JP2016007644A - 鍛造クランク軸の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】軽量化と剛性確保を同時に図った鍛造クランク軸を簡便に得ることができる製造方法を提供する。
【解決手段】鍛造クランク軸の製造方法は、クランクアーム部Aのピン部P近傍の両側部(Aa、Ab)それぞれの外周に当該外周から突出する余肉部(Aaa、Aba)を有するクランク軸の形状が造形されたバリ付きの仕上げ鍛造材を成形する型鍛造工程と、型鍛造工程で成形した仕上げ鍛造材からバリを除去するバリ抜き工程と、バリ抜き工程でバリを除去してなるクランク軸に対し、ロール11をピン部Pの偏心方向に沿って移動させながらクランクアーム部の余肉部(Aaa、Aba)に押し当てることにより、クランクアーム部の余肉部(Aaa、Aba)を、クランクアーム部のジャーナル部J側の表面に向けて折り曲げる余肉部折り曲げ工程と、を含む。
【選択図】図4

Description

本発明は、熱間鍛造によりクランク軸を製造する方法に関する。
自動車、自動二輪車、農業機械、船舶等のレシプロエンジンは、ピストンの往復運動を回転運動に変換して動力を取り出すために、クランク軸が不可欠である。クランク軸は、型鍛造によって製造されるものと、鋳造によって製造されるものとに大別される。特に、高強度と高剛性が要求される場合は、それらの特性に優れた前者の鍛造クランク軸が多用される。
一般に、鍛造クランク軸は、断面が丸形又は角形で全長にわたって断面積が一定のビレットを原材料とし、予備成形、型鍛造、バリ抜き、及び整形の各工程を順に経て製造される。通常、予備成形工程は、ロール成形と曲げ打ちの各工程を含み、型鍛造工程は、荒打ちと仕上げ打ちの各工程を含む。
図1は、従来の一般的な鍛造クランク軸の製造工程を説明するための模式図である。同図に例示するクランク軸1(図1(f)参照)は、4気筒エンジンに搭載されるものであり、4気筒−8枚カウンターウエイトのクランク軸である。そのクランク軸1は、5つのジャーナル部J1〜J5、4つのピン部P1〜P4、フロント部Fr、フランジ部Fl、及びジャーナル部J1〜J5とピン部P1〜P4をそれぞれつなぐ8枚のクランクアーム部(以下、単に「アーム部」ともいう)A1〜A8から構成される。また、クランク軸1は、8枚の全てのアーム部A1〜A8にカウンターウエイト部(以下、単に「ウエイト部」ともいう)W1〜W8を有する。
以下では、ジャーナル部J1〜J5、ピン部P1〜P4、アーム部A1〜A8及びウエイト部W1〜W8のそれぞれを総称するとき、その符号は、ジャーナル部で「J」、ピン部で「P」、アーム部で「A」、ウエイト部で「W」とも記す。ピン部P及びこのピン部Pにつながる一組のアーム部A(ウエイト部Wを含む)をまとめて「スロー」ともいう。
図1に示す製造方法では、以下のようにして鍛造クランク軸1が製造される。先ず、予め所定の長さに切断した図1(a)に示すビレット2を誘導加熱炉やガス雰囲気加熱炉によって加熱した後、ロール成形を行う。ロール成形工程では、例えば孔型ロールによりビレット2を圧延して絞りつつその体積を長手方向に配分し、中間素材であるロール荒地3を成形する(図1(b)参照)。次に、曲げ打ち工程では、ロール成形によって得られたロール荒地3を長手方向と直角な方向から部分的にプレス圧下してその体積を配分し、更なる中間素材である曲げ荒地4を成形する(図1(c)参照)。
続いて、荒打ち工程では、曲げ打ちによって得られた曲げ荒地4を上下に一対の金型を用いてプレス鍛造し、クランク軸(最終製品)のおおよその形状が造形された鍛造材5を成形する(図1(d)参照)。更に、仕上げ打ち工程では、荒打ちによって得られた荒鍛造材5が供され、荒鍛造材5を上下に一対の金型を用いてプレス鍛造し、最終製品のクランク軸と合致する形状が造形された鍛造材6を成形する(図1(e)参照)。これら荒打ち及び仕上げ打ちのとき、互いに対向する金型の型割面の間から、余材がバリとして流出する。このため、荒鍛造材5及び仕上げ鍛造材6は、いずれも、造形されたクランク軸の周囲にバリ(5a、6a)が大きく付いている。
バリ抜き工程では、仕上げ打ちによって得られたバリ6a付きの仕上げ鍛造材6を上下から金型で保持しつつ、刃物型によってバリ6aを打ち抜き除去する。これにより、図1(f)に示すように、鍛造クランク軸1が得られる。整形工程では、バリを除去した鍛造クランク軸1の要所を上下から金型で僅かにプレス圧下し、最終製品の寸法形状に矯正する。ここで、クランク軸1の要所は、例えば、ジャーナル部J、ピン部P、フロント部Fr、フランジ部Flなどといった軸部、更にはアーム部A及びウエイト部Wが該当する。こうして、鍛造クランク軸1が製造される。
図1に示す製造工程は、図1(f)に示す4気筒−8枚カウンターウエイトのクランク軸に限らず、様々なクランク軸に適用できる。例えば、4気筒−4枚カウンターウエイトのクランク軸にも適用できる。ここで、4気筒−4枚カウンターウエイトのクランク軸では、8枚のアーム部Aのうち、一部のアームにウエイト部Wを設ける。例えば先頭の第1アーム部A1、最後尾の第8アーム部A8、及び中央の2枚のアーム部(第4アーム部A4、第5アーム部A5)にウエイト部Wを設ける。その他に、3気筒エンジン、直列6気筒エンジン、V型6気筒エンジン、8気筒エンジン等に搭載されるクランク軸であっても、製造工程は同様である。なお、ピン部の配置角度の調整が必要な場合は、バリ抜き工程の後に、捩り工程が追加される。
近年、特に自動車用のレシプロエンジンには、燃費の向上のために軽量化が求められている。このため、レシプロエンジンの基幹部品であるクランク軸にも、軽量化の要求が著しくなっている。鍛造クランク軸の軽量化を図る従来技術としては、下記のものがある。
特許文献1及び2には、ジャーナル部側の表面に穴部が形成されたアーム部が記載され、このアーム部を有するクランク軸の製造方法も記載されている。アーム部の穴部は、ジャーナル部の軸心とピン部の軸心とを結ぶ直線(以下、「アーム部中心線」ともいう)上に形成され、ピン部に向けて大きく深く窪む。このような同文献に記載されたアーム部は、穴部の体積分が軽量化される。アーム部の軽量化は、アーム部と対をなすウエイト部の重量軽減につながり、ひいては鍛造クランク軸全体の軽量化につながる。また、同文献に開示されたアーム部は、アーム部中心線を間に挟むピン部近傍の両側部で厚みが厚く維持されていることから、剛性(ねじり剛性及び曲げ剛性)も確保される。
このように、アーム部の両側部の厚みを厚く維持しつつ、アーム部のジャーナル部側の表面に凹みを持たせれば、軽量化と剛性確保を同時に図ることができる。
ただし、そのような独特な形状のアーム部を有する鍛造クランク軸は、従来の製造方法では製造することが困難である。型鍛造工程において、アーム部表面に凹みを形成しようとすれば、当該凹み部位の金型の型抜き勾配が逆勾配になり、成形された鍛造材が金型から抜けなくなる事態が生じるからである。
そのような事態に対処するため、特許文献1及び2に記載された製造方法では、型鍛造工程ではアーム部表面に凹みを形成することなくアーム部を小さく成形することとしている。また、バリ抜き工程の後に、アーム部の表面にパンチを押し込み、そのパンチの痕跡によって凹みを形成することとしている。
特開2012−7726号公報 特開2010−230027号公報
確かに、前記特許文献1及び2に記載された製造方法によれば、アーム部の両側部の厚みを厚く維持しつつ、アーム部のジャーナル部側の表面に凹みを形成することが可能となる。これにより、軽量化と剛性確保を同時に図った鍛造クランク軸を製造することができる。
しかし、この製造方法では、アーム部表面に凹みを形成するために、アーム部表面にパンチを強く押し込んでアーム部全体を変形させることから、パンチの押し込みに多大な力を要する。このため、パンチに多大な力を付与するための格別な設備構成が必要であり、パンチの耐久性に関しても配慮が必要となる。
本発明の目的は、軽量化と剛性確保を同時に図った鍛造クランク軸を簡便に得ることができる鍛造クランク軸の製造方法を提供することにある。
本発明の実施形態による鍛造クランク軸の製造方法は、回転中心となるジャーナル部と、そのジャーナル部に対して偏心したピン部と、前記ジャーナル部と前記ピン部をつなぐクランクアーム部と、を有する鍛造クランク軸の製造方法である。当該製造方法は、型鍛造工程と、バリ抜き工程と、余肉部折り曲げ工程と、を含む。前記型鍛造工程では、前記クランクアーム部の前記ピン部近傍の両側部それぞれの外周に当該外周から突出する余肉部を有するクランク軸の形状が造形されたバリ付きの仕上げ鍛造材を成形する。前記バリ抜き工程では、前記型鍛造工程で成形した前記仕上げ鍛造材からバリを除去する。前記余肉部折り曲げ工程では、前記バリ抜き工程でバリを除去してなるクランク軸に対し、ロールを前記ピン部の偏心方向に沿って移動させながら前記クランクアーム部の前記余肉部に押し当てることにより、前記クランクアーム部の前記余肉部を、前記クランクアーム部の前記ジャーナル部側の表面に向けて折り曲げる。
上記の製造方法において、前記余肉部折り曲げ工程では、前記クランクアーム部の前記ジャーナル部側の表面のうちで前記両側部の領域を少なくとも除く表面を、第1金型の押し当てにより保持する構成とするのが好ましい。
上記の製造方法において、前記型鍛造工程で成形する前記仕上げ鍛造材の前記余肉部は、前記クランクアーム部の前記両側部から前記ピン部の偏心方向の頂部までの範囲の外周から突出する構成とすることができる。
上記の製造方法において、前記余肉部折り曲げ工程は、金型を用いたプレス圧下によりクランク軸の形状を矯正する整形工程で実施する構成とするのが好ましい。
本発明によれば、アーム部の両側部の外周に局部的に突出する余肉部を形成し、この局部的に突出する余肉部を、ロールの押し当てによって折り曲げる。これにより、アーム部の両側部の厚みを厚く維持しつつ、アーム部のジャーナル部側の表面に凹みを形成することが可能となる。このため、得られる鍛造クランク軸において、軽量化と剛性確保を同時に図ることができる。その製造の際、局部的に突出する余肉部をロールの押し当てによって折り曲げるだけで十分であることから、多大な力を要することなく簡便に行える。
図1は、従来の一般的な鍛造クランク軸の製造工程を説明するための模式図である。 図2は、本発明の第1実施形態における整形前のクランク軸のアーム部形状を示す模式図であり、同図(a)は斜視図、同図(b)はジャーナル部側から見たときの正面図、同図(c)は上面図、同図(d)はA−A断面図である。 図3は、本発明の第1実施形態における整形後のクランク軸のアーム部形状を示す模式図であり、同図(a)は斜視図、同図(b)はジャーナル部側から見たときの正面図、同図(c)は上面図、同図(d)はB−B断面図である。 図4は、本発明の第1実施形態の整形工程におけるロールの動作例を示す模式図であり、同図(a)は整形前の状態を示す正面図、同図(b)は折り曲げ時の状態を示す断面図、同図(c)は整形後の状態を示す正面図である。 図5は、本発明の第1実施形態の整形工程における第1金型の動作例を模式的に示す上面図であり、同図(a)は第1金型を押し付けた状態を、同図(b)は整形後の状態をそれぞれ示す。 図6は、本発明の第2実施形態における整形前のクランク軸のアーム部形状を示す模式図であり、同図(a)はジャーナル部側から見たときの正面図、同図(b)は上面図である。 図7は、本発明の第2実施形態における整形後のクランク軸のアーム部形状を示す模式図であり、同図(a)はジャーナル部側から見たときの正面図、同図(b)は上面図である。 図8は、本発明の第2実施形態の整形工程におけるロールの動作例を示す模式図であり、同図(a)は整形前の状態を示す正面図、同図(b)は折り曲げ時の状態を示す断面図、同図(c)は整形後の状態を示す正面図である。 図9は、本発明の第2実施形態の整形工程における第1金型の動作例を模式的に示す側面図であり、同図(a)は第1金型を押し付けた状態を、同図(b)は整形後の状態をそれぞれ示す。 図10は、バレル型ロールを用いる場合の構成例を模式的に示す断面図である。
本発明の鍛造クランク軸の製造方法は、第1実施形態及び第2実施形態を採用することができる。第1実施形態と第2実施形態では、鍛造クランク軸のアーム部形状が異なる。具体的には、第1実施形態では、後述の図2に示すように、整形前の鍛造クランク軸のアーム部Aにおいて、クランクアーム部の両側部(Aa、Ab)に余肉部(Aaa、Aba)を設ける。これに対し、第2実施形態では、後述の図6に示すように、整形前の鍛造クランク軸のアーム部Aにおいて、クランクアーム部の両側部(Aa、Ab)からピン部の偏心方向の頂部Ac(以下、「ピントップ部」ともいう)までの範囲に余肉部(Aaa、Aba、Aca)を設ける。
以下に、本発明の鍛造クランク軸の製造方法について、第1実施形態と第2実施形態とに分けて説明する。
[第1実施形態]
第1実施形態では、前記図1に示す製造工程を採用できる。すなわち、第1実施形態は、予備成形(ロール成形と曲げ打ち)、型鍛造(荒打ちと仕上げ打ち)、バリ抜き、及び整形の各工程を含む。予備成形、型鍛造、バリ抜き及び整形の各工程は、いずれも熱間で行う。
1.クランク軸のアーム部の形状
図2は、本発明の第1実施形態における整形前のクランク軸のアーム部形状を示す模式図であり、同図(a)は斜視図、同図(b)はジャーナル部側から見たときの正面図、同図(c)は上面図、同図(d)はA−A断面図である。
図3は、本発明の第1実施形態における整形後のクランク軸のアーム部形状を示す模式図であり、同図(a)は斜視図、同図(b)はジャーナル部側から見たときの正面図、同図(c)は上面図、同図(d)はB−B断面図である。
図2及び図3では、クランク軸のアーム部(ウエイト部を含む)の1つを代表的に抽出して示しており、残りのクランク軸のアーム部を省略する。
第1実施形態の整形後のアーム部Aでは、換言すると、最終製品である鍛造クランク軸のアーム部Aでは、図3に示すように、ピン部P近傍の両側部(Aa、Ab)がジャーナル部J側に膨らみ、それらの両側部(Aa、Ab)の厚みが厚くされる。更に、そのアーム部Aは、ジャーナル部J側の表面のうち、両側部(Aa、Ab)の内側の領域Asに、凹みを有する。
このように整形後のアーム部Aは、両側部(Aa、Ab)の厚みが厚く維持されるとともに、ジャーナル部J側の表面に凹みが形成されている。このため、第1実施形態による鍛造クランク軸は、アーム部A表面の凹みによって軽量化を図ることができる。加えて、アーム部Aの両側部(Aa、Ab)の厚み維持によって剛性の確保を図ることができる。
これに対し、整形前のアーム部Aは、図2に示すように、ジャーナル部J側の表面のうち、両側部(Aa、Ab)の内側の領域Asに、整形後の最終製品形状と合致する凹みを持つ。その凹みはアーム部Aの両側部(Aa、Ab)の領域まで滑らかに広がっている。これにより、そのアーム部形状は、両側部(Aa、Ab)の厚みが整形後の最終製品の厚みよりも薄い。
更に、アーム部Aの両側部(Aa、Ab)には、それぞれの外周に当該外周から突出する余肉部(Aaa、Aba)が形成される。この余肉部(Aaa、Aba)は、板状であり、アーム部Aの両側部(Aa、Ab)の外周に沿って設けられる。余肉部(Aaa、Aba)の厚みは、その根元の両側部(Aa、Ab)の厚みと比べ、同程度であるか又は薄い。
2.鍛造クランク軸の製造方法
上述のとおり、第1実施形態は、予備成形、型鍛造、バリ抜き、及び整形の各工程を含み、いずれの工程も熱間で一連に行われる。なお、ピン部の配置角度の調整が必要な場合は、バリ抜き工程と整形工程との間に、捩り工程が追加される。
第1実施形態では、前記図1に示す従来の製造方法と同様にして、予備成形工程で曲げ荒地を成形する。
次に、型鍛造工程(荒打ちと仕上げ打ち)で、その曲げ荒地からバリ付きの仕上げ鍛造材を成形する。その際、クランク軸のアーム部形状を、前記図2に示すような形状とする。具体的には、クランク軸のアーム部Aは、上記の通り、ジャーナル部J表面に凹みが形成され、両側部(Aa、Ab)の外周に板状の余肉部(Aaa、Aba)が形成される。その凹みは、アーム部Aの両側部(Aa、Ab)の領域まで滑らかに広がり、余肉部(Aaa、Aba)の厚みは、その根元の両側部(Aa、Ab)の厚みと比べ、同程度であるか又は薄い。
荒打ちと仕上げ打ちのいずれの型鍛造も、上下に一対の金型を用いたプレス鍛造により行う。型鍛造に用いる金型には、それらの形状を反映した型彫刻部が彫り込まれている。型彫刻部の型抜き勾配は、アーム部表面の凹みに対応する部位、及びアーム部外周の余肉部(Aaa、Aba)に対応する部位のいずれでも、逆勾配にならない。このため、型鍛造は支障なく行える。
続いて、バリ抜き工程で、バリ付きの仕上げ鍛造材からバリを打ち抜いて除去することにより、鍛造クランク軸を得る。バリ抜き工程を経て得られたクランク軸は、前記図2に示す形状のアーム部を有し、アーム部Aの両側部(Aa、Ab)の外周に余肉部(Aaa、Aba)が形成されている。
そして、整形工程に移行する。第1実施形態の整形工程では、従来の一般的な整形工程と同様に、上下に一対の金型を用いる。加えて、ロールとともに第1金型を用いる。
図4は、本発明の第1実施形態の整形工程におけるロールの動作例を示す模式図であり、同図(a)は整形前の状態を示す正面図、同図(b)は折り曲げ時の状態を示す断面図、同図(c)は整形後の状態を示す正面図である。同図では、整形用金型及び第1金型の図示を省略する。また、同図(b)は、同図(a)のX位置をロール11が通過する時の状態を示すX位置の断面図である。
図5は、本発明の第1実施形態の整形工程における第1金型の動作例を模式的に示す上面図であり、同図(a)は第1金型を押し付けた状態を、同図(b)は整形後の状態をそれぞれ示す。同図では、整形用金型及びロールの図示を省略する。
整形用金型(図示なし)には、型彫刻部が彫り込まれており、その型彫刻部には、前記図3に示すクランク軸の最終製品形状のうち、アーム部Aを除いた部分(例:ジャーナル部J、ピン部P)の形状が反映されている。整形用金型は、ロールを収容するため、アーム部Aに対応する部位がピン部Pの偏心方向に大きく開放されている。更に、整形用金型は、第1金型を収容するため、アーム部Aのジャーナル部J側の表面の凹みに対応する部位が開放されている。
特に、第1実施形態の整形工程では、整形用金型に加え、ロール11と第1金型20が用いられる。ロール11及び第1金型20は、いずれも整形用金型から独立し、整形用金型の開放された部分に収容されている。
図4に示すようにロール11は、その形状が略円柱状であり、ホルダー(図示なし)によって回転可能に支持されている。また、ロール11は、クランク軸のアーム部Aの中心線(ピン部Pの偏心方向)に沿って進退移動が可能である。ロール11の進退移動は、ホルダーに連結された油圧シリンダ等によって実行される。このようなロール11は、上下で対をなすように設けられ、ロール11の回転軸は、アーム部Aの両側部(Aa、Ab)の外側面と略平行に配置される(図4(b)参照)。
一方、第1金型20には、アーム部表面の凹みに対応する形状の型彫刻部が彫り込まれている。第1金型20は、アーム部表面の凹みに対して接触したり離間したりするように進退移動が可能である。第1金型20の進退移動は、第1金型20に連結された油圧シリンダ等によって実行される。
このような整形用金型、ロール11及び第1金型20を用いた整形工程は、以下のように行われる。先ず、下側の整形用金型の型彫刻部に、バリ抜き後のクランク軸を収納する。このとき、ロール11及び第1金型20は、いずれもクランク軸から離間した退避状態にあり、アーム部Aは、アーム部外周の余肉部(Aaa、Aba)を含め、金型によって全く拘束されていない。
この状態から、上側の整形用金型を下側の整形用金型に向けて移動させる。これにより、クランク軸の軸部(例:ジャーナル部J、ピン部P、フロント部Fr、フランジ部Fl)、更にはウエイト部Wが僅かにプレス圧下され、最終製品の寸法形状に矯正される。
整形用金型によるプレス圧下の後、第1金型20を進出させ、図5(a)に示すように、アーム部Aのジャーナル部J側の表面に第1金型20を押し付ける。このとき、第1金型20は、アーム部Aのジャーナル部J側の表面のうちで、両側部(Aa、Ab)の領域を少なくとも除く凹み領域Asの表面に押し付けられている。
次に、ロール11をピン部の偏心方向に沿って移動させる(図4(a)のハッチングを施した矢印参照)。その際、先ず、ロール11の外周面と余肉部(Aaa、Aba)のうちのピントップ部Ac側の部位とが接触し、その部位にロール11が押し当てられる。ロール11をさらに移動させると、余肉部(Aaa、Aba)のピントップ部Ac側の部位が、ロール11の外周面に沿って変形し、ジャーナル部J側の表面に向けて徐々に折り曲げられる。ロール11をさらに移動させると、余肉部(Aaa、Aba)が、ピントップ部Ac側からピン部の偏心方向に沿って順に折り曲げられる。最終的に、余肉部(Aaa、Aba)の全部が、ジャーナル部J側の表面に向けて折り曲げられる(図4(c)参照)。
これにより、アーム部Aの両側部(Aa、Ab)は、個々の余肉部(Aaa、Aba)の体積分だけジャーナル部J側の表面に向けて張り出す。このようにして、前記図3に示すように、アーム部Aの両側部(Aa、Ab)の厚みが厚くされ、アーム部Aのジャーナル部J側の表面に凹みが形成されたクランク軸が得られる。
また、ロールの押し当て時、アーム部Aは、そのジャーナル部J側の表面の凹み領域Asに第1金型20が押し当てられて拘束されているので、その凹み領域Asの形状が安定する。更に、アーム部Aの両側部(Aa、Ab)は、ロールの押し当てによりジャーナル部J側に向けて張り出すが、その張り出し形状は第1金型20により精密に成形される。
ロールの押し当てを完了した後、ロール11及び第1金型20を後退させてアーム部Aから待避させ、その後に、上側の整形用金型を上昇させてクランク軸を取り出す。
このように第1実施形態によれば、アーム部Aの両側部(Aa、Ab)の厚みを厚く維持しつつ、アーム部Aのジャーナル部J側の表面に凹みを形成することが可能となる。このため、第1実施形態は、軽量化と剛性確保を同時に図った鍛造クランク軸を製造することができる。
また、第1実施形態は、アーム部Aの両側部(Aa、Ab)の外周に局部的に突出する余肉部(Aaa、Aba)を形成し、この局部的に突出する余肉部(Aaa、Aba)をロール11によって折り曲げる。このため、第1実施形態は、多大な力が不要であり、簡便に行える。
アーム部Aの表面に第1金型20を押し付ける場合、この第1金型20をそれ以上に押し込むわけではないので、第1金型20を保持する力は小さくて済む。また、アーム部Aの表面に第1金型20を押し付ける場合、ロール11の押し当てによってアーム部Aの最終的な形状を造形するにあたり、余肉部(Aaa、Aba)を単に折り曲げるだけとなる。このため、折り曲げの影響がジャーナル部等の他の部分に生じるのを防止できる。
また、第1実施形態では、アーム部外周の余肉部(Aaa、Aba)の折り曲げを整形工程で実施しているので、従来の製造工程を変更する必要はない。もっとも、アーム部外周の余肉部(Aaa、Aba)の折り曲げは、バリ抜き工程の後であれば、整形工程とは別工程で行っても構わない。
[第2実施形態]
第2実施形態は、上記の第1実施形態を基本とし、鍛造クランク軸のアーム部形状を変更したものである。
1.クランク軸のアーム部の形状
図6は、本発明の第2実施形態における整形前のクランク軸のアーム部形状を示す模式図であり、同図(a)はジャーナル部側から見たときの正面図、同図(b)は上面図である。
図7は、本発明の第2実施形態における整形後のクランク軸のアーム部形状を示す模式図であり、同図(a)はジャーナル部側から見たときの正面図、同図(b)は上面図である。
第2実施形態の整形後のアーム部Aでは、換言すると、最終製品である鍛造クランク軸のアーム部Aでは、図7に示すように、上記の第1実施形態と同じく、両側部(Aa、Ab)の厚みが厚くされ、ジャーナル部J側表面の領域Asに凹みが設けられる。更に、第2実施形態の整形後のアーム部は、両側部(Aa、Ab)に加え、その両側部(Aa、Ab)からピントップ部Acまでの連続した範囲でも厚みが厚い。
このように整形後のアーム部Aは、両側部(Aa、Ab)からピントップ部Acまでの範囲の厚みが連続的に厚く維持されるとともに、ジャーナル部J側の表面に凹みが形成されている。このため、第2実施形態による鍛造クランク軸は、アーム部A表面の凹みによって軽量化を図ることができる。加えて、アーム部Aの両側部(Aa、Ab)の厚み維持によって剛性の確保を図ることができる。
ここで、ピン部Pとアーム部Aのつなぎ目であるピンフィレット部には、応力集中が生じ易い。このため、疲労強度の向上を目的とし、高周波誘導加熱による焼入れをピンフィレット部に施す場合が多い。このとき、アーム部Aのピントップ部Acは、焼入れが施されるピンフィレット部に隣接するので、ある程度の厚みが確保されていないと、焼割れが生じるおそれがある。第2実施形態による鍛造クランク軸は、焼入れをピンフィレット部に施す場合に、アーム部Aのピントップ部Acの厚みが厚いことから、焼割れに対する抵抗性が優れる。
一方、第2実施形態の整形前のアーム部は、図6に示すように、アーム部Aのジャーナル部J側の表面のうち、両側部(Aa、Ab)及びピントップ部Acの内側の領域Asに、整形後の最終製品形状と合致する凹みを有する。その凹みはアーム部Aの両側部(Aa、Ab)及びピントップ部Acの領域まで滑らかに広がっている。これにより、そのアーム部形状は、両側部(Aa、Ab)及びピントップ部Acの厚みが整形後の最終製品の厚みよりも薄い。
更に、アーム部Aの両側部(Aa、Ab)からピントップ部Acまでの範囲には、その範囲の外周に当該外周から突出する余肉部(Aaa、Aba、Aca)が形成されている。この余肉部(Aaa、Aba、Aca)は、板状であり、アーム部Aの両側部(Aa、Ab)からピントップ部Acまでの範囲の外周に沿って設けられる。
余肉部(Aaa、Aba)の厚みは、その根元の両側部(Aa、Ab)の厚みと比べ、同程度であるか又は薄い。また、余肉部Acaの厚みは、アーム部Aのピントップ部Acの厚みと比べ、同程度であるか又は薄い。
2.鍛造クランク軸の製造方法
第2実施形態の工程は、上記の第1実施形態と同様とする。すなわち、型鍛造工程及びバリ抜き工程によってクランク軸を得て、整形前のクランク軸のアーム部を前記図6に示すような形状とする。バリ抜きされたクランク軸から、整形工程によって最終製品(整形後)のクランク軸を得て、最終製品のクランク軸のアーム部を前記図7に示すような形状とする。
図8は、本発明の第2実施形態の整形工程におけるロールの動作例を示す模式図であり、同図(a)は整形前の状態を示す正面図、同図(b)は折り曲げ時の状態を示す断面図、同図(c)は整形後の状態を示す正面図である。同図では、整形用金型及び第1金型の図示を省略する。また、同図(b)は、同図(a)のY位置をロール12が通過する時の状態を示すY位置の断面図である。
図9は、本発明の第2実施形態の整形工程における第1金型の動作例を模式的に示す側面図であり、同図(a)は第1金型を押し付けた状態を、同図(b)は整形後の状態をそれぞれ示す。同図では、整形用金型及びロールの図示を省略する。
第2実施形態の整形工程では、上記の第1実施形態で用いた整形用金型及び第1金型20が用いられる。また、図8に示すロール12は、上記の第1実施形態で用いたロール11と同様に、回転可能、かつ、クランク軸のアーム部Aの中心線(ピン部Pの偏心方向)に沿って進退移動が可能である。
図8に示すロール12の形状は、上記の第1実施形態で用いたロール11と異なり、円錐台状である。また、図8に示すロール12は、上下に、換言すると、クランク軸のアーム部Aの中心面と垂直な方向(同図(a)の破線矢印参照)に移動可能である。このロール12の上下への移動は、例えば、スライダーと、ロール12をアーム部中心面側に向けて付勢する付勢手段(例えばばね)とで実現できる。ここで、「アーム部Aの中心面」とは、ジャーナル部の軸心とピン部の軸心とを含む平面である。
第2実施形態の整形工程では、上記の第1実施形態と同様に、整形用金型によるプレス圧下の後、第1金型20を進出させる。これにより、図9(a)に示すように、アーム部Aのジャーナル部J側の表面に第1金型20を押し付ける。
次に、ロール12をピン部の偏心方向に沿って移動させる(図8(a)のハッチングを施した矢印参照)。その際、先ず、余肉部(Aaa、Aba、Aca)のうちでピントップ部Acの周辺の部位と、ロール12の外周面とが接触し、その部位にロール12が押し当てられる。ロール12をさらに偏心方向に沿って移動させると、ピントップ部Acの周辺の部位が、ロール12の外周面に沿って変形し、ジャーナル部J側の表面に向けて徐々に折り曲げられる。ロール12をさらに偏心方向に沿って移動させると、余肉部(Aaa、Aba、Aca)が、ピントップ部Ac周辺から両側部(Aa、Ab)まで順に折り曲げられる。その過程で、ロール12は、アーム部Aのピントップ部Ac及び両側部Aaの外周形状に沿って上下に移動する。最終的に、余肉部(Aaa、Aba、Aca)の全部が、ジャーナル部J側の表面に向けて折り曲げられる。
これにより、アーム部Aの両側部(Aa、Ab)及びピントップ部Acの余肉部Acaは、個々の余肉部(Aaa、Aba、Aca)の体積分だけジャーナル部J側の表面に向けて張り出す。このため、得られるクランク軸では、前記図7に示すように、アーム部Aの両側部(Aa、Ab)からピントップ部Acまでの連続した範囲における厚みが厚くなる。また、アーム部Aのジャーナル部J側の表面に凹みが形成される。
このような第2実施形態によれば、アーム部Aの両側部(Aa、Ab)からピントップ部Acまでの範囲の厚みを連続的に厚く維持しつつ、アーム部Aのジャーナル部J側の表面に凹みを形成することが可能となる。これにより、第2実施形態は、得られる鍛造クランク軸において、軽量化と剛性確保を同時に図ることが可能となり、更に焼割れに対する抵抗性を向上できる。
この第2実施形態は、アーム部Aの外周に局部的に突出する余肉部(Aaa、Aba、Aca)を形成し、この余肉部(Aaa、Aba、Aca)をロールによって折り曲げる。このため、第2実施形態は、多大な力が不要であり、簡便に行える。
勿論、第2実施形態は、上記の第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
本発明は上記の各実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。例えば、第1金型20は必ずしも必要ではない。アーム部Aの精密な寸法精度が要求されなければ、第1金型20が無くても、ロールによってアーム部外周の余肉部(Aaa、Aba)を折り曲げることにより、アーム部Aの両側部(Aa、Ab)の厚みを厚く維持しつつ、アーム部Aのジャーナル部J側の表面に凹みを形成することができるからである。
ロールの形状及び構成は、前記図4に示すロールの形状及び構成や、前記図8に示すロールの形状及び構成に限定されない。本発明では、例えば、バレル状のロール(以下、「バレル型ロール」ともいう)を用いてもよい。
図10は、バレル型ロールを用いる場合の構成例を模式的に示す断面図である。同図では、クランク軸から、一つのピン部Pと、そのピン部Pの両端に位置する一対のアーム部(A1、A2)とを抽出して示す。同図に示すバレル型ロール13は、第1テーパー面13a及び第2テーパー面13bを有する。第1テーパー面13a及び第2テーパー面13bは、いずれも、回転軸方向の中央位置から遠ざかるのに伴って外径が小さくなる。この場合、整形用金型は、ロールを収容するため、一対のアーム部に対応する部位とともに一対のアーム部の間がピン部Pの偏心方向に大きく開放されている。
このような形状のバレル型ロール13を用いる整形工程では、第1テーパー面13aによって第1のアーム部A1の余肉部を折り曲げるとともに、第2テーパー面13bによって第2のアーム部A2余肉部を折り曲げる。このようにバレル型ロールを用いれば、一対のアーム部の余肉部を同時に折り曲げることができる。
具体的には、第1実施形態では、略円柱状のロールに限定されることなく、円錐台状のロール又はバレル型ロールを用いることができる。また、第2実施形態では、円錐台状のロールに限定されることなく、略円柱状のロール又はバレル型ロールを用いることができる。
また、本発明は、アーム部中心面と垂直な方向へのロールの移動について、ロールの形状やアーム部の形状に応じて適宜設定することができる。具体的には、第1実施形態では、アーム部中心面と垂直な方向にロールが移動不能な場合に限定されることなく、第2実施形態と同様にアーム部中心面と垂直な方向にロールを移動可能としてもよい。
一方、第2実施形態では、ロールとして、アーム部中心面と垂直な方向に移動可能なロール12を用いたが、第1実施形態と同様に、アーム部中心面と垂直な方向に移動することがないロールを用いてもよい。この場合、余肉部のうちでピントップ部Ac周辺の部位を折り曲げることができないが、型鍛造工程で造形されるピントップ部Ac周辺の形状を適宜変更する等の対策を講じれば、クランク軸の機能等に悪影響が生じることなく、焼割れに対する抵抗性も維持できる。
本発明は、あらゆるレシプロエンジンに搭載される鍛造クランク軸の製造に有効に利用できる。
1:鍛造クランク軸、 J、J1〜J5:ジャーナル部、 P、P1〜P4:ピン部、
Fr:フロント部、 Fl:フランジ部、 A、A1〜A8:クランクアーム部、
W、W1〜W8:カウンターウエイト部、 Aa、Ab:アーム部の側部、
Ac:アーム部のピントップ部、
As:アーム部のジャーナル部側表面における両側部の内側領域、
Aaa、Aba、Aca:余肉部、
11〜13:ロール、 13a:第1テーパー面、 13b:第2テーパー面、
20:第1金型

Claims (4)

  1. 回転中心となるジャーナル部と、そのジャーナル部に対して偏心したピン部と、前記ジャーナル部と前記ピン部をつなぐクランクアーム部と、を有する鍛造クランク軸の製造方法であって、
    当該製造方法は、
    前記クランクアーム部の前記ピン部近傍の両側部それぞれの外周に当該外周から突出する余肉部を有するクランク軸の形状が造形されたバリ付きの仕上げ鍛造材を成形する型鍛造工程と、
    前記型鍛造工程で成形した前記仕上げ鍛造材からバリを除去するバリ抜き工程と、
    前記バリ抜き工程でバリを除去してなるクランク軸に対し、ロールを前記ピン部の偏心方向に沿って移動させながら前記クランクアーム部の前記余肉部に押し当てることにより、前記クランクアーム部の前記余肉部を、前記クランクアーム部の前記ジャーナル部側の表面に向けて折り曲げる余肉部折り曲げ工程と、を含む、鍛造クランク軸の製造方法。
  2. 請求項1に記載の鍛造クランク軸の製造方法において、
    前記余肉部折り曲げ工程では、前記クランクアーム部の前記ジャーナル部側の表面のうちで前記両側部の領域を少なくとも除く表面を、第1金型の押し当てにより保持する、鍛造クランク軸の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の鍛造クランク軸の製造方法において、
    前記型鍛造工程で成形する前記仕上げ鍛造材の前記余肉部は、前記クランクアーム部の前記両側部から前記ピン部の偏心方向の頂部までの範囲の外周から突出する、鍛造クランク軸の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の鍛造クランク軸の製造方法において、
    前記余肉部折り曲げ工程は、金型を用いたプレス圧下によりクランク軸の形状を矯正する整形工程で実施する、鍛造クランク軸の製造方法。
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