JP2016080718A - 光学部材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】境界線が正確なマスキングを簡便に行う方法を提供する。【解決手段】基材に反射防止層を設けることにより光学部材を製造する方法であって、基材は、反射防止層が設けられる部分と反射防止層が設けられない部分との間に、反射防止層が設けられる部分にレジスト膜が付着するのを防止するための凹部、溝部又は突起部を有し、反射防止層が設けられない部分にレジスト膜を形成し、レジスト膜が形成された基材に反射防止処理を施した後、レジスト膜を除去することを特徴とする光学部材の製造方法。【選択図】図7

Description

本発明は、カメラ、顕微鏡等の光学装置に用いる鏡筒等の光学部材の製造方法に関する。
撮影レンズ、プリズム等の光学素子を保持するカメラ、顕微鏡等の光学装置の鏡筒等の光学部材は、内壁面に反射防止処理を施すのが一般的であり、それにより光学系の光路から外れた光の反射を抑え、もってゴーストやフレアの発生を抑える。鏡筒内で光路から外れた光の反射を抑えるために、種々の提案がなされている。
内壁面に反射防止処理を施す際、反射防止処理を行わない部分にマスキングを行うことにより、内壁面の反射防止層を設ける箇所に選択的に反射防止処理を施すことができる。マスキング方法としては、樹脂製の粘着テープを貼る方法や、マスキング用治具を取り付ける方法が挙げられる。しかし、粘着テープを貼る方法ではカメラ鏡筒の内壁のような狭い場所や、小さい部品に正確に張ることが難しい。マスキング用治具を用いる方法では正確な寸法精度と密着力が要求されるため、治具が高価になることや、レジスト剤の浸み込みを完全に防止することは難しい。
特開2010-186157号公報(特許文献1)は、鏡枠部材の表面のうち、反射防止面形成面以外の面にマスキングを施し、鏡枠部材の表面のマスキングを施していない他の部分に反射防止処理を施した後、マスキングを除去する鏡枠部材の表面加工方法を開示している。しかしこの方法では、反射防止処理を施す面にもレジスト剤が付着しないようにマスキングを施すことが難しい。
特開2010-186157号公報
従って本発明の目的は、反射防止層が設けられる部分と反射防止層が設けられない部分とを簡便に区分けしつつ、反射防止層を備えた光学部材を製造する方法を提供することである。
上記課題に鑑み鋭意研究の結果、本発明者は、反射防止層が設けられる部分と反射防止層が設けられない部分との間に、反射防止層が設けられる部分にレジスト膜が付着するのを防止するための凹部、溝部又は突起部を有する基材を用いてマスキング及び反射防止処理を行うことにより、反射防止層を備えた光学部材を簡便に製造することができることを発見し、本発明に想到した。
本発明の一実施態様による光学部材の製造方法は、基材に反射防止層を設けることにより光学部材を製造する方法であって、前記基材は、前記反射防止層が設けられる部分と前記反射防止層が設けられない部分との間に、前記反射防止層が設けられる部分にレジスト膜が付着するのを防止するための凹部、溝部又は突起部を有し、前記反射防止層が設けられない部分にレジスト膜を形成し、前記レジスト膜が形成された前記基材に反射防止処理を施した後、前記レジスト膜を除去することを特徴とする。
前記反射防止処理は、基材にめっき処理を施し、又はめっき処理を施した後にエッチング処理を施すのが好ましい。
前記基材は鏡筒又は前記鏡筒の光学素子支持枠、間隔環及び押さえ環の少なくとも一種の内部環であるのが好ましく、前記凹部、前記溝部又は前記突起部は環状であるのが好ましい。
前記反射防止層は0.1〜30μmのピッチでランダムに形成された高さ0.5〜20μmの多数の微小突起を有するのが好ましい。
前記基材の他の基材と接する部分には前記反射防止層が設けられていないのが好ましく、前記他の基材がレンズであるのが好ましく、前記突起部がレンズと当接するのが好ましい。前記基材の前記他の基材と接する部分の少なくとも一端に前記凹部が設けられているのが好ましい。
本発明によれば、反射防止層が設けられる部分と反射防止層が設けられない部分との間に、反射防止層が設けられる部分にレジスト膜が付着するのを防止するための凹部、溝部又は突起部を有する基材を用いてマスキング及び反射防止処理を行うことにより、反射防止層を備えた光学部材を簡便に製造することができる。
反射防止層を有する鏡筒にレンズを装着した例を示す縦断面図である。 間隔環の一例を示す縦断面図である。 図2の間隔環に反射防止層を形成する方法を示す図である。 反射防止層を有する間隔環を示す図である。 間隔環の別の例を示す縦断面図である。 間隔環のさらに別の例を示す縦断面図である。 図6の間隔環に反射防止層を形成する方法を示す図である。 反射防止層を有する間隔環を示す図である。 間隔環のさらに別の例を示す縦断面図である。 図9の間隔環に反射防止層を形成する方法を示す図である。 反射防止層を有する間隔環を示す図である。 内方フランジの一例を示す縦断面図である。 図12の内方フランジに反射防止層を形成する方法を示す図である。 反射防止層を有する内方フランジを示す図である。 第一の押さえ環の一例を示す縦断面図である。 図14の第一の押さえ環に反射防止層を形成する方法を示す図である。 反射防止層を有する第一の押さえ環を示す図である。
本発明の光学部材の製造方法は、鏡筒又は鏡筒の光学素子支持枠、間隔環及び押さえ環の少なくとも一種の内部環からなる基材に対して好適に用いることができる。従って、本発明の光学部材の製造方法を、基材として鏡筒及び内部環を用いて添付図面を参照して以下詳細に説明する。しかし、本発明は勿論それらに限定されるものではない。各実施形態に関する説明は、特に断りがなければ他の実施形態にも適用できる。
[1] 従来の鏡筒
反射防止層を形成した従来の鏡筒及び内部環の一例を図1に示す。従来の一般的な鏡筒及び内部環とそれらの表面に設けられた反射防止層について説明した上で、図2以降で本発明の各実施例を詳細に説明する。図1には説明のために、鏡筒により支持されるレンズを記載している。以下の説明では図1の左側を「前方」とし、右側を「後方」とする。
図1に示す鏡筒1は、中間部に径方向内向きに突出した内方フランジ12を一体的に備え、前方の内周面に雌ねじ部110が形成され、後方の外周面に雄ねじ部120が形成された鏡筒本体10と、鏡筒本体10の雌ねじ部110と螺合する雄ねじ部130を外周面に備える第一の押さえ環13と、前方に径方向内向きに突出して設けられた内方フランジ40を有する間隔環14と、鏡筒本体10の雌ねじ部120と螺合する雄ねじ部150を外周面に備える第二の押さえ環15とを備える。鏡筒本体10、第一の押さえ環13、間隔環14及び第二の押さえ環15は光軸Oを中心とする同心をなしている。
図1に示すように、鏡筒1の内部に、樹脂製又はガラス製で無色透明かつ光軸Oを中心とする回転対称形状の第一のレンズL1、第二のレンズL2及び第三のレンズL3を設置することができる。
第一のレンズL1は、前端縁が第一の押さえ環13の後面と当接しており、後端縁が内方フランジ12の前面と当接している。第二のレンズL2は、前端縁が内方フランジ12の後面と当接しており、後端縁が間隔環14の前面と当接している。第三のレンズL3は、前端縁が間隔環14の後面と当接しており、後端縁が第二の押さえ環15の前面と当接している。
鏡筒本体10の内方フランジ12、第一の押さえ環13及び間隔環14の内壁面のうち、反射防止を要する面に反射防止層がそれぞれ設けられている。すなわち、図1に示す例では、内方フランジ12の内周面、前面及び後面の第一のレンズL1及び第二のレンズL2と接していない部分に反射防止層12a,12bが設けられており、第一の押さえ環13の内周面及び前面の第一のレンズL1と接していない部分に反射防止層13aが設けられており、間隔環14の内周面、前面及び後面の第二のレンズL2及び第三のレンズL3と接していない部分に反射防止層14a,14bが設けられている。鏡筒1の反射防止層は、レンズや各部材と嵌合する面を除く部分全てに設けられていれば最も反射防止効果が得られるが、少なくともレンズ等の光学素子に挟まれる領域に設けられているのが望ましい。
図1の例では内方フランジ12、第一の押さえ環13及び間隔環14に設けたが、反射防止層を設ける箇所はそれらに限定されず、鏡枠部材のあらゆる箇所に取り付けることができる。例えば、内部を光路が通過する部材であれば内壁面は円筒形に限定されず、カメラボディの内のミラーボックス内の壁面や、ファインダー光路の壁面のような円筒形でない壁面にも反射防止層を設けることができる。さらに、反射防止層を設ける鏡筒はカメラに限定されず、顕微鏡の鏡筒にも取り付け可能である。
鏡筒の材料は特に限定されないが、アルミニウム又はアルミニウムを主成分とする合金からなるのが好ましい。また反射防止効果をより高めるために、鏡筒の内壁面にアルマイト処理又は黒アルマイト処理が施されているのが好ましい。また鏡筒の構成は図1のものに限らず、光学素子の支持・位置決めを行うものであれば、種々のものを採用することができる。例えば、鏡筒はレンズ等の光学素子同士の間隔を調整する間隔環や、鏡筒内に取り付けられ、光学素子を設置する光学素子支持枠等の内部環を有していても良い。
[2] 光学素子の製造方法
(1) 間隔環
図2は本発明に用いる間隔環24の一例を示す。図2に示す間隔環24は、外周面241の両端に環状の凹部242,242が設けられている。
図3は間隔環24の外周面以外に反射防止層24aを形成する工程を示す。反射防止層24aを間隔環24の外周面以外に設けることにより、間隔環24に反射防止効果を付与することができる。図3(1) は図2に示す間隔環24の片断面図を示しており、図3(1) に示す凹部242,242は間隔環24の外周面に沿って環状に形成されている。以降の図面でも同様である。
間隔環24の外周面241にレジスト剤を塗布し、乾燥することによりレジスト膜24bを形成する(図3(2))。レジスト剤の塗布は、間隔環24の外周面以外にマスキング剤が付着しないように、刷毛や筆等により行うのが望ましい。レジスト剤は特に限定されないが、めっき処理に好適に用いられる等が挙げられる。
間隔環24の外周面241にレジスト剤を塗布する際、レジスト剤が外周面241から僅かにはみ出したとしても、両端に設けられた凹部242,242に垂れ込むが、レジスト剤が間隔環24の側面にまで届くことはない。すなわち、間隔環24の外周面241の両端に凹部242,242を設けることにより、レジスト膜24bが間隔環24の側面にも付着するのを防止することができる。
間隔環24をニッケルめっき処理又はニッケル合金めっき処理等のめっき処理を行うことにより、間隔環24の内周面及び両側面に反射防止層24aを形成する(図3(3))。レジスト膜24bは間隔環24の内周面及び両側面に形成されていないため、間隔環14の内周面及び両側面に確実に反射防止層24aを形成することができる。反射防止層24aの厚みは3〜90μmであるのが好ましい。以降に説明する反射防止層の厚みも反射防止層24aと同じで良い。
間隔環24の反射防止層24aにエッチング処理を施しても良い。これにより、間隔環24の反射防止層24aに多数の微小突起がランダムに形成される。微小突起の高さは0.5〜20μmであるのが好ましく、ピッチが0.1〜30μmであるのが好ましい。このエッチング処理は、例えば、硝酸など(硝酸エッチング)によりを行う。エッチング処理はレジスト膜24bを除去する前に行っても良いし、レジスト膜24bを除去した後に行っても良い。またエッチング処理前の反射防止層24aの微小突起の高さ及びピッチが上記数値範囲に含まれる場合、このエッチング工程を省略しても良い。このように部材表面に多数の微小突起がランダムな配列で形成された微細凹凸構造を設けることにより、可視光波長に対して反射防止効果を得ることができる。微細凹凸構造による反射防止特性に関する説明については、特開2010-186157号を参照されたい。
レジスト膜24bを除去することにより、内周面及び両側面に反射防止層14aが設けられた間隔環24が得られる(図3(4))。レジスト膜24bの除去は、例えば間隔環24をレジスト剥離剤に浸漬してレジスト膜24bを剥離させた後、純水で洗浄することにより行う。
反射防止層24aが設けられた間隔環24を鏡筒本体10に設置し、第二のレンズL2及び第三のレンズL3を取り付けた例を図5に示す。図5に示すように、鏡筒本体10の内周面と接する間隔環24の外周面241には反射防止層24aは設けられていない。なお反射防止層24aは図3(4) に示すように凹部242,242の一部にも形成されていても良い。凹部242,242は鏡筒本体10と接しないため、鏡筒本体10との摺接することにより反射防止層が破壊されることがなく、凹部242,242と鏡筒本体10との間の隙間に光が捕捉されることにより、その部分の光の反射を抑えることが出来る。
図3及び4にて説明した実施例では間隔環24の第二のレンズL2及び第三のレンズL3と接する部分に反射防止層24aが設けられているが、第二のレンズL2及び第三のレンズL3と接する部分に反射防止層が設けられていない間隔環の実施例について以下説明する。
図5は本発明に用いる間隔環34の別の例を示す。図5に示す間隔環34は、外周面341の両端部に環状の溝部342,342が設けられている。図2及び3の間隔環24と同様に間隔環34の外周面341のみにレジスト剤を塗布する。間隔環34の外周面341にレジスト剤を塗布する際、レジスト剤が外周面341から僅かにはみ出したとしても、両端部に設けられた溝部342,342に垂れ込むことにより、溝部342,342でレジスト剤を補足し、レジスト剤が間隔環34の側面にまで届くことはない。すなわち、間隔環34の外周面341の両端部に環状の溝部342,342を設けることにより、レジスト剤が間隔環34の側面にも付着するのを防止することができる。
図6は本発明に用いる間隔環のさらに別の例を示す。図6に示す間隔環44は、外周面441の後端に設けられた環状の凹部451と、後面442の内周面側に設けられた環状の溝部452と、前面443の外周面側に設けられた環状の溝部453と、内周面444の後端に設けられた環状の突起部454とを有する。
図7は間隔環44の外周面以外に反射防止層44a,44bを形成する工程を示す。図7(1) は図6に示す間隔環44の片断面図を示す。間隔環44の外周面441及び前面443の外周面側部4431と、後面442の内周面側部4422及び突起部454の後面側とにレジスト剤を塗布し、乾燥することによりレジスト膜44c,44dを形成する(図7(2))。レジスト剤の塗布及びレジスト膜は上記と同じで良い。
間隔環44にレジスト剤を塗布する際、前面443の外周面側部4431と内周面側部4432との間に溝部453が設けられているので、外周面側部4431に塗布したレジスト剤は溝部453に補足され、内周面側部4432に流れ込むのを防止することができる。また後面442の内周面側部4422と外周面側部4421との間に溝部452が設けられているので、内周面側部4422に塗布したレジスト剤は溝部452に補足され、外周面側部4421に流れ込むのを防止することができる。加えて、突起部454を設けることにより内周面側部4422に塗布したレジスト剤が内周面344に流れ込むのを防止することができる。
図3(3)及び(4) と同様に間隔環44に反射防止処理を施した後、レジスト膜44c,44dを除去することにより、前面443の内周面側部4432及び内周面444に反射防止層44aが形成され、後面442の外周面側部4421に反射防止層44bが形成された間隔環44が得られる。
反射防止層44a,44bが設けられた間隔環44を鏡筒本体10に設置し、第二のレンズL2及び第三のレンズL3を取り付けた例を図8に示す。図8に示すように、鏡筒本体10の内周面と接する間隔環44の外周面441には反射防止層が設けられておらず、第二のレンズL2及び第三のレンズL3と接する部分にも反射防止層が設けられていない。そのため、反射防止層44a,44bにより十分な反射防止効果が得られつつ、鏡筒本体やレンズとの接触により反射防止層が破壊され、その破片が粉としてレンズや他の部品等に付着するのを防止することができる。
図9は本発明に用いる間隔環のさらに別の例を示す。図9に示す間隔環54は、外周面541の後端に設けられた環状の凹部551と、後面542の内周面側の端部に設けられた環状の突起部552と、前面543の外周面側の端部に設けられた環状の突起部553と、内周面544の後端に設けられた環状の突起部554とを有する。
図10は間隔環54の外周面以外に反射防止層54a,54bを形成する工程を示す。図10(1) は図9に示す間隔環54の片断面図を示す。間隔環54の外周面541及び前面543の突起部553の前面側と、後面542の突起部552の後面側及び内周面側とにレジスト剤を塗布し、乾燥することによりレジスト膜54c,54dを形成する(図10(2))。レジスト剤の塗布及びレジスト膜は上記と同じで良い。
間隔環54にレジスト剤を塗布する際、外周面541と前面543との間に突起部553が設けられているので、外周面541に塗布したレジスト剤が前面543に流れ込むのを防止することができる。また外周面541の後端に凹部551が設けられているので、外周面541に塗布したレジスト剤は凹部551の一部に流れ込むに留まり、後面542に流れ込むのを防止することができる。加えて、内周面544の後端突起部554を設けることにより、突起部552に塗布したレジスト剤が内周面544に流れ込むのを防止することができる。
図3(3)及び(4) と同様に間隔環54に反射防止処理を施した後、レジスト膜54c,54dを除去することにより、前面543及び内周面544に反射防止層54aが形成され、後面542に反射防止層54bが形成された間隔環54が得られる。なお反射防止層54aは前面543の突起部553や内周面544の突起部554の一部にも形成されていても良く、反射防止層54bは外周面541の凹部551や後面542の突起部552の一部にも形成されていても良い。
反射防止層54a,54bが設けられた間隔環54を鏡筒本体10に設置し、第二のレンズL2及び第三のレンズL3を取り付けた例を図11に示す。図11に示すように、第二のレンズL2は間隔環54の突起部553の前面と当接し、第三のレンズL3は突起部552の後面と当接する。鏡筒本体10の内周面と接する間隔環54の外周面541には反射防止層が設けられておらず、第二のレンズL2及び第三のレンズL3と接する部分にも反射防止層が設けられていない。そのため、反射防止層54a,54bにより十分な反射防止効果が得られつつ、鏡筒本体やレンズとの接触により反射防止層が破壊され、その破片が粉としてレンズや他の部品等に付着するのを防止することができる。
(2) 内方フランジ
図12は本発明に用いる鏡筒本体の内方フランジの一例を示す。図12に示す内方フランジ22は、内周面221の後端に設けられた環状の溝部224と、前面222の外周面側に設けられた環状の溝部225と、後面223の内周面側の端部に設けられた環状の突起部226とを有する。
図13は内方フランジ22の外周面以外に反射防止層22a,22bを形成する工程を示す。図13(1) は図12に示す鏡筒本体10の内方フランジ22の片断面図を示す。内方フランジ22の前面222の外周面側部2221と、後面223の突起部226とにレジスト剤を塗布し、乾燥することによりレジスト膜22c,22dを形成する(図13(2))。レジスト剤の塗布及びレジスト膜は上記と同じで良い。また図13(2) に示すように、鏡筒本体10の内方フランジ22のみに反射防止層を形成する場合、内方フランジ22以外の鏡筒本体10の表面にもレジスト膜22eを設ける。
内方フランジ22にレジスト剤を塗布する際、前面222の外周面側部2221と内周面側部222との間に溝部225が設けられているので、外周面側部2221に塗布したレジスト剤は溝部225に補足され、内周面側部2222に流れ込むのを防止することができる。また後面223に突起部226が設けられ、かつ内周面221の後端に溝部224が設けられているので、突起部226に塗布したレジスト剤が内周面221や後面223に流れ込むのを防止することができる。
図3(3)及び(4) と同様に内方フランジ22に反射防止処理を施した後、レジスト膜22c,22dを除去することにより、前面222の内周面側部2222及び内周面221に反射防止層22aが形成され、後面223に反射防止層22bが形成された内方フランジ22が得られる。なお反射防止層22aは内周面221の溝部224や前面222の溝部225の一部にも形成されていても良く、反射防止層22bは後面223の突起部226の一部にも形成されていても良い。
反射防止層22a,22bが設けられた内方フランジ22に第一のレンズL1及び第二のレンズL2を取り付けた例を図14に示す。図14に示すように、第二のレンズL2は突起部226の後面と当接する。第一のレンズL1及び第二のレンズL2と接する部分に反射防止層が設けられていない。そのため、反射防止層22a,22bにより十分な反射防止効果が得られつつ、レンズとの接触により反射防止層が破壊され、その破片が粉としてレンズや他の部品等に付着するのを防止することができる。
(3) 第一の押さえ環
図15は本発明に用いる第一の押さえ環の一例を示す。図15に示す第一の押さえ環23は、外周面に設けられた雄ねじ部231と、前面232の外周面側に設けられた溝部235と、内周面234の後面側に設けられた溝部236とを有する。
図16は第一の押さえ環23の前面及び内周面に反射防止層23aを形成する工程を示す。図16(1) は図15に示す第一の押さえ環23の片断面図を示す。第一の押さえ環23の雄ねじ部231、後面233、前面232の外周面側部2321及び内周面234の後面側部2342にレジスト剤を塗布し、乾燥することによりレジスト膜23bを形成する(図16(2))。レジスト剤の塗布及びレジスト膜は上記と同じで良い。
第一の押さえ環23にレジスト剤を塗布する際、前面232の外周面側部2321と内周面側部2322との間に溝部235が設けられているので、外周面側部2321に塗布したレジスト剤は溝部235に補足され、内周面側部2322に流れ込むのを防止することができる。また内周面234の後面側部2342と前面側部2341との間に溝部236が設けられているので、後面側部2342に塗布したレジスト剤は溝部236に補足され、前面側部2341に流れ込むのを防止することができる。
図3(3)及び(4) と同様に第一の押さえ環23に反射防止処理を施した後、レジスト膜23bを除去することにより、前面232の内周面側部2322及び内周面234の前面側部2341に反射防止層23aが形成された第一の押さえ環23が得られる。
反射防止層23aが設けられた第一の押さえ環23を設置し、第一のレンズL1を取り付けた例を図17に示す。図17に示すように、鏡筒本体10の雌ねじ部110と螺合する第一の押さえ環23の雄ねじ部231には反射防止層が設けられておらず、第一のレンズL1と接する部分にも反射防止層が設けられていない。そのため、反射防止層23aにより十分な反射防止効果が得られつつ、鏡筒本体やレンズとの接触により反射防止層が破壊され、その破片が粉としてレンズや他の部品等に付着するのを防止することができる。
1・・・鏡筒
10・・・鏡筒本体
12,22・・・内方フランジ
13,23・・・第一の押さえ環
14,24,34,44,54・・・間隔環
15・・・第二の押さえ環

Claims (9)

  1. 基材に反射防止層を設けることにより光学部材を製造する方法であって、
    前記基材は、前記反射防止層が設けられる部分と前記反射防止層が設けられない部分との間に、前記反射防止層が設けられる部分にレジスト膜が付着するのを防止するための凹部、溝部又は突起部を有し、
    前記反射防止層が設けられない部分にレジスト膜を形成し、前記レジスト膜が形成された前記基材に反射防止処理を施した後、前記レジスト膜を除去することを特徴とする光学部材の製造方法。
  2. 請求項1に記載の光学部材の製造方法であって、前記反射防止処理は、基材にめっき処理を施し、又はめっき処理を施した後にエッチング処理を施すことにより行うことを特徴とする光学部材の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の光学部材の製造方法において、前記基材は鏡筒又は前記鏡筒の光学素子支持枠、間隔環及び押さえ環の少なくとも一種の内部環であることを特徴とする光学部材の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の光学部材の製造方法において、前記凹部、前記溝部又は前記突起部は環状であることを特徴とする光学部材の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の光学部材の製造方法において、前記反射防止層は0.1〜30μmのピッチでランダムに形成された高さ0.5〜20μmの多数の微小突起を有することを特徴とする光学部材の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の基材において、前記基材の他の基材と接する部分には前記反射防止層を設けないことを特徴とする光学部材の製造方法。
  7. 請求項6に記載の光学部材の製造方法であって、前記他の基材がレンズであることを特徴とする光学部材の製造方法。
  8. 請求項7に記載の光学部材の製造方法であって、前記突起部がレンズと当接することを特徴とする光学部材の製造方法。
  9. 請求項6〜8のいずれかに記載の光学部材の製造方法であって、前記基材の前記他の基材と接する部分の少なくとも一端に前記凹部が設けられていることを特徴とする光学部材の製造方法。
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