輪62と連結されるとともに、動力分割機構40を介して、エンジン10のクランクシャフトに連結される。
動力分割機構40は、エンジン10の駆動力を、モータジェネレータ20と回転軸16とに分割することができる。モータジェネレータ20は、動力分割機構40を介してエンジン10のクランクシャフトを回転させることにより、エンジン10を始動するスタータとして機能することができる。動力分割機構40は、たとえば遊星歯車機構によって構成される。この場合において、遊星歯車機構のサンギヤSGには、モータジェネレータ20の回転軸が連結され、キャリアCAにはエンジン10のクランクシャフトが連結され、リングギヤRGにはモータジェネレータ30の回転軸16およびリダクション機構58を経由して駆動輪62が連結される。
モータジェネレータ20および30は、いずれも発電機としても電動機としても作動し得る周知の同期発電電動機である。すなわち、モータジェネレータ20は、動力分割機構40を経由して伝達されたエンジン10の出力を用いてバッテリ70の充電電力を生成する「発電機構」を構成することができる。また、モータジェネレータ30がバッテリ70からの電力によって「電動機」として動作することによって車両駆動力を発生するための機構が実現できる。モータジェネレータ20および30は、PCU60に接続され、PCU60は、バッテリ70に接続される。
制御装置100は、パワーマネジメント用電子制御ユニット(Electronic Control Unit;以下、PM−ECUという)140と、エンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)141と、モータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)142と、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)143とを含む。
PM−ECU140は、エンジンECU141と、モータECU142と、バッテリECU143とに、図示しない通信ポートを介して接続されている。PM−ECU140は、エンジンECU141と、モータECU142と、バッテリECU143と各種制御信号やデータのやり取りを行なう。
モータECU142は、PCU60に接続され、モータジェネレータ20および30の駆動を制御する。バッテリECU143は、バッテリ70の充放電電流の積算値に基づいて、残容量(以下、SOC(State of charge)という)を演算する。
エンジンECU141は、エンジン10および燃料供給装置15に接続されている。エンジンECU141は、エンジン10の運転状態を検出する各種センサから信号を入力するとともに、入力した信号に応じて燃料噴射制御や点火制御、吸入空気量調節制御などの運転制御を行なう。また、エンジンECU141は、燃料供給装置15を制御して燃料をエンジン10に供給する。
以上の構成を有するハイブリッド車両1において、エンジン10および燃料供給装置15の構成および制御についてより詳細に説明する。
図2は、燃料供給に関するエンジン10および燃料供給装置15の構成を示した図である。本実施の形態は、本発明が適用される車両を、内燃機関として筒内噴射とポート噴射とを併用するデュアル噴射タイプの内燃機関、例えば直列4シリンダのガソリンエンジンを採用するハイブリッド車両としている。
図2を参照して、エンジン10は、吸気マニホールド36と、吸気ポート21と、シリンダブロックに設けられた4つのシリンダ11とを含む。
吸入空気AIRは、シリンダ11中の図示しないピストンが下降するときに、吸気口管から吸気マニホールド36および吸気ポート21を通って各シリンダ11に流入する。
燃料供給装置15は、低圧燃料供給機構50と、高圧燃料供給機構80とを含む。低圧燃料供給機構50は、燃料圧送部51と、低圧燃料配管52と、低圧デリバリーパイプ53と、低圧燃圧センサ53aと、ポート噴射弁54とを含む。低圧デリバリーパイプ53は、ポート噴射弁54から噴射するための燃料を貯留する「貯留部」である。
高圧燃料供給機構80は、高圧ポンプ81と、チェック弁82aと、高圧燃料配管82と、高圧デリバリーパイプ83と、高圧燃圧センサ83aと、筒内噴射弁84とを含む。高圧デリバリーパイプ83は、筒内噴射弁84から噴射するための燃料を貯留する「高圧貯留部」である。
筒内噴射弁84は、噴孔部84aを各シリンダ11の燃焼室内に露出する筒内噴射用インジェクタである。筒内噴射弁84が開弁動作するとき、高圧デリバリーパイプ83内の加圧された燃料が筒内噴射弁84の噴孔部84aから燃焼室16内に噴射される。
高圧ポンプ81は、低圧燃料配管52と高圧燃料配管82との間に接続される。チェック弁82aによって、高圧燃料配管82から高圧ポンプ81への燃料の逆流は防止されている。
高圧ポンプ81は、上流側管90と、下流側管91と、パルセーションダンパ92と、高圧ポンプ本体93と、電磁スピル弁94とを含む。高圧ポンプ81の上流側管90は、低圧燃料配管52から分岐した低圧燃料配管52aに接続され、下流側管91は、高圧燃料配管82に接続される。
パルセーションダンパ92は、上流側管90に設けられるとともに、燃料圧力を受圧する弾性のダイヤフラムと、圧縮コイルばねとを有する。パルセーションダンパ92は、ダイヤフラムの弾性変形により内部容積を変化させ、上流側管90内の燃料の圧力脈動を抑制するように構成されている。
高圧ポンプ本体93では、加圧室931aが、プランジャ932の往復移動によって容積を変化させる。電磁スピル弁94は、開弁時には、プランジャ932の変位に応じた加圧室931a内への燃料の吸入と加圧室931a内の燃料の低圧燃料配管52への送出を許容し、閉弁時には、逆止弁として機能する。
フォロアリフタ934は、カム933aに押圧されることによりプランジャ932を摺動させる。戻りばね935は、ポンプハウジング931とフォロアリフタ934との間に設けられた圧縮コイルばねを含み、フォロアリフタ934をカム933aに付勢している。
カムシャフト933は、エンジン10の排気カムシャフトの一端に設けられているとともに、端部にカム933aを有している。エンジン10の駆動中はカムシャフト933は常に回転しているため、高圧ポンプ本体93はエンジン10の駆動に連動して作動する。
高圧デリバリーパイプ83は、シリンダ11の直列配置方向の一端側で、高圧燃料配管82に接続される。高圧デリバリーパイプ83には、筒内噴射弁84が連結される。高圧デリバリーパイプ83には、内部の燃料圧力を検出する高圧燃圧センサ83aが装着される。
エンジンECU141は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入力インターフェース回路、出力インターフェース回路などを含んで構成される。エンジンECU141は、図1のPM−ECUからエンジン起動/停止指令を受けて、エンジン10および燃料供給装置15を制御する。
エンジンECU141は、アクセル開度や吸入空気量やエンジン回転速度などに基づいて燃焼毎に必要な燃料噴射量を算出する。また、エンジンECU141は、算出した燃料噴射量に基づいて、ポート噴射弁54および筒内噴射弁84への噴射指令信号などを適時に出力する。
エンジンECU141は、エンジン10の始動時に、ポート噴射弁54による燃料噴射を最初に実施させる。そして、ECU140は、高圧燃圧センサ83aにより検出される高圧デリバリーパイプ83内の燃料圧力が予め設定された圧力値を超えたとき、筒内噴射弁84への噴射指令信号の出力を開始する。
さらに、エンジンECU141は、例えば筒内噴射弁84からの筒内噴射を基本としながら、エンジン10の始動暖機時や低回転高負荷時などのように筒内噴射では混合気形成が不十分となる特定の運転状態下では、ポート噴射を併用する。または、エンジンECU141は、例えば筒内噴射弁84からの筒内噴射を基本としながら、ポート噴射が有効な高回転高負荷時などにポート噴射弁54からのポート噴射を実行する。
本実施の形態では、燃料供給装置15は、低圧燃料供給機構50の圧力が可変に制御可能である点が特徴的である。以下、燃料供給装置15の低圧燃料供給機構50についてより詳細に説明する。
燃料圧送部51は、燃料タンク511と、フィードポンプ512と、サクションフィルタ513と、燃料フィルタ514と、リリーフ弁515と、これらを連結する燃料管516とを含む。
燃料タンク511は、エンジン10で消費される燃料、例えばガソリンを貯留する。サクションフィルタ513は、異物の吸入を阻止する。燃料フィルタ514は、吐出燃料中の異物を除去する。
リリーフ弁515は、フィードポンプ512から吐出される燃料の圧力が上限圧力に達すると開弁し、燃料の圧力が上限圧力に満たない間は閉弁状態を維持する。
低圧燃料配管52は、燃料圧送部51から低圧デリバリーパイプ53までを連結する。ただし、低圧燃料配管52は、燃料パイプに限定されるものではなく、燃料通路が貫通形成される1つの部材や、互いの間に燃料通路が形成される複数の部材であってもよい。
低圧デリバリーパイプ53は、シリンダ11の直列配置方向の一端側で、低圧燃料配管52に接続される。低圧デリバリーパイプ53には、ポート噴射弁54が連結される。低圧デリバリーパイプ53には、内部の燃料圧力を検出する低圧燃圧センサ53aが装着されている。
ポート噴射弁54は、噴孔部54aを各シリンダ11に対応する吸気ポート21内に露出するポート噴射用インジェクタである。ポート噴射弁54が開弁動作するとき、低圧デリバリーパイプ53内の加圧された燃料が、ポート噴射弁54の噴孔部54aから吸気ポート21内に噴射される。
フィードポンプ512は、エンジンECU141から発信される指令信号に基づいて、駆動および停止される。
フィードポンプ512は、燃料タンク511内から燃料を汲み上げ、汲み上げた燃料を、例えば1[MPa:メガパスカル]未満の一定可変範囲内の圧力に加圧して吐出することが可能である。さらに、フィードポンプ512は、エンジンECU141の制御により、単位時間当りの吐出量[m/sec]や吐出圧[kPa:キロパスカル]を変化させることが可能である。
このようにフィードポンプ512を制御することは、以下の点で好ましい。まず、低圧デリバリーパイプ53は、エンジンが高温となると内部の燃料が気化するのを防ぐため、気化しない程度に圧力をかけておく必要がある。しかし圧力を高くしすぎるとポンプの負荷が大きくエネルギロスが大きい。燃料の気化を防止するための圧力は温度によって変化するので必要な圧力を低圧デリバリーパイプ53にかけることでエネルギロスを少なくすることができる。また、フィードポンプ512を適切に制御することによって、エンジンが消費した量に相当する分の燃料を送出するようにすれば、無駄に加圧するエネルギを節約することができる。したがって、一旦余分に加圧してからプレッシャレギュレータで圧力を一定にする構成よりも燃費を向上させる点で有利である。
フィードポンプ512による可変燃圧制御には、ポート噴射を行なう燃料を貯留する低圧デリバリーパイプ53に設けられた低圧燃圧センサ53aの検出値の信頼性を確保する必要がある。このため、上述のような低圧燃圧センサ53aの検出値のスタック検出が定期的に行なわれる。
(スタック検出制御の基本処理の説明)
スタック検出は、低圧燃圧センサ53aの検出値が固定値となっていないことを確認する故障検出であり、低圧燃圧センサ53aの検出値が変化することを確認するためには、少なくとも低圧燃圧センサ53aの検出値を2点の圧力で確認する必要がある。
一例では、次に示す図3の波形のように、エンジン始動後通常使用時よりも高圧に燃圧を昇圧させてから、燃圧を降圧させてスタック検出が行なわれる。図3は、スタック検出処理が実行された場合の燃圧変化の一例を示した波形図である。
図3を参照して、時刻t1において、エンジン10が運転状態にある場合にPM−ECU140からエンジン停止指令が出力され、それに応じてエンジンECU141はエンジン10を停止させる。時刻t1〜t2の間は、低圧デリバリーパイプ53の目標燃圧P0=0[kPa]に設定される。
続いて、時刻t2においてPM−ECU140からエンジン起動指令が出力されると、それに応じてエンジンECU141は、エンジン10の運転を開始するとともに、スタック検出を行なうために、目標燃圧P0を以下の順で変化させる。
まず、時刻t2〜t3において、目標燃圧P0をPH(たとえば、644[kPa])に設定する。PHは、低圧燃圧センサ53aのスタック検出のために、通常使用する燃圧よりも高く設定される。燃圧が安定する時間が経過した時点t3において燃圧センサ検出値Aを取得する。
その後、時刻t4〜t5において、目標燃圧P0を、PHよりも低いPL(たとえば、400[kPa])に設定し、燃圧が安定する時間が経過した時点t5において燃圧センサ検出値Bを取得する。
検出値A,Bが揃うと、スタック故障発生の有無を診断する。具体的には、検出値AがPH近傍の値を示し、かつ、検出値BがPL近傍の値を示していれば、低圧燃圧センサ53aが正常であると判断する。一方、検出値AおよびBが同じ値を示していれば、低圧燃圧センサ53aにスタック故障が発生していると判断する。
なお、時刻t1〜t2においては、目標燃圧P0=0[kPa]に設定されるが、エンジンが停止するとポート噴射弁からの噴射がなく、低圧デリバリーパイプの燃圧を下げることができないので、実燃圧P1は目標燃圧P0には追従しない。さらに、低圧デリバリーパイプ内に密閉状態となった燃料がエンジンからの熱によって膨張するために、実燃圧P1が上昇する場合もある。このような場合には、低圧から高圧に目標燃圧P0を変化させてスタック検出を行なうと、一旦燃圧を下げないとスタック検出ができない。そのため、図3に示されるように、目標燃圧P0を高圧から低圧に変化させることで、早期にスタック検出を開始することを可能としている。
(低圧燃料配管系における燃圧の脈動)
以上のようにスタック検出を行なう場合において、エンジン10の回転速度がある範囲内にあるときには、低圧デリバリーパイプ53の燃圧に脈動が発生する。図4は、図3に示される実燃圧P1の変化の一部を拡大した波形図である。図4にはエンジン回転速度の変化が併せて示されている。
図4を参照して、目標燃圧P0が高く設定される時刻t2〜t3の間に、低圧燃圧センサ53aの検出値が安定せず、著しい変動が生じている。この燃圧センサの検出値の変動は、エンジン回転速度がNe1[rpm]近傍となる時刻ta〜tbに現われている。以下、燃圧センサの検出値が変動する原因について説明する。
図5は、燃料タンク511から高圧デリバリーパイプ83および低圧デリバリーパイプ53に至る経路を示した模式図である。図5を参照して、燃料タンク511内のフィードポンプ512からは、低圧燃料配管52が低圧デリバリーパイプ53に向かって延びており、低圧燃料配管52aが高圧デリバリーパイプ83に向かって延びている。低圧燃料配管52aの高圧デリバリーパイプ83側の端には、高圧ポンプ81が設けられている。
フィードポンプ512は、エンジンECU141に制御される電気モータによって駆動され、燃圧を変更可能な電気式ポンプである。一方、高圧ポンプ81は、エンジン10の回転に応じて駆動される機械式ポンプである。
高圧ポンプ81は、低圧燃料配管52aの燃料を吸い込み、加圧して高圧デリバリーパイプ83に送出する。このような高圧ポンプ81の作動に起因して、低圧燃料配管52aの高圧ポンプ81の吸引側接続端には、カムの回転に起因する燃圧の脈動が生じる。この脈動の起振源は、高圧ポンプ81のプランジャ932の燃料吸い込みである。
ここで、低圧燃料配管系は、図5に示した低圧燃料配管52および52aの合計配管長L等の寸法および配管の材質(金属、樹脂など)によって定まる、固有の共鳴周波数を有している。そのため、燃圧の脈動周波数がこの低圧燃料配管系の共鳴周波数に一致すると、低圧燃料配管系に共鳴現象が発生する。
低圧燃料配管系に共鳴現象が発生することにより、燃圧に重畳される脈動成分が増大する。燃圧に顕著な脈動が生じると、低圧デリバリーパイプ53などの低圧燃料配管系を構成する部品に対して応力が作用するため、部品の耐久性を低下させる要因となり得る。
図4に示したように、低圧燃料配管系に共鳴現象が生じるときの脈動の周波数は、ある限られた範囲のエンジン回転速度に相当する。これは、脈動の周波数はカム933aの回転速度に伴なって変化するところ、カム933aの回転速度はエンジン10の回転速度に比例しているためである。この結果、エンジン10の回転速度の倍数が低圧燃料配管系の共鳴周波数に一致したときに、燃圧に顕著な脈動が現われる。
図6は、燃圧脈動の振幅と目標燃圧との関係を説明するための図である。図6の横軸にはエンジン回転速度[rpm]が示され、縦軸には燃圧の脈動振幅[kPa]が示される。
図6に示されるように、特定の回転速度範囲において、燃圧脈動の振幅が大きくなる。この特定の回転速度範囲は、燃料配管系の共鳴周波数に対応するエンジン回転速度(図中のNe1,Ne2,Ne3に相当)を中心とする回転速度範囲である。以下の説明では、燃料配管系の共鳴周波数に対応するエンジン回転速度を「脈動中心」と称するとともに、燃圧の脈動が顕著となるエンジン回転速度の範囲を「共鳴範囲」と称する。
本発明者らの実験によれば、目標燃圧P0を300[kPa],400[kPa],530[kPa],644[kPa]と変化させた場合、各共鳴範囲で燃圧が高い方が燃圧脈動の振幅が大きくなることが分かった。特に、低圧燃圧センサ53aのスタック検出はエンジン始動直後に行なわれるために、アイドル回転速度NeX付近に目標エンジン回転速度が設定される場合が多いが、アイドル回転速度NeX付近では目標燃圧を高くすると脈動の振幅が大きくなる。
目標燃圧が高くなるほど燃圧脈動の振幅が大きくなる原因の一つに、低圧燃料配管52aの端部に設けられる高圧ポンプ81において、燃圧が高くなるとパルセーションダンパ92の燃圧脈動を抑制する能力が低下することがある。
図7は、パルセーションダンパ92の弾性変形による内部容積変化率および燃圧脈動の振幅と目標燃圧との関係を説明するための図である。図7の横軸には目標燃圧[kPa]が示され、左縦軸には容積変化率[CC/Mpa]が示され、右縦軸には燃圧の脈動振幅[kPa]が示される。
図7を参照して、パルセーションダンパ92による容積変化率が低下するに伴なって燃圧脈動の振幅が大きくなることが分かる。特に、目標燃圧P0が400[kPa]よりも高圧側では、燃圧が高くなるほど容積変化率が低下するため、燃圧脈動の振幅が大きくなっている。
なお、300[kPa]〜530[kPa]の燃圧範囲は、通常の運転時に設定される目標燃圧の範囲に相当する。一方、644[kPa]は、上述した燃圧センサのスタック検出を行なうための診断用の燃圧に相当する以外に、エンジン高温再始動時に設定される目標燃圧に相当する。エンジンが高温になることで内部の燃料が気化することを防ぐためである。
(エンジン回転速度の制御)
図8は、燃圧脈動とエンジン回転速度との関係を説明するための図である。図8の横軸にはエンジン回転速度[rpm]が示され、縦軸には目標燃圧P0を300[kPa],400[kPa],530[kPa],644[kPa]と変化させた場合の燃圧センサの検出値[kPa]が示される。
図8の領域RGN1,RGN2,RGN3は、エンジン回転速度Ne1,Ne2,Ne3をそれぞれ脈動中心とする共鳴範囲を示している。上述したように、エンジン回転速度が共鳴範囲内にあるときには、燃圧センサの検出値に脈動成分に起因する変動が顕著に現われる。したがって、これらの共鳴範囲内の回転速度でエンジン10を運転させると、低圧燃料配管系の部品の経時劣化が進行するため、部品の耐久性を低下させてしまう。
そこで、本実施の形態では、エンジン要求パワーを出力するための動作点により定まるエンジン目標回転速度が共鳴範囲内にあると判定された場合には、エンジン目標回転速度が共鳴範囲外になるように、エンジン10の動作点を変更する。エンジン回転速度を共鳴範囲外に変更することで、低圧燃料配管系に生じる共鳴を抑制することができる。これにより、燃圧の脈動が低減されるため、部品の耐久性の低下を防止することができる。
図9は、本実施の形態におけるエンジン回転速度の制御について説明するための図である。図9の横軸にはエンジン回転速度Neが示され、縦軸にはエンジントルクTeが示される。図1に示したハイブリッド車両1は、モータジェネレータ20,30および動力分割機構40を用いて無段変速を行なうことができる。したがって、車速に対してエンジン回転速度を比較的自由に設定することが可能である。
図9を参照して、燃費ラインFは、エンジン回転速度NeおよびエンジントルクTeをパラメータとしてエンジン10が最も効率良く(すなわち最適な燃費で)運転可能な動作点を繋ぎ合わせた動作ライン(以下、「最適燃費ライン」という)である。
一方、エンジンパワーPEは、エンジン回転速度NeとエンジントルクTeとの積(PE=Ne×Te)であるため、一定のPEを出力とするエンジン10の動作点を示す線(以下、「等パワーライン」という)は、図9に示すような反比例曲線で示される。
エンジンECU141は、最適燃費ラインFと等パワーラインを示す線PEとの交点から、最適燃費回転速度NeAおよび最適燃費トルクTeAを算出する。最適燃費回転速度NeAおよび最適燃費トルクTeAの組合せからなる動作点P0を目標動作点に設定し、これを実現するように点火時期や燃料噴射量を制御することによって、エンジン10は最も効率良くエンジン要求パワーPEを出力することができる。
ここで、最適燃費回転速度NeAが、共鳴範囲(図中のRGN1)である回転速度範囲NL〜NHの内に含まれている場合について検討する。この場合、スタック検出時および高温再始動時において目標燃圧を高くすると、共鳴現象によって低圧デリバリーパイプ53における燃圧の脈動が増大するため、結果的に低圧燃料配管系の部品の耐久性を低下させてしまう。
そこで、エンジンECU141は、エンジン回転速度の目標値(目標回転速度)NeTを、最適燃費回転速度NeAから、共鳴範囲(回転速度範囲NL〜NH)から高回転側に外れたエンジン回転速度NeBに変更する(NeB>NeA)。共鳴現象を回避することによって、燃圧の脈動が低圧配管系の部品の耐久性に及ぼす影響を低減できる。
以下、エンジン回転速度の変更を行なうための制御について説明する。
最適燃費回転速度NeAからエンジン回転速度NeBに変更するためには、図9中に矢印A1で示されるように、エンジン動作点を、動作点P0から、最適燃費ラインF上の高回転側の動作点P1にシフトさせる方法がある。この方法によれば、エンジンパワーが増える一方で良好なエネルギ効率でエンジン10を運転させることができる。
あるいは、図9中に矢印A2で示されるように、動作点P0を、等パワーラインPE上の高回転側の動作点P2にシフトさせる方法がある。この方法によれば、エンジンパワーが増えないものの、エンジン10のエネルギ効率を低下させてしまう。
図9に示されるように、目標動作点を、動作点P0から動作点P1にシフトさせることで、エンジン要求パワーはPEからPE1に増加する。図9中に点線で示される線PE1は、動作点P1を含む等パワーラインである。エンジンパワーPE1は、エンジン回転速度NeBとエンジントルクTeB1との積である(PE1=NeB×TeB1)。
ハイブリッド車両1において、このエンジン要求パワーの増加分(=PE1−PE)は、バッテリ70の充放電パワーの絶対値(|Pb|)の増加分となる。すなわち、エンジン要求パワーの増加分によってバッテリ70が充電される。詳細には、ハイブリッド車両1では、動力分割機構40のサンギヤSG、キャリアCAおよびリングギヤRGの各回転速度、すなわち、モータジェネレータ20、エンジン10およびモータジェネレータ30の各回転速度は、図10に示すように、共線図において直線で結ばれる関係となる。
図10の縦線Y1は、サンギヤSGの回転数、すなわちモータジェネレータ20(MG1)の回転速度Nm1を示す。縦線Y2は、キャリアCAの回転速度、すなわちエンジン10の回転速度NEを示す。縦線Y3は、リングギヤRGの回転速度、すなわちモータジェネレータ30(MG2)の回転速度Nm2を示す。なお、縦線Y1〜Y3の間隔は、動力分割機構40のギヤ比ρに応じて定められている。
図10を参照して、共線図200(実線)は、図9の動作点P0でエンジン10が運転している状態を示している。リングギヤRGの回転速度を一定とした状態で、エンジン10の動作点P0を動作点P1にシフトさせることにより、共線図210(点線)で示されるように、モータジェネレータ20の回転速度Nm1が正方向(図中上方向)に変化する。エンジン10からの出力に対してモータジェネレータ20が負のトルクTm1(エンジン10の回転速度を抑え込む方向のトルク)を出力することによって、発電が行なわれる。
リングギヤRGに対しては、モータジェネレータ20の出力トルクTm1に従うエンジン直達トルク(−Tm1/ρ)が伝達されるとともに、モータジェネレータ30からトルクTm2が出力される。エンジン直達トルク(−Tm1/ρ)およびモータジェネレータ30の出力トルクTm2の和によって、アクセル開度および車速に応じて設定された要求トルクが確保される。
このとき、バッテリ70には、モータジェネレータ20の出力トルクTm1および回転速度Nm1の積に基づいて演算される消費電力(発電電力)と、モータジェネレータ30の出力トルクTm2および回転速度Nm2の積で演算される消費電力(発電電力)との和が入出力される。すなわち、バッテリ70の充放電パワーPbは、モータジェネレータ20によって入出力される電力(Tm1×Nm1)と、モータジェネレータ30によって入出力される電力(Tm2×Nm2)との和となる(Pb=Tm1×Nm1+Tm2×Nm2)。充放電パワーPbは、バッテリ70を放電する場合にはPb>0になり、バッテリ70を充電する場合にはPb<0になる。
一般的には、バッテリ70の充放電制限のための制約値として放電電力上限値Woutおよび充電電力上限値Winを設定することで、バッテリ70の充放電性能が制限される。放電電力上限値Woutは、放電電力の上限値を示しており、Wout≧0に設定される。Wout=0に設定されたときには、バッテリ70の放電が禁止されることを意味する。同様に、充電電力上限値Winは、充電電力の上限値を示しており、Win≦0に設定される。Win=0に設定されたときには、バッテリ70の充電が禁止されることを意味する。放電電力上限値Woutおよび充電電力上限値Winは、バッテリ70のSOCおよび/または温度に応じて設定される。
図9に示したように、エンジン10の目標動作点を、動作点P0から動作点P1にシフトさせた場合には、モータジェネレータ20が出力する負のトルクTm1の大きさが大きくなるため、モータジェネレータ20の発電電力が増加する。その結果、バッテリ70の充放電パワーPbが充電電力上限値Winを超えてしまう可能性がある。
そこで、動作点P1でエンジン10を運転させたときの充放電パワーPbがバッテリ70の充電電力上限値Winを超えてしまう場合には、目標動作点を、動作点P1にシフトさせるのに代えて、動作点P2にシフトさせる。これにより、バッテリ70が過充電となることを回避する。動作点P2にシフトさせる場合、エンジントルクがTeAからTeB2に低下するため、モータジェネレータ20が出力する負のトルクTm1の大きさも小さくなり、結果的にモータジェネレータ20の発電電力が減少する。また、リングギヤRGではエンジン直達トルク(−Tm/ρ)が小さくなるため、要求トルクを確保するためにモータジェネレータ30の出力トルクTm2を大きくすることにより、モータジェネレータ30の消費電力が増加する。この結果、充放電パワーPbがバッテリ70の充電電力上限値Winを超えることが抑制される。
以上のような制御によって、本実施の形態に係るエンジン回転速度の変更処理が実現される。なお、本実施の形態に係るエンジン回転速度の変更処理は、エンジン10の動作点を移動させるものであるため、エンジン効率の低下を伴なう場合がある。そこで、本実施の形態では、良好な燃費を保ちつつ、低圧燃料配管系の部品の耐久性低下を効果的に抑制するために、部品の経時劣化が進行していると判断された場合において、エンジン回転速度の変更処理を実行する。
図11から図13は、本実施の形態に係るエンジン回転速度の変更方法を説明するためのフローチャートである。なお、図11から図13に示すフローチャートは、制御装置100において予め格納したプログラムを実行することで実現できる。
図11を参照して、エンジンECU141は、エンジン回転速度の変更処理を実行するか否かを判断するために、低圧燃料配管系の部品の劣化状態を検出する。部品の劣化状態の検出は、低圧燃圧センサ53aの検出値に基づいて行なわれる。具体的には、エンジンECU141は、ステップS01により、低圧燃圧センサ53aの検出値と所定値Pmaxとを比較する。所定値Pmaxは、燃圧の脈動が顕著となるときの低圧燃圧センサ53aの検出値に相当する。エンジンECU141は、検出値と所定値Pmaxとの比較結果に基づいて、部品の耐久性に影響を及ぼす大きさの応力が部品に作用しているかどうかを判定する。所定値Pmaxは、たとえば、スタック検出時または高温再始動時の目標燃圧P0である644[kPa]に、そのときの脈動振幅(100[kPa]程度)を加算した値(744[kPa])に設定される。
燃圧センサの検出値が所定値Pmax以上であると判定された場合(S01のYES判定時)には、エンジンECU141は、ステップS02により、燃圧センサの検出値が所定値Pmax以上となる時間(以下、「燃圧脈動大時間」という)を積算する。燃圧脈動大時間は、部品の劣化が進んでいない時点(たとえば、新品時または部品交換時など)を起点として計算される。燃圧センサの検出値が所定値Pmax以上であると判定されると、当該時点の燃圧脈動大時間の値がインクリメントされる。
一方、低圧燃圧センサ53aの検出値が所定値Pmaxより小さい場合(S01のNO判定時)には、ステップS02の処理がスキップされる。
図12では、低圧燃料配管系の部品の劣化状態の検出結果に応じて、エンジン回転速度の変更処理が実行される。具体的には、エンジンECU141は、ステップS11により、PM−ECU140により指示されたエンジン要求パワーPEから、燃費が最適となるエンジン目標回転速度NeAを算出する。エンジン目標回転速度NeAは、図9の最適燃費ラインFと等パワーラインを示す線PEとの交点に基づいて算出される。
次に、エンジンECU141は、ステップS12により、図11のステップS02により積算された燃圧脈動大時間が所定値Tth以上であるか否かを判定する。ステップS02における所定値Tthは、低圧燃料配管系の部品の耐久時間に応じて設定される。部品の耐久時間とは、部品の劣化が進んでいない時点から部品に故障が発生する時点までの時間に相当する。すなわち、所定値Tthは、部品が故障する可能性があるか否かを判別するための判別値であり、当該部品の耐久時間より短い時間に設定される。
燃圧脈動大時間が所定値Tth以上であると判定された場合(S12のYES判定時)には、エンジンECU141は、燃圧に顕著な脈動が生じることで部品が故障する可能性が高いと判断する。したがって、エンジンECU141は、低圧燃料配管系に共鳴が発生するのを抑制するために、エンジン回転速度の変更処理を実行する。
具体的には、エンジンECU141は、まず、低圧デリバリーパイプ53の目標燃圧が所定値以上であるか否かを判定する。所定値は、燃圧に顕著な脈動が発生するか否かを判定するための判定値であり、たとえば、スタック検出時または高温再始動時の目標燃圧(たとえば、644[kPa])に設定される。
ステップS13にて目標燃圧が所定値以上であると判定された場合(S13のYES判定時)には、エンジンECU141は、ステップS14により、エンジン目標回転速度NeAが共鳴範囲内であるか否かを判定する。共鳴範囲は、図89に示される領域RGN1,RGN2,RGN3に対応しており、たとえば、燃料配管系の共鳴周波数に対応するエンジン回転速度(脈動中心)から±150[rpm]の回転速度範囲である。
ステップS14にてエンジン回転速度NeAが共鳴範囲内であると判定された場合(S14にてYES判定時)には、エンジンECU141は、ステップS15に進み、共鳴範囲から外れるようにエンジン目標回転速度NeTを変更する。このとき、エンジンECU141は、エンジン目標回転速度NeTを、エンジン目標回転速度NeAから、共鳴範囲から高回転側に外れたエンジン目標回転速度NeBに変更する。たとえば、共鳴範囲が脈動中心±150[rpm]である場合には、エンジン目標回転速度NeAを、共鳴範囲の幅に相当する300[rpm]だけ高回転側にシフトさせることにより、エンジン目標回転速度NeTが共鳴範囲から外れる。
一方、燃圧脈動大時間が所定値Tthより短い場合(S12のNO判定時)、目標燃圧が所定値より低い場合(S13のNO判定時)、または、エンジン目標回転速度NeAが共鳴範囲内にないと判定された場合(S14のNO判定時)には、エンジンECU141は、ステップS16に進み、エンジン目標回転速度NeTとしてエンジン目標回転速度NeAをそのまま採用する。
ステップS15またはS16においてエンジン目標回転速度NeTが決定されると、制御はメインルーチンに戻される。その後、エンジン目標回転速度NeTとなるようにエンジン10が制御される。
図13を参照して、図12のステップS15の処理(エンジン回転速度の変更処理)の詳細を説明する。
エンジンECU141は、エンジン目標回転速度NeTとして、共鳴範囲外のエンジン目標回転速度NeBが決定されると、ステップS21により、図9に示す最適燃費ラインF上でエンジン目標回転速度NeBに対応する動作点(図9中の動作点P1に対応)を設定する。
さらに、エンジンECU141は、ステップS22により、図9に示す等パワーラインPE上でエンジン目標回転速度NeBに対応する動作点(図9中の動作点P2に対応)を設定する。
次に、エンジンECU141は、ステップS23により、動作点P1(エンジン回転速度NeBおよびエンジントルクTeB1)でエンジン10を動作させた場合を想定し、この場合におけるバッテリ70の充放電パワーPbを算出する。充放電パワーPbは、モータジェネレータ20によって入出力される電力(Tm1×Nm1)と、モータジェネレータ30によって入出力される電力(Tm2×Nm2)との和となる(Pb=Tm1×Nm1+Tm2×Nm2)。
PM−ECU140では、ステップS24により、バッテリECU143により演算されたバッテリ70のSOCおよび/または、バッテリ70の温度に応じて、バッテリ70の充電電力上限値Winおよび放電電力上限値Woutが設定される。
エンジンECU141は、ステップS25により、動作点P1でエンジン10を動作させたときの充放電パワーPbがバッテリ70の充放電制限(Win〜Wout)の範囲内にあるか否かを判定する。
充放電パワーPbがバッテリ70のWin〜Woutの範囲内にあると判定された場合(S25のYES判定時)には、エンジンECU141は、ステップS26に進み、エンジン10の目標動作点を動作点P1に設定する。そして、エンジン10が動作点P1(エンジン回転速度NeBおよびエンジントルクTeB1)で動作するように、エンジン10の運転状態を制御する。
これに対して、充放電パワーPbがバッテリ70のWin〜Woutの範囲を超えると判定された場合(S25のNO判定時)には、エンジンECU141は、ステップS27に進み、目標動作点を動作点P2に設定する。そして、エンジン10が動作点P2(エンジン回転速度NeBおよびエンジントルクTeB2)で動作するように、エンジン10の運転状態を制御する。
以上説明したように、本実施の形態によれば、エンジン10の目標動作点により定まるエンジン目標回転速度が共鳴範囲内にあると判定された場合には、エンジン目標回転速度が共鳴範囲外になるように、目標動作点を変更する。これにより、エンジン回転速度が共鳴範囲外に変更されるため、低圧燃料配管系に生じる共鳴を抑制することができる。この結果、低圧燃料配管系における燃圧の脈動が低減されるため、部品の耐久性の低下を防止することができる。
また、低圧燃料配管系の部品の経時劣化が進行していると判断された場合において、エンジン回転速度の変更処理を実行することにより、良好な燃費を保ちつつ、当該部品の耐久性低下を効果的に抑制することができる。
[変形例]
上記の実施の形態では、エンジン回転速度の変更処理として、エンジン目標回転速度を、最適燃費回転速度から、共鳴範囲から高回転側に外れたエンジン回転速度に変更する構成について例示したが、共鳴範囲から低回転側に外れたエンジン回転速度に変更する構成としてもよい。
図14は、本実施の形態の変形例における、エンジン回転速度の制御について説明するための図である。図14の横軸にはエンジン回転速度Neが示され、縦軸にはエンジントルクTeが示される。
図14を参照して、最適燃費回転速度NeAが、共鳴範囲(図中のRGN2)である回転速度範囲NL〜NHの内に含まれている場合には、エンジンECU141は、エンジン目標回転速度NeTを、最適燃費回転速度NeAから、共鳴範囲から低回転側に外れたエンジン回転速度NeB3に変更する(NeB3<NeA)。
具体的には、図14中に矢印A3で示されるように、目標動作点を、動作点P0から、最適燃費ラインF上の低回転側の動作点P3にシフトさせる。目標動作点を、動作点P0から動作点P3にシフトさせることで、エンジン要求パワーはPEからPE3に減少する。図14中に点線で示される線PE3は、動作点P3を含む等パワーラインである。エンジンパワーPE3は、エンジン回転速度NeBとエンジントルクTeB1との積である(PE1=NeB3×TeB3)。
本変形例では、このエンジン要求パワーの減少分(=PE3−PE)を、バッテリ70の充放電パワー|Pb|の減少分とする。PM−ECU140は、バッテリ70のSOC制御のための充放電要求パワーPb*を設定する。充放電要求パワーPb*は、バッテリ70の放電を促す場合にはPb*>0に設定され、バッテリ70の充電を促す場合にはPb*<0に設定される。なお、エンジン要求パワーPEは、ハイブリッド車両1の走行に必要なパワー(走行パワー)Pr*と、充放電要求パワーPb*との和で示される(PE=Pr*−Pb*)。
SOC制御では、バッテリ70のSOCをSOC目標値に近付けるように、充放電要求パワーPb*が設定される。すなわち、SOCがSOC目標値よりも低いと、Pb*<0に設定されることにより、エンジン要求パワーPEは、走行パワーPrよりも大きくなる。反対に、SOCがSOC目標値よりも高いと、Pb*>0に設定されることにより、エンジン要求パワーPEは、走行パワーPrよりも小さくなる。
上述のように、目標動作点を、動作点P0から動作点P3にシフトさせる場合には、通常時のSOC制御に比べて、同一のSOC偏差(SOC目標値に対するSOCの不足量)に対する充放電要求パワーPb*の絶対値(|Pb*|)が小さくなるように、充放電要求パワーPb*(Pb*<0)が設定される。本変形例によれば、目標動作点を等パワーライン上を高回転側にシフトさせる場合(図9の矢印A2の場合)と比較して、|Pb*|の縮小によりバッテリ70の充電量が減少するものの、エンジン10のエネルギ効率の低下を抑制することができる。
再び図8を参照して、エンジン目標回転速度が領域RGN2またはRGN3に示す共鳴範囲にある場合には、目標動作点を、最適燃費動作点P0から最適燃費ラインF上の高回転側の動作点P1(図9)にシフトさせる方法と、等パワーラインPE上の高回転側の動作点P2(図9)にシフトさせる方法と、最適燃費ラインF上の低回転側の動作点P3(図14)にシフトさせる方法とがある。バッテリ70の充放電制限(充電電力上限値Winおよび放電電力上限値Wout)およびエンジン10のエネルギ効率に応じて、これら3つの方法のうちのいずれを選択することにより、バッテリ70のSOC制御およびエンジン10のエネルギ効率に影響を与えずに、低圧燃料配管系における燃圧の脈動を低減することが可能となる。
なお、図1で示したハイブリッド車両1は、シリーズ・パラレル型のハイブリッド車両であり、エンジン10およびモータジェネレータ30の少なくとも一方を駆動源として走行可能に構成されるものであったが、他の方式のハイブリッド車両であっても本発明を適用可能である。すなわち、本発明は、エンジンの出力によって蓄電装置のSOCを増加できる構成を具備するハイブリッド車両に対して共通に適用することができる。
また、図2では、筒内噴射弁とポート噴射弁とを有するエンジンを例示したが、本発明は、筒内噴射弁が無くポート噴射弁のみを有するエンジンに適用することも可能である。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 ハイブリッド車両、10 エンジン、11 シリンダ、15 燃料供給装置、16 回転軸、20,30 モータジェネレータ、21 吸気ポート、36 吸気マニホールド、40 動力分割機構、50 低圧燃料供給機構、51 燃料圧送部、52,52a 低圧燃料配管、53 低圧デリバリーパイプ、53a 低圧燃圧センサ、54 ポート噴射弁、54a,84a 噴孔部、58 リダクション機構、62 駆動輪、70 バッテリ、80 高圧燃料供給機構、81 高圧ポンプ、82 高圧燃料配管、82a チェック弁、83a 高圧デリバリーパイプ、84 筒内噴射弁、90 上流側管、91 下流側管、92 パルセーションダンパ、93 高圧ポンプ本体、94 電磁スピル弁、100 制御装置、140 PM−ECU、141 エンジンECU、142 モータECU、143 バッテリECU、511 燃料タンク、512 フィードポンプ、513 サクションフィルタ、514 燃料フィルタ、515 リリーフ弁、516 燃料配管、931 ポンプハウジング、931a 加圧室、932 プランジャ、933 カムシャフト、933a カム、934 フォロアリフタ、935 ばね。

Claims (1)

  1. エンジンと、
    蓄電装置と、
    前記蓄電装置からの電力によって車両駆動力を発生する電動機と、
    前記エンジンに燃料を供給する燃料供給装置と、
    前記エンジン、前記電動機および前記燃料供給装置を制御する制御装置とを備え、
    前記燃料供給装置は、
    吸気通路に噴射するための燃料を貯留する貯留部と、
    燃料を加圧して前記貯留部に供給するフィードポンプと、
    筒内に噴射するための燃料を貯留する高圧貯留部と、
    前記エンジンの回転に応じて駆動され、燃料を加圧して前記高圧貯留部に供給する高圧ポンプとを含み、
    前記貯留部に貯留される燃料の圧力は、前記高圧貯留部に貯留される燃料の圧力よりも低く設定され、
    前記制御装置は、車両走行に要求される走行パワーと前記蓄電装置のSOCを制御するための前記蓄電装置の充放電パワーとの和に従って前記エンジンの出力パワーを制御するとともに、前記貯留部に貯留される燃料の圧力が目標燃圧になるように前記フィードポンプを制御するように構成され、
    前記制御装置は、
    前記エンジンに要求されるパワーを出力するための動作点により定まる前記エンジンの目標回転速度が、前記貯留部に共鳴現象を発生し得る共鳴範囲内にあると判定された場合には、前記目標回転速度が前記共鳴範囲外になるように、前記エンジンの効率に従って予め設定される最適動作線上、または、エンジン出力パワーが同一となる動作点の集合である等パワー線上に沿って、前記エンジンの動作点を変更する、ハイブリッド車両。
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