JP4691943B2 - 気泡の排出方法および液滴吐出方法 - Google Patents

気泡の排出方法および液滴吐出方法 Download PDF

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Description

本発明は、液滴吐出装置および、液滴吐出装置における液状体流路内の気泡の排出方法、並びに液滴吐出装置における液滴吐出方法に関する。
近年、さまざま液状体を基板上に液滴として吐出させて描画を行う、インクジェットプリンタ等の液滴吐出装置が、紙印刷や工業用途のパターン形成などに広く利用されている。液滴を吐出する吐出ヘッドには、微細な流路(液状体流路)が形成されており、流路の一端側は液状体を供給する供給装置に通じ、流路の他端はノズルとなっていて、ノズルの近傍に形成された圧力発生手段(例えば、ピエゾアクチュエータなど)により、液滴をノズルから吐出する構成となっている。
吐出ヘッドの流路内には、供給装置から気泡が流れ込んでくることがしばしばあるが、流路内に気泡が存在すると、気泡が圧力を吸収したり、あるいは流路を閉塞したりすることによる吐出不良を招く虞がある。したがって、液滴吐出装置において、混入した気泡を除去する技術は非常に重要である。
混入した気泡を除去する技術として最も一般的なのは、ノズル面をキャップ等で封止して、キャップに連通した吸引ポンプを用いてキャップ内を減圧し、流路のノズル側から気泡を液状体と共に排出するものである(例えば特許文献1)。また、液状体タンク側から加圧すると共に、ノズル側から液状体を吸引して気泡を排出するものもある(例えば特許文献2)。
これらの技術は、気泡を排出するためのものであり、特に特許文献2に係る技術は、液状体タンク側からの加圧と、ヘッド側からの吸引が同時に可能であることから、排出する液状体の流速を高めることが可能である。
特開平5−201027号公報 特開2000−313123号公報
ところが、液状体流路内の気泡の中には、排出が困難なものも存在する。例えば、液状体流路は、特定の働きのために設けられた液室と当該液室に連通する連通管で構成されていたりするが、液室の形状や連通口との位置関係によっては、液室内で液状体の流れが淀む箇所も存在する。このような箇所に滞留した気泡は、吸引する液状体の流速を高めてもなかなか除去することができない。また、液状体流路には、液状体に混入したゴミなどを除去する目的で、フィルタ部材が途中に設けられていたりするが、気泡がフィルタの目を通過することができずに、滞留するケースもある。
上述の文献に係る技術では、このような気泡を確実に排出することは難しい。それでも敢えて、気泡を排出しようとするならば、排出する液状体の流速を非常に大きくしなくてはならず、気泡と共に排出され、廃棄される液状体の量が増えて不経済である。
そこで、排出する液状体の流速に依存せずに気泡の排出性を高めたり、あるいは、気泡が液状体流路内に残っていたとしても、吐出不良を発生しにくくするような技術が求められる。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、液状体流路内における気泡の排出性や吐出影響度を静的に(液状体の流動を伴わずに)制御することが可能な液滴吐出装置、および、液状体流路内の気泡を容易に排出することが可能な液滴吐出装置における気泡の排出方法、並びに、気泡による吐出不良を発生しにくくすることが可能な液滴吐出装置における液滴吐出方法を提供することを目的としている。
本発明は、ノズルが形成されてなる吐出ヘッドと、液状体容器から液状体を前記吐出ヘッドに供給する液状体流路と、前記ノズルの開口に臨んだ雰囲気の気圧を制御可能な気圧制御手段と、前記液状体流路における背圧を制御可能な背圧制御手段と、を備え、前記気圧を前記背圧に対して適度な圧力差を保つように制御すると共に、前記背圧を大気圧よりも高圧ないし低圧にすることを特徴とする。
ここで述べる液状体流路とは、例えば、液状体種区分における主幹流路から、ノズル列区分におけるリザーバ(一時容量室)、ノズル区分における供給路、圧力室、ノズルに至るまでの、一連の流路のことを指している。
このような一連の流路に液状体が充填された場合において、ノズルの開口部には液状体と空気の界面、すなわちメニスカスが形成される。定常状態におけるメニスカスの状態は、ノズル開口に臨んだ雰囲気の気圧、メニスカスの位置における背圧、液状体の表面張力、液状体とノズル内面の濡れ性などによって決定される。ここで、背圧とは、液状体流路における液状体の圧力(静水頭)のことを指している。通常、背圧は、ノズル開口に臨んだ雰囲気の気圧(通常は大気圧である)よりもやや低く(負側に)設定されており、このような状態を負圧状態と呼んでいる。適度な負圧状態にすることで、メニスカスはノズルの深い方(液状体流路の一端側)へ引き込まれるかたちとなり、メニスカスには適度な表面張力が働いて、安定した液滴の吐出を実現するわけである。
上述の説明のように、安定した液滴の吐出のためには、適度な負圧状態とすることが前提となる。また、液滴を吐出しないとしても、液状体流路において液状体を定常状態に保つためには、ノズル開口に臨んだ雰囲気の気圧と液状体流路における背圧とを適度な圧力差に保つ必要がある。ところが従来の液滴吐出装置においては、ノズル開口に臨んだ雰囲気の気圧は大気圧に固定されていたため、背圧もまた大気圧を基準に設定されるしかなく、絶対値としての背圧の自由度は無いに等しかった。
本発明の液滴吐出装置においては、ノズル開口に臨んだ雰囲気の気圧が、背圧に対して適度な圧力差を保つように制御されるので、液状体を流動させずに、あるいは適度な負圧状態を保ったまま、背圧の絶対値を変化させることができる。そして、背圧の絶対値の変化により、液状体流路内の気泡の状態(大きさ)を変化させることができる。例えば、気泡を大きくすることで、液状体の流動に伴う気泡の移動力を上げたり、気泡を小さくすることで、気泡の移動抵抗を小さくしたり、メニスカスへの影響力を小さくすることができる。かくして、液状体の流動に依存することなく、静的に、気泡の排出性や吐出影響度を変化させることが可能となる。尚、本発明において適度な圧力差とは、圧力差が全く無い状態のことも含んでいる。
前記液滴吐出装置は、前記吐出ヘッドを収容する気密容器を備え、前記気圧制御手段は、前記気密容器内の気圧を制御する手段であることを特徴とする。
本発明の液滴吐出装置によれば、吐出ヘッドを気密容器内に収容することにより、気圧制御手段を簡単に構成することができる。
前記液滴吐出装置は、背圧が大気圧よりも高圧または低圧にされた状態に続いて、前記ノズルから、前記液状体流路内の前記液状体が排出されることを特徴とする。
本発明の液滴吐出装置によれば、背圧の絶対値を変化させることにより液状体流路内の気泡の状態(大きさ)を制御し、その状態に続いて液状体をノズルから排出させて、気泡を除去することができる。例えば、背圧を高くして気泡を小さくすれば、流路壁から気泡が離れやすくなり、あるいは、目の細かいフィルター等を通過しやすくなって、気泡が排出されやすくなる。また、背圧を低くして気泡を大きくすれば、液状体の流れにより大きな移動力が働くので、流れの淀んだ箇所の気泡であっても排出されやすくなる。かくして、廃棄される液状体の量を増加させずに、確実に気泡を排出することが可能となる。
液状体をノズルから排出する前記液滴吐出装置は、前記ノズルの開口面に密着可能なキャップ部材を介して、前記ノズルから前記液状体流路内の前記液状体を吸引する吸引手段を備え、前記背圧が大気圧よりも高圧または低圧にされた状態において、前記吸引手段によって、前記液状体が前記ノズルから排出されることを特徴とする。
液状体をノズルから排出する方法としては、例えば、ノズルの開口面に対向して廃液の受容容器を配置しておき、気圧制御手段によって気密容器の気圧を背圧に対して低くする、あるいは、背圧制御手段によって背圧を気密容器の気圧に対して高くする、といった方法が考えられる。しかし、気密容器は容量が大きいため、圧力を急激に変動させるのには向いておらず、背圧制御手段には様々な構成のものがあるが、こちらも、圧力を急激に変動させる目的には不向きである。
この発明の液滴吐出装置によれば、キャップ部材によって、ノズルの開口面に臨んだ小容量の空間内を減圧させ、液状体を吸引する構成となっているため、液状体の排出量を敏感に制御することが可能である。かくして、気泡を排出するために要する液状体の排出量(廃液量)を低減することができる。
前記液滴吐出装置は、前記背圧が大気圧よりも高圧にされた状態において、前記吐出ヘッドから前記液滴が吐出されることを特徴とする。
本発明の液滴吐出装置によれば、背圧の絶対値を高くすることにより、液状体流路内の気泡を小さく圧縮した状態で液滴を吐出させ、所望の描画を行うことができる。液状体流路に残留した気泡を小さくすることは、圧力発生手段が発生させた圧力の吸収、あるいは流路の閉塞などといった、吐出不良の発生因子に対して好適に作用するので、吐出不良の発生を低減することができる。かくして、高精細な描画が可能となる。
前記液滴吐出装置において、前記背圧制御手段は、前記液状体容器における前記液状体と直接的または間接的に接する雰囲気の気圧を制御する手段であることを特徴とする。
背圧としての液状体の圧力(静水頭)には、液状体の膨張/圧縮に依存する固有成分と、液状体の液位(深さ)に依存して変動するいわゆる位置水頭と呼ばれる成分があるが、これらの成分は、背圧としてはどちらの成分も等価に働く。つまり、背圧を変化させる方法としては、固有成分を変化させてもよいし、位置水頭成分を変化させてもよいわけである。前者の場合、例えば、液状体容器内の液圧を変化させる方法が考えられるし、後者の場合、例えば、液状体容器のノズル開口面に対する高さ(鉛直方向に対する位置)を変化させる方法が考えられる。
本発明の液滴吐出装置における背圧制御手段は、液状体容器における液状体と直接的または間接的に接する雰囲気の気圧を変化させる構成としている。ここで、直接的に接する雰囲気とは、液状体容器内において、液状体の液面と直接的に接している雰囲気を指す。また、間接的に接している雰囲気とは、液状体と可撓性膜などを介して、圧力を伝達可能に接している雰囲気を指す。
本発明の液滴吐出装置における背圧制御手段としては、具体的には、例えば、大気連通口を有した液状体容器を気密性の容器内に収容し、内部の気圧を変化させる構成が考えられる。また、可撓性の密閉容器に液状体を充填した液状体容器を気密性の容器内に収容し、当該容器内の気圧を変化させる構成も考えられる。
この発明の液滴吐出装置によれば、気圧制御手段による気圧制御と背圧制御手段による背圧制御の両者が共に、空気の圧力によって制御するという構成となって、機構の一部を共通化することができるので、簡単な装置の構成とすることができる。
前記液滴吐出装置は、前記液状体容器における前記液状体と前記気密容器内の雰囲気とが、直接的または間接的に接していて、前記背圧制御手段と前記気圧制御手段とが共通化されていることを特徴とする。
本発明の液滴吐出装置は、液状体容器における液状体と気密容器内の雰囲気とが、直接的または間接的に接しており、気密容器内の気圧を制御することで液状体の液圧、すなわち背圧を制御することができる。つまり、この液滴吐出装置においては、気圧制御手段と背圧制御手段とが共通化されていて、構成が非常に簡単である。しかも、気圧と背圧とが一元的に制御可能であるので、制御が容易でもある。
本発明は、液滴吐出装置のノズルが形成された吐出ヘッドと液状体容器とを連通する液状体流路における気泡の排出方法であって、前記ノズルの開口に臨んだ雰囲気の気圧と前記液状体流路における背圧とを、適度な圧力差を保ち、前記気圧を大気圧よりも高圧または低圧の状態にする静的気泡制御ステップと、前記気圧と前記背圧との間に圧力差を発生させて、前記ノズルから前記液状体流路内の前記液状体を排出する動的気泡制御ステップと、を含むことを特徴とする。
本発明の気泡の排出方法によれば、ノズルの開口に臨んだ雰囲気の気圧と液状体流路における背圧とを、適度な圧力差を保った状態であって、その絶対値が大気圧よりも高圧または低圧の状態とすることで、液状体を流動させずに液状体流路内の気泡の状態(大きさ)を制御することができる。さらに、その状態に続いて液状体をノズルから排出させて、気泡を除去することができる。かくして、廃棄される液状体の量を増加させずに、確実に気泡を排出することが可能となる。尚、本発明において適度な圧力差とは、圧力差が全く無い状態のことも含んでいる。
前記気泡の排出方法は、前記静的気泡制御ステップで、前記気圧と前記背圧とを大気圧よりも高圧の状態とした後に、前記動的気泡制御ステップで前記ノズルから前記液状体流路内の前記液状体を排出する第1排出ステップと、前記静的気泡制御ステップで、前記気圧と前記背圧とを大気圧よりも低圧の状態とした後に、前記動的気泡制御ステップで、前記ノズルから前記液状体流路内の前記液状体を排出する第2排出ステップと、を含むことを特徴とする。
液状体流路に気泡が残っている場合において、背圧を高くして気泡を小さくすれば、流路壁から気泡が離れやすくなり、あるいは、目の細かいフィルター等を通過しやすくなって、気泡が排出されやすくなる。また、背圧を低くして気泡を大きくすれば、液状体の流れにより大きな移動力が働くので、流れの淀んだ箇所の気泡であっても排出されやすくなる。このように、気泡の位置や元の大きさによって、背圧を高くしたときに排出されやすくなる気泡と、背圧を低くしたときに排出されやすくなる気泡とがある。
本発明の気泡の排出方法においては、第1排出ステップで前者の気泡を、第2排出ステップで後者の気泡を排出することができるので、液状体流路内の気泡をより確実に排出することができる。
前記気泡の排出方法は、複数回の前記第1排出ステップと、複数回の前記第2排出ステップとを、組み合わせて実行することを特徴とする。
本発明の気泡の排出方法においては、複数回の第1排出ステップおよび第2排出ステップの組み合わせで気泡の排出を行うので、液状体流路内の気泡をより確実に排出することができる。
本発明は、吐出ヘッドに形成された液状体流路の一端側が液状体容器に連通し、前記液状体流路の他端がノズルとなっていて、前記液状体容器から液状体の供給を受けて、前記ノズルから液滴を吐出する液滴噴射装置における液滴吐出方法であって、前記ノズルの開口に臨んだ雰囲気の気圧と前記液状体流路における背圧とを、適度な負圧状態を維持すると共に、大気圧よりも高圧の状態にする静的気泡制御ステップと、前記静的気泡制御ステップの後に、前記ノズルから前記液滴を吐出する吐出ステップと、を含むことを特徴とする。
本発明の液滴吐出方法によれば、適度な負圧状態を保ったまま背圧の絶対値を高くすることにより、液状体流路内の気泡を小さく圧縮した状態で液滴を吐出させ、所望の描画を行うことができる。液状体流路に残留した気泡を小さくすることは、圧力発生手段が発生させた圧力の吸収、あるいは流路の閉塞などといった、吐出不良の発生因子に対して好適に作用するので、吐出不良の発生を低減することができる。かくして、高精細な描画が可能となる。
前記気泡の排出方法は、前記液滴吐出装置における回復動作において実行されることを特徴とする。
このようにすれば、信頼性の高い回復動作を提供することができる。
前記液滴吐出方法は、前記液滴吐出装置における描画動作において実行されることを特徴とする。
このようにすれば、高精彩な描画が可能となる。
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
(第1実施形態)
(液滴吐出装置の主要部構成)
まずは、図1、図2、図3、図4、図7を参照して、本実施形態における液滴吐出装置の主要部構成について説明する。図1は、液滴吐出装置の主要部構成を示す概略斜視図である。
図1に示すように、液滴吐出装置は、本体部101と液状体供給部104とを有している。本体部101は、液滴を吐出するヘッド部110を有するヘッド機構部102と、ヘッド部110から吐出された液滴の吐出対象である基板120を載置する基板機構部103とを備えている。
基板120としては、ガラス基板、金属基板、合成樹脂基板、紙など、平板状のものであればたいていのものが利用できる。また、基板120は、厳密な平板形状であることを要求せず、表面に微小な構造体が形成されていてもよい。
本体部101は、床上に設置された複数の支持脚106と、支持脚106の上側に設置された定盤107を備えている。定盤107の上側には、基板機構部103が定盤107の長手方向(X軸方向)にわたって配置されており、基板機構部103の上方には、定盤107に固定された2本の柱で両持ち支持されているヘッド機構部102が、基板機構部103と直交する方向(Y軸方向)にわたって配置されている。また、ヘッド機構部102の手前側の位置には、メンテナンス部80と廃液タンク90が配置されている。
ヘッド機構部102は、液状体を吐出するヘッド部110と、ヘッド部110を搭載したキャリッジ111と、キャリッジ111のY軸方向への移動をガイドするY軸ガイド113と、Y軸ガイド113に沿って設置されたY軸ボールねじ115と、Y軸ボールねじ115を正逆回転させるY軸モータ114と、キャリッジ111の下部にあって、Y軸ボールねじ115と螺合してキャリッジ111を移動させる雌ねじ部が形成されたキャリッジ螺合部112とを備えている。
基板機構部103の移動機構は、ヘッド機構部102とほぼ同様の構成でX軸方向に配置されており、基板120を載置している載置台121と、載置台121の移動をガイドするX軸ガイド123と、X軸ガイド123に沿って設置されたX軸ボールねじ125と、X軸ボールねじ125を正逆回転させるX軸モータ124と、載置台121の下部にあって、X軸ボールねじ125と螺合して載置台121を移動させる載置台螺合部122とから構成されている。
尚、ヘッド機構部102および基板機構部103には、図示していないが、ヘッド部110と載置台121の移動した位置を検出する位置検出手段が、それぞれ備えられている。また、キャリッジ111と載置台121には、Z軸を回転軸方向とした、回転方向を調整する機構が組込まれ、ヘッド部110の回転方向調整、および載置台121の回転方向調整が可能である。さらに、キャリッジ111には、ヘッド部110をZ軸方向に並進移動可能にする機構も組み込まれている。
これらの構成により、ヘッド部110と基板120とは、それぞれY軸方向およびX軸方向に往復自在に相対移動することができる。ヘッド部110の移動について説明すると、Y軸モータ114の正逆回転によってY軸ボールねじ115が正逆回転し、Y軸ボールねじ115に螺合しているキャリッジ螺合部112が、Y軸ガイド113に沿って移動することで、キャリッジ螺合部112と一体のキャリッジ111が任意の位置に移動する。すなわち、Y軸モータ114の駆動により、キャリッジ111に搭載したヘッド部110が、Y軸方向に自在に移動する。同様に、載置台121に載置された基板120もX軸方向に自在に移動する。
このように、X軸モータ124、Y軸モータ114の駆動制御により、ヘッド部110の基板120に対する相対移動が可能であり、液滴を、基板120上の任意の位置に吐出させ、基板120上に所定のパターンを描画することができるようになっている。
液状体供給部104は、ヘッド部110に連通する流路を形成する供給チューブ131a〜131cと、供給チューブ131a〜131cに連通し、液状体を貯蔵する液状体容器130a〜130cとを備えている。このように三組のチューブおよび液状体容器を備えるのは、種類の異なる液状体を基板120に吐出するためである。液状体としては、有機EL(エレクトロルミネッセンス)等の発光材料や、蛍光材料、色材(顔料)、導電性材料などの機能性材料を溶質として含んだものが、描画の目的に応じて用意される。
図2は、ヘッド部における吐出ヘッドの配置を示す平面図である。図2に示すように、ヘッド部110は、互いに同じ構造を有する複数の吐出ヘッド116を保持している。液状体を液滴として吐出するための吐出ヘッド116は、Y軸方向に延びる2つのノズル列を有していて、1つのノズル列は、例えば180個のノズル117…を有している。各吐出ヘッド116…は、Y軸方向におけるノズルの位置(座標)が、所定の間隔でオフセットされるように配置されている。
図3は、吐出ヘッドの主要部構造を示す概略斜視図である。図3に示すように、吐出ヘッド116は、隔壁141…に仕切られて形成された複数のキャビティ140…を備え、1つのキャビティ140に対して1つのノズル117が設けられている。ノズル117は、隔壁141…を構成する部材の下面に接着固定されたノズルプレート144に形成されている。キャビティ140には、1対の隔壁141間に位置する供給口146を介して、リザーバ145から液状体が供給されるようになっている。リザーバ145は一定量の液状体を貯留するための液溜めの役割を果たしており、リザーバ145へは孔147を介して液状体が供給される。尚、本図では図示していないが、孔147は、液状体に含まれる異物をトラップするためのフィルタ室30(図7参照)に連通し、フィルタ室30からヘッド部110(図1参照)に形成された流路を介して、供給チューブ131に通じている。
ここで、図7を参照して、フィルタ室について説明しておく。フィルタ室30は、金属をメッシュ状に編み込んで形成されたフィルタ31を有している。フィルタ31を通過する際に液状体は大きな圧力損失を受けるため、その損失を低減するために、フィルタ31は連通部の液状体流路12よりも大きな径となっている。上述のノズル117、キャビティ140、供給口146、リザーバ145、孔147、フィルタ室30を含む、吐出ヘッド116に形成された一連の流路を、以下では液状体流路と呼ぶ。
再び図3に戻って、キャビティ140…の上部は振動板143となっていて、振動板143上には、それぞれのキャビティ140に対応して、圧力発生手段としての振動子142…が位置する。振動子142は、ピエゾ素子と、ピエゾ素子を挟む1対の電極(図示せず)とから成る。この1対の電極に駆動電圧を与えることで、振動子142に対応する箇所の振動板143が変形し、キャビティ140の内圧が変化して、液状体がノズル117から液滴150となって吐出される。
振動子142に与える駆動電圧は、図示しない吐出制御部によって生成され、各ノズル117毎に、任意のタイミングで液滴を吐出するように制御(吐出制御)することができる。そして、上述したように、X軸モータ124、Y軸モータ114(図1参照)の駆動制御とこの吐出制御とを同期させて行うことにより、基板120(図1参照)上に所定のパターンを描画することができる。
再び図1に戻って、メンテナンスユニット80は、例えば、液状体を液状体流路に充填する(初期充填動作)時、あるいは、液状体流路の異物や気泡を除去して、吐出性能を回復させる(回復動作)時に用いられる。充填動作、回復動作の命令が液滴吐出装置に送られると、ヘッド機構部102の駆動により、ヘッド部110がメンテナンスユニット80に対向する位置に移動され、所定の動作を行うようになっている。
メンテナンスユニット80は、廃液受容手段とワイピング手段とを有している。廃液受容手段は、ヘッド部110のノズル117(図3参照)を介して液状体流路の液状体を排出する際に、その液状体を受けるための手段である。また、ワイピング手段は、液状体を排出させた後、ノズルプレート144(図3参照)の表面に付着した液状体を払拭して除去させるための手段である。
図4は、メンテナンスユニットの一部を示す概略断面図であり、特に、廃液受容手段としてのキャップユニットの構造を示している。
図4に示すように、ユニット基体83上において、複数のキャップユニット81が、ヘッド部110における吐出ヘッド116の配置に合わせて(図2参照)配置されている。キャップユニット81は、吐出ヘッド116のノズル開口面118に臨んだ空間92を封止するためのキャップ部材87と、キャップ部材87を補強する受体88と、受体88を押圧するバネ86と、受体88の移動の自由度を規定するキャップガイド85,89とを備えている。ヘッド部110が、キャリッジ111(図1参照)に設けられた並進移動機構(図1には図示されず)により、図面下向き(Z軸の負方向)に移動させられると、図4に示すように、ノズル開口面118がキャップ部材87に当接される。
キャップ部材87は、ノズル開口面118との密着性を確保できるように、エラストマ等の弾性体を成形してつくられている。キャップ部材87の底部には、連通口が形成されており、連通口に廃液チューブ84の一端が挿入され、廃液チューブ84の他端側は廃液タンク90(図1参照)に通じている。かくして、吐出ヘッド116のノズルから空間92に排出された液状体は、廃液チューブ84を介して廃液タンク90に収容されることとなる。吐出ヘッド116のノズルから液状体を排出する方法については、後述する。
(液滴吐出装置の全体構成)
図5は、液滴吐出装置の全体構成を示す概略構成図である。尚、以降の説明において、液状体供給部104については、液状体容器130a、供給チューブ131aで代表させて、液状体流路12については、複数の吐出ヘッド116および複数のノズル117に対応した分岐流路を考えず、1つのノズルに対応して形成された1本の流路で代表させて、取り扱うこととする。
図5に示すように、液滴吐出装置1は、図1に示した本体部101および液状体供給部104と、気密容器としての第1チャンバ13および第2チャンバ14と、圧縮空気を貯留する高圧槽17と、真空源としての真空槽18と、これらの配管のための通気管21a〜21fなどによって、構成されている。
図5において、本体部101は第1チャンバ13に収容され、液状体容器130aは第2チャンバ14に収容されている。本体部101の吐出ヘッド116に形成された液状体流路12は、供給チューブ131aを介して、第2チャンバ14に収容された液状体容器130aの底部近傍に設けられた導出口24と連通されている。
高圧槽17は、コンプレッサ15と通気管21fによって連通され、コンプレッサ15によって生成された圧縮空気を貯留するようになっている。コンプレッサ15は圧力制御装置23に接続され、高圧槽17が常に一定の高圧状態を維持するように制御される。真空槽18は、真空ポンプ16と連通管21eによって連通され、真空ポンプ16によって内部の空気が排気されて真空源となっている。真空ポンプ16は圧力制御装置23に接続され、真空槽18が常に一定の真空状態(減圧状態)を維持するように制御される。
第1チャンバ13は、通気管21aによって高圧槽17と連通され、通気管21aの途中に、開閉バルブ22aが設けられている。また、第1チャンバ13は、通気管21bによって真空槽18と連通され、通気管21bの途中には開閉バルブ22bが設けられている。さらに、第1チャンバ13内には、内部の気圧を検知する気圧センサ19が備えられている。気圧センサ19、開閉バルブ22a、開閉バルブ22bは、圧力制御装置23に接続され、気圧センサ19の検出値を参照して開閉バルブ22a、開閉バルブ22bの開閉制御を行うことにより、第1チャンバ13内の気圧を自在に制御できるようになっている。すなわち、第1チャンバ13、高圧槽17、真空槽18、気圧センサ19、開閉バルブ22a、開閉バルブ22b、圧力制御装置23を備えた上述の構成が、気圧制御手段となっている。
第2チャンバ14は、通気管21cによって高圧槽17と連通され、通気管21cの途中に、開閉バルブ22cが設けられている。また、第2チャンバ14は、通気管21dによって真空槽18と連通され、通気管21dの途中には開閉バルブ22dが設けられている。さらに、第2チャンバ14内には、内部の気圧を検知する気圧センサ20が備えられている。気圧センサ20、開閉バルブ22c、開閉バルブ22dは、圧力制御装置23に接続され、気圧センサ20の検出値を参照して開閉バルブ22c、開閉バルブ22dの開閉制御を行うことにより、第2チャンバ14内の気圧を自在に制御できるようになっている。
ここで、液状体流路12から液状体容器130aに至る流路における、液状体11の力学について説明する。
図5に示すように、液状体流路12から液状体容器130aにかけての一連の流路に液状体11が充填された場合において、ノズル117の開口部には液状体11と空気の界面、すなわちメニスカス10が形成される。このときのメニスカス10の状態は、ノズル開口面118に臨んだ雰囲気(本実施形態においては第1チャンバ13内の空気のこと)の気圧P1、メニスカス10における背圧P4、液状体11の表面張力、液状体11とノズル内壁との濡れ性等の物理関係によって決定される。ここで、背圧とは、液状体流路12における液状体の圧力(静水頭)のことを指している。
メニスカス10における背圧P4は、液状体容器130a内における液状体11の液面28の位置における液圧P3と、ノズル開口面118に対する液面28の液位差hによって決定される。すなわち、背圧P4は、次の式(1)で与えられる。
P4=P3−hρg ・・・(1)
ここで、ρは液状体11の密度、gは重力加速度を表している。式(1)が示すように、背圧P4は、液状体11の膨張/圧縮に依存する固有成分(P3)と、液状体11の液位(深さ)に依存するいわゆる位置水頭成分(hρg)の和で表される。
本実施形態の場合、図5に示すように、液状体容器130aの上部には大気連通口25が設けられていて、液面28は第2チャンバ14の内部の空気と直接接している構成となっている。このため、液圧P3は第2チャンバ14内の気圧P2に等しく、背圧P4は、さらに次の式(2)で表すことができる。
P4=P2−hρg ・・・(2)
式(2)が示すように、メニスカス10における背圧P4は、第2チャンバ14内の気圧P2によって制御可能である。そして、第2チャンバ14内の気圧P2は、高圧槽17、真空槽18、気圧センサ20、開閉バルブ22c、開閉バルブ22d、圧力制御装置23を備えた上述の構成により制御が可能である。すなわち、第2チャンバ14、大気連通口25、高圧槽17、真空槽18、気圧センサ20、開閉バルブ22c、開閉バルブ22d、圧力制御装置23を備えたこれらの構成は、背圧制御手段としての機能を果たす。
ここで、気圧P1と背圧P4との圧力差が小さい場合のメニスカス10(液状体11)の状態について考える。第1チャンバの気圧P1および第2チャンバの気圧P2が、例えば大気圧状態となっていて共に等しい場合、メニスカス10における背圧P4は、位置水頭成分(hρg)の分だけ、第1チャンバの気圧P1よりも低くなる。この時、メニスカス10は、液状体11の表面張力やノズル117の内壁との濡れ性等との関係で、図5に示すように曲面をなし、メニスカス10には適度な表面張力が働いてこの圧力差(hρg)と釣り合い、定常状態を維持する。このようなメニスカスの状態を作り出すことは、安定した液滴の吐出を実現するために重要である。
メニスカス10において、背圧P4が気圧P1に対して小さな状態になっていることを、背圧P4が気圧P1に対して小さい、つまり負の状態であることから、負圧状態と呼んでいる。液滴を安定して吐出するためは、適度な負圧状態であることが必要であり、例えば、P4−P1=−300Pa〜−600Paの範囲が好適である。本実施形態では、位置水頭成分(hρg)がこの範囲となるように設定されており、P1=P2であるときに、P4−P1=−hρg=−400Paとなって、最適な負圧状態となる。尚、この負圧状態の範囲は、液滴を安定して吐出するための好適な条件を示したものであって、メニスカス10および液状体11が定常状態を維持するための条件を示したものではない。背圧P4が正圧(P4−P1>0)の状態であったとしても、その圧力差が小さい範囲ならば、定常状態を維持することができる。また、背圧P4は、液状体容器130aに収容されている液状体11の残量の減少に伴って変化するが、このときには、第2チャンバ14の気圧P2を変化させることで、当該変化分を補償することができる。
本実施形態における液滴吐出装置1においては、気圧P1および背圧P4は、圧力制御装置23によって自在に制御することができる。気圧P1と背圧P4との差が小さい範囲では、メニスカス10および液状体11は、上述のように定常状態を維持するが、気圧P1と背圧P4の差が、定常状態を維持できる範囲を超えて大きくなると、メニスカス10はもはや安定した形状を維持することができなくなって、液状体11の流動が起こる。
このような液状体11の流動は、例えば回復動作を行う際に、積極的に利用される。すなわち、図5において、キャップ部材87を吐出ヘッド116のノズル開口面118に密着させ、圧力制御装置23によって背圧P4を気圧P1に対して高くなるように圧力制御すると、その圧力差により、液状体11はノズル117からキャップ部材87の内部に向けて排出される。このとき、液状体11の排出と共に液状体流路12内の気泡や異物も一緒に排出され、吐出ヘッド116は再び正常な吐出を行うことができるようになる。排出された液状体11は、廃液チューブ84を通って廃液タンク90に廃液29として収容される。
このように、液状体流路12における液状体11が定常状態となるか、流動状態となるかは、気圧P1と背圧P4の圧力差によって決まるものであり、気圧P1、背圧P4の絶対値には依存しない。逆に、気圧P1、背圧P4の絶対値と深く関係するのが、以下で説明する液状体流路12の気泡の状態である。
(回復動作)
図6は、液状体流路における気泡の状態を示す概略断面図であり、吐出ヘッドのキャビティ周りに滞留した気泡を示している。図7は、液状体流路における気泡の状態を示す概略断面図であり、吐出ヘッドのフィルタ室に滞留した気泡を示している。図8は、回復動作における、第1チャンバ内の気圧と液状体流路における背圧の変化を示す図であり、実線が気圧P1の変化を、破線が背圧P4の変化を示している。
以下では、図8の時間軸に沿って、図5、図6、図7を参照しながら、回復動作について説明する。回復動作は、先にも述べたように、液状体流路の異物や気泡を除去して吐出性能を回復させる動作のことであり、図1のメンテナンスユニット80を利用して行われる。
図5において、初期の状態(図8のステップS0)では、第1チャンバ13内の気圧P1、第2チャンバ14内の気圧P2は大気圧に設定されている。既に説明したように、メニスカス10の位置における背圧P4は、気圧P2を介して制御されるようになっており、このときの背圧P4は、気圧P1よりもhρgだけ低い値となっている。
ステップS0においては、図6および図7に示すように、気泡32,34,35が液状体流路12に滞留している。ここに示した気泡32,34,35は、液状体流路12の気泡のうち、特に液状体の排出によって除去されにくいものを示しており、例えば、気泡32は、リザーバ145の側壁に張り付いた状態となっているために移動しにくい。また、気泡34,35は、フィルタ室30の外縁部に位置していて、液状体の流速が小さいために、フィルタ31を通過することが困難である。
回復動作が開始されると、気圧P1と背圧P4は、その圧力差=hρgをほぼ保ったまま低くされ、やがてPSL1付近で維持される(図8のステップS1)。このステップS1においては、液状体11は定常状態(非流動状態)を維持しているが、液状体流路12内の気泡には変化が見られ、図7において、気泡34は膨張して気泡34’に示す状態となる。このように、気圧P1と背圧P4とを、適度な圧力差を保った状態で変化させることにより、液状体11を定常状態に維持したまま、気泡の状態を変化させることが可能であり、これは、液状体11の流動を伴わずに、気泡を静的に制御していると言い換えることもできる。このことにちなんで、このステップを静的気泡制御ステップと呼ぶ。この回復動作の静的気泡制御ステップにおいては、気圧P1と背圧P4との適度な圧力差とは、液状体11が定常状態(非流動状態)を維持する範囲の圧力差のことを指しており、圧力差が全く無い状態のことも含まれている。
静的気泡制御ステップS1の後、気圧P1はPSL1に維持されたまま、背圧P4が大気圧付近まで高くされ、その圧力差によって液状体11が流動し、ノズル117から排出される(図8のステップS2)。このとき、図7における気泡34’は、フィルタ31の表面において大きな面積で閉塞させることになるため、極所的にフィルタ31の上流側と下流側とで大きな圧力差を発生させる。そして、この圧力差によって、気泡34’はフィルタ31を通過することができる。このように、液状体11の流動に乗せて気泡を移動させようとするステップを、先の静的気泡制御ステップに対し、動的気泡制御ステップと呼ぶ。
やがて、気圧P1も大気圧まで高くされ、気圧P1と背圧P4の圧力差が低くなると液状体11の流動が止まり、再び定常状態となる。そして、気圧P1と背圧P4とは、hρgの圧力差を保ったまま、大気圧付近で維持される(図8の待機ステップS3)。
尚、動的気泡制御ステップS2における排出量によっては、上述した気泡34’は、フィルタ31を通過した後ノズル117の外まで到達しない場合もありうる。しかしこのような場合においても、この後に続く複数の排出ステップによって、気泡34’は、確実にノズル117から排出されることになる。
次に、気圧P1と背圧P4は、その圧力差=hρgをほぼ保ったまま高くされ、やがてPSH1付近で維持される(図8のステップS4)。このステップS4においては、液状体11は定常状態を維持しているが、液状体流路12内の気泡には変化が見られ、図6において、気泡32は、収縮して32’に示す状態となる。また、図7において、気泡35は収縮して気泡35’に示す状態となる。すなわち、このステップS4もまた、静的気泡制御ステップである。静的気泡制御ステップS1との違いは、背圧P4(気圧P1)が大気圧より小さいか大きいかの差であり、液状体流路12の気泡が膨張するか収縮するかの差である。
静的気泡制御ステップS4において、図6における気泡32’は、リザーバ145の側壁から離れて容易に移動できるようになっている。また、図7における気泡35’は、非常に小さく収縮されて、フィルタ31の目をわずかな力で通過できるようになっている。
静的気泡制御ステップS4の後、背圧P4はPSH1付近に維持されたまま、気圧P1が大気圧を超えてPSL1まで低くされ、その圧力差によって液状体11が流動し、ノズル117から排出される(図8の動的気泡制御ステップS5)。静的気泡制御ステップS4において、移動が容易となった気泡32’、気泡35’は、液状体11の流動に乗って容易に移動させることができる。
所定時間経過後、今度は背圧P4が低くされ、気圧P1と背圧P4の圧力差が小さくなると液状体11の流動が止まり、気圧P1と背圧P4とは、hρgの圧力差を保ったまま、PSL1付近で維持される(図8の静的気泡制御ステップS6)。
本実施形態においては、PSL1付近での静的気泡制御ステップS6に続いて、動的気泡制御ステップS7、大気圧付近での待機ステップS8、PSH2付近での静的気泡制御ステップS9、動的気泡制御ステップS10、大気圧付近での待機ステップS11を実行する。その後、ワイピング手段によってノズルプレート144(図3参照)の表面に付着した液状体を払拭して除去させ(図8のステップS12)、一連の回復動作が終了する。
このように、静的気泡制御ステップと動的気泡制御ステップを組み合わせて実行することで、動的気泡制御ステップ(液状体の排出)だけでは排出することが困難な気泡(例えば、気泡32,34,35)を、容易に排出することが可能となる。静的気泡制御ステップにおいて、気泡を膨張させた方がよいか収縮させた方がよいか、すなわち、背圧を低くした方がよいか高くした方がよいかは、気泡の大きさや滞留する位置によって事情が異なるため、これらを組み合わせて用いることが好ましい。すなわち、静的気泡制御ステップで気圧P1および背圧P4を大気圧よりも高くした後に、動的気泡制御ステップで液状体11を排出する第1排出ステップと、静的気泡制御ステップで気圧P1および背圧P4を大気圧よりも低くした後に、動的気泡制御ステップでノズルから液状体11を排出する第2排出ステップと、を組み合わせて実行することで、気泡はより確実に排出されることになる。さらに好ましくは、本実施形態のように、複数の第1排出ステップと、複数の第2排出ステップを組み合わせることにより、気泡をより確実に排出することができる。
例えば、特許文献2に係る技術においては、ノズル側から液状体を吸引すると共に、液状体を加圧供給することができ、背圧を大気圧よりも高めた状態で液状体を排出するという点では、本実施形態と変わらないと言える。しかし、かかる技術では、液状体の流動によって液状体流路における圧力損失が発生するために、気泡周辺における背圧を十分に高めることができない。また、液状体の排出を必然的に伴うので、液状体を無用に廃棄させてしまうことになる。一方、本実施形態においては、定常状態を保ったまま、つまり、液状体11の流動を伴わない状態で、液状体流路12における背圧を変化させることができるので、確実に気泡の状態を制御することができ、しかも、液状体を無用に廃棄させてしまうことがない。そして、このように、静的気泡制御ステップによって気泡の排出性を高めた状態とすれば、わずかな流速で気泡を排出することができるので、排出動作全体で見ても、液状体の廃棄量を低減することができるのである。
尚、静的気泡制御ステップにおいて制御される気圧P1および背圧P4の値(例えば、PSH1,PSH2,PSL1)およびその組み合わせは、本実施形態の態様に拘束されるものではなく、液状体流路の構造や、液状体供給部104(図1参照)の構成によって最適に設計することができる。また、動的気泡制御ステップにおいて発生させる気圧P1と背圧P4との圧力差や圧力差を生じさせる時間(これらは液状体の排出量に関わる)についても、本実施形態の態様に拘束されるものではなく、液状体流路の構造や、液状体供給部104(図1参照)の構成によって最適に設計することができる。また、第1排出ステップと第2排出ステップの順序や組み合わせについても同様である。さらに、回復動作における初期状態(ステップS0)やワイピング動作(ステップS12)において、気圧P1は、必ずしも大気圧である必要はない。
(描画動作)
図9は、描画動作における、第1チャンバ内の気圧と液状体流路における背圧の変化を示す図であり、実線が気圧P1の変化を、破線が背圧P4の変化を示している。以下では、図9の時間軸に沿って、図5を参照しながら、液滴吐出装置の描画動作について説明する。
図9において、初期状態(図9のステップS20)では、気圧P1は大気圧、背圧P4は大気圧からhρgだけ低い状態となっている。このステップS20は、図5において、液状体11が吐出ヘッド116の液状体流路12に充填された状態であり、先に説明した回復動作(図8)に連続していても構わないし、全く独立した状態であっても構わない。
この状態から、気圧P1と背圧P4は、その圧力差=hρgをほぼ保ったまま高くされ、やがてPSH3付近で維持される(図9のステップS21)。ステップS21においては、液状体11は定常状態を維持するが、液状体流路12内の気泡には変化が見られ、液状体流路12内に気泡が残っていた場合、そのような気泡は圧縮される。すなわち、このステップS21は、静的気泡制御ステップであると言える。
静的気泡制御ステップS21の後、吐出ヘッド116を、基板120(図1参照)に対して相対移動させながら、吐出ヘッド116から液滴を吐出させ、描画を行う(図9のステップS22)。
このとき、背圧P4は、圧力制御装置23の制御により、適度な負圧状態(気圧P1と背圧P4との圧力差=hρg)に保たれているので、安定した液滴の吐出が可能である。すなわち、この描画動作の静的気泡制御ステップS21においては、気圧P1と背圧P4との適度な圧力差とは、安定した吐出が可能な適度な背圧の範囲のことを指している。また、液滴吐出時において、液状体流路12内に残った気泡は、通常、振動子142(図3参照)がキャビティ140内に発生させた圧力を吸収したり、あるいは液状体流路12を閉塞させたりするなど、吐出不良を発生させる要因となるのだが、本実施形態の場合は、液状体流路12内の気泡は圧縮され、小さな状態にされているために、吐出不良が発生しにくい。
上述の説明からわかるように、静的気泡制御ステップにより、液状体流路12における気泡を圧縮させた状態とした後で、ノズル117から液滴を吐出させて描画させることで、吐出不良の発生を低減させ、高精細な描画を行うことが可能となる。また、液滴に含まれる微小な気泡は、基板を収容する第1チャンバ13が高圧に保たれているため、基板に着弾した後においても、悪影響を及ぼすことはない。
(第2実施形態)
図10は、第2実施形態における液滴吐出装置の全体構成を示す概略構成図である。以下、第1実施形態(図5)と重複する箇所については説明を省略し、相違点を中心に第2実施形態の説明を行う。
図10の液滴吐出装置1においては、第1実施形態(図5)と同様に、第1チャンバ13内に本体部101が、第2チャンバ14内に液状体容器39が収容されている。第1チャンバ13と第2チャンバ14とは、通気管36aによって連通されていて、通気管36aは分岐した管である通気管36b、通気管36cを有している。また、通気管36aの内部には、気圧センサ37が備えられている。通気管36bは開閉バルブ38aを介して高圧槽17に、通気管36cは開閉バルブ38bを介して真空槽18に連通されている。気圧センサ37、開閉バルブ38a、開閉バルブ38bは、圧力制御装置23に接続され、気圧センサ37の検出値を参照して開閉バルブ38a、開閉バルブ38bの開閉制御を行うことにより、第1チャンバ13内の気圧P1および第2チャンバ14内の気圧P2を自在に制御できるようになっている。
上述のように、第1チャンバ13と第2チャンバ14とを通気管36aで繋ぐことにより、気圧P1と気圧P2とを常に等しい値に制御することが可能である。尚、本体部101と液状体容器39とを、第1チャンバ13と第2チャンバ14に分けて収容せずに、一つの気密容器に合わせて収容する構成としても、同様の圧力制御が可能である。
液状体容器39は、可撓性のプラスチックフィルムを扁平な袋状に形成し、導出口42を取り付けたものであり、内部には液状体11が収容されている。すなわち、液状体容器39の液圧P3は、可撓性のフィルムを介して第2チャンバ14内の気圧P2と平衡を保っている。さらに、液状体容器39は、上面40の液位が吐出ヘッド116のノズル開口面118よりもhだけ低い位置となるように、第2チャンバ14内に設置されている。
この構成においてメニスカス10における背圧P4は、式(3)で与えられる。
P4=P3−hρg=P2−hρg=P1−hρg ・・・(3)
式(3)が示すように、背圧P4の制御は気圧P1の制御によってなされ、背圧P4はその絶対値に関わらず、気圧P1に対して常にhρgだけ低い状態を維持することになる。すなわち、本実施形態2においては、気圧P1の気圧制御手段と背圧P4の背圧制御手段が共通化されていて、気圧P1および背圧P4の制御が一元化されているので、装置の構成が簡単であり、また、容易に圧力制御を行うことができる。
本体部101のメンテナンス部80において、廃液チューブ84の途中には、吸引手段としてのチューブポンプ41が設けられていて、キャップ部材87内の空気または液状体を吸引することが可能となっている。チューブポンプ41もまた圧力制御装置23に接続されていて、その駆動を制御することが可能である。
キャップ部材87をノズル開口面118に密着させて、ノズル開口面118に臨んだ空間92が封止された状態(図4参照)においては、メニスカス10の状態は、第1チャンバ13内の気圧P1ではなく、キャップ部材87内の気圧P5に依存することになる。この状態において、チューブポンプ41を駆動させると、気圧P5は第1チャンバ13内の気圧P1に対して減圧され、気圧P5が背圧P4に対して十分低くなると、液状体流路12の液状体11がノズル117から排出される。
すなわち、この第2実施形態のメンテナンス部80は、キャップ部材87によって、ノズルの開口面118に臨んだ小容量の空間92(図4参照)の内部を減圧させ、液状体を吸引する構成となっている。このため、大容量の第1チャンバ13ないし第2チャンバ14の気圧制御によって液状体11を排出する第1実施形態(図5)に比べ、液状体の排出量や排出速度を敏感に制御することが可能である。かくして、気泡を排出するために要する液状体の排出量(廃液量)を低減することができる。
図11は、第2実施形態における回復動作の過程を示す図であり、実線が気圧P1の変化を、破線が背圧P4の変化を、点線が気圧P5の変化を示している。以下では、図11の時間軸に沿って、図10を参照しながら、第2実施形態における回復動作について説明する。尚、図11において、気圧P5の変化は、ステップS32、ステップS34の区間のみ図示している。
初期の状態(図11のステップS30)では、第1チャンバ13内の気圧P1は大気圧に設定されており、メニスカス10の位置における背圧P4は、気圧P1よりもhρgだけ低い値となっている。式(3)から導かれるように、気圧P1と背圧P4の圧力差=hρgは、以降の圧力制御において常に維持される。
回復動作が開始されると、気圧P1はPSL2まで低くされる(図11のステップS31)。この過程は、静的気泡制御ステップに相当し、液状体流路12の気泡は膨張する。
静的気泡制御ステップS31の後、キャップ部材87を吐出ヘッド116のノズル開口面118に密着させ、チューブポンプ41を駆動させる。すると、キャップ部材87内の気圧P5は、図11に示すように、背圧P4を下回ってPSC1まで低下する(図11のステップS32)。このとき、気圧P5と背圧P4との圧力差によって、ノズル117から液状体11がキャップ部材87の中へ排出され、排出された液状体11は、廃液チューブ84を通って廃液タンク90に収容される。この過程は、動的気泡制御ステップに相当し、液状体11の排出と共に、液状体流路12内に滞留していた気泡も排出される。
所定時間後、チューブポンプ41の駆動を止めると、気圧P5は上昇して、やがて気圧P1と同じPSL2に達する。そして、キャップ部材87をノズル開口面118から離間させる。
ステップS32の後、静的気泡制御ステップS33、動的気泡制御ステップS34、気圧P1を大気圧に戻す過程であるステップS35、ワイピング手段によってノズル開口面118を払拭するステップS36を経て、一連の回復動作が終了する。
(第3実施形態)
図12は、第3実施形態における液滴吐出装置の全体構成を示す概略構成図である。以下、第1実施形態(図5)および第2実施形態(図10)と重複する箇所については説明を省略し、相違点を中心に第3実施形態の説明を行う。
図12の液滴吐出装置1において、本体部101および液状体供給部104は、大気中に設置されている。液状体供給部104の液状体容器39は、第2実施形態と同じく可撓性フィルムで形成された容器である。
液滴吐出装置1は、背圧制御手段としての加圧装置59を備えている。加圧装置59は、駆動部57と、駆動部57に連結して図の上下方向に移動可能なアーム部56と、アーム部56の一端側に設けられたバネ55と、液状体容器39の上面40に当接し、バネ55を介して液状体容器39を押圧する押圧板54とを備えている。また、駆動部57は圧力制御装置23に接続されていて、アーム部56の移動量を制御することができる。この構成により、押圧板54と上面40との当接面で押圧力(圧力)P6を発生させ、アーム部56の移動量によって、液状体容器39内における液圧P3を変化させることができる。
液状体容器39は、上面40の液位が吐出ヘッド116のノズル開口面118よりもkだけ低い位置となるように設置されていて、kは第2実施形態における液位差=hに比べて十分大きな値である。このときのメニスカス10における背圧P4は、次の式(4)で与えられる。
P4=P3−kρg ・・・(4)
液圧P3は、大気圧よりも低くすることはできないが、初期的に負の位置水頭成分=−kρgを与えておくことにより、大気圧よりも小さい範囲でも背圧P4を制御することが可能である。
この第3実施形態のように、本発明における背圧制御手段は、密閉容器(チャンバ)を用いて空気を介した態様に限定されるものではない。背圧制御手段の別の態様としては、他にも、液状体容器39の液位を変化可能にして、位置水頭成分を変化させる構成のものも考えられる。
図12の液滴吐出装置1において、メンテナンス部80の廃液チューブ84は、廃液チャンバ53に連通されている。廃液チャンバ53は気密容器であり、通気管51a、および、通気管51aから分岐した通気管51b、通気管51cを介して、それぞれ、高圧槽17、真空槽18に連通されている。さらに、通気管51bには開閉バルブ50bが、通気管51cには開閉バルブ50cが設けられている。また、廃液チャンバ53の内部には気圧センサ52が設けられている。気圧センサ52、開閉バルブ50b、開閉バルブ50cは、圧力制御装置23に接続され、気圧センサ52の検出値を参照して開閉バルブ50b、開閉バルブ50cの開閉制御を行うことができる。
キャップ部材87が、ノズル開口面118から離れているときには、キャップ部材内の気圧P5は大気圧に等しい。一方、キャップ部材87をノズル開口面118に密着させて、ノズル開口面118に臨んだ空間92が封止された状態(図4参照)においては、上述した開閉バルブ50b,50cの開閉制御により、圧力P5を自在に制御することができる。そして、このような状態においては、気圧P5がノズル117の開口に臨んだ雰囲気の気圧である。すなわち、高圧槽17、真空槽18、気圧センサ52、キャップ部材87、廃液チューブ84、廃液チャンバ53、開閉バルブ50b、開閉バルブ50c、圧力制御装置23を備えた上述の構成が、気圧制御手段となっている。
この第3実施形態のように、本発明における気圧制御手段は、少なくとも回復動作の範囲においては、密閉容器(チャンバ)に本体部101を収容した態様に限定されるものではない。
本発明は上述の実施形態に限定されない。例えば、回復動作の静的気泡制御ステップにおいて、大気圧より高圧にする動作のみが可能な構成(真空槽がない)としてもよいし、逆に大気圧より低圧にする動作のみが可能な構成(高圧槽がない)としてもよい。また、回復動作のみが可能である構成としてもよいし、描画動作のみが可能である構成としてもよい。また、各実施形態の各構成はこれらを適宜組み合わせたり、省略したり、図示しない他の構成と組み合わせたりすることができる。
液滴吐出装置の主要部構成を示す概略斜視図。 ヘッド部における吐出ヘッドの配置を示す平面図。 吐出ヘッドの主要部構造を示す概略斜視図。 メンテナンスユニットの一部を示す概略断面図。 液滴吐出装置の全体構成を示す概略構成図。 液状体流路における気泡の状態を示す概略断面図。 液状体流路における気泡の状態を示す概略断面図。 回復動作における、第1チャンバ内の気圧と液状体流路における背圧の変化を示す図。 描画動作における、第1チャンバ内の気圧と液状体流路における背圧の変化を示す図。 第2実施形態における液滴吐出装置の全体構成を示す概略構成図。 第2実施形態における回復動作の過程を示す図。 第3実施形態における液滴吐出装置の全体構成を示す概略構成図。
符号の説明
1…液滴吐出装置、10…メニスカス、11…液状体、12…液状体流路、13…気密容器および気圧制御手段を構成する第1チャンバ、14…背圧制御手段を構成する第2チャンバ、15…コンプレッサ、16…真空ポンプ、17…気圧制御手段および背圧制御手段を構成する高圧槽、18…気圧制御手段および背圧制御手段を構成する真空槽、19,20…気圧制御手段および背圧制御手段を構成する気圧センサ、21a〜21f…気圧制御手段および背圧制御手段を構成する通気管、22a〜22d…気圧制御手段および背圧制御手段を構成する開閉バルブ、23…気圧制御手段および背圧制御手段を構成する圧力制御装置、24…導出口、25…大気連通口、28…液面、29…廃液、30…フィルタ室、31…フィルタ、32,34,35…気泡、36a〜36c…気圧制御手段および背圧制御手段を構成する通気管、37…気圧制御手段および背圧制御手段を構成する気圧センサ、38a,38b…気圧制御手段および背圧制御手段を構成する開閉バルブ、39…液状体容器、40…上面、41…吸引手段としてのチューブポンプ、42…導出口、50b,50c…気圧制御手段を構成する開閉バルブ、51a〜51c…気圧制御手段を構成する通気管、52…気圧制御手段を構成する気圧センサ、53…気圧制御手段を構成する廃液チャンバ、54…押圧板、55…バネ、56…アーム部、57…駆動部、59…背圧制御手段としての加圧装置、80…メンテナンス部、81…キャップユニット、83…ユニット基体、84…廃液チューブ、85,89…キャップガイド、86…バネ、87…キャップ部材、88…受体、90…廃液タンク、92…空間、101…本体部、102…ヘッド機構部、103…基板機構部、104…液状体供給部、110…ヘッド部、116…吐出ヘッド、117…ノズル、118…ノズル開口面、120…基板、130a〜130c…液状体容器、131a〜131c…供給チューブ、140…キャビティ、141…隔壁、142…振動子、143…振動板、144…ノズルプレート、145…リザーバ、146…供給口、147…孔、150…液滴。

Claims (4)

  1. 液滴吐出装置のノズルが形成された吐出ヘッドと液状体容器とを連通する液状体流路における気泡の排出方法であって、
    ノズル開口面に臨んだ雰囲気の気圧と前記液状体流路における背圧とが、前記ノズルの開口部に形成されるメニスカスが非流動状態を維持できる圧力差を保つと共に、
    前記気圧を大気圧よりも高圧の状態にする高圧静的気泡制御ステップと、
    前記気圧と前記背圧との間に圧力差を発生させて、前記ノズルから前記液状体流路内の液状体を排出する動的気泡制御ステップと、を含むことを特徴とする気泡の排出方法。
  2. 前記高圧静的気泡制御ステップの後に、前記動的気泡制御ステップで前記ノズルから前記液状体流路内の前記液状体を排出する第1排出ステップと、
    前記気圧と前記背圧とが前記ノズルの開口部に形成されるメニスカスが非流動状態を維持できる圧力差を保つと共に、
    前記気圧を大気圧よりも低圧の状態にする低圧静的気泡制御ステップの後に、前記動的気泡制御ステップで、前記ノズルから前記液状体流路内の前記液状体を排出する第2排出ステップと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の気泡の排出方法。
  3. 複数回の前記第1排出ステップと、複数回の前記第2排出ステップとを、組み合わせて実行することを特徴とする請求項2に記載の気泡の排出方法。
  4. 吐出ヘッドに形成された液状体流路の一端側が液状体容器に連通し、前記液状体流路の他端がノズルとなっていて、前記液状体容器から液状体の供給を受けて、前記ノズルから液滴を吐出する液滴噴射装置における液滴吐出方法であって、
    ノズル開口面に臨んだ雰囲気の気圧と前記液状体流路における背圧とが、前記ノズルの開口部に形成されるメニスカスが非流動状態を維持できる圧力差を保つと共に、
    前記気圧を大気圧よりも高圧の状態にする高圧静的気泡制御ステップと、
    前記高圧静的気泡制御ステップの後に、前記ノズルから前記液滴を吐出する吐出ステップと、を含むことを特徴とする液滴吐出方法。
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