JP2016048361A - 偏光板及び液晶パネル - Google Patents

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Abstract

【課題】特定のメタクリル系樹脂で構成される保護層を含む偏光板であって、ポリビニルアルコール系偏光子と当該保護層との密着性が改善された偏光板、及びこれを用いた液晶パネルを提供する。【解決手段】ポリビニルアルコール系偏光子と、その一方の面上に第1接着剤層を介して積層される第1保護層とを含み、第1接着剤層は無溶剤型の活性エネルギー線硬化性接着剤の硬化物層であり、第1保護層は一般式(I)で示される第1構成単位50〜95重量%と、一般式(II)で示される第2構成単位0.1〜20重量%と、一般式(III)で示される第3構成単位0.1〜49.9重量%とを有するメタクリル系樹脂を含有する層である偏光板、及びこれを用いた液晶パネルである。【選択図】図1

Description

本発明は、ポリビニルアルコール系偏光子の少なくとも一方の面に保護層が貼合された偏光板、及びこれを用いた液晶パネルに関する。
偏光板は、液晶表示装置等の画像表示装置における偏光の供給素子として、また偏光の検出素子として広く用いられている。偏光板としては、偏光子の片面又は両面に、接着剤を用いて保護フィルムを貼合した構成のものが一般的である。
特許文献1には、特定のメタクリル系樹脂(特許文献1では「アクリル系熱可塑性樹脂」と呼称)からなるフィルムが、耐熱性、耐湿性、耐傷性、機械的強度、偏光子との密着性及び光学等方性に優れており、偏光子用の保護フィルムとして有用であることが記載されている。
特開2013−033237号公報
特許文献1に記載の保護フィルムは、耐熱性、耐湿性、耐傷性、機械的強度及び光学等方性に優れるものであるが、偏光子との密着性に関しては十分であるとはいえず、例えば偏光板を所定のサイズに裁断したとき、その端部において保護フィルムが偏光子から剥離する不具合を生じることがあった。一旦剥離が生じた偏光板は、剥離した部位からのさらなる剥離が進行し易く、そして剥離した部位から偏光子に含まれる二色性色素が抜け出ることがあった。
そこで本発明は、特許文献1に記載されるような特定のメタクリル系樹脂で構成される保護層を含む偏光板であって、ポリビニルアルコール系偏光子と当該保護層との密着性が改善された偏光板、及びこれを用いた液晶パネルの提供を目的とする。
本発明は、以下の偏光板及び液晶パネルを提供する。
[1]ポリビニルアルコール系偏光子と、その一方の面上に第1接着剤層を介して積層される第1保護層とを含み、
前記第1接着剤層は、無溶剤型の活性エネルギー線硬化性接着剤の硬化物層であり、
前記第1保護層は、下記一般式(I):
Figure 2016048361
〔一般式(I)中、R1は水素原子、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜12のアルキル基、炭素数4〜12のシクロアルキルアルキル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数7〜14のアリールアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、又は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、炭素数1〜12のアルコキシ基及び炭素数1〜12のアルキル基からなる群より選択される少なくとも1種の置換基を有する炭素数6〜14のアリール基を表す。〕
で示される第1構成単位50〜95重量%と、下記一般式(II):
Figure 2016048361
〔一般式(II)中、R2は炭素数7〜14のアリールアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、又は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のアルキル基及び炭素数7〜14のアリールアルキル基からなる群より選択される少なくとも1種の置換基を有する炭素数6〜14のアリール基を表す。R3及びR4はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜14のアリール基を表す。〕
で示される第2構成単位0.1〜20重量%と、下記一般式(III):
Figure 2016048361
〔一般式(III)中、R5は水素原子、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数4〜12のシクロアルキルアルキル基、又は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基及び炭素数1〜12のアルコキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の置換基を有する炭素数1〜12のアルキル基を表す。R6及びR7はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜14のアリール基を表す。〕
で示される第3構成単位0.1〜49.9重量%とを有するメタクリル系樹脂を含有する層である、偏光板。
[2]前記活性エネルギー線硬化性接着剤は、活性エネルギー線硬化性エポキシ化合物を含む、[1]に記載の偏光板。
[3]前記活性エネルギー線硬化性エポキシ化合物は、脂環式環に結合するエポキシ基を分子内に1個以上有する化合物を含む、[2]に記載の偏光板。
[4]前記活性エネルギー線硬化性接着剤は、カチオン重合開始剤をさらに含む、[1]〜[3]のいずれかに記載の偏光板。
[5]前記活性エネルギー線硬化性接着剤は、(メタ)アクリル系化合物を含む、[1]に記載の偏光板。
[6]前記活性エネルギー線硬化性接着剤は、分子内に少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基とアミド結合とを有する(メタ)アクリルアミドモノマーを含む、[1]に記載の偏光板。
[7]前記第1保護層は少なくとも一方向に延伸されたフィルムであり、その延伸倍率が1.2倍以上である、[1]〜[6]のいずれかに記載の偏光板。
[8]前記ポリビニルアルコール系偏光子の一方の面上に前記第1接着剤層を介して積層される前記第1保護層と、
前記ポリビニルアルコール系偏光子の他方の面上に第2接着剤層を介して積層され、前記メタクリル系樹脂とは異なる熱可塑性樹脂を含有する第2保護層と、
を含む、[1]〜[7]のいずれかに記載の偏光板。
[9]粘着剤層をさらに含む、[1]〜[8]のいずれかに記載の偏光板。
[10]前記第1保護層の外面上に前記粘着剤層が配置される、[9]に記載の偏光板。
[11]前記第2保護層の外面上に前記粘着剤層が配置される、[9]に記載の偏光板。
[12]液晶セルと、その少なくとも一方の面上に配置される[1]〜[11]のいずれかに記載の偏光板とを含む、液晶パネル。
[13]前記液晶セルは、IPSモードの液晶セルである、[12]に記載の液晶パネル。
本発明によれば、上記特定のメタクリル系樹脂を含有する保護層が示す耐熱性、耐湿性、耐傷性、機械的強度及び光学等方性を維持しながら、ポリビニルアルコール系偏光子と当該保護層との密着性が改善された偏光板を提供することができる。この偏光板は、液晶パネル用として好適である。
本発明に係る偏光板の層構成の一例を示す概略断面図である。 本発明に係る偏光板の層構成の他の一例を示す概略断面図である。 本発明に係る液晶パネルの層構成の一例を示す概略断面図である。
<偏光板>
以下、実施の形態を示して本発明に係る偏光板について詳細に説明する。
(1)偏光板の層構成
本発明に係る偏光板は、偏光子と、その一方の面上に、無溶剤型の活性エネルギー線硬化性接着剤(以下、本接着剤とも称する。)の硬化物層である第1接着剤層を介して積層される、後述する特定のメタクリル系樹脂(以下、このメタクリル系樹脂を「メタクリル系樹脂〔A〕」とも称する。)を含有する第1保護層と、を含むものである。本発明に係る偏光板の層構成の一例を図1に示す。図1に示される偏光板1は、偏光子10;第1接着剤層15を介して偏光子10の一方の面上に積層される第1保護層21;第2接着剤層25を介して偏光子10の他方の面上に積層される第2保護層22を含む。
図1の例に限らず、本発明に係る偏光板は、偏光子10の他方面に積層される第2保護層22を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。第2保護層22を含む場合において、この保護層は、第1保護層21と同様、メタクリル系樹脂〔A〕を含有するものであってもよいし、他の異なる熱可塑性樹脂で構成されていてもよい。また第2接着剤層25は、第1接着剤層15を形成する接着剤と同じ接着剤から形成されてもよいし、他の異なる接着剤から形成されてもよい。第2接着剤層25を介することなく、偏光子10面に直接、第2保護層22を積層することもできる。
図1に示されるように本発明の偏光板は、粘着剤層30をさらに含むことができる。粘着剤層30は、第1及び第2保護層21,22の双方を備える場合においては第1又は第2保護層21,22の外面に配置することができ、第2保護層22を備えない場合においては、例えば図2に示される偏光板2のように、偏光子10の外面(第1保護層21とは反対側の面)に配置することができる。また図示しないが、本発明の偏光板は、所望の光学特性又はその他の特徴を付与するために、その最表面にコーティング層(表面処理層)を有することができる。
(2)偏光子
ポリビニルアルコール系樹脂を主成分とするポリビニルアルコール系偏光子である偏光子10は、光学軸に平行な振動面をもつ直線偏光を吸収し、光学軸に直交する振動面をもつ直線偏光を透過する性質を有する光学要素であり、例えば、一軸延伸され、二色性色素が吸着配向されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムであることができる。二色性色素としては、ヨウ素や二色性有機染料が用いられる。偏光子10を構成するポリビニルアルコール系樹脂は、ポリ酢酸ビニルのケン化物であるポリビニルアルコールのほか、酢酸ビニルとそれに共重合可能な他のモノマー(例えばエチレンや不飽和カルボン酸等)との共重合体のケン化物であるビニルアルコール系共重合体であってもよい。偏光子10の厚みは通常、2〜40μm程度である。
偏光子10は、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを一軸延伸する工程、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色してその二色性色素を吸着させる工程、二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液で処理する工程、及びホウ酸水溶液による処理後に水洗する工程を経て製造することができる。二色性色素の染色は二色性色素を含有する水溶液にフィルムを浸漬することにより、ホウ酸水溶液による処理はホウ酸水溶液にフィルムを浸漬することにより行うことができる。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの一軸延伸は、二色性色素の染色前、染色と同時、又は染色の後に行うことができる。一軸延伸を染色の後で行う場合、この一軸延伸は、ホウ酸処理の前又はホウ酸処理中に行ってもよい。また、これらの複数の段階で一軸延伸を行ってもよい。
また偏光子10は、ポリビニルアルコール系樹脂層と基材フィルムとの積層体に対して延伸及び染色処理を施すことによって得られるものであってもよい。この場合、延伸及び染色されたポリビニルアルコール系樹脂層が偏光子となる。上記積層体は、例えば、基材フィルム上へのポリビニルアルコール系樹脂の塗工によって得ることができる。偏光子に積層された基材フィルムは剥離除去してもよいし、保護フィルムとして使用されてもよい。上記延伸の倍率は通常3〜7倍である。
(3)第1保護層
第1保護層21は、上述の一般式(I)、(II)及び(III)でそれぞれ示される第1、第2及び第3構成単位を有するメタクリル系樹脂〔A〕を含有する層であり、好ましくはメタクリル系樹脂〔A〕からなるか、又は添加剤を含む場合において添加剤以外の樹脂成分がメタクリル系樹脂〔A〕からなる層である。
(3−1)メタクリル系樹脂〔A〕の第1構成単位
メタクリル系樹脂〔A〕を構成する第1構成単位は、上記一般式(I)で示される構成単位であり、一般式(I)中、R1は水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数4〜12のシクロアルキルアルキル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数7〜14のアリールアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、又は、ハロゲン原子(F、Cl、Br若しくはI原子)、ヒドロキシル基、ニトロ基、炭素数1〜12のアルコキシ基及び炭素数1〜12のアルキル基からなる群より選択される少なくとも1種の置換基を有する炭素数6〜14のアリール基を表す。本明細書中において、アルキル基、アリールアルキル基におけるアルキル基、及びアルコキシ基におけるアルキル基は直鎖状又は分岐状であり得る。
1となり得るアルキル基(R1となり得るアリール基の置換基となり得るアルキル基についても同様。)の炭素数は1〜6であることが好ましく、1〜4であることがより好ましい。R1となり得るアルキル基の具体例は、メチル基、エチル基、n−又はi−プロピル基、n−、i−又はt−ブチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デカニル基、ラウリル基を含む。中でも、メタクリル系樹脂〔A〕の透明性及び耐候性の観点から、メチル基、エチル基、n−又はi−プロピル基、n−、i−又はt−ブチル基、2−エチルヘキシル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
1となり得るシクロアルキルアルキル基の炭素数は5〜10であることが好ましく、6〜8であることがより好ましい。R1となり得るシクロアルキルアルキル基の具体例は、シクロペンチルメチル基、シクロペンチルエチル基、シクロヘキシルメチル基、及びシクロヘキシルエチル基等を含む。
1となり得るシクロアルキル基の具体例は、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、トリシクロデシル基、ビシクロオクチル基、トリシクロドデシル基、イソボルニル基、アダマンチル基、テトラシクロドデシル基を含む。中でも、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、トリシクロデシル基、ビシクロオクチル基、トリシクロドデシル基、イソボルニル基が好ましい。
1となり得るアリールアルキル基の具体例は、ベンジル基、1−又は2−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基、6−フェニルヘキシル基、8−フェニルオクチル基を含む。中でも、ベンジル基、1−又は2−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基が好ましい。R1となり得るアリール基の具体例は、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基を含み、中でも、フェニル基が好ましい。
1となり得る上記特定の置換基を有するアリール基は、置換基を有するフェニル基であることが好ましく、その具体例は、2,4,6−トリブロモフェニル基、2−又は4−クロロフェニル基、2−又は4−ブロモフェニル基、2−又は4−メチルフェニル基、2−又は4−エチルフェニル基、2−又は4−メトキシフェニル基、2−又は4−ニトロフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基を含み、中でも、2,4,6−トリブロモフェニル基が好ましい。
第1構成単位の含有量は、メタクリル系樹脂〔A〕全体を100重量%とするとき、50〜95重量%であり、好ましくは60〜92重量%、より好ましくは70〜90重量%、さらに好ましくは79〜90重量%である。第1構成単位の含有量が50重量%未満であることは、メタクリル系樹脂〔A〕の全光線透過率及び耐候性の面で不利である。メタクリル系樹脂〔A〕は、第1構成単位を1種のみ含有していてもよいし、2種以上含有していてもよい。
第1構成単位は、下記一般式(I’):
Figure 2016048361
で示されるメタクリル酸又はメタクリル酸エステル由来の構成単位である。一般式(I’)におけるR1は、一般式(I)におけるR1と同義である。メタクリル酸エステルの中では、メタクリル系樹脂〔A〕の透明性及び耐候性の観点から、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ベンジルが好ましく用いられる。
(3−2)メタクリル系樹脂〔A〕の第2構成単位
メタクリル系樹脂〔A〕を構成する第2構成単位は、上記一般式(II)で示される構成単位であり、一般式(II)中、R2は炭素数7〜14のアリールアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、又は、ハロゲン原子(F、Cl、Br若しくはI原子)、ヒドロキシル基、ニトロ基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のアルキル基及び炭素数7〜14のアリールアルキル基からなる群より選択される少なくとも1種の置換基を有する炭素数6〜14のアリール基を表す。R3及びR4はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜14のアリール基を表す。
2となり得るアリールアルキル基の具体例は、ベンジル基、1−又は2−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基、6−フェニルヘキシル基、8−フェニルオクチル基を含む。中でも、メタクリル系樹脂〔A〕の耐熱性及び低複屈折性等の観点から、ベンジル基が好ましい。
2となり得るアリール基の具体例は、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基を含む。中でも、メタクリル系樹脂〔A〕の耐熱性及び低複屈折性等の観点から、フェニル基が好ましい。
2となり得るアリール基の置換基となり得るアルコキシ基の炭素数は1〜10であることが好ましく、1〜8であることがより好ましい。当該アルコキシ基の具体例は、メトキシ基、エトキシ基、n−又はi−プロピルオキシ基、n−、i−又はt−ブチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、1−デシルオキシ基を含む。R2となり得るアリール基の置換基となり得る炭素数1〜12のアルキル基及び炭素数7〜14のアリールアルキル基の具体例は、R1となり得る炭素数1〜12のアルキル基及び炭素数7〜14のアリールアルキル基の具体例と同様である。
2となり得る上記特定の置換基を有するアリール基は、置換基を有するフェニル基又は置換基を有するナフチル基であることが好ましく、その具体例は、R1となり得る置換基を有するアリール基の具体例と同様である。
3、R4となり得るアルキル基の炭素数は1〜6であることが好ましく、1〜4であることがより好ましい。R3、R4となり得るアルキル基の具体例は、メチル基、エチル基、n−又はi−プロピル基、n−、i−又はt−ブチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デカニル基、ラウリル基を含む。中でも、メタクリル系樹脂〔A〕の透明性及び耐候性の観点から、メチル基、エチル基、n−又はi−プロピル基、n−、i−又はt−ブチル基、2−エチルヘキシル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
3、R4となり得るアリール基の具体例は、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基を含み、中でも、メタクリル系樹脂〔A〕の耐熱性及び低複屈折性等の観点から、フェニル基が好ましい。
3及びR4は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
第2構成単位の含有量は、メタクリル系樹脂〔A〕全体を100重量%とするとき、0.1〜20重量%であり、好ましくは5〜20重量%、より好ましくは7〜18重量%である。第2構成単位の含有量がこの範囲であれば、透明性を維持しながらメタクリル系樹脂〔A〕の耐熱性を向上させることができる。メタクリル系樹脂〔A〕は、第2構成単位を1種のみ含有していてもよいし、2種以上含有していてもよい。
第2構成単位は、下記一般式(II’):
Figure 2016048361
で示されるN−置換マレイミド化合物由来の構成単位である。一般式(II’)におけるR2、R3及びR4は、一般式(II)におけるR2、R3及びR4と同義である。中でも、メタクリル系樹脂〔A〕の耐熱性、低複屈折性、及び本接着剤とのより高い密着性等の観点から、N−フェニルマレイミド、N−ベンジルマレイミドが好ましく用いられる。
(3−3)メタクリル系樹脂〔A〕の第3構成単位
メタクリル系樹脂〔A〕を構成する第3構成単位は、上記一般式(III)で示される構成単位であり、一般式(III)中、R5は水素原子、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数4〜12のシクロアルキルアルキル基、又は、ハロゲン原子(F、Cl、Br若しくはI原子)、ヒドロキシル基、ニトロ基及び炭素数1〜12のアルコキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の置換基を有する炭素数1〜12のアルキル基を表す。R6及びR7はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜14のアリール基を表す。
5となり得るシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、トリシクロデシル基、ビシクロオクチル基、トリシクロドデシル基、イソボルニル基、アダマンチル基、テトラシクロドデシル基を含む。中でも、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基が好ましく、メタクリル系樹脂〔A〕の透明性、耐候性、低吸湿性の観点から、シクロヘキシル基がより好ましい。
5となり得るアルキル基の炭素数は1〜10であることが好ましく、1〜8であることがより好ましい。R5となり得るアルキル基の具体例は、メチル基、エチル基、n−又はi−プロピル基、n−、i−又はt−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ドデシル基、n−オクタデシル基、2−エチルヘキシル基、1−デシル基、1−ドデシル基を含む。中でも、メタクリル系樹脂〔A〕の透明性及び耐候性の観点から、メチル基、エチル基、i−プロピル基が好ましい。
5となり得るシクロアルキルアルキル基の炭素数は5〜10であることが好ましく、6〜8であることがより好ましい。R5となり得るシクロアルキルアルキル基の具体例は、シクロペンチルメチル基、シクロペンチルエチル基、シクロヘキシルメチル基、及びシクロヘキシルエチル基等を含む。
5となり得るアリール基の置換基となり得るアルコキシ基の炭素数は1〜10であることが好ましく、1〜8であることがより好ましい。当該アルコキシ基の具体例は、メトキシ基、エトキシ基、n−又はi−プロピルオキシ基、n−、i−又はt−ブチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、1−デシルオキシ基を含む。
5となり得る上記特定の置換基を有するアルキル基の具体例は、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロエチル基、ヒドロキシエチル基を含み、中でも、トリフルオロエチル基が好適である。
6、R7となり得るアルキル基の炭素数は1〜6であることが好ましく、1〜4であることがより好ましい。R6、R7となり得るアルキル基の具体例は、メチル基、エチル基、n−又はi−プロピル基、n−、i−又はt−ブチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デカニル基、ラウリル基を含む。中でも、メタクリル系樹脂〔A〕の透明性及び耐候性の観点から、メチル基、エチル基、n−又はi−プロピル基、n−、i−又はt−ブチル基、2−エチルヘキシル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
6、R7となり得るアリール基の具体例は、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基を含み、中でも、メタクリル系樹脂〔A〕の耐熱性及び低複屈折性等の観点から、フェニル基が好ましい。
6及びR7は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
第3構成単位の含有量は、メタクリル系樹脂〔A〕全体を100重量%とするとき、0.1〜49.9重量%であり、好ましくは0.1〜35重量%、より好ましくは0.1〜30重量%、さらに好ましくは0.1〜15重量%である。第3構成単位の含有量がこの範囲であれば、メタクリル系樹脂〔A〕の透明性及び低吸湿性を両立させることができる。メタクリル系樹脂〔A〕は、第3構成単位を1種のみ含有していてもよいし、2種以上含有していてもよい。
第3構成単位は、下記一般式(III’):
Figure 2016048361
で示されるN−置換マレイミド化合物由来の構成単位である。一般式(III’)におけるR5、R6及びR7は、一般式(III)におけるR5、R6及びR7と同義である。中でも、メタクリル系樹脂〔A〕の耐候性の観点から、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−i−プロピルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドが好ましく用いられ、これらの中でも、メタクリル系樹脂〔A〕の低吸湿性、及び本接着剤とのより高い密着性の観点から、N−シクロヘキシルマレイミドがより好ましく用いられる。
第2及び第3構成単位の合計含有量は、メタクリル系樹脂〔A〕全体を100重量%とするとき、好ましくは5〜50重量%であり、より好ましくは5〜40重量%であり、さらに好ましくは10〜35重量%であり、一層好ましくは10〜30重量%であり、特に好ましくは15〜30重量%である。合計含有量がこの範囲であると、メタクリル系樹脂〔A〕の耐熱性、耐候性、低吸湿性、光学特性等の面で有利である。
メタクリル系樹脂〔A〕の光学特性(例えば、低複屈折性、低光弾性係数)の観点から、第2構成単位の含有量と第3構成単位の含有量とのモル比は、好ましくは0超15以下であり、より好ましくは10以下である。
メタクリル系樹脂〔A〕の光学特性の観点から、メタクリル系樹脂〔A〕全体を100重量%とするとき、第1、第2及び第3構成単位の合計含有量は、80重量%以上であることが好ましい。
(3−4)メタクリル系樹脂〔A〕のその他の構成単位
メタクリル系樹脂〔A〕は、第1、第2及び第3構成単位以外の他の構成単位をさらに含有していてもよい。他の構成単位は、第1、第2及び第3構成単位を形成するモノマーと共重合可能な他のモノマー由来の構成単位であれば特に制限されない。
上記他のモノマーの具体例は、芳香族ビニル;不飽和ニトリル;シクロヘキシル基、ベンジル基又は炭素数1〜18のアルキル基を有するアクリル酸エステル;オレフィン;ジエン;ビニルエーテル;ビニルエステル;フッ化ビニル;プロピオン酸アリル等の飽和脂肪酸モノカルボン酸のアリルエステル又はメタリルエステル;多価(メタ)アクリレート;多価アリレート;グリシジル化合物;不飽和カルボン酸類を含む。他のモノマーは、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
芳香族ビニルの具体例は、スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼンを含む。不飽和ニトリルの具体例は、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、フェニルアクリロニトリルを含む。
アクリル酸エステルの具体例は、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−又はi−プロピル、アクリル酸n−、i−又はt−ブチル、アクリル酸n−又はi−ペンチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸デシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジルを含む。
オレフィンの具体例は、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ジイソブチレンを含む。ジエンの具体例は、ブタジエン、イソプレンを含む。ビニルエーテルの具体例は、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテルを含む。ビニルエステルの具体例は、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルを含む。また、フッ化ビニルの具体例は、フッ化ビニリデンを含む。
多価(メタ)アクリレートの具体例は、エチレングリコール(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、ハロゲン化ビスフェノールAのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加物のジ、又はトリ(メタ)アクリレートを含む。
多価アリレートの具体例は、ジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレートを含む。グリシジル化合物の具体例は、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテルを含む。不飽和カルボン酸類の具体例は、アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、及びこれらの半エステル化物又は無水物を含む。以上の中でも、他のモノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレンが好ましく用いられる。
メタクリル系樹脂〔A〕の低吸湿性の観点から、他の構成単位の含有量は、メタクリル系樹脂〔A〕全体を100重量%とするとき、好ましくは0.1〜20重量%、より好ましくは0.1〜15重量%、さらに好ましくは0.1〜10重量%である。また、耐候性の観点からは、他の構成単位の含有量は、10重量%以下であることが好ましく、7重量%以下であることがより好ましい。
以上のような第1〜第3構成単位及び任意で含有される他の構成単位を含むメタクリル系樹脂〔A〕は、このような構成単位を含む1種の共重合体からなっていてもよいし、例えばいずれか1以上の構成単位の種類や含有量の異なる2種以上の共重合体からなっていてもよい。
(3−5)メタクリル系樹脂〔A〕の製造方法
メタクリル系樹脂〔A〕は、上記特許文献1に記載の方法によって製造することができる。具体的には、上記各構成単位を形成するモノマー組成物のラジカル重合によってメタクリル系樹脂〔A〕を調製することができる。モノマー組成物は、必要に応じて溶剤や重合開始剤を含むことができる。
(3−6)メタクリル系樹脂〔A〕の物性及び光学特性
メタクリル系樹脂〔A〕の重量平均分子量Mwは、第1保護層21の機械的強度及びメタクリル系樹脂〔A〕の成形性の観点から、GPC測定によるポリメチルメタクリレート換算で、3000〜1000000であることが好ましく、30000〜800000であることがより好ましく、60000〜600000であることがさらに好ましい。メタクリル系樹脂〔A〕の分子量分布(Mw/Mn)は、メタクリル系樹脂〔A〕の成形性の観点から、GPC測定によるポリメチルメタクリレート換算で、1〜10であることが好ましく、1.1〜7であることがより好ましく、1.2〜5であることがさらに好ましい。
第1保護層21の耐熱性の観点から、メタクリル系樹脂〔A〕のガラス転移温度Tgは、好ましくは120〜180℃であり、より好ましくは130〜180℃である。
第1保護層21はその保護膜としての支持力の観点から、23℃環境下での引張弾性率が1000〜5000MPaであることが好ましく、1500〜5000MPaであることがより好ましい。また、偏光板化後の耐熱耐久試験時の偏光子保護の観点や、後述する接着剤硬化時に偏光子の収縮に伴い第1保護層21も熱により収縮しない観点から、第1保護層21は、高温引張弾性率が高いことが好ましい。具体的には80℃環境下での引張弾性率が1000〜4000MPaであることが好ましく、1500〜4000MPaであることがより好ましい。
メタクリル系樹脂〔A〕及びこれより構成される第1保護層21は、上記特許文献1にも記載されるとおり、当該文献に記載の定義に従い、当該文献に記載の方法によって測定される光弾性係数CRの絶対値が3.0×10-12Pa-1以下、さらには2.0×10-12Pa-1以下、なおさらには1.0×10-12Pa-1以下となり得る。また、当該文献に記載の定義に従い、当該文献に記載の方法によって測定される面内方向の位相差Re及び厚み方向の位相差Rthはともに8nm以下、さらには6nm以下、なおさらには4nm以下となり得る。さらに、当該文献に記載の定義に従い、当該文献に記載の方法によって測定される全光線透過率は85%以上、さらには90%以上となり得る。
このように第1保護層21を構成するメタクリル系樹脂〔A〕は、低複屈折性(光学等方性)等の光学特性に優れた樹脂であり、これを含有する第1保護層21は、偏光板の保護層、とりわけIPSモードの液晶パネルに用いられる偏光板の保護層として好適である。第1保護層21は、液晶パネルとしたとき、偏光子10における液晶セル側に配置される保護層であってもよいし、液晶セルから遠い側の保護層であってもよいが、特に、第1保護層21が偏光子10における液晶セル側に配置される保護層となる態様は、液晶セルの視認側に配置される偏光板の偏光子と背面側に配置される偏光板の偏光子との間に形成されるクロスニコルの中に低複屈折性(光学等方性)等の光学特性に優れる第1保護層21が配置されることになるため、液晶表示装置の視認性向上に有利である。加えて、メタクリル系樹脂〔A〕で構成される第1保護層21を、偏光子10における液晶セル側に配置される保護層とした場合、上述の通り低光弾性を示すため、例えば高温環境下や高温高湿環境下に置かれた際、液晶セルの反りによる曲げ応力や、偏光子10の熱収縮に伴う圧縮応力が印加される状況においても、低複屈折性を示し続け、液晶表示装置の視認性維持の観点で有利である。ただし、第2保護層22が上述のメタクリル系樹脂〔A〕で構成される場合には、この第2保護層22を偏光子10における液晶セル側に配置される保護層とすることでも上記と同様の効果が得られることは言うまでもない。
(3−7)第1保護層の構成
第1保護層21は、上記メタクリル系樹脂〔A〕を含有するフィルムであることができ、好ましくはメタクリル系樹脂〔A〕からなるか、又は添加剤を含む場合において添加剤以外の樹脂成分がメタクリル系樹脂〔A〕からなるフィルムである。フィルムへの成形は、溶融押出法、熱プレス成形法、射出成形法、溶媒キャスト法等の従来公知の方法によって行うことができる。
第1保護層21は、少なくとも一方向に延伸された延伸フィルムであってもよい。延伸により第1保護層21の機械的強度を向上させることができる。メタクリル系樹脂〔A〕で構成される延伸フィルムは一般に、延伸処理を施すと接着剤層との密着性が低下するが、本発明によれば、第1保護層21が延伸フィルムである場合であっても、優れた密着性を得ることができる。
延伸処理としては、一軸延伸や二軸延伸などが挙げられる。延伸方向としては、未延伸フィルムの機械流れ方向(MD)、これに直交する方向(TD)、機械流れ方向(MD)に斜交する方向などが挙げられる。二軸延伸は、2つの延伸方向に同時に延伸する同時二軸延伸でもよく、所定方向に延伸した後で他の方向に延伸する逐次二軸延伸であってもよい。延伸処理は、例えば出口側の周速を大きくした2対以上のニップロールを用いて、長手方向(機械流れ方向:MD)に延伸したり、未延伸フィルムの両側端をチャックで把持して機械流れ方向に直交する方向(TD)に広げたりすることで行うことができる。
延伸処理による延伸倍率は通常1.1倍以上であり、延伸倍率が1.2倍以上であっても、本発明によれば、接着剤層に対する優れた密着性を得ることができる。延伸倍率は、通常5倍以下であり、好ましくは3.5倍以下である。なお、二軸延伸における延伸倍率は、延伸倍率がより大きい方向における延伸倍率をいう。
第1保護層21の厚みは、例えば1〜200μm程度であり、偏光板薄膜化、並びに第1保護層21の強度及び取扱い性の観点から、好ましくは5〜150μm、より好ましくは10〜120μmである。
第1保護層21は、メタクリル系樹脂〔A〕以外の他の熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。他の熱可塑性樹脂の具体例は、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等のオレフィン系ポリマー;塩化ビニル、塩素化ビニル樹脂等の含ハロゲン系ポリマー;ポリスチレン、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体等のスチレン系ポリマー;ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリアリレート;ポリカーボネート;ポリアミド;ポリアセタールを含む。ただし、メタクリル系樹脂〔A〕に由来する第1保護層21の耐熱性、耐湿性、耐傷性、機械的強度、光学等方性などを確保するために、他の熱可塑性樹脂の含有量は、メタクリル系樹脂〔A〕の含有量を100重量%とするとき、0〜25重量%とすることが好ましく、0〜10重量%とすることがより好ましい。
また第1保護層21は、ゴム粒子、滑剤、分散剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、酸化防止剤等の添加剤を1種又は2種以上含有することができる。
ゴム粒子を配合することは、メタクリル系樹脂〔A〕の製膜性、第1保護層21の耐衝撃性、第1保護層21表面の滑り性を改善し得る点で有利である。ゴム粒子は、ゴム弾性を示す層(以下、ゴム弾性体層とも称する。)を含む。
ゴム粒子は、ゴム弾性体層のみからなる粒子であってもよいし、ゴム弾性体層とともに他の層を有する多層構造の粒子であってもよい。ゴム弾性体層に含まれる重合体としては、例えば、オレフィン系弾性重合体、ジエン系弾性重合体、スチレン−ジエン系弾性共重合体、アクリル系弾性重合体などが挙げられる。中でも、耐光性及び透明性の観点から、アクリル系弾性重合体が好ましい。
アクリル系弾性重合体は、アクリル酸アルキルを主体とする、すなわち、全モノマー量を基準にアクリル酸アルキル由来の構成単位を50重量%以上含む重合体であることができる。アクリル系弾性重合体は、アクリル酸アルキルの単独重合体であってもよいし、アクリル酸アルキル由来の構成単位を50重量%以上と、他の重合性モノマー由来の構成単位を50重量%以下含む共重合体であってもよい。
アクリル系弾性重合体を構成するアクリル酸アルキルとしては通常、そのアルキル基の炭素数が4〜8のものが用いられる。上記他の重合性モノマーとしては、例えば、メタクリル酸メチル、及びメタクリル酸エチル等のメタクリル酸アルキル;スチレン、及びアルキルスチレン等のスチレン系単量体;並びに、アクリロニトリル、及びメタクリロニトリル等の不飽和ニトリル等の単官能モノマー、さらには、(メタ)アクリル酸アリル、及び(メタ)アクリル酸メタリル等の不飽和カルボン酸のアルケニルエステル;マレイン酸ジアリル等の二塩基酸のジアルケニルエステル;並びに、アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート等のグリコール類の不飽和カルボン酸ジエステル等の多官能モノマーが挙げられる。
アクリル系弾性重合体を含むゴム粒子は、アクリル系弾性重合体の層を有する多層構造の粒子であることが好ましい。具体的には、アクリル系弾性重合体の層の外側にメタクリル酸アルキルを主体とする硬質の重合体層を有する2層構造のものや、さらにアクリル系弾性重合体の層の内側にメタクリル酸アルキルを主体とする硬質の重合体層を有する3層構造のものが挙げられる。
アクリル系弾性重合体の層の外側又は内側に形成される硬質の重合体層を構成するメタクリル酸アルキルを主体とする重合体におけるモノマー組成としては、メタクリル酸メチルを主体とするモノマー組成が好ましく用いられる。このような多層構造のアクリル系ゴム粒子は、例えば特公昭55−27576号公報に記載の方法によって製造することができる。
ゴム粒子は、メタクリル系樹脂〔A〕の製膜性、第1保護層21の耐衝撃性、第1保護層21表面の滑り性の観点から、その中に含まれる最も外側のゴム弾性体層(例えば、アクリル系弾性重合体の層)からなる粒子の平均粒径が10〜500nmの範囲にあることが好ましく、10〜350nmの範囲にあることがより好ましい。当該平均粒径は、より好ましくは30nm以上、さらには50nm以上であり、またより好ましくは300nm以下、さらには280nm以下である。
ゴム粒子における最も外側のゴム弾性体層からなる粒子の平均粒径は、次のようにして測定される。ゴム粒子をメタクリル系樹脂〔A〕に混合してフィルム化し、その断面を酸化ルテニウムの水溶液で染色すると、ゴム弾性体層だけが着色してほぼ円形状に観察され、母層のメタクリル系樹脂〔A〕は染色されない。そこで、このようにして染色されたフィルム断面から、ミクロトーム等を用いて薄片を調製し、これを電子顕微鏡で観察する。そして、無作為に100個の染色されたゴム粒子を抽出し、各々の粒子径(ゴム弾性体層の外殻までの径)を算出した後、その数平均値を上記平均粒径とする。このような方法で測定するため、得られる上記平均粒径は数平均粒径である。
最外層がメタクリル酸メチルを主体とする硬質の重合体であり、その中にゴム弾性体層が包み込まれているゴム粒子である場合、それを母体のメタクリル系樹脂〔A〕に混合すると、ゴム粒子の最外層が母体のメタクリル系樹脂〔A〕と混和する。そのため、その断面を酸化ルテニウムで染色し、電子顕微鏡で観察すると、ゴム粒子は、最外層を除いた状態の粒子として観察される。具体的には、内層がアクリル系弾性重合体であり、外層がメタクリル酸メチルを主体とする硬質の重合体である2層構造のゴム粒子である場合には、内層のアクリル系弾性重合体部分が染色されて単層構造の粒子として観察される。また、最内層がメタクリル酸メチルを主体とする硬質の重合体であり、中間層がアクリル系弾性重合体であり、最外層がメタクリル酸メチルを主体とする硬質の重合体である3層構造のゴム粒子の場合には、最内層の粒子中心部分が染色されず、中間層のアクリル系弾性重合体部分のみが染色された2層構造の粒子として観察されることになる。
メタクリル系樹脂〔A〕の製膜性、第1保護層21の耐衝撃性、第1保護層21表面の滑り性の観点から、ゴム粒子は、第1保護層21を構成するメタクリル系樹脂〔A〕との合計量を基準に、3〜60重量%の割合で配合されることが好ましく、より好ましくは45重量%以下、さらに好ましくは35重量%以下である。ゴム粒子が60重量%より多くなると、第1保護層21の寸法変化が大きくなり、その耐熱性が低下する。一方、ゴム粒子が3重量%より少ないと、第1保護層21の耐熱性は良好であるものの、製膜時の巻き取り性が悪く、生産性が低下してしまうことがある。
なお、ゴム粒子として、ゴム弾性体層とともに他の層を有する多層構造の粒子を用いた場合は、ゴム弾性体層とその内側の層からなる部分の重量をゴム粒子の重量とする。例えば、上述の3層構造のアクリル系ゴム粒子を用いた場合は、中間層のアクリル系ゴム弾性重合体部分と最内層のメタクリル酸メチルを主体とする硬質の重合体部分との合計重量を、ゴム粒子の重量とする。上述の3層構造のアクリル系ゴム粒子をアセトンに溶解させると、中間層のアクリル系ゴム弾性重合体部分と最内層のメタクリル酸メチルを主体とする硬質の重合体部分とは、不溶分として残るので、3層構造のアクリル系ゴム粒子に占める中間層と最内層の合計の重量割合は、容易に求めることができる。
第1保護層21がゴム粒子を含む場合において、第1保護層21の作製に用いられるメタクリル系樹脂〔A〕及びゴム粒子を含有する樹脂組成物は、メタクリル系樹脂〔A〕とゴム粒子とを溶融混練等により混合することによって得ることができるほか、まずゴム粒子を作製し、その存在下にメタクリル系樹脂〔A〕の原料となるモノマー組成物を重合させる方法によっても得ることができる。
(4)第1接着剤層
第1接着剤層15は、偏光子10と第1保護層21とを貼合するための層であり、紫外線、可視光、電子線、X線等の活性エネルギー線の照射によって硬化する、無溶剤型の活性エネルギー線硬化性接着剤から形成される。従って、第1接着剤層15は、この活性エネルギー線硬化性接着剤の硬化物層である。無溶剤型の活性エネルギー線硬化性接着剤を用いることにより、偏光子10と第1保護層21との間の密着性を向上させることができる。これに対して、活性エネルギー線硬化性接着剤に溶剤(特に有機溶剤)が含まれていると、接着剤中に含まれる硬化性成分が同じであっても、十分な密着性を得ることができず、偏光板を所定のサイズに裁断したとき、その端部において第1保護層21が偏光子10から剥離する不具合を生じやすい。
本明細書における「無溶剤型」とは、積極的には溶剤を添加していないことであり、具体的には、無溶剤型の活性エネルギー線硬化性接着剤の全量を100重量%としたときの、無機及び有機溶剤の含有量は5重量%以下である。
無溶剤型の活性エネルギー線硬化性接着剤としては、活性エネルギー線硬化性エポキシ化合物(以下、エポキシ化合物とも称する。)等のカチオン重合性の硬化性成分を主成分として含有するカチオン重合性のもの、(メタ)アクリル系化合物等のラジカル重合性の硬化性成分を主成分として含有するラジカル重合性のもの、エポキシ化合物等のカチオン重合性の硬化性成分及び(メタ)アクリル系化合物等のラジカル重合性の硬化性成分の両者を含有するハイブリッド型のもの等が挙げられる。偏光子10と第1保護層21との間の密着性向上にとりわけ有効であるとともに、接着剤層の透明性、機械的強度、熱安定性等にも優れることから、好ましくは、前記カチオン重合性のもの、及び、前記ラジカル重合性のものであり、より好ましくは前記カチオン重合性のものである。
(4−1)カチオン重合性の硬化性成分
カチオン重合性の硬化性成分としては、エポキシ化合物等が挙げられる。エポキシ化合物とは、分子内に1個以上、好ましくは2個以上のエポキシ基を有する化合物であって、活性エネルギー線の照射によってカチオン重合により硬化し得る化合物をいう。エポキシ化合物は、1種のみを単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
偏光子10と第1保護層21との間の密着性、耐候性、屈折率、カチオン重合性等の観点から、エポキシ化合物は、分子内に芳香環を含まないものであることが好ましい。このようなエポキシ化合物として、水素化エポキシ化合物(脂環式環を有するポリオールのグリシジルエーテル)、脂肪族エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物を例示できる。中でも、偏光子10と第1保護層21との間の密着性の観点から、カチオン重合性の無溶剤型の活性エネルギー線硬化性接着剤は、脂環式エポキシ化合物を含むことが好ましい。
水素化エポキシ化合物は、芳香族ポリオールの芳香環に水素化反応を行って得られる脂環式ポリオールに、エピクロロヒドリンを反応させることにより得られるものである。芳香族ポリオールの具体例は、ビスフェノールA、ビスフェールF、ビスフェノールS等のビスフェノール型化合物;フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ヒドロキシベンズアルデヒドフェノールノボラック樹脂等のノボラック型樹脂;テトラヒドロキシジフェニルメタン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、ポリビニルフェノール等の多官能型の化合物を含む。水素化エポキシ化合物の中でも好ましいものとして、水素化されたビスフェノールAのジグリシジルエーテルが挙げられる。
脂肪族エポキシ化合物の具体例は、脂肪族多価アルコール又はそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテルを含む。より具体的には、1,4−ブタンジオールのジグリシジルエーテル;1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル;グリセリンのトリグリシジルエーテル;トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル;ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル;プロピレングリコールのジグリシジルエーテル;エチレングリコール、プロピレングリコール又はグリセリン等の脂肪族多価アルコールに1種又は2種以上のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド)を付加することにより得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル等が挙げられる。
脂環式エポキシ化合物は、脂環式環に結合したエポキシ基を分子内に1個以上有するエポキシ化合物である。「脂環式環に結合したエポキシ基」とは、下記式に示される構造における橋かけの酸素原子−O−を意味する。下記式中、mは2〜5の整数である。
Figure 2016048361
上記式における(CH2m中の1個又は複数個の水素原子を取り除いた形の基が他の化学構造に結合している化合物が、脂環式エポキシ化合物となり得る。(CH2m中の1個又は複数個の水素原子は、メチル基やエチル基等の直鎖状アルキル基で適宜置換されていてもよい。脂環式エポキシ化合物の中でも、オキサビシクロヘキサン環(上記式においてm=3のもの)や、オキサビシクロヘプタン環(上記式においてm=4のもの)を有するエポキシ化合物は、偏光子10と第1保護層21との間の優れた密着性を与えることから好ましく用いられる。以下に、好ましく用いられる脂環式エポキシ化合物を具体的に例示するが、これらの化合物に限定されるものではない。
(a)下記式(IV)で示されるエポキシシクロヘキシルメチル エポキシシクロヘキサンカルボキシレート類:
Figure 2016048361
式(IV)中、R8及びR9は、互いに独立して、水素原子又は炭素数1〜5の直鎖状アルキル基を表す。
(b)下記式(V)で示されるアルカンジオールのエポキシシクロヘキサンカルボキシレート類:
Figure 2016048361
式(V)中、R10及びR11は、互いに独立して、水素原子又は炭素数1〜5の直鎖状アルキル基を表し、nは2〜20の整数を表す。
(c)下記式(VI)で示されるジカルボン酸のエポキシシクロヘキシルメチルエステル類:
Figure 2016048361
式(VI)中、R12及びR13は、互いに独立して、水素原子又は炭素数1〜5の直鎖状アルキル基を表し、pは2〜20の整数を表す。
(d)下記式(VII)で示されるポリエチレングリコールのエポキシシクロヘキシルメチルエーテル類:
Figure 2016048361
式(VII)中、R14及びR15は、互いに独立して、水素原子又は炭素数1〜5の直鎖状アルキル基を表し、qは2〜10の整数を表す。
(e)下記式(VIII)で示されるアルカンジオールのエポキシシクロヘキシルメチルエーテル類:
Figure 2016048361
式(VIII)中、R16及びR17は、互いに独立して、水素原子又は炭素数1〜5の直鎖状アルキル基を表し、rは2〜20の整数を表す。
(f)下記式(IX)で示されるジエポキシトリスピロ化合物:
Figure 2016048361
式(IX)中、R18及びR19は、互いに独立して、水素原子又は炭素数1〜5の直鎖状アルキル基を表す。
(g)下記式(X)で示されるジエポキシモノスピロ化合物:
Figure 2016048361
式(X)中、R20及びR21は、互いに独立して、水素原子又は炭素数1〜5の直鎖状アルキル基を表す。
(h)下記式(XI)で示されるビニルシクロヘキセンジエポキシド類:
Figure 2016048361
式(XI)中、R22は、水素原子又は炭素数1〜5の直鎖状アルキル基を表す。
(i)下記式(XII)で示されるエポキシシクロペンチルエーテル類:
Figure 2016048361
式(XII)中、R23及びR24は、互いに独立して、水素原子又は炭素数1〜5の直鎖状アルキル基を表す。
(j)下記式(XIII)で示されるジエポキシトリシクロデカン類:
Figure 2016048361
式(XIII)中、R25は、水素原子又は炭素数1〜5の直鎖状アルキル基を表す。
上記例示した脂環式エポキシ化合物の中でも、次の脂環式エポキシ化合物は、偏光子10と第1保護層21との間の密着性の観点、及び入手容易性の観点から、より好ましく用いられる。
(IV−a)7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−カルボン酸と(7−オキサ−ビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル)メタノールとのエステル化物[式(IV)において、R8=R9=Hの化合物、化合物名:3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート]、
(IV−b)4−メチル−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−カルボン酸と(4−メチル−7−オキサ−ビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル)メタノールとのエステル化物[式(IV)において、R8=R9=4−CH3の化合物]、
(V−a)7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−カルボン酸と1,2−エタンジオールとのエステル化物[式(V)において、R10=R11=H、n=2の化合物]、
(VI−a)(7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル)メタノールとアジピン酸とのエステル化物[式(VI)において、R12=R13=H、p=4の化合物]、
(VI−b)(4−メチル−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル)メタノールとアジピン酸とのエステル化物[式(VI)において、R12=R13=4−CH3、p=4の化合物]、
(VIII−a)(7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル)メタノールと1,2−エタンジオールとのエーテル化物[式(VIII)において、R16=R17=H、r=2の化合物]。
エポキシ化合物のエポキシ当量は通常、30〜3000g/当量、好ましくは50〜1500g/当量の範囲内である。エポキシ当量が30g/当量を下回ると、偏光子10と第1保護層21との間の密着性が低下したり、硬化後の接着剤層の可撓性が低下したりする可能性がある。一方、3000g/当量を超えると、接着剤に含有される他の成分との相溶性が低下する可能性がある。
偏光子10と第1保護層21との間の密着性の観点から、カチオン重合性の無溶剤型の活性エネルギー線硬化性接着剤に含まれる硬化性成分の全量を100重量%とするとき、エポキシ化合物の含有量は、40重量%以上であることが好ましく、50重量%以上であることがより好ましく、60重量%以上であることがさらに好ましい。
エポキシ化合物の市販品としては、三菱化学(株)製「jER」シリーズ、DIC(株)製「エピクロン」、新日鉄住金化学(株)製「エポトート(登録商標)」、(株)ADEKA製「アデカレジン(登録商標)」、ナガセケムテックス(株)製「デナコール(登録商標)」、ダウケミカル社製「ダウエポキシ」、日産化学工業(株)製「テピック(登録商標)」等が挙げられる。脂環式エポキシ化合物の市販品としては、(株)ダイセル製「セロキサイド」シリーズ及び「サイクロマー」、ダウケミカル社製「サイラキュア UVR」シリーズ等が挙げられる。
(4−2)カチオン重合開始剤
カチオン重合性及びハイブリッド型の無溶剤型の活性エネルギー線硬化性接着剤は通常、カチオン重合開始剤を含み、好ましくは光カチオン重合開始剤を含む。光カチオン重合開始剤は、可視光線、紫外線、X線、電子線等の活性エネルギー線の照射によりカチオン種又はルイス酸を発生し、エポキシ基の重合反応を開始させるものである。
光カチオン重合開始剤を用い、活性エネルギー線の照射により接着剤の硬化を行う方法は、常温での硬化が可能となり、偏光子10の耐熱性又は膨張による歪を考慮する必要が減少し、フィルム間を良好に接着できる点において有利である。また、光カチオン重合開始剤は光で触媒的に作用するため、エポキシ化合物に混合しても保存安定性や作業性に優れる。
光カチオン重合開始剤としては、例えば、芳香族ジアゾニウム塩;芳香族ヨードニウム塩や芳香族スルホニウム塩等のオニウム塩;鉄−アレン錯体等を挙げることができる。
芳香族ジアゾニウム塩の具体例は、ベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロホスフェート、ベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロボレートを含む。
芳香族ヨードニウム塩の具体例は、ジフェニルヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ジ(4−ノニルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロホスフェートを含む。
芳香族スルホニウム塩の具体例は、トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4,4’−ビス(ジフェニルスルホニオ)ジフェニルスルフィド ビス(ヘキサフルオロホスフェート)、4,4’−ビス[ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ]ジフェニルスルフィド ビス(ヘキサフルオロアンチモネート)、4,4’−ビス[ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ]ジフェニルスルフィド ビス(ヘキサフルオロホスフェート)、7−[ジ(p−トルイル)スルホニオ]−2−イソプロピルチオキサントン ヘキサフルオロアンチモネート、7−[ジ(p−トルイル)スルホニオ]−2−イソプロピルチオキサントン テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−フェニルカルボニル−4’−ジフェニルスルホニオ−ジフェニルスルフィド ヘキサフルオロホスフェート、4−(p−tert−ブチルフェニルカルボニル)−4’−ジフェニルスルホニオ−ジフェニルスルフィド ヘキサフルオロアンチモネート、4−(p−tert−ブチルフェニルカルボニル)−4’−ジ(p−トルイル)スルホニオ−ジフェニルスルフィド テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを含む。
また、鉄−アレン錯体の具体例は、キシレン−シクロペンタジエニル鉄(II)ヘキサフルオロアンチモネート、クメン−シクロペンタジエニル鉄(II)ヘキサフルオロホスフェート、キシレン−シクロペンタジエニル鉄(II)−トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メタナイドを含む。
カチオン重合開始剤は、1種のみを単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。中でも、芳香族スルホニウム塩は、300nm以上の波長領域でも紫外線吸収特性を有することから、硬化性に優れ、良好な機械的強度及び接着強度を有する硬化物を与えることができるため好ましく用いられる。
カチオン重合開始剤の配合量は、エポキシ化合物等のカチオン重合性の硬化性成分100重量部に対して通常、0.5〜20重量部であり、好ましくは1〜15重量部である。カチオン重合開始剤の配合量が0.5重量部を下回ると、硬化が不十分になり、接着剤層の機械的強度又は偏光子10と第1保護層21との間の密着性が低下する傾向にある。また、カチオン重合開始剤の配合量が20重量部を超えると、硬化物中のイオン性物質が増加することで硬化物の吸湿性が高くなり、偏光板の耐久性が低下する可能性がある。
(4−3)ラジカル重合性の硬化性成分
ラジカル重合性の硬化性成分としては、エチレン性不飽和結合を有する化合物等が挙げられ、エチレン性不飽和結合を有する化合物としては、(メタ)アクリル系化合物及びビニル系化合物等が挙げられる。
ビニル系化合物としては、スチレン、スチレンスルホン酸、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、及びN−ビニル−2−ピロリドン等が挙げられる。
(メタ)アクリル系化合物としては、分子内に少なくとも1個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリレートモノマー、分子内に少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基とアミド結合とを有する(メタ)アクリルアミドモノマー、及び、官能基含有化合物を2種以上反応させて得られ、分子内に少なくとも2個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリルオリゴマー等の(メタ)アクリロイル基含有化合物を挙げることができる。前記(メタ)アクリルオリゴマーは好ましくは、分子内に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリレートオリゴマーである。(メタ)アクリル系化合物は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよく、ラジカル重合性及びハイブリッド型の無溶剤型の活性エネルギー線硬化性接着剤は、好ましくは、(メタ)アクリルアミドモノマーを含む。
(メタ)アクリレートモノマーとしては、分子内に1個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単官能(メタ)アクリレートモノマー、分子内に2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する2官能(メタ)アクリレートモノマー、分子内に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多官能(メタ)アクリレートモノマーが挙げられる。
単官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−又は3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
単官能(メタ)アクリレートモノマーとして、カルボキシル基含有の(メタ)アクリレートモノマーが用いられてもよい。カルボキシル基含有の単官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、N−(メタ)アクリロイルオキシ−N’,N’−ジカルボキシメチル−p−フェニレンジアミン、及び4−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメリット酸等が挙げられる。
2官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類、ポリオキシアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類、ハロゲン置換アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類、脂肪族ポリオールのジ(メタ)アクリレート類、水添ジシクロペンタジエン又はトリシクロデカンジアルカノールのジ(メタ)アクリレート類、ジオキサングリコール又はジオキサンジアルカノールのジ(メタ)アクリレート類、ビスフェノールA又はビスフェノールFのアルキレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレート類、ビスフェノールA又はビスフェノールFのエポキシジ(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
2官能(メタ)アクリレートモノマーのより具体的な例を挙げれば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、シリコーンジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルのジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシエトキシフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシエトキシシクロヘキシル]プロパン、水添ジシクロペンタジエニルジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、1,3−ジオキサン−2,5−ジイルジ(メタ)アクリレート〔別名:ジオキサングリコールジ(メタ)アクリレート〕、ヒドロキシピバルアルデヒドとトリメチロールプロパンとのアセタール化合物〔化学名:2−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−5−エチル−5−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキサン〕のジ(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート等である。
3官能以上の多官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の3官能以上の脂肪族ポリオールのポリ(メタ)アクリレートが代表的なものであり、その他に、3官能以上のハロゲン置換ポリオールのポリ(メタ)アクリレート、グリセリンのアルキレンオキシド付加物のトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのアルキレンオキシド付加物のトリ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリス[(メタ)アクリロイルオキシエトキシエトキシ]プロパン、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
分子内に少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基とアミド結合とを有する(メタ)アクリルアミドモノマーとしては、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、及びN−メチロール(メタ)アクリルアミド等のN−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドモノマー;
N,N−ジヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、及びN,N−ジメチロール(メタ)アクリルアミド等のN,N−ジヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドモノマー;
N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、及びN−エトキシエチル(メタ)アクリルアミド等のN−アルキルオキシアルキル(メタ)アクリルアミドモノマー;
N,N−ジメトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメトキシエチル(メタ)アクリルアミド、及びN,N−ジエトキシエチル(メタ)アクリルアミド等のN,N−ジアルキルオキシアルキル(メタ)アクリルアミドモノマー;
N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、及びN−ヘキシル(メタ)アクリルアミド等のN−モノアルキル(メタ)アクリルアミドモノマー;
N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、及びN,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド等のN,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミドモノマー;
アミノメチル(メタ)アクリルアミド、及びアミノエチル(メタ)アクリルアミド等のN−アミノアルキル(メタ)アクリルアミドモノマー;
メルカアプトメチル(メタ)アクリルアミド、及びメルカプトエチル(メタ)アクリルアミド等のN−メルカプトアルキル(メタ)アクリルアミドモノマー;並びに、
N−アクリロイルモルホリン、N−アクリロイルピペリジン、N−メタクリロイルピペリジン、及びN−アクリロイルピロリジン等の脂肪族複素環構造を有する(メタ)アクリルアミドモノマー等が挙げられる。
(メタ)アクリルアミドモノマーには市販品を使用できる。具体的には、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド(商品名「HEAA」、興人社製)、N−メトキシメチルアクリルアミド(商品名「NMMA」、MRCユニテック社製)、N−ブトキシメチルアクリルアミド(商品名「NBMA」、MRCユニテック社製)、N−メトキシメチルメタクリルアミド(商品名「ワスマー2MA」、笠野興産社製)等が挙げられる。
一方、(メタ)アクリルオリゴマーには、ウレタン(メタ)アクリルオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリルオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリルオリゴマー等がある。
ウレタン(メタ)アクリルオリゴマーとは、分子内にウレタン結合(−NHCOO−)及び少なくとも2個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物である。具体的には、分子内に少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基及び少なくとも1個の水酸基をそれぞれ有する水酸基含有(メタ)アクリルモノマーとポリイソシアネートとのウレタン化反応生成物や、ポリオール類をポリイソシアネートと反応させて得られる末端イソシアナト基含有ウレタン化合物と、分子内に少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基及び少なくとも1個の水酸基をそれぞれ有する(メタ)アクリルモノマーとのウレタン化反応生成物等であり得る。
上記ウレタン化反応に用いられる水酸基含有(メタ)アクリルモノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、及びN−メチロール(メタ)アクリルアミド等のN−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドモノマー等が挙げられる。
水酸基含有(メタ)アクリルモノマーとのウレタン化反応に供されるポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、これらジイソシアネートのうち芳香族のイソシアネート類を水素添加して得られるジイソシアネート(例えば、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート等)、トリフェニルメタントリイソシアネート、ジベンジルベンゼントリイソシアネート等のジ−又はトリ−イソシアネート、及び、上記のジイソシアネートを多量化させて得られるポリイソシアネート等が挙げられる。
また、ポリイソシアネートとの反応により末端イソシアナト基含有ウレタン化合物とするために用いられるポリオール類としては、芳香族、脂肪族又は脂環式のポリオールの他、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等を使用することができる。脂肪族及び脂環式のポリオールとしては、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ジメチロールヘプタン、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、グリセリン、水添ビスフェノールA等が挙げられる。
ポリエステルポリオールは、上記したポリオール類と多塩基性カルボン酸又はその無水物との脱水縮合反応により得られるものである。多塩基性カルボン酸又はその無水物としては、(無水)コハク酸、アジピン酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸、(無水)トリメリット酸、(無水)ピロメリット酸、(無水)フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘキサヒドロ(無水)フタル酸等が挙げられる。
ポリエーテルポリオールは、ポリアルキレングリコールの他、上記したポリオール類又はジヒドロキシベンゼン類とアルキレンオキサイドとの反応により得られるポリオキシアルキレン変性ポリオール等であり得る。
ポリエステル(メタ)アクリルオリゴマーとは、分子内にエステル結合と少なくとも2個の(メタ)アクリロイル基とを有する化合物である。具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸、多塩基性カルボン酸又はその無水物と、ポリオールとの脱水縮合反応により得ることができる。脱水縮合反応に用いられる多塩基性カルボン酸又はその無水物としては、(無水)コハク酸、アジピン酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸、(無水)トリメリット酸、(無水)ピロメリット酸、ヘキサヒドロ(無水)フタル酸、(無水)フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等が挙げられる。また、脱水縮合反応に用いられるポリオールとしては、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ジメチロールヘプタン、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、グリセリン、水添ビスフェノールA等が挙げられる。
エポキシ(メタ)アクリルオリゴマーは、例えば、ポリグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との付加反応により得ることができ、分子内に少なくとも2個の(メタ)アクリロイル基を有している。付加反応に用いられるポリグリシジルエーテルとしては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル等が挙げられる。
ラジカル重合性の無溶剤型の活性エネルギー線硬化性接着剤に含まれる硬化性成分の全量を100重量%とするとき、(メタ)アクリル系化合物の含有量は、40重量%以上であることが好ましく、50重量%以上であることがより好ましく、60重量%以上であることがさらに好ましい。
(4−4)ラジカル重合開始剤
ラジカル重合性及びハイブリッド型の無溶剤型の活性エネルギー線硬化性接着剤は通常、ラジカル重合開始剤を含む、好ましくは光ラジカル重合開始剤を含む。ラジカル重合開始剤は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ラジカル重合開始剤としては、1−メチルナフタレン、2−メチルナフタレン、1−フルオロナフタレン、1−クロロナフタレン、2−クロロナフタレン、1−ブロモナフタレン、2−ブロモナフタレン、1−ヨードナフタレン、2−ヨードナフタレン、1−ナフトール、2−ナフトール、1−メトキシナフタレン、2−メトキシナフタレン、及び1,4−ジシアノナフタレン等のナフタレン誘導体;アントラセン、1,2−ベンズアントラセン、9,10−ジクロロアントラセン、9,10−ジブロモアントラセン、9,10−ジフェニルアントラセン、9−シアノアントラセン、9,10−ジシアノアントラセン、及び2,6,9,10−テトラシアノアントラセン等のアントラセン誘導体;ピレン誘導体;カルバゾール、9−メチルカルバゾール、9−フェニルカルバゾール、9−プロペ−2−イニル−9H−カルバゾール、9−プロピル−9H−カルバゾール、9−ビニルカルバゾール、9H−カルバゾール−9−エタノール、9−メチル−3−ニトロ−9H−カルバゾール、9−メチル−3,6−ジニトロ−9H−カルバゾール、9−オクタノイルカルバゾール、9−カルバゾールメタノール、9−カルバゾールプロピオン酸、9−カルバゾールプロピオニトリル、9−エチル−3,6−ジニトロ−9H−カルバゾール、9−エチル−3−ニトロカルバゾール、9−エチルカルバゾール、9−イソプロピルカルバゾール、9−(エトキシカルボニルメチル)カルバゾール、9−(モルホリノメチル)カルバゾール、9−アセチルカルバゾール、9−アリルカルバゾール、9−ベンジル−9H−カルバゾール、9−カルバゾール酢酸、9−(2−ニトロフェニル)カルバゾール、9−(4−メトキシフェニル)カルバゾール、9−(1−エトキシ−2−メチル−プロピル)−9H−カルバゾール、3−ニトロカルバゾール、4−ヒドロキシカルバゾール、3,6−ジニトロ−9H−カルバゾール、3,6−ジフェニル−9H−カルバゾール、2−ヒドロキシカルバゾール、及び3,6−ジアセチル−9−エチルカルバゾール等のカルバゾール誘導体;ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメトキシ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−ベンゾイル安息香酸メチルエステル、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、及び2,4,6−トリメチルベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体;芳香族カルボニル化合物;[4−(4−メチルフェニルチオ)フェニル]−フェニルメタノン;キサントン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、4−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、及び1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン等のチオキサントン誘導体;並びに、クマリン誘導体等の水素引き抜き型光ラジカル発生剤が挙げられる。
さらに、活性エネルギー線を照射することにより開裂してラジカルを発生する、開裂型光ラジカル発生剤も挙げられる。その具体例としては、ベンゾインエーテル誘導体、及びアセトフェノン誘導体等のアリールアルキルケトン類、オキシムケトン類、アシルホスフィンオキシド類、チオ安息香酸S−フェニル類、チタノセン類、及びそれらを高分子量化した誘導体等が挙げられる。市販されている開裂型光ラジカル発生剤としては、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルベンゾイル)−1−ヒドロキシ−1−メチルエタン、1−(4−イソプロピルベンゾイル)−1−ヒドロキシ−1−メチルエタン、1−ベンゾイル−1−ヒドロキシ−1−メチルエタン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−ベンゾイル]−1−ヒドロキシ−1−メチルエタン、1−[4−(アクリロイルオキシエトキシ)−ベンゾイル]−1−ヒドロキシ−1−メチルエタン、ジフェニルケトン、フェニル−1−ヒドロキシ−シクロヘキシルケトン、ベンジルジメチルケタール、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−ピリル−フェニル)チタン、(η6−イソプロピルベンゼン)−(η5−シクロペンタジエニル)−鉄(II)ヘキサフルオロホスフェート、トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシ−ベンゾイル)−(2,4,4−トリメチル−ペンチル)−ホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,4−ジペントキシフェニルホスフィンオキシド又はビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニル−ホスフィンオキシド、(4−モルホリノベンゾイル)−1−ベンジル−1−ジメチルアミノプロパン、及び4−(メチルチオベンゾイル)−1−メチル−1−モルホリノエタン等が挙げられる。
ラジカル重合開始剤の配合量は、(メタ)アクリル系化合物等のラジカル重合性の硬化性成分100重量部に対して、通常0.5〜20重量部であり、好ましくは1〜6重量部である。ラジカル重合開始剤の量が20重量部を超えると、得られる偏光板の耐久性が低下する可能性がある。
(4−5)光増感剤
本接着剤は、必要に応じてさらに光増感剤を含有することができる。光増感剤を用いることで、硬化性成分の反応性が向上し、接着剤層の機械的強度及び偏光子10と第1保護層21との間の密着性を向上させることができる場合がある。光増感剤としては、例えば、カルボニル化合物、有機硫黄化合物、過硫化物、レドックス系化合物、アゾ及びジアゾ化合物、ハロゲン化合物、光還元性色素等が挙げられる。
光増感剤のより具体的な例としては、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、及びα,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン等のベンゾイン誘導体;ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、及び4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体;2−クロロチオキサントン、及び2−イソプロピルチオキサントン等のチオキサントン誘導体;2−クロロアントラキノン、及び2−メチルアントラキノン等のアントラキノン誘導体;N−メチルアクリドン、及びN−ブチルアクリドン等のアクリドン誘導体;その他、α,α−ジエトキシアセトフェノン、ベンジル、フルオレノン、キサントン、ウラニル化合物、及びハロゲン化合物等が挙げられる。光増感剤は、1種のみを単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。光増感剤は、本接着剤100重量部中に、0.1〜20重量部の範囲内で含有されることが好ましい。
(4−6)カチオン重合促進剤
カチオン重合性の無溶剤型の活性エネルギー線硬化性接着剤は、オキセタン類及びポリオール類等のカチオン重合を促進する化合物をさらに含有してもよい。
オキセタン類は、分子内に4員環エーテルを有する化合物である。オキセタン類の具体例は、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ベンゼン、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、ジ[(3−エチル−3−オキセタニル)メチル]エーテル、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタン、フェノールノボラックオキセタンを含む。オキセタン類は、無溶剤型の活性エネルギー線硬化性接着剤中、通常5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%の割合で含有される。オキセタン類は、1種のみを単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリオール類としては、フェノール性水酸基以外の酸性基が存在しないものが好ましく、例えば、水酸基以外の官能基を有しないポリオール化合物、ポリエステルポリオール化合物、ポリカプロラクトンポリオール化合物、フェノール性水酸基を有するポリオール化合物、ポリカーボネートポリオール等を挙げることができる。ポリオール類の分子量は、通常48以上、好ましくは62以上、さらに好ましくは100以上、また好ましくは1000以下である。ポリオール類は、本接着剤中、通常50重量%以下、好ましくは30重量%以下の割合で含有される。ポリオール類は、1種のみを単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(4−7)その他の添加剤及び第1接着層の厚み
カチオン重合性及びハイブリッド型の無溶剤型の活性エネルギー線硬化性接着剤は、エポキシ化合物等のカチオン重合性硬化性成分とともに(メタ)アクリル系化合物等を含有してもよい。(メタ)アクリル系化合物を併用することにより、偏光子10と第1保護層21との間の密着性、接着剤層の硬度及び機械的強度を高める効果が期待でき、さらには、接着剤の粘度や硬化速度等の調整をより容易に行うことができるようになる。かかる(メタ)アクリル系化合物としては上記したものと同じものが挙げられる。
カチオン重合性及びハイブリッド型の無溶剤型の活性エネルギー線硬化性接着剤に(メタ)アクリル系化合物を配合する場合、その量は、カチオン重合性及びハイブリッド型の無溶剤型の活性エネルギー線硬化性接着剤に含まれる硬化性成分の全量を100重量%とするとき、30重量%以下、さらには20重量%以下とすることが好ましい。(メタ)アクリル系化合物の配合量が過度に多くなると、偏光子10と第1保護層21との間の密着性が逆に低下する傾向にある。
ラジカル重合性の無溶剤型の活性エネルギー線硬化性接着剤は、エポキシ化合物を含有してもよい。ラジカル重合性の無溶剤型の活性エネルギー線硬化性接着剤にエポキシ化合物が含有される場合、その量は、ラジカル重合性の無溶剤型の活性エネルギー線硬化性接着剤に含まれる硬化性成分の全量を100重量%とするとき、好ましくは0〜20重量%、より好ましくは0〜5重量%である。エポキシ化合物の含有量が5重量%以下であれば、第1接着剤層15の耐久性及び耐水性は良好な傾向がある。
また、ラジカル重合性の無溶剤型の活性エネルギー線硬化性接着剤は、ラジカル重合開始剤とともにカチオン重合開始剤を含有してもよい。カチオン重合開始剤を併用することにより、偏光子10と第1保護層21との間の密着性、接着剤層の硬度及び機械的強度を高める効果が期待でき、さらには、接着剤の粘度や硬化速度等の調整をより容易に行うことができるようになる。かかるカチオン重合開始剤としては上記したものと同じものが挙げられる。
ラジカル重合性の無溶剤型の活性エネルギー線硬化性接着剤にカチオン重合開始剤を配合する場合、その量は、ラジカル重合性の無溶剤型の活性エネルギー線硬化性接着剤に含まれる硬化性成分の全量を100重量%とするとき、好ましくは0.01〜10重量%であり、より好ましくは0.1〜3重量%である。
さらに、本接着剤は、必要に応じて、イオントラップ剤、酸化防止剤、連鎖移動剤、粘着付与剤、熱可塑性樹脂、充填剤、流動調整剤、可塑剤、消泡剤、帯電防止剤、レベリング剤等の添加剤を含有することができる。イオントラップ剤としては粉末状のビスマス系、アンチモン系、マグネシウム系、アルミニウム系、カルシウム系、チタン系及びこれらの混合系等の無機化合物が挙げられ、酸化防止剤としてはヒンダードフェノール系酸化防止剤等が挙げられる。
第1接着剤層15の厚みは、例えば0.01〜10μm程度であり、好ましくは0.01〜5μm程度であり、より好ましくは4μm以下(例えば3μm以下)である。
(4−8)偏光子と第1保護層との貼合
本接着剤を偏光子10の貼合面又は第1保護層21の貼合面に塗工し、その塗工された接着剤層を介して両者のフィルムを重ね、例えば貼合ロール等を用いて上下から押圧した後、活性エネルギー線を照射して接着剤層を硬化させることによって偏光子10に第1保護層21を貼合することができる。
本接着剤の塗工の方法としては、ドクターブレード、ワイヤーバー、ダイコーター、カンマコーター、及びグラビアコーター等が挙げられる。このうち、薄膜塗工、パスラインの自由度、幅広への対応等を考慮すると、接着剤塗工装置としてはグラビアコーターが好ましい。
本接着剤は、調製後、通常は15〜40℃の範囲内の所定温度±5℃(例えば、所定温度が30℃である場合、30℃±5℃)、好ましくは±3℃、より好ましくは±1℃に調整された環境下で塗布される。接着剤温度を調整することで、粘度調整が可能となり、接着剤の塗布厚をコントロールすることが可能となる。
活性エネルギー線は、可視光線、紫外線、X線、電子線等であることができるが、取扱いの容易さ、本接着剤の調製の容易さ及びその安定性、並びに、その硬化性能の観点から、紫外線が好ましく用いられる。活性エネルギー線の光源は特に制限されないが、波長400nm以下に発光分布を有する、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ等を好ましく用いることができる。
本接着剤への光照射強度は、本接着剤の組成ごとに決定されるものであって特に限定されないが、10〜5000mW/cm2であることが好ましい。樹脂組成物への光照射強度が10mW/cm2未満であると、反応時間が長くなりすぎ、5000mW/cm2を超えると、ランプから輻射される熱および組成物の重合時の発熱により、本接着剤の構成材料等の黄変や、偏光子10の劣化、フィルムの熱収縮とそれによる肌不良(フィルム表面の凹凸)などを生じる可能性がある。この熱による影響は、照射される側のフィルムの厚みが40μmより薄くなると光照射強度を強くする毎に顕著となり、ガラス転移温度Tgが120℃より低い場合にも同様に顕著となる。なお、光照射強度は、好ましくは光重合開始剤の活性化に有効な波長領域における強度であり、より好ましくは波長400nm以下の波長領域における強度であり、さらに好ましくはUVB領域(260〜320nm)の波長領域における強度である。さらに、この熱による影響は、光源に近い程影響が大きくなる。
紫外線活性エネルギー線の照射光量は、UVB領域(260〜320nm)における積算光量で10〜1000mJ/m2であることが好ましい。積算光量がこの範囲内であれば、本接着剤を用いて、偏光子10と第1保護層21とをより密着性良く貼合することができる。積算光量が10mJ/m2であると、開始剤由来の活性種の発生が十分でなく、接着剤硬化が不十分となる。一方でその積算光量が1000mJ/m2を超えると、照射時間が非常に長くなり、生産性に関して不利となるか、強い照射エネルギーが必要であり、上記述の通り、ランプから輻射される熱による不良が発生する。
なお、偏光板が第2接着剤層25を介して積層される第2保護層22を含む場合、第1保護層21の積層及び第1接着剤層15の硬化を行った後に、第2保護層22の積層及び第2接着剤層25の硬化を行うなど、第1保護層21、第2保護層22の貼合を逐次的に行ってもよいし、第2接着剤層25も活性エネルギー線硬化性接着剤から形成される場合には、第1及び第2保護層21,22を同時に積層した後に第1及び第2接着剤層15,25を同時に硬化させるようにしてもよい。
第1保護層21の貼合に先立って、偏光子10との密着性をさらに高めるために、第1保護層21における偏光子10との貼合面及び偏光子10における第1保護層21との貼合面のうち少なくとも一方に、コロナ放電処理、プラズマ照射処理、電子線照射処理、その他の表面活性化処理を施しておいてもよい。また偏光子10との密着性をさらに高めるために、第1保護層21における偏光子10との貼合面に易接着層(プライマー層)を設けておいてもよい。
(5)第2保護層
第2保護層22は、偏光子10における第1保護層21側とは反対側の面上に積層、貼合される、任意で設けられる層である。第2保護層20は、例えば透光性を有する、好ましくは光学的に透明な熱可塑性樹脂フィルムであることができる。
第2保護層20を構成し得る熱可塑性樹脂の具体例は、上述のメタクリル系樹脂〔A〕のほか、鎖状ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂等)、環状ポリオレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂)等のポリオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;メタクリル系樹脂〔A〕以外の(メタ)アクリル系樹脂;セルローストリアセテート、セルロースジアセテート等のセルロース系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリビニルアルコール系樹脂;ポリ酢酸ビニル系樹脂;ポリアリレート系樹脂;ポリスチレン系樹脂;ポリエーテルスルホン系樹脂;ポリスルホン系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリイミド系樹脂;及びこれらの混合物又は共重合物を含む。
環状ポリオレフィン系樹脂は、ノルボルネンや多環ノルボルネン系モノマー等の環状オレフィンからなるモノマーのユニットを有する樹脂であり、例えば、上記環状オレフィンの開環重合体の水素添加物、2種以上の環状オレフィンを用いた開環共重合体の水素添加物、環状オレフィンと鎖状オレフィン(エチレン、プロピレン等)及び/又はビニル基等を有する芳香族化合物(スチレン、α−メチルスチレン、核アルキル置換スチレン等)等との付加重合体であることができる。
メタクリル系樹脂〔A〕以外の(メタ)アクリル系樹脂は、メタクリル系樹脂〔A〕以外のメタクリル系樹脂を主体とする(50重量%以上含む)、好ましくはメタクリル系樹脂〔A〕以外のメタクリル系樹脂からなる樹脂であることができる。
メタクリル系樹脂〔A〕以外のメタクリル系樹脂とは、メタクリル酸エステルを主体とする(50重量%以上含む)メタクリル系樹脂〔A〕以外の樹脂である。このメタクリル系樹脂は、1種類のメタクリル酸エステルの単独重合体であってもよいし、メタクリル酸エステルと他のメタクリル酸エステルやアクリル酸エステル、その他の重合性モノマーとの共重合体であってもよい。メタクリル酸エステルとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−又はi−プロピル、メタクリル酸n−、i−又はt−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル等のアルキル基の炭素数が1〜8であるメタクリル酸アルキルエステルを含む。アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜4である。メタクリル酸エステルは、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
メタクリル酸エステルと共重合し得るアクリル酸エステルとしては、アクリル酸アルキルエステルを用いることができ、その具体例は、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−又はi−プロピル、アクリル酸n−、i−又はt−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル等のアルキル基の炭素数が1〜8であるアクリル酸アルキルエステルを含む。アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜4である。アクリル酸エステルは、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
メタクリル酸エステルと共重合し得る他の重合性モノマーの具体例は、分子内に重合性の炭素−炭素二重結合を1個有する単官能モノマーや、分子内に重合性の炭素−炭素二重結合を少なくとも2個有する多官能モノマーを挙げることができる。単官能モノマーの具体例は、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ハロゲン化スチレン、ヒドロキシスチレン等のスチレン系単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル;アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和酸;N−メチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド等のマレイミド;メタリルアルコール、アリルアルコール等のアリルアルコール;酢酸ビニル、塩化ビニル、エチレン、プロピレン、4−メチル−1−ペンテン、2−ヒドロキシメチル−1−ブテン、メチルビニルケトン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール等の他のモノマーを含む。
多官能モノマーの具体例は、エチレングリコールジメタクリレート、ブタンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート等の多価アルコールのポリ不飽和カルボン酸エステル;アクリル酸アリル、メタクリル酸アリル、ケイ皮酸アリル等の不飽和カルボン酸のアルケニルエステル;フタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等の多塩基酸のポリアルケニルエステル、ジビニルベンゼン等の芳香族ポリアルケニル化合物を含む。他の重合性モノマーは、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(メタ)アクリル系樹脂で構成される第2保護層22は、(メタ)アクリル系樹脂の製膜性、第2保護層22の耐衝撃性、第2保護層22表面の滑り性を改善するために、上述のゴム粒子を含有することができる。ゴム粒子については、第1保護層21についての上の記述が引用される。
上記の中でも、第2保護層22は、メタクリル系樹脂〔A〕を含有するフィルムであるか、又はメタクリル系樹脂〔A〕以外の(メタ)アクリル系樹脂を含有するフィルムであることが好ましい。このように偏光子10両面の保護層に同系統の樹脂からなるフィルムを用いると、寸法変化の動きが上下対称となるので、偏光板に反りが生じるのを防ぐことができる。これはとりわけIPSモードで有効である。
フィルムである第2保護層22は、少なくとも一方向に延伸された延伸フィルムであってもよい。フィルムである第2保護層22の製膜法、延伸の態様、さらには、フィルム厚み、添加剤等については、第1保護層21についての上の記述が引用される。
また第2保護層22は、偏光子10表面に直接積層される活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物層であってもよい。このような硬化物層は、偏光子10表面に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を直接塗工した後、活性エネルギー線を照射して塗工層を硬化させる方法や、剥離可能な基材(離型フィルム等)上に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を塗工した後、これをその塗工層側で偏光子10表面に積層し、活性エネルギー線を照射して塗工層を硬化させた後、基材を剥離除去する方法によって形成することができる。硬化物層からなる第2保護層22の厚みは、例えば1〜30μm程度である。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物としては、上述の無溶剤型の活性エネルギー線硬化性接着剤と同様の組成のものを用いることができ、その詳細はついては上の記述が引用される。
(6)第2接着剤層
第2接着剤層25は、偏光子10とフィルムである第2保護層22とを貼合するための層である。第2接着剤層25を形成する接着剤は、第2保護層22を構成する熱可塑性樹脂の種類等に応じて、上述した無溶剤型の活性エネルギー線硬化性接着剤、他の活性エネルギー線硬化性接着剤及び水系接着剤(ポリビニルアルコール系樹脂水溶液からなる接着剤、水系二液型ウレタン系エマルジョン接着剤等)などから選択される。第2保護層22がメタクリル系樹脂〔A〕を含有するフィルムである場合には、優れた密着性を得るために、第1接着剤層15と同じく上述した無溶剤型の活性エネルギー線硬化性接着剤が用いられる。
第2接着剤層25の厚み、偏光子10とフィルムである第2保護層22と貼合方法については、第1接着剤層15についての上の記述が引用される。
第2保護層22の貼合に先立って、偏光子10との密着性をさらに高めるために、第2保護層22における偏光子10との貼合面及び偏光子10における第2保護層22との貼合面のうち少なくとも一方に、コロナ放電処理、プラズマ照射処理、電子線照射処理、ケン化処理その他の表面活性化処理を施しておいてもよい。また偏光子10との密着性をさらに高めるために、第2保護層22における偏光子10との貼合面に易接着層(プライマー層)を設けておいてもよい。
(7)粘着剤層
偏光板は、当該偏光板を液晶セル等の他の部材に貼合するための粘着剤層30を備えることができる。粘着剤層30は、例えば図1の偏光板1のように第1及び第2保護層21,22の双方を備える場合においては、第1又は第2保護層21,22の外面上に配置することができる。ただし、第2保護層22がメタクリル系樹脂〔A〕以外で構成される場合、とりわけIPSモードの液晶パネルに偏光板を適用するときには、低複屈折性(光学等方性)等の光学特性に優れる第1保護層21を、偏光子10における液晶セル側に配置される保護層として用いることが好ましいことから、第1保護層21の外面上に粘着剤層30を配置することが好ましい。第2保護層22が活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物層である場合、粘着剤層30は、第1保護層21の外面上に配置されてもよいし、第2保護層22の外面上に配置されてもよい。
一方、例えば図2に示される偏光板2のように第2保護層22を備えない場合においては、偏光子10の外面(第1保護層21とは反対側の面)上に粘着剤層30を配置することができる。
粘着剤層30に用いられる粘着剤は、例えばアクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ポリエーテル系粘着剤、フッ素系粘着剤、ゴム系粘着剤等であることができるが、中でも、透明性、粘着力、信頼性、リワーク性等の観点から、アクリル系粘着剤が好ましく用いられる。
粘着剤層30は、上記粘着剤を、例えば有機溶剤溶液の形態で用い、それを粘着剤層形成面上に塗工し、乾燥させる方法によって設けることができるほか、離型処理が施されたプラスチックフィルム(セパレートフィルムと呼ばれる。)上に形成されたシート状粘着剤を粘着剤層形成面に転写する方法によっても設けることができる。いずれの方法においても、粘着剤層形成面に積層後の粘着剤層30の外面には、表面保護のためセパレートフィルムを貼着しておくことが好ましい。粘着剤層30の厚みは通常、2〜40μmである。
セパレートフィルムは、ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン等のポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂等からなるフィルムであることができる。中でも、ポリエチレンテレフタレートの延伸フィルムが好ましい。
(8)コーティング層
偏光板は、所望の光学特性又はその他の特徴を付与するために、第1又は第2保護層21,22の外面(液晶セルから遠い側の保護層の外面であり、粘着剤層30を設ける場合には、粘着剤層30が設けられる側とは反対側の偏光板最表面である。)上にコーティング層(表面処理層)を有することができる。コーティング層の具体例は、ハードコート層、防眩層、反射防止層、帯電防止層、防汚層を含む。コーティング層を形成する方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。
<液晶パネル>
本発明に係る液晶パネルは、液晶セルと、その少なくとも一方の面上に配置される上述の本発明に係る偏光板とを含むものである。本発明に係る液晶パネルの層構成の一例を図3に示す。図3に示される液晶パネル3は、液晶セル40の両面に配置される偏光板に図1に示される偏光板1を用いたものであるが、いずれか一方の偏光板のみに本発明に係る偏光板を用いてもよい。好ましくは、少なくとも視認側の偏光板に本発明に係る偏光板を用いる。第2保護層22がメタクリル系樹脂〔A〕を含有するフィルムである場合には、第2保護層22を液晶セル40側の保護層として用いてもよい。図2に示される偏光板2を用いる場合、偏光板2は、その第1保護層21を外側に向けて液晶セル40に貼合される。
液晶セル40の駆動モードは、IPSモード、VA(垂直配向)モード、TN(ねじれネマチック)モード等の従来公知のいかなるモードであってもよいが、上述のように、好ましくはIPSモードである。IPSモードは、電界が存在しない状態でホモジニアス配向させたネマチック液晶を、横電界によって駆動させて画像表示を行うものであり、その利点は、他の駆動モードに比べて視野角が広い点にある。画面を見る角度による画像の色目変化(斜め方向のカラーシフトともいう)が比較的大きいが、この点は、光学等方性に優れる第1保護層21を含む偏光板を用いることによって改善できる。
本発明に係る液晶パネル及びこれを用いた液晶表示装置は、それらに含まれる偏光板が有する偏光子と保護層との密着性に優れることから、耐久性に優れている。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
<実施例1〜7、比較例1〜13>
(1)偏光子の作製
平均重合度約2,400、ケン化度99.9モル%以上で厚さ75μmのポリビニルアルコールフィルムを、30℃の純水に浸漬した後、ヨウ素/ヨウ化カリウム/水の重量比が0.02/2/100の水溶液に30℃で浸漬した。その後、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水の重量比が12/5/100の水溶液に56.5℃で浸漬した。引き続き、8℃の純水で洗浄した後、65℃で乾燥して、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素が吸着配向された偏光子を得た。延伸は、主に、ヨウ素染色及びホウ酸処理の工程で行い、トータル延伸倍率は5.3倍、得られた偏光子の厚みは27μmであった。
(2)保護層(保護フィルム)の作製・用意
次の保護層(保護フィルム)を作製・用意した。
〔a〕メタクリル系樹脂フィルムa:上記メタクリル系樹脂〔A〕からなる、厚み40μmの二軸延伸フィルムである(MD延伸倍率:1.8倍、TD延伸倍率:2.5倍)。このフィルムにおいてメタクリル系樹脂〔A〕は、メタクリル酸メチル/N−フェニルマレイミド/N−シクロヘキシルマレイミド=約84%/約8%/約8%(重量比)の共重合体である。このメタクリル系樹脂〔A〕の重量平均分子量Mwは、GPC測定によるポリメチルメタクリレート換算で167500であり、Mw/Mnは2.5である。
〔b〕メタクリル系樹脂フィルムb:次の手順で作製した。メタクリル系樹脂として、メタクリル酸メチル/アクリル酸メチル=96%/4%(重量比)の共重合体を用意した。またゴム粒子として、最内層がメタクリル酸メチルに少量のメタクリル酸アリルを用いて重合された硬質の重合体からなり、中間層がアクリル酸ブチルを主成分とし、さらにスチレン及び少量のメタクリル酸アリルを用いて重合された軟質の弾性体からなり、最外層がメタクリル酸メチルに少量のアクリル酸エチルを用いて重合された硬質の重合体からなる三層構造の弾性体粒子であって、中間層である弾性体までの平均粒径が240nmのものを用意した。なお、このゴム粒子において、最内層と中間層との合計重量は、粒子全体の70%であった。
上記メタクリル系樹脂70重量%及び上記ゴム粒子30重量%をスーパーミキサーで混合し、二軸押出機で溶融混練してペレットとした。このペレットを、65mmφ一軸押出機に投入し、設定温度275℃のT型ダイを介して押し出し、鏡面を有する二本のポリシングロールでフィルムを挟むことにより冷却して、厚み50μmのメタクリル系樹脂フィルムbを得た。
〔c〕メタクリル系樹脂フィルムc:メタクリル酸メチル/アクリル酸メチル=96%/4%(重量比)の共重合体からなる、厚み40μmの二軸延伸フィルムである(MD延伸倍率:2.0倍、TD延伸倍率:2.0倍)。
〔d〕TACフィルムd:コニカミノルタオプト(株)製のトリアセチルセルロースフィルム「KC4UY」(厚み40μm)である。
〔e〕COPフィルムe:日本ゼオン(株)の環状ポリオレフィン系樹脂フィルム「ゼオノア」(厚み23μm)である。
(3)接着剤の調製
〔f−1〕紫外線硬化性接着剤f−1:次の配合成分を混合して得られた無溶剤型の紫外線硬化性接着剤である。%は、接着剤全体を100重量%としたときの含有量(重量%)を示す。
・3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート(ダイセル化学工業(株)製の「セロキサイド2021P」):80%、
・1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル:19%、
・トリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェートを主成分とする光カチオン重合開始剤:僅量。
〔f−2〕紫外線硬化性接着剤f−2:紫外線硬化性接着剤f−1 75重量%に対して25重量%のトルエンを混合した溶剤含有型の紫外線硬化性接着剤である。
〔f−3〕紫外線硬化性接着剤f−3:紫外線硬化性接着剤f−1 75重量%に対して25重量%のメチルエチルケトンを混合した溶剤含有型の紫外線硬化性接着剤である。
〔g〕紫外線硬化性接着剤g:次の配合成分を混合して得られた無溶剤型の紫外線硬化性接着剤である。%は、接着剤全体を100重量%としたときの含有量(重量%)を示す。
・3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート(ダイセル化学工業(株)製の「セロキサイド2021P」):52%、
・3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(東亞合成(株)製の「アロンオキセタンOXT−101」):20%、
・3−エチル−3{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタン(東亞合成(株)製の「アロンオキセタンOXT−221」):5%、
・1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(共栄社化学(株)製の「ライトアクリレート1,6HX−A」):22%、
・1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製の光ラジカル開始剤「イルガキュア184」):僅量、
・トリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェートを主成分とする光カチオン重合開始剤:僅量。
〔h〕水系接着剤h:次の手順で作製した。ポリビニルアルコール粉末〔(株)クラレ製の商品名「KL−318」、平均重合度1800〕を95℃の熱水に溶解し、濃度3重量%のポリビニルアルコール水溶液を調製した。得られた水溶液に架橋剤〔田岡化学工業(株)製の商品名「スミレーズレジン650」〕をポリビニルアルコール粉末2重量部に対して1重量部の割合で混合して、水系接着剤を得た。
〔i−1〕紫外線硬化性接着剤i−1:次の配合成分を混合して得られた無溶剤型の紫外線硬化性接着剤である。%は、接着剤全体を100重量%としたときの含有量(重量%)を示す。
・4−アクリロイルモルホリン:46%、
・ヒドロキシエチルアクリルアミド:46%、
・トリプロピレングリコールジアクリレート:7%
・2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(BASF社製の光ラジカル開始剤「イルガキュア907」):僅量。
〔i−2〕紫外線硬化性接着剤i−2:紫外線硬化性接着剤i−1 75重量%に対して25重量%のメチルエチルケトンを混合した溶剤含有型の紫外線硬化性接着剤である。
(4)偏光板の作製
表1に示される第1保護層及び第2保護層における偏光子との貼合面に、表1に示される接着剤をそれぞれ塗工し、接着剤層が偏光子側となるようにして偏光子の一方の面に第1保護層を積層し、他方の面に第2保護層を積層するとともに貼合ロールに通して、第1保護層/接着剤層/偏光子/接着剤層/第2保護層の層構成を有する積層体を得た。その後、第1保護層側から紫外線を照射することで両面の接着剤層を硬化させて、偏光板を得た。紫外線照射は、メタルハライドランプを用いて、該ランプと積層体との間の距離を200mmに保ちながら、260〜320nmの波長域での照度が200mW/cm2、積算光量が200mJ/cm2となるように行った。水系接着剤を用いた比較例9については、紫外線照射の代わりに、上記積層体を乾燥炉に入れ、80℃、300秒の加熱処理を行うことにより接着剤層を乾燥させて偏光板を得た。
なお、接着剤の塗工に先立ち、第1保護層及び第2保護層の貼合面に表面活性化処理を施した(TACフィルムの場合はケン化処理、それ以外の保護層についてはコロナ放電処理)。
<密着性の評価>
次に示す評価試験を行って、偏光子と保護層との間の密着性(接着力)を評価した。結果を表1に併せて示す。
(1)貼合直後の密着性の評価
紫外線照射終了時から3分後に、表1に示される評価対象となる保護層と偏光子との間を手で剥離し、手で剥離する際の様子及び手で加える力から、下記の評価基準に従って密着性を評価した。なお、水系接着剤を用いた比較例9については、加熱処理(乾燥処理)終了時から3分後に上記評価試験を行った。
A:ゆっくりと注意しないと剥離できないか、又は力を加えると、剥離ではなく保護層の破断が生じる程度に密着性が高い、
B:保護層の破断が生じるほどの密着性はないが、少しの力で剥離してしまうほどの弱さでもない、
C:少しの力で剥離してしまうほど密着性は非常に弱い。
(2)180°剥離試験(最終的な密着性の評価)
紫外線照射終了時(比較例9については加熱処理終了時)から24時間後に、次の手順に従って180°剥離試験を行った。まず偏光板から、偏光子の吸収軸方向を長辺とする長さ150mm×幅25mmの長方形の評価用サンプルを切り出した。次いで、評価用サンプルにおける表1に示される評価対象となる保護層側を、両面テープを用いてガラス基板に貼合した。次に、ガラス基板に貼合された評価用サンプルの長さ方向一端において、表1に示される評価対象となる保護層と偏光子との間にキッカケ(剥離部)を入れ、このキッカケ部分における偏光子と評価対象でない保護層との積層体をオートグラフ(株式会社島津製作所製の「AGS−50NX」)のつかみ具で掴み、温度23℃、相対湿度50%の環境下にて、このオートグラフを用いて掴んだ積層体を、掴んだ側とは反対側の長さ方向一端の方向に剥離速度300mm/minで引っ張り上げる180°剥離試験を実施し、剥離時の応力(N/25mm)を測定した。
(3)偏光板裁断時の剥離の有無の評価
紫外線照射終了時(比較例9については加熱処理終了時)から24時間後の偏光板をトムソン刃で裁断し、切断面において、表1に示される評価対象となる保護層と偏光子との間に剥離が認められるか否かを目視で確認した。
Figure 2016048361
1,2 偏光板、3 液晶パネル、10 偏光子、21 第1保護層、22 第2保護層、15 第1接着剤層、25 第2接着剤層、30 粘着剤層、40 液晶セル。

Claims (13)

  1. ポリビニルアルコール系偏光子と、その一方の面上に第1接着剤層を介して積層される第1保護層とを含み、
    前記第1接着剤層は、無溶剤型の活性エネルギー線硬化性接着剤の硬化物層であり、
    前記第1保護層は、下記一般式(I):
    Figure 2016048361
    〔一般式(I)中、R1は水素原子、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜12のアルキル基、炭素数4〜12のシクロアルキルアルキル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数7〜14のアリールアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、又は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、炭素数1〜12のアルコキシ基及び炭素数1〜12のアルキル基からなる群より選択される少なくとも1種の置換基を有する炭素数6〜14のアリール基を表す。〕
    で示される第1構成単位50〜95重量%と、下記一般式(II):
    Figure 2016048361
    〔一般式(II)中、R2は炭素数7〜14のアリールアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、又は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のアルキル基及び炭素数7〜14のアリールアルキル基からなる群より選択される少なくとも1種の置換基を有する炭素数6〜14のアリール基を表す。R3及びR4はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜14のアリール基を表す。〕
    で示される第2構成単位0.1〜20重量%と、下記一般式(III):
    Figure 2016048361
    〔一般式(III)中、R5は水素原子、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数4〜12のシクロアルキルアルキル基、又は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基及び炭素数1〜12のアルコキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の置換基を有する炭素数1〜12のアルキル基を表す。R6及びR7はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜14のアリール基を表す。〕
    で示される第3構成単位0.1〜49.9重量%とを有するメタクリル系樹脂を含有する層である、偏光板。
  2. 前記活性エネルギー線硬化性接着剤は、活性エネルギー線硬化性エポキシ化合物を含む、請求項1に記載の偏光板。
  3. 前記活性エネルギー線硬化性エポキシ化合物は、脂環式環に結合するエポキシ基を分子内に1個以上有する化合物を含む、請求項2に記載の偏光板。
  4. 前記活性エネルギー線硬化性接着剤は、カチオン重合開始剤をさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の偏光板。
  5. 前記活性エネルギー線硬化性接着剤は、(メタ)アクリル系化合物を含む、請求項1に記載の偏光板。
  6. 前記活性エネルギー線硬化性接着剤は、分子内に少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基とアミド結合とを有する(メタ)アクリルアミドモノマーを含む、請求項1に記載の偏光板。
  7. 前記第1保護層は少なくとも一方向に延伸されたフィルムであり、その延伸倍率が1.2倍以上である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の偏光板。
  8. 前記ポリビニルアルコール系偏光子の一方の面上に前記第1接着剤層を介して積層される前記第1保護層と、
    前記ポリビニルアルコール系偏光子の他方の面上に第2接着剤層を介して積層され、前記メタクリル系樹脂とは異なる熱可塑性樹脂を含有する第2保護層と、
    を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の偏光板。
  9. 粘着剤層をさらに含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の偏光板。
  10. 前記第1保護層の外面上に前記粘着剤層が配置される、請求項9に記載の偏光板。
  11. 前記第2保護層の外面上に前記粘着剤層が配置される、請求項9に記載の偏光板。
  12. 液晶セルと、その少なくとも一方の面上に配置される請求項1〜11のいずれか1項に記載の偏光板とを含む、液晶パネル。
  13. 前記液晶セルは、IPSモードの液晶セルである、請求項12に記載の液晶パネル。
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