JP2016131189A - 切削方法及び切削装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】コストを高騰させることなく、異形状部を除去することができる切削方法及び切削装置を提供すること。
【解決手段】切削方法は、電極を含む被加工物Wを切削ブレードを用いて切削する切削方法である。切削方法は、切削水を被加工物Wに供給し、切削ブレードを回転させて被加工物Wを切削する切削工程と、切削ブレードで切削した被切削部Cに気体と微粒子の混合物Kを吹き付け、切削工程により発生した異形状部を除去する異形状部除去工程を備える。
【選択図】図9

Description

本発明は、切削方法及び切削装置に関する。
IC、LSI等の集積回路が形成されたチップが樹脂によってパッケージングされたCSP(Chip Size Package)、QFN(Quad Flat Non-leaded package)等の矩形基板や、ガラスやサファイアなどの脆性材の基板等の様々な基板は、各デバイスを区画する格子状のストリートに沿って切断することにより個々のチップ(デバイス)に分割され、携帯電話やパソコン等の電気機器や電子部品に広く利用される。
通常、被加工物の分割は、高速回転切削ブレードを用いた切削加工によって分割予定ラインに沿って行われている。切削ブレードを用いた切削加工では、被加工物の切削領域は切削除去されるが、表面のうち、少なくとも分割予定ラインに対応する部分が金属等の延性材料で形成されていると、切削ブレードによって形成された切削溝と被加工物の表面との境界に被加工物の表面から盛り上がる異形状部(バリともいう)が発生する。切削加工により異形状部が発生すると、短絡などの製品特性不良や外観不良が発生したり、その後の生産工程におけるピックアップ不良やボンディング不良等の悪影響を及ぼしたりするので、大きな問題となる。
そこで、従来では、なるべく低速で切削加工を行って発生する異形状部の大きさを小さくすることや、被加工物の分割後に異形状部を除去する分割方法などが提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
特開2001−077055号公報 特開2006−041261号公報
しかしながら、低速で切削加工を行ったり、被加工物の分割後に異形状部を除去すると、切削工程のスループットが低下し、切削ブレードの消耗も進み、コストが高騰する虞があった。
本発明の目的は、上記問題を解決し、コストを高騰させることなく、異形状部を除去することができる切削方法及び切削装置を提供することである。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の切削方法は、金属膜を含む被加工物を切削ブレードを用いて切削する切削方法であって、切削水を被加工物に供給し、該切削ブレードを回転させて該被加工物を切削する切削工程と、該切削ブレードで切削した被切削部に気体と微粒子の混合物を吹き付け、該切削工程により発生した異形状部を除去する異形状部除去工程を備えることを特徴とする。
また、上記切削方法において、該微粒子は、水溶性であるものとすることができる。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の切削装置は、金属膜を含む被加工物を保持する保持部と、回転自在なスピンドル及び該スピンドルに装着された切削ブレードを有する切削手段と、該スピンドルの中心軸線方向に対して垂直で且つ該保持部の表面に平行な方向に該スピンドルに対して該保持部を相対的に移動させる移動手段と、被加工物に向けて切削水を供給する切削水供給部と、を有する切削装置であって、該切削ブレードにより切削された被切削部に気体と微粒子の混合物を供給する混合物供給部をさらに備え、切削したことにより発生した異形状部を除去することを特徴とする。
また、上記切削装置において、該微粒子は、水溶性であるものとすることができる。
本発明は、金属膜を切削して被切削部に発生した異形状部などに気体と微粒子の混合物を吹き付け、異形状部などを除去するようにしたので、コストを高騰させることなく異形状部を抑制できるという効果を奏す。また、微粒子が水溶性であれば、微粒子が切削水に溶け込み切削水とともに排出されるので、別途の捕集手段を必要としない。
図1は、実施形態に係る切削装置の構成例の斜視図である。 図2は、実施形態に係る切削装置のチャックテーブル及び被加工物を示す斜視図である。 図3は、実施形態に係る切削方法及び切削装置の被加工物の一例を示す平面図である。 図4は、実施形態に係る切削装置の切削手段の構成例を示す斜視図である。 図5は、実施形態に係る切削装置の切削ブレードと混合物供給部とを示す側面図である。 図6は、図5中のVI−VI線に沿う断面図である。 図7は、実施形態に係る切削装置の被加工物を切削中の切削ブレードなどを示す断面図である。 図8は、実施形態に係る切削装置の切削ブレードにより切削された被加工物の被切削部などを示す断面図である。 図9は、実施形態に係る切削方法の異形状部除去工程の概要を示す断面図である。 図10は、本発明品の異形状部を除去した後の被加工物の要部を示す断面図である。 図11は、比較例の異形状部のとげ部を除去した後の被加工物の要部を示す断面図である。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
〔実施形態〕
本発明の実施形態に係る切削方法及び切削装置を図面に基いて説明する。図1は、実施形態に係る切削装置の構成例の斜視図である。図2は、実施形態に係る切削装置のチャックテーブル及び被加工物を示す斜視図である。図3は、実施形態に係る切削方法及び切削装置の被加工物の一例を示す平面図である。図4は、実施形態に係る切削装置の切削手段の構成例を示す斜視図である。図5は、実施形態に係る切削装置の切削ブレードと混合物供給部とを示す側面図である。図6は、図5中のVI−VI線に沿う断面図である。図7は、実施形態に係る切削装置の被加工物を切削中の切削ブレードなどを示す断面図である。図8は、実施形態に係る切削装置の切削ブレードにより切削された被加工物の被切削部などを示す断面図である。
本実施形態に係る切削装置1は、切削ブレード22を有する切削手段20と被加工物Wを保持した保持部10とを相対移動させることで、被加工物Wを切削するものである。切削装置1は、図1に示すように、被加工物Wを表面11aで吸引保持する保持部10と、切削手段20と、入力手段100と、制御手段90と、を備えている。また、切削装置1は、保持部10をX軸方向に移動せしめるX軸移動手段30(移動手段に相当)と、切削手段20をX軸方向に直交するY軸方向に移動せしめるY軸移動手段40と、切削手段20をX軸方向及びY軸方向に直交するZ軸方向に移動せしめるZ軸移動手段50とを少なくとも含んで構成されている。なお、切削装置1は、装置本体2上に門型の柱部3が設けられている。
ここで、被加工物Wは、切削装置1により加工される板状の加工対象であり、本実施形態では、図2、図3に示すように、互いに直交する複数の分割予定ラインLで区画される各デバイス領域Rに樹脂封止部Sにより封止された図示しないデバイスが配設され、分割予定ラインLの表面に金属膜としての電極P(図3に示す)が配設されたパッケージ基板(例えば、QFN(Quad Flat Non-leaded package)基板)である。デバイスは、各デバイス領域Rの裏面に配設されて、樹脂封止部Sにより封止されている。電極Pは、延性を有する金属で構成されている。被加工物Wとしてのパッケージ基板は、切削装置1が保持部10と切削ブレード22を有する切削手段20とを相対移動させて、分割予定ラインLの中央に切削加工が施されて、電極Pが切断されることで、個々のデバイスに分割される。また、本発明では、被加工物Wは、パッケージ基板に限らず、分割予定ラインLに電極Pなどの金属膜が形成されていれば、シリコン、サファイア、ガリウムなどを母材とする円板状の半導体ウエーハや光デバイスウエーハ等の他の被加工物でもよい。
保持部10は、図1に示すように、表面11aを有した保持テーブル11と、回転テーブル19とを含んで構成されている。保持テーブル11は、表面11a上に被加工物Wを載置し、表面11aに設けられた吸引孔13(図2に示す)を通して吸引することで、負圧により被加工物Wを吸引保持するものである。吸引孔13は、被加工物Wのデバイスと1対1で対応して設けられている。保持テーブル11の表面11aには、各分割予定ラインLに対応した切削ブレード22用の逃げ溝15が形成されている。逃げ溝15には、被加工物Wを各デバイスに分割する際に、切削手段20の切削ブレード22が侵入する。回転テーブル19は、表面11aと直交するZ軸方向と平行な図示しない軸線回りに保持テーブル11を回転可能なものである。また、保持部10は、X軸移動手段30によりX軸方向に移動自在に設けられている。
切削手段20は、保持部10に保持された被加工物Wに図示しない切削水を供給しながら被加工物Wを切削ブレード22で切削するものである。切削手段20は、Y軸移動手段40、Z軸移動手段50などを介して柱部3に設けられている。切削手段20は、Y軸移動手段40によりY軸方向に移動自在に設けられかつZ軸移動手段50によりZ軸方向に移動自在に設けられている。
切削手段20は、図4に示すように、中心軸線がY軸方向(割り出し方向に相当)と一致するスピンドル21と、スピンドル21の先端に装着された切削ブレード22と、ブレードカバー24とを有する。スピンドル21は、スピンドルハウジング23に回転可能に支持され、スピンドルハウジング23に収納されている図示しないブレード駆動源に連結されている。ブレード駆動源は、図示しない電源から供給される電力によりスピンドル21を中心軸線回りに回転させる。
切削ブレード22は、略リング形状を有する極薄の切削砥石であり、スピンドル21に着脱自在に装着される。切削ブレード22は、ブレード駆動源により発生した回転力により回転駆動する。切削ブレード22は、保持部10の表面11aに保持された被加工物Wの分割予定ラインLを切削する。切削ブレード22が、被加工物Wの分割予定ラインLを切削すると、分割予定ラインLに切削溝D(図5に示す)が形成される。
また、切削ブレード22が分割予定ラインLの電極Pを切削すると、図7及び図8に示すように、電極Pを構成する金属が延性を有するために、切削溝Dの内縁部の電極Pの一部が被加工物Wの表面WSから突出する方向に変形して、被加工物Wの表面WSから凸の異形状部DFが切削溝Dの内縁部に形成される。本明細書でいう異形状部DFとは、切削したことにより発生するものであって、電極Pなどの被加工物Wの表面WSに形成された金属膜のうち被加工物Wの表面WSから突出する方向に変形した部分をいう。また、切削溝Dと異形状部DFが形成される切削溝Dの内縁部は、被加工物Wの切削ブレード22により切削された被切削部Cを構成する。異形状部DFは、切削溝Dの両内縁部に形成されかつ被加工物Wの表面WSから山形に突出した異形状部本体DF1と、異形状部本体DF1の表面に複数設けられたとげ部DF2とを備えている。とげ部DF2は、異形状部本体DF1の表面から凸の鋭い突起状に形成されている。
ブレードカバー24は、スピンドルハウジング23の前端部に固定され、切削ブレード22の下方を除く外周を覆うものである。ブレードカバー24は、図4に示すように、切削ブレード22に切削水を供給する一対の切削水供給ノズル27と、混合物供給部29と、を備える。
切削水供給ノズル27は、切削ブレード22に切削水を供給することで、被加工物Wに向けて切削水を供給する切削水供給部である。切削水供給ノズル27は、切削ブレード22を挟んでブレードカバー24の下端部のY軸方向の両側に配設され、切削ブレード22の両側方に切削水を供給するためのものである。切削水供給ノズル27は、ブレードカバー24の下端部に装着され、X軸方向と平行に水平方向に延伸し、且つその側面に切削水を噴射する噴射スリット27aを有する円筒形状に形成されている。切削水供給ノズル27には、ブレードカバー24の上端部に取り付けられた連結部28及びブレードカバー24の内部に形成された図示しない切削水供給路を介して、図示しない切削水源からの切削水が供給される。
混合物供給部29は、切削ブレード22により切削された被加工物Wの切削溝D及び切削溝Dの内縁部とを含む被切削部Cに気体と微粒子の混合物K(図5に示す)を供給するものである。混合物供給部29は、気体と微粒子の混合物Kを被切削部Cに吹き付けることで、異形状部DFを被加工物Wの表面WSから除去して、被切削部Cを被加工物Wの表面WSと面一に平坦に形成するものである。
混合物供給部29は、ブレードカバー24内に設けられ、図5に示すように、被加工物Wの表面WSと直交する平行な直線状に形成されている。混合物供給部29は、被加工物Wの表面WSと対面する混合物噴出口29aを備えている。混合物供給部29は、混合物噴出口29aの中央が切削ブレード22の厚み方向の中央とX軸方向に並ぶ位置に配置されている。また、混合物噴出口29aは、切削ブレード22が被加工物Wを切削する際に、切削ブレード22の被加工物Wに対する相対的な移動方向の後方側に配置されている。
混合物供給部29は、混合物供給源29bから加圧された気体と微粒子との混合物Kが供給され、供給された混合物Kを被加工物Wの被切削部Cに向けて被加工物Wの表面WSに直交する方向に吹き付ける。なお、本実施形態では、加圧された気体として0.1MPa(ゲージ圧)〜0.6MPa(ゲージ圧)の気体を用い、微粒子として水溶性である重曹(炭酸水素ナトリウム)を用いている。重曹は、水溶時に弱アルカリ性となる。重曹は、一般に購入できるもの、例えば、(株)三和通商が輸入しているものを用いることができる。本実施形態では、重曹の平均粒径は、40μm程度である。混合物噴出口29aは、図6に示すように、長手方向がY軸方向と平行な長穴形状に形成されている。本実施形態では、混合物噴出口29aのY軸方向の幅H1は、切削溝Dの幅の1.1倍から1.2倍程度で、かつ、被切削部Cの幅と略等しい例えば2mm程度に形成され、混合物噴出口29aのX軸方向の幅H2は、例えば0.5mm程度に形成されている。また、微粒子としては、平均粒径が10μm〜100μm程度の水溶性のもので、水溶時に微酸性、微アルカリ性又は中性となるものが望ましく、又は、プラスチックなどの非水溶性のものでもよい。
X軸移動手段30は、スピンドル21の中心軸線方向に対して垂直で且つ保持部10の表面11aに平行な方向にスピンドル21に対して保持部10を相対的に移動させるものである。
入力手段100は、制御手段90に接続され、加工動作の状態を表示する表示手段101に設けられている。表示手段101は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の表示パネルなどで構成される。表示手段101は、制御手段90から入力される信号に応じて、文字、図形、画像等の情報を表示する。入力手段100は、オペレータがキー操作するものであり、表示手段101の表示面全面に設けられたタッチパネルなどで構成される。入力手段100は、受け付けた操作に応じた信号を制御手段90へ入力する。
制御手段90は、切削装置1を構成する上述した構成要素をそれぞれ制御するものである。制御手段90は、被加工物Wに対する加工動作即ち実施形態に係る切削方法を切削装置1に行わせるものである。なお、制御手段90は、例えばCPU等で構成された演算処理装置やROM、RAM等を備える図示しないマイクロプロセッサを主体として構成されている。制御手段90は、表示手段101や、オペレータが加工内容情報などを登録する際に用いる入力手段100などと接続されている。
次に、本実施形態に係る切削装置1の加工動作、即ち、本実施形態に係る切削方法について説明する。本実施形態に係る切削方法は、被加工物Wを切削ブレード22を用いて切削する切削方法である。図9は、実施形態に係る切削方法の異形状部除去工程の概要を示す断面図である。
切削方法では、まず、オペレータが加工内容情報を制御手段90に登録して、切削手段20から離間した保持部10に被加工物Wを載置し、オペレータから加工動作の開始指示があった場合に、切削装置1が加工動作を開始する。加工動作において、制御手段90は、保持部10に載置された被加工物Wを吸引保持し、被加工物Wを吸引保持した保持部10を切削手段20の下方に移動させる。
そして、制御手段90は、アライメントを実行した後、加工内容情報に基いて、切削水供給ノズル27から切削水を切削ブレード22に供給し、切削ブレード22を回転させながら切削手段20と切削ブレード22とを分割予定ラインLに沿って相対的に移動させて被加工物Wを切削する切削工程を実行する。また、制御手段90は、切削工程を実行すると同時に、混合物供給源29bを作動させ混合物Kを混合物供給部29の混合物噴出口29aから被加工物Wの被切削部Cに吹き付けさせる。制御手段90は、切削工程を実行して、被加工物Wを切削しながら切削ブレード22で切削した被切削部Cに混合物Kを吹き付け、切削工程により発生した異形状部DFを除去する異形状部除去工程を実行する。異形状部除去工程では、混合物供給部29の混合物噴出口29aを通して被加工物Wの被切削部Cに吹き付けられた混合物Kは、図9に示すように、切削溝D内を通る。
さらに、混合物Kは、切削溝Dの内縁部に形成された異形状部DFに衝突し、衝突時に微粒子である重曹がとげ部DF2を削り取るとともに、異形状部本体DF1を削り取って、被切削部Cの表面を被加工物Wの表面WSと面一となるように平坦に形成する。そして、混合物Kの微粒子である重曹は、切削水に溶けて、切削水とともに図示しない排出口を通して切削装置1外に排出される。
制御手段90は、加工内容情報に基いて、切削工程及び異形状部除去工程が終了したと判定すると、切削手段20をZ軸移動手段50により被加工物Wから離間させた後、X軸移動手段30により保持部10を切削手段20の下方から離間させる。そして、制御手段90は、保持部10が切削手段20の下方から離間すると、保持部10の吸引保持を解除し、オペレータが保持部10上の切削済みの被加工物Wを取り除き、切削加工前の被加工物Wを保持部10に載置する。このような工程を繰返して、切削装置1は、被加工物Wを切削する。
本実施形態に係る切削方法及び切削装置1では、電極Pを切削して被切削部Cに発生した異形状部DFなどに気体と微粒子の混合物Kを吹き付け、異形状部DFを除去するようにしている。このように、異形状部DFを除去するために切削ブレード22を用いることがないので、切削ブレード22で切削しながら異形状部DFを除去することができる。したがって、異形状部DFを除去しても被加工物Wの切削加工のスループットを低下させることを抑制でき、切削ブレード22を消耗させることなく異形状部DFを除去することができるので、コストを高騰させることなく異形状部DFを除去することができる。
また、切削方法及び切削装置1では、混合物供給部29をブレードカバー24に設け、切削ブレード22の被加工物Wに対する移動方向の後方側に配置しているので、切削ブレード22により切削加工しながら混合物供給部29から混合物Kを供給して異形状部DFを除去することができる。さらに、切削方法及び切削装置1では、混合物供給部29を切削ブレード22とX軸方向に並ぶ位置に配置しているので、混合物供給部29から混合物Kを供給して、混合物Kを被切削部Cに吹き付けることができ異形状部DFを除去することができる。
また、切削方法及び切削装置1では、微粒子が水溶性である重曹であるので、異形状部DFを除去した混合物Kの微粒子が切削水に溶けることとなる。したがって、切削方法及び切削装置1では、混合物Kを構成する微粒子を切削水とともに切削装置1外に排出することができ、微粒子を回収するために別途の捕集手段を必要としない。
実施形態に係る切削方法及び切削装置1によれば、混合物Kを構成する微粒子として水溶性の重曹を用いるので、混合物Kを被切削部Cに吹き付けても、混合物Kの微粒子が速やかに切削水に溶けることとなる。したがって、切削工程中に混合物Kを吹き付けても、混合物Kが辺りに飛散することを抑制することができる。
次に、本発明の発明者は、本発明の効果を実験により確認した。結果を図10、図11及び表1に示す。図10は、本発明品の異形状部を除去した後の被加工物の要部を示す断面図である。図11は、比較例の異形状部のとげ部を除去した後の被加工物の要部を示す断面図である。
Figure 2016131189
結果を表1に示す実験では、本発明品は、微粒子が重曹である混合物Kを被切削部Cに吹き付けた。比較例は、ウォータージェット加工により異形状部DFを除去することを試みた。比較例は、図11に示すように、異形状部DFのとげ部DF2を除去できるが異形状部本体DF1を除去することができない旨確認した。このような比較例に対して、本発明は、図10に示すように、被切削部Cの異形状部DF全体を除去できる旨確認した。したがって、表1によれば、混合物Kを被切削部Cに吹き付けることで、異形状部DF全体を除去できることが明らかとなった。また、表1に示すように、比較例は、加工時間が長く、高価な研磨剤を使用するので、コストが高騰するのに対し、本発明は、安価な重曹を用いるので、低コスト化を図ることができることも明らかとなった。
前述した実施形態では、ブレードカバー24に混合物供給部29を設けて切削工程と同時に異形状部除去工程を行えるようにしているが、本発明では、ブレードカバー24に混合物供給部29を設けなくてもよい。この場合、切削装置1の例えば保持部10から離間する所定の位置に混合物供給部29を設けて、切削工程以外に被切削部Cに混合物Kを吹き付ける工程を実行するのが望ましい。
前述した実施形態及び変形例では、切削手段20を一つのみ有する切削装置1に適用している。しかしながら、本発明では、切削手段20を二つ有する、所謂、デュアルダイサ型の切削装置に適用しても良い。なお、デュアルダイサ型の切削装置に適用する際にも、混合物供給部29をブレードカバー24に設けてもよく、保持部10から離間する所定の位置に設けてもよい。また、デュアルダイサ型の切削装置において、保持部10から離間する所定の位置に混合物供給部29を設ける場合には、混合物供給部29を少なくとも一つ設ければよい。
なお、本発明は上記実施形態、変形例に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
1 切削装置
10 保持部
11a 表面
20 切削手段
21 スピンドル
22 切削ブレード
27 切削水供給ノズル(切削水供給部)
29 混合物供給部
30 X軸移動手段(移動手段)
W 被加工物
C 被切削部
DF 異形状部
K 混合物
P 電極(金属膜)

Claims (4)

  1. 金属膜を含む被加工物を切削ブレードを用いて切削する切削方法であって、
    切削水を被加工物に供給し、該切削ブレードを回転させて該被加工物を切削する切削工程と、
    該切削ブレードで切削した被切削部に気体と微粒子の混合物を吹き付け、該切削工程により発生した異形状部を除去する異形状部除去工程を備えることを特徴とする切削方法。
  2. 該微粒子は、水溶性である請求項1に記載の切削方法。
  3. 金属膜を含む被加工物を保持する保持部と、
    回転自在なスピンドル及び該スピンドルに装着された切削ブレードを有する切削手段と、
    該スピンドルの中心軸線方向に対して垂直で且つ該保持部の表面に平行な方向に該スピンドルに対して該保持部を相対的に移動させる移動手段と、
    被加工物に向けて切削水を供給する切削水供給部と、
    を有する切削装置であって、
    該切削ブレードにより切削された被切削部に気体と微粒子の混合物を供給する混合物供給部をさらに備え、切削したことにより発生した異形状部を除去することを特徴とする切削装置。
  4. 該微粒子は、水溶性である請求項3に記載の切削装置。
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