JP2016124245A - 液体吐出装置及び液体吐出装置の吐出速度調整方法 - Google Patents

液体吐出装置及び液体吐出装置の吐出速度調整方法 Download PDF

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JP2016124245A JP2015001358A JP2015001358A JP2016124245A JP 2016124245 A JP2016124245 A JP 2016124245A JP 2015001358 A JP2015001358 A JP 2015001358A JP 2015001358 A JP2015001358 A JP 2015001358A JP 2016124245 A JP2016124245 A JP 2016124245A
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臼井 寿樹
Hisaki Usui
寿樹 臼井
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Abstract

【課題】ドット割れの発生頻度を小さく抑えつつ、吐出部間の吐出速度のばらつきに起因する媒体に対する着弾位置のばらつきを小さく抑えることができる液体吐出装置及び液体吐出装置の吐出速度調整方法を提供する。【解決手段】設定電圧として初期電圧を設定したときに、複数のノズル列のうち吐出部のノズルからのインク滴の吐出速度が最高速のノズル列を基準ノズル列とする。ノズル列毎の吐出部からの吐出速度を、印刷したテストパターンにおけるインク滴の着弾位置から判定する。基準ノズル以外の他のノズル列の吐出部から吐出したインク滴の着弾位置が基準ノズル列の吐出部から吐出したインク滴の着弾位置と許容範囲内で一致しなければ、許容範囲内で一致するまで、設定電圧Vmkをステップ電圧αずつ上昇させ(Vmk=Vmk+α)、許容範囲内で一致すればその設定電圧Vmkを確定する。こうしてノズル列毎に吐出部の吐出速度が調整される。【選択図】図16

Description

本発明は、相対移動する用紙等の媒体に対して、複数のノズル群から液体を吐出可能な
液体吐出ヘッドを備えた液体吐出装置及び液体吐出装置の吐出速度調整方法に関する。
従来から、用紙等の媒体に対して液体を吐出する液体吐出装置として、液体吐出ヘッド
の複数のノズルからインク(液体の一例)を吐出して用紙等の媒体に印刷を行うインクジ
ェット式のプリンターが広く知られている。こうしたプリンターは、インク滴を吐出する
複数のノズルからなるノズル列(ノズル群の一例)を備えた記録ヘッド(液体吐出ヘッド
の一例)を備え、ノズル毎に設けられた吐出駆動素子を有する吐出部が駆動されることで
ノズルに連通するインク室に発生した吐出圧によってノズルから液滴が吐出される(例え
ば特許文献1、2等)。
近年、印刷速度の高速化が進み、記録ヘッドと用紙等の媒体との相対移動速度が高速化
している。記録ヘッドと印刷媒体との相対移動速度が高速になると、記録ヘッドにおいて
吐出部がノズルから吐出したインク滴が媒体に着弾して形成されるドットの着弾位置が、
吐出部間の吐出速度のばらつきによって大きくばらつくことになる。
また、1ドット当たりに複数のインク滴を吐出し、これら複数のインク滴を媒体に着弾
するまでに合体させることで、媒体に大きなドットを形成する技術も知られている(特許
文献1等)。例えば特許文献1には、1印字周期中に同一のノズルから2以上のインク滴
を吐出し、各インク滴が着弾するまでに1つのインク滴に合体させることで、1ドットを
形成するインクジェットヘッドが開示されている。先行のインク滴の吐出速度よりも後続
のインク滴の吐出速度が高速になるように複数のインク滴を順次吐出し、媒体に着弾する
までに複数のインク滴を合体させることで1つのドットを形成させる。
ところで、インク滴の吐出速度が吐出部間でばらつくと、先行のインク滴に後続のイン
ク滴が追いつく前に着弾し、複数のドットに分かれるドット割れが発生する。例えば特許
文献2に記載の印刷装置では、遅いインク滴の吐出速度に、後続のより高速なインク滴の
吐出数を決める構成となっている。
特許文献2に記載のインクジェット式記録装置では、ノズル列を複数備えて圧電振動子
の作動によってノズル開口からインク滴を吐出可能な記録ヘッドと、圧電振動子に供給さ
れる駆動信号を発生可能な駆動信号発生回路と、記録ヘッドによるインク滴の吐出を制御
する制御部とを有するインクジェット式記録装置が開示されている。この記録装置では、
複数のノズル列の内、インク滴の飛行速度が最も遅いノズル列を基準ノズル列とし、駆動
信号発生回路は、基準ノズル列から吐出されるインク滴の飛行速度を必要速度以上にすべ
く設定された駆動電圧値の駆動信号を発生する。
特開2001−146011号公報 特開2003−11369号公報
ところで、ノズル列の異なる吐出部間で吐出速度のばらつきに起因するドットの着弾位
置のばらつきは、インク滴の吐出速度が遅いほど助長される。一方で、インク滴の吐出速
度が遅すぎると、先行のインク滴に後続のインク滴が着弾までに追いつくことができず、
ドット割れが発生する。また、吐出速度を高速化し過ぎると、インク滴がノズルから吐出
される際に、小さな液滴(サテライト滴)が発生し、ドット割れの原因になる。
このため、ノズルから吐出されるインク滴の吐出速度の高速化を図ることにより、ノズ
ル列間におけるドットの着弾位置のばらつきを小さく抑え、かつドット割れの発生を抑え
ることができる液体吐出装置が要望されている。
しかし、特許文献2に記載の記録装置では、複数のノズル列の内、インク滴の飛行速度
が最も遅いノズル列を基準ノズル列とし、駆動信号発生回路は、基準ノズル列から吐出さ
れるインク滴の飛行速度を必要な速度以上にすべく設定された駆動電圧値の駆動信号を発
生する構成なので、吐出速度は十分高速とはならなかった。すなわち、基準ノズル列から
吐出されるインク滴の飛行速度を必要速度以上にすることができるものの、ドット割れが
起こらずに吐出速度を更に高速にすることができる余地のある駆動電圧値が設定される。
このため、特許文献2に記載の設定方法を、特許文献1の技術に適用した場合、先行と
後続の各インク滴が低速過ぎることを理由に着弾前に合体しないことによるドット割れを
防止できる程度の吐出速度の高速化はできるものの、吐出速度を十分に高速化できるもの
ではなかった。このため、吐出部間の吐出速度のばらつきにより、媒体に対するインク滴
の着弾位置のばらつきを十分に低減できるものではなかった。
なお、シリアルプリンターやラインプリンター等の記録方式の違いに依らず、液体吐出
ヘッドと媒体とが相対移動する過程で、液体吐出ヘッドのノズルから液体を吐出する構成
の液体吐出装置であれば、この種の課題は概ね共通する。
本発明の目的は、ドット割れの発生頻度を小さく抑えつつ、吐出部間の吐出速度のばら
つきに起因する媒体に対する着弾位置のばらつきを小さく抑えることができる液体吐出装
置及び液体吐出装置の吐出速度調整方法を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する液体吐出装置は、液体を吐出する第1吐出部と、液体を吐出する第
2吐出部と、前記第1吐出部から液体を吐出させるための第1電力を与える第1電力供給
源と、前記第2吐出部から液体を吐出させるための第2電力を与える第2電力供給源と、
を有し、前記第1吐出部が所定の電力を与えられることにより吐出される液滴の速度は、
前記第2吐出部が所定の電力を与えられることにより吐出される液滴の速度より速く、前
記第1電力には、前記第1吐出部に与えられることにより前記第1吐出部から第1吐出速
度で前記液体が第1中間液滴として吐出されるように作用する第1駆動電力と、前記第1
吐出部に与えられることにより前記第1吐出部から第2吐出速度で前記液体が第2中間液
滴として吐出されるように作用する第2駆動電力と、が含まれ、前記第2電力には、前記
第2吐出部に与えられることにより前記第2吐出部から第3吐出速度で前記液体が第3中
間液滴として吐出されるように作用する第3駆動電力と、前記第2吐出部に与えられるこ
とにより前記第2吐出部から第4吐出速度で前記液体が第4中間液滴として吐出されるよ
うに作用する第4駆動電力と、が含まれ、前記第1電力を基準として、前記第2吐出速度
は前記第1吐出速度よりも速く、前記第1中間液滴と前記第2中間液滴とは、媒体への着
弾前に合体し、第1合成液滴となり、前記第4吐出速度は前記第3吐出速度よりも速く、
前記第3中間液滴と前記第4中間液滴とは、媒体への着弾前に合体し、第2合成液滴とな
り、前記第1吐出速度と前記第3吐出速度はほぼ等しく、前記第2吐出速度と前記第4吐
出速度はほぼ等しく、なるように前記第2電力が調整される。
この構成によれば、第1吐出部から液体を吐出させるための第1電力を与える第1電力
供給源と、第2吐出部から液体を吐出させるための第2電力を与える第2電力供給源とは
、第1電力を基準として、第2電力が調整される。この調整の結果、第2吐出速度は第1
吐出速度よりも速く、第1中間液滴と第2中間液滴とは、媒体への着弾前に合体し、第1
合成液滴となる。また、第4吐出速度は前記第3吐出速度よりも速く、第3中間液滴と第
4中間液滴とは、媒体への着弾前に合体し、第2合成液滴となる。このため、複数の中間
液滴を媒体への着弾前に合体させることができることで着弾後にドット割れが発生せず、
かつ、第1及び第2合成液滴をなるべく高速度で吐出させることができることから、第1
及び第2吐出部間でドットの位置ずれを小さく抑えることができる。よって、ドット割れ
の発生頻度を小さく抑えつつ、吐出部間の吐出速度のばらつきに起因する媒体に対する着
弾位置のばらつきを小さく抑えることができる。
上記課題を解決する液体吐出装置は、液体を吐出する第1吐出部と、液体を吐出する第
2吐出部と、前記第1吐出部から液体を吐出させるための第1駆動信号を生成する第1駆
動信号生成部と、前記第2吐出部から液体を吐出させるための第2駆動信号を生成する第
2駆動信号生成部と、を有し、前記第1吐出部が所定の駆動波形を印加することにより吐
出される液滴の速度は、前記第2吐出部が所定の駆動波形を印加することにより吐出され
る液滴の速度より速く、前記第1駆動信号には、前記第1吐出部に印加されることにより
前記第1吐出部から第1吐出速度で前記液体が第1中間液滴として吐出されるように作用
する第1駆動波形と、前記第1吐出部に印加されることにより前記第1吐出部から第2吐
出速度で前記液体が第2中間液滴として吐出されるように作用する第2駆動波形と、が含
まれ、前記第2駆動信号には、前記第2吐出部に印加されることにより前記第2吐出部か
ら第3吐出速度で前記液体が第3中間液滴として吐出されるように作用する第3駆動波形
と、前記第2吐出部に印加されることにより前記第2吐出部から第4吐出速度で前記液体
が第4中間液滴として吐出されるように作用する第4駆動波形と、が含まれ、前記第1駆
動信号を基準として、前記第2吐出速度は前記第1吐出速度よりも速く、前記第1中間液
滴と前記第2中間液滴とは、媒体への着弾前に合体し、第1合成液滴となり、前記第4吐
出速度は前記第3吐出速度よりも速く、前記第3中間液滴と前記第4中間液滴とは、媒体
への着弾前に合体し、第2合成液滴となり、前記第1吐出速度と前記第3吐出速度はほぼ
等しく、前記第2吐出速度と前記第4吐出速度はほぼ等しく、なるように前記第2駆動信
号が調整される。
この構成によれば、第1吐出部から液体を吐出させるための第1駆動信号を生成する第
1駆動信号生成部と、第2吐出部から液体を吐出させるための第2駆動信号を生成する第
2駆動信号生成部とは、第1駆動信号を基準として、第2駆動信号が調整される。この調
整の結果、第2吐出速度は第1吐出速度よりも速く、第1中間液滴と第2中間液滴とは、
媒体への着弾前に合体し、第1合成液滴となる。また、第4吐出速度は前記第3吐出速度
よりも速く、第3中間液滴と第4中間液滴とは、媒体への着弾前に合体し、第2合成液滴
となる。このため、複数の中間液滴を媒体への着弾前に合体させることができることで着
弾後にドット割れが発生せず、かつ、第1及び第2合成液滴をなるべく高速度で吐出させ
ることができることから、第1及び第2吐出部間でドットの位置ずれを小さく抑えること
ができる。よって、ドット割れの発生頻度を小さく抑えつつ、吐出部間の吐出速度のばら
つきに起因する媒体に対する着弾位置のばらつきを小さく抑えることができる。
上記液体吐出装置では、前記第2駆動信号の電圧を調整することにより、前記第3吐出
速度及び前記第4吐出速度を調整することが好ましい。
この構成によれば、第3吐出速度及び第4吐出速度の調整は、第2駆動信号の電圧を調
整することにより行われる。よって、第2駆動信号の電圧を調整することにより、複数の
中間液滴を、着弾後にドット割れが発生しないように媒体への着弾前に合体させることが
でき、かつ、第1及び第2合成液滴をなるべく高速度で吐出させて第1及び第2吐出部間
でドットの位置ずれを小さく抑えることができる。
上記液体吐出装置では、前記第1吐出部は所定の駆動信号を印加した際、吐出される液
滴の速度が複数の吐出部の中で最も速いことが好ましい。
この構成によれば、第1吐出部は所定の駆動信号を印加した際、吐出される液滴の速度
が複数の吐出部の中で最も速いので、第1吐出部よりも吐出される液滴の遅い第2吐出部
の第3吐出速度及び第4吐出速度が、第1吐出速度及び第2吐出速度に近づけるように高
速側へ調整される。よって、第1吐出部と第2吐出部のそれぞれの液滴の吐出速度をなる
べく高速側に設定することができる。
上記液体吐出装置では、前記第1電力供給源及び前記第2電力供給源の各設定電圧を設
定する制御部と、前記第1吐出部及び前記第2吐出部が前記媒体に形成した第1ドット及
び第2ドットの画像を読み取る画像読取部とを備え、前記第1吐出部は、前記第1電力供
給源と前記第2電力供給源に同じ設定電圧が設定されたときに吐出速度が前記第2吐出部
の吐出速度よりも速くなり、前記制御部は、前記第1電力供給源の設定電圧を初期電圧と
し、前記第2電力供給源の設定電圧を初期電圧から変更させて、当該変更の度に、前記第
1吐出部及び第2吐出部に液滴を吐出させて媒体に前記第1吐出部による第1ドットと前
記第2吐出部による第2ドットとを形成し、当該形成した前記第1ドット及び前記第2ド
ットを前記画像読取部に読み取らせ、当該画像読取部に読み取らせた画像を解析して、前
記第1ドットに対する前記第2ドットの位置ずれ及び前記第2ドットのドット割れの有無
を判定し、前記ドット割れが無ければ、前記第2ドットの位置が前記第1ドットの位置に
許容範囲内で一致するまで、前記第2電力供給源の設定電圧をステップ電圧ずつ上昇させ
、前記許容範囲内で一致したときの前記設定電圧を前記第2電力供給源に設定し、一方、
前記ドット割れが有れば、前記第2電力供給源の設定電圧よりも前記ステップ電圧の分だ
け低い設定電圧を前記第2電力供給源に設定することが好ましい。
この構成によれば、第1吐出部による第1ドットと第2吐出部による第2ドットとを画
像読取部に読み取らせた画像の解析によって、ドット割れが無ければ、初期電圧から第2
ドットの位置が第1ドットの位置に許容範囲内で一致するまで第2電力供給源の設定電圧
をステップ電圧ずつ上昇させる。そして、許容範囲内で一致すればそのときの設定電圧が
第2電力供給源に設定される。一方、ドット割れが有れば、そのときの第2電力供給源の
設定電圧よりもステップ電圧分だけ低い設定電圧が第2電力供給源に設定される。よって
、同じ設定電圧が設定されたときに吐出速度が一番速くなる第1吐出部に対して、第2吐
出部の吐出速度をドット割れが発生しない範囲で近づけることができる。この結果、第1
吐出部と第2吐出部のそれぞれの液滴の吐出速度をなるべく高速側に設定することができ
る。
上記液体吐出装置では、前記第1電力供給源及び前記第2電力供給源の各設定電圧を設
定する制御部と、前記第1吐出部及び前記第2吐出部が前記媒体に形成した第1ドット及
び第2ドットの画像を読み取る画像読取部とを備え、前記第1吐出部は、前記第1電力供
給源と前記第2電力供給源に同じ設定電圧が設定されたときに吐出速度が前記第2吐出部
の吐出速度よりも速くなり、前記制御部は、前記第1電力供給源の設定電圧を初期電圧と
し、前記第2電力供給源の設定電圧を初期電圧から変更させて、当該変更の度に、前記第
1吐出部及び第2吐出部に液滴を吐出させて媒体に前記第1吐出部による第1ドットと前
記第2吐出部による第2ドットとを形成し、当該形成した前記第1ドット及び前記第2ド
ットを前記画像読取部に読み取らせ、当該画像読取部に読み取らせた画像を解析して、前
記第1ドットに対する前記第2ドットの位置ずれ及び前記第2ドットのドット割れの有無
を判定し、前記ドット割れが無ければ、前記第2ドットの位置が前記第1ドットの位置に
許容範囲内で一致するまで、前記第2電力供給源の設定電圧をステップ電圧ずつ上昇させ
、一方、前記ドット割れが有れば、前記ドット割れが無くなるまで前記第2電力供給源の
設定電圧をステップ電圧ずつ下降させ、前記ドット割れが無くかつ前記第2ドットの位置
が前記第1ドットの位置に許容範囲内で一致したときの前記設定電圧を前記第2電力供給
源に設定することが好ましい。
この構成によれば、第1吐出部による第1ドットと第2吐出部による第2ドットとを画
像読取部に読み取らせた画像の解析によって、ドット割れが無ければ、初期電圧から第2
ドットの位置が第1ドットの位置に許容範囲内で一致するまで第2電力供給源の設定電圧
をステップ電圧ずつ上昇させる。一方、ドット割れが有れば、ドット割れが無くなるまで
第2電力供給源の設定電圧をステップ電圧ずつ下降させる。そして、ドット割れが無くか
つ第2ドットの位置が第1ドットの位置に許容範囲内で一致したときの設定電圧が第2電
力供給源に設定される。よって、第2吐出部の吐出速度を、ドット割れが発生しない範囲
で、第2ドットの位置が第1ドットの位置に許容範囲内で一致するまで第1吐出部の吐出
速度に近づけることができる。この結果、第1吐出部と第2吐出部のそれぞれの液滴の吐
出速度をなるべく高速側に設定することができる。
上記液体吐出装置では、前記第1電力供給源及び前記第2電力供給源の各設定電圧を設
定する制御部と、前記第1吐出部及び前記第2吐出部が前記媒体に形成した第1ドット及
び第2ドットの画像を読み取る画像読取部とを備え、前記制御部は、前記第1電力供給源
の設定電圧と前記第2電力供給源の設定電圧とを異なる組合せで複数組設定し、前記第1
吐出部と前記第2吐出部に前記設定電圧の異なる組合せの下で第1ドットと第2ドットと
を形成させ、形成した複数組の前記第1ドットと前記第2ドットを前記画像読取部に読み
取らせ、読み取らせた画像を解析して、複数の組合せ毎に前記第1ドットと前記第2ドッ
トとの位置ずれ及びドット割れの有無を判定し、前記第1ドットと前記第2ドットとの各
位置が許容範囲内で一致しかつ前記ドット割れがない組合せの設定電圧を、前記第1電力
供給源及び前記第2電力供給源に設定することが好ましい。
この構成によれば、第1電力供給源の設定電圧と第2電力供給源の設定電圧とを異なる
組合せで複数組設定し、第1吐出部と第2吐出部に設定電圧の異なる組合せの下で第1ド
ットと第2ドットとを形成させる。形成した複数組の第1ドットと第2ドットを画像読取
部に読み取らせ、読み取らせた画像を解析して、複数の組合せ毎に第1ドットと第2ドッ
トとの位置ずれ及びドット割れの有無が判定される。そして、第1ドットと第2ドットと
の各位置が許容範囲内で一致しかつドット割れがない組合せの設定電圧が、第1電力供給
源及び第2電力供給源に設定される。よって、複数の設定電圧の組合せの下で第1ドット
の第2ドットとの複数の組合せを一度に印刷した画像を画像読取部で読み取った画像を解
析するだけで、第1ドットと第2ドットとの各位置が許容範囲内で一致しかつドット割れ
がない適切な組合せの設定電圧を、第1電力供給源及び第2電力供給源に設定することが
できる。この結果、少ない印刷回数で比較的簡単に第1電力供給源及び第2電力供給源に
適切な設定電圧を設定することができる。
上記課題を解決する液体吐出装置の吐出速度調整方法であって、前記液体吐出装置は、
第1吐出部に液体を吐出させる第1電力を供給する第1電力供給源及び第2吐出部に液体
を吐出させる第2電力を供給する第2電力供給源に前記第1電力及び前記第2電力の大き
さを規定する設定電圧をそれぞれ設定する制御部と、前記第1吐出部及び前記第2吐出部
が媒体に形成した第1ドット及び第2ドットの画像を読み取る画像読取部とを備え、前記
第1電力供給源と前記第2電力供給源に同じ初期電圧を設定したときに前記第1吐出部及
び前記第2吐出部のうち吐出速度が速い方が前記第1吐出部であり、前記第1電力供給源
に初期電圧を設定するとともに前記第2電力供給源の設定電圧を初期電圧から少しずつ変
更し、当該変更の度に、前記第1吐出部及び前記第2吐出部のそれぞれに液滴を吐出させ
て第1ドットと第2ドットとを媒体に形成するドット形成ステップと、前記第1ドット及
び前記第2ドットを前記画像読取部に読み取らせる画像読取りステップと、前記画像読取
部に読み取られた画像を解析して、前記第2ドットが複数のドットに分かれるドット割れ
が発生しない範囲で当該第2ドットの位置が前記第1ドットの位置に許容範囲内で一致す
るときの設定電圧を前記第2電力供給源に設定する設定ステップとを備えている。この吐
出速度調整方法によれば、上記液体吐出装置と同様の作用効果が得られる。
上記課題を解決する液体吐出装置の吐出速度調整方法であって、前記液体吐出装置は、
第1吐出部に液体を吐出させる第1電力を供給する第1電力供給源及び第2吐出部に液体
を吐出させる第2電力を供給する第2電力供給源に前記第1電力及び前記第2電力の大き
さを規定する設定電圧をそれぞれ設定する制御部と、前記第1吐出部及び前記第2吐出部
が媒体に形成した第1ドット及び第2ドットの画像を読み取る画像読取部とを備え、前記
第1電力供給源と前記第2電力供給源に同じ初期電圧を設定したときに前記第1吐出部及
び前記第2吐出部のうち吐出速度が速い方が前記第1吐出部であり、前記第1電力供給源
に初期電圧を設定するとともに前記第2電力供給源の設定電圧を初期電圧からステップ電
圧ずつ変更し、当該変更の度に、前記第1吐出部及び前記第2吐出部のそれぞれに液滴を
吐出させて第1ドットと第2ドットとを媒体に形成するドット形成ステップと、前記第1
ドット及び前記第2ドットを前記画像読取部に読み取らせる画像読取りステップと、前記
画像読取部に読み取られた画像を解析して、前記第2ドットが複数のドットに分かれるド
ット割れが無い場合は、前記初期電圧から前記第2ドットの位置が前記第1ドットの位置
に許容範囲内で一致するまで前記第2電力供給源の設定電圧をステップ電圧ずつ上昇させ
、前記第2ドットが複数のドットに分かれるドット割れが有る場合は、ステップ電圧ずつ
設定電圧を下降させることを繰り返して決まる設定電圧を前記第2電力供給源に設定する
設定ステップとを備えている。この吐出速度調整方法によれば、上記液体吐出装置と同様
の作用効果が得られる。
上記課題を解決する液体吐出装置の吐出速度調整方法であって、前記液体吐出装置は、
第1吐出部に液体を吐出させる第1電力を供給する第1電力供給源及び第2吐出部に液体
を吐出させる第2電力を供給する第2電力供給源に前記第1電力及び前記第2電力の大き
さを規定する設定電圧をそれぞれ設定する制御部と、前記第1吐出部及び前記第2吐出部
が媒体に形成した第1ドット及び第2ドットの画像を読み取る画像読取部とを備え、前記
制御部は、前記第1電力供給源の設定電圧と前記第2電力供給源の設定電圧とを異なる組
合せで複数組設定し、前記第1吐出部と前記第2吐出部に前記設定電圧の異なる組合せの
下で第1ドットと第2ドットとを複数組形成させるドット形成ステップと、前記複数組の
第1ドットと第2ドットとを前記画像読取部に読み取らせる画像読取りステップと、前記
画像読取部に読み取られた画像を解析して、前記第1ドットと前記第2ドットとの各位置
が許容範囲内で一致しかつ前記第1ドットと前記第2ドットとの両方に複数のドットに分
かれるドット割れのない設定電圧の組合せを取得し、当該組合せの設定電圧を、前記第1
電力供給源及び前記第2電力供給源に設定する設定ステップとを備えている。この吐出速
度調整方法によれば、上記液体吐出装置と同様の作用効果が得られる。
第1実施形態におけるプリンターの概略構成を示す模式平面図。 記録ヘッドユニット及び記録制御系の電気的構成を示すブロック図。 印刷システムにおけるプリンターの電気的構成を示すブロック図。 記録ヘッドを示す模式底面図。 吐出部を示す模式側断面図。 記録ヘッド及びヘッドコントローラーの電気的構成を示すブロック図。 駆動信号及び各種信号を示すグラフ。 ドットサイズ別の駆動信号を示す波形図。 吐出データと駆動パルスとの関係を示すテーブル図。 (a)〜(c)は吐出部がノズルからインク滴を吐出する原理を説明する模式側断面図。 (a)は大ドットを形成するインク滴の吐出を説明する模式図、(b),(c)はインク滴が着弾して形成されるドットを示す模式平面図。 (a),(c)は大ドット用の駆動信号の波形図、(b),(d)は吐出部がノズルからインク滴を吐出する様子を示す模式側面図。 (a)は中ドットを形成するインク滴の吐出を説明する模式図、(b),(c)はインク滴が着弾して形成されるドットを示す模式平面図。 初期電圧設定時におけるノズル列毎のドットの着弾位置を示す模式平面図。 (a),(b)は、ノズル列毎のドットを示す模式平面図。 駆動信号の大きさを規定する設定電圧を調整する設定電圧調整処理ルーチンを示すフローチャート。 第2実施形態における設定電圧調整処理ルーチンを示すフローチャート。 第3実施形態におけるテストパターンを示す模式平面図。 設定電圧調整処理ルーチンを示すフローチャート。
(第1実施形態)
以下、液体吐出装置の第1実施形態を、図面を参照して説明する。
図1に示すように、液体吐出装置の一例としてのプリンター11は、インクジェット式
のラインプリンターである。プリンター11は、用紙等の記録媒体P(以下、単に「媒体
P」ともいう。)を搬送する搬送装置12と、搬送装置12によって所定方向に搬送され
る媒体Pにインク滴を吐出して画像や文書等を印刷する記録ユニット15と、記録ユニッ
ト15よりも搬送方向Yの下流側の位置で媒体P上の印刷結果を読み取り可能なスキャナ
ー装置18とを備える。スキャナー装置18は、例えば印刷品質の検査に使用される。
搬送装置12は、動力源となる搬送モーター20と、搬送方向Yに所定距離だけ離れて
配置された一対の搬送ローラー21,22及びアイドルローラー23と、これら各ローラ
ー21〜23に巻き掛けられた無端状の搬送ベルト24と、搬送ベルト24上へ媒体Pを
給送する給送ローラー25とを備えている。搬送モーター20は、搬送ローラー21に動
力伝達可能に連結されており、搬送モーター20が駆動されることで、搬送ベルト24の
上の媒体Pは、記録ユニット15に対して搬送方向Yに一定速度で搬送される。
記録ユニット15は、搬送ベルト24の搬送方向Y略中央位置においてベルト面から上
方(図1では紙面直交方向手前側)へ所定のギャップを隔てた位置に配置されている。記
録ユニット15は、搬送ベルト24の搬送方向Yと直交する幅方向に沿って媒体Pの想定
最大幅よりも少し広い範囲に亘って延びている。記録ユニット15から一定速度で搬送中
の媒体Pに対してインク滴が吐出されることで、媒体Pに印刷が施される。
また、図1に示すように、プリンター11には、搬送ベルト24の搬送速度を検出する
ための搬送速度検出部として機能するエンコーダー28が設けられている。エンコーダー
28は搬送ベルト24の側縁部に沿って配列されて一定ピッチで例えば磁極(N極・S極
)が変化するスケール部28Aと、スケール部28Aの磁極を検出するセンサー28B(
例えば磁気センサー)とを有している。なお、エンコーダー28は、搬送系の動力源(搬
送モーター20)の回転や動力伝達系(搬送ローラー21等)の回転を検出するロータリ
ーエンコーダーでもよい。
次に図2及び図3を参照して、プリンター11を備えた印刷システムの構成を説明する
。図3に示すように、印刷システム90は、プリンター11と、プリンター11と通信可
能に接続された印刷データ生成用のホスト装置100とを備える。ホスト装置100は、
例えばパーソナルコンピューターからなり、本体101、モニター102及び入力装置1
03を備える。本体101にはプリンタードライバー105が内蔵されている。プリンタ
ードライバー105は、例えばユーザーが入力装置103の操作で印刷対象として選択し
た画像データからプリンター11が解釈可能な印刷データPDを生成する。
詳しくは、プリンタードライバー105は、印刷対象の画像データに対し解像度変換処
理、色変換処理、ハーフトーン処理、ラスタライズ処理などを施して、1ドット(1画素
)が複数階調(本例では4階調)で表現された印刷画像データ(印字データ)を生成する
。さらにプリンタードライバー105は、この印刷画像データに、印刷制御に必要な各種
コマンド等を含むヘッダーを付して印刷データPDを生成し、生成した印刷データPDを
プリンター11に送信する。プリンター11は、ホスト装置100から受信した印刷デー
タPDに基づき画像等の印刷を行う。
図3に示すプリンター11は、印刷制御を司る制御部30、ホスト装置100と通信可
能な通信インターフェイス(以下、「通信I/F31」という)、ホスト装置100から
受信した印刷データPDを一時格納するバッファー32、前述の記録ユニット15、及び
記録ユニット15を制御する記録制御系33等を備える。制御部30には、搬送装置12
の動力源である搬送モーター20、エンコーダー28、記録ユニット15を制御する記録
制御系33及びスキャナー装置18等が電気的に接続されている。エンコーダー28は、
記録ヘッド16に対する媒体Pの相対移動距離(搬送距離)に比例するパルス数かつ相対
移動速度に反比例する周期のパルスを含むエンコーダーパルス信号ESを出力する。
図2及び図3に示すように、記録制御系33は、印刷画像データを複数に分配する分配
器34、その分配された印刷画像データDIを更に複数に分配して下流段に転送するデー
タコントローラー35、及びその更に分配された各印刷画像データYIに基づき各記録ヘ
ッド16(図2参照)を制御するヘッドコントローラー36を備えている。
図2に示すように、記録ユニット15は、媒体Pの想定最大幅全域に亘って記録可能な
複数の記録ヘッド16が所定の配置パターンで配列された所謂マルチヘッドタイプである
。データコントローラー35はq個(但し、qは2以上の自然数)備えられている。1個
のデータコントローラー35には、m個(但し、mは2以上の自然数)のヘッドコントロ
ーラー36が接続されている。記録ユニット15は、q×m個(図2では、q=2、m=
4の例で8個)の記録ヘッド16を備えている。図2に示すように、q×m個の記録ヘッ
ド16は、一例として2列に配列されるとともに各列に属する記録ヘッド16が列方向に
半ピッチずつずれたジグザグ状に配列されている。このように本例では、図2に示すよう
に、ヘッドコントローラー36が記録ヘッド16と同数個設けられ、1つのヘッドコント
ローラー36が1つの記録ヘッド16を制御する。
図2に示すように、記録ヘッド16のノズル開口面(底面)には、n列(但し、nは2
以上の自然数)のノズル列N1,N2,…,Nn(図2の例ではn=4でN1〜N4)が
設けられている。複数の記録ヘッド16がジグザグ状に配置されることで、記録ヘッド1
6間で同種(例えば同一インク色)のノズル列がノズル列方向(図2における上下方向)
に連続して分布するように位置している。このため、ラインプリンターであるこのプリン
ター11では、各記録ヘッド16の同種の各ノズル列Ni,Ni,…,Ni(但しi=1
,…,n)によって、想定最大幅の媒体Pに幅一杯に印刷画像を印刷することが可能とな
っている。
図2では、媒体Pは、搬送方向Yに搬送されることで、記録ヘッド16に対してノズル
列方向と交差する相対移動方向RMに相対移動する。そして、各記録ヘッド16のノズル
列N1〜N4のノズル17a(図4参照)から吐出されたインク滴が、相対移動方向RM
に相対移動する媒体Pの表面に印刷データPDに基づく画像等が印刷される。
図4に示すように、記録ヘッド16のノズル開口面16a(底面)に設けられたn列(
図4では4列)のノズル列N1〜Nnは、媒体Pの搬送方向Yと交差する方向(ノズル列
方向)に一定のノズルピッチで一列に配列されたF個(図4の例ではF=180)のノズ
ル♯1〜♯Fによりそれぞれ構成されている。
本例では、n列のノズル列N1〜Nnは、異なる色のインク滴を吐出するものか、ある
いは同一色のインク滴を吐出するものである。前者の場合は、n列のノズル列N1〜Nn
が異なる色のインク滴を吐出する。図2及び図4の例のようにn=4の場合、4列のノズ
ル列N1〜N4は、ノズル17aから黒(K),シアン(C),マゼンタ(M),イエロ
ー(Y)の4色のインク滴を吐出する。なお、ノズル列を構成するノズル♯1〜♯Fの配
列は、1列配列に限らず、2列が半ピッチずつずれたジグザグ状でもよい。
また、後者の場合は、図2では記録ユニット15を1個のみ示しているが、実際には、
記録ユニット15が、色数(例えば4色)と同数個(例えば4個)設けられる。同一色の
n列のノズル列N1〜Nnの各ノズル17aは、ノズル列方向と直交する方向にノズル列
N4の中心線(仮想線)上に投影したときの投影ノズルのピッチが、ノズル列毎のノズル
ピッチの1/nとなるように配置されている。つまり、n列のノズルの位置を相対移動方
向RMと直交する方向に列毎にノズルピッチの1/nずつ互いにずらすことで、印刷解像
度を高めている。このような投影ノズル位置が一定ピッチで配置されるノズル列構成とし
ては、図4の列毎のノズル位置を、実際にはノズルピッチの1/nずつ互いにずらす構成
、あるいは記録ヘッド16をノズル列方向に対して斜めに傾けて配置することで、投影ノ
ズル位置を一定ピッチに配置する構成などが挙げられる。
本実施形態における図4に示す記録ヘッド16は、n列のノズル列のうちp列(但し、
pはn未満の自然数)のノズル列を有する複数個(n/p個)の記録ヘッド部17が、ヘ
ッド本体16bのノズル開口面16a側の面に各ノズル列N1〜Nn(図4はn=4)が
平行に配置される向きに取り付けられている。図4は、p=1の例であり、各記録ヘッド
部17はノズル列を1つずつ有する。
図4に示すように、記録ヘッド部17には、各ノズル17aと対応する吐出駆動素子4
2が、ノズル列毎にノズル数と同数内蔵されている。そして、ノズル列毎の複数の吐出駆
動素子42により吐出駆動素子群41が構成される。但し、図4では記録ヘッド16の外
側に、ノズル17aに対応する一部の吐出駆動素子42だけを模式的に描いている。吐出
駆動素子42は、例えば圧電振動子又は静電駆動素子からなり、所定波形の駆動パルスが
印加されると、電歪作用又は静電駆動作用により、ノズル17aに連通するインク室(図
5のキャビティー174)の内壁部の一部を構成する後述の振動板175(図5参照)を
振動させる。この振動板175の振動によりインク室を膨張・圧縮させることによりノズ
ル17aからインク滴が吐出される。
図4に示すように、ノズル列N1〜Nnに対応する記録ヘッド部17は、ノズル17a
と吐出駆動素子42とを有する吐出部D1〜Dnを、複数個(F個)ずつ備えている。n
=4である本例の場合、ノズル列N1〜N4に対応する各記録ヘッド部17は、ノズル1
7aと吐出駆動素子42とを有する吐出部D1〜D4を、例えば180個ずつ備えている
。なお、吐出部D1〜D4を特に区別しない場合は、単に「吐出部D」と記す。
次に図5を参照して、記録ヘッド16のノズル17aからインク滴を吐出する吐出部D
の構成について説明する。図5では、記録ヘッド16に設けられた複数個のノズル17a
と同数個設けられた吐出部Dのうち1個の吐出部Dと、この1個の吐出部Dにインク供給
口181を通じて連通するリザーバー182と、インクカートリッジやインクタンク等の
インク供給源(図示略)からリザーバー182にインクを供給するためのインク供給流路
183とを示している。
図5に示すように、吐出部Dは、吐出駆動素子42の一例である圧電素子170と、内
部にインクが充填されたキャビティー174(インク室)と、キャビティー174に連通
するノズル17aと、振動板175とを備えている。吐出部Dは、圧電素子170が駆動
信号に基づく駆動電圧の印加により駆動され、キャビティー174内のインクをノズル1
7aから吐出させる。
吐出部Dのキャビティー174は、凹部を有する所定形状に成形されたキャビティープ
レート176と、ノズル17aが形成されたノズルプレート177と、振動板175とに
より区画される空間である。キャビティー174は、インク供給口181を通じてリザー
バー182と連通している。リザーバー182は、インク供給流路183を通じて1つの
インク供給源(図示略)と連通している。
本実施形態では、圧電素子170として、例えば図5に示すようなユニモルフ(モノモ
ルフ)型を採用する。圧電素子170は、下部電極171と、上部電極172と、下部電
極171及び上部電極172の間に設けられた圧電体173とを有する。下部電極171
は所定の基準電位Vsに設定され、上部電極172に駆動信号が供給されることで、下部
電極171及び上部電極172の間に電圧が印加される。この印加電圧に応じて圧電素子
170は図5における上下方向に撓んで振動する。
キャビティープレート176の上面開口部を閉塞する状態に設置された振動板175に
は、圧電素子170の下部電極171が接合されている。このため、圧電素子170が駆
動信号により振動すると、振動板175も振動する。そして、振動板175の振動により
キャビティー174の容積(キャビティー174内の圧力)が変化し、キャビティー17
4内に充填されたインクがノズル17aより吐出される。
インクの吐出によりキャビティー174内のインクが減少した場合、リザーバー182
からキャビティー174へインクが供給される。また、リザーバー182へはインク供給
源からインク供給流路183を通じてインクが供給される。
図3に示すように、各記録ヘッド16のノズル列毎の単位である記録ヘッド部17は、
それぞれヘッド駆動回路38を内蔵している。また、ヘッドコントローラー36は、記録
ヘッド部17毎のヘッド駆動回路38を駆動制御する第1ヘッドコントローラー部37A
、第2ヘッドコントローラー部37B、第3ヘッドコントローラー部37C及び第4ヘッ
ドコントローラー部37Dを有している。そして、n個の記録ヘッド部17は、n個の第
1〜第nヘッドコントローラー部37により駆動制御される。すなわち、本実施形態では
、記録ヘッド16における4つの記録ヘッド部17の一つひとつに対応する第1〜第4ヘ
ッドコントローラー部37A〜37Dが用意されている。
ところで、図4に示すように、ヘッド本体16bに取り付けられている記録ヘッド部1
7の個体差により、ノズル列N1〜Nn間で吐出部D1〜D4の吐出速度がばらつく。ノ
ズル列毎の吐出部D1〜D4の個体差のばらつきに起因する吐出部D1〜D4間における
吐出速度のばらつきによって、所定速度で相対移動している媒体Pに対するインク滴の着
弾位置がばらつく。特にプリンター11がラインプリンターである本例では、記録ヘッド
と媒体との相対移動速度(媒体搬送速度)が、シリアルプリンターにおける記録ヘッドと
媒体との相対移動速度(キャリッジ走査速度)に比べ高速である。このため、吐出部間の
少しの吐出速度のばらつきがあっても、そのばらつきによる異なる吐出速度でほぼ同時に
吐出された2つのインク滴は、記録ヘッド16と媒体Pとの相対移動速度が速くなるほど
、媒体P上に着弾した際の相対移動方向RMにおける着弾位置の位置ずれ量が大きくなる
このようにノズル列N1〜Nn間における吐出速度のばらつきは、ノズル列N1〜Nn
間におけるドットの着弾位置のばらつきの原因になる。このとき、吐出速度のばらつきが
同じであれば、吐出速度の異なるこれらのインク滴の着弾時刻の差Δtは同じになる。し
かし、インク滴の着弾時刻の差Δtが同じであっても、各インク滴の着弾位置は、記録ヘ
ッド16と媒体Pとの相対移動方向RMの相対移動速度が高速であるほど、大きくなる。
また、差Δtは、吐出速度が低速であるほど大きくなり、吐出速度が高速であるほど小さ
くなる。また、吐出速度が低速過ぎると、複数のインク滴を着弾までに合体させて1つの
ドットを形成する場合、先行のインク滴に後続のインク滴が着弾までに追いつくことがで
きずドット割れの原因となる。一方、吐出速度を高速にし過ぎると、サテライト滴が発生
し、ドット割れの原因になる。このため、本例では、ノズル列N1〜Nn毎の吐出部D1
〜Dn間における吐出速度のばらつきに起因するドットの着弾位置のばらつきを小さく抑
えるために、ノズル17aからインク滴を吐出する際の吐出速度を決めるノズル列毎の設
定電圧を、ドット割れが発生しない範囲で、なるべく高速な吐出速度が得られる値に設定
する。ここで、吐出速度は、吐出駆動素子42に印加される電圧(印加電圧)の大きさに
依存し、この印加電圧は設定電圧に依存する。
図3に示す制御部30は印刷データPD中のコマンドを解釈し、コマンドの指示に従っ
て搬送モーター20等を制御する。また、制御部30は、印刷データPDのうちの印刷画
像データを分配器34で分配した各印刷画像データDIを各データコントローラー35へ
転送する。また、制御部30は、吐出駆動素子42に印加する電圧の大きさを規定する設
定電圧の値をヘッドコントローラー部37A〜37D毎に指示する電圧指示値Vjを各デ
ータコントローラー35へ出力する。このようにデータコントローラー35には、印刷画
像データDIと、エンコーダーパルス信号ESと、電圧指示値Vjとが入力される。
図3に示すデータコントローラー35は、分配器34から入力した印刷画像データDI
をm個の記録ヘッド16に対応するm個の印刷画像データYIに分け、さらに各印刷画像
データYIをノズル列の列数nでn分割した印字データを、第1〜第nのヘッドコントロ
ーラー部37A〜37D等に転送する。また、データコントローラー35は、エンコーダ
ー28からのエンコーダーパルス信号ESを基にパルス周期が例えば1/2又は1/4の
タイミング信号TSを生成し、このタイミング信号TSをヘッドコントローラー36へ出
力する。このタイミング信号TSは、吐出タイミングを決める印刷周期と同じパルス周期
である。印字データは、吐出データSIと定義データSP(図6参照)とを含む。
ヘッドコントローラー36内の4個の第1〜第4ヘッドコントローラー部37A〜37
Dは、対応する記録ヘッド部17に内蔵されたヘッド駆動回路38に吐出データSI等を
転送する。そして、各ヘッド駆動回路38は、各記録ヘッド部17に設けられた複数個(
例えば180個)ずつの吐出部D1〜D4(図4参照)をそれぞれ制御する。
次に図6を参照して、ヘッドコントローラー36及び記録ヘッド16の電気的構成につ
いて説明する。図6に示すヘッドコントローラー36内の4個の第1〜第4ヘッドコント
ローラー部37A〜37Dには、吐出データSI等と、タイミング信号TSと、電圧指示
値Vj(V1〜V4)とが入力される。第1〜第4ヘッドコントローラー部37A〜37
Dは、基本的に同じ構成を有するため、以下では第1ヘッドコントローラー部37Aにつ
いて説明する。第1ヘッドコントローラー部37Aは、ヘッド制御ユニット51、調整部
52、駆動信号生成回路53及びDAC(Digital Analog Converter)54を備えている
ヘッドコントローラー部37A内において印字データSI,SPはヘッド制御ユニット
51に入力される。ヘッド制御ユニット51は印字データSI,SPをタイミング信号T
Sに基づく転送タイミングでヘッド駆動回路38に転送する。すなわち、ヘッド制御ユニ
ット51は、印刷周期TA毎にノズル一列分の印字データSI,SPをヘッド駆動回路3
8へ出力される。
調整部52は、電圧指示値Vjを入力し、電圧指示値Vjで指示された設定電圧値Vm
j(例えばj=1〜4)を設定する。設定された設定電圧値Vmjは、駆動信号生成回路
53に出力される。
駆動信号生成回路53は、設定電圧値Vmjとタイミング信号TSとを入力する。駆動
信号生成回路53は、例えば複数の印刷モードに応じた複数の波形データを記憶部に記憶
し、指示された印刷モードに応じた波形データを記憶部から読み出す。そして、駆動信号
生成回路53は、その読み出した波形データ及び設定電圧値Vmjに従って駆動信号COM
A,COMBを生成する。また、駆動信号生成回路53は、タイミング信号TSに基づきラ
ッチ信号LAT及びチャネル信号CHを生成する。駆動信号生成回路53は、生成した各
信号LAT,CHをヘッド駆動回路38に出力するとともに、DAC54を介して駆動信
号COMA,COMBをヘッド駆動回路38に出力する。
DAC54は、駆動信号生成回路53から入力したデジタル信号である駆動信号COMA
,COMBをアナログ信号に変換し、設定電圧値Vmjに応じた大きさの電圧値となる駆動
信号COMA,COMBをヘッド駆動回路38に出力する。
ここで、図7を参照して、駆動信号生成回路53が生成する駆動信号等について説明す
る。駆動信号生成回路53は、図7に示すように、一つの印刷周期TA内に二種類の駆動
信号COMA,COMBを同時に生成して並列に出力する。駆動信号COMAは、印刷周期TA内
に1つの第1駆動パルスW1を含む。また、駆動信号COMBは、印刷周期TA内に3つの
駆動パルス、すなわち、時系列的に順番に配列された第2駆動パルスW2、第3駆動パル
スW3及び第4駆動パルスW4を含む。
図7に示す駆動信号COMA,COMBは、ヘッド駆動回路38内で第1〜第4駆動パルスW
1〜W4のうち吐出データSIに対応する駆動パルスが選択される。この選択には、定義
データSPが使用される。ヘッド駆動回路38は、印刷周期TA毎に、第1〜第4駆動パ
ルスW1〜W4のうち吐出データSIに対応する駆動パルスを選択し、その選択された駆
動パルスが吐出部Dに印加される。
また、ラッチ信号LATは、印刷周期TAの開始時期を規定するパルス信号である。ま
た、チャネル信号CHは、印刷周期TA内における駆動パルスの切り換わりタイミングを
規定するパルス信号である。本例のチャネル信号CHは、印刷周期TA内に複数の駆動パ
ルスを含む駆動信号COMBの各駆動パルスW2,W3,W4の切り換わりタイミングを規
定するパルス信号である。
図6に示す駆動信号生成回路53は、駆動信号COMA,COMBを生成するために二対の電
極を有する。低電位側電極に基準電位Vsが印加され、高電位側電極に駆動信号の波形を
規定する波形データに応じた駆動電位が印加される。駆動信号生成回路53の記憶部に記
憶されている印刷モード毎の波形データは、設定電圧値Vmjを100%としたときに、
波形の形状を規定する波形特定パラメーターである最小値、中間値や最大値、波形の斜辺
部の傾き(変化率)をパーセント(%)で示す値で規定されている。
このため、図6に示す調整部52が電圧指示値Vjの指示に従って設定電圧値Vmjを
調整することで、駆動信号生成回路53が生成する駆動信号COMA,COMBの電圧の大きさ
を調整することが可能となっている。例えば設定電圧値VmjがAボルトのときに図7に
実線で示す駆動信号COMA,COMBが生成される場合、設定電圧値VmjがAボルトよりも
大きなBボルトに調整されることにより、例えば図7に二点鎖線で示されるより電圧の大
きな駆動信号COMA,COMBが生成される。このように図6に示す第1〜第4ヘッドコント
ローラー部37A〜37D内の各調整部52が、電圧指示値Vj(j=1〜n)の指示に
従って各設定電圧値Vmj(j=1〜n)を調整することで、駆動信号生成回路53から
DAC54を介して各ヘッド駆動回路38に入力される駆動信号COMA,COMBの大きさが
調整される。
図6に示すように、ヘッド駆動回路38は、シフトレジスター61、ラッチ回路62、
制御ロジック63、デコーダー64、レベルシフター65及びスイッチ回路66を備えて
いる。印字データSI,SPは、吐出データSIと波形選択用の定義データSPとからな
る。吐出データSIは、1画素(ドット)当たり2ビットで表されるドットデータ(HL
)のうち上位ビットHのみを180ノズル分集めた上位ビットデータSIHと、下位ビッ
トLのみを180ノズル分集めた下位ビットデータSILとにより構成される。定義デー
タSPは、吐出データSI中の2ビットのビットデータ(HL)と、駆動信号COMA,COM
B(図7参照)中の駆動パルスW1〜W4のうち選択される駆動パルスとの対応関係を示
す所定ビット数(例えば4ビット)のデータである。また、吐出データSIのドットデー
タ(HL)は、非吐出、小ドット、中ドット、大ドットからなる4階調を表す。
ヘッド制御ユニット51は、印字データSI,SPを1ノズル列分ずつヘッド駆動回路
38へ転送し、その転送された印字データSI,SPは、シフトレジスター61に1ノズ
ル列分ずつ順次入力される。駆動信号生成回路53からのラッチ信号LATはラッチ回路
62に入力され、チャネル信号CHは制御ロジック63に入力される。また、駆動信号生
成回路53からの駆動信号COMA,COMBは、スイッチ回路66に入力される。
シフトレジスター61には、1ノズル列に相当する例えば180ノズル分(180ビッ
ト)の印字データSI,SPが入力される。シフトレジスター61は不図示の第1シフト
レジスター(第1SR)、第2シフトレジスター(第2SR)及び第3シフトレジスター
(第3SR)を備える。第1SRには吐出データSIのうち上位ビットデータSIHが格
納され、第2SRには下位ビットデータSILが格納される。また、第3SRには、定義
データSPが格納される。
ラッチ回路62は、シフトレジスター61(第1SRと第2SR)からの吐出データS
I(SIH,SIL)をLAT信号に基づき保持し、印刷周期のタイミングでそれまで保
持していた吐出データSIをデコーダー64へ出力する。
制御ロジック63には、図9に示す翻訳ルールのテーブルが格納されている。吐出デー
タSIの2ビットの階調情報(HL)は、非吐出(微振動)が「00」、小ドットが「0
1」、中ドットが「10」、大ドットが「11」となっている。これらの2ビットの階調
情報(HL)と、第1〜第4駆動パルスW1〜W4との対応関係を定義付けるのが定義デ
ータSPである。この定義データSPに基づいて制御ロジック63及びデコーダー64を
介して図9に示す翻訳ルールに従った翻訳処理により、吐出データSI(階調情報HL)
に応じた図9に示すパルス選択情報がデコーダー64から出力される。
デコーダー64は翻訳機能を有し、制御ロジック63からの翻訳ルール情報に基づいて
、吐出データSIを構成する180ノズル(1ノズル列)分の上位ビットSIHと下位ビ
ットSILの各組み合わせからなる階調情報を翻訳して、複数ビット(本例では4ビット
)のパルス選択情報を180ノズル分出力する。
図9に示す翻訳ルールの例では、デコーダ−64は、入力された吐出データSIが、「
00」のときに第3駆動パルスW3を選択する旨のパルス選択情報(0010)、「01
」のときに第2駆動パルスW2を選択する旨のパルス選択情報(0100)を、スイッチ
回路66へ出力する。さらにデコーダ−64は、入力された吐出データSIが、「10」
のときに第4駆動パルスW4を選択する旨のパルス選択情報(0001)、「11」のと
きに第1駆動パルスW1を選択する旨のパルス選択情報(1000)を、スイッチ回路6
6へ出力する。4桁のパルス選択情報は、その上位ビットから下位ビットに向かう降順の
順番に、レベルシフター65を介してスイッチ回路66へ入力される。4桁のパルス選択
情報は、第1〜第4駆動パルスW1〜W4のそれぞれに対応しており、スイッチ回路66
では、その値が「1」となった桁と対応する駆動パルスが選択される。
レベルシフター65は、電圧増幅器として機能し、ビット値が「1」の場合に、スイッ
チ回路66を駆動可能な例えば数十ボルト程度の電圧に昇圧された電気信号を出力する。
このスイッチ回路66の入力側には、駆動信号生成回路53からの駆動信号COMA,COMB
が供給されており、スイッチ回路66の出力側には吐出駆動素子42(圧電素子170)
が接続されている。
スイッチ回路66は、DAC54から入力する2つの駆動信号COMA,COMBと、デコー
ダー64からレベルシフター65を介して入力するパルス選択情報に基づいてオン/オフ
を切り換えることで、第1〜第4駆動パルスW1〜W4のうち吐出データSI(HL)に
応じた駆動パルスを選択して出力して吐出駆動素子42に印加する。
例えば図8に示すように、吐出データSIが「11」の場合、パルス選択情報(100
0)がスイッチ回路66に入力され、スイッチ回路66からは選択された第1駆動パルス
W1を含む小ドット用の駆動信号SLが出力される。また、吐出データSIが「10」の
場合、パルス選択情報(0001)がスイッチ回路66に入力され、スイッチ回路66か
らは選択された第4駆動パルスW4を含む中ドット用の駆動信号SMが出力される。さら
に吐出データSIが「01」の場合、パルス選択情報(0100)がスイッチ回路66に
入力され、スイッチ回路66からは選択された第2駆動パルスW2を含む小ドット用の駆
動信号SSが出力される。また、吐出データSIが「00」の場合、パルス選択情報(0
010)がスイッチ回路66に入力され、スイッチ回路66からは選択された第3駆動パ
ルスW3を含む微振動用の駆動信号SVが出力される。ここで、以下では、駆動信号SL
,SM,SS,SVを駆動信号DSと総称する場合がある。スイッチ回路66から出力さ
れた駆動信号DSが吐出駆動素子42に印加されることにより、その印加された駆動信号
DS中の駆動パルスに応じた振動態様で吐出駆動素子42が駆動され、非吐出(微振動)
以外のときはノズル17aからその振動態様に応じたサイズのインク滴が吐出される。
次に、図10を参照して、吐出部Dのインク吐出動作について説明する。図10(a)
に示す状態において、吐出部Dが備える圧電素子170(図5参照)に対してヘッド駆動
回路38(図6参照)から供給された駆動信号DS(図8参照)が印加されると、圧電素
子170の電極171,172間に駆動信号DSに基づく電界に応じた歪みが発生し、吐
出部Dの振動板175は図10(b)における上方向へ撓む。これにより、図10(a)
に示す初期状態と比較して、図10(b)に示すように、吐出部Dのキャビティー174
の容積が拡大する。図10(b)に示す状態において、駆動信号DSの示す電位を変化さ
せると、振動板175はその弾性復元力によって復元し、図10(c)に示すように、初
期状態における振動板175の位置を越えて同図における下方向に移動し、キャビティー
174の容積が急激に収縮する。このときキャビティー174内に発生する圧縮圧力によ
り、キャビティー174を満たすインクの一部が、このキャビティー174に連通するノ
ズル17aからインク滴として吐出される。
このとき、圧電素子170に図8に示す大ドット用の駆動信号SLが印加されると、振
動板175が第1波形Waと第2波形Wbに応じて2回振動し、ノズル17aから中サイ
ズのインク滴が2つ吐出される。また、圧電素子170に図8に示す中ドット用の駆動信
号SMが印加されると、振動板175が第4駆動パルスW4に応じて1回振動し、ノズル
17aから中サイズのインク滴が1つ吐出される。さらに圧電素子170に図8に示す小
ドット用の駆動信号SSが印加されると、振動板175が第2駆動パルスW2に応じて1
回振動し、ノズル17aから小サイズのインク滴が1つ吐出される。また、圧電素子17
0に図8に示す微振動用の駆動信号SVが印加されると、振動板175が第3駆動パルス
W3に応じて1回振動し、ノズル17aからインクwp吐出させない強さでノズル17a
及びキャビティー174内のインクが振動する。
図11(a)は、大ドットを印刷するときのインク滴の飛翔の様子を示す。大ドットを
印刷するときは、2つの波形Wa,Wbを含む第1駆動パルスW1(第1駆動波形)(図
8参照)が吐出部Dの吐出駆動素子42に印加される。このため、図11(a)に示すよ
うに、まず第1波形Waに基づく電圧が吐出部Dに印加されることでノズル17aから第
1インク滴Q1が吐出され、この吐出時期に少し遅れて第2波形Wbに基づく電圧が吐出
部Dに印加されることでノズル17aから第2インク滴Q2が吐出される。両波形W1,
W2の波形形状の違いから、第1インク滴Q1の吐出速度v1よりも第2インク滴Q2の
吐出速度v2の方が高速となっている(v1<v2)。このため、第1インク滴Q1が媒
体Pの表面の着弾位置PLに着弾するまでに、第2インク滴Q2が第1インク滴Q1に追
いつき、両インク滴Q1,Q2が着弾前に1つの速度v3のインク滴Q3として合体する
。この1つの大きなインク滴Q3が着弾位置PLに着弾した結果、図11(b)に示すよ
うに、所定速度で相対移動方向RMに相対移動する媒体Pの表面に大ドットLDが形成さ
れる。
ここで、インク滴Q1,Q2の吐出速度v1,v2は、設定電圧値Vmjに依存する。
このため、電圧指示値Vjの指示に従って調整部52により設定電圧値Vmjが調整され
ることで、着弾前に1つのインク滴Q3に合体できる吐出速度v1,v2の関係を満たす
駆動信号COMA,COMBの生成が可能である。このような条件を満たす駆動信号COMA,COM
Bがヘッド駆動回路38に入力されることで、吐出データ「11」のときにノズル17a
から吐出された2つのインク滴が合体して、図11(b)に示すような1つの大ドットL
Dが形成される。
一方、設定電圧値Vmjが低過ぎる場合、インク滴Q1,Q2の吐出速度v1,v2が
共に低速になるため、第2インク滴Q2が第1インク滴Q1に追いつけないまま着弾する
。この結果、図11(c)に示すように、第1インク滴Q1と第2インク滴Q2とが相対
移動方向RMに異なる位置に離れて媒体Pの表面に着弾し、大ドットLDが相対移動方向
RMに第1ドットLD1と第2ドットLD2との2つに分かれるドット割れが発生する。
また、反対に設定電圧値Vmjが高過ぎる場合、インク滴の吐出速度が速過ぎることにな
り、ノズル17aからの吐出初期に延びたインクが切れるときに下端側の球状のインク滴
とは別に、図11(a)に破線で示す小さなサテライト滴Qsが発生する場合がある。こ
の場合も、インク滴Q3が着弾するまでにサテライト滴Qsが合体できなければ、大ドッ
トにサテライト滴Qsによるドット割れが発生する。このため、ドット割れが起きない範
囲で吐出速度をなるべく高速にできるよう設定電圧値Vmjを調整する必要がある。
図12は、大ドットを形成する際のノズル列別の設定電圧値の調整方法について説明す
る。図12(a),(c)は、異なるノズル列に属する図12(b),(d)に示す2つ
の吐出部Da,Dbのそれぞれに印加される2つの駆動信号SL1,SL2を示す。本例
では、各調整部52に同じ設定電圧値を設定したときに最も高速な吐出速度を得ることが
可能なノズル列を基準ノズル列とする。そして、基準ノズル列に属する吐出部Dを第1吐
出部Daとし、基準ノズル列以外の他のノズル列(通常ノズル列)に属する吐出部Dを第
2吐出部Dbとする。n列のノズル列のうち基準ノズル列以外の他のノズル列は(n−1
)列存在し、第2吐出部Dbは、(n−1)列の他のノズル列のうち1つのノズル列に属
するノズル17aを有する。
本実施形態では、第1〜第4ヘッドコントローラー部37A〜37D内の各調整部52
には、基準ノズル列以外の通常ノズル列に属する第2吐出部Dbの吐出速度を、ドット割
れを発生させない範囲でできるだけ第1吐出部Daの吐出速度に近づけられる設定電圧V
mjが設定される。この設定過程における初期の設定電圧値Vmo(初期電圧値)には、
全てのノズル列でドット割れが確実に発生しない低めの値を設定する。
図12(a)は、設定電圧値Vmaに設定したときに、第1吐出部Daに印加される大
ドット用の第1駆動信号SL1であり、図12(c)は設定電圧値Vmbに設定したとき
に第2吐出部Dbに印加される大ドット用の第2駆動信号SL2である。第2吐出部Db
に印加される第2駆動信号SL2の電圧を大きくするために設定電圧値Vmbを、ドット
割れを発生しない範囲で少しずつ大きくする。ドット割れの有無は、次のように判定され
る。設定電圧値Vma,Vmbの下で、テストパターン用の印刷データPDに基づき吐出
部Da,Dbが各ノズル17aから吐出したインク滴が媒体P上に着弾して形成されるド
ット群からなるテストパターンTP1を印刷する。このテストパターンTP1をスキャナ
ー装置18で読み取ったスキャン画像データを画像解析することで、ドット割れの有無を
判定する。
ここで、テストパターンTP1は、第1吐出部Daと第2吐出部Dbとで同じ印刷周期
TA(図7参照)のときに同時にインク滴を吐出させ、媒体Pの相対移動方向RMの同じ
位置(同じ行のラスターライン)への着弾を目標として作成されたドットパターンである
。目標とする着弾位置(ラスターライン)は同じであるが、n個の記録ヘッド部17の個
体差に起因する設定電圧値と吐出速度との関係を示す特性のばらつき等が原因で、各吐出
部Da,Dbが吐出したインク滴の吐出速度がばらつくため、各インク滴が着弾して形成
される各ドットの位置が相対移動方向RMにずれることになる。このドットの位置ずれ及
びドット割れの有無をスキャン画像データの画像解析で検出し、ドット割れが無くかつド
ットの位置ずれが許容範囲内に収まるまでノズル列毎に設定電圧値を調整し、ノズル列間
で最適な設定電圧値の組合せを設定する。
なお、記録ヘッド16がn列のノズル列N1〜Nnを有する場合、通常ノズル列は(n
−1)列存在する。このため、第2吐出部Dbは、(n−1)列の通常ノズル列の1列毎
に第2吐出部Db1,Db2,…,Dbn-1(本例ではn-1=3)として存在する。そして
、本実施形態では、制御部30内のコンピューターが、後述する設定電圧調整処理用のプ
ログラム(図16参照)を実行することで、ノズル列毎(記録ヘッド部17毎)に設定電
圧値Vmj(j=1〜n)を調整する。この設定電圧値Vmjの調整により、第2吐出部
Db1,Db2,…,Dbn-1の吐出速度を、同じ設定電圧であれば最高速の吐出速度が
得られる第1吐出部Daの吐出速度(つまり高速側の吐出速度)に近づけるように調整す
る。
次に図12を参照して、ノズル列毎の吐出部Dの吐出速度を規定する設定電圧値Vmj
の設定方法を簡単に説明する。図12(a)に示す設定電圧値Vmaのときの駆動信号S
L1が、図12(b)に示す第1吐出部Daに印加されてノズル17aからインク滴が吐
出される場合、第1波形Wa1に基づく吐出速度v11の第1インク滴Q11に、第2波
形Wb1に基づく吐出速度v21の第2インク滴Q21が着弾までに追いつき、1つのイ
ンク滴Q31として合体する。また、図12(b)に示す設定電圧値Vmbのときの駆動
信号SL2が、図12(d)に示す第2吐出部Dbに印加されてノズル17aからインク
滴が吐出される場合、第1波形Wa2に基づく吐出速度v12の第1インク滴Q12に、
第2波形Wb2に基づく吐出速度v22の第2インク滴Q22が着弾までに追いつき、1
つのインク滴Q32として合体する。
テスト初期段階では、図12(a)に示す第1駆動信号SL1を生成する際の設定電圧
値Vmaは、図12(c)に示す第2駆動信号SL2を生成する際の設定電圧値Vmbと
同じで、吐出速度は、v11>v12かつv21>v22の関係がある。第2吐出部Db
に駆動信号SL2を印加した際にノズル17aから吐出されるインク滴が着弾して形成さ
れるドットにドット割れが発生しない範囲で、吐出速度を許容範囲内で一致するまで近づ
け、v11≒v12かつv21≒v22となるまで設定電圧値Vmbを上昇させる設定電
圧調整処理(吐出速度調整処理)を行う。
ドット間に許容範囲を超える位置ずれが存在する場合、第2吐出部Dbに駆動信号SL
2を印加した際にノズル17aから吐出されるインク滴が着弾して形成される第2ドット
DT2にドット割れが発生しない範囲で、設定電圧値Vmbをドットの位置ずれが許容範
囲内に収まるまで少しずつ上昇させる設定電圧調整処理を行う。この設定電圧調整処理の
結果、図12(c)に示す駆動信号SL2を生成する設定電圧値Vmbが、図12(a)
に示す駆動信号SL1を生成する設定電圧値Vma以上の値に調整され、吐出速度は、許
容範囲内でほぼ一致する、例えばv11≒v12かつv21≒v22に調整される。この
結果、図12(b),(d)に示す吐出部Da,Db間でインク滴が同時に吐出されれば
、インク滴Q11,Q21の速度v11,v21とインク滴Q12,Q22の速度v12
,v22とがほぼ等しく、それぞれの合体後の第3インク滴Q31,Q32もほぼ同速度
となる。この結果、各吐出部Da,Dbからほぼ同時に吐出された各インク滴はほぼ同速
度で同じ時間だけ飛翔した後、媒体Pの相対移動方向RMにほぼ同じ位置に着弾する。よ
って、ノズル列毎の記録ヘッド部17の個体差に起因して設定電圧値−吐出速度の関係を
示す特性がノズル列間で異なっても、吐出部Da,Db間で同じラスターラインに属する
ドット間の相対移動方向RMにおける形成位置を許容範囲内に揃えることができる。なお
、この設定電圧調整処理の詳細は後述する。
また、図13は、中ドットを印刷するときのインク滴の飛翔の様子を示す。中ドットを
印刷するときは、第4駆動パルスW4を含む駆動信号SM(図8参照)が吐出駆動素子4
2に印加される。第4駆動パルスW4は、吐出速度を比較的高速にした場合に、サテライ
ト滴R2が発生するものの、そのサテライト滴R2の吐出速度u2が、主となるインク滴
R1の吐出速度u1よりも高速になる波形形状に設定されている。このため、第4駆動パ
ルスW4の電圧が吐出部Dに印加されると、図13(a)に示すように、ノズル17aか
ら中サイズのインク滴R1が吐出速度u1で吐出され、このとき、ノズル17aから延び
るインクがインク滴R1として切れる際に小さなサテライト滴R2が発生する。主となる
インク滴R1の吐出速度u1よりも、サテライト滴R2の吐出速度u2が高速なため、着
弾までにサテライト滴R2が主となるインク滴R1に追いつき、1つの速度u3のインク
滴R3として合体する。そして、この中サイズのインク滴R3が媒体Pの表面である着弾
位置PLに着弾した結果、図13(b)に示すように、所定速度で相対移動方向RMに相
対移動する媒体Pの表面に中ドットMDが形成される。また、設定電圧Vmjが高過ぎて
インク滴R1の吐出速度u1が速過ぎると、吐出速度u2のサテライト滴R2が先行のイ
ンク滴R1に着弾までに追いつくことができない。この場合、図13(c)に示すように
、中サイズのインク滴R1と小さなサテライト滴R2とが相対移動方向RMに異なる位置
に離れて着弾し、中ドットMDが、相対移動方向RMに第1ドットMD1と第2ドットM
D2との二つに分かれるドット割れが発生する。
このような中ドットについても、大ドットと同様に設定電圧調整処理が行われる。すな
わち、同じ設定電圧(初期電圧Vmo)の下でノズル列毎の各吐出部Dからインク滴を吐
出し、その中で吐出速度が最も高速となる吐出部Dを有するノズル列を基準ノズル列とす
る。そして、ドット割れを発生させない範囲で、通常ノズル列に属する第2吐出部Dbの
設定電圧Vmbを、基準ノズル列に属する第1吐出部Daの設定電圧Vma以上の値に調
整して、同じラスターラインに属するドット間の相対移動方向RMにおける位置ずれを許
容範囲内に収める。
ここで、図14を参照して、設定電圧調整処理で吐出部Da,Dbの各ノズル17aか
ら吐出されたインク滴が媒体Pに着弾して形成されるドットの位置ずれ量及びドット割れ
の有無を画像解析から判定する検査内容について説明する。本実施形態では、ノズル列毎
の各吐出部Da,Db1,Db2,Db3の各ノズル17aから媒体Pの相対移動方向R
M(搬送方向Y)の同じ位置(同じラスターライン)を目標として同時にインク滴を吐出
してドットを形成することで、図14に示すテストパターンTP1(以下、単に「パター
ンTP1」ともいう。)を印刷する。但し、図14は、初期電圧Vmoを設定したときの
ノズル列毎の各吐出部Dがインク滴を吐出して形成されるパターンTP1の一例である。
図14の例では、各調整部52に設定電圧Vmjとして同一の初期電圧Vmoを設定した
条件の下で、各吐出部Da,Db1,Db2,Db3からインク滴を吐出した際に最も吐
出速度が高速となる吐出部Da(第1吐出部)のノズル17aが属するノズル列を基準ノ
ズル列とする。このとき、吐出部Daのノズル17aから吐出された第1のインク滴が着
弾して形成された第1ドットDT1(以下「基準ドットDTs」ともいう。)の位置に対
して、他の吐出部Dbのノズル17aから吐出される第2のインク滴が着弾して形成され
る第2ドットDT2〜DT4は、相対移動方向RMの上流側にずれて位置する。
そして、これら第1ドットDT1及び第2ドットDT2〜DT4を含むパターンTP1
をスキャナー装置18で読み取り、読み取って得たパターンTP1の画像を画像解析する
ことで、第1ドットDT1に対する第2ドットDT2〜DT4の位置ずれ及びドット割れ
の有無を判定する。そして、画像解析の結果、図14に示すように、ドットDT1〜DT
4間に相対移動方向RMの位置ずれがあれば、ドット割れが発生しない範囲で、その位置
ずれ量を小さく抑制できる側へ他のノズル列N2〜N4(記録ヘッド部17)毎の設定電
圧Vm2〜Vm4を一増分ずつ調整する。このようにノズル列単位で設定電圧Vm2〜V
m4を個別に調整して、各吐出部Db1,Db2,Db3の吐出速度を速くすることによ
り、図14に示す第2ドットDT2〜DT4の着弾位置を同図における矢印方向へずらし
、第1ドットDT1の位置である基準位置Ysに近づけるようにする。
また、図15(a)に示すように、第2ドットDT2にドット割れが発生し、他の第2
ドットDT3,DT4が第1ドットDs(DT1)と許容範囲内で同位置に着弾できた場
合は、ドット割れした第2ドットDT2を形成した吐出部Db1に対応する調整部52に
指示する設定電圧値を一増分低い値とする。その結果、図15(b)に示すようにノズル
列毎の各吐出部Da,Db1〜Db3が形成した全てのドットDT1〜DT4が、相対移
動方向RMに許容範囲内で同じ位置に収まる。
なお、プリンター11は、インク滴を吐出する第1吐出部Daと、インク滴を吐出する
第2吐出部Dbと、第1吐出部Daからインク滴を吐出させるための第1駆動信号SL1
を与える駆動信号生成回路53と、第2吐出部Dbからインク滴を吐出させるための第2
駆動信号SL2を与える駆動信号生成回路53とを有している。本実施形態では、第1駆
動信号SL1が、第1吐出部Daを駆動させる第1電力の一例に相当し、第2駆動信号S
L2が、第2吐出部Dbを駆動させる第2電力の一例に相当する。また、第1吐出部Da
と対応する駆動信号生成回路53及びDAC54により、第1吐出部Daに第1電力を供
給する第1電力供給源の一例及び第1吐出部Daから液体を吐出させるための第1駆動信
号を生成する第1駆動信号生成部の一例が構成される。さらに、第2吐出部Dbと対応す
る駆動信号生成回路53及びDAC54により、第2吐出部Dbに第2電力を供給する第
2電力供給源の一例及び第2吐出部Dbから液体を吐出させるための第2駆動信号を生成
する第2駆動信号生成部の一例が構成される。
次に、プリンター11の作用を説明する。以下の説明では、記録ヘッド16のn列のノ
ズル列N1〜Nnが4列の例とし、さらに4列のノズル列N1〜N4が異なる色のインク
滴を吐出するカラー用の各ノズル列である例とする(図4参照)。なお、記録ヘッド16
のn列のノズル列N1〜Nnが同じ色のインクを吐出する構成で、ノズル列N1〜Nnが
同じラスターラインの異なるドット位置をそれぞれ形成し、ノズルピッチの1/nのピッ
チでドットを形成することで高解像度印刷を行う構成でも、以下の説明する設定電圧調整
処理は基本的に同じである。
制御部30は、操作者による入力装置103の操作による設定電圧自動調整指示を受け
付けると、図16のフローチャートで示されるノズル列毎に吐出部D1〜Dnの吐出速度
を規定する設定電圧Vmjを調整して設定する設定電圧調整処理(吐出速度調整処理)を
実行する。以下、設定電圧調整処理の詳細を、図16を参照して説明する。
まずステップS11では、テスト電圧Vtを初期電圧Vmoに設定する。すなわち、制
御部30は、第1〜第4ヘッドコントローラー部37A〜37D内の調整部52に初期電
圧Vmoの設定を指示する電圧指示値Vjを送る。ここで、初期電圧Vmoは、テスト電
圧Vtの初期値であり、全てのノズル列N1〜N4でドット割れが発生しない程度に低い
電圧値である。
ステップS12では、テスト電圧Vtでノズル列毎の吐出速度を測定する。本例では、
テスト電圧Vtを各ノズル列N1〜N4の各吐出部D1〜D4に印加して各ノズル17a
からインク滴を吐出して、一定の搬送速度で搬送中の媒体PにパターンTP1(テストパ
ターン)を印刷する。そして、その印刷したパターンをスキャナー装置18で読み取る。
制御部30は、パターンの画像データ(スキャン画像データ)を画像解析し、各ドットの
相対移動方向RMにおける着弾位置と、ドットの形状を特定するドット形状情報とを取得
する。ドット形状情報は、ドット割れの有無に関する情報であり、ドットが相対移動方向
RMに離れて又は接して複数存在している第1の形態と、ドットが1つで円状又は楕円状
である第2の形態とを判別可能な情報である。
ここで、テストパターンTP1を印刷するときの目標着弾位置は、ノズル列の異なる複
数のドットが媒体Pの相対移動方向RMにおける同一位置、つまり相対移動方向RMと直
交する幅方向に1列に延びる同一のラスターライン上に並ぶように設定する。しかし、例
えば図14に示すように、ドット(二点鎖線)が一列に並ぶことを目標にノズルからイン
ク滴を吐出しても、大抵の場合、ノズル列間の吐出速度のばらつきが原因で、実際に着弾
したドットの位置が、記録ヘッド16と媒体Pとの相対移動方向RMにずれる。このとき
、インク滴の吐出速度が高速なインク滴によって形成されたドットほど、相対移動方向R
Mと反対側(相対移動方向RMの上流側)に位置する。このため、ノズル列毎のドットの
着弾位置から、インク滴の吐出速度を間接的に把握可能である。
図14の例では、相対移動方向RM(搬送方向Y)のより上流側に位置するドットほど
、インク滴の吐出速度が遅いことになる。そして、図14における相対移動方向RMの下
流側(図では下方向側)に位置するドットほど、吐出速度が速いことになる。このように
ドットの着弾位置からインク滴の吐出速度を間接的に計測する。図14の例では、基準ノ
ズル列の第1吐出部Daが吐出したインク滴の吐出速度が一番速いので、このインク滴に
より形成されたドットDTsが、他のノズル列により形成された他のドットDT2〜DT
4よりも下流側に位置している。
また、本例では、媒体Pに印刷したテストパターンTPをスキャナー装置18で読み取
った画像データを画像解析することにより、ドットの着弾位置とドットの形態とを取得す
る。制御部30は、画像解析の結果、1つの吐出部Dから1回吐出されたインク滴が着弾
した際のドットが複数(例えば2つ)に割れていればドット割れ有りと判定し、ドットが
1つで円状又は楕円状であればドット割れ無しと判定する。そして、ドット割れの有無に
関するドット形状情報を記憶部の所定記憶領域に記憶する。ドット形状情報は、一例とし
てドット割れ有りの場合に「1」、ドット割れ無しのときに「0」をとるフラグ等により
構成できる。
ステップS13では、最高吐出速度のノズル列を基準ノズル列に決定する。本例では、
テストパターンの着弾位置から把握される最高吐出速度のノズル列を基準ノズル列に決定
する。図14の例では、ノズル列N1〜N4のうち、相対移動方向RMの最も下流側に位
置するドットDTsに対応する最高吐出速度のインク滴を吐出可能な吐出部Daのノズル
17aが属するノズル列を、基準ノズル列に決定する。
本実施形態では、図14に示すように、他のノズル列に対応するドットDTk(但し、
k=1,…,n−1)の位置を、ドット割れが発生しない範囲で、他のノズル列の設定電
圧値Vmjを徐々に上げることにより、相対移動方向RMに基準ドットDTsに近づける
処理をノズル列毎に行う。以下のステップS14からの処理により、このような条件を満
たすノズル列毎の設定電圧Vmjを確定し、確定した設定電圧Vmjを調整部52に設定
する。
ステップS14では、テスト電圧Vtにおける基準ノズル列の着弾位置Ptg、他のノ
ズル列の着弾位置Pkを取得する。記録ヘッド16にn列のノズル列N1〜Nnがある場
合、基準ノズル列以外の(n−1)列の他のノズル列をNZk(但し、k=1,…,n−
1)とする。そして、テストパターンTPにおける他のノズル列NZk毎のドットの着弾
位置Pkを取得する。
そして、以下の処理において、他のノズル列の各着弾位置Pkが、基準ノズル列の着弾
位置Ptgに許容範囲内で一致するように、他のノズル列NZkの吐出部Db1〜Db3
に印加するべき駆動信号の波形電圧を規定する設定電圧値Vmk(但し、k=1,2,…
,n−1)を調整する。
ステップS15では、k=1を設定する。すなわち、他のノズル列NZkのうちから設
定電圧を決める処理の対象とする対象ノズル列に対応する番号の初期値としてk=1を設
定する。このため、k=1のときのノズル列NZ1が選択ノズル列として選択される。
ステップS16では、Pk=Ptgであるか否かを判断する。すなわち、着弾位置Pk
と基準着弾位置Ptgとが許容範囲内で一致するか(Pk=Ptgであるか)否かを判断
する。ここでは、Ptg−δ≦Pk≦=Ptg+δ(但し、±δは許容範囲)を満たす場
合を、便宜上、Pk=Ptgと表記している。Pk=PtgでなければステップS17に
進み、Pk=PtgであればステップS20に進む。設定電圧の調整前のこの段階では、
大抵の場合、Pk=Ptgとはならず、ステップS17に進むことになる。
ステップS17では、ドット割れ有りか否かを判断する。このドット割れの有無の判断
は、先に記憶したノズル列毎のドット形状情報を記憶部から読み出し、選択ノズル列NZ
kに対応するドット形状情報に基づいて行う。例えば図15(a)に示すように、設定電
圧Vmkの上昇の過程で、設定電圧Vmkが高過ぎるノズル列があると、そのノズル列に
対応するドットDT2にドット割れが発生する。ドット形状情報から選択ノズル列NZ1
の吐出部で形成したドットに割れがなければステップS18に進み、ドットに割れがあれ
ばステップS21に進む。
ステップS18では、設定電圧Vmkを、Vmk=Vmk+αに設定する。すなわち、
前回の設定電圧Vmkにステップ電圧α(増分)を加算することで、今回の設定電圧Vm
kをステップ電圧αの分だけ上昇させる(=Vmk+α)。ここで、設定電圧Vmkの上
昇は、テストパターンTPを印刷する際の選択ノズル列の吐出部Dに印加される駆動信号
の電圧の上昇に繋がり、これはインク滴の吐出速度の高速化に繋がる。なお、1回目のパ
ターン印刷時は、初期電圧Vmoになる(Vmk=Vmo)ので、例えば2回目のパター
ン印刷時の設定電圧Vmkは、Vmk=Vmo+αになる。
ステップS19では、ドット割れ有りか否かを判断する。つまり、ドット形状情報に基
づきドット割れが有るか否かを判断する。ドット割れ有りの場合はステップS20に進み
、ドット割れが無ければ、ステップS21に進む。
ステップS20では、設定電圧Vmkを、Vmk=Vmk−αに設定する。すなわち、
ドット割れが発生しない初期電圧Vmoからステップ電圧αずつ設定電圧Vmkを上昇さ
せた結果、例えば図15(a)に示すように、ドット割れのあるドットDT2が発生した
場合は、そのノズル列の設定電圧Vmkが高過ぎるとして、ステップ電圧α分低い1回前
の設定電圧Vmk(==Vmk−α)を設定する。これにより図15(b)に示すように
、全てのノズル列のドットにドット割れが発生しない設定電圧Vmkを設定する。今回の
設定電圧Vmkを、1回当たりのステップ電圧αの分だけ下降させた前回の設定電圧Vm
k(=Vmk―α)を確定する。こうして例えばk=1の場合、選択ノズル列NZ1の設
定電圧Vm1が決定される。
ステップS21では、設定電圧Vmkを確定する。つまり、選択ノズル列NZkに対応
する調整部52に設定するべき設定電圧として設定電圧Vmkを確定する。この確定され
た設定電圧Vmkは、調整部52に設定される。なお、ノズル列毎の設定電圧が確定され
たか否かを判定するための確定フラグ(図示せず)が記憶部に用意され、設定電圧が確定
された場合はそのノズル列に対応する確定フラグFvがONされる(Fv=ON)。この
確定フラグFvがONの場合、そのノズル列は選択ノズル列として選択されない。このた
め、設定電圧が確定されたノズル列の数が増えるに従い、選択ノズル列の数は徐々に減少
する。但し、パターンの印刷は、設定電圧が確定したノズル列の吐出部についても、確定
された設定電圧に基づき吐出駆動される。
ステップS22では、全ノズル列の設定電圧を決定したか否かを判断する。例えば今回
のテストパターンの印刷に使用する設定電圧が未決定のノズル列が存在する場合は、ステ
ップS23において、ノズル列番号kを「1」だけインクリメントした後(k=k+1)
、ステップS16に戻る。
以下、ノズル列番号k=2の選択ノズル列NZ2について、同様にステップS16〜S
21の処理を実行し、ノズル列NZ2の今回の設定電圧Vmkを決定又は設定電圧Vmk
を確定する。そして、ノズル列番号k=3,…,n−1についても、同様にステップS1
6〜S21の処理を実行し、ノズル列NZ1,NZ2,…,NZn-1の今回の設定電圧V
mkを決定又は設定電圧Vmkを確定する。
ステップS24では、パターンを印刷して着弾位置Pk及びドット形状情報を取得する
。すなわち、ノズル列毎に決定又は確定された今回の設定電圧Vmkから規定される駆動
信号を吐出部Dに印加することで、今回の設定電圧Vmkに応じた吐出速度でノズル17
aからインク滴が吐出され、所定速度で搬送中の媒体PにパターンTPが印刷される。そ
して、スキャナー装置18でそのパターンTPを読み取った画像データを画像解析するこ
とで、ノズル列毎の吐出部Dによるドットの着弾位置Pk及びドット形状情報を取得する
。なお、本実施形態では、ステップS11,S18の各処理とS24のうちテストパター
ンを印刷する処理とにより、ドット形成ステップの一例が構成される。また、ステップS
24のうち着弾位置Pn及びドット形状情報を取得するために行うテストパターンの画像
をスキャナー装置18により読み取るスキャン処理により、画像読取りステップの一例が
構成される。
ステップS25では、ノズル列間の着弾位置のばらつきが許容範囲内であるか否かを判
断する。詳しくは、ノズル列毎に設定電圧Vmo(初期電圧),Vm1,Vm2,…,V
mn-1を設定したときの各吐出部Da,Db1,Db2,…,Dbn-1による着弾位置Pt
g,P1,P2,…,Pn-1のばらつきが許容範囲内に収まるか否かを判断する。ノズル
列間の着弾位置のばらつきが許容範囲内に収まれば、当該ルーチンを終了する。一方、ノ
ズル列間の着弾位置のばらつきが許容範囲内に収まらなければ、ステップS15に戻る。
そして、ステップS15〜S22の処理を実行し、今回のパターン印刷に用いるノズル
列毎の設定電圧Vmkを決定する。決定した今回のノズル列毎の設定電圧Vmkをノズル
列毎の調整部52に設定し、ノズル列毎の設定電圧を吐出部Da,Db1,Db2,…,
Dbn-1に印加する。そして、ステップS24で、ノズル列間の着弾位置のばらつきが許
容範囲内に収まれば(肯定判定)、当該ルーチンを終了する。こうしてノズル列毎に吐出
部Dに印加される駆動信号の電圧の大きさを規定する設定電圧が決定される。そして、ノ
ズル列毎に決定した設定電圧Vmo,Vm1,Vm2,…,Vmn-1を、ノズル列毎の調
整部52にそれぞれ設定する。このとき、他のノズル列NZkの設定電圧Vmk(但し、
k=1,2,…,n−1)は、初期電圧Vmoで吐出速度が最高の基準ノズル列の吐出速
度に、ドット割れが生じない範囲で、他のノズル列の吐出速度をできるだけ近づけた値と
なる。なお、本実施形態では、ステップS25の処理及び設定電圧調整処理で決定された
各設定電圧を各調整部52に設定する処理により、設定ステップの一例が構成される。
また、中ドットについても大ドットと同様に図16に示す設定電圧調整処理を行い、中
ドットでのテストパターンTPの印刷を伴う同様の処理を行って、ノズル列毎の設定電圧
を決定する。大ドットで決定した設定電圧と中ドットで決定した設定電圧とが異なるノズ
ル列については、大ドット用と中ドット用の設定電圧の設定可能範囲の重複領域内で一番
高い設定電圧値を設定する。
このように設定電圧調整処理で決定された設定電圧値Vmo,Vmkが、制御部30が
電圧指示値Vjを指示することにより調整部52に設定される。その後、印刷が行われ、
各ノズル列の吐出部Da,Dbkに、設定電圧値Vmo,Vmkをそれぞれ100%とし
て波形データで特定される各部の値が指定されたパーセントで成形された波形を含む駆動
信号のうち印字データSI,SPに応じて選択された駆動信号SLが吐出部Da,Dbk
に印加される。この結果、各吐出部Da,Dbkのノズル17aからほぼ同じ吐出速度で
インク滴が吐出される。よって、ノズル列間でドットの着弾位置ずれが小さく抑えられた
印刷結果が得られる。
以上詳述した第1実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)同一の初期電圧Vmo(設定電圧の初期値)下で吐出速度が最高速となるノズル
列を基準ノズル列とし、基準ノズル列以外の他のノズル列の設定電圧を、ドット割れが発
生しない範囲で、吐出速度を基準ノズル列の吐出速度にできるだけ近づけた電圧値に設定
できる。よって、ノズル列毎の吐出速度を、ドット割れを起こさない範囲で、なるべく高
速側で揃えることができる。このため、プリンター11がラインプリンターであって、比
較的高速で搬送中の媒体Pに記録ヘッド16のノズル列毎の吐出部Dからインク滴を吐出
する構成であっても、ノズル列間におけるドットの着弾位置のばらつきを小さく抑えるこ
とができる。
(2)スキャナー装置18でテストパターンTP1を読み取って、テストパターンTP
1の画像を画像解析することで、ドットの位置ずれやドット割れの有無を判定する。よっ
て、例えば作業者が拡大鏡等を用いてテストパターンTP1のドットの位置ずれやドット
割れの有無を目視で検査しなくてもよく、設定電圧調整処理を自動化できる。
(3)テスト電圧Vtの初期電圧Vmoとしてドット割れを確実に発生させない程度に
低い電圧値を設定するので、設定電圧を初期電圧Vmoから徐々に上昇させる処理が中心
になるので、図16に示すように設定電圧調整処理が比較的簡単で済む。
(4)大ドットで決定した設定電圧と中ドットで決定した設定電圧とが異なるノズル列
については、大ドット用と中ドット用の設定電圧の設定可能範囲の重複領域内で一番高い
設定電圧値を設定する。よって、大ドットも中ドットもドット割れを発生させない範囲で
、なるべくノズル列間で吐出速度を揃えることができる。
(5)設定電圧調整処理の対象とする複数のノズル列を異なる色のインクを吐出するノ
ズル列とした場合は、異なる色のインクを吐出する複数のノズル列間で、ドット割れを発
生させない範囲で吐出速度をなるべく高速側で揃えることができる。よって、異なる色の
ドットの位置ずれを極力小さく抑え、カラー印刷の印刷品質を高めることができる。
(6)設定電圧調整処理の対象とする複数のノズル列を同じ色のインクを吐出するノズ
ル列とした場合は、同じ色のインクを吐出する複数のノズル列間で、ドット割れを発生さ
せない範囲で吐出速度をなるべく高速側で揃えることができる。よって、同じ色のドット
の位置ずれを極力小さく抑え、高解像度印刷の印刷品質を高めることができる。
(第2実施形態)
次に図17を参照して、第2実施形態について説明する。前記第1実施形態では、ドッ
ト割れが確実に発生しない程度に低い初期電圧Vmoからステップ電圧αずつ上昇させる
調整を行ったが、本実施形態では、予め適切と推定される電圧をテスト電圧Vtの初期電
圧Vmoとして設定した例である。このため、初期電圧Vmoでもドット割れが発生する
虞がある。以下、制御部30のコンピューターが実行する図17に示す設定電圧調整処理
ルーチンについて説明する。
ステップS31においてテスト電圧Vtの初期電圧Vmoとして予め適切と推定される
電圧値を設定する。このように初期電圧Vmoの値が異なる以外は、ステップS31〜S
38,S40,S41の処理は、第1実施形態の図16におけるステップS11〜S20
の処理と基本的に同様である。
すなわち、ステップS36において、着弾位置Pkと基準着弾位置Ptgとが許容範囲
内で一致せず(Pk<Ptg−δかつPk>Ptg+δ)、次のステップS37でドット
割れが無ければ、ステップS38で設定電圧VmkをVmk=Vmk+αに設定する。こ
のようにステップ電圧α(増分)だけ増加させる処理を行ったときは、ステップS39で
フラグFをON(F=1)にする。
一方、ステップS36において、着弾位置Pkと基準着弾位置Ptgとが許容範囲内で
一致し(Ptg−δ≦Pk≦=Ptg+δ)、次のステップS40でドット割れが有れば
、ステップS41で設定電圧VmkをVmk=Vmk−αに設定する。このようにステッ
プ電圧αだけ減少させる処理を行ったときは、ステップS42でフラグFがONであるか
否かを判断する。
例えば着弾位置Pkと基準着弾位置Ptgとが許容範囲内で一致せず設定電圧Vmkを
Vmk=Vmk+αにステップ電圧αずつ上昇させる場合、着弾位置Pkと基準着弾位置
Ptgとが許容範囲内で一致すれば(S36で肯定判定)、そのときドット割れがなけれ
ば(S40で否定判定)、そのときの設定電圧Vmkを確定する。一方、ドット割れが有
れば(S40で肯定判定)、設定電圧VmkをVmk=Vmk−αに設定する。このとき
、フラグF=ONであれば(S42で肯定判定)、それまでS38,S39の処理で設定
電圧Vmkをステップ電圧αずつ上昇させてきた結果、ステップS36で着弾位置Pkと
基準着弾位置Ptgとが許容範囲内で一致したことになる。このため、S40でドット割
れが有れば、今回の設定電圧値Vmkからステップ電圧α分だけ減算し(Vmk=Vmk
−α)、フラグF=ONであれば、前回の設定電圧Vmkで確定する。
一方、次のステップS42でフラグF=OFF(F=0)であれば、それまでS38,
S39の設定電圧Vmkをステップ電圧αずつ上昇させる処理は経ておらず、S37,S
41の設定電圧Vmkをステップ電圧αずつ減少させる処理を経てきたことになる。よっ
て、フラグF=OFFであれば、設定電圧を確定しない。
そして、ステップS36で着弾位置Pkと基準着弾位置Ptgとが許容範囲内で一致し
ても一致しなくても、ドット割れが有るノズル列については(S37又はS41で肯定判
定)、設定電圧Vmkをステップ電圧αだけ減少させる(Vmk=Vmk−α)。そして
、ステップS36で着弾位置Pkと基準着弾位置Ptgとが許容範囲内で一致したときに
、ドット割れが無ければ(S40で否定判定)、設定電圧Vmkを確定する(S43)。
一方、ステップS36で着弾位置Pkと基準着弾位置Ptgとが許容範囲内で一致したと
きに、ドット割れが有れば(S40で肯定判定)、さらに設定電圧Vmkをステップ電圧
αだけ減少させる(Vmk=Vmk−α)。このときフラグF=ONでなければステップ
S44に進む。
そして、全ノズル列の設定電圧が決定されると(S44で肯定判定)、テストパターン
TP1を印刷して着弾位置Pk及びドット形状情報を取得する(S46)。そして、ノズ
ル列間の着弾位置のばらつきが許容範囲内でなければ(S47で否定判定)、ステップS
35〜S47の処理を行い、ノズル列間の着弾位置のばらつきが許容範囲内になれば(S
47で肯定判定)、当該ルーチンを終了する。
こうしてノズル列毎に吐出部Dに印加される駆動信号の電圧の大きさを規定する設定電
圧が決定される。そして、ノズル列毎に決定した設定電圧Vmo,Vm1,Vm2,…,
Vmn-1を、ノズル列毎の調整部52にそれぞれ設定する。なお、本実施形態では、ステ
ップS31,S38,S41の各処理とS46のうちテストパターンTP1を印刷する処
理とにより、ドット形成ステップの一例が構成される。また、ステップS46のうち着弾
位置Pn及びドット形状情報を取得するために行うテストパターンTP1の画像をスキャ
ナー装置18により読み取るスキャン処理により、画像読取りステップの一例が構成され
る。さらにステップS47の処理及び設定電圧調整処理で決定された各設定電圧を各調整
部52に設定する処理により、設定ステップの一例が構成される。
また、本実施形態でも、中ドットについても大ドットと同様に図17に示す設定電圧調
整処理を行い、中ドットでのテストパターンTP1の印刷を伴う同様の処理を行って、ノ
ズル列毎の設定電圧を決定する。大ドットで決定した設定電圧と中ドットで決定した設定
電圧とが異なるノズル列については、大ドット用と中ドット用の設定電圧の設定可能範囲
の重複領域内で一番高い設定電圧値を設定する。
また、同一色のインクを吐出する複数のノズル列を処理対象として設定電圧を個別調整
することもできる。この場合も、ドット割れを回避しつつ、ノズル列間で吐出速度を高速
側で揃えることが可能になる。よって、ドット割れを回避しつつ、同一色のインクを吐出
するノズル列間で相対移動方向RMにおけるドットの位置ずれを極力小さく抑えることが
できる。
以上詳述した第2実施形態によれば、第1実施形態で述べた前記(1),(2),(4
)〜(6)の効果を同様に得られる他、以下に示す効果が更に得られる。
(7)初期電圧Vmoを適切な設定電圧に設定することができるので、目標の設定電圧
を確定するまでに必要な処理の繰り返し回数を相対的に少なくし、比較的早期に目標とす
る設定電圧を確定することができる。そして、確定した各設定電圧を各調整部52に設定
することで、第1吐出部Daと第2吐出部Db(Db1〜Dbn-1)の吐出速度を高速側
で揃えることができるので、記録ヘッド部の固体差に起因するノズル列間の吐出速度のば
らつきを小さく抑え、ドット割れを回避しつつノズル列間のインク滴の着弾位置のばらつ
きを小さく抑えることができる。
(第3実施形態)
次に、図18及び図19を参照して第3実施形態について説明する。前記第1実施形態
では、ステップ電圧αずつの調整を行う度にテストパターンの印刷及びパターンの読取り
を行ったが、本実施形態では、図18に示すようなテストパターンTP2を印刷し、テス
トパターンTP2の印刷及びテストパターンTP2の読取りを基本的に1回としている。
なお、本実施形態では、ノズル列Nnの設定電圧をVmn(但し、添字n=1,2,…k
)としている。
図18に示すように、ノズル列毎の設定電圧の値を振って、ノズル列毎に設定する設定
電圧の異なる組み合わせで設定電圧を設定し、その複数の設定電圧の組み合わせ毎のテス
トパターンTP2を一度の印刷で形成する。図17は、ノズル列が4列である例で、ノズ
ル列N1〜N4に設定電圧を設定する。すなわち、コンピューターは、ノズル列N1〜N
4に設定する設定電圧の組合せ(Vm1,Vm2,Vm3,Vm4)を、(Vm1,Vm
2,Vm3,Vm4)=(V1,V1,V1,V1),(V2,V1,V1,V1),…
,(Vj,Vj,Vj,Vj)のような設定電圧を値の異なる各組合せで設定する。そし
て、各組合せの設定電圧の下でテストパターンTP2を印刷する。
次にスキャナー装置18により、媒体Pに印刷されたテストパターンTP2を読み取り
、読み取ったテストパターンTP2の画像を解析して、ドットの相対移動方向RMにおけ
る着弾位置及びドット形態情報を取得する。そして、コンピューターは、ドット形成情報
に基づきノズル列毎の全てのドットにドット割れがなく、かつ着弾位置情報からドット間
の着弾位置のばらつきが許容範囲内にあって一番小さく済む設定電圧の組合せを決定する
まずステップS51では、ノズル列毎のテスト電圧(Vt1,Vt2,Vt3,Vt4
)の組合せを決定する。図17の例では、ノズル列N1〜N4に対応する各調整部52が
駆動信号生成回路53に供給する設定電圧の組合せ(Vt1,Vt2,Vt3,Vt4)
を、(Vt1,Vt2,Vt3,Vt4)=(Vm1,Vm1,Vm1,Vm1),(V
m2,Vm1,Vm1,Vm1),…,(Vmj,Vmj,Vmj,Vmj)のように決
定する。すなわち、ノズル列N1〜N4毎の各駆動信号生成回路53に供給するべき各テ
スト電圧を値の異なる組合せで決定する。
ステップS52では、テスト電圧の全ての組合せでテストパターンを印刷する。すなわ
ち、制御部30のコンピューターは、各調整部52に指示するべきノズル列毎の設定電圧
の組合せとして、(Vt1,Vt2,Vt3,Vt4)=(Vm1,Vm1,Vm1,V
m1),(Vm2,Vm1,Vm1,Vm1),…,(Vmj,Vmj,Vmj,Vmj
)を順次指示する。この結果、ノズル列N1〜N4に対応する各調整部52に上記の組合
せ毎の設定電圧が順次指示される。調整部52は指示された組合せ毎の設定電圧を、駆動
信号生成回路53に設定する。その設定電圧の組合せが順次変更されることで、設定電圧
の全ての組合せで生成された駆動波形信号に基づき各ノズル列のノズルからインク滴を吐
出する。こうして媒体Pには、図18に示すようにノズル列N1〜N4に対応する駆動信
号生成回路53に供給された設定電圧に応じた振幅の駆動波形信号が出力される。この駆
動波形信号の振幅が大きいほど、吐出部Dの圧電素子170に高電圧が印加され、振動板
の振動するときの振幅が大きくなる。つまり、ドットサイズが同じであれば、駆動波形信
号の波形に応じた大きさの電圧の吐出部Dへの印加により、インクが充填されたキャビテ
ィー174が膨張して収縮する際の振動板175の振幅が大きくなり、ノズル17aから
のインク滴の吐出速度が高速になる。
すなわち、相対的に大きな設定電圧Vm1が設定されたときの先行のインク滴Q11の
吐出速度v11及び後続のインク滴Q21の吐出速度v21は、相対的に小さな設定電圧
Vm2(<Vm1)が設定されたときの先行のインク滴Q12の吐出速度v12及び後続
のインク滴Q22の吐出速度v22よりも高速になる(図12参照)。
ステップS53では、テストパターンをスキャンする。すなわち、スキャナー装置18
によりテストパターンTP2を読み取り、テストパターンTP2のスキャン画像を取得す
る。
ステップS54では、スキャン画像を画像解析して、ドット割れがなくかつノズル列間
のドット着弾位置のばらつきが許容範囲内に収まる設定電圧の組合せを選択して設定する
。すなわち、設定電圧の組合せ毎に、着弾位置P1〜P4及びドット形状情報を取得する
。そして、設定電圧の組合せ毎に、着弾位置P1〜P4のばらつきが許容範囲内に収まる
か否かを判定し、かつノズル列毎の各ドットの形状からドット割れのドットが含まれてい
ないか否かを判定する。この判定の結果、ドット割れが発生せずかつノズル列間のドット
着弾位置のばらつきが許容範囲内に収まる設定電圧の組合せを決定する。そして、決定し
た決定した設定電圧Vmo,Vm1,Vm2,…,Vmn-1の組合せを、ノズル列毎の調
整部52にそれぞれ設定する。なお、本実施形態では、ステップS51,S52の各処理
により、ドット形成ステップの一例が構成される。また、ステップS53の処理により、
画像読取りステップの一例が構成される。さらにステップS54の処理により、設定ステ
ップの一例が構成される。
以上詳述した第3実施形態によれば、第1実施形態で述べた前記(1),(2),(4
)〜(6)を効果を同様に得られる他、以下に示す効果が更に得られる。
(8)テストパターンTP2の印刷と、印刷後のテストパターンTP2の読取り(スキ
ャン)と、読み取った画像データの画像解析によるドットの位置及び形状の判定処理とを
含む一連の処理の繰り返し回数を低減できる。よって、第1及び第2実施形態に比べ、ノ
ズル列毎の吐出部に対応する調整部52に適切な設定電圧Vmjを比較的簡単かつ短時間
に設定することができる。
なお、上記実施形態は以下のような形態に変更することもできる。
・前記実施形態では、記録ヘッドが有するn列のノズル列を、1列ずつ個別に設定電圧
を設定できる構成であったが、設定電圧を個別に調整できるノズル群の単位は任意に設定
することができる。例えば記録ヘッドに備えられたn列のノズル列のうちg列(但し、2
≦G<nを満たす自然数)のノズル列の単位で個別に設定電圧を調整できる構成でもよい
。例えば4列又は8列のノズル列を備える記録ヘッドにおいて、ノズル列の2列単位で設
定電圧を設定できるようにし、2列単位で設定電圧を調整することで、ドット割れを回避
しつつ、2列単位間で吐出速度を高速側で揃える構成としてもよい。
・前記各実施形態では、複数の記録ヘッド16は同様の生産工程を経ることから、各記
録ヘッド16間は記録ヘッド部17の個体差による特性が同じ傾向を有するものとみなし
、代表的に1つの記録ヘッド16について設定電圧調整処理(吐出速度調整処理)を行い
、得られたノズル列毎の設定電圧を他の記録ヘッド16にも同様に設定した。これに対し
て、記録ヘッド16間で吐出速度を揃えるべく複数の記録ヘッド16を対象として設定電
圧調整処理を行ってもよい。この構成によれば、記録ヘッド16毎の個体差に起因する吐
出速度のばらつきを小さくし、記録ヘッド16間におけるドット位置のばらつき及びドッ
ト割れを抑えることができる。
・初期電圧から開始して全てのノズル列の各吐出部で、ドット割れが無くかつ第1ドッ
トと第2ドットとの各位置が許容範囲内で一致した場合、第1ヘッドコントローラー部3
7Aの調整部52に設定する初期電圧を、最初の初期電圧よりもステップ電圧だけ上昇さ
せ、新たな初期電圧で、再度、設定電圧調整処理を行ってもよい。この場合、初期電圧を
ステップ電圧ずつ上昇させていき、ドット割れが無くかつ第1ドットと第2ドットとの各
位置が許容範囲内で一致する条件を満たさなくなったときの初期電圧よりも1つ前の初期
電圧のときに決定した各設定電圧を、第2吐出部Db(Db1〜Dbn-1)に対応する各
調整部52に設定すればよい。この構成によれば、最初に設定した初期電圧が低過ぎた場
合でも、第1吐出部と第2吐出部の各吐出速度をなるべく高速側で揃えることができる。
・複数の記録ヘッドを配列してなるマルチヘッドタイプにおいて、各記録ヘッドをノズ
ル列方向が印刷媒体の搬送方向に対して斜めに交差する向きに傾けた状態に配列すること
で、ノズルの搬送方向と直交する方向のピッチを短くして印刷解像度を高くする構成のも
のでもよい。この場合、一のノズル列のノズルの搬送方向と直交する方向のピッチ間に、
他の一のノズル列のノズルが位置する状態に複数のノズル列を配置し、更なる高解像度を
得る構成としてもよい。
・ラインプリンターは、複数の記録ヘッドを配列してなるマルチヘッドタイプに限定さ
れず、媒体Pの搬送方向と交差する幅方向に亘る印刷領域の全域に一定のピッチでノズル
が配列されてなる複数のノズル列を有する1つの長尺状のラインヘッドを備えた構成でも
よい。また、1つの長尺状のラインヘッドに備えられた複数のノズル列は、異なるインク
色のものでもよいし、同一のインク色のものでもよい。この構成でも、ノズル列毎に設定
電圧を調整することで、ドット割れを回避しつつドット位置のばらつきを小さく抑えるこ
とができる。
・前記各実施形態では、ラインプリンターに適用したが、シリアルプリンターやラテラ
ル式プリンターに適用してもよい。シリアルプリンターやラテラル式プリンターに適用し
た場合も、ドット割れの発生頻度を抑えつつ、ノズル列間における記録ヘッドと媒体との
相対移動方向(記録ヘッドを有するキャリッジの移動方向(走査方向))におけるドット
位置のばらつきを小さく抑えることができる。シリアルプリンターの場合は、制御部はキ
ャリッジモーターを駆動してキャリッジをノズル列方向(媒体の搬送方向)と交差する走
査方向に移動させ、このキャリッジの移動中(走査中)に記録ヘッド16の複数のノズル
列からインク滴を吐出する。このとき、初期段階にノズル列間の吐出速度のばらつきに起
因するインク滴の相対移動方向RMにおける着弾位置のばらつきが存在しても、制御部が
設定電圧調整処理で決定した設定電圧が調整部52に設定されることで、ノズル列間の吐
出速度のばらつきに起因するドットの位置ずれをドット割れを発生させない範囲で抑制す
ることができる。
・吐出駆動素子は、電力が与えられて発熱することで液体を沸騰させてその沸騰時の気
体の圧力で液体を吐出部から吐出させるヒーター素子でもよい。また、ヒーター素子を用
いる液体吐出ヘッドに、サイズの異なる複数種のドットを形成するべく、1つの吐出部に
複数(例えば2つ)のノズル(例えば大ノズルと小ノズル)を設け、吐出に使用するノズ
ル及びノズルの数を変えて吐出するインク滴の大きさ及び数を調整することで、ドットの
サイズを異ならせてもよい。この場合、記録ヘッドに設けられた複数のノズル列のうちの
1つのノズル列には、複数のノズルを有する第1吐出部が複数備えられ、他のノズル列に
は複数のノズルを有する第2吐出部が複数備えられる。第1吐出部は各ノズルに連通する
液体流路の途中に液体を加熱するヒーター素子をノズル毎に備え、第2吐出部は各ノズル
に連通する液体流路の途中の液体を加熱するヒーター素子をノズル毎に備えている。詳し
くは、第1吐出部は、第1ノズルに連通する液体流路の途中で液体を加熱する第1ヒータ
ー素子と、第2ノズルに連通する液体流路の途中で液体を加熱する第2ヒーター素子とを
備えている。また、第2吐出部は、第3ノズルに連通する液体流路の途中で液体を加熱す
る第3ヒーター素子と、第4ノズルに連通する液体流路の途中で液体を加熱する第4ヒー
ター素子とを備えている。
液体吐出装置は、第1吐出部から液体を吐出させるための第1電力を与える第1電力供
給源と、第2吐出部から液体を吐出させるための第2電力を与える第2電力供給源とを有
している。第1吐出部が所定の電力を与えられることにより吐出される液滴の速度は、第
2吐出部が所定の電力を与えられることにより吐出される液滴の速度より速くなる。換言
すれば、同じ所定の電力が与えられたときに、液滴の吐出速度の一番速い吐出部が第1吐
出部、第1吐出部以外の吐出部、すなわち第1吐出部の吐出速度よりも吐出速度の遅い吐
出部が第2吐出部となる。
第1電力には、第1吐出部の第1ノズルから第1吐出速度で液体が第1中間液滴として
吐出されるように第1吐出部の第1ヒーター素子に与えられる第1駆動電力と、第1吐出
部の第2ノズルから第2吐出速度で液体が第2中間液滴として吐出されるように第1吐出
部の第2ヒーター素子に与えられる第2駆動電力とが含まれる。また、第2電力には、第
2吐出部の第3ノズルから第3吐出速度で液体が第3中間液滴として吐出されるように第
2吐出部の第3ヒーター素子に与えられる第3駆動電力と、第2吐出部の第4ノズルから
第4吐出速度で液体が第4中間液滴として吐出されるように第2吐出部の第4ヒーター素
子に与えられる第4駆動電力とが含まれる。
そして、第1電力を基準として第2電力が次の条件を満たすように調整される。すなわ
ち、条件とは、第2吐出速度は第1吐出速度よりも速く、第1中間液滴と第2中間液滴と
は媒体への着弾前に合体して第1合成液滴となり、第4吐出速度は第3吐出速度よりも速
く、第3中間液滴と第4中間液滴とは媒体への着弾前に合体して第2合成液滴となる。そ
して、第1吐出速度と第3吐出速度はほぼ等しく、第2吐出速度と第4吐出速度はほぼ等
しくなることである。このように第1電力を基準として第2電力が上記の条件で調整され
ることにより、第1吐出部及び第2吐出部の各吐出速度を高速側で揃えることができる。
・第1及び第2吐出部が1つのノズルを有する構成とし、ノズルに連通するインク流路
の途中でインクを加熱するヒーター素子が複数備えられ、インクのドットサイズに応じて
加熱(通電)するべきヒーター素子を選択する構成でもよい。そして、選択されたヒータ
ー素子が複数である場合に、各ヒーター素子の加熱によりノズルから吐出されるインク滴
が複数あり、各インク滴が着弾までの過程で1つに合体する構成であればよい。さらにヒ
ーター素子は1つのノズルに連通するインク流路に1つあり、1つのヒーター素子に通電
する通電量と通電時間のうち少なくとも通電量を変化させて吐出圧を変化させることで、
ノズルから複数のインク滴が吐出され、又は吐出直後に複数のインク滴に分かれ、これら
複数のインク滴が着弾するまでの過程で1つに合体する構成でもよい。
・吐出部が大中小の3種類のサイズのインク滴を吐出したが、大小の2種類のサイズ又
は大のみの1種類のサイズのみ、更には大を含む4種類以上のサイズで、インク滴を吐出
する構成でもよい。吐出部のノズルから、少なくとも第1中間液滴(又は第3中間液滴)
と第2中間液滴(又は第4中間液滴)とが吐出され、第1中間液滴と第2中間液滴とが媒
体への着弾前に合体して第1合成液滴(第2合成液滴)となる吐出が行われれば足りる。
また、このような吐出が行われるドットのサイズは大ドット以外でもよい。
・制御部30が行う設定電圧調整処理(吐出速度調整処理)は、プログラムを実行する
コンピューターによりソフトウェアで実現されたり、例えばFPGA(field-programmab
le gate array)やASIC(Application Specific IC)等の電子回路によりハードウェ
アで実現されたり、ソフトウェアとハードウェアとの協働により実現されたりしてもよい
・液体吐出装置は、ラインプリンターに限定されない。液体吐出装置は、液体を吐出す
る記録部を有する液体吐出方式(例えばインクジェット方式)のものであればよい。例え
ば、記録部が媒体の搬送方向と交差する方向に移動可能で、記録部の移動による主走査と
媒体の搬送による副走査とを略交互に行って媒体に印刷するシリアルプリンター、又は記
録部が主走査方向と副走査方向との両方に移動して媒体に印刷するラテラル式プリンター
でもよい。
11…液体吐出装置の一例としてのプリンター、15…記録ユニット、16…記録ヘッ
ド、17…記録ヘッド部、17a…ノズル、18…画像読取部の一例としてのスキャナー
装置、30…制御部、36…ヘッドコントローラー、37A〜37D…ヘッドコントロー
ラー部、38…ヘッド駆動回路、42…吐出駆動素子、51…ヘッド制御ユニット、52
…調整部、53…駆動信号生成回路、54…DAC、170…圧電素子、D,D1〜D4
…吐出部、N1〜N4…ノズル列、PD…印刷データ、P…媒体、Da…第1吐出部、D
b,Db1,Db2,Db3…第2吐出部、SL1…第1電力の一例としての第1駆動信
号、SL2…第2電力の一例としての第2駆動信号、Wa1…第1駆動電力の一例として
の第1波形、Wb2…第2駆動電力の一例としての第2波形、Wa2…第3駆動電力の一
例としての第1波形、Wb2…第4駆動電力の一例としての第2波形、Q11…第1中間
液滴の一例としての第1インク滴、Q21…第2中間液滴の一例としての第2インク滴、
Q31…第1合成液滴の一例としてのインク滴、Q12…第3中間液滴の一例としての第
1インク滴、Q22…第4中間液滴の一例としての第2インク滴、Q32…第2合成液滴
の一例としてのインク滴、v11…第1吐出速度、v21…第2吐出速度、v12…第3
吐出速度、v22…第4吐出速度、R1…インク滴、R2…サテライト滴、TP1…テス
トパターン、TP2…テストパターン、LD…大ドット、MD…中ドット、DT1…第1
ドット、DT2〜DT4…第2ドット、RM…相対移動方向、Y…搬送方向。

Claims (10)

  1. 液体を吐出する第1吐出部と、
    液体を吐出する第2吐出部と、
    前記第1吐出部から液体を吐出させるための第1電力を与える第1電力供給源と、
    前記第2吐出部から液体を吐出させるための第2電力を与える第2電力供給源と、
    を有し、
    前記第1吐出部が所定の電力を与えられることにより吐出される液滴の速度は、
    前記第2吐出部が所定の電力を与えられることにより吐出される液滴の速度より速く、
    前記第1電力には、
    前記第1吐出部に与えられることにより前記第1吐出部から第1吐出速度で前記液体が
    第1中間液滴として吐出されるように作用する第1駆動電力と、
    前記第1吐出部に与えられることにより前記第1吐出部から第2吐出速度で前記液体が
    第2中間液滴として吐出されるように作用する第2駆動電力と、
    が含まれ、
    前記第2電力には、
    前記第2吐出部に与えられることにより前記第2吐出部から第3吐出速度で前記液体が
    第3中間液滴として吐出されるように作用する第3駆動電力と、
    前記第2吐出部に与えられることにより前記第2吐出部から第4吐出速度で前記液体が
    第4中間液滴として吐出されるように作用する第4駆動電力と、
    が含まれ、
    前記第1電力を基準として、
    前記第2吐出速度は前記第1吐出速度よりも速く、
    前記第1中間液滴と前記第2中間液滴とは、媒体への着弾前に合体し、第1合成液滴と
    なり、
    前記第4吐出速度は前記第3吐出速度よりも速く、
    前記第3中間液滴と前記第4中間液滴とは、媒体への着弾前に合体し、第2合成液滴と
    なり、
    前記第1吐出速度と前記第3吐出速度はほぼ等しく、
    前記第2吐出速度と前記第4吐出速度はほぼ等しく、
    なるように前記第2電力が調整されることを特徴とする液体吐出装置。
  2. 液体を吐出する第1吐出部と、
    液体を吐出する第2吐出部と、
    前記第中間液滴1吐出部から液体を吐出させるための第1駆動信号を生成する第1駆動
    信号生成部と、
    前記第2吐出部から液体を吐出させるための第2駆動信号を生成する第2駆動信号生成
    部と、
    を有し、
    前記第1吐出部が所定の駆動波形を印加することにより吐出される液滴の速度は、
    前記第2吐出部が所定の駆動波形を印加することにより吐出される液滴の速度より速く

    前記第1駆動信号には、
    前記第1吐出部に印加されることにより前記第1吐出部から第1吐出速度で前記液体が
    第1中間液滴として吐出されるように作用する第1駆動波形と、
    前記第1吐出部に印加されることにより前記第1吐出部から第2吐出速度で前記液体が
    第2中間液滴として吐出されるように作用する第2駆動波形と、
    が含まれ、
    前記第2駆動信号には、
    前記第2吐出部に印加されることにより前記第2吐出部から第3吐出速度で前記液体が
    第3中間液滴として吐出されるように作用する第3駆動波形と、
    前記第2吐出部に印加されることにより前記第2吐出部から第4吐出速度で前記液体が
    第4中間液滴として吐出されるように作用する第4駆動波形と、
    が含まれ、
    前記第1駆動信号を基準として、
    前記第2吐出速度は前記第1吐出速度よりも速く、
    前記第1中間液滴と前記第2中間液滴とは、媒体への着弾前に合体し、第1合成液滴と
    なり、
    前記第4吐出速度は前記第3吐出速度よりも速く、
    前記第3中間液滴と前記第4中間液滴とは、媒体への着弾前に合体し、第2合成液滴と
    なり、
    前記第1吐出速度と前記第3吐出速度はほぼ等しく、
    前記第2吐出速度と前記第4吐出速度はほぼ等しく、
    なるように前記第2駆動信号が調整されることを特徴とする液体吐出装置。
  3. 前記第2駆動信号の電圧を調整することにより、前記第3吐出速度及び前記第4吐出速
    度を調整することを特徴とする請求項2に記載の液体吐出装置。
  4. 前記第1吐出部は所定の駆動信号を印加した際、吐出される液滴の速度が複数の吐出部
    の中で最も速いことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
  5. 前記第1電力供給源及び前記第2電力供給源の各設定電圧を設定する制御部と、
    前記第1吐出部及び前記第2吐出部が前記媒体に形成した第1ドット及び第2ドットの
    画像を読み取る画像読取部とを備え、
    前記第1吐出部は、前記第1電力供給源と前記第2電力供給源に同じ設定電圧が設定さ
    れたときに吐出速度が前記第2吐出部の吐出速度よりも速くなり、
    前記制御部は、前記第1電力供給源の設定電圧を初期電圧とし、前記第2電力供給源の
    設定電圧を初期電圧から変更させて、当該変更の度に、前記第1吐出部及び第2吐出部に
    液滴を吐出させて媒体に前記第1吐出部による第1ドットと前記第2吐出部による第2ド
    ットとを形成し、当該形成した前記第1ドット及び前記第2ドットを前記画像読取部に読
    み取らせ、当該画像読取部に読み取らせた画像を解析して、前記第1ドットに対する前記
    第2ドットの位置ずれ及び前記第2ドットのドット割れの有無を判定し、前記ドット割れ
    が無ければ、前記第2ドットの位置が前記第1ドットの位置に許容範囲内で一致するまで
    、前記第2電力供給源の設定電圧をステップ電圧ずつ上昇させ、前記許容範囲内で一致し
    たときの前記設定電圧を前記第2電力供給源に設定し、一方、前記ドット割れが有れば、
    前記第2電力供給源の設定電圧よりも前記ステップ電圧の分だけ低い設定電圧を前記第2
    電力供給源に設定することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  6. 前記第1電力供給源及び前記第2電力供給源の各設定電圧を設定する制御部と、
    前記第1吐出部及び前記第2吐出部が前記媒体に形成した第1ドット及び第2ドットの
    画像を読み取る画像読取部とを備え、
    前記第1吐出部は、前記第1電力供給源と前記第2電力供給源に同じ設定電圧が設定さ
    れたときに吐出速度が前記第2吐出部の吐出速度よりも速くなり、
    前記制御部は、前記第1電力供給源の設定電圧を初期電圧とし、前記第2電力供給源の
    設定電圧を初期電圧から変更させて、当該変更の度に、前記第1吐出部及び第2吐出部に
    液滴を吐出させて媒体に前記第1吐出部による第1ドットと前記第2吐出部による第2ド
    ットとを形成し、当該形成した前記第1ドット及び前記第2ドットを前記画像読取部に読
    み取らせ、当該画像読取部に読み取らせた画像を解析して、前記第1ドットに対する前記
    第2ドットの位置ずれ及び前記第2ドットのドット割れの有無を判定し、前記ドット割れ
    が無ければ、前記第2ドットの位置が前記第1ドットの位置に許容範囲内で一致するまで
    、前記第2電力供給源の設定電圧をステップ電圧ずつ上昇させ、一方、前記ドット割れが
    有れば、前記ドット割れが無くなるまで前記第2電力供給源の設定電圧をステップ電圧ず
    つ下降させ、前記ドット割れが無くかつ前記第2ドットの位置が前記第1ドットの位置に
    許容範囲内で一致したときの前記設定電圧を前記第2電力供給源に設定することを特徴と
    する請求項1に記載の液体吐出装置。
  7. 前記第1電力供給源及び前記第2電力供給源の各設定電圧を設定する制御部と、
    前記第1吐出部及び前記第2吐出部が前記媒体に形成した第1ドット及び第2ドットの
    画像を読み取る画像読取部とを備え、
    前記制御部は、前記第1電力供給源の設定電圧と前記第2電力供給源の設定電圧とを異
    なる組合せで複数組設定し、前記第1吐出部と前記第2吐出部に前記設定電圧の異なる組
    合せの下で第1ドットと第2ドットとを形成させ、形成した複数組の前記第1ドットと前
    記第2ドットを前記画像読取部に読み取らせ、読み取らせた画像を解析して、複数の組合
    せ毎に前記第1ドットと前記第2ドットとの位置ずれ及びドット割れの有無を判定し、前
    記第1ドットと前記第2ドットとの各位置が許容範囲内で一致しかつ前記ドット割れがな
    い組合せの設定電圧を、前記第1電力供給源及び前記第2電力供給源に設定することを特
    徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  8. 液体吐出装置の吐出速度調整方法であって、
    前記液体吐出装置は、第1吐出部に液体を吐出させる第1電力を供給する第1電力供給
    源及び第2吐出部に液体を吐出させる第2電力を供給する第2電力供給源に前記第1電力
    及び前記第2電力の大きさを規定する設定電圧をそれぞれ設定する制御部と、前記第1吐
    出部及び前記第2吐出部が媒体に形成した第1ドット及び第2ドットの画像を読み取る画
    像読取部とを備え、
    前記第1電力供給源と前記第2電力供給源に同じ初期電圧を設定したときに前記第1吐
    出部及び前記第2吐出部のうち吐出速度が速い方が前記第1吐出部であり、
    前記第1電力供給源に初期電圧を設定するとともに前記第2電力供給源の設定電圧を初
    期電圧から少しずつ変更し、当該変更の度に、前記第1吐出部及び前記第2吐出部のそれ
    ぞれに液滴を吐出させて第1ドットと第2ドットとを媒体に形成するドット形成ステップ
    と、
    前記第1ドット及び前記第2ドットを前記画像読取部に読み取らせる画像読取りステッ
    プと、
    前記画像読取部に読み取られた画像を解析して、前記第2ドットが複数のドットに分か
    れるドット割れが発生しない範囲で当該第2ドットの位置が前記第1ドットの位置に許容
    範囲内で一致するときの設定電圧を前記第2電力供給源に設定する設定ステップと
    を備えたことを特徴とする液体吐出装置の吐出速度調整方法。
  9. 液体吐出装置の吐出速度調整方法であって、
    前記液体吐出装置は、第1吐出部に液体を吐出させる第1電力を供給する第1電力供給
    源及び第2吐出部に液体を吐出させる第2電力を供給する第2電力供給源に前記第1電力
    及び前記第2電力の大きさを規定する設定電圧をそれぞれ設定する制御部と、前記第1吐
    出部及び前記第2吐出部が媒体に形成した第1ドット及び第2ドットの画像を読み取る画
    像読取部とを備え、
    前記第1電力供給源と前記第2電力供給源に同じ初期電圧を設定したときに前記第1吐
    出部及び前記第2吐出部のうち吐出速度が速い方が前記第1吐出部であり、
    前記第1電力供給源に初期電圧を設定するとともに前記第2電力供給源の設定電圧を初
    期電圧からステップ電圧ずつ変更し、当該変更の度に、前記第1吐出部及び前記第2吐出
    部のそれぞれに液滴を吐出させて第1ドットと第2ドットとを媒体に形成するドット形成
    ステップと、
    前記第1ドット及び前記第2ドットを前記画像読取部に読み取らせる画像読取りステッ
    プと、
    前記画像読取部に読み取られた画像を解析して、前記第2ドットが複数のドットに分か
    れるドット割れが無い場合は、前記初期電圧から前記第2ドットの位置が前記第1ドット
    の位置に許容範囲内で一致するまで前記第2電力供給源の設定電圧をステップ電圧ずつ上
    昇させ、前記第2ドットが複数のドットに分かれるドット割れが有る場合は、ステップ電
    圧ずつ設定電圧を下降させることを繰り返して決まる設定電圧を前記第2電力供給源に設
    定する設定ステップと
    を備えたことを特徴とする液体吐出装置の吐出速度調整方法。
  10. 液体吐出装置の吐出速度調整方法であって、
    前記液体吐出装置は、第1吐出部に液体を吐出させる第1電力を供給する第1電力供給
    源及び第2吐出部に液体を吐出させる第2電力を供給する第2電力供給源に前記第1電力
    及び前記第2電力の大きさを規定する設定電圧をそれぞれ設定する制御部と、前記第1吐
    出部及び前記第2吐出部が媒体に形成した第1ドット及び第2ドットの画像を読み取る画
    像読取部とを備え、
    前記制御部は、前記第1電力供給源の設定電圧と前記第2電力供給源の設定電圧とを異
    なる組合せで複数組設定し、前記第1吐出部と前記第2吐出部に前記設定電圧の異なる組
    合せの下で第1ドットと第2ドットとを複数組形成させるドット形成ステップと、
    前記複数組の第1ドットと第2ドットとを前記画像読取部に読み取らせる画像読取りス
    テップと、
    前記画像読取部に読み取られた画像を解析して、前記第1ドットと前記第2ドットとの
    各位置が許容範囲内で一致しかつ前記第1ドットと前記第2ドットとの両方に複数のドッ
    トに分かれるドット割れのない設定電圧の組合せを取得し、当該組合せの設定電圧を、前
    記第1電力供給源及び前記第2電力供給源に設定する設定ステップと
    を備えたことを特徴とする液体吐出装置の吐出速度調整方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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