JP2016088774A - 光学ガラス、プリフォーム及び光学素子 - Google Patents

光学ガラス、プリフォーム及び光学素子 Download PDF

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Abstract

【課題】屈折率(nd)及びアッベ数(νd)が所望の範囲内にあり、且つ、安定性の高い光学ガラスを、より安価に得る。【解決手段】光学ガラスは、モル%で、B2O3成分を10.0%以上40.0%以下、Ln2O3成分を5.0%以上30.0%以下(式中、LnはLa、Gd、Y、Ybからなる群より選択される1種以上)、及びBaO成分を1.0〜20.0%含有し、1.80以上2.20以下の屈折率(nd)を有し、20以上35以下のアッベ数(νd)を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、光学ガラス、プリフォーム及び光学素子に関する。
近年、光学系を使用する機器のデジタル化や高精細化が急速に進んでおり、デジタルカメラやビデオカメラ等の撮影機器や、プロジェクタやプロジェクションテレビ等の画像再生(投影)機器等の各種光学機器の分野では、光学系で用いられるレンズやプリズム等の光学素子の枚数を削減し、光学系全体を軽量化及び小型化する要求が強まっている。
光学素子を作製する光学ガラスの中でも特に、光学系全体の軽量化及び小型化を図ることが可能な、1.80以上2.20以下の高い屈折率(n)を有し、20以上35以下の低いアッベ数(ν)を有する高屈折率高分散ガラスの需要が非常に高まっている。このような高屈折率低分散ガラスとしては、特許文献1に代表されるようなガラス組成物が知られている。
特開2010−030879号公報
光学ガラスの材料コストを低減するため、光学ガラスの原料コストは、なるべく安価であることが望まれる。しかし、特許文献1に記載されたガラスは、このような要求に十分応えるものとは言い難い。
他方で、光学ガラスの材料コストを低減した場合であっても、生産性の低下による製造コストの上昇を抑える観点からも、光学ガラスの安定性が高く失透し難いことが求められている。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、屈折率(n)及びアッベ数(ν)が所望の範囲内にあり、且つ、安定性の高い光学ガラスを、より安価に得ることにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意試験研究を重ねた結果、B成分及びLn成分に加えてBaO成分を併用したときに、所望の高屈折率及び高分散を得られながらも、材料コストが抑えられており、且つ、安定性の高いガラスが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1) モル%で、B成分を10.0%以上40.0%以下、Ln成分を5.0%以上30.0%以下(式中、LnはLa、Gd、Y、Ybからなる群より選択される1種以上)、及びBaO成分を1.0〜20.0%含有し、1.80以上2.20以下の屈折率(nd)を有し、20以上35以下のアッベ数(νd)を有する光学ガラス。
(2) モル%で、
La成分 0〜30.0%、
TiO成分 0〜50.0%、
SiO成分 0〜30.0%及び
ZrO成分 0〜20.0%
である(1)記載の光学ガラス。
(3) モル%で、
Gd成分 0〜15.0%、
成分 0〜30.0%、
Yb成分 0〜10.0%、
Nb成分 0〜15.0%、
WO成分 0〜10.0%、
MgO成分 0〜15.0%、
CaO成分 0〜15.0%、
SrO成分 0〜15.0%、
ZnO成分 0〜35.0%、
LiO成分 0〜10.0%、
NaO成分 0〜10.0%、
O成分 0〜10.0%、
成分 0〜15.0%、
GeO成分 0〜15.0%、
Ta成分 0〜10.0%、
Al成分 0〜15.0%、
Bi成分 0〜10.0%、
TeO成分 0〜15.0%、
SnO成分 0〜5.0%及び
Sb成分 0〜1.0%
である(1)又は(2)記載の光学ガラス。
(4) モル和(TiO+Nb+WO)が10.0%以上60.0%以下である(1)から(3)のいずれか記載の光学ガラス。
(5) モル比(TiO+Nb+WO)/Lnが0.50以上10.00以下である(1)から(4)のいずれか記載の光学ガラス。
(6) モル和(B+SiO)が20.0%以上60.0%以下である(1)から(5)のいずれか記載の光学ガラス。
(7) モル比(TiO+BaO)/(Ln+Nb)が0.50以上10.00以下である(1)から(6)のいずれか記載の光学ガラス。
(8) RO成分(式中、RはMg、Ca、Sr、Ba、Znからなる群より選択される1種以上)のモル和が1.0%以上40.0%以下、
RnO成分(式中、RnはLi、Na、Kからなる群より選択される1種以上)のモル和が10.0%以下
である(1)から(7)のいずれか記載の光学ガラス。
(9) 屈折率(nd)及びアッベ数(νd)が、(−0.02νd+2.44)≦nd≦(−0.02νd+2.54)の関係を満たす(1)から(8)のいずれか記載の光学ガラス。
(10) 比重が5.50以下である(1)から(9)のいずれか記載の光学ガラス。
(11) (1)から(10)のいずれか記載の光学ガラスからなる光学素子。
(12) (1)から(10)いずれか記載の光学ガラスからなる研磨加工用及び/又は精密プレス成形用のプリフォーム。
(13) (12)記載のプリフォームを精密プレスしてなる光学素子。
本発明によれば、屈折率(n)及びアッベ数(ν)が所望の範囲内にあり、且つ、安定性の高い光学ガラスを、より安価に得ることができる。
また、本発明によれば、屈折率(n)及びアッベ数(ν)が所望の範囲内にありながらも、可視光についての透過率が高く、且つ比重の小さな光学ガラスを得ることもできる。
本願の実施例のガラスについての屈折率(nd)とアッベ数(ν)の関係を示す図である。
本発明の光学ガラスは、モル%で、B成分を10.0%以上40.0%以下、Ln成分を5.0%以上30.0%以下(式中、LnはLa、Gd、Y、Ybからなる群より選択される1種以上)、及びBaO成分を1.0〜20.0%含有し、1.80以上2.20以下の屈折率(nd)を有し、20以上35以下のアッベ数(νd)を有する。本発明によれば、B成分及びLn成分に加えてBaO成分を併用したときに、所望の高屈折率及び高分散を得られながらも、材料コストが抑えられ、且つ、安定性の高いガラスを得ることができる。
以下、本発明の光学ガラスの実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合があるが、発明の趣旨を限定するものではない。
[ガラス成分]
本発明の光学ガラスを構成する各成分の組成範囲を以下に述べる。本明細書中において、各成分の含有量は特に断りがない場合は、全て酸化物換算組成のガラス全物質量に対するモル%で表示されるものとする。ここで、「酸化物換算組成」とは、本発明のガラス構成成分の原料として使用される酸化物、複合塩、金属弗化物等が溶融時に全て分解され酸化物へ変化すると仮定した場合に、当該生成酸化物の総物質量を100モル%として、ガラス中に含有される各成分を表記した組成である。
<必須成分、任意成分について>
成分は、希土類酸化物を多く含む本発明の光学ガラスにおいて、ガラス形成酸化物として欠かすことの出来ない必須成分である。
特に、B成分を10.0%以上含有することで、ガラスの耐失透性を高められ、且つ比重を小さくできる。従って、B成分の含有量は、好ましくは10.0%、より好ましくは13.0%、さらに好ましくは16.0%を下限とする。
他方で、B成分の含有量を40.0%以下にすることで、屈折率の低下やアッベ数の上昇を抑えられ、且つ化学的耐久性の悪化を抑えられる。従って、B成分の含有量は、好ましくは40.0%、より好ましくは38.0%、さらに好ましくは35.0%、さらに好ましくは30.0%を上限とする。
成分は、原料としてHBO、Na、Na・10HO、BPO等を用いることができる。
Ln成分(式中、LnはLa、Gd、Y、Ybからなる群より選択される1種以上)の含有量の和(モル和)は、5.0%以上30.0%以下が好ましい。
特に、このモル和を5.0%以上にすることで、ガラスの屈折率を高められるため、高屈折率ガラスを得易くできる。従って、Ln成分の含有量のモル和は、好ましくは5.0%、より好ましくは7.0%、さらに好ましくは9.0%を下限とする。
他方で、このモル和を30.0%以下にすることで、ガラスの液相温度が低くなるため、耐失透性を高められる。また、これによりアッベ数の上昇を抑えられ、且つガラスの材料コストを抑えられる。従って、Ln成分の含有量のモル和は、好ましくは30.0%、より好ましくは28.0%、さらに好ましくは25.0%、さらに好ましくは22.0%、さらに好ましくは19.0%、さらに好ましくは14.0%を上限とする。
BaO成分は、1.0%以上含有することで、ガラスの屈折率を高めながらも材料コストを抑えられ、且つ、ガラス原料の熔融性や耐失透性を高められる必須成分である。従って、BaO成分の含有量は、好ましくは1.0%、より好ましくは2.0%、さらに好ましくは3.5%、さらに好ましくは5.0%、さらに好ましくは7.5%、さらに好ましくは8.0%を下限とする。
他方で、BaO成分の含有量を20.0%以下にすることで、過剰な含有による失透や、比重の上昇を抑えられる。従って、BaO成分の含有量は、好ましくは20.0%、より好ましくは18.0%、さらに好ましくは15.0%を上限とする。
BaO成分は、原料としてBaCO、Ba(NO、BaF等を用いることができる。
La成分は、0%超含有する場合に、屈折率を高められる任意成分である。また、La成分を含有することで、比重を大きくする他の希土類元素の含有量が低減されるため、比重の小さいガラスをより得易くできる。従って、La成分の含有量は、好ましくは0%超、より好ましくは3.0%、さらに好ましくは5.0%、さらに好ましくは8.5%を下限としてもよい。
他方で、La成分の含有量を30.0%以下にすることで、ガラスの安定性を高めて失透を低減でき、且つアッベ数の上昇を抑えられる。従って、La成分の含有量は、好ましくは30.0%、より好ましくは25.0%、さらに好ましくは20.0%、さらに好ましくは16.0%、さらに好ましくは14.0%を上限とする。
La成分は、原料としてLa、La(NO・XHO(Xは任意の整数)等を用いることができる。
TiO成分は、0%超含有する場合に、屈折率を高められ、アッベ数を低くでき、比重を低減でき、且つ耐失透性を改善できる任意成分である。従って、TiO成分の含有量は、好ましくは0%超、より好ましくは1.0%超、さらに好ましくは5.0%超、さらに好ましくは7.0%超、さらに好ましくは12.0%超、さらに好ましくは16.0%超とし、さらに好ましくは20.5%、さらに好ましくは23.5%、さらに好ましくは24.5%を下限としてもよく、さらに好ましくは25.4%超としてもよい。
他方で、TiO成分の含有量を50.0%にすることで、ガラスの着色を低減して可視光透過率を高め、且つ、アッベ数の必要以上の低下を抑えられる。また、TiO成分の過剰な含有による失透を抑えられる。従って、TiO成分の含有量は、好ましくは50.0%、より好ましくは45.0%、さらに好ましくは40.0%、さらに好ましくは35.0%を上限とする。
TiO成分は、原料としてTiO等を用いることができる。
SiO成分は、0%超含有する場合に、熔融ガラスの粘度を高められ、ガラスの着色を低減でき、且つ耐失透性を高められる任意成分である。従って、SiO成分の含有量は、好ましくは0%超、より好ましくは1.0%超、さらに好ましくは3.0%超、さらに好ましくは6.0%超、さらに好ましくは8.0%超、さらに好ましくは10.0%超としてもよい。
他方で、SiO成分の含有量を30.0%以下にすることで、屈折率の低下を抑えられ、ガラス転移点の上昇を抑えられ、且つ比重を小さくできる。従って、SiO成分の含有量は、好ましくは30.0%、より好ましくは25.0%、さらに好ましくは20.0%、さらに好ましくは17.5%を上限とする。
SiO成分は、原料としてSiO、KSiF、NaSiF等を用いることができる。
ZrO成分は、0%超含有する場合に、ガラスの高屈折率化に寄与でき、且つ耐失透性を高められる任意成分である。従って、ZrO成分の含有量は、好ましくは0%超、より好ましくは0.5%超、さらに好ましくは2.0%超、さらに好ましくは3.0%超、さらに好ましくは4.0%超としてもよい。
他方で、ZrO成分を20.0%以下にすることで、ZrO成分の過剰な含有による、アッベ数の上昇や耐失透性の低下を抑えられる。従って、ZrO成分の含有量は、好ましくは20.0%、より好ましくは15.0%、さらに好ましくは10.0%、さらに好ましくは7.0%を上限とする。
ZrO成分は、原料としてZrO、ZrF等を用いることができる。
成分、Gd成分及びYb成分は、少なくともいずれかを0%超含有する場合に、ガラスの屈折率を高められ、且つ耐失透性を高められる任意成分である。
他方で、Y成分の含有量を30.0%以下にすること、Gd成分の含有量を15.0%以下にすること、又は、Yb成分の含有量を10.0%以下にすることで、過剰な含有による失透を低減でき、且つアッベ数の上昇を抑えられる。特に、Gd成分やYb成分の含有量を低減することで、ガラスの材料コストを抑えられる。従って、Y成分の含有量は、好ましくは30.0%以下、より好ましくは20.0%未満、さらに好ましくは10.0%未満とする。また、Gd成分の含有量は、好ましくは15.0%以下、より好ましくは10.0%未満、さらに好ましくは7.0%未満、さらに好ましくは4.0%未満、さらに好ましくは2.0%未満とする。また、Yb成分の含有量は、好ましくは10.0%以下、さらに好ましくは7.0%未満、さらに好ましくは4.0%未満、さらに好ましくは2.0%未満とする。
成分、Gd成分及びYb成分は、原料としてGd、GdF、Y、YF、Yb等を用いることができる。
Nb成分は、0%超含有する場合に、屈折率を高めてアッベ数を低くでき、耐失透性を高められる任意成分である。
他方で、Nb成分の含有量を15.0%以下にすることで、Nb成分の過剰な含有による、耐失透性の低下や、可視光の透過率の低下を抑えられる。また、これによりガラスの比重を小さくでき、且つ材料コストを抑えられる。従って、Nb成分の含有量は、好ましくは15.0%以下、より好ましくは10.0%未満、さらに好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.34%以下とする。
Nb成分は、原料としてNb等を用いることができる。
WO成分は、0%超含有する場合に、屈折率を高めてアッベ数を低くでき、ガラス転移点を低くでき、且つ耐失透性を高められる任意成分である。従って、WO成分の含有量は、好ましくは0%超、より好ましくは0.1%超、さらに好ましくは0.3%超としてもよい。
他方で、WO成分の含有量を30.0%以下にすることで、ガラスの可視光に対する透過率を低下し難くでき、且つ材料コストを抑えられる。従って、WO成分の含有量は、好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは2.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満とする。
WO成分は、原料としてWO等を用いることができる。
MgO成分、CaO成分及びSrO成分は、少なくともいずれかを0%超含有する場合に、ガラス原料の熔融性やガラスの耐失透性を高められる任意成分である。特にMgO成分及びCaO成分は、含有することで比重を小さくできる成分でもある。
他方で、MgO成分、CaO成分及びSrO成分のそれぞれの含有量を15.0%以下にすることで、これらの成分の過剰な含有による、屈折率の低下や失透を低減できる。従って、MgO成分、CaO成分及びSrO成分のそれぞれの含有量は、好ましくは15.0%以下、より好ましくは10.0%未満、より好ましくは8.5%以下、さらに好ましくは5.0%未満とする。
MgO成分、CaO成分及びSrO成分は、原料としてMgCO、MgF、CaCO、CaF、Sr(NO、SrF等を用いることができる。
ZnO成分は、0%超含有する場合に、ガラス転移点を低くでき、比重を小さくでき、且つ化学的耐久性を高められる任意成分である。従って、ZnO成分の含有量は、好ましくは0%超、より好ましくは2.0%超、さらに好ましくは4.0%超、さらに好ましくは7.0%超としてもよい。
他方で、ZnO成分の含有量を35.0%以下にすることで、屈折率の低下や失透を低減できる。また、これにより熔融ガラスの粘性が高められるため、ガラスへの脈理の発生を低減できる。従って、ZnO成分の含有量は、好ましくは35.0%、より好ましくは30.0%、さらに好ましくは25.0%、さらに好ましくは20.0%、さらに好ましくは17.0%、さらに好ましくは15.0%、さらに好ましくは12.0%を上限とする。
ZnO成分は、原料としてZnO、ZnF等を用いることができる。
LiO成分は、0%超含有する場合に、ガラスの熔融性を改善し、且つガラス転移点を低くできる任意成分である。
他方で、LiO成分の含有量を10.0%以下にすることで、屈折率の低下や失透を低減でき、且つ化学的耐久性を高めることができる。また、これにより熔融ガラスの粘性が高められるため、ガラスへの脈理の発生を低減できる。従って、LiO成分の含有量は、好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満とする。
LiO成分は、原料としてLiCO、LiNO、LiF等を用いることができる。
NaO成分及びKO成分は、少なくともいずれかを0%超含有する場合に、ガラス原料の熔融性を改善でき、耐失透性を高められ、且つガラス転移点を低くできる任意成分である。
他方で、NaO成分及びKO成分のそれぞれの含有量を10.0%以下にすることで、屈折率を低下し難くでき、且つ過剰な含有による失透を低減できる。従って、NaO成分及びKO成分のそれぞれの含有量は、好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満とする。
NaO成分及びKO成分は、原料としてNaCO、NaNO、NaF、NaSiF、KCO、KNO、KF、KHF、KSiF等を用いることができる。
成分は、0%超含有する場合に、耐失透性を高められる任意成分である。
他方で、P成分の含有量を15.0%以下にすることで、ガラスの化学的耐久性、特に耐水性の低下を抑えられる。従って、P成分の含有量は、好ましくは15.0%以下、より好ましくは10.0%未満、さらに好ましくは5.0%未満とする。
成分は、原料としてAl(PO、Ca(PO、Ba(PO、BPO、HPO等を用いることができる。
GeO成分は、0%超含有する場合に、ガラスの屈折率を高められ、且つ耐失透性を高められる任意成分である。
しかしながら、GeOは原料価格が高いため、その量が多いと材料コストが高くなることで、BaO成分の含有等によるコスト低減の効果が減殺される。従って、GeO成分の含有量は、好ましくは15.0%以下、より好ましくは10.0%未満、さらに好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満とし、最も好ましくは含有しない。
GeO成分は、原料としてGeO等を用いることができる。
Ta成分は、0%超含有する場合に、屈折率を高め、耐失透性を高め、且つ熔融ガラスの粘性を高められる任意成分である。
他方で、Ta成分の含有量を10.0%以下にすることで、希少鉱物資源であるTa成分の使用量が減るため、ガラスの材料コストを低減できる。また、これにより比重を小さくできる。従って、Ta成分の含有量は、好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは2.0%未満とし、さらに好ましくは1.0%未満とし、最も好ましくは含有しない。
Ta成分は、原料としてTa等を用いることができる。
Al成分は、0%超含有する場合に、化学的耐久性及び耐失透性を高められる任意成分である。
他方で、Al成分の含有量を15.0%以下にすることで、過剰な含有による失透を低減できる。従って、Al成分の含有量は、好ましくは15.0%以下、より好ましくは10.0%未満、さらに好ましくは5.0%未満とする。
Al成分は、原料としてAl、Al(OH)、AlF等を用いることができる。
Bi成分は、0%超含有する場合に、屈折率を高めてアッベ数を低くでき、且つガラス転移点を下げられる任意成分である。
他方で、Bi成分の含有量を10.0%以下にすることで、ガラスの耐失透性を高められ、且つ、ガラスの着色を低減して可視光透過率を高められる。従って、Bi成分の含有量は、好ましくは10.0%以下、より好ましくは8.0%未満、さらに好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満とする。
Bi成分は、原料としてBi等を用いることができる。
TeO成分は、0%超含有する場合に、屈折率を高め、且つガラス転移点を下げられる任意成分である。
他方で、TeO成分の含有量を15.0%以下にすることで、ガラスの着色を低減して可視光透過率を高められる。また、TeOは白金製の坩堝や、熔融ガラスと接する部分が白金で形成されている熔融槽でガラス原料を熔融する際、白金と合金化しうる問題がある。従って、TeO成分の含有量は、好ましくは15.0%以下、より好ましくは10.0%未満、さらに好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満とする。
TeO成分は、原料としてTeO等を用いることができる。
SnO成分は、0%超含有する場合に、熔融ガラスの酸化を低減して清澄しながらも、ガラスの可視光透過率を高められる任意成分である。
他方で、SnO成分の含有量を5.0%以下にすることで、熔融ガラスの還元によるガラスの着色や、ガラスの失透を低減できる。また、SnO成分と熔解設備(特にPt等の貴金属)の合金化が低減されるため、熔解設備の長寿命化を図れる。従って、SnO成分の含有量は、好ましくは5.0%、より好ましくは3.0%、さらに好ましくは1.0%を上限とする。
SnO成分は、原料としてSnO、SnO、SnF、SnF等を用いることができる。
Sb成分は、0%超含有する場合に、熔融ガラスを脱泡できる任意成分である。
一方で、Sb量が多すぎると、可視光領域の短波長領域における透過率が悪くなる。従って、Sb成分の含有量は、好ましくは1.0%、より好ましくは0.5%、さらに好ましくは0.3%を上限とする。
Sb成分は、原料としてSb、Sb、NaSb・5HO等を用いることができる。
なお、ガラスを清澄し脱泡する成分としては、上記のSb成分に限定されず、ガラス製造の分野における公知の清澄剤や脱泡剤、或いはそれらの組み合わせを用いることができる。
TiO成分、Nb成分及びWO成分の含有量の和(モル和)は、10.0%以上60.0%以下が好ましい。
特に、この和を10.0%以上にすることで、屈折率が高まり、アッベ数が低くなり、且つガラスの安定性が高まるため、高屈折率高分散の光学ガラスを得易くできる。従って、モル和(TiO+Nb+WO)は、好ましくは10.0%以上、より好ましくは12.0%超、さらに好ましくは16.0%超、さらに好ましくは20.0%超、さらに好ましくは23.5%以上、さらに好ましくは25.7%以上とする。
一方で、この和を60.0%以下にすることで、これら成分の過剰な含有によるガラスの着色や失透を低減できる。従って、モル和(TiO+Nb+WO)は、好ましくは60.0%、より好ましくは50.0%、さらに好ましくは45.0%、さらに好ましくは40.0%、さらに好ましくは38.0%を上限とする。
Ln成分(式中、LnはLa、Gd、Y、Ybからなる群より選択される1種以上)の含有量に対する、TiO成分、Nb成分及びWO成分の含有量の和の比率(モル比)は、0.50以上10.00以下が好ましい。
特に、この比率を0.50以上にすることで、屈折率が高まり、アッベ数が低くなり、且つガラスの安定性が高まるため、高屈折率高分散の光学ガラスを得易くできる。従って、モル比(TiO+Nb+WO)/Lnは、好ましくは0.50、より好ましくは0.65、さらに好ましくは0.80、さらに好ましくは1.10、さらに好ましくは1.35、さらに好ましくは1.65、さらに好ましくは1.85を下限とする。
他方で、この比率を10.00以下にすることで、耐失透性を高められ、且つ可視光領域の短波長領域における透過率を高められる。従って、モル比(TiO+Nb+WO)/Lnは、好ましくは10.00、より好ましくは7.00、さらに好ましくは4.00を上限とする。
成分及びSiO成分の含有量の和(モル和)は、20.0%以上60.0%以下が好ましい。
特に、この和を20.0%以上にすることで、B成分やSiO成分の欠乏による失透を抑えられる。従って、モル和(B+SiO)は、好ましくは20.0%、より好ましくは25.0%、さらに好ましくは29.0%、さらに好ましくは34.0%、さらに好ましくは38.0%を下限とする。
他方で、この和を60.0%以下にすることで、これらの成分の過剰な含有による屈折率の低下を抑えられる。従って、モル和(B+SiO)は、好ましくは60.0%、より好ましくは50.0%、さらに好ましくは46.0%、さらに好ましくは43.0%、さらに好ましくは41.0%を上限とする。
本発明の光学ガラスは、Ln成分(式中、LnはLa、Gd、Y、Ybからなる群より選択される1種以上)及びNb成分の含有量の和に対する、TiO成分及びBaO成分の含有量の和の比率(モル比)が0.50以上10.00以下であることが好ましい。
特に、この比率を0.50以上にすることで、屈折率を高める成分の中でも、材料コストの低廉なTiO成分及びBaO成分の含有量が相対的に増加するため、ガラスの材料コストを低減できる。また、これにより所望の高屈折率及び高分散を得ながらも、ガラスの安定性を高められる。従って、モル比(TiO+BaO)/(Ln+Nb)は、好ましくは0.50、より好ましくは0.80、さらに好ましくは1.00、さらに好ましくは1.30、さらに好ましくは1.60、さらに好ましくは2.00、さらに好ましくは2.50、さらに好ましくは2.65を下限とする。
他方で、この比率を10.00以下にすることで、この比率が大きすぎることによるガラスの失透を低減できる。従って、モル比(TiO+BaO)/(Ln+Nb)は、好ましくは10.00、より好ましくは8.00、さらに好ましくは6.00を上限とする。
RO成分(式中、RはZn、Mg、Ca、Sr、Baからなる群より選択される1種以上)の含有量の和(モル和)は、1.0%以上40.0%以下が好ましい。
特に、この和を1.0%以上にすることで、ガラス原料の熔融性やガラスの耐失透性を高められる。従って、RO成分の合計含有量は、好ましくは1.0%、より好ましくは5.0%、さらに好ましくは8.0%、さらに好ましくは11.0%、さらに好ましくは13.0%を下限とする。
他方で、この和を40.0%以下にすることで、これらの成分の過剰な含有による失透を低減でき、且つ屈折率の低下を抑えられる。従って、RO成分の合計含有量は、好ましくは40.0%、より好ましくは35.0%、さらに好ましくは30.0%、さらに好ましくは25.0%を上限とする。
RnO成分(式中、RnはLi、Na、Kからなる群より選択される1種以上)の含有量の和(モル和)は、10.0%以下が好ましい。これにより、ガラスの屈折率の低下を抑えられ、且つ失透を低減できる。従って、RnO成分の含有量のモル和は、好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満とする。
<含有すべきでない成分について>
次に、本発明の光学ガラスに含有すべきでない成分、及び含有することが好ましくない成分について説明する。
他の成分を本願発明のガラスの特性を損なわない範囲で必要に応じ、添加することができる。ただし、Ti、Zr、Nb、W、La、Gd、Y、Yb、Luを除く、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Ag及びMo等の各遷移金属成分は、それぞれを単独又は複合して少量含有した場合でもガラスが着色し、可視域の特定の波長に吸収を生じる性質があるため、特に可視領域の波長を使用する光学ガラスにおいては、実質的に含まないことが好ましい。
また、PbO等の鉛化合物及びAs等の砒素化合物は、環境負荷が高い成分であるため、実質的に含有しないこと、すなわち、不可避な混入を除いて一切含有しないことが望ましい。
さらに、Th、Cd、Tl、Os、Be、及びSeの各成分は、近年有害な化学物資として使用を控える傾向にあり、ガラスの製造工程のみならず、加工工程、及び製品化後の処分に至るまで環境対策上の措置が必要とされる。従って、環境上の影響を重視する場合には、これらを実質的に含有しないことが好ましい。
[製造方法]
本発明の光学ガラスは、例えば以下のように作製される。すなわち、上記原料を各成分が所定の含有量の範囲内になるように均一に混合し、作製した混合物を白金坩堝、石英坩堝又はアルミナ坩堝に投入して粗溶融した後、白金坩堝、白金合金坩堝又はイリジウム坩堝に入れて1100〜1400℃の温度範囲で3〜5時間溶融し、攪拌均質化して泡切れ等を行った後、1000〜1300℃の温度に下げてから仕上げ攪拌を行って脈理を除去し、金型に鋳込んで徐冷することにより作製される。
<物性>
本発明の光学ガラスは、高屈折率及び高アッベ数(低分散)を有する。
特に、本発明の光学ガラスの屈折率(n)は、好ましくは1.80、より好ましくは1.85を下限とし、さらに好ましくは1.87超、さらに好ましくは1.90超とする。この屈折率の上限は、好ましくは2.20、より好ましくは2.10、さらに好ましくは2.05、さらに好ましくは1.99であってもよい。また、本発明の光学ガラスのアッベ数(ν)は、好ましくは20、より好ましくは22、さらに好ましくは24を下限とし、好ましくは35、より好ましくは34、さらに好ましくは32を上限とし、さらに好ましくは30未満とする。
本発明の光学ガラスは、このような屈折率及びアッベ数を有するため、光学設計上有用であり、特に高い結像特性等を図りながらも、光学系の小型化を図ることができ、光学設計の自由度を広げることができる。
ここで、本発明の光学ガラスは、屈折率(nd)及びアッベ数(νd)が、(−0.02νd+2.44)≦nd≦(−0.02νd+2.54)の関係を満たすことが好ましい。本発明で特定される組成のガラスでは、屈折率(nd)及びアッベ数(νd)がこの関係を満たすことで、より安定なガラスを得られる。
従って、本発明の光学ガラスでは、屈折率(nd)及びアッベ数(νd)が、nd≧(−0.02νd+2.44)の関係を満たすことが好ましく、nd≧(−0.02νd+2.45)の関係を満たすことがより好ましく、nd≧(−0.02νd+2.46)の関係を満たすことがさらに好ましい。
一方で、本発明の光学ガラスでは、屈折率(nd)及びアッベ数(νd)が、nd≦(−0.02νd+2.54))の関係を満たすことが好ましく、nd≦(−0.02νd+2.53))の関係を満たすことがより好ましく、nd≦(−0.02νd+2.52))の関係を満たすことがさらに好ましい。
本発明の光学ガラスは、可視光透過率、特に可視光のうち短波長側の光の透過率が高く、それにより着色が少ないことが好ましい。
特に、本発明の光学ガラスは、ガラスの透過率で表すと、厚み10mmのサンプルで分光透過率70%を示す波長(λ70)は、好ましくは600nm、より好ましくは550nm、さらに好ましくは520nmを上限とする。
また、本発明の光学ガラスにおける、厚み10mmのサンプルで分光透過率5%を示す最も短い波長(λ)は、好ましくは400nm、より好ましくは390nm、さらに好ましくは380nmを上限とする。
これらにより、ガラスの吸収端が紫外領域の近傍になり、可視光に対するガラスの透明性が高められるため、この光学ガラスを、レンズ等の光を透過させる光学素子に好ましく用いることができる。
本発明の光学ガラスは、比重が小さいことが好ましい。より具体的には、本発明の光学ガラスの比重は5.50以下であることが好ましい。これにより、光学素子やそれを用いた光学機器の質量が低減されるため、光学機器の軽量化に寄与できる。従って、本発明の光学ガラスの比重は、好ましくは5.50、より好ましくは5.20、さらに好ましくは5.00、さらに好ましくは4.80を上限とする。なお、本発明の光学ガラスの比重は、概ね3.00以上、より詳細には3.50以上、さらに詳細には4.00以上であることが多い。
本発明の光学ガラスの比重は、日本光学硝子工業会規格JOGIS05−1975「光学ガラスの比重の測定方法」に基づいて測定する。
本発明の光学ガラスは、ガラス作製時における耐失透性(明細書中では、単に「耐失透性」という場合がある。)の高い、安定なガラスであることが好ましい。これにより、ガラス作製時におけるガラスの結晶化等による透過率の低下が抑えられるため、この光学ガラスをレンズ等の可視光を透過させる光学素子に好ましく用いることができる。なお、ガラス作製時における耐失透性が高いことを示す尺度としては、例えば液相温度が低いことが挙げられる。
[ガラス成形体及び光学素子]
作製された光学ガラスから、例えば研磨加工の手段、又は、リヒートプレス成形や精密プレス成形等のモールドプレス成形の手段を用いて、ガラス成形体を作製することができる。すなわち、光学ガラスに対して研削及び研磨等の機械加工を行ってガラス成形体を作製したり、光学ガラスから作製したプリフォームに対してリヒートプレス成形を行った後で研磨加工を行ってガラス成形体を作製したり、研磨加工を行って作製したプリフォームや、公知の浮上成形等により成形されたプリフォームに対して精密プレス成形を行ってガラス成形体を作製したりすることができる。なお、ガラス成形体を作製する手段は、これらの手段に限定されない。
このように、本発明の光学ガラスから形成したガラス成形体は、様々な光学素子及び光学設計に有用であるが、その中でも特に、レンズやプリズム等の光学素子に用いることが好ましい。これにより、径の大きなガラス成形体の形成が可能になるため、光学素子の大型化を図りながらも、カメラやプロジェクタ等の光学機器に用いたときに高精細で高精度な結像特性及び投影特性を実現できる。
本発明の実施例(No.1〜No.65)の組成、並びに、屈折率(n)、アッベ数(ν)、分光透過率が5%及び70%を示す波長(λ、λ70)並びに比重を表1〜表9に示す。
なお、以下の実施例はあくまで例示の目的であり、これらの実施例のみ限定されるものではない。
実施例のガラスは、いずれも各成分の原料として各々相当する酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、弗化物、水酸化物、メタ燐酸化合物等の通常の光学ガラスに使用される高純度の原料を選定し、表に示した各実施例及び比較例の組成の割合になるように秤量して均一に混合した後、白金坩堝に投入し、ガラス組成の熔融難易度に応じて電気炉で1100〜1400℃の温度範囲で3〜5時間溶解し、攪拌均質化して泡切れ等を行った後、1000〜1300℃に温度を下げて攪拌均質化してから金型に鋳込み、徐冷してガラスを作製した。
実施例のガラスの屈折率(n)及びアッベ数(ν)は、日本光学硝子工業会規格JOGIS01―2003に基づいて測定した。そして、求められた屈折率(n)及びアッベ数(ν)の値から、関係式n=−a×ν+bにおける、傾きaが0.02のときの切片bを求めた。
なお、本測定に用いたガラスは、徐冷降温速度を−25℃/hrとして、徐冷炉にて処理を行ったものを用いた。
実施例のガラスの透過率は、日本光学硝子工業会規格JOGIS02に準じて測定した。なお、本発明においては、ガラスの透過率を測定することで、ガラスの着色の有無と程度を求めた。具体的には、厚さ10±0.1mmの対面平行研磨品をJISZ8722に準じ、200〜800nmの分光透過率を測定し、λ(透過率5%時の波長)及びλ70(透過率70%時の波長)を求めた。
実施例のガラスの比重は、日本光学硝子工業会規格JOGIS05−1975「光学ガラスの比重の測定方法」に基づいて測定した。
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これらの表のとおり、本発明の実施例の光学ガラスは、いずれも屈折率(n)が1.80以上、より詳細には1.90以上であるとともに、この屈折率(n)は2.20以下、より詳細には1.99以下であり、所望の範囲内であった。
また、本発明の実施例の光学ガラスは、いずれもアッベ数(ν)が20以上、より詳細には25以上であるとともに、このアッベ数(ν)は35以下、より詳細には30以下であり、所望の範囲内であった。
また、本発明の実施例の光学ガラスは、屈折率(nd)及びアッベ数(νd)が、(−0.02νd+2.44)≦nd≦(−0.02νd+2.54)の関係を満たしており、より詳細には(−0.02νd+2.47)≦nd≦(−0.02νd+2.51)の関係を満たしていた。そして、本願の実施例のガラスについての屈折率(nd)及びアッベ数(νd)の関係は、図1に示されるようになった。
これらの光学ガラスは、いずれも失透していない安定なガラスであった。
このため、本発明の実施例の光学ガラスは、高屈折率に寄与する成分の中でも材料コストの安いBaO成分を含有させたときに、屈折率(n)及びアッベ数(ν)が所望の範囲内にあり、且つ、安定性の高い光学ガラスを得られることが明らかになった。
また、本発明の実施例の光学ガラスは、いずれも比重が5.50以下、より詳細には5.00以下であり、所望の範囲内であった。
また、本発明の実施例の光学ガラスは、λ70(透過率70%時の波長)がいずれも600nm以下、より詳細には520nm以下であった。また、本発明の実施例の光学ガラスは、λ(透過率5%時の波長)がいずれも400nm以下、より詳細には375nm以下であった。このため、本発明の実施例の光学ガラスは、可視光に対する透過率が高く着色し難いことが明らかになった。
従って、本発明の実施例の光学ガラスは、折率(n)及びアッベ数(ν)が所望の範囲内にあり、安定性が高く、可視光についての透過率が高く、且つ比重の小さな光学ガラスを、より安価に得ることができることが明らかになった。
以上、本発明を例示の目的で詳細に説明したが、本実施例はあくまで例示の目的のみであって、本発明の思想及び範囲を逸脱することなく多くの改変を当業者により成し得ることが理解されよう。

Claims (13)

  1. モル%で、B成分を10.0%以上40.0%以下、Ln成分を5.0%以上30.0%以下(式中、LnはLa、Gd、Y、Ybからなる群より選択される1種以上)、及びBaO成分を1.0〜20.0%含有し、1.80以上2.20以下の屈折率(nd)を有し、20以上35以下のアッベ数(νd)を有する光学ガラス。
  2. モル%で、
    La成分 0〜30.0%、
    TiO成分 0〜50.0%、
    SiO成分 0〜30.0%及び
    ZrO成分 0〜20.0%
    である請求項1記載の光学ガラス。
  3. モル%で、
    Gd成分 0〜15.0%、
    成分 0〜30.0%、
    Yb成分 0〜10.0%、
    Nb成分 0〜15.0%、
    WO成分 0〜10.0%、
    MgO成分 0〜15.0%、
    CaO成分 0〜15.0%、
    SrO成分 0〜15.0%、
    ZnO成分 0〜35.0%、
    LiO成分 0〜10.0%、
    NaO成分 0〜10.0%、
    O成分 0〜10.0%、
    成分 0〜15.0%、
    GeO成分 0〜15.0%、
    Ta成分 0〜10.0%、
    Al成分 0〜15.0%、
    Bi成分 0〜10.0%、
    TeO成分 0〜15.0%、
    SnO成分 0〜5.0%及び
    Sb成分 0〜1.0%
    である請求項1又は2記載の光学ガラス。
  4. モル和(TiO+Nb+WO)が10.0%以上60.0%以下である請求項1から3のいずれか記載の光学ガラス。
  5. モル比(TiO+Nb+WO)/Lnが0.50以上10.00以下である請求項1から4のいずれか記載の光学ガラス。
  6. モル和(B+SiO)が20.0%以上60.0%以下である請求項1から5のいずれか記載の光学ガラス。
  7. モル比(TiO+BaO)/(Ln+Nb)が0.50以上10.00以下である請求項1から6のいずれか記載の光学ガラス。
  8. RO成分(式中、RはMg、Ca、Sr、Ba、Znからなる群より選択される1種以上)のモル和が1.0%以上40.0%以下、
    RnO成分(式中、RnはLi、Na、Kからなる群より選択される1種以上)のモル和が10.0%以下
    である請求項1から7のいずれか記載の光学ガラス。
  9. 屈折率(nd)及びアッベ数(νd)が、(−0.02νd+2.44)≦nd≦(−0.02νd+2.54)の関係を満たす請求項1から8のいずれか記載の光学ガラス。
  10. 比重が5.50以下である請求項1から9のいずれか記載の光学ガラス。
  11. 請求項1から10のいずれか記載の光学ガラスからなる光学素子。
  12. 請求項1から10いずれか記載の光学ガラスからなる研磨加工用及び/又は精密プレス成形用のプリフォーム。
  13. 請求項12記載のプリフォームを精密プレスしてなる光学素子。
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