JP2016110014A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】フィルムとヒータ(発熱体)との接触防止とフィルムの端部昇温の抑制を図ることができる技術を提供する。【解決手段】可撓性を有する筒状のフィルム13と、フィルム13の内周面に対して離間した位置に対向配置される発熱体13aとの間に配置され、フィルム13の内周面への発熱体13aの輻射熱の照射を、記録材の搬送方向に直交する幅方向において内周面の端部領域おける照射量が端部領域より内側の領域における照射量よりも小さくなるように、遮蔽可能な遮蔽部材であって、フィルム13と発熱体との間の位置で固定された第1遮蔽部材18と、フィルムと発熱体との間を移動可能に設けられた第2遮蔽部材21と、を有することを特徴とする。【選択図】図6

Description

本発明は、電子写真方式を用いた画像形成装置に備えられる定着装置に関する。
従来、電子写真方式を用いたプリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置では、静電的画像形成手段によって記録材上にトナー像を形成した後、定着装置によって記録材を加熱及び加圧し、トナー像を記録材に溶融固着させる。近年、フィルム加熱型定着装置のヒータ部をハロゲンヒータで構成し、ハロゲンヒータの輻射熱によりフィルム部材(定着フィルム)を加熱する定着装置が特許文献1等で提案され、製品化されている。
特許文献1に記載の定着装置は、定着フィルムの定着ニップ部形成領域におけるフィルム内面をハロゲンヒータにより輻射加熱するとともに、定着ニップ部の反対側(反定着ニップ側)におけるフィルム内面にも輻射光を照射できるように構成されている。すなわち、定着フィルムの反定着ニップ側の領域が定着ニップ部に移動する前に、該領域を予め昇温させておく構成である。これにより、定着フィルムの昇温時間の短縮が期待できる。
特開2009−93141号公報
上記従来構成においては、輻射光の照射を妨げない観点から、反定着ニップ側の領域においてヒータと定着フィルムとの間に遮蔽物を極力介在させないことが好ましい。しかし、そのような構成では、定着フィルムが何らかの理由により変形を生じた場合に、定着フィルム内面とヒータが接触してしまい、種々の不具合が発生する懸念がある。
例えば、定着フィルムに巻き付いてしまった記録材の先端が定着ユニット内部でサーミスタ等に引っかかることで、つづら折り状に変形してしまう現象(アコーディオンジャム)が知られている。記録材が定着ニップ部に侵入した際に先端部に余白がないままトナー像が形成されているなど、定着フィルムと記録材先端部の付着力が高くなる条件がそろうと、紙が定着フィルムに巻き付きながら搬送されてしまい、アコーディオンジャムが発生する。このアコーディオンジャムが発生した場合、定着フィルムは、折れ曲がった記録材によって外面が押され、内面がヒータに接触するように変形してしまう可能性がある。定着フィルム内面には潤滑のためのグリースが塗布される場合が多く、定着フィルムがヒータと接触してしまうと、ヒータ表面をグリースや不純物で汚染してしまう懸念がある。また、定着フィルムに加わる外力が強い場合には、ヒータの破損も懸念される。
また、いわゆる端部昇温問題、すなわち、小サイズ紙定着時など定着フィルムの昇温領域に対して記録材の大きさ(幅)が小さいことにより、特に記録材幅方向における定着フィルムの両端部領域が局所的に過度に加熱されてしまう問題が知られている。この問題は、ハロゲンヒータ式フィルム加熱型の定着装置においても、他方式の定着装置と同様、効果的な対策が探究されている状況である。
本発明の目的は、フィルムとヒータ(発熱体)との接触防止とフィルムの端部昇温の抑制を図ることができる技術を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明の定着装置は、
記録材に形成されたトナー像を記録材に定着させる定着装置であって、
可撓性を有する筒状のフィルムと、
前記フィルムの内周面に接触する支持部材と、
前記支持部材との間で前記フィルムを挟持するように前記フィルムの外周面に接触し、かつ回転することにより前記フィルムとの間で記録材を挟持搬送する定着ニップ部を形成する回転体と、
前記フィルムの内周面に対して離間した位置に対向配置される発熱体と、
前記フィルムと前記発熱体との間に配置され、前記フィルムの内周面への前記発熱体の輻射熱の照射を、記録材の搬送方向に直交する幅方向において前記内周面の端部領域おける照射量が前記端部領域より内側の領域における照射量よりも小さくなるように、遮蔽可能な遮蔽部材であって、
前記フィルムと前記発熱体との間の位置で固定され、前記搬送方向の所定の範囲において、前記幅方向の全域にわたって前記輻射熱を遮蔽する第1遮蔽領域を形成する第1遮蔽部材と、
前記フィルムと前記発熱体との間を移動可能に設けられ、前記第1遮蔽領域と重ならない領域であって、前記搬送方向の所定の範囲において、前記幅方向の前記内周面の端部から内側に所定の範囲で前記輻射熱を遮蔽する第2遮蔽領域を形成する第2遮蔽部材と、
を有する遮蔽部材と、
を備えることを特徴とする。
また、上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、
記録材に未定着トナー像を形成する画像形成部と、
上記定着装置と、
前記遮蔽部材の遮蔽状態を制御する制御部と、
前記定着装置の内部における記録材のジャムの発生を検知する検知部と、
を備え、
前記検知部が前記ジャムの発生を検知すると、前記制御部は、前記遮蔽部材が最も遮蔽する状態に前記遮蔽状態を制御することを特徴とする。
本発明によれば、フィルムとヒータ(発熱体)の接触防止とフィルムの端部昇温の抑制を図ることができる。
本発明の実施例に係る画像形成装置の全体構成を説明する模式的断面図 従来例のハロゲンヒータ式フィルム加熱型定着装置の構成説明図 従来例のハロゲンヒータ式フィルム加熱型定着装置の性能説明図 従来例の他のハロゲンヒータ式フィルム加熱型定着装置の構成説明図 従来例のハロゲンヒータ式フィルム加熱型定着装置の問題点の説明図 本発明の実施例1に係る定着装置の説明図 本発明の実施例1における回転シャッタの構成説明図 本発明の実施例1における回転シャッタの構成説明図 本発明の実施例における回転シャッタの説明図 本発明の実施例1における回転シャッタの説明図 本発明の実施例1における回転シャッタの性能説明図 本発明の実施例1における回転シャッタの変形例説明図 本発明の実施例2における回転シャッタの構成説明図 本発明の実施例3に係る定着装置の説明図 本発明の実施例4における回転シャッタの構成説明図 本発明の実施例5に係る定着装置の構成説明図 本発明の実施例5における回転シャッタの構成説明図 本発明の実施例5における回転シャッタの構成説明図 本発明の実施例5に係る定着装置の説明図 本発明の実施例6に係る定着装置の構成説明図 本発明の実施例7に係る定着装置の構成説明図 本発明の実施例8に係る定着装置の構成説明図 本発明の実施例9に係る定着装置の構成説明図 本発明の実施例10における反射板の構成説明図 本発明の実施例11に係る定着装置の説明図 本発明の実施例12における反射板の構成説明図 本発明の実施例13における回転シャッタ駆動制御のフローチャート 本発明の実施例13における回転シャッタの構成説明図
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。すなわち、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
<実施例1>
(画像形成装置)
図1は、本発明の実施例に係る画像形成装置の基本構成を示す模式的断面図である。本実施例では、画像形成装置として、電子写真方式のモノクロプリンタに本発明を適用した場合について説明する。
本実施例に係る画像形成装置では、帯電ローラ1で感光ドラム2の表面を一様に所定の極性に帯電させた後、レーザー等の露光手段3によって感光ドラム2を露光した領域のみを除電して感光ドラム2上に潜像(静電潜像)を形成する。この潜像は、現像器4のトナー5を現像ブレード4aと現像スリーブ4bの間で感光ドラム2表面と同極性に摩擦帯電後、感光ドラム2と現像スリーブ4bの対向部に搬送してDCとACバイアスを重畳印加し、電界作用によって浮遊振動させて現像される。感光ドラム2上に選択付着させて形成されたトナー像部は感光ドラム2の回転によって転写ローラ6と感光ドラム2で形成される転写ニップ部まで搬送される。尚、ここまでの現像方法としては上記の非接触方式の他に、弾性現像ローラを感光ドラム2に接触させながらDCバイアスを印加してトナー5を感光ドラム2の潜像形成部に選択的に付着させる接触現像方式などもある。
一方、画像が記録される紙等の記録材7は、記録材収納箱7aから給紙ローラ対7cによって垂直搬送ローラ対7dに先端部が到達するまで給紙された後、この垂直搬送ローラ対7dによって転写前搬送ローラ7eまで搬送される。あるいは、記録材7は、手差しトレー7bから給紙ローラ対7cによって転写前搬送ローラ7eまで搬送される場合もある。記録材7は、この転写前搬送ローラ7eによって転写ガイド板9に沿って予め規定された進入角度で転写ニップ部まで搬送され、表面の不要な帯電を取り除くための除電ブラシ8が搬送中に背面側に当てられることで除電されてから転写ニップ部へと運ばれる。転写ニップ部では、感光ドラム2上のトナー5を静電的に引き付けて記録材7に移動させるために、トナー5と逆極性の高電圧を記録材7背面の転写ローラ6に印加する。また、記録材7裏面をトナー5と逆極性に帯電してトナー5を保持し続けるための転写電荷を転写ローラ6により記録材7の裏面に付与する。
最後に、トナー像が転写された記録材7は、定着装置12において加熱回転体としての定着フィルム13の外周面と加圧ローラ14の外周面とで形成される定着ニップ部まで搬送される。定着ニップ部では、定着フィルム13が予め設定された定着温度が保持されるように不図示の定温制御手段によって定温制御されながら、記録材7を加熱及び加圧することでトナー像が記録材7に定着される。以上が、画像形成工程となり、上記構成において、未定着トナー像を形成するまでの画像形成工程にかかわる構成が本発明の画像形成部に対応する。また、本実施例では、定着装置12の内部でジャムが発生したか否か検知するための検知手段として、排紙センサ11が定着装置12の下流に設けられている。一連の画像形成シーケンスにおいて定着装置12を通過するべき記録材7の存在を排紙センサ11が検知できなかった場合にジャムが発生したと判断され、ジャム発生信号が制御部であるCPUに送られる構成となっている。
尚、トナー像転写後の感光ドラム2の表面には極性の異なるトナー等の付着物が僅かに残る。そのため、転写ニップ部を通過した後の感光ドラム2は、クリーニング容器10で感光ドラム2表面にカウンター方向に当接されるクリーニングブレード10aによって表面の付着物が掻き落とされて清掃された後、次の画像形成に備えて待機する。
以上の工程は単色のトナーを用いる場合であるが、複数のカラートナーを用いるカラープリンタの場合には、一つの感光ドラム上に複数のカラートナー像を現像したり、カラートナー数分の複数の感光ドラムを用いて複数色のトナーを重ねてカラー画像を得る。また、カラープリンタの転写には、中間転写ベルト上に多重転写した後に一括して記録材上に2次転写する方式や、記録材を転写ベルト上に吸着搬送しながら記録材上に多重転写する方式など、記録材上にトナー像を形成するまでの過程には多様な方式がある。いずれの転写方式においても、転写された記録材上のトナー像を永久固定するため、トナーを加圧加熱して記録材上に永久固着する定着装置を介して最終的に印刷を終える点は共通である。
(従来の定着装置)
図2〜図5を参照して、従来構成のハロゲンヒータ式フィルム加熱型の定着装置及びその技術的課題について説明する。
図2(A)は、従来例に係るハロゲンヒータ式フィルム加熱型の定着装置12cの断面図である。定着装置12cは、ハロゲンヒータ13aと、定着フィルム13と、金属加圧ステー16と、フィルムガイド17と、熱遮蔽部材18と、加圧摺動板19を備える。加圧回転体としての定着フィルム13は、薄肉金属のフィルム部材であり、その内面がハロゲンヒータ13aの輻射光(輻射熱)の吸収効率を向上するための耐熱性黒色塗料を塗装または酸化被膜処理された内面黒塗りの定着フィルムである。
図2(B)は、金属加圧ステー16の斜視図である。ステー16は、ハロゲンヒータ13aの輻射光を定着フィルム13内面により多く照射せしめるため、定着ニップ部の前後に形成されるフィルムガイド17と重なる部分と左右端部のアーチ部16aを除いた中央部の上半分は切り欠かれて解放されている。また、ステー16底面の加圧部は、ニップ中央に向かうように折り曲げられた折り曲げ部の平面部で構成され、互いに対向する折り曲げ部の間の隙間によりニップ中央部には長手方向に沿ってスリット部16bが形成されている。
図2(C)は、フィルムガイド17の斜視図である。フィルムガイド17において、ニップ前後の側壁部にリブ列17aを備えた構成となっている。フィルムガイド17は、ステー16との直接接触による定着フィルム13の温度低下を防止しつつ、定着ニップ前後部(主に前側)のリブ17aにより、定着フィルム13との接触抵抗を減らして定着フィルム13の回転を妨げないような構成となっている。特に、ステー16底部が折り曲げら
れてニップ加圧部の接触面積が広くなっているため、熱容量の大きなステー16に定着フィルム13の熱を奪われて昇温性能が低下しないよう、フィルムガイド17は断熱部材としての役割が重視される。また、フィルムガイド17には、上記ステー16と同様、ニップ中央部に長手方向に沿ってスリット部17bが形成されており、熱遮蔽部材18の底部と加圧摺動板19を収納する溝部として機能する。また、フィルムガイド17は、定着フィルム13内面へのハロゲンヒータ13aの輻射光の照射を妨げないよう、上方領域が解放されており、そのため、スリット部17b両側に左右の部材をつなぐ下方アーチ部17cが各々に設けられて一体化されている。
図2(D)は、熱遮蔽部材18と加圧摺動板19の斜視図である。フィルムガイド17は、スリット部17b及び下方アーチ部17cによって、熱遮蔽部材18の中央絞り込み部18aが長手方向にスライド挿入して装着可能となっている。熱遮蔽部材18の中央絞り込み部18aの下に配置される加圧摺動板19も、この下方アーチ部17cを通って所望の位置に設置される。
図2(A)に示すように、上記構成の定着装置12cにおける加熱方法は、まず、上ユニット中央のハロゲンヒータ13aから輻射光が発せられると、ステー16上部の開口部分を介して約上半分の定着フィルム13内面が直接輻射加熱される。一方、ステー16とフィルムガイド17は、ニップ近傍前後において熱遮蔽部材18によって輻射光を直接受けないため昇温が抑制される。これと同時に熱遮蔽部材18自体は昇温し、熱伝導によって加圧摺動板19との接触部を介して加圧摺動板19を間接的に加熱する。加圧摺動板19の反ニップ面側には輻射光が中央スリットから侵入して直接輻射加熱され、上記の熱遮蔽部材18の熱伝導ととともに加圧摺動板19は昇温する。昇温した加圧摺動板19により、定着フィルム13においてニップ部を通過する輻射加熱済みの領域がさらに加熱される。
以上のように、定着フィルム13は、主に上下2箇所の経路を通して内面から加熱され、定着ニップ部を通過する記録材を加熱加圧して記録材上のトナー像を定着する。温度制御は、図2(A)の上ユニット上部に示すように、定着フィルム13表面に加圧当接する外部当接型のサーミスタ13dによってフィルム表面温度の変化を検知することにより、ヒータを制御する方法が用いられる。
この定着装置の性能面の特徴としては、下記のような、立ち上がり性能と小サイズ印刷時の生産性の面で他方式の中間的性能を有し、大きな欠点を持たないという利点が考えられる。
(1)熱ローラ方式の定着装置の定着ローラより低熱容量の定着フィルムを使用できるので定着装置の立ち上げ時間を短縮できるが、セラミックヒータでニップ部を直接加熱する従来のフィルム加熱型定着装置の立ち上げ時間まで短縮することは容易ではない。
(2)小サイズ通紙時の端部昇温は、熱ローラ方式に比べると定着フィルムの長手方向の熱伝導性及び熱容量が少なく、長手方向の温度差緩和性は劣るが、セラミックヒータでニップ部のみ直接加熱する従来フィルム加熱型定着装置より、端部昇温は悪化しにくい。
しかしながら、この装置の中間的優位性を活用したとしても、今後の高速化を進める場合、加熱効率と端部昇温を両立し続けるには何らかの対策が必要になると考えられる。特に定着フィルムを用いる構成上、同じハロゲンヒータを用いる従来の熱ローラ方式と比べた場合の小サイズ生産性は、端部昇温した際の定着フィルムの耐熱温度限界によってより厳しく律速されることが懸念される。
現状この方式の製品群においても比較的定着速度の速い24ppmの製品では中央部と端部で発熱分布が異なる2種類のハロゲンヒータを別々に駆動することで温度分布調整す
る端部昇温対策構成(熱ローラ方式において良く用いられる)を採用することがある。しかしながら、ヒータ及びその駆動回路のコストが上がる、小サイズ紙を全速で定着させるまでの性能は無い、などの制約がある。
そこで、まず純粋に端部昇温に対する構成上の優位性を確認すべく、長手方向を均一加熱する1本のハロゲンヒータを用い、より厳しく評価するために記録材幅が狭く、厚みも大きなCOM10封筒(105×242mm)を用いて端部昇温特性評価を試みた。この結果、約0.8秒間隔で連続10枚通紙する実験を毎分24枚定着可能な24ppm機の装置と毎分40枚定着可能な40ppm機の装置の双方に施してみたところ、図3(A)、(B)に示すような結果となった。図3は、従来例のハロゲンヒータ式フィルム加熱型定着装置のCOM10封筒連続通紙時における従来性能を説明する図である。図3(A)は、中速機に対する小サイズ紙通紙時の端部昇温特性図、図3(B)は、高速機に対する小サイズ紙通紙時の端部昇温特性図である。これらはともに中央部と端部の温度差が約60℃まで到達しており、各構成材料のうち最も耐熱性が厳しい定着フィルムの上限温度220℃に対し、24ppm機でほとんど余裕が無くなることが分かった。さらに、40ppm機では大幅に耐熱温度を超えてしまい、小サイズ紙の印刷スループットや今後の高速化に対してコストや性能面を犠牲にする可能性が高いことが明らかとなった。これらの問題に対し、この方式の特徴に適した対策を別途考える必要があることがわかった。
一方、この定着装置の派生構成として、図4に示すように定着ニップ部への輻射光の導入部を排して熱遮蔽部材18の代わりに新たに反射板36を設けた構成の定着装置12dも製品化されている。この構成では、反射板36によってハロゲンヒータ13aの輻射光を定着ユニットの上半部の領域を通過する定着フィルム13内面のみに照射して加熱し、定着ニップ部側には加圧力のみを作用させて定着する。また、図2のステー16を、2つのU字型板金37a、37bの組み合わせによる中空の板状加圧ステー37に変更している。さらに図2の左右端部のアーチ形状部16aを別体のアーチ板金38で形成し、フィルムガイド17も排して単に断熱部材39として図4(C)のように組み合わせている。この板状加圧ステー37は、定着ニップ前後方向に端部を延長して回りこませた図4(D)に示す大型加圧摺動板40の内側に収納される。
この構成では図4(B)の斜視図のように反射板36はハロゲンヒータ13aの加熱領域をカバーするよう長手方向に十分な長さを有し、下方の定着ニップ側への輻射光はほぼ完全に遮断される。したがって、反射板36の反射率によってはより効率よく定着上ユニットの上半分部を通過する定着フィルム13内面を加熱して定着フィルム13の昇温時間の短縮が期待できる。しかしながら、定着ニップ側を直接加熱する手段がないため、定着時の温度が不安定になり易い。上半分部で加熱された定着フィルム13は、断熱部材39を介しているとはいえ、定着ニップ部とその上下流部で熱容量の大きな板状加圧ステー37と断熱部材39、記録材、加圧ローラ14によって熱エネルギーを奪われ、温度が変化し易いからである。この派生構成では、定着ニップ部に全く加熱手段を有さないため、小サイズ紙を定着する際には、ニップ部における長手方向の温度分布が生じにくい。むしろ「記録材の先後端で定着性にムラを招く」、「連続印刷時にページが進むにつれて徐々に定着性が低下しやすい」等の点が懸念される。
しかしながら、実際の製品では図4(A)の断面図に示すように、記録材幅に応じて過熱領域を調整するために発熱分布の異なるヒータ13aを2本設けている。やはりこの構成においても定着フィルム13に蓄積された熱エネルギーの定着ニップ部における移動が紙のサイズによって分布を生じることが無視できず、わざわざ2本のヒータ13aを用いて制御する必要があることが分かる。
また、定着フィルム内面を輻射加熱する構成の定着装置においては小サイズ紙を定着さ
せた際の端部昇温問題のほかに、反定着ニップ側の定着フィルム内面を輻射加熱する定着装置構成独自の課題もある。すなわち、このような定着装置ではその構成上、反定着ニップ側の定着フィルム13内面に輻射光を照射するためにヒータ上部と定着フィルム13内面との間に遮蔽物となる部材を設けられない。そのため、定着フィルム13が何らかの理由により変形を生じた場合に、定着フィルム13内面とハロゲンヒータ13aが接触してしまい、種々の不具合が発生する懸念がある。
図5(A)、(B)は、従来構成における問題点について説明するための模式的断面図である。なお、図5では、定着装置12cの周囲に内部を保護するための定着上ユニットカバーフレーム12eと加圧ローラ14を保護するための加圧ローラカバーフレーム12fも示している。図5(A)は、紙面右側から記録材7が定着ニップ部に侵入した際の様子を示している。このとき、記録材先端部に余白がないままトナー像が形成されているなど定着フィルム13と記録材先端部の付着力が高くなる条件がそろうと、記録材7が定着フィルム13に巻き付きながら搬送される場合がある。図5(B)は、いわゆるアコーディオンジャムが発生したときの様子を示している。定着フィルム13に巻き付いた記録材は、定着ユニット内部で先端がサーミスタなど障害物に引っかかることで、つづら折り状に折れ曲がってしまうことがある。このように変形した記録材7が定着フィルム13を押し下げて図5(B)に示すような定着フィルム13の変形を招き、変形した定着フィルム13がハロゲンヒータ13aに接触する可能性がある。
(本実施例に係る定着装置)
図6〜図11を参照して本発明の実施例1に係る定着装置について説明する。図6は、本発明の実施例1に係る定着装置に搭載される、階段状切り欠き部付き回転シャッタの構成を説明する模式図である。図6(A)は、回転シャッタの展開図、図6(B)は、図6(A)に示す構成を円筒化した回転シャッタ上面図をそれぞれ示している。図6(C)、(D)は、記録材の搬送方向に直交する方向(加圧ローラ14の回転軸方向)に見た、本実施例に係る定着装置の模式的断面図である。
本実施例に係る定着装置12は、概略、定着フィルム13、ハロゲンヒータ13a、金属加圧ステー16、フィルムガイド17、熱遮蔽部材(熱遮蔽板)18、加圧摺動板19等からなる定着ユニットと、加圧ローラ14等からなる加圧ユニットとを備える。回転体としての加圧ローラ14と、支持部材としての加圧摺動板19とが定着フィルム13を介して互いに圧接されることにより、記録材を挟持搬送する定着ニップ部が形成される。ハロゲンヒータ13aは、発熱体として、可撓性を有する筒状の定着フィルム13の内周面から離間した位置に対向配置され、定着フィルム13の内周面に輻射光を照射して定着フィルム13を昇温させる。熱遮蔽板18は、第1遮蔽部材として、定着フィルム13とヒータ13aとの間の位置で固定され、フィルム周方向(記録材搬送方向)の所定範囲において、該周方向に直交する幅方向の全域にわたって、輻射熱の遮断領域(第1遮断領域)を形成している。回転シャッタ21は、第2遮断部材として、ハロゲンヒータ13aを囲むように配置され、ハロゲンヒータ13aが発する輻射光は、回転シャッタ21に設けられた開口部を介して定着フィルム13の内面に限定的に照射される(詳細は後述する)。金属加圧ステー16、フィルムガイド17、熱遮蔽板18、加圧摺動板19については、上述した従来構成と同様の構成であり、説明は省略する。
回転シャッタ21は、熱遮蔽板18に用いられるものと同じ0.5mm厚のアルミ板(あるいはステンレス板でもよい)で構成された円筒状の部材で、周壁の一部を貫通するように形成された開口部21aを有している。回転シャッタ21は、定着フィルム13とヒータ13aとの間を回転移動可能に設けられており、開口部21aを有することにより、熱遮蔽板18とは異なる遮蔽領域(第2遮蔽領域)を形成する。すなわち、回転シャッタ21は、熱遮蔽板18の遮蔽領域と重ならない領域であって、定着フィルム13内周面に
おける、フィルム周方向に所定範囲かつフィルム幅方向の端部から内側に所定範囲において輻射熱を遮蔽する領域を形成可能である。回転シャッタ21による輻射熱の遮蔽領域のフィルム幅方向(記録材幅方向)の広さは、開口部21aによって形成される輻射熱の照射領域のフィルム幅方向における広さが、記録材の幅と対応するように、形成される。これにより、定着フィルム13内周面への輻射熱の照射が、フィルム幅方向において内周面の端部領域における照射量が、端部領域より内側の領域(中央領域)における照射量よりも小さくなるように遮蔽可能となる。
開口部21aは、軸方向(記録材の搬送方向に直交する方向、あるいはフィルム幅方向)の幅が周方向(記録材の搬送方向、あるいはフィルム周方向)に種々の大きさに変化するように形成されている。開口部21aの幅は、定着対象となる記録材の幅としてLTR(レター)サイズ幅を最大幅とし、この他にB5サイズ幅、A5サイズ幅、COM10封筒サイズ幅の4種類の記録材幅に対応するように、大きさが変化する。開口部21aは、各幅における中央位置が軸方向において一致し、したがって、記録材の幅方向の中央を基準に幅方向に対称的に、階段状(段階的)に幅が変化する形状に構成されている。また、周方向における幅領域の変化は、LTR(レター)サイズの幅領域が中央となるように構成されている。以上のように構成された開口部21aが形成された板金20(図6(A))を、丸め加工して円筒状にすることで、輻射熱の遮蔽領域の幅方向の広さを、記録材の幅の大きさに応じて、変更可能に構成された回転シャッタ21が形成される(図6(B))。
上述した回転シャッタ21は、定着装置の側面側(図6(C)、(D)の紙面手前側または奥側)からスライド挿入され、ハロゲンヒータ13aの周囲にヒータ中心と同心円上に配置される。このように回転シャッタ21を熱遮蔽板18の内側に内蔵させることにより、本発明による新規の端部昇温対策構成が形成される。この端部昇温対策構成において、図6(C)は最大幅の記録材を定着する際の形態を示し、図6(D)は、最小幅の記録材を定着する際の形態を示している。回転シャッタ21は、その展開図(図6(A))から明らかなように、中央部の開口部21aが形成された領域を除いて長手方向両端部は略完全な円筒形状に構成されており、長手方向の端面は円形に開放されている。
回転シャッタ21は、ハロゲンヒータ13aを囲むように配置されるとともに、ヒータ13a周りを回転可能に支持されている。回転シャッタ21は、開口部21aが熱遮蔽板18の遮蔽領域と重なる位置(第1位置)から該遮蔽領域を外れる位置(第2位置)に移動することで、定着フィルム13内周面の端部領域に対して輻射熱を遮蔽する状態となる。回転シャッタ21の回転によりヒータ13aに対する開口部21aの位置(位相)が変化することで、回転シャッタ21の外側の領域に対するヒータ13aの輻射光の照射範囲が変化する。回転シャッタ21は、不図示の駆動源と回転量制御手段により位置(位相)が制御され、定着工程時には定着対象の記録材の幅に応じて所定の位置(位相)に停止される。
図6(C)に示す最大幅記録材定着時の形態では、定着ニップ裏のスリット部18aにLTR幅分の輻射光が侵入可能となるよう、開口部21aのLTR幅の領域が最下点となる配置で回転シャッタ21がセットされる。したがって、定着ニップ裏にはハロゲンヒータ13aからの輻射光がLTR幅で侵入して加圧摺動板19の裏面(定着ニップ部の裏側の領域)を昇温させる。
一方、回転シャッタ21は、反定着ニップ側の領域で定着フィルム13内面と対向する領域において、LTR幅と略同じ幅で大きく開口した構成となっている。この反定着ニップ側の第2の開口部21bは、シャッタ径と同一の幅αの解放された領域がその左右の熱遮蔽板18の高さより低い位置となるように構成されている。このため、図6(C)中の
左右の1点鎖線矢印で仕切られた領域の上側領域で、定着フィルム13内面がハロゲンヒータ13aの輻射光で照射され、従来構成とほぼ同一量の輻射光を定着フィルム13内面に照射可能となっている。尚、このとき、開口部21aにおけるLTR幅以外の他の幅領域においても、各々の幅に応じた量の輻射光が露光されており、各露光量の大小関係を、図中の放射状矢印の太さで模式的に表している。
図6(D)に示す最小幅記録材定着時の形態では、スリット部18aに最小幅のCOM10封筒幅分の輻射光を侵入可能とすべく、切り欠き部21のCOM10封筒幅の領域が最下点となる配置に回転シャッタ21がセットされる。図6(D)の状態へは、図6(C)の状態から、図中の円弧状矢印の時計周り方向に回転シャッタ21を不図示の駆動源と回転量制御手段を用いて回転・停止させる。これにより、定着ニップ裏にはヒータからの輻射光がCOM10封筒幅で侵入して加圧摺動板19の裏面を昇温させる。
一方、回転シャッタ21は、反定着ニップ側の領域では、第1の開口部21aのB5幅、A5幅、COM10封筒幅の各領域が、定着フィルム13内面露光域に侵入し、定着フィルム13内面と対向する状態となる。また、反定着ニップ側の第2の開口部21bは、回転シャッタ21の回転により、図6(C)に示す全体が定着フィルム13内面露光域と重なる状態から、部分的に定着フィルム13内面露光域と重なる状態に変化する。これにより、図6(D)に示すように、反定着ニップ側開口部21bによる露光可能領域が、熱遮蔽板18との間で幅βまで削減される。したがって、総合的に端部領域の定着フィルム13内面露光率が低下するようになる。
図7、図8は、上記動作についての説明に必要な部材のみを示した模式図である。
図7(A)は、回転シャッタ21が図6(C)に示すLTRサイズ紙を選択した際の位置(位相)にあるときにおける、熱遮蔽部材18、加圧摺動板19及び回転シャッタ21の模式的断面図である。図7(B)は、図7(A)の状態における回転シャッタ21の上面図、図7(C)は、図7(A)の状態における回転シャッタ21の斜視図である。図7(A)に示すように、LTRサイズ紙を定着する際、回転シャッタ21は、LTR用切り欠き部が定着ニップに対向する位置(最下端)となる位相状態で回転が停止される。図7(B)、(C)に示すように、回転シャッタ21において定着ニップに対向する下面側に、LTR幅の長さの開口部が配置された状態となる。このときの他の紙サイズ用切り欠き部の位置については、図7(A)において、各紙サイズ用切り欠き部に対応する各々の紙サイズ名のラベルを仮想的に配置して示している。図7(A)に示すように、本実施例では、1つのLTRサイズ用切り欠き部を中心としてその左右に他のサイズ用の切り欠き部が同じ順番で2重に配置されている。その順番としては図紙面上における左から右方向へ反時計回りの方向に徐々に紙幅の狭い紙用の切り欠き部が並ぶよう配置される。
図8(A)は、回転シャッタ21が図6(D)に示すCOM10サイズ紙を選択した際の位置(位相)にあるときにおける、熱遮蔽部材18、加圧摺動板19及び回転シャッタ21の模式的断面図である。図8(B)は、図8(A)の状態における回転シャッタ21の上面図、図8(C)は図8(A)の状態における回転シャッタ21の斜視図である。図8(A)に示すように、COM10サイズ紙を定着する際、回転シャッタ21は、COM10用切り欠き部が定着ニップに対向する位置(最下端)となる位相状態で回転が停止される。図8(B)、(C)に示すように、回転シャッタ21において定着ニップに対向する下面側に、COM10幅の長さの開口部が配置された状態となる。このときの他の紙サイズ用切り欠き部の位置については、図8(A)において、各紙サイズ用切り欠き部に対応する各々の紙サイズ名のラベルを仮想的に配置して示している。
図8に示す状態においては、定着ニップ中央部に対してはCOM10長さの開口部が対向する状態となり、その両端部への輻射光は該開口部回りの回転シャッタ21内面によっ
て反射され、加熱幅がCOM10封筒サイズに制限される。一方、図8における反ニップ側の領域(図の上方領域)では、図左上部において、回転シャッタ21のB5、A5、COM10封筒サイズ用切り欠き部を有する部分が熱遮蔽板18よりも上方にはみ出している。そのため、定着フィルム13内面の端部領域へのヒータ13aの輻射光は部分的に遮断され、端ニップ側の定着フィルム13端部の加熱も部分的に制限される。したがって、この場合には、定着フィルム13内面における定着ニップ部と反定着ニップ側においてCOM10封筒の幅よりも外側の端部領域(非通紙端部)の加熱が抑制され、結果、COM10封筒定着時の端部昇温が大幅に軽減可能となる。
図9(A)は、上記切り欠き付き回転シャッタ21が機能するための各部材の寸法の大小関係と位置関係を模式的に示した断面図である。図9(A)に示す各種寸法は以下の通りである。
G:熱遮蔽板18のスリット幅(記録材搬送方向における幅)。
Θ:図9(A)の断面において、ヒータ13a中心と熱遮蔽板18スリット部の開口縁のスリット幅G方向における両端とをそれぞれ結んだ線分の成す角度。
d:輻射光の照射範囲をスリット幅G以上に確保可能な切り欠き部開口幅(円弧長)。
F:ヒータ13a中心と熱遮蔽板18のスリット形成面との間の最短距離。
H:熱遮蔽板18のスリット形成面からの中央開口領域遮蔽高さ。
R:回転シャッタの外径。
r:ハロゲンヒータの外径。
L:最大幅記録材定着時の最大幅切り欠き部を最下点に配置した際の最大幅切り欠き部左右端部から切り欠き部形成領域上端部までの円弧長。
S:切り欠き部形成領域の両上端部に形成される橋梁部21f(図6(A)における切り欠き部分の左右枠部が丸め加工された部分)の上端面の熱遮蔽板18のスリット形成面からの高さ。
上記寸法において、切り替え対応可能な記録材幅の種類数をNとした場合、
R>r、F≧R、H>Sが満たされることを前提として、
・d=πR{tan−1(G/2F)}/90
の関係を満たすよう各寸法は調整される。
そして、切り欠き部形成領域が円筒の略半周分に形成される場合(領域上端部が最大水平面から1/2dだけ露出することを許容する。)
・N={tan−1(G/2F)}/180+1
の関係を満たすよう各寸法は調整される。本実施例では従来例の定着器サイズに収まる範囲でN=4とすることを基本として、他の値を調整している。
図9(B)は、上記のように構成された切り欠き付き回転シャッタ21を内蔵する定着装置12を用いた画像形成装置において、この回転シャッタ21を駆動するためのシステム構成を示すブロック図である。同図において、回転シャッタ21は、両端部において不図示の軸受け部材で回転可能に保持されるとともに、いずれか一方の端部にシャッタ駆動ギア22が設けられている。画像形成装置の電源がONになると、制御部としてのCPU22bがモータなどの駆動源22dを駆動し、ギア22を介して回転シャッタ21を回転させる。これと同時に、CPU22bは、不図示のフォトインタラプタなどで構成されるホームポジションセンサ22cを駆動して予めシャッタ端部に設けられているシャッタ基準位置を検出し、その基準位置で回転シャッタ21を停止させ、この準備状態で待機させる。次に、装置使用者が記録材サイズをホストコンピュータや装置本体操作パネルまたは記録材カセットのサイズ規制板の設定を反映する記録材サイズ検知手段などを介してCPU22bに記録材のサイズ情報を入力する。すると、CPU22bは駆動源22dを介して回転シャッタ21を回転させ、該当する記録材幅に応じた切り欠き幅が定着ニップ裏スリット部に到達するタイミングで回転シャッタ21を停止させるよう制御する。
図10は、回転シャッタ21を含む定着上ユニットから定着フィルム13を省いた構成を示す斜視図であり、上記駆動システムによってLTRサイズの定着状態(図10(A))からCOM10封筒サイズの定着状態(図10(B))に設定変更した場合を示す。各図では各状態における定着上ユニットの内部配置構成が示されている。図10(B)の変更後の斜視図からわかるように、定着ニップ裏スリット対向部には回転シャッタ21のCOM10封筒サイズ切り欠き部が配置され、定着ニップ部の露光幅がCOM10封筒サイズに規制されている。一方、定着ユニット上半部の開口領域では、別のCOM10封筒サイズ切り欠き部に加えてB5サイズ用切り欠き部とA5サイズ用切り欠き部が階段状に露出しており、長手方向両端部における露光量が総合的に削減されるよう構成されている。
図10(C)は、上記のように回転シャッタ21を駆動制御して長手方向端部の輻射光露光量を制限した場合の効果検証を行った結果を示すものであり、COM10封筒連続通紙時の定着ユニット長手方向温度分布グラフである。該検証では、24ppmの定着装置に上記の設定変更を行い、COM10封筒を連続10枚通紙した直後の端部昇温のレベルを求めた。該グラフでは、定着ユニットの長手方向に沿った温度分布を、定着ユニット側面中央部の温度を測定して示している。このグラフ中の細い曲線はLTRサイズ設定のまま最小サイズのCOM10封筒を10枚連続通紙した場合、すなわち小サイズ生産性向上策を設けていない従来例とほぼ同様の条件で測定した結果を示している。
従来構成では、150℃設定した定着温度に対し、通紙中央部は平均して略155℃で推移しているが両端部の温度はCOM10封筒の連続通紙によって215℃前後まで昇温し、略60℃の差分が発生している。この状態では、定着フィルムの耐熱上限温度は略220℃でマージンが無いため、連続通紙速度を制限する必要が生じている。
一方、本実施例の回転シャッタ21を照射範囲がCOM10封筒サイズの切り欠き部で制限されるようにセットと、定着ニップ部と反定着ニップ部上半部の端部露光率が抑制され、同じようにCOM10封筒の連続通紙を行ってもグラフの太い曲線のようになる。本実施例の場合、端部昇温は略15℃低い値に収まるよう抑制されており、端部昇温による連続通紙に対する制約が大幅に緩和可能となることが確認できた。また、上記結果は、最も厳しい条件に対して実用上の効果が期待されるCOM10封筒の連続通紙試験の結果を示しているが、その他の各記録材幅に対しても高い効果が得られることは当然である。
図11は、より端部昇温条件が緩くなる他の紙サイズに対して、本実施例の回転シャッタ21を用いた場合の効果検証を行った結果を示すグラフであり、図11(A)はB5サイズ、図11(B)はA5サイズについての検証結果である。図11に示すように、各記録材幅に一致する切り欠き部をセットした回転シャッタ21を用いて輻射加熱を行った結果、各々のサイズにおいて顕著な効果が確認できる。元々これらの記録材幅では端部昇温自体が極端に高くないうえ、昇温する領域も狭いため、熱伝導などの影響率が低下して回転シャッタ21による遮光効果がより強く作用する。その結果、昇温抑制効果として各々25℃と20℃というより大きな温度削減幅が得られることが分かる。
尚、上記の検証結果において回転シャッタ21を用いた場合の通紙部の左右端部温度に低下傾向があるが、これらは検討レベルの部品による取り付け精度上の制約によって生じたものである。実際に適正な部品で構成した場合には通紙部の温度分布はより平坦になることは言うまでもない。また、以上の各結果には昇温抑制の数値に多少の相違があるが、基本的に端部昇温は記録材幅が狭いほど高くなり、その分対策効果も少なくなりやすいが、幅以外にも記録材厚さにも依存性がある。図11(A)のB5サイズ紙には坪量128gの厚紙、図11(B)のA5サイズ紙には坪量64gの薄紙を使用したため、記録材幅に反して昇温レベルが逆転し対策効果もそれに伴って逆の傾向を示している。
上記回転シャッタ21では、階段状の切り欠き部を形成した回転シャッタ展開板金20を用いて構成したが、このように切り欠き部における幅の変化が段階的な構成に限定されるものではない。例えば、幅の変化が連続的(直線的)な構成、すなわち、図12(A)に示すような、直線状切り欠き部を形成した回転シャッタ展開板金23に丸め加工を施して回転シャッタ21を構成してもよい。この構成によれば、既存サイズの記録材幅から外れた幅の記録材を使用された際にもよりきめ細かな調整が可能となる。
また、上記A4サイズ系の記録材対応の装置のほかに、より端部昇温が厳しくなりやすいA3サイズ系の装置に本発明を適用する場合には図12(B)に示すA3サイズ対応用切り欠き付き回転シャッタ展開板金24により回転シャッタ21を構成してもよい。これにより、A3サイズ系の装置においても、上記の各結果と同様優れた端部昇温抑制効果を得ることができ、COM10封筒などの小サイズ紙を使用されても印刷速度を低下させずに対応できるようになる。
<実施例2>
図13は、本発明の実施例2に係る定着装置に用いられる回転シャッタ25の構成を説明する模式図であり、(A)は断面図、(B)は斜視図である。回転シャッタ25以外の事項については、実施例1と同様であり、説明を省略する。
実施例1の回転シャッタ21は、その断面が円で構成された円筒状に加工されたものである。これに対し、本実施例の回転シャッタ25は、図13(A)に示すように、複数の平坦部が少しずつ角度を変えて連続して全体として略円弧状あるいは略半円筒状に構成されたものとなっている。具体的には、各切り欠き部に対していずれか一方の端部の基準面から順に27°の角度で折り曲げ加工を繰り返し施している。これにより、比較的加工難易度が高い丸め加工を用いずに、回転シャッタを構成することができ、また、丸め加工を用いて形成した回転シャッタと同等の機能、効果を得ることができる。
図13(B)の斜視図に示すような平坦折り曲げ回転シャッタ25を用いることで、丸め加工の加工作業性および加工後の形状変化による位置合わせ精度に関して、実施例1の回転シャッタ21よりも有利となる。また、実施例1の回転シャッタ21では、切り欠き端部に曲率があることによって定着裏スリット開口部との隙間が拡大しやすい、輻射光漏れが大きくなりやすいなどの懸念がある。これらに関しても、本実施例の回転シャッタ25によれば、
・加工性と加工精度の向上
・定着ニップ裏における輻射光漏れ抑制による過熱効率改善
などの改善効果を得ることができるようになる。
<実施例3>
図14は、本発明の実施例3に係る定着装置の構成を説明する模式図である。図14(A)は回転シャッタ展開板金26の平面図(回転シャッタ27の展開図)である。図14(B)は回転シャッタ27の斜視図である。図14(C)は、本実施例に係る定着装置の各構成においてヒータ13a、熱遮断板18、加圧摺動板19、回転シャッタ27のみを示す模式的断面図である。回転シャッタ27に関わる構成以外の事項については、上記実施例と同様であり、説明を省略する。
実施例1では、図6(A)に示すように、回転シャッタ展開板金20における全切り欠き部の左右脇に外枠部として、すなわち、回転シャッタ21の周方向に互いに離れた位置に対で橋梁部21fを形成していた。これに対し、本実施例では、図14(A)に示すように、回転シャッタ展開板金26において中央の最大幅記録材用切り欠き開口部の左右両側に、具体的には、回転シャッタ27の周方向に互いに近接した位置に対で橋梁部27f
を形成している。本実施例では、このように中央切り欠き部の脇に互いに近接して一対の橋梁部を設けた回転シャッタ展開板金26を作成し、これを丸め加工することで回転シャッタ27を製造することを特徴としている。なお、橋梁部の数は2本に限定されるものではない。
実施例1、2のように橋梁部を全切り欠き領域の左右端部に形成すると、小サイズ記録材の定着用にシャッタを設定した際、反定着ニップ側上半部に小サイズ用切り欠き端部のほかに本来不要な橋梁部によって長手全域にわたってわずかながら遮蔽される。このため橋梁部によって加熱効率が若干低下することが避けられず、橋梁部を可能な限り細く加工することでその影響を小さくするしかなかったが、機械的強度にも限界がある。
これを、図14(A)〜(C)に示すように、中央切り部の脇に橋梁部27fの位置を変更することで、小サイズ記録材の定着時において橋梁部27fが定着フィルム内面露光域にはみ出さ無いようにできる。この結果、幅の狭い記録材を定着するために回転シャッタ27を回転させても、切り欠き部以外の遮蔽部が存在しないため、この領域の通紙部の加熱効率を高く維持することが可能となる。
ただし、このように橋梁部の配置を変更した場合には回転シャッタの駆動方法にも工夫が必要となる。具体的には、図14(C)に示すように、各切り欠き部の円弧長をd、橋梁部の円弧長をhとすると、下記の2通りに分けて回転シャッタの回転量を切り替える必要がある。
(1)最大幅記録材定着位置から次の隣接記録材幅に切り替える際および逆に戻す場合:⇒回転シャッタの円周上の移動量としてd+hの円弧長だけ回転させる。
(2)最大幅記録材定着時以外の記録材幅同士の間で切り替える場合:
⇒回転シャッタの円周上の移動量としてdの円弧長だけを回転させる。
<実施例4>
図15は、本発明の実施例4に係る定着装置の構成を説明する模式図である。図15(A)は、本実施例における回転シャッタ28の構成を示す斜視図であり、図15(B)は、本実施例における定着ユニットの構成を示す模式図である。回転シャッタ28に関わる構成以外の事項については、上記実施例と同様であり、説明を省略する。
図15(A)に示すように、本実施例における回転シャッタ28は、上記実施例における回転シャッタの橋梁部を切断して、左右2対にしたような(回転軸の一方側と他方側とに分割されたような)2分割構成となっている。このような構成とすることで、実施例3と同様、反定着ニップ側上半部の通紙部の露光に不要な橋梁部をなくすことができるうえに、回転シャッタの切り欠き領域の円弧部に橋梁部形成のためのスペースが不要となる。これにより、同一サイズの定着ユニット内部に設ける回転シャッタの切り欠き部および定着ニップ裏開口部の幅をより広く確保することが可能となり、通紙部における露光率の向上と端部遮蔽部における露光率削減を促進できるようになる。
本実施例では、回転シャッタが左右2つにわかれているため、これらを回転するには各々に駆動力を与える必要がある。そこで、図15(B)に示すように、2分割回転シャッタ駆動手段29として左右のシャッタ端部に2分割対応駆動ギア29a、29bを設けている。これらのギア29a、29bへの駆動力伝達手段30として、長手方向に渡した駆動シャフト30cと、その両端に駆動伝達ギア30a、30bを設けている。そして、ギア30a、30bのうち左右いずれか一方のギアにモータなどの駆動源を設け、一方のギアの回転と同期して他方のギアも同位相で回転可能となるように構成している。
<実施例5>
図16〜図19を参照して、本発明の実施例5に係る定着装置について説明する。ここでは、主に本実施例において上記実施例と異なる点について説明し、上記実施例と同様の構成についての説明は省略する。本実施例は、回転シャッタが、互いに径が異なり、一方が内径側、他方が外径側に同心配置された2つの回転シャッタで構成されることを特徴とする。2つの回転シャッタは、それぞれの開口部の幅の変化が回転方向において互いに対称的となるように形成されている。
図16は、本実施例における定着ユニットの構成を説明する模式図であり、(A)は定着上ユニットの断面図、(B)はLTRサイズ設定時の定着上ユニットの斜視図、(C)はCOM10封筒サイズ設定時における定着上ユニットの斜視図である。本実施例における定着ユニット12eは、図16(A)に示すように、回転シャッタが、外径の大きな外側回転シャッタ31と、外径をわずかに縮小した内側回転シャッタ32と、を組み合わせた2重構造となっている。外側回転シャッタ31と内側回転シャッタ32のそれぞれの切り欠き部パターンは、最大幅記録材定着状態で定着ニップ部中央部に仮想線を引いた場合に、これを基にして線対称となるよう形成されている(図17参照)。そして、回転動作時には、互いに同角度ずつ逆方向に回転するよう構成されている。
図16(B)、(C)は、定着上ユニットにおいて定着フィルムを省いて示しており、図16(B)のLTRサイズ対応状態から図16(C)のCOM10封筒サイズ対応状態へ切り替えた際の定着上ユニット内部の状態の違いを示している。図16(B)のLTRサイズ対応時は、内外の両回転シャッタは反定着ニップ上半部が全開となるように下半部領域に重なって収納され、定着ニップ裏にLTRサイズ幅の開口部が形成される。図16(C)のCOM10封筒サイズ対応時は、定着ニップ裏にCOM10封筒サイズ幅の開口部が形成され、反定着ニップ上半部の端部領域を前後からCOM10封筒サイズに加えてB5サイズとA5サイズの各切り欠き部の端部遮蔽部分が覆うようになる。
図17、図18は、上記各回転シャッタ31、32の相対的な回転動作について説明する模式図であり、説明に必要な周辺部材のみを示している。図17(A)は、図16(A)の基本構成において説明に必要な部材のみを示した断面図であり、LTRサイズ紙を選択した状態を示している。各回転シャッタ31、32は、LTR用切り欠き部が定着ニップ対向位置として最下端に位置する位相にそれぞれ配置されている。このときの回転シャッタ31、32の様子を、図17(B)に平面図、図17(C)に斜視図で示す。図17(B)、(C)に示すように、定着ニップに対向する下面側にLTR幅の長さの開口部が配置されていることがわかる。このときの回転シャッタ全体の配置状態としては、図17(A)において、外側回転シャッタ31、内側回転シャッタ32に各々の紙サイズ名のラベルを仮想的に配置して示した通りに並んでいる。すなわち、各回転シャッタにおいて、LTRサイズ用切り欠き部を中心とし、その左右にそれぞれ同じ順番で他のサイズ用の切り欠き部が2重に配置されている。その順番としては、内側回転シャッタ32では図17(A)の紙面上における右から左方向へ時計回りの方向に徐々に紙幅の狭い紙用の切り欠き部が並んでいる。また、外側回転シャッタ31では左から右方向へ反時計回りの方向に徐々に紙幅の狭い紙用の切り欠き部が並ぶよう配置されている。
図18(A)は、上記LTRサイズ紙の状態からCOM10サイズ紙を選択した際の回転シャッタ切りかえ状態を示す断面図である。各回転シャッタ31、32におけるCOM10用切り欠き部が定着ニップ対向位置として最下端に位置する位相となるように、図中矢印で示したように、内側回転シャッタ32は反時計回り、外側回転シャッタ31は時計回り方向に互いに逆方向に回転する。このときの回転シャッタ31、32の様子を、図18(B)に平面図、図18(C)に斜視図で示す。図18(B)、(C)に示すように、定着ニップに対向する下面側に各回転シャッタ31、32におけるCOM10幅の長さの開口部が2重に重なって配置されていることがわかる。このときの回転シャッタ全体の配
置状態としては、図18(A)において、各回転シャッタ31、32に各々の紙サイズ名のラベルを仮想的に配置して示した通りに並んでおり、それぞれのCOM10サイズ用切り欠き部を最下点としている。
上記回転動作の結果、図18(B)、(C)からわかるように、定着ニップ中央部においてはCOM10長さの開口部のみとなり、その両端部への輻射光は主に内側回転シャッタ32の内側面によって反射され、加熱幅がCOM10封筒サイズに制限される。一方、図18(A)に示すように、反ニップ側領域の右上部と左上部において、各回転シャッタ31、32のB5、A5及びCOM10封筒サイズ用切り欠き部が、各々熱遮蔽板18の左右から上方にはみ出している。そのため、部分的にヒータ13aから定着フィルム内面端部への輻射光が遮断され、反ニップ側における定着フィルム端部の加熱も部分的に制限される。すなわち、端部を昇温させる必要がないCOM10封筒サイズの定着時においては、定着フィルム内面の端部領域への輻射光の照射を、定着ニップ部において遮断するとともに、反定着ニップ側においても遮断することで、端部昇温を大幅に軽減可能となる。
このように構成することで、定着ニップ裏スリット部に対しては、常に同一記録材幅の開口部が重なって必要な露光域を確保する。同時に、反定着ニップ側上半部の露光領域に対しては、定着ニップ上下流両側から各回転シャッタ31、32がそれぞれ熱遮蔽板18上方の開口領域にはみ出す切り欠き部によって遮光する。したがって、端部遮断部分が1枚のシャッタで構成される実施例1の場合に対して、本実施例は略2倍の面積で覆うようことができるため、略2倍の端部遮蔽効果が得られる。
図19(A)は、本実施例における回転シャッタ31、32の駆動機構の構成の1例を示す斜視図である。上記のように2つの回転シャッタ31、32を動作するには各回転シャッタ31、32を互いに逆方向に同時に駆動する必要がある。各回転シャッタ31、32は、それぞれ、長手方向両端の円筒状の端部が橋梁部によって連結されたような構成となっており、片側の端部に回転駆動力を伝達することでシャッタ全体を回転させることができるように構成されている。各回転シャッタ31、32の一方の端部には、2重シャッタ駆動手段33として駆動ギア33a、33bが設けられ、他方の端部は、各々不図示の軸受け部材で支持されている。
駆動ギア33a、33bを互いに逆回転に駆動させる駆動力伝達手段34として、2つの駆動シャフト34c、34dが長手方向に渡されている。駆動シャフト34cの一端には駆動ギア33aと噛合う駆動伝達ギア34aが設けられ、駆動シャフト34dの一端には駆動ギア33bと噛合う駆動伝達ギア34bが設けられている。回転シャッタユニットの長手中央部において、駆動シャフト34c、34dは、それぞれの他端に設けられた逆回転用ギア列34eによって互いに噛合っている。この逆回転用ギア列34eのいずれかに不図示のモータなどの駆動源から回転駆動力が伝達されることで、内外2重シャッタが同時に逆位相で回転駆動可能となる。
図19(B)は、上記のように構成された本実施例の定着装置を画像形成装置に組み込んで行った効果検証の結果を示すものであり、COM10封筒連続通紙時の定着ユニット長手方向温度分布グラフである。該検証では、40ppmの高速の定着装置を上記のように構成し、COM10封筒を連続10枚通紙した直後の端部昇温のレベルを求めた。該グラフでは、定着ユニットの長手方向に沿った温度分布を、定着ユニット側面中央部の温度を測定して示している。このグラフにおいて細い曲線はLTRサイズ設定のままCOM10封筒を10枚連続通紙した場合、すなわち小サイズ生産性向上策を設けていない従来例とほぼ同様の条件で測定した結果を示している。
従来構成では、170℃に設定した定着温度に対し、通紙中央部は平均して略180℃
で推移しているが両端部の温度はCOM10封筒の連続通紙によって240℃前後まで昇温し、略60℃の差分が発生している。定着フィルムの耐熱上限温度は略220℃であり、これを大きく超えているため、実際の製品では大幅に印刷速度を下げて対応する必要がある。
一方、本実施例の2重回転シャッタを用いてCOM10封筒サイズに切り欠き部を合わせてセットすると、反定着ニップ部上半部の端部露光率が1枚シャッタに比べて略2倍に抑制されてグラフの太い曲線のようになる。この結果より、端部昇温は略30℃低下して1枚シャッタによる効果に対して略2倍の効果が得られ、端部昇温による連続通紙に対する制約が大幅に緩和可能となることが確認できた。
<実施例6>
図20を参照して、本発明の実施例6に係る定着装置について説明する。ここでは、主に本実施例において上記実施例と異なる点について説明し、上記実施例と同様の構成についての説明は省略する。本実施例は、回転シャッタの回転中心の位置をヒータ中心から定着ニップ側寄りにオフセットしたことを特徴とする。
図20(A)、(B)は、偏心回転シャッタ35とこれを用いた偏心回転シャッタ内蔵定着ユニット12fの構成を示す模式的断面図である。図20(A)に示すように、本実施例では、回転シャッタの回転中心を、実施例1のようにヒータ中心と同一とする構成に対し、ユニット内部の空間とヒータに対するシャッタの耐熱性能が許す範囲内において、定着ニップ側寄りにオフセット配置している。図20(A)は、最大幅記録材定着時の設定状態における断面図を示しており、この状態ではシャッタによる反定着ニップ側上半部に対する露光率に実施例1の構成との間で差はほとんど生じない。しかし、図20(B)のようにCOM10封筒サイズ定着時の設定に切り替えると、回転シャッタ略半周分の長手方向全面開放部は、実施例1の場合と比べ、より低い位置に回転移動するため、熱遮蔽板18によって規制される高さより低い位置に沈み込む。このとき、回転シャッタによる長手方向全面開放幅は、ヒータ中心と同じ回転中心で回転させた場合(実施例1)のβに対し、より狭いγに制約することが可能となる。したがって、総合的に端部露光量を削減し端部昇温抑制をより効果的に図ることができる。
他の切り欠き部領域においても、一つ一つの切り欠き部の幅は実施例1と同じながら、ヒータ13aにより近い位置で遮蔽するようになるため、ヒータ中心から見た遮蔽部に対する画角は拡大する。このため、より多くの輻射光が遮蔽されて端部露光量遮蔽効率が高くなり、逆に中央通紙部は透過露光量が増えるため、通紙部定着性向上と端部昇温抑制効果向上を同時に実現可能となる。
ここで、実施例1の定着ユニットの構成に配置変更を行うことで、本実施例の定着ユニットを形成する場合について考える。図20(A)、(B)の例では、実施例1の構成において元々回転シャッタの切り欠き部の短手方向幅に余裕が設けられていたため、そのままオフセット移動させても定着ニップ裏スリット開口部の短手方向幅に対する開口幅が不足することはなかった。実施例1の回転シャッタは基本的に、ヒータと同一中心に配置された場合において、切り欠き部がヒータ中心から距離F分だけ離れたスリット幅Gに対する画角と一致するように最適化されている。したがって、実施例1の回転シャッタを、そのまま定着ニップ寄りにオフセットさせると、定着ニップ裏スリット開口部の短手方向幅に対するシャッタ側切り欠き部の短手方向幅が不足する。このため、オフセットとともにシャッタ切り欠き部の短手方向幅も拡張する必要がある。
図20(C)は、ヒータ中心と回転シャッタ中心を一致させた状態でシャッタ内の短手方向切り欠き幅dを最適化した構成のまま距離Z分だけ定着ニップ寄りにオフセットさせ
た場合の断面構成模式図であり、最大幅記録材定着時の状態を示している。この場合、定着ニップ裏スリット開口部の短手方向幅Gに対してシャッタの切り欠き開口幅dにはやはり余裕がなく、本来照射可能な輻射露光量を減少させる懸念がある。しかし、このとき熱遮蔽板18の切り欠き部形成領域上端面のスリット形成面から高さS1も実施例1で示したオフセット前の高さSからZ分だけ低くなったため熱遮蔽板18による輻射光規制高さHに対して余裕が生じている。このため、回転シャッタ中心から見たZ分の高さに対する画角をΔΘとすると、このΔΘ分の円弧長を切り欠き部形成領域に追加可能となる。
図20(D)は、ΔΘ分に対応する延長円弧長を追加して切り欠き形成領域の円弧長LをL1に増大しつつ橋梁部35bの厚さをそのままにして各切り欠き部の短手方向幅dをd1に拡張した回転シャッタ35aの模式的断面図である。尚、この構成で小サイズ紙を定着すると、回転シャッタ35aを回転させた際の反定着ニップ側上半部の端部遮蔽幅は、上記オフセット配置による輻射光遮蔽率向上効果に加え、各遮蔽部の幅dをd1に拡張した効果を相乗的に作用させることが可能となる。これにより、一層高い端部昇温に対する抑制効果を得ることができるようになる。
<実施例7>
図21を参照して、本発明の実施例7に係る定着装置について、特に、定着上ユニット内部の各構成について説明する。ここでは、主に本実施例において上記実施例と異なる点について説明し、上記実施例と同様の構成についての説明は省略する。本実施例に係る定着装置は、定着ニップ部に輻射光を直接照射する実施例1〜6とは異なり、定着ニップ部に輻射光を直接照射しない構成となっている。
図21(A)は、回転シャッタ通過用スリット付き反射板136の斜視図である。反射板136には、長手方向に沿った細長いスリット136aが形成されている。
図21(B)は、反射板端部回避用切り欠き付き回転シャッタ121の斜視図である。回転シャッタ121は、記録材幅方向に延びる軸を回転軸としてヒータ13aの周りを回転移動可能に構成されている。回転シャッタ121は、紙サイズに応じた切り欠き部121aに加え、反射板136の端部とスリット136aとの間の反射部との回転時における干渉を避けるための端部干渉回避用切り欠き部121bが長手方向の左右にそれぞれ形成されている。回転シャッタ121は、切り欠き部121a、121bが形成された板金を、断面が円弧形状の略半円筒状に成形されることにより製造される。この切り欠き部121aにより、輻射熱を記録材搬送方向に所定範囲かつ記録材幅方向の定着フィルム13内周面の端部から内側に所定範囲で遮蔽する一対の壁を定着フィルム13とヒータ13aとの間に形成する一対の遮蔽部が形成される。回転シャッタ121は、この遮蔽部が反射板136による遮蔽領域(第1遮蔽領域)に含まれる位置(第1位置)と、遮蔽部が第1遮蔽領域から外れる位置(第2位置)に移動可能に構成される。遮蔽部は、回転シャッタ121が第2位置にあるときに、反射板136とは別の独自の遮蔽領域(第2遮蔽領域)を形成する。一対の遮蔽部は、それぞれが形成する遮蔽領域の記録材幅方向における間隔が、記録材搬送方向において変化する。一対の遮蔽部のそれぞれの遮蔽領域の記録材幅方向における間隔は、図21(B)に示すように、記録材搬送方向において段階的(階段状)に変化するものでもよいし、図12(A)のように直線的に変化するようにしてもよい。
図21(C)は、回転シャッタ121を、反射板136と加圧ステー137とで囲まれた内部空間(収容部)内に収納した状態、すなわち、ヒータ13aの輻射光が回転シャッタ121によって遮蔽されない状態を示す模式的断面図である。本実施例における加圧ステー137は、図4に示した従来構成における加圧ステー37と構成が異なっている。図4に示すように、従来構成では断面U字型の2つの板金37a、37bを、それぞれの開放部が互いに向き合うように組み合わせて中空部を形成する構成としているが、この構成では、回転シャッタ121の収納にスペースが必要となる。そのため、本実施例では、図
21(C)に示すように、断面U字型の2つの板金137a、137bを、それぞれの開放部が同じ向き(上方に開放)となるように組み合わせ、かつ高さを回転シャッタ121が収納可能な高さに調整した構成としている。かかる構成であっても、本実施例における定着加圧力範囲ではその剛性に特に問題はない。なお、図4の従来構成において、例えば内側ステーの上面中央部にシャッタが収まる大きさの開口部を設けるなど方法によって、回転シャッタ121を収容可能に構成してもよい。
図21(D)は、本実施例における定着上ユニットを、ユニット構成から定着フィルム13を除いて示した斜視図であり、図21(C)に示す状態、すなわち、回転シャッタ121が収納部に収納された状態における斜視図である。図4(C)に示す従来構成と比べて、反射板136上に細長いスリット136aがあるのみでその他構成において大きな差はない。
図21(E)は、回転シャッタ121が、本実施例に係る定着装置において定着可能な最小幅サイズのCOM10封筒サイズの定着を行う際の遮光位置にあるときの模式的断面図である。実施例1〜6のように定着ニップ部に対しても輻射光を露光させる構成では、基本的に回転シャッタを90°までしか回転できない。しかし、本実施例では、定着部を直接露光する必要がないため、遮蔽面積と回転角度の拡張が可能で、本実施例では、回転角度はほぼ120°まで拡張されている。
図21(F)は、本実施例における定着上ユニットを、ユニット構成から定着フィルム13を除いて示した斜視図であり、図21(E)に示す回転シャッタ121が、COM10封筒サイズの定着を行う際の遮光位置にあるときにおける斜視図である。
以上、本実施例の構成を用いることにより実施例1と同等以上の端部昇温抑制効果を得ることができる。
<実施例8>
図22を参照して、本発明の実施例8に係る定着装置について、特に、定着上ユニット内部の各構成について説明する。ここでは、主に本実施例において上記実施例と異なる点について説明し、上記実施例と同様の構成についての説明は省略する。本実施例に係る定着装置は、定着ニップ部に輻射光を照射する実施例1〜6とは異なり、定着ニップ部に輻射光を照射しない構成となっている。また、実施例7と異なり、2つの回転シャッタで遮光を行う構成となっている。
図22(A)は、回転シャッタ通過用Wスリット付き反射板236の斜視図である。反射板236には、長手方向に沿った細長い2つのスリット236aが形成されている。
図22(B)は、反射板端部回避用切り欠き付き内側回転シャッタ221の斜視図である。本実施例に係る定着装置は、実施例7と同じ回転シャッタ121を、外側回転シャッタとして備えるとともに、回転シャッタ121と対称的な構成を有する回転シャッタ221を、内側回転シャッタとして備えている。回転シャッタ221は、回転シャッタ121と逆方向に、回転シャッタ121の回転軌道よりわずかに小さな半径の回転軌道で回転可能に設けられている。
図22(C)は、回転シャッタ121、221を、反射板236と加圧ステー137とで囲まれた内部空間内に収納した状態、すなわち、ヒータ13aの輻射光が回転シャッタ121、221によって遮蔽されない状態を示す模式的断面図である。
図22(D)は、本実施例における定着上ユニットを、ユニット構成から定着フィルム13を除いて示した斜視図であり、図22(C)に示す状態、すなわち、回転シャッタ121、221が収納部に収納された状態における斜視図である。
図22(E)は、回転シャッタ121、221が、本実施例に係る定着装置において定着可能な最小幅サイズのCOM10封筒サイズの定着を行う際の遮光位置にあるときの模
式的断面図である。本実施例では、ヒータ13aが、2つの回転シャッタ121、221と反射板236とによって全周が囲まれるように構成されている。
図22(F)は、本実施例における定着上ユニットを、ユニット構成から定着フィルム13を除いて示した斜視図であり、図22(E)に示す回転シャッタ121、221が、COM10封筒サイズの定着を行う際の遮光位置にあるときを示している。
本実施例に係る定着装置は、2つの回転シャッタ121、221を組み合わせることで、所望の用紙サイズの定着に必要な開口部(輻射光の照射領域)を形成する構成となっている。本実施例や実施例7のように定着ニップ部を直接輻射加熱しない構成では、実施例1〜6の構成よりも、より大きな遮蔽面積と回転角度への拡張が可能となる。しかしながら、回転シャッタを加圧ステー137と平坦な反射板136で囲まれた内部空間に収納する必要性から高さの確保には限界があり、1つの回転シャッタの回転角度は90°→120°までの拡張が限界である。そこで、本実施例では、実施例5と同様の技術思想に基づき大小2つの回転シャッタを用いて互いに逆位相で回転制御することにより、実施例7の構成に対して略2倍の遮蔽効果を得ることができ、実施例5以上の端部昇温抑制効果を得ることが可能となる。
<実施例9>
図23を参照して、本発明の実施例9に係る定着装置について、特に、定着上ユニット内部の各構成について説明する。ここでは、主に本実施例において上記実施例と異なる点について説明し、上記実施例と同様の構成についての説明は省略する。本実施例に係る定着装置は、定着ニップ部に輻射光を照射する実施例1〜6とは異なり、定着ニップ部に輻射光を照射しない構成となっている。また、実施例7、8とは、反射板の構成が異なっている。
図23(A)は、M字断面反射板41の斜視図である。本実施例は、実施例7、8では平坦であった反射板の断面形状をM字型に変形させたM字断面反射板41を用いている。反射板41には、長手方向に沿った細長いM字斜面部スリット41aが形成されている。
図23(B)は、M字断面反射板41用の端部切り欠き付き回転シャッタ42の斜視図である。回転シャッタ42は、実施例7、8の平坦な反射板用シャッタに比べ、より円弧長が延長され遮蔽面積が増えた切り欠き部42aと、同様に反射板端部との干渉を回避する領域を増やすべくも受けられた切り欠き部42bとが左右にそれぞれ形成されている。
図23(C)は、回転シャッタ42を、反射板41と加圧ステー137とで囲まれた内部空間内に収納した状態、すなわち、ヒータ13aの輻射光が回転シャッタ42によって遮蔽されない状態を示す模式的断面図である。
図23(D)は、本実施例における定着上ユニットを、ユニット構成から定着フィルム13を除いて示した斜視図であり、図23(C)に示す状態、すなわち、回転シャッタ42が収納部に収納された状態における斜視図である。
図23(E)は、回転シャッタ42が、本実施例に係る定着装置において定着可能な最小幅サイズのCOM10封筒サイズの定着を行う際の遮光位置にあるときの模式的断面図である。
図23(F)は、本実施例における定着上ユニットを、ユニット構成から定着フィルム13を除いて示した斜視図であり、図23(E)に示す回転シャッタ42が、COM10封筒サイズの定着を行う際の遮光位置にあるときにおける斜視図である。
図23(C)の断面構成から明らかなように、本実施例では反射板41の断面形状をM字化することで、実施例7、8の構成と比べ、回転シャッタの収容空間である反射板と加圧ステーとの間の空間が拡大されている。すなわち、反射板41は、回転シャッタ42の収容部がヒータ13aの周りを回転シャッタ42の移動軌道に沿って延在するように設け
られている。反射板41のM字断面の頂点に合わせて回転シャッタ42の左右上端部をヒータ中心近くの高さまで延長することで、回転シャッタ42の円弧長を拡張することが可能となっている。これにより、回転シャッタによる最大遮蔽時となる小サイズ紙定着時において、1つの回転シャッタ42によってヒータ13aの上部をほぼ完全に覆って遮蔽することが可能となる。したがって、実施例8のように2枚のシャッタを用いずとも同等以上の端部遮蔽効果を得ることができる。
一方、加熱効率の観点からも、本実施例特有な効果を有している。すなわち、ヒータ13a下側において左右に広がろうとする輻射光は、反射板41におけるM字中央部の湾曲した反射面によって定着フィルム13内面におけるヒータ13a上側中央部に集光される。これにより、本実施例では、輻射光の照射領域の広さが、平板の反射板を有する実施例7、8と比べ狭くなるものの、上記集光作用により、実施例7、8と比較して加熱効率を低下させることはなく、良好な定着性を維持することが可能となる。
<実施例10>
図24を参照して、本発明の実施例10に係る定着装置について説明する。図24は、本実施例における反射板43の構成を説明する模式図であり、(A)は反射板43の斜視図、(B)は反射板43とヒータ13aとの位置関係を示す断面図である。ここでは、主に本実施例において上記実施例と異なる点について説明し、上記実施例と同様の構成についての説明は省略する。本実施例に係る定着装置の基本的な構成は、実施例7、8、9に係る定着装置と同様であり、反射板の構成において他の実施例にはない特徴的構成を有している。
これまでの実施例では回転シャッタの板厚が0.3mm程度の非常に薄い場合を想定しておりこれを通過させるための反射板上のスリットの短手方向の幅も0.5mm程度を想定してした。しかしながら、例えば回転シャッタの長手方向中央部に形成される橋梁部の幅はシャッタ全体の回転可能な角度に影響するため可能な限り細くしたいが、シャッタの板厚が薄いと、全体剛性維持のためにこの橋梁部の幅を細くすることができない。その結果、シャッタの回転可能な角度は制限され、端部遮蔽面積も制約され、十分な端部昇温抑制効果を得ることが困難となる可能性がある。そのため、回転シャッタの板厚はなるべく厚くして、橋梁部の幅を細くするほうが有利である。しかし、そうすると厚くなった板厚に合わせて反射板のスリットの短手方向幅を大きくする必要が生じ、その開口面積が大きくなってこの開口部に吸収される輻射光量が無視できなくなる。その結果、反射板による輻射光の反射量低下による定着フィルムの加熱不足や加熱効率低下を招く恐れがある。
この問題に対する対策として、本実施例ではより板厚の厚い回転シャッタを用いても開口部による輻射光の損失が大きくならないよう、以下の構成を反射板43に付与している。まず、反射板43において、加工上可能な限り細いスリットを直線状に形成した後、その両端部からヒータ13に近い側に向かって回転シャッタの厚さを十分上回る長さで、L字型にスリット延長部を追加し、コの字型スリットを形成する。すなわち、スリットの両端にスリットに直交する切込みを入れるような加工である。尚、本実施例では、回転シャッタの厚さとしては細い橋梁部を用いても全体の剛性を十分確保できるようその板厚を1.0mmとし、反射板の板厚0.35mm、スリット幅0.2mm、スリット両端部の延長部(切込み)の長さ2.0mmとしている。
次に、反射板43において、スリットとスリット両端の延長部とに囲まれた部分を、他の部分に対して、スリット両端の延長部の先端同士を結ぶラインを基点として折り曲げて起立させる。この折り曲げ加工によって、厚いシャッタも通過可能な大きさの開口部としてスリット43aが形成されるとともに、該スリット43aへのヒータ13aからの輻射光の侵入を遮る廂部43bが形成される。廂部43bの起立角度は、ヒータ13aからの
輻射光を、スリット43aに直接侵入できないように遮ることが可能な角度(本実施例では略120°)とする。
このような廂部43bを設けた反射板43を用いることで、図24(B)に示すように、ヒータ13aからスリット43a側に侵入した輻射光は、廂部43bで上方に反射され直接スリット43aには入射しなくなる。廂部43bで反射された輻射光は、定着フィルムの加熱に寄与する。すなわち、板厚の厚い回転シャッタを用いるために、これを通過させる開口部(スリットの短手方向幅約2.0mm)を十分大きく加工したとしても、輻射光が開口部に逃げることによる定着フィルムの加熱不足や加熱効率低下を防止できるようになる。
<実施例11>
図25を参照して、本発明の実施例11に係る定着装置について、特に、定着上ユニット内部の各構成について説明する。ここでは、主に本実施例において上記実施例と異なる点について説明し、上記実施例と同様の構成についての説明は省略する。本実施例に係る定着装置の基本的な構成は、実施例7、8、9に係る定着装置と同様であり、反射板の構成において他の実施例にはない特徴的構成を有している。
図25(A)は、実施例7における定着上ユニットの模式的断面図であり、回転シャッタ121が収納部に収納された状態におけるヒータ輻射光の照射状態を示している。図示のように、ヒータ13aの輻射光は、ヒータ13aを軸中心として周囲に図中矢印で示したように放射状に照射される。ヒータ13aより下方に照射された輻射光は、反射板136によって上方に反射され、ヒータ13aより上方に照射された輻射光とともに輻射定着フィルム13を加熱する。
図25(B)は、実施例7における定着上ユニットの模式的断面図であり、回転シャッタ121が小サイズ紙の定着時における遮光位置にあるときにおけるヒータ輻射光の照射状態を示している。図示のように、図上略左上半分の領域において定着フィルム13内面の長手方向端部には直接輻射光が照射されない状態となり、端部昇温を抑制している。定着フィルム13内面の長手方向中央部では、回転シャッタ121は遮光しておらず、輻射光が放射状に定着フィルム13内面に照射されている。
このとき、回転シャッタ121の内面の鏡面性が高いと、長手方向端部において一旦遮蔽した輻射光が、図中破線矢印で示すように、反射板136側に反射されることがある。その反射光は、そのまま反射板136表面でさらに反射され、図中一点鎖線矢印で示すように、図上右上半分の領域において、定着フィルム13内面に照射される。この反射光は、ヒータ13aから直接定着フィルム13内面に照射される輻射光に重ねて照射されることになる。したがって、せっかく図上左側の領域で遮蔽した端部輻射光が図上右側の領域に反射されることで、輻射光が図上右側の領域に集中してしまい、端部昇温を促進するよう作用してしまう可能性がある。回転シャッタは金属部材で形成される限り、表面の粗い素材を選んでもその内面の反射率は無視できず、対策効果を妨げる方向に作用する可能性がある。
図25(C)は、本発明の実施例11における定着上ユニットの模式的断面図であり、回転シャッタ44が小サイズ紙の定着時における遮光位置にあるときにおけるヒータ輻射光の照射状態を示している。本実施例では、内面に赤外線吸収性の黒色塗装を施した内面黒塗り回転シャッタ44を用いることを特徴としている。この対策によって回転シャッタ44端部で遮蔽した輻射光は、回転シャッタ44内面に吸収されてほとんど反射されなくなる。これにより、反射板136との多重反射によって一旦回転シャッタ44で遮蔽した端部領域を逆側で再加熱するという非効率な状況を改善し、端部昇温対策として効果を高
めることが可能となる。また、この対策によってハロゲンヒータ13aに対してもその端部に多重反射した輻射光が集中することを防止できるようになる。これにより、ハロゲンヒータ13aの長手方向における局所的な温度差を生じた際に懸念されるハロゲンサイクルの乱れによるヒータ寿命の低下などの弊害を避けることが可能となる。
<実施例12>
図26を参照して、本発明の実施例12に係る定着装置について説明する。図26は、本実施例における回転シャッタ45の構成を示す模式図であり、(A)は斜視図、(B)は正面図である。ここでは、主に本実施例において上記実施例と異なる点について説明し、上記実施例と同様の構成についての説明は省略する。本実施例に係る定着装置の基本的な構成は、他の実施例に係る定着装置と同様であり、回転シャッタの形状が、他の実施例とは異なり、回転シャッタの回転軸方向における中央部から端部に向かうにつれて徐々に縮径するように構成されている。
図26(A)に示すように、回転シャッタ45は、長手方向左右端部における輻射光遮蔽部に対し、中央から端部に向かうにつれて内径が徐々に小さくなる(外形が徐々に細くなる)ような傾き(テーパ)を付与した構成となっている。各端部の遮蔽部に付与される傾斜は、該遮蔽部に照射された輻射熱をシャッタ中央部に向けて反射できるような傾斜である。本実施例では、各遮蔽部に付与するテーパ角度として各々5°シャッタ中央側に広がるよう加工している。また、テーパ付き遮蔽部の内面には鏡面研磨が施され、輻射光を効率よく反射できるよう構成されている。
図26(B)に、上記構成の回転シャッタ45をM字型断面反射板41(実施例9)に組み合わせた例を示す。図26(B)では、構成を理解し易くするためヒータを省略して図示している。まず、小サイズ紙定着時の遮光位置に配置された回転シャッタ45の端部では、図上左端の矢印のようにヒータ軸中心から垂直上向きに照射された輻射光が、遮蔽部内面のテーパによって5°の角度で破線矢印のように斜め中央下方側に反射される。この反射輻射光は、反射板41によってその入射角と同じ角度で一点鎖線矢印のように中央側に反射され、再度回転シャッタ45内面のテーパによって5°の角度で破線矢印のように斜め中央下方側に反射される。このような反射を繰り返し、反射輻射光は最終的に小サイズ紙の通紙領域の加熱に寄与するようになる。このように本実施例によれば、他の実施例のように非通紙部に照射された輻射光を単に遮断するのではなく、通紙部の加熱に寄与するように輻射光を有効利用することが可能となり、加熱効率の高い定着装置を実現することができる。
<実施例13>
図27及び図28を参照して、本発明の実施例13に係る定着装置及び画像形成装置について説明する。ここでは、主に本実施例において上記実施例と異なる点について説明し、上記実施例と同様の構成についての説明は省略する。本実施例は、定着装置の構成は他の実施例に係る定着装置と同様であり、画像形成装置の制御部による定着装置の制御方法に本実施例の特徴がある。本実施例の制御は、上記各実施例にも適用可能である。制御システムの構成は、図9(B)に示した構成である。
図27は、本実施例における端部昇温対策としての回転シャッタの駆動制御方法に関するフローチャートである。図28は、図27のフローチャートに従って動作させた前後の定着ユニット内部状態を比較して示す斜視図であり、本実施例の制御に好適な2種類の回転シャッタ形状を示している。本実施例による制御の目的は、図5を用いて説明した従来課題の一つである、定着ジャム発生時の変形したジャム紙や定着フィルムに紙が巻きついた際の紙による外力によって定着フィルムが変形してヒータに接触する不具合を防止することにある。そのため、本実施例では、この不具合対策として、上記各実施例における回
転シャッタを用い、図27のフローチャートに従って回転シャッタの回転角度を通常の端部昇温対策用の角度から非常用角度に切り替えることを特徴としている。
以下、図27のフローチャートに沿って、本実施例に係る画像形成装置としてA4サイズ対応のプリンタを使用する場合における回転シャッタの駆動制御について説明する。
(1)まずプリンタの電源をONする(S101)。
(2)次にホスト側からプリントジョブを送信し、これを読み込ませる(S102)。
(3)プリントジジョブ情報からプリンタに印刷する紙のサイズを認識させ、
I)紙幅がB5サイズ紙より幅の大きな紙の場合(S103;YES):
回転シャッタは基本収納位置設定のまま、給紙工程に進める(S104)。
II)紙幅がB5サイズ紙以下で、A5サイズ紙より大きい場合(S103;NO、S107;YES):
回転シャッタを第1設定角度まで回転させて停止後(S108)、給紙工程に進める(S104)。
III)紙幅がA5サイズ紙以下で、COM10封筒サイズ紙より大きい場合(S103;NO、S107;NO、S109;YES):
回転シャッタを第2設定角度まで回転させて停止させる(S110)。その後、給紙工程に進める(S104)。
IV)紙幅がCOM10封筒サイズ紙以下の場合(S103;NO、S107;NO、S109;NO):
回転シャッタを第3設定角度まで回転させて停止させる(S111)。その後、給紙工程に進める(S104)。
(4)給紙後、転写工程(S105)、定着工程(S106)に進める。
(5)定着中、ジャムが発生しなかった場合(S112;NO)、そのまま排紙(S113)して終了する。
(6)定着中、ジャムが生した場合(S112;YES):
回転シャッタの遮蔽状態を制御する制御部としてのCPU22bは、検知部としての排紙センサ11のジャム検知信号を受信する。CPU22bは、ジャム検知信号を受信するとシャッタを瞬時に回転シャッタを最大遮蔽角度まで回転させる(S114)。そして、ジャム発生通知信号によりジャム発生をユーザに通知し(S115)、ユーザに手動での排紙を促して終了する。
ジャム発生時にヒータを保護するべく回転シャッタに取らせる角度(位相)は、シャッタ構成に応じて異なり、当該構成においてヒータと定着フィルムとの対向領域を最も広範囲に遮断可能な角度である。
図28(A)、(B)は、定着ニップ部を直接加熱する構成且つ1枚の回転シャッタで端部遮光を行う構成の定着装置において最も効果的な保護構成例として、実施例3に係る定着装置の回転シャッタ27の最大遮断角度について説明する模式的斜視図である。実施例3の構成では、図28(A)に示すように、COM10封筒サイズ通紙時のシャッタ最大設定角度が、基準位置から時計回り方向に90°である。これに対し、ジャム発生時には、図28(B)に示すように、ヒータ上部をなるべく広く覆えるよう、回転シャッタ27を基準位置から180°回転させる。
図28(C)、(D)は、ヒータ保護性能を高めるのに好適な回転シャッタの構成例を示す模式的斜視図である。図28(C)の回転シャッタ46は、定着ニップ部と反定着ニップ部双方を加熱する定着装置構成において好適な構成として、各紙サイズ対応切り欠き部の間に橋梁部を追加した構成を有している。図28(D)の回転シャッタ47は、反射板を用いて反定着ニップ部のみを加熱する定着装置構成において好適な構成として、各紙サイズ対応切り欠き部の間に橋梁部を追加した構成を有している。すなわちこれら回転シャッタは、各紙サイズに合わせて形成した複数の切り欠き部(開口部)の間が橋梁部によ
って仕切られたような構成となっている。このように構成することで、ヒータを保護する面積を増やし、同時にシャッタ全体の剛性が高められ、変形した定着フィルムがヒータに接触することより一層抑制することができ、ヒータ保護性能を高めることができる。
12…定着装置、13…定着フィルム、14…加圧ローラ(回転体)、13a…ハロゲンヒータ(発熱体)、 18…熱遮断板(第1遮断部材)、19…加圧摺動板(支持部材)、21…回転シャッタ(第2遮断部材)

Claims (36)

  1. 記録材に形成されたトナー像を記録材に定着させる定着装置であって、
    可撓性を有する筒状のフィルムと、
    前記フィルムの内周面に接触する支持部材と、
    前記支持部材との間で前記フィルムを挟持するように前記フィルムの外周面に接触し、かつ回転することにより前記フィルムとの間で記録材を挟持搬送する定着ニップ部を形成する回転体と、
    前記フィルムの内周面に対して離間した位置に対向配置される発熱体と、
    前記フィルムと前記発熱体との間に配置され、前記フィルムの内周面への前記発熱体の輻射熱の照射を、記録材の搬送方向に直交する幅方向において前記内周面の端部領域おける照射量が前記端部領域より内側の領域における照射量よりも小さくなるように、遮蔽可能な遮蔽部材であって、
    前記フィルムと前記発熱体との間の位置で固定され、前記搬送方向の所定の範囲において、前記幅方向の全域にわたって前記輻射熱を遮蔽する第1遮蔽領域を形成する第1遮蔽部材と、
    前記フィルムと前記発熱体との間を移動可能に設けられ、前記第1遮蔽領域と重ならない領域であって、前記搬送方向の所定の範囲において、前記幅方向の前記内周面の端部から内側に所定の範囲で前記輻射熱を遮蔽する第2遮蔽領域を形成する第2遮蔽部材と、
    を有する遮蔽部材と、
    を備えることを特徴とする定着装置。
  2. 前記遮蔽部材は、前記内周面における前記輻射熱の照射領域の前記幅方向における広さが、前記搬送方向の所定の範囲において、記録材の幅と対応するように、前記輻射熱を遮蔽することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記遮蔽部材は、前記輻射熱を遮蔽する領域の前記幅方向における広さを、記録材の幅の大きさに応じて、変更可能に構成されていることを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記遮蔽部材が前記輻射熱を遮蔽する領域には、前記支持部材における前記定着ニップ部の裏側の領域が含まれることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の定着装置。
  5. 前記第2遮蔽部材は、全体が前記第1遮蔽領域に含まれる第1位置と、前記第1遮蔽領域から外れた部分によって前記第2遮蔽領域を形成する第2位置と、に移動可能に構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の定着装置。
  6. 前記第2遮蔽部材は、前記輻射熱を前記搬送方向に所定の範囲かつ前記幅方向の前記内周面の端部から内側に所定の範囲で遮蔽する一対の壁を前記フィルムと前記発熱体との間に形成する一対の遮蔽部を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の定着装置。
  7. 前記第2遮蔽部材は、前記遮蔽部が前記第1遮蔽領域に含まれる第1位置と、前記遮蔽部が第1遮蔽領域から外れることで前記第2遮蔽領域を形成する第2位置と、に移動可能に構成されていることを特徴とする請求項6に記載の定着装置。
  8. 前記一対の遮蔽部は、それぞれが形成する遮蔽領域の前記幅方向における間隔が、前記搬送方向において変化することを特徴とする請求項6または7に記載の定着装置。
  9. 前記一対の遮蔽部のそれぞれの遮蔽領域の前記幅方向における間隔は、前記搬送方向において段階的に変化することを特徴とする請求項8に記載の定着装置。
  10. 前記一対の遮蔽部のそれぞれの遮蔽領域の前記幅方向における間隔は、前記搬送方向において変化が直線的であることを特徴とする請求項8に記載の定着装置。
  11. 前記第1遮蔽部材は、前記第1遮蔽部材に照射された前記輻射熱を前記内周面に向けて反射する反射面を有することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の定着装置。
  12. 前記第1遮蔽部材は、前記第2遮蔽部材の全体が前記第1遮蔽領域に含まれるように前記第2遮蔽部材を収容可能な収容部を有することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の定着装置。
  13. 前記第1遮蔽部材は、前記第2位置にある前記第2遮蔽部材とともに前記発熱体の全周を囲むことができるように、前記収容部が前記発熱体の周りを前記第2遮蔽部材の移動軌道に沿って延在するように設けられていることを特徴とする請求項12に記載の定着装置。
  14. 前記第1遮蔽部材は、前記収容部の開口部への前記輻射熱の侵入を遮る廂部を有することを特徴とする請求項12または13に記載の定着装置。
  15. 前記第2遮蔽部材は、半円筒状の部材であり、前記幅方向に延びる軸を回転軸として前記発熱体の周りを回転移動可能に構成されていることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の定着装置。
  16. 互いに径が異なり、一方が内径側、他方が外径側に同心配置され、それぞれの前記遮蔽部によって形成される遮蔽領域の形が回転方向において互いに対称的となるように形成された2つの前記第2遮蔽部材を有することを特徴とする請求項15に記載の定着装置。
  17. 2つの前記第2遮蔽部材は、互いに逆方向に回転移動することを特徴とする請求項16に記載の定着装置。
  18. 前記発熱体は、2つの前記第2遮蔽部材と、前記第1遮蔽部材とにより全周が囲まれることを特徴とする請求項16または17に記載の定着装置。
  19. 前記第2遮蔽部材は、前記遮蔽部を形成するための切り欠き部が設けられた板金を折り曲げ加工により略半円筒状に成形することにより製造されることを特徴とする請求項15〜18のいずれか1項に記載の定着装置。
  20. 前記第2遮蔽部材は、円筒状の部材であり、記録材の幅に対応した幅を有する開口部を周壁に有し、前記幅方向に延びる軸を回転軸として前記発熱体の周りを回転可能に構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の定着装置。
  21. 前記開口部は、種類の異なる記録材の幅の大きさの違いに対応して、前記第2遮蔽部材の回転方向に沿って幅が変化するように形成されていることを特徴とする請求項20に記載の定着装置。
  22. 前記開口部の幅は、種類の異なる記録材の幅の大きさの違いに対応した変化が段階的であることを特徴とする請求項21に記載の定着装置。
  23. 前記開口部の幅は、種類の異なる記録材の幅の大きさの違いに対応した変化が直線的であることを特徴とする請求項21に記載の定着装置。
  24. 前記第2遮蔽部材は、複数の前記開口部を有することを特徴とする請求項20〜23のいずれか1項に記載の定着装置。
  25. 互いに径が異なり、一方が内径側、他方が外径側に同心配置され、前記開口部の幅の変化が回転方向において互いに対称的となるように形成された2つの前記第2遮蔽部材を有することを特徴とする請求項20〜24のいずれか1項に記載の定着装置。
  26. 2つの前記第2遮蔽部材は、互いに逆方向に回転移動することを特徴とする請求項25に記載の定着装置。
  27. 前記第2遮蔽部材は、前記開口部を形成するための切り欠き部が設けられた板金を丸め加工により円筒状または半円筒状に成形することにより製造されることを特徴とする請求項20〜26のいずれか1項に記載の定着装置。
  28. 前記第2遮蔽部材は、内周面が赤外線吸収性を有することを特徴とする請求項15〜27のいずれか1項に記載の定着装置。
  29. 前記第2遮蔽部材は、前記回転軸の方向における中央部から端部に向かうにつれて徐々に縮径する形状を有することを特徴とする請求項15〜28のいずれか1項に記載の定着装置。
  30. 前記第2遮蔽部材は、前記端部に照射された前記輻射熱を前記中央部に向けて反射できるような傾斜が前記第2遮蔽部材の内周面に形成されるように縮径していることを特徴とする請求項29に記載の定着装置。
  31. 前記第2遮蔽部材は、前記輻射熱を前記搬送方向に所定の範囲かつ前記幅方向の全域にわたって遮蔽する壁を前記フィルムと前記発熱体との間に形成する橋梁部を有することを特徴とする請求項15〜30のいずれか1項に記載の定着装置。
  32. 前記第2遮蔽部材は、前記回転軸の方向における両端部をつなぐ2つの前記橋梁部を有し、
    2つの前記橋梁部は、周方向に互いに離れた位置に設けられていることを特徴とする請求項31に記載の定着装置。
  33. 前記第2遮蔽部材は、前記回転軸の方向における両端部をつなぐ2つの前記橋梁部を有し、
    2つの前記橋梁部は、周方向に互いに近接した位置に設けられていることを特徴とする請求項31に記載の定着装置。
  34. 前記第2遮蔽部材は、前記回転軸が前記発熱体の中心より前記定着ニップ部に近い側に位置していることを特徴とする請求項15〜33のいずれか1項に記載の定着装置。
  35. 前記第2遮蔽部材は、前記回転軸の一方側と他方側とに分割された構成となっていることを特徴とする請求項15〜30のいずれか1項に記載の定着装置。
  36. 記録材に未定着トナー像を形成する画像形成部と、
    請求項1〜35のいずれか1項に記載の定着装置と、
    前記遮蔽部材の遮蔽状態を制御する制御部と、
    前記定着装置の内部における記録材のジャムの発生を検知する検知部と、
    を備え、
    前記検知部が前記ジャムの発生を検知すると、前記制御部は、前記第2遮蔽領域が最大となるように前記遮蔽状態を制御することを特徴とする画像形成装置。
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