JP2016107891A - 防舷材および防舷材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】広範な場所に設置できるとともに、輸送や保管が容易となる防舷材および同防舷材の製造方法を提供する。【解決手段】防舷材100は、外装袋体101の内部にフェンダ本体110を備えている。外装袋体101は、塩化ビニル樹脂製のシート材を袋状に形成されており、液体状のウレタン樹脂原料を収容してフェンダ本体102を形作るととともに硬化した半硬質ウレタン発泡体からなるフェンダ本体102を覆って保護する。外装袋体101の袋端部101aには、外装袋体101内に液体状のウレタン樹脂原料を注入するための注入口および外装袋体101内の空気を排気するための排気口104がそれぞれ形成されている。フェンダ本体110は、外装袋体101内に液体状のウレタン樹脂原料が注入されることによって外装袋体101の内側形状に沿う棒状に延びた形状に形成されている。【選択図】図1
Description
本発明は、船体を保護するために舷側や岸壁に取り付けられる防舷材および同防舷材の製造方法に関する。
従来から、係留される船の船体を保護して損傷を防止する防舷材がある。例えば、下記特許文献1には、発泡ウレタン製の円筒体の外周面を軟質の塩化ビニル製の外部被覆材で被覆するとともに同円筒体の内周部を硬質の塩化ビニル製の内部被覆材で被覆して係留杭に嵌合させる円筒状の防舷材が開示されている。
しかしながら、上記特許文献1に記載した防舷材においては、設置場所が係留杭に限られており、船体や岸壁に設置して使用することができないという問題がある。また、上記従来の防舷材においては、一般的に工場で専用の製造設備を用いて完成品として製造されるため、防舷材の輸送や保管が煩雑であるという問題もあった。
本発明は上記問題に対処するためなされたもので、その目的は、広範な場所に設置できるとともに、輸送や保管が容易となる防舷材および同防舷材の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の特徴は、塩化ビニル樹脂製のシート材で構成した袋体に同袋体内に液状のウレタン樹脂原料を注入するための注入口および同液状のウレタン樹脂原料の注入時に袋体内から空気を排気するための排気口がそれぞれ形成された外装袋体と、外装袋体内に注入口を介して液状のウレタン樹脂原料が充填されて固化した軟質または半硬質のウレタン発泡体からなるフェンダ本体とを備えることにある。この場合、排気口は、外装袋体におけるウレタン樹脂原料の注入側、換言すれば、注入口の近傍に形成するとよい。
このように構成した本発明の特徴によれば、防舷材は、塩化ビニル樹脂製のシート材を袋状に形成した外装袋体内に軟質または半硬質のウレタン発泡体で構成されたフェンダ本体を収容しているため、外装袋体を設置環境に応じた形状に形成しておくことで広範な場所に防舷材を設置することができる。この場合、防舷材は、外装袋体が袋状に形成されて実質的にフェンダ本体全体を包んでいるため、フェンダ本体の外装袋体からの漏出を防止することができるとともに、フェンダ本体の擦れによる損傷やフェンダ本体の水辺での使用による劣化を抑制できる。また、防舷材は、外装袋体がシート材によって構成されるとともにフェンダ本体が軟質または半硬質のウレタン発泡体で構成されているため、比較的自由に弾性変形させることができ、広範は場所に設置することができる。
さらに、防舷材は、外装袋体がシート材によって袋状に形成されるとともにフェンダ本体がウレタン発泡体で構成されているため、防舷材が必要な場所で必要な時に製作することができる。すなわち、防舷材の使用者は、外装袋体とウレタン樹脂原料とをそれぞれ別々に用意しておき、必要に応じて外装袋体内にウレタン樹脂原料を注入することによって防舷材を製作することができる。このため、防舷材は、輸送や保管を簡易にすることができる。
なお、軟質または半硬質の硬質ウレタン発泡体とは、NCO(イソシアネート)基を2個以上有するポリイソシアネートとOH(ヒドロキシル)基を2個以上有するポリオールとを、触媒(例えば、アミン化合物など)、発泡剤(例えば、水やフルオロカーボンなど等)および整泡剤(例えば、シリコーンオイル)など(以下、これらを「ウレタン材料等」という)と混合して泡化反応と樹脂化反応とを同時に行わせることによって得られる均質なプラスチック発泡体である。
また、本発明における軟質ウレタン発泡体は、発泡倍率が5倍以上かつ60倍以下、または密度が17kg/m3以上かつ300kg/m3以下で構成されていることが好ましい。また、本発明における半硬質ウレタン発泡体は、発泡倍率が10倍以上かつ30倍以下、または密度が40kg/m3以上かつ80kg/m3以下で構成されていることが好ましい。なお、半硬質ウレタン発泡体は、所謂硬質ウレタン発泡体と軟質ウレタン発泡体との中間的な弾性的性質を有するものであり、軟質ウレタン発泡体と半硬質発泡体とを厳密に区別することは困難である。
また、本発明の他の特徴は、前記防舷材において、ウレタン発泡体は、内部が連続気泡構造であることにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、防舷材は、ウレタン発泡体が連続気泡構造であるため、ウレタン発泡体を独立気泡構造で構成した場合に比べてより弾性変形させ易く、広範な場所に設置することができる。
また、本発明の他の特徴は、前記防舷材において、外装袋体は、液状のウレタン樹脂原料の注入後に注入口および排気口がそれぞれ塞がれていることにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、防舷材は、外装袋体における注入口および排気口が塞がれているため、フェンダ本体を完全に包囲して保護できるとともに外装袋体内への異物や水分(海水や雨水など)の浸入を防止することができる。
また、本発明の他の特徴は、前記防舷材において、外装袋体は、液状のウレタン樹脂原料の注入後においても注入口および排気口のうちの少なくとも一方を通じて外装袋体の内外で通気性が確保されていることにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、防舷材は、外装袋体における注入口および排気口のうちの少なくとも一方によって通気性が確保されているため、フェンダ本体が圧縮変形し易くなるとともに圧縮変形後においても速やかに元の形状に復帰することができ、フェンダ本体自身の損傷を防止して耐久性を向上させることができるとともに使用用途を広げることができる。
また、本発明の他の特徴は、前記防舷材において、外装袋体は、注入口および排気口のうちの少なくとも一方が連続気泡構造で構成されたウレタン発泡体の一部によって塞がれていることにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、防舷材は、外装袋体における注入口および排気口のうちの少なくとも一方が連続気泡構造のウレタン発泡体の一部によって塞がれているため、ウレタン発泡体の通気性を確保しながら外装袋体への異物や水分(海水や雨水)の浸入を簡単に防止することができる。
また、本発明の他の特徴は、前記防舷材において、外装袋体は、円筒体の両端部がそれぞれ半球状に形成されて塞がれた全体として棒状の形状に形成されていることにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、防舷材は、外装袋体が円筒体の両端部がそれぞれ半球形状に形成された全体として棒状の形状で構成されているため、船体や岸壁などの広範な場所にそのままの形状でまたは適宜弾性変形させた状態で汎用的に用いることができる。
また、本発明は防舷材の発明として実施できるばかりでなく、防舷材の製造方法の発明としても実施できるものである。
具体的には、防舷材の製造方法は、塩化ビニル樹脂製のシート材で構成した袋体に同袋体内に液状のウレタン樹脂原料を注入するための注入口および同液状のウレタン樹脂原料の注入時に袋体内から空気を排気するための排気口がそれぞれ形成された外装袋体を用意して、この外装袋体内に液状のウレタン樹脂を充填して固化させることによって半硬質または軟質のウレタン発泡体からなるフェンダ本体を成形するフェンダ本体成形工程を含むことにある。これによれば、上記防舷材と同様の作用効果を期待することができる。
以下、本発明に係る防舷材および同防舷材の製造方法の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る防舷材100の外観構成および内部構成の概略を模式的に示す一部破断正面図である。また、図2は、本発明に係る防舷材の製造方法の工程を示した流れ図である。また、図3は、図1に示した防舷材100における内側袋体に芯線および外側筒体を組み付けた状態を模式的に示す正面断面図である。なお、本明細書において参照する図は、本発明の理解を容易にするために一部の構成要素を誇張して表わすなど模式的に表している。このため、各構成要素間の寸法や比率などは異なっていることがある。この防舷材100は、船体や岸壁に取り付けられて船体の損傷を防止して保護する器具である。
(防舷材100の構成)
防舷材100は、外装袋体101を備えている。外装袋体101は、液体状のウレタン樹脂原料を受け入れてフェンダ本体110を形作るととともに硬化したウレタン発泡体からなるフェンダ本体110を覆って保護する部品であり、塩化ビニル樹脂(PVC)製のシート材を袋状に形成して構成されている。本実施形態においては、外装袋体101を構成するシート材は、厚さ2mmで構成されている。
防舷材100は、外装袋体101を備えている。外装袋体101は、液体状のウレタン樹脂原料を受け入れてフェンダ本体110を形作るととともに硬化したウレタン発泡体からなるフェンダ本体110を覆って保護する部品であり、塩化ビニル樹脂(PVC)製のシート材を袋状に形成して構成されている。本実施形態においては、外装袋体101を構成するシート材は、厚さ2mmで構成されている。
この外装袋体101は、円筒状に延びるとともにその両端部が球面状の袋端部101aによってそれぞれ閉塞されている。外装袋体101における2つの袋端部101aの外表面には、防舷材100を船体や岸壁に繋ぐためのロープや金具が掛けられる連結具102がそれぞれ固着されている。
連結具102は、樹脂材や金属材によって構成されており、ロープを通したり金具が掛けられたりする貫通孔102aが形成されている。また、2つの袋端部101aのうちの一方(図示上側)の袋端部101aには、連結具102の両側に注入口103および排気口104がそれぞれ2ずつ形成されている。
これらのうち、注入口103は、外装袋体101内に液体状のウレタン樹脂原料を注入するための貫通孔である。また、排気口104は、外装袋体101内に液体状のウレタン樹脂原料を注入する際に外装袋体101内の空気を外部に排気するための貫通孔である。この排気口104は、液体状のウレタン樹脂原料を注入する際に外装袋体101内の空気を外部に排気するための貫通孔であるため、外装袋体101におけるウレタン樹脂原料の注入側、すなわち、注入口103の近傍に設けられる。これらの注入口103および排気口104は、外装袋体101と同じ樹脂製のシート材からなる蓋105がそれぞれ接着固定されて塞がれている。なお、注入口103および排気口104は、外装袋体101に少なくとも1つずつ設けられていればよい。
フェンダ本体110は、船体と船体との間や船体と岸壁などとの間に配置されて船体の損傷を防止するための緩衝材であり、半硬質のウレタン発泡体で構成されている。ここで、ウレタン発泡体は、ウレタン樹脂原料、具体的には、NCO(イソシアネート)基を2個以上有するポリイソシアネートとOH(ヒドロキシル)基を2個以上有するポリオールとを、触媒(例えば、アミン化合物など)、発泡剤(例えば、水やフルオロカーボンなど等)および整泡剤(例えば、シリコーンオイル)などと混合して泡化反応と樹脂化反応とを同時に行わせることによって得られる均質な連続気泡のプラスチック発泡体である。また、本実施形態における半硬質ウレタン発泡体は、発泡倍率が10倍以上30倍以下、または密度が40kg/m3以上かつ80kg/m3以下で構成されていることが好ましい。したがって、本発明における半硬質ウレタン発泡体には、軟質ウレタンも含まれることがある。
このフェンダ本体110は、液体状のウレタン樹脂原料が外装袋体101内に注入されて固化することによって外装袋体101の内側形状に沿う棒状に延びた形状に形成されている。本実施形態においては、フェンダ本体110は、円柱状に延びるとともに両端部が略球面状に形成された長尺の棒状に形成されている。なお、図1、図5および図6においては、フェンダ本体110をドット群(点群)からなるハッチングによって示している。
(防舷材100の製造)
次に、防舷材100の製造過程について図2を参照しながら説明する。防舷材100を製造する作業者は、図3に示すように、まず、第1工程として外装袋体101を製作する。具体的には、作業者は、2つの袋端部101a間の円筒部分を構成する平面視で長方形状のシート材と、2つの袋端部101aを構成する平面視で円形状の2つのシート材とをそれぞれ用意して接着剤を用いて互いに繋ぎ合わせる。
次に、防舷材100の製造過程について図2を参照しながら説明する。防舷材100を製造する作業者は、図3に示すように、まず、第1工程として外装袋体101を製作する。具体的には、作業者は、2つの袋端部101a間の円筒部分を構成する平面視で長方形状のシート材と、2つの袋端部101aを構成する平面視で円形状の2つのシート材とをそれぞれ用意して接着剤を用いて互いに繋ぎ合わせる。
この場合、外装袋体101における2つの袋端部101aをそれぞれ構成する2つのシート材には、予め連結具102がそれぞれ接着剤などにより固着されている。また、2つの袋端部101aをそれぞれ構成する2つのシート材のうちの一方には、それぞれ2つずつの注入口103および排気口104がそれぞれ形成されている。なお、2つの袋端部101aをそれぞれ構成する2つのシート材は、射出成形などの加工方法を用いて袋端部101aを構成する部分と連結具102とを一体的に成形することもできる。また、図3においては、外装袋体101はウレタン樹脂原料を注入する前は萎んだ状態であるが、理解を容易にするため敢えて拡げた状態(膨らんだ状態)で示している。また、図1および図3においては、外装袋体101を構成する各シート材を個別に示さず一体的に示している。
次に、作業者は、第2工程として、外装袋体101内にウレタン樹脂原料を注入してフェンダ本体110を成形する。具体的には、作業者は、図示しないウレタン注入装置を用いて外装袋体101内に液体状のウレタン樹脂原料を注入する。この場合、ウレタン注入装置は、外装袋体101における2つの注入口103から液体状のウレタン樹脂原料を注入する。これにより、外装袋体101は、ウレタン樹脂原料の注入とともに内部の空気が2つの排気口104を通して外装袋体101内から抜ける。なお、図3においては、ウレタン樹脂原料の外装袋体101内への注入および空気の外装袋体101内からの排出を破線矢印でそれぞれ示している。
外装袋体101内に注入された液体状のウレタン樹脂原料は、外装袋体101を内側から押し広げながら充填されて直ちに硬化を開始する。これにより、外装袋体101内に注入されたウレタン樹脂原料は、外装袋体101の内部領域の大きさおよび形状に対応した大きさおよび形状に発泡し硬化した半硬質のウレタン発泡体となってフェンダ本体110を構成する。この第2工程におけるフェンダ本体110を成形する工程がフェンダ本体成形工程に相当する。
なお、この第2工程は、第1工程を終えた後、直ちに行う必要はない。すなわち、作業者は、外装袋体101とウレタン樹脂原料とをそれぞれ別々に用意して保管しておき、防舷材100が必要になった際に第2工程以降を実行して防舷材100を完成させることもできる。この場合、作業者は、ウレタン樹脂原料を例えばバケツやボトルなどの容器に用意するとともに、外装袋体101における注入口103から直接または漏斗などを介して外装袋体101内に注入することができる。すなわち、本発明に係る防舷材100は、防舷材100を使用するときに使用する現地で半製品から完成させることができる。
次に、作業者は、第3工程として、注入口103および排気口104をそれぞれ蓋105によって塞ぐ。具体的には、作業者は、蓋105を用意した後、図示しない接着剤を用いて蓋105を外装袋体101における各2つずつの注入口103および排気口104に貼り付けてこれらの注入口103および排気口104をそれぞれ塞ぐ。これにより、外装袋体101内にフェンダ本体110が設けられた防舷材100が完成する。
(防舷材100の作動)
次に、上記のように構成した防舷材100の作動について説明する。防舷材100を使用する使用者は、防舷材100を用意して船体や岸壁に設置する。具体的には、使用者は、防舷材100の両端部に設けられた各連結具102にロープ(不図示)を通して防舷材100を船体や岸壁に取り付ける。そして、この防舷材100は、船体と船体との間や船体と岸壁との間に介在して緩衝材として機能することで船体の損傷を防止する。
次に、上記のように構成した防舷材100の作動について説明する。防舷材100を使用する使用者は、防舷材100を用意して船体や岸壁に設置する。具体的には、使用者は、防舷材100の両端部に設けられた各連結具102にロープ(不図示)を通して防舷材100を船体や岸壁に取り付ける。そして、この防舷材100は、船体と船体との間や船体と岸壁との間に介在して緩衝材として機能することで船体の損傷を防止する。
この場合、防舷材100は、外装袋体101が柔軟なシート材で構成されるとともにフェンダ本体110が半硬質のウレタン発泡体で構成されているため、船体や岸壁からの圧迫に対して柔軟に弾性変形しながら圧力を吸収するとともに、圧迫が開放された場合には速やかに元の形状に復元する。また、外装袋体101は、フェンダ本体110の船体や岸壁への擦れのほか、日光、風雪または水分(海水、雨水など)からフェンダ本体110を保護する。なお、外装袋体101が損傷した場合には、使用者は、樹脂製や布製のシート材を損傷部分に宛がって補修することができる。
上記作動説明からも理解できるように、上記実施形態によれば、防舷材100は、塩化ビニル樹脂製のシート材を袋状に形成した外装袋体101内に半硬質のウレタン発泡体で構成されたフェンダ本体110を収容しているため、外装袋体101を設置環境に応じた形状に形成しておくことで広範な場所に防舷材100を設置することができる。この場合、防舷材100は、外装袋体101が袋状に形成されて実質的にフェンダ本体110全体を包んでいるため、フェンダ本体110の外装袋体101からの漏出を防止することができるとともに、フェンダ本体101の擦れによる損傷やフェンダ本体110の水辺での使用による劣化を抑制できる。また、防舷材100は、外装袋体101がシート材によって構成されるとともにフェンダ本体110が半硬質のウレタン発泡体で構成されているため、比較的自由に弾性変形させることができ、広範は場所に設置することができる。
さらに、防舷材100は、外装袋体101がシート材によって袋状に形成されるとともにフェンダ本体110がウレタン発泡体で構成されているため、防舷材100が必要な場所で必要な時に製作することができる。すなわち、防舷材100の使用者は、外装袋体101とウレタン樹脂原料とをそれぞれ別々に用意しておき、必要に応じて外装袋体101内にウレタン樹脂原料を注入することによって防舷材100を製作することができる。このため、防舷材100は、輸送や保管を簡易にすることができる。
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。なお、下記各変形例において、上記実施形態と同様の構成部分については同じ符号を付して、その説明を省略する。
例えば、上記実施形態においては、外装袋体101は1枚のシート材で構成した。しかし、外装袋体101は、塩化ビニル樹脂製のシート材で柔軟に変形可能な袋状に構成されていればよく、必ずしも上記実施形態に限定されるものではない。すなわち、外装袋体101は、2枚のシート材塩化ビニル樹脂製のシート材を重ねて構成することができる。また、外装袋体101を構成するシート材は、厚さは1mm以上かつ5mm以下が好ましいが1mm以上かつ3mm以下がより好ましいとともに、塩化ビニル樹脂のみで構成されていてもよいし、繊維に塩化ビニル樹脂を含浸したもので構成することもできる。
また、上記実施形態においては、外装袋体101における注入口103および排気口104をそれぞれ蓋105で塞いで構成した。しかし、外装袋体101は、蓋105を省略して外装袋体101の内外で通気性を確保した状態で構成することもできる。この場合、上記防舷材100の製造工程における第3工程による注入口103および排気口104への蓋105の貼付による閉塞工程は不要となる。これによれば、防舷材100は、フェンダ本体110が圧縮変形し易くなるとともに圧縮変形後においても速やかに元の形状に復帰することができ、フェンダ本体110自身の損傷を防止して耐久性を向上させることができるとともに使用用途を広げることができる。なお、外装袋体101の通気性の確保は、注入口103および排気口104のうちの少なくとも一方において確保されていればよい。また、外装袋体101は、注入口103および排気口104が複数形成されている場合には、これらの各孔の少なくとも1つにおいて通気性が確保されていればよい。
また、注入口103および/または排気口104によって外装袋体101の通気性を確保する場合、例えば、図5に示すように、注入口103および排気口104をフェンダ本体101、すなわち、連続気泡構造のウレタン発泡体の一部によって塞ぐことができる。これによれば、防舷材100は、ウレタン発泡体の通気性を確保しながら外装袋体への異物や水分(海水や雨水)の浸入を簡単に防止することができる。
また、上記実施形態においては、フェンダ本体110は、半硬質ウレタン発泡体で構成した。しかし、フェンダ本体110は、弾性変形可能な(変形した後元の形状に復元可能)なウレタン樹脂で構成されてれいばよい。したがって、フェンダ本体110は、軟質のウレタン発泡体で構成することもできる。この場合、軟質ウレタン発泡体は、発泡倍率が5倍以上かつ60倍以下、または密度が17kg/m3以上かつ300kg/m3以下で構成されていることが好ましい。また、本発明における半硬質ウレタン発泡体は、発泡倍率が10倍以上かつ30倍以下、または密度が40kg/m3以上かつ80kg/m3以下で構成されていることが好ましい。また、フェンダ本体110を構成する軟質または半硬質のウレタン発泡体は、内部が連続気泡構造であることが望ましいが、弾性変形可能であれば独立気泡構造であってもよい。
また、上記実施形態においては、防舷材100は、丸棒状に延びる形状で構成した。しかし、防舷材100の形状や大きさは、防舷材100の仕様によって適宜決定されるものである。したがって、防舷材100は、丸棒以外の形状、例えば、球状、ナツメ型または樽型状に形成することもできる。
例えば、防舷材100は、図6に示すように、ドロップ(雨滴)状に形成することができる。この場合、防舷材100は、外装袋体101がドロップ状に形成されるとともに、ドロップ状に形成された外装袋体101における図示上端部に連結具102が設けられている。また、防舷材100は、外装袋体101における袋端部101aにそれぞれ1つずつの注入口103および排気口104がそれぞれ形成されている。なお、図6においては、注入口103は、蓋105の下に隠れて図示されていない。
また、上記実施形態においては、防舷材100は、外装袋体101の両端部にそれぞれ連結具102を設けて構成した。しかし、防舷材100は、防舷材100を船体や岸壁などに取り付けることができるように構成されていればよく、必ずしも連結具102を備える必要はない。したがって、防舷材100は、例えば、図7に示すように、外装袋体101の両端部の一方にロープ106をスリーブ107を介して貫通させて構成することができる。この場合、ロープ106は、外装袋体101内で結び目を設けておくことで外装袋体101から抜けを簡単に防止することができるとともに、液状のウレタン樹脂原料の固化によってフェンダ本体110と一体化させることによっても外装袋体101から抜けを防止することができる。
また、スリーブ107は、外装袋体101をロープ106から保護するための部品であり、樹脂材を外装袋体106に形成した貫通孔に嵌合する外径でかつロープ106が貫通可能な内径の筒状に形成して構成されている。この場合、スリーブ107は、ロープ106との間で液体状のウレタン樹脂原料が漏れない程度の内径に設定されるが、ロープ106との間に布や軟質ウレタン樹脂などの弾性体(図示せず)を詰めることによって液体状のウレタン樹脂原料の漏れおよびロープ106の擦れをそれぞれ防止することができる。なお、図7においては、ロープ106の他方の端部側の図示を省略している。
100…防舷材、
101…外装袋体、101a…袋端部、102…連結具、102a…貫通孔、103…注入口、104…排気口、105…蓋、106…ロープ、107…スリーブ、
110…フェンダ本体。
101…外装袋体、101a…袋端部、102…連結具、102a…貫通孔、103…注入口、104…排気口、105…蓋、106…ロープ、107…スリーブ、
110…フェンダ本体。
Claims (7)
- 塩化ビニル樹脂製のシート材で構成した袋体に同袋体内に液状のウレタン樹脂原料を注入するための注入口および同液状のウレタン樹脂原料の注入時に前記袋体内から空気を排気するための排気口がそれぞれ形成された外装袋体と、
前記外装袋体内に前記注入口を介して前記液状のウレタン樹脂原料が充填されて固化した軟質または半硬質のウレタン発泡体からなるフェンダ本体とを備えることを特徴とする防舷材。 - 請求項1に記載した防舷材において、
前記ウレタン発泡体は、
内部が連続気泡構造であることを特徴とする防舷材。 - 請求項1または請求項2に記載した防舷材において、
前記外装袋体は、
前記液状のウレタン樹脂原料の注入後に前記注入口および前記排気口がそれぞれ塞がれていることを特徴とする防舷材。 - 請求項1または請求項2に記載した防舷材において、
前記外装袋体は、
前記液状のウレタン樹脂原料の注入後においても前記注入口および前記排気口のうちの少なくとも一方を通じて前記外装袋体の内外で通気性が確保されていることを特徴とする防舷材。 - 請求項4に記載した防舷材において、
前記外装袋体は、
前記注入口および前記排気口のうちの少なくとも一方が連続気泡構造で構成された前記ウレタン発泡体の一部によって塞がれていることを特徴とする防舷材。 - 請求項1ないし請求項5のうちのいずれか1つに記載した防舷材において、
前記外装袋体は、
円筒体の両端部がそれぞれ半球状に形成されて塞がれた全体として棒状の形状に形成されていることを特徴とする防舷材。 - 塩化ビニル樹脂製のシート材で構成した袋体に同袋体内に液状のウレタン樹脂原料を注入するための注入口および同液状のウレタン樹脂原料の注入時に前記袋体内から空気を排気するための排気口がそれぞれ形成された外装袋体を用意して、
この外装袋体内に前記液状のウレタン樹脂を充填して固化させることによって半硬質または軟質のウレタン発泡体からなるフェンダ本体を成形するフェンダ本体成形工程を含むことを特徴とする防舷材の製造方法。
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