JP2015228784A - 光電池の評価方法、光電池の評価装置、プログラム、および光電池の製造方法 - Google Patents

光電池の評価方法、光電池の評価装置、プログラム、および光電池の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光電池の新規な評価手法に関する技術を提供する。【解決手段】光電池の評価方法は、(a)第1のサブセルを有する光電池の発光ダイオード動作時におけるエレクトロルミネッセンスの絶対強度に対応し、発光ダイオード動作時の注入電流密度の関数として得られた、第1のサブセルから前記光電池の外部への光放出に対応する輻射再結合損失レートを準備する工程と、(b)第1のサブセルについて、ネットのキャリア発生レートとネットのキャリア損失レートとのバランスに基づき、発光ダイオード動作時の注入電流密度と光電池動作時の取出電流密度との関係を求め、工程(a)において発光ダイオード動作時の注入電流密度の関数として得られた輻射再結合損失レートから、光電池動作時の取出電流密度の関数として、第1のサブセルから光電池の外部への光放出に対応する輻射再結合損失レートを得る工程とを有する。【選択図】図4

Description

本発明は、光電池の評価方法、光電池の評価装置、プログラム、および光電池の製造方法に関する。
太陽電池等の光電池について、高効率化等の技術開発が進められている。高効率太陽電池の開発において最も堅実な成功をおさめてきた方法は、多接合タンデム化である。しかし現状の多接合型太陽電池の開発は、試行錯誤によるところが大きい。作製と評価のフィードバックを強化するために、構成要素である各サブセルの品質・特性を、完成した素子に対して非破壊で評価する標準的な方法が望まれる。
近年、エレクトロルミネッセンス(EL)強度測定に基づく、各サブセルの電流電圧特性や開放電圧Vocの分析方法が提案されている(例えば非特許文献1参照)。
しかし、先行研究では、1)EL強度は任意単位あるいは相対強度として測定および定式化し、2)全体の電流電圧特性を実測し、3)全体の電流電圧特性の測定結果に理論予想が一致するようにパラメータを調節して各サブセルの電流電圧特性を推定する方法がとられた。この方法は、パラメータを人為的に調整する過程を含むため、各サブセルの電流電圧特性を実験で評価しているとは言えない。各サブセルの電流電圧特性や、各サブセルの損失内訳、ルミネッセンス結合の大きさ、材料の品質など、太陽電池内部の詳細な診断を行うためには、上記のような仮定を含まない評価手法が望まれる。
バイアス光を用いた太陽電池の外部量子効率スペクトル測定法は、多接合型太陽電池の標準的評価方法の一つである。各サブセルの個別のキャリア発生性能の評価のため非常に重要であり、短絡電流Iscや、各サブセル間の電流マッチングの診断に有用である(例えば特許文献2参照)。
単接合型光電池においても、各種の評価手法が望まれている。
Raymond Hoheisel, Frank Dimroth, Andreas W. Bett, Scott R. Messenger, Phillip P. Jenkins, Robert J. Walters, Electroluminescence analysis of irradiated GaInP/GaInAs/Ge space solar cells, Solar Energy Materials and Solar Cells 108, 235 (2013). G. Siefer, C. Baur, A. W. Bett, External quantum efficiency measurements of germanium bottom subcells: Measurement artifacts and correction procedures, 35th Photovoltaic Specialists Conference (PVSC), 704-707 (2010).
本発明の一目的は、光電池の新規な評価手法に関する技術を提供することである。
本発明の一観点によれば、
(a)第1のサブセルを有する光電池の発光ダイオード動作時におけるエレクトロルミネッセンスの絶対強度に対応し、発光ダイオード動作時の注入電流密度の関数として得られた、前記第1のサブセルから前記光電池の外部への光放出に対応する輻射再結合損失レートを準備する工程と、
(b)前記第1のサブセルについて、ネットのキャリア発生レートとネットのキャリア損失レートとのバランスに基づき、発光ダイオード動作時の注入電流密度と光電池動作時の取出電流密度との関係を求め、前記工程(a)において発光ダイオード動作時の注入電流密度の関数として得られた輻射再結合損失レートから、光電池動作時の取出電流密度の関数として、前記第1のサブセルから前記光電池の外部への光放出に対応する輻射再結合損失レートを得る工程と
を有する光電池の評価方法が提供される。
本発明の他の観点によれば、
第1のサブセルを有する光電池の発光ダイオード動作時におけるエレクトロルミネッセンスの絶対強度に対応し、発光ダイオード動作時の注入電流密度の関数として得られた、前記第1のサブセルから前記光電池の外部への光放出に対応する輻射再結合損失レートと、
前記第1のサブセルについて、ネットのキャリア発生レートとネットのキャリア損失レートとのバランスに基づいて求められた、発光ダイオード動作時の注入電流密度と光電池動作時の取出電流密度との関係と
に基づいて、
光電池動作時の取出電流密度の関数として、前記第1のサブセルから前記光電池の外部への光放出に対応する輻射再結合損失レートを得るように構成された計算装置
を有する、光電池の評価装置が提供される。
本発明のさらに他の観点によれば、
第1のサブセルを有する光電池の発光ダイオード動作時におけるエレクトロルミネッセンスの絶対強度に対応し、発光ダイオード動作時の注入電流密度の関数として得られた、前記第1のサブセルから前記光電池の外部への光放出に対応する輻射再結合損失レートと、
前記第1のサブセルについて、ネットのキャリア発生レートとネットのキャリア損失レートとのバランスに基づいて求められた、発光ダイオード動作時の注入電流密度と光電池動作時の取出電流密度との関係と
に基づいて、
光電池動作時の取出電流密度の関数として、前記第1のサブセルから前記光電池の外部への光放出に対応する輻射再結合損失レートを得る手順
をコンピュータに実行させるプログラムが提供される。
本発明のさらに他の観点によれば、
光電池を形成する工程と、
前記光電池の特性を評価する工程と
を有し、
前記光電池の特性を評価する工程は、
第1のサブセルを有する光電池の発光ダイオード動作時におけるエレクトロルミネッセンスの絶対強度に対応し、発光ダイオード動作時の注入電流密度の関数として得られた、前記第1のサブセルから前記光電池の外部への光放出に対応する輻射再結合損失レートと、
前記第1のサブセルについて、ネットのキャリア発生レートとネットのキャリア損失レートとのバランスに基づいて求められた、発光ダイオード動作時の注入電流密度と光電池動作時の取出電流密度との関係と
に基づいて、
光電池動作時の取出電流密度の関数として、前記第1のサブセルから前記光電池の外部への光放出に対応する輻射再結合損失レートを得る工程
を有する光電池の製造方法が提供される。
エレクトロルミネッセンスの絶対強度に対応し、発光ダイオード動作時の注入電流密度の関数として得られた、第1のサブセルから光電池外部への光放出に対応する輻射再結合損失レートに基づいて、光電池動作時の取出電流密度の関数として、第1のサブセルから光電池外部への光放出に対応する輻射再結合損失レートが求められることにより、光電池の様々な特性を評価することが可能となる。
図1(A)は、光電池10の概略構造を示す断面図であり、図1(B)は、EL絶対強度測定(および解析)の状況例を示す概略図である。 図2は、実施例による光電池の各サブセルの発光ダイオード動作時における外部発光量子効率を示すグラフである。 図3は、実施例による光電池の各サブセルの光電池動作時における外部量子効率、および光電池上面から測定した反射率を示すグラフである。 図4は、実施例による光電池の各サブセルの光電池動作時における外部発光量子効率を示すグラフである。 図5(A)および図5(B)は、それぞれ、実施例による光電池の光電池動作時における電流電圧特性を示すグラフおよび各種特性値をまとめた表である。 図6(A)および図6(B)は、実施例による光電池の最大出力条件におけるパワーバランスシートである。 図7(A)および図7(B)は、実施例による光電池の開放回路条件におけるキャリアバランスシートであり、図7(C)および図7(D)は、実施例による光電池の最大出力条件におけるキャリアバランスシートである。 図8(A)は、実施例による光電池の各サブセルの内部発光量子効率を示すグラフであり、図8(B)は、実施例による光電池の各サブセルの外部発光量子効率および内部発光量子効率をまとめた表である。
以下、本発明の実施形態による光電池の評価方法について、一例として行った実験(実施例)に沿って説明する。
まず、評価対象とする光電池について説明する。ここでは、多接合型光電池の評価を行う例について説明する。多接合型光電池は、光入射側ほど広いバンドギャップのサブセルが配置されるように複数のサブセルが積層された構造を有する。各サブセルは、pn接合を有する半導体光電池として構成されている。光電池の光入射側を、上側、上方等と呼ぶこともあり、光電池の光入射側と反対側を、光入射反対側、下側、下方等と呼ぶこともある。評価対象とする光電池は、公知のどのような方法で形成されたものであってもよい。
図1(A)は、光電池10の概略構造を示す断面図であり、実施例で評価対象とした光電池(実施例の光電池)の構造を例示する。光電池(セル)10は、3つのサブセルSC〜SCが積層された構造を有する。最も光入射側(上側)に配置されたサブセル(トップサブセル)SCは、例えばインジウムガリウムリン(InGaP)により形成されている。トップサブセルSCの直下に配置されたサブセル(ミドルサブセル)SCは、例えばガリウムヒ素(GaAs)により形成されている。ミドルサブセルSCの直下に配置されたサブセル(ボトムサブセル)SCは、例えばゲルマニウム(Ge)により形成されている。実施例の光電池10は、大気圏外で利用される太陽電池として構成されており、入射光としては、AM0の太陽光が想定されている。
トップサブセルSCとミドルサブセルSCとが、トンネル接合TN12を介して積層されている。ミドルサブセルSCとボトムサブセルSCとが、トンネル接合TN23を介して積層されている。各サブセルSC〜SCにおいて、例えば、上方側がn型半導体層、下方側がp型半導体層となる配置で、pn接合が形成されている。なお、光電池の構造は、例示の光電池に対しp型半導体層とn型半導体層の積層順が上下反転した構造であってもかまわない。
トップサブセルSCの上面上に、例えば銀(Ag)により、上側電極ELUが形成されている。上側電極ELUの外側が、外部から光電池へ光が入射する光入射領域を形成する。光入射領域上に、反射防止層(ARコート)ARCが形成されていてもよい。ボトムサブセルSCの下面上に、例えばAgにより全面に亘って、下側電極ELLが形成されている。下側電極ELLは、光を上方に反射する反射電極を形成する。
なお、後述の各種物理量について、トップサブセルSC、ミドルサブセルSC、ボトムサブセルSCのそれぞれに関するものを、添え字「1」、「2」、「3」を付して区別することがある。また、各サブセルを一般的に表す場合に、添え字「i」を付すことがある。また、光電池の外部(実施例において具体的には上側空気層)を表す場合に、添え字「0」を付すことがある。
次に、実施形態による光電池の評価方法について説明する。
まず、光電池に順方向電圧を印加して発光ダイオード(LED)として動作させ、各サブセルSCからのエレクトロルミネッセンス(EL)の絶対強度(EL絶対強度)を測定する。光電池に注入する順方向バイアス電流の密度(注入電流密度)JLEDを変化させて、注入電流密度JLEDの関数として、各サブセルSCのEL絶対強度を得る。
各サブセルSCのEL絶対強度は、言い換えると、各サブセルSCから光電池外部への光放出に対応する輻射再結合損失レートRext_i→0である。ここで、添え字の矢印「→」は、放射の発生側から行先側への方向を表し、「i→0」は、サブセルSCから光電池外部(実施例において具体的には上側空気層)への光放出を表している。様々な注入電流密度JLEDについてEL絶対強度を測定することにより、JLEDの関数として輻射再結合損失レートRext_i→0を得ることができる。なお、以下、説明を容易にするため、EL絶対強度や各種レートは、単位面積当たりについて考える。
輻射再結合損失レートRext_i→0に基づいて、LED動作時における発光の外部量子効率、すなわち、外部発光量子効率EQE LEDを求めることができる。注入電流密度JLEDは、電荷素量qで割ることにより、電流により光電池へ(各サブセルへ)注入されるキャリア注入レートに換算される。輻射再結合損失レートRext_i→0を、キャリア注入レートJLED/qで割ることにより、各サブセルSCのLED動作時における外部発光量子効率EQE LEDが算出される。なお一般に、量子効率は、量子収率と呼ばれることもある。
図1(B)は、EL絶対強度測定(および解析)の状況例を示す概略図である。なお、図示の煩雑さを避けるため、光電池10のトンネル接合TN12、TN23および反射防止層ARCの図示は省略している(図1(A)参照)。光電池10へ電源20により順方向バイアスを印加してEL発光させ、EL絶対強度を測定器30により測定する。この測定は、光電池10に外部から光が入射しない状況で行うことが好ましい。EL絶対強度は、公知のどのような方法で測定してもかまわず、測定器30としては、EL発光の絶対強度を測定できる公知のどのような構成のものを用いてもかまわない。
制御装置40が、注入電流密度JLEDを変化させて測定を行うように電源20を制御し、測定器30から測定結果に対応するデータを受信する。制御装置40は、このような測定の制御を行う制御装置として構成されており、また、以下の説明において実施される各種の計算(解析)等を行う計算装置として構成されており、これらの制御や計算等を行うためのプログラムやデータ等が格納された記憶装置や、記憶装置からプログラム等を読み出して実行するCPUを有する。制御装置(計算装置)40は、例えばパーソナルコンピュータで構成される。少なくとも計算装置40を含んで、光電池の評価装置が構成される。光電池の評価装置は、電源20や測定器30を含んでいてもよい。なお、後述のように、測定と解析とが別々に行われる実施態様の場合は、制御装置と計算装置とを別々に用意することもできる。
より具体的に、実施例で行ったEL絶対強度測定方法について説明する。順方向バイアスとして、光電池10の上側電極ELUおよび下側電極ELLに、それぞれ負電圧および正電圧を印加した。順方向バイアス印加により、光電池10は、赤色のEL発光を生じた。このEL発光は、肉眼でも明瞭に観察された。EL絶対強度の測定は、トップサブセルSCおよびミドルサブセルSCに対する測定と、ボトムサブセルSCに対する測定とに分けて実施した。
トップサブセルSCおよびミドルサブセルSCに対する測定について説明する。予め標準光源を用いて相対波長感度校正しておいたスペクトロメータを用いて、光電池10からのELスペクトルを測定した。スペクトロメータとして、冷却シリコンCCD検出器を有し、波長400nm〜1100nmに感度を持つものを用いた。685nm(1.81eV)と882nm(1.405eV)にそれぞれピークを持つ、トップサブセルSC(InGaP)とミドルサブセルSC(GaAs)からの、相対波長感度校正されたELスペクトルが得られた。
次に、絶対感度校正された光パワーメータの、円板状の受光面を持つシリコンフォトダイオード受光素子からなる光センサを、光電池10の上面と平行に近接位置に置き、光パワーメータの設定波長について、光パワーを測定した。測定された設定波長の名目上の光パワー値と、設定波長における光センサの絶対波長感度とから、光センサで検出された全光電流を算出した。
そして、測定された(相対波長感度校正された)ELスペクトルと、光センサで検出された全光電流と、このシリコンフォトダイオード受光素子の絶対波長感度曲線とから、EL絶対強度スペクトルを求めた。EL絶対強度スペクトルから、各サブセルのEL絶対強度を求め、また、外部発光量子効率を求めた。
ボトムサブセルSCに対する測定について説明する。波長900nm〜2100 nmに感度を有し、円板状の受光面を持つ絶対感度既知のInGaAsフォトダイオード素子を、1500nm以下の短波長側をカットする光学フィルタと組み合わせて、光電池上面と平行近接位置に置き、光電流を測定して、EL絶対強度を求め、また、外部発光量子効率を求めた。
なお、平板型発光素子の面積あたりの発光全光束測定では、このような簡易的な平行近接位置での測定が近似的に用いられる。より一般的には、例えば、積分球を用いた全光束計測や、放射量の角度分布計測により決定すればよい。
各サブセルSCについて、上述のような測定を、様々な順バイアス電流JLEDに対して行い、JLEDの関数として、EL絶対強度(輻射再結合損失レートRext_i→0)および外部量子効率EQE LEDを求めた。
図2に、実施例による光電池のトップサブセル(Top)、ミドルサブセル(Mid)、およびボトムサブセル(Bot)のLED動作時における外部発光量子効率EQELEDを、注入電流密度JLEDの関数として示す。
上述のようにJLEDの関数として求められた輻射再結合損失レートRext_i→0の他、さらに、光電池外部から各サブセルSCへ入射した光の吸収によるキャリア発生レートRsun_iを準備しておく。このキャリア発生レートRsun_iを、外光吸収キャリア発生レートと呼ぶこととする。外光吸収キャリア発生レートRsun_iは、例えば以下のようにして得ることができる。
まず、各サブセルSCについて、光電池動作時(PV動作時)における光電池としての外部量子効率EQE PVを求める。次に、外部量子効率EQE PVに、実際に光電池として利用する場合に想定される入射光のスペクトルを掛けることにより、外光吸収キャリア発生レートRsun_iが得られる。PV動作時の外部量子効率EQE PVは、公知のどのような方法で求めてもかまわない。
なお、本実施形態では、後述のように、光電池のPV動作時における発光の外部量子効率yextが算出される。PV動作時におけるこれらの「量子効率」を区別するため、PV動作時の光電池としての外部量子効率EQEPVを、単に、PV動作時の「外部量子効率」と呼び、PV動作時の発光の外部量子効率yextを、「外部発光量子効率」と呼ぶこととする。
実施例では、非特許文献2記載の方法に基づいて、各サブセルSCのPV動作時における外部量子効率EQE PVを得た。そして、各サブセルSCについて、PV動作時の外部量子効率EQE PVに、AM0の太陽光スペクトルを掛けることにより、外光吸収キャリア発生レートRsun_iを得た。なお、非特許文献2記載の方法の概略は、以下のようなものである。当該サブセル以外の他のサブセルにバイアス光を入射させた状態で、当該サブセルに強度の知られた単色光を入射させて、光電池に流れる電流を測定することにより、入射単色光の光子が当該サブセルによって取出電流の電子へと変換される割合である外部量子効率が得られる。
図3に、実施例による光電池のトップサブセル(Top)、ミドルサブセル(Mid)、およびボトムサブセル(Bot)のPV動作時における外部量子効率EQEPVを、入射光の波長の光子エネルギーの関数として示す。なお、図3には、光電池上面から測定した反射率(Reflectivity)も示されている。
以上のようにして、各サブセルSCについて、EL絶対強度の測定により、LED動作時における光電池外部への光放出に対応する輻射再結合損失レートRext_i→0が準備される。また、各サブセルSCについて、PV動作時における外光吸収キャリア発生レートRsun_iが準備される。
次に、各サブセルSCについて、LED動作時における光電池外部への光放出に対応する輻射再結合損失レートRext_i→0や、PV動作時における外光吸収キャリア発生レートRsun_i等に基づき、PV動作時の取出電流密度JPVの関数として、PV動作時における光電池外部への光放出に対応する輻射再結合損失レートRext_i→0等を求める。
特に、LED動作時における光電池外部への光放出に対応する輻射再結合損失レートRext_i→0に基づいて、PV動作時の取出電流密度JPVの関数として、PV動作時における光電池外部への光放出に対応する輻射再結合損失レートRext_i→0が求められることにより、光電池の様々な特性を評価することが可能となる。以下、実施例に沿って、算出方法の詳細について説明する。
なお、上述のように、トップサブセルSC、ミドルサブセルSC、ボトムサブセルSCのそれぞれに関する物理量等に、添え字「1」、「2」、「3」を付す。各サブセルを一般的に表す場合に、添え字「i」を付す。光電池の外部を表す場合に、添え字「0」を付す。また、各種のレートは、単位面積当たりについて考える。
実施例のように3つのサブセルを有する多接合型光電池について、各サブセルSCにおけるネットのキャリア発生レートとネットのキャリア損失レートとのバランス(キャリアバランス)は、以下の式(1)〜(3)で表すことができる。
式(1)〜(3)は、それぞれ、トップサブセルSC、ミドルサブセルSC、およびボトムサブセルSCおけるキャリアバランスを示す。左辺がネットのキャリア発生レートを示し、右辺がネットのキャリア損失レートを示し、キャリアバランスは、ネットのキャリア発生レートとネットのキャリア損失レートとが等しいという関係を示す。
sun_iは、光電池の外部(上方空間)からサブセルSCへ入射した光の吸収による(単位面積当たりの)キャリア発生レート(外光吸収キャリア発生レート)である。
Jは、光電池への(サブセルへの)注入電流密度、または、光電池からの(サブセルからの)取出電流密度であり、pn接合の順方向が正方向である。qは電荷素量であり、J/qは、注入電流による(単位面積当たりの)キャリア注入レート、または、取出電流による(単位面積当たりの)キャリア取出レートである。LED動作時のJは正方向の注入電流密度JLEDとなり、PV動作時のJは負方向の取出電流密度JPVとなる。
ext_i→0は、サブセルSCから光電池の外部(上方空間)への光放出に対応する(単位面積当たりの)輻射再結合損失レートである。
サブセルSCのキャリア損失レートとして(右辺中に)現れるRext_i→i+1は、サブセルSCから直下のサブセルSCi+1への光放出に対応する(単位面積当たりの)輻射再結合損失レートである。サブセルSCのキャリア発生レートとして(左辺中に)現れるRext_i−1→iは、直上のサブセルSCi−1からサブセルSCへの光入射に伴うルミネッセンス結合による(単位面積当たりの)キャリア発生レートとなる。ボトムサブセルSCのキャリア損失レートを構成するRext_3→SにおけるSは、pn接合から下側の基板側部材を示す。
nr_iは、サブセルSCにおける(単位面積当たりの)非輻射再結合損失レートである。
つまり、サブセルSCにおけるネットのキャリア発生レート(左辺)は、外光吸収キャリア発生レートRsun_iと、注入電流によるキャリア注入レート、または、取出電流によるキャリア取出レートであるJ/qと、上方のサブセルからの光入射に伴うルミネッセンス結合によるキャリア発生レートRext_i−1→iとの和で表される。なお、トップサブセルSCにおいては、上方にサブセルが配置されていないので、上方のサブセルからの光入射に伴うルミネッセンス結合によるキャリア発生レートはゼロとなる。
一方、サブセルSCにおけるネットのキャリア損失レート(右辺)は、光電池の外部(上方空間)への光放出に対応する輻射再結合損失レートRext_i→0と、下方側(光入射反対側)への光放出に対応する輻射再結合損失レートRext_i→i+1(Rext_i→S)と、非輻射再結合損失レートRnr_iとの和で表される。
キャリアバランス中のRsun_iとJ/qの他の項である、Rext_i→0、Rext_i→i+1(Rext_i→S,Rext_i−1→i)、およびRnr_iは、Rsun_iとJ/qが与えられることにより決定される。つまり、これらの項は、JおよびRsun_1〜Rsun_3の関数として、Rext_i→0[J,Rsun_1,Rsun_2,Rsun_3]のように与えられる。ここで、関数であることを示すために、角括弧を用いている。
非輻射再結合損失レートRnr_iがすべてゼロであれば、光電池の再結合損失は、輻射再結合損失のみ(輻射限界)の理想的な場合と一致し、後述のように、定式化は先行研究論文で与えられている。しかし、現実には、非輻射再結合損失レートRnr_iはゼロではなく、しかも、電流密度Jに依存して変化する量である。
LED動作の場合は、光電池に光を入射させない状態(Rsun_i=0)で、順方向バイアスの印加により電流密度JLEDの電流が注入される。このとき、例えばRext_i→0[J,Rsun_1,Rsun_2,Rsun_3]は、Rext_i→0[JLED,0,0,0]と表される。これを簡略化して、Rext_i→0[JLED]と表記することとする。Rext_i→i+1(Rext_i→S,Rext_i−1→i)およびRnr_iについても同様な表記とする。LED動作において、上式(1)〜(3)は、以下の式(1LED)〜(3LED)のように表される。
上述のように、既に、各サブセルSCの輻射再結合損失レートRext_i→0は、JLEDの関数として得られている。また、輻射再結合損失レートRext_i→i+1は、輻射再結合損失レートRext_i→0から計算できる。輻射再結合損失レートRext_i→Sは、最下層のサブセル(ボトムサブセル)の下側の構造に応じて決めることができる。したがって、式(1LED)〜(3LED)より、未知の非輻射再結合損失レートRnr_iも、JLEDの関数として決定することができる。このようにして、式(1LED)〜(3LED)中のすべての項が、JLEDの関数として得られる。
輻射再結合損失レートRext_i→i+1は、具体的には以下のようにして得ることができる。本実施例のような、表面にARコートがあり、サブセルSCの材料の屈折率nとサブセルSCi+1の材料の屈折率ni+1との比が1に近く、ni+1>nが成り立つような典型的な多接合セルの場合には、輻射再結合損失レートRext_i→0と屈折率nとを用いて、Rext_i→i+1=n ×Rext_i→0と表すことができる。より一般的には、
と表すことができる。ai+1→iやa0→iなどの定義および算出法は後述する。
輻射再結合損失レートRext_i→Sは、具体的には以下のようにして得ることができる。例えば、最下層のサブセル(ボトムサブセル)の下側に、吸収性の基板層が無く、全反射ミラーが存在する構造の場合はゼロと置くことができる。より一般には、基板層を(i+1)層と見なし、反射率や吸収係数に応じて上記のRext_i→i+1の表式を適用することができる。
PV動作の場合は、光電池に光を入射させることにより(Rsun_i≠0)、負方向に電流密度JPVの取出電流が発生するとともに、発光も生じる。このとき、例えばRext_i→0[J,Rsun_1,Rsun_2,Rsun_3]は、Rext_i→0[JPV,Rsun_1,Rsun_2,Rsun_3]と表される。これを簡略化して、Rext_i→0[JPV]と表記することとする。Rext_i→i+1(Rext_i→S,Rext_i−1→i)およびRnr_iについても同様な表記とする。PV動作において、上式(1)〜(3)は、以下の式(1PV)〜(3PV)のように表される。ここで、上述のように、外光吸収キャリア発生レートRsun_iは既に得られている。
各サブセルについて、LED動作時の式(1LED)〜(3LED)のネットのキャリア発生レート(左辺)と、PV動作時の式(1PV)〜(3PV)のネットのキャリア発生レート(左辺)とが等しくなるような条件を考えることにより、LED動作時の注入電流密度JLEDと、PV動作時の取出電流密度JPVとを対応させることができる。
まず、トップサブセルSCについて、JLED/q=Rsun_1+JPV/qという関係を満たすように、JPVをJLEDと対応させることができる。
そして、JPVに対応するJLEDのときのRext_1→0[JLED](Rext_i→0[JLED,0,0,0])を参照することにより、JPVに対応するRext_i→0[JPV](Rext_i→0[JPV,Rsun_1,Rsun_2,Rsun_3])を求めることができる。このようにして、LED動作時の注入電流密度JLEDの関数として得られていた輻射再結合損失レートRext_1→0から、取出電流密度JPVの関数として輻射再結合損失レートRext_1→0を得ることができる。さらに、同様にして、取出電流密度JPVの関数として、輻射再結合損失レートRext_1→2、および、非輻射再結合損失レートRnr_1を得ることができる。
ミドルサブセルSCについては、JLED/q+Rext_1→2[JLED]=Rsun_2+JPV/q+Rext_1→2[JPV]という関係を満たすように、JPVをJLEDと対応させることができる。ここで、上述のように、トップサブセルSCについての物理量であるRext_1→2[JLED]やRext_1→2[JPV]は、既に得られている。
ミドルサブセルSCについても、JPVとJLEDとの対応関係が得られることにより、JLEDの関数として得られていた輻射再結合損失レートRext_2→0、輻射再結合損失レートRext_2→3、および、非輻射再結合損失レートRnr_2から、JPVの関数として輻射再結合損失レートRext_2→0、輻射再結合損失レートRext_2→3、および、非輻射再結合損失レートRnr_2を得ることができる。
さらに、他のサブセルについても同様にして、各項の物理量をJPVの関数として決定することができる。
以上説明したように、各サブセルについて、LED動作時の注入電流密度JLEDごとのEL絶対強度測定に基づき、キャリアバランス中の各項をJLEDに応じた量として求めることができる。そして、JLEDに応じた量として得られたキャリアバランス中の各項に基づき、PV動作時の取出電流密度JPVに応じた量として、キャリアバランス中の各項を求めることができる。
各サブセルSCについて、取出電流密度JPVの関数として、キャリアバランス中の各項が求められると、他の様々な物理量、例えば、PV動作時における外部発光量子効率yext_i等を求めることができ、光電池の様々な特性を評価することができる。
外部発光量子効率yext_iは、ネットのキャリア損失レート(=ネットのキャリア発生レート)に対する、光電池外部への光放出に対応する輻射再結合損失レートRext_i→0の割合として定義される。すなわち、各サブセルSCのPV動作時における外部発光量子効率yext_i[JPV](yext_i[JPV,Rsun_1,Rsun_2,Rsun_3])は、以下のような式(1)〜(3)で表される。
図4に、実施例による光電池のトップサブセル(Top)、ミドルサブセル(Mid)、およびボトムサブセル(Bot)のPV動作時における外部発光量子効率yextを、取出電流密度JPVの関数として示す。
ここで、図4に示した結果の導出において、ボトムサブセルの下側には全反射ミラーが存在する境界条件を仮定して、Rext_3→S=0、すなわち、ボトムサブセルから直下のサブセルへの光放出に対応する輻射再結合損失が存在しないとした。
以下、光電池のPV動作時における種々の特性を評価した分析例として、(A)各サブセルおよび全サブセル(セル全体)の電流電圧特性の評価、(B)各サブセルの損失内訳の評価、(C)キャリアバランスおよびルミネッセンス結合割合の評価、および(D)各サブセルの材料品質(内部発光量子効率yint_i)の評価について説明する。
(A)各サブセルおよび全サブセル(セル全体)の電流電圧特性の評価
上式(1)〜(3)において、非輻射再結合損失レートRnr_iがゼロの理想的な場合(輻射限界)においては、サブセルSCの外部発光量子効率yext_i rad[JPV]や、このときにサブセルSCにかかる電圧V rad[JPV]が、先行研究論文により定式化され、与えられている。具体的には、外部発光量子効率yext_i rad[JPV]および電圧V rad[JPV]は、詳細平衡関係式およびショックレーの半導体基礎方程式に基づいて算出することができる。
輻射限界における外部発光量子効率yext_i rad[JPV]および電圧V rad[JPV]と、上述のように実際の光電池に対して求められた外部発光量子効率yext_i[JPV]とを用いて、サブセルSCの非輻射再結合損失に起因する電圧劣化ΔV[JPV]、および、実際にサブセルSCにかかる電圧V[JPV]は、以下のような式により決定される。ここで、kはボルツマン定数、Tは絶対温度である。
図5(A)は、実施例による光電池のPV動作時における電流電圧特性を示すグラフである。縦軸は、取出電流密度の大きさ|JPV|をmA/cm単位で示す。横軸は、各サブセルまたは全サブセル(セル全体)にかかる電圧を、V単位で示す。トップサブセル(Top)、ミドルサブセル(Mid)、ボトムサブセル(Bot)の電流電圧特性およびセル全体(Total)の電流電圧特性、すなわち、取出電流密度JPVに応じて各サブセルSCにかかる電圧V[JPV]およびセル全体にかかる電圧V[JPV]を、実線で示す。セル全体にかかる電圧V[JPV]は、各サブセルSCにかかる電圧の和(V[JPV]+V[JPV]+V[JPV])として求められている。輻射限界における全サブセルの電流電圧特性を点線で示す。AM0条件で実際に伝導測定によって測定された電流電圧特性を白抜きの丸のプロットで示している。
各サブセル(Top、Mid、Bot)の電流電圧特性の和として算出されたセル全体(Total)の電流電圧特性は、実測された電流電圧特性と極めて良く一致することが分かる。このように、本実施形態の光電池の評価方法によれば、各サブセルの電流電圧特性を算出することができ、さらに、各サブセルの電流電圧特性からセル全体の電流電圧特性を算出することができる。
上述のように得られた電流電圧特性に基づいて、輻射極限開放電圧Vocrad、輻射極限開放電圧Vocradからの開放電圧のずれΔVoc、開放電圧Voc、短絡電流密度Jsc、最大出力条件での電流密度(最大出力動作電流密度)Jm、最大出力条件での電圧(最大出力動作電圧)Vm、フィルファクターFF、効率ηscを算出した。
図5(B)の表に、これらの値をまとめて示すとともに、各サブセルのELスペクトルのピークエネルギー(バンドギャップエネルギー)Eem、および、ELスペクトルのピークエネルギーにおけるPV動作時の外部量子効率EQE@emを示す。また、比較のため、表の最下行に、AM0条件で実際に伝導測定によって測定された電流電圧特性から求めた諸値を示す。
本分析により、例えば以下のようなことが分かる。セル全体としての開放電圧Vocは、2.63Vと見積もられ、この内訳として、トップ・ミドル・ボトムサブセルの寄与は、それぞれ、1.36V、1.01V、0.26Vである。非輻射再結合損失に起因する開放電圧Vocの低下分ΔVocは、セル全体として0.46Vと見積もられ、この内訳として、トップ・ミドル・ボトムサブセルの寄与は、それぞれ、0.12V、0.07V、0.27Vである。また、本実施形態の評価方法で見積もられた諸値と、実測値とは、良く一致している。
上述のように、本実施形態の光電池の評価方法によれば、セル全体の電流電圧特性を、サブセルの電流電圧特性から見積もることができる。したがって、セル全体についての電流電圧特性を予め実測しておく必要がない。また、セル全体の電流電圧特性を、サブセルの電流電圧特性から見積もられた値と実測値とで比較することができ、両者の差異を分析することが可能となる。両者の差異は、サブセル間のトンネル接合や電極、回路の直列抵抗、電圧オフセット等の寄与として分析することができる。
(B)各サブセルの損失内訳の評価
PV動作時のキャリアバランス(式(1PV)〜(3PV))に基づいて、各サブセルにおけるキャリアの全ての再結合損失レートを得ることできる。また、評価(A)で説明したようにして、電流電圧関係を得ることができる。再結合損失レートおよび電流電圧関係に基づいて、入力と損失と出力のバランスを示すパワーバランスシートを作成することができ、各項目の寄与を分析、評価することができる。
ここでは、図6(A)に示すような、最大出力条件(JPV=JmかつV=Vm)におけるパワーバランスシートを作成した。図6(A)は、各項目の値を、絶対値(mW/cm)で示している。
損失(Loss)は、表中に、「Thermalization」、「Emission to Air」、「Emission to Sub」、「Non-rad. recombi」、および「Junction Loss」の項目に分けて示されている。上述のように、キャリアの再結合損失レートは、輻射再結合損失レートと、非輻射再結合損失レートとに分けられ、輻射再結合損失レートは、光電池の上方空間への光放出に関する再結合損失レートと、下方のサブセルへの光放出に関する再結合損失レートとに分けられる。光電池上方空間への光放出に関する再結合損失レート、下方のサブセルへの光放出に関する再結合損失レート、非輻射再結合損失レートのそれぞれを、パワーに換算したものが、それぞれ、「Emission to Air」、「Emission to Sub」、「Non-rad. recombi」と示した損失である。
「Thermalization」は、バンドギャップエネルギー以上のエネルギーを有する入射光が、バンドギャップエネルギーまでエネルギーを下げて利用されることによる損失である。「Junction Loss」は、各サブセルのバンドギャップエネルギーに対応する電圧と最大出力動作電圧Vmとの差に相当する損失である。
入力(Input)は、表中に、「AM0 sun」、「Luminescent Coupling」の項目に分けて示されている。「AM0 sun」は、AM0の太陽光の吸収によるキャリア発生レートをパワーに換算したものである。「Luminescent Coupling」は、上方のサブセルからの光入射に伴うルミネッセンス結合によるキャリア発生レートをパワーに換算したものである。
AM0の太陽光の照射パワーは135mW/cmである。太陽光の照射パワー全体と、全サブセルへの入力分との差が、いわゆる透過損失(「Transmission Loss」)となる。
出力(Output)は、表中の「IV output」の項目に示されており、各サブセル、セル全体にそれぞれかかる最大出力動作電圧Vmに、最大出力動作電流密度Jmの絶対値を乗じたものである。
図6(B)は、図6(A)に示したパワーバランスシートの各項目の値を、AM0の太陽光の照射パワー135mW/cmを1とした割合で示したものである。
本分析により、例えば以下のようなことが分かる。最大出力条件において、輻射再結合損失(「Emission to Air」および「Emission to Sub」)は、無視できるほど小さい。全体を100%とした太陽光パワー(「AM0 sun」)は、セル全体において、透過損失(「Transmission Loss」)が26.4%、熱化損失(「Thermalization」)が18.5%、非輻射再結合損失(「Non-rad. recombi」)が6.8%、接合損失(「Junction Loss」)が19.6%、太陽電池出力(「IV output」)が28.7%のように配分されている。つまり、全体の太陽電池効率ηscは、28.7%と見積もられる。そして、全体の太陽電池効率28.7%の内訳として、トップ・ミドル・ボトムサブセルの寄与は、それぞれ15.2%、10.7%、2.8%である。
(C)キャリアバランスおよびルミネッセンス結合割合の評価
PV動作時のキャリアバランス(式(1PV)〜(3PV))に基づいて、キャリアの発生と損失のバランスを示すキャリアバランスシートを作成することができ、各項目の寄与を分析、評価することができる。
ここでは、図7(A)および図7(B)に示すような、開放回路条件(JPV=0かつV=Voc)におけるキャリアバランスシートと、図7(C)および図7(D)に示すような、最大出力条件(JPV=JmかつV=Vm)におけるキャリアバランスシートとを作成した。図7(A)および図7(C)は、各項目の値を、絶対値(mA/cm)で示している。なお、図7(A)および図7(C)のキャリアバランスシートは、キャリア個数についての発生・損失レートそのものではなく、電荷素量qを乗じて電流密度の単位で表している。図7(B)および図7(D)は、それぞれ、図7(A)および図7(C)のキャリアバランスシートの各項目の値を、各サブセルへの太陽光による入力を1とした割合で示したものである。
「AM0 sun」、「Luminescent Coupling」は、上述の評価(B)で説明した同名の項目に対応するキャリア発生レートである。「Emission to Air」、「Emission to Sub」、「Non-rad. recombi」は、上述の評価(B)で説明した同名の項目に対応するキャリア損失レートである。「Current@Voc」、「Current@Vm」は、それぞれ、開放回路条件、最大出力条件における取出電流密度である。
本分析により、例えば以下のようなことが分かる。開放回路条件においては、トップサブセルからミドルサブセルへのルミネッセンス結合は1%程度、ミドルサブセルからボトムサブセルへのルミネッセンス結合は10%程度の寄与がある。最大出力条件においては、ルミネッセンス結合は0.1%以下と小さく、電流出力に寄与しなかったキャリアは、殆ど非輻射再結合により消失している。
(D)各サブセルの材料品質(内部発光量子効率yint_i)の評価
外部発光量子効率yext_iは、各サブセルの非輻射再結合ロスの大小を反映しているが、材料品質の良い指標にはなっていない。これは、材料品質が同じであっても、各サブセルの膜厚や表面反射率などの構造パラメータが異なる場合、yext_iは異なる値になってしまうからである。太陽電池等の光電池の性能向上を目指す開発においては、材料の品質を、構造パラメータと分離して定量できることが望ましい。
各サブセルの材料品質を評価するため、内部発光量子効率yint_iを指標として用いることができる。内部発光量子効率yint_iは、材料の単位体積当たりの量であり、後述の式(13)に示すように、各サブセルの内部の輻射再結合損失レートと非輻射再結合損失レートとの和に対する輻射再結合損失レートの比として定義される(各レートに膜の厚みをかけることにより、単位面積当たりの量として表現することも可能である)。
我々は、すでに、PV動作時における各サブセルの外部発光量子効率yext_iを、取出電流密度JPVの関数として得た。我々は、yext_iと、図3に示すEQEPV測定結果および反射率測定結果を用いて、内部発光量子効率yint_iを算出することを提案する。これによって、各サブセルの材料品質を定量することができるようになる。
内部発光量子効率yint_iと外部発光量子効率yext_iとを関係づけるには、次の一般式(4)、(5)あるいは(6)を用いればよい。
式(4)〜(6)において、α、l、nは、それぞれ、i層(サブセルSC)の吸収係数、厚み、屈折率を表す。a0→i、ai+1→iは、空気側及び(i+1)層側の角度平均の吸収率を表す。上線は、発光エネルギー帯における平均値を表す。なお、α、a0→i、ai+1→iの発光エネルギー帯における平均値は、後述の式(15)〜(17)で定義される。
空気側半球についての吸収率の角度平均a0→iおよび(i+1)層側半球についての吸収率の角度平均ai+1→iは、入射角θに依存する吸収率a0→i[θ]、ai+1→i[θ]を用いて、
と表される。なお、(i+1)層側半球角度平均は、全反射時はai+1→i[θ]=0となる。
0→i[θ]、ai+1→i[θ]は、通常の薄膜の吸収率の理論により得られ、
と表される。ここで、r0→i[θ]とri+1→i[θ]は、空気側及び(i+1)層側からみた反射率を表す。
一般式(4)〜(6)は、以下のようにして導出される。
int_iは、定義より、
と表される。Rint_iは、各サブセルSCの内部の輻射再結合損失レートである。なお、チルダ(〜)は、単位体積当りの量であることを示している。
ext_iは、定義より、
と表される。
intは、Van Roosbroeckの式(15)により表される。
extは、プランクの公式(16)、(17)により表される。
式(15)〜(17)より、
であり、
式(13)、(14)より、
である。
式(18)、(19)より、
が得られ、式(4)〜(6)が得られる。
次に、外部発光量子効率yext_iから内部発光量子効率yint_iを得る具体的な方法について説明する。もし、α、l、n、r0→i[θ]、ri+1→i[θ]などの構造パラメータがすべてわかっている場合は、それらを用いて式(7)〜(12)の計算を行って、a0→iやai+1→iをまず計算し、式(4)〜(6)を用いて、yext_iからyint_iを計算すればよい。
一方、これらの構造パラメータがわかっていない場合には、次のようにパラメータを決定することができる。ELスペクトル測定から、各サブセルのバンドギャップエネルギーEemを決定することにより、各サブセルの材料の組成を推定して、対応するnを求める。nとni+1とからri+1→i[θ]が決定できる。EQEPV測定からa0→i[θ=0]を得て、空気側からの反射率測定によりr0→i[θ=0]を決め、式(9)より、αとlとの積であるαの値を見積もる。r0→i[θ]を、測定により、あるいはr0→i[θ=0]をもとに推定により得て、a0→i[θ]およびai+1→i[θ]を算出する。ここから、a0→iやai+1→iを計算する。こうして得たパラメータを式(4)〜(6)に用いて、yext_iからyint_iを計算することができる。
なお、nとni+1とが近い値のためri+1→i[θ]=0とみなせ、また、表面反射防止コーティングによりr0→i[θ]=0とみなせ、膜が厚くてαの発光エネルギー帯における平均値とlとの積>>1であり、Eem>Eemi+1に対応してn<ni+1となっている場合には、式(4)は、
のように簡単化される。
図8(A)のグラフは、上記の方法を用いて算出した、LED動作時およびPV動作時の各サブセルの内部発光量子効率yint_iの絶対値を示す。LED動作の低注入電流領域では、いずれのサブセルも低い内部発光量子効率yint_iを示したが、高注入電流領域では、トップ・ミドル・ボトムサブセルのyint_iは、それぞれ5%、56%、0.3%程度の値を示した。
図8(B)の表に、PV動作時における、JPV=0かつV=Voc(開放回路条件)のとき、およびJPV=JmかつV=Vm(最大出力条件)のときの外部発光量子効率yext_iおよび内部発光量子効率yint_iの絶対値を示す。開放回路条件(@Vocと示す)は、LED動作時の高注入電流領域に近く、トップ・ミドル・ボトムサブセルのyint_iは、それぞれ5%、56%、0.3%程度の値を示した。特に、ミドルサブセルのGaAs材料のyint_iは、56%と高い値である。しかし、最大出力条件(@Vmと示す)は、LED動作時の低注入電流領域に近い。このとき、トップ・ミドル・ボトムサブセルのyint_iは、それぞれ1.4%、5.6%、0.3%程度の低い値であることが分かった。このことは、材料の結晶品質の改善により、太陽電池効率の向上の余地が残されていることを意味する。
以上説明したように、本実施形態の光電池の評価方法によれば、例えば多接合型光電池について、各サブセルに対して測定されたEL絶対強度に基づき、各サブセルやセル全体の各種特性等を、分析、評価することができる。
なお、上述の実施例では、3つのサブセルを有する光電池、すなわち、3接合の光電池の評価について例示した。しかし、評価対象とする光電池は、3接合に限定されず、例えば2接合や4接合以上であってもよい。3接合以外の場合については、3接合の場合について上式(1)〜(3)を用いて行った解析と同様にして、サブセルの個数Nに応じたキャリアバランスの式(1)〜(N)を立てて解析を行えばよい。
なお、上述の実施例では、多接合型光電池の評価について例示したが、本実施形態による評価方法で評価対象とする光電池は、単接合型光電池であってもよい。ここで、単接合型光電池は、サブセルを1つのみ有する光電池と捉えることができる。つまり、本実施形態による光電池の評価方法は、少なくとも1つのサブセルを有するN接合型(Nは1以上)の光電池に対して適用できる技術ということができる。
単接合型光電池の評価を行う場合は、サブセルが1つなので、例示の3接合の場合におけるトップサブセルに対応する式(1)を使って解析を行えばよい。なお、サブセルの下方側への光放出に対応する輻射再結合損失レートRext1→2は、Rext1→Sとして扱えばよい。
単接合型光電池は、セルが1つのサブセルのみを含むので、サブセルの電流電圧特性を伝導測定で測定することが可能ではある。ただし、伝導測定で得られた電流電圧特性には、電極、回路の直列抵抗、電圧オフセット等の影響も含まれており、サブセルを構成する半導体層の品質の適正な評価は難しい。一方、EL絶対強度に基づいて本実施形態の評価方法で求められる電流電圧特性(分析例(A)参照)によれば、サブセルの半導体層の品質を、より適正に評価できる。また、本実施形態の評価方法で見積もられた電流電圧特性と、伝導測定による電流電圧特性とを比較して、両者の差異を分析することも可能となる。さらに、本実施形態の評価方法によれば、単接合型光電池についても、キャリアバランスシート(分析例(C)参照)等を得ることができるようになる。
なお、上述の実施例では、光電池として太陽電池を例示したが、本実施形態による評価方法は、太陽以外の光源を利用する光電池の評価に用いることもできる。
なお、上述の実施例では、キャリアバランスを用いた解析に先立ち、LED動作時における光電池外部への光放出に対応する輻射再結合損失レートを準備する(得る)ためのEL絶対強度測定も(解析を行う者が)行う例について説明した。ただし、EL絶対強度測定に基づく輻射再結合損失レート等の、解析に用いるためのデータ(情報)は、何らかの手段で準備されていれば(得られていれば)よく、例えば、解析を行う者以外の測定により提供されたものであってもよい。また例えば、解析に必要なデータを得るための測定等を行った時間や場所が、解析を行う時間や場所と、異なっていてもよい。なお、測定と解析とを同時に行えるような実施態様は、効率的である。
なお、本実施形態による光電池の評価方法は、光電池の製造工程の一工程として実施することもできる。光電池を形成し、その後、上述の実施形態による評価を行うことで、例えば、所望の特性を有する光電池が形成されているかどうか判定することができる。ここで、光電池の形成方法は、公知のどのような方法であってもよい。
以上、実施形態、実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
SC,SC,SC,SC サブセル
TN12,TN23 トンネル接合
ELU,ELL 電極
ARC 反射防止層
10 光電池
20 電源
30 測定器
40 制御装置

Claims (14)

  1. (a)第1のサブセルを有する光電池の発光ダイオード動作時におけるエレクトロルミネッセンスの絶対強度に対応し、発光ダイオード動作時の注入電流密度の関数として得られた、前記第1のサブセルから前記光電池の外部への光放出に対応する輻射再結合損失レートを準備する工程と、
    (b)前記第1のサブセルについて、ネットのキャリア発生レートとネットのキャリア損失レートとのバランスに基づき、発光ダイオード動作時の注入電流密度と光電池動作時の取出電流密度との関係を求め、前記工程(a)において発光ダイオード動作時の注入電流密度の関数として得られた輻射再結合損失レートから、光電池動作時の取出電流密度の関数として、前記第1のサブセルから前記光電池の外部への光放出に対応する輻射再結合損失レートを得る工程と
    を有する光電池の評価方法。
  2. 前記工程(a)は、第1のサブセルを有する光電池に電圧を印加し発光ダイオードとして動作させ、前記第1のサブセルからのエレクトロルミネッセンスの絶対強度を測定することにより、発光ダイオード動作時の注入電流密度の関数として、前記第1のサブセルから前記光電池の外部への光放出に対応する輻射再結合損失レートを得る工程を含む、
    請求項1に記載の光電池の評価方法。
  3. 前記光電池は、前記第1のサブセルに積層された第2のサブセルをさらに有し、
    前記工程(a)は、前記第2のサブセルを有する前記光電池の発光ダイオード動作時におけるエレクトロルミネッセンスの絶対強度に対応し、発光ダイオード動作時の注入電流密度の関数として得られた、前記第2のサブセルから前記光電池の外部への光放出に対応する輻射再結合損失レートを準備する工程を含み、
    前記工程(b)は、前記第2のサブセルについて、ネットのキャリア発生レートとネットのキャリア損失レートとのバランスに基づき、発光ダイオード動作時の注入電流密度と光電池動作時の取出電流密度との関係を求め、前記工程(a)において発光ダイオード動作時の注入電流密度の関数として得られた輻射再結合損失レートから、光電池動作時の取出電流密度の関数として、前記第2のサブセルから前記光電池の外部への光放出に対応する輻射再結合損失レートを得る工程を含む、
    請求項1または2に記載の光電池の評価方法。
  4. さらに、
    (c)前記光電池の有する少なくとも1つのサブセルについて、前記工程(b)で光電池動作時の取出電流密度の関数として得られた輻射再結合損失レートに基づき、前記光電池の光電池動作時における特性を示す少なくとも1つの物理量を算出する工程
    を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の光電池の評価方法。
  5. 前記工程(c)で算出される物理量は、光電池における透過損失、サブセルにかかる電圧、サブセルにおける熱化損失、サブセルにおける輻射再結合損失、サブセルにおける非輻射再結合損失、サブセルにおける接合損失、および、サブセルからの出力の少なくとも1つを含む、請求項4に記載の光電池の評価方法。
  6. 前記工程(c)では、前記工程(b)で光電池動作時の取出電流密度の関数として得られた輻射再結合損失レートに基づいて、サブセルの光電池動作時における外部発光量子効率を算出する、請求項4または5に記載の光電池の評価方法。
  7. 前記工程(c)では、前記外部発光量子効率と、輻射限界条件における理想的な外部発光量子効率と、輻射限界条件においてサブセルにかかる理想的な電圧とに基づいて、サブセルにかかる電圧を算出する、請求項6に記載の光電池の評価方法。
  8. 前記工程(c)では、前記外部発光量子効率に基づいて、サブセルの内部発光量子効率を算出する、請求項6に記載の光電池の評価方法。
  9. 前記工程(b)で用いられる、サブセルにおけるネットのキャリア発生レートとネットのキャリア損失レートのバランスの、ネットのキャリア損失レートを構成する項目として、
    (R1)当該サブセルから前記光電池の外部への光放出に対応する輻射再結合損失レートと、
    (R2)当該サブセルにおける非輻射再結合損失レートと
    が含まれ、
    前記工程(b)では、サブセルについて、
    前記工程(a)で得られた前記項目(R1)の輻射再結合損失レートに基づき、発光ダイオード動作時の注入電流密度の関数として、前記項目(R2)の非輻射再結合損失レートを求め、
    さらに、
    発光ダイオード動作時の注入電流密度の関数として得られた前記項目(R2)の非輻射再結合損失レートから、光電池動作時の取出電流密度の関数として、前記項目(R2)の非輻射再結合損失レートを得る、請求項1〜8のいずれか1項に記載の光電池の評価方法。
  10. 第1のサブセルを有する光電池の発光ダイオード動作時におけるエレクトロルミネッセンスの絶対強度に対応し、発光ダイオード動作時の注入電流密度の関数として得られた、前記第1のサブセルから前記光電池の外部への光放出に対応する輻射再結合損失レートと、
    前記第1のサブセルについて、ネットのキャリア発生レートとネットのキャリア損失レートとのバランスに基づいて求められた、発光ダイオード動作時の注入電流密度と光電池動作時の取出電流密度との関係と
    に基づいて、
    光電池動作時の取出電流密度の関数として、前記第1のサブセルから前記光電池の外部への光放出に対応する輻射再結合損失レートを得る工程
    を有する光電池の評価方法。
  11. 第1のサブセルを有する光電池の発光ダイオード動作時におけるエレクトロルミネッセンスの絶対強度に対応し、発光ダイオード動作時の注入電流密度の関数として得られた、前記第1のサブセルから前記光電池の外部への光放出に対応する輻射再結合損失レートと、
    前記第1のサブセルについて、ネットのキャリア発生レートとネットのキャリア損失レートとのバランスに基づいて求められた、発光ダイオード動作時の注入電流密度と光電池動作時の取出電流密度との関係と
    に基づいて、
    光電池動作時の取出電流密度の関数として、前記第1のサブセルから前記光電池の外部への光放出に対応する輻射再結合損失レートを得るように構成された計算装置
    を有する、光電池の評価装置。
  12. さらに、
    前記光電池に順方向バイアスを印加する電源と、
    前記光電池のエレクトロルミネッセンスの絶対強度を測定する測定器と
    を有する、請求項11に記載の光電池の評価装置。
  13. 第1のサブセルを有する光電池の発光ダイオード動作時におけるエレクトロルミネッセンスの絶対強度に対応し、発光ダイオード動作時の注入電流密度の関数として得られた、前記第1のサブセルから前記光電池の外部への光放出に対応する輻射再結合損失レートと、
    前記第1のサブセルについて、ネットのキャリア発生レートとネットのキャリア損失レートとのバランスに基づいて求められた、発光ダイオード動作時の注入電流密度と光電池動作時の取出電流密度との関係と
    に基づいて、
    光電池動作時の取出電流密度の関数として、前記第1のサブセルから前記光電池の外部への光放出に対応する輻射再結合損失レートを得る手順
    をコンピュータに実行させるプログラム。
  14. 光電池を形成する工程と、
    前記光電池の特性を評価する工程と
    を有し、
    前記光電池の特性を評価する工程は、
    第1のサブセルを有する光電池の発光ダイオード動作時におけるエレクトロルミネッセンスの絶対強度に対応し、発光ダイオード動作時の注入電流密度の関数として得られた、前記第1のサブセルから前記光電池の外部への光放出に対応する輻射再結合損失レートと、
    前記第1のサブセルについて、ネットのキャリア発生レートとネットのキャリア損失レートとのバランスに基づいて求められた、発光ダイオード動作時の注入電流密度と光電池動作時の取出電流密度との関係と
    に基づいて、
    光電池動作時の取出電流密度の関数として、前記第1のサブセルから前記光電池の外部への光放出に対応する輻射再結合損失レートを得る工程
    を有する光電池の製造方法。
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