JP2016003274A - ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents
ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2016003274A JP2016003274A JP2014124064A JP2014124064A JP2016003274A JP 2016003274 A JP2016003274 A JP 2016003274A JP 2014124064 A JP2014124064 A JP 2014124064A JP 2014124064 A JP2014124064 A JP 2014124064A JP 2016003274 A JP2016003274 A JP 2016003274A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- rubber composition
- mass
- silica
- rubber
- parts
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
- Y02T10/00—Road transport of goods or passengers
- Y02T10/80—Technologies aiming to reduce greenhouse gasses emissions common to all road transportation technologies
- Y02T10/86—Optimisation of rolling resistance, e.g. weight reduction
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Tires In General (AREA)
Abstract
【課題】自動車の高性能化、高機能化に伴い、タイヤへの要求性能は年々高度になってきている。例えば、ドライおよびウェットの路面でのグリップ性能を維持しつつ、低燃費性を兼ね備えたタイヤの開発が強く望まれている。これらの性能を向上させるために樹脂を配合する技術が知られているが、tanδ(60℃)を悪化させてしまう。また、シリカを配合する技術も知られているが、加工性や耐摩耗性を悪化させるという問題点があった。【解決手段】ジエン系ゴム100質量部に対し、重量平均分子量Mwが200〜1000であり、かつ軟化点が−40〜20℃の範囲にある、フェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂を1〜30質量部、およびシリカを80〜200質量部配合してなるゴム組成物によって上記課題を解決した。【選択図】なし
Description
本発明は、ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤに関するものであり、詳しくは、ドライおよびウェットグリップ性能、転がり抵抗性、加工性ならびに耐摩耗性をいずれも向上させ得るゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤに関するものである。
自動車の高性能化、高機能化に伴い、タイヤへの要求性能は年々高度になってきている。例えば、ドライおよびウェットの路面でのグリップ性能を維持しつつ、低燃費性を兼ね備えたタイヤの開発が強く望まれている。これらの性能を向上させるために樹脂を配合する技術が知られている(例えば特許文献1参照)。このような樹脂はゴム成分とは独立したtanδプロファイルを有し、コンパウンドのtanδバランスを改良することができ、主にウェットグリップ性能の向上のために配合されている。しかし、一般的に樹脂はゴム成分よりも高いガラス転移点を有するため、tanδ(60℃)を悪化させ、低転がり性能が得られないという問題点があった。これとは別に、前記グリップ性能を向上させるために、粒径の小さいフィラーを多量に配合する技術も知られているが、このような手法でも転がり抵抗性が悪化してしまう。
一方、転がり抵抗性を改善するために、ゴム組成物にシリカを配合する技術も知られている。しかしながら、シリカはその粒子表面に存在するシラノール基による水素結合の形成のために凝集する傾向を有し、混練時にゴム組成物のムーニー粘度が高くなり、加工性を悪化させるという問題点や、耐摩耗性が悪化するという問題点があった。
したがって本発明の目的は、ドライおよびウェットグリップ性能、転がり抵抗性、加工性ならびに耐摩耗性をいずれも向上させ得るゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することにある。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、ジエン系ゴムに対し、特定の特性を有するフェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂およびシリカを特定量でもって配合することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成することができた。
すなわち本発明は以下の通りである。
すなわち本発明は以下の通りである。
1.ジエン系ゴム100質量部に対し、重量平均分子量Mwが200〜1000であり、かつ軟化点が−40〜20℃の範囲にある、フェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂を1〜30質量部、およびシリカを80〜200質量部配合してなることを特徴とするゴム組成物。
2.フェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂が、フェノールで変性したC9系石油樹脂であることを特徴とする前記1に記載のゴム組成物。
3.前記ジエン系ゴム100質量部に対し、さらに芳香族変性テルペン樹脂を1〜30質量部配合してなることを特徴とする前記1または2に記載のゴム組成物。
4.前記1〜3のいずれかに記載のゴム組成物をトレッドに使用した空気入りタイヤ。
2.フェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂が、フェノールで変性したC9系石油樹脂であることを特徴とする前記1に記載のゴム組成物。
3.前記ジエン系ゴム100質量部に対し、さらに芳香族変性テルペン樹脂を1〜30質量部配合してなることを特徴とする前記1または2に記載のゴム組成物。
4.前記1〜3のいずれかに記載のゴム組成物をトレッドに使用した空気入りタイヤ。
本発明によれば、ジエン系ゴムに対し、特定の特性を有するフェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂およびシリカを特定量でもって配合したので、ドライおよびウェットグリップ性能、転がり抵抗性、加工性ならびに耐摩耗性をいずれも向上させ得るゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(ジエン系ゴム)
本発明で使用されるジエン系ゴムは、ゴム組成物に配合することができる任意のジエン系ゴムを用いることができ、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、その分子量やミクロ構造はとくに制限されず、アミン、アミド、シリル、アルコキシシリル、カルボキシル、ヒドロキシル基等で末端変性されていても、エポキシ化されていてもよい。
これらのジエン系ゴムの中でも、本発明の効果の点からジエン系ゴムはSBRおよびNRがとくに好ましい。なおジエン系ゴムは、水素添加していないものを使用するのが好ましい。
本発明で使用されるジエン系ゴムは、ゴム組成物に配合することができる任意のジエン系ゴムを用いることができ、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、その分子量やミクロ構造はとくに制限されず、アミン、アミド、シリル、アルコキシシリル、カルボキシル、ヒドロキシル基等で末端変性されていても、エポキシ化されていてもよい。
これらのジエン系ゴムの中でも、本発明の効果の点からジエン系ゴムはSBRおよびNRがとくに好ましい。なおジエン系ゴムは、水素添加していないものを使用するのが好ましい。
(フェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂)
本発明で使用するフェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂は、重量平均分子量Mwが200〜1000であり、かつ軟化点が−40〜20℃の範囲にある。また、該C9系石油樹脂は、常温で液体である。
C9系石油樹脂とは、よく知られているように、ナフサの熱分解によって得られるC9 留分を(共)重合して得られる芳香族系石油樹脂である。典型的なC9系石油樹脂は、スチレン、ビニルトルエン、メチルスチレン、インデン、メチルインデンおよびジシクロペンタジエンから選択された1種以上をモノマー単位として構成されている。
本発明で使用するフェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂は、例えばC9留分をフェノール系化合物の存在下でカチオン重合して得ることができる。フェノール系化合物としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、p−t−ブチルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール等が挙げられ、中でも本発明の効果が向上するという観点から、フェノールが好ましい。
ここで、フェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂の重量平均分子量Mwが200未満であると、グリップ性能が悪化し、逆に1000を超えると低転がり抵抗性、加工性、耐摩耗性がいずれも悪化する。軟化点が−40℃未満であるとウェットグリップ性能が悪化し、逆に20℃を超えると低転がり抵抗性、加工性、耐摩耗性がいずれも悪化する。
前記重量平均分子量は、ポリスチレン換算のGPC法により測定され、軟化点は、JIS K6220−1に規定されたリングアンドボール法により測定される。
なお、本発明で使用するフェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂は、市販されているものを使用することができ、例えばRutgers社製ノバレスL100、ノバレスL800、ノバレスA1200、ノバレスLC60等が挙げられる。
フェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂の配合によって、該樹脂のOH基とシリカのシラノール基が相互作用し、シリカの分散性が高まり、所望の特性が発現されるものと推測される。
本発明で使用するフェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂は、重量平均分子量Mwが200〜1000であり、かつ軟化点が−40〜20℃の範囲にある。また、該C9系石油樹脂は、常温で液体である。
C9系石油樹脂とは、よく知られているように、ナフサの熱分解によって得られるC9 留分を(共)重合して得られる芳香族系石油樹脂である。典型的なC9系石油樹脂は、スチレン、ビニルトルエン、メチルスチレン、インデン、メチルインデンおよびジシクロペンタジエンから選択された1種以上をモノマー単位として構成されている。
本発明で使用するフェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂は、例えばC9留分をフェノール系化合物の存在下でカチオン重合して得ることができる。フェノール系化合物としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、p−t−ブチルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール等が挙げられ、中でも本発明の効果が向上するという観点から、フェノールが好ましい。
ここで、フェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂の重量平均分子量Mwが200未満であると、グリップ性能が悪化し、逆に1000を超えると低転がり抵抗性、加工性、耐摩耗性がいずれも悪化する。軟化点が−40℃未満であるとウェットグリップ性能が悪化し、逆に20℃を超えると低転がり抵抗性、加工性、耐摩耗性がいずれも悪化する。
前記重量平均分子量は、ポリスチレン換算のGPC法により測定され、軟化点は、JIS K6220−1に規定されたリングアンドボール法により測定される。
なお、本発明で使用するフェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂は、市販されているものを使用することができ、例えばRutgers社製ノバレスL100、ノバレスL800、ノバレスA1200、ノバレスLC60等が挙げられる。
フェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂の配合によって、該樹脂のOH基とシリカのシラノール基が相互作用し、シリカの分散性が高まり、所望の特性が発現されるものと推測される。
(シリカ)
本発明で使用されるシリカとしては、乾式シリカ、湿式シリカ、コロイダルシリカおよび沈降シリカなど、従来からゴム組成物において使用することが知られている任意のシリカを単独でまたは2種以上組み合わせて使用できる。
なお本発明では、本発明の効果がさらに向上するという観点から、、シリカのBET比表面積(ISO5794/1に準拠して測定)は、100〜400m2/gであるのが好ましく、150〜350m2/gであるのがさらに好ましい。
本発明で使用されるシリカとしては、乾式シリカ、湿式シリカ、コロイダルシリカおよび沈降シリカなど、従来からゴム組成物において使用することが知られている任意のシリカを単独でまたは2種以上組み合わせて使用できる。
なお本発明では、本発明の効果がさらに向上するという観点から、、シリカのBET比表面積(ISO5794/1に準拠して測定)は、100〜400m2/gであるのが好ましく、150〜350m2/gであるのがさらに好ましい。
(ゴム組成物の配合割合)
本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に対し、前記フェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂を1〜30質量部およびシリカを80〜200質量部配合してなることを特徴とする。
前記フェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂の配合量が1質量部未満であると、配合量が少な過ぎて本発明の効果を奏することができない。逆に30質量部を超えると耐摩耗性能が悪化する。
前記シリカの配合量が80質量部未満であると、ウェットグリップ性能が悪化し、200質量部を超えると転がり抵抗性が悪化する。
前記フェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂のさらに好ましい配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、5〜20質量部である。
前記シリカのさらに好ましい配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、90〜150質量部である。
ここで、本発明の効果がさらに高まるという観点から、フェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂は、シリカに対し、1〜30質量%配合するのが好ましく、3〜25質量%配合するのがさらに好ましい。
本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に対し、前記フェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂を1〜30質量部およびシリカを80〜200質量部配合してなることを特徴とする。
前記フェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂の配合量が1質量部未満であると、配合量が少な過ぎて本発明の効果を奏することができない。逆に30質量部を超えると耐摩耗性能が悪化する。
前記シリカの配合量が80質量部未満であると、ウェットグリップ性能が悪化し、200質量部を超えると転がり抵抗性が悪化する。
前記フェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂のさらに好ましい配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、5〜20質量部である。
前記シリカのさらに好ましい配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、90〜150質量部である。
ここで、本発明の効果がさらに高まるという観点から、フェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂は、シリカに対し、1〜30質量%配合するのが好ましく、3〜25質量%配合するのがさらに好ましい。
(芳香族変性テルペン樹脂)
また本発明では、グリップ性能を初めとする本発明の効果をさらに高めるという観点から、芳香族変性テルペン樹脂を配合するのが好ましい。
芳香族変性テルペン樹脂としては、例えば、α−ピネン、β−ピネン、ジペンテン、リモネンなどのテルペン樹脂と、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、インデンなどの芳香族化合物とを重合させて得られる芳香族変性テルペン樹脂が有効に使用される。当該芳香族化合物の芳香族変性テルペン樹脂中での含有量は、10〜50質量%であることが好ましい。また、芳香族変性テルペン樹脂の軟化点は、80〜170℃であるのが好ましい。
なお、芳香族変性テルペン樹脂の配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、例えば1〜30質量部であり、好ましくは5〜20質量部である。
また本発明では、グリップ性能を初めとする本発明の効果をさらに高めるという観点から、芳香族変性テルペン樹脂を配合するのが好ましい。
芳香族変性テルペン樹脂としては、例えば、α−ピネン、β−ピネン、ジペンテン、リモネンなどのテルペン樹脂と、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、インデンなどの芳香族化合物とを重合させて得られる芳香族変性テルペン樹脂が有効に使用される。当該芳香族化合物の芳香族変性テルペン樹脂中での含有量は、10〜50質量%であることが好ましい。また、芳香族変性テルペン樹脂の軟化点は、80〜170℃であるのが好ましい。
なお、芳香族変性テルペン樹脂の配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、例えば1〜30質量部であり、好ましくは5〜20質量部である。
(その他成分)
本発明におけるゴム組成物には、前記した成分に加えて、加硫又は架橋剤;加硫又は架橋促進剤;酸化亜鉛、カーボンブラック、クレー、タルク、炭酸カルシウムのような各種充填剤;シランカップリング剤;老化防止剤;可塑剤などのゴム組成物に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練して組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
本発明におけるゴム組成物には、前記した成分に加えて、加硫又は架橋剤;加硫又は架橋促進剤;酸化亜鉛、カーボンブラック、クレー、タルク、炭酸カルシウムのような各種充填剤;シランカップリング剤;老化防止剤;可塑剤などのゴム組成物に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練して組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
また本発明のゴム組成物は従来の空気入りタイヤの製造方法に従って空気入りタイヤを製造するのに適しており、トレッド、とくにキャップトレッドに適用するのがよい。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
標準例1、実施例1〜3および比較例1〜3
サンプルの調製
表1に示す配合(質量部)において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練した後、加硫促進剤および硫黄を加えてさらに混練し、ゴム組成物を得た。次に得られたゴム組成物を所定の金型中で160℃、20分間プレス加硫して加硫ゴム試験片を得、以下に示す試験法で未加硫のゴム組成物および加硫ゴム試験片の物性を測定した。
サンプルの調製
表1に示す配合(質量部)において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練した後、加硫促進剤および硫黄を加えてさらに混練し、ゴム組成物を得た。次に得られたゴム組成物を所定の金型中で160℃、20分間プレス加硫して加硫ゴム試験片を得、以下に示す試験法で未加硫のゴム組成物および加硫ゴム試験片の物性を測定した。
ムーニー粘度:上記ゴム組成物を用い、JIS K6300に従い、100℃における未加硫ゴムの粘度を測定した。結果は標準例1の値を100として指数表示した。この値が低いほど粘度が低く、加工性が良好であることを示す。
tanδ(0℃):JIS K6394に準拠して、岩本製作所社製の粘弾性スペクトロメーターを用いて、伸長変形歪率=10±2%、振動数=20Hz、温度0℃の条件下でtanδ(0℃)を測定し、この値をもってウェットグリップ性能を評価した。結果は、標準例1を100として指数で示した。この値が高いほど、ウェットグリップ性能が良好であることを示す。
tanδ(60℃):JIS K6394に準拠して、岩本製作所社製の粘弾性スペクトロメーターを用いて、伸長変形歪率=10±2%、振動数=20Hz、温度60℃の条件下tanδ(60℃)を測定し、この値をもって転がり抵抗性を評価した。結果は、標準例1を100として指数で示した。この値が低いほど、転がり抵抗が低く、低燃費性であることを示す。
耐摩耗性:JIS K6264に準拠し、ランボーン摩耗試験機を使用して荷重4.0kg(=39N)、スリップ率30%の条件で測定した。結果は、標準例1を100として指数で示した。この値が高いほど、耐摩耗性が良好であることを示す。
結果を表1に併せて示す。
tanδ(0℃):JIS K6394に準拠して、岩本製作所社製の粘弾性スペクトロメーターを用いて、伸長変形歪率=10±2%、振動数=20Hz、温度0℃の条件下でtanδ(0℃)を測定し、この値をもってウェットグリップ性能を評価した。結果は、標準例1を100として指数で示した。この値が高いほど、ウェットグリップ性能が良好であることを示す。
tanδ(60℃):JIS K6394に準拠して、岩本製作所社製の粘弾性スペクトロメーターを用いて、伸長変形歪率=10±2%、振動数=20Hz、温度60℃の条件下tanδ(60℃)を測定し、この値をもって転がり抵抗性を評価した。結果は、標準例1を100として指数で示した。この値が低いほど、転がり抵抗が低く、低燃費性であることを示す。
耐摩耗性:JIS K6264に準拠し、ランボーン摩耗試験機を使用して荷重4.0kg(=39N)、スリップ率30%の条件で測定した。結果は、標準例1を100として指数で示した。この値が高いほど、耐摩耗性が良好であることを示す。
結果を表1に併せて示す。
*1:SBR−1(日本ゼオン(株)製Nipol 9548、油展量=SBR100質量部に対し37.5質量部)
*2:SBR−2(日本ゼオン(株)製Nipol NS530、油展量=SBR100質量部に対し20質量部)
*3:NR(SIR20)
*4:シリカ(EVONIK社製9000GR、BET比表面積=235m2/g)
*5:カーボンブラック(キャボットジャパン(株)製N234)
*6:シランカップリング剤(EVONIK社製Si69、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
*7:酸化亜鉛(正同化学工業(株)製酸化亜鉛3種)
*8:ステアリン酸(日油(株)製ステアリン酸YR)
*9:老化防止剤(Solutia Europe社製Santoflex 6PPD)
*10:プロセスオイル(昭和シェル石油(株)製エキストラクト4号S)
*11:樹脂−1(Rutgers社製ノバレスL800、フェノールで変性したC9系石油樹脂、Mw=300、軟化点−40〜−30℃、水酸基価=0.1wt%、常温で液体)
*12:樹脂−2(ヤスハラケミカル(株)製YSレジンTO−125、テルペンスチレン樹脂、Mw=2000、軟化点120〜130℃、水酸基価=0.0wt%、常温で固体)
*13:樹脂−3(Rutgers社製ノバレスL100、フェノールで変性したC9系石油樹脂、Mw=300、軟化点−40〜−30℃、水酸基価=0.1wt%、常温で液体)
*14:樹脂−4(Rutgers社製ノバレスC10、クマロンインデン樹脂、Mw=300、軟化点5〜15℃、水酸基価=0.0wt%、常温で液体)
*15:硫黄(軽井沢精錬所社製油処理イオウ)
*16:加硫促進剤−1(大内新興化学工業(株)製ノクセラーCZ−G)
*17:加硫促進剤−2(Flexsys社製Perkacit DPG)
*2:SBR−2(日本ゼオン(株)製Nipol NS530、油展量=SBR100質量部に対し20質量部)
*3:NR(SIR20)
*4:シリカ(EVONIK社製9000GR、BET比表面積=235m2/g)
*5:カーボンブラック(キャボットジャパン(株)製N234)
*6:シランカップリング剤(EVONIK社製Si69、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
*7:酸化亜鉛(正同化学工業(株)製酸化亜鉛3種)
*8:ステアリン酸(日油(株)製ステアリン酸YR)
*9:老化防止剤(Solutia Europe社製Santoflex 6PPD)
*10:プロセスオイル(昭和シェル石油(株)製エキストラクト4号S)
*11:樹脂−1(Rutgers社製ノバレスL800、フェノールで変性したC9系石油樹脂、Mw=300、軟化点−40〜−30℃、水酸基価=0.1wt%、常温で液体)
*12:樹脂−2(ヤスハラケミカル(株)製YSレジンTO−125、テルペンスチレン樹脂、Mw=2000、軟化点120〜130℃、水酸基価=0.0wt%、常温で固体)
*13:樹脂−3(Rutgers社製ノバレスL100、フェノールで変性したC9系石油樹脂、Mw=300、軟化点−40〜−30℃、水酸基価=0.1wt%、常温で液体)
*14:樹脂−4(Rutgers社製ノバレスC10、クマロンインデン樹脂、Mw=300、軟化点5〜15℃、水酸基価=0.0wt%、常温で液体)
*15:硫黄(軽井沢精錬所社製油処理イオウ)
*16:加硫促進剤−1(大内新興化学工業(株)製ノクセラーCZ−G)
*17:加硫促進剤−2(Flexsys社製Perkacit DPG)
上記の表1の結果から明らかなように、実施例1〜3で得られたゴム組成物は、ジエン系ゴムに対し、特定の特性を有するフェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂およびシリカを特定量でもって配合しているので、従来の代表的な標準例1に対し、ウェットグリップ性能、転がり抵抗性、加工性および耐摩耗性をいずれも向上している。とくに芳香族変性テルペン樹脂を配合した実施例3は、ウェットグリップ性能、転がり抵抗性、加工性および耐摩耗性がさらに向上した。
これに対し、比較例1は、フェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂を使用せず、その替わりに芳香族変性テルペン樹脂であるテルペンスチレン樹脂のみを使用した例であるので、転がり抵抗性が悪化した。
比較例2は、フェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂を使用せず、その替わりに未変性のクマロンインデン樹脂を配合した例であるので、ウェットグリップ性能、転がり抵抗性が悪化した。
比較例3は、シリカの配合量が本発明で規定する下限未満であるので、ウェットグリップ性能、転がり抵抗性が悪化した。
これに対し、比較例1は、フェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂を使用せず、その替わりに芳香族変性テルペン樹脂であるテルペンスチレン樹脂のみを使用した例であるので、転がり抵抗性が悪化した。
比較例2は、フェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂を使用せず、その替わりに未変性のクマロンインデン樹脂を配合した例であるので、ウェットグリップ性能、転がり抵抗性が悪化した。
比較例3は、シリカの配合量が本発明で規定する下限未満であるので、ウェットグリップ性能、転がり抵抗性が悪化した。
Claims (4)
- ジエン系ゴム100質量部に対し、重量平均分子量Mwが200〜1000であり、かつ軟化点が−40〜20℃の範囲にある、フェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂を1〜30質量部、およびシリカを80〜200質量部配合してなることを特徴とするゴム組成物。
- フェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂が、フェノールで変性したC9系石油樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
- 前記ジエン系ゴム100質量部に対し、さらに芳香族変性テルペン樹脂を1〜30質量部配合してなることを特徴とする請求項1または2に記載のゴム組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物をトレッドに使用した空気入りタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014124064A JP2016003274A (ja) | 2014-06-17 | 2014-06-17 | ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014124064A JP2016003274A (ja) | 2014-06-17 | 2014-06-17 | ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016003274A true JP2016003274A (ja) | 2016-01-12 |
Family
ID=55222813
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014124064A Pending JP2016003274A (ja) | 2014-06-17 | 2014-06-17 | ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2016003274A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018002861A (ja) * | 2016-06-30 | 2018-01-11 | 日本ゼオン株式会社 | 炭化水素樹脂およびタイヤ用エラストマー組成物 |
WO2018101365A1 (ja) * | 2016-12-01 | 2018-06-07 | 日本ゼオン株式会社 | ゴム組成物および空気入りタイヤ |
WO2018101364A1 (ja) * | 2016-12-01 | 2018-06-07 | 日本ゼオン株式会社 | ゴム組成物および空気入りタイヤ |
WO2018101366A1 (ja) * | 2016-12-01 | 2018-06-07 | 日本ゼオン株式会社 | ゴム組成物および空気入りタイヤ |
JP2019194289A (ja) * | 2018-05-02 | 2019-11-07 | 住友ゴム工業株式会社 | タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ |
US20190389995A1 (en) * | 2018-06-20 | 2019-12-26 | Sumitomo Rubber Industries, Ltd. | Rubber composition and tire |
-
2014
- 2014-06-17 JP JP2014124064A patent/JP2016003274A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018002861A (ja) * | 2016-06-30 | 2018-01-11 | 日本ゼオン株式会社 | 炭化水素樹脂およびタイヤ用エラストマー組成物 |
WO2018101365A1 (ja) * | 2016-12-01 | 2018-06-07 | 日本ゼオン株式会社 | ゴム組成物および空気入りタイヤ |
WO2018101364A1 (ja) * | 2016-12-01 | 2018-06-07 | 日本ゼオン株式会社 | ゴム組成物および空気入りタイヤ |
WO2018101366A1 (ja) * | 2016-12-01 | 2018-06-07 | 日本ゼオン株式会社 | ゴム組成物および空気入りタイヤ |
JP2019194289A (ja) * | 2018-05-02 | 2019-11-07 | 住友ゴム工業株式会社 | タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ |
JP7247474B2 (ja) | 2018-05-02 | 2023-03-29 | 住友ゴム工業株式会社 | タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ |
US20190389995A1 (en) * | 2018-06-20 | 2019-12-26 | Sumitomo Rubber Industries, Ltd. | Rubber composition and tire |
JP2019218481A (ja) * | 2018-06-20 | 2019-12-26 | 住友ゴム工業株式会社 | ゴム組成物およびタイヤ |
JP7172165B2 (ja) | 2018-06-20 | 2022-11-16 | 住友ゴム工業株式会社 | ゴム組成物およびタイヤ |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5376008B2 (ja) | タイヤ用ゴム組成物 | |
JP5234203B2 (ja) | タイヤ用ゴム組成物 | |
JP5737324B2 (ja) | タイヤ用ゴム組成物 | |
US8697793B2 (en) | Rubber composition for use in tires | |
JP5999167B2 (ja) | タイヤトレッド用ゴム組成物 | |
JP4294070B2 (ja) | タイヤ用ゴム組成物 | |
JP5900036B2 (ja) | タイヤトレッド用ゴム組成物 | |
JP5626494B2 (ja) | 建設車両用タイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた建設車両用空気入りタイヤ | |
JP2016003274A (ja) | ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ | |
JP7172165B2 (ja) | ゴム組成物およびタイヤ | |
WO2013057993A1 (ja) | スタッドレスタイヤ用ゴム組成物及びスタッドレスタイヤ | |
WO2013001826A1 (ja) | タイヤ用ゴム組成物、空気入りタイヤ、及びタイヤ用ゴム組成物の製造方法 | |
WO2018003526A1 (ja) | タイヤ用ゴム組成物 | |
JP6245033B2 (ja) | ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ | |
JP7009768B2 (ja) | ゴム組成物およびタイヤ | |
JP6926711B2 (ja) | タイヤ用ゴム組成物、トレッドおよびタイヤ | |
JP2017002153A (ja) | タイヤ用ゴム組成物及びそれを用いる空気入りタイヤ | |
JP7172061B2 (ja) | ゴム組成物およびタイヤ | |
JP2017214508A (ja) | タイヤ用ゴム組成物 | |
WO2017135143A1 (ja) | タイヤ用ゴム組成物 | |
JP6593250B2 (ja) | タイヤ用ゴム組成物 | |
JP7225637B2 (ja) | ゴム組成物及び空気入りタイヤ | |
JP2017214509A (ja) | タイヤ用ゴム組成物 | |
JP2020100701A (ja) | タイヤトレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ | |
JP5529520B2 (ja) | トレッド用ゴム組成物及びスタッドレスタイヤ |