JP2016093115A - アメリカンドッグ用ミックス、アメリカンドッグの製造方法及びアメリカンドッグ - Google Patents

アメリカンドッグ用ミックス、アメリカンドッグの製造方法及びアメリカンドッグ Download PDF

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Masaki Furuta
雅彬 古田
孝進 平岡
Takayuki Hiraoka
孝進 平岡
奈美 小堀
Nami Kobori
奈美 小堀
修湛 陳
Xiu Zhan Chen
修湛 陳
千恵子 玉井
Chieko Tamai
千恵子 玉井
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Abstract

【課題】外観、食感とも良好なアメリカンドッグが得られるアメリカンドッグ用ミックス、それを用いたアメリカンドッグの製造方法及びアメリカンドッグを提供する。
【解決手段】このアメリカンドッグ用ミックスは、熱処理小麦粉を含む小麦粉、砂糖、及び膨張剤を含有するアメリカンドッグ用ミックスであって、ミョウバン及び/又は焼ミョウバンを含まず、該ミックス100gに40℃の水80mLを加えて撹拌したとき、撹拌開始から10分間で、前記膨張剤によるガス発生総量の理論値に対して45〜55%の累積ガス量を発生するように調整されたものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、外観や食感が良好なアメリカンドッグが得られるアメリカンドッグ用ミックス、それを用いたアメリカンドッグの製造方法及びアメリカンドッグに関する。
アメリカンドッグは、串に刺したソーセージ等の具材を、小麦粉、砂糖、膨張剤を主成分とするバッターで被覆し、油ちょうすることにより得られる。その独特の外観や食感により、子供から大人まで人気のある食品である。
従来、アメリカンドッグに関しては、特にその食感の改良の観点から様々な研究がなされている。例えば、下記特許文献1には、アメリカンドッグ用バッターミックスに油ちょうしたパン粉を含有させたことを特徴とする電子レンジ調理用油ちょう済アメリカンドッグ用衣材が開示されている。そして、その衣材によれば、油ちょう済アメリカンドッグを電子レンジ調理しても、再フライ調理したものと同様のクリスピー感のあるアメリカンドッグの衣が得られることが記載されている。
また、下記特許文献2には、粗蛋白質含量9〜12質量%の薄力系小麦粉を80〜100℃で湿熱処理してなり、グルテンバイタリティが45〜55%でありかつ実質的にα化されていない熱処理薄力小麦粉を含有することを特徴とするアメリカンドッグ用ミックスが開示されている。そして、そのミックスによれば、衣付けの際には、粘らずスムースな衣付けが可能なバッター液となり、調理後はボリュームのある外観と、表面はなめらかで歯もろくサクサクとし、内相は口溶けのよい食感の衣が形成されることが記載されている。
また、下記特許文献3には、起泡力がロスマイルス法で10〜50mmである起泡剤を含有することを特徴とするアメリカンドッグ用ミックスが開示されている。そして、そのミックスによれば、ボリュームのある外観と、表面はなめらかで歯もろくサクサクとし、内相は口溶けのよい食感の衣が得られ、かつ経時的食感の低下や冷凍保存後の再加熱後の衣の食感の低下のないアメリカンドッグが得られることが記載されている。
特開平8−298948号公報 特開2014−68550号公報 特開2014−68551号公報
アメリカンドッグの衣は、ボリューム感のある外観であって、衣の表相はサクみがあり軽く、衣の内相はソフトでひきがない食感を有することが望まれている。
しかしながら、従来のアメリカンドッグ用ミックスを用いて製造されたアメリカンドッグの衣は、ボリューム感が乏しく、ひきのある硬い食感になったり、先端が尖った形状になり、もろい食感になって、冷凍して電子レンジ解凍したときに、割れを生じやすくなったりする不都合があった。
一方、近年、アルミニウムの中枢神経障害など、健康への影響が報告されていることから、アルミニウムを含む焼ミョウバンを使用した膨張剤が敬遠される傾向がある。しかし、本発明者らの研究によれば、焼ミョウバンを含まない膨張剤を使用したアメリカンドッグ用ミックスにおいては、特に上記のような不都合が生じやすいという傾向があった。
よって、本発明の目的は、全体に丸みを帯びたふっくらとしたボリューム感のある外観であって、衣の表相はサクみがあり軽く、衣の内相はソフトでひきがない食感を有するアメリカンドッグが得られるアメリカンドッグ用ミックス、それを用いたアメリカンドッグの製造方法及びアメリカンドッグを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明者らが鋭意研究したところ、アメリカンドッグは、油ちょうの際、バッターに含まれる膨張剤がガスを発生してバッターが膨張しつつ、加熱油の温度で固化することにより衣が形成されるので、そのガス発生の特性が、得られる衣の外観や食感を改善する上で重要であることを見出した。
すなわち、本発明のアメリカンドッグ用ミックスは、熱処理小麦粉を含む小麦粉、砂糖、及び膨張剤を含有するアメリカンドッグ用ミックスであって、ミョウバン及び/又は焼ミョウバンを含まず、該ミックス100gに40℃の水80mLを加えて撹拌したとき、撹拌開始から10分間で、前記膨張剤によるガス発生総量の理論値に対して45〜55%の累積ガス量を発生するように調整されたものであることを特徴とする。
本発明のアメリカンドッグ用ミックスによれば、これを用いたバッターで串を刺したソーセージ等の具材を被覆し、油ちょうすることによって、アメリカンドッグを得ることができる。そして、油ちょうの際、膨張剤のガス発生によってバッターが膨張する速度と、加熱油の温度でバッターが固化する速度とが、よくバランスして、具材の表面に充分に膨張した衣が均一な厚さで形成され、外観、食感とも良好なアメリカンドッグを得ることができる。また、冷凍又は冷蔵保存した後、食する際に電子レンジやオーブン等で再加熱しても、表面に割れなどが生じることがなく、油ちょう直後の良好な食感も維持される。更に、ミョウバン及び/又は焼ミョウバンを含まないので、中枢神経障害など健康への影響も報告されているアルミニウムの摂取を避けることができる。
本発明のアメリカンドッグ用ミックスにおいては、前記膨張剤は、炭酸水素ナトリウムを含むアルカリ性剤と、酒石酸、フマル酸、及びそれらの塩からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含む速効性酸性剤と、リン酸塩、ピロリン酸塩、及びグルコノデルタラクトンからなる群より選ばれる1種又は2種以上を含む遅効性酸性剤とを含むものであることが好ましい。これによれば、上記条件における累積ガス量の範囲を満たし、かつ、ミョウバン及び/又は焼ミョウバンを含まないミックスを好適に得ることができる。
また、上記態様において、前記膨張剤は、炭酸水素ナトリウムを含むアルカリ性剤と、酒石酸水素カリウムを含む速効性酸性剤と、第一リン酸カルシウム及び酸性ピロリン酸ナトリウムを含む遅効性酸性剤とを含むものであることが好ましい。これによれば、上記条件における累積ガス量の範囲を満たし、かつ、ミョウバン及び/又は焼ミョウバンを含まないミックスを更に好適に得ることができる。
本発明のアメリカンドッグ用ミックスにおいては、前記小麦粉を30〜80質量%、前記砂糖を10〜35質量%、前記膨張剤を1〜5質量%含有することが好ましい。
一方、本発明のアメリカンドッグの製造方法は、アメリカンドッグ用ミックスを用いてバッターを作り、串を刺した具材に前記バッターを被覆し、加熱油に浸漬して油ちょうすうことを特徴とする。
また、本発明のアメリカンドッグは、上記方法によって得られたものである。
本発明のアメリカンドッグは、油ちょうされた後、冷凍又は冷蔵保存され、電子レンジで再加熱されて食されるものであることが好ましい。
本発明によれば、上記アメリカンドッグ用ミックスを用いてアメリカンドッグを製造することにより、全体に丸みを帯びたふっくらとしたボリューム感のある外観であって、衣の表相はサクみがあり軽く、衣の内相はソフトでひきがない食感を有するアメリカンドッグが得られる。また、こうして得られたアメリカドッグは、冷凍又は冷蔵保存され、電子レンジ等で再加熱された場合であっても、衣が割れにくい。
試験例2において比較したガス発生量の結果を示す図表である。 試験例3において比較したアメリカンドッグの外観を示す写真である。
本発明のアメリカンドッグ用ミックスは、小麦粉、砂糖、及び膨張剤を含有し、特にその膨張剤によるガス発生の特性に特徴がある。具体的には、ミックス100gに40℃の水80mLを加えて撹拌したとき、撹拌開始から10分間で、膨張剤によるガス発生総量の理論値に対して45〜55%の累積ガス量を発生するように調整されたものである。より好ましくは、上記条件を満たし、且つ、撹拌開始から40分間経っても、累積ガス量が、膨張剤によるガス発生総量の理論値に対して45〜55%となるように調整されたものである。
上記条件における累積ガス量が多すぎると、油ちょうの際、加熱油に浸漬したとき、具材を覆うバッターが重力で下に移行する前にバッターが膨脹してしまうため、全体に丸みを帯びたふっくらとした外観にならず、また、先端が細くなることから、冷凍又は冷蔵保存し、電子レンジ等で再加熱したときに、衣に割れが生じやすくなるので好ましくない。また、上記条件における累積ガス量が少なすぎると、油ちょうの際、加熱油に浸漬したとき、具材を覆うバッターの外側がいち早く固化してしまって、バッターが充分に膨張することができず、ボリューム感のある外観にならず、また、吸油が少なくなって衣の表相にサクみがなく、衣の内相の食感もひきがあり硬くなるので好ましくない。
ガス発生総量の理論値は、膨張剤として含まれるアルカリ剤と酸性剤の中和反応により生じ得るCOのモル量から気体の状態方程式により計算できる。このとき、アルカリ剤と酸性剤との中和反応当量について過不足がある場合には、中和反応により生じ得るCOのモル量に、余分のアルカリ剤の自己分解(熱分解)反応により生じ得るCOのモル量をも加えて、その合計のモル量から気体の状態方程式により計算できる。また、実際の累積ガス量は、従来公知の方法によって測定することができ、例えば、フラスコ内に試料を入れて定温状態で撹拌しながら発生したガスを、目盛り付ガスビューレット等のガス捕集容器に捕集するなどの方法によって測定することができる。
膨張剤によるガス発生の特性は、膨張剤に含まれるアルカリ剤と酸性剤の種類の組み合わせや配合比率によって調整することができる。より詳細には、膨張剤に含まれるアルカリ剤と速効性酸性剤と遅効性酸性剤の種類の組み合わせや配合比率によって調整することができる。具体的には、上記条件における累積ガス量を高めたい場合には、速効性酸性剤の配合量を増やし、遅効性酸性剤の配合量を少なくし、上記条件における累積ガス量を低くしたい場合には、遅効性酸性剤の配合量を増やし、速効性酸性剤の配合量を少なくしすればよい。
膨張剤に用いるアルカリ剤や酸性剤としては、食品素材として使用可能なものであればよく、特に制限はない。アルカリ剤としては、例えば、炭酸水素ナトリウムなどが挙げられる。速効性酸性剤としては、例えば、酒石酸、フマル酸、及びそれらの塩などが挙げられ、より詳細には、酒石酸水素カリウム、フマル酸、フマル酸一ナトリウムなどが挙げられる。遅効性酸性剤としては、例えば、リン酸塩、ピロリン酸塩、及びグルコノデルタラクトンなどが挙げられ、より詳細には、第一リン酸カルシウム、酸性ピロリン酸ナトリウム、グルコノデルタラクトンなどが挙げられる。
小麦粉としては、通常のものを用いればよく、特に制限はないが、その少なくとも一部として、熱処理小麦粉を含む。これによれば、衣の表相の食感として、よりサクみのある軽い食感のものが得られる。熱処理小麦粉では、グルテンを形成する蛋白質であるグリアジンとグルテニンとが熱変性し、加水してバッターとするときグルテンが形成され難いので、油ちょうの際、衣の組織が適度に脆くなり、吸油され易いためと考えられる。また、生地を調製する際にだまが形成されにくく、バッターの性状が滑らかとなり、粘度も安定するので、作業性の面でも都合がよい。この場合、熱処理小麦粉と非熱処理小麦粉とを組み合わせて用いることがより好ましい。これによれば、熱処理小麦粉は、グルテンが形成され難いことによってアメリカンドッグの骨格を形成する点で劣る傾向があるが、非熱処理小麦粉を一部配合することにより、その欠点を補いつつ、上記熱処理小麦粉によるメリットを享受することができる。また、それらの配合比率によって、小麦粉全体中の蛋白質の熱変性の程度をより容易に調整することができる。熱処理小麦粉と非熱処理小麦粉の配合比率は、典型的には乾燥質量比にして1:0.1〜4.0が好ましく、1:0.1〜1.5がより好ましい。
熱処理小麦粉は、一般小麦粉を熱処理して調製されたものを用いてもよく、あるいは小麦粒を熱処理し、その後挽砕することにより調製されたものを用いてもよい。熱処理は、小麦粉中の蛋白質が変性する温度、時間等の条件で行えばよく、湿熱、乾熱のいずれの条件で行ってもよい。熱風乾燥によることもできる。熱処理の程度が弱すぎると、蛋白質の変性による効果が乏しくなる傾向がみられる。また、熱処理の程度が強すぎると、揚げ色がくすみ、食感も硬くなる傾向がみられる。
一般小麦粉を熱処理して調製する場合、典型的には、60〜150℃、好ましくは80〜120℃の温度下で、3〜120分間、好ましくは20〜90分間の熱処理を行う。必要に応じて、例えば、挽砕後の小麦粉に加水をしてから上記のように熱処理を施してもよい。また、上記熱処理後、100〜140℃で気流乾燥を行ってもよい。
また、小麦粒を熱処理し、その後挽砕して調製する場合、50〜140℃、好ましくは55℃〜120℃の温度下で3〜120分間、好ましくは10〜90分間の熱処理を行う。必要に応じて、例えば、小麦粒に加水をしてから上記のように熱処理を施してもよい。また、上記熱処理後、挽砕を行った後に、100〜140℃で気流乾燥を行ってもよい。
本発明の好ましい態様においては、特に、一般小麦粉を熱処理して調製されたものと、小麦粒を熱処理し、その後挽砕することにより調製されたものとを、熱処理小麦粉として併用することが好ましい。これによれば、上記熱処理小麦粉によるメリットを更によりよく享受することができる。一般小麦粉を熱処理して調製されたものと、小麦粒を熱処理し、その後挽砕することにより調製されたものとの配合比率は、典型的には乾燥質量比にして1:0〜10が好ましく、1:1〜5がより好ましい。また、気流乾燥を施した熱処理小麦粉は、バッター粘度の安定化の促進効果に優れているので、これを用いることが更により好ましい。
なお、熱処理に供する小麦粉は、粗蛋白質含量が6.0〜11.0重量%であることが好ましく、7.0〜10.0重量%であることがより好ましい。上記範囲未満ではボリューム感がある外観にならない傾向がみられる。また、上記範囲を超えるとひきのある食感となる傾向がみられる。
砂糖としては、通常のものを用いればよく、特に制限はない。砂糖は、食味を付与すると共に、バッターのグルテンの形成を抑える効果もあるので、これを配合することにより、サクみのある軽い食感が得易くなり、また、バッター性状が滑らかなものを得易く、粘度も安定させ易いので、作業性の面でも都合がよい。
本発明のアメリカンドッグ用ミックスは、上記小麦粉を30〜80質量%、上記砂糖を10〜35質量%、上記膨張剤を1〜5質量%含有することが好ましく、上記小麦粉を40〜70質量%、上記砂糖を15〜30質量%、上記膨張剤を2〜4.5質量%含有することがより好ましい。これにより、上記小麦粉、上記砂糖、及び上記膨張剤が、それぞれの効果的に作用して、優れた品質のアメリカンドッグを得ることができる。
本発明のアメリカンドッグ用ミックスには、必要に応じて、上記の他に、小麦粉以外の穀粉、塩、糖類、澱粉、乳化剤、増粘剤、植物性蛋白質(大豆蛋白等)、卵粉(全卵、卵白、卵黄いずれでもよい)、乳製品(脱脂粉乳等)、食物繊維、調味料、香料、着色料などを含有せしめてもよい。
特に、例えば、乳化剤として、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリンエステルなどは、アメリカンドッグの衣にサクミのある食感を付与し、また、経時的な食感の老化を防止する効果があるので、これらを使用することが好ましい。ミックス中での乳化剤の含有量は0.05〜2.0質量%であることが好ましく、0.1〜1.0質量%であることがより好ましい。
また、砂糖以外の糖類として、例えばグルコース、乳糖、トレハロース、ソルビトールなども使用される。グルコース、乳糖等はアメリカンドッグの衣に良好な揚げ色を付与し、トレハロース、ソルビトール等はアメリカンドッグの食感の老化を防止する効果があるので、これらを使用することが好ましい。ミックス中での砂糖以外の糖類の含有量は0.1〜10質量%であることが好ましく、0.1〜5質量%であることがより好ましい。
本発明のアメリカンドッグ用ミックスは、水あるいは牛乳などにより加水して、アメリカンドック用のバッターとすることができる。加水の量は適宜調整すればよいが、典型的にはミックス100質量部に対して50〜100質量部が好ましく、より典型的にはミックス100質量部に対して60〜90質量部が好ましい。その際、バッターの粘度を25〜65Pa・sとすることが好ましく、35〜55Pa・sとすることがより好ましい。粘度を上記範囲とすることにより、バッターの取り扱い性を良くすることができると共に、膨張剤によるガス発生の特性を所望の範囲に維持し易い。
上記バッターを用いて、従来公知の手順に準じて、アメリカンドッグを製造することができる。具体的には、串刺しされたソーセージ、フランクフルト等の具材の表面にバッターを付着させ、厚さ3〜5mm程度となるように具材の全体を覆い、160〜190℃の加熱油に浸漬して、3〜10分間程度、油ちょうすることによって、アメリカンドッグを得ることができる。
なお、油ちょう後、冷凍してもよく、そうすることで長期保存が可能である。その場合、食する際に電子レンジやオーブン等で再加熱しても、表面に割れなどが生じることがなく、油ちょう直後の良好な食感も維持される。
以下に実施例を挙げて本発明について更に具体的に説明するが、これらの実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
<調製例1>
下記表1に示す配合で膨張剤1〜4を調製した。
膨張剤に含まれるアルカリ剤と酸性剤の中和反応は下記に示すとおりである。
・第一リン酸カルシウム+炭酸水素ナトリウム(中和)
Ca(HPO+2NaHCO→CaHPO+NaHPO+2CO+2H
・酸性ピロリン酸ナトリウム+炭酸水素ナトリウム(中和)
2Na+4NaHCO→Na+2NaHPO+4CO+3H
・酒石酸水素カリウム+炭酸水素ナトリウム(中和)
KHC+NaHCO→KNaC+CO+H
・グルコノデルタラクトン+炭酸水素ナトリウム(中和)
10+NaHCO→NaC11+CO
・フマル酸一ナトリウム+炭酸水素ナトリウム(中和)
NaC+NaHCO→Na+CO+H
・フマル酸+炭酸水素ナトリウム(中和)
+2NaHCO→Na+2CO+2H
また、アルカリ剤である炭酸水素ナトリウムの熱分解反応は下記に示すとおりである。
・炭酸水素ナトリウム(熱分解)
2NaHCO→NaCO+CO+H
膨張剤によるガス発生総量の理論値は、上記中和反応により生じ得るCOのモル量から気体の状態方程式により、40℃、1気圧条件下のガス量として計算した。なお、アルカリ剤である炭酸水素ナトリウムが酸性剤に対して過多の場合には、上記中和反応により生じ得るCOのモル量に、余分の炭酸水素ナトリウムの熱分解反応により生じ得るCOのモル量をも加えて、その合計のモル量から気体の状態方程式により計算した。
<試験例1>
膨張剤1〜4について、水中でのガス発生量を比較した。具体的には、膨張剤2gを25℃の水200mLを加えて撹拌し、定温状態を保ちつつ、撹拌開始から2及び5分後に、発生した累積ガス量(25℃、1気圧)を測定した。結果を表2に示す。
<調製例2>
下記表3に示す配合で実施例1、2、及び比較例1、2のアメリカンドッグ用ミックスを調製した。
<試験例2>
実施例1、2、及び比較例1、2のアメリカンドッグ用ミックスについて、バッター中でのガス発生量を比較した。具体的には、ミックス100gに40℃の水80mLを加えて撹拌し、定温状態を保ちつつ、撹拌開始から1、2、5、10、15、20、25、30、35、及び40分後に、発生した累積ガス量(40℃、1気圧)を測定した。用いた膨張剤ごと、そのガス発生総量の理論値(表1参照)に対する相対%を求めた。結果を図1に示す。
図1に示されるように、上記条件下、比較例1のアメリカンドッグ用ミックスのガス発生能は高く、比較例2のアメリカンドッグ用ミックスのガス発生能は低く、実施例1のアメリカンドッグ用ミックスのガス発生能は、それらの中間であり中程度であった。より具体的には、比較例1では撹拌開始から10分間でガス発生総量の理論値に対して64.8%の累積ガス量であり、比較例2では撹拌開始から10分間でガス発生総量の理論値に対して34.9%の累積ガス量であり、一方、実施例1では撹拌開始から10分間でガス発生総量の理論値に対して52.4%の累積ガス量であり、実施例2では撹拌開始から10分間でガス発生総量の理論値に対して47.7%の累積ガス量であった。なお、累積ガス量の値は、ガス発生総量の理論値とは相関がなく、用いた各酸性剤のバッター中での溶解度に依存しているものと考えられた。
<試験例3>
実施例1、2、及び比較例1、2のアメリカンドッグ用ミックスについて、各ミックスを使用してアメリカンドッグ製品を製造し、外観及び食感を比較した。具体的には、ミックス100質量部に対して70〜80質量部の水を加水してバッターとし、串に刺した約35gのソーセージに、そのバッターの約65g程度をソーセージ全体が被覆されるように付着させ、串を手で持って先端側から180℃のサラダ油に浸漬して、6分間油ちょうした。図2には、各ミックスを使用して得られたアメリカンドッグの写真を示す。また、表4には、アメリカンドッグの最大径及び先端から最大径部分までの軸方向に沿った距離を示す。なお、図2には各2例の結果を示し、表4には各5例の結果を示す。
その結果、以下のことが明らかとなった。
(1)実施例1、2のミックスを使用した製品は、全体に丸みを帯びたふっくらとしたボリューム感のある外観であって、衣の表相はサクみがあり軽く、衣の内相はソフトでひきがない食感を有するアメリカンドッグであった。
(2)比較例1のミックスを使用した製品は、先端がとがった形状になり、衣への吸油が多く、ひきはないがもろい食感となった。また、冷凍後に電子レンジで再加熱すると、衣が割れやすい傾向があった。
(3)比較例2のミックスを使用した製品は、ボリューム感に乏しく、ひきがあり硬い食感となった。
<試験例4>
実施例1、2、及び比較例1、2のアメリカンドッグ用ミックスについて、各ミックスを使用してアメリカンドッグ製品を製造し、冷凍保存後、電子レンジで再加熱したときの外観を比較した。具体的には、試験例3と同様にして、各ミックスを使用したバッターでソーセージを被覆し、串を手で持って先端側から180℃のサラダ油に浸漬して、6分間油ちょうし、5分間放熱した後、-30℃の冷凍庫に入れて冷凍した。この冷凍アメリカンドッグを、一晩冷蔵庫で解凍したのち、170℃のサラダ油に浸漬し、4分間油ちょうし、室温で約2時間放冷後、電子レンジ(出力1600W)で約30秒間、2本毎、加熱し、衣の表面に割れが生じていないかどうかを調べた。表5には、各ミックスを使用して得られたアメリカンドッグの80本について、頭頂部又は側面の部位ごとに、割れが発生した本数及びその割合(不良率)を示す。
表5に示されるように、比較例1ないし比較例2のミックスを使用した冷凍アメリカンドッグに比べ、実施例1、2のミックスを使用した冷凍アメリカンドッグでは、電子レンジでの再加熱後の割れの発生率が顕著に低減した。

Claims (7)

  1. 熱処理小麦粉を含む小麦粉、砂糖、及び膨張剤を含有するアメリカンドッグ用ミックスであって、ミョウバン及び/又は焼ミョウバンを含まず、該ミックス100gに40℃の水80mLを加えて撹拌したとき、撹拌開始から10分間で、前記膨張剤によるガス発生総量の理論値に対して45〜55%の累積ガス量を発生するように調整されたものであることを特徴とするアメリカンドッグ用ミックス。
  2. 前記膨張剤は、炭酸水素ナトリウムを含むアルカリ性剤と、酒石酸、フマル酸、及びそれらの塩からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含む速効性酸性剤と、リン酸塩、ピロリン酸塩、及びグルコノデルタラクトンからなる群より選ばれる1種又は2種以上を含む遅効性酸性剤とを含むものである請求項1記載のアメリカンドッグ用ミックス。
  3. 前記膨張剤は、炭酸水素ナトリウムを含むアルカリ性剤と、酒石酸水素カリウムを含む速効性酸性剤と、第一リン酸カルシウム及び酸性ピロリン酸ナトリウムを含む遅効性酸性剤とを含むものである請求項2記載のアメリカンドッグ用ミックス。
  4. 前記小麦粉を30〜80質量%、前記砂糖を10〜35質量%、前記膨張剤を1〜5質量%含有する請求項1〜3のいずれか1つに記載のアメリカンドッグ用ミックス。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載されたアメリカンドッグ用ミックスを用いてバッターを作り、串を刺した具材に前記バッターを被覆し、加熱油に浸漬して油ちょうすることを特徴とするアメリカンドッグの製造方法。
  6. 請求項5記載の方法で得られたアメリカンドッグ。
  7. 油ちょうされた後、冷凍又は冷蔵保存され、電子レンジで再加熱されて食されるものである請求項6記載のアメリカンドッグ。
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