JP2016058282A - 非水電解質電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い安全性を示すことができ、入出力特性の低下を抑えることができる非水電解質電池を提供すること【解決手段】1つの実施形態によると、非水電解質電池10が提供される。この非水電解質電池10は、負極20と、正極30と、非水電解質とを具備する。負極20は、負極層22を具備する。負極層22は、Li吸蔵電位が0.4V vs. Li/Li+以上である金属化合物を含む。負極層22は、その表面に絶縁層40が一体化されている。絶縁層40を含む負極層22の水銀圧入法により得られる細孔直径分布に、最も細孔容積が大きな第1のピークと、二番目に細孔容積が大きな第2のピークとが現れる。第2のピークのピーク細孔直径A(μm)は、0.3≦A≦100の範囲内にある。【選択図】 図1

Description

本発明の実施形態は、非水電解質電池に関する。
リチウム二次電池などの非水電解質電池は、釘刺し試験に代表されるような内部短絡試験で評価される安全性が優れていることがいっそう求められている。そこで、電極上に密な絶縁層を形成することで、釘刺し時の短絡面積を小さくし、急激な発熱を抑えるという方法がとられてきた。
また、このような絶縁層は、リチウムデンドライドの成長を抑制する機能を持たせるために、絶縁層の細孔が小さくなるように、すなわち密な構造を持つように形成されてきた。
しかしながら、このようにして形成される密な絶縁層は、電極間のリチウムイオンの拡散の妨げとなり、入出力の低下を引き起こすという問題があった。
特開2011−243345号公報 特開2008−226566号公報 特開2010−225809号公報 特開2005−183179号公報
解決しようとする課題は、高い安全性を示すことができ、入出力特性の低下を抑えることができる非水電解質電池を提供することにある。
実施形態によると、非水電解質電池が提供される。この非水電解質電池は、負極と、正極と、非水電解質とを具備する。負極は、負極層を具備する。負極層は、Li吸蔵電位が0.4V vs. Li/Li+以上である金属化合物を含む。負極層は、その表面に絶縁層が一体化されている。絶縁層を含む負極層の水銀圧入法により得られる細孔直径分布に、最も細孔容積が大きな第1のピークと、二番目に細孔容積が大きな第2のピークとが現れる。第2のピークのピーク細孔直径A(μm)は、0.3≦A≦100の範囲内にある。
図1は、実施形態に係る一例の非水電解質が具備する負極層及び絶縁層の水銀圧入法により得られる細孔直径分布を概略的に示した図である。 図2は、実施形態に係る一例の非水電解質電池の一部切欠き斜視図である。 図3は、図2に示す非水電解質電池が具備する負極及び正極の概略部分断面図である。 図4は、図2に示す非水電解質電池が具備する負極の概略部分断面図である。
以下に、実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、実施の形態を通して共通の構成には同一の符号を付すものとし、重複する説明は省略する。また、各図は実施の形態の説明とその理解を促すための模式図であり、その形状や寸法、比などは実際の装置と異なる個所があるが、これらは以下の説明と公知の技術とを参酌して、適宜設計変更することができる。
(実施形態)
実施形態によると、非水電解質電池が提供される。この非水電解質電池は、負極と、正極と、非水電解質とを具備する。負極は、負極層を具備する。負極層は、Li吸蔵電位が0.4V vs. Li/Li+以上である金属化合物を含む。負極層は、その表面に絶縁層が一体化されている。絶縁層を含む負極層の水銀圧入法により得られる細孔直径分布に、最も細孔容積が大きな第1のピークと、二番目に細孔容積が大きな第2のピークとが現れる。第2のピークのピーク細孔直径A(μm)は、0.3≦A≦100の範囲内にある。
実施形態に係る非水電解質電池では、絶縁層が負極層の表面に一体化されている。一体化されている絶縁層とは、負極層から剥がすことが困難であり、剥がすことができたとしても絶縁層が破壊され、絶縁層の一部が負極層の表面上に残るものである。すなわち、負極層の表面に一体化されている絶縁層は、自立膜ではない。
このように負極層の表面に一体化された絶縁層は、釘刺しなどを受けても、負極の変形に対して追随して変形することができる。そのおかげで、釘刺しによる短絡面積を小さくすることができ、短絡を原因とする化学反応による急激な発熱を抑えることができる。
また、絶縁層と正極との間にセパレータが存在している場合、セパレータが熱収縮を起こしても、負極と正極とが直接接触しないため、内部短絡の可能性が低減でき、安全性を向上させることができる。
負極層は、Li吸蔵電位が0.4V vs. Li/Li+以上である金属化合物を含む。このような金属化合物は、Liの還元電位に比べて十分に高い電位で作動することができるため、充放電を繰り返してもLiデンドライドが析出しない。そのおかげで、このような金属化合物を含む負極層の表面に一体化する絶縁層は、密にしなくても、高い安全性を発揮することができる。容量の観点から、金属化合物のLi吸蔵電位は、2.0V vs. Li/Li+以下であることが好ましい。
実施形態に係る非水電解質電池の絶縁層を含む負極層の細孔直径分布には、最も細孔容積が大きな第1のピークと、二番目に細孔容積が大きな第2のピークとが現れる。また、第2のピークのピーク細孔直径A(μm)は、0.3≦A≦100の範囲内にある。
この細孔直径分布は、絶縁層を含む負極層に対して水銀圧入法を行うことにより測定する。この測定により、負極層及び絶縁層に由来する細孔の大きさ及びその容積を測定できる。細孔直径分布は、この測定結果を、縦軸に細孔容積(mL/g)をとり、横軸に細孔直径(μm)をとってプロットしたものである。この細孔直径分布において、最も細孔容積が大きいピークを第1のピークとし、二番目に細孔容積が大きなピークを第2ピークとする。これらのピークのうち、第2のピークは、絶縁層に由来する細孔の影響を大きく受ける。一方、第1のピークは、負極層に由来する細孔の影響を大きく受ける。
検討を重ねた結果、Li吸蔵電位が0.4V vs. Li/Li+以上である金属化合物を含み、表面に絶縁層が一体化された負極層の水銀圧入法により得られる細孔直径分布における上記第2のピークの細孔直径A(μm)が0.3≦A≦100の範囲内にある場合、入出力特性と安全性とを両立できることが分かった。
一方、第2のピークのピーク細孔直径Aが0.3μmよりも小さいと、絶縁層を通してのリチウムの拡散が困難になり、非水電解質電池の入出力特性が低下する。また、第2のピークのピーク細孔直径Aが100よりも大きいと、絶縁層に大きな貫通孔ができやすく、内部短絡の防止の効果が薄れてしまう。
第2のピークの細孔直径A(μm)は、0.3≦A≦50の範囲内にあることが好ましい。
次に、実施形態に係る非水電解質が具備する負極層及び絶縁層の水銀圧入法により得られる細孔直径分布の例を説明する。
図1は、実施形態に係る一例の非水電解質が具備する負極層及び絶縁層の水銀圧入法により得られる細孔直径分布を概略的に示した図である。
図1に概略的に示す細孔直径分布を示す負極は、以下の手順で作製した。
まず、スピネル型構造を有するチタン酸リチウムLi4Ti512の粉末を準備した。このチタン酸リチウムの平均粒径は0.5μmであった。このチタン酸リチウム粉末を、導電剤としてのグラファイトと、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)と共に、溶媒であるN−メチルピロリドン(NMP)に投入した。この際、チタン酸リチウム粉末:グラファイト:PVdFの重量比を100:5:5とした。混合物を十分に撹拌することにより、負極作製用スラリーを調製した。
次に、この負極作製用スラリーを、アルミニウム箔の両面に塗布した。塗布の際の目付量を、片面50g/m2とした。
続いて、塗膜を乾燥させ、50kNでプレスした。かくして、アルミニウム箔である負極集電体と、その上に形成された負極層とを具備する負極が得られた。
続いて、この負極の負極層の表面上に、エレクトロスピニング法により、有機繊維からなる絶縁層を形成し、負極層の表面に一体化させた。形成条件は以下のとおりである。
有機繊維の材料には、絶縁性、耐熱性、耐溶剤性に優れるポリアミドイミド(PAI)を用いた。溶媒にはジメチルアセトアミド(DMAc)を用いた。この溶媒に、ポリアミドイミドを15重量%溶解させて、原料溶液を調製した。この原料溶液を、5μL/minの供給速度で、紡糸ノズルから負極表面に供給した。この際、高電圧発生器を用いて紡糸ノズルに40kVの電圧を印加した。また、供給は、この紡糸ノズルを一本用いて行い、この紡糸ノズルを100mm幅で動かしながら行った。更に、原料溶液の供給は、負極を、紡糸ノズルの動作方向に対して垂直な方向に50mm/minで搬送しながら行った。かくして、有機繊維からなる絶縁層を負極上に連続的に形成した。絶縁層を形成後、100mm幅の負極を0.01kNの加重でプレス加工した。かくして、負極を作製した。
図1に示す細孔直径分布には、0.1μm付近の細孔直径の位置に最も細孔容積の大きなピークが現れた。これが、第1ピークである。また、10μm付近の細孔直径の位置に二番目に細孔容積が大きなピークが現れた。これが、第2ピークである。
次に、実施形態に係る非水電解質電池を、より詳細に説明する。
実施形態に係る非水電解質電池は、負極と、正極と、非水電解質とを具備する。非水電解質電池において、負極は、正極から離間している。
負極は、負極層を具備する。負極は、この負極層を担持する負極集電体を更に具備することができる。負極層は、負極集電体の片面に形成されていても良いし、又は両面に形成されていても良い。負極集電体は、表面に負極層が形成されていない部分を含むことができ、この部分は負極集電タブとして働くことができる。
正極は、正極層を具備することができる。正極は、この正極層を担持する正極集電体を更に具備することができる。正極層は、正極集電体の片面に形成されていても良いし、又は両面に形成されていても良い。正極集電体は、表面に正極層が形成されていない部分を含むことができ、この部分は正極集電タブとして働くことができる。
負極層の表面には、絶縁層が一体化されている。
絶縁層は、多孔質膜の構造を採ることもできるし、又は不織布の構造を採ることもできる。絶縁層は、Liイオンが直線的に移動できる不織布構造を有することが、より好ましい。
絶縁層は、正極、特に正極層に接することができる。負極層の表面に一体化され且つ正極層に接した絶縁層は、負極と正極とを離間することができる。そのため、第1の実施形態に係る非水電解質電池は、セパレータを省略することもできる。しかしながら、第1の実施形態に係る非水電解質電池は、セパレータを更に具備することもできる。
負極、絶縁層及び正極は、電極群を構成することができる。電極群においては、負極の一部と正極の一部とが少なくとも対向していればよい。そのため、電極群は、積層型でもよいし、捲回型でもよい。積層型の電極群では、複数の正極及び複数の負極が、間を離間させながら交互に積層されている。捲回型の電極群は、正極及び負極を間を離間させた状態で積層し、かくして得られた積層体を渦巻状に捲回した構造である。
非水電解質は、電極群に含浸されて保持され得る。
実施形態に係る非水電解質電池は、上記電極群及び非水電解液を収容するための外装部材を更に具備することができる。外装部材の形状は、角型、円筒型、薄型、コイン型など、用途に応じて様々なものを採用することができる。
また、実施形態に係る非水電解質電池は、上記電極群に電気的に接続されたリードを更に具備することができる。例えば、実施形態に係る非水電解質電池は、2つのリードを具備することもできる。一方のリードは、正極集電タブに電気的に接続することができる。他方のリードは、負極集電タブに電気的に接続することができる。
実施形態に係る非水電解質電池は、上記リードに電気的に接続され、上記外装部材から引き出された端子を更に具備することもできる。例えば、実施形態に係る非水電解質電池は、2つの端子を具備することができる。一方の端子は、正極集電タブに電気的に接続されたリードに接続することができる。他方の端子は、負極集電タブに電気的に接続されたリードに接続することができる。
或いは、一方の端子は正極集電タブに直接接続することもでき、他方の端子は負極集電タブに直接接続することもできる。すなわち、実施形態に係る非水電解質電池は、リードを省略することもできる。
次に、実施形態に係る非水電解質電池が具備することができる各構成部材について、より詳細に説明する。
(1)負極
負極層は、Li吸蔵電位が0.4V vs. Li/Li+以上である金属化合物を含む。このような金属化合物は、負極活物質として働くことができる。このような金属化合物としては、例えば、チタン系酸化物、リチウムチタン酸化物、例えばWO3などのタングステン酸化物、例えばSnB0.40.63.1などのアモルファススズ酸化物、例えばSnSiO3などのスズ珪素酸化物、例えばSiOなどの酸化珪素などが挙げられる。
中でも、チタン酸リチウムが好ましい。チタン酸リチウムは、放電時に高抵抗化する性質があり、微小短絡が発生しても大きな電流が流れにくい。そのため、仮に正極と負極とが短絡しても、チタン酸リチウムは瞬時に放電状態になることができ、それにより絶縁材料として働くことができる。絶縁材料として働くチタン酸リチウムは、更なる短絡電流が流れるのを防ぐことができる。
チタン酸リチウムの例としては、スピネル構造を有するチタン酸リチウムLi4+xTi312(0≦x≦3)が挙げられる。
負極活物質の一次粒子の平均粒子径は、0.001〜1μmの範囲内であることが好ましい。
負極層は、必要に応じて、導電剤及び結着剤を更に含むことができる。
導電剤は、集電性能を高め、且つ負極活物質と負極集電体との接触抵抗を抑えるために必要に応じて配合される。導電剤としては、例えば、アセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイト、黒鉛などを挙げることができる。
結着剤は、負極活物質と負極集電体とを結着させることができる。結着剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)などを挙げることができる。
負極層は、例えば、負極活物質、導電剤及び結着剤を含むスラリーを上記負極集電体上に塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。
負極集電体としては、例えば、アルミニウム、銅などの金属箔を使用することができる。
(2)絶縁層
負極層の表面に一体化されている絶縁層は、例えば、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリオレフィン、セルロース、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、及びアラミドからなる群より選択される1種以上の材料を含むことができる。
(3)正極
正極層は、負極層に含まれるチタン酸リチウムとの組み合わせにより充放電が可能な正極活物質を含むことができる。また、正極層は、正極活物質に加えて必要に応じて、導電剤及び結着剤を更に含むこともできる。
正極活物質としては、例えば、リチウム遷移金属複合酸化物を用いることができる。リチウム遷移金属複合酸化物の例としては、例えば、LiCoO2、LiNi1-xCox2(0<x<0.5)、LiMnxNiyCoz2(0<x<0.5、0<y<0.5、0<z<0.5)、LiMn2-xx4(MはLi、Mg、Co、Al及び/又はNiであり、0<x<0.2)、LiMPO4(MはFe、Co及び/又はNiである)などを挙げることができる。
導電剤は、集電性能を高め、且つ正極活物質と正極集電体との接触抵抗を抑えるために必要に応じて配合される。導電剤としては、例えばアセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイト、黒鉛などを挙げることができる。
結着剤は、正極活物質と導電剤とを結着させることができる。結着剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)などを挙げることができる。
正極層は、例えば、正極活物質、導電剤及び結着剤を含むスラリーを上記正極集電体上に塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。
正極集電体としては、例えば、アルミニウム、銅などの金属箔を使用することができる。
(4)非水電解質
非水電解質は、非水溶媒と、この非水溶媒中に溶解された電解質塩とを含むことができる。或いは、非水電解質は、非水溶媒中に溶解されたポリマーを含んでもよい.
非水溶媒は、特に限定されるものではないが、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、1,2−ジメトキシエタン(DME)、γ−ブチロラクトン(GBL)、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン(2−MeHF)、1,3−ジオキソラン、スルホラン、アセトニトリル(AN)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネイト(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)等が挙げられる。これらの溶媒は一種類で使用してもよいし2種類以上を混合して用いてもよい.
電解質塩としては、LiPF6、LiBF4、Li(CF3SO22N(ビストリフルオロメタンスルホニルアミドリチウム;通称LiTFSI)、LiCF3SO3(通称LiTFS)、Li(C25SO22N(ビスペンタフルオロエタンスルホニルアミドリチウム;通称LiBETI)、LiClO4、LiAsF6、LiSbF6、ビスオキサラトホウ酸リチウム(LiB(C242(通称LiBOB))、ジフルオロ(トリフルオロ−2−オキシド−2−トリフルオロ−メチルプロピオナト(2−)−0,0)ホウ酸リチウム(LiBF2(OCOOC(CF32)(通称LiBF2(HHIB)))などのリチウム塩が挙げられる。これらの電解質塩は1種類で使用してもよいし、又は2種類以上を混合して用いてもよい。特に、LiPF6又はLiBF4を用いることが好ましい.
電解質塩濃度は, 1M以上3M以下の範囲内とすることが好ましい。これにより、高負荷電流を流した場合の性能を向上することができる。
また、非水電解質は、添加剤を更に含むことができる。添加剤としては、特に限定されるものではないが、ビニレンカーボネイト(VC)、ビニレンアセテート(VA)、ビニレンブチレート、ビニレンヘキサネート、ビニレンクロトネート、カテコールカーボネート、プロパンスルトンなどが挙げられる。添加剤の濃度は、非水電解質100重量%に対して0.1重量%以上3重量%以下の範囲内にあることが好ましい。更に好ましい範囲は、0.5重量%以上1重量%以下である。
(5)外装部材
外装部材としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、ステンレスなどから形成された金属缶を使用することができる。容器の板厚は0.5mm以下が好ましく、さらに好ましい範囲は0.2mm以下である。
外装部材が金属缶である場合、外装部材が一方の端子として働くこともできる。
或いは、外装部材としては、金属缶の代わりに、ラミネートフィルムから形成された外装容器を使用することも可能である。ラミネートフィルムには、金属箔とこれを被覆する樹脂フィルムとで構成された多層フィルムを使用することが好ましい。樹脂としてポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの高分子を用いることができる。ラミネートフィルムの厚さは0.2mm以下にすることが望ましい。
なお、外装部材の形状は、角型、円筒型、薄型、コイン型など、用途に応じて様々なものを採用することができる。
(6)リード
リードの材料は、特に限定されないが、例えば、正極集電体及び負極集電体と同じ材料を用いることができる。集電体と同じ材料からなるリードを用いることにより、集電体との接触抵抗を抑えることができる。
(7)端子
端子の材料は、特に限定されないが、例えば、正極集電体及び負極集電体と同じ材料を用いることができる。
次に、図面を参照しながら、実施形態に係る非水電解質電池の例を詳細に説明する。
図2は、実施形態に係る一例の非水電解質電池の一部切欠き斜視図である。図3は、図2に示す非水電解質電池が具備する負極及び正極の概略部分断面図である。図4は、図2に示す非水電解質電池が具備する負極の概略部分断面図である。
図2〜図4に示す非水電解質電池10は、電極群1と、電極群1を収容する外装部材2と、電極群1に電気的に接続された正極端子3及び負極端子4とを具備する。非水電解質電池10は、図示しない非水電解質を更に具備している。非水電解質は、外装部材2内に収容されており、電極群1に含浸されている。
電極群1は、図3に示すように、負極20及び正極30を含む。電極群1は、複数の負極20と複数の正極30とが交互に積層された積層型の構造を有する。
負極20は、図3及び図4に示すように、負極集電体21と、その両面に形成された負極層22とを含んでいる。図示していないが、負極集電体21は、負極層22を担持していない部分を含んでいる。この部分は、外装部材2内で、負極端子4の一方の端部に電気的に接続されている。
正極30は、図3に示すように、正極集電体31と、その両面に形成された正極層32とを含んでいる。図示していないが、正極集電体31は、正極層32を担持していない部分を含んでいる。この部分は、外装部材2内で、正極端子3の一方の端部に電気的に接続されている。
図3及び図4に示すように、負極層22の表面には、絶縁材料の繊維を含む絶縁層40が形成されている。図4に示すように、絶縁層40は、負極層22の表面に一体化されている。一方、絶縁層40は、正極層32の表面にも接している。
図2に示すように、外装部材2の一端面からは、正極30に接続されていない方の正極端子3の端部と、負極40に接続されていない方の負極4の端部とが、外部に延伸している。
次に、非水電解質電池に組み込まれている負極層の細孔直径分布の測定方法について、説明する。
まず、Ar雰囲気または露点−60℃以下のドライ雰囲気下で非水電解質電池を解体し、電極群を取り出す。非水電解質電池の状態は、特に限定されないが、安全性を考慮すると放電状態であることが好ましい。
次に、取り出した電極群から正極と、表面に絶縁層が一体化された状態の負極とに解体する。続いて、表面に絶縁層が一体化された状態の負極から、20〜30cm2角の試料を切り出す。切り出した試料を100ccのメチルエチルカーボネート溶液に浸し、5分放置する。
放置後、試料を取り出し、1日乾燥させる。乾燥させた試料について、細孔分布測定を行う。細孔分布測定装置には、例えば島津オートポア9520形を用いることができる。測定に際しては、1枚の先の試料を約25mm巾のサイズに裁断し、これを折り畳み、標準セルに採り、測定室に挿入する。測定は、初期圧20kPa(約3psia、細孔直径約60μm相当)及び終止圧414000kPa(約60000psia、細孔直径約0.003μm相当)の条件で行う。
なお、例えば以下の方法により、絶縁層に由来する細孔が細孔直径分布に及ぼす影響を確認することができる。まず、負極から試料を複数個切り出す。幾つかの試料については、先に説明したように、表面に絶縁層が一体化された状態の負極試料として、水銀圧入法により細孔直径分布を測定する。一方、他の幾つかの試料については、乾燥後、負極層が脱落しないようにテープ等を用いて絶縁層の一部を剥離するか、刃物などを用いて絶縁層の一部を削り取ることにより、測定試料を作製し、この試料に対して水銀圧入法による細孔直径分布を測定する。絶縁層に対する処理を行っていない細孔直径分布と、絶縁層に対する処理を行った細孔直径分布とを比較することにより、細孔直径分布において絶縁層の細孔が大きく影響を与えるピークを確認することができる。
以上に説明した実施形態に係る非水電解質電池は、負極層がLi吸蔵電位が0.4V vs. Li/Li+以上である金属化合物を含み、負極層の表面に絶縁層が一体化されている。また、絶縁層を含む負極層の細孔直径分布において、二番目に細孔容積が大きな第2のピークの細孔直径が0.3≦A≦100の範囲内にある。そのおかげで、実施形態に係る非水電解質電池は、高い安全性を示すことができ、入出力特性の低下を抑えることができる。
[実施例]
以下に例を挙げ、本発明をさらに詳しく説明するが、発明の主旨を超えない限り本発明は以下に掲載される実施例に限定されるものでない。
(実施例1)
実施例1では、以下の手順により、簡易セルを作製した。
[負極の作製]
スピネル型構造を有するチタン酸リチウムLi4Ti512の粉末を準備した。このチタン酸リチウムの平均粒径は、0.5μmであった。また、このチタン酸リチウムのLi吸蔵電位は、1.55V(vs.Li/Li+)であった。このチタン酸リチウム粉末を、導電剤としてのグラファイトと、結着剤としてのPVdFと共に、溶媒であるNMPに投入した。この際、チタン酸リチウム粉末:グラファイト:PVdFの重量比を100:5:5とした。混合物を十分に撹拌することにより、負極作製用スラリーを調製した。
次に、この負極作製用スラリーを、アルミニウム箔の両面に塗布した。塗布の際の目付量を、片面50g/m2とした。塗布の際、アルミニウム箔の一部に、スラリーを塗布しない部分を残した。
続いて、塗膜を乾燥させ、50kNでプレスした。かくして、アルミニウム箔である負極集電体と、その上に形成された負極層とを具備する負極が得られた。
続いて、この負極の負極層の表面上に、エレクトロスピニング法により、有機繊維からなる絶縁層を形成し、負極層の表面に一体化させた。形成条件は以下のとおりである。
有機繊維の材料には、絶縁性、耐熱性、耐溶剤性に優れるポリアミドイミド(PAI)を用いた。溶媒にはジメチルアセトアミド(DMAc)を用いた。この溶媒に、ポリアミドイミドを15重量%溶解させて、原料溶液を調製した。この原料溶液を、5μL/minの供給速度で、紡糸ノズルから負極表面に供給した。この際、高電圧発生器を用いて紡糸ノズルに40kVの電圧を印加した。また、供給は、この紡糸ノズルを一本用いて行い、この紡糸ノズルを100mm幅で動かしながら行った。更に、原料溶液の供給は、負極を、紡糸ノズルの動作方向と垂直な方向に50mm/minで搬送しながら行った。かくして、有機繊維からなる絶縁層を負極上に連続的に形成した。
絶縁層を形成後、100mm幅の負極を1kNの加重でプレス加工した。かくして、負極を作製した。
接触式の膜厚計(MITSUTOYO製厚み計)を用いて、作製した負極の厚みを測定した。同様に測定した、絶縁層形成前の負極の厚みとの差分から絶縁層の厚みを計算すると、その厚みは5μmであった。
[正極の作製]
正極活物質として、リチウム含有ニッケルマンガンコバルト複合酸化物LiMn0.3Ni0.3Co0.32の粉末を準備した。このリチウム含有ニッケルマンガンコバルト複合酸化物を、導電剤としてのグラファイトと、結着剤としてのPVdFと共に、溶媒であるNMPに投入した。この際、リチウム含有ニッケルマンガンコバルト複合酸化物:グラファイト:PVdFの重量比を100:5:5とした。混合物を十分に撹拌することにより、正極作製用スラリーを調製した。
次に、この正極作製用スラリーを、アルミニウム箔の両面に塗布した。塗布の際の目付量を、片面50g/m2とした。塗布の際、アルミニウム箔の一部に、スラリーを塗布しない部分を残した。
続いて、塗膜を乾燥させ、50kNでプレスした。かくして、アルミニウム箔である負極集電体と、その上に形成された負極層とを具備する正極が得られた。
[電極群の作製]
先のようにして作製した正極及び負極を、それぞれ所定のサイズに打ち抜いた。負極を打ち抜く際、負極集電体であるアルミニウム箔上に負極層が形成されていない部分を含ませた。正極を打ち抜く際も同様に、正極集電体であるアルミニウム箔上に正極層が形成されていない部分を含ませた。
このようにして打ち抜いた負極及び正極を、負極の表面上に一体化された絶縁層と正極層とが接するように重ね合わせて、電極構造体を得た。
続いて、負極集電体のうち負極層が形成されていない部分に対して、厚さ0.2mmのアルミニウム板を超音波溶接し、このアルミニウム板を負極集電取り出し部とした。同様に、正極集電体のうち正極層が形成されていない部分に対して、厚さ0.2mmのアルミニウム板を超音波溶接し、アルミニウム板を正極集電取り出し部とした。
以上のようにして、電極群を作製した。
[非水電解質の調製]
まず、ジエチルカーボネート(DEC)とエチレンカーボネート(EC)とを1:1の混合比で混ぜて、混合溶媒を調製した。この混合溶液に、電解質としてLiPF6を1mol/Lの濃度で溶解させた。かくして、非水電解質を調製した。
[簡易セルの作製]
作製した電極群を外装容器に収納し、2枚のアルミニウム板の一部が外装容器からはみ出すようにした。この状態で乾燥機に投入し、95℃で6時間真空乾燥を行った。
乾燥後、露点−50℃以下に管理されたグローブボックスに運んだ。この中で、外装容器内に、先に調製した非水電解質を注入した。次いで、非水電解質を入れた外装容器を、ゲージ圧−90kPaの減圧環境下において封止した。かくして、実施例1の簡易セルを作製した。
<評価>
[電池容量の確認及びセル抵抗の測定]
作製した実施例1の簡易セルを1Cで充電し、満充電状態にした。続いて、簡易セルを1Cでの放電に供し、電池容量を確認した。その後、簡易セルを充電容量の50%まで充電し、その状態でセル抵抗を測定した。その結果を以下の表1に示す。
[サイクル試験]
作製した実施例1の簡易セルを0℃に設定した充放電機に入れて、10Cでのサイクル試験を実施した。サイクルは、1.8V−2.8Vの電圧範囲で行った。実施例1の簡易セルに対して充放電サイクルを500サイクル行い、1サイクル目の放電容量に対する500サイクル目の放電容量の割合を放電容量維持率として求めた。その結果を以下の表1に示す。
[釘刺し試験]
作製した実施例1の簡易セルを1Cで充電し、満充電状態にした後、25℃環境下で釘刺し試験を実施した。釘刺し試験には、3mmφの釘を用い、釘に取り付けた熱電対にて試験中の温度を1秒ごとに計測した。1時間の釘刺し試験中の最大温度を以下の表1に示す。
[負極の細孔直径分布測定]
実施例1の簡易セルに組み込まれている負極に対して、先に説明した手順により、水銀圧入法による細孔直径分布の測定を行った。得られたデータから、細孔直径に対して細孔容積をプロットした。最も細孔容積の大きなピークが0.01μmに現れ、二番目に細孔容積が大きなピークが0.6μmに現れた。
また、先に説明したように、絶縁層の一部をはがし取った負極試料に対しても、同様に水銀圧入法による細孔径分布の測定を行った。その結果を、絶縁層に対して処理を行わなかった試料についての測定結果と比較したところ、絶縁層の一部をはがし取った負極試料についての細孔径分布では、同様の位置にピークが現れたが、細孔直径0.6μmに現れたピークは、絶縁層に対して処理を行わなかった試料よりも小さかった。この結果から、細孔直径0.6μmに現れたピークは、絶縁層の細孔の影響を大きく受けていたことが分かった。
[負極層の表面と絶縁層との一体化の確認]
実施例1の簡易セルに組み込まれていた負極の一部を切り出し、負極試料とした。この負極試料の負極層の表面から絶縁層を剥離しようとしたところ、絶縁層がばらばらになってしまった。これにより、実施例1の簡易セルに組み込まれていた負極において、負極層の表面に絶縁層が一体化されていたことが確認できた。
(実施例2)
実施例2では、絶縁層を形成した後に行った負極のプレス圧を0.5kNの加重でプレス加工したこと以外は実施例1と同様の手順で、負極層の表面上に絶縁層が一体化した負極を作製した。また、実施例2では、この負極を用いたこと以外は実施例1と同様の手順により、実施例2の簡易セルを作製した。
(実施例3)
実施例3では、絶縁層を形成した後に行った負極のプレス圧を0.1kNの加重でプレス加工したこと以外は実施例1と同様の手順で、負極層の表面上に絶縁層が一体化した負極を作製した。また、実施例3では、この負極を用いたこと以外は実施例1と同様の手順により、実施例3の簡易セルを作製した。
(実施例4)
実施例4では、絶縁層を形成した後に行った負極のプレス圧を0.01kNの加重でプレス加工したこと以外は実施例1と同様の手順で、負極層の表面上に絶縁層が一体化した負極を作製した。また、実施例4では、この負極を用いたこと以外は実施例1と同様の手順により、実施例4の簡易セルを作製した。
(実施例5)
実施例5では、絶縁層の形成時の負極搬送速度を150mm/minにしたことと、絶縁層を形成した後に行った負極のプレス圧を0.01kNの加重でプレス加工したこと以外は実施例1と同様の手順で、負極層の表面上に絶縁層が一体化した負極を作製した。また、実施例5では、この負極を用いたこと以外は実施例1と同様の手順により、実施例5の簡易セルを作製した。
(比較例1)
比較例1では、絶縁層を形成した後に行った負極のプレス圧を2kNの加重でプレス加工したこと以外は実施例1と同様の手順で、負極層の表面上に絶縁層が一体化した負極を作製した。また、比較例1では、この負極を用いたこと以外は実施例1と同様の手順により、比較例1の簡易セルを作製した
(比較例2)
比較例2では、絶縁層の形成時の負極搬送速度を250mm/minにしたことと、絶縁層を形成した後のプレス工程を行わなかったことを以外は実施例1と同様の手順で、負極層の表面上に絶縁層が一体化した負極を作製した。また、比較例2では、この負極を用いたこと以外は実施例1と同様の手順により、比較例2の簡易セルを作製した。
(比較例3)
比較例3では、スピネル型構造を有するチタン酸リチウムLi4Ti512の粉末の代わりにグラファイトを用いたこと以外は実施例1と同様の手順で、負極層の表面上に絶縁層が一体化した負極を作製した。ここで用いたグラファイトは、Li吸蔵電位が0.1V(vs.Li/Li+)であった。また、比較例3では、この負極を用いたこと以外は実施例1と同様の手順により、比較例3の簡易セルを作製した。
(比較例4)
比較例4では、スピネル型構造を有するチタン酸リチウムLi4Ti512の粉末の代わりに比較例3と同じグラファイトを用いたことと、絶縁層を形成した後に行った負極のプレス圧を2kNの加重でプレス加工したことと以外は実施例1と同様の手順で、負極層の表面上に絶縁層が一体化した負極を作製した。また、比較例4では、この負極を用いたこと以外は実施例1と同様の手順により、比較例4の簡易セルを作製した。
<評価>
実施例2〜5及び比較例1〜4のそれぞれの簡易セルに対しても、実施例1の簡易セルと同様に各評価を行った。それらの結果を、実施例1の結果と合わせて以下に示す。
Figure 2016058282
実施例1〜5の簡易セルは、表1に示したように、セル抵抗を抑えることができ、釘刺し試験時の最大温度を抑えることができ、優れたサイクル容量維持率を示すことができた。
比較例1の簡易セルは、セル抵抗が4.0mΩであり、実施例1〜5の簡易セルのそれよりも高かった。比較例1の簡易セルの絶縁層を含む負極層についての細孔直径分布における第2のピークの細孔直径は、0.2μmであった。そして、第2のピークは、絶縁層の細孔の影響を大きく受けていた。これらの事実から、比較例1では、絶縁層が密過ぎてしまい、絶縁層を通してのリチウムの拡散が困難になったため、セル抵抗が高くなったと推察される。
比較例2の簡易セルは、釘刺し試験時の最大温度が170℃であり、実施例1〜5の簡易セルのそれよりも著しく高かった。比較例2の簡易セルの絶縁層を含む負極層についての細孔直径分布における第2のピークの細孔直径は、150μmであった。そして、第2のピークは、絶縁層の細孔の影響を大きく受けていた。これらの事実から、比較例2では、絶縁層に大きな貫通孔があり、そのせいで短絡が起き、発熱が生じたと考えられる。
比較例3の簡易セルは、サイクル容量維持率が実施例1〜5の簡易セルに対して劣っていた。比較例3の簡易セルは、Li吸蔵電位が低いグラファイトを負極活物質として使用した。そのため、比較例3の簡易セルでは、充放電を繰り返すことでリチウムデンドライドが析出し、正極と負極との間の短絡が発生したと考えられる。これが、比較例3の簡易セルのサイクル容量維持率が低かった理由であると推測される。
比較例4の簡易セルは、サイクル容量維持率が実施例1〜5の簡易セルに対して著しく劣っていた。これは、比較例4の簡易セルは、絶縁層が比較例3の簡易セルのそれよりも大きな貫通孔を有しており、そのために充放電を繰り返すことで成長するリチウムデンドライドを介する短絡電流が比較例3の簡易セル3よりも大きかったことが原因であると考えられる。
以上に説明した少なくとも一つの実施形態及び実施例に係る非水電解質電池は、負極層がLi吸蔵電位が0.4V vs. Li/Li+以上である金属化合物を含み、負極層の表面に絶縁層が一体化されている。また、絶縁層を含む負極層の細孔直径分布において、二番目に細孔容積が大きな第2のピークの細孔直径が0.3≦A≦100の範囲内にある。そのおかげで、実施形態に係る非水電解質電池は、高い安全性を示すことができ、入出力特性の低下を抑えることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…電極群、2…外装部材、3…正極端子、4…負極端子、10…非水電解質電池、20…負極、21…負極集電体、22…負極層、30…正極、31…正極集電体、32…正極層、40…絶縁層。

Claims (5)

  1. Li吸蔵電位が0.4V vs. Li/Li+以上である金属化合物を含む負極層を具備し、前記負極層の表面に絶縁層が一体化されており、前記絶縁層を含む前記負極層の水銀圧入法により得られる細孔直径分布に、最も細孔容積が大きな第1のピークと、二番目に細孔容積が大きな第2のピークとが現れ、前記第2のピークのピーク細孔直径A(μm)が0.3≦A≦100の範囲内にある負極と、
    正極と、
    非水電解質と
    を具備することを特徴とする非水電解質電池。
  2. 前記絶縁層が繊維を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質電池。
  3. 前記絶縁層が前記正極と接していることを特徴とする請求項2に記載の非水電解質電池。
  4. 前記繊維は、平均繊維径が1μm以下であることを特徴とする請求項2に記載の非水電解質電池。
  5. 前記金属化合物はチタン酸リチウムであることを特徴とする請求項2に記載の非水電解質電池。
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