JP2016059863A - 塗布装置及び塗布ヘッドの気泡除去方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】液使用量の削減及び装置構成の簡略化を実現することができる塗布装置及び塗布ヘッドの気泡除去方法を提供する。【解決手段】実施形態に係る塗布装置は、ノズル4aが形成されたノズル面4c、ノズル4aにつながり液体を収容する液室11a、その液室11a内の容積を変化させる圧電体13を有する塗布ヘッド4と、液室11a内の液体がノズル面4cに溜まるように液室11a内の液体をノズル4aから流出させる流出部と、液室11a内の液体をノズル4aから液滴として吐出させず、流出部により液室11a内でノズル4aに向かって流れている液体に振動を与えるように圧電体13の駆動を制御する制御部とを備える。【選択図】図4
Description
本発明の実施形態は、塗布装置及び塗布ヘッドの気泡除去方法に関する。
塗布装置は、表示装置や半導体装置などを製造する際に用いられている。例えば、表示装置の製造では、ガラス基板上に配向膜やカラーフィルタなどの機能性薄膜を形成する場合、また、半導体装置の製造では、半導体ウエハ上にレジストなどの機能性薄膜を形成する場合に塗布装置が用いられている。この塗布装置は、複数のノズルから塗布液を吐出するインクジェット方式の塗布ヘッドを備えており、その塗布ヘッドと塗布対象物とを相対移動させながら、各ノズルから塗布液を吐出させ、塗布対象物上の表面に塗布膜を形成する。
インクジェット方式の塗布ヘッドは、内蔵する液室内の塗布液をノズルから吐出するが、液室内に気泡が混入していると吐出不良(ハヌケや飛翔不良など)が起きてしまう。この気泡を除去する気泡除去方法はヘッド構造にもよるが、一般的な塗布ヘッドでは、液室内に液を供給してノズルから液と共に気泡を押し出す方法(パージ)や塗布ヘッド外部からノズルを介して液室内を吸引して液と共に気泡を吸い出す方法などが行われている。
ところが、これらの気泡除去方法によっても気泡が残留することがあり、この際には前述の気泡除去方法を繰り返したり、あるいは、吐出用の圧電素子により液室内に通常と異なる振動を与えて液室内の液を攪拌し、液室の内壁面に付着した気泡の剥離や粉砕を行ったりする。この振動操作では、例えば、吐出パワー(駆動電圧)や周波数、波形を連続的に変化させる方法、これらを継続的に与える方法などが知られている。これらの方法は脱気液との組み合わせが推奨されており、振動操作により粉砕した気泡を脱気液に再溶解させ、その振動操作後、液と共にパージで排出する方法が一般的である。
しかしながら、前述のように液室内に気泡が残ってしまうと、通常のパージでは気泡を除去することが困難となる場合がある。塗布ヘッドでは、パージが全ての液室に対して行われるため、特定の液室のみ気泡が残っている場合、液は不具合の無い流れやすい液室に流れてしまい、該当液室に有効な処理を施すことができないことがある。この場合には、気泡が排出されるまでパージを繰り返すことになるが、パージに大量の液を消費してしまう。一般的にパージに使用する液量は、塗布に使用する液量に比べてかなり多くなるため、インクジェットのオンデマンド塗布による液使用量削減というメリットをつぶしてしまう。
この対策としては、塗布ヘッドの外部のノズル面に任意のノズル以外を閉鎖するキャップあるいはマスクをつけ、選択したノズルの液室のみにパージを行う案が存在するが、マルチノズルにおいて、不特定の不具合液室を検出し、その検出した液室に対応するノズルをキャップする仕組みは極めて複雑となる。また、塗布ヘッドによっては、それらの部材がノズル面に触れるため、ノズル面へのダメージ(例えば、コーティング膜剥がれや濡れ性の変化、ゴミの付着など)も懸念される。
一方、前述のように吐出用の圧電素子により液室内に通常と異なる振動を加える方法でも、気泡が残留することがあるため、塗布ヘッドの外部から超音波振動を与え、液室内の気泡をその液室内の壁面から剥離あるいは粉砕する方法も考えられている。さらに、塗布ヘッドの外部の振動源からマルチノズルの各液室に選択的に振動を与える方法も提案されている。これらの方法でも、塗布ヘッドの外部に振動源を用意しなければならず、また、選択的な振動付与のためにノズルピッチが細かい位置合わせ機構が必要となるなど、装置に新たな機構を取り付ける必要がある。
本発明が解決しようとする課題は、液使用量の削減及び装置構成の簡略化を実現することができる塗布装置及び塗布ヘッドの気泡除去方法を提供することである。
実施形態に係る塗布装置は、ノズルが形成されたノズル面、ノズルにつながり液体を収容する液室、液室内の容積を変化させる圧電体を有する塗布ヘッドと、液室内の液体がノズル面に溜まるように液室内の液体をノズルから流出させる流出部と、液室内の液体をノズルから吐出させず、流出部により液室内でノズルに向かって流れている液体に振動を与えるように圧電体の駆動を制御する制御部とを備える。
実施形態に係る塗布ヘッドの気泡除去方法は、ノズルが形成されたノズル面、ノズルにつながり液体を収容する液室、液室内の容積を変化させる圧電体を有する塗布ヘッドの前述の液室から気泡を除去する塗布ヘッドの気泡除去方法であって、液室内の液体がノズル面に溜まるように液室内の液体をノズルから流出させる工程と、液室内の液体をノズルから吐出させず、液室内でノズルに向かって流れている液体に振動を与えるように圧電体を駆動する工程とを有する。
本発明の実施形態によれば、液使用量の削減及び装置構成の簡略化を実現することができる。
(第1の実施形態)
第1の実施形態について図1乃至図5を参照して説明する。
第1の実施形態について図1乃至図5を参照して説明する。
図1に示すように、第1の実施形態に係る塗布装置1は、塗布対象物Wを支持するステージ2と、そのステージ2上の塗布対象物Wの表面に沿うX軸方向及びY軸方向(X軸方向に直交する方向)にステージ2を移動させるステージ搬送部3と、ステージ2上の塗布対象物Wの表面に塗布液を吐出する塗布ヘッド4と、その塗布ヘッド4に塗布液を供給する液供給部5と、塗布ヘッド4から吐出された液を検出する検出部6と、塗布ヘッド4から流れ出た液や吐出された液などを受ける液受け部7と、各部を制御する制御部8とを備えている。
ステージ2は、ガラス基板や半導体ウエハなどの塗布対象物Wが載置される載置面を有しており、ステージ搬送部3上に設けられている。このステージ2には、塗布対象物Wが自重により載置されるが、これに限るものではなく、例えば、その塗布対象物Wを保持するため、静電チャックや吸着チャックなどの機構を設けても良く、また、ステージ2上の支持ピンにより塗布対象物Wを支持するようにしても良い。
ステージ搬送部3は、ステージ2をX軸方向及びY軸方向に案内して移動させる移動機構であり、架台などの上面に固定されて設けられている。このステージ搬送部3は制御部8に電気的に接続されており、その駆動が制御部8により制御される。ステージ搬送部3としては、例えば、サーボモータを駆動源とする送りねじ式の移動機構やリニアモータを駆動源とするリニアモータ式の移動機構などを用いることが可能である。
塗布ヘッド4は、塗布液を個別に吐出する複数のノズル4aを有するノズルプレート4bを下端に具備している。各ノズル4aは塗布ヘッド4の長手方向(図1中の手前から奥に向かう方向)に所定間隔で直線状に並ぶようにノズルプレート4bに形成されており、このノズルプレート4bの下面(外面)がノズル面4cとなる。この塗布ヘッド4は、例えば、その長手方向がX軸方向に沿うように位置付けられ、コラムなどの支持部材(図示せず)によってステージ2より上方に支持されており、塗布時にステージ2上の塗布対象物Wの表面に塗布液を液滴として吐出する。塗布ヘッド4は制御部8に電気的に接続されており、その駆動が制御部8により制御される。なお、液体である塗布液としては、例えば、配向膜材料や顔料、接着剤など、塗布対象物Wの表面上に残留する溶質及びその溶質を溶解(分散)させる溶媒を含む溶液を用いることが可能である。
この塗布ヘッド4はコラムなどの支持部材に固定されているが、これに限るものではなく、ステージ2と塗布ヘッド4とをステージ2上の塗布対象物Wの塗布領域において相対移動させれば良い。前述のように塗布ヘッド4を固定してステージ2をX軸方向及びY軸方向に移動させても良く、逆に、ステージ2を固定して塗布ヘッド4をX軸方向及びY軸方向に移動させても良く、また、ステージ2と塗布ヘッド4とをそれぞれX軸方向及びY軸方向に移動させても良い。
液供給部5は、塗布液を貯留する貯留部5aと、塗布ヘッド4に送られる塗布液を脱気する脱気部5bと、塗布ヘッド4に負圧を与える負圧発生部5cと、塗布ヘッド4に貯留部5a内の塗布液を送るパージ部5dとを備えている。
貯留部5aは、塗布液を貯留するタンクであり、供給管5eにより脱気部5bを介して塗布ヘッド4に接続されている。この貯留部5aには、大気開放用の開放管5fが接続されており、この開放管5fの途中には、開閉弁5gが設けられている。この開閉弁5gとしては、例えば、電磁弁などを用いることが可能である。開閉弁5gは制御部8に電気的に接続されており、その制御部8による制御に応じて開放管5fの流路を開閉する。
脱気部5bは、供給管5eの途中に設けられており、供給管5eを流れる塗布液に含まれる気体を取り除く。なお、塗布ヘッド4に脱気済の塗布液(脱気液)が供給されれば良いため、他の部分、例えば貯留部5a内に脱気部5bを設けても良く、また、貯留部5aに脱気済の塗布液を供給しても良い。
負圧発生部5cは、接続管5hにより貯留部5aに接続されており、通常時、塗布ヘッド4内の塗布液が各ノズル4aから漏れ出さないように負圧を生じさせ、気泡除去時、塗布ヘッド4内の塗布液が各ノズル4aからしみ出してノズル面4cに溜まるように負圧を発生させる。この負圧発生部5cは制御部8に電気的に接続されており、その制御部8による制御に応じて貯留部5a内に負圧を生じさせる。負圧発生部5cは、生じさせる負圧の大きさを切り換えることによって、塗布ヘッド4内の塗布液が各ノズル4aからしみ出してノズル面4cに溜まる圧を発生させるため、塗布ヘッド4内の塗布液を流出させる流出部として機能する。
なお、前述では、塗布ヘッド4の上方に貯留部5aを設置し、負圧発生部5cにより負圧制御を行っているが、これに限るものではなく、例えば、貯留部5aを塗布ヘッド4の側方に設置し、貯留部5aの液面(タンク液面)と塗布ヘッド4のノズル面4c(ヘッド液面)との水頭差により負圧制御を行うようにしても良い。この場合には、塗布ヘッド4のノズル4aから液をしみ出させる水頭差を得るために貯留部5aの高さを変える機構、あるいは、貯留部5a内に液を補充して一時的に貯留部5aの液面を高くする機構を設けることが好ましい。また、開放管5fに、開放管5f内を流れる気体の流量を調整するための絞り弁を設け、負圧発生部5cは、塗布ヘッド4内の塗布液が各ノズル4aから漏れ出さない圧力の負圧を生じさせ続け、絞り弁で開放管5fから貯留部5a内に流入する空気の量を調整して、貯留部5aに、塗布ヘッド4の各ノズル4aから所望の液体をしみ出させる条件の背圧を与えることも可能である。例えば、絞り弁の絞り量は予め実験により求められている。
パージ部5dは、接続管5iにより貯留部5aに接続されており、塗布ヘッド4に貯留部5a内の塗布液を供給し、塗布ヘッド4内の塗布液が各ノズル4aから漏れ出すように貯留部5a内に正圧(押圧力)を加える。このパージ部5dは制御部8に電気的に接続されており、その制御部8による制御に応じて貯留部5a内に所望の圧を加える。
検出部6は、光を照射する照明部6a及び撮像を行う撮像部6bなどを有している。この検出部6は、照明部6aにより塗布ヘッド4のノズル面4cの下側の空間を明るくし、その空間を塗布ヘッド4の吐出タイミングに合わせて撮像部6bにより連写することによって、塗布ヘッド4の各ノズル4aから個別に吐出された飛翔中の各液滴を連続して撮像する。なお、検出部6としては、例えばレーザ光などを用いる検出部を用いることも可能である。
照明部6aは、撮像部6bが塗布ヘッド4の各ノズル4aから個別に吐出された各液滴を撮像することができるように光を照射する。例えば、照明部6aは、撮像部6bにより撮像する画像にハレーションが発生しないよう、具体的には、液受け部7が塗布ヘッド4に対向する位置にある場合、照明部6aからの直接光が撮像部6bに入射しないように設けられている。この照明部6aとしては、例えば、LED(発光ダイオード)照明装置などを用いることが可能である。照明部6aは制御部8に電気的に接続されており、その駆動が制御部8により制御される。なお、照明部6aは、例えば、保持部材(図示せず)によって保持されており、その保持部材は塗布ヘッド4を支持するコラムなどに固定されている。
撮像部6bは、塗布ヘッド4のノズル面4cの下側の空間を塗布ヘッド4の吐出タイミングに合わせて連写し、塗布ヘッド4の各ノズル4aから個別に吐出された飛翔中の各液滴の画像を連続して取得する。この撮像部6bとしては、例えば、CCD(電荷結合素子)カメラなどを用いることが可能である。カメラは塗布ヘッド4のノズル面4cの様子を撮像することができるようにわずかに仰角(例えば15deg未満)を付けて設置することが望ましい。撮像部6bは制御部8に電気的に接続されており、その駆動が制御部8により制御され、また、撮像した画像を制御部8に送る。なお、撮像部6bは、照明部6aと同じように、例えば、保持部材(図示せず)によって保持されており、その保持部材は塗布ヘッド4を支持するコラムなどに固定されている。
液受け部7は、塗布ヘッド4のノズル面4cの長手方向(図1中の手前から奥に向かう方向)の長さ以上の長さを有する直方体の上面開口の筐体である。この液部け部7は、パージ時など塗布ヘッド4の各ノズル4aから流れ出て落下した液、あるいは、吐出確認時など各ノズル4aから吐出された液(吐出液)を底面で受け取る。この液受け部7は、ステージ2と共に移動するようにステージ2の側面、すなわちステージ2のY軸方向の一端面に設けられている。液受け部7は、塗布ヘッド4への塗布液の充填や塗布ヘッド4のメンテナンス(例えば、パージ、吐出確認及び気泡除去)などを行う場合に、ステージ搬送部3によりステージ2と共に移動し、塗布ヘッド4に対向する位置まで移動する。
制御部8は、各部を集中的に制御するマイクロコンピュータなどのコンピュータ、さらに、塗布情報などを含む各種情報及び各種プログラムを記憶する記憶部(いずれも図示せず)などを備えている。記憶部としては、メモリやハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)などを用いることが可能である。
例えば、制御部8は、塗布対象物Wに塗布を行う場合、ステージ搬送部3及び塗布ヘッド4を用いて、ステージ2上の塗布対象物Wと塗布ヘッド4を主走査方向(Y軸方向)に相対移動させながら、塗布ヘッド4の各ノズル4aから塗布液を吐出させてステージ2上の塗布対象物Wの表面に塗布する制御を行う。その後、塗布ヘッド4とステージ2上の塗布対象物Wを副走査方向(X軸方向)に所定ピッチだけ相対移動させて再び前述の主走査方向の塗布を行い、これらを繰り返して塗布対象物Wの表面の塗布対象領域全体に塗布液を塗布する制御を行う。
さらに、制御部8は、塗布ヘッド4への塗布液の充填や塗布ヘッド4のメンテナンス(例えば、パージ、吐出確認及び気泡除去)などを行う場合、ステージ搬送部3を用いて、ステージ2の側面に固定された液受け部7と塗布ヘッド4とを対向させ、液供給部5による塗布液の圧送や塗布ヘッド4による連続吐出、検出部6による吐出液検出、塗布ヘッド4及び液供給部5による気泡除去などを行う制御を実行する。
次に、前述の塗布ヘッド4の内部構造について図2を参照して説明する。
図2に示すように、塗布ヘッド4は、前述の各ノズル4aを有するノズルプレート4bに加え、それらのノズル4aに個別につながる複数の液室11aを有するヘッド本体11と、ノズルプレート4bとヘッド本体11との間に存在して各液室11aの容積を変化させる可撓板12と、その可撓板12を液室11a毎に個別に変形させる複数の圧電体(例えば圧電素子)13と、それらの圧電体13を個別に駆動する駆動部(例えば駆動回路)14とを備えている。
各液室11aは、それぞれ塗布液を収容する収容室として機能し、液滴を吐出するための各ノズル4aに個別につながっている。これらのノズル4aはノズル面4cに形成されており、ノズルプレート4bの長手方向(図2中のX軸方向)に所定ピッチ(所定間隔)で直線状に並べられている。
ヘッド本体11は、各液室11aに枝管路(図示せず)を介してつながる主管路11bと、その主管路11bの一端につながる給液管路11cと、主管路11bの他端につながる排液管路11dとを有している。給液管路11cは供給管5eの一端に接続されており、排液管路11dは排出管5e1の一端に接続されている。この排出管5e1の他方の一端は貯留部5aに接続されており、主管路11bを通過した塗布液を貯留部5aに戻す。
可撓板12は、その変形により各液室11aの容積を増減させるための板部材である。この可撓板12は撓み変形可能にヘッド本体11に取付けられており、各液室11aの壁面(図2では上面)を形成し、液室11aの一部を構成している。なお、ヘッド本体11は矩形枠状に形成されており、その下面開口が可撓板12によって閉塞されており、この可撓板12がノズルプレート4bにより覆われ、ノズルプレート4bと可撓板12との間に各液室11aが形成されている。
各圧電体13は、各液室11aにそれぞれ対向させて可撓板12に固着されている。これらの圧電体13は駆動部14に電気的に接続されており、その駆動部14からの電力供給により駆動する。圧電体13が駆動して伸縮すると、駆動した圧電体13により可撓板12の一部が変形し、その駆動した圧電体13に対応する液室11aの容積が増減する。
駆動部14は、制御部8に電気的に接続されており、その制御部8からの制御信号を受けて各圧電体13に個別に電圧を印加することが可能なデバイスである。この駆動部14は、制御部8からの制御信号に応じて各圧電体13を個別に駆動し、可撓板12の変形によって所望の液室11aの容積を増減させ、所望の液室11a内の塗布液をノズル4aから押し出して液滴を吐出させる。
ここで、制御部8は、塗布ヘッド4が備える駆動部14を介して各圧電体13の駆動を制御し、塗布情報に基づいて所定のタイミングで各圧電体13に駆動電圧を印加する。塗布情報は、ドットパターンなどの所定の塗布パターン、通常の吐出条件(例えば所定の駆動電圧や吐出周波数など)、さらに、塗布対象物Wの移動速度(塗布速度)に関する情報を含んでいる。
また、制御部8は、前述の通常の吐出条件の第1モード(第1の振動条件)の他に、塗布ヘッド4内の塗布液を振動により攪拌する第2モード(第2の振動条件)を有しており、必要に応じて第1モード及び第2モードを切り替える。攪拌の振動コントロールは振動波形や周波数、振動の強さ(駆動電圧の大きさ)の組み合わせによって行われる。なお、コントローラとしては複雑になるが、これらの条件を経時的に変化させる機能を備えることも可能である。どのパラメータを設定するかは塗布ヘッド4と使用コントローラの機能によって変わるが、第2の振動条件としてどのパラメータを設定する場合でも塗布液が吐出しない条件とする必要がある。これは、吐出条件ではノズル4aのメニスカスが大きく振動することから、振動により気体を吸い込み新たに気泡を生じさせる恐れが存在するためである。設定例としては、少なくとも吐出電圧を吐出下限値より小さくする方法や波形制御により与えるエネルギーを吐出の閾値より小さくする方法などが挙げられる。なお、第2の振動条件を実験によって予め求めておくことも可能である。
次に、前述の塗布装置1が行う塗布ヘッド4内の気泡除去動作について図3及び図4を参照して説明する。
図3に示すように、液室11a内に複数の気泡が存在しており、このような気泡を取り除く場合には、貯留部5a内の負圧が、全液室11a内の塗布液を全ノズル4aからしみ出させてノズル面4cに溜める圧に切り換えられる。この負圧により、図4に示すように、液室11a内の塗布液がノズル4aを介してノズル面4cにしみ出す。詳しくは、液室11a内の塗布液はノズル4aの開口に向かって流れ、さらに、その開口から流出した塗布液はノズル面4cにある程度広がって溜まる。このとき、液室11a内でノズル4aの開口に向かって流れている塗布液に対して振動が圧電体13の伸縮、すなわち可撓板12の変形によって与えられ、液室11a内の塗布液が攪拌される。これにより、液室11a内の塗布液中の気泡は液室11a内の壁面(例えば液室11a内の側面や角など)から剥離され、また、粉砕されつつ、ノズル4aの開口に向かう塗布液の流れに乗って開口から外に塗布液と共に排出される。その後、ノズル面4cにしみ出した塗布液がある程度溜まると落下し、液受け部7により回収される。
この気泡除去動作によれば、気泡除去中、新しい塗布液、すなわち新しい脱気液が液室11a内に順次供給されるため、液室11a内の気泡は塗布液に溶け込みやすくなる。さらに、液室11a内の気泡は振動によって液室11a内の壁面から剥離されたり、粉砕されたりして、ノズル4aの開口に向かう塗布液の流れに乗りやすくなり、その塗布液と共にスムーズにノズル4aの開口から外に排出される。このようにして液室11a内の塗布液から気泡を確実に除去することが可能となる。このとき、塗布液はノズル面4cにしみ出す程度の量だけであり、また、装置構成も吐出に必要な構成であるため、液使用量の削減及び装置構成の簡略化を実現することができる。なお、液室11a内の塗布液がノズル4aの開口に向かう流れが存在していない状態で液室11a内の塗布液に振動を与え、その後、パージを行う場合には、振動により剥離や粉砕された気泡がパージ開始までに再び液室11a内の壁面に付着したり、また、気泡同士が結びついて大きくなったりするため、パージでの気泡除去が難しくなり、液室11a内の塗布液から気泡を確実に除去することは困難である。
次いで、前述の塗布装置1が行う塗布ヘッド4のメンテナンス処理(パージや吐出確認、気泡除去など)について図5を参照して説明する。
図5に示すように、メンテナンス処理では、まず、パージが実行され(ステップS1)、吐出確認が行われる(ステップS2)。次いで、吐出不良が検出されたか否かが判断され(ステップS3)、吐出不良が検出されなかったと判断されると(ステップS3のNO)、処理が終了する。一方、吐出不良が検出されたと判断されると(ステップS3のYES)、気泡除去が実行される(ステップS4)。その後、気泡除去の所定実施回数が完了したか否かが判断され(ステップS5)、気泡除去の所定実施回数が完了していないと判断されると(ステップS5のNO)、処理をステップS1に戻し、再度パージが実行される。一方、気泡除去の所定実施回数が完了したと判断されると(ステップS5のYES)、異常の警告が発報され(ステップS6)、処理が終了する。
このメンテナンス処理では、吐出確認により吐出不良が検出された場合、所定時間の振動攪拌が行われ、その後、パージが行われて吐出確認が再度行われる。塗布ヘッド4が回復しない場合には、さらに振動攪拌が繰り返されるが、その繰り返し回数に制限があり、規定回数以上繰り返されても塗布ヘッド4が回復しない場合、気泡以外の要因が考えられることから、警告が報知されてユーザに異常が伝えられる。
ここで、塗布ヘッド4のメンテナンス(パージや吐出確認、気泡除去など)を行う場合には、前述のように、液受け部7はステージ搬送部3によりステージ2と共に移動し、塗布ヘッド4に対向する位置、すなわち塗布ヘッド4のノズル4aから流れ出た液や吐出された液などを受け取る位置まで移動する。
パージ動作では、貯留部5a内の塗布液が液供給部5によって塗布ヘッド4の全てのノズル4aに圧送される。各ノズル4aから大量の塗布液が排出されるが、その塗布液は液受け部7に収容される。なお、繰り返しパージ動作を行うことで、貯留部5a内の塗布液の液量が所定量より少なくなった場合には、貯留部5aに塗布液が液補充部(図示せず)によって補充される。
このパージ動作後の吐出確認では、塗布ヘッド4の全ての圧電体13が第1の振動条件に基づいて駆動され、塗布液が全ノズル4aから液滴として連続して吐出される。各ノズル4aから吐出された吐出液は液受け部7によって回収される。塗布ヘッド4のノズル面4cの下側の空間は照明部6aにより明るく照らされ、各ノズル4aから個別に吐出された飛翔中の各液滴は、塗布ヘッド4の吐出タイミングに合わせて撮像部6bにより連続して撮像される。
その後、吐出不良判定では、撮像部6bにより撮像された画像が制御部8によって画像処理され、画像中に直線状の液体像の抜けやその線状の液体像の他に点状の液体像があるか否かなどが判断され、この判断と共に、吐出不良が発生したノズル4aが特定される。画像中に線状の液体像の抜けがある場合には不吐出(ハヌケ)が発生していると判定され、点状の液体像があると判断された場合には、吐出量不足や飛行曲がりなどが発生していると判定される。このとき、吐出不良が発生したノズル4aも特定される。この特定を行う制御部8が、複数のノズル4aから吐出不良が発生したノズル4a、すなわち気泡除去対象のノズル4aを特定する特定部として機能する。
ここで、例えば、塗布ヘッド4の吐出が安定しているときには、ノズル4aから吐出された液滴は一直線に下に向かって行くため、直線状の液体像のみが見えることになるが、不吐出が発生していると、直線状の液体像が抜けている箇所が見えることになる。また、塗布ヘッド4の吐出が不安定になっていると、ノズル4aから吐出された液滴は速度低下のために液受け部7に到達する前に舞い上がって飛散するので、小さい粒状の液体像が多数見えることになる。なお、撮像部6bのシャッター速度は、設定された第1の振動条件でノズル4aから吐出される液滴を線状に見える状態で撮像するように設定されている。
気泡除去動作では、貯留部5a内の負圧が、全液室11a内の塗布液を全ノズル4aからしみ出させてノズル面4cに溜める圧に切り換えられる。これに応じて、その負圧により液室11a内の塗布液がノズル面4cに徐々にしみ出していく(図4参照)。このとき、液室11a内の塗布液はノズル4aの開口に向かって流れ、さらに、その開口から流出した塗布液はノズル面4cに溜まっていく。この塗布液の流れが発生している状態で、吐出不良が発生した気泡除去対象の液室11a内の塗布液に振動が所定時間(例えば1分以上5分以下の範囲内の所定時間)だけ加えられる。具体的には、気泡除去対象の液室11aに対応する圧電体13が第2の振動条件に基づいて駆動され、気泡除去対象の液室11a内の塗布液に振動が加えられる。第2の振動条件は、気泡除去対象の液室11a内の塗布液に加える振動が、気泡除去対象の液室11a内の塗布液を吐出させない、すなわち塗布液を吐出させるときの吐出条件である第1の振動条件に基づく振動よりも小さくなるように設定されている。前述の所定時間経過後の振動の停止と共に、貯留部5a内の負圧が、全液室11a内の塗布液を全ノズル4aから漏れ出させない圧に切り換えられ、塗布液のしみ出しが停止される。
前述の気泡除去の振動時間(攪拌時間)は、予め塗布液をしみ出させる液量を決定し、その液量から求めた処理時間に基づいて設定されている。ただし、貯留部5a内の塗布液の液面をセンサなどにより検出し、その液面が所定値まで下がったら(液量が所定量より減ったら)、気泡除去の振動を停止しても良い。また、通常の塗布ヘッド4の部材は不透明材質であるため、液室11a内を観察することは特殊な方法を用いない限り困難であるが、塗布ヘッド4の部材を透光性材質(例えば透明材質)としてカメラなどで気泡状況を観察することも可能である。この場合には、その気泡状況に基づいて気泡が無くなったことを検知し、気泡除去の振動を停止しても良く、振動時間は気泡状況に応じて変化することになる。
なお、前述では、吐出不良が発生した気泡除去対象の液室11a内の塗布液に対してのみ振動を加えているが、これに限るものではなく、例えば、その気泡除去対象の液室11a内の塗布液に加え、隣接する液室11a内の塗布液に振動を加えるようにしても良い。この場合には、隣接する液室11a同士で共振が生じるため、より確実に液室11a内の壁面からの気泡剥離さらに気泡粉砕を行うことができる。また、全液室11aから特定の液室11aを選択して振動させるパターンを複数用意しておき、それらのパターンを吐出不良の種類などに応じて選択して用いることも可能である。
以上説明したように、第1の実施形態によれば、塗布ヘッド4の液室11a内の塗布液がノズル面4cに溜まるように液室11a内の塗布液をノズル4aの開口から流出させながら、その開口に向かって流れている塗布液に対して液室11a内の塗布液をノズル4aから液滴として吐出させないように振動を圧電体13の駆動によって与える。これにより、液室11a内の気泡は振動によって液室11a内の壁面から剥離され、また、粉砕されつつ、ノズル4aの開口に向かう塗布液の流れに乗ってその開口から塗布液と共に外に排出されるので、確実に液室11a内の塗布液から気泡を除去することが可能となる。このとき、塗布液はノズル面4cにしみ出す程度の量だけであり、また、塗布ヘッド4の外部に振動源や位置合わせ機構など新たな機構を取り付ける必要がないため、液使用量の削減及び装置構成の簡略化を実現することができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態について図6及び図7を参照して説明する。なお、第2の実施形態では、第1の実施形態との相違点(塗布ヘッド4の傾斜機構)について説明し、その他の説明は省略する。
第2の実施形態について図6及び図7を参照して説明する。なお、第2の実施形態では、第1の実施形態との相違点(塗布ヘッド4の傾斜機構)について説明し、その他の説明は省略する。
図6に示すように、第2の実施形態では、気泡除去動作時に塗布ヘッド4のノズル面4cが傾斜するように塗布ヘッド4を傾ける傾斜機構21が設けられている。この傾斜機構21は、塗布ヘッド4のノズル面4cがその短手方向(図6中のY軸方向)に沿って傾斜するように塗布ヘッド4を傾ける。図6では、ノズル面4cの短手方向の右端部が他の箇所より低くなる状態に塗布ヘッド4を傾けているが、これに限るものではなく、逆に左端部が他の箇所より低くなる状態に傾けても良い。
傾斜機構21は、例えば、塗布ヘッド4の長手方向(図6中のX軸方向)に平行に塗布ヘッド4の側面に連結された回転軸及びその回転軸を回転させるモータ(いずれも図示せず)などを備えており、回転軸を所定角度回転させることで塗布ヘッド4を傾ける。なお、モータは制御部8に電気的に接続されており、その制御部8による制御に応じて回転軸を所定角度回転させる。
気泡除去動作では、貯留部5a内の負圧が、全液室11a内の塗布液を全ノズル4aからしみ出させてノズル面4cに溜める圧に切り換えられると、塗布ヘッド4が傾けられ、その塗布ヘッド4のノズル面4cが傾斜する。このとき、前述の負圧により液室11a内の塗布液がノズル面4cに徐々にしみ出し、ノズル4aの開口から流れ出した塗布液はノズル面4cに溜まるが、その後、傾斜するノズル面4cに沿って徐々に流れていき、ノズル面4cの一端から落下して液受け部7により回収される。塗布ヘッド4を傾けるタイミングは、少なくとも気泡除去動作が完了する前までのタイミングであれば、特に限定されるものではないが、一例として、貯留部5a内の負圧が、全液室11a内の塗布液を全ノズル4aからしみ出させてノズル面4cに溜める圧に切り換えられる(塗布液がしみ出る)前に塗布ヘッド4を傾けることが好ましい。
ここで、ノズル面4cが傾斜していない場合には、ノズル面4cに溜まった塗布液中の気泡が何らかの要因でノズル4aの開口から液室11a内に戻ってしまうことがある。そこで、ノズル面4cを傾斜させることによって、ノズル面4cに溜まった塗布液がノズル面4cの傾斜に沿って流れていくことになるので、ノズル面4cが傾斜していない場合に比べ、ノズル面4cに溜まった塗布液中の気泡がノズル4aの開口から液室11a内に戻ってしまうことを抑えることができる。
なお、前述のように塗布ヘッド4のノズル面4cがその短手方向に沿って傾斜するように塗布ヘッド4を傾ける以外にも、図7に示すように、塗布ヘッド4のノズル面4cがその長手方向(図7中のX軸方向)に沿って傾斜するように塗布ヘッド4を傾けるようにしても良い。図7では、ノズル面4cの長手方向の右端部が他の箇所より低くなる状態に塗布ヘッド4を傾けているが、これに限るものではなく、逆に左端部が他の箇所より低くなる状態に傾けても良い。例えば、傾斜機構21は、塗布ヘッド4の短手方向(図7中のY軸方向)に平行に塗布ヘッド4に連結された回転軸及びその回転軸を回転させるモータ(いずれも図示せず)などを備えており、回転軸を所定角度回転させることで塗布ヘッド4を傾ける。
ノズル面4cが傾いた状態において、気泡除去対象の液室11aが複数存在し、それらのノズル4aの開口の高さが異なる場合には、高さが高い順に各液室11aに振動を加えること、すなわち、高さが高い位置の液室11aを低い位置の液室11aより優先して振動を加えることが望ましい。この場合には、高さが高い位置の液室11aからノズル4aを介してノズル面4cに流れ出た塗布液は、高さが低い位置の液室11aからノズル4aを介してノズル面4cに流れ出た塗布液と一緒になり、ノズル面4cに沿って流れていくことになる。ただし、場合によっては、高さが低い順に各液室11aに振動を加えることも可能である。また、同時に振動を加えても良く、さらに、気泡除去対象以外のノズルにも振動を加えるようにしても良い。
以上説明したように、第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、気泡除去動作を行うときに塗布ヘッド4のノズル面4cを傾斜させることによって、ノズル面4cに溜まった塗布液がノズル面4cの傾斜に沿って流れていく。このため、ノズル面4cが傾斜していない場合に比べ、ノズル面4cに溜まった塗布液中の気泡が何らかの要因でノズル4aの開口から液室11a内に戻ってしまうことを抑えることが可能となるので、より確実な気泡除去を実現することができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、気泡除去動作に関して、ノズル4aから流出させる塗布液の流量を、ノズル4aから液がしみ出してノズル面4cに溜まる範囲内で増加及び減少を繰り返すように変化させても良い(なお、流量の減少には、流出停止も含む)。このようにすると、液室11a内の塗布液の流速が変化するので、この流速の変化によって液室11aの壁面に付着した気泡を剥離する効果を期待することが可能であり、気泡除去をより一層効率良く行うことができる。
また、塗布ヘッド4には、ノズル面4cに撥液処理が施されているものがある。このような処理がなされたノズル面4cでは、ノズル4aの開口からしみ出した液がノズル面4cに広がっていかず、ノズル4aの開口の下に、しずく状に垂れ下がって溜まり、しずくがある程度大きくなると自重を表面張力や粘性によって支え切れなくなって落下し、次のしずくができるということを繰り返すことになる。このような状態も、塗布液がしみ出してノズル面4cに溜まる状態に含まれる。
1 塗布装置
4 塗布ヘッド
4a ノズル
4c ノズル面
5c 負圧発生部
8 制御部
11a 液室
13 圧電体
21 傾斜機構
4 塗布ヘッド
4a ノズル
4c ノズル面
5c 負圧発生部
8 制御部
11a 液室
13 圧電体
21 傾斜機構
Claims (8)
- ノズルが形成されたノズル面、前記ノズルにつながり液体を収容する液室、前記液室内の容積を変化させる圧電体を有する塗布ヘッドと、
前記液室内の液体が前記ノズル面に溜まるように前記液室内の液体を前記ノズルから流出させる流出部と、
前記液室内の液体を前記ノズルから吐出させず、前記流出部により前記液室内で前記ノズルに向かって流れている液体に振動を与えるように前記圧電体の駆動を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする塗布装置。 - 前記ノズル面が傾斜するように前記塗布ヘッドを傾ける傾斜機構をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の塗布装置。
- 前記制御部は、前記液室内の液体を前記ノズルから吐出させるとき、前記液室内の液体を前記ノズルから液滴として吐出させる第1の振動条件に基づいて前記圧電体の駆動を制御し、前記液室内の液体から気泡を除去するとき、前記液室内の液体を前記ノズルから液滴として吐出させずに前記液室内で前記ノズルに向かって流れている液体に振動を与える第2の振動条件に基づいて前記圧電体の駆動を制御することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の塗布装置。
- 前記ノズルは複数設けられており、
前記液室は前記ノズル毎に設けられており、
前記圧電体は前記液室毎に設けられており、
前記複数の液室から気泡除去対象の液室を特定する特定部をさらに備え、
前記制御部は、前記特定部により特定された前記気泡除去対象の液室内で前記ノズルに向かって流れている液体に振動を与えるように前記液室毎の圧電体の駆動を個別に制御することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の塗布装置。 - ノズルが形成されたノズル面、前記ノズルにつながり液体を収容する液室、前記液室内の容積を変化させる圧電体を有する塗布ヘッドの前記液室から気泡を除去する塗布ヘッドの気泡除去方法であって、
前記液室内の液体が前記ノズル面に溜まるように前記液室内の液体を前記ノズルから流出させる工程と、
前記液室内の液体を前記ノズルから吐出させず、前記液室内で前記ノズルに向かって流れている液体に振動を与えるように前記圧電体を駆動する工程と、
を有することを特徴とする塗布ヘッドの気泡除去方法。 - 前記ノズル面が傾斜するように前記塗布ヘッドを傾ける工程をさらに有することを特徴とする請求項5に記載の塗布ヘッドの気泡除去方法。
- 前記圧電体を駆動する工程では、前記液室内の液体を前記ノズルから吐出させるとき、前記液室内の液体を前記ノズルから液滴として吐出させる第1の振動条件に基づいて前記圧電体を駆動し、前記液室内の液体から気泡を除去するとき、前記液室内の液体を前記ノズルから液滴として吐出させずに前記液室内で前記ノズルに向かって流れている液体に振動を与える第2の振動条件に基づいて前記圧電体を駆動することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の塗布ヘッドの気泡除去方法。
- 前記ノズルは複数設けられており、
前記液室は前記ノズル毎に設けられており、
前記圧電体は前記液室毎に設けられており、
前記複数の液室から気泡除去対象の液室を特定する工程をさらに有し、
前記圧電体を駆動する工程では、特定された前記気泡除去対象の液室内で前記ノズルに向かって流れている液体に振動を与えるように前記液室毎の圧電体を個別に駆動することを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれか一項に記載の塗布ヘッドの気泡除去方法。
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JP2014189132A JP2016059863A (ja) | 2014-09-17 | 2014-09-17 | 塗布装置及び塗布ヘッドの気泡除去方法 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2020066439A1 (ja) * | 2018-09-26 | 2020-04-02 | 日本電産マシナリー株式会社 | 液体塗布装置 |
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JP7258386B1 (ja) | 2022-09-22 | 2023-04-17 | 株式会社ナカリキッドコントロール | ノズルプレート、液体吐出装置および液体吐出方法 |
-
2014
- 2014-09-17 JP JP2014189132A patent/JP2016059863A/ja active Pending
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