JP6310736B2 - 熱可塑性樹脂組成物の製造方法及び熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物の製造方法及び熱可塑性樹脂組成物 Download PDF

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本発明は、カーボンナノファイバーが分散している熱可塑性樹脂組成物の製造方法及び熱可塑性樹脂組成物に関するものである。
本発明者他が先に提案した炭素繊維複合材料の製造方法によれば、エラストマーを用いることで、これまで困難とされていたカーボンナノファイバーの分散性を改善し、エラストマーにカーボンナノファイバーを均一に分散させることができた(例えば、特許文献1参照)。
このような炭素繊維複合材料の製造方法によれば、エラストマーとカーボンナノファイバーを混練し、剪断力によって凝集性の強いカーボンナノファイバーの分散性を向上させている。より具体的には、エラストマーとカーボンナノファイバーとを混合すると、粘性を有するエラストマーがカーボンナノファイバーの相互に侵入し、かつ、エラストマーの特定の部分が化学的相互作用によってカーボンナノファイバーの活性の高い部分と結合し、この状態で、分子長が適度に長く、分子運動性の高い(弾性を有する)エラストマーとカーボンナノファイバーとの混合物に強い剪断力が作用すると、エラストマーの変形に伴ってカーボンナノファイバーも移動し、さらに剪断後の弾性によるエラストマーの復元力によって、凝集していたカーボンナノファイバーが分離されて、エラストマー中に分散していた。
このように、マトリックスへのカーボンナノファイバーの分散性を向上させることで、高価なカーボンナノファイバーを効率よく複合材料のフィラーとして用いることができるようになった。
そして、熱可塑性樹脂についてもカーボンナノファイバーを複合した熱可塑性樹脂組成物を製造する試みがこれまでも行われてきた。
しかしながら、熱可塑性樹脂では、エラストマーのような弾性によってカーボンナノファイバーを分散させることは難しく、熱可塑性樹脂組成物中に多くのカーボンナノファイバーの凝集塊が残存してしまった。このようなカーボンナノファイバーの凝集塊は、熱可塑性樹脂組成物において応力集中を起こすため、破壊起点になりやすく、カーボンナノファイバーで補強したにもかかわらず、比較的脆い材料となってしまうという問題があった。
そこで、カーボンナノファイバーを配合した熱可塑性樹脂組成物の製造方法として、熱可塑性樹脂にカーボンナノファイバーの分散を促進させる分散用粒子を混合することによって、カーボンナノファイバーをより分散させる方法が提案されていた(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、カーボンナノファイバーは全体に均一に分散するため、補強効果はあるもののカーボンナノファイバーの凝集塊は残されていたため、破壊起点になりやすく熱可塑性樹脂に求められる高い延性が失われていた。
また、エラストマーにカーボンナノファイバーをエラストマーの弾性を利用して均一に分散させて混合物を得た後、その混合物を熱可塑性樹脂にさらに混合し、低温で混練りすることによってカーボンナノファイバーを分散させる熱可塑性樹脂組成物の製造方法が提
案された(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、ほとんどのカーボンナノファイバーは解繊されてエラストマー中に分散させることはできるが、カーボンナノファイバーを熱可塑性樹脂相の中にまで分散させることは難しかった。
近年では、熱可塑性樹脂にカーボンナノファイバーを配合したペレットが販売されている(例えば、非特許文献1参照。)が、これらも材料中にカーボンナノファイバーの凝集塊が多数存在したままであり、その材料を用いて通常の成形加工を行っても凝集塊はほとんどそのまま製品中に残っていた。そして、このような成形品は、引張試験を行うと、カーボンナノファイバーの配合量が微量であっても低ひずみで破断してしまった。
特開2005−97525号公報 特開2005−336235号公報 特開2007−154157号公報
Nanocyl社(ベルギー国)のホームページに掲載の「PLASTICYLTMPP2001」、[2012年12月11日検索]、インターネット<http://www.nanocyl.com/en/Products-Solutions/Products/PLASTICYL-Carbon-Nanotubes-Conductive-Masterbatches>
本発明の目的は、カーボンナノファイバーが分散している熱可塑性樹脂組成物の製造方法及び熱可塑性樹脂組成物を提供することにある。
本発明にかかる熱可塑性樹脂組成物の製造方法は、
ポリエチレンと、カーボンナノファイバーと、を第1温度で混練して第1の混合物を得る混合工程と、
前記第1の混合物を第2温度に温度調節する低温化工程と、
ポリエチレン中に複数のカーボンナノファイバーの凝集塊を含みかつ前記第2温度にある前記第1の混合物を、前記第2温度で混練する低温混練工程と、
を含み、
前記第1温度は、前記ポリエチレンの融点(Tm)より25℃以上高い温度であり、
前記第2温度は、前記ポリエチレンの融点(Tm)より5℃低い温度から融点(Tm)より25℃未満高い温度までの範囲であることを特徴とする。
本発明にかかる熱可塑性樹脂組成物の製造方法によれば、凝集塊のカーボンナノファイバーをほぐして相互に分離した状態でポリエチレン中に分散させることができる。したがって、本発明にかかる熱可塑性樹脂組成物の製造方法によって得られた熱可塑性樹脂組成物は、カーボンナノファイバーの凝集塊が存在しないので、凝集塊が原因の応力集中による破壊が起こらないため、延性を犠牲にすることなく、高い弾性率を有することができる。
本発明にかかる熱可塑性樹脂組成物の製造方法において、
前記第2温度は、110℃以上、140℃未満であることができる。
本発明にかかる熱可塑性樹脂組成物の製造方法において、
前記カーボンナノファイバーは、平均直径が2nm以上、110nm以下であり、
前記第1の混合物は、前記ポリエチレン100質量部に対して、前記カーボンナノファイバーが15質量部以上、55質量部以下であることができる。
本発明にかかる熱可塑性樹脂組成物の製造方法において、
前記低温化工程は、前記混合工程に用いた混練機から前記第1の混合物を取り出して行うことができる。
本発明にかかる熱可塑性樹脂組成物は、
ポリエチレン中にカーボンナノファイバーが分散している熱可塑性樹脂組成物であって、
カーボンナノファイバーの凝集塊が存在せず、
カーボンナノファイバーは、相互に分離した状態で全体に分散し
測定温度20〜300℃、動的ひずみ±0.05%及び周波数1HzのJIS K7244に基づく動的粘弾性試験における貯蔵弾性率(E’)は、測定温度が200℃を超える温度領域で上昇し、
前記カーボンナノファイバーは、平均直径が2nm以上、110nm以下であり、
前記ポリエチレン100質量部に対して、前記カーボンナノファイバーが15質量部以上、55質量部以下であることを特徴とする。
本発明にかかる熱可塑性樹脂組成物によれば、カーボンナノファイバーの凝集塊が存在しないので、凝集塊における応力集中による破壊が起こらないため、延性を犠牲にすることなく、高い弾性率を有することができる。
一実施の形態に係る熱可塑性樹脂組成物の製造方法を模式的に示す図である。 実施例1〜3及び比較例1〜5のサンプルにおけるS−S曲線である。 実施例1〜3及び比較例1〜5のサンプルにおけるDMA測定結果(貯蔵弾性率E’の温度依存性)を示すグラフである。 実施例1〜3及び比較例1〜5のサンプルにおけるDMA測定結果(損失正接tanδの温度依存性)を示すグラフである。 実施例2のサンプルの凍結割断面の100倍のSEM観察写真である。 実施例2のサンプルの凍結割断面の500倍のSEM観察写真である。 実施例2のサンプルの凍結割断面の2000倍のSEM観察写真である。 実施例2のサンプルの凍結割断面の20000倍のSEM観察写真である。 比較例4のサンプルの凍結割断面の100倍のSEM観察写真である。 比較例4のサンプルの凍結割断面の500倍のSEM観察写真である。 比較例4のサンプルの凍結割断面の2000倍のSEM観察写真である。 比較例4のサンプルの凍結割断面の20000倍のSEM観察写真である。 実施例4,5及び比較例1,4,6のサンプルにおけるS−S曲線である。 実施例4,5及び比較例1,4,6のサンプルにおけるDMA測定結果(貯蔵弾性率E’の温度依存性)を示すグラフである。 実施例4,5及び比較例1,4,6のサンプルにおけるDMA測定結果(損失正接tanδの温度依存性)を示すグラフである。 貯蔵弾性率の減少割合を説明するグラフである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明の一実施の形態にかかる熱可塑性樹脂組成物の製造方法は、ポリエチレンと、カーボンナノファイバーと、を第1温度で混練して第1の混合物を得る混合工程と、前記第1の混合物を第2温度に温度調節する低温化工程と、ポリエチレン中に複数のカーボンナノファイバーの凝集塊を含みかつ前記第2温度にある前記第1の混合物を、前記第2温度で混練する低温混練工程と、を含み、前記第1温度は、前記ポリエチレンの融点(Tm)より25℃以上高い温度であり、前記第2温度は、前記ポリエチレンの融点(Tm)より5℃低い温度から融点(Tm)より25℃未満高い温度までの範囲であることを特徴とする。
本発明の一実施の形態にかかる熱可塑性樹脂組成物は、ポリエチレン中にカーボンナノファイバーが分散している熱可塑性樹脂組成物であって、カーボンナノファイバーの凝集塊が存在せず、カーボンナノファイバーは、相互に分離した状態で全体に分散し、測定温度20〜300℃、動的ひずみ±0.05%及び周波数1HzのJIS K7244に基づく動的粘弾性試験における貯蔵弾性率(E’)は、測定温度が200℃を超える温度領域で上昇し、前記カーボンナノファイバーは、平均直径が2nm以上、110nm以下であり、前記ポリエチレン100質量部に対して、前記カーボンナノファイバーが15質量部以上、55質量部以下であることを特徴とする。
A.まず、本実施の形態にかかる熱可塑性樹脂組成物の製造方法について説明する。
図1は、一実施の形態に係る熱可塑性樹脂組成物の製造方法を模式的に示す図である。
まず、低温混練工程の前に、ポリエチレンと、カーボンナノファイバーと、を第1温度で混練して第1の混合物を得る混合工程について説明する。なお、この混合工程は、予めポリエチレンにカーボンナノファイバーが配合された材料、例えば市販されているペレット状の材料はこの混合工程によって製造されている第1の混合物であると推測できる。この場合、第1の混合物にはカーボンナノファイバーが凝集塊のままの状態で全体に分散している。
A−1.混合工程
混合工程は、ポリエチレンと、カーボンナノファイバーと、を第1温度で混練して第1の混合物を得る。
A−1−1.混練機
混合工程は、例えば、オープンロール、密閉式混練機、押出機、射出成形機などの混練機を用いることができる。オープンロールとしては、公知の2本ロール、3本ロール等を用いることができる。密閉式混練機は、いわゆるインターナルミキサーであり、公知のバンバリータイプ、ニーダータイプ等を用いることができる。混合工程に用いるこれらの混練機は、加工中の混合物を加熱する加熱装置を有することが望ましい。
A−1−2.第1温度
第1温度は、ポリエチレンの融点(Tm)より25℃以上高い温度である。第1温度は、混合工程中のポリエチレンの実際の温度であり、加工装置の温度ではない。ポリエチレンの成形加工温度は、一般的に、加工装置の例えば押出機や射出成形機であれば加熱筒の設定温度で表わされるが、通常、混練時のせん断発熱によって加工装置の設定温度よりも実際の樹脂の温度は高温になる。本実施の形態における第1温度は加工中の温度であるため、できるだけ実際の樹脂の表面温度を測定することが望ましいが、測定できない場合は加工装置から第1の混合物を取り出した直後の樹脂の表面温度を測定してその温度とすることができる。
第1温度は、融点以上の例えば融点が115℃のポリエチレンである場合には140℃以上であることができ、さらに140℃〜310℃であることができる。
第1温度は、オープンロールを用いて混合工程の加工する場合には、ポリエチレンの一般的な成形加工装置で実施する場合よりもロールへの巻き付き特性を考慮して若干低め、例えば20℃以上低い温度にロール温度を設定することで実施できる。
ポリエチレンをオープンロールで加工することは一般的ではないが、オープンロールの場合には、他の前記加工装置に比べて、材料をロールに巻き付かせなければならないという特殊性から、ポリエチレンの粘性が高くなりすぎる温度では加工が困難になる。
融点が110℃〜120℃のポリエチレンを用いてオープンロールで混練する場合には、第1温度は135℃〜180℃に設定することができる。第1温度は、ポリエチレンを溶融させ、カーボンナノファイバーを混合することができればよいので、密閉式混練機、押出機、射出成形機などで加工する場合には、第1温度はその加工装置の設定温度を135℃〜310℃としたときの樹脂の表面温度とすることができる。
A−1−3.オープンロール
図1に示すように2本ロールのオープンロール2を用いて行う方法について説明する。オープンロール2における第1のロール10と第2のロール20とは、所定の間隔d、例えば0.5mm〜1.5mmの間隔で配置され、矢印で示す方向に回転速度V1,V2で正転あるいは逆転で回転する。第1のロール10と第2のロール20は、例えば内部に設けられた加熱手段によって温度を調節することができ、第1温度に設定される。
図1に示すように、第1のロール10に巻き付けられたポリエチレン30のバンク34に、複数のカーボンナノファイバー80を投入し、混練して第1の混合物を得ることができる。混合工程では、カーボンナノファイバー80がポリエチレン30中に分散し、例えば目視で色むらがなくなるまで混練を行う。この混練の工程は、ポリエチレンに配合剤(カーボンナノファイバーなど)を配合する一般的な混練と同じ工程を採用することができる。
しかしながら、この状態では、第1の混合物中におけるカーボンナノファイバー80は、原料と同じ凝集体のまま全体に分散して存在する。したがって、第1の混合物は、その材料中に欠陥を有することになり、例えば引張試験などを行うと、原料のポリエチレン単体のときよりも切断時伸びが著しく低下する。
この第1の混合物について、動的粘弾性試験(以下、DMA試験という。)を行うと、原料のポリエチレンとは異なる挙動を示すことがわかった。原料のポリエチレンは、融点付近で貯蔵弾性率(E’)が急激に低下し、流動する。しかし、カーボンナノファイバー80を混合した第1の混合物は、所定量以上のカーボンナノファイバーを分散させることにより、融点を超えても貯蔵弾性率(E’)がほとんど低下しない、すなわちエラストマーのようなゴム弾性領域が発現することがわかった。
本発明にかかる熱可塑性樹脂組成物の製造方法は、このゴム弾性領域を利用して、凝集しているカーボンナノファイバーをほぐすように解繊して、ポリエチレン中に分散させるものである。したがって、本発明を実施する上で、その配合の第1の混合物のサンプルについてあらかじめDMA試験を行い、ゴム弾性領域が発現しているかどうかを確認しておき、その温度領域を用いて、熱可塑性樹脂組成物を生産することができる。
A−2.低温化工程
低温化工程は、第1の混合物を第2温度に温度調節する。
ここで第2温度について説明する。
混合工程における一般的な加工設定温度すなわち加工装置の設定温度は、ポリエチレンを短時間で十分に溶融させ、迅速に加工するために、ポリエチレンの加工設定温度として推奨されている温度よりも高い温度である。したがって、ポリエチレンは、その融点付近で加工は行なわない。加工時のポリエチレンの表面温度は、そのような加工設定温度よりも高くなることは前述のとおりである。
特に、ポリエチレンにカーボンナノファイバーのような充填剤が配合されている場合には、その加工設定温度は一般的な加工設定温度よりもさらに高い温度で加工を行うことになるのが通常である。また、カーボンナノファイバーの配合量が増えると剪断による発熱によって、混合工程における第1の混合物の温度が急激に上昇する。
したがって、上記A−1−3で説明したゴム弾性領域を利用して下記A−3で説明する低温混練工程を実施するためには、第1の混合物の温度を下げる必要がある。混練を行うと第1の混合物の温度は上昇するので、混練を続けながら温度を下げることは通常困難である。そのため、低温化工程は、混練後、混練機を所定時間停止し、または混練機から第1混合物を取り出して、第2の温度まで放冷することができる。また、第1の混合物を扇風機、スポットクーラー、チラー等の冷却機構などを備えた冷却装置を用いて積極的に冷却することができる。積極的に冷却することで加工時間を短縮することができる。
第2温度は、この製造方法に用いるポリエチレンの融点(Tm)より5℃低い温度から融点(Tm)より25℃未満高い温度までの範囲である。さらに、第2温度は、このポリエチレンの融点(Tm)より5℃低い温度から融点(Tm)より20℃高い温度までの範囲であることができ、特に、融点(Tm)より5℃低い温度から融点(Tm)より5℃高い温度までの範囲であることができる。
DMA試験の結果らみると、第2温度は、ポリエチレンの融点(Tm)以上であって、第1の混合物のDMA試験におけるゴム弾性領域を示す温度範囲であることが好ましいが、加工中における第1の混合物の内部温度を測定することは困難である。したがって、下記A−3において説明するように、第2温度は樹脂の表面温度である。そのため、第2温度は、ゴム弾性領域を示す温度範囲よりも若干低い温度まで含む。すなわち、加工中における第1の混合物の内部温度がゴム弾性領域を示す温度範囲となるように、樹脂の表面温度である第2温度を設定するためである。ポリエチレンの場合、第2温度がゴム弾性領域よりも低い、例えば融点(Tm)よりも5℃低い範囲まで加工が可能である。
なお、ゴム弾性領域は、DMA試験結果を温度−貯蔵弾性率のグラフを作成した際の平坦領域である。平坦領域における弾性率減少割合は、0.01MPa/℃〜0.15MPa/℃であることができ、さらに0.04MPa/℃〜0.13MPa/℃であることができる。
この第2温度においては、ポリエチレンの弾性による復元力を利用してカーボンナノファイバーを移動させることができる。第2温度は、ポリエチレンの加工温度として採用されない温度であり、特に、第1の混合物の加工温度としてはこれまで採用されなかった低い温度範囲となる。
第2温度が融点(Tm)よりも25℃高い温度以上では、低温混練工程においてカーボンナノファイバーの凝集塊をほぐすことができないと考えられる。第2温度は、例えばポ
リエチレンの融点が115℃の場合、110℃以上、140℃未満であることができ、さらに110℃以上、135℃以下であることができ、特に110℃以上、120℃以下であることができる。
本発明において「融点(Tm)」は、示差走査熱量測定(DSC)を用いてJIS K7121に準拠して測定した値をいう。
第2の温度まで温度が下がった第1の混合物は、例えば、第2温度に設定されたオーブン内に入れ、第2温度の範囲で所定温度に維持することができる。混練機から取り出された第1の混合物は降温が進行するので、加工品質の安定化のためである。
また、第1の混合物として市販のカーボンナノファイバーが入ったペレットを用いる場合には、混合工程と低温化工程との間に再加熱工程が必要となる。再加熱工程は、ポリエチレンの溶融温度以上に加熱することにより行うことができる。
A−3.低温混練工程
低温混練工程は、第1の混合物を第2温度で混練する。
第1の混合物としては、前記A−1の混合工程によって得られたものを用いることができる。
低温混練工程における第1の混合物を第2温度で混練する工程は、ポリエチレンを溶融して成形加工するための装置、例えば、オープンロール、密閉式混練機、押出機、射出成形機などを用いることができる。混合工程と同様に、図1に示すようなオープンロール2を用いる方法について説明する。
この工程では、第1のロール10と第2のロール20とのロール間隔dを、例えば0.5mm以下、より好ましくは0mm〜0.5mmの間隔に設定し、混合工程で得られた第1の混合物をオープンロール2に投入して混練を行なうことができる。
第1のロール10の表面速度をV1、第2のロール20の表面速度をV2とすると、この工程における両者の表面速度比(V1/V2)は、1.05〜3.00であることができ、さらに1.05〜1.2であることができる。このような表面速度比を用いることにより、所望の高い剪断力を得ることができる。このように狭いロール間から押し出された第1の混合物は、第2温度がゴム弾性領域が発現し、かつ、適度な粘性を有している温度範囲であることから、ポリエチレンの弾性による復元力で大きく変形し、その際のポリエチレンの変形と共にカーボンナノファイバーが大きく移動することができる。
第2温度は、低温混練工程における第1の混合物の表面温度であり、加工装置の設定温度ではない。第1温度でも説明したように、第2温度もできるだけ実際の樹脂の表面温度を測定することが望ましいが、測定できない場合は加工装置から熱可塑性樹脂組成物を取り出した直後の樹脂の表面温度を測定してその温度から加工中の第2温度とすることができる。
オープンロール2の場合は、図1に示すように、第1のロール10に巻き付いた第1の混合物に対して非接触温度計40を用いて表面温度を測定することができる。非接触温度計40の配置は、ニップを通過した直後の位置以外であればよく、好ましくは第1のロール10の上方である。ニップを通過した直後は、第1の混合物の温度が急激に変化する不安定な温度であるため、避けた方が望ましい。
また、密閉式混練機や押出機などのように、低温混練工程における第1の混合物の表面温度を測定することができない場合には、混練した後装置から取り出した直後の熱可塑性樹脂組成物の表面温度を測定し、第2温度の範囲内にあることを確認することができる。
低温混練工程は、第2温度において、例えば4分間〜20分間であることができ、さらに5分間〜20分間であることができる。第2温度での混練時間を十分にとることによって、カーボンナノファイバーの解繊をより確実に実施することができる。
第1の混合物は、カーボンナノファイバーが配合されたことによって加工性が低下しており、これを混練することによるせん断発熱によって、第1の混合物の温度は装置の設定温度よりもさらに高くなる。そのため、低温混練工程に適した第2温度範囲に第1の混合物の表面温度を維持するために、オープンロールであればロールの温度を調節して第1の混合物の温度が高くならないように、積極的に冷やすように温度調節しなければならない。これは密閉式混練機、押出機または射出成形機などにおいても同様であり、装置の加工設定温度を積極的に冷やすように調節することで第1の混合物の表面温度を第2温度範囲に一定時間維持することができる。例えば、押出機においては材料を供給する付近においては加熱筒の設定温度を一般的な加工温度よりも高い温度に設定し、他のゾーンを第2温度よりも低温に設定し、加工中の樹脂の表面温度が第2温度になるように調節することができる。
低温混練工程によって得られた熱可塑性樹脂組成物は、例えば、金型内に投入されてプレス加工することができ、あるいは、例えば、さらに押出機を用いてペレットに加工するなどして、公知のポリエチレンの加工方法を用いて所望の形状に成形することができる。
低温混練工程において得られた剪断力により、ポリエチレンに高い剪断力が作用し、凝集していたカーボンナノファイバーがポリエチレンの分子に1本ずつ引き抜かれるように相互に分離し、解繊され、ポリエチレン中に分散される。特に、ポリエチレンは、第2温度範囲における弾性と、粘性と、混練工程によるポリエチレンの分子が活性化することによるカーボンナノファイバーとの化学的相互作用と、を有するため、カーボンナノファイバーを解繊し、分散することができる。そして、カーボンナノファイバーの分散性および分散安定性(カーボンナノファイバーが再凝集しにくいこと)に優れた熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。
熱可塑性樹脂組成物の製造方法において、カーボンナノファイバーの平均直径が2nm以上、110nm以下であることができ、その場合における第1の混合物は、ポリエチレン100質量部に対する、カーボンナノファイバーの配合量は15質量部以上、55質量部以下であることができる。平均直径が2nm以上、110nm以下のカーボンナノファイバーの場合、ポリエチレン100質量部に対するカーボンナノファイバーの配合量が15質量部以上になると第1の混合物のDMA試験において融点以上のゴム弾性領域が発現することができる。また、ポリエチレン100質量部に対するカーボンナノファイバーの配合量が55質量部以上になると低温混練工程における加工が困難となる。
さらに、第1の混合物は、ポリエチレン100質量部に対する、カーボンナノファイバーの配合量は17質量部以上、45質量部以下であることができる。
カーボンナノファイバーの平均直径は、9nm以上、30nm以下であることができる。
本実施の形態にかかる熱可塑性樹脂組成物の製造方法によれば、ポリエチレン中に凝集塊として存在していたカーボンナノファイバーを相互に分離した状態で分散させることが
できる。したがって、熱可塑性樹脂組成物の製造方法によって得られた熱可塑性樹脂組成物は、カーボンナノファイバーの凝集塊が存在しないので、凝集塊が原因の応力集中による破壊が起こらないため、延性を犠牲にすることなく、高い弾性率を有することができる。
A−4.第2の低温混練工程
熱可塑性樹脂組成物の製造方法は、第1の混合物におけるポリエチレンは第1のポリエチレンであり、低温混練工程で得られた第2の混合物に、第2のポリエチレンをさらに加えて第3温度で混練して第3の混合物を得る第2の低温混練工程をさらに含むことができる。
第2のポリエチレンは、第1のポリエチレンと同じ種類のポリエチレンであることができる。ここで、同じ種類のポリエチレンとは、第2のポリエチレンと第1のポリエチレンとが少なくとも同じ主構成モノマーであるということである。
第3温度は、前記A−2において説明した第2温度と同じ温度範囲とすることができる。
前記A−1における第1の混合物中のカーボンナノファイバーの配合量が少ないと、第1の混合物におけるDMA試験でのゴム弾性領域が発現しない場合がある。そのような第1の混合物では低温混練工程を実施してもカーボンナノファイバーを相互に分離させることができない。そのため、比較的少量のカーボンナノファイバーを配合した熱可塑性樹脂組成物を加工したい場合には、このように第2の低温混練工程を実施することによって、第2のポリエチレンを任意の量追加することにより、熱可塑性樹脂組成物におけるカーボンナノファイバーの含有量を少なくすることができる。
B.原料
次に、本実施の形態の製造方法に用いる原料について説明する。
B−1.ポリエチレン
ポリエチレンとしては、例えば、密度が0.941g/cm−3以上の高密度ポリエチレン(HDPE)、密度が0.926g/cm−3〜0.940g/cm−3の中密度ポリエチレン(MDPE)、0.910g/cm−3〜0.920g/cm−3の低密度ポリエチレン(LDPE)等を用いることができる。
また、ポリエチレンとしては、例えば、高圧法ポリエチレン(HPPE)、低圧法ポリエチレン等を用いることができる。
さらに、ポリエチレンとしては、例えば、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、分岐状低密度ポリエチレン(BLDPE)等を用いることができる。
なお、分子量が100万以上の超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)は、一般の成形加工法を用いることが困難であるので、本発明におけるポリエチレンには含まない。
B−2.カーボンナノファイバー
カーボンナノファイバーは、平均直径(繊維径)が0.4nm以上230nm以下であることができ、さらにカーボンナノファイバーは、平均直径(繊維径)が2nm以上110nm以下であることができ、特に9nm以上30nm以下または30nmを超え110nm以下であることができる。
カーボンナノファイバーは、その平均直径が細く、比表面積が大きいため、カーボンナノファイバーを解繊し、全体に分散させることができると、ポリエチレンを少量のカーボンナノファイバーによって効果的に補強することができる。平均直径(繊維径)が0.4nm以上230nm以下であるカーボンナノファイバーを用いることで、ポリエチレンを補強することができる。
カーボンナノファイバーは、その表面におけるポリエチレンとの反応性を向上させるために、例えば酸化処理することもできる。
なお、本発明の詳細な説明においてカーボンナノファイバーの平均直径及び平均長さは、電子顕微鏡による例えば5,000倍の撮像(カーボンナノファイバーのサイズによって適宜倍率は変更できる)から200箇所以上の直径及び長さを計測し、その算術平均値として計算して得ることができる。
熱可塑性樹脂組成物におけるカーボンナノファイバーの配合量は、所望の特性に応じて適宜配合することができる。
特に、上記A−4で説明した第2の低温混練工程を用いることによって、ポリエチレン100質量部に対してカーボンナノファイバー0.1質量部以上を配合することができる。
また、熱可塑性樹脂組成物には、カーボンナノファイバー以外に熱可塑性樹脂組成物の加工に一般に用いられている充填材などを合わせて用いることができる。
ここで、「質量部」は、特に指定しない限り「phr」を示し、「phr」は、parts per hundred of resin or rubberの省略形であって、ゴムや熱可塑性樹脂等に対する添加剤等の外掛百分率を表すものである。
カーボンナノファイバーは、炭素六角網面のグラファイトの1枚面(グラフェンシート)を巻いて筒状にした形状を有するいわゆる多層カーボンナノチューブ(MWNT:マルチウォールカーボンナノチューブ)であることができる。
平均直径が9nm以上30nm以下のカーボンナノファイバーとしては、例えばバイエルマテリアルサイエンス社のバイチューブ(Baytubes)C150P及びC70P並びにナノシル(Nanocyl)社のNC−7000などを挙げることができ、平均直径が30nmを超え110nm以下のカーボンナノファイバーとしては、例えば保土谷化学工業社のNT−7などを挙げることができる。
また、部分的にカーボンナノチューブの構造を有する炭素材料も使用することができる。なお、カーボンナノチューブという名称の他にグラファイトフィブリルナノチューブ、気相成長炭素繊維といった名称で称されることもある。
カーボンナノファイバーは、気相成長法によって得ることができる。気相成長法は、触媒気相合成法(Catalytic Chemical Vapor Deposition:CCVD)とも呼ばれ、炭化水素等のガスを金属系触媒の存在下で気相熱分解させてカーボンナノファイバーを製造する方法である。より詳細に気相成長法を説明すると、例えば、ベンゼン、トルエン等の有機化合物を原料とし、フェロセン、ニッケルセン等の有機遷移金属化合物を金属系触媒として用い、これらをキャリアーガスとともに高温例えば400℃以上1000℃以下の反応温度に設定された反応炉に導入し、浮遊状態あるいは反応炉壁にカーボンナノファイバーを生成させる浮遊流動反応法(Floating Reaction Method)や、あらかじめアルミナ、酸
化マグネシウム等のセラミックス上に担持された金属含有粒子を炭素含有化合物と高温で接触させてカーボンナノファイバーを基板上に生成させる触媒担持反応法(Substrate Reaction Method)等を用いることができる。
平均直径が9nm以上30nm以下のカーボンナノファイバーは触媒担持反応法によって得ることができ、平均直径が30nmを超え110nm以下のカーボンナノファイバーは浮遊流動反応法によって得ることができる。
カーボンナノファイバーの直径は、例えば金属含有粒子の大きさや反応時間などで調節することができる。平均直径が9nm以上30nm以下のカーボンナノファイバーは、窒素吸着比表面積が10m/g以上500m/g以下であることができ、さらに100m/g以上350m/g以下であることができ、特に、150m/g以上300m/g以下であることができる。
C.熱可塑性樹脂組成物
最後に、本実施の形態によって得られた熱可塑性樹脂組成物について説明する。
本実施の形態にかかる熱可塑性樹脂組成物は、ポリエチレン中にカーボンナノファイバーが分散している熱可塑性樹脂組成物であって、カーボンナノファイバーの凝集塊が存在せず、カーボンナノファイバーは、相互に分離した状態で全体に分散していることを特徴とする。
熱可塑性樹脂組成物にカーボンナノファイバーの凝集塊がないことは、熱可塑性樹脂組成物の任意の断面を電子顕微鏡によって観察することによって確認することができる。電子顕微鏡写真には、解繊され、相互に分離したカーボンナノファイバーが割断面に分散して表れる。
なお、凝集塊とは、熱可塑性樹脂組成物中においても原料のようにカーボンナノファイバー同士が絡まりあい、特に凝集塊の中ではカーボンナノファイバーとカーボンナノファイバーとの間に樹脂が入り込んでいない中空部が多数存在している状態である。このような凝集塊がないということは、凝集していたカーボンナノファイバーがほぐれ、カーボンナノファイバーが相互に分離した状態で全体に分散しているということである。相互に分離した状態とは、熱可塑性樹脂組成物中においてカーボンナノファイバー同士の間に中空部が存在しない状態にあることをいう。
本実施の形態にかかる熱可塑性樹脂組成物によれば、カーボンナノファイバーの凝集塊が存在しないので、凝集塊における応力集中が原因の破壊が起こらないため、延性を犠牲にすることなく、高い弾性率を有することができる。
熱可塑性樹脂組成物は、カーボンナノファイバーの平均直径が2nm以上、110nm
以下であるとき、ポリエチレン100質量部に対して、カーボンナノファイバーが15質量部以上、55質量部以下である。また、熱可塑性樹脂組成物は、カーボンナノファイバーの平均直径が2nm以上、110nm以下であるとき、ポリエチレン100質量部に対して、カーボンナノファイバーが17質量部以上、45質量部以下であることができる。
前記A−3の第2の低温混練工程を用いて製造された熱可塑性樹脂組成物は、すでにカーボンナノファイバーが分散した熱可塑性樹脂組成物をマスターバッチとして用いてさらにポリエチレンを追加することによって熱可塑性樹脂組成物中のカーボンナノファイバーの配合割合を少なくすることができる。したがって、例えば、ポリエチレン100質量部に対して、カーボンナノファイバーが15質量部未満とすることができる。その場合、熱可塑性樹脂組成物は、ポリエチレン100質量部に対して、カーボンナノファイバーが0
.1質量部以上、55質量部以下であることができる。
熱可塑性樹脂組成物は、高い引張強度を有しかつ耐熱性に優れていながら、切断時伸び性能に優れることで、例えばフィルムに用いることが好適である。フィルムとしては、食品包装用袋や農業用フィルムなどがある。また、熱可塑性樹脂組成物は、インフレーション法やT−ダイ法などを用いてフィルムに成形することができる。
前記のように、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できよう。したがって、このような変形例はすべて、本発明の範囲に含まれるものとする。
以下、本発明の実施例について述べるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(1)オープンロールを用いた試験
(1−1)実施例1〜3のサンプルの作製
混合工程:ロール径が6インチのオープンロール(ロール温度140℃=加工設定温度)に、各表に示す100質量部(phr)のポリエチレンを投入して、溶融させ、ロールに巻き付かせた。このときのポリエチレンの生地表面の温度(第1温度)は、140℃であった。オープンロールとしては、ロールを加熱することができる熱ロールを用いた。
次に、配合剤として表1に示す質量部(phr)の多層カーボンナノファイバー(各表では「CNT」と記載した)を投入した。このとき、ロール間隙を1.5mmとした。十分に混練を行って多層カーボンナノファイバーを分散させ、第1の混合物をオープンロールから取り出した。なお、生地温度の表面温度は、非接触型の赤外線温度計で計測した。
低温化工程:オープンロールから第1の混合物を取り出し、第1の混合物の表面温度が110℃−120℃になるまで放冷し、オーブンに第1の混合物を入れて110℃−120℃に維持した。
低温混練工程:第1の混合物をオープンロールに再び投入し、ロール間隙を1.5mmから0.3mmと狭くして混練を行った。この混練の間、第1の混合物の生地表面の温度(第2温度)を非接触型の赤外線温度計で測定して110℃−120℃に維持されるように、ロールを温度調節した。十分に混練した後、ロール間隙を0.3mmから1.5mmに変更して、オープンロールから熱可塑性樹脂組成物を取り出した。
プレス工程:オープンロールから取り出された熱可塑性樹脂組成物を金型に入れ、真空下で加圧成形して、サンプルを作製した。真空加圧成形は、金型を140℃に加熱し、無負荷で2分間予熱した後、4MPaで加圧(金型に対して)しながら5分間プレス成型し、金型を冷却プレスに移動して2MPaで加圧(金型に対して)しながら室温まで冷却した。
なお、各表において、「CNT」は平均直径(走査型電子顕微鏡の撮像を用いて200か所以上の測定値を算術平均した値)15nmの多層カーボンナノチューブであり、「PE」は、プライムポリマー社製ポリエチレン(直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、グレード名:ULT−ZEX15150J、MFR:15g/10min(JIS K7210)、密度:914kg/cm(JIS K7112)、融点115℃(JIS
K7121))であった。
(1−2)比較例1〜5のサンプル作製
比較例1は、ポリエチレン単体であるので、金型に樹脂ペレットを投入し、プレス工程を行って、熱可塑性樹脂組成物のサンプルを得た。
比較例2、3は、実施例1〜3と同様にして熱可塑性樹脂組成物のサンプルを得た。
比較例4は、実施例1〜3の低温化工程及び低温混練工程を省いて熱可塑性樹脂組成物のサンプルを得た。
比較例5は、実施例1〜3における低温混練工程における第2温度を140℃に調節して、その他は実施例と同様にして熱可塑性樹脂組成物のサンプルを得た。
(1−3)引張試験
実施例及び比較例のサンプルについて、JIS K−7113−1のダンベル1号形状に打ち抜いた試験片について、島津製作所社製オートグラフAG−Xの引張試験機を用いて、23±2℃、引張速度50mm/minでJIS K7127に基づいて引張試験を行い、引張強さ(TS(MPa))、切断時伸び(Eb(%))及び降伏点引張応力(σy(MPa))を測定した。測定結果を表1〜表3及び図2に示した。
図2において、曲線E1〜E3は、実施例1〜実施例3にそれぞれ対応し、曲線C1〜C5は、比較例1〜比較例4にそれぞれ対応している。
(1−4)DMA測定
実施例及び比較例のサンプルについて、短冊形(40×1×2(巾)mm)に切り出した試験片について、SII社製の動的粘弾性試験機DMS6100を用いて、チャック間距離20mm、測定温度20〜300℃、動的ひずみ±0.05%、周波数1HzでJIS K7244に基づいてDMA試験(動的粘弾性試験)を行った。
この試験結果から測定温度が25℃、100℃、200℃における貯蔵弾性率(E’)及び損失正接(tanδ)を測定した。貯蔵弾性率は、表1〜表3に示した。表1〜表3において、「E’(25℃)(MPa)」、「E’(100℃)(MPa)」、「E’(150℃)(MPa)」、「E’(200℃)(MPa)」で示した。また、DMA試験における流動開始温度(各表では「流動温度」と記載した)についても各表に記載した。各表において、300℃まで流動しなかったサンプルについては「流動せず」と記載し、300℃まで破断しなかったサンプルについては「破壊せず」と記載した。
さらに、測定結果を貯蔵弾性率E’の温度依存性を示すグラフとして図3に示し、損失正接(tanδ)の温度依存性を示すグラフとして図4に示した。
図3,4において、曲線E1〜E3は、実施例1〜実施例3にそれぞれ対応し、曲線C1〜C5は、比較例1〜比較例4にそれぞれ対応している。
(1−5)平均線膨張係数の測定
実施例及び比較例のサンプルについて、測定温度範囲における平均線膨張係数を測定した。測定装置はSII社製TMASS、測定試料形状は1.5mm×1.0mm×10mm、側長荷重は25KPa、測定温度は20℃〜80℃、昇温速度は3℃/分であった。これらの結果を表1〜表3に示した。
表1〜表3及び図2の引張試験の結果によれば、実施例1〜3の熱可塑性樹脂組成物サンプルは、比較例1に比べて引張強さ(TS)が向上し、カーボンナノファイバーによる補強の効果が得られた。また、実施例1〜3の熱可塑性樹脂組成物サンプルは、比較例4,5よりも大きい切断時伸び(Eb)を有していた。さらに、実施例1〜3の熱可塑性樹脂組成物サンプルは、比較例1〜3よりも高い降伏強度(σy)を有していた。実施例2は、同じカーボンナノファイバーの配合量である比較例4,5と比較すると、引張強さ(TS)及び切断時伸び(Eb)の値が大きかった。
表1〜表3及び図3,4のDMA試験の結果によれば、実施例1〜3の熱可塑性樹脂組成物サンプルは、カーボンナノファイバーの添加量の増加に伴って貯蔵弾性率(E’)が向上した。実施例1〜3の熱可塑性樹脂組成物サンプルは、特に高温における貯蔵弾性率(E’)が高かった。実施例1〜3の熱可塑性樹脂組成物サンプルは、測定温度の上限である300℃まで流動せず、200℃を超えたあたりで貯蔵弾性率(E’)が向上した。実施例1〜3の熱可塑性樹脂組成物サンプルは、損失正接(tanδ)のピーク値が低かった。実施例1〜3の熱可塑性樹脂組成物サンプルは、耐熱性に優れていることがわかった。
表1〜表3の線膨張係数測定の結果によれば、実施例1〜3の熱可塑性樹脂組成物サンプルは、比較例1〜5に比べて、平均線膨張係数が低く抑えられていた。
(1−6)SEM観察
実施例2のサンプル及び比較例4のサンプルの凍結割断面について、走査型電子顕微鏡(以下、「SEM」という。)で観察した。
図5〜図8は、実施例2のサンプルの凍結割断面(100倍、500倍、2000倍、20000倍)のSEM観察写真である。実施例2のサンプルの凍結割断面にはカーボンナノファイバーの凝集塊が確認できなかった。図7,8における白い繊維状の物質がカーボンナノファイバーであり、カーボンナノファイバーが解繊されて、相互に分離した状態で全体に分散していることがわかった。
図9〜図12は、比較例4のサンプルの凍結割断面(100倍、500倍、2000倍、20000倍)のSEM観察写真である。比較例4のサンプルの凍結割断面にはカーボンナノファイバーの凝集塊が多数確認された。図9〜図11において黒い丸で囲んだ中にカーボンナノファイバーの凝集塊100、101,102が観察できた。図11における凝集塊100の最大直径は約90μmであり、その凝集塊100は図12に示すように拡大するとカーボンナノファイバーの原料に近い状態で凝集し、カーボンナノファイバーとカーボンナノファイバーとの間に樹脂が入り込んでいない中空部が多数存在していた。
(2)密閉式混練機を用いた試験
(2−1)実施例4,5のサンプルの作製
混合工程:ブラベンダー(ブラベンダー社製、PLASTI−CORDER、容量350ml、チャンバー温度140℃)に、各表に示す100質量部(phr)のポリエチレンを投入して、溶融させた。
次に、配合剤として表1に示す質量部(phr)の多層カーボンナノファイバー(各表では「CNT」と記載した)を投入し、混合した。
低温化工程:ブラベンダーから第1の混合物を取り出し、第1の混合物の表面温度が110℃−120℃になるまで放冷し、オーブンに第1の混合物を入れて110℃−120℃に維持した。
低温混練工程:第1の混合物をブラベンダーに再び投入し、混練を行った。この混練の間、第1の混合物の生地表面の温度(第2温度)を非接触型の赤外線温度計で測定して110℃−120℃に維持されるように、チャンバーを温度調節した。十分に混練した後、オープンロールから熱可塑性樹脂組成物を取り出した。
プレス工程:ブラベンダーから取り出された熱可塑性樹脂組成物を金型に入れ、真空下で加圧成形して、サンプルを作製した。真空加圧成形は、金型を140℃に加熱し、無負荷で2分間予熱した後、4MPaで加圧(金型に対して)しながら5分間プレス成型し、金型を冷却プレスに移動して2MPaで加圧(金型に対して)しながら室温まで冷却した。
なお、「CNT」及び「PE」は、実施例1−3と同じものを用いた。
(2−2)比較例6のサンプル作製
比較例6は、実施例1〜3と同様にして熱可塑性樹脂組成物のサンプルを得た。
(2−3)引張試験
実施例及び比較例のサンプルについて、上記(1−3)と同様に引張試験を行い、引張強さ(TS(MPa))、切断時伸び(Eb(%))及び降伏点引張応力(σy(MPa))を測定した。測定結果を表4,5及び図13に示した。
図13において、曲線E4、E5は、実施例4、5にそれぞれ対応し、曲線C1、C4、C6は、比較例1、4,6(比較例1、4については表2,3を参照)にそれぞれ対応している。
(2−4)DMA測定
実施例及び比較例のサンプルについて、上記(1−4)と同様にDMA試験(動的粘弾性試験)を行った。この試験結果を表4,5及び図14,15に示した。
図14,15において、曲線E4、E5は、実施例4,5にそれぞれ対応し、曲線C1、C4、C6は、比較例1、4、6(比較例1、4については表2,3を参照)にそれぞれ対応している。
(2−5)平均線膨張係数の測定
実施例及び比較例のサンプルについて、上記(1−5)と同様に測定温度範囲における平均線膨張係数を測定した。これらの結果を表4,5に示した。
表4、表5及び図13の引張試験の結果によれば、実施例4,5の熱可塑性樹脂組成物サンプルは、比較例1に比べて引張強さ(TS)が向上し、カーボンナノファイバーによる補強の効果が得られた。また、実施例4,5の熱可塑性樹脂組成物サンプルは、比較例4,5よりも大きい切断時伸び(Eb)を有していた。さらに、実施例4,5の熱可塑性樹脂組成物サンプルは、比較例6よりも高い降伏強度(σy)を有していた。
表4、表5及び図14,15のDMA試験の結果によれば、実施例4,5の熱可塑性樹脂組成物サンプルは、カーボンナノファイバーの添加量の増加に伴って貯蔵弾性率(E’)が向上した。実施例4,5の熱可塑性樹脂組成物サンプルは、特に高温における貯蔵弾性率(E’)が高かった。実施例4,5の熱可塑性樹脂組成物サンプルは、測定温度の上限である300℃まで流動せず、200℃を超えたあたりで貯蔵弾性率(E’)が向上した。実施例4,5の熱可塑性樹脂組成物サンプルは、比較例4に比べて、損失正接(tanδ)のピーク値が低かった。実施例4,5の熱可塑性樹脂組成物サンプルは、耐熱性に優れていることがわかった。
表4、表5の線膨張係数測定の結果によれば、実施例4,5の熱可塑性樹脂組成物サンプルは、比較例6に比べて、平均線膨張係数が低く抑えられていた。
(3)弾性率減少割合
上記(1)及び上記(2)におけるDMA測定結果(図3,図4,図14,図15)に基づいて、実施例及び比較例の弾性率減少割合(MPa/℃)及び平坦領域の弾性率減少割合(MPa/℃)を計算し、表6に示した。
弾性率減少割合は、貯蔵弾性率が100MPaから1MPaまで減少する変化割合である。ただし、図16に示すように実施例は1MPaに到達しないため、200℃における弾性率値までの減少割合とした。
平坦領域の弾性率減少割合は、図16に示すように平坦領域開始温度から200℃までの減少する貯蔵弾性率の変化割合である。
表6の結果によれば、実施例1〜5の熱可塑性樹脂組成物サンプルは、122℃〜125℃付近に平坦領域開始温度があった。低温混練工程における実施例1〜実施例5の第1の混合物の第2温度は、平坦領域開始温度すなわちゴム弾性領域よりも若干低い温度範囲であった。
また、実施例1〜5の熱可塑性樹脂組成サンプルは、比較例1に比べて弾性率減少割合が小さかった。
さらに、実施例1〜5の熱可塑性樹脂組成物サンプルは、平坦領域の弾性率減少割合が0.04MPa/℃〜0.13MPa/℃であった。
2 オープンロール、10 第1のロール、20 第2のロール、30 ポリエチレン、34 バンク、40 非接触温度計、80 カーボンナノファイバー、100 凝集塊、d 間隔、V1,V2 回転速度、C1〜C6 比較例1〜6、E1〜E5 実施例1〜5

Claims (5)

  1. ポリエチレンと、カーボンナノファイバーと、を第1温度で混練して第1の混合物を得る混合工程と、
    前記第1の混合物を第2温度に温度調節する低温化工程と、
    ポリエチレン中に複数のカーボンナノファイバーの凝集塊を含みかつ前記第2温度にある前記第1の混合物を、前記第2温度で混練する低温混練工程と、
    を含み、
    前記第1温度は、前記ポリエチレンの融点(Tm)より25℃以上高い温度であり、
    前記第2温度は、前記ポリエチレンの融点(Tm)より5℃低い温度から融点(Tm)より25℃未満高い温度までの範囲である、熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  2. 請求項1において、
    前記第2温度は、110℃以上、140℃未満である、熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  3. 請求項1または2において、
    前記カーボンナノファイバーは、平均直径が2nm以上、110nm以下であり、
    前記第1の混合物は、前記ポリエチレン100質量部に対して、前記カーボンナノファイバーが15質量部以上、55質量部以下である、熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において、
    前記低温化工程は、前記混合工程に用いた混練機から前記第1の混合物を取り出して行う、熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  5. ポリエチレン中にカーボンナノファイバーが分散している熱可塑性樹脂組成物であって、
    カーボンナノファイバーの凝集塊が存在せず、
    カーボンナノファイバーは、相互に分離した状態で全体に分散し
    測定温度20〜300℃、動的ひずみ±0.05%及び周波数1HzのJIS K7244に基づく動的粘弾性試験における貯蔵弾性率(E’)は、測定温度が200℃を超える温度領域で上昇し、
    前記カーボンナノファイバーは、平均直径が2nm以上、110nm以下であり、
    前記ポリエチレン100質量部に対して、前記カーボンナノファイバーが15質量部以上、55質量部以下である、熱可塑性樹脂組成物。
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