JP2015525287A5 - 非常に高い強度を有する超耐たわみ性、且つ耐融解性フィン材料 - Google Patents
非常に高い強度を有する超耐たわみ性、且つ耐融解性フィン材料 Download PDFInfo
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Description
目的は、独立請求項1、2及び4に記載の耐たわみ性ストリップ、並びに、独立請求項13、14及び16に記載の耐たわみ性ストリップの製造方法によって達成される。実施形態は、従属請求項によって定義される。本発明による耐たわみ性ストリップは、耐たわみ性ストリップから作製されるフィンを含む熱交換器を製造するために適切に用いられる。
耐たわみ性ストリップは、コアインゴットを得るために、
<0.30%、好ましくは<0.25%、最も好ましくは0.20%未満のSi、
≦0.5%のFe、
≦0.3%のCu、
1.0〜2.0%のMn、
≦0.5%、好ましくは≦0.3%のMg、
≦4.0%のZn、
≦0.5%のNi、
≦0.3%の、群IVb、Vb又はVIbからのそれぞれの分散質形成元素、及び
多くて0.15%の総量であり、それぞれ多くて0.05%の複数の不可避の不純物元素、残りのアルミニウム、を含む融液を鋳造することによって製造される。インゴットは、分散質粒子を形成するために、550℃未満、好ましくは400〜520℃、より好ましくは400〜500℃、最も好ましくは430℃超から500℃までの温度で予熱され、その後、ろう付け合金と共に熱間圧延されて、クラッドストリップを得る。ストリップはその後、材料の再結晶を与える中間アニーリング無しで、少なくとも90%、好ましくは>95%のコア材料の総圧下と共に冷間圧延され、第1の耐力値を有するストリップをもたらし、その後、ストリップ合金のいかなる再結晶無しで焼き戻すことによって材料を軟化することを目的に、引き渡しのテンパー度へ加熱処理され、冷間圧延直後に得られる第1の耐力値よりも10〜50%低い、好ましくは15〜40%低い第2の耐力値を有し、100〜200MPa、より好ましくは120〜180MPa、最も好ましくは140〜180MPaの0.2%耐力範囲にあるストリップが得られるようになる。ろう付け合金は、予熱段階の前、又は直後のいずれかにコアインゴット上に提供される。これは好ましくは、予熱の前、又は後の何れかに、熱間圧延段階の前に、ろう付け合金のインゴットをコアインゴットに取り付ける、又は組み立てることによって実施され得る。しかしながら、ろう付け合金は、他の既知のプロセスに従っても加えられ得る。
<0.30%、好ましくは<0.25%、最も好ましくは0.20%未満のSi、
≦0.5%のFe、
≦0.3%のCu、
1.0〜2.0%のMn、
≦0.5%、好ましくは≦0.3%のMg、
≦4.0%のZn、
≦0.5%のNi、
≦0.3%の、群IVb、Vb又はVIbからのそれぞれの分散質形成元素、及び
多くて0.15%の総量であり、それぞれ多くて0.05%の複数の不可避の不純物元素、残りのアルミニウム、を含む融液を鋳造することによって製造される。インゴットは、分散質粒子を形成するために、550℃未満、好ましくは400〜520℃、より好ましくは400〜500℃、最も好ましくは430℃超から500℃までの温度で予熱され、その後、ろう付け合金と共に熱間圧延されて、クラッドストリップを得る。ストリップはその後、材料の再結晶を与える中間アニーリング無しで、少なくとも90%、好ましくは>95%のコア材料の総圧下と共に冷間圧延され、第1の耐力値を有するストリップをもたらし、その後、ストリップ合金のいかなる再結晶無しで焼き戻すことによって材料を軟化することを目的に、引き渡しのテンパー度へ加熱処理され、冷間圧延直後に得られる第1の耐力値よりも10〜50%低い、好ましくは15〜40%低い第2の耐力値を有し、100〜200MPa、より好ましくは120〜180MPa、最も好ましくは140〜180MPaの0.2%耐力範囲にあるストリップが得られるようになる。ろう付け合金は、予熱段階の前、又は直後のいずれかにコアインゴット上に提供される。これは好ましくは、予熱の前、又は後の何れかに、熱間圧延段階の前に、ろう付け合金のインゴットをコアインゴットに取り付ける、又は組み立てることによって実施され得る。しかしながら、ろう付け合金は、他の既知のプロセスに従っても加えられ得る。
また、耐たわみ性ストリップは、コアインゴットを得るために、上記と同様の組成を有する融液を鋳造することによって製造され得る。コアインゴットは、分散質粒子を形成するために、550℃未満、好ましくは400〜520℃、より好ましくは400〜500℃、最も好ましくは430℃超から500℃までの温度で予熱され、その後、コアストリップへ熱間圧延される。コアストリップはその後、クラッドストリップを得るために、ろう付け合金のストリップと共に冷間圧延される。冷間圧延は、冷間圧延の間に得られるコアストリップの総圧下が、材料の再結晶を与えるいかなる中間アニール無しで、少なくとも90%になるように続けられ、第1の耐力を有するストリップをもたらす。冷間圧延されたストリップはその後、ストリップ合金のいかなる再結晶無しで焼き戻すことによって材料を軟化することを目的に、引き渡しのテンパー度へ加熱処理され、冷間圧延直後に得られる第1の耐力値よりも10〜50%低い、好ましくは15〜40%低い第2の耐力値を有し、100〜200MPa、より好ましくは120〜180MPa、最も好ましくは140〜180MPaの0.2%耐力範囲にあるストリップが得られるようになる。
代わりに、耐たわみ性ストリップは、上記と同様の組成を有する融液を双ロールストリップ鋳造することによって製造され得る。鋳放しのストリップは、中間ゲージ材料へ冷間圧延され、その後、分散質粒子を形成するためにアニールされる。中間ゲージ材料はその後、材料の再結晶を与える中間アニール無しで、コア材料の少なくとも60%、好ましくは80%超、より好ましくは90%超、最も好ましくは95%超の圧下率によって、最終ゲージのフィンストック材料へ冷間圧延され、第1の耐力値を有するフィンストック材料をもたらす。フィンストック材料はその後、ストリップ合金のいかなる再結晶無しで焼き戻すことによって材料を軟化することを目的に、引き渡しのテンパー度へ熱処理され、段階d)において冷間圧延直後に得られる第1の耐力値の値より10〜50%低い、好ましくは15〜40%低い第2の耐力値を有し、100〜200MPa、好ましくは120〜180MPa、より好ましくは120〜160MPaの0.2%耐力範囲にあるストリップが得られるようになる。ろう付け合金は、中間ゲージへの冷間圧延の前、又は後の何れかで、コアストリップ上に提供され、例えば、ろう付け合金ストリップは、上記で特定された組成を有する双ロールされたコア材料へロールクラッドされ得る、又は双ロールプロセスにおいて共鋳造(co−cast)され得る。
また、耐たわみ性ストリップは、必要であれば、商業的に純粋なアルミニウム合金、又は0.6〜6.5%のSiを含むアルミニウム合金である、ろう付け合金の追加の層等の、少なくとも一つの追加の(第3の)層によって被覆され得る。
耐たわみ性AlMnストリップを製造するための本発明による方法は、(重量パーセントで)<0.3%のSi、好ましくは<0.25%のSi、最も好ましくは0.20%のSi、≦0.5%のFe、≦0.3%のCu、1.0〜2.0%のMn、≦0.5%のMg、≦4.0%のZn、≦0.5%のNi、≦0.3%の、群IVb、Vb又はVib元素からのそれぞれの元素であって、これらの元素の合計が≦0.5%である元素、及び、個別の量が多くて0.05%であり、合計が多くて0.15%である複数の不可避の不純物元素、並びに残部としてアルミニウムを含む融液から圧延スラブを製造する段階を含む。圧延スラブは、熱間圧延の前に、550℃未満の、好ましくは400℃と520℃との間の、より好ましくは400℃と500℃との間の、さらにより好ましくは430℃超から500℃までの予熱温度で予熱されて、分散質粒子(過飽和固溶体から析出した粒子)の数及びサイズを制御する。予熱された圧延スラブはその後、ホットストリップへと熱間圧延される。ストリップ厚さの、通常の熱間圧延の全高さ圧下(height reduction)は>95%である。ホットストリップの出口ゲージは、2mmから10mmの範囲である。ストリップは、熱間圧延の後で、又は0.5mm超の冷間圧延された厚さでアニールされ得る。ストリップはその後、材料の再結晶を与える中間アニール無しで、少なくとも90%、好ましくは95%超、最も好ましくは少なくとも97.5%の総圧下によって、ストリップへ冷間圧延される。冷間圧延が、再結晶をもたらすいかなる中間アニール無しで実施されるという事実は、適正量の変形が達成され、材料において保持され、且つアルミニウム合金の組成に起因して可能であることを保証する。冷却圧延されたストリップはその後加熱処理されて、100MPaと200MPaとの間の範囲において、より好ましくは120MPa〜180MPaの範囲において、最も好ましくは140MPa〜180MPaにおいて、0.2%耐力へ、(十分にソフトアニールされていない)冷却圧延されたままの条件におけるその耐力値の50%〜90%である耐力値を得る。上記熱処理に関する、温度及び期間等の特定の条件は、例えば、以前の変形の度合いに依存するが、当業者によって容易に決定され得る。ストリップ材料はその後、1×106と20×106粒子/mm2との間、好ましくは1.3×106と10×106粒子/mm2との間、最も好ましくは1.4×106と7×106粒子/mm2との間の範囲における粒子の数密度を含む微細構造を有し、粒子は50〜400nmの範囲における相当直径を有する。これらの微粒子の大部分は、熱間圧延前の予熱の間に生成される。粒子密度は、例えば走査型電子顕微鏡に連結したイメージ分析システムによって等、従来の技術によって決定され得る。
フィラー金属浸透は、ろう付け時にたわみの問題が生じ得るという目安である。図4は、遅いろう付けサイクル後での、ろう付け接合部の最悪の場合の外観を示す。
Claims (15)
- 0.15mm未満の厚さを有し、コア及びろう付け合金のクラッディングを有し、前記コアが、
0.02〜<0.30%のSi、
≦0.5%のFe、
≦0.3%のCu、
1.0〜2.0%のMn、
≦0.5%のMg、
0.5〜4.0%のZn、
≦0.5%のNi、
0.05〜0.2%のZr、及び
多くて0.15%の総量である、それぞれ多くて0.05%の複数の不可避の不純物元素、残りのアルミニウム、からなり、
100〜200MPaの0.2%耐力を有し、圧延方向に沿って少なくとも90mmに切られ、35mm長さの片持ち梁の用具に搭載された、圧延方向に対する15mm幅のストリップを用いて、RTから500℃まで30℃/分で加熱し、500℃から600℃まで0℃/分で加熱し、そして3分温度を保持するろう付けサイクルに従わせて測定されるときに、≦25mmのたわみ耐性を有し、少なくとも60MPaのろう付け後の0.2%耐力を有する、耐たわみ性ストリップ。 - 0.15mm未満の厚さを有し、コア及びろう付け合金のクラッディングを有し、前記コアが、
0.05〜<0.3%のSi、
≦0.5%のFe、
≦0.3%のCu、
1.0〜2.0%のMn、
≦0.5%のMg、
0.5〜4.0%のZn、
≦0.5%のNi、
0.05〜0.2%のZr、及び
多くて0.15%の総量の、それぞれ多くて0.05%の複数の不可避の不純物元素、残りのアルミニウム、からなり、
100〜200MPaの0.2%耐力を有し、請求項1で特定されるように測定されるときに、≦25mmのたわみ耐性を有し、少なくとも60MPaのろう付け後の0.2%耐力を有する、請求項1に記載の耐たわみ性ストリップ。 - 前記コアが、
0.05〜0.25%のSi、
≦0.3%のFe、
≦0.1%のCu、
1.3〜1.8%のMn、
≦0.1%のMg、
0.5〜≦4.0%のZn、
≦0.5%のNi、
0.05〜0.2%のZr、及び
多くて0.15%の総量の、それぞれ多くて0.05%の複数の不可避の不純物元素、残りのアルミニウム、
からなる、請求項1または2に記載の耐たわみ性ストリップ。 - 前記コアが、0.5%と2.8%との間のZnを含む、請求項1から3の何れか一項に記載の耐たわみ性ストリップ。
- 前記コアが、<0.009%のSnを含む、請求項1から4の何れか一項に記載の耐たわみ性ストリップ。
- 50〜400nmの範囲における直径を有する粒子の、1×106と20×106粒子/mm2との範囲における分散質粒子密度を、引き渡しのテンパー度において有する、請求項1から5の何れか一項に記載の耐たわみ性ストリップ。
- 0.10mm未満のストリップの最終的な厚さを有する、請求項1から6の何れか一項に記載の耐たわみ性ストリップ。
- 少なくとも70MPaの、ろう付け後の0.2%耐力値を有する、請求項1から7の何れか一項に記載の耐たわみ性ストリップ。
- 請求項1で特定されるように測定されるときに、≦20mmのたわみ耐性を有する、請求項1から8の何れか一項に記載の耐たわみ性ストリップ。
- a)コアインゴットを得るために、
0.02〜<0.3%のSi、
≦0.5%のFe、
≦0.3%のCu、
1.0〜2.0%のMn、
≦0.5%のMg、
0.5〜4.0%のZn、
≦0.5%のNi、
0.05〜0.2%のZr、及び
多くて0.15%の総量の、それぞれ多くて0.05%の複数の不可避の不純物元素、残りのアルミニウム、からなる融液を鋳造する段階、
b)分散質粒子を形成するために、550℃未満の温度で、結果として得られるコアインゴットを予熱する段階であって、ろう付け合金が、前記予熱する段階の前、又は後のいずれかに、コアインゴット上に提供される段階、
c)コアインゴットをろう付け合金と共に熱間圧延して、クラッドストリップを得る段階、
d)材料の再結晶を与える中間アニーリング無しで、95%超の、コアの総圧下によって、段階c)において得られたストリップを冷間圧延して、第1の耐力値を有するストリップをもたらす段階、
e)続いて、ストリップ合金のいかなる再結晶無しで焼き戻すことによって材料を軟化することを目的に、引き渡しのテンパー度へ熱処理して、段階d)における冷間圧延の直後に得られる第1の耐力値よりも10〜50%低い第2の耐力値を有し、100〜200MPaの0.2%耐力範囲にあるストリップが得られるようにする段階、
を含む、耐たわみ性ストリップの製造方法。 - a)コアインゴットを得るために、
0.02〜<0.3%のSi、
≦0.5%のFe、
≦0.3%のCu、
1.0〜2.0%のMn、
≦0.5%のMg、
0.5〜4.0%のZn、
≦0.5%のNi、
0.05〜0.2%のZr、及び
多くて0.15%の総量の、それぞれ多くて0.05%の複数の不可避の不純物元素、残りのアルミニウム、
からなる融液を鋳造する段階、
b)分散質粒子を形成するために、550℃未満の温度で、結果として得られるコアインゴットを予熱する段階、
c)コアストリップを得るためにコアインゴットを熱間圧延して、ろう付け合金のストリップを提供する段階、
d)ろう付け合金のストリップと共に、段階c)において得られるコアストリップを冷間圧延してクラッドストリップを得る段階であって、冷間圧延が、材料の再結晶を与える中間アニーリング無しで、95%超の、コアの総圧下へと続けられて、第1の耐力値を有するストリップをもたらす段階、
e)続いて、ストリップ合金のいかなる再結晶無しで焼き戻すことによって材料を軟化することを目的に、引き渡しのテンパー度へ熱処理して、段階d)における冷間圧延の直後に得られる第1の耐力値よりも10〜50%低い第2の耐力値を有し、100〜200MPaの0.2%耐力範囲にあるストリップが得られるようにする段階、
を含む、耐たわみ性ストリップの製造方法。 - 材料の再結晶を与える中間アニーリング無しで、少なくとも97.5%の、コアの圧下率によって冷間圧延する段階を含む、請求項10又は11に記載の方法。
- a)コアストリップを得るために、
0.02〜<0.3%のSi、
≦0.5%のFe、
≦0.3%のCu、
1.0〜2.0%のMn、
≦0.5%のMg、
0.5〜4.0%のZn、
≦0.5%のNi、
0.05〜0.2%のZr、及び
多くて0.15%の総量の、それぞれ多くて0.05%の複数の不可避の不純物元素、残りのアルミニウム、
からなる融液を双ロールストリップ鋳造する段階、
b)コアストリップを冷間圧延して、中間ゲージ材料を形成する段階、
c)分散質粒子を形成するために、中間ゲージ材料をアニーリングする段階、
d)材料の再結晶を与える中間アニーリング無しで、少なくとも60%の、コアの圧下率によって、最終ゲージのフィンストック材料へと中間ゲージ材料を冷間圧延して、第1の耐力値を有するフィンストック材料をもたらす段階、
e)ストリップ合金のいかなる再結晶無しで焼き戻すことによって材料を軟化することを目的に、引き渡しのテンパー度へとフィンストック材料を熱処理する段階であって、段階d)における冷間圧延の直後に得られるものよりも10〜50%低い第2の耐力値を有し、100〜200MPaの0.2%耐力範囲にあるストリップが得られるようにする段階、
を含み、
中間ゲージ材料への前記冷間圧延の前、又は後のいずれかに、コアストリップ上にろう付け合金を提供する段階をさらに含む、耐たわみ性ストリップの製造方法。 - 請求項1から9の何れか一項に記載の耐たわみ性ストリップを含む熱交換器。
- 請求項10から13の何れか一項に記載の方法による耐たわみ性ストリップを製造する段階、及び前記耐たわみ性ストリップからフィンを形成する段階を含む、熱交換器のフィンの製造方法。
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