JP2018095240A - 防舷体 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い復元力による緩和性能及び高い圧縮応力による緩和性能を兼ね備えることを可能とした防舷体を提供する。【解決手段】緩衝体10を備えた防舷体であって、緩衝体10は、第1発泡層と、第1発泡層に重なる第2発泡層とを含み、緩衝体10は、50%歪時の圧縮応力が0.23MPa以上であり、JISK6767(2002)に準じた圧縮歪試験において圧縮永久歪が圧縮後24時間で10%以下である。第1発泡層は、発泡倍率20倍以上かつ60倍以下のスチレン改質ポリオレフィン系樹脂の発泡体であり、第2発泡層は、発泡倍率10倍以上かつ30倍以下のポリエチレン系樹脂の発泡体であり、第2発泡層の厚さに対する第1発泡層の厚さの比率は、0.2以上かつ5.0以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、防舷体に関する。
接岸時の船舶や係留中の船舶が波や風を受けて動揺するとき、又は航行中に船同士が衝突したとき、船体に取り付けられた防舷体はその衝撃による船体の損傷を抑える。このような防舷体の一例として、特許文献1の防舷体は、発泡体である緩衝体を備える。
特開2005−53312号公報
ところで、特許文献1の緩衝体では、発泡体に低級ポリオレフィン系樹脂が用いられる。ポリエチレンやポリプロピレンなどの低級ポリオレフィン系樹脂は、防舷体に求められる復元力の範囲において高い復元力を有する一方、防舷体に求められる圧縮応力の範囲において低い圧縮応力を有する。このため、防舷体の外部から緩衝体に衝撃が加えられたときには、緩衝体が過度に変形する場合があり、船体への衝撃を緩和するうえでは改善の余地を残すものとなっている。そして、低級ポリオレフィン系樹脂に限らず、発泡体に用いられる樹脂における復元力と圧縮応力とは、一方を高めれば他方が低くなる、いわゆるトレードオフの傾向を有するため、防舷体が備える緩衝体においては、船体への衝撃を緩和する性能を高めることが困難となっている。
本発明の目的は、高い復元力による緩和性能及び高い圧縮応力による緩和性能を兼ね備えることを可能とした防舷体を提供することである。
上記課題を解決するための防舷体は、緩衝体を備えた防舷体であって、前記緩衝体は、第1発泡層と、前記第1発泡層に重なる第2発泡層とを含み、前記緩衝体は、JISK6767(2002)に準じた圧縮試験において、50%歪時の圧縮応力が0.23MPa以上であり、JISK6767(2002)に準じた圧縮歪試験において、圧縮永久歪が圧縮後24時間で10%以下である。
この構成によれば、第1発泡層と第2発泡層とが重なることによって、50%歪時の圧縮応力が0.23MPa以上であり、圧縮永久歪が圧縮後24時間で10%以下である緩衝体を実現できる。したがって、外部から船体への衝撃を緩衝する緩和性能と、衝撃によって生じた歪みを復元する緩和性能とを兼ね備えることができる。
前記第1発泡層は、発泡倍率20倍以上かつ60倍以下のスチレン改質ポリオレフィン系樹脂の発泡体であり、前記第2発泡層は、発泡倍率10倍以上かつ30倍以下のポリエチレン系樹脂の発泡体であり、前記第2発泡層の厚さに対する前記第1発泡層の厚さの比率は、0.2以上かつ5.0以下であることが好ましい。
前記第1発泡層は、発泡倍率20倍以上かつ50倍以下のスチレン改質ポリオレフィン系樹脂の発泡体であり、前記第2発泡層は、発泡倍率10倍以上かつ15倍以下のポリエチレン系樹脂の発泡体であり、前記第2発泡層の厚さに対する前記第1発泡層の厚さの比率は、0.2以上かつ5.0以下であることがより好ましい。
この構成によれば、緩衝体が船体への外部からの衝撃を緩衝する緩和性能を発揮するための緩衝体の厚さにまで復元でき、防舷体の交換頻度を低減できる。また、外部からの衝撃により緩衝体が圧縮変形して船体に直接的に衝撃が加えられることを抑制できる。
上記防舷体において、前記第1発泡層は、JISK6767(2002)に準じた圧縮歪試験において圧縮永久歪が圧縮後24時間で3%よりも大きくなり、前記第2発泡層は、JISK6767(2002)に準じた圧縮歪試験において圧縮永久歪が圧縮後24時間で3%未満となることが好ましい。
この構成によれば、防舷体の外部から第2発泡層に衝撃が加えられた場合、復元力の高い第2発泡層によって、緩衝体に生じた歪みを復元し易くなる。
上記防舷体においては、前記緩衝体を覆う外装体と、前記緩衝体と前記外装体とを船体に取り付ける紐体とをさらに備え、前記紐体は、前記緩衝体と前記外装体との間を通じて前記外装体に通されていることが好ましい。
この構成によれば、防舷体の外部から外装体の外表部に向けた紐体に対する衝撃は、紐体の外側に位置する外装体によって緩和される。これにより、防舷体の外部からの衝撃によって紐体が損傷したり切断されたりする可能性を抑制できる。したがって、防舷体が船体から脱落することを抑制できる。
上記防舷体において、前記第1発泡層は、前記第2発泡層に接合された層であって前記第2発泡層よりも船体側に位置することが好ましい。
この構成によれば、第1発泡層が第2発泡層よりも船体側に位置するため、第1発泡層が船体の外部から直接的に衝撃を受けることが抑制される。すなわち、防舷体が船体の外部から衝撃を受ける場合、圧縮応力のより低い第2発泡層が衝撃を受けて圧縮応力のより高い第1発泡層を押す。これにより、第1発泡層と第2発泡層とが剥離することが抑制される。
上記防舷体によれば、高い復元力による緩和性能及び高い圧縮応力による緩和性能を兼ね備えることができる。
防舷体の一実施形態の正面側の斜視図。 図1の防舷体の背面側の斜視図。 図1の防舷体が取り付けられた船舶の側面図。 緩衝体の斜視図。 外装体及び展開した緩衝体の分解斜視図。 緩衝体及び展開した外装体の斜視図。 防舷体の背面図。 実施例及び比較例の緩衝体の圧縮応力と歪み量との関係を示す図。 連結体が取り付けられた他の実施形態における外装体の斜視図。 連結体が取り付けられた他の実施形態における外装体の側面図。
(実施形態)
以下、防舷体の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1及び図2に示すように、防舷体1は、発泡体である緩衝体10と、緩衝体10を覆う外装体20と、外装体20に取り付けられた複数の紐体30と、外装体20が緩衝体10を覆った状態を保持するために外装体20の端部を互いに連結する複数の連結体40とを備える。本実施形態では、防舷体1は、3本の紐体30と、6本の連結体40(図2では4本のみを図示)とを備える。紐体30は、帯状を有する。連結体40の一例は、ロープである。なお、紐体30及び連結体40の個数は任意に変更可能である。
図3は、船舶100の船体110への防舷体1の取付構造の一例を示している。図3では、複数の防舷体1が船体110の船首部120に船首側から船尾側に向けて並べられている。各防舷体1において、紐体30の第1取付部31は、船体110のデッキに設けられたバウレール130に固定され、紐体30の第2取付部32は、船体110の下部に設けられたポール140に固定されている。このように、防舷体1は、船舶100が接岸するとき、又は、船舶100が係留中に波や風で動揺するときに、船体110と接岸面との間で船体110と接岸面とが互いに押す力や摩擦力が働くことにより船体110及び接岸先の構造物が損傷することを抑制する。また、防舷体1は、船舶100と他の船舶が衝突するときに、船体110と他の船舶の船体との直接的な衝突を回避することにより、船体110が損傷することを抑制できる。
図1〜図3に示すように、外装体20は、船体110と対向するための部位である内表部21と、内表部21とは反対側の外表部22とを備える。複数の連結体40は、緩衝体10よりも内表部21側に位置している。複数の紐体30は、外表部22と緩衝体10との間を通じて外装体20に通されている。
図4に示すように、緩衝体10は、直方体状を有する。例示される緩衝体10の寸法は、短辺1000mm、長辺1500mm、厚み200mmである。緩衝体10は、第1発泡層11と第2発泡層12との積層体から構成される二層構造体である。緩衝体10が外装体20に覆われたとき、第1発泡層11は外装体20の内表部21(図2参照)の内面と対向し、第2発泡層12は外表部22(図1参照)の内面と対向する。このため、防舷体1が船体110に取り付けられた状態(図3参照)において、第1発泡層11は第2発泡層12よりも船体110側に位置する。緩衝体10は、高い圧縮応力と高い復元力とによる緩和性能を兼ね備えており、JISK6767(2002)に準じた圧縮試験において、50%歪時の圧縮応力が0.23MPa以上であり、同じくJISK6767(2002)に準じた圧縮歪試験において、圧縮永久歪が圧縮後24時間で10%以下である。
第1発泡層11と第2発泡層とは異なる材料の発泡体であって、第1発泡層11が有する物性値と、第2発泡層12が有する物性値とは、互いに異なる。詳細には、第1発泡層11と第2発泡層12とが同じ発泡倍率のとき、第1発泡層11の圧縮応力は、第2発泡層12の圧縮応力よりも高く、第2発泡層12の復元力は、第1発泡層11の復元力よりも高い。
第1発泡層11は、日本工業規格(JIS)により規定された圧縮歪試験(JISK6767:2002)によって、圧縮永久歪が圧縮後30分及び24時間で3%以上となる発泡体であることが好ましい。第1発泡層11の一例は、熱可塑性樹脂の発泡性粒子を型内成形することによって成形される発泡体(ビーズ法発泡体)であって、発泡倍率20倍以上かつ60倍以下のスチレン改質ポリオレフィン系樹脂の発泡体が好ましい。スチレン改質ポリオレフィン系樹脂は、ポリオレフィン系樹脂粒子にスチレン系単量体を含浸重合させて得られたものであり、スチレン改質ポリオレフィン系樹脂の中でも、スチレン改質ポリエチレン樹脂が好ましく、例えば、スチレン成分の割合10〜60重量%、好ましくは20〜50%である。本実施形態の第1発泡層11は、発泡倍率30倍のスチレン改質ポリエチレン系樹脂の発泡体(積水化成品工業製、ピオセラン(登録商標))である。
第2発泡層12は、日本工業規格(JIS)により規定された圧縮歪試験(JISK6767:2002)によって圧縮永久歪が圧縮後30分及び24時間で3%未満となる発泡体であることが好ましい。第2発泡層12の一例は、ポリオレフィン系樹脂、発泡剤及び各種添加剤の溶融混練物を板状に押出成形し、冷却して得られる発泡体であって、発泡倍率10倍以上かつ30倍以下のポリエチレン系樹脂の発泡体が好ましい。ポリエチレン系樹脂は、エチレンの単独重合体、エチレンと他の単量体との共重合体をいう。他の単量体とは、酢酸ビニル、プロピレン、スチレン、メタクリル酸メチル、アクリロニトリル、塩化ビニル、ブテン、ブタジエン、ヘキセン、メチルペンテン、オクテン等である。他の単量体成分は50重量%以下とする。エチレンの単独重合体は、低密度ポリエチレンでも、高密度ポリエチレンでもよい。このような材料で第2発泡層12が構成されることにより、第2発泡層12が復元性及び耐候性に優れる一方、燃焼し難くなる。本実施形態の第2発泡層12は、発泡倍率15倍のポリエチレン系樹脂の発泡体(積水化成品工業製、ライトロン(登録商標)ボード)である。
第2発泡層12の厚さT2に対する第1発泡層11の厚さT1の比率(T1/T2)は、0.2以上かつ5.0以下であることが好ましいが、第1発泡層11の厚さT1は、第2発泡層12の厚さT2よりも厚いことが好ましい。本実施形態では、第2発泡層12の厚さT2に対する第1発泡層11の厚さT1の比率(T1/T2)は、3である。
第1発泡層11と、第2発泡層12とは、接着剤を介して接着される。接着剤は第1発泡層11と第2発泡層12とを接着することができるものであればよく、公知の接着剤を使用できる。接着剤としては、例えば、エラストマー系接着剤、エマルジョン系接着剤、熱硬化性樹脂系接着剤、ホットメルト系接着剤、ローメルト系接着剤等が挙げられ、接着性と耐水性に優れるエラストマー系接着剤、ローメルト系接着剤が好ましい。
エラストマー系接着剤としては、例えば、スチレンブタジエンゴム系接着剤(コニシ株式会社製、品番:GPクリアー)が挙げられる。ローメルト系接着剤としては、例えば、EVA系接着剤(スリーエムジャパン株式会社製、品番:3792−LMQ)が挙げられる。エラストマー系接着剤、および、ローメルト系接着剤は、それぞれ1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、第1発泡層11と第2発泡層とを熱融着によって接着させてもよい。
なお、緩衝体10の形状は任意に変更可能である。例えば、緩衝体10の形状は円柱であってもよい。また、第1発泡層11及び第2発泡層12の材料、発泡倍率、厚さT1,T2は任意に変更可能である。例えば、第1発泡層11の厚さT1が第2発泡層12の厚さT2以下であってもよい。
図5に示すように、外装体20は、内表部21及び外表部22を含むシート23を備える。シート23は、例えばターポリン製である。シート23は、外装体20の外表部22を構成する長方形状の外表部22と、外表部22における一対の短辺から延びる一対の第1側部24と、外表部22における一対の長辺から延びる一対の第2側部25とから構成されている。なお、以降の説明において、シート23の長辺に沿う方向を「横方向X」とし、シート23の短辺に沿う方向を「縦方向Y」と称する。
外表部22の内面22aには、3本の通路用シート26が固定されている。本実施形態の通路用シート26は、外表部22の内面22aに縫い付けられている。通路用シート26は、例えばターポリン製である。3本の通路用シート26は、縦方向Yに間隔を空けて配置されている。通路用シート26は、紐体30の延在方向に沿って延びる帯状を有する。本実施形態の通路用シート26は、横方向Xにおいて外表部22の全体に亘る長さを有する。通路用シート26は、緩衝体10と外表部22との間において、紐体30が通される通路26aを区画している。なお、通路用シート26を構成する材料は、任意に変更可能である。例えば、通路用シート26を構成する材料は、シート23を構成する材料と異なってもよい。また通路用シート26の外表部22の内面22aへの固定方法は、任意に変更可能である。例えば、通路用シート26は、接着剤により外表部22の内面22aに固定されてもよい。
第1側部24の基端側において3本の通路用シート26に対応する部分のそれぞれには、紐体挿入孔24aが位置している。紐体挿入孔24aは、縦方向Yが長手方向となる長穴である。第1側部24の先端部には、3個の挿入孔24bが位置している。3個の挿入孔24bの位置は、縦方向Yにおいて3個の紐体挿入孔24aの位置と同じである。なお、3個の挿入孔24bの位置は、任意の設定事項である。例えば、3個の挿入孔24bの位置は、縦方向Yにおいて3個の紐体挿入孔24aとは異なる位置であってもよい。
第1側部24の内面における縦方向Yの両端部には、面ファスナー部24cが備えられている。面ファスナー部24cは、第1側部24の先端部寄りに位置している。面ファスナー部24cは、横方向Xに延びる帯状を有する。
第2側部25の先端部には、横方向Xに間隔を空けて3個の挿入孔25aが位置している。第2側部25の外面における横方向Xの両端部には、面ファスナー部25bが備えられている。面ファスナー部25bは、第2側部25の先端部寄りに位置している。面ファスナー部25bは、横方向Xに延びる帯状を有する。
紐体30は、外表部22の内面22a側に位置する通路用シート26の内面22a側にそれぞれに通される。紐体30は、両側の紐体挿入孔24aを通じて外装体20の外部に露出している。本実施形態の紐体30は、一方の紐体挿入孔24a、通路用シート26の通路26a、及び他方の紐体挿入孔24aの順に通された後、折返して、他方の紐体挿入孔24a、通路用シート26の通路26a、及び一方の紐体挿入孔24aの順に通される。このため、一方の紐体挿入孔24aから外装体20の外部に露出する紐体30は、紐体30の両端部を有し、他方の紐体挿入孔24aから外装体20の外部に露出する紐体30は、環状に形成される。本実施形態では、紐体30の第1取付部31は、一方の紐体挿入孔24aから外装体20の外部に露出する部分であり、紐体30の第2取付部32は、他方の紐体挿入孔24aから外装体20の外部に露出する部分である。
このような構成の外装体20は、緩衝体10を次のように覆う。
図5に示すように、緩衝体10が外装体20の外表部22の内面22aに載せられる。そして、第2側部25における横方向Xに沿う内縁を中心に第2側部25が谷折される。これにより、第2側部25は、緩衝体10の横方向Xの側面を覆う。
次に、第2側部25の中央における横方向Xに沿う谷折線V2を中心に第2側部25が谷折りされる。これにより、図6に示すように、第2側部25は、第1発泡層11における第2発泡層12側の面とは反対側の面である内表面を覆う。このため、第2側部25において第1発泡層11の内表面を覆う部分が外装体20の内表部21を構成している。すなわち、第2側部25において谷折線V2(図5参照)よりも先端側の部分が内表部21を構成している。このとき、第2側部25の面ファスナー部25bは、内表部21に位置している。そして、一対の第2側部25の挿入孔25aのうちの縦方向Yに対応する挿入孔25aに連結体40が通されて連結体40の両端部が互いに連結される。
次に、第1側部24における縦方向Yに沿う内縁を中心に第1側部24が谷折される。これにより、第1側部24は、緩衝体10の縦方向Yの側面を覆う。そして、第1側部24の中央における縦方向Yに沿う谷折線V1を中心に第1側部24が谷折される。これにより、図7に示すように、第1側部24は、緩衝体10の内表面を覆う。このため、第1側部24において緩衝体10の内表面を覆う部分が外装体20の内表部21を構成している。すなわち、第1側部24において谷折線V1(図6参照)よりも先端側の部分が内表部21を構成している。内表部21を構成する第1側部24は、内表部21を構成する第2側部25を覆っている。このとき、第1側部24の面ファスナー部24cは、内表部21において、第2側部25の面ファスナー部25bと対応する位置に配置され、面ファスナー部25bに接合される。これにより、第1側部24における内表部21と第2側部25における内表部21とを締結する。そして、一対の第1側部24の挿入孔24bのうちの横方向Xに対応する挿入孔24bに連結体40が通されて連結体40の両端部が互いに連結される。このように、外装体20は、緩衝体10から外れることなく、緩衝体10を覆う。
以上説明したように、上記実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)第1発泡層11と第2発泡層12とが重なることによって、50%歪時の圧縮応力が0.23MPa以上であり、圧縮永久歪が圧縮後24時間で10%以下である緩衝体を実現できる。このため、船体110に向けて加えられる衝撃を緩衝する緩和性能と、衝撃によって生じた緩衝体10の歪みを復元する緩和性能とを兼ね備えることができる。
(2)圧縮応力の高い第1発泡層11が外部から衝撃を受ける場合、第1発泡層11において衝撃を受ける面の全体で第1発泡層11は衝撃を受ける。一方、圧縮応力の低い第2発泡層12が外部から衝撃を受ける場合、第2発泡層12において衝撃を受ける面の一部で第2発泡層12は衝撃を受ける。このため、第1発泡層11が外部から衝撃を受ける場合、第1発泡層11が第2発泡層12を押す力により、第2発泡層12の一部が変形する。これにより、第1発泡層11と第2発泡層12とが剥離するおそれがある。
その点、本実施形態では、第1発泡層11が第2発泡層12よりも船体110側に位置するため、第1発泡層11が外部から直接的に衝撃を受けることが抑制される。すなわち、防舷体1が外部から衝撃を受ける場合、第2発泡層12が衝撃を受け、第2発泡層12が第1発泡層11を押す。これにより、第2発泡層12から第1発泡層11に加えられる力は、第1発泡層11の力を受ける面の全体で受けるため、第1発泡層11と第2発泡層12とが剥離することが抑制される。
(3)第1発泡層11は、発泡倍率20倍以上かつ60倍以下、より好ましくは50倍以下のスチレン改質ポリオレフィン系樹脂の発泡体である。また、第2発泡層12は、発泡倍率10倍以上かつ30倍以下、より好ましくは15倍以下のポリエチレン系樹脂の発泡体である。そして、第2発泡層12の厚さに対する第1発泡層11の厚さの比率が、0.2以上かつ5.0以下である場合には、緩衝体10が船体110への外部からの衝撃を緩衝する緩和性能を発揮するための緩衝体10の厚さにまで復元でき、防舷体1の交換頻度を低減できる。また、外部からの衝撃により緩衝体10が圧縮変形して船体110に直接的に衝撃が加えられることを抑制できる。
(4)第2発泡層12は、JISK6767(2002)に準ずる圧縮歪試験によって圧縮永久歪が圧縮後30分及び24時間で3%未満となるポリオレフィン系発泡樹脂により構成されるため、緩衝体10が高い復元力を有する。したがって、緩衝体10に生じた歪みを復元し易くなる。
(5)紐体30は、外装体20の外表部22と緩衝体10との間に通されている。これにより、紐体30が外装体20の外表部22の外面側に露出しないため、防舷体1の外部から外表部22に構造物(例えば、他の船舶や接岸を構成する構造物)が衝突したとき、構造物は外装体20の外表部22と衝突する。したがって、防舷体1と構造物とが衝突しても、構造物が紐体30に直接衝突することが回避されるため、紐体30が損傷したり切断されたりする可能性が低くなる。その結果、緩衝体10が船体110から脱落することを抑制できる。
(6)外表部22の内面22aに設けられた通路用シート26の通路26aに紐体30が通されるため、その紐体30と緩衝体10とが接触することが抑制される。したがって、防舷体1の外部から外表部22に衝撃が加えられたとき、又は紐体30が船体110に取り付けられるときに紐体30が緩衝体10に向けて押されても緩衝体10に食い込むことが抑制される。その結果、紐体30によって緩衝体10が損傷することが抑制される。
また、防舷体1の上端部から海水や雨水の流入があったとき、海水や雨水は外装体20の上端部側の紐体挿入孔24aから外装体20内に浸入する場合がある。しかし、上端部側の紐体挿入孔24aから浸入する海水や雨水は、通路用シート26と外表部22の内面22aとの間(通路26a)を通り、下端部側の紐体挿入孔24aから防舷体1よりも下方に流れる。このように、防舷体1の上端部から海水や雨水の流入があったとしても防舷体1の内部に海水や雨水が浸入することを抑制できる。
加えて、通路26a内において紐体30がその延在方向に移動可能であるため、紐体30の第1取付部31及び第2取付部32の長さを調整することができる。したがって、船体110に対する防舷体1の配置位置を調整することができる。
(7)外装体20がターポリン製であるため、構造物が衝突しても外装体20が損傷し難く、そのため、外装体20の損傷に起因して海水や雨水が外装体20を通じて緩衝体10に浸入することを抑制できる。
(8)外装体20の内表部21に設けられた面ファスナー部24c,25bが互いに接合されるため、内表部21を構成する第1側部24及び第2側部25が互いに剥がれることが抑制される。したがって、内表部21を構成する第1側部24及び第2側部25の間から海水や雨水が浸入し難くなる。
(9)連結体40により一対の第1側部24同士を連結し、一対の第2側部25同士を連結しているため、外装体20の内表部21を構成する一対の第1側部24及び一対の第2側部25が緩衝体10から剥がれることが抑制される。
(実施例)
次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
実施例1〜8の緩衝体及び比較例1〜4の緩衝体を用いて、所定量に亘り歪ませたときの圧縮応力及び所定時間に亘り歪ませた後の歪量を確認する試験を実施した。
〔実施例1〜8及び比較例1〜4の緩衝体のサイズ及び材料〕
実施例1〜8の緩衝体及び比較例1〜4の緩衝体のサイズは、JISK6767(2002)における試料片のサイズに準じたサイズであり、縦寸法が50mm、横寸法が50mm、厚さ寸法が40mmである。
実施例1の緩衝体を構成する材料は、30倍の発泡倍率を有するピオセラン(PO)及び発泡倍率が15倍のライトロン(登録商標)ボード(EPE)である。実施例1の緩衝体において第1発泡層となるピオセラン(登録商標)で構成された層の厚さは30mmであり、第2発泡層となるライトロン(登録商標)ボードで構成された層の厚さは10mmである。すなわち、第2発泡層の厚さに対する第1発泡層の厚さの比率は3である。
実施例2及び3の緩衝体は、実施例1の緩衝体における第1発泡層と第2発泡層との厚さを変更し、厚さ以外の条件を実施例1と同じくしたものである。
実施例2の緩衝体において第1発泡層の厚さは約33.3mmであり、第2発泡層の厚さは約6.7mmである。すなわち、実施例2の緩衝体における第2発泡層の厚さに対する第1発泡層の厚さの比率は5である。
実施例3の緩衝体において第1発泡層の厚さは約6.7mmであり、第2発泡層の厚さは約33.3mmである。すなわち、実施例3の緩衝体における第2発泡層の厚さに対する第1発泡層の厚さの比率は0.2である。
実施例4の緩衝体は、実施例1の緩衝体における第1発泡層の発泡倍率及び第2発泡層の発泡倍率のそれぞれを変更し、発泡倍率以外の条件を実施例1と同じくしたものである。実施例4の緩衝体において第1発泡層は20倍の発泡倍率を有し、第2発泡層は10倍の発泡倍率を有する。
実施例5及び6の緩衝体は、実施例4の緩衝体における第1発泡層と第2発泡層との厚さを変更し、厚さ以外の条件を実施例4と同じくしたものである。
実施例5の緩衝体において第1発泡層の厚さは32mmであり、第2発泡層の厚さは8mmである。すなわち、実施例5の緩衝体における第2発泡層の厚さに対する第1発泡層の厚さの比率は4である。
実施例6の緩衝体において第1発泡層の厚さは約33.3mmであり、第2発泡層の厚さは約6.7mmである。すなわち、実施例6の緩衝体における第2発泡層の厚さに対する第1発泡層の厚さの比率は5である。
実施例7の緩衝体は、実施例3の緩衝体における第1発泡層の発泡倍率を変更し、第1の発泡層の発泡倍率以外の条件を実施例3と同じくしたものである。実施例7の緩衝体において第1発泡層は50倍の発泡倍率を有する。
実施例8の緩衝体は、実施例2の緩衝体における第1発泡層の発泡倍率を変更し、第1の発泡層の発泡倍率以外の条件を実施例2と同じくしたものである。実施例8の緩衝体において第1発泡層は50倍の発泡倍率を有する。
比較例1の緩衝体は、単一層であり、比較例1の緩衝体を構成する材料は、30倍の発泡倍率を有するピオセラン(登録商標)である。
比較例2の緩衝体は、単一層であり、比較例2の緩衝体を構成する材料は、15倍の発泡倍率を有するピオセラン(登録商標)である。
比較例3の緩衝体は、単一層であり、比較例3の緩衝体を構成する材料は、15倍の発泡倍率を有するライトロン(登録商標)ボードである。
比較例4の緩衝体は、単一層であり、比較例4の緩衝体を構成する材料は、30倍の発泡倍率を有するポリプロピレン発泡樹脂の発泡体(EPP)である。
〔発泡倍率〕
発泡倍率は、以下のようにして求める。緩衝体を所定の大きさに切り出して試料とする。その試料の大きさ(平面視面積:S)と厚さ(t)とを測定する。試料の大きさと厚さとを乗じて試料の見掛け上の体積(V=S×t(cm))を求める。求めた体積と該試料の質量(M(g))とから、緩衝体10の見掛け密度(d=M/V(g/cm))を算出する。そして、緩衝体を形成している樹脂の密度(例えば、ρ:1.00g/cmとする)を、緩衝体の見掛け密度(d)で除して、緩衝体の発泡倍率(倍)を求める。
発泡倍率(倍)=樹脂の密度(ρ)÷緩衝体の見掛け密度(d)
〔圧縮試験及び圧縮歪試験〕
圧縮試験は、JISK6767(2002)に準じ、実施例1〜8の緩衝体及び比較例1〜4の緩衝体を所定量に亘り歪むように圧縮させたときの圧縮応力を測定する試験である。
圧縮試験で使用した試験機は、テンシロン万能試験機((株)オリエンテック製、MODEL UCT-5T SERIAL NO.36163)及びロードセル((株)オリエンテック製、TYPE UF-5 SERIAL NO.049539)である。圧縮試験では、まずテンシロン万能試験機の一対の圧縮板間に緩衝体をセットし、一対の圧縮板で緩衝体を挟み込む。次に、一対の圧縮板によりJISK6767(2002)に準拠した圧縮試験条件で圧縮した。圧縮試験条件は、圧縮速度が20mm/minであり、圧縮回数が緩衝体1個当たり1回である。そして、緩衝体の50%歪時における圧縮応力を測定した。
圧縮歪試験は、JISK6767(2002)に準じ、実施例1〜8の緩衝体及び比較例1〜4の緩衝体を所定時間に亘り圧縮させた後の歪量を測定する試験である。
圧縮歪試験で使用した試験機及び緩衝材の圧縮方法は、圧縮試験と同様である。圧縮永久歪試験は、圧縮試験条件と比較して次のように条件が異なる。圧縮永久歪試験条件は、緩衝体が25%歪む状態を22時間に亘り保持し、緩衝体への圧縮荷重を除去した時刻から24時間後における歪み量を測定した。これら試験の測定結果を表1及び図8に示す。なお、各比較例の緩衝体における厚さ寸法が10mmである例、及び、各比較例の緩衝体における厚さ寸法が30mmである例についても、表1及び図8に示す対応する各比較例の測定結果と同様の結果が得られる。
Figure 2018095240
表1から、実施例1〜8の緩衝体の圧縮応力は、比較例1の緩衝体の圧縮応力以下であり、比較例2の緩衝体の圧縮応力未満であるものの、比較例3及び4の緩衝体の圧縮応力よりも高いことが確認できる。ピオセラン(登録商標)により構成された比較例1及び2の圧縮応力が高いことから、ピオセラン(登録商標)により構成される第1発泡層によって実施例1〜8の緩衝体の圧縮応力が高くなっていると考えられる。
実施例1〜8の緩衝体の永久歪みは、比較例3の緩衝体の永久歪みよりも大きいものの、比較例1及び2の緩衝体の永久歪みよりも小さいことが確認できる。言い換えれば、実施例1〜8の緩衝体の復元力は、比較例3の緩衝体の復元力よりも低いものの、比較例1及び2の緩衝体の復元力よりも高い。ライトロン(登録商標)ボードにより構成された比較例3の復元力が高いことから、ライトロン(登録商標)ボードにより構成される第2発泡層によって実施例1〜8の緩衝体の復元力が高くなっていると考えられる。
ところで、船体に取り付けられる防舷体では、緩衝体の永久歪み量が10%を超えると、緩衝体が船体への外部からの衝撃を緩衝する緩和性能を発揮するための緩衝体の厚さにまで復元できないおそれがあり、その結果、緩衝体が衝撃を受けた後、防舷体の交換が必要となる。また上記防舷体では、緩衝体の圧縮応力が0.23MPa未満となると、船体への外部からの衝撃により緩衝体が圧縮変形して船体に直接的に衝撃が加えられるおそれがある。このため、緩衝体は、その永久歪み量が10%以下であり、かつ圧縮応力が0.23MPa以上であることが好ましい。
その点、実施例1〜8の緩衝体は、図8に示すとおり、緩衝体の永久歪み量が10%以下であり、かつ、圧縮応力が0.23MPa以上となる。一方、比較例1及び2の緩衝体は、圧縮応力が0.23MPaよりも大きいものの、永久歪み量が10%を超える。比較例3及び4の緩衝体は、永久歪み量が10%以下であるものの、圧縮応力が0.23MPa未満である。
以下、実施例に係る効果を説明する。
上述のように、実施例1〜8の緩衝体は、ピオセラン(登録商標)により構成される第1発泡層及びライトロン(登録商標)ボードにより構成される第2発泡層を有する。言い換えれば、実施例1〜8の緩衝体は、比較例1及び2の緩衝体の特性と、比較例3の緩衝体の特性とを併せ有する。したがって、実施例1〜8の緩衝体は、第1発泡層によって圧縮応力が高くなり、第2発泡層によって復元力が高くなる。このため、実施例1〜8の緩衝体が用いられた防舷体によれば、船体への外部からの衝撃を緩衝する緩和性能と、衝撃によって生じた防舷体の歪みを復元する緩和性能とを兼ね備えることができる。
(変形例)
上記実施形態は、以下のように変更して実施することもできる。
・緩衝体10は、3つ以上の発泡層が積層されて構成されてもよい。例えば、第1発泡層11と第2発泡層12との間に第3発泡層が設けられてもよい。第3発泡層は、第1発泡層11よりも船体110側に設けられてもよく、第2発泡層12よりも船体110とは反対側に設けられてもよい。
・第2発泡層12が第1発泡層11よりも船体110側に位置してもよい。
・外装体20の形状は任意に変更可能である。例えば、外装体20は、緩衝体10を収容可能な袋状を有してもよい。例えば、外装体20は、緩衝体10の裏面全体を覆う形状とすることも可能である。こうした構成によれば、内表部21を構成する2以上の部分の間に隙間が生じることが抑えられるため、これら構成部分の間を通じて内表部21から防舷体の内部に海水や雨水が侵入し難くなる。内表部21を構成する2以上の部分の一例は、一対の第1側部24であり、一対の第1側部24が互いに重なる構成である。こうした構成によれば、互いに重なり合った第1側部24の間に隙間が生じることが抑えられるため、重なり合った第1側部24の間を通じて防舷体の内部に海水や雨水が侵入し難くなる。この際、例えば、一方の第1側部24と他方の第1側部24とのそれぞれに連結体を通すための挿通孔が設けられ、各挿通孔に連結体を通すことによって、一方の第1側部24と他方の第1側部24とが互いに連結される。そして、外装体20が緩衝体10から外れることが抑えられる。
・防舷体1から外装体20を省略してもよい。この場合、紐体30は、緩衝体10に直接固定される。
・紐体30は、帯状に限られず、ロープであってもよい。
・紐体30は、外装体20の外表部22の内面22aに縫い付けられてもよい。この場合、外装体20は、通路用シート26を省略してもよい。
・図9および図10を参照して、外装体20が緩衝体10を収容可能な袋状である一例の詳細を以下に説明する。なお、上記実施形態と重複する構成については、それの説明を省略する。
図9に示すように、外装体70は、外装体70が緩衝体60を覆った状態を保持するために、外装体70の端部を互いに連結する複数の連結体90を備える。なお、以下では、3つの連結体90を備える防舷体の例を説明するが、連結体90の個数は1つ以上であれば任意に変更可能である。
外装体70は、船体110と対向するための部分である内表部71と、内表部71とは反対側の部分である外表部72とを備える。3つの連結体90は、緩衝体60よりも内表部71側に位置している。
外装体70は、長方形状の外表部72と、外表部72の各短辺から別々に延びて折り曲げられた第1側部74と、外表部72の各長辺から別々に延びて折り曲げられた第2側部とから構成されている。内表部71は一対の第1側部74を備え、一方の第1側部74は上生地77であり、他方の第1側部74は下生地78である。なお、外装体70の長辺に沿う方向を横方向Xとし、外装体70の短辺に沿う方向を縦方向Yと称する。上生地77に対する下生地78の相対的な位置は、縦方向Yから見て一定である。図10は、上生地77の先端部、下生地78の先端部、および、下生地78の中間部を、縦方向Yから見た側面図である。
図10に示すように、上生地77の先端部(図10の右側端部)は、横方向Xの全体にわたり二重に折り重ねられた生地端部を備える。上生地77の先端は、生地端部が扁平の筒状を有するように、上生地77の他の部位に縫いつけられている。生地端部は、生地端部を貫通する挿入孔77bを備える。挿入孔77bは、連結体90を通すための貫通孔であり、縦方向Yに等間隔を空けて並ぶ。上生地77が二重に折り重ねられた生地端部は、連結体90の張力に対して、十分な強度を確保している。上生地77の先端部は、生地端部よりも基端側に、面ファスナー部77eを備える。面ファスナー部77eは、上生地77における緩衝体60側(図10の下側)の側面に位置する。面ファスナー部77eは、横方向Xの全体に亘る帯状を有する。
下生地78の先端部(図10の左側端部)は、上生地77の先端部よりも、緩衝体60の側(図10の下側)に位置する。下生地78の先端部は、下生地78に対する上生地77側(図10の上側)に、面ファスナー部78eを備える。面ファスナー部78eは、横方向Xの全体に亘る帯状を有する。上生地77の先端部は、2つの面ファスナー部77e,78eを互いに対向させ、かつ、下生地78の先端部を内表部71で露出させないように、下生地78の先端部を覆う。
下生地78の中間部は、内表部71において、上生地77の先端部に覆われない部分である。下生地78の中間部は、縦方向Yに連続する谷折線V3、および、縦方向Yに連続する谷折線V4を備える。下生地78の中間部において、谷折線V3と谷折線V4とは、互いに縫い合わせられ、谷折線V3と谷折線V4とに挟まれた部分は、下生地78が二重に折り重ねられた扁平の筒状部Oを構成している。下生地78の筒状部Oは、筒状部Oを貫通する挿入孔78bを備える。挿入孔78bは、連結体90を通すための貫通孔であり、下生地78は、縦方向Yに等間隔を空けて並ぶ。下生地78が二重に折り重ねられた筒状部Oは、連結体90の張力に対して、十分な強度を確保している。
上述した構成の外装体70が緩衝体60を覆うとき、図6で説明したように、外装体70が折り畳まれ、さらに、上生地77の先端部が下生地78の先端部に重ねられて、一対の第1側部74による内表部71が構成される。また、上生地77の面ファスナー部77eと、下生地78の面ファスナー部78eとが締結される。そして、上生地77の挿入孔77bと、下生地78の挿入孔78bとに連結体90が通されて、連結体90の両端部が互いに連結される。これによって、外装体70は、緩衝体60から外れることなく、緩衝体60を覆うことが可能となる。なお、図9および図10を用いて説明した外装体70であれば、この外装体70で覆われる緩衝体の発泡層を、例えば単層にすることも可能である。緩衝体の発泡層を単層で構成する場合であれ、上生地77の先端部と下生地78の先端部とが互いに重なる上記外装体70であれば、内表部21から防舷体の内部に海水や雨水が侵入し難く、また、連結体の張力に対して十分な強度を得ること、および、内表部21と対向する側から連結体による締結を行うことを容易なものとすることが可能ともなる。
1…防舷体、10…緩衝体、11…第1発泡層、12…第2発泡層、20…外装体、30…紐体、110…船体。

Claims (6)

  1. 緩衝体を備えた防舷体であって、
    前記緩衝体は、
    第1発泡層と、
    前記第1発泡層に重なる第2発泡層と
    を含み、
    前記緩衝体は、JISK6767(2002)に準じた圧縮試験において、50%歪時の圧縮応力が0.23MPa以上であり、JISK6767(2002)に準じた圧縮歪試験において、圧縮永久歪が圧縮後24時間で10%以下である
    防舷体。
  2. 前記第1発泡層は、発泡倍率20倍以上かつ60倍以下のスチレン改質ポリオレフィン系樹脂の発泡体であり、
    前記第2発泡層は、発泡倍率10倍以上かつ30倍以下のポリエチレン系樹脂の発泡体であり、
    前記第2発泡層の厚さに対する前記第1発泡層の厚さの比率は、0.2以上かつ5.0以下である
    請求項1に記載の防舷体。
  3. 前記第1発泡層は、発泡倍率20倍以上かつ50倍以下のスチレン改質ポリオレフィン系樹脂の発泡体であり、
    前記第2発泡層は、発泡倍率10倍以上かつ15倍以下のポリエチレン系樹脂の発泡体であり、
    前記第2発泡層の厚さに対する前記第1発泡層の厚さの比率は、0.2以上かつ5.0以下である
    請求項1または2に記載の防舷体。
  4. 前記第1発泡層は、JISK6767(2002)に準じた圧縮歪試験において圧縮永久歪が圧縮後24時間で3%よりも大きくなり、
    前記第2発泡層は、JISK6767(2002)に準じた圧縮歪試験において圧縮永久歪が圧縮後24時間で3%未満となる
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の防舷体。
  5. 当該防舷体は、
    前記緩衝体を覆う外装体と、
    前記緩衝体と前記外装体とを船体に取り付ける紐体と
    をさらに備え、
    前記紐体は、前記緩衝体と前記外装体との間を通じて前記外装体に通されている
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の防舷体。
  6. 前記第1発泡層は、前記第2発泡層に接合された層であって前記第2発泡層よりも船体側に位置する
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の防舷体。
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