JP2016012582A - 半導体装置及びそれを用いた電力変換装置 - Google Patents

半導体装置及びそれを用いた電力変換装置 Download PDF

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正樹 白石
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智康 古川
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Abstract

【課題】 低損失と高耐圧並びに高破壊耐量を保持しながら、ターンオンスイッチング期間中におけるdv/dtのゲート駆動回路による制御性を向上できる半導体装置を提供する。【解決手段】 本発明の半導体装置は、幅広のトレンチゲートの側壁にサイドウォール構造のゲート電極を有し、また、ゲート電極間に耐圧保持用のポリシリコン電極が設けられ、さらに、ゲート電極と前記ポリシリコン電極との間のシリコン層中にp層が設けられることを特徴とする。【選択図】 図1

Description

本発明は半導体装置及びそれを用いた電力変換装置に係り、特に、トレンチ絶縁ゲート構造を有し、縦方向に電流を流す、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor:以下、IGBTと略する)やパワーMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)の低損失化、制御性の向上、高破壊耐量化に好適な半導体装置及びそれを用いた電力変換装置に関する。
従来、IGBTにおいて、短絡時に流れる過電流を抑制して素子の破壊耐量を向上させる技術として、トレンチゲートの配列ピッチに変化を付け、トレンチゲートの間隔が広い箇所にはチャネル層を形成せずにフローティングp層を設けるものがあった(例えば、特許文献1参照)。
また、従来、IGBTにおいて、フローティングp層からゲート電極に流れ込む変位電流を減少させてゲート電位の持ち上がりを抑制し、以てdv/dtの制御性を向上させる技術として、フローティングp層とエミッタ電極とが抵抗を介して電気的に接続された構成にするものがあった(例えば、特許文献2参照)。
また、従来、IGBTにおいて、フローティングp層の影響によるゲートの電位変動を無くすことでdv/dtの制御性を向上させる技術として、幅の広いトレンチを設けてフローティングp層を省略するものがあった(例えば、特許文献3参照)。
また、従来、IGBTにおいて、ゲート電極のコーナ部に発生する電界を緩和して耐圧を保持する技術として、幅の広いトレンチ内に設けられた2つのゲート電極の一方と他方との間に、エミッタ電極に接続されたポリシリコン電極を設けるものがあった(例えば、特許文献4参照)。
特開2000−307116号公報 特開2004−39838号公報 特開2011−119416号公報 特開2012−146810号公報
IGBTは、コレクタ電極とエミッタ電極間に流れる電流を、ゲート電極に印加する電圧によって制御するスイッチング素子である。IGBTが制御できる電力は、数十ワットから数十万ワットにまで及び、またスイッチング周波数も数十ヘルツから百キロヘルツ超と幅広いため、家庭用のエアコンディショナーや電子レンジ等の小電力機器から、鉄道や製鉄所のインバータ等、大電力機器まで幅広く用いられている。
IGBTには、これら電力機器の高効率化のために低損失化が求められており、導通損失やスイッチング損失の低減が要求されている。同時にEMCノイズや誤動作、モーターの絶縁破壊等の問題を防ぐため、アプリケーションの仕様に応じてdv/dtを制御できることが要求されている。
ところで、特許文献1には、図8に示すように、トレンチゲートの配列ピッチを変えた構造のIGBTが開示されている。図8のIGBTの特徴は、トレンチゲートの間隔が広い箇所には、チャネル層106を形成せず、フローティングp層105を設けている点である。
このような構成にすることで、電流はトレンチゲートの間隔の狭い部分にのみ流れるため、短絡時に流れる過電流を抑制でき、素子の破壊耐量が向上できる。また、ホール電流の一部がフローティングp層105を経由してチャネル層106に流れ込むため、トレンチゲート近傍でのホール濃度が増加し、オン電圧が低減できる効果もある。更にフローティングp層105とドリフト層104が形成するpn接合がトレンチゲートにかかる電界を緩和し耐圧を保持できる。
しかしながら、図8で示すIGBTにおいては、IGBTのターンオン時に、IGBTや対アームのダイオードの出力電圧の時間変化率dv/dtの制御性が低下する問題が発生する場合がある。それを図9によって示す。
図9は、図8で示したIGBTにおけるターンオン時のコレクタ−エミッタ間電圧の計算波形を示す図である。該図に示すように、ゲート抵抗を変えてもdvce/dtが変わらず制御できない期間がある。
この理由は以下のように考えられる。即ち、IGBTがオン状態になると図8におけるフローティングp層105に過渡的にホールが流れ込み、フローティングp層105の電位が高くなる。この際、ゲート絶縁膜110で形成される帰還容量を介して、ゲート電極109に変位電流が流れ、ゲート電位が持ち上げられるため、MOSFET構造の相互コンダクタンスgmとゲート−エミッタ間電圧の時間変化率dvge/dtの積で決まるコレクタ電流の時間変化率dic/dtが増加し、スイッチング速度が加速される。フローティングp層105に過渡的に流れ込むホールの量は、主として半導体内部の構造で決定され、外部のゲート抵抗で制御することは難しい。従って、加速されたdic/dtを外部のゲート抵抗で制御することができず、その結果として図9に示すように、コレクタ電圧の時間変化率dvce/dtがゲート抵抗で制御できない期間が発生する。
このフローティングp層105の影響によるゲート電位の持ち上がりを抑制するために、従来、以下のような技術が提案されていた。
特許文献2では、図10に示すようにフローティングp層105とエミッタ電極114を抵抗201を介して電気的に接続することで、フローティングp層105の電位の持ち上がりを抑制している。これによりフローティングp層105からゲート電極109に流れ込む変位電流が減少し、ゲート電位の持ち上がりを抑制し、その結果としてdv/dtの制御性を向上することができる。
特許文献3には、図11に示すように幅広いトレンチ423を設けることで、フローティングp層を削除し、フローティングp層の影響によるゲートの電位変動を無くすことで、dv/dtの制御性を向上することができる。さらに、ゲート電極401の片側が厚い絶縁膜403で覆われているため、帰還容量を低減することができ、更にdv/dtの制御性を向上することができる。
特許文献4には、図12に示すように、幅広いトレンチ117内に設けられたゲート電極109の間に、エミッタ電極に接続されたポリシリコン電極129が設けられている。ポリシリコン電極129を設けることで、ゲート電極109のコーナ部に発生する電界を緩和し、耐圧を保持するとともに、幅広いトレンチ117を設けることによって生じる段差を緩和している。
ところで、IGBTにおいては、低損失と高耐圧並びに高破壊耐量を保持しながら、ターンオンスイッチング期間中におけるdv/dtのゲート駆動回路による制御性を向上することが要求されている。この課題に対し、上記文献の構造には、以下のような改善点があることがわかった。
特許文献2の場合、フローティングp層105とエミッタ電極114間の抵抗201の抵抗値を小さくするほどdv/dtの制御性は向上するが、オン状態において注入されるホール電流の一部が、抵抗201を介してエミッタ電極114に流れ出てしまうため、電子の注入を促す効果が薄れ、オン電圧が上昇し、損失が増加する。逆に、抵抗201の抵抗値を大きくするとオン電圧の上昇は小さくなるが、dv/dtの制御性は低下するという問題がある。
特許文献3の場合、帰還容量は低減できるが幅広いトレンチを設けているために、素子内に大きな段差ができ、ホト工程でレジストむらが生じたり、ワイヤボンディングの信頼性が低下するという問題がある。
特許文献4では、ポリシリコン電極129を設けることで、段差の解消や耐圧の確保をすることができるが、発明者の検討よりIGBTのスイッチング中に、ゲート電極109のコーナ部の電界が高くなり、ダイナミックアバランシェが発生し、スイッチング損失の増大や素子破壊等が懸念されるという問題があることがわかった。
本発明は上述の点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、低損失と高耐圧並びに高破壊耐量を保持しながら、ターンオンスイッチング期間中におけるdv/dtのゲート駆動回路による制御性を向上できる半導体装置及びそれを用いた電力変換装置を提供することにある。
そこで、本発明の半導体装置は、例えば、第1導電型の第1半導体層と、該第1半導体層の表面付近に形成された第2導電型の第2半導体層と、前記第2半導体層に電気的に接続する第1主電極と、前記第1半導体層に隣接し、前記第2半導体層とは逆側の表面付近に形成された第2導電型の第3半導体層と、該第3半導体層の上部に選択的に設けられた第1導電型の第4半導体層と、前記第3半導体層及び第4半導体層に電気的に接続する第2主電極と、前記第4半導体層と前記第3半導体層を貫き、前記第1半導体層に達するトレンチと、該トレンチの内壁に設けられたゲート電極と、前記トレンチ内で前記ゲート電極の一方と他方との間に設けられたポリシリコン電極とを備え、前記ゲート電極と前記ポリシリコン電極との間の前記第1半導体層内に第2導電型の第5半導体層が設けられていることを特徴とする。
あるいは、本発明の半導体装置は、例えば、第1導電型の第1半導体層と、該第1半導体層の表面付近に形成された前記第1半導体層よりも不純物濃度が高い第1導電型の第2半導体層と、前記第2半導体層に電気的に接続する第1主電極と、前記第1半導体層に隣接し、前記第2半導体層とは逆側の表面付近に形成された第2導電型の第3半導体層と、該第3半導体層の上部に選択的に設けられた第1導電型の第4半導体層と、前記第3半導体層及び第4半導体層に電気的に接続する第2主電極と、前記第4半導体層と前記第3半導体層を貫き、前記第1半導体層に達するトレンチと、該トレンチの内壁に設けられたゲート電極と、前記トレンチ内を充填する絶縁膜とを備え、前記ゲート電極の一方と他方との間の前記第1半導体層中に第2導電型の第5半導体層が設けられていることを特徴とする。
また、本発明の電力変換装置は、例えば、一対の入力端子と、該入力端子間に接続され、複数の半導体スイッチング素子が直列接続される複数の直列接続回路と、該複数の直列接続回路の各直列接続点に接続される複数の出力端子とを備え、前記複数の半導体スイッチング素子がオン・オフすることにより電力の変換を行う電力変換装置であって、前記複数の半導体スイッチング素子の各々が、上記のいずれかの半導体装置であることを特徴とする。
本発明によれば、低損失と高耐圧・高破壊耐量とを保持しながら素子の帰還容量を低減することができ、以てターンオンスイッチング期間中におけるdv/dtのゲート駆動回路による制御性を向上させることができる。
本発明の半導体装置の一実施形態である実施例1に係るIGBTを示す断面図である。 本発明の実施例1に係るIGBTにおいて、p層151の無い場合のスイッチング時の電界分布の計算結果を示す図である。 本発明の実施例1に係るIGBTにおいて、p層151の有る場合のスイッチング時の電界分布の計算結果を示す図である。 本発明の半導体装置の一実施形態である実施例1に係るIGBTにおけるターンオン時のコレクタ−エミッタ間電圧の計算波形を示す特性図である。 本発明の半導体装置の一実施形態である実施例2に係るIGBTを示す断面図である。 本発明の半導体装置の一実施形態である実施例3に係るIGBTを示す断面図である。 本発明の電力変換装置の一実施形態である実施例4に係る電力変換装置の回路構成を示す図である。 本発明の半導体装置の一実施形態である実施例5に係るパワーMOSFETを示す断面図である。 特許文献1で開示されている従来のIGBTを示す断面図である。 特許文献1で開示されている従来のIGBTにおける、ターンオン時のコレクタエミッタ間電圧の計算波形を示す特性図である。 特許文献2で開示されている従来のIGBTを示す断面図である。 特許文献3で開示されている従来のIGBTを示す断面図である。 特許文献4で開示されている従来のIGBTを示す断面図である。
本発明の半導体装置は、幅広のトレンチゲートの側壁にサイドウォール構造のゲート電極を有し、また、ゲート電極間に耐圧保持用のポリシリコン電極が設けられ、さらに、ゲート電極と前記ポリシリコン電極との間のシリコン層中に、スイッチング中の電界を緩和するための不純物層(nチャネル型半導体装置の場合はp層、pチャネル型半導体装置の場合はn層)が設けられることを特徴とする。
より具体的には、本発明の半導体装置は、第1導電型の第1半導体層と、該第1半導体層の表面付近に形成された第2導電型の第2半導体層と、前記第2半導体層に電気的に接続する第1主電極と、前記第1半導体層に隣接し、前記第2半導体層とは逆側の表面付近に形成された第2導電型の第3半導体層と、該第3半導体層の上部に選択的に設けられた第1導電型の第4半導体層と、前記第3半導体層及び第4半導体層に電気的に接続する第2主電極と、前記第4半導体層と前記第3半導体層を貫き、前記第1半導体層に達するトレンチと、該トレンチの内壁に設けられたゲート電極と、前記トレンチ内で前記ゲート電極の一方と他方との間に設けられたポリシリコン電極とを備え、前記ゲート電極と前記ポリシリコン電極との間の前記第1半導体層内に第2導電型の第5半導体層が設けられていることを特徴とする。
上記の構成において、前記トレンチの幅は、該トレンチを形成しない領域の幅よりも広く形成されているとより好適である。
また、上記の構成において、前記ポリシリコン電極は、第2主電極と電気的に接続されているとより好適である。
また、上記の構成において、前記ポリシリコン電極と前記トレンチとの間の絶縁膜の少なくとも一部は、前記ゲート電極と前記トレンチとの間の絶縁膜よりも厚いとより好適である。
また、上記の構成において、前記ポリシリコン電極の面位置と、前記第3半導体層及び第4半導体層の面位置とが同じであるとより好適である。
また、上記の構成において、前記第3半導体層中に、前記第3半導体層よりも不純物濃度が高い第2導電型の第6半導体層が更に設けられた構成としてもよい。その場合、前記第6半導体層と第1半導体層との間に第1導電型の第7半導体層が更に設けられた構成としてもよい。
また、本発明の電力変換装置は、一対の入力端子と、該入力端子間に接続され、複数の半導体スイッチング素子が直列接続される複数の直列接続回路と、該複数の直列接続回路の各直列接続点に接続される複数の出力端子とを備え、前記複数の半導体スイッチング素子がオン・オフすることにより電力の変換を行う電力変換装置であって、前記複数の半導体スイッチング素子の各々が、上記のいずれかの半導体装置であることを特徴とする。
以上の構成によれば、半導体装置においては、フローティングp層を削除して帰還容量を低減することができると共に、スイッチング中のゲート電極角部にかかる電界を緩和することで破壊耐量を向上させることができ、また、電力変換装置においては、低損失化と高信頼化とを実現することができる。
以下、本発明の半導体装置及びそれを用いた電力変換装置の実施形態を各実施例として図面に基づき詳細に説明する。
図1に、本発明の半導体装置の第1の実施形態である実施例1に係るIGBTの断面構造を示す。
本発明のIGBTは、コレクタ電極100、pコレクタ層102、nバッファ層103、n−ドリフト層104、pチャネル層106、nエミッタ層107、pコンタクト層108、p-層151、幅広のトレンチ117、ゲート電極109、ゲート絶縁膜110、トレンチ117内の絶縁膜119、ゲート電極109間に設けられたポリシリコン電極129、層間絶縁膜113、エミッタ電極114、コレクタ端子101、エミッタ端子116、ゲート端子115からなる。
本構造の第1の特徴は、幅広のトレンチ117の側壁にゲート電極109が、サイドウォール構造にて形成されている点である。幅広のトレンチ117を設けることで、フローティングp層を削除している。また、ゲート電極109のゲート絶縁膜110と対向する側はゲート絶縁膜110より厚い絶縁膜119に囲まれているため、帰還容量が大幅に低減できる。
本構造の第2の特徴は、幅広のトレンチ117内のゲート電極109の間に、ポリシリコン電極129を設けている点である。本ポリシリコン電極129は、エミッタ電極114と接続されており、電圧印加時にゲート電極109の角部にかかる電界を緩和でき、耐圧が向上できる効果がある。
本構造の第3の特徴は、ポリシリコン電極129の表面とデバイスのシリコン表面の面位置を同じにしている点である。これにより、幅広のトレンチ117内部での段差が緩和される。段差が大きいと、ホト工程でレジストむらが生じたり、ワイヤボンディングの信頼性が低下する問題が生じる可能性があるが、本構造では段差を緩和できるため、上記問題を回避できる効果がある。
本構造の第4の特徴は、ゲート電極109とポリシリコン電極129の間のシリコン層内にp-層151を設けている点である。本p-層151を設けることで、IGBTのスイッチング中にゲート電極109の角部にかかる電界を緩和でき、ダイナミックアバランシェを抑制し、素子の破壊耐量を向上できる効果がある。図2a、図2bは、p-層151の有無によるスイッチング中の電界分布の差(計算結果)を示すための図である。図2aはp-層151が無い場合を、図2bはp-層151が有る場合を、それぞれ示す。p-層151が無い場合は、ゲート電極109の角部に電界が集中し、ダイナミックアバランシェが発生することが懸念されるが、p−層151を設けることにより、ゲート電極109の角部にかかる電界が緩和され、ダイナミックアバランシェの発生が抑制され、素子の破壊耐量が向上できる。
図3は、本発明の実施例1のIGBTにおけるターンオン時のコレクタ−エミッタ間電圧の計算波形を示すものである。図から、本発明の実施例1のIGBTでは、図9に示す従来のIGBTの場合と違い、ゲート抵抗を変えることで、コレクタエミッタ間電圧のdvce/dtが制御できることがわかる。
以上のように、本発明の実施例1のIGBTでは、幅広のトレンチ117を設けることで、フローティングp層を削除し、トレンチ117の側壁にサイドウォールでゲート電極109を設けることで、ゲートの帰還容量を低減し、ターンオンスイッチング期間中におけるdv/dtのゲート駆動回路による制御性を向上することができる。さらにゲート電極109間にエミッタ電極114に接続されるポリシリコン電極129を設けることで、耐圧を保持し、ゲート電極109とポリシリコン電極129の間のシリコン層内にp−層151を設けることで、スイッチング中にゲート電極109の角部にかかる電界を緩和し、ダイナミックアバランシェの発生を抑制でき、素子の破壊耐量を向上できる。
図4は、本発明の第2の実施形態であって上記実施例1の変形例である実施例2に係るIGBTの断面構造を示す図である。実施例2の特徴は、pチャネル層106中にpチャネル層よりも高濃度なp層152が挿入されている点であり、その点において実施例1と異なるが、他の点においては実施例1と同様である。
p層152を追加することにより、アバランシェした際のホール電流がp層152を通り、エミッタに抜けやすくなるため、nエミッタ層107下を通るホール電流が減少し、寄生npnトランジスタの動作を抑制し、破壊耐量が向上できる効果がある。
図5は、本発明の第3の実施形態であって上記実施例2の変形例である実施例3に係るIGBTの断面構造を示す図である。実施例3の特徴は、実施例2の構造において挿入したp層152の下部にさらにn層153が挿入されている点であり、その点において実施例2と異なるが、他の点においては実施例2と同様である。
チャネル層106の中心部にp層152とn層153のpn接合を形成し、アバランシェをトレンチ角部ではなくpn接合部で起こすことにより、nエミッタ層107下を通るホール電流が減少するため、寄生npnトランジスタが動作を抑制し、破壊耐量が向上できる効果がある。
図6は、本発明の第4の実施形態であって、上述した各実施例に係るIGBTを用いた電力変換装置の一実施形態である実施例4に係る電力変換装置の回路構成を示す図である。図6はインバータの回路図であり、601はゲート駆動回路、602はIGBT、603はダイオード、604、605は入力端子、606から608は出力端子である。本実施例は、図6のインバータ回路に上記実施例1〜3に係るIGBTのいずれか1つを適用して電力変換装置を構成したものである。
上述した各実施例に係るIGBTを電力変換装置に適用することで、電力変換装置の低損失化と高信頼化が実現できる。
尚、本実施例ではインバータ回路について説明したが、コンバータやチョッパ等のその他の電力変換装置についても同様の効果が得られる。
図7は、本発明の第5の実施形態であって、本発明の上記実施例1〜3の構造をパワーMOSFETに展開した場合の一実施形態である実施例5に係るMOSFETの断面構造を示す図である。実施例5の特徴は、トレンチ117の側壁にサイドウォールでゲート電極109を設け、ゲート電極間のシリコン層にp層154が設けられている点であり、その点において実施例1〜3と異なるが、他の点においては実施例1〜3のいずれか1つと同様である。
ゲート電極109のゲート絶縁膜の反対側は厚い絶縁膜119で覆われているために、帰還容量が低減でき、パワーMOSFETのスイッチング速度を向上できると共に、p-層154により、スイッチング中にゲート電極109の角部に集中する電界を緩和し、ダイナミックアバランシェを抑制し、素子の破壊耐量を向上することがでる。
以上、本発明の実施形態を上記実施例1〜5として特にnチャネル型のIGBT及びパワーMOSFETについて例示的に説明したが、本発明の半導体装置及びそれを用いた電力変換装置は、nチャネル型のIGBT及びパワーMOSFETに限定されず、pチャネル型のIGBT及びパワーMOSFETについても、本発明の範囲に含まれることは言うまでもなく、また、トレンチゲートを有する他のデバイス構造においても同様である。
100 コレクタ電極
101 コレクタ端子
102 pコレクタ層
103 nバッファ層
104 n−ドリフト層
105 フローティングp層
106 pチャネル層
107 nエミッタ層
108 pコンタクト層
109,401 ゲート電極
110,402 ゲート絶縁膜
113,119,403 絶縁膜
117,423 トレンチ
114,404 エミッタ電極
115 ゲート端子
116 エミッタ端子
129 ポリシリコン電極
151 p層
152 p層
153 n層
154 p層
130 ソース端子
131 n+層
132 ドレイン電極
133 ドレイン端子
134 ソース電極
201 抵抗
601 ゲート駆動回路
602 IGBT
603 ダイオード
604,605 入力端子
606,607,608 出力端子

Claims (9)

  1. 第1導電型の第1半導体層と、
    該第1半導体層の表面付近に形成された第2導電型の第2半導体層と、
    前記第2半導体層に電気的に接続する第1主電極と、
    前記第1半導体層に隣接し、前記第2半導体層とは逆側の表面付近に形成された第2導電型の第3半導体層と、
    該第3半導体層の上部に選択的に設けられた第1導電型の第4半導体層と、
    前記第3半導体層及び第4半導体層に電気的に接続する第2主電極と、
    前記第4半導体層と前記第3半導体層を貫き、前記第1半導体層に達するトレンチと、
    該トレンチの内壁に設けられたゲート電極と、
    前記トレンチ内で前記ゲート電極の一方と他方との間に設けられたポリシリコン電極と
    を備え、
    前記ゲート電極と前記ポリシリコン電極との間の前記第1半導体層内に第2導電型の第5半導体層が設けられている
    ことを特徴とする半導体装置。
  2. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記トレンチの幅は、該トレンチを形成しない領域の幅よりも広く形成されている
    ことを特徴とする半導体装置。
  3. 請求項1又は2に記載の半導体装置において、
    前記ポリシリコン電極は、第2主電極と電気的に接続されている
    ことを特徴とする半導体装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体装置において、
    前記ポリシリコン電極と前記トレンチとの間の絶縁膜の少なくとも一部は、前記ゲート電極と前記トレンチとの間の絶縁膜よりも厚い
    ことを特徴とする半導体装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半導体装置において、
    前記ポリシリコン電極の面位置と、前記第3半導体層及び第4半導体層の面位置とが同じである
    ことを特徴とする半導体装置。
  6. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記第3半導体層中に、前記第3半導体層よりも不純物濃度が高い第2導電型の第6半導体層が更に設けられている
    ことを特徴とする半導体装置。
  7. 請求項6に記載の半導体装置において、
    前記第6半導体層と第1半導体層との間に第1導電型の第7半導体層が更に設けられている
    ことを特徴とする半導体装置。
  8. 第1導電型の第1半導体層と、
    該第1半導体層の表面付近に形成された前記第1半導体層よりも不純物濃度が高い第1導電型の第2半導体層と、
    前記第2半導体層に電気的に接続する第1主電極と、
    前記第1半導体層に隣接し、前記第2半導体層とは逆側の表面付近に形成された第2導電型の第3半導体層と、
    該第3半導体層の上部に選択的に設けられた第1導電型の第4半導体層と、
    前記第3半導体層及び第4半導体層に電気的に接続する第2主電極と、
    前記第4半導体層と前記第3半導体層を貫き、前記第1半導体層に達するトレンチと、
    該トレンチの内壁に設けられたゲート電極と、
    前記トレンチ内を充填する絶縁膜と
    を備え、
    前記ゲート電極の一方と他方との間の前記第1半導体層中に第2導電型の第5半導体層が設けられている
    ことを特徴とする半導体装置。
  9. 一対の入力端子と、
    該入力端子間に接続され、複数の半導体スイッチング素子が直列接続される複数の直列接続回路と、
    該複数の直列接続回路の各直列接続点に接続される複数の出力端子と
    を備え、前記複数の半導体スイッチング素子がオン・オフすることにより電力の変換を行う電力変換装置であって、
    前記複数の半導体スイッチング素子の各々が、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の半導体装置である
    ことを特徴とする電力変換装置。
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