JP2015513583A - ビニル末端マクロモノマーのオリゴマー化 - Google Patents

ビニル末端マクロモノマーのオリゴマー化 Download PDF

Info

Publication number
JP2015513583A
JP2015513583A JP2014558749A JP2014558749A JP2015513583A JP 2015513583 A JP2015513583 A JP 2015513583A JP 2014558749 A JP2014558749 A JP 2014558749A JP 2014558749 A JP2014558749 A JP 2014558749A JP 2015513583 A JP2015513583 A JP 2015513583A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mol
vinyl
less
macromonomer
borate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014558749A
Other languages
English (en)
Inventor
ジョン アール ハーガドーン
ジョン アール ハーガドーン
パトリック ブラント
パトリック ブラント
ロベルト ドゥシャトー
ロベルト ドゥシャトー
ラファエル サブロン
ラファエル サブロン
Original Assignee
エクソンモービル ケミカル パテンツ インコーポレイテッド
エクソンモービル ケミカル パテンツ インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from US13/629,323 external-priority patent/US8802797B2/en
Application filed by エクソンモービル ケミカル パテンツ インコーポレイテッド, エクソンモービル ケミカル パテンツ インコーポレイテッド filed Critical エクソンモービル ケミカル パテンツ インコーポレイテッド
Publication of JP2015513583A publication Critical patent/JP2015513583A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C9/00Aliphatic saturated hydrocarbons
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F210/00Copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F10/00Homopolymers and copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F10/00Homopolymers and copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond
    • C08F10/04Monomers containing three or four carbon atoms
    • C08F10/06Propene
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F4/00Polymerisation catalysts
    • C08F4/42Metals; Metal hydrides; Metallo-organic compounds; Use thereof as catalyst precursors
    • C08F4/44Metals; Metal hydrides; Metallo-organic compounds; Use thereof as catalyst precursors selected from light metals, zinc, cadmium, mercury, copper, silver, gold, boron, gallium, indium, thallium, rare earths or actinides
    • C08F4/60Metals; Metal hydrides; Metallo-organic compounds; Use thereof as catalyst precursors selected from light metals, zinc, cadmium, mercury, copper, silver, gold, boron, gallium, indium, thallium, rare earths or actinides together with refractory metals, iron group metals, platinum group metals, manganese, rhenium technetium or compounds thereof
    • C08F4/62Refractory metals or compounds thereof
    • C08F4/64Titanium, zirconium, hafnium or compounds thereof
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F4/00Polymerisation catalysts
    • C08F4/42Metals; Metal hydrides; Metallo-organic compounds; Use thereof as catalyst precursors
    • C08F4/44Metals; Metal hydrides; Metallo-organic compounds; Use thereof as catalyst precursors selected from light metals, zinc, cadmium, mercury, copper, silver, gold, boron, gallium, indium, thallium, rare earths or actinides
    • C08F4/60Metals; Metal hydrides; Metallo-organic compounds; Use thereof as catalyst precursors selected from light metals, zinc, cadmium, mercury, copper, silver, gold, boron, gallium, indium, thallium, rare earths or actinides together with refractory metals, iron group metals, platinum group metals, manganese, rhenium technetium or compounds thereof
    • C08F4/62Refractory metals or compounds thereof
    • C08F4/64Titanium, zirconium, hafnium or compounds thereof
    • C08F4/642Component covered by group C08F4/64 with an organo-aluminium compound

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

ビニル末端マクロモノマーのオリゴマー化、すなわち、ポリマクロモノマーの製造方法であって、ビニル末端マクロモノマーを、ビニル末端マクロモノマーをオリゴマー化できる触媒系と、アルミニウム含有化合物、亜鉛含有化合物、又はその組合せの存在下、重合条件下で接触させてポリマクロモノマーを製造する工程を含む方法、及びこの方法で製造されたポリマクロモノマー。また、10より大きい重合度、60℃未満のガラス転移温度Tg、及び約5000Da以下のMnを有するポリマクロモノマー。【選択図】図1

Description

優先権の主張
この出願は、2012年9月27日提出の出願USSN 13/629,323の利益及び優先権を主張する。
この出願は、2012年2月22日提出の出願USSN 61/601,729の利益及び優先権をも主張し;この出願は、2009年1月19日提出のUSSN 12/488,066(今や2008年6月20日提出の12/143,663の一部継続出願であり、今や許可された米国特許第8,283,428号である)の一部継続出願れあり;それぞれ参照によってその内容全体をここに援用する。この出願は、参照によってその内容をここに援用する2012年8月20日提出の出願USSN 13/589,388の一部継続出願でもある。
発明の分野
本発明は、ビニル末端マクロモノマーのオリゴマー化/重合及び該オリゴマー化によって製造されたオリゴマクロモノマー/ポリマクロモノマーに関する。
発明の背景
ポリオレフィンは、多くの様々な分野に多くの用途を有するので、産業界でとても重要である。例えば、ポリエチレン及びポリプロピレン等のポリオレフィンは、ろう及び可塑剤からフィルム及び構造成分までのあらゆるものに使用されることが多い。最近は特性の新規かつより良い組合せを得ることを目指して該ポリオレフィンの構築を改変することに多くの関心があった。ポリオレフィン構築を制御する1つの方法は、特有の特徴を与えるであろうモノマーを選択すること又は使用するモノマーを誂えることである。例えば、いくつかの方法は、エチレン又はプロピレン等のより小さいオレフィンと重合してポリオレフィンに長鎖分岐、構造特性等を与えることができる量のビニル、ビニリデン又はビニレン末端を有する「マクロモノマー」又は「マクロマー」とも呼ばれる大きい「モノマー」を製造しようとした。典型的に、ビニルマクロモノマーは、ビニレン又はビニリデンマクロモノマーより有用であるか又は利用しやすいことが分かっている。
長鎖分岐ポリマーの合成のためのプロピレン共重合でマクロモノマーとしてビニル末端(VT)ポリエチレン(PE)及びポリ(エチレン/プロピレン)を使用している。in situ生成又は使用前単離されたこれらのVT-マクロモノマーを用いて、例えば、低いマクロモノマー組み入れのためでさえ、加工性等の特性が改善された櫛状ポリオレフィンを提供することができる。それにもかかわらず、高い重合度を伴う少なくともいくつかのタイプのマクロマーのオリゴマー化は理解しづらかった。
発明の概要
一実施形態では、ポリマクロモノマーの製造方法は、125(好ましくは160)Da以上の数平均分子量(Mn)及び総不飽和に対して少なくとも30%(好ましくは少なくとも40%、少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%)のビニル末端(1H NMRで測定)を有するビニル末端マクロモノマーと、40wt%までのC2〜C18コモノマーとを、任意に、アルミニウム含有化合物、亜鉛含有化合物、又はその組合せから選択される可逆性連鎖移動剤の存在下、ビニル末端マクロモノマーをオリゴマー化できる触媒系と、20℃〜180℃の温度及び1分〜24時間の重合条件下で接触させて、10より大きい重合度と、0.9未満の分岐指数g’(vis)と、-10℃〜40℃のTgと、約5000Da以上のMnとを有するポリマクロモノマーを製造する工程を含む。
別の実施形態では、本発明は、ポリマクロモノマーの製造方法であって、 (1)125Da以上のMn及び総飽和に対して少なくとも70%のビニル末端(1H NMRで測定)を有するビニル末端マクロモノマーと、(2)40wt%までのC2〜C18コモノマーとを、(3)ビニル末端マクロモノマーをオリゴマー化できる触媒系と、連鎖移動剤の存在下、20℃〜180℃の温度及び1分〜24時間の重合条件下で接触させて、10より大きい重合度と、0.9未満の分岐指数g’(vis)と、-10℃〜40℃のTgと、約5000Da以上のMnとを有するポリマクロモノマーを製造する工程を含む方法に関する。
一実施形態では、ポリマクロモノマーは、少なくとも1種のアタクチックプロピレンマクロモノマー及び0wt%〜40wt%のC2〜C18コモノマーを含み、ここで、ポリマクロモノマーは10より大きい重合度と、1600Daより大きい(好ましくは5000Daより大きい)Mnと、0.9未満の分岐指数g’(vis)と、60℃未満のガラス転移温度とを有し、重合前のマクロモノマーは、下記:
1) 12〜600コポリマーの炭素原子、
2) 170以上のMn、
3) 60℃以下の融点(Tm)、及び
4) マクロモノマーの重量に基づいて10wt%未満の芳香族含有モノマー
を含む。
VT-aPPのオリゴマー化及び触媒前駆体構造を示す。 実施形態(実験83)のオリゴマクロモノマーについて種々の温度におけるせん断速度の関数としての粘度のグラフである。 実施形態(実験97)のオリゴマクロモノマーについて種々の温度におけるせん断速度の関数としての粘度のグラフである。 実施形態(実験82)のオリゴマクロモノマーについて種々の温度におけるせん断速度の関数としての粘度のグラフである。
詳細な説明
この明細書及び特許請求の範囲全体を通じて描写する構造中、実線は結合を示し、矢印は、結合が配位結合であり得ることを示す。
本明細書では、Chemical and Engineering News, 63(5), 27(1985)に記載されているように周期表の族の新表示法を使用する。
用語「置換された」は、水素基がヒドロカルビル基、ヘテロ原子、ヘテロ原子含有基と置き換わったことを意味する。例えば、メチルシクロペンタジエン(Cp)は、メチル基で置換されたCp基であり、エチルアルコールはOH基で置換されたエチル基である。
本文書全体を通じて用語「ヒドロカルビル基(radical)」、「ヒドロカルビル」、及び「ヒドロカルビル基(group)」を互換的に使用する。同様に、用語「官能基」、「基」及び「置換基」も本文書で互換的に使用する。本開示の目的では、「ヒドロカルビル基」は、線状、分岐状又は環状(芳香族又は非芳香族)であってよいC1〜C20基と定義され;本明細書の定義どおりの置換ヒドロカルビル基を包含し得る。一実施形態では、官能基はヒドロカルビル基、置換ヒドロカルビル基、又はその組合せを含み得る。
置換ヒドロカルビル基は、少なくとも1個の水素原子がヘテロ原子若しくはヘテロ原子含有基、又は元素周期表の第13、14、15、16、及び17族の原子、又はその組合せ、或いは少なくとも1種の官能基、例えばハロゲン(Cl、Br、I、F)、NR* 2、OR*、SeR*、TeR*、PR* 2、AsR* 2、SbR* 2、SR*、BR* 2、SiR* 3、GeR* 3、SnR* 3、PbR* 3等で置換されているか、或いは例えばハロゲン(Cl、Br、I、F)、O、S、Se、Te、NR*、PR*、AsR*、SbR*、BR*、SiR* 2、GeR* 2、SnR* 2、PbR* 2等(R*は独立に、水素若しくはヒドロカルビル基、又はそのいずれかの組合せである)の少なくとも1個のヘテロ原子がヒドロカルビル基内に挿入されている基である。
一実施形態では、ヒドロカルビル基は独立に、メチル、エチル、エテニル、並びにプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシル、ヘンエイコシル、ドコシル、トリコシル、テトラコシル、ペンタコシル、ヘキサコシル、ヘプタコシル、オクタコシル、ノナコシル、トリアコンチル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、トリデセニル、テトラデセニル、ペンタデセニル、ヘキサデセニル、ヘプタデセニル、オクタデセニル、ノナデセニル、エイコセニル、ヘンエイコセニル、ドコセニル、トリコセニル、テトラコセニル、ペンタコセニル、ヘキサコセニル、ヘプタコセニル、オクタコセニル、ノナコセニル、トリアコンテニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニル、ウンデシニル、ドデシニル、トリデシニル、テトラデシニル、ペンタデシニル、ヘキサデシニル、ヘプタデシニル、オクタデシニル、ノナデシニル、エイコシニル、ヘンエイコシニル、ドコシニル、トリコシニル、テトラコシニル、ペンタコシニル、ヘキサコシニル、ヘプタコシニル、オクタコシニル、ノナコシニル、及びトリアコンチニルの異性体から選択される。基が上記タイプの置換をさらに受け得る飽和、一部不飽和、及び芳香族環状構造の異性体も含まれる。例として、フェニル、メチルフェニル、ベンジル、メチルベンジル、ナフチル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、メチルシクロヘキシル等が挙げられる。この開示では、基を列挙するとき、それは、当該基のタイプが上記で定義した置換を受けると形成される当該基のタイプと全ての他の基を示す。列挙したアルキル、アルケニル、及びアルキニル基には、適切な場合には、環状異性体を含め、全ての異性体が含まれる。例えば、ブチルにはn-ブチル、2-メチルプロピル、1-メチルプロピル、tert-ブチル、及びシクロブチル(及び類似の置換シクロプロピル)が含まれ;ペンチルにはn-ペンチル、シクロペンチル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、1-エチルプロピル、及びネオペンチル(類似の置換シクロブチル及びシクロプロピル)が含まれ;ブテニルには1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、1-メチル-1-プロペニル、1-メチル-2-プロペニル、2-メチル-1-プロペニル、及び2-メチル-2-プロペニル(シクロブテニル及びシクロプロペニル)のE及びZ形が含まれる。置換を有する環状化合物には全ての異性形が含まれ、例えば、メチルフェニルにはオルト-メチルフェニル、メタ-メチルフェニル、及びパラ-メチルフェニルが含まれ;ジメチルフェニルには、2,3-ジメチルフェニル、2,4-ジメチルフェニル、2,5-ジメチルフェニル、2,6-ジフェニルメチル、3,4-ジメチルフェニル、及び3,5-ジメチルフェニルが含まれるであろう。
「オレフィン」(或いは「アルケン」と呼ばれる)は、少なくとも1つの二重結合を有する炭素と水素の線状、分岐状、又は環状化合物である。本明細書とそれに添付された特許請求の範囲の目的では、ポリマー又はコポリマーが、限定するものではないが、エチレン、プロピレン、及びブテン等のオレフィンを含むと表現される場合、該ポリマー又はコポリマー中に存在するオレフィンはオレフィンの重合形である。例えば、コポリマーが35wt%〜55wt%の「エチレン」含量を有すると言われる場合、コポリマー中のマー(mer)単位は、重合反応でエチレンから誘導され、前記誘導単位はコポリマーの重量に基づいて35wt%〜55wt%で存在するものと解釈する。
「α-オレフィン」は、α(又は1-)位に二重結合を有するオレフィンである。「線状α-オレフィン」又は「LAO」は、α位に二重結合を有し、線状炭化水素鎖を有するオレフィンである。「ポリαオレフィン」又は「PAO」は、2個以上のα-オレフィン単位を有するポリマーである。本開示の目的では、用語「α-オレフィン」にはC2-C20オレフィンが含まれる。α-オレフィンの非限定として、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン 1-ドデセン、1-トリデセン、1-テトラデセン、1-ペンタデセン、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-オクタデセン、1-ノナデセン、1-エイコセン、1-ヘンエイコセン、1-ドコセン、1-トリコセン、1-テトラコセン、1-ペンタコセン、1-ヘキサコセン、1-ヘプタコセン、1-オクタコセン、1-ノナコセン、1-トリアコンテン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、5-メチル-1-ノネン、3,5,5-トリメチル-1-ヘキセン、ビニルシクロヘキサン、及びビニルノルボルナンが挙げられる。環状オレフィン及びジオレフィンの非限定例として、シクロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロノネン、シクロデセン、ノルボルネン、4-メチルノルボルネン、2-メチルシクロペンテン、4-メチルシクロペンテン、ビニルシクロヘキサン、ノルボルナジエン、ジシクロペンタジエン、5-エチリデン-2-ノルボルネン、ビニルシクロヘキセン、5-ビニル-2-ノルボルネン、1,3-ジビニルシクロペンタン、1,2-ジビニルシクロヘキサン、1,3-ジビニルシクロヘキサン、1,4-ジビニルシクロヘキサン、1,5-ジビニルシクロオクタン、1-アリル-4-ビニルシクロヘキサン、1,4-ジアリルシクロヘキサン、1-アリル-5-ビニルシクロオクタン、及び1,5-ジアリルシクロオクタンが挙げられる。
「ポリマー」は、2つ以上の同一又は異なるマー単位を有する。「ホモポリマー」は、同一のマー単位を有するポリマーである。「コポリマー」は、互いに異なる2つ以上のマー単位を有するポリマーである。「ヘテロオリゴマー」はオリゴマーコポリマーである。「ターポリマー」は、互いに異なる3つのマー単位を有するポリマーである。マー単位に言及するために使用する「異なる」とは、マー単位が少なくとも1個の原子によって互いに異なるか又は異性体的に異なることを表す。従って、本明細書で使用するコポリマーの定義にはターポリマー等が含まれる。オリゴマーは、低分子量を有するポリマーである。いくつかの実施形態では、オリゴマーは30,000g/モル以下(例えば、21,000、10,000、8,000、5,000又は2,500g/モル以下)のMnを有し;他の実施形態では、オリゴマーは低数のマー単位(例えば200、150、100、75又は50以下のマー単位)を有する。
本明細書の目的では、ポリマー又はポリマー鎖は、直鎖又は分岐鎖状態で互いに結合した炭素原子の連鎖を含み、本明細書ではポリマー(例えば、ポリエチレン)の骨格と呼ぶ。ポリマー鎖は、ポリマーが生成されたモノマー上に存在する、ポリマー骨格に付着した種々のペンダント基をさらに含み得る。これらのペンダント基はポリマー骨格の分岐と混同すべきでなく、当業者にはペンダント側鎖と長短の両分岐鎖との差が容易に分かる。
本発明の目的では、用語「マクロモノマー」は重合可能オレフィンオリゴマーを意味し、これは、実施形態では、マクロモノマー単位のポリマー鎖への組み入れ前に、1H NMRで測定したところ、100〜10,000g/モルのMnを有する。用語「ポリマクロモノマー」は、少なくとも2つのマクロモノマー単位を含むポリマー種を表し、「オリゴマクロモノマー」は低い重合度を有する低分子量ポリマクロモノマーを意味する。「重合度」は、ポリマクロモノマー中のマクロモノマー単位の数平均数、又はポリオレフィン-co-マクロモノマー中のマクロモノマー単位の数を意味する。コオリゴマーは、少なくとも2つの異なるモノマー又はマクロモノマー単位、例えば、プロピレン及びエチレンモノマー等を含むオリゴマーであり、マクロモノマーは、異なる組成又は異なる分子量等を有する。ホモマクロモノマーは、同モノマー(例えばプロピレン)の単位を含むマクロモノマーである。プロピレンオリゴマー/ポリマー/マクロモノマー/ポリマクロモノマーは、それぞれ、少なくとも50モル%のプロピレンを有するオリゴマー/ポリマー/マクロモノマー/ポリマクロモノマーである。
用語「触媒」及び「触媒化合物」は、触媒作用を惹起できる化合物を意味するように定義される。本明細書の説明では、触媒を触媒前駆体、前触媒化合物、又は遷移金属化合物(例えば、メタロセン化合物)と記述することもあり、これらの用語を互換的に使用する。触媒化合物を単独で用いて触媒作用を惹起してよく、或いは活性化剤と併用して触媒作用を惹起してもよい。触媒化合物を活性化剤と併用して触媒作用を惹起する場合、触媒化合物は前触媒又は触媒前駆体と呼ばれることが多い。「触媒系」は、少なくとも1種の触媒化合物と、任意的な活性化剤と、任意的な活性化補助剤と、任意的な担体材料との組合せであり、この系はモノマーをポリマーに重合することができる。本発明及びそれに加えて特許請求の範囲の目的では、触媒系が成分の中性安定形を含むと記載される場合、当業者には、成分のイオン形がモノマーと反応してポリマーを生成することが十分に分かる。
「アニオン配位子」は、1つ以上の電子対を金属イオンに供与する負に荷電した配位子である。「中性供与体配位子」は、1つ以上の電子対を金属イオンに供与する中性に荷電した配位子である。同様に、触媒成分が成分の中性安定形を含むと記載されている場合、当業者は、成分のイオン形がモノマーと反応してポリマーを生成する形態であることを十分に理解する。さらに、反応器は、化学反応が起こるいずれか容器である。
「捕捉剤」は、典型的に、不純物を捕捉することによって重合を促進するために添加される。活性化剤として作用する捕捉剤もあり、活性化補助剤と呼ばれることもある。捕捉剤ではない活性化補助剤を活性化剤と共に使用して活性触媒を形成することもできる。いくつかの実施形態では、活性化補助剤を触媒化合物と前もって混合してアルキル化触媒化合物を形成することができ、これはアルキル化発明化合物と呼ばれることもある。
プロピレンポリマーは、少なくとも50モル%のプロピレンを有するポリマーである。本明細書では、Mnは、プロトン核磁気共鳴分光法(1H NMR)で測定した数平均分子量であり、特に指定のない限り、データは少なくとも400MHzの1H周波数で分光器を用いて5mmプローブ中120℃で収集する。45°の最大パルス幅、パルス間8秒及びシグナル平均120トランジェント(transient)を利用してデータを記録する。特に指定のない限り、Mwは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量であり、Mzは、ビニル末端マクロモノマーセクションで後述するようにGPCで測定したz平均分子量であり、wt%は重量パーセントであり、モル%はモルパーセントである。分子量分布(MWD)は、Mw(GPC)をMn(GPC)で除したものと定義される。特に指定のない限り、全ての分子量単位、例えば、Mw、Mn、Mzはg/モルである。
「芳香族含有モノマー」は、少なくとも1つの芳香族基を含有するC4〜C36ヒドロカルビル基である。例として、スチレン、α-メチルスチレン、パラ-メチルスチレン、及び4-(ジクロロメチルシリル)ジフェニルエチレンが挙げられる。芳香族基は、少なくとも1対の共役二重結合を有する環状基と定義される。例としてシクロペンタジエン、インデン、フルオレン、及びベンゼンが挙げられる。
「スチレン」モノマーは、スチレン単位を含むモノマー、例えば下記式:
Figure 2015513583
(式中、各Rは、個々に、水素又はC1〜C12ヒドロカルビル基、又はC1〜C12置換ヒドロカルビル基であり、或いはハロゲン(例えばBr又はCl)で置換されている)のモノマーである。
反応ゾーンは、反応が起こるいずれの容器でもあり、例えば、ガラスバイアル、重合反応器、反応押出機、管状反応器等である。
本明細書では連続という用語は、中断又は休止することなく作動するシステムを意味する。例えばポリマーの連続製造法は、反応物質を連続的に1つ以上の反応器に導入し、ポリマー生成物を連続的に取り除く方法であろう。
本明細書全体を通じて下記略語を使用することがある:Meはメチルであり、Phはフェニルであり、Etはエチルであり、Prはプロピルであり、iPrはイソプロピルであり、n-Prは直鎖状プロピルであり、Buはブチルであり、iBuはイソブチルであり、tBuは三級ブチルであり、p-tBuはパラ-三級ブチルであり、nBuは直鎖状ブチルであり、4M1Pは4-メチル-1-ペンテンであり、BHTはブチル化ヒドロキシトルエン(2,6-tBu2-4-Me-C6H2OH)であり、BF20は[CPh3]+[B(C6F5)4]であり、TMSはトリメチルシリルであり、TIBA(又はTIBAL)はトリイソブチルアルミニウムであり、TNO(又はTNOAL)はトリイソブチルn-オクチルアルミニウムであり、MAOはメチルアルモキサンであり、OMCは秩序メソポーラス炭素複合触媒であり、CTAは連鎖移動剤であり、pMeはパラ-メチルであり、Ar*は2,6-ジイソプロピルアリールであり、Bzはベンジルであり、THFはテトラヒドロフランであり、PPはポリプロピレンであり、aPPはアタクチックポリプロピレンであり、iPPはアイソタクチックポリプロピレンであり、Mはマクロモノマーであり、VTMはビニル末端マクロモノマーであり、DPは重合度であり、RTは室温であり、特に指定のない限り、25℃と定義され、tolはトルエンである。
ビニル末端マクロモノマー
本明細書では、「ビニル末端マクロモノマー」(「VTM」又は「ビニル末端ポリオレフィン」とも呼ぶ)は下記の1つ以上を表す:
(i)少なくとも5%(好ましくは15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%、又は99%)のアリル鎖端を有するビニル末端ポリマー;
(ii)少なくとも160g/モル、好ましくは少なくとも200g/モルのMn(1H NMRで測定)を有し、1つ以上のC4〜C40高級オレフィン誘導単位から成るビニル末端ポリマー(高級オレフィンポリマーは、実質的にプロピレン誘導単位を含まず;かつ高級オレフィンポリマーは少なくとも5%のアリル鎖端を有する);
(iii)300g/モル以上のMn(1H NMRで測定)を有し、(a)約20モル%〜約99.9モル%の少なくとも1種のC5〜C40高級オレフィン、及び(b)約0.1モル%〜約80モル%のプロピレンを含むコポリマー(高級オレフィンコポリマーは少なくとも40%のアリル鎖端を有する);
(iv)300g/モル以上のMn(1H NMRで測定)を有し、(a)約80モル%〜約99.9モル%の少なくとも1種のC4オレフィン、(b)約0.1モル%〜約20モル%のプロピレンを含むコポリマー(かつビニル末端マクロモノマーは、総不飽和に対して少なくとも40%のアリル鎖端を有する);
(v)300g/モル〜30,000g/モルのMn(1H NMRで測定)を有し、10モル%〜90モル%のプロピレン及び10モル%〜90モル%のエチレンを含むコオリゴマー(オリゴマーは少なくともX%のアリル鎖端(総不飽和に対して)を有し、1)10モル%〜60モル%のエチレンがコオリゴマー中に存在するときは、X=(-0.94*(組み入れられたエチレンのモル%)+100)、2)60モル%より多く、70モル%未満のエチレンがコオリゴマー中に存在するときは、X=45、及び3)70モル%〜90モル%のエチレンがコオリゴマー中に存在するときは、X=(1.83*(組み入れられたエチレンのモル%-83)));
(vi)90モル%より多いプロピレンと、10モル%未満のエチレンとを含むプロピレンオリゴマー(オリゴマーは、少なくとも93%のアリル鎖端、約500g/モル〜約20,000g/モルの数平均分子量(Mn)、0.8:1〜1.35:1.0のイソブチル鎖端対アリルビニル基比、100ppm未満のアルミニウム、及び/又は10,000モノマー単位当たり250未満の位置欠陥(regio defect)を有する);
(vii)少なくとも50モル%のプロピレンと、10モル%〜50モル%のエチレンとを含むプロピレンオリゴマー(オリゴマーは、少なくとも90%のアリル鎖端、約150g/モル〜約20,000g/モル、好ましくは10,000g/モルのMn、及び0.8:1〜1.2:1.0のイソブチル鎖端対アリルビニル基比を有し、オリゴマーには4個以上の炭素原子を有するモノマーが0モル%〜3モル%存在する);
(viii)少なくとも50モル%のプロピレンと、0.1モル%〜45モル%のエチレンと、0.1モル%〜5モル%のC4〜C12オレフィンとを含むプロピレンオリゴマー(オリゴマーは少なくとも90%のアリル鎖端、約150g/モル〜約10,000g/モルのMn、及び0.8:1〜1.35:1.0のイソブチル鎖端対アリルビニル基比を有する);
(ix)少なくとも50モル%のプロピレンと、0.1モル%〜45モル%のエチレンと、0.1モル%〜5モル%のジエンとを含むプロピレンオリゴマー(オリゴマーは少なくとも90%のアリル鎖端、約150g/モル〜約10,000g/モルのMn、及び0.7:1〜1.35:1.0のイソブチル鎖端対アリルビニル基比を有する);
(x)プロピレンを含むホモオリゴマー(オリゴマーは少なくとも93%のアリル鎖端、約500g/モル〜約70,000g/モル、或いは〜約20,000g/モルのMn、0.8:1〜1.2:1.0のイソブチル鎖端対アリルビニル基比、及び1400ppm未満のアルミニウムを有する);
(xi)下記:(a)少なくとも60%のアリル鎖端;(b)4.0以下の分子量分布;(c)0.95より大きいg'(vis);及び(d)少なくとも20,000g/モルのMn(1H NMR)を有するビニル末端ポリエチレン;及び
(xii)下記:(a)少なくとも50%のアリル鎖端;(b)4.0以下の分子量分布;(c)0.95以下のg'(vis);(d)少なくとも7,000g/モルのMn(1H NMR);及び(e)約0.8〜約1.2の範囲のMn(GPC)/Mn(1H NMR)を有するビニル末端ポリエチレン。
当業者には、ここに記載するVTMが別の物質と反応すると、「ビニル」(例えばアリル鎖端)が反応に関与して変換されたことが分かる。従って、生成物又は物質がVTMを含むと述べている場合、文脈が明白に別に指定のない限り、VTMの反応形が存在することを意味する(例えば触媒作用因子が存在しない成分の混合物)。
いくつかの実施形態では、ビニル末端マクロモノマーは、少なくとも200g/モル(例えば、200g/モル〜100,000g/モル、例えば、200g/モル〜75,000g/モル、例えば、200g/モル〜60,000g/モル、例えば、300g/モル〜60,000g/モル、例えば、30,000g/モル〜30,000)g/モル)のMn(1H NMRで測定)を有し、1以上(例えば、2以上、3以上、4以上等)のC4〜C40(例えば、C4〜C30、C4〜C20、又はC4〜C12、例えば、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセン、ノルボルネン、ノルボルナジエン、ジシクロペンタジエン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロオクタジエン、シクロドデセン、7-オキサノルボルネン、7-オキサノルボルナジエン、その置換誘導体、及びその異性体)オレフィン誘導単位を含み、ここで、ビニル末端マクロモノマーは、実質的にプロピレン誘導単位を含まず(例えば、0.1wt%未満のプロピレン、例えば、0wt%);かつビニル末端マクロモノマーは少なくとも5%(少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%;少なくとも80%、少なくとも90%、又は少なくとも95%)のアリル鎖端(総不飽和に対して)を含み;任意に、1:1以上(例えば、2:1以上、2.5:1以上、3:1以上、5:1以上、又は10:1以上のアリル鎖端対ビニリデン鎖端比を含んでよく;なおさらに任意に、例えば、実質的に、イソブチル鎖端を含まない(例えば、0.1wt%未満のイソブチル鎖端)。いくつかの実施形態では、ビニル末端マクロモノマーは、エチレン誘導単位、例えば、少なくとも5モル%のエチレン(例えば、少なくとも15モル%のエチレン、例えば、少なくとも25モル%のエチレン、例えば、少なくとも35モル%のエチレン、例えば、少なくとも45モル%のエチレン、例えば、少なくとも60モル%のエチレン、例えば、少なくとも75モル%のエチレン、又は例えば、少なくとも80モル%のエチレン)を含んでもよい。該ビニル末端マクロモノマーは、参照によってその内容をここに援用するUSSN 13/072,288にさらに記載されている。
いくつかの実施形態では、ビニル末端マクロモノマーは200g/モルより大きい(例えば、300g/モル〜60,000g/mol、400g/モル〜50,000g/mol、500g/モル〜35,000g/モル、300g/モル〜15,000g/モル、400g/モル〜12,000g/モル、又は750g/モル〜10,000g/モル)のMn(1H NMRで測定)を有することができ、かつ下記:
(a)約20モル%〜99.9モル%(例えば、約25モル%〜約90モル%、約30モル%〜約85モル%、約35モル%〜約80モル%、約40モル%〜約75モル%、又は約50モル%〜約95モル%)の少なくとも1種のC5〜C40(例えば、C6〜C20)高級オレフィン;及び
(b)約0.1モル%〜80モル%(例えば、約5モル%〜70モル%、約10モル%〜約65モル%、約15モル%〜約55モル%、約25モル%〜約50モル%、又は約30モル%〜約80モル%)のプロピレン
を含み;
ここで、ビニル末端マクロモノマーは、総不飽和に対して少なくとも40%のアリル鎖端(例えば、少なくとも50%のアリル鎖端、少なくとも60%のアリル鎖端、少なくとも70%のアリル鎖端、又は少なくとも80%のアリル鎖端、少なくとも90%のアリル鎖端、少なくとも95%のアリル鎖端);及び、任意に、0.70:1未満、0.65:1未満、0.60:1未満、0.50:1未満、又は0.25:1未満のイソブチル鎖端対アリル鎖端比;及びさらに任意に、2:1より大きい(例えば、2.5:1より大きい、3:1より大きい、5:1より大きい、又は10:1より大きい)アリル鎖端対ビニリデン鎖端比;及びなおさらに任意に、1:1より大きい(例えば、2:1より大きいか又は5:1より大きい)アリル鎖端対ビニリデン比を有する。該マクロモノマーは、参照によってその内容をここに援用するUSSN 13/072,249にさらに記載されている。
別の実施形態では、ビニル末端マクロモノマーは300g/モル以上(1H NMRで測定、例えば、300g/モル〜60,000g/モル、400g/モル〜50,000g/モル、500g/モル〜35,000g/モル、300g/モル〜15,000g/モル、400g/モル〜12,000g/モル、又は750g/モル〜10,000g/モル)のMnを有し、かつ下記:
(a)約80モル%〜約99.9モル%、例えば、約85モル%〜約99.9モル%、例えば、約90モル%〜約99.9モル%の少なくとも1種のC4オレフィン;
(b)約0.1モル%〜約20モル%、例えば、約0.1モル%〜約15モル%、例えば、約0.1モル%〜約10モル%のプロピレン
を含み;かつ
ビニル末端マクロモノマーは、総不飽和に対して少なくとも40%のアリル鎖端(例えば、少なくとも50%のアリル鎖端、少なくとも60%のアリル鎖端、少なくとも70%のアリル鎖端、又は少なくとも80%のアリル鎖端、少なくとも90%のアリル鎖端、少なくとも95%のアリル鎖端)を有し、いくつかの実施形態では、0.70:1未満、0.65:1未満、0.60:1未満、0.50:1未満、又は0.25:1未満のイソブチル鎖端対アリル鎖端比、及びさらなる実施形態では、2:1より大きい、2.5:1より大きい、3:1より大きい、5:1より大きい、又は10:1より大きいアリル鎖端対ビニリデン基比を有する。該マクロモノマーは、参照によってその内容をここに援用するUSSN 13/072,249にさらに記載されている。
他の実施形態では、ビニル末端マクロモノマーは、1H NMRで測定したところ300g/モル〜30,000g/モル(例えば、400g/モル〜20,000g/モル、例えば、500g/モル〜15,000g/モル、例えば、600g/モル〜12,000g/モル、例えば、800g/モル〜10,000g/モル、例えば、900g/モル〜8,000g/モル、例えば、900g/モル〜7,000g/モル)のMnを有し、10モル%〜90モル%(例えば、15モル%〜85モル%、例えば、20モル%〜80モル%、例えば、30モル%〜75モル%、例えば、50モル%〜90モル%)のプロピレンと、10モル%〜90モル%(例えば、85モル%〜15モル%、例えば、20モル%〜80モル%、例えば、25モル%〜70モル%、例えば、10モル%〜50モル%)の1種以上のα-オレフィンコモノマー(エチレン、ブテン、ヘキセン、又はオクテン等、例えば、エチレン)とを含むプロピレンコオリゴマーであり、ここで、オリゴマーは、少なくともX%のアリル鎖端(総不飽和に対して)を有し、1)10モル%〜60モル%のエチレンがコオリゴマー中に存在するときは、X=(-0.94(組み入れられたエチレンのモル%)+100{或いは1.20(-0.94(組み入れられたエチレンのモル%)+100)、或いは1.50(-0.94(組み入れられたエチレンのモル%)+100)})、2)60モル%より多く、70モル%未満のエチレンがコオリゴマー中に存在するときは、X=45(或いは50、或いは60);及び3)70モル%〜90モル%のエチレンがコオリゴマー中に存在する場合は、X=(1.83*(組み入れられたエチレンのモル%)-83、{或いは1.20[1.83*(組み入れられたエチレンのモル%)-83]、或いは1.50[1.83*(組み入れられたエチレンのモル%)-83]})。該マクロモノマーは、参照によってその内容をここに援用するUSSN 12/143,663にさらに記載されている。
他の実施形態では、ビニル末端マクロモノマーは、90モル%より多い(例えば、95モル%〜99モル%、例えば、98モル%〜9モル%)のプロピレンと、10モル%未満(例えば、1モル%〜4モル%、例えば、1モル%〜2モル%)のエチレンとを含むプロピレンオリゴマーであり、ここで、オリゴマーは、少なくとも93%(例えば、少なくとも95%、例えば、少なくとも97%、例えば、少なくとも98%)のアリル鎖端;1H NMRで測定したところ約400g/モル〜約30,000g/モル(例えば、500g/モル〜20,000g/モル、例えば、600g/モル〜15,000g/モル、例えば、700g/モル〜10,000g/モル、例えば、800g/モル〜9,000g/モル、例えば、900g/モル〜8,000g/モル、例えば、1,000g/モル〜6,000g/モル)の数平均分子量(Mn);0.8:1〜1.35:1.0のイソブチル鎖端対アリルビニル基比、及び1400ppm未満(例えば、1200ppm未満、例えば、1000ppm未満、例えば、500ppm未満、例えば、100ppm未満)のアルミニウムを有する。該マクロモノマーは、USSN 12/143,663にさらに記載されている。
他の実施形態では、ビニル末端マクロモノマーは、少なくとも50モル%(例えば、60モル%〜90モル%、例えば、70モル%〜90モル%)のプロピレンと、10モル%〜50モル%(例えば、10モル%〜40モル%、例えば、10モル%〜30モル%)のエチレンとを含むプロピレンオリゴマーであり、ここで、オリゴマーは、少なくとも90%(例えば、少なくとも91%、例えば、少なくとも93%、例えば、少なくとも95%、例えば、少なくとも98%)のアリル鎖端;1H NMRで測定したところ、約150g/モル〜約20,000g/モル(例えば、200g/モル〜15,000g/モル、例えば、250g/モル〜15,000g/モル、例えば、300g/モル〜10,000g/モル、例えば、400g/モル〜9,500g/モル、例えば、500g/モル〜9,000g/モル、例えば、750g/モル〜9,000g/モル)のMn;及び0.8:1〜1.3:1.0のイソブチル鎖端対アリルビニル基比を有し、オリゴマーには4個以上の炭素原子を有するモノマーが0モル%〜3モル%(例えば、1モル%未満、例えば、0.5モル%未満、例えば、0モル%)存在する。該マクロモノマーは、USSN 12/143,663にさらに記載されている。
他の実施形態では、ビニル末端マクロモノマーは、少なくとも50モル%(例えば、少なくとも60モル%、例えば、70モル%〜99.5モル%、例えば、80モル%〜99モル%、例えば、90モル%〜98.5モル%)のプロピレンと、0.1モル%〜45モル%(例えば、少なくとも35モル%、例えば、0.5モル%〜30モル%、例えば、1モル%〜20モル%、例えば、1.5モル%〜10モル%)のエチレンと、0.1モル%〜5モル%(例えば、0.5モル%〜3モル%、例えば、0.5モル%〜1モル%)のC4〜C12オレフィン(ブテン、ヘキセン、又はオクテン等、例えば、ブテン)とを含むプロピレンオリゴマーであり、ここで、オリゴマーは、少なくとも90%(例えば、少なくとも91%、例えば、少なくとも93%、例えば、少なくとも95%、例えば、少なくとも98%)のアリル鎖端;1H NMRで測定したところ、約150g/モル〜約15,000g/モル(例えば、200g/モル〜12,000g/モル、例えば、250g/モル〜10,000g/モル、例えば、300g/モル〜10,000g/モル、例えば、400g/モル〜9500g/モル、例えば、500g/モル〜9,000g/モル、例えば、750g/モル〜9,000g/モル)の数平均分子量(Mn);0.8:1〜1.35:1.0のイソブチル鎖端対アリルビニル基比を有する。該マクロモノマーは、USSN 12/143,663にさらに記載されている。
他の実施形態では、ビニル末端マクロモノマーは、少なくとも50モル%(例えば、少なくとも60モル%、例えば、70モル%〜99.5モル%、例えば、80モル%〜99モル%、例えば、90モル%〜98.5モル%)のプロピレンと、0.1モル%〜45モル%(例えば、少なくとも35モル%、例えば、0.5モル%〜30モル%、例えば、1モル%〜20モル%、例えば、1.5モル%〜10モル%)のエチレンと、0.1モル%〜5モル%(例えば、0.5モル%〜3モル%、例えば、0.5モル%〜1モル%)のジエン(例えばC4〜C12α-ωジエン(例えばブタジエン、ヘキサジエン、オクタジエン)、ノルボルネン、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネン、ノルボルナジエン、及びジシクロペンタジエン)とを含むプロピレンオリゴマーであり、ここで、オリゴマーは少なくとも90%(例えば、少なくとも91%、例えば、少なくとも93%、例えば、少なくとも95%、例えば、少なくとも98%)のアリル鎖端;1H NMRで測定で測定したところ、約150g/モル〜約20,000g/モル(例えば、200g/モル〜15,000g/モル、例えば、250g/モル〜12,000g/モル、例えば、300g/モル〜10,000g/モル、例えば、400g/モル〜9,500g/モル、例えば、500g/モル〜9,000g/モル、例えば、750g/モル〜9,000g/モル)の数平均分子量(Mn);及び0.7:1〜1.35:1.0のイソブチル鎖端対アリルビニル基比を有する。該マクロモノマーは、USSN 12/143,663にさらに記載されている。
他の実施形態では、ビニル末端マクロモノマーは、プロピレンと、0.5wt%未満のコモノマー、例えば、0wt%のコモノマーとを含むプロピレンホモオリゴマーであり、ここで、オリゴマーは下記:
i)少なくとも93%(例えば、少なくとも95%、例えば、少なくとも96%、例えば、少なくとも97%、例えば、少なくとも98%、例えば、少なくとも99%)のアリル鎖端;
ii)1H NMRで測定したところ、約500g/モル〜約20,000g/モル(例えば、500g/モル〜15,000g/モル、例えば、700g/モル〜10,000g/モル、例えば、800g/モル〜8,000g/モル、例えば、900g/モル〜7,000g/モル、例えば、1,000g/モル〜6,000g/モル、例えば、1,000g/モル〜5,000g/モル)の数平均分子量(Mn);
iii)0.8:1〜1.3:1.0のイソブチル鎖端対アリルビニル基比;及び
iv)1400ppm未満(例えば、1200ppm未満、例えば、1000ppm未満、例えば、500ppm未満、例えば、100ppm未満)のアルミニウム
を有する。該マクロモノマーは、USSN 12/143,663にさらに記載されている。
ビニル末端マクロモノマーは、ホモポリマー、コポリマー、ターポリマー等であってよい。ここに記載のいずれのビニル末端マクロモノマーも下記の1つ以上を有する:
(i)0.8:1〜1.3:1.0のイソブチル鎖端対アリルビニル基比;
(ii)2:1より大きい(例えば、2.5:1より大きい、3:1より大きい、5:1より大きい、又は10:1より大きい)アリル鎖端対ビニリデン鎖端比;
(iii)1:1より大きい(例えば、2:1より大きいか又は5:1より大きい)アリル鎖端対ビニリデン比;及び
(iv)少なくとも5%(好ましくは15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%、又は99%)のアリル鎖端。
ビニル末端マクロモノマーは、一般的に飽和鎖端(又は末端)及び/又は不飽和鎖端又は末端を有する。ビニル末端マクロモノマーの不飽和鎖端は、「アリル鎖端」又は「3-アルキル」鎖端を含む。
アリル鎖端は下記式に示すように、CH2CH-CH2-によって表される。
Figure 2015513583
式中、Mはポリマー鎖を表す。下記記述では、「アリルビニル基」、「アリル鎖端」、「ビニル鎖端」、「ビニル末端」、「アリルビニル基」、及び「ビニル末端」を互換的に使用する。アリル鎖端、ビニリデン鎖端、ビニレン鎖端、及び他の不飽和鎖端の数は、120℃で1H NMRを利用し、溶媒として変性テトラクロロエタンを用いて少なくとも250MHz NMR分光器で決定され、選択的場合には、13C NMRで確認する。Resconiは、本明細書に有用なJ. American Chemical Soc., 114, 1992, pp. 1025-1032においてビニル末端オリゴマーについてプロトン及びカーボンの帰属を報告した(プロトンスペクトルには純粋な過重水素化テトラクロロエタンを使用したが、カーボンスペクトルには普通のテトラクロロエタンと過重水素化テトラクロロエタンの50:50混合物を用いた;プロトンでは500MHz及びカーボンでは125MHzで作動するBRUKER分光器で100℃にて全てのスペクトルを記録した)。不飽和基の総モル数(すなわち、アリル鎖端、ビニリデン鎖端、ビニレン鎖端等の合計)のモル百分率としてアリル鎖端を報告する。
「3-アルキルビニル鎖端基」又は「3-アルキルビニル末端」とも称する3-アルキル鎖端(アルキルはC1〜C38アルキルである)は下記式で表される。
Figure 2015513583
式中、「・・・・」は、ポリオレフィン鎖を表し、RbはC1〜C38アルキル基、又はC1〜C20アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル等である。後述するように13C NMRを利用して3-アルキル鎖端の量を決定する。
13C NMRデータは、BRUKER 400MHz NMR分光器を用いて少なくとも100MHzの周波数で120℃にて収集する。全取得時間中、90度のパルス、0.1〜0.12Hzのデジタル分解能を与えるように調整した取得時間、ゲーティングなしで掃引方形波変調を利用して連続的なブロードバンドプロトンデカップリングによる少なくとも10秒のパルス取得遅延時間を用いる。興味のあるシグナルを測定するのに十分なシグナル・ノイズレベルを与えるために平均する時間でスペクトルを取得する。サンプルは、分光器の磁石に挿入する前にテトラクロロエタン-d2に10wt%〜15wt%の濃度で溶かす。データ解析前にTCE溶媒シグナルの化学シフトを74.39ppmに設定することによってスペクトルを参照する。量子化のため下表に示すシグナルを用いて鎖端を同定する。n-ブチル及びn-プロピルは、下表に示す鎖端に対して低い存在比(5%未満)のため報告しなかった。
Figure 2015513583
「アリル鎖端対ビニリデン鎖端比」は、アリル鎖端の百分率対ビニリデン鎖端の百分率の比であると定義される。「アリル鎖端対ビニレン鎖端比」は、アリル鎖端の百分率対ビニレン鎖端の百分率の比であると定義される。ビニル末端マクロモノマーは、典型的に飽和鎖端をも有する。プロピレンが存在する重合では、ポリマー鎖はプロピレンモノマー内で成長を開始し、それによってイソブチル鎖端を作り出すことができる。「イソブチル鎖端」は、下記式に示すようにポリマーの末端であると定義される。
Figure 2015513583
式中、Mはポリマー鎖を表す。イソブチル鎖端は、WO 2009/155471に記載の手順に従って決定される。「イソブチル鎖端対アリルビニル基比」は、イソブチル鎖端の百分率対アリル鎖端の百分率の比であると定義される。「イソブチル鎖端対αブロモ炭素比」は、イソブチル鎖端の百分率対ブロム化鎖端の百分率(約34ppm)の比であると定義される。
C4以上のモノマー(又は「高級オレフィン」モノマー)を含む重合中、飽和鎖端は、下記式に示すようにC4以上(又は「高級オレフィン」)鎖端であり得る。
Figure 2015513583
式中、Mはポリマー鎖を表し、nは4〜40から選択される整数である。このことは、重合中にエチレン又はプロピレンが実質的にない場合に特に真実である。エチレン/(C4以上のモノマー)の共重合では、ポリマー鎖はエチレンモノマー内で成長を開始し、それによって、エチル鎖端である飽和鎖端を作り出すことができる。
下記NMR法によりMn(1H NMR)を決定する。1H NMRデータは、室温又は120℃(請求項のために、120℃を使用するものとする)にてVarian分光器で250MHz、400MHz、又は500MHzの1H 周波数(請求項のために、400MHzのプロトン周波数を使用する)を用いて収集する。45°の最大パルス幅、パルス間8秒以下及びシグナル平均120トランジェントを利用してデータを記録する。スペクトルシグナルを積分し、異なる群に1000を掛け、その結果を炭素の総数で割ることによって1000個の炭素当たりの不飽和型の数を計算する。Mnは、不飽和種の総数を14,000に分割することによって計算され、g/モルの単位を有する。オレフィン型の化学シフト領域は下記スペクトル領域間であると定義される。
Figure 2015513583
特に指定のない限り、後述するSEC-DRI法を用いてMn(GPC)を決定するが、以下のことに注意されたい:請求項のために、特に指定のない限り、Mnを1H NMRで決定する。3つのインライン検出器、示差屈折率(DRI又はRI)検出器、光散乱(LS)検出器、及び粘度計(VIS)を備えた高温サイズ排除クロマトグラフ(SEC、Waters Corporation又はPolymer Laboratoriesから)を用いてゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法でMn、Mw、Mz、炭素原子数、g値及びg’(vis)を決定することができる。検出器キャリブレーションを含めた実験の詳細は下記:T.Sun, P.Brant, R.R.Chance, and W.W.Graessley, Macromolecules, Volume 34, Number 19, pp. 6812-6820, (2001)及びその中の参考文献に記載されている。3つのPolymer Laboratories PLgel 10mm Mixed-B LSカラムを使用する。公称流速は0.5cm3/分であり、公称注入体積は300μLである。145℃で維持したオーブン内に種々の移動ライン、カラム及び示差屈折計(DRI検出器)を収容する。6グラムのブチル化ヒドロキシトルエンを抗酸化剤として4リットルのAldrich試薬等級1,2,4-トリクロロエタン(TCB)に溶かすことによって実験用溶媒を調製する。次にTCB混合物を0.7μmのガラスプレフィルターでろ過し、引き続き0.1μmのテフロン(登録商標)フィルターでろ過する。次いでTCBをオンライン脱気装置で脱気した後、SECに入れる。乾燥ポリマーをガラス容器に入れ、所望量のTCBを添加してから混合物を160℃で連続的に撹拌しながら約2時間加熱することによってポリマー溶液を調製する。重力測定法で全ての量を測定する。質量/体積単位でポリマー濃度を表すために使用するTCB密度は室温で1.463g/mLであり、145℃で1.324g/mLである。注入濃度は1.0〜2.0mg/mLであり、高分子量サンプルではより低い濃度を用いる。各サンプルを流す前にDRI検出器及び注入器をパージする。そして器具内の流速を0.5mL/分に高め、最初のサンプルを注入する8〜9時間前にDRIを安定化させる。サンプルを流す1〜1.5時間前にLSレーザーをオンにする。ベースライン-減算DRIシグナルIDRIから、下記方程式を用いて各クロマトグラムの各時点の濃度cを計算する。
c=KDRIIDRI/(dn/dc)
式中、KDRIは、DRIを較正することによって決まる定数であり、(dn/dc)はシステムの屈折率増分である。TCBについて145℃及びλ=690nmで屈折率n=1.500。本発明及びそれに対する請求項のために、プロピレンポリマー及びエチレンポリマーでは(dn/dc)=0.104であり、その他では0.1である。SEC法のこの説明全体を通じて使用するパラメーターの単位は、濃度をg/cm3で表し、分子量をg/モルで表し、固有粘度をdL/gで表すようなものである。
LS検出器はWyatt Technology High Temperature mini-DAWNである。クロマトグラムの各時点の分子量Mは、静的光散乱のZimmモデルを用いてLS出力を解析することによって決定される(M.B.Huglin, LIGHT SCATTERING FROM POLYMER SOLUTIONS, Academic Press, 1971)。
Figure 2015513583
ここで、ΔR(θ)は、散乱角θで測定された過剰レイリー散乱強度であり、cは、DRI解析から決定したポリマー濃度であり、A2は第2ビリアル係数であり[本発明の目的では、プロピレンポリマーでA2=0.0006、ブテンポリマーで0.0015、その他で0.001]、プロピレン及びエチレンポリマーでは(dn/dc)=0.104、ブテンポリマーでは(dn/dc)=0.098、その他では(dn/dc)=0.1であり、P(θ)は単分散ランダムコイルの形状因子であり、Koはシステムの光学定数である。
Figure 2015513583
式中、NAはアボガドロ数であり、(dn/dc)はシステムの屈折率増分である。TCBでは145℃及びλ=690nmで屈折率n=1.500である。
2つの圧力変換器を有するホイートストン・ブリッジ構成で配置した4つのキャピラリーを有する高温Viscotek Corporation粘度計を用いて比粘度を決定する。一方の変換器は、検出器の全域の総圧力降下を測定し、ブリッジの両側間に位置する他方の変換器は差圧を測定する。粘度計を流れる溶液の比粘度ηsは、その出力から計算される。クロマトグラムの各時点の粘度[η]は下記式により計算する。
固有粘度下記方程式から計算される。
ηs=c[η]+0.3(c[η])2
式中、cは濃度であり、DRI出力から決定された。
SEC-DRI-LS-VIS(SEC-3)法の出力を用いて以下のように分岐指数g'(vis)を計算する。サンプルの平均固有粘度[η]avgは下記式により計算する。
Figure 2015513583
式中、総和は、積分限界間のクロマトグラフィー切片iにわたる。
分岐指数g'(vis)は以下のように定義される。
Figure 2015513583
ここで、本発明及びそれに対する請求項のために、線状エチレンポリマーではα=0.695、及びk=0.000579、線状プロピレンポリマーではα=0.705及びk=0.000262、及び線状ブテンポリマーではα=0.695及びk=0.000181である。Mvは、LS解析によって決定した分子量に基づいく粘度平均分子量である。
「g値」とも呼ばれる値「g」は、Rg2 pm/Rg2 ls(式中、Rgpmは、ポリマクロモノマーの回転運動の半径であり、Rg2 lsは、線状標準物質の回転運動の半径である)、Rgls=KsM0.58(式中、Ksはべき法則係数であり(線状ポリエチレンでは0.023、線状ポリプロピレンでは0.0171、線状ブテンでは0.0145)、Mは上記分子量であり、Rgpm=KTMαs、αsはポリマクロマーのサイズ係数であり、KTはポリマクロマーのべき法則係数である。分子量とコモノマー含量を有する線状標準物質を選択し、K係数とα指数部を決定する際の指針については、Macromolecules, 2001, 34, 6812-6820を参照されたい。
本明細書では、指示してある場合、分子量分布(MWD)は、指示した方法、すなわち、従来のキャリブレーションを適用し、DRI検出器からのデータを用いてMWD(SEC-RI)=Mw(SEC-RI)/Mn(SEC-RI)により決定されるMw/Mnであり、一方で、本明細書及び特許請求の範囲では下記命名法:MWD(SEC-VIS)=Mw(SEC-VIS)/Mn(SEC-VIS);及びMWD(SEC-DRI-VIS-LS)=Mw(SEC-DRI-VIS-LS)/Mn(SEC-DRI-VIS-LS)又はMWD(SEC-3)=Mw(SEC-3)/Mn(SEC-3)を用いてSEC DRI-VIS(万能キャリブレーション)及びDRI-VIS-LS(トリプルSECキャリブレーション又はSEC-3)出力からのMwとMnに基づいたMWDを示すことができる。
一実施形態では、ポリオレフィンをビニル末端プロピレンポリマーから誘導する。一実施形態では、下記工程:プロピレンを重合条件下で、活性化剤と下記式:
Figure 2015513583
(式中:
Mはハフニウム又はジルコニウムであり;
各Xは、独立に、1〜20個の炭素原子を有するヒドロカルビル基、水素化物、アミド、アルコキシド、硫化物、リン化物、ハロゲン化物、ジエン、アミン、ホスフィン、エーテル、及びその組合せから成る群より選択され(2つのXが縮合環又は環系の一部を形成してもよい);
各R1は、独立に、C1〜C10アルキル基であり;
各R2は、独立に、C1〜C10アルキル基であり;
各R3は水素であり;
各R4、R5、及びR6は、独立に、水素又は置換ヒドロカルビル若しくは無置換ヒドロカルビル基、又はヘテロ原子であり;
Tは架橋基であり;かつ
さらに隣接R4、R5、及びR6基のいずれもが縮合環又は多中心縮合環系を形成してもよいことを条件とし、これらの環は芳香族、一部飽和又は飽和であってよい)
で表される少なくとも1種のメタロセン化合物とを含む触媒系と接触させる工程;及び
参照によってその内容全体をここに援用する2011年3月25日提出の同時係属出願USSN 13/072,280に記載されているように、少なくとも50%のアリル鎖端(総不飽和に対して)を有するプロピレンポリマーを得る工程
を含む方法を用いてビニル末端マクロモノマーを製造する。
一実施形態では、下記工程:
1)下記:
a)1種以上のオレインを
b)下記式:
Figure 2015513583
(式中:
Mはハフニウム又はジルコニウムであり;
各Xは、独立に、1〜20個の炭素原子を有するヒドロカルビル基、水素化物、アミド、アルコキシド、硫化物、リン化物、ハロゲン、ジエン、アミン、ホスフィン、エーテル、又はその組合せから成る群より選択され;
各R1及びR3は、独立に、C1〜C8アルキル基であり;かつ
各R2、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、及びR14は、独立に、水素又は1〜8個の炭素原子を有する置換若しくは無置換ヒドロカルビル基であり;
但し、R10〜R14基の少なくとも3つは水素でない)
で表される遷移金属触媒化合物と
を接触させる工程;及び
2)参照によってその内容全体をここに援用する2011年3月25日提出の同時係属出願USSN 13/072,279に記載されているように、300g/モル以上のMn及び少なくとも30%のアリル鎖端(総不飽和に対して)を有するビニル末端ポリマーを得る工程
を含む方法を用いてビニル末端プロピレンポリマーを製造する。
一実施形態では、アリル鎖端を含む高級オレフィンコポリマーからポリオレフィン鎖を誘導する。一実施形態では、アリル鎖端を含む高級オレフィンコポリマーは、300g/モル以上のMn(1H NMRで測定)を有し、下記:
(i)約20〜約99.9モル%の少なくとも1種のC5〜C40高級オレフィン;
(ii)約0.1モル%〜約80モル%のプロピレン
を含み;かつ
参照によってその内容全体をここに援用する2011年3月25日提出の同時係属出願USSN 13/072,249に記載されているように、高級オレフィンコポリマーは、少なくとも40%のアリル鎖端を有する。
一実施形態では、ポリオレフィン鎖をビニル末端分岐ポリオレフィンから誘導する。一実施形態では、ビニル末端分岐ポリオレフィンは、7,500〜60,000g/モルのMn(1H NMR)を有し、エチレン及び/又はプロピレンを含んでなる1種以上のαオレフィン誘導単位を含み、かつ下記:
(i)不飽和鎖端の総数に対して50%以上のアリル鎖端;及び
(ii)参照によってその内容全体をここに援用する2011年3月25日提出のUSSN 61/417,681に記載されているように、0.90以下のg'vis
を有する。
一実施形態では、下記工程:
(i)35℃より高い温度で、エチレン及び/又はプロピレンを含む1つ以上のモノマーを、メタロセン触媒化合物と活性化剤を含む触媒系(ここで、メタロセン触媒化合物は下記式:
Figure 2015513583
(式中:
Mはジルコニウム又はハフニウムから成る群より選択され;
各Xは、独立に、1〜20個の炭素原子を有するヒドロカルビル基、水素化物、アミド、アルコキシド、硫化物、リン化物、ハロゲン化物、ジエン、アミン、ホスフィン、エーテル、及びその組合せから成る群より選択され(2つのXが縮合環又は環系の一部を形成してもよい);
各R1、R2、R3、R4、R5、及びR6は、独立に、水素又は置換若しくは無置換ヒドロカルビル基、ヘテロ原子若しくはヘテロ原子含有基であり;
さらに隣接R基のいずれか2つが縮合環又は多中心縮合環系を形成してもよいことを条件とし、これらの環は芳香族、一部飽和又は飽和であってよく;
さらに隣接R4、R5、及びR6基のいずれもが、縮合環又は多中心縮合環系を形成してもよいことを条件とし、これらの環は芳香族、一部飽和又は飽和であってよく;
Tは、式(Ra)2J(式中、JはC、Si、Ge、N又はPの1つ以上であり、各Raは、独立に、水素、ハロゲン、C1〜C20ヒドロカルビル又はC1〜C20置換ヒドロカルビルである)で表される架橋基であり;
但し、R1、R2、R4、R5、又はR6のいずれもが水素でない場合、少なくとも1つのR3が置換若しくは無置換フェニル基であることを条件とする)
で表される)
と接触させる工程;
(ii)少なくとも50モル%のモノマーをポリオレフィンに変換する工程;及び
(iii)参照によってその内容全体をここに援用する2011年3月25日提出のUSSN 61/467,681に記載されているように、総不飽和鎖端に対して50%より多くのアリル鎖端及び60℃以上のTmを有する分岐ポリオレフィンを得る工程
を含む重合方法で製造されたビニル末端分岐ポリオレフィンからポリオレフィン鎖を誘導する。
本発明の実施形態では、ビニル末端エチレンポリマー、好ましくは下記:
(a)少なくとも60%(好ましくは少なくとも65%、好ましくは少なくとも70%、好ましくは少なくとも75%、好ましくは少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、好ましくは少なくとも96%、好ましくは少なくとも97%、好ましくは少なくとも98%, 好ましくは少なくとも99%、又は好ましくは少なくとも100%)のアリル鎖端;
(b)4.0以下(好ましくは3.8以下、好ましくは3.5以下、好ましくは3.2以下、好ましくは3.0以下、好ましくは2.8以下、又は好ましくは2.5以下)の分子量分布;
(c)少なくとも20,000g/モル(好ましくは少なくとも25,000g/モル、好ましくは少なくとも30,000g/モル、好ましくは少なくとも40,000g/モル、好ましくは少なくとも50,000g/モル、かつ任意に、125,000g/モル未満、好ましくは120,000未満、又は好ましくは110,000未満)のMn(1H NMR);
(d)任意に、約0.8〜約1.2(好ましくは約0.9〜約1.1、好ましくは約0.95〜約1.1)の範囲のMn(GPC)/Mn(1H NMR);及び
(e)任意に、0.95より大きい(好ましくは0.96より大きい、好ましくは0.98より大きい、好ましくは0.98より大きい、かつ任意に、好ましくは1.0以下)のg'(vis)
を有するビニル末端ポリエチレン(好ましくは粒状形態)からポリオレフィンを誘導する。
好ましくは、ビニル末端エチレンポリマーを、下記工程:
(a)エチレンを担持メタロセン触媒系と接触させる工程
(ここで、担持触媒系は下記:(i)担体材料;(ii)活性化剤の重量に基づいて、約1wt%〜約14wt%のトリメチルアルミニウムを有する活性化剤;(iii)下記式:
Figure 2015513583
(式中:
TはSi又はGeであり;各RAはC1〜C20置換若しくは無置換ヒドロカルビル基であり;各RBは独立に、H、又はC1〜C8置換若しくは無置換ヒドロカルビル基、又は式-CH2Rx(式中、RxはC1〜C20置換若しくは無置換ヒドロカルビル基である)で表される基であり、但し、少なくとも1つのRBはメチル又は式-CH2Rxで表される基であることを条件とし;各RCは独立に、H又はC1〜C20置換若しくは無置換ヒドロカルビル基であり;各Aは独立に、C1〜C20置換若しくは無置換ヒドロカルビル基、水素化物、アミド、アミン、アルコキシド、硫化物、リン化物、ハロゲン化物、ジエン、ホスフィン、及びエーテルから成る群より選択され;各Xは独立に、水素、ハロゲン又はC1〜C20ヒドロカルビルであり、かつ2つのX基が、芳香族、一部飽和若しくは飽和環又は縮合環系を含めた環構造を形成することができ;さらに隣接RA、RB、及び/又はRC基のいずれもが縮合環又は多中心縮合環系を形成してもよいことを条件とし、該環は置換され又は無置換でよく、かつ芳香族、一部不飽和、又は不飽和であってよい)
で表されるメタロセン化合物を含む)
(b)下記:(i)少なくとも60%のアリル鎖端;(ii)4.0以下の分子量分布;及び(iii)少なくとも20,000g/モルのMn(1H NMR)を有するビニル末端ポリエチレンを得る工程
を含む方法によって製造する。好ましくはビニル末端エチレンポリマーを2012年9月24日提出のUSSN 61/704,606に記載されている方法に従って(かつ触媒系を用いて)製造する。
本発明の実施形態では、ポリオレフィンをビニル末端エチレンポリマー、好ましくは下記:(i)少なくとも50%(好ましくは60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)のアリル鎖端;(ii)4.0以下(好ましくは3.8、3.6、3.5、3.4、3.2、3.0、2.8、又は2.5以下)の分子量分布;(iii) 0.95以下(好ましくは0.93、0.90、0.88、又は0.85以下)のg'(vis);(iv)少なくとも7,000g/モル(好ましくは少なくとも10,000g/モル、15,000g/モル、20,000g/モル、25,000g/モル、30,000g/モル、45,000g/モル、55,000g/モル、65,000g/モル、又は85,000g/モル、かつ任意に、125,000g/モル未満)のMn(1H NMR);及び(v)約0.8〜約1.2(好ましくは0.85〜1.15、0.90〜1.10、及び0.95〜1.00)の範囲のMn(GPC)/Mn(1H NMR)を有するビニル末端ポリエチレンから誘導する。好ましくは、ビニル末端エチレンポリマーを、下記工程:
(a)エチレンをメタロセン触媒系と接触させる工程
(ここで、触媒系は下記:
(i)イオン化活性化剤;
(ii)下記式:
Figure 2015513583
(式中:
TはSi又はGeであり;各RAはC1〜C20置換若しくは無置換ヒドロカルビル基であり;各RBは独立に、H、又はC1〜C8置換若しくは無置換ヒドロカルビル基、又は式-CH2Rx(式中、RxはC1〜C20置換若しくは無置換ヒドロカルビル基である)で表される基であり、但し、少なくとも1つのRBはメチル又は式-CH2Rxで表される基であることを条件とし;各RCは独立に、H又はC1〜C20置換若しくは無置換ヒドロカルビル基であり;各Aは独立に、C1〜C20置換若しくは無置換ヒドロカルビル基、水素化物、アミド、アミン、アルコキシド、硫化物、リン化物、ハロゲン化物、ジエン、ホスフィン、及びエーテルから成る群より選択され;各Xは独立に、水素、ハロゲン又はC1〜C20ヒドロカルビルであり、かつ2つのX基が、芳香族、一部飽和若しくは飽和環又は縮合環系を含めた環構造を形成することができ;さらに隣接RA、RB、及び/又はRC基のいずれもが縮合環又は多中心縮合環系を形成してもよいことを条件とし、該環は置換され又は無置換でよく、かつ芳香族、一部不飽和、又は不飽和であってよい)
で表されるメタロセン化合物
を含む);及び
(b)下記:(i)少なくとも50%のアリル鎖端;(ii)4.0以下の分子量分布;(iii)0.95以下のg'(vis);(iv)少なくとも7,000g/モルのMn(1H NMR);及び(v)約0.8〜約1.2の範囲のMn(GPC)/Mn(1H NMR)を有するビニル末端ポリエチレンを得る工程
を含む方法により製造する。好ましくは、ビニル末端エチレンポリマーを2012年9月24日提出のUSSN 61/704,604に記載されている方法に従って(かつ触媒系を用いて)製造する。
本明細書に記載のいずれの重合においても、活性化剤は、特に指定のない限り、アルモキサン、アルミニウムアルキル、化学量論的活性化剤(イオン化活性化剤とも呼ばれる)(中性又はイオン性であってよい)、及び/又は従来型共触媒であってよい。好ましい活性化剤としては、典型的にアルモキサン化合物、変性アルモキサン化合物、化学量論的活性化剤、及びイオン化アニオン前駆体化合物(金属錯体をカチオン性にしている1つの反応性のσ結合した金属配位子を引き抜いて、電荷均衡非配位性又は弱配位性アニオンを与える)が挙げられる。
アルモキサン活性化剤
本発明の実施形態では、触媒組成物中の活性化剤としてアルモキサン活性化剤、好ましくはメチルアルモキサン(MAO)、変性メチルアルモキサン(MMAO)、エチルアルモキサン、及び/又はイソブチルアルモキサンを利用する。好ましくは、活性化剤はTMA枯渇活性化剤(TMAはトリメチルアルミニウムを意味する)である。TMAを除去するための技術上周知のいずれの方法を使用してもよい。例えば、TMA枯渇活性化剤を製造するため、アルモキサン(メチルアルモキサン等)の例えば、トルエン中30wt%の溶液をトルエンで希釈し、アルミニウムアルキル(MAOの場合はTMA等)を、例えば、トリメチルフェノールと混ぜ合わせて固体のろ過によって溶液から除去する。該実施形態では、TMA枯渇活性化剤は約1wt%〜約14wt%のトリメチルアルミニウム(好ましくは13wt%未満、好ましくは12wt%未満、好ましくは10wt%未満、好ましくは5wt%未満、若しくは好ましくは0wt%、又は、任意に、0wt%より多いか若しくは1wt%より多い)を含む。
化学量論的活性化剤
ここで有用な触媒系は、1種以上の化学量論的活性化剤を含み得る。化学量論的活性化剤は非アルモキサン化合物であり、反応中に触媒化合物(メタロセン化合物等)と混ぜ合わると触媒的に活性な種を形成する。典型的には10:1以下(好ましくは5:1、さらに好ましくは2:1、なおさらに好ましくは1:1)の化学量論的活性化剤対メタロセン化合物のモル比で使用するが、本発明の範囲内では、10:1より大きい化学量論的活性化剤対メタロセン化合物のモル比を使用するのが良い。有用な化学量論的(又は非アルモキサン)活性化剤対触媒比は0.5:1〜10:1、好ましくは1:1〜5:1の範囲であるが、0.1:1〜100:1、或いは0.5:1〜200:1、或いは1:1〜500:1、或いは1:1〜1000:1の範囲を用いてよい。
化学量論的活性化剤は、中性又はイオン性であってよい非アルモキサン化合物、例えばトリ(n-ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート、トリスペルフルオロフェニルホウ素メタロイド前駆体、又はトリスペルフルオロナフチルホウ素メタロイド前駆体、ポリハロゲン化ヘテロボランアニオン(WO 98/43983)、ホウ酸(米国特許第5,942,459号)、又はその組合せである。化学量論的活性化剤を単独で使用するか又はアルモキサン若しくは変性アルモキサン活性化剤と併用することも本発明の範囲内である。
中性化学量論的活性化剤
中性化学量論的活性化剤の例としては、三置換ホウ素、テルル、アルミニウム、ガリウム及びインジウム又はその混合物が挙げられる。3つの置換基はそれぞれ独立にアルキル、アルケニル、ハロゲン、置換アルキル、アリール、ハロゲン化アリール、アルコキシ、及びハロゲン化物から選択される。好ましくは、3つの基は独立にハロゲン、単環式又は多環式アリール(ハロ置換を含めて)、アルキル、及びアルケニル化合物、並びにその混合物であり、1〜20個の炭素原子を有するアルケニル基、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、1〜20個の炭素原子を有するアルコキシ基、及び3〜20個の炭素原子を有するアリール基(置換アリールを含めて)が好ましい。さらに好ましくは、3つの基は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、フェニル、ナフチル、又はその混合物である。なおさらに好ましくは、3つの基は、ハロゲン化、好ましくはフッ素化アリール基である。最も好ましくは、中性化学量論的活性化剤はトリスペルフルオロフェニルホウ素又はトリスペルフルオロフチルホウ素である。
イオン性化学量論的活性化剤
イオン性化学量論的活性化剤は、活性プロトン、或いは活性化剤の残存アニオンと会合するが、それと配位しないか、又はルーズに配位しているだけであるいくつかの他のカチオンを含有し得る。このような化合物等は、欧州公報EP 0 570 982 A;EP 0 520 732 A;EP 0 495 375 A;EP 0 500 944 B1;EP 0 277 003 A;EP 0 277 004 A;米国特許第5,153,157号;第5,198,401号;第5,066,741号;第5,206,197号;第5,241,025号;第5,384,299号;第5,502,124号;及び1994年8月3日提出の米国特許出願第第08/285,380号(全て参照によってその内容全体をここに援用する)に記載されている。
イオン性化学量論的活性化剤は、好ましくはプロトンを供与できるブレンステッド酸であるカチオンと、適合性の非配位アニオンとを含む。好ましくは、アニオンは、相対的に大きく(かさ高く)、触媒(メタロセン化合物等)と化学量論的活性化剤を合わせると形成される触媒的に活性な種(好ましくは第4族の触媒的に活性な種)を安定化することができる。好ましくは、アニオンは、オレフィン、ジオレフィン及びアセチレン性不飽和基質又は他の中性ルイス塩基、例えばエーテル、アミン等と置き換わるのに十分不安定である。有用な適合性非配位アニオンの2つの分類がEP 0 277,003 A及びEP 0 277,004 Aに開示されている:1)中心の帯電金属又はメタロイドコアに共有結合的に配位されてそれを遮蔽している複数の親油性基を含むアニオン配位錯体、及び2)複数のホウ素原子を含むアニオン、例えばカルボラン、メタラカルボラン、及びボラン等。
イオン性化学量論的活性化剤は、アニオン、好ましくは非配位アニオンを含む。用語「非配位アニオン」(NCA)は、前記カチオンに配位しないか又は前記カチオンに弱くしか配位せず、結果として中性ルイス塩基と置き換わるのに十分に不安定なままであるアニオンを意味する。「適合性」非配位アニオンは、最初に形成された錯体が分解するときに中性に変性されない当該アニオンである。さらに、アニオンは、アニオンから中性の4配位メタロセン化合物及び中性副生物を形成させるようにアニオン置換基又はフラグメントをカチオンに移行させない。本発明により有用な非配位アニオンは、適合性であり、触媒のイオン電荷を+1で釣り合わせるという意味で触媒(メタロセン等)カチオンを安定化し、それにもかかわらず重合中にエチレン性又はアセチレン性不飽和モノマーによって置換できるほど十分に不安定なままである当該アニオンである。
本発明の好ましい実施形態では、イオン性化学量論的活性化剤は、下記式(1)で表される。
(Z)d +Ad- (1)
式中、(Z)d +はカチオン成分であり、Ad-はアニオン成分であり;Zは(L-H)又は還元できるルイス酸であり、Lは中性ルイス塩基であり;Hは水素であり;(L-H)+はブレンステッド酸であり;Ad-は、電荷d-を有する非配位アニオンであり;dは1〜3の整数である。
カチオン成分が(L-H)+であるようにZが(L-H)の場合、カチオン成分は、遷移金属触媒前駆体を含有するかさ高い配位子メタロセンから、アルキル又はアリール等の部分をプロトン化して、結果としてカチオン遷移金属種をもたらすことができるプロトン化ルイス塩基のようなブレンステッド酸を含んでよい。好ましくは、活性化カチオン(L-H)d +は、遷移金属触媒前駆体にプロトンを供与し、結果として遷移金属カチオンをもたらすことができるブレンステッド酸であり、例えばアンモニウム、オキソニウム、ホスホニウム、シリリウム、及びその混合物、好ましくはメチルアミン、アニリン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、N-メチルアニリン、ジフェニルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N-ジメチルアニリン、メチルジフェニルアミン、ピリジン、p-ブロモ-N,N-ジメチルアニリン、p-ニトロ-N,N-ジメチルアニリンのアンモニウム、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、及びジフェニルホスフィンからのホスホニウム、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、及びジオキサン等のエーテルからのオキソニウム、ジエチルチオエーテル及びテトラヒドロチオフェン等のチオエーテルからのスルホニウム、並びにその混合物が挙げられる。
Zが還元できるルイス酸の場合、(Z)d +は好ましくは式:(Ar3C)+(式中、Arはアリール又はヘテロ原子で置換されたアリール、C1〜C40ヒドロカルビル、又は置換C1〜C40ヒドロカルビルである)で表され、好ましくは(Z)d +は式:(Ph3C)+(式中、Phはフェニル又はヘテロ原子で置換されたフェニル、C1〜C40ヒドロカルビル、又は置換C1〜C40ヒドロカルビルである)で表される。好ましい実施形態では、還元できるルイス酸はトリフェニルカルベニウムである。
アニオン成分Ad-としては、式[Mk+Qn]d-(式中、kは1、2、又は3であり;nは1、2、3、4、5、又は6、好ましくは3、4、5、又は6であり;(n-k)=d;Mは、元素周期表の第13族から選択される元素、好ましくはホウ素又はアルミニウムであり;各Qは独立に、水素化物、架橋若しくは非架橋ジアルキルアミド、ハロゲン化物、アルコキシド、アリールオキシド、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ハロカルビル、置換ハロカルビル、及びハロ置換ヒドロカルビル基であり、前記Qは20個までの炭素原子を有し、但し、Qが1つだけ存在する場合はQはハロゲン化物であり、2つのQが環構造を形成してもよいことを条件とする)を有するものが挙げられる。好ましくは、各Qは、1〜20個の炭素原子を有するフッ素化ヒドロカルビル基であり、さらに好ましくは各Qはフッ素化アリール基であり、最も好ましくは各Qはペンタフルオリル(pentafluoryl)アリール基である。好適なAd-成分の例として、は、参照によってその内容全体をここに援用する米国特許第5,447,895号に開示されている二ホウ素化合物も挙げられる。
本発明の他の実施形態では、イオン性化学量論的活性化剤は、下記式で表される拡張アニオンを含む活性化剤であり得る:
(A*+a)b(Z*J* j)-c d
式中、A*は、電荷+aを有するカチオンであり;Z*は、水素を数えずに1〜50個の原子を有し、さらに2つ以上のルイス塩基部位を含むアニオン基であり;J*は各存在で独立に、Z*の少なくとも1つのルイス塩基部位に配位したルイス酸であり、任意に2つ以上の該J*基が複数のルイス酸官能性を有する部分内で結合してよく;jは2〜12の数であり;a、b、c、及びdは1〜3の整数であり、但し、a×bはc×dに等しい。このような拡張可能アニオンを含む活性化剤の例は、参照によってその内容全体をここに援用する米国特許第6,395,671号で見つけられる。
本発明の触媒系で有用なイオン性化学量論的活性化剤の例は以下のとおりである:
トリメチルアンモニウムテトラフェニルボラート、トリエチルアンモニウムテトラフェニルボラート、トリプロピルアンモニウムテトラフェニルボラート、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラフェニルボラート、トリ(t-ブチル)アンモニウムテトラフェニルボラート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラフェニルボラート、N,N-ジエチルアニリニウムテトラフェニルボラート、N,N-ジメチル-(2,4,6-トリメチルアニリニウム)テトラフェニルボラート、トロピリウム(tropillium)テトラフェニルボラート、トリフェニルカルベニウムテトラフェニルボラート、トリフェニルホスホニウムテトラフェニルボラート、トリエチルシリリウムテトラフェニルボラート、ベンゼン(ジアゾニウム)テトラフェニルボラート、トリメチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート、トリエチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート、トリ(sec-ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート、N,N-ジエチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート、N,N-ジメチル-(2,4,6-トリメチルアニリニウム)テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート、トロピリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート、トリフェニルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート、トリエチルシリリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート、ベンゼン(ジアゾニウム)テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート、トリメチルアンモニウムテトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボラート、トリエチルアンモニウムテトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボラート、トリプロピルアンモニウムテトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボラート、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロ-フェニル)ボラート、ジメチル(t-ブチル)アンモニウムテトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボラート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボラート、N,N-ジエチルアニリニウムテトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボラート、N,N-ジメチル-(2,4,6-トリメチルアニリニウム)テトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボラート、トロピリウムテトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボラート、トリフェニルカルベニウムテトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボラート、トリフェニルホスホニウムテトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボラート、トリエチルシリリウムテトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボラート、ベンゼン(ジアゾニウム)テトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボラート、トリメチルアンモニウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボラート、トリエチルアンモニウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボラート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボラート、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボラート、トリ(t-ブチル)アンモニウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボラート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボラート、N,N-ジエチルアニリニウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボラート、N,N-ジメチル-(2,4,6-トリメチルアニリニウム)テトラキス(ペルフルオロナフチル)ボラート、トロピリウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボラート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボラート、トリフェニルホスホニウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボラート、トリエチルシリリウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボラート、ベンゼン(ジアゾニウム)テトラキス(ペルフルオロナフチル)ボラート、トリメチルアンモニウムテトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボラート、トリエチルアンモニウムテトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボラート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボラート、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボラート、トリ(t-ブチル)アンモニウムテトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボラート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボラート、N,N-ジエチルアニリニウムテトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボラート、N,N-ジメチル-(2,4,6-トリメチルアニリニウム)テトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボラート、トロピリウムテトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボラート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボラート、トリフェニルホスホニウムテトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボラート、トリエチルシリリウムテトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボラート、ベンゼン(ジアゾニウム)テトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボラート、トリメチルアンモニウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート、トリエチルアンモニウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート、トリ(t-ブチル)アンモニウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート、N,N-ジエチルアニリニウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート、N,N-ジメチル-(2,4,6-トリメチルアニリニウム)テトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート、トロピリウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート、トリフェニルホスホニウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート、トリエチルシリリウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート、ベンゼン(ジアゾニウム)テトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート、及びジアルキルアンモニウム塩、例えば:ジ-(i-プロピル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート、及びジシクロヘキシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート;並びにさらなる三置換ホスホニウム塩、例えばトリ(o-トリル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート、及びトリ(2,6-ジメチルフェニル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート。
最も好ましくは、イオン性化学量論的活性化剤はN,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボラート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボラート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボラート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボラート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート、又はトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペルフルオロフェニル)ボラートである。
かさ高いイオン性化学量論的活性化剤
本明細書で使用する「かさ高い活性化剤」は、下記式で表されるイオン性化学量論的活性化剤である。
Figure 2015513583
式中:
各R1は独立に、ハロゲン化物、好ましくはフルオリドであり;
各R2は独立に、ハロゲン化物、C6〜C20置換芳香族ヒドロカルビル基又は式-O-Si-Ra(式中、RaはC1〜C20置換若しくは無置換ヒドロカルビル又はヒドロカルビルシリル基である)のシロキシ基であり(好ましくはR2はフルオリド又は全フッ素置換フェニル基である);
各R3はハロゲン化物、C6〜C20置換芳香族ヒドロカルビル基又は式-O-Si-Ra(式中、RaはC1〜C20置換若しくは無置換ヒドロカルビル又はヒドロカルビルシリル基である)のシロキシ基であり(好ましくはR3はフルオリド又はC6全フッ素置換芳香族ヒドロカルビル基である);
(Z)d +はカチオン成分であり;Zは(L-H)又は還元できるルイス酸であり、Lは中性ルイス塩基であり;Hは水素であり;(L-H)+はブレンステッド酸であり;dは1〜3の整数であり;
ここで、ホウ素アニオン成分は1020g/モルより大きい分子量を有し;かつ
B原子上の置換基の少なくとも3つはそれぞれ250立方Åより大きいか、又は300立方Åより大きいか、又は500立方Åより大きい分子体積を有する。
本明細書では、溶液中の活性化剤分子の空間立体容積(spatial steric bulk)の近似として「分子体積」という表現を用いる。異なる分子体積を有する置換基の比較は、より小さい分子体積を有する置換基をより大きい分子体積を有する置換基に比べて「かさ高くない」とみなすことができるようにする。逆に、より大きい分子体積を有する置換基は、より小さい分子体積を有する置換基より「かさ高い」とみなしてよい。
分子体積は、「液体及び固体の密度と分子体積を推定するための簡単な'たやすく算出できる(Back of the Envelope)'方法 」("A Simple 'Back of the Envelope' Method for Estimating the Densities and Molecular Volumes of Liquids and Solids,") Journal of Chemical Education, Vol. 71, No. 11, November 1994, pp. 962-964に報告されているように計算し得る。式MV=8.3Vs(式中、Vsはスケールド(scaled)体積である)を用いて、立方Å単位の分子体積(MV)を計算する。Vsは、構成原子の相対体積の合計であり、下表の相対体積を用いて置換基の分子式から計算される。縮合環では、Vsは縮合環毎に7.5%減少する。
Figure 2015513583
好ましい実施形態では、本明細書に記載のいずれのビニル末端マクロモノマーをも技術上周知の方法で分画又は蒸留することができ、1以上の画分を本明細書に記載の発明で使用し得る。実施形態では、ビニル末端マクロモノマーを前駆体マクロモノマーの1以上の画分から誘導する。好ましい画分は典型的に狭いMw/Mn、例えば1.5未満、好ましくは1.4以下、好ましくは1.3以下、好ましくは1.2以下を有する。或いは、Mw/Mnは1〜1.4、好ましくは1.05〜1.3、好ましくは1.1〜1.2、好ましくは1.01〜1.05である。或いは、Mw/Mnは1〜1.1、好ましくは1〜1.2、好ましくは1〜1.3、好ましくは1〜1.04である。
本発明の別の実施形態では、画分は、70℃未満、好ましくは60℃未満、好ましくは50℃未満、好ましくは40℃未満、好ましくは30℃未満、好ましくは20℃未満、好ましくは10℃未満の狭い沸点範囲(ASTM D86で決定したところ)を有する。
本発明の好ましい実施形態では、ビニル末端マクロモノマーをガスクロマトグラフカラムに注入して、分画に最適なカットポイントを決定する。
好ましい実施形態では、GB 1550419A;米国特許第3,647,906号;及び第3,592,866号に記載されている手順による等、ビニル末端マクロモノマー生成物の分離によって画分を得ることができる。有用な画分は、約4の炭素数から20までの炭素数、例えば、C4-C8、C4-C14、C4-C20の範囲を包含する。低級α-オレフィン画分は、高級α-オレフィン画分中の最低級α-オレフィンと同じ炭素数を有するα-オレインを含有し得るが、好ましくは高級α-オレフィン画分中の最低級α-オレフィンの炭素数より少ない炭素数のα-オレフィンのみを含有する。高級α-オレフィン画分は、低級α-オレフィン画分中の最高級のα-オレフィンと同じ炭素数から反応で生成された最高級のα-オレフィンの炭素数までのα-オレフィンを含み得るが、一般的にC40を超えない。しかしながら、好ましくは、高級α-オレフィン画分は、低級α-オレフィン画分中の最高級α-オレフィンの炭素数より高い炭素数のα-オレフィンのみを含有する。
軽質オリゴマー、例えば二量体、三量体、四量体等を含まないα-オレフィン生成物混合物が望ましい分離では、低級α-オレフィン画分をさらに軽質α-オレフィン画分と中間α-オレフィン画分に分離する。軽質α-オレフィン画分は、C4〜C12まで、例えば、C4-C6、C4-C8、C4-C10等を含み得る。この変更形態では、中間のα-オレフィン画分を生成物として除去し、軽質α-オレフィン画分をさらなる中間α-オレフィンに変換する。
別の実施形態では、本明細書に記載のいずれのビニル末端マクロモノマーも、ASTM法D2892及びD5236に記載の手順に従って行なう蒸留によって異なる沸点カットに分離することができる。(D2892:粗製石油の蒸留の標準的試験方法(15-理論段数カラム)及びD5236:重質炭化水素混合物の蒸留の標準的試験方法(真空ポットスチル(Vacuum Potstill)法)。
例えば、以下に列挙する沸点範囲、質量回収、真空条件を利用して低分子量のアタクチックポリプロピレンVTM(677.3グラム装入)を分画又は蒸留することができる。初期沸点(IBP)と最終沸点(FBP)は両方とも華氏温度(°F)であり、大気圧に補正した。
Figure 2015513583
上表に示すように、室温〜484℃(904°F)の沸点を有する収集画分の総回収量は435.6g(最初の装入量の64.3%)であった。484℃(904°F)より高い沸点を有する蒸留下層の総回収量は226.6g(最初の装入量の33.5%)であった。蒸留画分と下層物質の両方の総回収量は97.8wt%に相当する。結果として生じる蒸留画分と蒸留下層は、GPCで決定したところ狭い分子量分布(Mw/Mn<1.4、例えば、1.01〜1.05)を有する。
本発明の別の実施形態では、ビニル末端マクロモノマー(好ましくはプロピレンベースのビニル末端マクロモノマー、好ましくはホモポリプロピレンビニル末端マクロモノマー)は、総プロピレンモノマーに基づいて1モル%未満の位置欠陥(13C NMRで決定)を有する。3つのタイプの欠陥は位置欠陥:2,1-エリスロ、2,1-スレオ、及び3,1-異性化であると定義される。これらの構造とピークの割当は、L.Resconi, L.Cavallo, A.Fait, and F.Piemontesi, Chem.Rev.2000, 100, pages 1253-1345、並びにH.N.Cheng, Macromolecules, 17, 1950 (1984)に与えられている。或いは、ビニル末端マクロモノマー(好ましくはプロピレンベースのビニル末端マクロモノマー、好ましくはホモポリプロピレンビニル末端マクロモノマー)は(13C NMRで測定したところ)10,000のモノマー単位当たり250未満の位置欠陥、好ましくは10,000のモノマー単位当たり150未満、好ましくは100未満、好ましくは50未満の位置欠陥を有する。位置欠陥はそれぞれカーボンNMRスペクトルで複数のピークを生じさせ、これらを全て積分及び平均して(スペクトルの他のピークから分離される程度まで)、測定精度を改善する。解析で用いた分解できる共鳴の化学シフトオフセットを下表に示す。正確なピーク位置はNMR溶媒選択の関数としてシフトし得る。
Figure 2015513583
各欠陥の平均積分を主プロピレンシグナル(CH3、CH、CH2)の1つの積分で割って10,000を掛けて、10,000モノマー当たりの欠陥濃度を決定する。
別の実施形態では、本明細書に記載のいずれのビニル末端マクロモノマーも60℃〜160℃、或いは50℃〜145℃、或いは50℃〜130℃、或いは50℃〜100℃の融点(DSC第1融解)を有し得る。別の実施形態では、本明細書に記載のビニル末端マクロモノマーは、周囲温度(23℃)で少なくとも48時間貯蔵後にDSCで検出可能な融点を持たない。
別の実施形態では、本明細書に記載のビニル末端マクロモノマーは、0℃以下(DSC)、好ましくは-10℃以下、さらに好ましくは-20℃以下、さらに好ましくは-30℃以下、さらに好ましくは-50℃以下のガラス転移温度を有し得る。
融解温度(Tm)及びガラス転移温度(Tg)は、TA Instruments 2920 DSC等の市販機器を用いて示差走査熱量測定(DSC)を利用して測定する。典型的に、室温で少なくとも48時間貯蔵した3〜10mgのサンプルをアルミニウムパンに密封し、室温で機器に装填する。サンプルを25℃で平衡にしてからそれを10℃/分の冷却速度で-80℃に冷却する。サンプルを-80℃で5分間保持してから10℃/分の加熱速度で25℃に加熱する。加熱サイクルからガラス転移温度を測定する。或いは、サンプルを25℃で平衡にしてから10℃/分の加熱速度で150℃に加熱する。吸熱融解転移が存在する場合は、転移の発生及びピーク温度について解析する。報告した融解温度は、特に指定のない限り、最初の加熱によるピーク融解温度である。複数のピークを示すサンプルについては、融点(又は融解温度)は、DSC融解追跡から得られるピーク融解温度(すなわち、当該温度範囲で最大の吸熱的熱量測定応答と関連する)であると定義される。
別の実施形態では、本明細書に記載のビニル末端マクロモノマーは25℃で液体である。
本発明の特に好ましい実施形態では、ビニル末端マクロモノマー(好ましくはプロピレン、少なくとも50モル%のプロピレン、好ましくは少なくとも70モル%のプロピレンを含む)は10,000モノマー単位当たり250未満の位置欠陥、好ましくは10,000モノマー単位当たり150未満、好ましくは100未満、好ましくは50未満の位置欠陥、及び0℃以下(DSC)、好ましくは-10℃以下、さらに好ましくは-20℃以下、さらに好ましくは-30℃以下、さらに好ましくは-50℃以下のTgを有する。
別の実施形態では、本明細書に記載のビニル末端マクロモノマーは、60℃で1000cPより大きい、12,000cPより大きい、又は100,000cPより大きい粘度を有する。他の実施形態では、ビニル末端マクロモノマーは200,000cP未満、150,000cP未満、又は100,000cP未満の粘度を有する。粘度は、流れに対する抵抗と定義され、純粋コポリマーの融解粘度は、ブルックフィールドデジタル粘度計を用いて高温で測定される。
別の実施形態では、本明細書に記載のVTMは、190℃で(190℃でASTM D 3236により測定;ASTM=米国試験材料協会(American Society for Testing and Materials))90,000mPa・秒以下の粘度(ブルックフィールド粘度又は融解粘度とも称する);又は80,000mPa・秒以下、又は70,000mPa・秒以下、又は60,000mPa・秒以下、又は50,000mPa・秒以下、又は40,000mPa・秒以下、又は30,000mPa・秒以下、又は20,000mPa・秒以下、又は10,000mPa・秒以下、又は8,000mPa・秒以下、又は5,000mPa・秒以下、又は4,000mPa・秒以下、又は3,000mPa・秒以下、又は1,500mPa・秒以下、又は250〜6,000mPa・秒、又は500〜5,500mPa・秒、又は500〜3,000mPa・秒、又は500〜1,500mPa・秒の粘度、及び/又は160℃で(160℃でASTM D 3236により測定)8,000mPa・秒以下の粘度;又は7,000mPa・秒以下、又は6,000mPa・秒以下、又は5,000mPa・秒以下、又は4,000mPa・秒以下、又は3,000mPa・秒以下、又は1,500mPa・秒以下、又は250〜6,000mPa・秒、又は500〜5,500mPa・秒、又は500〜3,000mPa・秒、又は500〜1,500mPa・秒の粘度を有する。他の実施形態では、粘度は用途に応じて190℃で200,000mPa・秒以下である。他の実施形態では、粘度は用途に応じて50,000mPa・秒以下である。
一実施形態では、ポリマクロモノマーオリゴマーの製造方法は、100〜30,000DaのMnと総不飽和に対して少なくとも70%のビニル末端(1H NMRで測定)とを有するビニル末端マクロモノマー(好ましくはプロピレンマクロモノマー、例えば、アタクチックプロピレンマクロモノマー)及び40wt%までのC2〜C18コモノマーを、アルミニウム含有化合物、亜鉛含有化合物、又はその組合せの存在下、20℃〜180℃の温度及び1分〜24時間の反応時間の重合条件下で、ビニル末端マクロモノマーをオリゴマー化できる触媒系と接触させて、10より大きい重合度及び約5000Da以上のMnを有するポリマクロモノマーを製造する工程を含む。好ましくは、ポリマクロモノマーは0℃未満のガラス転移温度Tgを有する。
一実施形態では、本方法は、0wt%〜40wt%、又は0.1wt%〜40wt%、又は0.5wt%〜15wt%、又は1wt%〜10wt%、又は1wt%〜5wt%、又は0wt%〜5モル%のC2〜C18コモノマー、又はC2〜C12コモノマー、又はエチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセン、4-メチルペンテン-1,3-メチルペンテン-1、及び/又はノルボルネンを含む。
一実施形態では、マクロモノマーは、1H NMRによって決定したところ、総不飽和に対して少なくとも70%、又は80%、又は90%、又は91%、又は95%、又は98%、又は99%のビニル(アリル)鎖端(本明細書ではビニル末端とも称する)を含む。
一実施形態では、マクロモノマーは、1H NMRで測定したところ、約100〜30,000Da、又は125〜約20,000Da、又は150〜約15,000Daの数平均分子量(Mn)、又は200〜10,000Da、又は250〜10,000Da、又は300〜10,000Da、又は400〜9500Da、又は500〜9,000Da、又は750〜9,000Daの数平均分子量(Mn)を有する。
一実施形態では、マクロモノマーは、0.8:1〜1.35:1.0のイソブチル鎖端対アリルビニル基比を含む。
一実施形態では、本明細書で使用するマクロモノマーは、プロピレンホモオリゴマー、ビニル末端プロピレンホモオリゴマー、ビニル末端アタクチックプロピレンホモオリゴマー、ビニル末端アイソタクチックプロピレンホモオリゴマー、ビニル末端シンジオタクチックプロピレンホモオリゴマー、又はその組合せ(例えば、マクロモノマーコオリゴマー)である。一実施形態では、マクロモノマーは少なくとも50モル%のプロピレン、又は少なくとも60、又は70〜99.5、又は80〜99、又は90〜98.5モル%のプロピレン;0〜40モル%、又は0.1〜40、又は0.5〜30、又は1〜20、又は1.5〜10モル%のエチレン及び/又はC4〜C18αオレイン、及び/又は0.1〜5、又は0.5〜3、又は0.5〜1モル%のジエン(ブタジエン、ヘキサジエン、オクタジエン、ノルボルネン、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネン、ノルボルナジエン、及びジシクロペンタジエン等によって例示されるC4〜C12α-ωジエンを含めて)を含む。
一実施形態では、本開示に従うマクロモノマー及び/又はポリマクロモノマーは、1400ppm未満のアルミニウム、又は1000ppm未満のアルミニウム、又は500ppm未満のアルミニウム、又は100ppm未満のアルミニウム、又は50ppm未満のアルミニウム、又は20ppm未満のアルミニウム、又は5ppm未満のアルミニウムを含む。
一実施形態では、マクロモノマーは非晶質(アタクチック)であり、非晶質は10J/g未満の融解熱を意味するように定義される。アイソタクチックは少なくとも50%のアイソタクチック五価基(pentad)(本明細書に記載どおりに13CNMRで決定したところ)又は少なくとも60%、又は少なくとも70%、又は少なくとも80%のアイソタクチック五価基となるように定義される。シンジオタクチックは少なくとも50%のシンジオタクチック五価基(後述するように13C NMRで決定したところ)又は少なくとも60%、又は少なくとも70%、又は少なくとも80%のシンジオタクチック五価基となるように定義される。
本明細書に記載のいずれの実施形態でも、マクロモノマーは、C2〜C18直鎖αオレフィンモノマー単位、又はC2〜C12、又はエチレン、プロピレン、ブテン、オクテン、デセン、又はドデセン、又はエチレン及びプロピレン、又はプロピレンのみを含有し、或いは本質的にそれらから成り、或いはそれらから成る。一実施形態では、マクロモノマーは、スチレンベースモノマー単位を全く含まないか、又は0.1モル%未満しか含まない。一実施形態では、マクロモノマーは、環状モノマー単位を全く含まないか、又は0.1モル%未満しか含まない。一実施形態では、マクロモノマーは、芳香族モノマー単位を全く含まないか、又は0.1モル%未満しか含まない。一実施形態では、マクロモノマーは、マクロモノマーの重量に基づいて、1wt%以下、又は0.5wt%未満、又は0.0wt%のスチレンモノマー単位、環状モノマー単位又は芳香族モノマー単位を含む。
一実施形態では、マクロモノマーは、マクロモノマーの重量に基づいて少なくとも50wt%、又は60wt%、又は70wt%、又は80wt%、又は90wt%、又は95wt%、又は99wt%のの非晶質材料、非晶質材料を含む。100から結晶化度パーセントを減算することによって非晶質材料パーセントを決定する。下記式を用いて結晶化度パーセント(X%)を計算する:[DSC曲線下面積(J/g)/H°(J/g)]*100(式中、H°は主モノマー成分のホモポリマーの融解熱である)。これらのH°の値は、100%結晶性ポリエチレンの平衡融解熱(H°)の値として290J/gという値を使用し、100%結晶性ポリブテンの平衡融解熱(H°)の値として140J/gという値を使用し、100%結晶性ポリプロピレンの融解熱として207J/g(H°)という値を使用することを除き、Polymer Handbook, 第4版(John Wiley and Sons, New York 1999出版)から得られる。DSC曲線は、下記実験セクションで述べるように得られる。
一実施形態では、マクロモノマー、ポリマクロモノマー、又は両者は、本明細書に記載の示差走査熱量測定で決定したところ、50℃以下、又は40℃以下、又は30℃以下、又は25℃以下、又は20℃以下、又は-20℃以下、又は-30℃以下、又は-50℃以下のガラス転移温度(Tg)を有する。
一実施形態では、マクロモノマー、ポリマクロモノマー、又は両者は、25℃未満の融点(DSC第1融解)を有する。一実施形態では、本明細書に記載のマクロモノマー、ポリマクロモノマー、又は両者は、周囲温度(23℃)で少なくとも48時間貯蔵後にDSCにより検出できる融点を持たない。一実施形態では、マクロモノマーは25℃で液体である。
一実施形態では、本明細書に記載のいずれのマクロモノマー又はポリマクロモノマーも本明細書に記載どおりに示差走査熱量測定で測定したところ、50J/g未満、又は40J/g未満、又は30J/g未満、又は20J/g未満、又は10J/g未満、又は5J/g未満の融解熱を有する。
一実施形態では、本開示に従ういずれのマクロモノマー又はポリマクロモノマーも1000ppm未満の第4族金属(又は750ppm未満のTi、Hf及び/又はZr)を含有する。
一実施形態では、本明細書に記載のいずれのマクロモノマー又はポリマクロモノマーも、マクロモノマーの重量に基づいて3wt%未満、又は2wt%未満、又は1wt%未満、又は0.5wt%未満、又は0.1wt%未満、又は0wt%の、水酸化物、アリール及び置換アリール、ハロゲン、アルコキシ、カルボキシラート、エステル、アクリラート、酸素、窒素、及びカルボキシルから選択される官能基を含む。
ここで有用なマクロモノマーは、ビニル末端マクロモノマーの技術上周知の製造方法により製造可能であり、例えば米国特許第6,117,962号;第6,555,635号;Small, Brookhart, Bennett, JACS 120, 1998, 4049, Britovsek, et al.Chem.Comm.1998, 849.;及びSu, et al. Organomet.25, 2006, 666に記載の方法がある。
一実施形態では、1種以上の活性化剤(上記全ての活性化剤を含め)を、ビニル末端マクロモノマーをオリゴマー化できる1種以上の触媒系と組み合わせてポリマクロモノマーを製造することができる。触媒系は、本明細書では触媒前駆体及び/又は遷移金属化合物とも呼ぶ触媒化合物と、活性化剤とを含む。触媒化合物又は触媒系は、問題の触媒化合物(プラス活性化剤)又は触媒系を選んでそれを該当の反応条件(例えば80℃)で1-オクテンと合わせることによってビニル末端マクロモノマーを重合できるように決定される。触媒化合物又は触媒系が1-オクテンを1000以下の数平均分子量に重合できれば、その触媒系は本発明の実施形態で機能し得る。
マクロモノマーの重合に有用な触媒としては、米国特許第7,126,031号に記載のもの、特に下記式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2015513583
式中、Mは第4族金属である。一実施形態では、MはHfである。一実施形態では、触媒は、該化合物、特にMがHfである化合物を含んでなる秩序メソポーラス炭素複合触媒を含む。
実施形態で有用な活性化剤には、上述したいずれの活性化剤も包含され、例えば、アルモキサン及び非配位アニオン活性化剤(中性であろうとイオン性であろうと)が挙げられる。例として、アルキルアルモキサン、例えばメチルアルモキサン(MAO)、エチルアルモキサン、ブチルアルモキサン、イソブチルアルモキサン;変性アルモキサン、例えば変性アルキルアルモキサン、例えば変性メチルアルモキサン等が挙げられる。種々のアルモキサン及び変性アルモキサンの混合物を使用してもよい。アルモキサンは、それぞれのトリアルキルアルミニウム化合物の加水分解により製造可能である。MMAOはトリメチルアルミニウムとトリイソブチルアルミニウム等の高級トリアルキルアルミニウムとの加水分解により製造可能である。MMAOは一般的に脂肪族溶媒に溶解性が高く、貯蔵中に安定性が高い。アルモキサン及び変性アルモキサンの種々の調製方法があり、その非限定例は、米国特許第4,665,208号;第4,952,540号;第5,091,352号;第5,206,199号;第5,204,419号;第4,874,734号;第4,924,018号;第4,908,463号;第4,968,827号;第5,308,815号;第5,329,032号;第5,248,801号;第5,235,081号;第5,157,137号;第5,103,031号;第5,391,793号;第5,391,529号;第5,693,838号;第5,731,253号;第5,731,451号;第5,744,656号;第5,847,177号;第5,854,166号;第5,856,256号;第5,939,346号;欧州公報EP-A-0 561 476;EP-B1-0 279 586;EP-A-0 594 218;EP-B1-0 586 665;PCT公報WO 94/10180;及びWO 99/15534(全て参照によってその内容全体をここに援用する)に記載されている。視覚的に清澄なメチルアルモキサンを使用するのが好ましいことがある。混濁又はゲル化アルモキサンをろ過して清澄溶液を生成するか又は混濁溶液から清澄アルモキサンをデカントすることができる。別の有用なアルモキサンは変性メチルアルモキサン(MMAO)共触媒型3A(Akzo Chemicals, Inc.から商標名Modified Methylalumoxane type 3Aで市販され、米国特許第5,041,584号の下で保護されている)である。活性化剤がアルモキサン(変性又は未変性)の場合、触媒前駆体(金属触媒部位当たり)より5000倍モル過剰のAl/Mの活性化剤の最大量を選択する実施形態もある。最小の活性化剤対触媒前駆体は典型的に1:1モル比である。一実施形態では、Al/Hfの当量比は約1〜10,000、又は10〜10,000であり、AlのHfに対する最小当量数は約1、又は10又は100、又は1000であり、AlのHfに対する最大当量数は50,000、又は20,000、又は10,000、又は5,000、又は1,000、又は500である。
一実施形態では、活性化剤はイオン化又は化学量論的活性化剤、中性又はイオン性、例えばトリ(n-ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、トリスペルフルオロフェニルホウ素メタロイド前駆体又はトリスペルフルオロナフチルホウ素メタロイド前駆体、ポリハロゲン化ヘテロボランアニオン(WO 98/43983)、ホウ酸(米国特許第5,942,459号)又はその組合せであってよい。上述したように中性又はイオン性活性化剤を単独又はアルモキサン若しくは変性アルモキサン活性化剤と組み合わせて使用することも本発明の範囲内である。
イオン性触媒は、遷移金属化合物をB(C6F6)3等の中性ルイス酸と反応させることによって調製可能である。このルイス酸は遷移金属化合物の加水分解性配位子(X)と反応すると、([B(C6F5)3(X)]-)等のアニオンを形成し、これが反応によって生じたカチオン性遷移金属種を安定化する。イオン化合物又は複合材である活性化剤成分を用いて触媒を調製することができる。しかしながら、中性化合物を利用する活性化剤の調製も本発明によって企図される。
一実施形態では、触媒系は下記:
N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート;トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート;トリメチルアンモニウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボラート;トリエチルアンモニウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボラート;トリプロピルアンモニウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボラート;トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボラート;トリ(tert-ブチル)アンモニウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボラート;N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボラート;N,N-ジエチルアニリニウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボラート;N,N-ジメチル-(2,4,6-トリメチルアニリニウム)テトラキス(ペルフルオロナフチル)ボラート;トロピリウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボラート;トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボラート;トリフェニルホスホニウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボラート;トリエチルシリリウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボラート;ベンゼン(ジアゾニウム)テトラキス(ペルフルオロナフチル)ボラート;トリメチルアンモニウムテトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボラート;トリエチルアンモニウムテトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボラート;トリプロピルアンモニウムテトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボラート;トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボラート;トリ(tert-ブチル)アンモニウムテトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボラート;N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボラート;N,N-ジエチルアニリニウムテトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボラート;N,N-ジメチル-(2,4,6-トリメチルアニリニウム)テトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボラート;トロピリウムテトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボラート;トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボラート;トリフェニルホスホニウムテトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボラート;トリエチルシリリウムテトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボラート;ベンゼン(ジアゾニウム)テトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボラート;[4-tert-ブチルPhNMe2H][(C6F3(C6F5)2)4B];トリメチルアンモニウムテトラフェニルボラート;トリエチルアンモニウムテトラフェニルボラート;トリプロピルアンモニウムテトラフェニルボラート;トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラフェニルボラート;トリ(tert-ブチル)アンモニウムテトラフェニルボラート;N,N-ジメチルアニリニウムテトラフェニルボラート;N,N-ジエチルアニリニウムテトラフェニルボラート;N,N-ジメチル-(2,4,6-トリメチルアニリニウム) テトラフェニルボラート;トロピリウムテトラフェニルボラート;トリフェニルカルベニウムテトラフェニルボラート;トリフェニルホスホニウムテトラフェニルボラート;トリエチルシリリウムテトラフェニルボラート;ベンゼン(ジアゾニウム)テトラフェニルボラート;トリメチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート;トリエチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート;トリプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート;トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート;トリ(sec-ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート;N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート;N,N-ジエチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート;N,N-ジメチル-(2,4,6-トリメチルアニリニウム)テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート;トロピリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート;トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート;トリフェニルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート;トリエチルシリリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート;ベンゼン(ジアゾニウム)テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート;トリメチルアンモニウムテトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボラート;トリエチルアンモニウムテトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボラート;トリプロピルアンモニウムテトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボラート;トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロ-フェニル)ボラート;ジメチル(tert-ブチル)アンモニウムテトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボラート;N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボラート;N,N-ジエチルアニリニウムテトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボラート;N,N-ジメチル-(2,4,6-トリメチルアニリニウム)テトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボラート;トロピリウムテトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボラート;トリフェニルカルベニウムテトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボラート;トリフェニルホスホニウムテトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボラート;トリエチルシリリウムテトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボラート;ベンゼン(ジアゾニウム)テトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボラート;トリメチルアンモニウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート;トリエチルアンモニウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート;トリプロピルアンモニウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート;トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート;トリ(tert-ブチル)アンモニウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート;N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート;N,N-ジエチルアニリニウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート;N,N-ジメチル-(2,4,6-トリメチルアニリニウム)テトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート;トロピリウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート;トリフェニルカルベニウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート;トリフェニルホスホニウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート;トリエチルシリリウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート;ベンゼン(ジアゾニウム)テトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート;ジ-(i-プロピル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート;ジシクロヘキシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート;トリ(o-トリル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート;トリ(2,6-ジメチルフェニル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート;トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペルフルオロフェニル)ボラート;1-(4-(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラート)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)ピロリジニウム;テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート;4-(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラート)-2,3,5,6-テトラフルオロピリジン;トリフェニルカルベニウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート);及びその組合せ
から成る群より選択される活性化剤を含む。
一実施形態では、有用な活性化剤として以下のものが挙げられる:N,N-ジメチルアニリニウムテトラ(ペルフルオロフェニル)ボラート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボラート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボラート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボラート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボラート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート、及びトリフェニルカルベニウムテトラ(ペルフルオロフェニル)ボラート。
用語「非配位アニオン」(NCA)は、前記カチオンに配位しないか又は前記カチオンに弱くしか配位せず、結果として中性ルイス塩基と置き換わるのに十分に不安定なままであるアニオンを意味する。「適合性」非配位アニオンは、最初に形成された錯体が分解するときに中性に変性されない当該アニオンである。さらに、アニオンは、アニオンから中性の4配位メタロセン化合物及び中性副生物を形成させるようにアニオン置換基又はフラグメントをカチオンに移行させない。本発明により有用な非配位アニオンは適合性であり、触媒のイオン電荷を+1で釣り合わせるという意味でメタロセンカチオンを安定化し、それにもかかわらず重合中にエチレン性又はアセチレン性不飽和モノマーによる置換を可能にするのに十分な不安定性を保持する当該アニオンである。これらのタイプの共触媒は時々、捕捉剤としてトリ-イソブチルアルミニウム又はトリ-オクチルアルミニウムを使用する。
発明方法は、最初は中性ルイス酸であるが、発明化合物と反応するとカチオン金属錯体及び非配位アニオン、又は双性イオン錯体を形成する共触媒化合物又は活性化剤化合物を利用することもできる。例えば、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素又はアルミニウムが作用してヒドロカルビル又は水素化物配位子を引き抜いて発明カチオン金属錯体を生じさせ、非配位アニオンを安定化する。類似の第4族メタロセン化合物の例示についてはEP-A-0 427 697及びEP-A-0 520 732を参照されたい。また、EP-A-0 495 375の方法及び化合物をも参照されたい。類似の第4族化合物を用いた双性イオン錯体の形成については米国特許第5,624,878号;第5,486,632号;及び第5,527,929号を参照されたい。
非配位アニオン前駆体のカチオンがプロトン若しくはプロトン化ルイス塩基等のブレンステッド酸(水以外)、又は還元できるルイス酸、例えばフェロセニウム若しくは銀カチオン、又はアルカリ若しくはアルカリ土類金属カチオン、例えばナトリウム、マグネシウム若しくはリチウムのカチオンであるとき、触媒前駆体対活性化剤モル比は上記いずれのモル比であってもよい。記載した活性化剤化合物の組合せを活性化のために使用してもよい。例えば、トリス(ペルフルオロフェニル)ホウ素をメチルアルモキサンと併用することができる。
一般に、触媒化合物と活性化剤を約1:10,000〜約10:1の比で併用する。アルモキサン又はアルミニウムアルキル活性化剤を使用する場合、触媒対活性化剤のモル比は1:5000〜10:1、或いは1:1000〜10:1;或いは、1:500〜2:1;又は1:300〜1:1であってよい。イオン化活性化剤を使用する場合、触媒対活性化剤のモル比は10:1〜1:10;5:1〜1:5;2:1〜1:2;又は1.2:1〜1:1である。複数の活性化剤を使用してよく、アルモキサン又はアルミニウムアルキルとイオン化活性化剤の混合物の使用が挙げられる。
一実施形態では、捕捉剤、連鎖移動剤等を含めた他の添加剤を使用してよい。好適な例には、アルキルアルモキサンを含んでなるアルミニウム含有化合物があり、それは(1)MAO、(2)下記式:
Figure 2015513583
(式中、R1、R2、及びR3は、それぞれ個々にC1-C20ヒドロカルビル基を含む)で表される化合物、又は(3)その組合せ(ここで、R1、R2、及びR3はそれぞれ個々にC1-C8脂肪族基を含む)、及び/又は(4)式ZnR1R2(式中、R1及びR2はそれぞれ個々にC1-C20ヒドロカルビル基を含み、或いはR1又はR2はそれぞれ個々にC1-C8脂肪族基を含む)で表される亜鉛含有化合物であってよい。
一実施形態では、アルミニウム含有化合物はMAO、トリメチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、又はその組合せを含む。一実施形態では、Al/Hf又はZn/Hfの当量比は約10〜10,000である。
一実施形態では、ポリマクロモノマーの製造方法は、アルミニウム含有化合物、亜鉛含有化合物、又はその組合せの存在下、20℃〜180℃の温度及び1分〜24時間の重合条件下でマクロモノマーと40wt%までのC2〜C18コモノマーを、ビニル末端マクロモノマーをオリゴマー化できる触媒系と接触させて、10より大きい重合度と約5000Da以上のMnを有するポリマクロモノマーを製造する工程を含む。
溶液、塊状、気相又はスラリー重合法又はその組合せ、又は溶液相若しくはスラリー相重合法で本明細書に記載の触媒及び触媒系を用いてポリマクロモノマーを製造することができる。超臨界法を使用することもでき、或いは製造されるマクロモノマーの融点超えの超臨界法を利用してよく、或いは重合系の曇り点超えの超臨界法を利用し得る。超臨界法の詳細に関するさらなる情報については(曇り点及び重合系の定義を含めて)、WO 2004/026921を参照されたい。
一実施形態では、ジエチル亜鉛等の他の添加剤を触媒化合物(1種以上、例えば2種)及び活性化剤と併用してよい。
一実施形態では、方法は、ポリマクロモノマーを製造するためのインライン法、又は連続法であり、モノマー(マクロモノマー)、触媒系、アルミニウム又は亜鉛化合物を反応器に導入する工程、ポリマクロモノマーを含有する反応器流出物を得る工程、未使用モノマー及び/又は他の揮発性物質を除去する工程、任意に溶媒を除去(例えばフラッシュオフ)する工程、本質的に残留モノマーのないポリマクロモノマー(例えば本明細書に記載のもの)を得る工程を含む。
一実施形態では、ポリマクロモノマーを得るための2段階法は、マクロモノマーを触媒系と接触させ、その後にポリマクロモノマーを得る工程を含むことができる。
一実施形態では、重合温度は、20℃〜180℃、又は25℃〜180℃、又は60℃〜150℃、又は80℃〜120℃であってよい。
一実施形態では、重合反応時間は、1分〜24時間、又は10分〜5時間、又は20分〜2時間、又は30〜90分、又は5分〜3時間、又は10分〜2時間、又は15分〜90分である。
一実施形態では、反応器は、反応器に入る溶媒とモノマーの重量に基づいて90wt%未満、又は85wt%未満、又は80wt%未満の希釈剤又は溶媒を含む。
一実施形態では、反応器に入るマクロモノマー対触媒化合物の重量比は10:1〜20,000:1、又は100:1〜15000:1、又は500:1〜10000:1、又は50:1〜15000:1、又は1000:1〜10000:1である。実施形態では、マクロモノマー対触媒化合物の比は500:1より大きいか又は1000:1より大きい。実施形態では、マクロモノマー対触媒化合物の比は1000:1未満又は500:1未満である。
一実施形態では、ポリマクロモノマーの重合度は3以上、又は4以上、又は5以上、又は6以上、又は10以上、又は50以上、又は100以上、又は150以上、又は200以上である。
一実施形態では、下記実験セクションに記載の1H NMRで測定したところ、重合中に少なくとも70%、又は少なくとも75%、又は少なくとも80%、又は少なくとも85%、又は少なくとも90%、又は少なくとも95%、又は少なくとも98%のマクロモノマーが消費される。
一実施形態では、ポリマクロモノマーは少なくとも1種のアタクチックプロピレンマクロモノマーと0wt%〜40wt%のC2〜C18コモノマーを含み、ここで、ポリマクロモノマーは10より大きい重合度、5000Daより大きいMn及び0℃未満のガラス転移温度及び/又は約1.5以上のMw/Mnを有する。
一実施形態では、ポリマクロモノマーオリゴマーは、100〜10,000DaのMnを有するビニル末端アイソタクチックプロピレンマクロモノマーをさらに含む。
一実施形態では、ポリマクロモノマーは、2以上の異なるマクロモノマー、又は3以上の異なるマクロモノマー、又は4以上の異なるマクロモノマーを含む。異なるマクロモノマーとは、マクロモノマーが組成(例えばモノマー含量又はマクロモノマー内のコモノマー分布等)又は分子量が異なることを意味する。例えば、一実施形態では、ポリマクロモノマーはプロピレンマクロモノマーとエチレンマクロモノマー、又はプロピレンマクロモノマーとエチレン-プロピレンマクロモノマー、又はエチレンマクロモノマーとプロピレン-エチレンマクロモノマーを含むことができる。特に好ましい実施形態では、100%ポリエチレンマクロモノマー〜100%ポリプロピレンマクロモノマーと中間のプロピレンリッチ及びエチレンリッチのバリエーションの全範囲が、非晶質及び結晶性バリエーションを含め、利用可能である。下表は、マクロモノマーのいくつかの特に好ましい組合せを示す。表中ビニル-PEはエチレンマクロモノマーであり、又は結晶構造(例えば、60℃以上のTm)及び0wt%〜10wt%のコモノマー、及び上記いずれの特性をも有し、ビニル-aPPはプロピレンマクロモノマーであり、少なくとも10%(又は少なくとも50%、又は少なくとも95%)の非晶質含量を有し、及び又は0wt%〜10wt%のコモノマーを有し、ビニル-iPPはプロピレンマクロモノマーであり、少なくとも50%のアイソタクチック五価基含量を有し、及び又は0wt%〜10wt%のコモノマー及び/又は少なくとも70℃の融点を有し、ビニル-EPはエチレン-プロピレンマクロモノマーであり、10wt%〜50wt%のプロピレン及び90wt%〜50wt%のエチレンを有する。ビニル-PSはスチレンマクロモノマーであり、0wt%〜50wt%のコモノマーを有する。ビニル-pe*はプロピレン-エチレンマクロモノマーであり、10wt%〜50wt%のエチレン及び90wt%〜50wt%のプロピレンを有する。表中、マクロモノマーが同名を有する場合、それらは分子量又は結晶化度等、別の意味で異なるものと考えてください。
Figure 2015513583
一実施形態では、ポリマクロモノマーは少なくとも2種のマクロモノマーを含み、第1マクロモノマーは60wt%以上のエチレンを含み、第2マクロモノマーは60wt%以上のプロピレンを含む。
一実施形態では、ターマクロモノマーが存在して3つの異なるマクロモノマーを有するポリマクロモノマー、例えばビニル-aPP+ビニル-PE+ビニル-EPを生成する。
一実施形態では、ポリマクロモノマーは、少なくとも200g/モル、或いは少なくとも300g/モル、或いは少なくとも1000g/モル、或いは少なくとも3000g/モル、或いは少なくとも5000g/モルだけ分子量(Mw)が異なるマクロモノマーを含むことができる。一実施形態では、マクロモノマー中の少なくとも50wt%(又は少なくとも60wt%、又は少なくとも70wt%、又は少なくとも80wt%)のモノマーは、分子量(Mw)が少なくとも200g/モル、或いは少なくとも300g/モル、或いは少なくとも1000g/モル、或いは少なくとも3000g/モル、或いは少なくとも5000g/モルだけ異なる。
一実施形態では、ポリマクロモノマーは、モノマー含量が異なるマクロモノマーを含むことができ、モノマーは少なくとも1個の炭素、或いは少なくとも2個の炭素、或いは少なくとも4個の炭素、或いは少なくとも6個の炭素だけ異なる。一実施形態では、マクロモノマー中の少なくとも50wt%(又は少なくとも60wt%、又は少なくとも70wt%、又は少なくとも80wt%)のモノマーが少なくとも1個の炭素、或いは少なくとも2個の炭素、或いは少なくとも4個の炭素、或いは少なくとも6個の炭素だけ異なる。
一実施形態では、ポリマクロモノマーは総コモノマー含量が少なくとも2wt%、又は少なくとも5wt%、又は少なくとも10wt%、又は少なくとも15wt%、又は少なくとも20wt%だけ異なるマクロモノマーを含むことができる。
一実施形態では、ポリマクロモノマーは少なくとも1種のビニル末端マクロモノマーと0wt%〜40wt%のC2〜C18コモノマーを含み、ここで、ポリマクロモノマーは10より大きい重合度、5000Daより大きいMn、0.9未満の分岐指数g'(vis)、及び60℃未満のガラス転移温度を有し、重合前のマクロモノマーは、1)12〜600個の炭素原子、2)170以上のMn、3)60℃以下の融点(Tm)、及び4)マクロモノマーの重量に基づいて、10wt%未満の芳香族含有モノマーを有する。
一実施形態では、ビニル末端マクロモノマーはポリプロピレンを含み、例えば、ビニル末端マクロモノマーはアタクチックポリプロピレンを含むか、又はアイソタクチックポリプロピレンとアタクチックポリプロピレンを含む。一実施形態では、ビニル末端マクロモノマーのMw/Mnは1.5未満、好ましくは1.4未満、好ましくは1〜1.4、好ましくは1〜1.3、好ましくは1〜1.2、好ましくは1.0〜1.1、好ましくは1.01〜1.05である。
一実施形態では、ポリマクロモノマーの重合度は15以上、例えば、30〜200である。一実施形態では、ポリマクロモノマーのg'(vis)は0.3以下、0.25以下、又は0.20以下である。一実施形態では、ポリマクロモノマーは約1.5以上、又は約2以上のMWDを有する。一実施形態では、Mn(SEC-vis)はMn(SEC-RI)より大きく、MWD(SEC-vis)はMWD(SEC-RI)より小さい。
特に好ましい実施形態では、本明細書に記載のいずれのビニル末端マクロモノマーのMw/Mnも1.5未満、好ましくは1.4未満、好ましくは1.01〜1.4、好ましくは1.01〜1.3、好ましくは1.01〜1.2、好ましくは1.01〜1.1、好ましくは1.01〜1.05である。
別の特に好ましい実施形態では、本明細書に記載のいずれのビニル末端マクロモノマーのMw/Mnも1.5未満、好ましくは1.4未満、好ましくは1.01〜1.4、好ましくは1.01〜1.3、好ましくは1.01〜1.2、好ましくは1.01〜1.1、好ましくは1.01〜1.05であり;かつ前記ビニル末端マクロモノマーを含むポリマクロモノマーのMw/Mnは1.5以上、又は2以上、或いは5以上、或いは10以上のMWDを有する。
一実施形態では、ポリマクロモノマーはせん断減粘レオロジー(shear thinning rheology)を含む。一実施形態では、ポリマクロモノマーは、35℃で100Pa・秒より大きいゼロせん断粘度及び100℃で100Pa・秒未満のゼロせん断粘度を含む。一実施形態では、ポリマクロモノマーは、5kcal/モルより大きい、又は10kcal/モルより大きい、又は15kcal/モル以上の流れ活性化エネルギーを含む。本明細書では、流れ活性化エネルギーは、微小振幅振動せん断(small amplitude oscillatory shear)(SAOS)手順を利用して粘度データを得、アレニウス型の関係(例えば、ln(η)対1/Tのプロットは、Ef/Rの勾配を有する直線であり、ηは粘度、Tはケルビン温度であり、Rは一般気体定数であり、Efは流れ活性化エネルギーである)を適用して決定される。
一実施形態では、オリゴマー化生成物の分子量の制御方法は、100〜10,000DaのMnを有し、総飽和に対して少なくとも70%のビニル末端(1H NMRで測定)を含むビニル末端アタクチックプロピレンマクロモノマーと、40wt%までのC2〜C18コモノマーとを、ビニル末端マクロモノマーをオリゴマー化できる触媒系と、20℃〜180℃の温度及び反応時間の重合条件下、アルキルアルモキサン、式AlR3、ZnR2で表される化合物又はその組合せ(式中、各Rは独立にC1-C8脂肪族基である)を含む連鎖移動剤の存在下で接触させて、10より大きい重合度と、約5000Da以上のMnとを有するポリマクロモノマーを製造する工程を含み、ここで、2000Da〜20,000Daの範囲内の分子量を有するポリマクロモノマーを製造するようにRの組成、Al対触媒の比、Zn対触媒の比、反応時間、又はその組合せを選択する。一実施形態では、ポリマクロモノマーは0℃未満のガラス転移温度Tgを有する。
一実施形態では、連鎖移動剤がAlR3であり、各Rをメチル基と選択して、各Rをオクチル基と選択した実質的に同一の方法に比べて、ポリマクロモノマーの分子量を減少させる。
一実施形態では、反応時間をより長く選択して、反応時間をより短く選択した実質的に同一の方法に比べてポリマクロモノマーの分子量を減らす。一実施形態では、連鎖移動剤はアルモキサンであり、方法は、ブチル化ヒドロキシトルエンの非存在下の実質的に同一の方法に比べてポリマクロモノマーの分子量を増加させるのに十分な量のブチル化アルモキサンを添加する工程をさらに含む。
一実施形態では、二峰性分子量分布を有するオリゴマーの製造方法は、100〜10,000DaのMnを有し、かつ総不飽和に対して少なくとも70%のビニル末端(1H NMRで測定)を含む第1部分のビニル末端アタクチックプロピレンマクロモノマーと、40wt%までのC2〜C18コモノマーとを、ビニル末端マクロモノマーをオリゴマー化できる触媒系と、反応器内で20〜180℃の温度の重合条件下で第1反応時間、アルキルアルモキサン、式AlR3、ZnR2で表される化合物又はその組合せ(式中、各Rは独立にC1-C8脂肪族基である)を含む連鎖移動剤の存在下で接触させた後、第2部分のビニル末端アタクチックプロピレンマクロモノマーを反応器に添加して、第2反応時間触媒系とさらに接触させて、10より大きい重合度と、0℃未満のガラス転移温度Tgと、約5000Da以上のMnとを有し、かつ二峰性分子量分布を有するポリマクロモノマーを製造する工程を含む。
さらなる実施形態では、例えば、異なるマクロモノマーに、ある一定の時間間隔で触媒添加、連鎖移動剤の共存濃度及び/又は添加等を律動的に施すことによって、マクロモノマーのブロックを製造できるように重合条件を操作することができる。例えば、プロピレンマクロモノマーを重合させてから、大量のエチレンマクロモノマーを重合させてジブロックポリマクロモノマーを作り出さすか、又はポリマクロモノマーの混合物を製造することができた。
本発明は、下記実施形態に関する。
1. ポリマクロモノマーの製造方法であって、(1)125Da以上のMn、総不飽和に対して少なくとも70%のビニル末端(1H NMRで測定)、及び好ましくは1.5未満(好ましくは1.4未満、好ましくは1.01〜1.4、好ましくは1.01〜1.3、好ましくは1.01〜1.2、好ましくは1.01〜1.1)のMWDを有するビニル末端マクロモノマー(VTM)と、(2)40wt%までのC2〜C18コモノマーとを、(3)ビニル末端マクロモノマーをオリゴマー化できる触媒系と、連鎖移動剤の存在下、20℃〜180℃の温度及び1分〜24時間の重合条件下で接触させて、10より大きい重合度と、約5000Da以上のMnとを有するポリマクロモノマーを製造する工程を含む方法。
2. VTMが、重合前に下記:
(i)少なくとも5%のアリル鎖端を有するビニル末端ポリマー;
(ii)少なくとも200g/モル(1H NMRで測定)を有し、1種以上のC4〜C40高級オレフィン誘導単位から成るビニル末端ポリマー(高級オレフィンポリマーは、実質的にプロピレン誘導単位を含まず;かつ高級オレフィンポリマーは少なくとも5%のアリル鎖端を有する);
(iii)300g/モル以上のMn(1H NMRで測定)を有し、(a)約20モル%〜約99.9モル%の少なくとも1種のC5〜C40高級オレフィン、及び(b)約0.1モル%〜約80モル%のプロピレンを含むコポリマー(高級オレフィンコポリマーは少なくとも40%のアリル鎖端を有する);
(iv)300g/モル以上のMn(1H NMRで測定)を有し、かつ(a)約80モル%〜約99.9モル%の少なくとも1種のC4オレフィン、(b)約0.1モル%〜約20モル%のプロピレンを含むコポリマー(かつビニル末端マクロモノマーは、総不飽和に対して少なくとも40%のアリル鎖端を有する);
(v)300g/モル〜30,000g/モル(1H NMRで測定)のMnを有し、10モル%〜90モル%のプロピレン及び10モル%〜90モル%のエチレンを含むコオリゴマー(オリゴマーは少なくともX%のアリル鎖端(総不飽和に対して)を有し、1)10モル%〜60モル%のエチレンがコオリゴマー中に存在するときは、X=(-0.94*(組み入れられたエチレンのモル%)+100)、2)60モル%より多く、70モル%未満のエチレンがコオリゴマー中に存在するときは、X=45、及び3)70モル%〜90モル%のエチレンがコオリゴマー中に存在するときは、X=(1.83*(組み入れられたエチレンのモル%)-83));
(vi)90モル%より多いプロピレンと、10モル%未満のエチレンとを含むプロピレンオリゴマー(オリゴマーは、少なくとも93%のアリル鎖端、約500g/モル〜約20,000g/モルの数平均分子量(Mn)、0.8:1〜1.35:1.0のイソブチル鎖端対アリルビニル基比、100ppm未満のアルミニウム、及び/又は10,000モノマー単位当たり250未満の位置欠陥を有する);
(vii)少なくとも50モル%のプロピレンと、10モル%〜50モル%のエチレンとを含むプロピレンオリゴマー(オリゴマーは、少なくとも90%のアリル鎖端、約150g/モル〜約10,000g/モルのMn、及び0.8:1〜1.2:1.0のイソブチル鎖端対アリルビニル基比を有し、オリゴマーには4個以上の炭素原子を有するモノマーが0モル%〜3モル%存在する);
(viii)少なくとも50モル%のプロピレンと、0.1モル%〜45モル%のエチレンと、0.1モル%〜5モル%のC4〜C12オレフィンとを含むプロピレンオリゴマー(オリゴマーは、少なくとも90%のアリル鎖端、約150g/モル〜約10,000g/モルのMn、及び0.8:1〜1.35:1.0のイソブチル鎖端対アリルビニル基比を有する);
(ix)少なくとも50モル%のプロピレンと、0.1モル%〜45モル%のエチレンと、0.1モル%〜5モル%のジエンとを含むプロピレンオリゴマー(オリゴマーは少なくとも90%のアリル鎖端、約150g/モル〜約10,000g/モルのMn、及び0.7:1〜1.35:1.0のイソブチル鎖端対アリルビニル基比を有する);
(x)プロピレンを含むホモオリゴマー(オリゴマーは少なくとも93%のアリル鎖端、約500g/モル〜約20,000g/モルのMn、0.8:1〜1.2:1.0のイソブチル鎖端対アリルビニル基比、及び1400ppm未満のアルミニウムを有する);
(xi)下記:(a)少なくとも60%のアリル鎖端;(b)4.0以下の分子量分布;(c)0.95より大きいg'(vis);及び(d)少なくとも20,000g/モルのMn(1H NMR)を有するビニル末端ポリエチレン;及び
(xii)下記:(a)少なくとも50%のアリル鎖端;(b)4.0以下の分子量分布;(c)0.95以下のg'(vis);(d)少なくとも7,000g/モルのMn(1H NMR);及び(e)約0.8〜約1.2の範囲のMn(GPC)/Mn(1H NMR)を有するビニル末端ポリエチレン
の1つ以上である、実施形態1に記載の方法。
3. 連鎖移動剤が可逆性である、実施形態1又は2に記載の方法。
4. 連鎖移動剤が、アルミニウム含有化合物、亜鉛含有化合物、又はその組合せから選択される、実施形態1〜3のいずれか1つに記載の方法。
5. ポリマクロモノマーが0.9未満の分岐指数g'(vis)を有する、実施形態1〜4のいずれか1つに記載の方法。
6. ポリマクロモノマーが0.5未満の分岐指数g'(vis)を有する、実施形態1〜4のいずれか1つに記載の方法。
7. ポリマクロモノマーが0.3未満の分岐指数g'(vis)を有する、実施形態1〜4のいずれか1つに記載の方法。
8. ポリマクロモノマーが0.1〜0.25、又は0.12〜0.22の分岐指数g'(vis)を有する、実施形態1〜4のいずれか1つに記載の方法。
9. ポリマクロモノマーが60℃以下の融点(Tm)を有する、実施形態1〜8のいずれか1つに記載の方法。
10. ポリマクロモノマーが-10℃〜40℃のガラス転移温度Tgを有する、実施形態1〜9のいずれか1つに記載の方法。
11. VTMが重合前に下記:
1) 12(又は15、又は18)〜600個の炭素原子;
2) 170以上、又は220以上、又は260以上のMn;
3) 1.01〜2.5(好ましくは1.01〜1.5未満、好ましくは1.01〜1.4、好ましくは1.01〜1.3、好ましくは1.01〜1.2、好ましくは1.01〜1.1)のMw/Mn;
4) 60℃以下の融点(Tm);及び
5) マクロモノマーの重量に基づいて、10wt%未満の芳香族含有モノマー
を含む、実施形態1〜10のいずれか1つに記載の方法。
12. VTMが重合前に少なくとも50モル%のアタクチックポリプロピレンを含む、実施形態1〜11のいずれか1つに記載の方法。
13. VTMが重合前に0℃未満のガラス転移温度(Tg)を含む、実施形態1〜12のいずれか1つに記載の方法。
14. ポリマクロモノマーの重合度が15以上である、実施形態1〜13のいずれか1つに記載の方法。
15. ポリマクロモノマーの重合度が25〜200である、実施形態1〜14のいずれか1つに記載の方法。
16. 触媒系が下記式で表される化合物を含む、実施形態1〜15のいずれか1つに記載の方法。
Figure 2015513583
17. 連鎖移動剤が、アルキルアルモキサン及び下記式:
Figure 2015513583
(式中、R1、R2、及びR3はそれぞれ個々にC1-C20ヒドロカルビル基を含む)
で表される化合物の1つ又は組合せと含んでなるアルミニウム含有化合物を含む、実施形態1〜16のいずれか1つに記載の方法。
18. R1、R2、及びR3がそれぞれ個々にC1-C8脂肪族基を含む、実施形態17に記載の方法。
19. 連鎖移動剤が、式ZnR2(式中、各Rは個々にC1-C20ヒドロカルビル基を含む)で表される亜鉛含有化合物をさらに含む、実施形態1〜18のいずれか1つに記載の方法。
20. 連鎖移動剤が、式ZnR2(式中、各Rは個々にC1-C8脂肪族基を含む)で表される亜鉛含有化合物をさらに含む、実施形態1〜18のいずれか1つに記載の方法。
21. 連鎖移動剤が、MAO、トリメチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、又はその組合せを含んでなるアルミニウム含有化合物を含む、実施形態1〜20のいずれか1つに記載の方法。
22. 触媒系が約10〜10,000のAl/Hf当量比を含む、実施形態1〜21のいずれか1つに記載の方法。
23. マクロモノマー/触媒Hf当量比が500より大きいか、又は1000より大きい、実施形態1〜22のいずれか1つに記載の方法。
24. マクロモノマー/触媒Hf当量比が1000未満である、実施形態1〜23のいずれか1つに記載の方法。
25. 触媒系が下記式:
(Z)d + (Ad-)
(式中、Zは(L-H)、又は還元できるルイス酸であり、Lは中性ルイス塩基であり;Hは水素であり;(L-H)+はブレンステッド酸であり;Ad-は、電荷d-を有する非配位アニオンであり;dは1〜3の整数である)
で表される活性化剤を含む、実施形態1〜24のいずれか1つに記載の方法。
26. 触媒系が下記式:
(Z)d + (Ad-)
(式中、Ad-は、電荷d-を有する非配位アニオンであり;dは1〜3の整数であり、Zは、下記式:(Ar3C+)(式中、Arはアリール基、ヘテロ原子で置換されたアリール基、1つ以上のC1〜C40ヒドロカルビル基で置換されたアリール基、元素周期表の第13族〜第17族の元素を含む1つ以上の官能基で置換されたアリール基、又はその組合せである)で表される還元できるルイス酸である)で表される活性化剤を含む、実施形態1〜25のいずれか1つに記載の方法。
27. 触媒系が下記:
N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート;トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート;トリメチルアンモニウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボラート;トリエチルアンモニウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボラート;トリプロピルアンモニウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボラート;トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボラート;トリ(tert-ブチル)アンモニウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボラート;N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボラート;N,N-ジエチルアニリニウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボラート;N,N-ジメチル-(2,4,6-トリメチルアニリニウム)テトラキス(ペルフルオロナフチル)ボラート;トロピリウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボラート;トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボラート;トリフェニルホスホニウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボラート;トリエチルシリリウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボラート;ベンゼン(ジアゾニウム)テトラキス(ペルフルオロナフチル)ボラート;トリメチルアンモニウムテトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボラート;トリエチルアンモニウムテトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボラート;トリプロピルアンモニウムテトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボラート;トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボラート;トリ(tert-ブチル)アンモニウムテトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボラート;N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボラート;N,N-ジエチルアニリニウムテトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボラート;N,N-ジメチル-(2,4,6-トリメチルアニリニウム)テトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボラート;トロピリウムテトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボラート;トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボラート;トリフェニルホスホニウムテトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボラート;トリエチルシリリウムテトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボラート;ベンゼン(ジアゾニウム)テトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボラート;[4-tert-ブチル-PhNMe2H][(C6F3(C6F5)2)4B];トリメチルアンモニウムテトラフェニルボラート;トリエチルアンモニウムテトラフェニルボラート;トリプロピルアンモニウムテトラフェニルボラート;トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラフェニルボラート;トリ(tert-ブチル)アンモニウムテトラフェニルボラート;N,N-ジメチルアニリニウムテトラフェニルボラート;N,N-ジエチルアニリニウムテトラフェニルボラート;N,N-ジメチル-(2,4,6-トリメチルアニリニウム) テトラフェニルボラート;ロピリウム(ropillium)テトラフェニルボラート;トリフェニルカルベニウムテトラフェニルボラート;トリフェニルホスホニウムテトラフェニルボラート;トリエチルシリリウムテトラフェニルボラート;ベンゼン(ジアゾニウム)テトラフェニルボラート;トリメチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート;トリエチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート;トリプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート;トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート;トリ(sec-ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート;N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート;N,N-ジエチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート;N,N-ジメチル-(2,4,6-トリメチルアニリニウム)テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート;トロピリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート;トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート;トリフェニルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート;トリエチルシリリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート;ベンゼン(ジアゾニウム)テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート;トリメチルアンモニウムテトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボラート;トリエチルアンモニウムテトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボラート;トリプロピルアンモニウムテトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボラート;トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロ-フェニル)ボラート;ジメチル(tert-ブチル)アンモニウムテトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボラート;N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボラート;N,N-ジエチルアニリニウムテトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボラート;N,N-ジメチル-(2,4,6-トリメチルアニリニウム)テトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボラート;トロピリウムテトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボラート;トリフェニルカルベニウムテトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボラート;トリフェニルホスホニウムテトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボラート;トリエチルシリリウムテトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボラート;ベンゼン(ジアゾニウム)テトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボラート;トリメチルアンモニウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート;トリエチルアンモニウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート;トリプロピルアンモニウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート;トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート;トリ(tert-ブチル)アンモニウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート;N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート;N,N-ジエチルアニリニウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート;N,N-ジメチル-(2,4,6-トリメチルアニリニウム)テトラキス (3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート;トロピリウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート;トリフェニルカルベニウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート;トリフェニルホスホニウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート;トリエチルシリリウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート;ベンゼン(ジアゾニウム)テトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート;ジ-(i-プロピル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート;ジシクロヘキシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート;トリ(o-トリル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート;トリ(2,6-ジメチルフェニル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート;トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペルフルオロフェニル)ボラート;1-(4-(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラート)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)ピロリジニウム;テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート;4-(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラート)-2,3,5,6-テトラフルオロピリジン;トリフェニルカルベニウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート);及びその組合せ
から成る群より選択される活性化剤を含む、実施形態1〜26のいずれか1つに記載の方法。
28. ビニル末端マクロモノマー及び40wt%までのC2〜C18コモノマーを水素の存在下でオリゴマー化触媒系と接触させる、実施形態1〜27のいずれか1つに記載の方法。
29. ビニル末端アタクチックマクロモノマー及び40wt%までのC2〜C18コモノマーをメチルアルモキサン及びブチル化ヒドロキシトルエンの存在下でオリゴマー化触媒系と接触させる、実施形態1〜28のいずれか1つに記載の方法。
30. ビニル末端マクロモノマーが、重合前に、2未満、1.5未満、1.2未満、1.1未満、又は1.01〜1.05のMWD(Mw/Mn)を有する、実施形態1〜29のいずれか1つに記載の方法。
31. ポリマクロモノマーがMn(1H NMR)より大きいMn(SEC-RI)を含む、実施形態1〜30のいずれか1つに記載の方法。
32. ポリマクロモノマーがMn(SEC-RI)より大きいMn(SEC-vis)を含む、実施形態1〜31のいずれか1つに記載の方法。
33. ポリマクロモノマーがMn(SEC-RI)より大きいMn(SEC-3)を含む、実施形態1〜32のいずれか1つに記載の方法。
34. ポリマクロモノマーがMWD(1H NMR)より小さいMWD(SEC-RI)を含む、実施形態1〜33のいずれか1つに記載の方法。
35. ポリマクロモノマーがMWD(SEC-RI)より小さいMWD(SEC-vis)を含む、実施形態1〜34のいずれか1つに記載の方法。
36. ポリマクロモノマーがMWD(SEC-RI)より小さいMWD(SEC-3)を含む、実施形態1〜35のいずれか1つに記載の方法。
37. ポリマクロモノマーが5kcal/モルより大きい、10kcal/モルより大きい、又は12kcal/モルより大きい、又は15kcal/モルより大きい流れ活性化エネルギーを含む、実施形態1〜29のいずれか1つに記載の方法。
38. 接触工程が段階的であり、反応器内で第1部分のビニル末端マクロモノマーを第1の時間接触させた後、第2部分のビニル末端マクロモノマーを反応器に添加して第2の時間接触させる(ここで、ポリマクロモノマーは二峰性分子量分布を有する)、実施形態1〜37のいずれか1つに記載の方法。
39. 実施形態1〜38のいずれか1つに記載の方法により製造されたポリマクロモノマー。
40. 少なくとも1種のアタクチックプロピレンマクロモノマーと、0wt%〜40wt%のC2〜C18コモノマーとを含んでなるポリマクロモノマーであって、このポリマクロモノマーは10より大きい重合度と、5000Daより大きいMnと、0.9未満の分岐指数(g'(vis))と、60℃未満のガラス転移温度とを有し、重合前のマクロモノマーは下記:
1) 12〜600個の炭素原子;
2) 170以下のMn;
3) 60℃以下の融点(Tm);及び
4) マクロモノマーの重量に基づいて10wt%未満の芳香族含有モノマー;及び
5) 好ましくは、1.01〜1.5未満(好ましくは1.01〜1.4、好ましくは1.01〜1.3、好ましくは1.01〜1.2、好ましくは1.01〜1.1)のMWD
を含む、ポリマクロモノマー。
41. ポリマクロモノマーが0.5未満の分岐指数g'(vis)を有する、実施形態40のポリマクロモノマー。
42. ポリマクロモノマーが0.3未満の分岐指数g'(vis)を有する、実施形態40又は41のポリマクロモノマー。
43. ポリマクロモノマーが0.25未満の分岐指数g'(vis)を有する、実施形態40〜42のいずれか1つのポリマクロモノマー。
44. ポリマクロモノマーが0.12〜0.22の分岐指数g'(vis)を有する、実施形態40〜43のいずれか1つのポリマクロモノマー。
45. -10℃〜40℃のガラス転移温度Tgを含む、実施形態40〜44のいずれか1つのポリマクロモノマー。
46. マクロモノマーが重合前に下記:
1) 少なくとも15、又は少なくとも18個の炭素原子;
2) 220以上、又は260以上のMn;及び
3) 1.01〜2.5(好ましくは1.01〜1.5未満、好ましくは1.01〜1.4未満、好ましくは1.01〜1.35、好ましくは1〜1.30、好ましくは1〜1.2、好ましくは1.0〜1.1、好ましくは1.01〜1.05)のMw/Mn
を含む、実施形態40〜45のいずれか1つのポリマクロモノマー。
47. ポリマクロモノマーの重合度が15以上である、実施形態40〜46のいずれか1つのポリマクロモノマー。
48. ポリマクロモノマーの重合度が25〜200である、実施形態40〜47のいずれか1つのポリマクロモノマー。
49. ビニル末端マクロモノマーが、重合前に、2未満、1.5未満、1.2未満、1.1未満、又は1.01〜1.05のMWD(Mw/Mn)を有する、実施形態40〜48のいずれか1つのポリマクロモノマー。
50. ポリマクロモノマーがMn(1H NMR)より大きいMn(SEC-RI)を含む、実施形態40〜49のいずれか1つのポリマクロモノマー。
51. ポリマクロモノマーがMn(SEC-RI)より大きいMn(SEC-3)を含む、実施形態40〜50のいずれか1つのポリマクロモノマー。
52. ポリマクロモノマーがMWD(1H NMR)より小さいMWD(SEC-RI)を含む、実施形態40〜51のいずれか1つのポリマクロモノマー。
53. ポリマクロモノマーがMWD(SEC-RI)より小さいMWD(SEC-vis)を含む、実施形態40〜52のいずれか1つのポリマクロモノマー。
54. ポリマクロモノマーがMWD(SEC-RI)より小さいMWD(SEC-3)を含む、実施形態40〜53のいずれか1つのポリマクロモノマー。
55. ポリマクロモノマーが12kcal/モルより大きい、又は15kcal/モルより大きい流れ活性化エネルギーを含む、実施形態40〜54のいずれか1つのポリマクロモノマー。
56. 二峰性MWDを含む、実施形態40〜55のいずれか1つのポリマクロモノマー。
57. 5kcal/モルより大きい、10kcal/モルより大きい、12kcal/モルより大きい、又は15kcal/モルより大きい流れ活性化エネルギーを含む、実施形態40〜56のいずれか1つのポリマクロモノマー。
58. せん断減粘レオロジーを含む、実施形態40〜57のいずれか1つのポリマクロモノマー。
59. 35℃で100Pa・秒より大きいゼロせん断粘度を有し、100℃で100Pa・秒未満のゼロせん断粘度を有する、実施形態40〜58のいずれか1つのポリマクロモノマー。
60. 1〜100秒-1のせん断速度及び35℃〜100℃の少なくとも1種の温度の間にニュートンプラトーからせん断減粘レオロジーへの移行を含む、実施形態40〜59のいずれか1つのポリマクロモノマー。
61. 35℃の温度で1〜100秒-1のせん断速度にわたるニュートンプラトーを含む、実施形態40〜60のいずれか1つのポリマクロモノマー。
62. ポリマクロモノマーの製造方法であって、(1)160Da以上のMn及び総不飽和に対して少なくとも30%のビニル末端(1H NMRで測定)を有するビニル末端マクロモノマーと、(2)40wt%までのC2〜C18コモノマーとを、(3)任意で、アルミニウム含有化合物、亜鉛含有化合物、又はその組合せから選択される可逆性連鎖移動剤の存在下、ビニル末端マクロモノマーをオリゴマー化できる触媒系と、20℃〜180℃の温度及び1分〜24時間の重合条件下で接触させて、10より大きい重合度と、0.9未満の分岐指数g'(vis)と、-10℃〜40℃のTgと、約5000Da以上のMnとを有するポリマクロモノマーを製造する工程を含む方法。
63. ポリマクロモノマーの製造方法であって、(1)12〜600個の炭素原子、220Da以上のMn、60℃以下の融点(Tm)及び総不飽和に対して70%のビニル末端(1H NMRで測定)を含むビニル末端アタクチックプロピレンマクロモノマーと、(2)40wt%までのC2〜C18コモノマーとを、(3)ビニル末端マクロモノマーをオリゴマー化できるハフニウム触媒系と、アルミニウム含有化合物、亜鉛含有化合物、又はその組合せから選択される可逆性連鎖移動剤の存在下、20℃〜180℃の温度、約10〜10,000のAl/Hf当量比、500より大きいマクロモノマー/触媒Hf当量比及び1分〜24時間の重合条件下で接触させて、10より大きい重合度と、0.3未満の分岐指数g'(vis)と、-10℃〜40℃のTgと、約1500Da以上のMnと、Mn(SEC-RI)より大きいMn(SEC-vis)と、MWD(SEC-vis)より大きいMWD(SEC-RI)と、10kcal/モルより大きい流れ活性化エネルギーとを有するポリマクロモノマーを製造する工程を含む方法。
別の実施形態では、本明細書に記載のいずれのポリマクロモノマーも下記特性の1(2、3、4、5、6、7、又は8)つを有し得る:
1) 0.3以下のg';及び又は
2) 約1.5以上のMWD;及び又は
3) 15以上の重合度(好ましくは30〜200);及び又は
4) せん断減粘レオロジー;及び又は
5) 100Pa・秒より大きい35℃ゼロせん断速度及び100Pa・秒未満の100℃ゼロせん断速度;及び又は
6) Mn(SEC-RI)より大きいMn(SEC-vis)及びMWD(SEC-RI)より小さいMWD(SEC-vis);及び又は
7) 5kcal/モルより大きい流れ活性化エネルギー;及び又は
8) 0.25未満の分岐指数g'(vis)。
実験
下記非限定例は、ビニル末端マクロモノマー(VTM)、特に、125〜6,400DaのMnを有する一連のVT-アタクチックPP(VT-aPP)マクロモノマーのホモオリゴマー化及び共重合の実施形態を開示する。例示実施形態には、図1に示す構造を有するビス(フェノラート)エーテルハフニウム錯体(本明細書ではOMCと称する)に基づいた系を用いるこれらのVT-aPPのホモオリゴマー化がある。これらの実験及び実施例は、とりわけ、オリゴマー化の反応速度論、種々の活性化剤/捕捉剤、反応条件(温度、濃度、[M]/[Hf]比、マクロモノマーのMn又はMw等)及び水素が失活/再活性化に及ぼす効果、並びにいくつかのVT-aPPポリマクロモノマーが及びオリゴマクロマーの特徴づけ及び評価を探究する。VT-aPPは、α-オレフィンコモノマーとして1-ヘキセン及び4-メチル-1-ペンテン(4M1P)を利用する共重合の実施形態でさらに例示される。実施例には、コオリゴマーとしてVT-アイソタクチックPP(VT-iPP)及びVT-aPPとのVTMヘテロオリゴマーがさらに含まれる。製造されるオリゴマーの分子量の制御方法には、連鎖移動剤(CTA)としてアルミニウムアルキル及び亜鉛アルキルの存在下で行なわれるオリゴマー化の例がある。
実験セクション
全ての操作は、アルゴン雰囲気下でグローブボックス(Braun MB-150 GI又はLM-130)及びシュレンク技法を用いて行なった。1H NMR分光測定はVarian 400 NMR分光器を用いて行なった。データはVNMR-ソフトウェアを用いて得た。化学シフトは残留CHCl3(1Hでは7.26ppmのδ)に対して報告する。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)は、Waters 2695分離モジュール、Waters 2414屈折率検出器(40℃)、Waters 2487デュアル吸光度検出器、PSS SDV 5mmのガードカラム、次いで連続して5mmの2つのPSS SDV linearXLカラム(8×300)を備えたWaters Allianceシステムで40℃にて測定した。BHTで安定化したテトラヒドロフラン(THF, Biosolve)を溶出剤として1mL・分-1の流速で用いた。分子量はポリスチレン標準物質(Polymer Laboratories, Mp=580Da〜Mp=7.1・106Daまで)に対して計算した。SEC分析を行なう前に、サンプルを0.2μmPTFEフィルター(13mm, PP housing, Alltech)でろ過した。低分子量サンプルのSECは、Waters 2695分離モジュール、Waters 2414屈折率検出器(40℃)、Waters 2486 UV検出器、PSS SDV 5mmのガードカラム、次いで連続して5mmの2つのPSS SDV 500Åカラム(8×300)を備えたWaters Allianceシステムで、BHTで安定化したTHFを溶出剤として用いて、1mL・分-1の流速で40℃にて行なった。分子量はポリスチレン標準物質(Polymer Laboratories, Mp=580Da〜Mp=21,000Daまで)に対して計算した。高温SECは、Polymer Laboratories PLXT-20 Rapid GPC Polymer Analysis System(ポンプ、屈折率検出器及び粘度検出器を含む)で160℃にて連続した3つのPLgel Olexis(300×7.5mm, Polymer Laboratories)カラムを用いて行なった。溶出剤としてブチル化ヒドロキシトルエン(0.5g・L-1)及びIrganox 1010(20mg・L-1)を含有する1,2,4-トリクロロベンゼンを1.0mL・分-1の流速で用いた。分子量はポリエチレン標準物質(Polymer Laboratories, Mp=5.310〜Mp=1.510.000g/モルまで)に対して計算した。Polymer Laboratories PL XT-220ロボットサンプルハンドリングシステムをオートサンプラーとして使用した。熱分析は示差走査熱量計(TA InstrumentsからのDSC Q1000)で行なった。6〜10mgのポリマーをアルミニウムパンに入れた。サンプルを通常は-80℃〜50℃に10℃・分-1で加熱し、50℃で2時間保持してから-80℃に10℃・分-1で冷却した。この温度で2分後、サンプルを再び50℃に10℃・分-1で加熱した。レオロジー実験は、ペルチェ(Peltier)プレートと40mmの上部プレート(400μ間隔)を備えたAR G2トーションレオメータ(TA Instruments)を用いて行なった。定常状態流測定は、25℃〜100℃の範囲の温度で等温的に行なった。実際の測定前にサンプルを特定温度で2分間平衡化した。せん断速度は0.5〜500秒-1にわたった。
秩序メソポーラス炭素触媒系(OMC)中のジクロロ(2',2'''-(ペンタン-2,4-ジイルビス(オキシ))ビス(3-(9H-カルバゾール-9-イル)-5-メチル-[1,1'-ビフェニル]-2-オラート))ハフニウムは米国特許出願第2006/0052554(A1)号又は米国特許第7,126,031号の記載どおりに調製した。VT-aPPモノマーは、米国特許出願第2009/0318644号の手順に従って製造した。VT-aPPモノマーは3Å分子ふるい上で乾燥させた。メチルアルモキサン(トルエン中10wt%, Chemtura)、トリオクチルアルミニウム(ヘキサン中25wt%, Aldrich)、トリメチルアルミニウム(Aldrich)、トリイソブチルアルミニウム(Aldrich)及びジエチル亜鉛(Aldrich)は、さらに精製せずに使用した。4-メチル-1-ペンテン及び1-ヘキセンは、それぞれFischer Scientific及びAcrosから購入し、活性化アルミニウムのカラムを通して精製し、引き続きアルゴン下で分子ふるい上にて貯蔵した。エチレン(4.5等級、Air Liquidにより供給)は、BTS銅触媒及び4Å分子ふるいのカラム上を通して精製した。トルエン及びメタノールはBiosolveから購入した。トルエンは、使用前にアルミナカラム上で乾燥させ、3回脱気し(真空/アルゴンサイクル)、グローブボックス内で窒素下にて分子ふるい上で貯蔵した。
触媒実験は、使用前にオーブン内で150℃にて乾燥させた10mLのクリンプキャップ付きバイアル内で行なった。モノマー/捕捉剤混合物はグローブボックス内で以下のように調製した:トルエン(1.2g)中のVT-aPP(典型的に1mmol)とTOA(10〜100μmol)の溶液を密閉バイアル内で2〜12時間撹拌した。次にバイアルの蓋を取って、トルエン中のOMCとトリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラートの2μmol・g-1溶液0.5gを加えた。バイアルを密閉し、適切な温度(油浴)で設定時間撹拌した。メタノールと希塩酸(10mL)を用いてオリゴマー化をクエンチした。一晩の撹拌後、結果として生じた粘性油から酸性メタノールを分離し、その後メタノール(2時間の間に3×10mL)と撹拌し、真空オーブン内で80℃にて乾燥させた。
VT-aPPの変換後、ビニリデン末端鎖はオリゴマー化されないと想定して、ビニル対ビニリデンのシグナルを比較することによってCDCl3中で1H NMRを行なった
下記実施例では下記マクロモノマーを使用した。
Figure 2015513583
ゲル浸透クロマトグラフィー
Mw、Mz、炭素原子数、g値及びg'visは、上述したようにGPCにより決定した。本明細書では、g'vis、g'vis又はg'(vis)を互換的に使用し、これらは「分岐指数」を表し、長鎖分岐ポリマー対同モノマーの直鎖ポリマーの固有粘度の比である。換言すれば、直鎖ポリマーは1.0という分岐指数g'visを有する。
13C NMR
13C NMRデータは上述したように収集及び使用した。
1H NMR
1H NMRデータは上述したように収集及び使用した。
示差走査熱量測定(DSC)
結晶化温度(Tc)、融解温度(又は融点、Tm)、ガラス転移温度(Tg)及び融解熱(Hf)は、上述したように示差走査熱量測定法(DSC)を利用して測定した。
エチレン含量
エチレンコポリマー中のエチレン含量は、最小シグナル対ノイズが10,000:1であることを除き、ASTM D 5017-96により決定した。プロピレンコポリマー中のプロピレン含量は、Method 1 in Di Martino and Kelchermans, J.Appl.Polym.Sci.56, 1781 (1995)の手法に従い、高級オレフィンコモノマーについてのZhang, Polymer 45, 2651 (2004)によるピーク割当を用いて決定した。
流れ活性化エネルギー
流れ活性化エネルギーは、1/Tの関数としての複素粘度の対数のプロットで見られるようにニュートン粘度のArrhenius型温度依存性を想定して計算した。
VT-aPPホモオリゴマー
1. VT-aPP #6の25℃及び60℃でのオリゴマー化:マクロモノマー(M)としてVT-aPP #6を用いてOMC触媒の存在下で予備実験を行なってオリゴマー化触媒前駆体としてOMC触媒を評価した。トルエン中25℃で異なる捕捉剤/活性化剤並びに種々のモノマー/触媒比を用いて反応を行なって、完全な変換のための条件及び反応を追う方法を見い出した。VT-aPPの変換は、ビニリデン末端鎖はオリゴマー化されないと想定してCDCl3中の1H NMR(ビニル対ビニリデン)により決定した。ビニルプロトンと脂肪族プロトンとの比較は、捕捉剤(アルミニウムアルキル)から放たれた追加の脂肪族プロトンのため精度が低かった。オリゴ(VT-aPP)及びVT-aPPに起因するピーク間の重なりの非存在下でも可能なTHF中におけるサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって決まる変換は測定しなかった。初期結果を表1に報告する。
Figure 2015513583
表注:反応条件:Hf:1μmol;s=トルエン(反応混合物体積:2.5mL);a:BF20=[CPh3]+[B(C6F5)4];b:ビニルH/脂肪族H(1H NMR/ExxonMobil値)、ビニルH/ビニリデンH(1H NMR)として決定;c:種々の変換計算の平均値。
触媒活性の決定に用いた方法間でいくらかの偏差があったが、表1の結果は、OMCはVT-aPPオリゴマー化用の触媒前駆体として使用可能であり、かつ共触媒として[(C6H5)3C]+[B(C6F5)4]-を使用し、限定量の捕捉剤(約50当量/Hf、実験5)の存在下で500までのM/Hf比について25℃で完全な変換が得られたことを明白に実証している。1000のM/Hf比では、反応は完了せず、測定された活性は、同様の条件下で捕捉剤用に使用したアルミニウムアルキルとは無関係に、9.4(Et2Al(OEt),実験10)〜14.3kg・モル-1・時間-1(TMA,実験16)の間の同位数の大きさの範囲内であった。より高いAl/Hf比は活性に有意には影響を与えず、MAO(実験13対8を比較せよ)とEt2Al(OEt)(実験10対11を比較せよ)のわずかな増加及びTOAのわずかな減少(実験18対6を比較せよ)をもたらした。ZnEt2の存在下(実験17及び21)ではSECによりポリマーは検出されなかった。
種々のアルミニウムアルキルの影響は、分子量に関して、より明白であった。そこで、同様の条件下で行なった反応では、3,900(TMA,実験16)〜14,700Da(TIBA,実験15)のMn値が計測された。この分子量の差は、TMAの存在下ではAlへの顕著な連鎖移動が起こったが、よりかさ高いTIBAではかなり少ない程度にこの現象が進行したことを示唆している。連鎖移動は、より低いMWD(1.5対2.2)のポリマーをももたらし、可逆的連鎖移動プロセスを示唆している。
大量のMAO、例えば、1000当量のAl/Hfの導入は、おそらくMAO中に含まれるTMAのため、実験8の7900Daから実験13の2700Daへの分子量の低下をもたらし、MWDの低下をももたらした。MAO中のフリーのTMAと選択的に反応するように立体障害フェノールを添加することによって、TMAによる連鎖移動を抑制した。このように、BHTの非存在下で行なった実験8の7900Daに比べて、実験12では1当量のBHT/Alの添加によって15800DaというMnが得られた。しかしながら、触媒活性は顕著に減少した(それぞれ8.6及び13.8)。
1000/1のTOA/Hf比では50/1と比較して(実験6及び18)低い活性及び分子量が間観察された。これは、TMA又はMAOより少ない程度にであるが、TOAが連鎖移動剤として同様に作用し得ることを示す。
実験13及び14を比較すると、MAOを捕捉剤/活性化剤として用いてBF20を伴う場合と伴わない場合に同様の活性、分子量及びMWDが決定された。最後に、VT-aPPの完全の変換は、実験19において60℃で5時間以内に、72kgのオリゴ(VT-aPP)・モル-1(Hf)・時間-1の活性に相当する1000当量のTOA/Hfの存在下で得られた。実験20では、50当量のTOA/Hfがほぼ完全な変換及びわずかに高い分子量の物質をもたらした(14,700対13,200Da)。
要約すると、触媒前駆体として種々のアルミニウムアルキル捕捉剤/活性化剤及びビス(フェノラート)エーテルHf錯体OMCを用いた、Mn=364のVT-aPPのオリゴマー化は、2,200〜15,700Daの分子量のオリゴ(VT-aPP)を与えた。分子量は非常に捕捉剤に依存性であった。純粋及びMAOに含有されたTMAの添加は、連鎖移動に起因する分子量及びMWDの低下をもたらしたが、TOA、TIBA、Et2AlOEt、及びMAO/BHTは同様の分子量とMWDの物質を生じさせた。25℃では、反応はかなり遅く、1000/1モル/モルのM/Hf比でVT-aPPの部分的変換が観察されたのみであり、マクロモノマーは60℃で5時間以内に完全にオリゴマー化された。
2a. 温度の効果:25℃及び60℃での反応速度論の研究(VT-aPP#6及び#1):実験6(M/TOA/Hf=1,000/50/1モル/モル/モル;25℃)と同様の条件下で行なったオリゴマー化の漸進的変化を研究した。VT-aPPの変換は時間と共に徐々に増加したが、最大分子量は6時間後に計測され、より長い反応時間にわたるMw約32,000Daのプラトーにつながり、従って、ハフニウム毎の複数鎖の形成をもたらすオリゴマー鎖の生きていない挙動と連鎖移動を示唆している。分子量分布は、いずれの特定の傾向にも沿わず、1.9〜2.2であった。60℃では、オリゴマー化はずっと速く起こり、15分以内に同様の値の最大分子量に既に達した後、モノマー枯渇に起因し得る時にゆっくり減少した。VT-aPPの完全な変換は5時間後に得られた。
2b. 温度の効果:100℃での反応速度論(VT-aPP#6):100℃であることを除いて実験19と同様の条件下で行なったオリゴマー化(M/TOA/Hf=1,000/50/1)の時間内の漸進的変化を表2に要約する。
Figure 2015513583
表注:反応条件:Hf:1μmol;s=トルエン(反応混合物体積:2.5mL);a:BF20=[CPh3]+[B(C6F5)4];b:ビニルH/ビニリデンHとして決定(1H NMR);c:種々の変換計算の平均値。
100℃では、反応はわずかだけ速く起こり、実験26で見られるように1時間後に90%のVT-aPPがオリゴマー化された(示していないが60℃での79%に対して)。しかしながら、実験27ではほとんど完全な変換が2時間以内に得られたが、60℃では5時間必要だった。15分後に12,800Daという最大分子量も計測された後(実験24)、時間通りに顕著に減少し、完全変換時には6,200Daまで減少した(60℃では13,200Da)。結果として生じた物質の重合度は、実験19で得られた値の半分であり(17対36)、温度上昇に伴って連鎖移動が増加することを明白に示している。
2c. 温度の効果:より高い温度(VT-aPP#5, Mn 312.8, 95.25%ビニル):VT-aPP#5マクロモノマーのオリゴマー化を60℃から150℃までの種々の温度で行なった。結果は変換、分子量、分子量分布及び重合度のバリエーションに関係があり、表3に示される。
Figure 2015513583
表注:反応条件:Hf:1μmol;s=トルエン(反応混合物体積:2.5mL)、TOA添加後2分で触媒添加;a::BF20=[CPh3]+[B(C6F5)4];b:ビニルH/ビニリデンHとして決定(1H NMR);c:種々の変換計算の平均値。
実験48〜53では、実験27で100℃にて2時間以内にVT-aPP#6のほぼ完全な変換が達成されたので、当該時間後に反応をクエンチした。さらに、TOA/Hf比を100/1に減じた結果、実験28の8,700Da及びDP 28から実験53の13,500Da及びDP 43へ分子量が増加したが、マクロモノマーの70%しかオリゴマー化されなかった。触媒、共触媒、捕捉剤、モノマー濃度及び温度に関して同じ実験条件下、捕捉剤の添加直後に触媒を添加すると、VT-aPP#5のオリゴマー化は30%にしか達しなかった。従って、実験48の実験53より低い活性は、おそらく微量の残留水による錯体の分解が原因である。それ故に、その後の実験では、オリゴマー化反応前にマクロモノマーをTOA上で長時間予備乾燥させた。
温度上昇につれて改善される触媒活性、及び95%超えの変換は80℃〜120℃(実験49〜51)で見られた。150℃という高温で触媒はロバストであることが判り、88%のオリゴマー化をもたらした(実験52)。興味深いことに、温度の上昇は中程度にしか分子量低下につながらなかった。例えば、150℃でMnが11,300Daのオリゴマーが得られた。MWDはかなり高いままだった(2.0〜2.5)。VT-aPP#5マクロモノマーのオリゴマー化では反応温度の上昇に伴って分子量の有意な降下は観察されなかったが、VT-aPP#6のオリゴマー化では温度上昇に伴って分子量値のかなりの減少が計測された(表2)。2つの差は使用した(i)Al/Hf比及び(ii)マクロモノマーの差のみなので、両系の分子量の差はおそらく[TOA]の差の結果であり、高いTOA濃度でのみ明らかになる高温での連鎖移動挙動の増加を示唆している(表2)。
2d. 温度の効果:VT-aPP#4(Mn 271.4、95.72%のビニル)の種々の温度でのオリゴマー化:Mn変動の原因としてマクロモノマーのタイプを調査するため、VT-aPP#4のオリゴマー化を種々の温度で行なった。表4に示すように、同反応条件(M/TOA/Hf=1000/100/1)下で、VT-aPP#4のオリゴマー化はVT-aPP#5のオリゴマー化よりわずかに速く起こった。
完全変換は80℃〜120℃(実験55〜57)で計測され、150℃では95%、180℃では96%であった(実験58及び60)。温度が上昇すると、60℃におけるMn 14,200、DP 52(実験54)から100℃におけるMn 10,900、DP 40へ分子量が低下したが、低下は、表2におけるより明白でなっかった。より高い温度では、Mn及びDP値はそれほど異ならず、それぞれ、120℃及び180℃におけるMn 8,400、DP 31(実験57)からMn 9,400、DP 35(実験60)に変化した。重合度は、サンプルVT-aPP#5について決定されたものと同様であった。従って、MWDは少しも強い温度依存性を示さず、表2と表3〜4との間の高温における分子量の差は、使用した異なるアルミニウムアルキル活性化剤の結果であった。
実験60の間に、23℃で触媒反応混合物を調製してから180℃で維持した加熱ブロックに入れた;この手順に続き、2時間後に96%のモノマーがオリゴマー化された。実験84では、触媒溶液を添加する前にVT-aPP/TOA混合物を180℃で予熱した。この手順も高変換をもたらし、このような高温における触媒系のロバスト性を示している。しかしながら、変換のわずかな低下(89%)が認められ、これは、触媒溶液の注入中の空気への曝露又は低量(10eq./Hf)のTOAの結果としての触媒失活に起因し得る。
Figure 2015513583
表注:反応条件:Hf:1μmol;s=トルエン(反応混合物体積):2.5mL;a:BF20=[CPh3]+[B(C6F5)4];b:ビニルH/ビニリデンHとして決定(1H NMR);c:種々の変換計算の平均値。
2e. 温度の効果:VT-aPP#1(Mn 125.2、98.06%のビニル)の25℃及び60℃でのオリゴマー化の反応速度論。1,000/1のM/Hf及びTOA/Hf比(実験19の条件、表1)を有する最小MnのVT-aPP#1の60℃でのオリゴマー化の漸進的変化を時間内に追って結果を表5に要約した。
これらの条件下では、VT-aPP#1のオリゴマー化はVT-aPP#6のオリゴマー化よりずっと速く起こった。30分以内でほとんど完全な変換(>99%)に達し(実験42)、15分後に85%(実験41)に達した。比較して、VT-aPP#6の54%しか30分後にオリゴマー化されなかった。これは、明らかにVT-aPP#1に対するVT-aPP#6のサイズの差の結果である。実験42で結果として生じた物質のMnは約6,500Daであり、モノマーVT-aPP#6での約40に比べて53という重合度に対応している。分子量分布は3.2〜3.6であり、他のバッチから製造されたオリゴマーについて決定された分子量分布よりかなり高かった。25℃(実験45)では、反応は60℃におけるよりずっとゆっくり進行し、18時間後、変換は92%であり(VT-aPP#6では15時間後に30%)、13,100のMn、DP 105及び2.7のMWDを有する物質を与えた。
Figure 2015513583
表注:反応条件:Hf:1μmol;s=トルエン(反応混合物体積:2.5mL);a:BF20=[CPh3]+[B(C6F5)4];b:ビニルH/ビニリデンHとして決定(1H NMR);c:種々の変換計算の平均値。
2f. 温度の効果:要約:捕捉剤/活性化剤としてTOAを用い、触媒前駆体としてOMCを用いたVT-aPPのオリゴマー化は、15,000Daまでの分子量のオリゴ(VT-aPP)を与えた。この触媒系は180℃までの温度でロバストであることが判明し、高変換(>95%)のいくつかのVT-aPPマクロモノマーを1,000/1のM/Hfについて60℃〜180℃の温度で観察した。変換、分子量及び経時的分子量のモニタリングは、一般にオリゴマー化の初期段階で最大分子量値に達し、その後オリゴマー鎖は、モノマー消費にもかかわらず、通常はさらに成長しないことを明らかにした。
3. 低いTOA/Hf比(VT-aPP #4、Mn 271.4、95%のビニル):これらの実験は、低量〜中程度の量の捕捉剤、例えば、50/1から10/1に減じたAl/Hf比及び5000/1まで上げたM/Hfで高いモノマー変換(95%以上)をもたらす条件を調査した。低量の捕捉剤のため、使用前に少なくとも1日の間中、VT-aPPに含まれるプロトン性不純物をTOAで中和した。完全な変換を達成するため、5000のM/Hf比を伴う反応を80℃で24時間の間中進行させた。低量のTOAを用いるVT-aPP#4のオリゴマー化の結果を表6に提示する。
Figure 2015513583
表注:反応条件:Hf:1μmol;s=トルエン(反応混合物体積:2.5mL;a:BF20=[CPh3]+[B(C6F5)4];b:ビニルH/ビニリデンHとして決定(1H NMR);c:種々の変換計算の平均値。
捕捉剤の量を減らすと、それぞれ100/1、50/1及び10/1のTOA/Hf比について60℃で14,200(実験54)から14,400(実験70)から15,100(実験61)へ非常にわずかに分子量が増加し、52〜56のDPに対応する。同様に2.4から2.3から2.1へMWDのわずかな低下が認められ、これは、低Al/Hf比ではアルミニウムアルキルと活性種の相互作用が低いためであろう。興味深いことに、TOA含量が低いと、100/1のTOA/Hf比の場合とは異なり、VT-aPPは完全にオリゴマー化された。後者の場合、モノマーに含まれたプロトン性種の捕捉はおそらく完了せず、触媒が反応容器中に導入されのが早過ぎた(M/TOA混合の15〜30分後)。明らかに、VT-aPPの精製は、予測したよりかなり時間がかかる。VT-aPPの完全な変換は5000/1のM/Hf比でも80℃で24時間後に得られた。結果として生じたオリゴマーの分子量はさらに高く、約18,000D(DP約66)及びMWDは2よりわずかに小さかった(実験68及び67)。
4. M/Hf比及び触媒濃度の効果(VT-aPP#3及びVT-aPP#5):実験19(表1)の条件下でモノマーとしてVT-aPP#5(Mn:312.8Da;95.25%のビニル)を用いて種々のM/Hf比で反応を行なった結果を表7に示す。同様のM/Hf比(実験28)では、わずかに低い変換が(実験19の100%に対して96%)、より低いDP(36では28)及びMn(8,700Da)と共に達成された。約2000のM/Hf(実験32)では、反応は完了しなかったが(79%)、活性が有意に高いのみならず、Mn(12,500Da)及びDP(40)も高かった。1,000当量のモノマー/Hfの2回の逐次添加は、いくらか低い総変換(73%)及び予想どおりに低い分子量(9,990Da;DP:32;実験33)をもたらした。
Figure 2015513583
表注:反応条件:Hf:1μmol;s=トルエン(反応混合物体積):2.5mL;a:BF20=[CPh3]+[B(C6F5)4];b:ビニルH/ビニリデンHとして決定(1H NMR);c:種々の変換計算の平均値;
d:VT-aPP#6;ND=決定せず。
低減量のOMC(0.2〜0.5μmol)及び一定のM/捕捉剤比でのVT-aPP#3(Mn 240.7Da、95%のビニル)及びVT-aPP#4(Mn 271.4 Da、95%のビニル)のオリゴマー化実験を表8に示す。
Figure 2015513583
表注:反応条件:s=トルエン、反応混合物体積:2.5mL;a:BF20=[CPh3]+[B(C6F5)4];b:ビニルH/ビニリデンHとして決定(1H NMR);c:種々の変換計算の平均値。
同様の条件下(60℃、1μmolのモノマー、10μmolのTOA)、触媒量を1μmolから0.5μmolに減らすと、分子量が8,300Da(実験72)から9,700Da(実験91)にわずかに増加し、これはちょうど0.2μmolのOMCの存在下(実験92)でもっとさらに明白になった(20,800Da)。2時間後、VT-aPP#3のオリゴマー化は1μmolのHfによってのみ完了した。実験91及び92について決定された同様の活性は、部分変換は短すぎる反応時間のためであり、触媒失活のためでないことを示した。
VT-aPP#4では、モノマー/触媒比の顕著な増加が活性のかなりの低下をもたらし、24時間という反応時間にもかかわらず、モノマーの変換は完成には程遠かった。このように、8,000/1のM/Hf比(0.5μmolのHf、実験77)では、55%のVT-aPP#4が未反応のままであり、20,000/1のM/Hf(0.2μmolのHf、実験71)では16%の変換が計測された。活性(両反応で約40kg/モルのHf/時間)は、1,000/1のM/Hf比についてよりずっと低かった(1μmolのHf、実験61)。さらにもう一度、増加したM/Hf比ではより高い分子量が見られた(実験77の15,100Da及び実験71の20,500Da)。かなり類似したVT-aPP#3とVT-aPP#4との間の触媒活性の差は予想外であった。
より少ない触媒を用いてより多くの量のモノマーをオリゴマー化するため、温度を120℃に上げ、より長い時間反応を進行させた(反応はモノマーVT-aPP#3を用いて行なった)。実験100(0.4μmolのHf;M/Hf=9,700/1)及び実験101(0.2μmolのHf;M/Hf=20,000/1)から決定された反応データは、プロセス中に急速な触媒失活が起こり、それぞれ、2時間及び4時間後に変換はかなり不変のままであることを明白に示している。M/Hf比の増加は、Mnが18,000Daのオリゴマー化をもたらした。
要約すると、本触媒系は、0.2μmolだけのOMCを使用したときにはまだ活性であることが判った。120℃の反応温度は触媒活性を高めた。より高い温度は、高い活性にもかかわらず、一部のモノマー変換のみによって示されるように、明白な触媒失活をもたらした。
5. 高分子量のマクロモノマーVT-aPP#26(ビニル91.8%、Mn 1,983Da)及びVT-aPP#64(ビニル93.6、Mn 6,393Da)のオリゴマー化:相対的に高いMnを有するVT-aPPのためのオリゴマー化触媒前駆体としてOMCを評価した。反応条件は、低量〜中程度の量の捕捉剤(TOA)で高いモノマー変換に達するように確立した。これらの2つのマクロモノマーは非常に粘性なので、トルエン中の保存液を調製し、か焼塩基性アルミナ上で貯蔵した。結果として生じた物質を酸性メタノールによる処理で精製し、メタノールで洗浄し、真空中で乾燥させた。結果を表9に要約する。
Figure 2015513583
表注:反応条件:Hf:1μmol;s=トルエン(反応混合物体積:2.5mL);a:ビニルH/ビニリデンHとして決定(1H NMR);b:種々の変換計算の平均値;c:精製後;d:VT-aPP#64
約750/1のM/Hf比及び低TOA含量(TOA/Hf=10/1)を用いた60℃での反応は、3時間後に約80%のモノマーを、80,000DaのMnを有するオリゴマーに変換させた(DP 40、実験85及び86)。TOA/Hf比の20/1及び50/1への増加は、同様の分子量及び活性のわずかな低下をもたらした(実験89及び87)。100℃では、94%の変換が得られ、Mnの少しの低下を伴った(71,000Da、実験88)。この温度では、VT-aPP#26は24時間後に、65,000DaのMnを有する物質に完全に変換された(実験95及び97)。1,000/1のM/Hfでさえ反応が実際に15分後に完了し、他のVT-aPPについて以前に観察されたように、より高いMnをもたらした(72,000Da;実験98)。同様の活性及び分子量が100℃及び120℃で計測された(実験88及び93を比較されたい)。
他のモノマーに比べて高いVT-aPP#64の分子量のため、実験99は500/1のより低いM/Hf比及び50/1のより高いTOA/Hf比を用いて、可能性のあるプロトン性不純物による触媒失活の機会を減らした。100℃で24時間後に完全変換が達成された(15時間後に94%)。精製オリゴマーのMnは144,000Daであり、23のDPに相当する。
より低いMnのVT-aPPとは異なり、未反応モノマー(VT-aPP#26及び64)及びビニリデン末端種は、前述した精製手順では生成物から分離できなかった。結果として、THF中におけるサイズ排除クロマトグラフィーはピークのいくつかの重なりを示した。これらはMnの定量を変え、狭いMWD計算値を与えることがあった。提示した結果には、この現象を回避するたの逆重畳積分プロセスを含めていない。
6. 熱分析(DSC):種々の長さのVT-aPPマクロモノマーから誘導された精製オリゴマーの熱転移温度を10℃・分-1の加熱及び冷却速度でDSCにより決定し、表10に報告する。
Figure 2015513583
表注:a:弱転移;e:精製物質について
125〜343DaのMnを有するマクロモノマーの系列VT-aPP#1-6では、一般傾向として、プロピレンモノマー鎖長の増加は、#1(実験59)の18℃から#6(実験19)の-21℃へ、より低いTgを有する生成物をもたらした。DP 3(Mn=241Da)からDP 6へのより高い分子量のモノマーは、アタクチックポリプロピレンに与えられる値(約-20℃)に近い、-15℃(実験72)〜-21℃(実験37及び19)の同範囲内のTgのオリゴマーをもたらした。より短い鎖長のVT-aPPではTgの顕著な増加が計測された。従って、既述した15℃より高いTgを有するオリゴ-VT-aPP#1に加えて(実験59及び90)、オリゴ-VT-aPP#2(Mn 183Da)は、-9℃(実験73)〜1℃(実験82)のTgを有する物質を与えた。後者2つのTg間の大きな差の原因は、DPの差(それぞれ、61及び91)のためであろう。ずっと高いマクロモノマーMn値(6,390Da)を有するVT-aPP#64は、マクロモノマーのTg(-10℃)に近い-9℃のTgを有するオリゴマーを与えた。VT-aPP#26(Mn 1980Da、Tg -21.5℃)から製造されたオリゴマーのTg値は-7±0.2℃の範囲内であった(実験95及び97)。オリゴマクロマーは全て、-21℃〜18℃のTgを有する粘性油又は粘着性ろうであった。高分子量モノマーVT-aPP#26及びVT-aPP#64製のオリゴマクロマーの明らかな例外を除いて、モノマー鎖長の増加はオリゴマクロマーTgの低下につながった。
7. レオロジー測定:オリゴマクロマーは約5gのマクロモノマーVT-aPP#2、VT-aPP#3及びVT-aPP#6を用いて、せん断レオロジー測定を行なうのに十分な物質を得ることによって調製した。レオロジーは、回転式レオメータ、ARG2(TA Instruments)で、400μmの間隔のある40mm径の平行プレート配置を利用して評価した。25℃〜100℃の温度で、0.05〜100秒-1の範囲にわたるせん断速度について粘度を測定した。表11に要約した結果は、図2a、2b、及び2cの粘度曲線から抽出した。
Figure 2015513583
表注:a:弱転移
ポリマー83及び97は、同位数の大きさの両ゼロせん断速度粘度を呈し、それぞれ35℃での2,800及び4,000Pa・秒から100℃での17及び10Pa・秒(図2a及び2b)へ非常に減少した。100℃未満の温度でニュートンプラトー(粘度がせん断速度に依存しない)からせん断減粘領域(せん断速度の増加に伴う粘度の減少)への移行が観察され;実験83の75℃未満;及び実験97の50℃では、後者の物質のニュートンゾーンはわずかに広かった。サンプル82は強いせん断減粘を示し、100℃でさえ、低せん断速度での明白なニュートンプラトーが現れなかった(図2c)。
8. 1H NMRによるMn及びDPの決定
Mn及びDPは、ビニル末端オリゴマーへの完全な変換を想定して、いくつかの精製生成物の1H NMRスペクトル(CDCl3中)から決定した。ビニリデン及び脂肪族プロトンから計算された値を表12に列挙し、THF中のSECから得られた結果と比較した。表は、NMRにより決定されたMn及びDPは一般的にSECにより決定されたものよりずっと高いこと、換言すれば、ビニリデンシグナルの強度は予想強度より低かったことを示している。Al-オリゴメリル(oligomeryl)種の存在は、完全なモノマー変換後でさえ、特にハフニウム部位によって生成される鎖の数が少ないとき、NMRにより得られる低い値の原因であり得る。実際に、高いM/Hf、低いTOA含量及びより高い鎖数/HfではSEC及びNMRによって同様の値のMnが決定された(実験68)。しかしながら、これらのAl-オリゴメリル種は、TOAが我々のシステムにあまり有効な連鎖移動剤でなかったので、限定的にしか貢献しないだろう。完成反応へのD2Oの添加後の2D NMRは、このような種の存在を明らかにすることができた。
Figure 2015513583
反応条件:Hf:1μmol;共触媒=[トリチル][BF20];s=トルエン(反応混合物体積:2.5mL);a1H NMRで決定;b:2種のモノマーの逐次添加。
分子量のこのようなずれについて考えられる別の理由は、SECによる分子量決定のために用いられる従来の、かつ屈折率測定に基づいたキャリブレーションが我々の物質に適さないことである。
9. トリプルSEC
サンプル33は、おそらくその低い分子量のため、光散乱(LS)に対して非常に弱いシグナルを示すかシグナルを示さない。LSシグナルを使用できなかったので、分子量決定を従来の(屈折率(RI)のみ)キャリブレーション法及び万能キャリブレーション(RI+VIS)法により行なった。表13に提示する結果は、特にMn及びMWDについて2つの方法間の顕著な差を明らかにする。さらに、従来法で得られたMn値は、比較可能なMw値(24,850Da)について以前に決定された値より高かった(9,990Da、表7参照)。
Figure 2015513583
*:PS標準物質に対する値。
実験68についてもトリプルSEC測定を行なった(表6)。結果を表14に示す。結果は、トリプルSEC又は万能キャリブレーションを用いた従来法に比べて高いMn値及び低いMWD値を明らかにする。68から調製した3つのサンプルについてもMn値及びMWD値のいくらかの差が観察されたが、Mwはあまり変化を受けなかった。Mw値は信頼性が高そうななので、我々はMnよりはむしろMw値を考慮することができた。しかしながら、再現性の高い測定値を得るために、より多くの量の材料及びより高分子量のオリゴマーについてさらなる分析を行なった。
Figure 2015513583
*:PS標準物質に対する値。
VT-aPPホモオリゴマー−低ハフニウム含量での触媒失活
1. 温度:上述したように、「標準」条件(1.0mmolのVT-aPPに対して1.0μmolのHf及び捕捉剤として10.0μmolのTOA)に比し、Hfの量を0.2μmolに減らすと、特に60℃では、24時間という長い反応時間後でさえ、完成には程遠いモノマー変換となった(表8)。そこで、0.2μmolのハフニウムの存在下、上記と同じVT-aPP及びTOA含量を維持して行なったオリゴマー化の漸進的変化を60℃及び120℃で調査した。VT-aPP#2(Mn:182.8Da;95.73%のビニル)に関する結果を表15に示す。
Figure 2015513583
反応条件:Hf=0.2μmol;s=ルエン(反応混合物体積:2.5mL);a:共触媒=[CPh3]+[BF20]-b1H NMRで決定。
60℃では、8時間後に49%の変換が計測された(実験111)。この値は、6時間後に得られた44%を考慮すると(実験112)、最大オリゴマー化に相当せず、完全変換前の触媒失活を予測することができた。120℃では、反応はずっと速く起こり、30分以内に96%のVT-aPPがオリゴマー化された(実験109)。このように、特に低量の触媒の存在下では、120℃でオリゴマー化を行なって、短時間でより高いモノマー変換に達し得る。以前に観察されたように、反応温度の上昇に伴って分子量の低下が計測された。従って、16,000〜18,000DaのMnを有するオリゴマーは60℃で製造され、12,000〜14,000DaのMnを有するオリゴマーは120℃で製造された。
2. 活性化剤及びCTAとしての水素。水素の存在下でオリゴマー化反応を行なって、2,1-挿入の結果生じる失活触媒を水素が再活性化できるかどうかを判定し、CTAとしてのその可能性を評価した。最初に、触媒失活について低い触媒充填(0.2μmol)及び高いモノマー/Hf比で調べた。顕著な変換に到達するように、オリゴマー化を120℃で行なった。次に、オリゴマー化の前又は失活が起こった後にH2を添加することによって、同様の反応を水素圧下で行なった。VT-aPP#1をモノマーとして使用した。結果を表16に示す。
VT-aPP#3を用いた以前の実験では、20,000/1のM/Hf比に対する急速な触媒失活は4時間後にわずかに60%より低い一定の変換をもたらした(実験101、表8参照)。同様の条件下で、4時間から8%のVT-aPP#1だけが未反応のままだった。その後さらなる変換は起こらなかった(実験136-1及び136-2)。4分間23℃で反応混合物全体にH2を泡立たせた後、再活性化は起こらず(実験136-3)、120℃で4時間より長い時間後に変換の有意な増加は観察されなかった(136-4)。比M/Hfの30,000/1への増加は、20,000/1実験に比べて変換の如何なる主降下にもつながらず、マクロモノマーの10%だけが8時間後にオリゴマー化されなかった(実験152-4)。10バールの水素下での10時間後の総モノマーオリゴマー化によって示されるように、水素の存在は不活発部位の存在を制限した(実験150)。水素で不活発部位を再活性化することもできる。実際に、10バールの水素下に置いた失活状態(88%の変換、4時間後、実験151-1)に近い反応混合物は完全オリゴマー化をもたらした(実験151-2)。
Figure 2015513583
反応条件:Hf=0.2μmol;s=トルエン(反応混合物体積:2.5mL);a:共触媒=[CPh3]+[BF20]-b1H NMRで決定;d:粗製物質について;e:精製物質について
実験150及び151-2(それぞれ、6,000及び17,000Da)で測定された、水素なしで行なった実験に比べて(21,000Da)低い分子量によって示されるように、水素は連鎖移動剤であることも判った。分子量のこの低下は、非可逆的連鎖移動に従って、分子量分布の増加を伴った。水素圧及び適用時間を調整して、高いモノマー変換及び所望の分子量に適した条件を見い出すことができる。
連鎖移動に関する調査
1. TOA/ZnEt2混合物及びTMA。表1に示すように、Hfに対して50当量のZnEt2を捕捉剤/連鎖移動剤として使用した場合(実験17及び21)、25℃ではほとんどオリゴマー化活性が観察されなかった。このことは、ZnEt2は一般的に第4族金属触媒に適した連鎖移動剤であことから多少以外であった。おそらく、ZnEt2の捕捉能力はマクロモノマー中の不純物を除去するのに不十分である。或いは、ZnEt2がハフニウム種と安定なato-錯体を形成し、系を不活化する可能性もある。そこで、CTA/捕捉剤としてのハフニウム触媒とZnEt2/AlR3の組合せを探究した。
Figure 2015513583
反応条件:Hf:1μmol;s=トルエン(反応混合物体積:2.5mL);a1H NMRで決定
1,000/125/1のTOA/ZnEt2/Hf混合物で前処理すると、VT-aPP#5は、1,830DaのMn及び1.27のMWDを有するオリゴマーに完全に変換された。この低い分子量と低いMWDは、連鎖成長に比べて速く、かつ可逆的なZnとHf(及びAl)との間のオリゴメリル基交換を示唆している(表17、実験29)。これらのかさ高いオリゴマーでは、連鎖移動が可逆的であることは自然でない。従って、例えば、第1バッチの100%変換後に第2バッチを添加することによって、連鎖移動の可逆性をさらに研究することは興味深い。60℃では、TMAは、それぞれ(実験30及び31) 95/1及び515/1のTMA/Hf比で得られた低いMn(2,470及び1,710Da)及び分子量分布(1.56及び1.34)の結果ポリマーによって示されるように、効率的な連鎖移動剤であることも判明した。いくらか高いMWDは、連鎖移動プロセスが非可逆的であるか及び/又はZnEt2の場合より効率が低いことを示唆している。
2. CTAとしての低量のZnEt2及びTMAの添加:a. T=60℃。CTA/Hf比を減じて、より高い分子量であるが、それでもMWDは低いオリゴマーを調製した。10及び50eq./HfのCTAの存在下のVT-aPP#4のオリゴマー化(Mn:271.4Da)に関する結果を表18に示す。
TOA/ZnEt2の10/10モル/モル(Hfに対して)混合物でのVT-aPP#4の前処理後、ハフニウム触媒の添加は、60℃で2時間以内に1000当量のモノマーを、9.300DaのMn及び1.84のMWDを有するオリゴマーに完全変換させた(実験78)。Mn及びMWDの値はZnEt2なしで得られた値(11,100Da及び2.10、実験61)より低い。このことは、既に述べたように、このような低いZnEt2濃度でさえ、連鎖成長に比べて速いZnとHf(及びAl)の間のオリゴメリル基交換を示唆している。この効果は、比Zn/Hfを50/1に高めるとさらに明白であり、結果として3,900DaのMn及び1.74のMWDを有するオリゴ(VT-aPP#4)になった(実験81)。10eq./Hfを添加すると、結果として生じる物質の低Mn(5,200Da、実験79)によって示されるように、TMAが効率的なCTAでもあることが判った。実験81について報告した同様の特性のオリゴ(VT-aPP#4)が50/1のTMA/Hfから得られた(実験80)。
Figure 2015513583
反応条件:Hf=1μmol;s=トルエン(反応混合物体積:2.5mL);a:共触媒=[CPh3][BF20];
b1H NMRで決定
b. T>60℃。マクロモノマーVT-aPP#179(ビニル:91%、Mn:540Da)並びに10/1及び50/1の比CTA/Hfを利用して80℃及び100℃で同様の実験を行なって、高い触媒活性を有する系を開発した。結果を表19に要約する。
捕捉剤としてTOA(又はTMA)を用いて前処理すると、VT-aPP#179は、1000当量のモノマー当たり1当量の触媒で、CTAの有無にかかわらず、80℃及び100℃で2時間以内に完全にオリゴマー化された。既に認められているように、CTAの添加は分子量の低下をもたらした。このことは、連鎖成長に比べてZnとHf(及びAl)の間のかなり速いオリゴメリル基交換を示唆しており、温度及びCTAとは無関係に、10/1のCTA/Hf比では13,000Da及び50/1のCTA/Hf比では6,000Daに達する。CTA添加に関しては分子量分布はあまり重要でなかった:CTAなしの1.8〜1.9(実験121-122)乃至Et2Znありの1.9〜2.0(実験117〜120)及びTMAありの1.6〜1.7(実験123〜126)。
Figure 2015513583
反応条件:Hf=1μmol;s=トルエン(反応混合物体積:2.5mL);a:共触媒=[CPh3][BF20];
b1H NMRで決定
3. VT-aPP(追加触媒の有無にかかわらず)とCTAの逐次添加。表16の実験119に記載の条件下(M/TOA/CTA/Hf=1,000/10/50/1)、CTAとしてZnEt2を用いてVT-aPP#179の逐次添加を行なって連鎖移動の可逆性を調べた。結果を表20に示す。
Figure 2015513583
反応条件:Hf=1μmol;s=トルエン(反応混合物体積:2.5mL);a:共触媒=[CPh3]+[BF20]-
b1H NMRで決定;c:第2バッチの変換;e:粗製物質に関するSECから
このプロセス中に、マクロモノマーの第1バッチをまず2時間以内に完全にオリゴマー化し(実験144-1)、6,200DaのMnを有する生成物を得た。TOA上で予備乾燥させたVT-aPP#179の第2画分を添加し、2時間以上反応させた。この第2バッチの変換は、おそらく部分的な触媒失活のため41%に制限された(実験144-2)。SEC追跡は、5,800Daの平均Mn値を有する広い分子量分布(3.4)を明らかにした。これは、ピークの重なりを有し、10〜11,000DaのMnの画分を含む二峰性分布に相当する。この高分子量のオリゴマーは、部分的な触媒失活のため、可逆的連鎖移動、又はモノマー/触媒に含まれるHfの比に由来し得る(我々は以前にモノマー/Hf比の増加は分子量の増加につながることを実証した)。
触媒失活を回避するため、実験144と同様の実験を行ない、第2セットのモノマーの添加直後にさらなる触媒を導入した(実験145)。すると、VT-aPPを完全にオリゴマー化され、生成物(145-2)のSEC分析は、145-1(第1モノマーバッチ)について決定された6,800Daに比べて9,800DaへのMnの増加を示した。該観察は可逆的連鎖移動と一致するか、又は活性亜鉛種が枯渇した反応混合物に起因するとも考えられ、1.8〜2.4への分子量分布の上昇を説明することができた。
4. VT-aPP/4-メチル-1-ペンテンコオリゴマー。最後に、これまでコモノマーとして使用したマクロモノマーとして、対応するホモオリゴマーのTHF中の不十分な溶解度のため、同様の重合可能基を有する4-メチル-1-ペンテン(4M1P)を使用した。表18に示すように、CTAとしてTOA及び1/1.7重量/重量比に相当する4/1の4M1P/VT-aPPモル/モル比を用いて(T=100℃;4M1P/VT-aPP/ZnEt2/TOA/Hf=1,000/50/10/1)、完全な変換を得るために前述した条件下でコオリゴマー化実験を行なった。モノマーの逐次添加中に、同様に追加分の触媒を導入した。結果として生じたオリゴマーを酸性メタノール中の「沈殿」により精製した後、メタノールで洗浄し、真空中で乾燥させた。
この適用条件下では、全ての場合に(コ)モノマーの完全な変換に達した。オリゴ-4M1Pは固体として(実験146)、オリゴ-aPP(実験119)及びランダムコオリゴマーは粘性油として単離された(実験147及び153)。
Figure 2015513583
反応条件:Hf=1μmol;s=トルエン(反応混合物体積:2.5mL);a:共触媒=[CPh3][BF20];
b1H NMRで決定;d:TCB(標準物質:PE)中のHT-SECから;e:-80℃〜150℃;加熱/冷却速度:10℃/分;第2加熱から得た値;f:モノマーの逐次添加
逐次モノマー添加は、THFに部分的に溶解性の粘着性固体をもたらした(実験149(ZnEt2なしで実施)、及び実験154)。THFの添加後にろ過で固体を分離し、ろ液から揮発性物質の蒸発後に粘性油を得た。SEC追跡(THF)は、実験149及び154から生じた生成物並びにTHF処理後に得られたろ液(149F及び154F)について同様のMn及びmwdを示した。THFに不溶性の沈殿物149P及び154P並びにオリゴ(4M1P)146の分子量はTCB(PE標準物質)中でHT-SECにより決定した。興味深いことに、149P(ZnEt2なし)、154P(Hf当たり50当量のZnEt2)はそれぞれ5,300及び4,600DaのMnを示し、ZnEt2なしで調製したオリゴ(4M1P)実験63の値(4,900Da;下記参照、表20)に近いが、ZnEt2を用いて合成した実験146よりずっと高かった。従って、第2コモノマー添加の瞬間には、全くハフニウムへ連鎖移動しないポリメリル(polymeryl)錯体として亜鉛種が存在する。149及び154はそれぞれ、149F(-16℃)及び154F(-18℃)について測定された値に近い-16℃及び-17℃の単一のガラス転移温度を示した。対応する沈殿物149P及び154P並びにオリゴ(4M1P)146は第2加熱中に如何なる熱転移をも示さなかった。しかしながら、おそらく反応混合物の冷却中の結晶化のため、第1加熱中に146では108℃、120℃、及び131℃(後者は46℃で弱いTgをも示した)、149Pでは135℃、及び154Pでは131℃(非常に弱い)にて融解温度が認められた。当該結果を考慮すると、実験154中のZnEt2の導入は、おそらくHfからZnへの不可逆的連鎖移動を引き起こし、実験149と同様に、ホモオリゴマーの混合物を与えたようである。
ヘテロオリゴマー:CTAなしのVT-aPP/4M1Pのオリゴマー化(VT-aPP#4及びVT-aPP#5)
1. VT-aPP/4M1P
種々のVT-aPP/4M1P比を用いるVT-aPP及び4M1Pの一連のコオリゴマー化実験は、以前に得られた結果に基づいて高変換に達する条件下で行なった(TOA/Hf=100/1;T=60℃、t=5時間)。4M1Pの相対的に低いモル質量のため、高い4M1P含量を用いる共重合ではM/Hf比を1,000/1から2000/1へ高めた。1/3以上のVT-aPP/M比ではバッチVT-aPP#5を使用し、VT-aPP含量が低いときはバッチVT-aPP#4を使用した。表22は、種々のVT-aPP混合物から得られた変換、分子量、分子量分布並びにいくつかの熱特性を示す。
この適用条件下では、2000/1のM/Hfの場合でさえ、5時間後に両コモノマーの完全変換に達した。1/0〜1/9のVT-aPP/4M1P比の結果として生じたサンプルで11,800〜13,100Daの同様の分子量が計測された(実験37〜40、65)。マクロモノマー含量の減少によって、重合度の上昇が観察された。このようにして、オリゴ(VT-aPP)(実験37)ではDPが37と決定され、75/25のVT-aPP/4M1Pの供給原料から生じたオリゴマーではDPが126と決定された(実験40)。これまでのところ、これまでに得られた全てのオリゴマーは溶媒THFに可溶性の油性/ろう様物質だったので、THF中でサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)測定を行なった。低いVT-aPP含量(例えば、実験64では5モル%)を有する混合物から生じる固体生成物の不溶性のため、溶出剤としてトリクロロベンゼン(TCB)を高温で使用した(PE標準物質)。得られた分子量及びDP値は、特に両溶媒に溶けるオリゴマー65では予想より低く、SEC測定は、THF中では13,100DaのMn(DP:126)及びTCB中では6,100Da(DP:59)を与えた。この差は劇的である。
Figure 2015513583
反応条件:Hf:1μmol;共触媒=[CPh3][BF20](1.4eq./Hf);s=トルエン(反応混合物体積:2.5mL);T:60℃;t:5時間;a1H NMRで決定;c:高温でトリクロロベンゼン中のSECにより決定(PE標準物質に対して);d:VT-aPP#5;e:VT-aPP#4;f:弱いシグナル
2. DSC測定
これらのコオリゴマーの熱転移温度は、10℃/分-1の加熱及び冷却速度にてDSCにより決定した。予想どおりに、4M1P含量の増加に伴って、オリゴ(VT-aPP)の-27℃から始まるTgの上昇が観察された。全てのサンプルは、オリゴマー64を除き、粘性油又は粘着性ろうであった。オリゴマー64の第2加熱サーモグラムは、14℃でのTgに加えて、175℃及び187℃で融解転移を示した。冷却曲線から151℃の結晶化温度(Tc)が決定された。オリゴ(4M1P)については、それぞれ228℃及び209℃のTm及びTc値が計測された(実験63)。
他のVTMオリゴマー
1. VT-iPPの(コ)オリゴマー化
OMCをVT-iPPのオリゴマー化触媒前駆体としても評価した(NMRでMn=2,100Da(95%のビニル);160℃にてトリクロロベンゼンTCB中のHT-SECでMn=2,210Da及びMWD=1.53)。完全モノマー変換を得るため、前の調査により確立した条件下で予備実験を行なった。VT-iPPが室温でトルエンに十分に溶解しないので、前に液体/油性VT-aPPと共に用いたように、ハフニウム当たり10当量超えの捕捉剤を添加した。さらに、溶媒体積を二倍にし、100℃又は120℃で反応を行なった。最後に我々はモノマー/触媒を250/1に減らすことを選択した。初期結果を表24に示す。
Figure 2015513583
反応条件:Hf=1μmol;s=トルエン(反応混合物体積:4.5mL);a:共触媒=[CPh3][BF20];
b1H NMRで決定;d:精製物質のTCB中のHT-SEC(PE標準物質に対して)により決定
VT-iPPの完全変換は、モノマーが周囲温度でわずかに溶けるC2D2Cl4中で1H NMRにより検証した。VT-iPPは、触媒当たり50及び75当量のTOAの存在下100℃及び120℃の温度で2時間以内に完全にオリゴマー化され得るようだった。より高いTOA/Hfを使用すると、分子量はわずかに減少したが(実験138と実験139を比較せよ)、100℃及び120℃で同様の値が計測された(135対139)。サイズ排除クロマトグラフィーは、出発物質に存在するオリゴマー及び未反応ビニリデン末端-iPPの全てのピークが重なることを示した。酸性メタノールに沈殿させた後、ろ過及びメタノールで洗浄することである精製プロトコルは、未反応画分を除去できなかった。従って、表24中の分子量値はMwに関するものであり、MWDは慎重に解読しなければならない。分子量は、まず粗製物質から、THF(標準物質:ポリスチレン)中でSECにより決定してから、精製生成物から、これはTHFに溶けないので、160℃にてTCB中で決定した(標準物質:ポリエチレン)。表24に示す結果は、2つの方法間の顕著な差を明らかにし、THF中でSECにより得られたMwはほぼ3倍大きかった。しかしながら、ポリスチレン標準物質を用いてHT-SECから計算した値(表24に報告せず)は、THF中のSECから決定された当該値に近かった(例えば、実験135では、THF及びTCB中でそれぞれMw=77,470Da及び65,520Da)。
50当量のTOAの存在下でHf当たり250当量のVT-iPP及び250当量のVT-aPP#26(Mn=1,980Da;98.5%(NMR)及びTHF中のSECでMn=1,760Da;MWD=2.03)のコオリゴマー化は4時間以内に両モノマーの完全変換をもたらし、おそらく、より高いモノマー/触媒比のため、ホモオリゴマー化後より高いMwの生成物を与えた(実験142)。
2. DSC測定
これらの(コ)オリゴマーの熱転移温度は、10℃分-1の加熱及び冷却速度でDSCにより決定され、表24に報告してある。
Figure 2015513583
条件:-80℃〜150℃;加熱/冷却速度:10℃/分;a:TCB中のHT-SECで決定(PEに対して);b:第2加熱から;c:第1冷却から
ホモオリゴマーではVT-iPP(121℃)に比べてTmの113℃への低下が観察された。これはおそらくマクロモノマー間に形成された鎖により導入された、立体規則性の減少のためであろう。結晶化温度についても同様のことが観察された(VT-iPPのTc=93℃から生成物の約80℃のTc)。オリゴマーのTg(弱い転移として現れる)は、 VT-iPPについて計測されたもの(-33℃)より高かった(-20℃)。興味深いことに、白色粉末として単離され、非晶質aPP成分の重量の50%により構成されたコオリゴマー142は、107℃で融点を示した。さらに、同様に-11℃でTgが観察され、これは統計的コポリマーのフローリーの式からの計算値(-9℃)に近い。
aPP画分のオリゴマー化
これらの実施例では、Ph2C(C5H4)(C13H8)HfMe2はBoulder Scientificから購入した。[PhNHMe2][B(C6F5)4)]はAlbemarleから購入した。無水溶媒はAldrichから購入し、3Åのふるい上で乾燥させた。214.5及び259.1のMnを有するアタクチックポリプロピレン(aPP)画分(MWD約1.01〜1.05)は活性化塩基性アルミナの短カラムを通して浸出させ、3Åのふるい上で少なくとも48時間貯蔵した。TEFLON(登録商標)撹拌棒を備えた蓋付きガラスバイアルに純粋画分を移して85℃に加熱した。触媒溶液は、使用前にPh2C(C5H4)(C9H8)HfMe2(10mg)と[PhNHMe2][B(C6F5)4)](16.6mg)を1gのトルエン中で30分間反応させることによって予め調製した。触媒溶液の一部(160mg,3.3×10-6モル)を反応混合物に加えて反応を12時間撹拌した。生成物を真空オーブン内で100℃にて14時間乾燥させた。結果を表25に示す。
Figure 2015513583
前のデータから、125〜6,400DaのMnを有する一連のVT-aPPマクロモノマーは、種々のアルキルアルミニウム捕捉剤/活性化剤と組み合わせて、触媒前駆体としてビス(フェノラート)エーテルHf錯体OMCを用いてオリゴマー化されたことが分かる。このように、TOAの存在下では、この系は180℃の温度までロバストであることが判り、60℃〜180℃の温度で高い変換(95%〜100%)が観察された。経時的な変換、分子量及びMWDの発達のモニタリングは、オリゴマー化の初期段階で最大分子量値に到達し、その後は、モノマー消費にもかかわらず、オリゴマー鎖がさらに成長しないことを明らかにした。意外なことに、10/1ほどの低いTOA/Hf比及び10,000/1までのM/Hfでは、完全変換が得られた。0.2μmolだけのOMCを使用したときは、触媒系はまだ活性であり、120℃の反応温度で迅速に高変換に到達し、当該温度で系は部分的触媒失活を受けた。にもかかわらず、部分的触媒失活は、開始時又は反応のもっと遅い段階で水素を導入すると観察されたHf当たり30,000モル当量のVT-aPPの完全変換によって示されように、触媒(再)活性化剤として作用する水素の存在によって阻止することができた。
TMA(純粋のみならず、MAOに含まれる)及びZnEt2(TOAと組み合わせて)の添加は、50/1及び10/1程度の低いCTA/Hf比でさえ、連鎖移動のため、分子量、及びある程度のMWDの低減をもたらした。TOA、TIBA、Et2Al(OEt)、及びMAO/BHTはこのような明白な効果を示さなかった。しかしながら、特に逐次(コ)モノマー添加によるZnEt2又はTMAへの連鎖移動に関する調査は、このプロセスはおそらく非可逆的であり、1つのブロック-コポリマーよりはむしろ2つのホモオリゴマーを生じさせることを示した。
ホモオリゴマーは主に、-21℃〜30℃のTgを有する粘性油又は粘着性ろうであった。生成物のTgは、約300〜350Daの範囲のマクロモノマーで最大を示すようだった。
レオロジー測定(25℃〜100℃に及ぶ種々の温度でのせん断速度の関数としての粘度)を行なった。レオロジーは瓶洗いブラシ(bottlebrush)型ポリマーと一致した。2つのサンプルの分子量を決定するために用いたトリプルSECも瓶洗いブラシ型分子モルフォロジーと一致した。
また、オリゴマー化及びコオリゴマー化実験中にVT-iPP(Mn:2,100Da)の完全変換に達し、非晶質VT-aPPコオリゴマーの存在下でさえ、 約110℃のTmを有する半結晶性物質を与えるように適切な反応条件を確立した。THF(標準物質:PS)中のSEC及びTCB(標準物質:PE)中のHT-SECによる分子量の決定は、2つの方法間の顕著な差を明らかにし、これも瓶洗いブラシ型分子モルフォロジーと一致した。値はTHF中の場合が3倍高かった。しかしながら、HT-SECでPS標準物質を用いて同様の分子量が得られた。
最後にVT-PE(Mn:750Da)は、完全なモノマー変換により、VT-iPP及び2種のVT-aPPマクロモノマーと首尾よくホモオリゴマー化及びコオリゴマー化された。
本明細書に記載の全ての文書は、いずれの優先権書類及び/又は試験手順をも含め、それらが本明細書と矛盾しない程度まで、その内容を参照によってここに援用する。但し、最初の出願又は出願書類に記載のない如何なる優先権書類も本明細書に援用されない。前述の一般的記述及び特定の実施形態から明らかなように、本発明の形態を例示かつ説明したが、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、種々の変更形態を構成することができる。従って、本発明はそれらによって限定されることを意図していない。同様に、用語「含む(comprising)」は、オーストラリア法の目的の用語「含める(including)」と同義と考える。同様に、組成物、要素又は要素の群に移行句「含む(comprising)」が先行してるときはいつでも、組成物、要素、又は要素の群の記載に先行する移行句「本質的に〜から成る」、「〜から成る」、「〜から成る群より選択される」、又は「である(is)」を伴う同じ組成物又は要素の群をも企図し、逆の場合も同じであるものと解釈すべきである。従って、用語「含む」は、用語「本質的に〜から成る」、「である」及び「〜から成る」を包含し、「含む」を使用するどこでもその代わりに「本質的に〜から成る」、「である」、又は「〜から成る」を使用してよい。

Claims (26)

  1. ポリマクロモノマーの製造方法であって、(1)125Da以上のMn、総不飽和に対して少なくとも70%のビニル末端(1H NMRで測定)、1.5未満のMWDを有するビニル末端マクロモノマーと、(2)40wt%のまでのC2〜C18コモノマーとを、(3)ビニル末端マクロモノマーをオリゴマー化できる触媒系と、連鎖移動剤の存在下、20℃〜180℃の温度及び1分〜24時間の重合条件下で接触させて、10より大きい重合度と、0.9未満の分岐指数g'(vis)と、-10℃〜40℃のTgと、約5000Da以上のMnとを有するポリマクロモノマーを製造する工程を含む方法。
  2. 前記ビニル末端マクロモノマーが、重合前に下記:
    (i)少なくとも5%のアリル鎖端を有するビニル末端ポリマー;
    (ii)少なくとも200g/モルのMn(1H NMRで測定)を有し、1種以上のC4〜C40高級オレフィン誘導単位を含むビニル末端ポリマー、ここで、高級オレフィンポリマーは実質的にプロピレン誘導単位を含まず;かつ高級オレフィンポリマーは少なくとも5%のアリル鎖端を有する;
    (iii)300g/モル以上のMn(1H NMRで測定)を有し、(a)約20モル%〜約99.9モル%の少なくとも1種のC5〜C40高級オレフィン、及び(b)約0.1モル%〜約80モル%のプロピレンを含むコポリマー、ここで、高級オレフィンコポリマーは少なくとも40%のアリル鎖端を有する;
    (iv)300g/モル以上のMn(1H NMRで測定)を有し、かつ(a)約80モル%〜約99.9モル%の少なくとも1種のC4オレフィン、(b)約0.1モル%〜約20モル%のプロピレンを含むコポリマー、ここで、ビニル末端マクロモノマーは、総不飽和に対して少なくとも40%のアリル鎖端を有する;
    (v)300g/モル〜30,000g/モルのMn(1H NMRで測定)を有し、10モル%〜90モル%のプロピレン及び10モル%〜90モル%のエチレンを含むコオリゴマーであって、前記オリゴマーは少なくともX%のアリル鎖端(総不飽和に対して)を有し、ここで、1)10モル%〜60モル%のエチレンが前記コオリゴマー中に存在するときは、X=(-0.94*(組み入れられたエチレンのモル%)+100)であり、2)60モル%より多く、70モル%未満のエチレンが前記コオリゴマー中に存在するときは、X=45であり、3)70モル%〜90モル%のエチレンが前記コオリゴマー中に存在するときは、X=(1.83*(組み入れられたエチレンのモル%)-83)である、コオリゴマー;
    (vi)90モル%より多いプロピレンと、10モル%未満のエチレンとを含むプロピレンオリゴマー、ここで、前記オリゴマーは、少なくとも93%のアリル鎖端、約500g/モル〜約20,000g/モルの数平均分子量(Mn)、0.8:1〜1.35:1.0のイソブチル鎖端対アリルビニル基比、100ppm未満のアルミニウム、及び/又は10,000モノマー単位当たり250未満の位置欠陥を有する;
    (vii)少なくとも50モル%のプロピレンと、10モル%〜50モル%のエチレンとを含むプロピレンオリゴマー、ここで、前記オリゴマーは、少なくとも90%のアリル鎖端、約150g/モル〜約10,000g/モルのMn、及び0.8:1〜1.2:1.0のイソブチル鎖端対アリルビニル基比を有し、前記オリゴマーには4個以上の炭素原子を有するモノマーが0モル%〜3モル%存在する;
    (viii)少なくとも50モル%のプロピレンと、0.1モル%〜45モル%のエチレンと、0.1モル%〜5モル%のC4〜C12オレフィンとを含むプロピレンオリゴマー、ここで、前記オリゴマーは、少なくとも90%のアリル鎖端、約150g/モル〜約10,000g/モルのMn、及び0.8:1〜1.35:1.0のイソブチル鎖端対アリルビニル基比を有する;
    (ix)少なくとも50モル%のプロピレンと、0.1モル%〜45モル%のエチレンと、0.1モル%〜5モル%のジエンとを含むプロピレンオリゴマー、ここで、前記オリゴマーは、少なくとも90%のアリル鎖端、約150g/モル〜約10,000g/モルのMn、及び0.7:1〜1.35:1.0のイソブチル鎖端対アリルビニル基比を有する;
    (x)プロピレンを含むホモオリゴマー、ここで、前記オリゴマーは、少なくとも93%のアリル鎖端、約500g/モル〜約20,000g/モルのMn、0.8:1〜1.2:1.0のイソブチル鎖端対アリルビニル基比、及び1400ppm未満のアルミニウムを有する;
    (xi)下記:(a)少なくとも60%のアリル鎖端;(b)4.0以下の分子量分布;(c)0.95より大きいg'(vis);及び(d)少なくとも20,000g/モルのMn(1H NMR)を有するビニル末端ポリエチレン;及び
    (xii)下記:(a)少なくとも50%のアリル鎖端;(b)4.0以下の分子量分布;(c)0.95以下のg'(vis);(d)少なくとも7,000g/モルのMn(1H NMR);及び(e)約0.8〜約1.2の範囲のMn(GPC)/Mn(1H NMR)を有するビニル末端ポリエチレン
    の1つ以上である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ポリマクロモノマーのg'(vis)が0.3以下である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記ビニル末端マクロモノマーが重合前に下記:
    1) 12〜600個の炭素原子;
    2) 170以上のMn;
    3) 1.01〜1.5未満(好ましくは1.01〜1.35、好ましくは1〜1.30、好ましくは1〜1.2、好ましくは1.0〜1.1、好ましくは1.01〜1.05)のMw/Mn;
    4) 60℃以下の融点(Tm);及び
    5) 前記マクロモノマーの重量に基づいて、10wt%未満の芳香族含有モノマー
    を含む、請求項1又は2に記載の方法。
  5. 前記ビニル末端マクロモノマーのMw/Mnが1.01〜1.40(好ましくは1.01〜1.35、好ましくは1〜1.30、好ましくは1〜1.2、好ましくは1.0〜1.1、好ましくは1.01〜1.05)である、請求項1又は2に記載の方法。
  6. 前記ビニル末端マクロモノマーが少なくとも50モル%のアタクチックポリプロピレンを含み、かつ0℃未満のガラス転移温度(Tg)を有する、請求項4に記載の方法。
  7. 前記ポリマクロモノマーの重合度が15以上である、請求項4に記載の方法。
  8. 前記ビニル末端マクロモノマーのMw/Mnが1.1未満である、請求項1に記載の方法。
  9. 前記ビニル末端マクロモノマーが、重合前に1.01〜1.05のMWD(Mw/Mn)を有する、請求項1に記載の方法。
  10. 前記ビニル末端マクロモノマーが前駆体マクロモノマーの画分から誘導される、請求項1に記載の方法。
  11. 前記触媒系が、下記式で表される化合物を含む、請求項1に記載の方法。
    Figure 2015513583
  12. 前記ビニル末端マクロモノマーがポリプロピレン、好ましくはアイソタクチックポリプロピレン及び/又はアタクチックポリプロピレンである、請求項11に記載の方法。
  13. 前記連鎖移動剤が可逆性である、請求項1に記載の方法。
  14. 前記連鎖移動剤がアルミニウム含有化合物、亜鉛含有化合物、又はその組合せから選択される、請求項1に記載の方法。
  15. 前記連鎖移動剤が、アルキルアルモキサン及び下記式:
    Figure 2015513583
    (式中、R1、R2、及びR3はそれぞれ個々にC1-C20ヒドロカルビル基を含む)
    で表される化合物の1つ又は組合せを含んでなるアルミニウム含有化合物を含む、請求項1に記載の方法。
  16. 前記連鎖移動剤が、式ZnR1R2(式中、各R1及びR2は個々にC1-C20ヒドロカルビル基である)で表される亜鉛含有化合物をさらに含む、請求項16に記載の方法。
  17. 前記連鎖移動剤が、アルミニウム含有化合物又はアルミニウム含有化合物と亜鉛含有化合物の組合せから選択され、かつ前記触媒系が約10〜10,000のAl/Hf当量比を含む、請求項11に記載の方法。
  18. 前記触媒系が下記式:
    (Z)d + (Ad-)
    (式中、Zは(L-H)、又は還元できるルイス酸であり、Lは中性ルイス塩基であり;
    Hは水素であり;
    (L-H)+はブレンステッド酸であり;
    Ad-は、電荷d-を有する非配位アニオンであり;かつ
    dは1〜3の整数である)
    で表される活性化剤を含む、請求項1に記載の方法。
  19. 前記ビニル末端マクロモノマー及び40wt%までのC2〜C18コモノマーを水素の存在下でオリゴマー化触媒系と接触させる、請求項1に記載の方法。
  20. 前記ポリマクロモノマーがMn(SEC-RI)より大きいMn(SEC-vis)及びMWD(SEC-vis)より大きいMWD(SEC-RI)を含む、請求項1に記載の方法。
  21. 前記ポリマクロモノマーが10kg/モルより大きい流れ活性化エネルギーを含む、請求項1に記載の方法。
  22. ポリマクロモノマーの製造方法であって、(1)160Da以上のMn及び総不飽和に対して少なくとも30%のビニル末端(1H NMRで測定)を有するビニル末端マクロモノマーと、(2)40wt%までのC2〜C18コモノマーとを、(3)任意で、アルミニウム含有化合物、亜鉛含有化合物、又はその組合せから選択される可逆性連鎖移動剤の存在下、ビニル末端マクロモノマーをオリゴマー化できる触媒系と、20℃〜180℃の温度及び1分〜24時間の重合条件下で接触させて、10より大きい重合度と、0.9未満の分岐指数g'(vis)と、-10℃〜40℃のTgと、約1500Da以上のMnとを有するポリマクロモノマーを製造する工程を含む方法。
  23. ポリマクロモノマーの製造方法であって、(1)12〜600個の炭素原子、220Da以上のMn、60℃以下の融点(Tm)及び総不飽和に対して70%のビニル末端(1H NMRで測定)を含むビニル末端アタクチックプロピレンマクロモノマーと、(2)40wt%までのC2〜C18コモノマーとを、(3)任意で、アルミニウム含有化合物、亜鉛含有化合物、又はその組合せから選択される可逆性連鎖移動剤の存在下、ビニル末端マクロモノマーをオリゴマー化できるハフニウム触媒系と、20℃〜180℃の温度、約10〜10,000のAl/Hf当量比、50より大きいマクロモノマー/触媒Hf当量比及び1分〜24時間の重合条件下で接触させて、10より大きい重合度と、0.3未満の分岐指数g'(vis)と、-10℃〜40℃のTgと、約5000Da以上のMnと、Mn(SEC-RI)より大きいMn(SEC-vis)と、MWD(SEC-vis)より大きいMWD(SEC-RI)と、10kcal/モルより大きい流れ活性化エネルギーとを有するポリマクロモノマーを製造する工程を含む方法。
  24. 少なくとも1種のビニル末端マクロモノマーと、0wt%〜40wt%のC2〜C18コモノマーとを含んでなるポリマクロモノマーであって、このポリマクロモノマーは10より大きい重合度と、5000Daより大きいMnと、0.9未満の分岐指数g'(vis)と、60℃未満のガラス転移温度とを有し、重合前の前記マクロモノマーは下記:
    1) 12〜600個の炭素原子;
    2) 170以下のMn;
    3) 60℃以下の融点(Tm);
    4) 前記マクロモノマーの重量に基づいて10wt%未満の芳香族含有モノマー;及び
    5) 1.5未満のMWD
    を含む、ポリマクロモノマー。
  25. 前記ビニル末端マクロモノマーが、ポリプロピレン、好ましくはアイソタクチックポリプロピレン及び/又はアタクチックポリプロピレンを含む、請求項24のポリマクロモノマー。
  26. 前記ポリマクロモノマーが下記:
    1) 0.3以下のg'を有し;及び又は
    2) 約1.5以上のMWDを有し;及び又は
    3) 15以上(好ましくは30〜200)の重合度を有し;及び又は
    4) せん断減粘レオロジー有し;及び又は
    5) 100Pa・秒より大きい35℃ゼロせん断速度及び100Pa・秒未満の100℃ゼロせん断速度を有し;及び又は
    6) Mn(SEC-RI)より大きいMn(SEC-vis)及びMWD(SEC-RI)より小さいMWD(SEC-vis)を有し;及び又は
    7) 5kcal/モルより大きい流れ活性化エネルギーを有し;及び又は
    8) 0.25未満の分岐指数g'(vis)を有する、請求項24又は25のポリマクロモノマー。
JP2014558749A 2012-02-22 2013-01-29 ビニル末端マクロモノマーのオリゴマー化 Pending JP2015513583A (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201261601729P 2012-02-22 2012-02-22
US61/601,729 2012-02-22
US13/629,323 US8802797B2 (en) 2008-06-20 2012-09-27 Vinyl-terminated macromonomer oligomerization
US13/629,323 2012-09-27
PCT/US2013/023613 WO2013126187A1 (en) 2012-02-22 2013-01-29 Vinyl-terminated macromonomer oligomerization

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015513583A true JP2015513583A (ja) 2015-05-14

Family

ID=49006110

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014558749A Pending JP2015513583A (ja) 2012-02-22 2013-01-29 ビニル末端マクロモノマーのオリゴマー化

Country Status (4)

Country Link
EP (1) EP2817343A4 (ja)
JP (1) JP2015513583A (ja)
CN (1) CN104169312A (ja)
WO (1) WO2013126187A1 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016503103A (ja) * 2012-12-27 2016-02-01 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー オレフィン重合のための触媒系
JP2018505264A (ja) * 2014-12-31 2018-02-22 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー ポリオレフィン組成物及びその生成方法
JP2018154821A (ja) * 2017-03-16 2018-10-04 Mcppイノベーション合同会社 熱可塑性エラストマー組成物
JP2019142998A (ja) * 2018-02-16 2019-08-29 三井化学株式会社 オレフィン系樹脂、その製造方法およびプロピレン系樹脂組成物

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11130807A (ja) * 1997-10-29 1999-05-18 Idemitsu Petrochem Co Ltd 遷移金属化合物、プロピレン重合用触媒、該触媒を用 いたプロピレン重合体の製造方法およびプロピレン重 合体
JP2001509511A (ja) * 1997-07-11 2001-07-24 ボレアリス エイ/エス エチレン性不飽和モノマーの重合のための新規メタロセン化合物
JP2001525460A (ja) * 1997-12-10 2001-12-11 エクソンモービル・ケミカル・パテンツ・インク マクロマーを組み入れるプロピレンポリマー
WO2010117028A1 (ja) * 2009-04-10 2010-10-14 出光興産株式会社 αオレフィンオリゴマーおよびその製造方法
JP2011525212A (ja) * 2008-06-20 2011-09-15 エクソンモービル・ケミカル・パテンツ・インク ポリマクロモノマーとこれを製造する方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5773534A (en) * 1992-05-22 1998-06-30 E. I. Du Pont De Nemours And Company Preparing crosslinkable polymers employing macromonomer chain transfer agents
WO1996039451A1 (en) * 1995-06-06 1996-12-12 The Dow Chemical Company Segmented multicomponent interpolymers of monovinylidene aromatic monomers
US6117962A (en) * 1997-12-10 2000-09-12 Exxon Chemical Patents Inc. Vinyl-containing stereospecific polypropylene macromers
AU2003277350A1 (en) * 2002-10-24 2004-05-13 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Branched crystalline polypropylene
US8283428B2 (en) * 2008-06-20 2012-10-09 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Polymacromonomer and process for production thereof
CN101891851B (zh) * 2009-05-22 2012-07-04 中国科学院化学研究所 一种制备长链支化等规聚丙烯的方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001509511A (ja) * 1997-07-11 2001-07-24 ボレアリス エイ/エス エチレン性不飽和モノマーの重合のための新規メタロセン化合物
JPH11130807A (ja) * 1997-10-29 1999-05-18 Idemitsu Petrochem Co Ltd 遷移金属化合物、プロピレン重合用触媒、該触媒を用 いたプロピレン重合体の製造方法およびプロピレン重 合体
JP2001525460A (ja) * 1997-12-10 2001-12-11 エクソンモービル・ケミカル・パテンツ・インク マクロマーを組み入れるプロピレンポリマー
JP2011525212A (ja) * 2008-06-20 2011-09-15 エクソンモービル・ケミカル・パテンツ・インク ポリマクロモノマーとこれを製造する方法
WO2010117028A1 (ja) * 2009-04-10 2010-10-14 出光興産株式会社 αオレフィンオリゴマーおよびその製造方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016503103A (ja) * 2012-12-27 2016-02-01 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー オレフィン重合のための触媒系
JP2018505264A (ja) * 2014-12-31 2018-02-22 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー ポリオレフィン組成物及びその生成方法
JP2018154821A (ja) * 2017-03-16 2018-10-04 Mcppイノベーション合同会社 熱可塑性エラストマー組成物
JP2019142998A (ja) * 2018-02-16 2019-08-29 三井化学株式会社 オレフィン系樹脂、その製造方法およびプロピレン系樹脂組成物
JP7028669B2 (ja) 2018-02-16 2022-03-02 三井化学株式会社 オレフィン系樹脂、その製造方法およびプロピレン系樹脂組成物

Also Published As

Publication number Publication date
EP2817343A1 (en) 2014-12-31
WO2013126187A1 (en) 2013-08-29
CN104169312A (zh) 2014-11-26
EP2817343A4 (en) 2015-10-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8802797B2 (en) Vinyl-terminated macromonomer oligomerization
US9422385B2 (en) Polyethylene copolymers with vinyl terminated macromonomers as comonomers
US9273163B2 (en) Hydrosilation of vinyl-terminated macromonomers
CA2726647C (en) Polymacromonomer and process for production thereof
US9365661B2 (en) Polyalphaolefins prepared using modified salan catalyst compounds
JP5848434B2 (ja) ビニル末端プロピレンおよびエチレン/プロピレンマクロマーの生成のための触媒性能の向上
US8993702B2 (en) Enhanced catalyst performance for production of vinyl terminated propylene and ethylene/propylene macromers
US8283428B2 (en) Polymacromonomer and process for production thereof
US10562987B2 (en) Polymers produced via use of quinolinyldiamido transition metal complexes and vinyl transfer agents
CN110845546A (zh) 取代的茂金属催化剂
JP5848815B2 (ja) ビニル末端型ポリマーを製造するための新規な触媒およびその使用方法
US9382349B2 (en) Polyalphaolefins prepared using modified Salan catalyst compounds
WO2015009832A1 (en) Ethylene-propylene copolymeric compositions with long methylene sequence lengths
WO2014052200A1 (en) Vinyl terminated polymers and methods to produce thereof
EP2688924A2 (en) Vinyl terminated higher olefin polymers and methods to produce thereof
CN112513110A (zh) 作为粘度改性剂的乙烯-丙烯线性共聚物
JP2015513583A (ja) ビニル末端マクロモノマーのオリゴマー化
WO2014120478A1 (en) Polyethylene copolymers with vinyl terminated macromonomers as comonomers
US9382350B2 (en) Friedel crafts alkylation of aromatics using vinyl terminated macromonomers
US11028196B2 (en) Polyolefin compositions
US20230148328A1 (en) Syndiotactic propylene-based ethylene- propylene copolymers
KR20240096736A (ko) 신디오택틱 프로필렌계 에틸렌-프로필렌 공중합체
WO2018160276A1 (en) Polymers produced via use of quinolinyldiamido transition metal complexes and vinyl transfer agents
WO2013154703A1 (en) Methods to increase oligomer viscosity and uses thereof

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150911

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151005

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20151218

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20160203

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20160613