JP2016046318A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電気的特性の低下を抑えつつ、サージ電流に対する耐量を効果的に高め得る構成を提供する。
【解決手段】
半導体装置1は、SOI基板10の上面側にLDMOS5が構成されている。このLDMOS5は、SOI基板10の上面側にP型チャネル領域23と、N+ソース領域24と、N+ドレイン領域22と、STI酸化膜34とが形成され、P型チャネル領域23の上方には、ゲート絶縁膜32を介してゲート電極層40が配置されている。そして、SOI基板10の内部においてSTI酸化膜34の下方側且つSTI酸化膜34から離れた位置には、誘電体材料からなる誘電体層50が形成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、半導体装置に関するものである。
ESD(Electro-Static Discharge:静電気放電)等に起因するサージ電流が発生し得る半導体装置では、装置内に瞬間的な大電流が流れることによる素子の劣化や破壊、あるいは半導体装置の誤動作などが懸念される。従って、この種の半導体装置では、サージ電流に対して耐性のある構成が求められる。
特開2005−332891号公報
サージ対策に関する技術としては、例えば、特許文献1のような技術が提案されている。この特許文献1の半導体装置では、半導体基板11中の素子領域EAにソース層24とドレイン層22とが交互に形成されるとともに、それら交互に形成されたソース層24とドレイン層22との間にそれぞれチャネル23が形成され、素子領域EAの外周がドレイン層22によって終端された構造となっている。このような構成により、素子領域の外周付近での電流の集中を緩和し、ESD等に起因するサージに対する耐性を高めている。
ところで、このような半導体装置の構成では、サージ電流に対し耐量を向上させる方法として、例えばドリフト層21に注入されているバッファ層(n型導電層)の濃度を大きくする、もしくは、ドリフト層21に注入されているバッファ層(n型導電層)の濃度を大きくする等の方法が考えられる。しかしながら、単にバッファ層の濃度を大きくするだけでは静耐圧の低下を招いてしまうことになり、単にドリフト長を長くするだけでは、オン抵抗の上昇を招いてしまうことになる。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、電気的特性の低下を抑えつつ、サージ電流に対する耐量を効果的に高め得る構成を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、
板厚方向一方側に上面が構成され、少なくとも前記上面側に第1導電型の第1半導体領域(11b)が構成された半導体基板(10)と、
前記半導体基板の前記上面側に配置され、チャネル領域として構成された第2導電型の第2半導体領域(23)と、
前記半導体基板の前記上面側において前記第1半導体領域から離れた位置に形成され、前記第1半導体領域との間に前記第2半導体領域を介在させて配置された前記第1導電型の第3半導体領域(24)と、
前記半導体基板の前記上面側において、前記第2半導体領域及び前記第3半導体領域から離れた位置に形成された前記第1導電型の第4半導体領域(22)と、
前記半導体基板の上方において少なくとも前記第2半導体領域を覆う位置に配置された第1絶縁体層(32)と、
前記第1絶縁体層の上方側を覆う構成で少なくとも前記第2半導体領域の上方領域に配置されたゲート電極層(40)と、
前記半導体基板の上面側において前記第2半導体領域と前記第4半導体領域との間に形成された第2絶縁体層(34、95)と、
前記半導体基板の内部において前記第2絶縁体層の下方側且つ前記第2絶縁体層から離れた位置に形成された誘電体材料からなる誘電体層(50)と、
を備えることを特徴とする。
請求項1の発明では、半導体基板の上面側にチャネル領域として構成された第2導電型の第2半導体領域が配置され、その第2半導体領域(チャネル領域)の一方側に第1導電型の第1半導体領域及び第4半導体領域が設けられ、他方側に第1導電型の第3半導体領域が設けられている。そして、第2半導体領域(チャネル領域)の上方には、第1絶縁体層を介してゲート電極層が配置されている。このような構成により、第3半導体領域と第4半導体領域との間を通電状態と非通電状態とに切り替え可能なMOS構造を実現できる。
そして、半導体基板の上面側において第2半導体領域と第4半導体領域との間には、第2絶縁体層が形成され、この第2絶縁体層の下方側且つ第2絶縁体層から離れた位置には、誘電体材料からなる誘電体層が配置されている。このように誘電体層を存在させると、サージ電流の発生時に第2絶縁体層付近で電位の集中を生じさせることができ、この第2絶縁層から第2半導体領域(チャネル領域)にかけての電位分布をより急勾配にすることができる。そして、このように局所的に電位の急勾配を生じさせて電流密度を上げ、第2半導体領域付近で寄生バイポーラ動作を生じやすくすることで、流れ込んだサージ電流を効率的に抜くことができるため、サージ電流に対する耐量をより効果的に高めることができる。
図1は、第1実施形態に係る半導体装置を概略的に例示する断面概略図である。 図2は、図1の半導体装置の一部を概略的に示す断面概略図である。 図3は、図2の半導体装置の一部を拡大して示す断面概略図である。 図4は、図1の半導体装置にサージ電流を流入させる構成を概略的に説明する説明図である。 図5は、サージ電流が流入した時の電位分布及び電流密度分布を示す図であり、図5(A)は、誘電体層を備えない従来のLDMOS構造の半導体装置に関する図であり、図5(B)は、図1の半導体装置に関する図である。 図6は、図1の半導体装置において形成される寄生バイポーラトランジスタを概略的に説明する説明図である。 図7は、図1の半導体装置にサージ電流が流入して寄生バイポーラトランジスタが動作した時の様子を示す図であり、図7(A)は、電子電流密度分布を示す図であり、図7(B)は、ホール電流密度分布を示す図である。 図8は、図1の半導体装置において、誘電体層の深さが0.8μmの場合における、ESD耐量の誘電体層の長さ依存性を示す図であり、図8(A)〜(C)は、それぞれ誘電体層のSTI酸化膜の端部からの横方向の距離が−0.8μm、−0.4μm、0μmである構成に関する図である。 図9は、図8と同様の内容を示す図であり、図9(A)、(B)は、それぞれ誘電体層のSTI酸化膜の端部からの横方向の距離が0.4μm、1.2μmである構成に関する図である。 図10は、図1の半導体装置において、誘電体層の深さが1.3μmの場合における、ESD耐量の誘電体層の長さ依存性を示す図であり、図10(A)〜(C)は、それぞれ誘電体層のSTI酸化膜の端部からの横方向の距離が−0.8μm、−0.4μm、0μmである構成に関する図である。 図11は、図10と同様の内容を示す図であり、図11(A)、(B)は、それぞれ誘電体層のSTI酸化膜の端部からの横方向の距離が0.4μm、1.2μmである構成に関する図である。 図12は、図1の半導体装置において、誘電体層の深さが1.8μmの場合における、ESD耐量の誘電体層の長さ依存性を示す図であり、図12(A)〜(C)は、それぞれ誘電体層のSTI酸化膜の端部からの横方向の距離が−0.8μm、−0.4μm、0μmである構成に関する図である。 図13は、図12と同様の内容を示す図であり、図13(A)、(B)は、それぞれ誘電体層のSTI酸化膜の端部からの横方向の距離が0.4μm、1.2μmである構成に関する図である。 図14は、図1の半導体装置において、誘電体層の深さが0.8μmの場合における、ESD耐量の誘電体層の厚さ依存性を示す図であり、図14(A)〜(C)は、それぞれ誘電体層のSTI酸化膜の端部からの横方向の距離が−0.8μm、−0.4μm、0μmである構成に関する図である。 図15は、図14と同様の内容を示す図であり、図15(A)、(B)は、それぞれ誘電体層のSTI酸化膜の端部からの横方向の距離が0.4μm、1.2μmである構成に関する図である。 図16は、図1の半導体装置において、誘電体層の深さが1.3μmの場合における、ESD耐量の誘電体層の厚さ依存性を示す図であり、図16(A)〜(C)は、それぞれ誘電体層のSTI酸化膜の端部からの横方向の距離が−0.8μm、−0.4μm、0μmである構成に関する図である。 図17は、図16と同様の内容を示す図であり、図17(A)、(B)は、それぞれ誘電体層のSTI酸化膜の端部からの横方向の距離が0.4μm、1.2μmである構成に関する図である。 図18は、図1の半導体装置において、誘電体層の深さが1.8μmの場合における、ESD耐量の誘電体層の厚さ依存性を示す図であり、図18(A)〜(C)は、それぞれ誘電体層のSTI酸化膜の端部からの横方向の距離が−0.8μm、−0.4μm、0μmである構成に関する図である。 図19は、図18と同様の内容を示す図であり、図19(A)、(B)は、それぞれ誘電体層のSTI酸化膜の端部からの横方向の距離が0.4μm、1.2μmである構成に関する図である。 図20は、図1の半導体装置におけるESD耐量のSTI酸化膜の端部からの横方向の距離依存性を示す図であり、図20(A)〜(C)は、それぞれ誘電体層の配置深さが0.8μm、0.9μm、1.3μmである構成に関する図である。 図21は、図20と同様の内容を示す図であり、図21(A)、(B)は、それぞれ誘電体層の配置深さが1.5μm、1.8μmである構成に関する図である。 図22は、本発明に係る半導体装置を製造する工程の一部で順次行われる各工程を説明する説明図である。 図23は、図22の工程に続く工程で順次行われる各工程を説明する説明図である。 図24は、図23の工程に続く工程で順次行われる各工程を説明する説明図である。 図25は、図24の工程に続く工程で順次行われる各工程を説明する説明図である。 図26は、第1実施形態の第1変形例に係る半導体装置を概略的に例示する断面概略図である。 図27は、図26の半導体装置の一部を拡大して示す断面概略図である。 図28は、第2実施形態に係る半導体装置を概略的に例示する断面概略図である。 図29は、図28の半導体装置の一部を拡大して示す断面概略図である。 図30(A)は、誘電体層50の誘電率が3.9である第1実施形態における等電位線及び電流密度を示す図であり、図30(B)は、誘電体層50の誘電率が5000である第3実施形態における等電位線及び電流密度を示す図である。 図31は、図1の半導体装置において、誘電率がそれぞれ3.9、1000、5000である場合における、ESD耐量のSTI酸化膜端‐誘電体層間の距離依存性を示す図である。
[第1実施形態]
以下、本発明を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
(半導体装置の構成)
まず、図1等を参照し、第1実施形態の代表例に係る半導体装置1の構成について説明する。本実施形態に係る半導体装置1は、図1〜図3に示すように、LDMOS(Laterally Diffused Metal Oxide Semiconductor)5を備える構成であり、SOI(Silicon On Insulator)基板10を用いて形成されている。図1では、半導体装置1に設けられた配線構造を含めた半導体装置1の断面を概略的に示しており、図2では、図1の断面の一部を拡大して概略的に示している。また、図3では、図1、図2で示す半導体装置1におけるSOI基板10の表層部近傍の断面(一点鎖線で囲む部分)を拡大して概略的に示している。また、図2、図3では、ゲート電極層40の上方側の領域などを省略して示している。なお、図1〜図3では、半導体装置1の一部のみを概略的に示しているが、半導体装置1には、図1〜図3で図示されるようなLDMOS5が1又は複数形成されていればよく、その他の素子が形成されていても、形成されていなくてもよい。
なお、本構成では、図1〜図3に示すように、SOI基板10の板厚方向(厚さ方向)を上下方向としている。そして、SOI基板10の板厚方向両側に構成される板面のうち、LDMOS5が形成される側の板面を上面10a(表面)とし、その上面10aとは反対側の板面を下面(裏面)とする。従って、SOI基板10の板厚方向(厚さ方向)において、LDMOS5が形成される側が上方であり、それとは反対側が下方である。さらに、上記上下方向と直交する所定方向を横方向(左右方向)としており、図1等で示す例では、N+ソース領域24とN+ドレイン領域22とが並ぶ方向を横方向(左右方向)とし、N+ソース領域24側を左側、N+ドレイン領域22側を右側として説明する。また、本構成では、N導電型を第1導電型とし、P導電型を第2導電型としている。
ここで、半導体装置1について更に詳しく説明する。
半導体装置1は、図1〜図3に示すように、板厚方向の一方側に上面10aが構成され、少なくとも上面10a側にN導電型(第1導電型)の第1半導体領域(具体的には、N−型半導体層11bが第1半導体領域に相当)が構成されてなるSOI基板10を備えている。そして、このSOI基板10にLDMOS5が構成されている。
SOI基板10は、図1、図2に示すように、N型シリコンによって構成されたSOI層11とP型の支持基板12とが埋込酸化膜13を介して接合された構成となっている。本構成では、このSOI基板10が「半導体基板」の一例に相当する。SOI層11は、N型のシリコン層としてSOI基板10の上面側(図1〜図3において上側)に配置されており、支持基板12に貼り合わせたシリコン基板を所定の厚さに研磨したり、シリコンを支持基板12上に堆積したりすることによって形成することができる。このSOI層11は、例えば厚さが5.0μmで構成され、埋込酸化膜13は、例えば厚さが2.5μmで構成されている。また、SOI層11内には、図1に示すようなトレンチ分離部14が複数形成されており、このトレンチ分離部14によってSOI層11が複数の領域に区画されることで素子の分離が図られている。各トレンチ分離部14は、例えばSOI層11の表面から埋込酸化膜13に達するトレンチ14a(図22(A)参照)と、当該トレンチ内を充填するように埋め込まれた埋込膜14b(例えばSiOなどの酸化膜、図22(A)参照)とによって多重トレンチとして構成されている。
SOI層11は、N導電型の半導体層として構成され、N型半導体層(埋込み層)11a、及びこのN型半導体層11aよりも低濃度なN−型半導体層(エピタキシャル層)11bが順に積層された構造となっている。N−型半導体層11bは、例えば、例えば、ドーパントとしてヒ素を用い、キャリアのピーク濃度が1.0×1015cm−3程度で構成されている。なお、このN−型半導体層11bは、「第1半導体領域」の一例に相当する。
SOI基板10は、板厚方向の一方側に上面10aが構成され、他方側に下面(裏面)が構成されている(図1等では下面の図示は省略)。本構成では、SOI基板10における上方側の界面(SOI基板10と当該SOI基板10以外の他の領域との境界面)が上面10aとなっており、SOI基板10における下方側の界面(SOI基板10と当該SOI基板10以外の他の領域との境界面)が下面となっている。
このように構成されるSOI基板10の上面側においてN−型半導体層11bに隣接する位置にチャネル領域として構成されたP導電型(第2導電型)のP型チャネル領域23が形成されている。また、SOI基板10の上面10a側においてN−型半導体層11bから離れた位置且つP型チャネル領域23に隣接する位置には、N−型半導体層11bとの間にP型チャネル領域23を介在させた形でN導電型(第1導電型)のN+ソース領域24が配置されている。更に、SOI基板10の上面側において、P型チャネル領域23及びN+ソース領域24から離れた位置には、N導電型(第1導電型)のN+ドレイン領域22が形成されている。また、SOI基板10の上面10a側においてP型チャネル領域23から横方向に離れた位置に、N−型半導体層11bよりも高いキャリア濃度で構成されたNウェル領域21が設けられている。N+ドレイン領域22及びSTI酸化膜34は、このNウェル領域21の上端側に配置されており、N+ドレイン領域22はNウェル領域21に囲まれた構成となっている。
N+ソース領域24及びN+ドレイン領域22は、例えば、ドーパントとしてヒ素を用い、キャリア濃度のピーク濃度が例えば3.0×1020cm−3であり、上下の厚さが例えば0.25μmとなっている。また、P型チャネル領域23は、例えば、ドーパントとしてボロンを用い、キャリアのピーク濃度が例えば5.0×1017cm−3であり、上下の厚さが例えば1.15μmとなっている。また、Nウェル領域21は、例えば、ドーパントとしてリンを用い、キャリアのピーク濃度が例えば5.0×1017cm−3であり、上下の厚さが1.7μmとなっている。
なお、本構成では、N−型半導体層11bが「第1半導体領域」の一例に相当し、P型チャネル領域23が「第2半導体領域」の一例に相当し、N+ソース領域24が「第3半導体領域」の一例に相当し、N+ドレイン領域22は、「第4半導体領域」の一例に相当する。
また、本構成では、図3においてW1で示す幅(即ち、SOI基板10の上面10aの位置におけるP型チャネル領域23の横方向(左右方向)の幅)をチャネル長とする。図3等で示す例では、このチャネル長W1が、例えば0.54μmとなっている。また、本構成では、図3においてW2で示す幅(即ち、SOI基板10の上面10aの位置における、P型チャネル領域23とSTI酸化膜34とによって挟まれるSOI層11の領域(アキュムレーション領域)の横方向(左右方向)の幅)をアキュムレーション長とする。図3等で示す例では、このアキュムレーション長W2が、例えば1.0μmとなっている。なお、図3において符号Gで示す一点鎖線の直線の位置は、STI酸化膜34の左側端部(横方向におけるP型チャネル領域23側の端部)の位置を概念的に示している。
図1〜図3に示すように、SOI基板10の上方において少なくともP型チャネル領域23を覆う位置にはゲート絶縁膜32が配置されている。ゲート絶縁膜32は、例えばSiOなどの絶縁性材料によって構成され、図1〜図3に示すように、SOI基板10におけるN+ソース領域24とN+ドレイン領域22との間の領域に形成されている。より具体的には、N+ソース領域24とSTI酸化膜34との間の領域全体を覆うように横方向に跨る構成でゲート絶縁膜32が配置されている。このゲート絶縁膜32は、例えば、PSG(Phosphorous Silicate Glass)膜として構成され、ドーパントとしてリンを用い、キャリアのピーク濃度が例えば5.0×1019cm−3である。なお、ゲート絶縁膜32は、「第1絶縁体層」の一例に相当する。
図1〜図3に示すように、SOI基板10の上面10a側においてP型チャネル領域23とN+ドレイン領域22との間には、STI(Shallow Trench Isolation)酸化膜34がゲート絶縁膜32と連続するように形成されている。このSTI酸化膜34は、横方向において上述のP型チャネル領域23及びアキュムレーション領域よりも右側(即ち、N+ドレイン領域22側)に配置され、N+ドレイン領域22よりも左側(P型チャネル領域23側)に配置されている。STI酸化膜34は、例えばSiOなどの絶縁性材料によって構成され、上端面における左右方向の長さW3(図3参照)は、例えば1.53μmとなっている。なお、図1のように、SOI基板10の上面側において、N+ドレイン領域22の右側(横方向において、STI酸化膜34とは反対側)には、STI酸化膜34と同様の構成のSTI酸化膜35が形成されており、上述のNウェル領域21は、両STI酸化膜34,35及びN+ドレイン領域22に跨る形で配置されている。なお、STI酸化膜34は、「第2絶縁体層」の一例に相当する。
そして、このように構成されるこのゲート絶縁膜32の上方側を覆う構成でP型チャネル領域23の上方領域にゲート電極層40が配置されている。ゲート電極層40は、ゲート絶縁膜32及びSTI酸化膜34の上面に形成されており、図1〜図3等で示す例では、横方向においてゲート絶縁膜32の領域全体を覆う構成で配置されている。このゲート電極層40は、例えばアルミニウムやポリシリコンなどの導電性材料により構成されている。
また、半導体装置1には、図1に示すような配線層が多層構造で設けられている。図1の例では、SOI基板10の上方側に、ゲート電極層40やSTI酸化膜34,35などを覆う構成で例えばPSG膜として構成された絶縁膜37が配置されている。また、この絶縁膜37上には、例えばPSG膜として構成された絶縁膜38が積層されており、この絶縁膜38上には、例えば窒化シリコン(SiN)膜として構成された絶縁膜39が積層されている。絶縁膜37、38、39が積層された領域内には、後述する導電層(配線層)が多層配線構造で形成されている。
図1に示すように、N+ソース領域24上には、絶縁膜37を貫通する構成で第1配線層61aが形成されており、ソース電極として機能している。また、ゲート電極層40上は、絶縁膜37を貫通する構成で第1配線層61bが形成されている。また、N+ドレイン領域22上には、絶縁膜37を貫通する構成で第1配線層61cが形成されており、ドレイン電極として機能している。さらに、これら第1配線層61a〜61c上には、第1ビア71a〜71cがそれぞれ形成されており、これら第1ビア71a〜71c上には、第2配線層62a〜62cがそれぞれ形成されている。更に、第2配線層62a,62c上には、第2ビア72a,72cがそれぞれ形成されており、これら第2ビア72a,72c上には、第3配線層63a,63cがそれぞれ形成されている。また、第3配線層63a,63c上には、第3ビア73a,73cがそれぞれ形成されており、これら第3ビア73a,73c上且つ絶縁膜39上には第4配線層64a,64cがそれぞれ形成されている。なお、第1配線層61a〜61c、第2配線層62a〜62c、第3配線層63a,63c、第4配線層64a,64cは、例えばアルミニウムなどの公知の導電性材料よって構成されている。また、第1ビア71a〜71c、第2ビア72a,72c、第3ビア73a,73cは、例えば銅などの公知の導電性材料よって構成されている。
そして、このように構成されるLDMOS5には、SOI基板10の内部におけるSTI酸化膜34の下方側且つSTI酸化膜34から離れた位置に誘電体材料からなる誘電体層50が設けられており、耐量の向上が図られている。なお、本構成では、SOI基板10の上面側において、P型チャネル領域23、N+ドレイン領域22、STI酸化膜34などが所定の前後方向(具体的には、上記板厚方向(上下方向)及び上記横方向(左右方向)と直交する方向)に長手状に延びている。そして、誘電体層50は、例えば、このように長手状に構成されたSTI酸化膜34の下方側において、STI酸化膜34の長手方向に沿って長手状に配置されている。なお、前後方向においてP型チャネル領域23、N+ドレイン領域22、STI酸化膜34などが長手状に配置された領域では、上下方向及び横方向と平行に切断した切断面でのP型チャネル領域23、N+ドレイン領域22、STI酸化膜34、誘電体層50等の構造は図1〜図3と同様の構造となっている。
誘電体層50は、例えばSiOなどの公知の誘電体材料によって構成されている。なお、以下では、SiOとして構成される誘電体層50を代表例として説明するが、誘電体層50はこれ以外の公知の絶縁材料などによって構成されていてもよい。この誘電体層50は、SOI基板10の内部におけるSTI酸化膜34の直下領域に少なくとも一部が配置されていることが望ましい。また、誘電体層50は、横方向(上下方向と直交する方向であって、且つN+ソース領域24とN+ドレイン領域22とが向かい合う所定方向)においてN+ソース領域24側の端部50a(図1等で示す左端部)が、P型チャネル領域23よりもN+ドレイン領域22側(即ち、図1等で示す右側)に配置されていることが望ましい。また、誘電体層50は、この横方向において、N+ドレイン領域22側の端部50b(図1等で示す右端部)が、STI酸化膜34におけるN+ドレイン領域22側の端部34bよりもN+ソース領域24側(即ち、図1等で示す左側)に配置されていることが望ましい。また、誘電体層50の上側端部50cは、SOI基板10の板厚方向(上下方向)においてP型チャネル領域23の下端部23aよりも上方位置に配置されていることが望ましい。図1〜図3ではこれらの望ましい条件をすべて満たす一例を示しており、この例では、横方向(左右方向)においてSTI酸化膜34の直下領域に誘電体層50の全部が配置された構造となっている。即ち、誘電体層50の左側の端部50aがSTI酸化膜34の左側の端部34aよりも右側に配置され、誘電体層50の右側の端部50bがSTI酸化膜34の右側の端部34bよりも左側に配置されている。
なお、図1〜図3で示す誘電体層50はあくまで一例であり、SOI基板10の内部におけるSTI酸化膜34の下方側且つSTI酸化膜34から離れた位置であれば、誘電体層50の形状や配置は様々に変更することができる。なお、以下の説明では、図3で示すように、STI酸化膜34の左側端部34aから誘電体層50の左側端部50aまでの横方向(左右方向)の距離(即ち、横方向における、図1に示すGのラインの位置から誘電体層50の左側端部50aの位置までの距離)をB1とする。なお、この距離B1は、誘電体層50の左側端部50aがSTI酸化膜34の左側端部34aよりも左側に位置する場合には、その横方向(左右方向)の距離の絶対値にマイナスの符号を付すこととする(すなわち、この場合、距離B1は負の値となる)。また、誘電体層50の深さ(具体的には、STI酸化膜34の下側端部34cから誘電体層50の上側端部50cまでの上下方向の距離)をD1とする。また、誘電体層50の横方向(左右方向)の長さ(具体的には、誘電体層50の左側端部50aから右側端部50bまでの横方向の長さ)をL1とする。更に、誘電体層50の板厚方向(上下方向)の厚さ(具体的には、誘電体層50の上側端部50cから下側端部50dまでの上下方向の長さ)をT1とする。
誘電体層50を設ける場合の望ましい一例としては、STI酸化膜34の端部34aから誘電体層50の端部50aまでの横方向の距離B1が例えば0.4μmであり、誘電体層50の配置深さD1が例えば0.8μmであり、誘電体層50の長さL1が例えば0.1μmであり、誘電体層50の厚さT1が例えば0.2μmであり、誘電体層50の誘電率εが例えば3.9である例が挙げられる。また、この例に限られず、距離B1、深さD1、長さL1、厚さT1、誘電率εのいずれの値も、様々に変更することができる。
(半導体装置の動作)
このように構成されるLDMOS5は、通常時には公知のMOSFETと同様に動作する。具体的には、ゲート電極層40に所定電圧が印加されたときにP型チャネル領域23にチャネルが発生し、ソースドレイン間が通電状態となる。また、ゲート電極層40へのゲート電圧の印加が解除されることでソースドレイン間が非通電状態に切り替えられる。通常時にはこのようにスイッチング素子として機能する。
一方、ESD(Electro-Static Discharge:静電気放電)等によってサージ電流が流入する際には、このサージ電流が効率的に抜けるように動作する。上述したように、LDMOS5は、SOI基板10の上面10a側においてP型チャネル領域23とN+ドレイン領域22との間に、STI酸化膜34が形成され、このSTI酸化膜34の下方側且つSTI酸化膜34から離れた位置に、誘電体材料からなる誘電体層50が配置されている。このように誘電体層50を存在させると、サージ電流が流れ込む際に、STI酸化膜34の端部付近(具体的には、下側端部34cにおけるアキュムレーション領域側の端部(左下方側端部34e)付近)において局所的に電界を高め、電位の集中を生じさせることができる(図5(B)参照:後述)。これにより、STI酸化膜34の左下方側端部34e付近からからP型チャネル領域23にかけての電位分布をより急勾配にすることができる。そして、このように局所的に電位の急勾配を生じさせて電流密度を上げることで、アバランシェ現象を積極的に発生させることができ、これにより、P型チャネル領域23付近での寄生バイポーラ動作を誘起させることができる。このように、サージ電流の発生時に素子内の抵抗を低下させて流れ込んだサージ電流を効率的に抜くことができるため、サージ電流に対する耐量をより効果的に高めることができる。また、この構成では、バッファ層の濃度を上げたり、ドリフト長を大きくしたりする等の対応をとらなくてもESD耐量を高めることができるため、静耐圧の低下やオン抵抗の上昇を抑えつつESD耐量の向上を図ることができる。
ここで、図1〜図3で示す構造の半導体装置1においてサージ電流が流入する場合のシミュレーション結果を、図4〜図7を参照して説明する。図4は、図3等で示すLDMOS5に対する試験を行うための回路構成であり、LDMOS5のN+ドレイン領域22には、抵抗R1の一端が接続され、抵抗R1の他端には、スイッチSW2の一端が接続されている。また、スイッチSW2の他端には、コンデンサC1の一端とスイッチSW1の一端とが接続されている。また、スイッチSW1の他端には、電源V1の正側の電極が接続され、コンデンサC1の他端には、電源V1の負側の電極及びグランドが接続されて接地されている。コンデンサC1の容量は、330pFであり、電源V1の電源電圧は、例えば15kVとなっている。また、ゲート電極層40はオープン(開放)状態となっており、N+ソース領域24は、グランドに接続されて接地されている。
図4で示す試験回路では、スイッチSW1をオン状態にすると共にスイッチSW2をオフ状態にすることで、コンデンサC1が電源V1によって充電される。そして、充電完了後、スイッチSW1をオフ状態に切り替える共にスイッチSW2をオン状態に切り替えることで、コンデンサC1に蓄積された電荷が放出され、コンデンサC1からN+ドレイン領域22を介して半導体装置1内に大きな電流が流れ込むことになる。図5(B)は、このような電流が流れ込む時のLDMOS5内の電位分布及び電流密度分布を示している。一方、図5(A)は、比較例として、図3、図4の構成から誘電体層50を省略した構成に対し、図4の試験回路を用いて同様の電流供給を行った場合の電位分布及び電流密度分布を示している。即ち、図4の構成から誘電体層50を省略した構成において、スイッチSW1をオン状態にすると共にスイッチSW2をオフ状態にすることで、コンデンサC1を充電させ、その充電完了後、スイッチSW1をオフ状態に切り替える共にスイッチSW2をオン状態に切り替えることで、コンデンサC1からN+ドレイン領域22を介して半導体装置1内に大きな電流を流れ込ませたときの電位分布及び電流密度分布を図5(A)で示している。なお、図5では、SOI基板10内の電位分布を等電位線で示している。また、図5では、SOI基板10内の電流密度分布を色の濃淡で示しており、色が薄いほど電流密度が大きくなることを表している。
図5(A)で示す半導体装置101のLDMOS105は、誘電体層50を省略した点以外は図4のLDMOS105と同様であり、SOI基板110にP型チャネル領域123と、N+ソース領域124と、N+ドレイン領域122とが形成され、SOI基板110上にゲート絶縁膜132と、ゲート電極140と、が形成されている。また、N+ソース領域124と、N+ドレイン領域122との間には、STI酸化膜134が形成され、STI酸化膜134の下方側にはNウェル領域121が形成されている。これら、SOI基板110、P型チャネル領域123、N+ソース領域124、N+ドレイン領域122、ゲート絶縁膜132、ゲート電極140、STI酸化膜134、Nウェル領域121のそれぞれの構成は、LDMOS5のSOI基板10、P型チャネル領域23、N+ソース領域24、N+ドレイン領域22、ゲート絶縁膜32、ゲート電極層40、STI酸化膜34、Nウェル領域21のそれぞれの構成と同様である。このLDMOS105では、図4の試験回路を用いた上述の電流供給時に図5(A)に示すような電位分布及び電流密度分布となり、STI酸化膜134の左下方側端部134e付近で生じるアバランシェ降伏の発生速度が3.5×1024cm−3−1となる。一方、図4のようにSOI基板10内に誘電体層50が存在する場合には、図5(B)に示すような電位分布及び電流密度分布となり、誘電体層50が存在しない構成(図5(A))に比べて、STI酸化膜34の左下方側端部34e付近の電界強度が高くなり、その付近の電位勾配が大きくなる。そして、STI酸化膜34の左下方側端部34e付近で生じるアバランシェ降伏の発生速度が1.0×1027cm−3−1となる。
図6に示すように、半導体装置1内には、SOI層11のN−型半導体層11b、P型チャネル領域23、及びN+ソース領域24によってNPN型の寄生バイポーラトランジスタが形成されている。本構成では、SOI基板10内に誘電体層50が存在するため、上述したようにサージ電流が流れ込む際にSTI酸化膜34の左下方側端部34e付近の電界強度が大きくなり、この付近でアバランシェ降伏が発生し易くなる。図7は、半導体装置1にサージ電流が流入して寄生バイポーラトランジスタが動作した時の様子を示す図であり、図7(A)は、電子電流密度分布を示す図であり、図7(B)は、ホール電流密度分布を示す図である。なお、図7でも、SOI基板10内の電位分布を等電位線で示している。また、図7でも、SOI基板10内の電流密度分布を色の濃淡で示しており、色が薄いほど電流密度が大きくなることを表している。
図7(A)(B)に示すように、STI酸化膜34の左下方側端部34e付近でアバランシェ降伏が発生して電子−ホール対が生じると、図7(B)に示すように、ホール(正孔)がベース(P型チャネル領域23)に移動しやすくなる。このように、アバランシェ降伏によって生じたホールがベース(P型チャネル領域23)に移動することによって、寄生バイポーラトランジスタの動作を誘起させることができる。これにより、コレクタ電流が流れ、サージ電流をN+ソース領域24側から抜くことができる。
(誘電体層の構成とESD耐量との関係)
次に、様々な条件で上述したシミュレーションを行った場合での誘電体層50の構成とESD耐量との関係について、図8〜図19に示すシミュレーション結果のデータを用いて説明する。これらの図のうちの図8〜図13は、半導体装置1のESD耐量が誘電体層50の長さL1にどの程度依存するかを示す長さ依存性を示すグラフであり、誘電体層50の厚さT1が0.2μm、誘電率が3.9である構成でのシミュレーション結果をそれぞれ示すものである。なお、図8〜図13のそれぞれの図では、長さL1を0.05μm、0.1μm、0.2μm、0.3μm、0.5μm、0.7μmとした条件でのESD耐量を各点で示している。また、各グラフでは、長さL1を0.05μm、0.1μm、0.2μm、0.3μm、0.5μm、0.7μmとした各条件でのESD耐量(倍率)の具体的数値を0.05μm、0.1μm、0.2μm、0.3μm、0.5μm、0.7μmの各点付近に示している。
長さ依存性を示す図8〜図13のうち、図8、図9は、誘電体層50の配置深さD1が0.8μmである構成でのシミュレーション結果であり、図8(A)〜(C)、図9(A)(B)の各グラフは、それぞれSTI酸化膜34の端部34aからの横方向の距離B1が−0.8μm、−0.4μm、0μm、0.4μm、1.2μmである構成でのシミュレーション結果を示すものである。
図8、図9に示すように、誘電体層50の配置深さD1が0.8μmである構成において、STI酸化膜34の端部34aからの横方向の距離B1が−0.8μm〜1.2μmの範囲にあり、且つ誘電体層50の長さL1が0.05μm〜0.7μmの範囲にある構成では、ESD耐量(半導体装置1において誘電体層50を設けない構成におけるESD耐量に対する倍率で表し、以下同じ)が1.02〜1.50となりESD耐量向上の効果が得られる。従って、図8、図9の条件下では、これらの範囲に含まれる構成で半導体装置1に誘電体層50を設けることが望ましい。特に、図8、図9のシミュレーション条件では、誘電体層50の長さL1が0.1μm〜0.7μmの範囲であれば、いずれの場合でもESD耐量が1.07〜1.50となって十分な効果が得られ、誘電体層50の長さL1が0.2μm〜0.7μmの範囲であれば、いずれの場合でもより効果が高まる。
図8、図9の条件下では、距離B1が−0.8μmであり、且つ誘電体層50の長さL1が0.7μmである構成と、STI酸化膜34の端部34aからの横方向の距離B1が−0.4μmであり、且つ誘電体層50の長さL1が0.2μm〜0.7μmの範囲にある構成では、ESD耐量が1.32〜1.50の範囲となり、より顕著な効果が得られる。また、距離B1が0μmであり、且つ誘電体層50の長さL1が0.1μm〜0.7μmの範囲にある構成と、距離B1が0.4μmであり、且つ誘電体層50の長さL1が0.1μm〜0.7μmの範囲にある構成では、ESD耐量が1.47〜1.50の範囲となり、この場合も顕著な効果が得られる。このため、誘電体層50の配置深さD1が0.8μmである構成では、これらの範囲に含まれる構成で半導体装置1に誘電体層50を設けることがより望ましい。
長さ依存性を示す図8〜図13のうち、図10、図11は、誘電体層50の配置深さD1が1.3μmである構成のシミュレーション結果であり、図10(A)〜(C)、図11(A)(B)は、それぞれSTI酸化膜34の端部34aからの横方向の距離B1が−0.8μm、−0.4μm、0μm、0.4μm、1.2μmである構成のシミュレーション結果である。
図10、図11に示すように、誘電体層50の配置深さD1が1.3μmである構成において、STI酸化膜34の端部34aからの横方向の距離B1が−0.8μm〜1.2μmの範囲にあり、且つ誘電体層50の長さL1が0.1μm〜0.7μmの範囲にある構成では、ESD耐量についての十分な向上効果が得られる。従って、この条件下では、これらの範囲に含まれる構成で半導体装置1に誘電体層50を設けることが望ましい。特に、図10、図11のシミュレーション条件では、誘電体層50の長さL1が0.2μm〜0.7μmの範囲であれば、いずれの場合でもより効果が高まる。
図10、図11の条件下では、深さD1が1.3μmである構成において、距離B1が−0.8μmであり且つ長さL1が0.1μm〜0.7μmの範囲にある構成では、ESD耐量が1.02〜1.21の範囲となり、効果が高い。また、距離B1が−0.4μm〜0.4μmの範囲にあり且つ長さL1が0.05μm〜0.7μmの範囲にある構成と、距離B1が1.2μmであり且つ長さL1が0.1μm〜0.7μmの範囲にある構成では、ESD耐量が1.02〜1.27の範囲となり、効果が高い。従って、この条件下では、これらの範囲に含まれる構成で半導体装置1に誘電体層50を設けることが望ましい。
また、図10、図11に示すように、距離B1が−0.8μmであり且つ長さL1が0.7μmである構成と、距離B1が−0.4μmであり且つ長さL1が0.3μm〜0.7μmの範囲にある構成では、ESD耐量が1.21〜1.27となり、より高い効果が得られる。また、距離B1が0μmであり且つ長さL1が0.1μm〜0.7μmの範囲にある構成と、距離B1が0.4μmであり且つ長さL1が0.1μm〜0.7μmの範囲にある構成では、ESD耐量が1.24〜1.27となり、より高い効果が得られる。従って、この条件下では、これらの範囲に含まれる構成で半導体装置1に誘電体層50を設けることがより一層望ましい。
長さ依存性を示す図8〜図13のうち、図12、図13は、誘電体層50の配置深さD1が1.8μmである構成のシミュレーション結果であり、図12(A)〜(C)、図13(A)(B)は、それぞれSTI酸化膜34の端部34aからの横方向の距離B1が−0.8μm、−0.4μm、0μm、0.4μm、1.2μmである構成のシミュレーション結果である。
図12、図13に示すように、誘電体層50の配置深さD1が1.8μmである構成では、STI酸化膜34の端部34aからの横方向の距離B1が−0.4μm〜0.4μmの範囲であり、誘電体層50の長さL1が0.2μm〜0.7μmの範囲でより効果が得られる。従って、この条件下では、これらの範囲に含まれる構成で半導体装置1に誘電体層50を設けることが望ましい。
図12、図13の条件下では、距離B1が−0.8μmであり且つ長さL1が0.7μmである構成と、距離B1が−0.4μmであり且つ長さL1が0.2μm〜0.7μmの範囲にある構成では、ESD耐量が1.02〜1.06の範囲となる。また、距離B1が0μmであり且つ長さL1が0.2μm〜0.7μmの範囲にある構成と、距離B1が0.4μmであり且つ長さL1が0.1μm〜0.7μmの範囲にある構成では、ESD耐量が1.03〜1.06の範囲となる。そのため、この条件下では、これらの範囲に含まれる構成で半導体装置1に誘電体層50を設けることがより望ましい。
図14〜図19は、半導体装置1のESD耐量が誘電体層50の厚さT1にどの程度依存するかを示す厚さ依存性を示すグラフである。図14〜図19は、誘電体層50の長さL1が0.2μmであり、誘電率が3.9である構成に関するシミュレーション結果である。また、図14〜図19のそれぞれの図では、厚さT1を0.05μm、0.1μm、0.2μm、0.3μm、0.5μm、0.7μmとした条件でのESD耐量を各点で示している。また、各グラフでは、厚さT1を0.05μm、0.1μm、0.2μm、0.3μm、0.5μm、0.7μmとした各条件でのESD耐量(倍率)の具体的数値を0.05μm、0.1μm、0.2μm、0.3μm、0.5μm、0.7μmの各点付近に示している。
厚さ依存性を示す図14〜図19のうち、図14、図15は、誘電体層50の配置深さD1が0.8μmである構成のシミュレーション結果であり、図14(A)〜(C)、図15(A)(B)は、それぞれSTI酸化膜34の端部34aからの横方向の距離B1が−0.8μm、−0.4μm、0μm、0.4μm、1.2μmである構成のシミュレーション結果である。
図14、図15のシミュレーション条件では、誘電体層50の厚さT1が0.05μm〜0.7μmの範囲であれば、いずれの場合でも効果が得られ、誘電体層50の厚さT1が0.1μm〜0.7μmの範囲であれば、いずれの場合でも効果が高まる。更に、厚さT1が0.2μm〜0.7μmの範囲であればより高い効果が得られる。
図14、図15に示すように、誘電体層50の配置深さD1が0.8μmである構成において、STI酸化膜34の端部34aからの横方向の距離B1が−0.8μm〜1.2μmの範囲にあり、且つ誘電体層50の厚さT1が0.05μm〜0.7μmの範囲にある構成では、ESD耐量が1.02〜1.50の範囲となる。そのため、誘電体層50の配置深さD1が0.8μmである構成においてESD耐量を向上させるために、これらの範囲に含まれる構成で半導体装置1に誘電体層50を設けることが望ましい。
また、図14、図15に示すように、STI酸化膜34の端部34aからの横方向の距離B1が0μmであり、且つ誘電体層50の厚さT1が0.2μm〜0.7μmの範囲にある構成と、STI酸化膜34の端部34aからの横方向の距離B1が0.4μmであり、且つ誘電体層50の厚さT1が0.2μm〜0.7μmの範囲にある構成では、ESD耐量が1.47〜1.50の範囲となる。そのため、誘電体層50の配置深さD1が0.8μmである構成においてESD耐量を向上させるために、これらの範囲に含まれる構成で半導体装置1に誘電体層50を設けることが望ましい。
さらに、図14、図15に示すように、STI酸化膜34の端部34aからの横方向の距離B1が0.4μmであり、且つ誘電体層50の厚さT1が0.2μm〜0.7μmの範囲にある構成では、ESD耐量が1.50となる。そのため、誘電体層50の配置深さD1が0.8μmである構成においてESD耐量を向上させるために、これらの範囲に含まれる構成で半導体装置1に誘電体層50を設けることがより一層望ましい。
厚さ依存性を示す図14〜図19のうち、図16、図17は、誘電体層50の配置深さD1が1.3μmである構成のシミュレーション結果であり、図16(A)〜(C)、図17(A)(B)は、それぞれSTI酸化膜34の端部34aからの横方向の距離B1が−0.8μm、−0.4μm、0μm、0.4μm、1.2μmである構成のシミュレーション結果である。
図16、図17のシミュレーション条件では、誘電体層50の厚さT1が0.05μm〜0.7μmの範囲であれば、いずれの場合でも効果が得られ、誘電体層50の厚さT1が0.1μm〜0.7μmの範囲であれば、いずれの場合でも効果が高まる。更に、厚さT1が0.2μm〜0.7μmの範囲であればより高い効果が得られる。
図16、図17に示すように、誘電体層50の配置深さD1が1.3μmである構成において、STI酸化膜34の端部34aからの横方向の距離B1が−0.8μmであり、且つ誘電体層50の厚さT1が0.1μm〜0.7μmの範囲にある構成では、ESD耐量が1.01〜1.02の範囲となる。また、STI酸化膜34の端部34aからの横方向の距離B1が−0.4μm〜0.4μmの範囲にあり、且つ誘電体層50の厚さT1が0.05μm〜0.7μmの範囲にある構成と、STI酸化膜34の端部34aからの横方向の距離B1が1.2μmであり、且つ誘電体層50の厚さT1が0.1μm〜0.7μmの範囲にある構成では、ESD耐量が1.02〜1.27の範囲となる。そのため、誘電体層50の配置深さD1が1.3μmである構成においてESD耐量を向上させるために、これらの範囲に含まれる構成で半導体装置1に誘電体層50を設けることが望ましい。
また、図16、図17に示すように、STI酸化膜34の端部34aからの横方向の距離B1が0μmであり、且つ誘電体層50の厚さT1が0.2μm〜0.7μmの範囲にある構成と、STI酸化膜34の端部34aからの横方向の距離B1が0.4μmであり、且つ誘電体層50の厚さT1が0.2μm〜0.7μmの範囲にある構成では、ESD耐量が1.24〜1.27の範囲となる。そのため、誘電体層50の配置深さD1が1.3μmである構成においてESD耐量を向上させるために、これらの範囲に含まれる構成で半導体装置1に誘電体層50を設けることが望ましい。
さらに、図16、図17に示すように、STI酸化膜34の端部34aからの横方向の距離B1が0.4μmであり、且つ誘電体層50の厚さT1が0.2μm〜0.7μmの範囲にある構成では、ESD耐量が1.27となる。そのため、誘電体層50の配置深さD1が1.3μmである構成においてESD耐量を向上させるために、これらの範囲に含まれる構成で半導体装置1に誘電体層50を設けることがより一層望ましい。
厚さ依存性を示す図14〜図19のうち、図18、図19は、誘電体層50の配置深さD1が1.8μmである構成のシミュレーション結果であり、図18(A)〜(C)、図19(A)(B)は、それぞれSTI酸化膜34の端部34aからの横方向の距離B1が−0.8μm、−0.4μm、0μm、0.4μm、1.2μmである構成のシミュレーション結果である。
図18、図19に示すように、誘電体層50の配置深さD1が1.8μmである構成では、STI酸化膜34の端部34aからの横方向の距離B1が0μm〜0.4μmの範囲であり、誘電体層50の厚さT1が0.1μm〜0.7μmの範囲でより効果が得られる。従って、この条件下では、これらの範囲に含まれる構成で半導体装置1に誘電体層50を設けることが望ましい。
図18、図19に示すように、誘電体層50の配置深さD1が1.8μmである構成において、STI酸化膜34の端部34aからの横方向の距離B1が0μmであり、且つ誘電体層50の厚さT1が0.1μm〜0.7μmの範囲にある構成と、STI酸化膜34の端部34aからの横方向の距離B1が0.4μmであり、且つ誘電体層50の厚さT1が0.1μm〜0.7μmの範囲にある構成では、ESD耐量が1.02〜1.06の範囲となる。そのため、誘電体層50の配置深さD1が1.8μmである構成においてESD耐量を向上させるために、これらの範囲に含まれる構成で半導体装置1に誘電体層50を設けることが望ましい。
また、図18、図19に示すように、STI酸化膜34の端部34aからの横方向の距離B1が0μmであり、且つ誘電体層50の厚さT1が0.2μm〜0.7μmの範囲にある構成と、STI酸化膜34の端部34aからの横方向の距離B1が0.4μmであり、且つ誘電体層50の厚さT1が0.1μm〜0.7μmの範囲にある構成では、ESD耐量が1.03〜1.06の範囲となる。そのため、誘電体層50の配置深さD1が1.8μmである構成においてESD耐量を向上させるために、これらの範囲に含まれる構成で半導体装置1に誘電体層50を設けることが望ましい。
さらに、図18、図19に示すように、STI酸化膜34の端部34aからの横方向の距離B1が0.4μmであり、且つ誘電体層50の厚さT1が0.2μm〜0.7μmの範囲にある構成では、ESD耐量が1.06となる。そのため、誘電体層50の配置深さD1が1.8μmである構成においてESD耐量を向上させるために、これらの範囲に含まれる構成で半導体装置1に誘電体層50を設けることがより一層望ましい。
図20、図21は、半導体装置1におけるESD耐量のSTI酸化膜34の端部34aからの横方向の距離B1依存性を示す図である。なお、図20、図21は、誘電体層50の厚さT1が0.3μmであり、長さL1が0.2μmであり、誘電率が3.9である構成に関する図である。また、図20(A)〜(C)、図21(A)(B)は、それぞれ誘電体層50の配置深さD1が0.8μm、0.9μm、1.3μm、1.5μm、1.8μmである構成に関する図である。また、図20、図21のそれぞれの図では、STI酸化膜34の端部34aからの横方向の距離B1を−2.4μm、−2.0μm、−1.6μm、−1.2μm、−0.8μm、−0.4μm、0.0μm、0.4μm、0.8μm、1.2μm、1.4μm、1.6μmとした条件でのESD耐量を各点で示している。また、各グラフでは、距離B1を−2.4μm、−2.0μm、−1.6μm、−1.2μm、−0.8μm、−0.4μm、0.0μm、0.4μm、0.8μm、1.2μm、1.4μm、1.6μmとした条件でのESD耐量(倍率)の具体的数値を−2.4μm、−2.0μm、−1.6μm、−1.2μm、−0.8μm、−0.4μm、0.0μm、0.4μm、0.8μm、1.2μm、1.4μm、1.6μmの各点付近に示している。
図20、図21に示すように、厚さT1が0.3であり、距離L1が0.2であり、深さD1が0.8μm〜1.8μmの範囲では、距離B1が0μm〜1.2μmの範囲で効果が得られる。従って、この条件下では、これらの範囲に含まれる構成で半導体装置1に誘電体層50を設けることが望ましい。また、深さD1が0.8μm〜1.3μmの範囲では、距離B1が−0.8μm〜1.4μmの範囲で効果が得られ、効果の範囲が広がる。また、深さD1が0.8μm〜1.3μmの範囲において、距離B1が0μm〜0.8μmの範囲ではより顕著な効果が得られる。
図20、図21の条件下では、誘電体層50の配置深さD1が0.8μmであり、且つSTI酸化膜34の端部34aからの横方向の距離B1が−0.8μm〜1.4μmの範囲にある構成と、誘電体層50の配置深さD1が0.9μmであり、且つSTI酸化膜34の端部34aからの横方向の距離B1が−0.8μm〜1.4μmの範囲にある構成では、ESD耐量が1.04〜1.50の範囲となる。また、誘電体層50の配置深さD1が1.3μmであり、且つSTI酸化膜34の端部34aからの横方向の距離B1が−0.8μm〜1.4μmの範囲にある構成と、誘電体層50の配置深さD1が1.5μmであり、且つSTI酸化膜34の端部34aからの横方向の距離B1が−0.4μm〜1.2μmの範囲にある構成と、誘電体層50の配置深さD1が1.8μmであり、且つSTI酸化膜34の端部34aからの横方向の距離B1が0μm〜1.2μmの範囲にある構成では、ESD耐量が1.01〜1.50の範囲となる。そのため、誘電体層50の厚さT1が0.3μmであり、長さL1が0.2μmであり、誘電率が3.9である構成において、ESD耐量を向上させるために、これらの範囲に含まれる構成で半導体装置1に誘電体層50を設けることが望ましい。
なお、図20、図21に示すように、STI酸化膜34の端部34aからの横方向の距離B1が−0.8μm〜1.4μmの範囲にある構成において、誘電体層50の配置深さD1が大きくなるほど(D1が0.8μmから1.8μmに近づくほど)、ESD耐量は小さくなる。
(半導体装置の製造方法)
次に、半導体装置1の製造方法について、図22〜図25を参照して説明する。
まず、シリコンからなる支持基板12上にシリコン酸化膜(SiO)からなる埋込酸化膜13を介してシリコンからなるSOI層11を積層して形成されるSOI基板10を用意し、トレンチ分離部14を形成する(図22(A)参照)。なお、SOI層11は、埋込酸化膜13上に形成されたN型半導体層11aにN−型半導体層11bをエピタキシャル成長させることによって構成される。また、トレンチ分離部14は、SOI層11の表面から埋込酸化膜13に達するトレンチ14aを形成し、このトレンチ14a内を充填するように埋込膜14bを埋め込むことによって形成される。
次に、SOI基板10の上面10bにリソグラフィなどによってマスクMを形成し、リンをピーク濃度が5.0×1017cm−3程度となるようにイオン注入した後、熱処理(アニール)して活性化させ、SOI基板10の上面10b側に厚さが1.7μm程度のNウェル領域21を形成する(図22(B))。そして、表面を熱酸化させ、SiO膜90を425Å程度形成し、この上にSiN膜80を1650Å程度堆積させる。このSiN膜80の上を、レジスト(マスクM)で覆い(図22(C))、SiO膜90及びSiN膜80をエッチングし、SiN膜81,82によって上面が覆われたSiO膜91,92が形成される(図23(A))。
次に、熱酸化によってシリコン表面(SOI基板10の上面10b)を酸化させ、SiOよりなるSTI酸化膜或いはLOCOS酸化膜を形成する(図23(B))。なお、以下では後述する第2実施形態のようなLOCOS酸化膜95,96を6900Å程度形成した例を代表例として以下の工程を説明するが、LOCOS酸化膜に代えてSTI酸化膜を形成すれば、上述した構成と同様になる。
STI酸化膜或いはLOCOS酸化膜を形成した後には、SiN膜80を除去して熱酸化等によりSOI基板10の上面10aにゲート絶縁膜93を250Å程度の膜厚で形成し(図23(B))、さらにポリシリコン膜などからなるゲート電極41を形成する(図23(C))。
続いて、マスクMを形成した後、ボロンをピーク濃度が5.0×1017cm−3程度となるようにイオン注入した後、熱処理(アニール)して活性化させ、SOI基板10の上面10a側に厚さが1.15μm程度のP型チャネル領域23を形成する(図24(A))。そして、SOI基板10の上面10aにおけるマスクMの覆う部分を変えて、P型チャネル領域23及びNウェル領域21に、それぞれヒ素をピーク濃度が3.0×1020cm−3程度となるようにイオン注入した後、熱処理(アニール)して活性化させ、厚さが0.25μm程度のN+ソース領域24及びN+ドレイン領域22を形成する(図24(B))。このようにして、SOI基板10の上面10aにLDMOS5を形成する。
次に、SOI基板10の上面10aにおけるマスクMの覆う部分を変えて、SOI基板10のN−型半導体層11bに、酸素イオンを高エネルギー且つ高濃度(例えば、ドーズ量が1.0×1017/cm、エネルギーが200keV程度)で注入する(図25(A))。そして、熱処理(アニール)することで、SOI基板10の内部におけるSTI酸化膜或いはLOCOS酸化膜(図25の例では、LOCOS酸化膜95)の下方側においてその酸化膜から離れた位置にSiOからなる誘電体層50を形成する(図25(B))。なお、誘電体層50の配置や形状に関する上述のB1,L1、T1、D1の条件は、様々に設定することができ、特に上述した望ましい値で設定すると良い。
このようにLDMOS5を形成した後には、公知の方法でLDMOS5上に絶縁膜や導電層(上述した、絶縁膜37、38、39や、第1配線層61a〜61c、第2配線層62a〜62c、第3配線層63a,63c、第4配線層64a,64c、第1ビア71a〜71c、第2ビア72a,72c、第3ビア73a,73cなど)を形成する。
[第1実施形態の変更例]
次に、第1実施形態の変更例に係る半導体装置の製造方法について図26、図27を用いて説明する。上記第1実施形態の代表例に係る半導体装置では、STI酸化膜34の左右方向の長さが例えば1.53μm程度の例を示した。しかしながら、このようなSTI酸化膜34の構成に限らず、その他のSTI酸化膜34の構成を採用してもよい。例えば、図26、図27に示すように、STI酸化膜34の左右方向の長さW3を例えば1.4μmとし、アキュムレーション長W2を例えば3.2μmとする構成を半導体装置1に適用してもよい。このような構成によっても、上記第1実施形態と同様の効果を奏することができる。なお、この例でも、誘電体層50の配置や形状に関するB1,L1、T1、D1は様々に設定することができ、例えば、第1実施形態で望ましい範囲とされた条件で設定すると良い。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る半導体装置1について、図28、図29を用いて説明する。本第2実施形態の半導体装置1は、主に第2絶縁体層がLOCOS酸化膜95として構成されている点が第1実施形態と異なり、それ以外は第1実施形態と同一である。そのため、第1実施形態と同様の構成については第1実施形態と同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。以下、上記第1実施形態と異なる構成を主に説明する。
本第2実施形態に係る半導体装置1は、図28、図29に示すように、SOI基板10の上面側において、P型チャネル領域23とN+ドレイン領域22との間にLOCOS酸化膜95を形成した構成となっている。具体的には、図28、図29に示すように、SOI基板10の上面にSiOからなる6900Å程度の膜厚のLOCOS酸化膜95が設けられている。また、SiOからなる250Å程度のゲート絶縁膜93と、ポリシリコン膜などからなるゲート電極41とが設けられている。そして、図28、図29に示すように、誘電体層50が、SOI基板10の内部において、SOI基板10の表面及びP型チャネル領域23から離れた位置であって且つLOCOS酸化膜95の下方側に配置された構成となっている。また、N+ソース領域24の一部、ゲート電極41、及びLOCOS酸化膜95の一部を上方から覆うようにSiOからなる酸化膜として6700Å程度の膜厚のPSG膜97が設けられている。さらに、エッチングなどによってコンタクトが形成され、Al膜よりなる第1配線層61a,61bが形成されている。
この例では、第1実施形態で示したSTI酸化膜34の左側端部34aから誘電体層50の左側端部50aまでの横方向(左右方向)の距離B1(図3等)の代わりに、図29のように、LOCOS酸化膜95の左側端部の位置(図29に示すHのラインの位置)から誘電体層50の左側端部の位置までの横方向(左右方向)の距離をB1としている。そして、この例でも、誘電体層50の配置や形状に関するB1,L1、T1、D1は様々に設定することができ、例えば、第1実施形態で望ましい範囲とされた条件で設定すると良い。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る半導体装置1について、図30、図31を用いて説明する。本第3実施形態の半導体装置1は、第1実施形態の代表例を基本構成として誘電体層50の誘電率を様々に変化させた点が第1実施形態と異なり、誘電体層50の誘電率以外は第1実施形態と同一である。そのため、第1実施形態と同様の構成については第1実施形態と同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。以下、上記第1実施形態と異なる構成を主に説明する。
まず、誘電体層50の誘電率とESD耐量の関係について説明する。図30(A)は、誘電体層50の誘電率が3.9とされた第1実施形態の代表例についての等電位線及び電流密度を示す断面概略図であり、図30(B)は、誘電体層50の誘電率が5000とされた第3実施形態に係る構成の等電位線及び電流密度を示す断面概略図である。なお、図30(A)(B)の構成はいずれも、誘電体層50の厚さT1が0.3μmであり、長さL1が0.2μmであり、深さD1が0.9μmである。図30(A)(B)でも明らかなように、誘電体層50の誘電率が大きいほど、誘電体層50がSOI基板10内において電気力線をより引き付けることになり、STI酸化膜34の端部付近での電位集中をより大きくすることができる。
また、図31は、図1の半導体装置1において、誘電体層50の厚さT1を0.3μmとし、長さL1を0.2μmとし、深さD1を0.9μmとし、誘電率をそれぞれ3.9、1000、5000とした場合における、ESD耐量と距離B1(STI酸化膜34の端部‐誘電体層50間の距離)との関係を示すグラフである。なお、距離B1は上述したように、STI酸化膜34の左側端部34aの位置(図3に示すGのラインの位置)から誘電体層50の左側端部50aまでの横方向(左右方向)の距離である。また、図31では、誘電率をそれぞれ3.9、1000、5000とした場合において、距離B1を−2.4μm、−2.0μm、−1.6μm、−1.2μm、−0.8μm、−0.4μm、0.0μm、0.4μm、0.8μm、1.2μm、1.4μm、1.6μmとした条件でのESD耐量を示している。図31から分かるように、誘電体層50の誘電率がそれぞれ3.9、1000、5000のどの構成においても、STI端からの距離B1が−0.8μm〜1.4μmの範囲で十分な効果が得られ、誘電体層50の誘電率が3.9よりも大きい構成(具体的には、誘電率が1000以上の構成)となると、STI端からの距離B1が−1.6μm〜1.6μmの範囲で十分な効果が得られ、十分な効果が得られる範囲を広げることができる。とくに、誘電体層50の誘電率が3.9以上のいずれの例でも、STI端からの距離B1が−0.4μm〜1.2μmの範囲でより一層効果が得られ、誘電体層50の誘電率が3.9以上のいずれの例でも、STI端からの距離B1が0μm〜0.8μmの範囲で顕著な効果が得られる。
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
上記実施形態では、半導体基板としてSOI基板10を例示したが、SOI構造に限定されずバルク構造の基板であってもよい。
上記いずれの実施形態のいずれの構成においても、誘電体層50のB1、L1、T1、D1の条件は様々に設定することができる。より望ましくは、いずれの場合でも、SOI基板10の内部における第2絶縁体層の直下領域に誘電体層50の少なくとも一部が配置されていると良い。より望ましくは、いずれの構成でも、N+ソース領域24とN+ドレイン領域22とが向かい合う所定の横方向(左右方向)において、誘電体層50のN+ソース領域24側の端部は、P型チャネル領域23よりもN+ドレイン領域22側に配置されていると良い。また、いずれの場合でも、SOI基板10の板厚方向(上下方向)において、誘電体層50の上端部がP型チャネル領域23の下端部よりも上方位置に配置されていることが望ましい。また、いずれの場合でも、上記横方向(左右方向)において、誘電体層50のN+ドレイン領域22側の端部は、第2絶縁体層におけるN+ドレイン領域22側の端部よりもN+ソース領域24側に配置されていると良い。
より具体的には、いずれの実施形態のいずれの構成でも、SOI基板10の板厚方向(上下方向)における第2絶縁体層から誘電体層50までの距離(深さ)D1が1.8μm以下であることが望ましい。また、いずれの実施形態のいずれの構成でも、誘電体層50の板厚方向(上下方向)の長さ(厚さ)T1が0.2μm以上であることが望ましい。また、いずれの実施形態のいずれの構成でも、N+ソース領域24とN+ドレイン領域22とが向かい合う所定の横方向における誘電体層50の長さL1が0.1μm以上であることが望ましい。
1…半導体装置
10…SOI基板(半導体基板)
11b…N−型半導体層(第1半導体領域)
22…N+ドレイン領域(第4半導体領域)
23…P型チャネル領域(第2半導体領域)
24…N+ソース領域(第3半導体領域)
32,93…ゲート絶縁膜(第1絶縁体層)
34…STI酸化膜(第2絶縁体層)
40,41…ゲート電極
50…誘電体層
95…LOCOS酸化膜(第2絶縁体層)

Claims (8)

  1. 板厚方向の一方側に上面が構成され、少なくとも前記上面側に第1導電型の第1半導体領域(11b)が構成された半導体基板(10)と、
    前記半導体基板の前記上面側に配置され、チャネル領域として構成された第2導電型の第2半導体領域(23)と、
    前記半導体基板の前記上面側において前記第1半導体領域から離れた位置に形成され、前記第1半導体領域との間に前記第2半導体領域を介在させて配置された前記第1導電型の第3半導体領域(24)と、
    前記半導体基板の前記上面側において、前記第2半導体領域及び前記第3半導体領域から離れた位置に形成された前記第1導電型の第4半導体領域(22)と、
    前記半導体基板の上方において少なくとも前記第2半導体領域を覆う位置に配置された第1絶縁体層(32,93)と、
    前記第1絶縁体層の上方側を覆う構成で少なくとも前記第2半導体領域の上方領域に配置されたゲート電極層(40,41)と、
    前記半導体基板の上面側において前記第2半導体領域と前記第4半導体領域との間に形成された第2絶縁体層(34、95)と、
    前記半導体基板の内部において前記第2絶縁体層の下方側且つ前記第2絶縁体層から離れた位置に形成された誘電体材料からなる誘電体層(50)と、
    を備えることを特徴とする半導体装置(1)。
  2. 前記半導体基板の内部における前記第2絶縁体層の直下領域に前記誘電体層の少なくとも一部が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記第3半導体領域と前記第4半導体領域とが向かい合う所定の横方向において、前記誘電体層の前記第3半導体領域側の端部は、前記第2半導体領域よりも前記第4半導体領域側に配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の半導体装置。
  4. 前記板厚方向において、前記誘電体層の上端部が前記第2半導体領域の下端部よりも上方位置に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の半導体装置。
  5. 前記第3半導体領域と前記第4半導体領域とが向かい合う所定の横方向において、前記誘電体層の前記第4半導体領域側の端部は、前記第2絶縁体層における前記第4半導体領域側の端部よりも前記第3半導体領域側に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の半導体装置。
  6. 前記板厚方向における前記第2絶縁体層から前記誘電体層までの距離が1.8μm以下であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の半導体装置。
  7. 前記誘電体層の前記板厚方向の長さが0.2μm以上であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の半導体装置。
  8. 前記第3半導体領域と前記第4半導体領域とが向かい合う所定の横方向における前記誘電体層の長さが0.1μm以上であることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の半導体装置。
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