JPH05335608A - 化合物半導体太陽電池 - Google Patents

化合物半導体太陽電池

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JPH05335608A
JPH05335608A JP4164106A JP16410692A JPH05335608A JP H05335608 A JPH05335608 A JP H05335608A JP 4164106 A JP4164106 A JP 4164106A JP 16410692 A JP16410692 A JP 16410692A JP H05335608 A JPH05335608 A JP H05335608A
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JP
Japan
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layer
gaas
thickness
type
compound semiconductor
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JP4164106A
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Inventor
Nobuhiko Kobayashi
伸彦 小林
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Honda Motor Co Ltd
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Honda Motor Co Ltd
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 〔目的〕 GaAsヘテロフェース単一接合太陽電池に
おいて、最高の光電変換効率を実現するうえで最適の半
導体層の厚みや不純物濃度を計算機シミュミレーション
や実験によって決定する。 〔構成〕 第2の導伝型のGaAs基板上に順次積層さ
れる第2の導伝型のAlGaAsバックサーフェス層、
第2の導伝型のGaAs第2層、第1の導伝型のGaA
s第1層及び第1の導伝型のAlGaAs窓層を含む構
造において、GaAs第1層の厚みを0.1μm以上
0.4μm未満の値に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ソーラーカー等の電源
として利用される化合物半導体太陽電池に関するもので
あり、特に、最大効率を実現するために層厚などの最適
化を行った化合物半導体太陽電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ソーラーカー搭載用や家庭電源用
として化合物半導体太陽電池が開発中である。IEEE ELE
CTRON DEVICE LETTERS.VOL.12,NO.3,MARCH 1991 に掲載
されたMichael R.Melloch らによる「Large-Area,8-cm2
GaAs Solar Cells Fabricatedfrom MBE Material 」と
題する論文には、図10に示すような構造の2cm×4cm
角のGaAsヘテロフェース単一接合太陽電池で21.7%
の高効率が得られたことが報告されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記論文は、高効率の
GaAsヘテロフェース単一接合太陽電池を実現してい
るが、各半導体層の層厚と不純物濃度に関し最高効率を
得るための最適化については未検討である。従来、上述
のような最適化のために計算機シミュミレーションが行
われているが、その精度については以下の点で問題があ
る。 (1)シミュミレーションに一次元モデルを使用してい
る。 (2)シミュミレーションに実際のものから乖離した材
料の物性値を使用している。 従って、本発明の目的は、上記GaAsヘテロフェース
単一接合太陽電池とほぼ同一構造の太陽電池について、
より高精度の計算機シミュミレーションに基づき、最高
の効率を実現するための各半導体層の厚みと不純物濃度
との最適値を決定することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の化合物半導体太陽電池は、第1の導伝型のGaAs
基板上に順次積層される第2の導伝型のAlGaAsバ
ックサーフェス層、第2の導伝型のGaAs第2層、第
1の導伝型のGaAs第1層、第1の導伝型のAlGa
As窓層を含む化合物半導体太陽電池であって、第1の
導伝型のGaAs第2層の厚みが0.1μm以上0.4
μm未満の値に設定されている。
【0005】
【作用】n型GaAs基板上に積層されるn型AlGa
As層、n型GaAs層、p型GaAs層、p型AlG
aAs層を含むヘテロフェース単一接合太陽電池につい
て、各半導体層の厚みと不純物濃度とを変化させながら
高精度の物性値と二次元モデルを用いて計算機シミュミ
レーションを行うことにより、p型半導体層の厚みが効
率に大きな影響を及ぼすこと、及び、この厚みを0.1
μm以上0.4μm未満の範囲に設定することにより最
大の効率が得られることを確認した。更に、この計算機
シミュミレーションの結果の正当性を試作結果によって
確認した。
【0006】
【実施例】図1は、上記本発明を完成するための計算機
シミュミレーションに用いた化合物半導体太陽電池の構
造モデルを示す断面図である。この構造モデルは、n型
GaAs基板と、その上に順次積層されるn型GaAs
バッファ層、n型AlGaAsバックサーフェス層、n
型GaAs第1層、p型GaAs第2層、p型AlGa
As窓層及び反射防止膜層から構成され、n型GaAs
基板の裏面には下部電極層が、最上層の反射防止膜層表
面には帯状の上部電極層が形成されている。この構造モ
デルの横幅は4mm、奥行きは10mmであり、上部電
極層の横幅は10μm、奥行きは10mmである。
【0007】図1の各化合物半導体層についてその厚み
と不純物濃度を種々変化させたが、それぞれの基準値
(変化の中心値)と機能は、図示の通りである。すなわ
ち、光線の入射経路に沿って上から説明すると、反射防
止膜の直下に厚み0.03μmでアクセプター濃度が1
×1018(1/cm3 )のp型AlGaAsの窓(ウイ
ンドウ)層が形成され、その直下に厚み0.5μmでア
クセプター濃度が4×1018(1/cm3 )のp型Ga
Asの第1層が形成され、その直下に厚み3.0μmで
ドナー濃度が2×1017(1/cm3 )のn型GaAs
の第2層が形成されている。更に、この第2層の直下に
厚み1.0μmでドナー濃度が1×1018(1/c
3 )のn型AlGaAsのバックサーフェス層が形成
される。さらにその直下に厚み1.0μmでドナー濃度
が1×1018(1/cm3 )のn型AlGaAsのバッ
ファ層が形成され、その直下に適宜な厚みでドナー濃度
が2×1018(1/cm3 )のn型AlGaAsの基板
が形成されている。
【0008】図2は、図1に示した構造の化合物半導体
太陽電池のバンドダイヤグラムである。
【0009】図1の構造に適用したシミュミレーション
では、株式会社 富士総合研究所の作成に係わる二次元
数値シミュミレーターを使用した。この二次元数値シミ
ュミレーターは、基本的には、デバイス断面を二次元の
メッシュに区分し、各メッシュにおいてポアソンの式と
電流連続の式とを連立に解くことによりデバイスの電流
・電圧特性が算定される。境界条件は、各二次元メッシ
ュの境界で、ポテンシャルと電流密度とが一致するとい
うことであり、それにより収束判定を行っている。
【0010】ポアソンの式と電流連続の式は次のように
なる。 ∇・(ε∇V)=ーq(pーn+NdーNa) ・・・(1) ∇・Jn = q(RーG) ・・・(2) ∇・Jp =ーq(RーG) ・・・(3) Jn=ーq(μn n∇(V+Vn)ーDn∇n) ・・・(4) Jp=ーq(μp n∇(VーVp)ーDp∇p) ・・・(5)
【0011】ただし、 V:電位(volt) n,p:電子,正孔密度(cmー3) Nd,Np:不純物密度(cmー3) Jn,Jp:電子,正孔電流密度(Acmー2) R:再結合項(cmー3 sec ー1) G:生成項(cmー3 sec ー1) Dn,Dp:電子,正孔の拡散定数(cm2secー1 ) Vn,Vp:バンド不連続パラメータ(volt) q:電荷(C) ε:誘電率 μn,μp:電子,正孔のドリフト易動度(cm2 sec
ー1ー1
【0012】上記シミュミレーションに使用する各種の
物性値を決定するための基本的な理論モデル この理論モデルにおいては、Interpolation Schem を基
礎として、三元混晶における組成変化の影響も正確に考
慮されている。Interpolation Schem は、合金や化合物
の物理的な性質を考え上で極めて有力な手法であること
が知られている。以下に、単純な三元混晶において、そ
の物理的な性質をInterpolation Schemにより決定する
方法について述べる。
【0013】三元混晶A(III)x B(III)1ー x C(V)
は、組成的には擬似二元混晶と考えることができる。す
なわち、三元混晶A(III)x B(III)1ー x C(V)は、
二元混晶A(III)B(III) とB(III) C(V)との二元
混晶〔A(III) B(III) 〕x と〔B(III) C(V)〕
1ー x と考えることができる。ただし、xは組成比であ
る。従って、三元混晶の物性値 TABC は、二元混晶の
物性値 BAB、BAC を使って、次のように表すことが
できる。 TABC (X)=(1-X)BAB+XBAC ・・・・・(6) この式は、いわゆるベガードの法則と呼ばれているもの
で、いくつかの物性値、例えば、格子定数、結晶密度、
熱膨張係数、誘電率、弾性係数などは、このベガードの
法則に従う。
【0014】一方、他の物性値、例えば、エネルギーギ
ャップ、格子振動エネルギー、デバイ温度、不純物イオ
ン化エネルギーなどでは、混晶比に対して非線形性を示
す。 TABC (X)=(1-X)BAB+XBAC+ X(1-X)CA-B (7) CA-B は、非線形因子と呼ばれ、三元混晶系A(III)x
B(III)1ー x C(V)における格子不整列に起因してい
て、A原子が二つの複格子の各々でどの様に配置してい
るかに依存する。非線形因子は、個々の原子における電
気陰性度の誘電理論から求めることができる。以下で
は、GaAs、A1GaAsの各種材料物性値を求め
た。
【0015】<エネルギーギャップ>Y.P.Varshni らに
よって報告された実験結果から得られたエネルギーギャ
ップの温度依存性を考慮して、以下にA1GaAsのエ
ネルギーギャップについて述べる。エネルギーギャップ
の温度依存性は次式で表される。 Eg(T) =Eg(0) +αa T2/(T +β) (8) ここで、T,Eg (0) ,αa ,βは、それぞれ絶対温
度、0o Kでのエネルギーギャップ、温度係数、特性温
度である。
【0016】これより、(7)式の場合の擬二次混晶の
エネルギーギャップは、次式で表される。 BAC=Eg1(T)=Eg1(0)+αa12 /( T+β1) (9) BBC=Eg2(T)=Eg2(0)+αa22 /( T+β2) (10) TABC (x,T) =xBAC+(1─x) BBC+ x(1-X)CA-B =x[Eg1(0)+αa12 /( T+β1)] +(1─x)[Eg2(0) +αa22 /( T+β2)] +x(1 ─x)C A-B (11)
【0017】これより、A1 xGa1ー xAsの場合のガ
ンマ点、L点、X点でのエネルギーギャップ、Eg(G)
、Eg(L) 、Eg(X) は、それぞれ次式で表わされ
る。まず、Eg(G) については、 x ≦0.45の場合、 Eg(G) = 1.519−5.405 ×10ー4 T2 / (T+204.0) +1.274x x>0.45の場合、 Eg(G) = 1.519−5.405 ×10ー4 T2 / (T+204.0) +1.274 x +1.147 x(x −0.45 )2 (12) となる。
【0018】また、Eg(X) とEg(L) については、 Eg(X) =1.815 −6.050 ×10ー4 T2/(T +204.0 )+0.642x (13) Eg(L) =1.981 −4.600 ×10ー4T2/( T+204.0 ) +0.125x+0.143x2 (14) さらに、エネルギーギャップは次式で表わされる。 min [ Eg(G),Eg(X),Eg(L)] (15)
【0019】<有効質量>有効質量は、キャリア移動度
と密接な関係にありデバイスシュミレーションに於て重
要な物性パラメータの一つである。伝導帯最下点(a=
G,X,L)における状態密度有効質量は、次式で表わ
される。 meda =N2/3 ta 2/3 1a 1/3 (16) ここで、Nは等価最下点の数(N=1:ガンマ点、N=
3:X点、N=4:L点)を表わし、mta、m1aは、そ
れぞれ最下点での横型有効質量、縦型有効質量を表わし
ている。これらより伝導有効質量は次式で表わされる。 meca =3(2/mta+1/m1a-1 (17)
【0020】閃亜鉛鉱構造中ではその価電子帯は、シュ
レディンガー方程式においてスピンを無視すると4個、
スピンを考慮するとそれぞれが二つに分かれる。重い正
孔と軽い正孔の状態密度有効質量は、次式で与えられ
る。 mhd=( m1h 3/2 +mhh 3/2)2/3 (18) ここでm1h,mhhはそれぞれ、重い正孔と軽い正孔の有
効質量である。以上の結果から求められるA1x Ga
1-x Asの有効質量を次に記す。
【0021】ガンマ点、X点、L点での電子の状態密度
電子有効質量は、 me (G) =0.067 + 0.083xe (X) =0.85+0.14xe (L) =0.56+0.1 x ガンマ点、X点、L点での伝導電子有効質量は、 me (G) =0.067 + 0.083xe (X) =0.32+0.06xe (L) =0.11+0.03x 値電子帯での正孔の有効質量は、 mh1(G) =0.087 + 0.063xhh(G) =0.62+0.09x
【0022】<キャリア移動度>キャリア移動度に関し
ては、GaAsなどのIII −V族化合物半導体の場合と
シリコン、ゲルマニウムなどの場合とでは大きな違いが
ある。GaAsの場合、室温においては、有極性散乱の
有極性光学フォノンモ−ド、変形ポテンシャル散乱の無
極性光学フォノンモ−ドがそれぞれ電子及び正孔の主な
散乱原因である。室温におけるGaAsの低電界でのキ
ャリア移動度の不純物濃度依存性は、次式で与えられ
る。 μp0=μp1+μp1/〔1+〔(Nd +Na )/ Npref a 〕 (22) μn0=μn1+μn1/〔1+〔(Nd +Na )/ Nnref b 〕 (23) 但し、文書作成上の制限から(22)式中のaをαの代
りに、また、(23)式中のbをβの代りにそれぞれ使
用した。
【0023】AlGaAsについては、Al組成比の増
加にともない合金散乱が増加するため、キャリア移動度
は減少する。AlGaAsのキャリア移動度は、GaA
sの移動度に合金散乱から得られる散乱ファクタ−を考
慮することにより、次式で表される。 μA1GaAs=μGaAs+μA1GaAs/(1+fu) (24) fu=( mX * /mG * )3/2 exp〔( Eg(G) −Eg(X))/ kT〕 (25)
【0024】一方、(22)(23)式中の未定係数
は、M.Snowden の実験結果にフィティングする事により
求めることができる。それらを以下に示す。 μp1=0.005 ( m2 /Vs) μp2=0.033 ( m2 /Vs) Npref =3.23×1023 ( m-3) α=0.49 μn1=0.8 ( m2 /Vs) Nnref =1.00×1023 ( m-3) β=0.51
【0025】<再結合項>再結合項に関しては、半導体
中のショックレ−、リ−ド、ホ−ル再結合(SRH再結
合)と、GaAs/AlGaAsのヘテロ界面での再結
合を考慮した。SRH再結合において、少数キャリア寿
命は不純物密度に依存していて、一般にはBennet の実
験式で表される。
【0026】しかし、この式から求まるSRH再結合項
を用いてシミュレ−ションを行った結果、実際のデバイ
スとの特性にかなりの乖離があったため、このSRH再
結合について再検討した。その結果、次のように少数キ
ャリアの拡散係数(Dp,n )と、拡散長(Lp,n )から
少数キャリア寿命を求める方法が有効であることが判明
した。但し、τn ,τp はそれぞれ、電子、正孔の少数
キャリア寿命である。 Lp,n =(Dp,n τp,n 1/2 (26) Dp,n =(kT)/q τp,n (27) np=(ni 2 (28)
【0027】界面再結合に関しては、SRH再結合と平
均をとってシミュレ−ションに使うため、次式のように
次元を変換した。 τSUR =dx/S (s) (29) τSUR :ヘテロ界面でのキャリア寿命(S) dx:ヘテロ界面のメッシュ幅 (cm) S:界面再結合速度(cm/s) ni : 真性キャリア濃度(cm-3
【0028】<真性キャリア濃度>真性キャリア濃度
は、半導体の重要な物性値である。AlGaAsの場合
の真性キャリア濃度niは、次式で表される。 ni=√(Nv Nc* ) exp(-Eg(G)GaAa/2kT) (30) Nc(G) =2〔2πme (G)kT /h2 3/2 (31) Nc(X) =2〔2πme (X)kT /h2 3/2 (32) Nc(L) =2〔2πme (L)kT /h2 3/2 (33) Nc *=Nc(G) exp 〔 (Eg−Eg(G))/kT〕 (34) +Nc(X) exp 〔 (Eg−Eg(X))/kT〕 (35) +Nc(L) exp 〔 (Eg−Eg(L))/kT〕 (36) Nv:GaAsの価電子帯の有効状態密度 Eg (G)GaAs:GaAsのガンマ点でのエネルギ−ギ
ャップ
【0029】<静電及び高周波誘電率>固体での誘電率
の考え方は、古くから存在し、電子デバイスの特性を考
える上で、極めて重要である。この誘電率は、次式で与
えられる。 εs =εi +4πNeT 2 /ωTo 2M (37) ここでεi は、高周波誘電率であり、長波長縦型フォノ
ン周波数(ωTO)より高く、また、光学吸収端より低い
周波数で測定されたものである。Mは結晶の密度、eT
は単位体積中のユニットセルの数、そして、ωTOは長波
長横型フォノン周波数である。
【0030】静電誘電率εs 、高周波誘電率εi は光学
フォノン周波数に関していて、次式のThe Lyddane-Sach
s-Tellerの関係で表わされ、またA1x Ga1- x As に
関しては、(39),(40)式で表わされる。 εs / εi =( ωLo/ ωTo)2 (38) εs =13.18 −3.12x (39) εi =10.89 −2.73x (40)
【0031】<バンド不連続パラメター>ヘテロフェー
ス太陽電池構造においては、いくつかの異なる材料の組
み合せによるヘテロ界面が存在する。この様な構造にお
いては、ヘテロ界面に存在するバンド不連続の効果を正
しく記述することが必要となり、電流連続方程式に、バ
ンド不連続パラメータを導入して計算を行った(図3参
照)。バンド不連続パラメータは、電子親和力と状態密
度により表わされる。それらは、次式で与えられる。
【0032】 Vn=( χ2 −χ1)/q+( kT /q) ln(Nc2 /Nc1 ) (41) Vp=( χ2 −χ1)/q+( kT /q )ln(Nv2 /Nv1 ) −( Eg2 −Eg1 ) /q (42) ここで、 k:ボルツマン定数(J/K) T:温度(K) Eg1,Eg2 :エネルギーギャップ(V) χ21 :電子親和力(V) Nc1,Nc2 :伝導帯中の状態密度( cm-3) Nv1,Nv2 :空気層中の状態密度( cm-3) H :A1GaAs窓層の複素屈折率
【0033】A1GaAs窓層に関しては最初の段階で
は太陽光に対しては、ほぼ透明であるとして扱っていた
が実際には、幅広い太陽光スペクトルに対して複雑な吸
収特性を示し、ここでの光吸収も無視できないことが判
明した。
【0034】<複素屈折率>そこで、S.Adachi らの研
究成果である誘電関数理論を用いて幅広いスペクトルに
対する複素屈折率ε(ω)=ε1 (ω)+jε2 (ω)
を計算した。この方法は、複素誘電率の波長依存存性を
(43),(44)式の Kramers-Knonig 変換より求め、その結
果からA1GaAsの波長依存存性を求めるものであ
る。以下にその方法を示す。 ε1(ω) −1 =2/π∫〔ωε2) /〔 (ω) 2 −ω2 〕〕dω (43) ε2(ω) =−2/π∫〔ε1)/〔( ω2 −ω2 〕〕dω (44) 但し、演算記号∫は、ωについての0から+∝までの積
分を意味する。
【0035】E0 及びE0 +Δ0 遷移による吸収 ε2 (ω) =〔A/(hω)2 〕〔 (hω−E0)0.5 H( χ0 −1) +1/2(hω−E0 −Δ0)0.5 H( χs0−1) ] (44)’ ε1 (ω) =AE0 -1.5{f(χ0 )+1/2[E0/( E0 +Δ0)]1.5f( χs0) } (45) A=4/3(3/2m* ) 1.5 2 f(χ0 ) =χ0 −2[2 −(1+χ0)0.5 −(1−χ0)0.5 H( χ0 −1)] (46) f (χs0) =χs0−2[2 −(1+χs0)0.5−(1−χs0)0.5H( χs0−1)] (47) χ0 =hω/ E0 (48) χs0=hω/(E0 +Δ0) (49) H(y)=1 for y >0 H(y)=0 for y <0 (50)
【0036】E1 遷移による吸収 ε2 (ω)=πB1 χ1 -2H( χ1 −1) (51) ε1 (ω)=−B1 χ1 -21n(1−χ1 2) (52) χ1 =hω/ E1 (53)
【0037】E2 遷移による吸収 ε2 (ω)=C χ2 γ/[(1−χ1 2)2+χ2 γ2] (54) ε1 (ω)=C (1−χ2 2)/[(1 −χ1 2)2+χ2 γ2] (55) χ2 =hω/ E2 (56)
【0038】間接遷移による吸収 ε2 (ω)=D/(hω)2( hω−Eg ID+hωg )2H(1−χg ) (57) ε1 (ω)=D/(hω)2( hω−Eg ID+hωg )2H(1−χg ) H(1−χc ) (58) χg =( Eg ID−hωg )/hω (59) χc =hω/ Ec (60) 但し、 hω: 光子エネルギー P: モーメントのマトリックス要素 m* : 状態質量の合成密度
【0039】窓層に適した複素屈折率として、上記全て
の吸収を考慮した複素屈折率の算術和を使用した。ま
た、図1の反射防止膜として、厚み500ÅのTa2
5 層上に厚み700ÅのSiO2 層を積層した複合構造
とした。
【0040】図1の構造の単一接合太陽電池について、
上述のようにして算定した物性値を使用し二次元シミュ
ミレーションを行って、光電変換効率を計算した。な
お、太陽光線は垂直入射とし、最上層の反射防止膜とし
て、厚み500ÅのTa2 5層上に厚み700ÅのS
iO2 層を積層した構造を使用した。
【0041】図4は、p型AlGaAsの窓層の厚みに
対する光電変換効率の依存性の算定結果を示す。窓層の
厚みの増加とともに光電変換効率が低下しているが、こ
れは層厚みの増加とともにp型AlGaAs窓層内での
吸収が増加し、pn接合に到達する光量が減少するため
と考えられる。従って、この窓層の厚みは、製造技術上
可能な限度において薄ければ薄いほど好適である。
【0042】なお、この窓層の不純物濃度と、他の全て
の化合物半導体層の厚みや不純物濃度は図1の基準値に
固定されている。以下同様にして、いずれかの化合物半
導体層について厚み又は不純物濃度のいずれかを変化さ
せる場合には、その化合物半導体層の他のパラメータ
と、他の全ての化合物半導体層についての両パラメータ
の値は図1の基準値に固定されている。
【0043】図5は、p型AlGaAsの窓層の不純物
濃度に対する光電変換効率の依存性の算定結果を示す。
不純物(アクセプター)濃度の増加とともに光電変換効
率は増加する。これは不純物濃度の増加にともない太陽
電池セル両端での内部電位が上昇し、結果として開放電
圧が上昇するためと考えられる。従って、この窓層の不
純物濃度は、製造技術上可能な限度において大きい方が
好適である。
【0044】図6は、p型GaAsの第1層(エミッタ
層)の厚みに対する光電変換効率の依存性の算定結果を
示す。この第1層の厚みが0.2乃至0.3μm近傍で
最大の光電変換効率が得られている。これは、第1層の
厚みが0.2乃至0.3μmよりも減少すると、n型G
aAs第2層(コレクタ層)との関係で開放電圧が減少
し、逆にこれよりも厚みが増加するとキャリア寿命の短
い層内での光吸収が増加して空乏層内に到達する光が減
少するために短絡電流が減少し、いずれの場合も光電変
換効の低下を招くためと考えられる。
【0045】図7は、p型GaAsの第1層(エミッタ
層)の不純物濃度対する光電変換効率の依存性の算定結
果を示す。1017〜1018cmー3程度の広い範囲にわた
って光電変換効率の顕著な不純物濃度依存性が認められ
ない。また、この不純物濃度が3×1018(cm-3)を
越える高濃度領域では光電変換効率が低下しているが、
これは、この第1層内での少数キャリア寿命の低下に起
因するものと考えられる。
【0046】図8は、n型GaAsの第2層(コレクタ
層)の厚みに対する光電変換効率の依存性の算定結果を
示す。光電変換効率は、厚みの増加と共に増加し、これ
が2μm以上の領域では飽和している。このことは、2
μm程度以上の厚みがあれば入射光線のバンドギャップ
以上のエネルギーの成分がほぼ完全に吸収されているこ
とを示している。
【0047】図9は、n型GaAsの第2層(コレクタ
層)の不純物濃度に対する光電変換効率の依存性の算定
結果を示す。1〜2×1018(cm-3)近傍の不純物濃
度が光電変換効率の最大値を与えているが、この原因
は、低濃度領域ではキャリア寿命は長いが開放電圧がと
れなくなり、逆対に高濃度領域では、キャリア寿命が短
くなるため、短絡電流がとれなくなり効率が低下するた
めと考えられる。
【0048】<実験結果との照合>本発明者は、上記シ
ミュミレーション結果を検証するため、図1に示す基本
的構造の4mm×4mmのサイズの化合物半導体太陽電
池をMOCVD法により作成し、光電変換効率の測定を
行った。この試作した太陽電池について得られた光電変
換効率が、図4乃至図9中に星印で示してある。各図か
ら明らかなように、実測結果はシミュミレーション結果
と極めて良く一致している。なお、上部電極の横幅を1
0μm〜20μmの範囲で変化させたが、光電変換効率
については格別な変化は認められなかった。
【0049】<参照文献> 1: S.Adachi,J.Appl.,Phys.,58 R29(1985) 2:G.B.Tait et.al.,IEEE Trans,Elect.Dev.,38.1262
(1991) 3:W.Shockley,W.T.Read,Phys.Rev.,87 835(1952) 4:C.M.Snowden,Introduction to semiconductor Devi
ce Modeling(1986) 5:G.B.Scott et.al.,J.Appl.Phys.,52,11(1981)
【0050】
【発明の効果】以上の説明を要約すると、二次元のシミ
ュミレーションを適用すること、及び各半導体層の物性
値を実際の値に近づけることにより、実験結果と極めて
良く一致するシミュミレーション結果が得られた。この
シミュミレーション結果によれば、以下の表に示すよう
な厚みと不純物濃度の組合せが好適であることが判明し
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】シミュミレーションに使用した本発明の一実施
例の化合物太陽電池の基本構造を示す断面図である。
【図2】図1の基本構造のバンドダイヤグラムである。
【図3】シミュミレーションに用いた物性値の算定方法
を説明するためのヘテロ接合構造を示す概念図である。
【図4】光電変換効率のシミュミレーション結果と実験
結果を示す図である。
【図5】光電変換効率のシミュミレーション結果と実験
結果を示す図である。
【図6】光電変換効率のシミュミレーション結果と実験
結果を示す図である。
【図7】光電変換効率のシミュミレーション結果と実験
結果を示す図である。
【図8】光電変換効率のシミュミレーション結果と実験
結果を示す図である。
【図9】光電変換効率のシミュミレーション結果と実験
結果を示す図である。
【図10】先行技術の化合物半導体太陽電池の構造を示
す断面図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年2月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10
【補正方法】追加
【補正内容】
【図10】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第2の導伝型のGaAs基板上に順次積層
    形成される第2の導伝型のAlGaAsバックサーフェ
    ス層、第2の導伝型のGaAs第2層、第1の導伝型の
    GaAs第1層及び第1の導伝型のAlGaAs窓層を
    含む化合物半導体太陽電池であって、 前記GaAs第1層の厚みが0.1μm以上0.4μm
    未満の値を設定されたことを特徴とする化合物半導体太
    陽電池。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記第1の導伝型はp型であり、前記第2の導伝型はn
    型であることを特徴とする化合物半導体太陽電池。
  3. 【請求項3】 請求項1乃至2において、 前記GaAs第2層の厚みが0.5μm以上の値に設定
    されたことを特徴とする化合物半導体太陽電池。
JP4164106A 1992-05-29 1992-05-29 化合物半導体太陽電池 Pending JPH05335608A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015228784A (ja) * 2014-05-09 2015-12-17 国立大学法人京都大学 光電池の評価方法、光電池の評価装置、プログラム、および光電池の製造方法

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JP2015228784A (ja) * 2014-05-09 2015-12-17 国立大学法人京都大学 光電池の評価方法、光電池の評価装置、プログラム、および光電池の製造方法

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