JP2016126960A - 異方性導電体とその製造方法、デバイス、電子放出素子、フィールドエミッションランプ、及びフィールドエミッションディスプレイ - Google Patents

異方性導電体とその製造方法、デバイス、電子放出素子、フィールドエミッションランプ、及びフィールドエミッションディスプレイ Download PDF

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Norio Saito
典生 齋藤
聖也 木町
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【課題】カーボンナノチューブを含む複数の針状の導電体を備え、カーボンナノチューブを含む複数の針状の導電体を略垂直配向させることができ、かつ、FEデバイス等に用いたときの電子放出性能を向上することが可能な異方性導電体を提供する。【解決手段】異方性導電体1Aは、面方向に対して交差方向に延びた複数の貫通孔21Hを有する陽極酸化金属膜からなる細孔構造体21と、複数の貫通孔21Hのうち一部の貫通孔の内部に選択的に成長したカーボンナノチューブを含む導電体22と、細孔構造体21の一方の面21Sに形成され、複数の貫通孔21Hのうち内部に導電体22が成長した貫通孔の開口部21Dを選択的に覆い、カーボンナノチューブの触媒原料を含み、導電性を有する触媒原料膜32とを備える。細孔構造体21の少なくとも一部が除去されていてもよい。【選択図】図1A

Description

本発明は、異方性導電体とその製造方法、及び、この異方性導電体を用いたデバイス/電子放出素子/フィールドエミッションランプ/フィールドエミッションディスプレイに関するものである。
フィールドエミッション(Field Emission:FE、電界電子放出)デバイスは、低消費電力で高輝度が得られることが期待されている。FEデバイスは、フィールドエミッションランプ(Field Emission Lump:FEL、照明装置)あるいはフィールドエミッションディスプレイ(Field Emission Display:FED、表示装置)等として利用できる。
FEデバイスでは、カソード基板に備えられたエミッタ(電子源)から放出された電子線によりアノード基板に備えられた蛍光体層が励起されて、発光が得られる。
従来、エミッタとしては、スピント型エミッタ及びカーボンナノチューブ(CNT)エミッタ等が用いられている。
スピント型エミッタは、作製プロセスが複雑で大面積化が困難である。
従来の一般的なCNTエミッタの製造方法では、CNTエミッタを略垂直配向させることが難しい。
一般に、電子放出素子においては、エミッタ間隙が狭くなりすぎると、各エミッタ先端にかかる電界が遮蔽され、電子放出性能が平面電極に近づくことが知られている。
例えば、特許文献1には、CNTエミッタ層に貫通孔を設けた構成が開示されている(図1)。特許文献1には、貫通孔の径(W)を80μmに固定したとき、CNTエミッタ層のパターン幅(S)を小さくして、相対的にスペースを大きくすることで、電子放出性能が向上することが示されている(図7)。
特許文献1及び非特許文献1では、フォトリソグラフィ法により触媒層をパターニングし、この上に熱CVD法又はプラズマCVD(PECVD)法によりCNTを成長させる方法が報告されている。この方法では、CNTエミッタの間隙を制御することができる。
また、陽極酸化法を用いることで、面方向に対して交差方向に延びた複数の貫通孔を有する陽極酸化金属膜からなる細孔構造体(以下、「AAO細孔構造体」とも言う。)を得ることができる。
非特許文献2には、シリコン基板上に第1のAl膜とステンレス触媒層と第2のAl膜とを順次スパッタ成膜し、陽極酸化により第2のAl膜をAAO細孔構造体とした後、熱CVD法によりAAO細孔構造体の複数の貫通孔内にCNTを成長する方法が報告されている。
非特許文献3には、AAO細孔構造体をシリコン基板上にボンディングした後、AAO細孔構造体の複数の貫通孔内にCNTを成長する方法が報告されている。
特許5158809号公報(特開2010-205458号公報)
J.Vac.Sci.Technol.B 20(1) Jan/Feb (2002) 1071-1023. J.Nanosci.Nanotechnol. Vol.11, No.12 (2011) 10774-10777. Appl.Phys.Lett.89, 013121 (2006)
特許文献1及び非特許文献1に記載の方法では、フォトリソグラフィ法により触媒層をパターニングするため、工程数が多く、高コストであり、大面積化も難しい。また、CNTを略垂直配向させることが難しい。
非特許文献2、3では、AAO細孔構造体を鋳型としてCNTを成長させることで、CNTを略垂直配向させることができる。陽極酸化法は低コストな方法であり、大面積化も可能である。
しかしながら、通常の条件で製造される陽極酸化金属膜では、貫通孔の径は例えば20〜200nm程度であり、互いに隣接する貫通孔の間隔は例えば20〜200nm程度である。そのため、非特許文献2、3に記載の方法で製造されるCNTエミッタ層では、CNTエミッタの間隙が非常に狭く、高い電子放出性能を得ることが難しい。
本明細書では、電極層上に面方向に並んだ複数のエミッタの層を「エミッタ層」と称す。また、電極層とエミッタ層とを備えた素子を、「電子放出素子」と称す。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、カーボンナノチューブを含む複数の針状導電体を備え、カーボンナノチューブを含む複数の針状導電体を略垂直配向させることができ、かつ、FEデバイス等に用いたときの電子放出性能を向上することが可能な異方性導電体とその製造方法を提供することを目的とするものである。
なお、本発明の異方性導電体はFEデバイス等に好ましく用いられるが、その用途は制限なく、任意である。
本発明の第1の異方性導電体は、
面方向に対して交差方向に延びた複数の貫通孔を有する陽極酸化金属膜からなる細孔構造体と、
前記複数の貫通孔のうち一部の貫通孔の内部に選択的に成長したカーボンナノチューブを含む導電体と、
前記細孔構造体の一方の面に形成され、前記複数の貫通孔のうち内部に前記導電体が成長した前記貫通孔の開口部を選択的に覆い、前記カーボンナノチューブの触媒原料を含み、導電性を有する触媒原料体とを備えたものである。
本発明の第2の異方性導電体は、
カーボンナノチューブを含み、径が1μm未満である針状の複数の導電体が下地の面に対して交差する方向に延びて形成された針状導電体層を含む異方性導電体であって、
前記針状導電体層には、前記複数の導電体が環状に配列した環状導電体群が形成されたものである。
本明細書において、「径」は、特に明記しない限り、最大径を意味するものとする。
本発明の第1の異方性導電体の製造方法は、
面方向に対して交差方向に延びた複数の貫通孔を有する陽極酸化金属膜からなる細孔構造体を用意する工程(A1)と、
前記細孔構造体の一方の面に、前記複数の貫通孔のうち一部の貫通孔の開口部を選択的に覆い、カーボンナノチューブの触媒原料を含み、導電性を有する触媒原料体を形成する工程(B1)と、
加熱下で、前記細孔構造体に対して炭素原料を含むガスを供給して、直下に前記触媒原料体が形成された前記貫通孔の内部にカーボンナノチューブを含む導電体を選択的に成長させる工程(D1)とを順次有するものである。
本発明の第2の異方性導電体の製造方法は、
カーボンナノチューブの触媒原料を含まず、導電性を有する非触媒原料体の上に、カーボンナノチューブの触媒原料を含み、導電性を有する触媒原料体がパターン形成された導電基材、若しくは、カーボンナノチューブの触媒原料を含み、導電性を有する触媒原料体の上に、カーボンナノチューブの触媒原料を含まず、導電性を有する非触媒原料体がパターン形成された導電基材を用意する工程(BC3)と、
前記導電基材の上に、面方向に対して交差方向に延びた複数の貫通孔を有する陽極酸化金属膜からなる細孔構造体を形成する工程(A3)と、
加熱下で、前記細孔構造体に対して炭素原料を含むガスを供給して、直下に前記触媒原料体が形成された前記貫通孔の内部にカーボンナノチューブを含む導電体を選択的に成長させる工程(D3)とを順次有するものである。
本発明のデバイスは、上記の本発明の第1又は第2の異方性導電体を備えたものである。
本発明の電子放出素子は、
上記の本発明の異方性導電体を備えてなり、
前記貫通孔内に形成された前記導電体からなる電子源と、前記触媒原料体を含む電極とを備えたものである。
本発明のフィールドエミッションランプ(FEL)は、
上記の本発明の電子放出素子を含む第1の電極基板と、
前記第1の電極基板に対して真空空間を介して対向配置され、電極層と蛍光体層とを含む第2の電極基板とを備えたものである。
本発明のフィールドエミッションディスプレイ(FED)は、
上記の本発明の電子放出素子を含む第1の電極基板と、
前記第1の電極基板に対して真空空間を介して対向配置され、電極層と蛍光体層とを含む第2の電極基板とを備え、
前記蛍光体層から発光される光の変調により表示を行うものである。
本発明によれば、カーボンナノチューブを含む複数の針状の導電体を備え、カーボンナノチューブを含む複数の針状の導電体を略垂直配向させることができ、かつ、FEデバイス等に用いたときの電子放出性能を向上することが可能な異方性導電体とその製造方法を提供することができる。
本発明に係る第1実施形態の異方性導電体の構成を示す模式断面図である。 図1Aの異方性導電体の模式平面図である。 図1Aの異方性導電体の製造方法を示す工程図である。 図1Aの異方性導電体の製造方法を示す工程図である。 図1Aの異方性導電体の製造方法を示す工程図である。 図1Aの異方性導電体の製造方法を示す工程図である。 図1Aの異方性導電体の製造方法を示す工程図である。 図1Aの異方性導電体の製造方法を示す工程図である。 図1Aの異方性導電体の製造方法を示す工程図である。 図1Aの異方性導電体の設計変更例を示す模式断面図である。 図1Aの異方性導電体の設計変更例を示す模式断面図である。 図1Aの異方性導電体の設計変更例を示す模式断面図である。 図1Aの異方性導電体の設計変更例を示す模式断面図である。 図1Aの異方性導電体の設計変更例を示す模式断面図である。 本発明に係る第2実施形態の異方性導電体の構成を示す模式断面図である。 図4Aの異方性導電体の模式平面図である。 図4Aの異方性導電体の製造方法を示す工程図である。 図4Aの異方性導電体の製造方法を示す工程図である。 図4Aの異方性導電体の製造方法を示す工程図である。 図4Aの異方性導電体の製造方法を示す工程図である。 図4Aの異方性導電体の製造方法を示す工程図である。 図4Aの異方性導電体の製造方法を示す工程図である。 図4Aの異方性導電体の製造方法を示す工程図である。 図4Aの異方性導電体の設計変更例を示す模式断面図である。 図4Aの異方性導電体の設計変更例を示す模式断面図である。 図4Aの異方性導電体の設計変更例を示す模式断面図である。 本発明に係る第3実施形態の異方性導電体の製造方法を示す工程図である。 本発明に係る第3実施形態の異方性導電体の製造方法を示す工程図である。 本発明に係る第3実施形態の異方性導電体の製造方法を示す工程図である。 本発明に係る第3実施形態の異方性導電体の製造方法を示す工程図である。 本発明に係る第3実施形態の異方性導電体の製造方法を示す工程図である。 本発明に係る一実施形態のFELの模式断面図である。 本発明に係る一実施形態のFEDの模式断面図である。
「第1実施形態の異方性導電体」
図面を参照して、本発明に係る第1実施形態の異方性導電体の構成について、説明する。
図1Aは、本実施形態の異方性導電体の模式断面図である。
図1Bは、本実施形態の異方性導電体の模式平面図であり、貫通孔21H及び導電体22の平面パターンを示す図である。
本実施形態の異方性導電体1Aは、フィールドエミッション(FE)デバイス等に用いられる電子放出素子に好ましく利用できる。
詳細については後述するが、FEデバイスは、電極層とエミッタ(電子源)とを含む電子放出素子を備えた第1の電極基板と、この第1の電極基板に対して真空空間を介して対向配置され、電極層と蛍光体層とを含む第2の電極基板とを備えたデバイスである。
図1Aに示すように、本実施形態の異方性導電体1Aは、面方向に対して交差方向に延びた複数の針状の貫通孔21Hを有する陽極酸化金属膜からなる細孔構造体21を備える。異方性導電体1Aはまた、複数の貫通孔21Hのうち一部の貫通孔21Hの内部に選択的に成長したカーボンナノチューブを含む複数の針状の導電体22を備える。
本実施形態において、針状の導電体22の径は1μm未満である。
異方性導電体1Aにおいて、貫通孔21Hの内部に導電体22が形成された部分を「封孔部SA」と称す。また、貫通孔21Hの内部に導電体22が形成されていない部分を「未封孔部NSA」と称す。
図中、符号21Sは細孔構造体21の一方の面(図示下面)であり、符号21Dは面21Sにおける貫通孔21Hの開口部である。
細孔構造体21の面21Sには、触媒原料膜(触媒原料体)32と非触媒原料膜(非触媒原料体)33とからなる導電体膜30が形成されている。
より詳細には、細孔構造体21の面21Sには、内部に導電体22が形成された貫通孔21Hの開口部21Dを覆い、カーボンナノチューブの触媒原料を含み、導電性を有する触媒原料膜32と、内部に導電体22が形成されていない貫通孔21Hの開口部21Dを覆い、カーボンナノチューブの触媒原料を含まず、導電性を有する非触媒原料膜33とが形成されている。
触媒原料膜32と非触媒原料膜33とは、互いに導通されている。
本実施形態において、触媒原料膜32は、内部に導電体22が形成された貫通孔21Hの開口部21Dを覆い、内部に導電体22が形成されていない未封孔の貫通孔21Hの開口部21Dを覆わないパターンで、複数の領域に分かれて形成されている。
非触媒原料膜33は、内部に導電体22が形成されていない未封孔の貫通孔21Hの開口部21Dを覆い、かつ、複数の領域に分かれて形成された触媒原料膜32のパターン単位32P同士を繋ぐように形成されている。本実施形態において、非触媒原料膜33はパターンを有しないベタ膜である。
本実施形態において、触媒原料膜32と非触媒原料膜33とを互いに繋がるように形成しているのは、これらを一体としてFEデバイス等の電極とするためである。
本実施形態において、導電体膜30、及び、一部の貫通孔21Hの内部に導電体22が形成された細孔構造体21は、基板本体310上に形成されている。
基板本体310としては特に制限なく、シリコン基板等の半導体基板等が挙げられる。
なお、基板本体310は必須ではなく、必要に応じて用いられる。
半導体基板等の導電性を有する基板本体310を用いる場合、基板本体310はFEデバイス等の電極として機能することができる。この場合、非触媒原料膜33はなくてもよい。
図1A及び図1Bに示す例において、平面視で、触媒原料膜32のパターン単位32P(1つの封孔部SAに対応)は、内部に導電体22が形成された貫通孔21Hを2個×2個含む略矩形状パターンである。平面視で、互いに隣接する触媒原料膜32のパターン単位32Pの間には、未封孔の貫通孔21Hが2個×2個ある。上述のように、未封孔の貫通孔21Hの直下には、非触媒原料膜33が形成されている。
なお、1つの封孔部SAに含まれる導電体22の数、径、ピッチ、配列パターン、及び、複数の封孔部SAの配列パターン等のパターン設計は一例に過ぎない。本実施形態では、触媒原料膜32のパターンを変更することで、内部に導電体22を形成する貫通孔21Hを自在に選択できる。
貫通孔21Hの内部の導電体22は、熱CVD(thermal chemical vapor deposition)法又はプラズマCVD(plasma-enhanced chemical vapor deposition:PECVD)法等により形成される。導電体22は、主としてカーボンナノチューブからなり、不純物等の他成分を含む場合もある。
触媒原料膜32は、カーボンナノチューブの触媒原料を含む導電材料からなる。
触媒原料としては、硫黄、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、イットリウム、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、タングステン、オスミウム、イリジウム、白金、及びこれらの組合せ等の金属元素が好ましい。
触媒原料は、1種または2種以上の遷移金属元素を含むことが好ましい。
触媒原料としては、鉄、ニッケル、コバルト、イットリウム、モリブデン、及びこれらの組合せ等が好ましい。
触媒原料膜32において、上記金属元素は、金属元素単体、又は金属酸化物等の金属化合物の形態で含まれる。
非触媒原料膜33は、カーボンナノチューブの触媒原料を含まない導電材料からなる。
カーボンナノチューブの触媒原料を含まない導電材料としては、アルミニウム及びチタン等の非触媒金属元素を含む非触媒金属又は非触媒金属化合物等が挙げられる。
非触媒原料膜33は、これら材料を1種又は2種以上含むことができる。
本実施形態の異方性導電体1Aは、FEデバイス等に用いられる電子放出素子として利用できる。この場合、触媒原料膜32と非触媒原料膜33とからなる導電体膜30は電極として、貫通孔21Hの内部に形成された導電体22はエミッタ(電子源)として、それぞれ利用できる。
電子放出素子における導電体22と貫通孔21Hの好ましいサイズ設計は、以下の通りである。
電子放出性能が高くなることから、導電体22の長さは1μm以上であることが好ましく、5μm以上であることが特に好ましい。
電子放出性能が高くなることから、導電体22の径は1μm未満であり、500nm以下であることが好ましく、100nm以下であることがより好ましく、50nm以下であることが特に好ましい。
形成容易性を考慮すれば、導電体22の径は20nm以上であることが好ましい。
電子放出性能が高くなることから、導電体22の長さ/径は100以上であることが好ましい。
本実施形態において、導電体22は貫通孔21Hの内部に形成されている。
導電体22の好ましいサイズを考慮すれば、貫通孔21Hの長さは1μm以上であることが好ましく、5μm以上であることが特に好ましい。
貫通孔21Hの径は1μm未満であり、500nm以下であることが好ましく、100nm以下であることがより好ましく、50nm以下であることが特に好ましい。
貫通孔21Hの長さ/径は100以上であることが好ましい。
図面上は、内部に導電体22が形成された貫通孔21Hにおける導電体22の充填率がいずれも100%である場合について図示してあるが、導電体22の充填率は100%でなくてもよい。
ただし、電子放出性能が高くなることから、内部に導電体22が形成された貫通孔21Hにおける導電体22の充填率は高いほど好ましく、70〜100%が好ましい。
本明細書において、貫通孔21Hの内部における導電体22の充填率は、導電体22の長さ/貫通孔21Hの長さ×100(%)により定義するものとする
個々の貫通孔21Hの内部における導電体22の充填率は、70〜100%が好ましい。
内部に導電体22が形成された貫通孔21Hにおける導電体22の充填率にばらつきがあってもよいが、この場合、電子放出性能の面内ばらつきが生じることになる。電子放出性能の面内均一性を考慮すれば、充填率のばらつきは小さい方が好ましい。
貫通孔21Hの長さは、好ましい導電体22の長さと、貫通孔21Hの内部における導電体22の充填率とを考慮して、決定される。
本実施形態では、面方向に対して交差方向に延びた複数の貫通孔21Hを有する陽極酸化金属膜からなる細孔構造体21を鋳型として、カーボンナノチューブを含む導電体22を成長させるので、カーボンナノチューブを含む導電体22を略垂直配向させることができる。
詳細については後述するが、細孔構造体21の一方の面21Sに、複数の貫通孔21Hのうち一部の貫通孔21Hの開口部21Dを選択的に覆う触媒原料膜32を形成することで、複数の貫通孔21Hのうち一部の貫通孔21Hの内部に選択的にカーボンナノチューブを含む導電体22を成長させることができる。
本実施形態では、触媒原料膜32の1個のパターン単位32Pの直上に形成された複数の貫通孔21Hの内部に形成された導電体22が、1つの導電体群22G(封孔部SA)を構成している。平面視で、複数の導電体群22G(封孔部SA)は、未封孔部NSAを介して、互いに離間されている。
本実施形態では、複数の導電体群22Gの間隔の制御が可能である。本実施形態の異方性導電体1AをFEデバイス等のデバイスに使用する場合、エミッタ間隙を広範囲で制御することができる。例えば、エミッタ間隙(本実施形態では、互いに隣接する導電体群22Gの間隙)を100nm程度から数十μm程度の範囲で制御することができる。その結果、エミッタ間隙が狭くなりすぎて、各エミッタ先端にかかる電界が遮蔽され、電子放出性能が低下することを抑制でき、高い電子放出性能を発現できる。
FEデバイス等においては、電子を放出するエミッタである導電体22に熱が発生する。
本実施形態においては、個々の導電体22は陽極酸化部分に囲まれて保護されているため、電子放出による熱により損傷されるのが抑制されると考えられる。
本実施形態では、1つの封孔部SAには、複数の導電体22が含まれている。
1つの封孔部SAを構成する複数の導電体22に着目した場合、あるタイミングにおいて、電子を放出するのは、1つの封孔部SAを構成する一部の導電体22であると考えられる。あるタイミングにおいて電子を放出する導電体22には熱が発生するが、互いに隣接する導電体22は陽極酸化部分を介して繋がっているので、発生した熱は、陽極酸化部分、及び、同じ封孔部SAを構成し、そのタイミングでは電子を放出しない他の導電体22に拡散していくと考えられる。
すなわち、本実施形態の異方性導電体1Aでは、電子放出により熱が発生しても、発生した熱は拡散しやすく、電子を放出した導電体22の熱による損傷が抑制されると考えられる。
以上説明したように、本実施形態によれば、カーボンナノチューブを含む複数の針状の導電体22を備え、カーボンナノチューブを含む複数の針状の導電体22を略垂直配向させることができ、かつ、FEデバイス等に用いたときの電子放出性能を向上することが可能な異方性導電体1Aを提供することができる。
「第1実施形態の設計変更例」
図3A〜図3Dは、異方性導電体の設計変更例を示す模式断面図である。上記実施形態の異方性導電体1Aと同じ構成要素には同じ参照符号を付してある。
図3A〜図3Cに示す異方性導電体1B〜1Dでは、細孔構造体21の少なくとも一部が溶解除去されている。
細孔構造体21の除去は、陽極酸化部分を溶解可能な溶解液を用いて行うことができる。未封孔の貫通孔21Hの内部に溶解液に入る未封孔部NSAでは、封孔部SAよりも、陽極酸化部分の除去が速く進む。
図3Aに示す異方性導電体1Bでは、未封孔部NSAの一部が除去され、封孔部SAの陽極酸化部分の一部が未封孔部NSAよりも少ない量で除去されている。
図3Bに示す異方性導電体1Cでは、未封孔部NSAがすべて除去され、封孔部SAの陽極酸化部分が一部除去されている。
図3Cに示す異方性導電体1Dでは、未封孔部NSAと封孔部SAのいずれについても陽極酸化部分がすべて除去されている。
未封孔部NSAの少なくとも一部を溶解除去する際には、図3A及び図3Bに示すように、封孔部SAの陽極酸化部分が部分的に除去されて、導電体22の頭頂部が細孔構造体21より突出する場合がある。また、1つの封孔部SAを構成する複数の導電体22の突出した頭頂部同士が互いに密着する場合がある。
封孔部と未封孔部とを有する異方性導電体においては、未封孔部の貫通孔の開口部が製造工程で発生する研磨屑あるいは吸着水等の異物によって閉口され、FEデバイス等を構成したときに、未封孔部の貫通孔内が良好に減圧されない場合がある。
未封孔部の貫通孔内が良好に減圧されないままFEデバイス等を作動すると、電子放出中に発生した熱やイオン衝突等により、未封孔部の貫通孔内に残ったガスが真空空間に放出される。真空空間に放出されたガスはイオン化され、生成されたイオンが異方性導電体にプラズマ衝撃を与え、異常放電により異方性導電体が損傷される恐れがある。
異方性導電体1B〜1Dでは、未封孔部NSAの少なくとも一部が除去されているので、製造過程で未封孔部NSAの貫通孔21Hの開口部を閉口する異物が生じたとしても、この異物は完全に除去されている。したがって、異方性導電体1B〜1DによりFEデバイス等を構成したときに、異常放電による異方性導電体1B〜1Dの損傷が抑制される。
未封孔部NSAを完全除去する場合、FEデバイス等において未封孔部NSAの貫通孔21H内の減圧が不要となる。未封孔部NSAを部分的に残す場合にも、未封孔部NSAの貫通孔21Hは長さが短くなるので、FEデバイス等において未封孔部NSAの貫通孔21Hの内部が減圧されやすい。
以上の効果が相俟って、異方性導電体1B〜1Dでは、未封孔部NSAの除去処理(本明細書においては、特に明記しない限り、「除去処理」には、部分除去処理が含まれるものとする。)を行わない場合に比して、FEデバイス等を構成したときの耐久性を向上することができる。
図3Dに示す異方性導電体1Eにおいては、非触媒原料膜33は、内部に導電体22が形成されていない貫通孔21Hの開口部21Dを覆い、内部に導電体22が形成された貫通孔21Hの開口部21Dを覆わないパターンで、複数の領域に分かれて形成されている。触媒原料膜32は、内部に導電体22が形成された貫通孔21Hの開口部21Dを覆い、かつ、複数の領域に分かれて形成された非触媒原料膜33のパターン単位33P同士を繋ぐように形成されている。この例において、触媒原料膜32はパターンを有しないベタ膜である。
異方性導電体1Eにおいては、複数の貫通孔21Hのうち直下に触媒原料膜32が形成された一部の貫通孔21Hの内部に導電体22が選択的に形成されている。
この設計変更例においても、エミッタ間隙が狭くなりすぎて、各エミッタ先端にかかる電界が遮蔽され、電子放出性能が低下することを抑制でき、高い電子放出性能を発現できる。
この設計変更例においても、複数の貫通孔21Hのうちいずれの内部に導電体22を形成するかは、自在に設計可能ある。この設計変更例では、非触媒原料膜33のパターンを変更することで、内部に導電体22を形成する貫通孔21Hを自在に選択できる。
「第1実施形態の異方性導電体の製造方法」
図面を参照して、本発明に係る第1実施形態の異方性導電体の製造方法について説明する。
図2A〜図2Hは工程図である。図2A及び図2Bは模式斜視図であり、図2C〜図2Hは模式断面図である。
(工程(A1))
はじめに、複数の貫通孔21Hを有する細孔構造体21を用意する。
<工程(AX)>
はじめに図2Aに示すように、被陽極酸化金属体Mを用意する。
被陽極酸化金属体Mの主成分としては特に制限なく、Al、Ti、Ta、Hf、Zr、Si、W、Nb、及びZn等が挙げられる。被陽極酸化金属体はこれらを1種又は複数種含むことができる。
被陽極酸化金属体の主成分としては、Al等が特に好ましい。
本明細書において、「被陽極酸化金属体の主成分」は99質量%以上の成分と定義する。
被陽極酸化金属体Mの形状は制限されず、板状等が挙げられる。また、支持体の上に被陽極酸化金属体Mが層状に成膜されたものなど、支持体付きの形態で用いることも差し支えない。
図2Bに示すように、被陽極酸化金属体Mの少なくとも一部を陽極酸化すると、金属酸化物膜からなる細孔構造体21Xが生成される。例えば、被陽極酸化金属体MがAlを主成分とする場合、Alを主成分とする細孔構造体21Xが生成される。
板状等の被陽極酸化金属体Mを用いる場合、通常、被陽極酸化金属体Mの一部を残して、被陽極酸化金属体Mの一部を陽極酸化する。図中、符号10が被陽極酸化金属体Mの残部である。この場合、通常、被陽極酸化金属体Mの残部10に対して、生成される細孔構造体21は薄いが、図面では、視認しやすくするため、細孔構造体21Xを大きく図示してある。
陽極酸化は例えば、被陽極酸化金属体Mを陽極とし、カーボンあるいはアルミニウム等を陰極(対向電極)とし、これらを陽極酸化用電解液に浸漬させ、陽極と陰極との間に電圧を印加することで実施できる。
電解液としては制限されず、硫酸、リン酸、クロム酸、シュウ酸、スルファミン酸、ベンゼンスルホン酸、及びアミドスルホン酸等の酸を、1種又は2種以上含む酸性電解液が好ましく用いられる。
被陽極酸化金属体Mを陽極酸化すると、図2Bに示すように、表面(図示上面)からこの面に対して略垂直方向に酸化反応が進行し、金属酸化物膜が生成される。
陽極酸化により生成される金属酸化物膜は、略正六角柱状の複数の柱状体21Cが互いに隙間なく隣接して配列した構造を有するものとなる。各柱状体21Cの略中心部には、表面から深さ方向に延びた針状の非貫通孔21Aが開孔される。非貫通孔21Aの底面と金属酸化物膜の底面との間には、バリア層21Bが生成される。
図示するように、非貫通孔21Aは被陽極酸化金属体Mの表面に対して概ね垂直方向に開孔されるが、多少斜め方向に開孔される場合もある。
<工程(AY)>
工程(AX)後に被陽極酸化金属体Mの残部10がある場合にはこの残部10とバリア層21Bとを除去し、工程(AX)後に被陽極酸化金属体Mの残部10がない場合にはバリア層21Bを除去して、非貫通孔21Aを貫通孔21Hとする。
被陽極酸化金属体Mの残部10は例えば、陽極酸化の方法において逆方向に電圧を印加する逆電解剥離によって除去できる。
被陽極酸化金属体Mの残部10及びバリア層21Bは、リン酸等の酸性液に浸漬することでも除去できる。
被陽極酸化金属体Mの残部10及びバリア層21Bは、切削等により物理的に除去することができる。
以上のようにして、図2Cに示す、複数の貫通孔21Hを有する細孔構造体21が得られる。
(工程(B1))
次に図2Dに示すように、細孔構造体21の一方の面(図示下面)21Sに、内部に導電体22を形成する貫通孔21Hの開口部21Dを選択的に覆い、カーボンナノチューブの触媒原料を含み、導電性を有する触媒原料膜(触媒原料体)32を形成する。
例えば、金属メッシュ等のマスクを用いた金属蒸着等により、複数のパターン単位32Pからなる触媒原料膜32をパターン形成することができる。
(工程(C1))
次に図2Eに示すように、細孔構造体21の面21Sに、非触媒原料膜33を形成する。この工程では、内部に導電体22が形成されない貫通孔21Hの開口部21Dを覆い、かつ、複数の領域に分かれて形成された触媒原料膜32のパターン単位32P同士を繋ぐように、非触媒原料膜33を形成する。
図示する例では、非触媒原料膜33は、パターンを有しないベタ膜である。マスクを用いない金属蒸着等により、ベタ膜の非触媒原料膜33を形成することができる。
工程(B1)及び工程(C1)によって、触媒原料膜32と非触媒原料膜33とからなる導電体膜30が形成される。細孔構造体21において、導電体膜30を形成する面は、非貫通孔21Aの開口部があった側でもよいし、バリア層21Bがあった側でもよい。
上記プロセスとは逆に、非触媒原料膜33を形成する工程(C1)を実施してから、触媒原料膜32を形成する工程(B1)を実施してもよい。
この場合、図3Dに示したように、非触媒原料膜33は、内部に導電体22が形成されない貫通孔21Hの開口部21Dを選択的に覆い、内部に導電体22を形成する貫通孔21Hの開口部21Dを覆わないパターンで、複数の領域に分かれて形成することができる。触媒原料膜32は、内部に導電体22が形成される貫通孔21Hの開口部21Dを覆い、かつ、複数の領域に分かれて形成された非触媒原料膜33のパターン単位33P同士を繋ぐように形成することができる。
次に図2Fに示すように、必要に応じて、半田等を用いて、工程(B1)及び工程(C1)後の構造体をシリコン基板等の基板本体310上にボンディングする。
(工程(D1))
次に図2Gに示すように、加熱下で、細孔構造体21に対して炭素原料を含む原料ガスを供給して、直下に触媒原料膜32が形成された貫通孔21Hの内部にカーボンナノチューブを含む導電体22を選択的に成長させる。
カーボンナノチューブを含む導電体22を成長させる方法としては、熱CVD法又はプラズマCVD(PECVD)法等が好ましい。
これらの方法では、反応装置内に工程(D1)を実施しようとする構造体を設置し、反応装置を反応温度に加熱した状態で、反応装置内に炭素原料を含む原料ガスを供給する。プラズマCVD法では、化学反応を活性化させるため、高周波等の印加により原料ガスをプラズマ化させる。
炭素原料を含む原料ガスは、ガス状の炭素原料、及び必要に応じてキャリアガスを含む。
ガス状の炭素原料としては公知のものを使用でき、
メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、エチレン、プロピレン、及びアセチレン等の非芳香族炭化水素;
ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、エチルベンゼン、ナフタレン、フェナントレン、及びアントラセン等の芳香族炭化水素;
フォルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アセトン、メタノール、エタノール、一酸化炭素、及び二酸化炭素等の炭素および酸素含有有機化合物;
及びこれらの組合せ等が挙げられる。
常温で液体の炭素原料は、蒸気化して使用する。
キャリアガスとしては、ヘリウムガス、ネオンガス、およびアルゴンガス等の希ガス、水素、窒素、アンモニア、及びこれらの組合せ等が挙げられる。
反応温度は特に制限なく、500〜1200℃程度が好ましく、700〜900℃程度がより好ましい。
工程(D1)においては、図示するように、導電体22が細孔構造体21より突出して成長する場合がある。また、複数の導電体22の長さにばらつきが生じる場合がある。
このような場合、化学機械研磨(Chemical Mechanical Polishing:CMP)等の表面研磨又はアルゴンイオンミリング等の処理を実施して、導電体22の長さを均一化することが好ましい。この際、細孔構造体21の厚みが低減しても構わない。
上記表面研磨後、さらに必要に応じて、導電体22表面上の不純物の除去等を目的として、ベーキング処理を行うことができる。
ベーキング処理は、CNTの燃焼反応を防止するため、真空雰囲気下又は不活性ガス雰囲気下で行われる。
ベーキング処理温度は特に制限なく、100〜300℃が好ましい。
以上の工程によって、図2Hに示す異方性導電体1A、又は図3Dに示す異方性導電体1Eが製造される。
(工程(E))
さらに必要に応じて、図3A、図3B、又は図3Cに示すように、陽極酸化部分を溶解可能な溶解液を用いて、細孔構造体21の少なくとも一部を溶解除去してもよい。
溶解液としては、水酸化ナトリウム水溶液もしくはリン酸及びクロム酸の混合水溶液等が挙げられる。
例えば、異方性導電体1Aを上記溶解液に浸漬させることで、細孔構造体21の少なくとも一部を除去することができる。
工程(E)を実施することで、異方性導電体1B〜1Dが製造される。
本実施形態によれば、カーボンナノチューブを含む複数の針状の導電体22を備え、カーボンナノチューブを含む複数の針状の導電体22を略垂直配向させることができ、かつ、FEデバイス等に用いたときの電子放出性能を向上することが可能な異方性導電体1A〜1Eの製造方法を提供することができる。
「第2実施形態の異方性導電体」
図面を参照して、本発明に係る第2実施形態の異方性導電体の構成について、説明する。
図4Aは、本実施形態の異方性導電体の模式断面図である。
図4Bは、本実施形態の異方性導電体の模式平面図であり、貫通孔21H及び導電体22の平面パターンを示す図である。
第1実施形態と同じ構成要素については、同じ参照符号を付して、適宜説明を省略する。
図4Aに示すように、本実施形態の異方性導電体2Aは、第1実施形態と同様、面方向に対して交差方向に延びた複数の針状の貫通孔21Hを有する陽極酸化金属膜からなる細孔構造体21を備える。異方性導電体2Aはまた、複数の貫通孔21Hのうち一部の貫通孔21Hの内部に選択的に成長したカーボンナノチューブを含む複数の針状の導電体22を備える。
第1実施形態と同様、針状の導電体22の径は1μm未満である。
本実施形態の異方性導電体2Aは、第1実施形態と同様、封孔部SAと未封孔部NSAとを有する。
本実施形態において、異方性導電体2Aには、複数の導電体22が環状に配列した環状導電体群22Rが形成されている。
本実施形態において、異方性導電体2Aには、上記環状導電体群22Rが互いに離間して複数形成されている。
本実施形態において、1つの封孔部SAには、1つの環状導電体群22Rをなす複数の導電体22と、この環状導電体群22Rに含まれる各導電体22の周りの陽極酸化部分とが含まれる。
環状導電体群22Rの形状は環状であれば特に制限なく、図4Bに示す例では略矩形の環状である。
1つの環状導電体群22Rに含まれる導電体22の数、径、ピッチ、及び配列パターン等は、適宜変更可能である。本実施形態において、環状導電体群22Rの内部、及び互いに隣接する2つの環状導電体群22Rの間(以下、「環状導電体群22Rの外部」とも言う。)が未封孔部NSAである。
細孔構造体21の一方の面21Sには、第1の非触媒原料膜(第1の非触媒原料体)131と触媒原料膜(触媒原料体)132と第2の非触媒原料膜(第2の非触媒原料体)133とからなる導電体膜130が形成されている。
細孔構造体21の面21Sには、
環状導電体群22Rの内側にある未封孔の貫通孔21Hの開口部21Dを覆い、カーボンナノチューブの触媒原料を含まず、導電性を有する第1の非触媒原料膜131と、
環状導電体群22Rをなす導電体22が内部に形成された貫通孔21Hの開口部21Dを覆い、カーボンナノチューブの触媒原料を含み、導電性を有する触媒原料膜31と、
環状導電体群22Rの外側にある未封孔の貫通孔21Hの開口部21Dを覆い、カーボンナノチューブの触媒原料を含まず、導電性を有する第2の非触媒原料膜133とが形成されている。
第1の非触媒原料膜131と触媒原料膜132と第2の非触媒原料膜133とは、互いに導通されている。
本実施形態において、第1の非触媒原料膜131は、環状導電体群22Rの内側にある未封孔の貫通孔21Hの開口部21Dを覆うパターンで、複数の領域に分かれてパターン形成されている。
図中、符号131Pは、第1の非触媒原料膜131の1つのパターン単位である。
触媒原料膜132は、第1の非触媒原料膜131を覆い、かつ、環状導電体群22Rをなす導電体22が内部に形成された貫通孔21Hの開口部21Dを覆うパターンで、複数の領域に分かれてパターン形成されている。
図中、符号132Pは、触媒原料膜132の1つのパターン単位である。
第2の非触媒原料膜133は、環状導電体群22Rの外側にある未封孔の貫通孔21Hの開口部21Dを覆い、かつ、複数の領域に分かれて形成された触媒原料膜132のパターン単位132P同士を繋ぐように形成されている。本実施形態において、第2の非触媒原料膜133はパターンを有しないベタ膜である。
触媒原料膜132の1つのパターン単位132Pは、第1の非触媒原料膜131の1つのパターン単位131Pを覆っている。また、第2の非触媒原料膜133は、触媒原料膜132の複数のパターン単位132Pを覆っている。
本実施形態において、上記のように第1の非触媒原料膜131と触媒原料膜132と第2の非触媒原料膜133とを互いに繋がるように形成しているのは、これらを一体としてFEデバイス等の電極とするためである。
図示例では、第1の非触媒原料膜131のパターン単位131P及び触媒原料膜132のパターン単位132Pは平面視略矩形状であり、触媒原料膜132のパターン単位132Pの径は第1の非触媒原料膜131のパターン単位131Pの径より環状導電体群22Rの環幅の2倍分だけ大きくなっている。
なお、第1の非触媒原料膜131のパターン単位131P及び触媒原料膜132のパターン単位132Pの平面形状及び径は、適宜設計可能である。
触媒原料膜132の材料は、第1実施形態の触媒原料膜32と同様である。
第1の非触媒原料膜131及び第2の非触媒原料膜133の材料は、第1実施形態の非触媒原料膜33と同様である。第1の非触媒原料膜131及び第2の非触媒原料膜133の材料は、同一でも非同一でもよい。
本実施形態においても、導電体膜130、及び、一部の貫通孔21Hの内部に導電体22が形成された細孔構造体21は、第1実施形態と同様、シリコン基板等の基板本体310上に形成されている。
なお、基板本体310は必須ではなく、必要に応じて用いられる。
半導体基板等の導電性を有する基板本体310を用いる場合、基板本体310はFEデバイス等の電極として機能することができる。この場合、第2の非触媒原料膜133はなくてもよい。
電子放出素子における導電体22と貫通孔21Hの好ましいサイズ設計は、第1実施形態と同様である。
本実施形態では、触媒原料膜132の1個のパターン単位132Pの直上に形成された複数の貫通孔21Hの内部に形成された導電体22が、1つの環状導電体群22R(1つの封孔部SA)を構成している。平面視で、複数の環状導電体群22Rは、未封孔部NSAを介して、互いに離間されている。
本実施形態では、複数の環状導電体群22Rの間隔の制御が可能である。本実施形態の異方性導電体2AをFEデバイス等に使用する場合、エミッタ間隙を広範囲で制御することができる。例えば、エミッタ間隙(本実施形態では、互いに隣接する環状導電体群22Rの間隙)を100nm程度から数十μm程度の範囲で制御することができる。その結果、エミッタ間隙が狭くなりすぎて、各エミッタ先端にかかる電界が遮蔽され、電子放出性能が低下することを抑制でき、高い電子放出性能を発現できる。
複数の針状導電体が束になって形成された非環状の導電体束では、周縁部より内側の束内部に複数の針状導電体が密に形成されているため、電界遮蔽効果により束内部の電界放出強度が相対的に小さくなると考えられる。
本実施形態における環状導電体群22Rの内部には、未封孔部NSAが存在する。かかる構成では、環状導電体群22Rの内部からの電界遮蔽効果が低減されるので、より大きな電界集中効果が得られる。その結果、より高い電子放出性能を発現できる。
環状導電体群22Rの径は小さい方がより大きな電界集中効果が得られる。
また、環状導電体群22Rの環幅は小さい方がより大きな電界集中効果が得られる。
環状導電体群22Rの径は20μm以下であることが好ましく、15μm以下であることがより好ましく、10μm以下であることがさらに好ましく、5μm以下であることが特に好ましい。
環状導電体群22Rの環幅は5μm以下であることが好ましく、3μm以下であることがより好ましく、1μm以下であることが特に好ましい。
詳細については後述するが、細孔構造体21の一方の面21Sにカーボンナノチューブの触媒原料を含まず、導電性を有する第1の非触媒原料膜131とカーボンナノチューブの触媒原料を含み、導電性を有する触媒原料膜132とカーボンナノチューブの触媒原料を含まず、導電性を有する第2の非触媒原料膜133とからなる導電体膜130を形成することで、上記の径及び環幅を有する環状導電体群22Rを形成することができる。
本実施形態においても、カーボンナノチューブを含む複数の針状の導電体22を備え、カーボンナノチューブを含む複数の針状の導電体22を略垂直配向させることができ、かつ、FEデバイス等に用いたときの電子放出性能を向上することが可能な異方性導電体2Aを提供することができる。
本実施形態では、第1実施形態よりもFEデバイス等に用いたときの電子放出性能を向上させることができる。
「第2実施形態の設計変更例」
図6A〜図6Cは、異方性導電体2Aの設計変更例を示す模式断面図である。上記実施形態の異方性導電体2Aと同じ構成要素には同じ参照符号を付してある。
図6A〜図6Cに示す異方性導電体2B〜2Dでは、細孔構造体21の少なくとも一部が溶解除去されている。
図6Aに示す異方性導電体2Bでは、未封孔部NSAの一部が除去され、封孔部SAの陽極酸化部分の一部が未封孔部NSAよりも少ない量で除去されている。
図6Bに示す異方性導電体2Cでは、未封孔部NSAがすべて除去され、封孔部SAの陽極酸化部分が一部除去されている。
図6Cに示す異方性導電体2Dでは、未封孔部NSAと封孔部SAのいずれについても陽極酸化部分がすべて除去されている。
異方性導電体2Dは細孔構造体21を含まず、以下の構成を有する。
異方性導電体2Dは、カーボンナノチューブを含み、径が1μm未満である針状の複数の導電体22が下地の面130Sに対して交差する方向に延びて形成された針状導電体層22Lを含む。
針状導電体層22Lには、複数の導電体22が環状に配列した環状導電体群22Rが形成されている。
針状導電体層22Lには、上記環状導電体群22Rが互いに離間して複数形成されている。
環状導電体群22Rの径は20μm以下であることが好ましく、15μm以下であることがより好ましく、10μm以下であることがさらに好ましく、5μm以下であることが特に好ましい。
環状導電体群22Rの環幅は5μm以下であることが好ましく、3μm以下であることがより好ましく、1μm以下であることが特に好ましい。
針状導電体層22Lの環状導電体群22Rの内側の下地は、カーボンナノチューブの触媒原料を含まず、導電性を有する第1の非触媒原料膜131である。
針状導電体層22Lの環状導電体群22Rをなす導電体22の下地は、カーボンナノチューブの触媒原料を含み、導電性を有する触媒原料膜132である。
針状導電体層22Lの環状導電体群22Rの外側の下地は、カーボンナノチューブの触媒原料を含まず、導電性を有する第2の非触媒原料膜133である。
第1の非触媒原料膜131と触媒原料膜132と第2の非触媒原料膜133とは、互いに導通されている。
針状の導電体22、第1の非触媒原料膜131、触媒原料膜132、及び第2の非触媒原料膜133の材料は、異方性導電体2Aと同様である。
第1実施形態の設計変更例と同様、異方性導電体2B〜2Dでは、未封孔部NSAの少なくとも一部が除去されているので、未封孔部NSAの除去処理を行わない場合に比して、FEデバイス等を構成したときの耐久性を向上することができる。
「第2実施形態の異方性導電体の製造方法」
図面を参照して、本発明に係る第2実施形態の異方性導電体の製造方法について説明する。
図5A〜図5Gは工程図である。これらの図は模式断面図である。
(工程(A2))
はじめに図5Aに示すように、面方向に対して交差方向に延びた複数の貫通孔21Hを有する陽極酸化金属膜からなる細孔構造体21を用意する。
細孔構造体21の製造方法は、第1実施形態の異方性導電体の製造方法の工程(A1)と同様である(図2A〜図2Cを参照)。
(工程(BC2))
次に、以下のようにして、工程(A2)において得られた細孔構造体21の一方の面21Sに、第1の非触媒原料膜131と触媒原料膜132と第2の非触媒原料膜133とからなる導電体膜130を形成する。
なお、細孔構造体21において、導電体膜130を形成する面は、非貫通孔21Aの開口部があった側でもよいし、バリア層21Bがあった側でもよい。
<工程(BC2−X)>
この工程においては、環状導電体群22Rの内側となる貫通孔21Hの開口部21Dを選択的に覆い、カーボンナノチューブの触媒原料を含まず、導電性を有する第1の非触媒原料膜131を形成する。
図5Bに示すように、触媒原料膜132のパターンと同じ開口パターンを有する金属メッシュ等のマスク40を用意する。マスク40の各開口部40Hの位置、形状、及び大きさは、触媒原料膜132のパターン単位132Pと同一である。
細孔構造体21の面21Sに上記マスク40を密着させた状態で、細孔構造体21の面21Sに対して、第1の非触媒原料膜131の材料131Mを蒸着法等の気相法により成膜する。
マスク40において、各開口部40Hの周りの壁の近傍部分は、成膜材料が供給されにくい。そのため、成膜時間を比較的短く調整することで、開口部40Hよりも少し小さいサイズの複数のパターン単位131Pからなる第1の非触媒原料膜131を形成することができる。
<工程(BC2−Y)>
この工程においては、環状導電体群22Rをなす導電体22が内部に形成される貫通孔21Hの開口部21Dを選択的に覆い、カーボンナノチューブの触媒原料を含み、導電性を有する触媒原料膜132を形成する。
図5Cに示すように、細孔構造体21の面21Sに工程(BC2−X)で用いたマスク40を密着させたまま、細孔構造体21の面21Sに対して、触媒原料膜132の材料132Mを蒸着法等の気相法により成膜する。
成膜時間を調整することで、マスク40の開口部40Hとほぼ同じサイズの複数のパターン単位132Pからなる触媒原料膜132を形成することができる。
<工程(BC2−Z)>
この工程においては、環状導電体群22Rの外側となる貫通孔21Hの開口部21Dを選択的に覆い、カーボンナノチューブの触媒原料を含まず、導電性を有する第2の非触媒原料膜133を形成する。
図5Dに示すように、マスク40を取り外して細孔構造体21の面21Sに対して第2の非触媒原料膜133の材料を成膜することで、パターンを有しないベタ膜の第2の非触媒原料膜133を形成することができる。
次に図5Eに示すように、必要に応じて、半田等を用いて、工程(BC2)後の構造体をシリコン基板等の基板本体310上にボンディングする。
(工程(D2))
次に図5Fに示すように、加熱下で、細孔構造体21に対して炭素原料を含む原料ガスを供給して、直下に触媒原料膜132が形成された貫通孔21Hの内部にカーボンナノチューブを含む導電体22を選択的に成長させる。
この工程において、複数の環状導電体群22Rが形成される。
工程(D2)の方法は、第1実施形態の異方性導電体の製造方法の工程(D1)と同様である。
環状導電体群22Rの径は、工程(BC2−X)及び工程(BC2−Y)で用いるマスク40の開口部40Hの径に相当する。つまり、マスク40の開口部40Hの径を適宜選択することで、環状導電体群22Rの径を調整できる。
具体的には、マスク40の開口部40Hの径を好ましくは20μm以下、より好ましくは15μm以下、さらに好ましくは10μm以下、特に好ましくは5μm以下とする。これによって、環状導電体群22Rの径を好ましくは20μm以下、より好ましくは15μm以下、さらに好ましくは10μm以下、特に好ましくは5μm以下とすることができる。
上記方法では、同一のマスク40を用いて工程(BC2−X)と工程(BC2−Y)とを実施し、マスク40の各開口部40Hの周りの壁の近傍部分については、第1の非触媒原料膜131の材料を成膜しない一方、触媒原料膜132の材料を成膜している。この壁の近傍部分の範囲が環状導電体群22Rの環幅になる。この方法によれば、環状導電体群22Rの環幅を好ましくは5μm以下、より好ましくは3μm以下、特に好ましくは1μm以下とすることができる。
工程(BC2−X)と工程(BC2−Y)とでマスクを変える場合、マスクの位置合わせを高精度に実施することが難しい。特に環幅が狭くなる程、マスクの位置合わせを高精度に実施することが難しい。
同一のマスク40を用いて工程(BC2−X)と工程(BC2−Y)とを実施する場合、マスクの位置合わせが不要であるので、上記のような狭い環幅に対応可能である。
第1実施形態と同様、工程(D2)においては、図示するように、導電体22が細孔構造体21より突出して成長する場合がある。また、複数の導電体22の長さにばらつきが生じる場合がある。
このような場合、CMP等の表面研磨又はアルゴンイオンミリング等の処理を実施して、導電体22の長さを均一化することが好ましい。この際、細孔構造体21の厚みが低減しても構わない。
第1実施形態と同様、上記表面研磨後、さらに必要に応じて、導電体22表面上の不純物の除去等を目的として、ベーキング処理を行うことができる。
以上の工程によって、図5Gに示す異方性導電体2Aが製造される。
(工程(E))
第1実施形態と同様、さらに必要に応じて、図6A、図6B、又は図6Cに示すように、陽極酸化部分を溶解可能な溶解液を用いて、細孔構造体21の少なくとも一部を溶解除去してもよい。
工程(E)を実施することで、異方性導電体2B〜2Dが製造される。
以上説明したように、本実施形態によれば、カーボンナノチューブを含む複数の針状の導電体22を備え、カーボンナノチューブを含む複数の針状の導電体22を略垂直配向させることができ、かつ、FEデバイス等に用いたときの電子放出性能を向上することが可能な異方性導電体2A〜2Dの製造方法を提供することができる。
「第3実施形態の異方性導電体の製造方法」
図面を参照して、本発明に係る第3実施形態の異方性導電体の製造方法について説明する。
図7A〜図7Eは工程図である。これらの図は模式断面図である。
第1実施形態と同じ構成要素には同じ参照符号を付して、説明は省略する。
(工程(BC3))
はじめに図7Aに示すように、カーボンナノチューブの触媒原料を含まず、導電性を有する非触媒原料体233上に、カーボンナノチューブの触媒原料を含み、導電性を有する触媒原料膜(触媒原料体)232がパターン形成された導電基材230を用意する。
非触媒原料体233としては特に制限なく、
n−Si基板等の半導体基板;
及び、
アルミニウム基板、及びチタン基板等の非触媒金属基板等が挙げられる。
上記の非触媒原料体233の上に、金属メッシュ等のマスクを用いた金属蒸着等により、複数のパターン単位232Pからなる触媒原料膜232をパターン形成することができる。
触媒原料膜232の材料は、第1実施形態の触媒原料膜32と同様である。
上記構成とは逆に、カーボンナノチューブの触媒原料を含み、導電性を有する触媒原料体の上に、カーボンナノチューブの触媒原料を含まず、導電性を有する非触媒原料膜(非触媒原料体)がパターン形成された導電基材を用意してもよい(図示略)。
導電性を有する触媒原料体としては特に制限なく、鉄、ニッケル、コバルト、イットリウム、及びモリブデン等の金属元素を含む金属基板等が挙げられる。
非触媒原料膜の材料は、第1実施形態の非触媒原料膜33と同様である。
(工程(A3))
次に図7Bに示すように、公知方法により、上記導電基材230上にAl等を主成分とする被陽極酸化金属膜Aを形成する。
次に図7Cに示すように、被陽極酸化金属膜Aをすべて陽極酸化する。
n−Si基板又は非触媒金属基板等の導電性基板の上に形成されたAl等の被陽極酸化金属膜Aをすべて陽極酸化する場合、バリア層は形成されず、複数の貫通孔21Hを有する陽極酸化金属膜からなる細孔構造体21が形成される。
陽極酸化方法は、第1実施形態の異方性導電体の製造方法の工程(A1)と同様である。
(工程(D3))
次に図7Dに示すように、加熱下で、細孔構造体21に対して炭素原料を含む原料ガスを供給して、直下に触媒原料膜232が形成された貫通孔21Hの内部にカーボンナノチューブを含む導電体22を選択的に成長させる。
工程(D3)の方法は、第1実施形態の異方性導電体の製造方法の工程(D1)と同様である。
第1実施形態と同様、工程(D3)においては、図示するように、導電体22が細孔構造体21より突出して成長する場合がある。また、複数の導電体22の長さにばらつきが生じる場合がある。
このような場合、CMP等の表面研磨又はアルゴンイオンミリング等の処理を実施して、導電体22の長さを均一化することが好ましい。この際、細孔構造体21の厚みが低減しても構わない。
第1実施形態と同様、上記表面研磨後、さらに必要に応じて、導電体22表面上の不純物の除去等を目的として、ベーキング処理を行うことができる。
以上の工程によって、図7Eに示す異方性導電体3が製造される。
(工程(E))
第1実施形態と同様、さらに必要に応じて、陽極酸化部分を溶解可能な溶解液を用いて、細孔構造体21の少なくとも一部を溶解除去してもよい(図示略)。
本実施形態によれば、カーボンナノチューブを含む複数の針状の導電体22を備え、カーボンナノチューブを含む複数の針状の導電体22を略垂直配向させることができ、かつ、FEデバイス等に用いたときの電子放出性能を向上することが可能な異方性導電体3の製造方法を提供することができる。
「FEデバイス」
図面を参照して、本発明に係る一実施形態のフィールドエミッションランプ(Field Emission Lump:FEL、照明装置)の構造について説明する。
図8Aは模式断面図である。
FEL4は、
基板本体310とカソード層(導電体膜30)とを有するカソード基板(第1の電極基板)300と、
基板本体410とアノード層420とを有するアノード基板(第2の電極基板)400とを備えている。
カソード層(導電体膜30)とアノード層420との間には電圧が印加されるようになっている。
本実施形態において、カソード基板300は、図1A及び図1Bに示した異方性導電体1Aである。
カソード基板300において、異方性導電体1Aにおける触媒原料膜32と非触媒原料膜33とからなる導電体膜30がカソード層であり、細孔構造体21の一部の貫通孔21Hの内部に選択的に形成された導電体22がエミッタ(電子源)である。
図8Aでは、異方性導電体1Aの構造を簡略化して図示してある。
アノード層420は、基板本体410の内面のほぼ全面に形成された、ITO(インジウム錫酸化物)等の透光性導電体膜である。
基板本体410としては、ガラス基板等が用いられる。
アノード層420の内面には、蛍光体層430が形成されている。
蛍光体層430の材料としては公知材料を用いることができる。
蛍光体層430の材料としては特に限定されないが、ZnS:Ag,Cl 、ZnS:Ag,Al、ZnGa、ZnO:Zn、ZnS:Cu,Al 、YSiO:Ce、 YSiO:Tb、Y(Al,Ga)12:Tb、Y:Eu、YS:Eu、RbVO、及びCsVO等が挙げられる。
蛍光体層430の発光色は任意である。
白色光源の場合、蛍光体層430の材料として、青色材料、緑色材料、及び赤色材料等の発光色の異なる複数種の公知の材料を任意に組み合わせて、白色光を得ることができる。
カソード基板300とアノード基板400との間にはスペーサ500が設けられ、カソード基板300とアノード基板400との間の空間は高真空になっている。
カソード基板300の導電体22(エミッタ)から放射される電子線により蛍光体層430が励起され、発光した光が出射される。
本実施形態のFEL4は、異方性導電体1Aを用いたものであるので、高い電子放出性能を発現できる。
本実施形態ではFELを例として説明したが、図8Bに示すように、蛍光体層430として、赤(R)の蛍光体層430R、緑(G)の蛍光体層430G、及び青(B)の蛍光体層430Bをパターン形成し、ドットごとに光変調を行う構成とすれば、フィールドエミッションディスプレイ(Field Emission Display:FED、表示装置)に適用することができる。
図8B中、符号5はFEDである。
図8B中、カソード層(導電体膜30)とアノード層420の図示を省略してある。
本発明は本明細書に記載の実施形態に限らず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、適宜設計変更可能である。
本発明に係る実施例及び比較例について説明する。
(実施例1−1)
厚み3mmの100×100mmアルミニウム板に対して、以下の条件で陽極酸化処理を行い、複数の針状の非貫通孔とバリア層とを有するアルミナ膜を形成した。
・対向電極(陰極):アルミニウム
・電解液:0.3M硫酸
・浴温:15〜19℃
・電圧:直流電圧25V
・時間:8時間
得られたアルミナ膜について、走査型電子顕微鏡(SEM、日立製作所社製「S−4800」)を用いて表面及び断面を観察した。表面SEM像(80,000倍)において、細孔100個の細孔面積から平均細孔径を求めた。また、同表面SEM像中の細孔個数から細孔密度を求めた。断面SEM像 (10,000倍)において、細孔100個の細孔長から平均細孔長を求めた。
得られたアルミナ膜は、複数の針状の非貫通孔がほぼ規則正しく開孔しており、平均細孔径70nm、平均細孔長20μmであった。
次に、アルミナ膜を陰極に、Pt-Ti電極を陽極に接続した状態で、直流5Vを印加して、アルミナ膜をAl基板から剥離させた。
次に、アルミナ膜をリン酸に浸漬することで、アルミナ膜底部のバリア層を溶解し、アルミナ膜の複数の非貫通孔をすべて貫通孔とした。
以上のようにして、平均細孔径70nmの複数の貫通孔を有する、厚み20μmの細孔構造体を得た。
次に、上記細孔構造体の一方の面(バリア層があった側の面)に対して、開口部の目開8μm×8μm、線径8μmの金属メッシュをマスクとして、EB蒸着法により5nm厚のFe膜(触媒原料膜)をパターン形成した。
8μm×8μmの矩形状のパターン単位を複数有するFe膜が形成された。
次に、細孔構造体のFe蒸着を実施した面に対して、ほぼ全面に、スパッタ法により、100nm厚のAl膜(非触媒原料膜)を形成した。
次に、半田を用いて、得られた構造体のFe膜及びAl膜を形成した側の面をシリコン基板上にボンディングした。半田の厚みは1μm程度であった。
CVD反応装置内に得られた構造体を設置し、熱CVD法によりカーボンナノチューブを含む針状導電体の生成を行った。
ヒータを用いて反応装置を800℃に加熱した。
炭素原料としてエタノールを用いた。エタノールを蒸発させ、キャリアガスであるアルゴンガスと共に、反応装置内に供給した。
反応開始後数分後に、反応を終了した。
針状導電体は細孔構造体よりも突出したので、化学機械研磨(CMP)を実施して、針状導電体の高さを揃えた。CMP後の細孔構造体の厚みは10μmであった。この処理により、針状導電体の高さは細孔構造体の厚みに等しくなった。
得られた構造体を0.4質量%(0.1mol/L)の水酸化ナトリウム水溶液に浸漬させて、細孔構造体の一部を溶解除去した。溶解処理後の封孔部の陽極酸化部分の厚みは5μmであった。針状導電体の高さは10μmのままであった。
最後に、10−4Pa以下の高真空中で200℃120分間のベーキング処理を実施して、異方性導電体を得た。
得られた異方性導電体のSEM観察を実施したところ、直下にFe膜が形成された貫通孔の内部に選択的にカーボンナノチューブを含む針状導電体が成長している様子が見られた(封孔部)。各封孔部は8μm×8μmの矩形状パターンであり、封孔部間の間隔は8μmであった。各封孔部において、各針状導電体の長さは10μm、径は70nm、針状導電体間の間隔は50nmであった。
(実施例1−2)
触媒原料膜として、Fe膜の代わりにNi膜を形成しても、実施例1−1と同様の異方性導電体が得られた。
(実施例1−3)
触媒原料膜として、Fe膜の代わりにCo膜を形成しても、実施例1−1と同様の異方性導電体が得られた。
(実施例1−4)
非触媒原料膜として、Al膜の代わりにTi膜を形成しても、実施例1−1と同様の異方性導電体が得られた。
(実施例2)
実施例1と同様にして、平均細孔径70nmの複数の貫通孔を有する、厚み20μmの細孔構造体を得た。
次に、以下の手順にて、上記細孔構造体の一方の面(バリア層があった側の面)に対して、真空蒸着法により、第1の非触媒原料膜と触媒原料膜と第2の非触媒原料膜とからなる導電体膜を形成した。
まず、マスクとして、開口部の目開8μm×8μm、線径8μmの金属メッシュを用意した。
上記細孔構造体の一方の面(バリア層があった側の面)に上記マスクを密着させ、真空蒸着法により、60nm厚のAl膜を形成した(第1の非触媒原料膜)。この際、蒸着時間を調整して、マスクの開口部よりも少し小さいサイズの略矩形状パターン単位を複数有するAl膜を形成した。
続いて、第1の非触媒原料膜を形成した面に上記マスクを密着させたまま、真空蒸着法により、5nm厚のFe膜(触媒原料膜)を形成した。この工程では、マスクの開口部とほぼ同じサイズの略矩形状パターン単位を複数有するFe膜が形成された。
続いて、上記マスクを取り外し、第1の非触媒原料膜及び触媒原料膜を形成した面に対して、真空蒸着法により、ほぼ全面に、150nm厚のAl膜を形成した(第2の非触媒原料膜)。
次に、半田を用いて、得られた構造体のAl/Fe/Al積層膜を形成した側の面をシリコン基板上にボンディングした。半田の厚みは1μm程度であった。
CVD反応装置内に得られた構造体を設置し、熱CVD法によりカーボンナノチューブの生成を行った。
ヒータを用いて反応装置を800℃に加熱した。
炭素原料としてエタノールを用いた。エタノールを蒸発させ、キャリアガスであるアルゴンガスと共に、反応装置内に供給した。
反応開始後数分後に、反応を終了した。
針状導電体は細孔構造体よりも突出したので、化学機械研磨(CMP)を実施して、針状導電体の高さを揃えた。CMP後の細孔構造体の厚みは10μmであった。この処理により、針状導電体の高さは細孔構造体の厚みに等しくなった。
得られた構造体を0.4質量%(0.1mol/L)の水酸化ナトリウム水溶液に浸漬させて、細孔構造体の一部を溶解除去した。溶解処理後の封孔部の陽極酸化部分の厚みは5μmであった。針状導電体の高さは10μmのままであった。
最後に、10−4Pa以下の高真空中で200℃120分間のベーキング処理を実施して、異方性導電体を得た。
得られた異方性導電体のSEM観察を実施したところ、直下にFe膜が形成された貫通孔の内部に選択的にカーボンナノチューブを含む針状導電体が成長している様子が見られた(封孔部)。
カーボンナノチューブを含む針状導電体が成長した複数の貫通孔は略矩形の環状に配列し、略矩形の環状導電体群が形成されている様子が観察された。環状導電体群は互いに離間して複数形成されていた。
各封孔部において、各針状導電体の長さは10μm、径は70nm、針状導電体間の間隔は50nmであった。環状導電体群の径は8μmであり、環幅は1μm以下であった。
(実施例3)
n−Si基板の一方の面に対して、開口部の目開8μm×8μm、線径8μmの金属メッシュをマスクとして、EB蒸着法により5nm厚のNi膜(触媒原料膜)をパターン形成した。
8μm×8μmの矩形状のパターン単位を複数有するNi膜が形成された。
次に、n−Si基板のNi蒸着を実施した面に対して、ほぼ全面に、スパッタ法により、2μm厚のAl膜(非触媒原料膜)を形成した。
次に、上記Al膜に対して陽極酸化処理を行い、複数の針状の貫通孔を有するアルミナ膜(細孔構造体)とした。得られた細孔構造体は、平均細孔径70nm、厚み1μmであった。
CVD反応装置内に得られた構造体を設置し、熱CVD法によりカーボンナノチューブを含む針状導電体の生成を行った。
ヒータを用いて反応装置を800℃に加熱した。
炭素原料としてエタノールを用いた。エタノールを蒸発させ、キャリアガスであるアルゴンガスと共に、反応装置内に供給した。
反応開始後数分後に、反応を終了した。
針状導電体は細孔構造体よりも突出したので、アルゴンイオンミリングを実施して、針状導電体の高さを揃えた。アルゴンイオンミリング後の細孔構造体の厚みは1μmのままであった。この処理により、針状導電体の高さは細孔構造体の厚みに等しくなった。
得られた構造体を0.4質量%(0.1mol/L)の水酸化ナトリウム水溶液に浸漬させて、細孔構造体をすべて溶解除去した。針状導電体の高さは1μmのままであった。
最後に、10−4Pa以下の高真空中で200℃120分間のベーキング処理を実施して、異方性導電体を得た。
得られた異方性導電体のSEM観察を実施したところ、直下にNi膜が形成された貫通孔の内部に選択的にカーボンナノチューブを含む針状導電体が成長している様子が見られた(封孔部)。各封孔部は8μm×8μmの矩形状パターンであり、封孔部間の間隔は8μmであった。各封孔部において、各針状導電体の長さは1μm、径は70nm、針状導電体間の間隔は50nmであった。
(FELの製造)
実施例1−1〜1−4、実施例2、及び実施例3で得られた各異方性導電体を用いて、FELを製造した。
得られた異方性導電体をカソード基板とした。
アノード基板として、ZnO:Zn蛍光体層が塗布されたITO膜付きガラス基板を用意した。
上記カソード基板とアノード基板との間に、スペーサとしてアルミナ板を配置した。
カソード基板とアノード基板との離間距離は0.5mmとした。
得られたデバイスを、真空チャンバー内に設置して、1×10−4Paの真空度以下とした。カソード電極とアノード電極との間に、直流電源(松定プレシジョン社製「HJPM−5N1.2−SP」)を用いて電圧を印加した。
実施例1−1〜1−4、実施例2、及び実施例3の異方性導電体を用いて得られたFELのいずれについても、目視にて、青緑色の発光が確認された。デバイスの発光輝度を輝度計(トプコン社製「BM−9」)を用いて測定したところ、いずれも8000cd/mであった。
本発明の異方性導電体とその製造方法は、FEL及びFED等のFEデバイス等に用いられる電子放出素子に好ましく適用することができる。
1A〜1E、2A〜2D、3 異方性導電体
21 細孔構造体
21A 非貫通孔
21B バリア層
21C 柱状体
21D 開口部
21H 貫通孔
21S 面
22 導電体
22G 導電体群
22R 環状導電体群
22L 針状導電体層
30 導電体膜
32 触媒原料膜(触媒原料体)
32P パターン単位
33 非触媒原料膜(非触媒原料体)
33P パターン単位
40 マスク
40H 開口部
130 導電体膜
130S 面
131 第1の非触媒原料膜(第1の非触媒原料体)
131P パターン単位
132 触媒原料膜
132P パターン単位
133 第2の非触媒原料膜(第2の非触媒原料体)
230 導電基材
232 触媒原料膜
232P パターン単位
233 非触媒原料体
300 カソード基板
310 基板本体
400 アノード基板
410 基板本体
420 アノード層
430 蛍光体層
M 被陽極酸化金属体
A 被陽極酸化金属膜
SA 封孔部
NSA 未封孔部

Claims (24)

  1. 面方向に対して交差方向に延びた複数の貫通孔を有する陽極酸化金属膜からなる細孔構造体と、
    前記複数の貫通孔のうち一部の貫通孔の内部に選択的に成長したカーボンナノチューブを含む導電体と、
    前記細孔構造体の一方の面に形成され、前記複数の貫通孔のうち内部に前記導電体が成長した前記貫通孔の開口部を選択的に覆い、前記カーボンナノチューブの触媒原料を含み、導電性を有する触媒原料体とを備えた、
    異方性導電体。
  2. さらに、前記細孔構造体の前記一方の面に、前記複数の貫通孔のうち内部に前記導電体が成長していない未封孔の前記貫通孔の開口部を選択的に覆い、前記カーボンナノチューブの触媒原料を含まず、導電性を有する非触媒原料体を備え、
    前記触媒原料体と前記非触媒原料体とが互いに導通された、
    請求項1に記載の異方性導電体。
  3. 複数の前記導電体が環状に配列した環状導電体群が形成された、
    請求項1又は2に記載の異方性導電体。
  4. 前記環状導電体群の最大径が20μm以下であり、前記環状導電体群の環幅が5μm以下である、
    請求項3に記載の異方性導電体。
  5. 前記環状導電体群が互いに離間して複数形成された、
    請求項3又は4に記載の異方性導電体。
  6. 前記細孔構造体の前記一方の面には、
    前記環状導電体群の内側にある未封孔の前記貫通孔の開口部を選択的に覆い、前記カーボンナノチューブの触媒原料を含まず、導電性を有する第1の非触媒原料体と、
    前記環状導電体群をなす前記導電体が内部に成長した前記貫通孔の前記開口部を選択的に覆う前記触媒原料体と、
    前記環状導電体群の外側にある未封孔の前記貫通孔の開口部を選択的に覆い、前記カーボンナノチューブの触媒原料を含まず、導電性を有する第2の非触媒原料体とを備え、
    前記第1の非触媒原料体と前記触媒原料体と前記第2の非触媒原料体とが互いに導通された、
    請求項3〜5のいずれかに記載の異方性導電体。
  7. 前記第1の非触媒原料体は、前記環状導電体群の内側にある未封孔の前記貫通孔の前記開口部を選択的に覆うパターンで、パターン形成され、
    前記触媒原料体は、前記第1の非触媒原料体を覆い、かつ、前記環状導電体群をなす前記導電体が内部に成長した前記貫通孔の前記開口部を覆うパターンで、パターン形成された、
    請求項6に記載の異方性導電体。
  8. 前記第1の非触媒原料体と前記触媒原料体とは、同一のマスクを用いて気相成膜されたものである、
    請求項7に記載の異方性導電体。
  9. 前記細孔構造体において、前記貫通孔の内部に前記導電体が成長していない未封孔部の少なくとも一部が除去された、
    請求項1〜8のいずれかに記載の異方性導電体。
  10. カーボンナノチューブを含み、径が1μm未満である針状の複数の導電体が下地の面に対して交差する方向に延びて形成された針状導電体層を含む異方性導電体であって、
    前記針状導電体層には、前記複数の導電体が環状に配列した環状導電体群が形成された、
    異方性導電体。
  11. 前記環状導電体群の最大径が20μm以下であり、前記環状導電体群の環幅が5μm以下である、
    請求項10に記載の異方性導電体。
  12. 前記針状導電体層には、前記環状導電体群が互いに離間して複数形成された、
    請求項10又は11に記載の異方性導電体。
  13. 前記針状導電体層の前記環状導電体群の内側の前記下地が、前記カーボンナノチューブの触媒原料を含まず、導電性を有する第1の非触媒原料体であり、
    前記針状導電体層の前記環状導電体群をなす前記導電体の前記下地が、前記カーボンナノチューブの触媒原料を含み、導電性を有する触媒原料体であり、
    前記針状導電体層の前記環状導電体群の外側の前記下地が、前記カーボンナノチューブの触媒原料を含まず、導電性を有する第2の非触媒原料体であり、
    前記第1の非触媒原料体と前記触媒原料体と前記第2の非触媒原料体とが互いに導通された、
    請求項10〜12のいずれかに記載の異方性導電体。
  14. 面方向に対して交差方向に延びた複数の貫通孔を有する陽極酸化金属膜からなる細孔構造体を用意する工程(A1)と、
    前記細孔構造体の一方の面に、前記複数の貫通孔のうち一部の貫通孔の開口部を選択的に覆い、カーボンナノチューブの触媒原料を含み、導電性を有する触媒原料体を形成する工程(B1)と、
    加熱下で、前記細孔構造体に対して炭素原料を含むガスを供給して、直下に前記触媒原料体が形成された前記貫通孔の内部にカーボンナノチューブを含む導電体を選択的に成長させる工程(D1)とを順次有する、
    異方性導電体の製造方法。
  15. さらに、
    工程(A1)と工程(D1)との間に、
    前記細孔構造体の前記一方の面に、前記複数の貫通孔のうち内部に前記導電体を成長させない貫通孔の開口部を選択的に覆い、前記カーボンナノチューブの触媒原料を含まず、導電性を有する非触媒原料体を形成する工程(C1)を有する、
    請求項14に記載の異方性導電体の製造方法。
  16. 請求項6又は13に記載の異方性導電体の製造方法であって、
    前記細孔構造体を用意する工程(A2)と、
    前記細孔構造体の一方の面に、前記第1の非触媒原料体と前記触媒原料体と前記第2の非触媒原料体とを形成する工程(BC2)と、
    加熱下で、前記細孔構造体に対して炭素原料を含むガスを供給して、直下に前記触媒原料体が形成された前記貫通孔の内部に前記カーボンナノチューブを含む前記導電体を選択的に成長させる工程(D2)とを順次有する、
    異方性導電体の製造方法。
  17. 工程(BC2)は、
    前記環状導電体群の内側となる前記貫通孔の開口部を覆うパターンで、前記第1の非触媒原料体をパターン形成する工程(BC2−X)と、
    前記非触媒原料体を覆い、かつ、前記環状導電体群をなす前記導電体が内部に成長する前記貫通孔の開口部を覆うパターンで、前記触媒原料体をパターン形成する工程(BC2−Y)と、
    前記環状導電体群の外側となる前記貫通孔の開口部を覆い、前記触媒原料体に導通された前記第2の非触媒原料体を形成する工程(BC2−Z)とを含む、
    請求項16に記載の異方性導電体の製造方法。
  18. 工程(BC2−X)と工程(BC2−Y)とは、同一のマスクを用いた気相成膜工程である、
    請求項17に記載の異方性導電体の製造方法。
  19. カーボンナノチューブの触媒原料を含まず、導電性を有する非触媒原料体の上に、カーボンナノチューブの触媒原料を含み、導電性を有する触媒原料体がパターン形成された導電基材、若しくは、カーボンナノチューブの触媒原料を含み、導電性を有する触媒原料体の上に、カーボンナノチューブの触媒原料を含まず、導電性を有する非触媒原料体がパターン形成された導電基材を用意する工程(BC3)と、
    前記導電基材の上に、面方向に対して交差方向に延びた複数の貫通孔を有する陽極酸化金属膜からなる細孔構造体を形成する工程(A3)と、
    加熱下で、前記細孔構造体に対して炭素原料を含むガスを供給して、直下に前記触媒原料体が形成された前記貫通孔の内部にカーボンナノチューブを含む導電体を選択的に成長させる工程(D3)とを順次有する、
    異方性導電体の製造方法。
  20. さらに、
    前記細孔構造体の少なくとも一部を除去する工程(E)を有する、
    請求項14〜19のいずれかに記載の異方性導電体の製造方法。
  21. 請求項1〜13のいずれかに記載の異方性導電体を備えた、デバイス。
  22. 請求項1〜13のいずれかに記載の異方性導電体を備えてなり、
    前記貫通孔内に形成された前記導電体からなる電子源と、前記触媒原料体を含む電極とを備えた、電子放出素子。
  23. 請求項22に記載の電子放出素子を含む第1の電極基板と、
    前記第1の電極基板に対して真空空間を介して対向配置され、電極層と蛍光体層とを含む第2の電極基板とを備えた、
    フィールドエミッションランプ。
  24. 請求項22に記載の電子放出素子を含む第1の電極基板と、
    前記第1の電極基板に対して真空空間を介して対向配置され、電極層と蛍光体層とを含む第2の電極基板とを備え、
    前記蛍光体層から発光される光の変調により表示を行う、
    フィールドエミッションディスプレイ。
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