JP2016138774A - センサ装置およびセンサ装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】地磁気センサを含む複数種類の検出器を備える多軸センサ装置を容易に小型化する。【解決手段】基板の第1面側に形成され、磁場を検出する磁気センサ部と、基板の第1面の上側に設けられる慣性センサ部と、基板の第2面側に形成され、外部から入力する磁場の方向を変化させて磁気センサ部を通過させる磁気収束部材と、を備えるセンサ装置を提供する。磁気センサ部は、予め定められた方向の磁場を検出し、磁気収束部材は、外部から入力する予め定められた方向と異なる磁場の成分を、予め定められた方向に変化させる。【選択図】図1
Description
本発明は、センサ装置およびセンサ装置の製造方法に関する。
従来、地磁気検出器に加え、加速度、角速度、気圧等の特性を検出する複数の検出器を備え、複数の軸方向の動きおよび/または位置を検出する多軸センサ装置とその周辺技術が知られていた(例えば、特許文献1から8参照)。
特許文献1 特開2010−237058号公報
特許文献2 特開2002−71381号公報
特許文献3 特開2008−20308号公報
特許文献4 特開2000−340856号公報
特許文献5 米国特許第5883567号明細書
特許文献6 米国特許第7358724号明細書
特許文献7 特開2006−173599号公報
特許文献8 特表2007−509346号公報
特許文献1 特開2010−237058号公報
特許文献2 特開2002−71381号公報
特許文献3 特開2008−20308号公報
特許文献4 特開2000−340856号公報
特許文献5 米国特許第5883567号明細書
特許文献6 米国特許第7358724号明細書
特許文献7 特開2006−173599号公報
特許文献8 特表2007−509346号公報
このような複数種類の検出器を備える多軸センサ装置は、検出器の種類毎にそれぞれ基板等に作製し、作製した検出器を1つのパッケージに組み立てていた。ここで、パッケージ自体の大きさを小型化する目的で、検出器を重ねて形成することが考えられるが、多軸センサ装置に使われる複数種類の検出器は、立体構造もしくは可動部を持つことが多い。このため、限られた面積内に複数種類の検出器を重ねて形成するには、互いの構造がぶつからないようにする必要があり、設計自由度が低かった。つまり、複数種類の検出器の設計自由度を高めながら、小型化を達成できる多軸センサ装置を形成することが困難であった。
本発明の第1の態様においては、基板の第1面側に形成され、磁場を検出する磁気センサ部と、基板の第1面の上側に設けられる慣性センサ部と、基板の第2面側に形成され、外部から入力する磁場の方向を変化させて磁気センサ部を通過させる磁気収束部材と、を備えるセンサ装置を提供する。
本発明の第2の態様においては、基板の一方の面側に設けられ、外部から入力する基板の一方の面に対して平行な方向の磁場の成分を曲げ、基板の他方の面に対して垂直方向の成分を生成する磁気収束部材と、基板の他方の面側に設けられ、基板の他方の面に対して入力する磁場の垂直方向の成分を検出する磁気センサ部と、基板の他方の面の上側に設けられる慣性センサ部と、を備えるセンサ装置を提供する。
本発明の第3の態様においては、基板の第1面側に磁気センサ部を形成する段階と、磁気センサ部が形成された基板の第1面の上側に慣性センサ部を形成する段階と、基板に慣性センサ部を設けた後に、外部から入力する予め定められた方向と異なる方向の磁場の成分を、予め定められた方向に変化させる磁気収束部材を基板の第2面側に形成する段階と、を備える磁気センサ部センサ装置の製造方法を提供する。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本実施形態に係るセンサ装置10の構成例を示す。センサ装置10は、磁場を検出する磁気センサ部と、慣性センサ部とを備え、複数の軸方向の動き、姿勢、および位置を検出する多軸センサ装置である。センサ装置10は、基板の第1面側に磁気センサ部を形成し、第2面側に磁気収束部材を設け、磁気センサ部および慣性センサ部を一体化して形成され当該センサ装置10の実装面積を低減させる。センサ装置10は、基板100と、磁気センサ部110と、磁気収束部材120と、絶縁膜130と、慣性センサ部140と、保護基板150と、接合部160と、貫通電極170と、第1電極部180と、配線部190と、を備える。
基板100は、シリコン等の半導体によって形成され、半導体回路および半導体素子等を含む。基板100は、半導体ウェハ等から切り出されたICチップであってよく、外部の基板、回路、配線等と電気的に接続される。図1は、互いに直交する座標系であるX、Y、およびZ軸を示し、基板100の表面および裏面がXY面と平行な面である例を示す。また、基板100の+Z軸方向を向く表面を第1面とし、−Z軸方向を向く裏面を第2面とする。基板100は、第1面において、信号処理を実行する信号処理回路、電気信号を授受する回路配線等が形成されてよい。
磁気センサ部110は、基板100の第1面側に形成され、磁場を検出する。磁気センサ部110は、予め定められた方向の磁場を検出する。図1において、磁気センサ部110は、Z軸方向の磁場成分を検出する例を示す。磁気センサ部110は、例えば、ホール素子と当該ホール素子に接続される電子回路等を有する。ホール素子は、半導体材料で形成されてよい。ホール素子および電子回路等は、基板100が半導体ウェハの状態において、エッチング、デポジション等を含む半導体製造プロセスによって形成されてよい。磁気センサ部110は、複数のホール素子を有することが望ましく、複数のホール素子は、2つのホール素子毎にホール素子対となるように配置されることがより望ましい。また、磁気センサ部110は、ホール素子に代えて、磁気抵抗素子やフラックスゲートなどで構成してもよい。
例えば、2つのホール素子は、端子をそれぞれ4つ含み、X軸方向に配列される。そして、2つのホール素子は、4端子のうち互いに向かいあう一方の2端子間に電流を流すとZ軸方向に入力する磁場に応じた起電力(ホール効果)を他方の2端子間に発生させるホール素子対(第1ホール素子対)として配置される。この場合、第1ホール素子対は、Y軸と平行な線分に対して線対称に配置されてよい。これに代えて、第1ホール素子対は、X軸と平行な線分およびY軸と平行な線分の交点に対して点対称に配置されてもよい。
また、例えば、第1ホール素子対とは異なる2つのホール素子は、Y軸方向に配列され、4端子のうち互いに向かい合う一方の2端子間に電流を流すとZ軸方向に入力する磁場に応じた起電力(ホール効果)を他方の2端子間に発生させるホール素子対(第2ホール素子対)として配置される。この場合、第2ホール素子対は、X軸と平行な線分に対して線対称に配置されてよい。
磁気収束部材120は、基板100の第2面側に形成され、外部から入力する磁場の方向を変化させて磁気センサ部110を通過させる。磁気収束部材120は、Fe、Ni、およびCoのうち1以上を含むパーマロイ等の磁性材料で形成される。磁気収束部材120は、基板100の第2面に直接形成されてよく、これに代えて、基板100の第2面側に、絶縁層等を介して形成されてもよい。
磁気収束部材120は、磁気センサ部110の下方(−Z方向)に配置され、外部から入力する予め定められた方向と異なる磁場の成分を、予め定められた方向に変化させる。例えば、磁気収束部材120は、外部から入力する基板100の第1面に対して平行な方向の磁場の成分を曲げ、基板100の第1面に対して垂直方向の成分を生成して磁気センサ部110に与える。磁気収束部材120は、例えば、XY平面と平行な面に入力する磁場の±X方向および±Y方向の成分を、+Z方向および/または−Z方向に曲げる。
図1は、磁気収束部材120が、XY平面と平行な基板100の第2面に形成され、センサ装置10に入力する点線で示した磁場の+X方向の成分を、+Z方向および−Z方向に曲げる例を示す。このように、磁気収束部材120は、当該磁気収束部材120の近傍の磁場の成分を曲げ、予め定められた方向の成分が発生するように変化させる。磁気収束部材120は、例えば、X軸方向および/またはY軸方向の磁場を、Z軸方向の成分が発生するように曲げ、Z軸方向に感度を有する磁気センサ部110に入力させる。また、磁気収束部材120は、磁場のZ軸方向の成分の大部分をほとんど曲げずに磁気センサ部110に入力させる。
したがって、Z軸方向に感度を有する磁気センサ部110であっても、磁気収束部材120と組み合わせることで、XおよびY軸方向の磁場の成分を検出することができるので、Z軸方向と合わせて3軸方向の磁場を検出できることになる。ここで、磁気センサ部110は、基板100の第1面側から見て磁気収束部材120に対応する領域の縁部に設けられる。
ホール素子対となる2つのホール素子が、磁気収束部材120の対向する縁部にそれぞれ配置されることにより、それぞれに発生するホール起電力の正負の符号を異ならせることができる。いいかえれば、磁気収束部材120は、ホール素子対となる2つのホール素子がそれぞれ縁部に位置するように基板100の第2面側の一部分に配置される。図1は、磁気収束部材120の±X側の縁部にホール素子がそれぞれ配置され、磁場が+X方向に入力した例を示す。これにより、−X側のホール素子が−Z方向の磁場を検出し、+X側のホール素子が+Z方向の磁場を検出するので、ホール素子対は正負の符号が異なるホール起電力をそれぞれ発生させることになる。
この場合、一例として、第1ホール素子対の正負の符号が異なるホール起電力の差分を算出することで、入力する磁場のX成分の値を検出することができる。なお、ホール起電力の差分を算出するので、入力する磁場のX成分以外の成分はキャンセルされるので、理想的には、磁場のX成分のみを検出できることになる。同様に、第2ホール素子対となる2つのホール素子のホール起電力の差分を算出することで、入力する磁場のY成分の値を検出することができる。また、第1ホール素子対のホール起電力の和を算出することで、磁場のX成分の磁場をキャンセルしつつ、入力する磁場のZ成分の値を検出することができる。
このように、磁気センサ部110が少なくとも2対のホール素子対を有することで、センサ装置10に入力する磁場のX、Y、およびZ軸成分をそれぞれ分離して検出することができる。なお、このようなホール素子対の検出信号の信号処理は、基板100の第1面に形成される信号処理回路が実行してよい。
絶縁膜130は、基板100の第2面側において、磁気収束部材120を覆うように形成される。絶縁膜130は、基板100の第2面側の保護膜として機能する。
慣性センサ部140は、基板100の第1面の上側に設けられ、慣性に基づき自身に加わる加速度等を検知する。即ち、慣性センサ部140は、磁気センサ部110の上方(+Z軸方向)に設けられる。図1において、慣性センサ部140は、磁気センサ部110が形成された基板100の第1面側に重ねて形成される例を示す。また、慣性センサ部140は、基板100の第1面に形成された回路配線、信号処理回路等と接続される。
慣性センサ部140は、加速度センサ、角速度センサ、および圧力センサのうち、少なくとも1つを有し、当該慣性センサ部140が形成されるセンサ装置10に加わる加速度、重力加速度、角速度、回転加速度、圧力等を検知する。慣性センサ部140は、例えば、センサ装置10に加わる加速度に応じて容量が変動する櫛歯構造、片持ち梁、ダイヤフラム、振動板等を有し、容量の変化に基づき当該センサ装置10に加わる加速度を検出する。また、慣性センサ部140は、歪みゲージ、圧電素子等を有し、ピエゾ抵抗効果による電気抵抗の変化、圧電効果による電圧変化等に基づきセンサ装置10に加わる加速度を検出してもよい。センサ装置10は、検出した加速度に応じて、当該センサ装置10の動き、姿勢等を判断する。
慣性センサ部140は、磁気センサ部110とは別個に形成されてよい。慣性センサ部140は、例えば、磁気センサ部110が基板100に形成された後に、形成された当該磁気センサ部110に重ねて形成される。慣性センサ部140は、半導体製造プロセスによって形成されたデバイスでよく、一例として、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)デバイスである。
保護基板150は、基板100の第1面側において、慣性センサ部140を覆うように設けられる。保護基板150は、シリコン等の半導体、ガラス、有機材料等で形成されてよい。また、保護基板150は、慣性センサ部140を収容する凹部がエッチング等で形成されてよい。保護基板150は、基板100と貼り合わせによって取り付けられてよい。保護基板150および基板100は、貼り合わせられることにより、センサ装置10のパッケージとして機能する。
接合部160は、基板100および保護基板150の間の接合部分に設けられ、基板100および保護基板150を接合する。接合部160は、例えば、Au、Sn、Al、Si、およびGeのうち、1以上を含む接合材料が用いられる。接合部160は、一例として、当該接合部160を挟んで基板100および保護基板150を密着した後に加熱されることにより、当該基板100および保護基板150を貼り合わせる。
貫通電極170は、基板100に形成され、基板100の第1面および第2面を電気的に接続する。貫通電極170は、基板の第1面側において、磁気センサ部110および慣性センサ部140の少なくとも一方と電気的に接続される。貫通電極170は、例えば、基板100に複数設けられ、基板100の第1面側に設けられる磁気センサ部110および慣性センサ部140に電気的に接続され、当該慣性センサ部140および磁気センサ部110と基板100の第2面側とを電気的に接続する。貫通電極170は、第1面側において、基板100に形成される電子回路、ボンディング等を介して、慣性センサ部140および磁気センサ部110にそれぞれ電気的に接続されてよい。
第1電極部180は、基板100の第2面側において、貫通電極170の他方と接続される。第1電極部180は、外部の電子回路と電気的に接続する接続端子として機能する。第1電極部180は、複数の半田ボール(半田バンプ)が整列したBGA(Ball Grid Array)でよく、これに代えて、複数の平面電極パッドが整列したLGA(Land Grid Array)でもよい。また、第1電極部180は、予め定められた形状のパッド、ランド、ピン、コネクタ等であってもよい。
第1電極部180は、一例として、センサ装置10が外部のプリント基板等に実装されるように、当該プリント基板に形成された電極パッドとボンディングされてよい。この場合、第1電極部180は、センサ装置10が表面実装型のデバイスとなるように形成されることが望ましい。
配線部190は、基板100の第2面側に形成され、当該第2面において貫通電極170および第1電極部180を電気的に接続する。これにより、第1電極部180は、センサ装置10のパッケージ内部の磁気センサ部110および慣性センサ部140と電気信号を授受することができる。また、第1電極部180は、磁気センサ部110および慣性センサ部140に電源(電流)を供給してもよい。
以上の本実施形態に係るセンサ装置10は、磁気収束部材120が基板100の一方の面側に設けられ、外部から入力する基板100の一方の面に対して平行な方向の磁場の成分を曲げ、基板100の他方の面に対して垂直方向の成分を生成する。そして、基板100の他方の面側に設けられた磁気センサ部110が、基板100の他方の面に対して入力する磁場の垂直方向の成分を検出する。これによって、センサ装置10は、外部から入力される磁場を検出する機能を有し、一例として、入力磁場のX、Y、およびZ軸方向の3軸成分を検出する機能を有することができる。センサ装置10の磁気センサ部110は、一例として、地磁気を検出する電子コンパス(地磁気センサ)として機能する。
また、センサ装置10は、慣性センサ部140が基板の他方の面の上側に設けられる。これにより、センサ装置10は、多軸加速度センサおよび/または多軸角速度センサおよび/または圧力センサの機能を更に有することができる。センサ装置10は、一例として、6軸の慣性センサ(3軸加速度センサおよび3軸角速度センサ)と、3軸の地磁気センサの機能を有するデバイスである。このような多機能デバイスとして動作するセンサ装置10は、磁気センサ部110および慣性センサ部140を上述のように重畳して形成することにより、複数の検出器の構造が互いに制約しあうことを低減しながら、パッケージサイズおよび実装面積を低減させることができる。また、基板等に形成した検出器を基板ごと貼り合わせるには基板を加熱する場合が多い。この場合、基板に形成した検出器、部品等の特性劣化することがある。しかし、センサ装置10は、上述した構成により、加熱の影響を避けて基板に形成した検出器、部品等の特性劣化を低減できる。
地磁気センサおよび慣性センサを重畳するデバイスを作製する場合、地磁気センサを形成した基板と慣性センサを形成した基板とを貼り合わせる。この場合、地磁気センサが立体構造である磁気収束部材120を持つと、立体構造でかつ可動部を持つ慣性センサとの接触を防ぐ必要があるため、基板上の互いの位置や大きさに制限がかかり、パッケージサイズの実装面積を十分に低減できない。また、これまで独立に設計できていた地磁気センサと慣性センサを限られた面積の中で互いの特性が十分に発揮できるように同時に設計する必要があるため、設計および製造工程の複雑化、長時間化を招いてしまう。
そこで、本実施形態のセンサ装置10は、磁気センサの持つ立体構造の一部を慣性センサとは基板の別の面に設けることで、磁気センサと慣性センサが基板上の面積を譲り合うことなく、独立して自由に設計できることを実現させる。このようなセンサ装置10の製造過程について、図2を用いて説明する。
図2は、本実施形態に係るセンサ装置10の製造フローの一例を示す。また、図3から図10は、本実施形態に係るセンサ装置10が形成される過程におけるセンサ装置10の構成例を示す。
まず、半導体ウェハの第1面(表面)側に磁気センサ部110を形成する(S200)。半導体ウェハは、シリコンウェハでよく、当該半導体ウェハを切削することにより、センサ装置10の基板100が形成される。また、半導体ウェハの第1面は、図1で説明した基板100の第1面に対応する面である。本実施例において、切削される前の半導体ウェハの状態であっても、切削することで基板100となる領域を基板100と示す。
半導体ウェハの当該第1面に、例えば、複数のホール素子、ホール素子に接続される回路配線、およびホール素子から供給されるホール起電力信号を処理する信号処理回路が、磁気センサ部110として形成される。また、慣性センサ部140に接続される回路配線、および慣性センサ部140から供給される検知信号を処理する信号処理回路も、同様に形成されてよい。ホール素子は、基板100の表面に形成されてもよく、これに代えて、内部に埋め込まれるように形成されてもよい。また、ホール素子は、保護膜で覆われてもよい。図3は、本実施形態に係る基板100にホール素子等を形成した段階の断面を示す。
また、図4は、本実施形態に係る基板100にホール素子等を形成した段階の第1面側から見た概略構成を示す。図4は、X軸と平行な線分B−B'上に配列された第1ホール素子対がY軸と平行な線分A−A'に対して線対称に配置された例を示す。また、線分A−A'上に配列された第2ホール素子対が線分B−B'に対して線対称に配置されるように形成された例を示す。また、第1ホール素子対は、X軸方向に電流を流す入力端子と、Y軸方向の起電力を出力する出力端子がそれぞれ形成される。同様に、第2ホール素子対は、Y軸方向に電流を流す入力端子と、X軸方向の起電力を出力する出力端子がそれぞれ形成される。なお、1つの半導体ウェハから複数のセンサ装置10を形成すべく、半導体ウェハには、複数の領域に複数の磁気センサ部110が形成されてよい。
次に、磁気センサ部110が形成された基板100の第1面の上側に、慣性センサ部140を形成する(S210)。即ち、加速度センサ、角速度センサ、および圧力センサのうち、少なくとも1つを、基板100のホール素子等を形成した領域に、重畳するように形成する。ここで、慣性センサ部140は、一例として、基板100に形成された回路配線と電気的に接続されて形成される。図5は、本実施形態に係る基板100に慣性センサ部140を形成した段階の断面を示す。
次に、保護基板150となるキャップウェハを形成する(S220)。キャップウェハは、半導体ウェハに磁気センサ部110および慣性センサ部140が形成された領域以上の面積を有するウェハでもよい。なお、キャップウェハは、基板100となる半導体ウェハと略同一のサイズのウェハであることが望ましい。キャップウェハは、シリコン等の半導体、ガラス、有機材料等で形成されたウェハでよく、当該キャップウェハを切削することにより、センサ装置10の保護基板150が形成される。本実施例において、切削される前のキャップウェハの状態であっても、切削することで保護基板150となる領域を保護基板150と示す。
保護基板150は、当該保護基板150を基板100に取り付けた場合に、慣性センサ部140と接触することを防止すべく、対応する領域がエッチングされ、当該慣性センサ部140を収容する凹部が形成される。なお、基板100となる半導体ウェハに複数の慣性センサ部140が形成された場合、キャップウェハには複数の対応する凹部が形成される。また、保護基板150は、基板100と接合する領域に接合部160が形成される。図6は、本実施形態に係る保護基板150を形成した段階の断面を示す。
次に、保護基板150を基板100に貼り合わせる(S230)。即ち、基板100となる半導体ウェハにキャップウェハを密着させ、接合部160を加熱して、保護基板150を基板100に取り付ける。接合部160の加熱温度は、略300℃から略500℃の間の温度であってよい。図7は、本実施形態に係る保護基板150および基板100を貼り合わせた段階の断面を示す。
次に、基板100の第2面側を研磨する(S240)。即ち、半導体ウェハの第1面側にキャップウェハを貼り合わせた後、半導体ウェハの第1面とは反対側の第2面側を研磨する。これにより、基板100のZ軸方向の厚さを調整することができる。また、基板100を保護基板150に貼り合わせた後なので、当該基板100は保護基板150によって補強することができ、当該基板100を別個独立に研磨する場合と比較して、例えば数十μm程度といった、より薄い厚さまで研磨することができる。これにより、基板100のZ軸方向の厚さの設計自由度を増加させることができる。図8は、本実施形態に係る基板100の第2面側を研磨した段階の断面を示す。
次に、磁気収束部材120を基板100の第2面側に形成する(S250)。磁気収束部材120は、スパッタおよび電解めっき処理等で含むプロセスで形成されてよく、これに代えて、予め別個に作製された磁気収束部材120を貼り付けることで形成されてもよい。磁気収束部材120は、基板100の第2面側から見て、予め定められた形状を有し、一例として、略円形形状を有する。
以上のように、磁気収束部材120は、基板100の第1面側に形成される磁気センサ部110との電気的接続が必要ないため、保護基板150を基板100に貼り合わせた後に形成することができる。また、磁気収束部材120は、基板100のZ軸方向の厚さを研磨した後に形成されるので、磁気センサ部110との間のZ方向の距離を精度良く調整して形成することができる。また、基板100を100μm以下の厚さに研磨することができるので、磁気収束部材120を磁気センサ部110に近接して配置することができる。このように、磁気収束部材120は、慣性センサ部140と構造を制限しあうことなく、精度良く形成することができるので、X方向およびY方向の磁場成分を、磁気センサ部110が有するZ方向の磁気感度に対応する適切なZ方向の磁場成分になるよう構造を自由に変化させることができる。図9は、本実施形態に係る磁気収束部材120を基板100の第2面側に形成した段階の断面を示す。
次に、絶縁膜130および貫通電極170を形成する(S260)。絶縁膜130は、貫通電極170が形成される過程において、基板100の第2面側に形成されてよい。絶縁膜130は、複数の貫通電極170の間を絶縁すると共に、磁気収束部材120および基板100の第2面側を保護する。貫通電極170は、一例として、基板100の第2面側からビアを形成し、導電材料をビア内に充填することで形成される。例えば、基板100を100μm以下に研磨した後であっても、当該基板100は保護基板150と貼り合わされて補強されているので、このような加工も容易に実行できる。
本実施形態において、磁気収束部材120を形成した後に貫通電極170を形成する例を説明したが、これに代えて、磁気収束部材120を形成する前に、貫通電極170を形成してもよい。例えば、保護基板150を基板100に貼り合わせる前に、基板100の第1面側から貫通電極を形成する。この場合、基板100を研磨する前なので、このような加工は容易に実行でき、保護基板150を貼りあわせた後に基板100を研磨することにより、貫通電極170を基板100の第2面に露出させる。図10は、本実施形態に係る絶縁膜130および貫通電極170を形成した段階の断面を示す。
次に、第1電極部180および配線部190を基板100の第2面側に形成する(S270)。本実施形態のセンサ装置10において、第1電極部180は、複数の半田ボールである例を示す。図11は、本実施形態に係る第1電極部180および配線部190を形成した段階の断面を示す。また、図12は、本実施形態に係る第1電極部180および配線部190を形成した段階における、基板100の第2面側からみたセンサ装置10の構成例を示す。
次に、センサ装置10をダイシングによって切り出す(S280)。即ち、半導体ウェハおよびキャップウェハが貼り付けられた状態から、基板100および保護基板150によって形成されるセンサ装置10のパッケージ状態へと切削する。ここで、複数のセンサ装置10が半導体ウェハおよびキャップウェハに形成された場合、複数のセンサ装置10が切り出される。以上により、本実施形態に係るセンサ装置10が形成される。
以上のように、本実施形態に係るセンサ装置10は、立体構造である磁気収束部材120と可動部をもつ慣性センサ部140が互いに構造を制限しあうことなく重ねて形成することができるので、パッケージを小型化して実装面積を低減させることができる。また、保護基板150を基板100に貼り付けてから、基板100を研磨するので、研磨した基板100を容易に加工することができる。また、保護基板150は、基板100を加工する工程において、基板100を補強すると共に、加工後はそのままパッケージの一部として用いられるので、補強基板の貼り付けおよび分離等の工程を省略することができ、センサ装置10の製造工程を簡略化することができる。
図13は、本実施形態に係るセンサ装置10の第1の変形例を示す。第1の変形例のセンサ装置10は、慣性センサ部140が保護基板150側に形成される。即ち、慣性センサ部140は、保護基板150の基板の第1面に対向する面側に形成される。したがって、慣性センサ部140を形成する段階は、キャップウェハを形成した後に、慣性センサ部140を保護基板に形成することになる。そして、慣性センサ部140を形成した保護基板150を基板100に貼り合わせる。
以上の本実施形態に係るセンサ装置10は、外部と電気的に接続される電極である第1電極部180が、基板100の第2面側に形成されることを説明した。これに代えて、センサ装置10は、外部と電気的に接続される電極が、基板100の第1面側に形成されてもよい。図14は、本実施形態に係るセンサ装置10の第2の変形例を示す。第2の変形例のセンサ装置10は、基板100の第1面側に、外部と電気的に接続される電極である第2電極部200が形成される。
第2電極部200は、基板100の第1面側において、磁気センサ部110および慣性センサ部140の少なくとも一方と電気的に接続される。第2電極部200は、予め定められた形状のパッド、ランド、ピン、コネクタ等であってよい。図14は、第2電極部200が予め定められた形状のボンディングパッドである例を示し、ボンディングワイヤ等がボンディングされることにより、外部と電気的に接続される。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
10 センサ装置、100 基板、110 磁気センサ部、120 磁気収束部材、130 絶縁膜、140 慣性センサ部、150 保護基板、160 接合部、170 貫通電極、180 第1電極部、190 配線部、200 第2電極部
Claims (20)
- 基板の第1面側に形成され、磁場を検出する磁気センサ部と、
前記基板の第1面の上側に設けられる慣性センサ部と、
前記基板の第2面側に形成され、外部から入力する磁場の方向を変化させて前記磁気センサ部を通過させる磁気収束部材と、
を備えるセンサ装置。 - 前記磁気センサ部は、予め定められた方向の磁場を検出し、
前記磁気収束部材は、外部から入力する予め定められた方向と異なる磁場の成分を、前記予め定められた方向に変化させる
請求項1に記載のセンサ装置。 - 前記予め定められた方向は、前記基板の第1面に対して垂直な方向であり、
前記磁気収束部材は、外部から入力する前記基板の第1面に対して平行な方向の磁場の成分を曲げ、前記基板の第1面に対して垂直方向の成分を生成して前記磁気センサ部に与える
請求項2に記載のセンサ装置。 - 前記基板の第1面側において、前記慣性センサ部を覆う保護基板が設けられる請求項1から3のいずれか一項に記載のセンサ装置。
- 前記保護基板は、前記基板と貼り合わせによって取り付けられる請求項4に記載のセンサ装置。
- 前記慣性センサ部は、前記磁気センサ部が形成された前記基板の第1面側に重ねて形成される請求項4または5に記載のセンサ装置。
- 前記慣性センサ部は、前記保護基板の前記基板の第1面に対向する面側に形成される請求項4または5に記載のセンサ装置。
- 前記基板の第2面側において、前記磁気収束部材を覆う絶縁膜が更に形成される請求項1から7のいずれか一項に記載のセンサ装置。
- 前記基板の第1面および第2面を電気的に接続する貫通電極を更に備える請求項1から8のいずれか一項に記載のセンサ装置。
- 前記基板の第1面側の前記貫通電極は、前記磁気センサ部および前記慣性センサ部の少なくとも一方と電気的に接続され、
前記基板の第2面側において、前記貫通電極の他方と接続される第1電極部を更に備える請求項9に記載のセンサ装置。 - 前記基板の第1面側において、前記磁気センサ部および前記慣性センサ部の少なくとも一方と電気的に接続される第2電極部を更に備える請求項1から8のいずれか一項に記載のセンサ装置。
- 前記磁気センサ部は、前記基板の第1面側から見て前記磁気収束部材に対応する領域の縁部に設けられる請求項1から11のいずれか一項に記載のセンサ装置。
- 前記磁気センサ部は、ホール素子を有する請求項1から12のいずれか一項に記載のセンサ装置。
- 前記慣性センサ部は、加速度センサ、角速度センサ、および圧力センサのうち、少なくとも1つを有する請求項1から13のいずれか一項に記載のセンサ装置。
- 基板の第1面側に磁気センサ部を形成する段階と、
前記磁気センサ部が形成された前記基板の第1面の上側に慣性センサ部を形成する段階と、
前記基板に前記慣性センサ部を設けた後に、外部から入力する予め定められた方向と異なる方向の磁場の成分を、前記予め定められた方向に変化させる磁気収束部材を前記基板の第2面側に形成する段階と、
を備えるセンサ装置の製造方法。 - 前記慣性センサ部を形成する段階は、前記慣性センサ部を覆う保護基板を前記基板に貼り合わせる段階を有し、
前記磁気収束部材は、前記保護基板を前記基板に貼り合わせた後に形成される
請求項15に記載の製造方法。 - 前記慣性センサ部を形成する段階は、前記慣性センサ部を前記磁気センサ部が形成された前記基板の第1面側に重ねて形成してから、前記保護基板を前記基板に貼り合わせる請求項16に記載の製造方法。
- 前記慣性センサ部を形成する段階は、前記慣性センサ部を前記保護基板に形成してから当該保護基板を前記基板に貼り合わせる請求項16に記載の製造方法。
- 前記磁気収束部材を前記基板の第2面側に形成する段階は、前記基板に前記慣性センサ部を設けた後に、前記基板の第2面側を研磨してから前記磁気収束部材を形成する請求項16から18の何れか一項に記載の製造方法。
- 基板の一方の面側に設けられ、外部から入力する前記基板の一方の面に対して平行な方向の磁場の成分を曲げ、前記基板の他方の面に対して垂直方向の成分を生成する磁気収束部材と、
前記基板の他方の面側に設けられ、前記基板の他方の面に対して入力する磁場の垂直方向の成分を検出する磁気センサ部と、
前記基板の他方の面の上側に設けられる慣性センサ部と、
を備えるセンサ装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015012962A JP2016138774A (ja) | 2015-01-27 | 2015-01-27 | センサ装置およびセンサ装置の製造方法 |
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JP2015012962A Pending JP2016138774A (ja) | 2015-01-27 | 2015-01-27 | センサ装置およびセンサ装置の製造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2018017527A (ja) * | 2016-07-25 | 2018-02-01 | 旭化成エレクトロニクス株式会社 | 半導体装置、磁気検出装置、半導体装置の製造方法および電子コンパス |
US11709177B2 (en) | 2019-10-28 | 2023-07-25 | Seiko Epson Corporation | Inertial measurement unit, electronic instrument, and moving object |
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2015
- 2015-01-27 JP JP2015012962A patent/JP2016138774A/ja active Pending
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