JP2016044739A - 伸縮アクチュエータ - Google Patents

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Abstract

【課題】送りねじ軸と送りナットとの摺動部位のねじ面に発生するくさび効果による異音や打音の発生を低減すること。【解決手段】雄ねじ部材112と雌ねじ部材114とからなる送りねじ機構48と、モータ42の出力を送りねじ機構48に伝達する弾性カップリング46と、送りねじ機構48によって変位する出力ロッド32とを有し、送りねじ機構48側に向かって突出するキャリア78の爪部85と、キャリア78側に向かって突出し爪部85と周方向で重なる位置に配置される入力フランジ86の爪部100とを備え、弾性カップリング46は、爪部85と爪部100との間に配置され、弾性変形可能に設けられる腕部46bと、腕部46bに設けられてキャリア78側に向かって突出する突出部96と、送りねじ機構48側からキャリア78側に向かって突出部96を押圧する弾性突起部200とを有する。【選択図】図3

Description

本発明は、軸方向に沿った一端部が車体に接続されると共に、他端部がナックルに接続される伸縮アクチュエータに関する。
従来技術として、例えば、特許文献1には、ホイールガイド部材の長さを調節するために、モータの回転運動をプッシュロッド(出力軸)の往復直線運動に変換するボールねじ機構が開示されている。
このボールねじ機構は、プッシュロッドと一体に同軸に形成されるボールねじ軸と、ボールねじ軸に外嵌されるねじ付ナットと、ボールねじ軸とねじ付ナットとの間で転動する複数のボールとから構成されている。
特表2012−511465号公報
ところで、特許文献1に開示された構造では、ボールねじ機構が用いられているが、製造コストを削減するために、ボールねじ軸に代替して、例えば、台形ねじ等の送りねじ機構に置き換える必要がある。
送りねじ機構を用いた場合、例えば、送りねじ機構に対し、送りねじ軸の軸方向と略直交する方向の横荷重が付与された場合、送りねじ軸の山部と送りナットの谷部とが嵌合する。この結果、送りねじ軸と送りナットとの摺動部位のねじ面には、くさび効果(wedge effect)が発生して、スティックスリップ現象による振動が発生するおそれがある。これにより、アクチュエータの作動時に異音が発生すると共に、出力ロッドが軸方向の変位のみならず回転方向にも振動し、出力ロッドを回転可能に軸支するスライドベアリングが摩耗し、スライドベアリングと出力ロッドとの間のクリアランスが大きくなって打音が発生し、商品性が低下する。
本発明は、前記の点に鑑みてなされたものであり、送りねじ軸と送りナットとの摺動部位のねじ面に発生するくさび効果による異音や打音の発生を低減することが可能な伸縮アクチュエータを提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、送りねじ軸と前記送りねじ軸に螺合する送りナットとからなり、電動機の回転運動を往復直線運動に変換する送りねじ機構と、出力部材を介して前記電動機の出力を前記送りねじ機構に伝達する弾性カップリングと、前記送りねじ機構によって変位する出力ロッドとを有し、軸方向に沿った一端部が車体に接続されると共に、他端部がナックルに接続される伸縮アクチュエータにおいて、前記出力部材に設けられ、前記送りねじ機構側に向かって突出する第1爪部と、前記送りねじ機構に設けられ、前記出力部材側に向かって突出し前記第1爪部と周方向で重なる位置に配置される第2爪部と、を備え、前記弾性カップリングは、前記第1爪部と前記第2爪部との間に配置され、弾性変形可能に設けられる腕部と、前記腕部に設けられ、前記出力部材側に向かって突出する突出部と、前記送りねじ機構側から前記出力部材側に向かって前記突出部を付勢する付勢手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、付勢手段によって送りねじ機構側から出力部材側に向かって突出部が付勢されることで、腕部が弾性変形する。この腕部の弾性変形によって突出部が確実に出力部材側に押圧されると共に、第1爪部と第2爪部との間に挟まれた腕部は、剛性が高くなり、突出部に対して摩擦力が付与される。従って、送りねじ機構の慣性質量と弾性カップリングの捩じりばねとによって発生する振動を、突出部で発生する摩擦力によって減衰させることができる。この結果、送りねじ軸と送りナットとの摺動部位のねじ面の静摩擦力と動摩擦力との差によって発生するスティックスリップ現象による異音や打音の発生を低減することができる。
また、本発明によれば、弾性カップリングの弾性突起部によって送りねじ軸を軸方向に押圧することができると共に、出力部材に対する突出部の摩擦力による減衰効果によって、電動機と送りねじ機構との間に配置される構成要素を軸方向に沿って与圧することができる。この結果、電動機と送りねじ機構との間の軸方向のガタによる打音の発生を抑制し、商品性が良好な伸縮アクチュエータを得ることができる。また、スティックスリップ現象による送りねじ軸の回転方向の振動を抑制できるので、作用反作用の関係で振動する出力ロッドの回転方向の振動を低減することができる。
さらに、本発明によれば、送りねじ軸の摺動による振動を弾性カップリングの突出部の摩擦力によって低減することができる。この結果、アクチュエータの作動時に発生する異音を抑制し、静粛性の高い伸縮アクチュエータを得ることができる。
さらにまた、本発明によれば、スティックスリップ現象による送りねじ軸の回転方向の振動を低減することにより、送りねじ軸に付与される応力振幅が低減する。これにより、送りねじ軸の耐久性を向上させることができる。
また、本発明は、前記付勢手段は、前記弾性カップリングに設けられ、前記送りねじ機構側に向かって突出する弾性突起部であることを特徴とする。
本発明によれば、送りねじ機構側に向かって突出する弾性突起部を、例えば、弾性カップリングと一体的に形成することで、容易に製造することができると共に、組付作業を簡便に遂行することができる。
本発明では、送りねじ軸と送りナットとの摺動部位のねじ面に発生するくさび効果による異音や打音の発生を低減することが可能な伸縮アクチュエータを得ることができる。
本発明の実施形態に係るトーコントロールアクチュエータが組み込まれたリヤサスペンション装置の斜視図である。 図1の矢印A方向からみた矢視図である。 本発明の実施形態に係るトーコントロールアクチュエータの軸線L方向に沿った縦断面図である。 トーコントロールアクチュエータを構成する遊星歯車機構の分解斜視図である。 図3のV−V線に沿った拡大縦断面図である。 (a)は、キャリア側から見た弾性カップリングの拡大正面図、(b)は、(a)のVIB−VIB線に沿った拡大断面図である。 (a)は、キャリアが時計回り方向に回転したときの、弾性カップリングの腕部と、キャリアの爪部と、入力フランジの爪部との係合状態を示す正面図、(b)は、キャリアが反時計回り方向に回転したときの、弾性カップリングの腕部と、キャリアの爪部と、入力フランジの爪部との係合状態を示す正面図である。 弾性カップリングの腕部に設けられた突出部の制振作用の説明に供される側面図であり、(a)は、静止状態のとき、(b)は、回転状態のときをそれぞれ示している。 本実施形態における振動系のモデルを示す模式図である。 (a)は、変形例に係る弾性カップリングの正面図、(b)は、(a)のXB−XB線に沿った縦断面図である。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係るトーコントロールアクチュエータが組み込まれたリヤサスペンション装置の斜視図、図2は、図1の矢印A方向からみた矢視図である。なお、各図中に矢印で示される、「前後」は、車両の前後方向を示し、「上下」は、車両の上下方向(鉛直方向)を示し、「左右」は、左右方向(車幅方向)を示している。
図1及び図2に示されるリヤサスペンション装置10は、ダブルウィッシュボーン式からなり、図示しない四輪操舵車両の左後輪に配置されている。このリヤサスペンション装置10は、後輪Wを回転自在に支持するナックル12と、ナックル12を上下動可能に車体フレームに連結するアッパアーム14及びロアアーム16と、後輪Wのトー角を制御すべくナックル12及び図示しない車体フレームを連結するトーコントロールアクチュエータ(伸縮アクチュエータ)18と、後輪Wの上下動を緩衝する懸架ばね付きダンパ20を含んで構成されている。
アッパアーム14及びロアアーム16の基端は、それぞれゴムブッシュジョイント22a、22bによって図示しない車体フレームに連結されている。アッパアーム14及びロアアーム16の先端は、それぞれボールジョイント24a、24bを介してナックル12の上部及び下部に連結されている。
トーコントロールアクチュエータ18の基端は、ゴムブッシュジョイント26aを介して図示しない車体フレームに連結されている。トーコントロールアクチュエータ18の先端は、ゴムブッシュジョイント26bを介してナックル12の後部に連結されている。
懸架ばね付きダンパ20の上端は、車体(図2に示すサスペンションタワーの上壁28)に固定されている。懸架ばね付きダンパ20の下端は、ゴムブッシュジョイント26cを介してナックル12の上部に連結されている。
トーコントロールアクチュエータ18を伸長方向に駆動すると、ナックル12の後部が車幅方向外側に押されて後輪Wのトー角がトーイン方向に変化する。一方、トーコントロールアクチュエータ18を収縮方向に駆動すると、ナックル12の後部が車幅方向内側に引っ張られて後輪Wのトー角がトーアウト方向に変化する。従って、図示しないステアリングホイールの操作による通常の前輪の操舵に加えて、車速やステアリングホイールの操舵角に応じて後輪Wのトー角を制御することで、車両の直進安定性能や旋回性能を向上させることができる。
次に、図3〜図6に基づいて、トーコントロールアクチュエータ18の構造を以下詳細に説明する。
図3は、本発明の実施形態に係るトーコントロールアクチュエータの軸線L方向に沿った縦断面図、図4は、トーコントロールアクチュエータを構成する遊星歯車機構の分解斜視図、図5は、図3のV−V線に沿った拡大縦断面図、図6(a)は、キャリア側から見た弾性カップリングの拡大正面図、図6(b)は、図6(a)のVIB−VIB線に沿った拡大断面図である。
図3に示されるように、トーコントロールアクチュエータ18は、車体フレーム側に連結されるゴムブッシュジョイント26aが一体に設けられた第1ハウジング30aと、ナックル12側に連結されるゴムブッシュジョイント26bが一体に設けられた出力ロッド32を伸縮自在に支持する第2ハウジング30bとを備える。第1ハウジング30a及び第2ハウジング30bの対向部は、シール部材34を介してインロー嵌合した状態で、各々の結合フランジ36a、36bを複数のボルト38で締結することにより一体的に結合されている。
第1ハウジング30aの内部の室40aには、駆動源となるブラシ付きのモータ(電動機)42と、減速機として機能する遊星歯車機構44(図4参照)とが収納されている。第2ハウジング30bの内部の室40bには、弾性カップリング46と、台形ねじを用いた送りねじ機構48とが収納されている。これらのモータ42、遊星歯車機構44、弾性カップリング46、及び、送りねじ機構48は、それぞれ、トーコントロールアクチュエータ18の軸線L上に直列に配置されている。
モータ42は、第1ハウジング30a側に固定される環状のステータ50と、ステータ50内で回転可能に支持されるロータ52とを備える。モータ42の外郭は、フランジ54を有するカップ状に形成されたヨーク56と、ヨーク56のフランジ54に突き当てられて固定されるベアリングホルダ58とによって構成されている。ロータ52は、棒状の回転軸(モータ軸)60を有する。回転軸60の一端は、ヨーク56の底部に設けられたボールベアリング62aに回転自在に支持されている。回転軸60の他端は、ベアリングホルダ58に設けられたボールベアリング62bに回転自在に支持されている。
ベアリングホルダ58の内面には、回転軸60の外周面に係止されて回転軸60と一体的に回転するコミュテータ64に摺接するブラシ66が支持されている。ブラシ66から延在してブラシ66と電気的に接続される導線68は、第1ハウジング30aに設けられたグロメット70を介して第1ハウジング30aの外部に引き出されている。
図3及び図4に示されるように、遊星歯車機構44は、第1ハウジング30aの略円筒状の開口部72内に嵌合して固定されるリングギヤ74と、モータ42の回転軸60の先端に直接形成されたサンギヤ76と、リングギヤ74よりも小径で略円板状に形成されるキャリア(出力部材)78と、キャリア78の支持孔102に圧入されて片持ち支持される3本のピニオンピン80と、各ピニオンピン80を介して回転自在に支持され、リングギヤ74及びサンギヤ76に対して同時に噛合する3つのピニオン84とから構成されている。遊星歯車機構44は、入力部材であるサンギヤ76の回転運動を、出力部材であるキャリア78に対して減速して伝達する機能を有する。
遊星歯車機構44の出力部材であるキャリア78は、送りねじ機構48の入力部材である入力フランジ86と弾性カップリング46を介して連結されている。
キャリア78は、略円板状を呈し、弾性カップリング46に対向する円形状の第1端面79と、第1端面79の反対側でピニオン84側に臨む円形状の第2端面81とを有する。キャリア78の第1端面79には、周方向に沿って等角度離間する4個の爪部(第1爪部)85が配置されている。この4つの爪部85は、軸線L方向に沿って送りねじ機構48側に向かって突出している。
図4に示されるように、弾性カップリング46は、例えば、シリコーンゴム等のゴム体や樹脂体等で形成されている。この弾性カップリング46は、図6(a)、(b)に示されるように、中心に配置され送りねじ機構48側に向かって突出する弾性突起部(付勢手段)200と、複数の腕部46bとが一体的に構成されている。弾性突起部200は、断面半円状からなり、送りねじ機構48側に向かって窪む凹部92が形成されている。複数(図4中では8つを例示)の腕部46bは、弾性突起部200の外方に所定角度だけ離間して配置され、弾性突起部200の外径部から半径外方向に放射状に突出するように配置されている。互いに隣接する腕部46b、46bの間には、正面視して略V字状の溝部からなる谷部46cが設けられている。
弾性突起部200は、放射状に延在する複数の腕部46bの固定端であり、例えば、放射状の腕部46bを梁とした場合、弾性突起部200がその弾性力でキャリア78側に押圧されることで、放射状の腕部46bを撓ませてばねのように作用させることができる(図6(b)参照)。
弾性カップリング46の腕部46bの先端側には、キャリア78側に向かって突出する複数の突出部96が設けられている。複数の突出部96は、周方向に略等角度離間して8つ配置されている。8つの突出部96の先端は、略円形状の平坦面からなり、キャリア78の第1端面79と接触(後記する制振作用を発揮するときは当接)するように設けられている。なお、弾性カップリング46を構成する腕部46bは、弾性突起部200と比較して厚肉に形成されている。
図3に示されるように、入力フランジ86は、略円板状からなり、その外周部の表裏両面を一対のスラストベアリング88a、88bに挟持されることで、回転自在に支持されている。一対のスラストベアリング88a、88bは、第2ハウジング30bの内周面に締結される環状のロックナット90により第2ハウジング30bに保持されている。一対のスラストベアリング88a、88bのうち、一方のスラストベアリング88bは、第2ハウジング30bと入力フランジ86との間のスラスト荷重を支持し、他方のスラストベアリング88aは、ロックナット90と入力フランジ86との間のスラスト荷重を支持する。
図4に示されるように、軸線L方向においてキャリア78と対向する入力フランジ86の対向面98には、4個の爪部100(第2爪部)が周方向に沿って等角度離間して配置されていると共に、弾性カップリング46側(キャリア78側)に向かって所定長だけ突出している。なお、キャリア78の第1端面79に設けられる4個の爪部85と、入力フランジ86の対向面98に設けられる4個の爪部100とは、周方向においてその位相が約45度だけずれるように配置されている(図5参照)と共に、周方向で重なる位置に配置されている(後記する図7(a)、(b)参照)。
さらに、図6(a)に示されるように、弾性カップリング46の腕部46bの径方向外端部には、キャリア78側に向かって突出する複数の突出部96が設けられている。この場合、図6(b)に示されるように、複数の突出部96が支点となって腕部46bを弾性変形(撓曲)させる。このとき支点となる突出部96に発生する反力が、入力フランジ86を基準としてキャリア78を軸線L方向に付勢することで、キャリア78の倒れを防止することができる。なお、図5に示されるように、複数の突出部96は、キャリア78の爪部85と入力フランジ86の爪部100との間に周方向に沿って同心状に配置されている。
ピニオンピン80とピニオン84との間には、例えば、すべり軸受けやニードル軸受け等の軸受部材(図示せず)が介装されている。この軸受部材によって回転自在に支持されるピニオン84の厚さは、ピニオンピン80の軸方向の長さよりも大きく設定されている。このため、ピニオン84の端面(外周に形成された歯部と略直交する面)が、キャリア78の第2端面81とリングギヤ74の内径フランジ部74aとの間で挟持されることによって、ピニオン84の取付姿勢を制御することができる。
弾性カップリング46の8つの谷部46cには、キャリア78の4個の爪部85が一つおきに係合すると共に、キャリア78の爪部85と異なる位相で、入力フランジ86の4個の爪部100が一つおきに係合する。すなわち、図5に示されるように、弾性カップリング46の8つの谷部46cには、キャリア78の爪部85と入力フランジ86の爪部100とが周方向に沿って交互に係合する。
従って、キャリア78の回転トルクは、キャリア78の爪部85から、弾性カップリング46の腕部46bと、入力フランジ86の爪部100を介して、入力フランジ86に伝達される。その際、弾性体で構成された弾性カップリング46が、その弾発力によって弾性変形することで、キャリア78及び入力フランジ86間の軸線のズレ(芯ズレ)を吸収すると共に、回転トルクの急変を吸収して円滑な動力伝達を遂行することができる。
図4に示されるように、キャリア保持部材106は、金属板をプレス加工したものであり、図示しないボルトを介してリングギヤ74に締結される。このキャリア保持部材106は、環状の平板からなる本体部106aと、本体部106aの内周を断面L字状に折り曲げたフランジ部106bとを有する。
図3に示されるように、第2ハウジング30bの軸線L方向の中間部の内周面には、第1スライドベアリング108aが固定されている。また、第2ハウジング30bの軸線L方向の端部に螺合するエンド部材110の内周面には、第2スライドベアリング108bが固定されている。この第1スライドベアリング108a及び第2スライドベアリング108bによって、出力ロッド32が軸線L方向に沿って摺動自在に支持されている。
送りねじ機構48は、入力フランジ86の回転運動を出力ロッド32の往復直線運動に変換する機能を有する。図3に示されるように、この送りねじ機構48は、入力フランジ86と一体に形成され外周面に雄ねじが形成された雄ねじ部材(送りねじ軸)112と、雄ねじ部材112の雄ねじと螺合する雌ねじを内周面の一部に有し、中空の出力ロッド32の内周面に嵌合して出力ロッド32に固定される雌ねじ部材(送りナット)114とを備える。
図3に示されるように、雄ねじ部材112の外周面には、雄ねじ部112aが設けられている。この雄ねじ部112aは、山部129と谷部131とを有する。雌ねじ部材114は、略円筒体からなり、ロックナット115を介して出力ロッド32の内周面に固定されている。雌ねじ部材114の内周面には、雌ねじ部114aが設けられている。雌ねじ部114aは、山部121と谷部123と有する。なお、雄ねじ部112aと雌ねじ部114aとの間には、図示しない潤滑油が塗布されている。
出力ロッド32の外周には、環状のストッパ116が装着されている。出力ロッド32が伸長方向に向かって最大位置まで変位したとき、ストッパ116が第2ハウジング30bに固定されたエンド部材110と当接することにより、その変位が規制されてストッパ機能が発揮される。このストッパ116を設けることにより、出力ロッド32が第2ハウジング30bから脱落することを確実に防止することができる。
第2ハウジング30bと出力ロッド32の間には、第2ハウジング30bと出力ロッド32との隙間内に水(水分)や塵埃等が進入することを防止するためにシール機構が設けられている。このシール機構は、伸縮可能な蛇腹部を有するゴム製のブーツ120と、ブーツ120の両端の嵌合部を締結する異径のバンド122a、122bとから構成されている。ブーツ120の一端部は、第2ハウジング30bの端部外周面に形成される環状段部118に嵌合され、ブーツ120の他端部は、出力ロッド32に形成された環状溝119に嵌合するように設けられている。
出力ロッド32が伸長変位すると、第1ハウジング30a及び第2ハウジング30b内の室40a、40bの容積が増加し、これとは反対に出力ロッド32が収縮変位すると、第1ハウジング30a及び第2ハウジング30b内の室40a、40bの容積が減少する。このため、室40a、40b内の圧力が変動してトーコントロールアクチュエータ18の円滑な作動を妨げるおそれがある。しかしながら、本実施形態では、中空の出力ロッド32の内部空間とブーツ120の内部空間とが、出力ロッド32に形成された通気孔124を介して連通しているため、圧力変動がブーツ120の変形により緩和され、トーコントロールアクチュエータ18を円滑に作動させることができる。
第2ハウジング30bには、トーコントロールアクチュエータ18を伸縮制御する際、出力ロッド32のストローク位置(変位量)を検出して図示しない制御装置に検出信号をフィードバックするストロークセンサ126が配設されている。このストロークセンサ126は、出力ロッド32の外周面にボルト128を介して固定される永久磁石130と、永久磁石130の位置を磁気的に検出するコイル等の検出部132が収納されたセンサ本体134とを備える。第2ハウジング30bには、出力ロッド32の変位に伴って永久磁石130との干渉を回避するために、軸線L方向に延在する長溝(開口)136が形成されている。
本実施形態に係るトーコントロールアクチュエータ18が組み付けられたリヤサスペンション装置10は、基本的に以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について説明する。
図3において、後輪Wのトー角を変更すべく図示しない制御装置から出力される駆動信号に基づいてモータ42を駆動すると、モータ42の回転軸60に形成されたサンギヤ76の回転運動が、遊星歯車機構44(サンギヤ76と同時に噛合するリングギヤ74及びピニオン84)で減速されてキャリア78に出力される。キャリア78の回転運動は、弾性カップリング46を介して入力フランジ86に伝達され、入力フランジ86と一体的に連結された雄ねじ部材112を回転させる。雄ねじ部材112が回転すると、雄ねじ部材112に螺合する雌ねじ部材114が軸線L方向に変位し、雌ねじ部材114に連結された出力ロッド32が第2ハウジング30bから進退動作することで、トーコントロールアクチュエータ18が伸縮して後輪Wのトー角が変更される。
図7(a)は、キャリアが時計回り方向に回転したときの、弾性カップリングの腕部と、キャリアの爪部と、入力フランジの爪部との係合状態を示す正面図、図7(b)は、キャリアが反時計回り方向に回転したときの、弾性カップリングの腕部と、キャリアの爪部と、入力フランジの爪部との係合状態を示す正面図、図8は、弾性カップリングの腕部に設けられた突出部の制振作用の説明に供される側面図であり、図8(a)は、静止状態のとき、図8(b)は、回転状態のときをそれぞれ示している。
図7(a)、(b)に示されるように、弾性カップリング46の腕部46bがキャリア78の爪部85と入力フランジ86の爪部100との間で挟持された場合、腕部46bは、高い剛性で突出部96を保持している。この場合、回転トルクが付与される腕部46bは、弾性突起部200のばね力によってキャリア78の第1端面79に対して突出部96を確実に押圧して摩擦力を発生させ、この摩擦力によって制振効果が発生する(図7(a)、(b)中の網点で示される突出部96参照)。一方、回転トルクが付与されていない腕部46bは、径方向に撓み変形してしまうため、突出部96がキャリア78の第1端面79に接触して摩擦力を発生させた場合であっても制振効果が発生しない(図7(a)、(b)中の白地で示される突出部96参照)。
換言すると、キャリア78の爪部85と入力フランジ86の爪部100との間に挟持されていない弾性カップリング46の腕部46bは、フリー状態で自由に動くことができるため、突出部96が第1端面79を押圧しても腕部46bが撓み変形することによって制振作用を発揮しない。これに対して、キャリア78の爪部85と入力フランジ86の爪部100との間に挟持されている弾性カップリング46の腕部46bは、隣接する爪部85、100間の挟持力によって保持された状態にあり、第1端面79に当接する突出部96の摩擦力によって制振作用を発揮することができる。
このように、本実施形態では、時計回り方向及び反時計回り方向のいずれの方向であっても、突出部96がキャリア78の第1端面79に当接して摩擦力を発生させることで、制振効果を得ることができる。
また、図8(a)と図8(b)とを比較して諒解されるように、弾性カップリング46の腕部46bは、隣接するキャリア78の爪部85と入力フランジ86の爪部100との間で互いに挟み込まれるような力(矢印F1及び矢印F2参照)を受けるため、突出部96に対してキャリア78の第1端面79に向かう軸方向の力(矢印F3)が発生する。この結果、突出部96がその軸方向(矢印F3の方向)に変位してキャリア78の第1端面79に当接し、確実に摩擦力を発生させることができる。
図9は、本実施形態における振動系のモデルを示す模式図である。図9中において、「T」は、スティックスリップ現象の強制力によって発生する雄ねじ部材112の回転トルク、「κ0」は、弾性カップリング46の捩じりばね定数、「k」は、弾性突起部200のばね定数、「F」は、キャリア78の第1端面79と弾性カップリング46の突出部96との間に発生する摩擦減衰力をそれぞれ示している。
図10(a)は、変形例に係る弾性カップリングの正面図、図10(b)は、図10(a)のXB−XB線に沿った縦断面図である。変形例に係る弾性カップリング46´では、突出部96を持たない腕部46bを送りねじ機構48側(入力フランジ86側)からコイルスプリング202(付勢手段)によってキャリア78の第1端面79側に向かって押圧している。参照符号92aは、弾性カップリング46´の中心に形成された貫通孔を示している。なお、付勢手段は、コイルスプリング202に限定されるものではなく、例えば、板ばねや皿ばね等のばね部材も含まれる。
本実施形態では、弾性カップリング46の弾性突起部200によって送りねじ機構48側からキャリア78側に向かって腕部46bが押圧(付勢)されることで、腕部46bが弾性変形する。この腕部46の弾性変形によって腕部46bが確実にキャリア78側に押圧されると共に、キャリア78の爪部85と入力フランジ86の爪部100との間に挟まれた腕部46bは、その剛性が高くなり、突出部96がキャリア78の第1端面79に当接して摩擦力が発生する。従って、送りねじ機構48の慣性質量と弾性カップリング46の捩じりばねとによって発生する振動を、キャリア78の第1端面79と腕部46b(突出部96)との間で発生する摩擦力によって減衰させることができる。この結果、雄ねじ部材112と雌ねじ部材114との摺動部位のねじ面の静摩擦力と動摩擦力との差によって発生するスティックスリップ現象による振動を抑制し、異音や打音の発生を低減することができる。
また、本実施形態では、弾性カップリング46の弾性突起部200のばね力によって雄ねじ部材112を軸方向に押圧することができると共に、キャリア78の第1端面79に対する突出部96の摩擦力による減衰効果によって、モータ42と送りねじ機構48との間に配置される構成要素を軸方向に沿って与圧することができる。この結果、モータ42と送りねじ機構48との間の軸方向のガタによる打音の発生を抑制し、商品性が良好な伸縮アクチュエータ18を得ることができる。また、スティックスリップ現象による振動を抑制できるので、出力ロッド32の回転方向の振動を低減することができる。
さらに、本実施形態では、雄ねじ部材112の摺動による振動を弾性カップリング46の突出部96の摩擦力によって低減することができる。この結果、トーコントロールアクチュエータ18の作動時に発生する異音を抑制し、静粛性の高いトーコントロールアクチュエータ18を得ることができる。
さらにまた、本実施形態では、スティックスリップ現象による振動を低減することにより、雄ねじ部材112に付与される応力振幅が低減する。これにより、雄ねじ部材112の耐久性を向上させることができる。
さらにまた、本実施形態では、送りねじ機構48側に向かって突出する弾性突起部200を、例えば、弾性カップリング46と一体的に形成することで、容易に製造することができると共に、組付作業を簡便に遂行することができる。
さらにまた、本実施形態では、雄ねじ部材112と雌ねじ部材114との間の摩擦力の変動に起因するスティックスリップ現象による振動を低減することができるので、出力ロッド32が回転方向に捩じれる量を抑制することができる。従って、ブーツ120の回転方向の変動が抑制され軸方向への収縮運動だけとなる。この結果、ブーツ120に付与される回転による捩じり応力が低減して軸方向への伸縮運動だけとなり、ブーツ120の耐久性を向上させることができる。
さらにまた、本実施形態では、スティックスリップ現象による振動を低減することにより、出力ロッド32の回転方向の変動が減少し、出力ロッド32のストローク位置を検出するストロークセンサ126のセンシング精度を向上させることができる。
なお、本実施形態では、車両のリヤサスペンション装置10に組み込まれるトーコントロールアクチュエータ18に基づいて説明しているが、これに限定されるものではなく、出力部材を往復動作させる他の伸縮アクチュエータにも適用することができる。
12 ナックル
18 トーコントロールアクチュエータ(伸縮アクチュエータ)
32 出力ロッド
42 モータ(電動機)
46、46´ 弾性カップリング
46b 腕部
48 送りねじ機構
78 キャリア(出力部材)
85 爪部(第1爪部)
96 突出部
100 爪部(第2爪部)
112 雄ねじ部材(送りねじ軸)
114 雌ねじ部材(送りナット)
200 弾性突起部(付勢手段)
300 コイルスプリング(付勢手段)

Claims (2)

  1. 送りねじ軸と前記送りねじ軸に螺合する送りナットとからなり、電動機の回転運動を往復直線運動に変換する送りねじ機構と、出力部材を介して前記電動機の出力を前記送りねじ機構に伝達する弾性カップリングと、前記送りねじ機構によって変位する出力ロッドとを有し、軸方向に沿った一端部が車体に接続されると共に、他端部がナックルに接続される伸縮アクチュエータにおいて、
    前記出力部材に設けられ、前記送りねじ機構側に向かって突出する第1爪部と、
    前記送りねじ機構に設けられ、前記出力部材側に向かって突出し前記第1爪部と周方向で重なる位置に配置される第2爪部と、
    を備え、
    前記弾性カップリングは、
    前記第1爪部と前記第2爪部との間に配置され、弾性変形可能に設けられる腕部と、
    前記腕部に設けられ、前記出力部材側に向かって突出する突出部と、
    前記送りねじ機構側から前記出力部材側に向かって前記突出部を付勢する付勢手段と、
    を有することを特徴とする伸縮アクチュエータ。
  2. 請求項1記載の伸縮アクチュエータにおいて、
    前記付勢手段は、前記弾性カップリングに設けられ、前記送りねじ機構側に向かって突出する弾性突起部であることを特徴とする伸縮アクチュエータ。
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