JP2016023262A - 熱可塑性樹脂組成物の製造方法及び熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物の製造方法及び熱可塑性樹脂組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2016023262A
JP2016023262A JP2014149684A JP2014149684A JP2016023262A JP 2016023262 A JP2016023262 A JP 2016023262A JP 2014149684 A JP2014149684 A JP 2014149684A JP 2014149684 A JP2014149684 A JP 2014149684A JP 2016023262 A JP2016023262 A JP 2016023262A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
fluororesin
thermoplastic resin
resin composition
carbon nanofibers
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014149684A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6503164B2 (ja
Inventor
圭一 川本
Keiichi Kawamoto
圭一 川本
健一 新原
Kenichi Niihara
健一 新原
貴彦 牧瀬
Takahiko Makise
貴彦 牧瀬
徹 野口
Toru Noguchi
徹 野口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissin Kogyo Co Ltd
Shinshu University NUC
Original Assignee
Nissin Kogyo Co Ltd
Shinshu University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissin Kogyo Co Ltd, Shinshu University NUC filed Critical Nissin Kogyo Co Ltd
Priority to JP2014149684A priority Critical patent/JP6503164B2/ja
Publication of JP2016023262A publication Critical patent/JP2016023262A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6503164B2 publication Critical patent/JP6503164B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Abstract

【課題】 本発明は、カーボンナノファイバーが分散している熱可塑性樹脂組成物の製造方法及び熱可塑性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 本発明にかかる熱可塑性樹脂組成物の製造方法は、フッ素樹脂と、カーボンナノファイバーと、を第1温度で混練して第1の混合物を得る混合工程と、第1の混合物を第2温度に温度調節する低温化工程と、フッ素樹脂中に複数のカーボンナノファイバーの凝集塊を含みかつ第2温度にある前記第1の混合物を、第2温度で混練する低温混練工程と、を含む。第1温度は、フッ素樹脂の融点(Tm)より高い温度である。第2温度は、フッ素樹脂の融点(Tm)より5℃低い温度から融点(Tm)より25℃未満高い温度までの範囲である。この方法によれば、フッ素樹脂中に凝集塊のカーボンナノファイバーをほぐして、それぞれのカーボンナノファイバーが相互に分離した状態で分散させることができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、カーボンナノファイバーが分散している熱可塑性樹脂組成物の製造方法及び熱可塑性樹脂組成物に関するものである。
本発明者他が先に提案した炭素繊維複合材料の製造方法によれば、エラストマーを用いることで、これまで困難とされていたカーボンナノファイバーの分散性を改善し、エラストマーにカーボンナノファイバーを均一に分散させることができた(例えば、特許文献1参照)。
このような炭素繊維複合材料の製造方法によれば、エラストマーとカーボンナノファイバーを混練し、剪断力によって凝集性の強いカーボンナノファイバーの分散性を向上させている。より具体的には、エラストマーとカーボンナノファイバーとを混合すると、粘性を有するエラストマーがカーボンナノファイバーの相互に侵入し、かつ、エラストマーの特定の部分が化学的相互作用によってカーボンナノファイバーの活性の高い部分と結合し、この状態で、分子長が適度に長く、分子運動性の高い(弾性を有する)エラストマーとカーボンナノファイバーとの混合物に強い剪断力が作用すると、エラストマーの変形に伴ってカーボンナノファイバーも移動し、さらに剪断後の弾性によるエラストマーの復元力によって、凝集していたカーボンナノファイバーが分離されて、エラストマー中に分散していた。
このように、マトリックスへのカーボンナノファイバーの分散性を向上させることで、高価なカーボンナノファイバーを効率よく複合材料のフィラーとして用いることができるようになった。
そして、熱可塑性樹脂についてもカーボンナノファイバーを複合した熱可塑性樹脂組成物を製造する試みがこれまでも行われてきた。
しかしながら、熱可塑性樹脂では、エラストマーのような弾性によってカーボンナノファイバーを分散させることは難しく、熱可塑性樹脂組成物中に多くのカーボンナノファイバーの凝集塊が残存してしまった。
そこで、カーボンナノファイバーを配合した熱可塑性樹脂組成物の製造方法として、熱可塑性樹脂にカーボンナノファイバーの分散を促進させる分散用粒子を混合することによって、カーボンナノファイバーをより分散させる方法が提案されていた(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、カーボンナノファイバーは全体に均一に分散するため補強効果はあるもののカーボンナノファイバーの凝集塊は残されていた。
また、エラストマーにカーボンナノファイバーをエラストマーの弾性を利用して均一に分散させて混合物を得た後、その混合物を熱可塑性樹脂にさらに混合し、低温で混練りすることによってカーボンナノファイバーを分散させる熱可塑性樹脂組成物の製造方法が提案された(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、ほとんどのカーボンナノファイバーは解繊されてエラストマー中に分散させることはできるが、カーボンナノファイバーを熱可塑性樹脂相の中にまで分散させる
ことは難しかった。
近年では、熱可塑性樹脂にカーボンナノファイバーを配合したペレットが販売されている(例えば、非特許文献1参照。)が、これらも材料中にカーボンナノファイバーの凝集塊が多数存在したままであり、その材料を用いて通常の成形加工を行っても凝集塊はほとんどそのまま製品中に残っていた。
特開2005−97525号公報 特開2005−336235号公報 特開2007−154157号公報
Nanocyl社(ベルギー国)のホームページに掲載の「PLASTICYLTMPP2001」、[2012年12月11日検索]、インターネット<http://www.nanocyl.com/en/Products-Solutions/Products/PLASTICYL-Carbon-Nanotubes-Conductive-Masterbatches>
本発明の目的は、カーボンナノファイバーが分散している熱可塑性樹脂組成物の製造方法及び熱可塑性樹脂組成物を提供することにある。
本発明にかかる熱可塑性樹脂組成物の製造方法は、
フッ素樹脂と、カーボンナノファイバーと、を第1温度で混練して第1の混合物を得る混合工程と、
前記第1の混合物を第2温度に温度調節する低温化工程と、
フッ素樹脂中に複数のカーボンナノファイバーの凝集塊を含みかつ前記第2温度にある前記第1の混合物を、前記第2温度で混練する低温混練工程と、
を含み、
前記第1温度は、前記フッ素樹脂の融点(Tm)より高い温度であり、
前記第2温度は、前記フッ素樹脂の融点(Tm)より5℃低い温度から融点(Tm)より25℃未満高い温度までの範囲であることを特徴とする。
本発明にかかる熱可塑性樹脂組成物の製造方法によれば、凝集塊のカーボンナノファイバーをほぐして相互に分離した状態でフッ素樹脂中に分散させることができる。したがって、本発明にかかる熱可塑性樹脂組成物の製造方法によって得られた熱可塑性樹脂組成物は、カーボンナノファイバーの凝集塊が存在しないので、凝集塊が原因の応力集中による破壊が起こらないため、延性を犠牲にすることなく、高い弾性率を有することができる。
本発明にかかる熱可塑性樹脂組成物の製造方法において、
前記第1温度は、前記フッ素樹脂の融点(Tm)より25℃以上高い温度であることができる。
本発明にかかる熱可塑性樹脂組成物の製造方法において、
前記カーボンナノファイバーは、平均直径が2nm以上、110nm以下であり、
前記第1の混合物は、前記フッ素樹脂100質量部に対して、前記カーボンナノファイバーが0.5質量部以上、30質量部以下であることができる。
本発明にかかる熱可塑性樹脂組成物の製造方法において、
前記カーボンナノファイバーは、平均直径が9nm以上30nm以下であり、
前記第1の混合物は、前記フッ素樹脂100質量部に対して、前記カーボンナノファイバーが5質量部以上、30質量部以下であることができる。
本発明にかかる熱可塑性樹脂組成物の製造方法において、
前記カーボンナノファイバーは、平均直径が9nm以上30nm以下であり、
前記第1の混合物は、前記フッ素樹脂100質量部に対して、前記カーボンナノファイバーが0.5質量部以上、5質量部未満であり、
前記第2温度は、前記フッ素樹脂の融点(Tm)より5℃低い温度から融点(Tm)より5℃高い温度までの範囲であることができる。
本発明にかかる熱可塑性樹脂組成物の製造方法において、
前記カーボンナノファイバーは、平均直径が30nmを超え110nm以下であり、
前記第1の混合物は、前記フッ素樹脂100質量部に対して、前記カーボンナノファイバーが8質量部以上、30質量部以下であることができる。
本発明にかかる熱可塑性樹脂組成物の製造方法において、
前記カーボンナノファイバーは、平均直径が30nmを超え110nm以下であり、
前記第1の混合物は、前記フッ素樹脂100質量部に対して、前記カーボンナノファイバーが0.5質量部以上、8質量部未満であり、
前記第2温度は、前記フッ素樹脂の融点(Tm)より5℃低い温度から融点(Tm)より5℃高い温度までの範囲であることができる。
本発明にかかる熱可塑性樹脂組成物の製造方法において、
前記低温化工程は、前記混合工程に用いた混練機から前記第1の混合物を取り出して行うことができる。
本発明にかかる熱可塑性樹脂組成物は、
フッ素樹脂中にカーボンナノファイバーが分散している熱可塑性樹脂組成物であって、
カーボンナノファイバーの凝集塊が存在せず、
カーボンナノファイバーは、相互に分離した状態で全体に分散していることを特徴とする。
本発明にかかる熱可塑性樹脂組成物によれば、カーボンナノファイバーの凝集塊が存在しないので、凝集塊における応力集中による破壊が起こらないため、延性を犠牲にすることなく、高い弾性率を有することができる。
本発明にかかる熱可塑性樹脂組成物において、
前記カーボンナノファイバーは、平均直径が2nm以上、110nm以下であり、
前記フッ素樹脂100質量部に対して、前記カーボンナノファイバーが0.5質量部以上、30質量部以下であることができる。
一実施の形態に係る熱可塑性樹脂組成物の製造方法を模式的に示す図である。 実施例3及び比較例1のサンプルにおけるDMA測定結果(貯蔵弾性率E’の温度依存性)を示すグラフである。 実施例2,3及び比較例3〜6のサンプルにおける周波数(MHz)に対する電磁波シールド効果(dB)の測定結果を示すグラフである。 実施例3のサンプルの凍結割断面の100倍のSEM観察写真である。 実施例3のサンプルの凍結割断面の10000倍のSEM観察写真である。 比較例2のサンプルの凍結割断面の100倍のSEM観察写真である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明の一実施の形態にかかる熱可塑性樹脂組成物の製造方法は、フッ素樹脂と、カーボンナノファイバーと、を第1温度で混練して第1の混合物を得る混合工程と、前記第1の混合物を第2温度に温度調節する低温化工程と、フッ素樹脂中に複数のカーボンナノファイバーの凝集塊を含みかつ前記第2温度にある前記第1の混合物を、前記第2温度で混練する低温混練工程と、を含み、前記第1温度は、前記フッ素樹脂の融点(Tm)より高い温度であり、前記第2温度は、前記フッ素樹脂の融点(Tm)より5℃低い温度から融点(Tm)より25℃未満高い温度までの範囲であることを特徴とする。
本発明の一実施の形態にかかる熱可塑性樹脂組成物は、フッ素樹脂中にカーボンナノファイバーが分散している熱可塑性樹脂組成物であって、カーボンナノファイバーの凝集塊が存在せず、カーボンナノファイバーは、相互に分離した状態で全体に分散していることを特徴とする。
A.まず、本実施の形態にかかる熱可塑性樹脂組成物の製造方法について説明する。
図1は、一実施の形態に係る熱可塑性樹脂組成物の製造方法を模式的に示す図である。
まず、低温混練工程の前に、フッ素樹脂と、カーボンナノファイバーと、を第1温度で混練して第1の混合物を得る混合工程について説明する。なお、この混合工程は、予めフッ素樹脂にカーボンナノファイバーが配合された材料、例えば市販されているペレット状の材料(フッ素樹脂を用いたものは知られていないが)はこの混合工程によって製造されている第1の混合物であると推測できる。この場合、第1の混合物にはカーボンナノファイバーが凝集塊のままの状態で全体に分散している。
A−1.混合工程
混合工程は、フッ素樹脂と、カーボンナノファイバーと、を第1温度で混練して第1の混合物を得る。
混合工程は、フッ素樹脂に予定した配合量のカーボンナノファイバーを投入し終わるまでの工程であり、好ましくは、作業者が目視してカーボンナノファイバーがフッ素樹脂の全体に混合されたことを認識するまでの工程であることができる。
A−1−1.混練機
混合工程は、例えば、オープンロール、密閉式混練機、押出機、射出成形機などの混練機を用いることができる。オープンロールとしては、公知の2本ロール、3本ロール等を用いることができる。密閉式混練機は、いわゆるインターナルミキサーであり、公知のバンバリータイプ、ニーダータイプ等を用いることができる。混合工程に用いるこれらの混練機は、加工中の混合物を加熱する加熱装置を有することが望ましい。
A−1−2.第1温度
第1温度は、フッ素樹脂の融点(Tm)より高い温度である。第1温度は、フッ素樹脂の融点(Tm)より25℃以上高い温度であることができる。第1温度は、フッ素樹脂の
融点(Tm)より25℃以上70℃以下の温度であることができ、融点(Tm)より25℃以上55℃以下の温度であることができる。第1温度は、混合工程中のフッ素樹脂の実際の温度であり、加工装置の温度ではない。フッ素樹脂の成形加工温度は、一般的に、加工装置の例えば押出機や射出成形機であれば加熱筒の設定温度で表わされるが、通常、混練時のせん断発熱によって加工装置の設定温度よりも実際の樹脂の温度は高温になる。本実施の形態における第1温度は加工中の温度であるため、できるだけ実際の樹脂の表面温度を測定することが望ましいが、測定できない場合は加工装置から第1の混合物を取り出した直後の樹脂の表面温度を測定してその温度とすることができる。第1温度は、樹脂を加工装置に投入した直後の温度ではなく、カーボンナノファイバーを投入し終わって混合しているときの温度である。
第1温度は、融点以上の例えば融点が225℃のフッ素樹脂である場合には225℃以上であることができ、さらに250℃以上であることができる。
第1温度は、オープンロールを用いて加工する場合には、フッ素樹脂の一般的な成形加工装置で実施する場合よりもロールへの巻き付き特性を考慮して若干低め、例えば20℃以上低い温度にロール温度を設定することで実施できる。
フッ素樹脂をオープンロールで加工することは一般的ではないが、オープンロールの場合には、他の前記加工装置に比べて、材料をロールに巻き付かせなければならないという特殊性から、フッ素樹脂の粘性が高くなりすぎる温度では加工が困難になる。
融点が220℃のフッ素樹脂を用いてオープンロールで混練する場合には、例えば、巻き付け時のロール温度は240℃〜250℃に設定することができる。第1温度は、フッ素樹脂を溶融させ、カーボンナノファイバーを混合することができればよいので、密閉式混練機、押出機、射出成形機などで加工する場合には、第1温度はその加工装置の設定温度を例えば240℃〜280℃としたときの樹脂の表面温度とすることができる。
A−1−3.オープンロール
図1に示すように2本ロールのオープンロール2を用いて行う方法について説明する。オープンロール2における第1のロール10と第2のロール20とは、所定の間隔d、例えば0.5mm〜1.5mmの間隔で配置され、矢印で示す方向に回転速度V1,V2で正転あるいは逆転で回転する。第1のロール10と第2のロール20は、例えば内部に設けられた加熱手段によって温度を調節することができ、第1温度に設定される。
図1に示すように、第1のロール10に巻き付けられたフッ素樹脂30のバンク34に、複数のカーボンナノファイバー80を投入し、混練して第1の混合物を得ることができる。混合工程では、カーボンナノファイバー80がフッ素樹脂30中に分散し、例えば目視で色むらがなくなるまで混練を行う。この混練の工程は、フッ素樹脂に配合剤(カーボンナノファイバーなど)を配合する一般的な混練と同じ工程を採用することができる。
しかしながら、この状態では、第1の混合物中におけるカーボンナノファイバー80は、原料と同じ凝集体のまま全体に分散して存在する。したがって、第1の混合物は、その材料中に欠陥を有することになり、例えば引張試験などを行うと、原料のフッ素樹脂単体のときよりも切断時伸びが著しく低下する。
この第1の混合物について、動的粘弾性試験(以下、DMA試験という。)を行うと、原料のフッ素樹脂とは異なる挙動を示すことがわかった。原料のフッ素樹脂は、融点付近で貯蔵弾性率(E’)が急激に低下し、流動する。しかし、カーボンナノファイバー80を混合した第1の混合物は、所定量以上のカーボンナノファイバーを分散させることによ
り、融点を超えても貯蔵弾性率(E’)がほとんど低下しない、すなわちエラストマーのようなゴム弾性領域が発現することがわかった。
本発明にかかる熱可塑性樹脂組成物の製造方法は、融点付近であって流動しない温度範囲と、融点を超えた温度で発現するこのゴム弾性領域と、を利用して、凝集しているカーボンナノファイバーをほぐすように解繊して、フッ素樹脂中に分散させるものである。したがって、本発明を実施する上で、その配合の第1の混合物のサンプルについてあらかじめDMA試験を行い、ゴム弾性領域が発現しているかどうかを確認しておき、その温度領域を用いて、熱可塑性樹脂組成物を生産することができる。
A−2.低温化工程
低温化工程は、第1の混合物を第2温度に温度調節する。
ここで第2温度について説明する。
混合工程における一般的な加工設定温度すなわち加工装置の設定温度は、フッ素樹脂を短時間で十分に溶融させ、迅速に加工するために、フッ素樹脂の加工設定温度として推奨されている温度よりも高い温度である。したがって、フッ素樹脂は、その融点付近で加工は行なわない。加工時のフッ素樹脂の表面温度は、そのような加工設定温度よりも高くなることは前述のとおりである。
特に、フッ素樹脂にカーボンナノファイバーのような充填剤が配合されている場合には、その加工設定温度は一般的な加工設定温度よりもさらに高い温度で加工を行うことになるのが通常である。また、カーボンナノファイバーの配合量が増えると剪断による発熱によって、混合工程における第1の混合物の温度が急激に上昇する。
したがって、上記A−1−3で説明した融点付近の温度及びゴム弾性領域を利用して下記A−3で説明する低温混練工程を実施するためには、第1の混合物の温度を下げる必要がある。混練を行うと第1の混合物の温度は上昇するので、混練を続けながら温度を下げることは通常困難である。そのため、低温化工程は、混練後、混練機を所定時間停止し、または混練機から第1混合物を取り出して、第2の温度まで放冷することができる。また、第1の混合物を扇風機、スポットクーラー、チラー等の冷却機構などを備えた冷却装置を用いて積極的に冷却することができる。積極的に冷却することで加工時間を短縮することができる。
第2温度は、この製造方法に用いるフッ素樹脂の融点(Tm)より5℃低い温度から融点(Tm)より25℃未満高い温度までの範囲である。さらに、第2温度は、このフッ素樹脂の融点(Tm)より5℃低い温度から融点(Tm)より20℃高い温度までの範囲であることができ、特に、融点(Tm)より5℃低い温度から融点(Tm)より15℃高い温度までの範囲であることができる。
DMA試験の結果からみると、第2温度は、加工可能なフッ素樹脂の融点(Tm)付近の温度であって流動しない温度範囲であり、第1の混合物のDMA試験におけるゴム弾性領域を示す場合にはその温度範囲を含むことが好ましいが、加工中における第1の混合物の内部温度を測定することは困難である。したがって、下記A−3において説明するように、第2温度は樹脂の表面温度である。そのため、第2温度は、ゴム弾性領域を示す温度範囲よりも若干低い温度まで含む。すなわち、加工中における第1の混合物の内部温度がゴム弾性領域を示す温度範囲となるように、樹脂の表面温度である第2温度を設定するためである。フッ素樹脂の場合、第2温度がゴム弾性領域よりも低い、例えば融点(Tm)よりも5℃低い範囲まで加工が可能である。
なお、ゴム弾性領域は、DMA試験結果を温度−貯蔵弾性率のグラフを作成した際の平坦領域である。平坦領域における弾性率減少割合は、0.0001MPa/℃〜0.1MPa/℃であることができ、さらに0.001MPa/℃〜0.08MPa/℃であることができる。また、第1の混合物中の熱可塑性樹脂が熱劣化により硬化すると平坦領域において弾性率が上昇する場合もあり、この場合の平坦領域もゴム弾性領域に含むことができる。
この第2温度においては、フッ素樹脂の弾性による復元力を利用してカーボンナノファイバーを移動させることができる。第2温度は、フッ素樹脂の加工温度として採用されない温度であり、特に、第1の混合物の加工温度としてはこれまで採用されなかった低い温度範囲となる。
第2温度が融点(Tm)よりも25℃高い温度以上では、低温混練工程においてカーボンナノファイバーの凝集塊をほぐすことができないと考えられる。第2温度は、例えばフッ素樹脂の融点が225℃の場合、220℃以上、250℃未満であることができ、さらに220℃以上、245℃以下であることができ、特に220℃以上、240℃以下であることができる。
本発明において「融点(Tm)」は、示差走査熱量測定(DSC)を用いてJIS K7121に準拠して測定した値をいう。
第2の温度まで温度が下がった第1の混合物は、例えば、第2温度に設定されたオーブン内に入れ、第2温度の範囲で所定温度に維持することができる。混練機から取り出された第1の混合物は降温が進行するので、加工品質の安定化のためである。
また、第1の混合物として市販のカーボンナノファイバーが入ったペレットを用いる場合には、混合工程と低温化工程との間に再加熱工程が必要となる。再加熱工程は、フッ素樹脂の溶融温度以上に加熱することにより行うことができる。
A−3.低温混練工程
低温混練工程は、第1の混合物を第2温度で混練する。
第1の混合物としては、前記A−1の混合工程によって得られたものを用いることができる。
低温混練工程における第1の混合物を第2温度で混練する工程は、フッ素樹脂を溶融して成形加工するための装置、例えば、オープンロール、密閉式混練機、押出機、射出成形機などを用いることができる。混合工程と同様に、図1に示すようなオープンロール2を用いる方法について説明する。
この工程では、第1のロール10と第2のロール20とのロール間隔dを、例えば0.5mm以下、より好ましくは0mm〜0.5mmの間隔に設定し、混合工程で得られた第1の混合物をオープンロール2に投入して混練を行なうことができる。
第1のロール10の表面速度をV1、第2のロール20の表面速度をV2とすると、この工程における両者の表面速度比(V1/V2)は、1.05〜3.00であることができ、さらに1.05〜1.2であることができる。このような表面速度比を用いることにより、所望の高い剪断力を得ることができる。このように狭いロール間から押し出された第1の混合物は、第2温度が適度な弾性を有し、かつ、適度な粘性を有している温度範囲
であることから、フッ素樹脂の弾性による復元力で大きく変形し、その際のフッ素樹脂の変形と共にカーボンナノファイバーが大きく移動することができる。
第2温度は、低温混練工程における第1の混合物の表面温度であり、加工装置の設定温度ではない。第1温度でも説明したように、第2温度もできるだけ実際の樹脂の表面温度を測定することが望ましいが、測定できない場合は加工装置から熱可塑性樹脂組成物を取り出した直後の樹脂の表面温度を測定してその温度から加工中の第2温度とすることができる。
オープンロール2の場合は、図1に示すように、第1のロール10に巻き付いた第1の混合物に対して非接触温度計40を用いて表面温度を測定することができる。非接触温度計40の配置は、ニップを通過した直後の位置以外であればよく、好ましくは第1のロール10の上方である。ニップを通過した直後は、第1の混合物の温度が急激に変化する不安定な温度であるため、避けた方が望ましい。
また、密閉式混練機や押出機などのように、低温混練工程における第1の混合物の表面温度を測定することができない場合には、混練した後装置から取り出した直後の熱可塑性樹脂組成物の表面温度を測定し、第2温度の範囲内にあることを確認することができる。
低温混練工程は、第2温度において、例えば4分間〜20分間であることができ、さらに5分間〜20分間であることができる。第2温度での混練時間を十分にとることによって、カーボンナノファイバーの解繊をより確実に実施することができる。
第1の混合物は、カーボンナノファイバーが配合されたことによって加工性が低下しており、これを混練することによるせん断発熱によって、第1の混合物の温度は装置の設定温度よりもさらに高くなる。そのため、低温混練工程に適した第2温度範囲に第1の混合物の表面温度を維持するために、オープンロールであればロールの温度を調節して第1の混合物の温度が高くならないように、積極的に冷やすように温度調節しなければならない。これは密閉式混練機、押出機または射出成形機などにおいても同様であり、装置の加工設定温度を積極的に冷やすように調節することで第1の混合物の表面温度を第2温度範囲に一定時間維持することができる。例えば、押出機においては材料を供給する付近においては加熱筒の設定温度を一般的な加工温度よりも高い温度に設定し、他のゾーンを第2温度よりも低温に設定し、加工中の樹脂の表面温度が第2温度になるように調節することができる。
低温混練工程によって得られた熱可塑性樹脂組成物は、例えば、金型内に投入されてプレス加工することができ、あるいは、例えば、さらに押出機を用いてペレットに加工するなどして、公知のフッ素樹脂の加工方法を用いて所望の形状に成形することができる。
低温混練工程において得られた剪断力により、フッ素樹脂に高い剪断力が作用し、凝集していたカーボンナノファイバーがフッ素樹脂の分子に1本ずつ引き抜かれるように相互に分離し、解繊され、フッ素樹脂中に分散される。特に、フッ素樹脂は、第2温度範囲における弾性と、粘性と、を有するため、カーボンナノファイバーを解繊し、分散することができる。そして、カーボンナノファイバーの分散性および分散安定性(カーボンナノファイバーが再凝集しにくいこと)に優れた熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。
熱可塑性樹脂組成物の製造方法において、カーボンナノファイバーの平均直径が2nm以上、110nm以下であることができ、その場合における第1の混合物は、フッ素樹脂100質量部に対する、カーボンナノファイバーの配合量は0.5質量部以上、30質量部以下であることができる。平均直径が2nm以上、110nm以下のカーボンナノファ
イバーの場合、フッ素樹脂100質量部に対するカーボンナノファイバーの配合量が0.5質量部以上になるとカーボンナノファイバーによる補強などの効果を得ることができる。また、フッ素樹脂100質量部に対するカーボンナノファイバーの配合量が30質量部を超えると低温混練工程における加工が困難となる。
さらに、第1の混合物は、フッ素樹脂100質量部に対する、カーボンナノファイバーの配合量は1.0質量部以上、10質量部以下であることができる。
カーボンナノファイバーの平均直径は、9nm以上、30nm以下または30nmを超え110nm以下であることができる。カーボンナノファイバーの平均直径が9nm以上30nm以下であるとき、第1の混合物は、フッ素樹脂100質量部に対して、カーボンナノファイバーが5質量部以上、30質量部以下であることができる。平均直径が9nm以上30nm以下の比較的細いカーボンナノファイバーを5質量部以上配合すると、第1の混合物のDMA試験において融点(Tm)以上でゴム弾性領域を発現することができ、比較的広い温度範囲で低温混練工程を行うことができる。その場合の第2温度の温度範囲は、フッ素樹脂の融点(Tm)より5℃低い温度から融点(Tm)より25℃未満高い温度までの範囲である。
また、カーボンナノファイバーの平均直径が9nm以上30nm以下であるとき、第1の混合物は、フッ素樹脂100質量部に対して、カーボンナノファイバーが0.5質量部以上、5質量部未満であり、第2温度は、フッ素樹脂の融点(Tm)より5℃低い温度から融点(Tm)より5℃高い温度までの範囲であることができる。平均直径が9nm以上30nm以下の比較的細いカーボンナノファイバーを0.5質量部以上、5質量部未満配合すると、第1の混合物のDMA試験において融点(Tm)以上でゴム弾性領域は発現しない。そのため、第2温度の温度範囲は、第1の混合物がDMA試験において流動する前の温度であることができ、フッ素樹脂の融点(Tm)より5℃低い温度から融点(Tm)より5℃高い温度までの範囲であることができる。
また、カーボンナノファイバーの平均直径が30nmを超え110nm以下であるとき、第1の混合物は、フッ素樹脂100質量部に対して、カーボンナノファイバーが8質量部以上、30質量部以下であることができる。平均直径が30nmを超え110nm以下の比較的太いカーボンナノファイバーを8質量部以上、30質量部以下配合すると、第1の混合物のDMA試験において融点(Tm)以上でゴム弾性領域を発現することができ、比較的広い温度範囲で低温混練工程を行うことができる。その場合の第2温度の温度範囲は、フッ素樹脂の融点(Tm)より5℃低い温度から融点(Tm)より25℃未満高い温度までの範囲である。
また、カーボンナノファイバーの平均直径が30nmを超え110nm以下であるとき、第1の混合物は、フッ素樹脂100質量部に対して、カーボンナノファイバーが0.5質量部以上、8質量部未満であることができる。平均直径が30nmを超え110nm以下の比較的太いカーボンナノファイバーを0.5質量部以上、8質量部未満配合すると、第1の混合物のDMA試験において融点(Tm)以上でゴム弾性領域は発現しない。そのため、第2温度の温度範囲は、第1の混合物がDMA試験において流動する前の温度であることができ、フッ素樹脂の融点(Tm)より5℃低い温度から融点(Tm)より5℃高い温度までの範囲であることができる。
本実施の形態にかかる熱可塑性樹脂組成物の製造方法によれば、フッ素樹脂中に凝集塊として存在していたカーボンナノファイバーを相互に分離した状態で分散させることができる。したがって、熱可塑性樹脂組成物の製造方法によって得られた熱可塑性樹脂組成物は、カーボンナノファイバーの凝集塊が存在しないので、凝集塊が原因の応力集中による
破壊が起こらないため、延性を犠牲にすることなく、高い弾性率を有することができる。
A−4.第2の低温混練工程
熱可塑性樹脂組成物の製造方法は、第1の混合物におけるフッ素樹脂は第1のフッ素樹脂であり、低温混練工程で得られた第2の混合物に、第2のフッ素樹脂をさらに加えて第3温度で混練して第3の混合物を得る第2の低温混練工程をさらに含むことができる。
第2のフッ素樹脂は、第1のフッ素樹脂と同じ種類のフッ素樹脂であることができる。ここで、同じ種類のフッ素樹脂とは、第2のフッ素樹脂と第1のフッ素樹脂とが少なくとも主構成モノマーが同じであるということである。
第3温度は、前記A−2において説明した第2温度と同じ温度範囲とすることができる。
前記A−3で説明したように、第1の混合物中のカーボンナノファイバーの配合量が少なかったり、カーボンナノファイバーが太かったりすると、第1の混合物におけるDMA試験でのゴム弾性領域が発現しない場合がある。そのような第1の混合物では低温混練工程の第2温度を融点付近の狭い温度範囲内にするため、加工の難易度が上がってしまう。そのため、比較的少量のカーボンナノファイバーを配合した熱可塑性樹脂組成物を加工したい場合には、このように第2の低温混練工程を実施することによって、第2のフッ素樹脂を任意の量追加することにより、熱可塑性樹脂組成物におけるカーボンナノファイバーの含有量を少なくすることができる。
B.原料
次に、本実施の形態の製造方法に用いる原料について説明する。
B−1.フッ素樹脂
フッ素樹脂としては、例えば、射出成形、押出成形等の一般的な熱可塑性樹脂の溶融成形が適用可能であることができる。フッ素樹脂としては、例えば、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)などを挙げることができる。
フッ素樹脂は、融点(Tm)が200℃〜320℃であることができ、さらに、220℃〜300℃であることができる。フッ素樹脂の融点(Tm)が200℃〜320℃であると一般的な各種樹脂加工方法を低温混練工程に採用することができ、量産性に優れることができる。
B−2.カーボンナノファイバー
カーボンナノファイバーは、平均直径(繊維径)が0.4nm以上230nm以下であることができ、さらにカーボンナノファイバーは、平均直径(繊維径)が2nm以上110nm以下であることができ、特に9nm以上30nm以下または30nmを超え110nm以下であることができる。
カーボンナノファイバーは、その平均直径が細く、比表面積が大きいため、カーボンナノファイバーを解繊し、全体に分散させることができると、フッ素樹脂を少量のカーボンナノファイバーによって効果的に補強することができる。平均直径(繊維径)が0.4nm以上230nm以下であるカーボンナノファイバーを用いることで、フッ素樹脂を補強することができる。
カーボンナノファイバーは、その表面におけるフッ素樹脂との反応性を向上させるために、例えば酸化処理することもできる。
なお、本発明の詳細な説明においてカーボンナノファイバーの平均直径及び平均長さは、電子顕微鏡による例えば5,000倍の撮像(カーボンナノファイバーのサイズによって適宜倍率は変更できる)から200箇所以上の直径及び長さを計測し、その算術平均値として計算して得ることができる。
熱可塑性樹脂組成物におけるカーボンナノファイバーの配合量は、所望の特性に応じて適宜配合することができる。
特に、上記A−4で説明した第2の低温混練工程を用いることによって、フッ素樹脂100質量部に対してカーボンナノファイバー0.5質量部未満、例えば0.1質量部以上、0.5質量部未満を配合することができる。
また、熱可塑性樹脂組成物には、カーボンナノファイバー以外に熱可塑性樹脂組成物の加工に一般に用いられている充填材などを合わせて用いることができる。
ここで、「質量部」は、特に指定しない限り「phr」を示し、「phr」は、parts per hundred of resin or rubberの省略形であって、ゴムや熱可塑性樹脂等に対する添加剤等の外掛百分率を表すものである。
カーボンナノファイバーは、炭素六角網面のグラファイトの1枚面(グラフェンシート)を巻いて筒状にした形状を有するいわゆる多層カーボンナノチューブ(MWNT:マルチウォールカーボンナノチューブ)であることができる。
平均直径が9nm以上30nm以下のカーボンナノファイバーとしては、例えばバイエルマテリアルサイエンス社のバイチューブ(Baytubes)C150P及びC70P並びにナノシル(Nanocyl)社のNC−7000などを挙げることができ、平均直径が30nmを超え110nm以下のカーボンナノファイバーとしては、例えば保土谷化学工業社のNT−7などを挙げることができる。
また、部分的にカーボンナノチューブの構造を有する炭素材料も使用することができる。なお、カーボンナノチューブという名称の他にグラファイトフィブリルナノチューブ、気相成長炭素繊維といった名称で称されることもある。
カーボンナノファイバーは、気相成長法によって得ることができる。気相成長法は、触媒気相合成法(Catalytic Chemical Vapor Deposition:CCVD)とも呼ばれ、炭化水
素等のガスを金属系触媒の存在下で気相熱分解させてカーボンナノファイバーを製造する方法である。より詳細に気相成長法を説明すると、例えば、ベンゼン、トルエン等の有機化合物を原料とし、フェロセン、ニッケルセン等の有機遷移金属化合物を金属系触媒として用い、これらをキャリアーガスとともに高温例えば400℃以上1000℃以下の反応温度に設定された反応炉に導入し、浮遊状態あるいは反応炉壁にカーボンナノファイバーを生成させる浮遊流動反応法(Floating Reaction Method)や、あらかじめアルミナ、酸化マグネシウム等のセラミックス上に担持された金属含有粒子を炭素含有化合物と高温で接触させてカーボンナノファイバーを基板上に生成させる触媒担持反応法(Substrate Reaction Method)等を用いることができる。
平均直径が9nm以上30nm以下のカーボンナノファイバーは触媒担持反応法によって得ることができ、平均直径が30nmを超え110nm以下のカーボンナノファイバー
は浮遊流動反応法によって得ることができる。
カーボンナノファイバーの直径は、例えば金属含有粒子の大きさや反応時間などで調節することができる。平均直径が9nm以上30nm以下のカーボンナノファイバーは、窒素吸着比表面積が10m/g以上500m/g以下であることができ、さらに100m/g以上350m/g以下であることができ、特に、150m/g以上300m/g以下であることができる。
C.熱可塑性樹脂組成物
最後に、本実施の形態によって得られた熱可塑性樹脂組成物について説明する。
本実施の形態にかかる熱可塑性樹脂組成物は、フッ素樹脂中にカーボンナノファイバーが分散している熱可塑性樹脂組成物であって、カーボンナノファイバーの凝集塊が存在せず、カーボンナノファイバーは、相互に分離した状態で全体に分散していることを特徴とする。
熱可塑性樹脂組成物にカーボンナノファイバーの凝集塊がないことは、熱可塑性樹脂組成物の任意の断面を電子顕微鏡によって観察することによって確認することができる。電子顕微鏡写真には、解繊され、相互に分離したカーボンナノファイバーが割断面に分散して表れる。
なお、凝集塊とは、熱可塑性樹脂組成物中においても原料のようにカーボンナノファイバー同士が絡まりあい、特に凝集塊の中ではカーボンナノファイバーとカーボンナノファイバーとの間に樹脂が入り込んでいない中空部が多数存在している状態である。このような凝集塊がないということは、凝集していたカーボンナノファイバーがほぐれ、カーボンナノファイバーが相互に分離した状態で全体に分散しているということである。相互に分離した状態とは、熱可塑性樹脂組成物中においてカーボンナノファイバー同士の間に中空部が存在しない状態にあることをいう。
本実施の形態にかかる熱可塑性樹脂組成物によれば、カーボンナノファイバーの凝集塊が存在しないので、凝集塊における応力集中が原因の破壊が起こらないため、延性を犠牲にすることなく、高い弾性率を有することができる。
熱可塑性樹脂組成物は、カーボンナノファイバーの平均直径が2nm以上、110nm以下であるとき、フッ素樹脂100質量部に対して、カーボンナノファイバーが0.5質量部以上、30質量部以下であることができ、さらに、カーボンナノファイバーが1質量部以上、10質量部以下であることができる。
前記A−3の第2の低温混練工程を用いて製造された熱可塑性樹脂組成物は、すでにカーボンナノファイバーが分散した熱可塑性樹脂組成物をマスターバッチとして用いてさらにフッ素樹脂を追加することによって熱可塑性樹脂組成物中のカーボンナノファイバーの配合割合を少なくすることができる。したがって、例えば、フッ素樹脂100質量部に対して、カーボンナノファイバーが0.5質量部未満とすることができる。その場合、熱可塑性樹脂組成物は、フッ素樹脂100質量部に対して、カーボンナノファイバーが0.1質量部以上、0.5質量部未満であることができる。
熱可塑性樹脂組成物は、高い剛性を有しかつ耐熱性に優れている。熱可塑性樹脂組成物は、優れた電磁波シールド性能を有している。また、熱可塑性樹脂組成物は、一般的な熱可塑性樹脂の射出成形や押出成形などを用いて成形することができる。
前記のように、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できよう。したがって、このような変形例はすべて、本発明の範囲に含まれるものとする。
以下、本発明の実施例について述べるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(1)オープンロールを用いた試験
(1−1)実施例1〜6のサンプルの作製
混合工程:ロール径が3インチのオープンロール(ロール温度245℃=加工設定温度)に、各表に示す100質量部(phr)のフッ素樹脂を投入して、溶融させ、ロールに巻き付かせた。このときのフッ素樹脂の生地表面の温度は、245℃であった。オープンロールとしては、ロールを加熱することができる熱ロールを用いた。
次に、配合剤として表1〜3に示す質量部(phr)の多層カーボンナノファイバー(各表では「CNT−1」、「CNT−2」と記載した)を投入した。このとき、ロール表面速度比を1:1.1〜1:1.3、ロール間隙を1.5mmとした。十分に混練を行って多層カーボンナノファイバーを分散させ、第1の混合物をオープンロールから取り出した。混合工程における生地の表面温度は、245℃から260℃(第1温度)まで上昇していた。なお、生地温度の表面温度は、非接触型の赤外線温度計で計測した。
低温化工程:オープンロールから第1の混合物を取り出し、第1の混合物の表面温度が240℃になるまで放冷し、オーブンに第1の混合物を入れて240℃に維持した。
低温混練工程:第1の混合物をオープンロールに再び投入し、ロール間隙を1.5mmから0.3mmと狭くして混練を行った。また、必要に応じて、ロール間隔を0.3mm〜1.5mmの間で変化させながら切り返しを行った。この混練の間、第1の混合物の生地表面の温度(第2温度)を非接触型の赤外線温度計で測定して240℃付近(225℃〜245℃)に維持されるように、ロールを温度調節した。特に、実施例1,4,5,7では第1の混合物の生地表面の温度(第2温度)が230℃を超えないようにロールを温度調節した。十分に混練した後、ロール間隙を0.3mmから1.5mmに変更して、オープンロールから熱可塑性樹脂組成物を取り出した。
プレス工程:オープンロールから取り出された熱可塑性樹脂組成物を金型に入れ、真空下で加圧成形して、サンプルを作製した。真空加圧成形は、金型を265℃〜280℃に加熱し、無負荷で2分間予熱した後、加圧(金型に対して)しながら2分間プレス成型し、金型を冷却プレスに移動して加圧(金型に対して)しながら室温まで冷却し、厚さ0.3mm〜1mmのシート状サンプルを得た。
なお、各表において、「CNT−1」は平均直径(走査型電子顕微鏡の撮像を用いて200か所以上の測定値を算術平均した値であり、以下同じ。)10nmの多層カーボンナノチューブ(Nanocyl社製、グレード名:NC7000)であり、「CNT−2」は平均直径68nmの多層カーボンナノチューブ(保土谷化学工業社製、グレード名:NT−7B)であり、「ETFE」は、旭硝子社製エチレン−テトラフルオロエチレン(グレード名:ETFE LM−720AP、融点225℃)であった。
(1−2)比較例1,2のサンプル作製
比較例1は、フッ素樹脂単体であるので、金型に樹脂ペレットを投入し、プレス工程を行って、熱可塑性樹脂組成物のサンプルを得た。
比較例2は、実施例3における低温混練工程における第2温度を280℃に調節して、その他は実施例と同様にして熱可塑性樹脂組成物のサンプルを得た。
(2)引張試験
実施例及び比較例のサンプルについて、JIS7号のダンベル形状に打ち抜いた試験片について、島津製作所社製オートグラフAG−Xの引張試験機を用いて、23±2℃、標準線間距離10mm、引張速度50mm/minでJIS K7127に基づいて引張試験を行い、引張強さ(TS(MPa))、切断時伸び(Eb(%))、10%モジュラス(σ10(MPa))、50%モジュラス(σ50(MPa))及び100%モジュラス(σ100(MPa))を測定した。測定結果を表1〜表3に示した。
(3)DMA測定
実施例及び比較例のサンプルについて、短冊形(30×10×0.3mm)に切り出した試験片について、SII社製の動的粘弾性試験機DMS6100を用いて、チャック間距離10mm、測定温度20〜300℃、昇温ペース1.5℃、動的ひずみ±0.05%、周波数1HzでJIS K7244に基づいてDMA試験(動的粘弾性試験)を行った。
この試験結果から測定温度が50℃、100℃、150℃、200℃、220℃、225℃、230℃、250℃における貯蔵弾性率(E’)を測定し、表1〜表3に示した。表1〜表3において、貯蔵弾性率は、「E’(50℃)(MPa)」、「E’(100℃)(MPa)」、「E’(150℃)(MPa)」、「E’(200℃)(MPa)」、「E’(220℃)(MPa)」、「E’(225℃)(MPa)」、「E’(230℃)(MPa)」「E’(250℃)(MPa)」で示した。また、DMA試験における流動開始温度(各表では「流動温度」と記載した)についても各表に記載した。各表において、300℃まで流動しなかったサンプルについては「流動せず」と記載した。
さらに、測定結果を貯蔵弾性率E’の温度依存性を示すグラフとして図2に示した。
図2において、曲線E3は、実施例3に対応し、曲線C1は、比較例1に対応している。
表1〜表3の引張試験の結果によれば、以下のことがわかった。
1.実施例1〜6の熱可塑性樹脂組成物サンプルは、比較例1に比べて切断時伸び(Eb)は落ちるものの、10%,50%,100%モジュラス(σ10,σ50,σ100)が向上した。特に、実施例1〜6の熱可塑性樹脂組成物サンプルにおいて実用範囲のひずみが作用した10%モジュラス(σ10)が向上した。
2.比較例2は、同じ配合の実施例3と比べると、引張強さ(TS)と10%,50%,100%モジュラス(σ10,σ50,σ100)が低かった。
3.比較例1は融点付近で流動するが、実施例2,3,6では300℃で流動せず、高温での流動が抑えられた。
表1〜表3及び図2のDMA試験の結果によれば、実施例1〜6の熱可塑性樹脂組成物サンプルは、カーボンナノファイバーの添加量の増加に伴って貯蔵弾性率(E’)が向上した。実施例1〜6の熱可塑性樹脂組成物サンプルは、50℃〜200℃の貯蔵弾性率(E’)が比較例1に比べて大きく向上した。特に、平均直径の細いカーボンナノファイバーを用いた実施例1〜3において著しく貯蔵弾性率(E’)が大きく向上した。実施例1〜6の熱可塑性樹脂組成物サンプルは、融点(Tm)付近である220℃〜230℃において2.0MPa以上の貯蔵弾性率を有していた。また、実施例2,3,6の熱可塑性樹脂組成物サンプルは、測定温度の上限である300℃まで流動しなかった。実施例2,3,6の熱可塑性樹脂組成物サンプルは、図2に示すように、融点を過ぎても貯蔵弾性率(E’)が下がらない平坦領域を示した。平坦領域における各弾性率減少割合は、実施例2が0.0015MPa/℃であり、実施例3が0.0017MPa/℃であり、実施例6が0.0082MPa/℃であった。
(4)電磁波シールド性能
実施例2,3のサンプルについて、83.5×103.5×1mmの試験片について、測定周波数0.1MHz〜1GHzでKEC法を用いて電磁波シールド性能評価試験を行った。その結果を図3に示した。図3において、E2,E3はそれぞれ実施例2,3に対応する。なお、横軸は測定周波数(MHz)、縦軸は電磁波シールド性能をシールド効果(dB)で表した。縦軸の数値が高いほどシールド性能は高く、例えば、10dBで90%遮蔽、20dBで99%遮蔽、30dBで99.9%遮蔽となる。
また、図3には、比較例3〜6をそれぞれC3〜C6として示した。比較例3(C3)は、実施例のカーボンナノファイバーの代わりにSAFカーボンブラック(東海カーボン社製SAFシースト9)を60phr配合し、比較例4(C4)は、実施例のカーボンナノファイバーの代わりにカーボンファイバー(日本グラファイトファイバー社製XN−100)を11.1phr配合し、比較例5(C5)は、実施例のカーボンナノファイバーの代わりにカーボンファイバー(日本グラファイトファイバー社製XN−100)を25phr配合し、比較例6(C6)は、実施例のカーボンナノファイバーの代わりにグラフェン(XG Science社製、XGnP−M−15)を25phr配合した。
図3によれば、0〜1MHzはノイズが大きいので評価できないが、比較例3〜6に比べて実施例2,3はカーボンナノファイバーの配合量が少ないにもかかわらず大きなシールド効果が得られた。また、比較例3〜5は高周波数領域でシールド効果が大きく低下したが、実施例2,3は安定したシールド効果が得られた。
(5)SEM観察
実施例3のサンプル及び比較例2のサンプルの凍結割断面について、走査型電子顕微鏡(以下、「SEM」という。)で観察した。
図4は、実施例3のサンプルの凍結割断面(100倍)のSEM観察写真であり、図5は、実施例3のサンプルの凍結割断面(10000倍)のSEM観察写真である。実施例3のサンプルの凍結割断面にはカーボンナノファイバーの凝集塊が確認できなかった。
図6は、比較例2のサンプルの凍結割断面(100倍)のSEM観察写真である。比較例2のサンプルの凍結割断面にはカーボンナノファイバーの凝集塊が多数確認され、図6において黒い丸で囲んだ中にカーボンナノファイバーの凝集塊が観察できた。
2 オープンロール、10 第1のロール、20 第2のロール、30 フッ素樹脂、34 バンク、40 非接触温度計、80 カーボンナノファイバー、d 間隔、V1,V2 回転速度、C1、C3,C4,C5,C6 比較例1、比較例3,比較例4,比較例5,比較例6、E2,E3 実施例2,3

Claims (10)

  1. フッ素樹脂と、カーボンナノファイバーと、を第1温度で混練して第1の混合物を得る混合工程と、
    前記第1の混合物を第2温度に温度調節する低温化工程と、
    フッ素樹脂中に複数のカーボンナノファイバーの凝集塊を含みかつ前記第2温度にある前記第1の混合物を、前記第2温度で混練する低温混練工程と、
    を含み、
    前記第1温度は、前記フッ素樹脂の融点(Tm)より高い温度であり、
    前記第2温度は、前記フッ素樹脂の融点(Tm)より5℃低い温度から融点(Tm)より25℃未満高い温度までの範囲である、熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  2. 請求項1において、
    前記第1温度は、前記フッ素樹脂の融点(Tm)より25℃以上高い温度である、熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  3. 請求項1または2において、
    前記カーボンナノファイバーは、平均直径が2nm以上、110nm以下であり、
    前記第1の混合物は、前記フッ素樹脂100質量部に対して、前記カーボンナノファイバーが0.5質量部以上、30質量部以下である、熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において、
    前記カーボンナノファイバーは、平均直径が9nm以上30nm以下であり、
    前記第1の混合物は、前記フッ素樹脂100質量部に対して、前記カーボンナノファイバーが5質量部以上、30質量部以下である、熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項において、
    前記カーボンナノファイバーは、平均直径が9nm以上30nm以下であり、
    前記第1の混合物は、前記フッ素樹脂100質量部に対して、前記カーボンナノファイバーが0.5質量部以上、5質量部未満であり、
    前記第2温度は、前記フッ素樹脂の融点(Tm)より5℃低い温度から融点(Tm)より5℃高い温度までの範囲である、熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項において、
    前記カーボンナノファイバーは、平均直径が30nmを超え110nm以下であり、
    前記第1の混合物は、前記フッ素樹脂100質量部に対して、前記カーボンナノファイバーが8質量部以上、30質量部以下である、熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  7. 請求項1〜3のいずれか1項において、
    前記カーボンナノファイバーは、平均直径が30nmを超え110nm以下であり、
    前記第1の混合物は、前記フッ素樹脂100質量部に対して、前記カーボンナノファイバーが0.5質量部以上、8質量部未満であり、
    前記第2温度は、前記フッ素樹脂の融点(Tm)より5℃低い温度から融点(Tm)より5℃高い温度までの範囲である、熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項において、
    前記低温化工程は、前記混合工程に用いた混練機から前記第1の混合物を取り出して行う、熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  9. フッ素樹脂中にカーボンナノファイバーが分散している熱可塑性樹脂組成物であって、
    カーボンナノファイバーの凝集塊が存在せず、
    カーボンナノファイバーは、相互に分離した状態で全体に分散している、熱可塑性樹脂組成物。
  10. 請求項9において、
    前記カーボンナノファイバーは、平均直径が2nm以上、110nm以下であり、
    前記フッ素樹脂100質量部に対して、前記カーボンナノファイバーが0.5質量部以上、30質量部以下である、熱可塑性樹脂組成物。
JP2014149684A 2014-07-23 2014-07-23 熱可塑性樹脂組成物の製造方法 Active JP6503164B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014149684A JP6503164B2 (ja) 2014-07-23 2014-07-23 熱可塑性樹脂組成物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014149684A JP6503164B2 (ja) 2014-07-23 2014-07-23 熱可塑性樹脂組成物の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016023262A true JP2016023262A (ja) 2016-02-08
JP6503164B2 JP6503164B2 (ja) 2019-04-17

Family

ID=55270332

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014149684A Active JP6503164B2 (ja) 2014-07-23 2014-07-23 熱可塑性樹脂組成物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6503164B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018180251A1 (ja) * 2017-03-28 2018-10-04 国立大学法人九州大学 ガスシール部材用組成物およびその製造方法、高圧水素機器用ガスシール部材、並びに、高圧水素機器
JP2021004158A (ja) * 2019-06-27 2021-01-14 株式会社富山環境整備 カーボンナノチューブ含有組成物の製造方法、複合材料の製造方法及び複合材料

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005146081A (ja) * 2003-11-13 2005-06-09 Junkosha Co Ltd フッ素樹脂組成物
JP2010506989A (ja) * 2006-10-19 2010-03-04 アルケマ フランス 熱可塑性ポリマーとカーボン・ナノチューブとをベースにした伝導性複合材料
JP2010540687A (ja) * 2007-09-24 2010-12-24 アルケマ フランス 複合材料の製造方法
WO2011077597A1 (ja) * 2009-12-25 2011-06-30 日信工業株式会社 シール部材
JP2011221521A (ja) * 2010-04-07 2011-11-04 Xerox Corp 強化フッ素樹脂複合表面層を備える中間転写部材
JP2015083666A (ja) * 2013-09-17 2015-04-30 旭硝子株式会社 導電性フッ素樹脂組成物、その製造方法および成形体
JP2015172148A (ja) * 2014-03-12 2015-10-01 日信工業株式会社 熱可塑性樹脂組成物の製造方法及び熱可塑性樹脂組成物

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005146081A (ja) * 2003-11-13 2005-06-09 Junkosha Co Ltd フッ素樹脂組成物
JP2010506989A (ja) * 2006-10-19 2010-03-04 アルケマ フランス 熱可塑性ポリマーとカーボン・ナノチューブとをベースにした伝導性複合材料
JP2010540687A (ja) * 2007-09-24 2010-12-24 アルケマ フランス 複合材料の製造方法
WO2011077597A1 (ja) * 2009-12-25 2011-06-30 日信工業株式会社 シール部材
JP2011221521A (ja) * 2010-04-07 2011-11-04 Xerox Corp 強化フッ素樹脂複合表面層を備える中間転写部材
JP2015083666A (ja) * 2013-09-17 2015-04-30 旭硝子株式会社 導電性フッ素樹脂組成物、その製造方法および成形体
JP2015172148A (ja) * 2014-03-12 2015-10-01 日信工業株式会社 熱可塑性樹脂組成物の製造方法及び熱可塑性樹脂組成物

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018180251A1 (ja) * 2017-03-28 2018-10-04 国立大学法人九州大学 ガスシール部材用組成物およびその製造方法、高圧水素機器用ガスシール部材、並びに、高圧水素機器
KR20190132634A (ko) * 2017-03-28 2019-11-28 고쿠리쓰다이가쿠호진 규슈다이가쿠 가스 시일 부재용 조성물 및 그 제조 방법, 고압 수소 기기용 가스 시일 부재, 그리고, 고압 수소 기기
JPWO2018180251A1 (ja) * 2017-03-28 2020-02-06 国立大学法人九州大学 ガスシール部材用組成物およびその製造方法、高圧水素機器用ガスシール部材、並びに、高圧水素機器
JP2022069611A (ja) * 2017-03-28 2022-05-11 国立大学法人九州大学 ガスシール部材用組成物、高圧水素機器用ガスシール部材、および、高圧水素機器
JP7067705B2 (ja) 2017-03-28 2022-05-16 国立大学法人九州大学 ガスシール部材用組成物の製造方法
JP7306641B2 (ja) 2017-03-28 2023-07-11 国立大学法人九州大学 ガスシール部材用組成物、高圧水素機器用ガスシール部材、および、高圧水素機器
KR102564829B1 (ko) 2017-03-28 2023-08-07 고쿠리쓰다이가쿠호진 규슈다이가쿠 가스 시일 부재용 조성물 및 그 제조 방법, 고압 수소 기기용 가스 시일 부재, 그리고, 고압 수소 기기
JP2021004158A (ja) * 2019-06-27 2021-01-14 株式会社富山環境整備 カーボンナノチューブ含有組成物の製造方法、複合材料の製造方法及び複合材料
JP7324492B2 (ja) 2019-06-27 2023-08-10 国立大学法人信州大学 カーボンナノチューブ含有組成物の製造方法及び複合材料の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6503164B2 (ja) 2019-04-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2017169482A1 (ja) 熱可塑性樹脂組成物及び熱可塑性樹脂組成物の製造方法
JP2007112885A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JP2010222582A (ja) ナノチューブの含有量が高いエラストマーの複合材料の製造方法
JP6873360B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
Wang et al. Enhanced toughness of multilayer graphene‐filled poly (VInyl chloride) composites prepared using melt‐mixing method
Junkong et al. Cut growth and abrasion behaviour, and morphology of natural rubber filled with MWCNT and MWCNT/carbon black
JP2015061891A (ja) 導電性樹脂組成物マスターバッチの製造方法およびマスターバッチ
JP6415284B2 (ja) 炭素繊維複合材料
Li et al. Enhancing mechanical property and thermal conductivity of fluororubber by the synergistic effect of CNT and BN
JP6310736B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物の製造方法及び熱可塑性樹脂組成物
JP5798136B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物の製造方法及び熱可塑性樹脂組成物
JP6503164B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物の製造方法
Yin et al. Synergistic effects of hybridization of carbon black and carbon nanotubes on the mechanical properties and thermal conductivity of a rubber blend system
JP2006282842A (ja) 微細炭素繊維含有樹脂組成物の製造方法
JP2006137939A (ja) 燃料チューブ用導電性熱可塑性樹脂組成物及び燃料チューブ
JP2015117253A (ja) 導電性樹脂組成物マスターバッチ
JP2013116965A (ja) 炭素繊維複合材料の製造方法及び炭素繊維複合材料
JP2021008629A (ja) 放熱シート
JP6473588B2 (ja) 炭素繊維複合材料及び炭素繊維複合材料の製造方法
JP2006057057A (ja) カーボンナノ構造体を含有する熱硬化性樹脂組成物およびその製造方法
Maldonado et al. Enhanced thermally conductive TPU/graphene filaments for 3D printing produced by melt compounding
Zhang et al. Highly improved creep resistance in polypropylene through thermally reduced graphene oxide and its creep lifetime prediction
JP2019167505A (ja) 成形体
JP6630477B2 (ja) 炭素繊維複合材料の製造方法及び炭素繊維複合材料
JP2009215403A (ja) シート状熱伝導性成形体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170609

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20170609

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180309

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180314

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180509

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20181031

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190130

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20190206

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190306

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190325

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6503164

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250