JP2016069017A - 香り付きポケットティシューの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
香り付きの携帯用ティシュペーパー製品は、ティシュペーパー自体に香料を塗布したもののほか、ティシュペーパー束と包装フィルムとの間に、一方面から香りを発するようにした香り付きフィルムを介在させるようにしたものがある(特許文献1)。
この香り付きフィルムを用いた携帯用ティシュペーパー製品は、ティシュペーパー自体に香料を塗布するものと比較して、香りが過度に強くならず、また香りの持続性にも優れ、さらに安価に製造できるという利点がある。
他方、この香り付きフィルムには、例えばポリエチレンフィルムとポリエチレンテレフタレートフィルムなど酸素透過度に差がある異素材のフィルムを、香料を含む接着剤で積層した層構造となっており、酸素透過度の高い素材のフィルム面から香料が揮散するようになっているものがある。
このため、包装フィルム内に介在させる前に予めカールを修正する工程が必要になったり、包装フィルムでティシュペーパーの束を包装する際に、香り付きフィルムがカールして、所定位置に香り付きフィルムが収まらないなど包装不良の原因となることがあるなど、香り付き携帯用ティシュペーパー製品の製造ロスの原因となることがあった。
なお、以下の説明では、ポケットティシュー1の厚み方向を上下方向とし、ポケットティシュー1の上面の短辺を左右方向(短手方向)とし、上下方向及び左右方向の双方に直交する方向を前後方向(長手方向)とする。
本実施形態のポケットティシュー1は、例えば、図1に示すように、前後方向に長尺な略直方体形状に形成されており、図2に示すように、複数のティシュペーパー2が積層されてなるティシュペーパー束20と、ティシュペーパー2を個包装する包装フィルム3と、ティシュペーパー束20の底面と包装フィルム3との間に配置されてなる香り付きフィルム4と、を備えて構成される。
その薄葉紙の原料パルプとしては、NBKPとLBKPとを配合したものであり、適宜古紙パルプが配合されていてもよいが、風合い等の点で、NBKPとLBKPのみから構成されているのがよい。その場合配合割合としては、NBKP:LBKP=20:80〜80:20がよく、特に、NBKP:LBKP=30:70〜60:40が望ましい。
図4及び図5に示すように、香り付きポケットティシュー製造装置100は、ロール状に巻回されている香り付きフィルム40をカッターロール8により所定の長さに切断してバキュームロール6上を、香り付きフィルム4のカールを押さえながら移動させ、ベルトコンベア9a、9bにより搬送されるティシュペーパー束20の底面に挿入させ、ティシュペーパー束20と香料を含む香り付きフィルム4とを包装フィルム3により個包装してポケットティシュー1を製造する装置である。
また、バキュームロール6の中心とロール状香り付きフィルム40の中心は、上下方向に重なるようになっている。これにより、ロール状香り付きフィルム40の巻き長さが変わってもロール状香り付きフィルム40にかかる張力の変化を少なくすることができる。
実施例では、上述した通り、ロール状香り付きフィルム40からカッターロール8により切断された香り付きフィルム4は、バキュームロール6に密着した状態で搬送されるとともにベルトコンベア9bに差し掛かる位置でバキュームが解除されてエアが放出されることでバキュームロール6から離れガイド10を通過する。ガイド10を通過した香り付きフィルム4は、押さえロール11とベルトコンベア9bとに挟持された状態でベルトコンベア9bに移送されると同時にベルトコンベア9aからベルトコンベア9bに乗り移る際のティシュペーパー束20の底面に挿入される。
比較例では、裁断した香り付きフィルムを、挿入機を用いて1枚ずつティシュペーパー束20の底面に挿入する。より具体的には、上流から搬送されたティシュペーパー束20がベルトコンベアに乗り移る際に、予め裁断された香り付きフィルムがティシュペーパー束20とベルトコンベアの間に挿入される。
香り付きフィルムは、香料透過性フィルム層としてのCPPフィルム、香料不透過性フィルム層としてのPETフィルムの二層フィルムを用いた。
香り付きフィルムの特性は、表1に示す通りである。
カール量の測定は、香り付きフィルムの大きさを、MD方向(縦方向)80mm×CD方向(横方向)100mmとし、この試料を、23℃、50%RHで2時間、調湿した後、同じ環境下で、香料不透過性フィルムが上、香料透過性フィルムが下となる向きで水平台の上に静かに載置する。その際に、水平台上でU字型又は逆U字型などにカールしたフィルムの角と水平台との距離(4点の平均)を測定した。その結果、本香り付きフィルムの連続で10サンプルのカール量は、8〜20mmであり、平均12mmであった。
上記した実施例及び比較例において、各々1000個のポケットティシューを製造し、操業ロス率(%)を評価した。
操業ロス率とは、香り付きフィルムの挿入不良に起因した不良品/ポケットティシューの製造品(1000個)×100(%)である。
そして、実施例の操業ロス率は、比較例の操業ロス率を1とした場合の0.095〜0.1であり、操業ロス率が比較例の約1/10に改善された。
特に、カール量が20mmであっても影響なく、安定して操業できた。
また、現状は裁断した香り付きフィルムを挿入機を用いて1枚ずつ挿入しているため、フィルムのコシが必要となる。このため、香り付きフィルムの厚みを100μm程度としていたが、今回の方法でティシュペーパー束の下に挿入する場合、香りの持続性を担保できるのではれば薄くすることが可能である(香料透過性フィルム層41:好ましくは20〜80μmより好ましくは20〜50μm、香料不透過性フィルム層42:好ましくは10〜60μmより好ましくは10〜30μm)。
1a 略長方形状の上面
1b 略長方形状の下面
1c 長側縁
1d 短側縁
2 ティシュペーパー
2a ティシュペーパー束20の上面
3 包装フィルム
4 香り付きフィルム
5 ミシン目線
6 バキュームロール
7 搬送ロール
8 カッターロール
9a、9b ベルトコンベア
10 ガイド
11 押さえロール
15 融着部
17 包み部
17a 角筒状ガイド
18 溶断部
20 ティシュペーパー束
40 ロール状香り付きフィルム
41 香料透過性フィルム
42 香料不透過性フィルム
43 中間層
61 固定ロール
62 可動ロール
100 香り付きポケットティシュー製造装置
Claims (5)
- 複数のティシュペーパーを積み重ねたティシュペーパー束と、中間層を介して互いに熱収縮率の異なる素材のフィルムを積層した層構造を有する香り付きフィルムと、を個包装することによって製造される香り付きポケットティシューの製造方法であって、
ロール状に巻回されている前記香り付きフィルムを所定の長さで切断してバキュームロールに吸着させて搬送する工程と、
搬送される前記香り付きフィルムをコンベアに載置された前記ティシュペーパー束の底面に挿入する工程と、
前記ティシュペーパー束と挿入された前記香り付きフィルムとを、包装フィルムで包み、溶断して封止する工程と、
を含むことを特徴とする香り付きポケットティシューの製造方法。 - 前記香り付きフィルムは、香料透過性フィルムと香料不透過性フィルムを積層した層構造を有することを特徴とする請求項1に記載の香り付きポケットティシューの製造方法。
- 前記香り付きフィルムを前記コンベアに到達するまで前記バキュームロールに吸着させ、前記コンベアに移送する際に、エアを放出して前記香り付きフィルムを前記バキュームロールから離間させることを特徴とする請求項1又は2に記載の香り付きポケットティシューの製造方法。
- 前記バキュームロールと前記コンベアとの間に設けられたガイドを通過させて前記香り付きフィルムを搬送することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の香り付きポケットティシューの製造方法。
- 前記ガイドを通過した前記香り付きフィルムを前記コンベアと押さえロールとで挟持させて搬送することを特徴とする請求項4に記載の香り付きポケットティシューの製造方法。
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2014
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