JP2016144967A - 車両制御装置 - Google Patents
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Abstract
Description
オートクルーズ制御としては、自車両の速度を運転者操作に基づくセット車速で一定に維持する「定速走行制御」としてのオートクルーズ制御や、自車両の前方に先行車両を検出したとき当該先行車両に自車両を追従させる「追従走行制御」としてのオートクルーズ制御などが知られている。
追従走行制御は、車間距離制御付クルーズコントロール(ACC:Adaptive Cruise Control)として実用化されている。ACCでは、自車両の前方に先行車両を検出している状態では、自車速がセット車速以下であれば当該先行車両への追従制御が行われ、先行車両への追従によりセット車速を超えてしまう場合、及び先行車両が検出されていない状態ではセット車速での定速走行制御が行われる。
ACCの実行中においては、自車両の先行車両に対する相対速度等の先行車両情報、或いはセット車速と自車速との速度偏差等に応じて目標加速度(加/減速度)を設定し、目標加速度に応じた要求トルクを計算し、要求トルクに基づいて電子制御スロットル弁の開度制御(エンジンの出力制御)やブレーキ制御等を行い、目標加速度に応じた加速度を発生させる。
また、このようにエンジン回転数が過剰に上昇した状態でギア抜けが解消され、エンジンから車輪への動力伝達が再開すると、車両が急加速してしまう虞もある。
これにより、オートクルーズ制御中におけるエンジン回転数の上昇に対し、アクセルオーバーライドの有無によってオートクルーズ制御の停止/非停止が適切に制御される。
これにより、運転者がオートクルーズ制御で目標とされる車速よりも速い車速への加速を要求しているか否かが適正に判定される。
これにより、オーバーライド判定は複数の信号を用いることなく比較的簡易に行うことが可能とされる。
これにより、ギア抜けに伴うエンジン回転数の上昇をより早期に検知することが可能とされる。
図1は、本発明に係る実施の形態としての車両制御装置1の構成概要を示したブロック図である。なお、図1では、車両制御装置1の構成のうち主に本発明に係る要部の構成のみを抽出して示している。
車両制御装置1は、自車両に対して設けられた撮像部2、画像処理部3、メモリ4、運転支援制御部5、表示制御部6、エンジン制御部7、トランスミッション制御部8、ブレーキ制御部9、センサ・操作子類10、表示部11、エンジン関連アクチュエータ12、トランスミッション関連アクチュエータ13、ブレーキ関連アクチュエータ14、及びバス15を備えて構成されている。
撮像部2には、二つのカメラ部が設けられている。各カメラ部は、それぞれカメラ光学系とCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子とを備えて構成され、前記カメラ光学系により前記撮像素子の撮像面に被写体像が結像されて受光光量に応じた電気信号が画素単位で得られる。
各カメラ部は、いわゆるステレオ撮像法による測距が可能となるように設置されている。そして各カメラ部で得られた電気信号はA/D変換や所定の補正処理が施され、画素単位で所定階調による輝度値を表すデジタル画像信号(撮像画像データ)として画像処理部3に供給される。
具体的に、画像処理部3は、ステレオ撮像された各撮像画像データに基づく処理として、例えば以下のような処理を行う。先ず、各撮像画像データとしての撮像画像対に対し、対応する位置のずれ量(視差)から三角測量の原理によって距離情報を生成する。そして、距離情報に対して周知のグルーピング処理を行い、グルーピング処理した距離情報を予め記憶しておいた三次元的な道路形状データや立体物データ等と比較することにより、白線データ、道路に沿って存在するガードレール、縁石等の側壁データ、車両等の立体物データ等を抽出する。さらに、画像処理部3は、白線データや側壁データ等に基づいて自車走行路を推定し、自車走行路上に存在する立体物であって、自車両と略同じ方向に所定の速度(例えば、0Km/h以上)で移動するものを先行車両として抽出(検出)する。そして、先行車両を検出した場合には、その先行車情報として、車間距離cd(=自車両との車間距離)、相対速度ds(=車間距離cdの変化割合)、先行車速ss(相対速度ds+自車速js)、及び先行車加速度sac(=先行車速ssの微分値)を算出する。なお、自車速jsは、後述する車速センサ10aが検出する自車両の走行速度(後述するセット車速Stに対して「実車速」と呼ぶことができる)である。また、画像処理部3は、先行車両の中で、特に先行車速ssが所定値以下(例えば、4Km/h以下)で且つ加速していないものは、略停止状態の先行車両として認識する。
画像処理部3は、上記の先行車情報を例えば撮像画像データのフレームごとに算出し、算出した先行車情報を逐次、メモリ4に記憶(保持)させる。
ACCでは、センサ・操作子類10に設けられた所定の操作子による操作入力に基づいて、目標車速Stと目標車間距離Dtがセットされる。なお、本例において、運転者は操作により「長」、「中」、「短」の三つの車間距離モードから任意の車間距離モードを選択可能とされ、運転支援制御部5は、例えば、自車速jsに応じて、選択されたモード毎に異なる目標車間距離Dtを設定する。
なお、以下「目標車速St」については「セット車速St」と表記する。
また、運転支援制御部5は、定速走行制御中に先行車両を認識した場合には、当該先行車両との車間距離cdを目標車間距離Dtに収束させる追従走行制御(追従停止、追従発進も含む)を行う。具体的に、運転支援制御部5は、例えば、自車速jsとセット車速Stとの車速偏差(例えば「St−js」)を計算し、予め設定されたマップ等を参照することにより車速偏差と自車速jsとに応じた候補目標加速度Ac1を計算する。この際、車速偏差が正値である場合、候補目標加速度Ac1としては、自車速jsに応じた上限値の範囲内において、車速偏差が大きくなるほど大きな値が設定される。一方、車速偏差が負値である場合、候補目標加速度Ac1としては自車速jsに応じた下限値の範囲内において、速度偏差が小さくなるほど小さな値が設定される(車速偏差が負側に大きくなるほど減速側に大きな値が設定される)。
なお、上記の要求トルクTsは、オートクルーズ制御としてのACCに伴い算出される要求トルクであることから、以下では「オートクルーズ要求トルクTs」とも表記する。
また、図示は省略したが、センサ・操作子類10は、他のセンサとして、例えばエンジンへの吸入空気量を検出する吸入空気量センサ、吸気通路に介装されてエンジンの各気筒に供給する吸入空気量を調整するスロットル弁の開度を検出するスロットル開度センサ、エンジン温度を示す冷却水温を検出する水温センサ、車外の気温を検出する外気温センサや、自車走行路の勾配を検出する勾配センサ等も有する。
また、操作子としては、エンジンの始動/停止を指示するためのイグニッションスイッチや、前述したACC関連の操作を行うための操作子、自動変速機における自動変速モード/手動変速モードの選択や手動変速モード時におけるシフトアップ/ダウンの指示を行うためのセレクトレバーや、後述する表示部11に設けられたMFD(Multi Function Display)における表示情報の切り換えを行うための表示切換スイッチなどがある。
例えば、エンジン制御部7は、前述したイグニッションスイッチの操作に応じてエンジンの始動/停止制御を行う。また、エンジン制御部7は、エンジン回転数センサ10bやアクセル開度センサ10c等の所定のセンサからの検出信号に基づき、燃料噴射タイミング、燃料噴射パルス幅、スロットル開度等の制御も行う。エンジン制御部7は、ACC中においては、運転支援制御部5が目標加速度Asに基づき計算・出力した要求トルクTsと、自動変速機の変速比とに基づき、目標とするスロットル開度を例えばマップ等から求め、求めたスロットル開度に基づきスロットルアクチュエータの制御(エンジンの出力制御)を行う。
例えば、トランスミッション制御部8は、前述したセレクトレバーによって自動変速モードが選択されている際には、所定の変速パターンに従い変速信号を上記のアクチュエータに出力して変速制御を行う。また、トランスミッション制御部8は、手動変速モードの設定時には、セレクトレバーによるシフトアップ/ダウン指示に従った変速信号を上記のアクチュエータに出力して変速制御を行う。
ここで、前述のように本例における自動変速機はCVTとされ、上記の自動変速モード設定時の変速制御としては、変速比を連続的に変化させる制御が行われる。
図2は、実施の形態におけるオートクルーズ制御の停止制御について説明するための機能ブロック図であり、運転支援制御部5が実行するオートクルーズ制御の停止制御に係る各種の処理を機能ごとに分けてブロック化して示している。
図示するように運転支援制御部5は、オートクルーズ制御処理部5a、回転数上昇判定処理部5b、オーバーライド判定処理部5c、停止制御処理部5dを有している。
オートクルーズ制御処理部5aは、メモリ4に保持された先行車情報、及び車速センサ10aが検出した自車速jsの情報に基づき、前述した目標加速度Asを設定し、設定した目標加速度Asに基づき追従走行制御、又は定速走行制御を実現するための要求トルクTs、ブレーキ液圧、変速比を求め、それぞれエンジン制御部7、ブレーキ制御部9、トランスミッション制御部8に送出する。
なお、運転支援制御部5は、これら図3〜図5に示す処理をACCの実行中において実行する。また、図3及び図4の処理については、ACC実行中に繰り返し実行する。
エンジン回転数が予め設定された回転数上限値以上ではないと判定した場合、運転支援制御部5はステップS102に進み、回転数フラグとして「0」を設定する。一方、エンジン回転数が予め設定された回転数上限値以上であると判定した場合、運転支援制御部5はステップS103に進み、回転数フラグとして「1」を設定する。
なお、回転数フラグの初期値は「0」(つまり回転数非上昇状態に対応した値)である。
なお、オーバーライドフラグの初期値は「0」(つまり非アクセルオーバーライド状態に対応した値)である。
オーバーライドフラグが「0」でない場合、運転支援制御部5はステップS301に戻る。すなわち、オートクルーズ制御すなわちACCは停止されない。一方、オーバーライドフラグが「0」であれば、運転支援制御部5はステップS303に進み、オートクルーズ制御すなわちACCを停止する。
例えば、回転数上昇判定処理としては、エンジン回転数の単位時間あたりの上昇率を逐次計算し、該上昇率の値が予め定められた上限値以上となったか否かを判定する等、エンジン回転数の上昇率が所定の上昇率条件を満たしたか否かの判定として行ってもよい。
或いは、アクセルペダルに対してペダルの踏み込み量が所定量以上となったときにONするスイッチを設けておき、該スイッチのON/OFF判定をオーバーライド判定として行ってもよい。
上記のように実施の形態の車両制御装置(車両制御装置1)は、指定された走行条件を満たすように自車両の速度を制御するオートクルーズ制御を行うオートクルーズ制御部(オートクルーズ制御処理部5a)と、エンジン回転数の上昇が所定の条件を満たす態様により生じたか否かを判定する回転数上昇判定部(回転数上昇判定処理部5b)と、アクセルの操作量に相関する指標に基づき、オートクルーズ制御の実行中におけるアクセルオーバーライドの有無を判定するオーバーライド判定部(オーバーライド判定処理部5c)と、回転数上昇判定部による判定結果とオーバーライド判定部による判定結果とに基づいてオートクルーズ制御を停止させる停止制御部(停止制御処理部5d)とを備えている。
従って、オートクルーズ制御中に生じたギア抜けによるエンジン回転数の過剰な吹け上がりや急加速の防止を図りつつ、運転者の意図に反してオートクルーズ制御が停止されてしまうことの防止を図ることができる。
これにより、オートクルーズ制御中におけるエンジン回転数の上昇に対し、アクセルオーバーライドの有無によってオートクルーズ制御の停止/非停止が適切に制御される。
従って、オートクルーズ制御中に生じたギア抜けによるエンジン回転数の過剰な吹け上がりや急加速の防止を図りつつ、運転者の意図に反してオートクルーズ制御が停止されてしまうことの防止を図ることができる。
これにより、運転者がオートクルーズ制御で目標とされる車速よりも速い車速への加速を要求しているか否かが適正に判定される。
従って、アクセルオーバーライドの有無に応じたオートクルーズの停止制御をより高精度に行うことができる。
これにより、オーバーライド判定は複数の信号を用いることなく比較的簡易に行うことができる。
これにより、ギア抜けに伴うエンジン回転数の上昇をより早期に検知することが可能とされる。
従って、ギア抜けによるエンジン回転数の吹け上がり量をより抑えることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記で説明した具体例に限定されず、多様な変形例が考えられる。
例えば、上記では、本発明がCVT車に適用される場合を例示したが、本発明は有段自動変速機としてのAT(Automatic Transmission)車にも好適に適用できる。この場合、AT車としては、トルクコンバータ式のAT車、DCT(Dual Clutch Transmission)などクラッチ板を介してエンジンの動力をギアに伝達するタイプのAT車の何れであっても良い。
また、オーバーライド判定においても、判定閾値は車速や選択中の変速比に応じて可変的に設定してもよい。
Claims (5)
- 指定された走行条件を満たすように自車両の速度を制御するオートクルーズ制御を行うオートクルーズ制御部と、
エンジン回転数の上昇が所定の条件を満たす態様により生じたか否かを判定する回転数上昇判定部と、
アクセルの操作量に相関する指標に基づき、前記オートクルーズ制御の実行中におけるアクセルオーバーライドの有無を判定するオーバーライド判定部と、
前記回転数上昇判定部による判定結果と前記オーバーライド判定部による判定結果とに基づいて前記オートクルーズ制御を停止させる停止制御部と、を備える
車両制御装置。 - 前記停止制御部は、
前記回転数上昇判定部によりエンジン回転数の上昇が所定の条件を満たす態様により生じたと判定され、且つ前記オーバーライド判定部により前記アクセルオーバーライドが無しと判定された場合に前記オートクルーズ制御を停止させ、
前記オーバーライド判定部により前記アクセルオーバーライドが有りと判定された場合は、前記回転数上昇判定部による判定結果に関わらず前記オートクルーズ制御を停止させない
請求項1に記載の車両制御装置。 - 前記オーバーライド判定部は、
前記アクセルオーバーライドの有無を、アクセル開度から算出される運転者要求トルクと前記オートクルーズ制御部が前記指定された走行条件を満たすために算出するオートクルーズ要求トルクとの大小関係に基づいて判定する
請求項1又は請求項2に記載の車両制御装置。 - 前記オーバーライド判定部は、
前記アクセルオーバーライドの有無を、アクセル開度値と所定閾値との大小関係に基づいて判定する
請求項1又は請求項2に記載の車両制御装置。 - 前記回転数上昇判定部は、
エンジン回転数の上昇率が所定の上昇率条件を満たしたか否かを判定する
請求項1乃至請求項4の何れかに記載の車両制御装置。
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