JP2016089807A - 排気ガス浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】排気温度が低い場合であっても、簡単な構成で且つ取り付けも容易であってSCRを有効に機能させる。
【解決手段】排気ガス浄化装置は、ディーゼルエンジン1の排気ポート6に連通して設けられ、上記ディーゼルエンジン1からの排気ガス中に含まれる窒素酸化物を除去する選択触媒還元脱硝装置12と、上記ディーゼルエンジン1の吸気通路10に一端が取り付けられると共に他端が開放されていて、上記ディーゼルエンジン1に供給される吸気ガスの一部を逃がすための分岐管13と、上記分岐管13に介設されて、上記分岐管13を開閉する逃がし弁14と、上記逃がし弁14の開閉動作を制御する弁制御部15を備えている。
【選択図】図1

Description

この発明は、ディーゼルエンジンの排気ガス中に含まれるNOx(窒素酸化物)を除去する排気ガス浄化装置に関する。
近年、船舶用ディーゼルエンジンにおいて、NOx排出量規制の強化によりSCR(選択触媒還元脱硝装置:Selective Catalytic Reduction)の適用が有力視されている。
上記SCRを使用する場合、バナジウム‐チタニア系等で成る触媒特有の温度範囲内でないと、NOxを除去することができない。温度不足の場合には酸性硫安(固体)が上記触媒表面上に発生して、上記触媒表面を覆ってしまうためにNOxの分解効率が低下する。そして、悪い場合には、ハニカム構造の上記触媒が目詰まりを起こし、エンジンの運転ができなくなってしまう。また、温度が高すぎる場合には紫煙が発生する等の問題が発生する。
また、近年のディーゼルエンジンでは、様々な技術の進歩によって、燃料の燃焼により発生する熱を高効率で動力に変換しているために、排気ガスの温度はSCR触媒が有効に働く温度の範囲まで上がらない場合も生ずる。
従来、排気ガス浄化装置として、特開2001‐336440号公報(特許文献1)に開示されたディーゼルエンジンの低負荷時高排気温度維持装置がある。このディーゼルエンジンの低負荷時高排気温度維持装置では、多気筒ディーゼル機関の吸気通路入口に第1絞り弁を設け、上記第1絞り弁の下流通路のうちの一部の気筒群に分岐した通路に第2絞り弁を設け、排気管におけるCRT(商品名:Continuous Regenerative Trap)およびDe NOxコンバータの下流に第3絞り弁を設ける。そして、排気温度センサからのディーゼルエンジンの運転状態に応じた排気温度の情報に基づいて、電子制御器によって、下記構成のうち2以上を組合せて行って、高排気温度を確保、維持するようにしている。
(1)上記第1絞り弁の調節によって、吸気を減圧しつつ、吸気行程の下死点付近において排気を所定開度開いて、排気によって圧縮行程前の吸気温度を高めて結果的に排気温度を上昇せしめる構成。
(2)上記第2絞り弁を閉塞して上記一部のシリンダ群への燃料噴射を停止し、他のシリンダ群へのみ多量の燃料を噴射して、上記他のシリンダ群の排気温度を高める構成。
(3)上記第3絞り弁の部分的閉塞によって、背圧を高めて排気温度を高める構成。
(4)上記ディーゼルエンジンに、バイパス管路およびバイパス弁を有する容積型過給機を付設し、上記容積型過給機の駆動によって吸気温度上昇を伴う駆動力損失を発生させて、これに伴う燃料噴射量の増加によって排気温度を上昇させる構成。
しかしながら、上記従来のディーゼルエンジンの低負荷時高排気温度維持装置においては、以下のような問題がある。
すなわち、多気筒ディーゼル機関の吸気通路およびその下流通路と、排気管における連続再生トラップの下流とに絞り弁を設け、排気温度センサからの排気温度の情報に基づいて、電子制御器によって、上記各絞り弁の開度を制御するようにしている。したがって、ディーゼルエンジンの吸気通路や下流通路や排気管に絞り弁を設ける必要があり、ディーゼルエンジンの改造が必要となる。
また、上記電子制御器を含む上記各絞り弁の開度制御系の構築が簡単では無く、時間と労力を必要とする。
したがって、装置の取り付けに当たってはエンジンそのものを見直す必要が生じ、コストと時間とを要し、上記装置をSCRを用いるディーゼルエンジンに容易に適用することができないという問題がある。
特開2001‐336440号公報
そこで、この発明の課題は、排気温度が低い場合であっても、簡単な構成で且つ取り付けも容易であってSCRを有効に機能させることができる排気ガス浄化装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の排気ガス浄化装置は、
ディーゼルエンジンの排気ポートに連通して設けられ、上記ディーゼルエンジンからの排気ガス中に含まれるNOxを除去するSCRと、
上記ディーゼルエンジンの吸気通路に一端が取り付けられると共に他端が開放されていて、上記ディーゼルエンジンに供給される吸気の一部を逃がすための逃がし弁と、
上記逃がし弁の開閉動作を制御する弁制御部
を備えたことを特徴としている。
上記構成によれば、上記弁制御部の制御によって上記逃がし弁を開くと、上記ディーゼルエンジンに供給される吸気の一部が放出される。そうすると、それに伴って排気ガスの温度が上昇し、上記SCRによる上記NOxの除去能力が向上される。したがって、上記SCRの能力が低下した場合や、排気ガス温度が低下した場合や、上記SCRを稼働させる場合や、硫黄含有量の多い燃料を用いる場合や、上記ディーゼルエンジンを冷態から始動する場合等に、上記弁制御部の制御によって上記逃がし弁を開くことにより、上記SCRの能力を向上させ、上記SCRを有効に機能させ、燃料コストを削減し、上記SCRの動作開始までの時間短縮等の効果を奏することができる。
その際に、上記弁制御部は、上記逃がし弁をオン・オフ制御するだけでよい。したがって、簡単な制御によって上記ディーゼルエンジンの排気ガス温度を上昇させることができる。さらに、上記弁制御部による制御系の構築が簡単であり、制御系構築に必要な時間の短縮とコストの削減とを図ることができる。
また、一実施の形態の排気ガス浄化装置では、
人工衛星からの電波を受信して現在位置を測定する全地球測位システム受信機を備え、
上記弁制御部は、
上記全地球測位システム受信機によって得られた位置情報に基づいて、予め設定された設定地域を通過する期間中は上記逃がし弁を開状態に維持させるようになっており、
上記逃がし弁を開く場合には、上記設定地域に到達する時間よりも前側にオフセットを持たせた時間に上記逃がし弁を開く一方、上記逃がし弁を閉じる場合には、上記設定地域から離脱した時間に上記逃がし弁を閉じるようになっている。
この実施の形態によれば、上記全地球測位システム受信機からの位置情報に基づいて上記逃がし弁の開閉を制御するので、自動的に上記設定地域を通過する期間中は上記逃がし弁を開状態に維持させることができる。
さらに、上記設定地域に到達する時間よりも前側にオフセットを持たせた時間に上記逃がし弁を開くので、上記設定地域に到達するまでに、上記ディーゼルエンジンの排気ガス温度を上記SCRが安定動作できる温度まで上昇させることが可能になる。
以上より明らかなように、この発明の排気ガス浄化装置では、上記逃がし弁を開いて上記ディーゼルエンジンへの吸気の一部を放出すると、それに伴って排気ガスの温度が上昇して、上記SCRによる上記NOxの除去能力が向上される。その場合、吸気ダクトに上記逃がし弁を設置すれば上記逃がし弁を上記ディーゼルエンジンに対して外付けすることができる。したがって、簡単な構成で且つ取り付けも容易であって、SCRを有効に機能させることができる。
その際に、上記弁制御部は、上記逃がし弁をオン・オフ制御するだけでよい。したがって、上記弁制御部による制御系の構築が簡単であり、制御系構築に必要な時間の短縮とコストの削減とを図ることができる。
この発明の排気ガス浄化装置における概略構成を示す模式図である。 燃料の硫黄分とSCRに必要な排気温度との関係を示す図である。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。図1は、本実施の形態の排気ガス浄化装置における概略構成を示す模式図である。但し、この排気ガス浄化装置は、ディーゼルエンジンの排気ガス中に含まれるNOxを除去する排気ガス浄化装置である。また、図1においては、複数のシリンダのうちの1つのシリンダで代表して描いている。
図1において、ディーゼルエンジン1は、シリンダブロック2と、シリンダブロック2内に形成されたシリンダ3と、このシリンダ3内を上下に往復動するピストン4とを含んで概略構成されている。シリンダヘッド(図示せず)に設けられた吸気ポート5と排気ポート6とには、過給機7が接続されている。
上記過給機7は、コンプレッサ8とタービン9とを内蔵しており、導入された空気をコンプレッサ8によって圧縮して、複数のシリンダ3に共通に連通している吸気ダクト10に供給する。また、タービン9を複数のシリンダ3に共通に連通している排気ダクト11からの排気ガスによって回転させて、コンプレッサ8を駆動する。
上記過給機7におけるタービン9側の排出口には、SCR12が接続されている。このSCR12は、タービン9からの排出ガス、つまりディーゼルエンジン1の排気ガス中に含まれるNOxを除去する。すなわち、排出ガスに尿素水を噴射し、尿素から変化したアンモニア(NH3)がNOxと化学反応することで、窒素(N2)と水(H2O)とに還元する。
ところで、上記ディーゼルエンジン1の燃料における硫黄分とSCR12の安定動作に必要な排気温度には、一般的に(通常)図2に示すような関係があることが知られている。図2から分かるように、燃料として硫黄分が0.5%の重油を用いる場合には、SCR12の入口における排気ガス温度は290℃以上が必要である。また、硫黄分が3.5%のC重油を用いる場合には、335℃以上の排気ガス温度が必要である。
上記SCR12への排気ガスの温度を上げるためには、過給機7のエンジン性能とのマッチングを調整すること、バーナーで加熱すること、過給機7への排気ガスの一部を過給機7の後段にバイパスすること等が考えられる。
しかしながら、上記過給機7のマッチング調整については、エンジン性能を確保しつつ排気温度のみを調整することは難しい。また、バーナーによる加熱については、加熱用の燃料を直接排気管に噴射するので安全面で十分な対策が必要となる。また、排気ガスの一部のバイパスについては、高温の排気管内にバイパス弁を設置する必要があるので信頼性および耐久性が必要となる。等の懸念が生ずる。
そこで、本実施の形態においては、以下のような簡便な方法によって、SCR12への排気ガスの温度を上げるようにしている。
すなわち、全シリンダ3の吸気ポート5に共通に連通している吸気ダクト10に、上記逃がし弁の一例としての電磁弁14が介設された分岐管13を設けている。または、吸気ダクトに穴を開けて逃がし弁を直接取り付けても良い。そして、排気ガス温度を上昇させる場合には、電磁弁14を開放させて吸気ガスの一部を外部に逃がして、各ディーゼルエンジン1の吸気ポート5への吸気量を減少させる。その結果、各ディーゼルエンジン1の排気ポート6からの排気ガスの温度が上昇し、延いてはSCR12の入口における排気ガス温度が上昇されるのである。
その場合、上記電磁弁14による吸気の逃がし量を、SCR12の入口における排気ガス温度が安定動作に必要な温度の範囲内に入るように設定しておく。そうすることによって、電磁弁14をオン・オフするだけの簡単な制御で、SCR12を安定動作させる排気ガス温度に設定することが可能になる。
ここで、上記電磁弁14を開放するのはSCR12を使用する場合である。そこで、電磁弁14の開閉動作を制御する弁制御部15を設けている。弁制御部15は、オンスイッチ16およびオフスイッチ17の操作情報、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)受信機18からの位置情報、および、過給機7におけるタービン9の排出口とSCR12とを接続する配管に設置された排気温度センサ19からの温度情報に基づいて、電磁弁14をオン・オフ制御する。
上記GPS受信機18からの位置情報は、予め設定された設定海域の境界を表す第1設定位置情報の範囲内であるか否かが判別される。
ここで、上記設定海域は、NOx排出量の規制海域を予め設定された設定距離だけ外側に広げた海域である。そして、上記設定距離は、電磁弁14をオンしてからSCR12の入口における排気ガス温度が上昇して安定動作に必要な温度に至るまでの時間をオフセット時間とした場合に、上記規制海域を航行する際の巡航速度で上記オフセット時間だけ進む距離である。
上記排気温度センサ19からの検出信号に基づいて、排気温度はSCR12の安定動作温度を下回っているか否かが判別される。その結果、下回っている場合には電磁弁14がオンされる。このように、NOx排出量の規制海域外側に設定された上記設定海域の境界で電磁弁14をオンすることによって、上記巡航速度で上記規制海域に到達した際に、SCR12の入口における排気ガス温度が安定動作に必要な温度になるのである。
ここで、常に上記巡航速度で上記規制海域を航行できるとは限らない。そこで、予め上記巡航速度で上記規制海域を航行できないことが予測できる場合には、弁制御部15に設けられているキーボード等から上記規制海域の航行速度を入力することによって、弁制御部15によって、入力された航行速度での上記設定距離を演算し、この演算された設定距離に基づいて上記設定海域を変更可能に構成してもよい。
上記GPS受信機18からの位置情報は、上記規制海域の境界を表す第2設定位置情報の範囲内であるか否かが判別される。その結果、第2設定位置情報の範囲外であれば(つまりNOx排出量の規制海域を出れば)電磁弁14がオフされる。
ここで、上記電磁弁14をオンして吸気ガスの一部を外部に逃がした場合には、燃焼状態が悪くなるため燃費が低下する。しかしながら、燃費が低下する海域は、上記設定海域に入ってから上記規制海域を出るまでの特定領域を航行する期間のみである。
したがって、上述したように過給機7のエンジン性能とのマッチングを調整すること、バーナーで加熱すること、過給機7への排気ガスの一部を過給機7の後段にバイパスすること等によってSCR12への排気ガスの温度を上げる場合のごとく、常時燃費が低下する場合に比して、燃費の低下期間を短縮することができる。
また、上記オンスイッチ16およびオフスイッチ17のマニュアル操作によって、電磁弁14をオン・オフ制御可能にしている。したがって、何らかの理由でSCR12が停止した場合には、オフスイッチ17を押下することによって電磁弁14をオフすることが可能になる。
以上のごとく、本実施の形態においては、全シリンダ3の吸気ポート5に共通に連通している吸気ダクト10に、電磁弁14が介設された分岐管13を設ける。そして、電磁弁14を開放して吸気ガスの一部を外部に放出することによって、SCR12に供給される排気ガスの温度を上昇させるようにしている。したがって、簡単な構成で且つ取り付けも容易であって、SCRを有効に機能させることができる。
また、上記弁制御部15による電磁弁14の制御は、オン・オフ制御である。したがって、制御系の構築が簡単であり、制御系の構築に必要な時間の短縮とコストの削減とを図ることができる。
船舶用大型ディーゼルエンジンにおいては、周囲の状況に応じてエンジンの運転特性を自動調整するコモンレールや可変バルブタイミング機構等の技術がその大きさゆえ困難な点が多く、一般的ではない。このような状況から、排気ガス温度を上昇させるためにエンジンの特性自体を変更する場合には過給器および燃焼室形状等の基本設計から見直す必要がある。したがって、燃費等の必要性能と排気ガス温度の確保とを両立させるのは非常に困難である。一方において、排ガススクラバーの導入等の新技術導入によって更なる排ガス温度の上昇が必要となっている。
本実施の形態によれば、上記吸気ダクト10に分岐管13を設け、この分岐管13の先端部をシリンダブロック2外に露出させ、この分岐管13の露出部に電磁弁14を外付けすることが可能になる。したがって、排気ガス温度が上記SCRを安定動作させることができる温度よりも低いディーゼルエンジンを搭載している船舶において、簡単な改良で、排気ガス温度を上げることができる。
その場合における上記電磁弁14の弁制御部15による開閉制御は、上述したようにオン・オフ制御である。また、次世代のNOx排出量規制は特定海域のみに限定されるものであり、上記特定海域内外および上記SCRの稼働状態で電磁弁14のオン・オフを切り換える動作で十分である。したがって、電磁弁14のオンによる燃費低下は上記特定海域のみに限定でき、燃費等の必要性能と排気ガス温度の確保とを両立させることができる。
さらに、排気ガス温度が上記SCRを安定動作させることができる温度よりも十分に高いディーゼルエンジンを搭載している船舶の場合であっても、エンジンを冷態から始動する場合には、上記SCRの触媒温度が規定値に達して尿素水を噴射できるまでにある程度の時間が掛かる。そこで、本実施の形態の電磁弁14を用いて上記SCRへの排気ガス温度を高めることによって、尿素水噴射開始可能状態に至るまでの時間を短縮することができる。
また、図2に示すように、燃料として硫黄分が高い重油を用いる場合、NOx除去に必要な排気ガス温度が高くなる。本実施の形態によれば、簡単な構成でSCR12に供給される排気ガス温度を上昇させることができる。したがって、NOx排出量の規制海域内においても硫黄分が3.5%の安価なC重油を用いることが可能になり、燃料コストの削減を図ることが可能になる。
尚、上記実施の形態においては、以下のような変形も可能である。
すなわち、上記ディーゼルエンジン1に負荷検出手段(図示せず)を設け、弁制御部15は、上記負荷検出手段からの負荷信号を受けて、予め設定された負荷領域内で、電磁弁14のオン・オフを制御するようにしてもよい。
また、上記電磁弁14に、サイレンサ(図示せず)を設ければ、分岐管13から吸気ガス(空気)を外部に逃がす際の騒音を低く抑えることが可能になる。
また、上記SCR12の下流にNOx検出手段(図示せず)を設け、弁制御部15は、上記NOx検出手段からのNOx量信号を受けて、SCR12からの排出NOx量が所定値を越えると酸性硫安が上記触媒の表面に付着して上記触媒のNOx分解効率が低下したと判断して、電磁弁14をオン制御するようにしてもよい。こうすることによって、短時間でSCR12への排気ガス温度を高めて上記触媒に付着している酸性硫安を溶かして飛ばすことができ、上記触媒の機能を復活させることができる。
また、触媒のNOx分解効率低下は、触媒前後の差圧検出手段(図示せず)を設け、差圧信号が所定値を超えた場合にNOx分解効率が低下したと判断することもできる。
また、上記実施の形態においては、上記逃がし弁を電磁弁14で構成しているが、電動弁で構成してもよい。
1…ディーゼルエンジン
2…シリンダブロック
3…シリンダ
4…ピストン
5…吸気ポート
6…排気ポート
7…過給機
8…コンプレッサ
9…タービン
10…吸気ダクト
11…排気ダクト
12…SCR
13…分岐管
14…電磁弁
15…弁制御部
16…オンスイッチ
17…オフスイッチ
18…GPS受信機
19…排気温度センサ
この発明は、ディーゼルエンジンの排気ガス中に含まれるNOx(窒素酸化物)を除去する排気ガス浄化装置に関する。
近年、船舶用ディーゼルエンジンにおいて、NOx排出量規制の強化によりSCR(選択触媒還元脱硝装置:Selective Catalytic Reduction)の適用が有力視されている。
上記SCRを使用する場合、バナジウム‐チタニア系等で成る触媒特有の温度範囲内でないと、NOxを除去することができない。温度不足の場合には酸性硫安(固体)が上記触媒表面上に発生して、上記触媒表面を覆ってしまうためにNOxの分解効率が低下する。そして、悪い場合には、ハニカム構造の上記触媒が目詰まりを起こし、エンジンの運転ができなくなってしまう。また、温度が高すぎる場合には紫煙が発生する等の問題が発生する。
また、近年のディーゼルエンジンでは、様々な技術の進歩によって、燃料の燃焼により発生する熱を高効率で動力に変換しているために、排気ガスの温度はSCR触媒が有効に働く温度の範囲まで上がらない場合も生ずる。
従来、排気ガス浄化装置として、特開2001‐336440号公報(特許文献1)に開示されたディーゼルエンジンの低負荷時高排気温度維持装置がある。このディーゼルエンジンの低負荷時高排気温度維持装置では、多気筒ディーゼル機関の吸気通路入口に第1絞り弁を設け、上記第1絞り弁の下流通路のうちの一部の気筒群に分岐した通路に第2絞り弁を設け、排気管におけるCRT(商品名:Continuous Regenerative Trap)およびDe NOxコンバータの下流に第3絞り弁を設ける。そして、排気温度センサからのディーゼルエンジンの運転状態に応じた排気温度の情報に基づいて、電子制御器によって、下記構成のうち2以上を組合せて行って、高排気温度を確保、維持するようにしている。
(1)上記第1絞り弁の調節によって、吸気を減圧しつつ、吸気行程の下死点付近において排気を所定開度開いて、排気によって圧縮行程前の吸気温度を高めて結果的に排気温度を上昇せしめる構成。
(2)上記第2絞り弁を閉塞して上記一部のシリンダ群への燃料噴射を停止し、他のシリンダ群へのみ多量の燃料を噴射して、上記他のシリンダ群の排気温度を高める構成。
(3)上記第3絞り弁の部分的閉塞によって、背圧を高めて排気温度を高める構成。
(4)上記ディーゼルエンジンに、バイパス管路およびバイパス弁を有する容積型過給機を付設し、上記容積型過給機の駆動によって吸気温度上昇を伴う駆動力損失を発生させて、これに伴う燃料噴射量の増加によって排気温度を上昇させる構成。
しかしながら、上記従来のディーゼルエンジンの低負荷時高排気温度維持装置においては、以下のような問題がある。
すなわち、多気筒ディーゼル機関の吸気通路およびその下流通路と、排気管における連続再生トラップの下流とに絞り弁を設け、排気温度センサからの排気温度の情報に基づいて、電子制御器によって、上記各絞り弁の開度を制御するようにしている。したがって、ディーゼルエンジンの吸気通路や下流通路や排気管に絞り弁を設ける必要があり、ディーゼルエンジンの改造が必要となる。
また、上記電子制御器を含む上記各絞り弁の開度制御系の構築が簡単では無く、時間と労力を必要とする。
したがって、装置の取り付けに当たってはエンジンそのものを見直す必要が生じ、コストと時間とを要し、上記装置をSCRを用いるディーゼルエンジンに容易に適用することができないという問題がある。
特開2001‐336440号公報
そこで、この発明の課題は、排気温度が低い場合であっても、簡単な構成で且つ取り付けも容易であってSCRを有効に機能させることができる排気ガス浄化装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の排気ガス浄化装置は、
ディーゼルエンジンの排気ポートに連通して設けられ、上記ディーゼルエンジンからの排気ガス中に含まれるNOxを除去するSCRと、
上記ディーゼルエンジンの吸気通路に一端が取り付けられると共に他端が開放されていて、上記ディーゼルエンジンに供給される吸気の一部を逃がすための逃がし弁と、
上記ディーゼルエンジンから上記選択触媒還元脱硝装置へ向かう排気ガスの温度を検出する排気ガス温度センサと、
上記排気ガス温度センサによって検出された上記温度が、上記選択触媒還元脱硝装置の安定動作に必要な温度の範囲内に自動的に入るように、上記逃がし弁の開閉動作を制御する弁制御部
を備え、
上記選択触媒還元脱硝装置の安定動作に必要な温度の範囲は、上記ディーゼルエンジンの燃料における硫黄分から算出される
ことを特徴としている。
上記構成によれば、上記弁制御部の制御によって上記逃がし弁を開くと、上記ディーゼルエンジンに供給される吸気の一部が放出される。そうすると、それに伴って排気ガスの温度が上昇し、上記SCRによる上記NOxの除去能力が向上される。したがって、上記SCRの能力が低下した場合や、排気ガス温度が低下した場合や、上記SCRを稼働させる場合や、硫黄含有量の多い燃料を用いる場合や、上記ディーゼルエンジンを冷態から始動する場合等に、上記弁制御部の制御によって上記逃がし弁を開くことにより、上記SCRの能力を向上させ、上記SCRを有効に機能させ、燃料コストを削減し、上記SCRの動作開始までの時間短縮等の効果を奏することができる。
その際に、上記弁制御部は、上記逃がし弁をオン・オフ制御するだけでよい。したがって、簡単な制御によって上記ディーゼルエンジンの排気ガス温度を上昇させることができる。さらに、上記弁制御部による制御系の構築が簡単であり、制御系構築に必要な時間の短縮とコストの削減とを図ることができる。
また、一実施の形態の排気ガス浄化装置では、
人工衛星からの電波を受信して現在位置を測定する全地球測位システム受信機を備え、
上記弁制御部は、
上記全地球測位システム受信機によって得られた位置情報に基づいて、予め設定された設定地域を通過する期間中は上記逃がし弁を開状態に維持させるようになっており、
上記逃がし弁を開く場合には、上記設定地域に到達する時間よりも前側にオフセットを持たせた時間に上記逃がし弁を開く一方、上記逃がし弁を閉じる場合には、上記設定地域から離脱した時間に上記逃がし弁を閉じるようになっている。
この実施の形態によれば、上記全地球測位システム受信機からの位置情報に基づいて上記逃がし弁の開閉を制御するので、自動的に上記設定地域を通過する期間中は上記逃がし弁を開状態に維持させることができる。
さらに、上記設定地域に到達する時間よりも前側にオフセットを持たせた時間に上記逃がし弁を開くので、上記設定地域に到達するまでに、上記ディーゼルエンジンの排気ガス温度を上記SCRが安定動作できる温度まで上昇させることが可能になる。
また、一実施の形態の排気ガス浄化装置では、
上記逃がし弁は、上記ディーゼルエンジンに供給される吸気の一部を、上記ディーゼルエンジンの吸気通路の上流側に戻すのではなく、外部へ逃がす。
以上より明らかなように、この発明の排気ガス浄化装置では、上記逃がし弁を開いて上記ディーゼルエンジンへの吸気の一部を放出すると、それに伴って排気ガスの温度が上昇して、上記SCRによる上記NOxの除去能力が向上される。その場合、吸気ダクトに上記逃がし弁を設置すれば上記逃がし弁を上記ディーゼルエンジンに対して外付けすることができる。したがって、簡単な構成で且つ取り付けも容易であって、SCRを有効に機能させることができる。
その際に、上記弁制御部は、上記逃がし弁をオン・オフ制御するだけでよい。したがって、上記弁制御部による制御系の構築が簡単であり、制御系構築に必要な時間の短縮とコストの削減とを図ることができる。
この発明の排気ガス浄化装置における概略構成を示す模式図である。 燃料の硫黄分とSCRに必要な排気温度との関係を示す図である。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。図1は、本実施の形態の排気ガス浄化装置における概略構成を示す模式図である。但し、この排気ガス浄化装置は、ディーゼルエンジンの排気ガス中に含まれるNOxを除去する排気ガス浄化装置である。また、図1においては、複数のシリンダのうちの1つのシリンダで代表して描いている。
図1において、ディーゼルエンジン1は、シリンダブロック2と、シリンダブロック2内に形成されたシリンダ3と、このシリンダ3内を上下に往復動するピストン4とを含んで概略構成されている。シリンダヘッド(図示せず)に設けられた吸気ポート5と排気ポート6とには、過給機7が接続されている。
上記過給機7は、コンプレッサ8とタービン9とを内蔵しており、導入された空気をコンプレッサ8によって圧縮して、複数のシリンダ3に共通に連通している吸気ダクト10に供給する。また、タービン9を複数のシリンダ3に共通に連通している排気ダクト11からの排気ガスによって回転させて、コンプレッサ8を駆動する。
上記過給機7におけるタービン9側の排出口には、SCR12が接続されている。このSCR12は、タービン9からの排出ガス、つまりディーゼルエンジン1の排気ガス中に含まれるNOxを除去する。すなわち、排出ガスに尿素水を噴射し、尿素から変化したアンモニア(NH3)がNOxと化学反応することで、窒素(N2)と水(H2O)とに還元する。
ところで、上記ディーゼルエンジン1の燃料における硫黄分とSCR12の安定動作に必要な排気温度には、一般的に(通常)図2に示すような関係があることが知られている。図2から分かるように、燃料として硫黄分が0.5%の重油を用いる場合には、SCR12の入口における排気ガス温度は290℃以上が必要である。また、硫黄分が3.5%のC重油を用いる場合には、335℃以上の排気ガス温度が必要である。
上記SCR12への排気ガスの温度を上げるためには、過給機7のエンジン性能とのマッチングを調整すること、バーナーで加熱すること、過給機7への排気ガスの一部を過給機7の後段にバイパスすること等が考えられる。
しかしながら、上記過給機7のマッチング調整については、エンジン性能を確保しつつ排気温度のみを調整することは難しい。また、バーナーによる加熱については、加熱用の燃料を直接排気管に噴射するので安全面で十分な対策が必要となる。また、排気ガスの一部のバイパスについては、高温の排気管内にバイパス弁を設置する必要があるので信頼性および耐久性が必要となる。等の懸念が生ずる。
そこで、本実施の形態においては、以下のような簡便な方法によって、SCR12への排気ガスの温度を上げるようにしている。
すなわち、全シリンダ3の吸気ポート5に共通に連通している吸気ダクト10に、上記逃がし弁の一例としての電磁弁14が介設された分岐管13を設けている。または、吸気ダクトに穴を開けて逃がし弁を直接取り付けても良い。そして、排気ガス温度を上昇させる場合には、電磁弁14を開放させて吸気ガスの一部を外部に逃がして、各ディーゼルエンジン1の吸気ポート5への吸気量を減少させる。その結果、各ディーゼルエンジン1の排気ポート6からの排気ガスの温度が上昇し、延いてはSCR12の入口における排気ガス温度が上昇されるのである。
その場合、上記電磁弁14による吸気の逃がし量を、SCR12の入口における排気ガス温度が安定動作に必要な温度の範囲内に入るように設定しておく。そうすることによって、電磁弁14をオン・オフするだけの簡単な制御で、SCR12を安定動作させる排気ガス温度に設定することが可能になる。
ここで、上記電磁弁14を開放するのはSCR12を使用する場合である。そこで、電磁弁14の開閉動作を制御する弁制御部15を設けている。弁制御部15は、オンスイッチ16およびオフスイッチ17の操作情報、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)受信機18からの位置情報、および、過給機7におけるタービン9の排出口とSCR12とを接続する配管に設置された排気温度センサ19からの温度情報に基づいて、電磁弁14をオン・オフ制御する。
上記GPS受信機18からの位置情報は、予め設定された設定海域の境界を表す第1設定位置情報の範囲内であるか否かが判別される。
ここで、上記設定海域は、NOx排出量の規制海域を予め設定された設定距離だけ外側に広げた海域である。そして、上記設定距離は、電磁弁14をオンしてからSCR12の入口における排気ガス温度が上昇して安定動作に必要な温度に至るまでの時間をオフセット時間とした場合に、上記規制海域を航行する際の巡航速度で上記オフセット時間だけ進む距離である。
上記排気温度センサ19からの検出信号に基づいて、排気温度はSCR12の安定動作温度を下回っているか否かが判別される。その結果、下回っている場合には電磁弁14がオンされる。このように、NOx排出量の規制海域外側に設定された上記設定海域の境界で電磁弁14をオンすることによって、上記巡航速度で上記規制海域に到達した際に、SCR12の入口における排気ガス温度が安定動作に必要な温度になるのである。
ここで、常に上記巡航速度で上記規制海域を航行できるとは限らない。そこで、予め上記巡航速度で上記規制海域を航行できないことが予測できる場合には、弁制御部15に設けられているキーボード等から上記規制海域の航行速度を入力することによって、弁制御部15によって、入力された航行速度での上記設定距離を演算し、この演算された設定距離に基づいて上記設定海域を変更可能に構成してもよい。
上記GPS受信機18からの位置情報は、上記規制海域の境界を表す第2設定位置情報の範囲内であるか否かが判別される。その結果、第2設定位置情報の範囲外であれば(つまりNOx排出量の規制海域を出れば)電磁弁14がオフされる。
ここで、上記電磁弁14をオンして吸気ガスの一部を外部に逃がした場合には、燃焼状態が悪くなるため燃費が低下する。しかしながら、燃費が低下する海域は、上記設定海域に入ってから上記規制海域を出るまでの特定領域を航行する期間のみである。
したがって、上述したように過給機7のエンジン性能とのマッチングを調整すること、バーナーで加熱すること、過給機7への排気ガスの一部を過給機7の後段にバイパスすること等によってSCR12への排気ガスの温度を上げる場合のごとく、常時燃費が低下する場合に比して、燃費の低下期間を短縮することができる。
また、上記オンスイッチ16およびオフスイッチ17のマニュアル操作によって、電磁弁14をオン・オフ制御可能にしている。したがって、何らかの理由でSCR12が停止した場合には、オフスイッチ17を押下することによって電磁弁14をオフすることが可能になる。
以上のごとく、本実施の形態においては、全シリンダ3の吸気ポート5に共通に連通している吸気ダクト10に、電磁弁14が介設された分岐管13を設ける。そして、電磁弁14を開放して吸気ガスの一部を外部に放出することによって、SCR12に供給される排気ガスの温度を上昇させるようにしている。したがって、簡単な構成で且つ取り付けも容易であって、SCRを有効に機能させることができる。
また、上記弁制御部15による電磁弁14の制御は、オン・オフ制御である。したがって、制御系の構築が簡単であり、制御系の構築に必要な時間の短縮とコストの削減とを図ることができる。
船舶用大型ディーゼルエンジンにおいては、周囲の状況に応じてエンジンの運転特性を自動調整するコモンレールや可変バルブタイミング機構等の技術がその大きさゆえ困難な点が多く、一般的ではない。このような状況から、排気ガス温度を上昇させるためにエンジンの特性自体を変更する場合には過給器および燃焼室形状等の基本設計から見直す必要がある。したがって、燃費等の必要性能と排気ガス温度の確保とを両立させるのは非常に困難である。一方において、排ガススクラバーの導入等の新技術導入によって更なる排ガス温度の上昇が必要となっている。
本実施の形態によれば、上記吸気ダクト10に分岐管13を設け、この分岐管13の先端部をシリンダブロック2外に露出させ、この分岐管13の露出部に電磁弁14を外付けすることが可能になる。したがって、排気ガス温度が上記SCRを安定動作させることができる温度よりも低いディーゼルエンジンを搭載している船舶において、簡単な改良で、排気ガス温度を上げることができる。
その場合における上記電磁弁14の弁制御部15による開閉制御は、上述したようにオン・オフ制御である。また、次世代のNOx排出量規制は特定海域のみに限定されるものであり、上記特定海域内外および上記SCRの稼働状態で電磁弁14のオン・オフを切り換える動作で十分である。したがって、電磁弁14のオンによる燃費低下は上記特定海域のみに限定でき、燃費等の必要性能と排気ガス温度の確保とを両立させることができる。
さらに、排気ガス温度が上記SCRを安定動作させることができる温度よりも十分に高いディーゼルエンジンを搭載している船舶の場合であっても、エンジンを冷態から始動する場合には、上記SCRの触媒温度が規定値に達して尿素水を噴射できるまでにある程度の時間が掛かる。そこで、本実施の形態の電磁弁14を用いて上記SCRへの排気ガス温度を高めることによって、尿素水噴射開始可能状態に至るまでの時間を短縮することができる。
また、図2に示すように、燃料として硫黄分が高い重油を用いる場合、NOx除去に必要な排気ガス温度が高くなる。本実施の形態によれば、簡単な構成でSCR12に供給される排気ガス温度を上昇させることができる。したがって、NOx排出量の規制海域内においても硫黄分が3.5%の安価なC重油を用いることが可能になり、燃料コストの削減を図ることが可能になる。
尚、上記実施の形態においては、以下のような変形も可能である。
すなわち、上記ディーゼルエンジン1に負荷検出手段(図示せず)を設け、弁制御部15は、上記負荷検出手段からの負荷信号を受けて、予め設定された負荷領域内で、電磁弁14のオン・オフを制御するようにしてもよい。
また、上記電磁弁14に、サイレンサ(図示せず)を設ければ、分岐管13から吸気ガス(空気)を外部に逃がす際の騒音を低く抑えることが可能になる。
また、上記SCR12の下流にNOx検出手段(図示せず)を設け、弁制御部15は、上記NOx検出手段からのNOx量信号を受けて、SCR12からの排出NOx量が所定値を越えると酸性硫安が上記触媒の表面に付着して上記触媒のNOx分解効率が低下したと判断して、電磁弁14をオン制御するようにしてもよい。こうすることによって、短時間でSCR12への排気ガス温度を高めて上記触媒に付着している酸性硫安を溶かして飛ばすことができ、上記触媒の機能を復活させることができる。
また、触媒のNOx分解効率低下は、触媒前後の差圧検出手段(図示せず)を設け、差圧信号が所定値を超えた場合にNOx分解効率が低下したと判断することもできる。
また、上記実施の形態においては、上記逃がし弁を電磁弁14で構成しているが、電動弁で構成してもよい。
1…ディーゼルエンジン
2…シリンダブロック
3…シリンダ
4…ピストン
5…吸気ポート
6…排気ポート
7…過給機
8…コンプレッサ
9…タービン
10…吸気ダクト
11…排気ダクト
12…SCR
13…分岐管
14…電磁弁
15…弁制御部
16…オンスイッチ
17…オフスイッチ
18…GPS受信機
19…排気温度センサ

Claims (2)

  1. ディーゼルエンジンの排気ポートに連通して設けられ、上記ディーゼルエンジンからの排気ガス中に含まれる窒素酸化物を除去する選択触媒還元脱硝装置と、
    上記ディーゼルエンジンの吸気通路に一端が取り付けられると共に他端が開放されていて、上記ディーゼルエンジンに供給される吸気の一部を逃がすための逃がし弁と、
    上記逃がし弁の開閉動作を制御する弁制御部
    を備えたことを特徴とする排気ガス浄化装置。
  2. 請求項1に記載の排気ガス浄化装置において、
    人工衛星からの電波を受信して現在位置を測定する全地球測位システム受信機を備え、
    上記弁制御部は、
    上記全地球測位システム受信機によって得られた位置情報に基づいて、予め設定された設定地域を通過する期間中は上記逃がし弁を開状態に維持させるようになっており、
    上記逃がし弁を開く場合には、上記設定地域に到達する時間よりも前側にオフセットを持たせた時間に上記逃がし弁を開く一方、上記逃がし弁を閉じる場合には、上記設定地域から離脱した時間に上記逃がし弁を閉じるようになっている
    ことを特徴とする排気ガス浄化装置。
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