JP2016136459A - 端子金具及びワイヤハーネス - Google Patents
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Abstract
【課題】接続信頼性の向上を図ることが可能な端子金具と、この端子金具を構成に含むワイヤハーネスとを提供する。
【解決手段】端子金具36は、アルミ電線としての繋ぎ部材24に対する電線接続部分が底部39を有する有底筒状のクローズドバレル部37として形成される。繋ぎ部材24は、撚り線導体33を覆う被覆部34に対し端末から所定長さの位置で周方向の切り込み32aを入れて形成される端末被覆部32bを有する。クローズドバレル部37の底部39側は、端末被覆部32bを保持するための第一保持部43aとして形成される。また、クローズドバレル部37の中間は、端末被覆部32bを第一保持部43aにて保持した状態で繋ぎ部材24を引き抜き方向にスライドさせた時に露出する、撚り線導体33(導体露出部分c)に対し接続するための導体接続部43bとして形成される。
【選択図】図4
【解決手段】端子金具36は、アルミ電線としての繋ぎ部材24に対する電線接続部分が底部39を有する有底筒状のクローズドバレル部37として形成される。繋ぎ部材24は、撚り線導体33を覆う被覆部34に対し端末から所定長さの位置で周方向の切り込み32aを入れて形成される端末被覆部32bを有する。クローズドバレル部37の底部39側は、端末被覆部32bを保持するための第一保持部43aとして形成される。また、クローズドバレル部37の中間は、端末被覆部32bを第一保持部43aにて保持した状態で繋ぎ部材24を引き抜き方向にスライドさせた時に露出する、撚り線導体33(導体露出部分c)に対し接続するための導体接続部43bとして形成される。
【選択図】図4
Description
本発明は、電線接続部分がクローズドバレル部として形成される端子金具と、自動車に配索されて電気的な接続を行うワイヤハーネスとに関する。
下記特許文献1に開示された端子金具は、銅合金製のものであって、アルミ電線の端末に設けられる。アルミ電線は、アルミニウム製の撚り線導体と、この撚り線導体を被覆する絶縁体とを備えて構成される。そして、アルミ電線の端末から撚り線導体を所定長さで露出させ、この露出部分に対して上記端子金具が取り付けられる。具体的には、端子金具に有底筒状のクローズドバレル部を形成し、このクローズドバレル部に撚り線導体を挿入し、挿入後はクローズドバレル部の中間に、この外側から内側に向けて加締めを施すことで圧着により取り付けられる。アルミ電線の端末への端子金具の取り付け後は、クローズドバレル部の中間の圧着部分と、アルミ電線の絶縁体の外周面とに跨るように熱収縮チューブが設けられて、外部からの水分の浸入が阻止される。すなわち止水される。尚、上記からも分かるように、異種金属同士の接続であることから、電食の発生防止のために上記止水が必要になる。そのため、熱収縮チューブが設けられる。
上記従来技術にあっては、アルミ撚り線導体とクローズドバレル部との電気的な接続にあたり、アルミ電線の端末から所定長さで絶縁体を除去してアルミ撚り線導体を露出させる作業を行い、そして、この露出させたアルミ撚り線導体の側からクローズドバレル部にアルミ電線を挿入する作業を行うことから、次のような問題点を有する。すなわち、露出させたアルミ撚り線導体がクローズドバレル部への挿入の際にバラケた状態になると接続信頼性が低下してしまうという問題点を有する。
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、接続信頼性の向上を図ることが可能な端子金具と、この端子金具を構成に含むワイヤハーネスとを提供することを課題とする。
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の本発明は、アルミニウム又はアルミニウム合金製の撚り線導体と、該撚り線導体を覆う絶縁体とを備えるアルミ電線が接続対象になり、該アルミ電線に対する電線接続部分が底部を有する有底筒状のクローズドバレル部として形成され、且つ、材質が前記撚り線導体と異種金属になる端子金具において、前記接続対象になる前記アルミ電線は、前記撚り線導体を覆う絶縁体に対し端末から所定長さの位置で周方向の切り込みを入れて形成される端末絶縁体を有するものであり、前記クローズドバレル部の前記底部側は、前記端末絶縁体を保持するための第一保持部として形成され、前記クローズドバレル部の中間は、前記端末絶縁体を前記第一保持部にて保持した状態で前記アルミ電線を引き抜き方向にスライドさせた時に露出する前記撚り線導体に対し接続するための導体接続部として形成されることを特徴とする。
このような特徴を有する本発明によれば、アルミ電線の端末の絶縁体を除去せずに絶縁体が残ったままの状態でクローズドバレル部に電線端末を挿入し、この挿入の後にクローズドバレル部の内部で撚り線導体を露出させ、そして、露出した撚り線導体に対してクローズドバレル部の中間を圧着させることができる構造の端子金具であることから、電気的な接続を行うにあたり撚り線導体がバラケることはない。従って、本発明によれば、接続信頼性の向上を図ることができる。
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の端子金具において、前記クローズドバレル部の内面は、前記中間よりも前記底部の反対側に位置する開口部側の方が大径になる段付き形状に形成され、前記クローズドバレル部の前記開口部側は、前記端末絶縁体が離れた後の前記絶縁体を保持するための第二保持部として形成されることを特徴とする。
このような特徴を有する本発明によれば、端末絶縁体が離れた後の絶縁体を第二保持部にて保持することができる。端子金具は、電線端末に合わせた形状のクローズドバレル部になることから、加締めを施した際の圧着状態等を安定させることができる。別な言い方をすれば、電気的な接続状態を安定させることができる。
また、上記課題を解決するためになされた請求項3に記載の本発明は、一又は複数本の導電路を含んで構成され、且つ、自動車に配索されて電気的な接続を行うワイヤハーネスにおいて、前記導電路一本は、複数に分割された分割導電路と、一又は複数有して隣り合う前記分割導電路同士を繋ぐ導電性の繋ぎ部材と、前記分割導電路及び前記繋ぎ部材を接続するための請求項1又は2に記載の端子金具とを含んで構成されることを特徴とする。
このような特徴を有する本発明によれば、請求項1又は2に記載の端子金具を用いて分割導電路及び繋ぎ部材を接続することにより、一本の導電路を形成することができる。そして、このような導電路を備えて自動車用のワイヤハーネスとして用いれば、ワイヤハーネスの構成において、接続信頼性を向上させることができる。
請求項1に記載された本発明によれば、接続信頼性の向上を図ることができるという効果を奏する。また、請求項2に記載された本発明によれば、電気的な接続状態を安定させることができるという効果を奏する。また、請求項3に記載された本発明によれば、ワイヤハーネスの構成において、接続信頼性の向上を図ることができるという効果を奏する。
端子金具は、アルミ電線に対する電線接続部分が底部を有する有底筒状のクローズドバレル部として形成される。アルミ電線は、撚り線導体を覆う絶縁体に対し端末から所定長さの位置で周方向の切り込みを入れて形成される端末絶縁体を有する。クローズドバレル部の底部側は、端末絶縁体を保持するための第一保持部として形成される。また、クローズドバレル部の中間は、端末絶縁体を第一保持部にて保持した状態でアルミ電線を引き抜き方向にスライドさせた時に露出する、撚り線導体に対し接続するための導体接続部として形成される。
以下、図面を参照しながら実施例を説明する。図1は本発明のワイヤハーネスを示す図であり、(a)は高電圧のワイヤハーネスの配索状態を示す模式図、(b)は(a)とは別の低電圧のワイヤハーネスの配索状態を示す模式図である。また、図2は図1のワイヤハーネスの導電路を示す図、図3は図2の導電路の断面図、図4は図2の端子金具を示す平面図、図5は図2及び図4の端子金具の断面図、図6は電気的な接続の際の状態説明図、図7は図4の端子金具への加締め範囲を示す図、図8は端子金具の他の例を示す図、図9は導電路を配索経路に合わせた形状にした時の状態を示す模式図である。さらに、図10はワイヤハーネスに係る模式図であり、(a)は梱包状態及び輸送状態の例を示す図、(b)は配索状態の例を示す図である。
本実施例においては、ハイブリッド自動車(電気自動車やエンジンで走行する一般的な自動車等であってもよいものとする)に配索されるワイヤハーネスに対し本発明を採用する。
<ハイブリッド自動車1について>
図1(a)において、引用符号1はハイブリッド自動車を示す。ハイブリッド自動車1は、エンジン2及びモータユニット3の二つの動力をミックスして駆動する車両であって、モータユニット3にはインバータユニット4を介してバッテリー5(電池パック)からの電力が供給される。エンジン2、モータユニット3、及びインバータユニット4は、本実施例において前輪等がある位置のエンジンルーム6に搭載される。また、バッテリー5は、後輪等がある自動車後部7に搭載される(エンジンルーム6の後方に存在する自動車室内に搭載してもよいものとする)。
図1(a)において、引用符号1はハイブリッド自動車を示す。ハイブリッド自動車1は、エンジン2及びモータユニット3の二つの動力をミックスして駆動する車両であって、モータユニット3にはインバータユニット4を介してバッテリー5(電池パック)からの電力が供給される。エンジン2、モータユニット3、及びインバータユニット4は、本実施例において前輪等がある位置のエンジンルーム6に搭載される。また、バッテリー5は、後輪等がある自動車後部7に搭載される(エンジンルーム6の後方に存在する自動車室内に搭載してもよいものとする)。
モータユニット3とインバータユニット4は、高圧の(高電圧用の)ワイヤハーネス8により接続される。また、バッテリー5とインバータユニット4も高圧のワイヤハーネス9により接続される。ワイヤハーネス9は、この中間部10が車両における(車体における)車両床下11に配索される。また、中間部10は、車両床下11に沿って略平行に配索される。車両床下11は、公知のボディ(車体)であるとともに所謂パネル部材であって、所定位置には貫通孔が形成される。この貫通孔には、ワイヤハーネス9が水密に挿通される。
ワイヤハーネス9とバッテリー5は、このバッテリー5に設けられるジャンクションブロック12を介して接続される。ジャンクションブロック12には、ワイヤハーネス9の後端側のハーネス端末13に配設されたシールドコネクタ14等の外部接続手段が電気的に接続される。また、ワイヤハーネス9とインバータユニット4は、前端側のハーネス端末13に配設されたシールドコネクタ14等の外部接続手段を介して電気的に接続される。
モータユニット3は、モータ及びジェネレータを含んで構成される。また、インバータユニット4は、インバータ及びコンバータを構成に含んで構成される。モータユニット3は、シールドケースを含むモータアッセンブリとして形成される。また、インバータユニット4もシールドケースを含むインバータアッセンブリとして形成される。バッテリー5は、Ni−MH系やLi−ion系のものであって、モジュール化することによりなる。尚、例えばキャパシタのような蓄電装置を使用することも可能である。バッテリー5は、ハイブリッド自動車1や電気自動車に使用可能であれば特に限定されないのは勿論である。
図1(b)において、引用符号15はワイヤハーネスを示す。ワイヤハーネス15は、低圧の(低電圧用の)ものであって、ハイブリッド自動車1における自動車後部7の低圧バッテリー16と、自動車前部17に搭載される補器18(機器)とを電気的に接続するために備えられる。ワイヤハーネス15は、図1(a)のワイヤハーネス9と同様に、車両床下11を通って配索される(一例であり、車室側を通って配索されてもよいものとする)。
図1(a)及び(b)に示す如く、ハイブリッド自動車1には、高圧のワイヤハーネス8、9及び低圧のワイヤハーネス15が配策される。本発明は、いずれのワイヤハーネスであっても適用可能であるが、代表例として低圧のワイヤハーネス15を挙げて以下に説明をする。
<ワイヤハーネス15について>
図1(b)において、車両床下11を通って配索される長尺なワイヤハーネス15は、ハーネス本体19と、このハーネス本体19の両端末にそれぞれ配設されるコネクタ20(外部接続手段)とを備えて構成される。また、ワイヤハーネス15は、所定位置に配索するための固定部材(例えば図10に示すクランプC等)と、図示しない止水部材(例えばグロメット等)とを備えて構成される。
図1(b)において、車両床下11を通って配索される長尺なワイヤハーネス15は、ハーネス本体19と、このハーネス本体19の両端末にそれぞれ配設されるコネクタ20(外部接続手段)とを備えて構成される。また、ワイヤハーネス15は、所定位置に配索するための固定部材(例えば図10に示すクランプC等)と、図示しない止水部材(例えばグロメット等)とを備えて構成される。
<ワイヤハーネス15の構成について>
ハーネス本体19は、一又は複数本の導電路21(図2参照)と、この一又は複数本の導電路21を収容保護するための外装部材22(図10参照)とを備えて構成される。尚、導電路21の本数に関し、本実施例においては二本であるが、これは一例であるものとする。また、外装部材22の構成及び構造に関し、高圧のワイヤハーネス9を一緒に収容保護するようなものを採用してもよいものとする。
ハーネス本体19は、一又は複数本の導電路21(図2参照)と、この一又は複数本の導電路21を収容保護するための外装部材22(図10参照)とを備えて構成される。尚、導電路21の本数に関し、本実施例においては二本であるが、これは一例であるものとする。また、外装部材22の構成及び構造に関し、高圧のワイヤハーネス9を一緒に収容保護するようなものを採用してもよいものとする。
先ず、ハーネス本体19における導電路21の構成及び構造について、図面を参照しながら説明をする。
<導電路21について>
図2において、導電路21は、この一本が次のように構成される。すなわち、導電路21は、本実施例の図示した分で見ると、複数に分割された分割導電路23(23a〜23d)と、隣り合う分割導電路23同士を繋ぐ複数の繋ぎ部材24(24a〜24c)と、分割導電路23及び繋ぎ部材24の直接的な接続部分になる導電路接続部25と、導電路21の各端末に設けられるコネクタ端子26とを含んで構成される。導電路21は、図2では分かり難いが長尺なものである。
図2において、導電路21は、この一本が次のように構成される。すなわち、導電路21は、本実施例の図示した分で見ると、複数に分割された分割導電路23(23a〜23d)と、隣り合う分割導電路23同士を繋ぐ複数の繋ぎ部材24(24a〜24c)と、分割導電路23及び繋ぎ部材24の直接的な接続部分になる導電路接続部25と、導電路21の各端末に設けられるコネクタ端子26とを含んで構成される。導電路21は、図2では分かり難いが長尺なものである。
<導電路21と一般的な導電路との相違点について>
導電路21は、本実施例において、四つ以上の分割導電路23と、この分割導電路23の数から1をマイナスした数の繋ぎ部材24とを有する。従って、本実施例の導電路21は、多くの構成からなり、単なる一本構成の導電路ではないことが分かる。また、導電路21は、例えばメインとなる第一の導電路と、この第一の導電路の両端に接続される第二の導電路とを有するような三分割構成の導電路でもないことが分かる。さらに、導電路21は、以下の説明で分かるようになるが、車両床下11(図1参照)に沿って配索される範囲内において少なくとも一箇所、繋ぎ部材24が配置されるような導電路、すなわち上記範囲内において単なる一本構成の導電路でもないことが分かる。
導電路21は、本実施例において、四つ以上の分割導電路23と、この分割導電路23の数から1をマイナスした数の繋ぎ部材24とを有する。従って、本実施例の導電路21は、多くの構成からなり、単なる一本構成の導電路ではないことが分かる。また、導電路21は、例えばメインとなる第一の導電路と、この第一の導電路の両端に接続される第二の導電路とを有するような三分割構成の導電路でもないことが分かる。さらに、導電路21は、以下の説明で分かるようになるが、車両床下11(図1参照)に沿って配索される範囲内において少なくとも一箇所、繋ぎ部材24が配置されるような導電路、すなわち上記範囲内において単なる一本構成の導電路でもないことが分かる。
<分割導電路23について>
図2ないし図4において、分割導電路23(23a〜23d)は、導電路21の大半を占める部分として形成される。このような分割導電路23は、本体部27と、本体部27の両端に位置する接続端28(図4参照)とを含んで構成される。本体部27は、導電性の棒状導体29と、この棒状導体29を被覆する絶縁性の絶縁体30とを備えて構成される。接続端28は、繋ぎ部材24との接続部分として形成される。接続端28は、本体部27の端末の絶縁体30を所定長さで除去して棒状導体29を露出させることにより形成される。尚、接続端28は、繋ぎ部材24の後述する接続端32と同様の構成及び構造にしてもよいものとする。
図2ないし図4において、分割導電路23(23a〜23d)は、導電路21の大半を占める部分として形成される。このような分割導電路23は、本体部27と、本体部27の両端に位置する接続端28(図4参照)とを含んで構成される。本体部27は、導電性の棒状導体29と、この棒状導体29を被覆する絶縁性の絶縁体30とを備えて構成される。接続端28は、繋ぎ部材24との接続部分として形成される。接続端28は、本体部27の端末の絶縁体30を所定長さで除去して棒状導体29を露出させることにより形成される。尚、接続端28は、繋ぎ部材24の後述する接続端32と同様の構成及び構造にしてもよいものとする。
分割導電路23(本体部27)は、配索経路に沿った形状の保持に必要となる長さに形成される。すなわち、分割導電路23a〜23dは、各々適宜長さで形成される。本実施例においては、分割導電路23b、23cが車両床下11に沿って配索されるような長さに形成される。このような分割導電路23b、23cは、残りの分割導電路23a、23dよりも比較的長い状態に形成される。
棒状導体29は、銅や銅合金、或いはアルミニウムやアルミニウム合金により製造される。本実施例においては、安価且つ軽量であるというメリットを有するアルミニウム製のものが採用される(一例である)。棒状導体29は、断面円形状の丸棒線として形成される(又は断面矩形状の角棒線として形成される)。棒状導体29は、真っ直ぐな形状になるように形成される。尚、丸棒線(又は角棒線)は、丸単心線(又は平角単心線)と呼ばれることもある。棒状導体29は、配索経路に沿った形状の保持が可能な剛性を有するように形成される。棒状導体29の剛性は、多少の外力が加わったとしも塑性変形が維持されるような剛性であって、そのため繋ぎ部材24の後述する撚り線導体33と比較すると、棒状導体29は硬いものになる。
棒状導体29は、形状の保持が可能な剛性を有すれば特に限定されないものとする。例えば堅い撚り線導体であってもよいものとする。
絶縁体30は、熱可塑性樹脂材料を用いて棒状導体29の外周面に押出成形することにより断面円形状の被覆として形成される。又は、公知の熱収縮チューブを用いて棒状導体29の外周面を覆う被覆として形成される。絶縁体30は、所定の厚みを有して形成される。尚、上記熱可塑性樹脂としては、公知の様々な種類のものが使用可能であるものとする。例えば、ポリ塩化ビニル樹脂やポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などの高分子材料から適宜選択されるものとする。
<繋ぎ部材24(アルミ電線)について>
繋ぎ部材24(24a〜24c)は、本体部31と、この本体部31の両端に位置する接続端32(図4参照)とを含んで構成される。繋ぎ部材24は、分割導電路23よりも剛性が低く縮み可能で所定方向に曲げ可能な部材として形成される。繋ぎ部材24は、特許請求の範囲に記載されたアルミ電線に相当する。
繋ぎ部材24(24a〜24c)は、本体部31と、この本体部31の両端に位置する接続端32(図4参照)とを含んで構成される。繋ぎ部材24は、分割導電路23よりも剛性が低く縮み可能で所定方向に曲げ可能な部材として形成される。繋ぎ部材24は、特許請求の範囲に記載されたアルミ電線に相当する。
本体部31は、導電性で柔軟性のある撚り線導体33と、この撚り線導体33を被覆する絶縁性の被覆部34(絶縁体)とを備えて構成される。繋ぎ部材24は、以下で説明する機能を発揮させるために必要となる長さに形成される。また、機能を発揮させるために必要な位置に配置される。本実施例の繋ぎ部材24(本体部31)は、分割導電路23よりも短く形成される。また、繋ぎ部材24は、導電路21に占める割合が小さくなるような長さに形成される。
図4において、接続端32は、分割導電路23との接続部分(繋ぎ部分)として形成される。接続端32は、後述する端子金具36のクローズドバレル部37への挿入前の状態と、クローズドバレル部37へ挿入した後の電気的接続時とで状態が異なることに特徴を有し、この異なった状態にすることができるように形成される。すなわち、前者では、切り込み32aと、端末被覆部32b(端末絶縁体)とを有するように形成され、後者では端末被覆部32bを矢印方向(引き抜き方向)にスライドさせて導体露出部分32cを更に有するように形成される。
切り込み32aは、本体部31の端末から所定長さの位置で被覆部34(絶縁体)に入れた切り込みであって、周方向に一部又は全周にわたって形成される。端末被覆部32bは、撚り線導体33がバラケない(後述する素線35が解けない)ようにするための部分として用いられる。
図2において、繋ぎ部材24は、二方向又は360度方向の曲げが可能に形成される。具体的には、例えば上方向と下方向とに曲げが可能、又は、左方向と右方向とに曲げが可能、さらには、360度方向に曲げが可能に形成される。尚、例えば表面側で後ろ方向への折り曲げと、裏面側で後ろ方向への折り曲げとが可能になるように、又は、表面側で斜め前方向への曲げと、裏面側で斜め前方向への曲げとが可能になるように形成されてもよいものとする。繋ぎ部材24は、様々な曲げが可能に形成される。
繋ぎ部材24(24a〜24c)は、次のような機能を発揮させる手段として適用される。具体的には、曲げ手段、折り曲げ手段、寸法誤差吸収手段、共振回避手段、振動吸収手段として適用される。
繋ぎ部材24が曲げ手段として適用される場合には、上記二方向又は360度方向の曲げ(曲げ戻しも容易な曲げ)が可能になるという機能が発揮される。また、折り曲げ手段として適用される場合には、ハイブリッド自動車1への配索前の梱包時や輸送時におけるコンパクト化が可能になるという機能が発揮される。また、寸法誤差吸収手段として適用される場合には、配索時における寸法誤差の吸収が可能になるという機能が発揮される。また、共振回避手段として適用される場合には、配索後における共振の回避が可能になるという機能が発揮される。また、振動吸収手段として適用される場合には、配索後における振動の吸収が可能になるという機能が発揮される。
撚り線導体33は、銅や銅合金、或いはアルミニウムやアルミニウム合金により製造される。本実施例においては、安価且つ軽量であるというメリットを有するアルミニウム製のものが採用される(一例である)。撚り線導体33は、複数の素線35を撚り合わせて断面円形状に形成される。撚り線導体33は、この断面積が分割導電路23の棒状導体29の断面積と合うように素線35の径や本数等が設定される。撚り線導体33は、棒状導体29よりも低い剛性で柔軟性を有するように形成される。
被覆部34は、熱可塑性樹脂材料を用いて撚り線導体33の外周面に押出成形することにより断面円形状の被覆(絶縁体)として形成される。被覆部34は、所定の厚みを有して形成される。尚、上記熱可塑性樹脂としては、公知の様々な種類のものが使用可能であるものとする。例えば、ポリ塩化ビニル樹脂やポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などの高分子材料から適宜選択されるものとする。
<導電路接続部25について>
図2、図4、及び図5において、導電路接続部25は、本発明に係る端子金具36を含んで構成される(尚、図8のものが採用される場合は、ボルト及びナットが導電路接続部25の構成に含まれるものとする)。導電路接続部25は、上記の如く、分割導電路23及び繋ぎ部材24の直接的な接続部分として形成される。導電路接続部25による接続は、端子金具36が機能する。
図2、図4、及び図5において、導電路接続部25は、本発明に係る端子金具36を含んで構成される(尚、図8のものが採用される場合は、ボルト及びナットが導電路接続部25の構成に含まれるものとする)。導電路接続部25は、上記の如く、分割導電路23及び繋ぎ部材24の直接的な接続部分として形成される。導電路接続部25による接続は、端子金具36が機能する。
<本発明に係る端子金具36について>
端子金具36は、銅又は銅合金製の丸パイプを加工して製造される(一例であり、例えば鋳造により製造してもよいものとする)。端子金具36は、分割導電路23の接続端28及び繋ぎ部材24の接続端32に対し異種金属になるが、電気的な接続を良好に行うことができるように、また、電気的な接続部分を確実に止水することができるように、さらには、接続信頼性の向上を図ることができるように形成される。端子金具36は、この一端及び他端に設けられる一対のクローズドバレル部37と、一対のクローズドバレル部37を連結する連結部38とを有する。
端子金具36は、銅又は銅合金製の丸パイプを加工して製造される(一例であり、例えば鋳造により製造してもよいものとする)。端子金具36は、分割導電路23の接続端28及び繋ぎ部材24の接続端32に対し異種金属になるが、電気的な接続を良好に行うことができるように、また、電気的な接続部分を確実に止水することができるように、さらには、接続信頼性の向上を図ることができるように形成される。端子金具36は、この一端及び他端に設けられる一対のクローズドバレル部37と、一対のクローズドバレル部37を連結する連結部38とを有する。
<クローズドバレル部37について>
クローズドバレル部37は、上記の如く、端子金具36の一端及び他端にそれぞれ設けられる。一端及び他端のクローズドバレル部37は、本実施例において同じ形状に形成される。尚、分割導電路23の接続端28及び繋ぎ部材24の接続端32に合わせてサイズのみを異ならせてもよいものとする。本実施例においては、接続作業時の方向性が制約されないように同じ形状で同じサイズに形成される。
クローズドバレル部37は、上記の如く、端子金具36の一端及び他端にそれぞれ設けられる。一端及び他端のクローズドバレル部37は、本実施例において同じ形状に形成される。尚、分割導電路23の接続端28及び繋ぎ部材24の接続端32に合わせてサイズのみを異ならせてもよいものとする。本実施例においては、接続作業時の方向性が制約されないように同じ形状で同じサイズに形成される。
クローズドバレル部37は、分割導電路23の接続端28及び繋ぎ部材24の接続端32に対する電線接続部分であって、断面円形の有底筒状に形成される。具体的には、底部39と、この底部39の反対側に位置する開口部40と、段部41とを有して、図示のような先細りの有底円筒状に形成される(別な言い方をすれば、外観視略砲弾形状に形成される)。クローズドバレル部37には、分割導電路23の接続端28及び繋ぎ部材24の接続端32の挿入が可能な内部空間(符号省略)が形成される。このようなクローズドバレル部37の内面には、第一セレーション部42aと、第二セレーション部42bとが形成される。尚、第一セレーション部42aと第二セレーション部42bの形成は任意であるものとする。
一対のクローズドバレル部37のうち、繋ぎ部材24の接続端32に対するクローズドバレル部37には、第一保持部43aと、導体接続部43bと、第二保持部43cとが形成される。これら第一保持部43aと、導体接続部43bと、第二保持部43cは、本発明の特徴部分として形成される。
クローズドバレル部37は、上記の如く段部41を有しており、底部39側よりも開口部40側の方が内面及び外面(内周面及び外周面)が大径になるような段付き形状に形成される。クローズドバレル部37は、小径部分が棒状導体29及び撚り線導体33(導体露出部分32c)に対する電気的接続部分として、また、大径部分が絶縁体30及び被覆部34に対する保持部分・止水部分として形成される。
<第一保持部43a、導体接続部43b、及び第二保持部43cについて>
図4ないし図7において、第一保持部43aは、図中左側のクローズドバレル部37における底部39側に配置形成される。第一保持部43aは、端末被覆部32bを保持するための部分として形成される。端末被覆部32bの保持は、加締めにより行われる。導体接続部43bは、図中左側のクローズドバレル部37における中間(底部39の先細りする部分と段部41との間に位置するストレートな管状の部分)に配置形成される。導体接続部43bは、撚り線導体33(導体露出部分32c)を電気的に接続するための部分として形成される。電気的な接続は、加締めにより行われる。第二保持部43cは、図中左側のクローズドバレル部37における開口部40側に配置形成される。第二保持部43cは、端末被覆部32bが離れた後の被覆部34を保持するための部分として形成される。被覆部34の保持は、加締めにより行われる。
図4ないし図7において、第一保持部43aは、図中左側のクローズドバレル部37における底部39側に配置形成される。第一保持部43aは、端末被覆部32bを保持するための部分として形成される。端末被覆部32bの保持は、加締めにより行われる。導体接続部43bは、図中左側のクローズドバレル部37における中間(底部39の先細りする部分と段部41との間に位置するストレートな管状の部分)に配置形成される。導体接続部43bは、撚り線導体33(導体露出部分32c)を電気的に接続するための部分として形成される。電気的な接続は、加締めにより行われる。第二保持部43cは、図中左側のクローズドバレル部37における開口部40側に配置形成される。第二保持部43cは、端末被覆部32bが離れた後の被覆部34を保持するための部分として形成される。被覆部34の保持は、加締めにより行われる。
<加締めについて>
以上のようなクローズドバレル部37に対し、分割導電路23の接続端28及び繋ぎ部材24の接続端32がそれぞれ挿入された後に、図7の仮想線で示すような範囲に加締めが施される。すなわち、加締め範囲D1〜D3にそれぞれ加締めが施される。尚、ここで言う加締めとは、クローズドバレル部37を内方へ加圧して、機械的な保持や、電気的な圧着接続を生じさせる加工を指すものとする。
以上のようなクローズドバレル部37に対し、分割導電路23の接続端28及び繋ぎ部材24の接続端32がそれぞれ挿入された後に、図7の仮想線で示すような範囲に加締めが施される。すなわち、加締め範囲D1〜D3にそれぞれ加締めが施される。尚、ここで言う加締めとは、クローズドバレル部37を内方へ加圧して、機械的な保持や、電気的な圧着接続を生じさせる加工を指すものとする。
図7及び図6において、加締め範囲D1は、図中左側のクローズドバレル部37における第一保持部43aに対して施される加締めの範囲であり、ここに加締めが施されると、端末被覆部32bが保持される。本発明では、端末被覆部32bが保持された後、アルミ電線である繋ぎ部材24を矢印方向(引き抜き方向)に所定量スライドさせる作業が行われる。そして、この作業によって撚り線導体33が露出する(導体露出部分32cが露出する)。尚、底部39に強く押し込んで端末被覆部32bを保持することができるのであれば、加締め範囲D1での加締めが不要になるのは勿論である。
また、加締め範囲D2は、図中左側のクローズドバレル部37における導体接続部43bに対して施される加締めの範囲であり、ここに加締めが施されると撚り線導体33が圧着される(繋ぎ部材24をスライドさせて露出させた導体露出部分32cとの圧着接続が完了する)。また、加締め範囲D3は、図中右側のクローズドバレル部37に対し施される加締めの範囲であり、ここに加締めが施されると分割導電路23の接続端28が圧着接続される。
<第一セレーション部42aについて>
第一セレーション部42aは、クローズドバレル部37の底部39側の内面に形成される。具体的には、底部39の先細りする部分と段部41との間に位置するストレートな管状の部分の内面に形成される(別な言い方をすれば、クローズドバレル部37の中間内面に形成される)。第一セレーション部42aは、クローズドバレル部37の中心線CLに対し斜めに交差する方向の溝として形成される。具体的には、例えば螺旋状の溝(雌ねじ形状の溝、又は、斜め形状のものが並列する溝を含む)として形成される。また、第一セレーション部42aは、挿入された分割導電路23の接続端28の棒状導体29、及び、クローズドバレル部37の内部で露出した繋ぎ部材24の接続端32の撚り線導体33(導体露出部分32c)に対して接触する溝として形成される。さらに、第一セレーション部42aは、棒状導体29及び撚り線導体33(導体露出部分32c)に生じる酸化被膜を破壊する部分として形成される。
第一セレーション部42aは、クローズドバレル部37の底部39側の内面に形成される。具体的には、底部39の先細りする部分と段部41との間に位置するストレートな管状の部分の内面に形成される(別な言い方をすれば、クローズドバレル部37の中間内面に形成される)。第一セレーション部42aは、クローズドバレル部37の中心線CLに対し斜めに交差する方向の溝として形成される。具体的には、例えば螺旋状の溝(雌ねじ形状の溝、又は、斜め形状のものが並列する溝を含む)として形成される。また、第一セレーション部42aは、挿入された分割導電路23の接続端28の棒状導体29、及び、クローズドバレル部37の内部で露出した繋ぎ部材24の接続端32の撚り線導体33(導体露出部分32c)に対して接触する溝として形成される。さらに、第一セレーション部42aは、棒状導体29及び撚り線導体33(導体露出部分32c)に生じる酸化被膜を破壊する部分として形成される。
第一セレーション部42aは、特に図示しないが、例えばタップ加工により形成される。また、第一セレーション部42aは、例えばエッジの効いた溝(図5参照)に形成される。尚、第一セレーション部42aは、次に説明する第二セレーション部42bと同様の溝形状にしてもよいものとする。
<第二セレーション部42bについて>
第二セレーション部42bは、クローズドバレル部37の開口部40側の内面に形成される。具体的には、開口部40と段部41との間に位置する大径のストレートな管状の部分の内面に形成される。第二セレーション部42bは、止水性能を高める部分として形成される。尚、第二セレーション部42bがなくても十分に止水できるのであれば、この第二セレーション部42bの形成は任意であるものとする。
第二セレーション部42bは、クローズドバレル部37の開口部40側の内面に形成される。具体的には、開口部40と段部41との間に位置する大径のストレートな管状の部分の内面に形成される。第二セレーション部42bは、止水性能を高める部分として形成される。尚、第二セレーション部42bがなくても十分に止水できるのであれば、この第二セレーション部42bの形成は任意であるものとする。
第二セレーション部42bは、中心線CLに対し直交方向に交差する方向の溝として形成される。具体的には、例えば同心円状の溝(非螺旋状の溝)として形成される。また、第二セレーション部42bは、挿入された分割導電路23の絶縁体30及び繋ぎ部材24の被覆部34に対し食い込んで水分の浸入を阻止できるような溝として形成される。
<連結部38について>
連結部38は、上記の如く、一対のクローズドバレル部37を連結する部分として形成される。連結部38は、丸パイプを潰して略帯板状の部分になるように形成される。尚、特に図示しないが、連結部38の中央に貫通孔をあけて、例えば端子台にボルト固定されるような形状にしてもよいものとする。また、連結部38に替えて、図8に示すような貫通孔44を有する板状の電気接触部45にしてもよいものとする。
連結部38は、上記の如く、一対のクローズドバレル部37を連結する部分として形成される。連結部38は、丸パイプを潰して略帯板状の部分になるように形成される。尚、特に図示しないが、連結部38の中央に貫通孔をあけて、例えば端子台にボルト固定されるような形状にしてもよいものとする。また、連結部38に替えて、図8に示すような貫通孔44を有する板状の電気接触部45にしてもよいものとする。
<導電路接続部25の絶縁に関して>
導電路接続部25の絶縁に関し端子金具36の部分は、外装部材22(後述する樹脂製のコルゲートチューブや樹脂製のプロテクタP)に覆われて絶縁される。従って、導電路接続部25は簡素に構成される。尚、絶縁のための手段が必要であれば、一例としてテープ巻きや熱収縮チューブ等の絶縁部材を使用することが挙げられる。
導電路接続部25の絶縁に関し端子金具36の部分は、外装部材22(後述する樹脂製のコルゲートチューブや樹脂製のプロテクタP)に覆われて絶縁される。従って、導電路接続部25は簡素に構成される。尚、絶縁のための手段が必要であれば、一例としてテープ巻きや熱収縮チューブ等の絶縁部材を使用することが挙げられる。
<コネクタ端子26について>
図2に戻り、コネクタ端子26は、上記の如く、導電路21の各端末に設けられる。具体的には、分割導電路23a及び23dの各端末に設けられる。コネクタ端子26は、公知の端子金具であって、コネクタ20(図1及び図10参照)のコネクタハウジング46に収容保持される。
図2に戻り、コネクタ端子26は、上記の如く、導電路21の各端末に設けられる。具体的には、分割導電路23a及び23dの各端末に設けられる。コネクタ端子26は、公知の端子金具であって、コネクタ20(図1及び図10参照)のコネクタハウジング46に収容保持される。
<配索経路の形状について>
次に、上記構成及び構造に基づき、導電路21によって形成される配索経路の形状について説明をする。尚、配索経路の形状の説明にあたっては、便宜上、外装部材22の図示を省略するものとする(外装部材22に関しては後述する)。
次に、上記構成及び構造に基づき、導電路21によって形成される配索経路の形状について説明をする。尚、配索経路の形状の説明にあたっては、便宜上、外装部材22の図示を省略するものとする(外装部材22に関しては後述する)。
図9において、ここでは分割導電路23aと、長尺な分割導電路23bと、これらを繋ぐ繋ぎ部材24a及び端子金具36とが図示される。分割導電路23aは、この中間が曲げられて形状が保持される。分割導電路23aは、これを構成する棒状導体29が塑性変形することにより、所定の曲げ形状が保持される。長尺な分割導電路23bは、この一端側が曲げられて形状が保持される。一端側の曲げは、上記同様、棒状導体29が塑性変形することにより、所定の曲げ形状が保持される。長尺な分割導電路23bの中間は、車両床下11に沿って配索される。繋ぎ部材24aは、例えば配索時において、導電路21の端末側の取り回しをし易くするための曲げ手段として適用される。また、繋ぎ部材24aは、配策後の例えば走行中において、振動を吸収する振動吸収手段として適用される。
<外装部材22について>
続いて、図10を参照しながら、外装部材22について説明をする。
続いて、図10を参照しながら、外装部材22について説明をする。
図10において、外装部材22は、導電路21を収容保護するための樹脂成形品である。外装部材22は、本実施例において、公知のコルゲートチューブが採用される。コルゲートチューブである外装部材22は、管軸に直交する方向の断面形状が丸形に形成される(一例であり、例えば長円形状や楕円形状等の平形であってもよいものとする)。外装部材22は、この全体が可撓性を有するように形成される。外装部材22はコルゲートチューブであることから、蛇腹管形状に形成される。具体的には、周方向の蛇腹凹部47及び蛇腹凸部48を有するとともに、これら蛇腹凹部47及び蛇腹凸部48が管軸方向に交互に連続するように形成される。
このような外装部材22の所定位置には、クランプCが組み付けられる。クランプCは、外装部材22の形状(蛇腹管形状)に合わせて形成される管体取付部49と、この管体取付部49に連続する片持ち形状の固定部50とを有する。固定部50には、ボルト挿通孔51が形成される。
尚、本実施例では、外装部材22としてコルゲートチューブが採用されるが、これに限らないものとする。例えば、上記コルゲートチューブと樹脂製のプロテクタP(図2参照)との組み合わせで採用したり、プロテクタPを単独で採用したりしてもよいものとする。柔軟性を持たせたい部分をコルゲートチューブで確保しつつ、逆に経路規制をしたい部分はプロテクタPの組み付けで対応すればよい。また、例えば曲げ等を行った後に、この曲げ形状を保持するためにプロテクタPを組み付けて対応してもよい。プロテクタPの組み付け位置は、例えば繋ぎ部材24と、この近傍部分とを覆うような位置が一例として挙げられる(分割導電路23の方に組み付けてもよいものとする)。プロテクタPは、経路規制に限らず、飛び石や縁石等への乗り上げに対する補強部分としても有効である。コルゲートチューブやプロテクタP以外としては、所望の範囲を巻き付けて覆うシート部材等も有効である。
<ワイヤハーネス15の製造、輸送、及び経路配索について>
続いて、ワイヤハーネス15の製造、輸送、及び経路配索について説明をする。
続いて、ワイヤハーネス15の製造、輸送、及び経路配索について説明をする。
図10において、ワイヤハーネス15は、先ず、全体が略直線状に樹脂成形された外装部材22に導電路21を挿通してハーネス本体19を製造する。次に、導電路21の両端末にコネクタ20を設け、最後に、外装部材22の所定位置にクランプCやその他の後付部品を組み付けると製造が完了する。
ワイヤハーネス15の製造後は所定の位置で(例えば、繋ぎ部材24a、24cに対応する位置で)折り畳むように曲げをすると、ワイヤハーネス15は端末側の部分と中間部分とが略平行な状態に対向配置される(図10(a)参照)。このような配置状態にすることにより、ワイヤハーネス15の全長が短くなるとともに、ワイヤハーネス15は最小限の幅で梱包される。すなわち、ワイヤハーネス15の全体はコンパクトな状態で梱包される。そして、このコンパクトな状態のままでワイヤハーネス15は輸送される。
輸送後、梱包状態が解かれると、ワイヤハーネス15は製造後と同じ状態になる。そしてこの後に、ワイヤハーネス15はボルト挿通孔51に挿通されたボルト52を介して車両床下11等の固定対象53に取り付け固定される(固定対象53の形状は一例である)。ワイヤハーネス15は、固定対象53に対して取り付け固定されると、図示の如く所定の経路配索が完了する。経路配索にあたっては、導電路21の構成及び構造が有効に機能するのは勿論である。
<本発明の効果について>
以上、図1ないし図10を参照しながら説明してきたように、ワイヤハーネス15は、複数本の導電路21を含んで構成される。導電路21に関しては、この一本が複数に分割された分割導電路23と、隣り合う分割導電路23同士を繋ぐ導電性の繋ぎ部材24及び端子金具26とを含んで構成される。
以上、図1ないし図10を参照しながら説明してきたように、ワイヤハーネス15は、複数本の導電路21を含んで構成される。導電路21に関しては、この一本が複数に分割された分割導電路23と、隣り合う分割導電路23同士を繋ぐ導電性の繋ぎ部材24及び端子金具26とを含んで構成される。
端子金具26は、本発明に係るものであって、繋ぎ部材24の端末の被覆部34(絶縁体)を除去せずに被覆部34(端末被覆部32b)が残ったままの状態でクローズドバレル部37に電線端末を挿入し、この挿入の後にクローズドバレル部37の内部で撚り線導体33を露出させ(導体露出部分32cを露出させ)、そして、露出した撚り線導体33(導体露出部分32c)に対してクローズドバレル部37の中間を加締めにより圧着させることができる構造の端子金具36であることから、電気的な接続を行うにあたり撚り線導体33(導体露出部分32c)がバラケることはない。
従って、本発明の端子金具26を採用することにより、接続信頼性の向上を図ることができる。
この他、クローズドバレル部37の内部で露出させた繋ぎ部材24の接続端32の撚り線導体33(導体露出部分32c)を圧着接続するためにクローズドバレル部37に対し加締めを施すと、また、分割導電路23の接続端30の棒状導体29を圧着接続するためにクローズドバレル部37に対し加締めを施すと、クローズドバレル部37の内面において第一セレーション部42aの接触や摩擦が生じ、これによって撚り線導体33(導体露出部分32c)や棒状導体29の酸化被膜を確実に破壊することができる。また、クローズドバレル部37の内面による接触と、第一セレーション部42aの接触とにより、電気的な接続を良好な状態に形成することができる。
さらに、クローズドバレル部37の開口部40側の内面を繋ぎ部材24の被覆部34の外周面や、分割導電路23の絶縁体30の外周面に密着させることができるとともに、被覆部34や絶縁体30の外周面に対しては第二セレーション部42bを食い込ませた状態に係合させることで止水性能を更に高めることができる。
従って、本発明の端子金具26を採用することにより、異種金属同士の電気的な接続を良好に行うことができる。また、電気的な接続部分を確実に止水することもできる。
本発明は本発明の主旨を変えない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。
1…ハイブリッド自動車(自動車)、 2…エンジン、 3…モータユニット、 4…インバータユニット、 5…バッテリー、 6…エンジンルーム、 7…自動車後部、 8、9…ワイヤハーネス、 10…中間部、 11…車両床下(車体)、 12…ジャンクションブロック、 13…ハーネス端末、 14…シールドコネクタ、 15…ワイヤハーネス、 16…低圧バッテリー、 17…自動車前部、 18…補器、 19…ハーネス本体、 20…コネクタ、 21…導電路、 22…外装部材、 23…分割導電路、 24…繋ぎ部材(アルミ電線)、 25…導電路接続部、 26…コネクタ端子、 27…本体部、 28…接続端、 29…棒状導体、 30…絶縁体、 31…本体部、 32…接続端、 32a…切り込み、 32b…端末被覆部(端末絶縁体)、 32c…導体露出部分、 33…撚り線導体、 34…被覆部(絶縁体)、 35…素線、 36…端子金具、 37…クローズドバレル部、 38…連結部、 39…底部、 40…開口部、 41…段部、 42a…第一セレーション部、 42b…第二セレーション部、 43a…第一保持部、 43b…導体接続部、 43c…第二保持部、 44…貫通孔、 45…電気接触部、 46…コネクタハウジング、 47…蛇腹凹部、 48…蛇腹凸部、 49…管体取付部、 50…固定部、 51…ボルト挿通孔、 52…ボルト、 53…固定対象、 C…クランプ、 CL…中心線(挿入軸)、 D1〜D3…加締め範囲、 P…プロテクタ(外装部材)
Claims (3)
- アルミニウム又はアルミニウム合金製の撚り線導体と、該撚り線導体を覆う絶縁体とを備えるアルミ電線が接続対象になり、該アルミ電線に対する電線接続部分が底部を有する有底筒状のクローズドバレル部として形成され、且つ、材質が前記撚り線導体と異種金属になる端子金具において、
前記接続対象になる前記アルミ電線は、前記撚り線導体を覆う絶縁体に対し端末から所定長さの位置で周方向の切り込みを入れて形成される端末絶縁体を有するものであり、
前記クローズドバレル部の前記底部側は、前記端末絶縁体を保持するための第一保持部として形成され、
前記クローズドバレル部の中間は、前記端末絶縁体を前記第一保持部にて保持した状態で前記アルミ電線を引き抜き方向にスライドさせた時に露出する前記撚り線導体に対し接続するための導体接続部として形成される
ことを特徴とする端子金具。 - 請求項1に記載の端子金具において、
前記クローズドバレル部の内面は、前記中間よりも前記底部の反対側に位置する開口部側の方が大径になる段付き形状に形成され、
前記クローズドバレル部の前記開口部側は、前記端末絶縁体が離れた後の前記絶縁体を保持するための第二保持部として形成される
ことを特徴とする端子金具。 - 一又は複数本の導電路を含んで構成され、且つ、自動車に配索されて電気的な接続を行うワイヤハーネスにおいて、
前記導電路一本は、複数に分割された分割導電路と、一又は複数有して隣り合う前記分割導電路同士を繋ぐ導電性の繋ぎ部材と、前記分割導電路及び前記繋ぎ部材を接続するための請求項1又は2に記載の端子金具とを含んで構成される
ことを特徴とするワイヤハーネス。
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