JP2015227015A - インクジェットプリンタ - Google Patents

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Abstract

【課題】走査方向に沿った波形状を生じさせた被記録媒体に印刷を行う際に、ノズルからのインクの噴射タイミングを適切に決定する、【解決手段】上流側のノズルについてのディレイ時間に関する上流側補正情報と、下流側のノズルについてのディレイ時間に関する下流側補正情報とを取得する。そして、平均のディレイ時間(上流側補正情報に基づいて決定されるディレイ時間と下流側補正情報に基づいて決定されるディレイ時間との平均値)についての情報(平均の補正情報)を、第1基本補正情報として記憶させておく。また、上流側補正情報を、第2基本補正情報として記憶させておく。第2基本補正情報(上流側補正情報)を用いて最初のパスについてのディレイ時間を決定する。下流側補正情報を用いて最後のパスについてのディレイ時間を決定する。第1基本補正情報を用いてそれ以外のパスについてのディレイ時間を決定する。【選択図】図11

Description

本発明は、ノズルからインクを噴射して印刷を行うインクジェットプリンタに関する。
特許文献1には、ノズルからインクを噴射して印刷を行うインクジェットプリンタが記載されている。特許文献1に記載のインクジェットプリンタでは、コルゲートプレート及びコルゲート拍車によって、記録用紙に走査方向に沿った波形状を生じさせている。また、特許文献1に記載のインクジェットプリンタでは、記録用紙が所定の位置に位置している状態で印刷された着弾ずれ検出パターンを読み取ることによって着弾位置ずれ量を取得する。ここで、特許文献1に記載のインクジェットプリンタでは、搬送方向に搬送される記録用紙の先端及び後端の位置によって、記録用紙の波形状の振幅や平均の高さが変わる。そこで、特許文献1では、記録用紙の先端及び後端の位置に応じて、取得した着弾位置ずれ量を補正している。具体的には、着弾位置ずれ検出パターンから取得される着弾位置ずれ量をYとしたときに、補正後の着弾位置ずれ量Y’を、Y’=a・Y+bのように算出している。そして、補正後の着弾位置ずれ量に基づいて、ノズルからのインクの噴射タイミングを決定している。
特開2013-226801号公報
ここで、特許文献1では、記録用紙の先端及び後端の位置の違いによる、記録用紙の波形状の違いが、振幅と平均の高さの違いだけで表すことができる場合には、取得した着弾位置ずれ量を上述したように補正すれば、補正後の着弾位置ずれ量を、記録用紙の波形状に応じた適切なものとすることができる。しかしながら、記録用紙の先端及び後端の位置の違いによる、記録用紙の波形状の違いが、振幅と平均の高さの違いだけで表すことができないような場合には、取得した着弾位置ずれ量を上述したように補正するだけでは、補正後の着弾位置ずれ量を、記録用紙の波形状に応じた適切なものにすることができない虞がある。
例えば、記録用紙へのインクの付着を防止する観点から、インクジェットヘッドよりも搬送方向における下流側に配置されたコルゲート拍車が記録用紙を押さえる力を、コルゲートプレートが記録用紙を押さえる力ほど強くすることができないことがある。そして、この場合には、例えば、記録用紙の後端がコルゲートプレートよりも搬送方向の下流側まで移動し、コルゲートプレート及びコルゲート拍車のうち、コルゲート拍車のみが記録用紙に波形状を生じさせている状態において、記録用紙に本来生じるべき波形状の山部分あるいは谷部分の一部が生じず、記録用紙の後端がコルゲートプレートよりも搬送方向の下流側まで移動する前の状態と比較して、山部分あるいは谷部分の数が減ってしまうことがある。このような場合には、例えば、記録用紙の後端がコルゲートプレートよりも搬送方向の上流側に位置している状態で着弾ずれ検出パターンを印刷し、この着弾ずれ検出パターンを読み取って着弾位置ずれ量を取得した場合、取得した着弾位置ずれ量を上述したように補正しても、記録用紙の後端がコルゲートプレートよりも搬送方向の下流側まで移動した後における適切な着弾位置ずれ量を取得することはできない。その結果、記録用紙の後端がコルゲートプレートよりも搬送方向の下流側に位置している状態におけるノズルからのインクの噴射タイミングを適切に決定することができない。
また、取得した着弾位置ずれ量を補正することによって、記録用紙の波形状に応じた適切な着弾位置ずれ量を取得することができるか否かは、コルゲートプレートやコルゲート拍車の寸法誤差や、インクジェットプリンタへの組み付け誤差などによって、インクジェットプリンタ毎に異なってくることがある。
本発明の目的は、走査方向に沿った波形状を生じさせた被記録媒体に印刷を行う際に、ノズルからのインクの噴射タイミングを適切に決定することが可能なインクジェットプリンタを提供することである。
第1の発明に係るインクジェットプリンタは、インクを選択的に噴射する複数のノズルが形成されたインク噴射面を有するインクジェットヘッドと、前記インクジェットヘッドを被記録媒体に対向させて前記インク噴射面と平行な走査方向に移動させるヘッド走査機構と、前記被記録媒体を、前記インク噴射面と平行で且つ前記走査方向と交差する搬送方向に搬送する搬送機構と、前記インク噴射面と前記被記録媒体とのギャップの前記走査方向に沿った変動に基づいて決定される、前記走査方向の位置と前記ノズルからのインクの噴射タイミングの補正値との関係を示す、第1基本補正情報及び第2基本補正情報を記憶する記憶部と、前記インクジェットヘッド、前記ヘッド走査機構、及び、前記搬送機構の動作を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記ヘッド走査機構に前記インクジェットヘッドを前記走査方向に移動させるパスと、前記搬送機構に前記被記録媒体を所定距離だけ前記搬送方向に搬送させる搬送動作とを繰り返し行わせ、前記パスにおいて前記インクジェットヘッドに前記ノズルからインクを噴射させることによって、前記被記録媒体への印刷を行わせ、前記第1基本補正情報及び前記第2基本補正情報のうち少なくとも一方の基本補正情報を用いて、各パスにおける前記補正値を決定し、前記第1基本補正情報及び前記第2基本補正情報のうち、どの基本補正情報を用いて前記補正値を決定するかを使い分けて、1枚の被記録媒体への印刷のために行わせる複数の前記パスにおける前記補正値を決定する。
例えば、上流側のノズルと被記録媒体とのギャップの走査方向に沿った変動と、下流側のノズルと被記録媒体とのギャップの走査方向に沿った変動との違いなどによっては、1種類の基本補正情報のみを用いるだけでは、各パスにおける補正値を適切に決定することができない虞がある。また、1種類の基本補正情報のみを用いるだけで各パスにおける補正値を適切に決定することができるか否かは、インクジェットプリンタへの部品の組み付け誤差などによって、インクジェットプリンタ毎に異なってくることがある。
本発明では、第1基本補正情報と第2基本補正情報とを記憶しておき、第1基本補正情報及び第2基本補正情報のうち少なくとも一方の基本補正情報を用いて各パスにおける補正値を決定する。さらに、第1基本補正情報及び第2基本補正情報のうち、どの基本補正情報を用いて補正値を決定するかを使い分けて、1枚の被記録媒体への印刷のために行わせる複数のパスにおける補正値を決定する。したがって、インクジェットプリンタが、1種類の基本補正情報のみを用いて各パスにおける補正値を適切に決定することができるものであるか否かによらず、各パスにおける補正値を適切に決定することができる。
第2の発明に係るインクジェットプリンタは、第1の発明に係るインクジェットプリンタにおいて、前記走査方向の位置をxとし、前記第1基本補正情報によって表される前記補正値をxの関数f1(x)とし、前記第2基本補正情報によって表される前記補正値をxの関数f2(x)とした場合に、関数f2(x)が、a、bを定数として、関数f1(x)を用いて、f2(x)=a・f1(x)+bの形で表すことのできない関数である。
2(x)=a・f1(x)+bの関係が成立しない場合には、第1、第2基本補正情報のうち一方の基本補正情報のみを記憶させておくだけでは、第1、第2基本補正情報のうち上記一方の基本補正情報を用いて決定される補正値から、他方の基本補正情報を用いて決定される補正値を取得することができない。本発明では、このような場合に、第1基本補正情報と第2基本補正情報とを記憶しておき、第1基本補正情報及び第2基本補正情報のうち、どの基本補正情報を用いて補正値を決定するかを使い分けて、1枚の被記録媒体への印刷のために行わせる複数のパスにおける補正値を決定する。したがって、関数f1(x)とf2(x)との間に上記のような関係が成立しない場合でも、各パスにおける補正値を適切に決定することができる。
第3の発明に係るインクジェットプリンタは、第2の発明に係るインクジェットプリンタにおいて、関数f2(x)が、cを定数として、関数f1(x)を用いて、f2(x)=a・f1(x)+c・x+bの形で表すことのできない関数である。
2(x)=a・f1(x)+c・x+bの関係が成立しない場合には、第1、第2基本補正情報のうち一方の基本補正情報のみを記憶させておくだけでは、第1、第2基本補正情報のうち上記一方の基本補正情報を用いて決定される補正値から、他方の基本補正情報を用いて決定される補正値を取得することができない。本発明では、このような場合に、第1基本補正情報と第2基本補正情報とを記憶しておき、第1基本補正情報及び第2基本補正情報のうち、どの基本補正情報を用いて補正値を決定するかを使い分けて、1枚の被記録媒体への印刷のために行わせる複数のパスにおける補正値を決定する。したがって、関数f1(x)とf2(x)との間に上記のような関係が成立しない場合でも、各パスにおける補正値を適切に決定することができる。
第4の発明に係るインクジェットプリンタは、第2又第3の発明に係るインクジェットプリンタにおいて、関数f1(x)と関数f2(x)とで、極大値の数及び極小値の数のうち、少なくとも一方の数が異なっている。
本発明によると、f1(x)とf2(x)とで、極大値の数及び極小値の数のうち少なくとも一方の数が異なる場合には、関数f2(x)は、f1(x)を用いて、f2(x)=a・f1(x)+bの形で表すことのできる関数や、f2(x)=a・f1(x)+c・x+bの形で表すことのできる関数とはならない。
第5の発明に係るインクジェットプリンタは、第1〜第4のいずれかの発明に係るインクジェットプリンタにおいて、前記複数のノズルは、前記搬送方向に配列されることによってノズル列を形成し、前記第1基本補正情報及び前記第2基本補正情報が、前記ノズル列を構成するノズルのうち前記搬送方向における上流側のノズルと前記被記録媒体とのギャップの前記走査方向に沿った変動に基づいて決定される、前記走査方向の位置と前記補正値との関係に関する上流側補正情報と、前記ノズル列を構成するノズルのうち前記搬送方向における下流側のノズルと前記被記録媒体とのギャップの前記走査方向に沿った変動に基づいて決定される、前記走査方向の位置と前記補正値との関係に関する下流側補正情報と、を生成可能な情報である。
ノズル列の上流側のノズルと被記録媒体とのギャップの走査方向に沿った変動と、ノズル列の下流側のノズルと被記録媒体とのギャップの走査方向に沿った変動との違いにより、1種類の基本補正情報のみを用いては、各パスにおける補正値を適切に決定することができない虞がある。本発明では、第1基本補正情報及び第2基本補正情報を、上流側補正情報と下流側補正情報とを生成可能な情報としているため、上述したような場合においても、各パスにおける補正値を適切に決定することができる。
なお、「第1基本補正情報及び第2基本補正情報が、上流側補正情報と下流側補正情報とを生成可能な情報である」というのは、例えば、第1、第2基本補正情報が、上流側、下流側補正情報そのものであることや、第1基本補正情報が、走査方向の位置と、上流側基本補正情報に基づいて決定される補正値と下流側補正情報に基づいて決定される補正値との平均値との関係に関する情報であり、第2基本補正情報が、上流側補正情報あるいは下流側補正情報となっていることなどである。
第6の発明に係るインクジェットプリンタは、第5の発明に係るインクジェットプリンタにおいて、前記制御装置は、前記パスにおける前記補正値を決定する際に、前記被記録媒体の、あるパスによって画像が印刷される領域の、前記搬送方向における上流側に隣接する領域に画像が印刷され、且つ、下流側に隣接する領域に画像が印刷されない場合に、前記上流側補正情報を用いて当該パスにおける前記補正値を決定する第1決定処理、及び、前記被記録媒体の、あるパスによって画像が印刷される領域の、前記搬送方向における下流側に隣接する領域に画像が印刷され、且つ、上流側に隣接する領域に画像が印刷されない場合に、前記下流側補正情報を用いて当該パスにおける前記補正値を決定する第2決定処理のうち、少なくとも一方の決定処理を実行する。
被記録媒体の、あるパスによって画像が印刷される領域の、搬送方向における上流側に隣接する領域に画像が印刷される場合には、このパスによって印刷される画像の、搬送方向における上流側の端部(つまり、上流側に隣接する画像との継ぎ目となる部分)におけるインクの着弾位置が、インクの着弾位置ずれがない場合の着弾位置(以下、理想的な着弾位置とする)に近いことが好ましい。
本発明では、上流側補正情報を用いてあるパスにおける補正値を決定する場合には、ノズル列を構成する全てのノズルと被記録媒体とのギャップが、上流側ノズルと被記録媒体とのギャップであるとみなしてこのパスにおける補正値を決定することになる。したがって、ノズル列を構成する複数のノズルのうち、上流側ノズルから噴射されるインクの着弾位置が、理想的な着弾位置に最も近づく。これにより、このパスによって印刷される画像の、搬送方向における上流側に隣接する画像との継ぎ目となる部分におけるインクの着弾位置を、理想的な着弾の位置に近づけることができる。
ここで、上流側補正情報を用いてあるパスにおける補正値を決定する場合には、下流側ノズルから噴射されるインクの着弾位置の、理想的な着弾位置に対する着弾位置ずれ量が大きくなる虞がある。しかしながら、このパスの搬送方向における下流側に隣接する領域に画像が印刷されない場合には、この着弾位置ずれが印刷される画像の画質全体に与える影響は小さい。
一方、被記録媒体の、あるパスによって画像が印刷される領域の、搬送方向における上流側に隣接する領域に画像が印刷される場合には、このパスによって印刷される画像の、搬送方向における下流側の端部(つまり、下流側に隣接する画像との継ぎ目となる部分)におけるインクの着弾位置が理想的な着弾位置に近いことが好ましい。
本発明では、下流側補正情報を用いてあるパスにおける補正値を決定する場合には、ノズル列を構成する全てのノズルと被記録媒体とのギャップが、下流側ノズルと被記録媒体とのギャップであるとみなしてこのパスにおける補正値を決定することになる。したがって、ノズル列を構成する複数のノズルのうち、下流側ノズルから噴射されるインクの着弾位置が、理想的な着弾位置に最も近づく。これにより、このパスによって印刷される画像の、搬送方向における下流側に隣接する画像との継ぎ目となる部分におけるインクの着弾位置を、理想的な着弾の位置に近づけることができる。
ここで、下流側補正情報を用いてあるパスにおける補正値を決定する場合には、上流側ノズルから噴射されるインクの着弾位置の、理想的な着弾位置に対する着弾位置ずれ量が大きくなる虞がある。しかしながら、このパスの搬送方向における上流側に隣接する領域に画像が印刷されない場合には、この着弾位置ずれが印刷される画像の画質全体に与える影響は小さい。
第7の発明に係るインクジェットプリンタは、第6の発明に係るインクジェットプリンタにおいて、前記制御装置は、前記パスにおける前記補正値を決定する際に、前記被記録媒体の、あるパスによって画像が印刷される領域の、前記搬送方向における上流側に隣接する領域及び下流側に隣接する領域の両方に画像が印刷される場合に、前記上流側補正情報を用いて決定される前記補正値と、前記下流側補正情報を用いて決定される前記補正値との平均値を、当該パスにおける前記補正値に決定する第3決定処理を実行する。
上述の通り、上流側補正情報を用いてあるパスにおける補正値を決定すると、上流側ノズルから噴射されるインクの着弾位置の理想的な着弾位置に最も近づけることはできるが、下流側ノズルから噴射されるインクの着弾位置の理想的な着弾位置に対するずれ量が大きくなる虞がある。一方、下流側補正情報を用いてあるパスにおける補正値を決定すると、下流側ノズルから噴射されるインクの着弾位置の理想的な着弾位置に最も近づけることはできるが、上流側ノズルから噴射されるインクの着弾位置の理想的な着弾位置に対するずれ量が大きくなる虞がある。
これに対して、上流側補正情報を用いて決定される補正値と、下流側補正情報を用いて決定される補正値との平均値を、補正値とした場合には、上流側ノズルから噴射されるインクの着弾位置の理想的な着弾位置に対するずれ量、及び、下流側ノズルから噴射されるインクの着弾位置の理想的な着弾位置に対する着弾位置ずれ量が均等になる。また、これらの着弾位置ずれ量は、上流側補正情報を用いて補正値を決定したときの、下流側ノズルから噴射されるインクの着弾位置の、理想的な着弾位置に対する着弾位置ずれ量よりも小さい。また、これらの着弾位置ずれ量は、下流側補正情報を用いて補正値を決定したときの、上流側ノズルから噴射されるインクの着弾位置の、理想的な着弾位置に対する着弾位置ずれ量よりも小さい。したがって、本発明では、上記平均値を補正値とするパスにおいて、このパスによって印刷される画像の、搬送方向における上流側及び下流側に隣接する画像との継ぎ目となる部分におけるインクの着弾位置の、理想的な着弾位置に対するずれ量を均等にし、且つ、極力小さくすることができる。
第8の発明に係るインクジェットプリンタは、第2〜第4のいずれかの発明に係るインクジェットプリンタにおいて、前記搬送方向において前記インクジェットヘッドよりも上流側に配置され、前記被記録媒体に前記走査方向に沿った波形状を生じさせる上流側波形状生成部材と、前記搬送方向において前記インクジェットヘッドよりも下流側に配置され、前記被記録媒体に前記走査方向に沿った波形状を生じさせる下流側波形状生成部材と、をさらに備え、前記上流側波形状生成部材は、前記被記録媒体を押さえることによって、前記被記録媒体に前記波形状を生じさせるものであり、前記第1基本補正情報は、前記搬送方向に搬送される前記被記録媒体が、前記上流側波形状生成部材に押さえられている状態での、前記インク噴射面と前記被記録媒体とのギャップの前記走査方向に沿った変動に基づいて決定される、前記走査方向の位置と前記補正値との関係を示す情報であり、前記第2基本補正情報は、前記搬送方向に搬送される前記被記録媒体が、前記上流側波形状生成部材に押さえられていない状態での、前記インク噴射面と前記被記録媒体とのギャップの前記走査方向に沿った変動に基づいて決定される、前記走査方向の位置と前記補正値との関係を示す情報であり、前記制御装置は、前記搬送機構に搬送される前記被記録媒体が、前記上流側波形状生成部材に押さえられている間は、前記第1基本補正情報及び前記第2基本補正情報のうち、前記第1基本補正情報のみを用いて前記補正値を決定し、前記搬送機構に搬送される前記被記録媒体が、前記上流側波形状生成部材に押さえられなくなった後は、前記第2基本補正情報を用いて前記補正値を決定する。
搬送機構に搬送される被記録媒体は、上流側波形状生成部材に押さえられている状態から上流側波形状生成部材に押さえられない状態に切り替わる際に、波形状が大きく変動する。本発明では、第1基本補正情報を、被記録媒体が上流側波形状生成部材に押さえられている状態での、走査方向の位置と補正値との関係を示す情報とし、第2基本補正情報を、被記録媒体が上流側波形状生成部材に押さえられていない状態での、走査方向の位置と補正値との関係を示す情報としている。そして、被記録媒体が上流側波形状生成部材に押さえられている状態では、第1基本補正情報のみを用いて補正値を決定し、被記録媒体が上流側波形状生成部材に押さえられていない状態では、第2基本補正情報を用いて補正値を決定している。これにより、上流側波形状生成部材に押さえられているか否かに関係なく1種類の基本補正情報を用いる場合に比べて、各パスにおける補正値を適切に決定することができる。
第9の発明に係るインクジェットプリンタは、第1〜第7のいずれかの発明に係るインクジェットプリンタにおいて、前記搬送方向において前記インクジェットヘッドよりも上流側に配置され、前記被記録媒体に前記走査方向に沿った波形状を生じさせる上流側波形状生成部材と、前記搬送方向において前記インクジェットヘッドよりも下流側に配置され、前記被記録媒体に前記走査方向に沿った波形状を生じさせる下流側波形状生成部材と、をさらに備えている。
搬送される被記録媒体が、上流側及び下流側波形状生成部材のうち、どの波形状生成部材によって波形状を生じさせられているかの違いによる被記録媒体の波形状の違いによっては、1種類の基本補正情報のみを用いるだけでは、各パスにおける補正値を適切に決定することができない虞がある。本発明では、第1基本補正情報と第2基本補正情報とを記憶しておき、第1基本補正情報及び第2基本補正情報のうち少なくとも一方の基本補正情報を用いて各パスにおける補正値を決定する。さらに、第1基本補正情報及び第2基本補正情報のうち、どの基本補正情報を用いて補正値を決定するかを使い分けて、1枚の被記録媒体への印刷のために行わせる複数のパスにおける補正値を決定する。したがって、上述したような場合においても、各パスにおける補正値を適切に決定することができる。
本発明によれば、インクジェットプリンタで印刷を行うときの、各パスにおける補正値を適切に決定することができる。
本発明の実施の形態に係るインクジェットプリンタの概略構成図である。 印刷部の平面図である。 (a)が図2を矢印IIIAの方向から見た図であり、(b)が図2を矢印IIIBの方向から見た図である。 (a)が図2のIVA−IVA線断面図であり、(b)が図2のIVB−IVB線断面図である。 インクジェットプリンタのハードウェア構成を示すブロック図である。 第1、第2基本補正情報を取得して記憶させる手順を示すフローチャートである。 (a)が記録用紙に印刷された2つのパッチ、及び、その読み取り位置を示す図であり、(b)が(a)の搬送方向上流側のパッチの部分拡大図であり、(c)が(a)の搬送方向下流側のパッチの部分拡大図である。 記録用紙の搬送方向に関する位置の変化を模式的に示した図である。 印刷部において印刷を行う手順を示すフローチャートである。 記録用紙の各パスによって画像が印刷される領域を示す図である。 図9におけるディレイ時間の決定の詳細を示すフローチャートである。 (a)が搬送方向に沿ったインク噴射面と記録用紙とのギャップの変動を示す図であり、(b)が上流側補正情報を用いてディレイ時間を決定した場合の着弾位置ずれを示す図であり、(c)が下流側補正情報を用いてディレイ時間を決定した場合の着弾位置ずれを示す図であり、(b)が平均の補正情報を用いてディレイ時間を決定した場合の着弾位置ずれを示す図である。 (a)が本実施の形態における最初のパスにおいて印刷される画像と2番目のパスにおいて印刷される画像との継ぎ目部分におけるずれ量を示す図であり、(b)が最初のパスにおいて平均の補正情報を用いてディレイ時間を決定した場合の(a)相当の図であり、(c)が本実施の形態における最後のパスにおいて印刷される画像と最後から2番目のパスにおいて印刷される画像との継ぎ目部分におけるずれ量を示す図であり、(d)が最後のパスにおいて平均の補正情報を用いてディレイ時間を決定した場合の(c)相当の図である。 (a)がギャップ平面上での走査方向の位置と、上流側のノズルと記録用紙とのギャップとの関係の一例を示す図であり、(b)〜(e)がギャップ平面上での走査方向の位置と、下流側のノズルと記録用紙とのギャップとの関係の例を示す図である。 (a)がディレイ平面上での走査方向の位置と、上流側のノズルについてのディレイ時間との関係の一例を示す図であり、(b)〜(e)がディレイ平面上での走査方向の位置と、下流側のノズルについてのディレイ時間との関係の例を示す図である。 ノズルと記録用紙とのギャップの振幅と平均のギャップのみを考慮して下流側のノズルにおけるディレイ時間を決定した場合の、上流側のノズルから噴射されたインクと下流側のノズルから噴射されたインクの着弾位置の関係を示す図であり、(a)は記録用紙が均等に広がった場合、(b)は記録用紙が右側に偏って広がった場合、(c)は記録用紙が左側に偏って広がった場合を示している。 (a)が一変形例における記録用紙の画像が印刷される領域を示す図であり、(b)が別の一変形例における記録用紙の画像が印刷される領域を示す図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について説明する。
(インクジェットプリンタの全体構成)
本実施の形態に係るインクジェットプリンタ1は、記録用紙P(本発明の「被記録媒体」)に対する印刷のほか、画像の読み取りなども行うことが可能な、いわゆる複合機である。インクジェットプリンタ1は、図1に示すように、印刷部2(図2参照)、給紙部3、排紙部4、読取部5、操作部6、表示部7などを備えている。また、インクジェットプリンタ1の動作は、制御装置50(図5参照)によって制御されている。
印刷部2は、インクジェットプリンタ1の内部に設けられており、記録用紙Pに対する印刷を行う。なお、印刷部2の詳細な構成については、後程説明する。給紙部3は、印刷部2により印刷が行われる記録用紙Pを供給するための部分である。排紙部4は、印刷部2により印刷が行われた記録用紙Pが排出される部分である。読取部5は、スキャナなどであって、後述する着弾ずれ検出パターンなどの画像の読み取りを行う。操作部6は、ボタンを備えており、ユーザは、操作部6のボタンを操作することによって、インクジェットプリンタ1に対して必要な操作を行う。表示部7は液晶ディスプレイなどであって、インクジェットプリンタ1の使用時に必要な情報を表示する。
(印刷部)
次に、印刷部2について説明する。印刷部2は、図2〜図4に示すように、キャリッジ11(本発明の「ヘッド走査機構」)、インクジェットヘッド12、給紙ローラ13、プラテン14、複数のコルゲートプレート15(本発明の「上流側波形状生成部材」)、複数のリブ16、排紙ローラ17、複数のコルゲート拍車18、19(本発明の「下流側波形状生成部材」)、エンコーダ20などを備えている。ただし、図2では、図面を見やすくするために、キャリッジ11を二点鎖線で図示し、キャリッジ11の下方に位置する部分を実線で図示している。
キャリッジ11は、キャリッジモータ29(図5参照)に駆動されることで走査方向に往復移動する。なお、以下では、図1、図2などに示すように、走査方向の右側及び左側を定義して説明を行う。インクジェットヘッド12は、キャリッジ11に搭載されており、その下面であるインク噴射面12aに形成された複数のノズル10からインクを噴射する。複数のノズル10は、走査方向と直交する搬送方向に、長さRにわたって配列されることによってノズル列9を形成している。また、インク噴射面12aには、4つのノズル列9が走査方向に並んでいる。そして、各ノズル列9を構成する複数のノズル10からは、走査方向の右側のノズル列9を構成するものから順に、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタのインクを噴射する。また、インクジェットヘッド12では、同じノズル列9を構成するノズル10からは、同じタイミングでインクが噴射される。また、インク噴射面12aは、走査方向及び搬送方向と平行な面である。
給紙ローラ13は、一対のローラであって、給紙部3から供給された記録用紙Pをニップして搬送方向に搬送する。なお、本実施の形態では、図2で図示した搬送方向(図中下向きの方向)が、本発明の搬送方向に相当する。また、給紙ローラ13には、給紙ローラ13の回転量を検出するためのロータリーエンコーダ27(図5参照)が設けられている。
プラテン14は、インク噴射面12aと対向するように配置されており、給紙ローラ13により搬送される記録用紙Pは、プラテン14の上面14aに沿って搬送される。また、プラテン14は、搬送方向における上流側の端部に設けられ、走査方向に延びた揺動軸14bに揺動自在に支持されているとともに、図示しないばねなどに付勢されることによって、記録用紙Pが搬送されていない状態において、図中実線で示した位置に位置づけられている。
複数のコルゲートプレート15は、プラテン14の搬送方向における上流側の端部の上面14aと対向するように配置されており、走査方向にほぼ等間隔に配列されている。給紙ローラ13に搬送される記録用紙Pは、プラテン14とコルゲートプレート15との間を通過し、複数のコルゲートプレート15は、その下面である押さえ面15aにより記録用紙Pを上から押さえる。このとき、プラテン14は、コルゲートプレート15に押さえられた記録用紙Pによって下方に押され、図4に一点鎖線で示したように、揺動軸14bを中心に反時計回り方向に揺動する。また、このとき、プラテン14は、記録用紙Pの厚みが大きい場合ほど大きく揺動する。これにより、プラテン14の上面14aは、記録用紙Pの厚みが大きい場合ほどインク噴射面12aから離れることとなり、記録用紙Pの厚みによらず、プラテン14の上面14aに配置された記録用紙Pと、インク噴射面12aとのギャップを均一にすることができる。
複数のリブ16は、プラテン14の上面14aの、走査方向に関するコルゲートプレート15の間の部分に配置されており、走査方向にほぼ等間隔に配列されている。リブ16は、それぞれ、プラテン14の上面14aからコルゲートプレート15の押さえ面15aよりも上方まで突出しているとともに、プラテン14の搬送方向に関する上流側の端部から搬送方向の下流側に向かって延びている。これにより、プラテン14上の記録用紙Pは、複数のリブ16によって下方から支持されている。
排紙ローラ17は、一対のローラであって、記録用紙Pの走査方向に関して複数のリブ16と同じ位置にある部分をニップして、記録用紙Pを排紙部4に向けて搬送方向に搬送する。排紙ローラ17を構成する一対のローラのうち上側のローラ17aは、記録用紙Pに着弾したインクが付着しにくいように拍車となっている。
ここで、上述の給紙ローラ13を構成する一対のローラのうち下側のローラ13b、及び、排紙ローラ17を構成する一対のローラのうち下側のローラ17bは、搬送モータ28(図5参照)によって駆動される駆動ローラとなっている。また、給紙ローラ13を構成する一対のローラのうち上側のローラ13a、及び、排紙ローラ17を構成する一対のローラのうち上側のローラ17aは、上記駆動ローラの回転に連動して回転する従動ローラとなっている。なお、本実施の形態では、給紙ローラ13と排紙ローラ17とを合わせたものが、本発明に係る「搬送機構」に相当する。
複数のコルゲート拍車18は、搬送方向における排紙ローラ17よりも下流側の、走査方向に関してコルゲートプレート15とほぼ同じ位置に配置されている。複数のコルゲート拍車19は、搬送方向における、複数のコルゲート拍車18の下流側の、走査方向に関してコルゲートプレート15とほぼ同じ位置に配置されている。また、複数のコルゲート拍車18、19は、上下方向に関して、排紙ローラ17が記録用紙Pをニップする位置よりも下方に位置しており、この位置で、記録用紙Pを上方から押さえている。ただし、記録用紙Pへのインクの付着を防止する観点から、搬送方向におけるインクジェットヘッド12よりも下流側に配置されたコルゲート拍車18、19の下端は、搬送方向におけるインクジェットヘッド12よりも上流側に配置されたコルゲートプレート15の押さえ面15aよりも若干上方に位置しており、コルゲートプレート15よりも記録用紙Pを押さえる力が弱くなっている。また、コルゲート拍車18、19は外周面が平坦なローラではなく拍車であるので、記録用紙Pに着弾したインクが付着しにくい。
そして、プラテン14上で複数のリブ16によって下方から支持された記録用紙Pは、複数のコルゲートプレート15及び複数のコルゲート拍車18、19により上から押さえられることによって曲げられ、図3に示すように、上側に突出した山部分Pmと、下側に窪んだ谷部分Pvとが交互に並ぶ、走査方向に沿った波形状となっている。また、山部分Pmは、走査方向に関して、リブ16の中央部とほぼ同じ位置にある部分が、上側に最も大きく突出した山頂部分Ptとなっている。また、谷部分Pvは、走査方向に関して、コルゲートプレート15及びコルゲート拍車18、19とほぼ同じ位置にある部分が、最も下側に窪んだ谷底部分Pbとなっている。
エンコーダ20は、キャリッジ11に搭載され、走査方向におけるキャリッジ11の位置を検出する。
そして、以上のような構成の印刷部2では、キャリッジ11とともにインクジェットヘッド12を走査方向に移動させるパスと、ローラ13、17によって記録用紙Pを搬送方向にノズル列9の長さR(本発明の「所定距離」)だけ搬送させる搬送動作とを繰り返し行い、各パスにおいて、ノズル10からインクを噴射させることによって、記録用紙Pに印刷を行う。
(制御装置)
次に、インクジェットプリンタ1の動作を制御するための制御装置50について説明する。制御装置50は、図5に示すように、CPU(Central Processing Unit)51、ROM(Read Only Memory)52、RAM(Random Access Memory)53、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)54(本発明の「記憶部」)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)55等からなり、これらが、操作部6の操作などに応じて、読取部5、キャリッジモータ29、インクジェットヘッド12、搬送モータ28、表示部7などの動作を制御する。また、制御装置50には、操作部6における操作に対応した信号や、エンコーダ20、ロータリーエンコーダ27の検出信号などが入力される。
ここで、図5では、CPU51を1つだけ図示しているが、制御装置50は、CPU51を1つだけ備え、この1つのCPU51が一括して処理を行うものであってもよいし、CPU51を複数備え、これら複数のCPU51が分担して処理を行うものであってもよい。また、図5では、ASIC55を1つだけ図示しているが、制御装置50は、ASIC55を1つだけ備え、この1つのASIC55が一括して処理を行うものであってもよいし、ASIC55を複数備え、これら複数のASIC55が分担して処理を行うものであってもよい。
(印刷部における印刷)
次に、制御装置50の制御によって、印刷部2において印刷を行う方法について説明する。本実施の形態では、例えば、インクジェットプリンタ1の製造の直後などに、ノズル10からのインクの噴射タイミングに対するディレイ時間(本発明の「補正値」)を決定するための第1基本補正情報及び第2基本補正情報を取得し、EEPROM54に記憶させる。第1基本補正情報及び第2基本補正情報の詳細については後程説明する。
ここで、ディレイ時間について説明すると、インクジェットプリンタ1では、記録用紙Pが波形状となっておらず、インク噴射面12aと記録用紙Pとのギャップが所定の一定値であるとした場合の、各パスにおけるノズル10からのインクの噴射タイミングについての情報が、基準タイミング情報として予めEEPROM54に記憶されている。ディレイ時間とは、ノズル10からのインクの噴射タイミングを、基準タイミングからどれだけ遅らせるかを示すものである。
次に、第1基本補正情報及び第2基本補正情報を取得する方法について説明する。第1補正情報及び第2補正情報を取得するためには、まず、記録用紙Pに、図7(a)に示すような、複数の着弾ずれ検出パターンQからなる2つのパッチT1、T2を印刷する(ステップS101)。なお、以下では、「ステップS101」を単に「S101」とするなど「ステップ」を省略して説明する。
パッチT1を印刷するためには、まず、キャリッジ11を走査方向の右側に移動させつつ、あるノズル列9を構成する複数のノズルのうち、上流側n個のノズル10(以下、上流側ノズル10aとする)からインクを噴射させることにより、それぞれが搬送方向に平行に延び、走査方向に配列された複数の直線L1を印刷させる。ここで、nは、1つのノズル列9を構成するノズル10の数の半分よりも少ない数である。続いて、キャリッジ11を走査方向の左側に移動させつつ、上流側ノズル10aからインクを噴射させることにより、それぞれが搬送方向に対して傾いており、複数の直線L1とそれぞれ重なる複数の直線L2を印刷させる。これにより、図7(b)に示すように、互いに交差する直線L1と直線L2の組によってそれぞれ形成された着弾ずれ検出パターンQが、走査方向に沿って複数配列されたパッチT1が印刷される。
また、パッチT2を印刷するためには、まず、キャリッジ11を走査方向の右側に移動させつつ、あるノズル列9を構成する複数のノズルのうち、下流側n個のノズル10(以下、下流側ノズル10bとする)からインクを噴射させることにより、上述したのと同様の複数の直線L1を印刷させる。続いて、キャリッジ11を走査方向の左側に移動させつつ、下流側ノズル10bからインクを噴射させることにより、上述したのと同様の複数の直線L2を印刷させる。これにより、図7(c)に示すように、着弾ずれ検出パターンQが走査方向に沿って複数配列されたパッチT2が印刷される。
ここで、印刷部2では、給紙ローラ13及び排紙ローラ17によって搬送される記録用紙Pは、図8(a)に示すように、搬送方向における下流側の端(以下、先端Pfとする)がコルゲートプレート15に到達した後、先端Pfが排紙ローラ17及びコルゲート拍車18、19に到達するまでは、給紙ローラ13及びコルゲートプレート15に押さえられた状態となる。また、この後、記録用紙Pの搬送方向における上流側の端(以下、後端Prとする)が給紙ローラ13を抜けるまでは、記録用紙Pは、図8(b)に示すように、給紙ローラ13、コルゲートプレート15、排紙ローラ17及びコルゲート拍車18、19に押さえられた状態となる。さらに、この後、記録用紙Pの後端Prがコルゲートプレート15を抜けるまでは、記録用紙Pは、図8(c)に示すように、コルゲートプレート15、排紙ローラ17及びコルゲート拍車18、19に押さえられた状態となる。そして、記録用紙Pの後端Prがコルゲートプレート15を抜けた後、記録用紙Pの後端Prは、図8(d)に示すように、排紙ローラ17及びコルゲート拍車18、19に押さえられた状態となる。本実施の形態では、例えば、図8(b)に示す状態でパッチT1、T2を印刷する。
なお、パッチT1、T2の印刷時には、例えば、上記基準タイミングでノズル10からインクを噴射させる。あるいは、これよりも前に、後述する手順でディレイ時間の決定が行われている場合には、基準タイミングを決定されたディレイ時間だけ遅らせたタイミングでインクを噴射させてもよい。
次に、印刷されたパッチT1、T2の複数の着弾ずれ検出パターンQを読取部5で読み取り、読み取り結果から、上流側ノズル10aについての各山頂部分Pt及び各谷底部分Pbにおける着弾位置ずれ量の情報を取得し、上流側ノズル10aについての各山頂部分Pt及び各谷底部分Pbにおける着弾位置ずれ量の情報を取得する(S102)。
より詳細に説明すると、例えば、図7(b)、(c)に示すような着弾ずれ検出パターンQを印刷した場合、直線L1、L2は、キャリッジ11を走査方向の右側に移動させるときと左側に移動させるときの着弾位置にずれがあると、走査方向の互いに反対側にずれて印刷される。そのため、直線L1と直線L2とは、走査方向に関する着弾位置ずれ量に応じて、直線L1、L2の中央部から搬送方向にずれた位置において重なる。また、読取部5において着弾ずれ検出パターンQを読み取った場合、直線L1と直線L2とが重なる部分が他の部分よりも検出される輝度が高くなる。したがって、着弾ずれ検出パターンQを読み取り、最も輝度が高くなる部分の位置を取得することにより、直線L1と直線L2とが重なっている位置を検出することができる。
そこで、本実施の形態ではパッチT1、T2の複数の着弾ずれ検出パターンQのうち、各山頂部分Pt及び各谷底部分Pbに対応する部分Ta、Tbを形成する着弾ずれ検出パターンQを読み取り、読み取った着弾ずれ検出パターンQにおいて、それぞれ最も輝度が高くなる部分の位置を取得することで、各山頂部分Pt及び谷底部分Pbの着弾位置ずれ量を取得する。また、S102では、このように、部分Ta、Tbを形成する着弾ずれ検出パターンQのみを読み取るため、S101では、複数の着弾ずれ検出パターンQのうち、少なくとも部分Ta、Tbを形成する着弾ずれ検出パターンQを印刷すればよい。
ここで、S102では、山頂部分Pt及び谷底部分Pbの着弾位置ずれ量のみを取得しているが、上述の通り、本実施の形態では、記録用紙Pを走査方向に沿った波形状としているため、山頂部分Pt及び谷底部分Pbの着弾位置ずれ量から、他の部分の着弾位置ずれ量を推定することができる。また、着弾位置ずれ量は、ノズル10と記録用紙Pとのギャップによって決まるものであり、ノズル10と記録用紙Pとのギャップと1対1の関係にある。これらのことから、S102で、パッチT1、T2について、各山頂部分Pt及び谷底部分Pbにおける着弾位置ずれ量を取得することは、それぞれ、上流側ノズル10aと記録用紙Pとのギャップの走査方向に沿った変動についての情報、及び、下流側ノズル10bと記録用紙Pとのギャップの走査方向に沿った変動についての情報を取得することと実質的に同じことである。
また、S102では、読取部5の代わりに、インクジェットプリンタ1とは別のスキャナなどによって、着弾ずれ検出パターンQを読み取り、その読み取り結果をインクジェットプリンタ1に入力するようにしてもよい。
次に、S102で取得した、パッチT1についての、各山頂部分Pt及び谷底部分Pbにおける着弾位置ずれ量の情報から、上流側ノズル10aについての、各山頂部分Pt及び谷底部分Pbにおけるディレイ時間の情報である上流側補正情報を取得する(S103)。また、パッチT2についての、各山頂部分Pt及び谷底部分Pbにおける着弾位置ずれ量の情報から、下流側ノズル10bについての、各山頂部分Pt及び谷底部分Pbにおけるディレイ時間の情報である下流側補正情報を取得する(S104)。なお、着弾位置ズレ量(ギャップ)とディレイ時間との関係については後程説明する。
ここで、S103、S104では、山頂部分Pt及び谷底部分Pbにおけるディレイ時間のみを取得しているが、上述の通り、本実施の形態では、記録用紙Pを走査方向に沿った波形状としているため、これらのディレイ時間から、他の部分におけるディレイ時間を推定することができる。したがって、S103で取得される、各山頂部分Pt及び谷底部分Pbにおけるディレイ時間の情報である上流側補正情報は、走査方向の位置と、上流側ノズル10aについてのディレイ時間との関係に関する情報と実質的に同じものである。同様に、S104で取得される、各山頂部分Pt及び谷底部分Pbにおけるディレイ時間の情報である下流側補正情報は、走査方向の位置と下流側ノズル10bについてのディレイ時間との関係に関する情報と実質的に同じものである。
次に、各山頂部分Ptについての、S103で取得したディレイ時間とS104で取得したディレイ時間との平均値を、それぞれ各山頂部分Ptにおける平均のディレイ時間として算出する。また、各谷底部分Pbについて、S103で取得したディレイ時間とS104で取得したディレイ時間との平均値を、それぞれ各谷底部分Pbにおける平均のディレイ時間として算出する。そして、取得した山頂部分Pt及び谷底部分Pbにおける平均のディレイ時間についての情報(以下、平均の補正情報とする)を、第1基本補正情報としてEEPROM54に記憶させる(S105)。また、S103で取得した上流側補正情報を、第2基本補正情報としてEEPROM54に記憶させる(S106)。
ここで、S105では、山頂部分Pt及び谷底部分Pbにおける平均のディレイ時間のみを記憶させているが、上述の通り、本実施の形態では、記録用紙Pを走査方向に沿った波形状としているため、これらの平均のディレイ時間から、山頂部分Pt及び谷底部分Pbの間の他の部分における平均のディレイ時間を推定することができる。したがって、S105でEEPROM54に記憶される第1基本補正情報は、走査方向の位置と平均のディレイ時間との関係についての情報と実質的に同じものである。また、S106でEEPROM54に記憶される第2基本補正情報は、S103で取得された上流側補正情報と同じものである。したがって、第2基本補正情報は、上述したのと同様、走査方向の位置と上流側ノズル10aについてのディレイ時間との関係に関する情報と実質的に同じものである。
次に、印刷部2において、印刷を行う方法について説明する。印刷部2では、上述したように、パスと搬送動作を繰り返すことによって印刷を行う。より詳細に説明すると、図9に示すように、まず、実行させるパスにおけるディレイ時間を決定する(S201)。ディレイ時間の決定方法については後程説明する。そして、パスを実行し(S202)、続けて搬送動作を実行する(S203)。S202で実行させるパスでは、上記基準タイミングから、S201で決定したディレイ時間だけ遅らせたタイミングで、ノズル10からインクを噴射させる。また、S203の搬送動作では、記録用紙Pを搬送方向におけるノズル列9の長さと同じ長さRだけ搬送させる。このとき、ロータリーエンコーダ27の検出結果を参照して、ローラ13、17を、記録用紙Pの搬送に必要な回転量だけ回転させることによって、記録用紙Pを長さRだけ搬送させる。そして、印刷が完了するまで(S204:NO)、上記S201〜S203の動作を繰り返し、印刷が完了したときに(S204:YES)、動作を終了する。これにより、例えば、1枚の記録用紙Pに印刷を行うときにN回のパスが実行されるとした場合に、図10に示すように、各パスにおいて、記録用紙Pを搬送方向にN等分した領域Jm(m=1、2、・・、N)に、搬送方向における下流側の領域Jmから順に(J1、J2、・・、JNの順に)画像が印刷される。なお、領域Jmは、m番目のパスによって画像が記録される領域である。また、インクジェットプリンタ1の印刷部2では、例えば、写真印刷モード、ドラフト印刷モードなど、複数の印刷モードのうちいずれかの印刷モードで選択的に印刷を行うことができるようになっている。そして、これらのうち、ある印刷モードで印刷を行う場合に、上述したように、N回のパスによって画像が印刷され、1回の搬送動作において記録用紙Pが長さRだけ搬送される。
(各パスにおけるディレイ時間の決定方法)
次に、S201におけるディレイ時間の決定方法について詳細に説明する。S201では、図11に示すように、実行させるパスが1枚の記録用紙Pに印刷を行うための複数のパスのうち、最初のパスである場合には(S301:YES)、エンコーダ20の検出結果から得られるキャリッジ11の走査方向の位置と、EEPROM54に記憶された第2基本補正情報(上流側補正情報)とに基づいて、当該パスにおけるディレイ時間に決定する(S303、本発明の「第1決定処理」)。
一方、実行させるパスが、1枚の記録用紙Pに印刷を行うための複数のパスのうち、最後のパスである場合には(S301:NO、S302:YES)、エンコーダ20の検出結果から得られるキャリッジ11の走査方向の位置と、下流側補正情報とに基づいて、当該パスの各噴射タイミングに対するディレイ時間に決定する(S304、本発明の「第2決定処理」)。このとき、下流側補正情報は、EEPROM54に記憶された第1基本補正情報と第2基本補正情報とから取得する。
一方、実行させるパスが、最初のパス及び最後のパスのいずれでもない場合には(S301:NO、S302:NO)、エンコーダ20の検出結果から得られるキャリッジ11の走査方向の位置と、EEPROM54に記憶された第1基本補正情報(平均の補正情報)とに基づいて、このパスにおけるディレイ時間を決定する(S305、本発明の「第3決定処理」)。
すなわち、本実施の形態では、S303〜S305のように、第1基本補正情報及び第2基本補正情報のうち、少なくとも一方の基本補正情報を用いて各パスにおけるディレイ時間を決定する。また、S301〜S305のように、最初のパスであるか、最後のパスであるか、それ以外のパスであるかによって、第1基本補正情報及び第2基本補正情報のうち、どの基本補正情報を用いてディレイ時間を決定するかを使い分けて、1枚の記録用紙Pへの印刷のための複数のパスにおけるディレイ時間を決定する。
(各パスにおけるインクの着弾位置ずれ)
ここで、上述したように、コルゲートプレート15は、コルゲート拍車18、19よりも記録用紙Pを押さえる力が強いため、図12(a)に示すように、インク噴射面12aと記録用紙Pとのギャップは、搬送方向における下流側ほど小さくなっている。なお、図12(a)では、図面をわかりやすくするために、図4(a)、(b)と比較して、記録用紙Pの高さの搬送方向に沿った変動を大きく図示している。
これに対して、S303のように上流側補正情報を用いてディレイ時間を決定した場合、決定されるディレイ時間は、インク噴射面12aと記録用紙Pとのギャップが、上流側ノズル10aと記録用紙PとのギャップE1(厳密には、上流側n個のノズル10と記録用紙Pとのギャップの平均値)であるとときに、インクの着弾位置ずれが生じなくなる(着弾位置ズレ量が0となる)ようなディレイ時間である。そのため、上記基準タイミングからS303で決定されたディレイ時間だけ遅らせたタイミングでノズル10からインクを噴射させるパスでは、図12(b)に示すように、上流側ノズル10aから噴射されるインクの着弾位置(図中T1で示した位置)が、着弾位置ずれがないとしたときの着弾位置(図中に直線Uで示した位置、以下、理想的な着弾位置とする)に最も近づく。また、搬送方向において上流側ノズル10aからの距離が大きいノズル10から噴射されるインクの着弾位置ほど、理想的な着弾位置に対する着弾位置ずれ量が大きくなる。そして、下流側ノズル10bから噴射されるインクの着弾位置(図中T2で示した位置)の、理想的な着弾位置に対する着弾位置ずれ量が最も大きくなる。そのため、上流側補正情報に基づいてディレイ時間を決定したパスによって印刷された画像は、搬送方向における上流側の端部でのインクの着弾位置が理想的な着弾位置に最も近づき、搬送方向における下流側の端部でのインクの着弾位置が理想的な着弾位置から最も離れる。
なお、図12(b)では、パスにおけるキャリッジ11の移動方向が右方向である場合のインクの着弾位置を実線で示している。また、パスにおけるキャリッジ11の移動方向が左方向である場合のインクの着弾位置は、一点鎖線で示すように、キャリッジ11の移動方向が右方向である場合と直線Uに対して対称となる。図12(c)、(d)についても同様である。
一方、S304のように下流側補正情報を用いてディレイ時間を決定した場合、決定されるディレイ時間は、インク噴射面12aと記録用紙Pとのギャップが、下流側ノズル10bと記録用紙PとのギャップE2(厳密には、下流側n個のノズル10と記録用紙Pとのギャップの平均値)であるときに、インクの着弾位置ずれが生じなくなるようなディレイ時間である。そのため、上記基準タイミングからS304で決定されたディレイ時間だけ遅らせたタイミングでノズル10からインクを噴射させるパスでは、図12(c)に示すように、下流側ノズル10bから噴射されるインクの着弾位置(図中T3で示した位置)が理想的な着弾位置に最も近づく。また、搬送方向における上流側に位置するノズル10から噴射されるインクの着弾位置ほど、理想的な着弾位置に対する着弾位置ずれ量が大きくなる。そして、上流側ノズル10aから噴射されるインクの着弾位置(図中T4で示した位置)の、理想的な着弾位置に対する着弾位置ずれ量が最も大きくなる。そのため、下流側補正情報に基づいてディレイ時間を決定したパスによって印刷された画像は、搬送方向における下流側の端部でのインクの着弾位置が理想的な着弾位置に最も近づき、搬送方向における上流側の端部でのインクの着弾位置が理想的な着弾位置から最も離れる。
一方、S305のように平均の補正情報を用いてディレイ時間を決定した場合、決定されるディレイ時間は、インク噴射面12aと記録用紙Pとのギャップが、上記ギャップE1とE2とを平均したギャップE3であるとときに、インクの着弾位置ずれが生じなくなるようなディレイ時間である。そのため、上記基準タイミングからS305で決定されたディレイ時間だけ遅らせたタイミングでノズル10からインクを噴射させるパスでは、図12(d)に示すように、インク噴射面12aと記録用紙Pとのギャップの、上記ギャップE3との差が大きいノズル10から噴射されるインクの着弾位置ほど、理想的な着弾位置に対する着弾位置ずれ量が大きくなる。これにより、記録用紙Pとのギャップが、上記ギャップE3と同じノズル10から噴射されるインクの着弾位置(図中T5で示す位置での着弾位置ずれ量)が、理想的な着弾位置に最も近づく。また、上流側ノズル10aから噴射されるインクの走査方向の着弾位置(図中T6で示す位置)が、理想的な着弾位置に対して走査方向の一方側(図では左側)に最も大きく離れる。また、下流側ノズル10bから噴射されるインクの着弾位置(図中T7で示す位置)が、理想的な着弾位置に対して走査方向の他方側(図では右側)に最も大きく離れる。
ただし、この場合には、上流側ノズル10aから噴射されるインクの着弾位置の、理想的な着弾位置に対する着弾位置ずれ量Z3と、下流側ノズル10bから噴射されるインクの着弾位置の、理想的な着弾位置に対する着弾位置ずれ量Z4とは、ほぼ同じとなる(均等になる)。また、着弾位置ずれ量Z3、Z4は、図12(b)の場合の、下流側ノズル10bから噴射されるインクの着弾位置の、理想的な着弾位置に対する着弾位置ずれ量Z1、及び、図12(c)の場合の、上流側ノズル10aから噴射されるインクの着弾位置の、理想的な着弾位置に対する着弾位置ずれ量Z2よりも小さい。そのため、平均の補正情報に基づいてディレイ時間を決定したパスによって印刷された画像は、搬送方向における上流側の端部及び下流側の端部でのインクの着弾位置が、理想的な着弾位置に対して均等に離れている。また、この場合には、搬送方向における上流側及び下流側の端部でのインクの着弾位置の、理想的な着弾位置に対する着弾位置ずれ量の両方を極力小さくすることができる。
ここで、図8に示す、記録用紙Pの最初のパスによって画像が印刷される領域J1については、搬送方向における上流側に隣接する領域J2(2番目のパスによって画像が印刷される領域J2)に画像が印刷されるが、搬送方向における下流側に隣接する領域に画像が印刷されることはない。そのため、最初のパスによって印刷される画像は、搬送方向における上流側に隣接する画像との継ぎ目となる部分(すなわち、上流側の端部)でのインクの着弾位置が、理想的な着弾位置に近いことが好ましい。そこで、本実施の形態では、最初のパスについては、S303のように上流側補正情報を用いてディレイ時間を決定する。これにより、最初のパスにおいて印刷される画像の、搬送方向における上流側に隣接する領域Jに印刷される画像との継ぎ目となる部分でのインクの着弾位置の、理想的な着弾位置に対する着弾位置ずれ量を小さくすることができる。また、この場合には、最初のパスにおいて印刷される画像の、搬送方向における下流側の端部でのインクの着弾位置の、理想的な着弾位置に対する着弾位置ずれ量が大きくなる。しかしながら、最初のパスによって画像が印刷される領域J1の搬送方向における下流側の領域に画像が印刷されることがないため、この着弾位置ずれが印刷される画像全体の画質に与える影響は小さい。
また、図8に示す、記録用紙Pの最後のパスによって画像が印刷される領域JNについては、搬送方向における下流側に隣接する領域JN-1(最後から2番目([N−1]番目])のパスによって画像が印刷される領域JN-1)に画像が印刷されるが、搬送方向における上流側に隣接する領域に画像が印刷されることはない。そのため、最後のパスによって印刷される画像は、搬送方向における下流側に隣接する画像との継ぎ目となる部分(すなわち、下流側の端部)でのインクの着弾位置が、理想的な着弾位置に近いことが好ましい。そこで、本実施の形態では、最後のパスについては、S304のように下流側補正情報を用いてディレイ時間を決定する。これにより、最後のパスにおいて印刷される画像の、搬送方向における下流側に隣接する領域Jに印刷される画像との継ぎ目となる部分でのインクの着弾位置の、理想的な着弾位置に対する着弾位置ずれ量を小さくすることができる。また、この場合には、最後のパスにおいて印刷される画像の、搬送方向における上流側の端部でのインクの着弾位置の、理想的な着弾位置に対する着弾位置ずれ量が大きくなる。しかしながら、最後のパスによって画像が印刷される領域JNの搬送方向における上流側の領域に画像が印刷されることがないため、この着弾位置ずれが印刷される画像全体の画質に与える影響は小さい。
また、図8に示す、記録用紙Pの、最初と最後のパス以外のパスによって画像が印刷される領域Jm(m=2、3、・・、[N−2])(2〜[N−2]番目のパスによって画像が印刷される領域J2〜JN-2)については、搬送方向における上流側に隣接する領域Jm+1及び下流側に隣接する領域Jm-1の両方に画像が印刷される。そのため、これらのパスによって印刷される画像は、搬送方向における上流側に隣接する画像との継ぎ目となる部分両方でのインクの着弾位置、及び、下流側に隣接する画像との継ぎ目となる部分でのインクの着弾位置の両方が、理想的な着弾位置に極力近いことが好ましい。そこで、本実施の形態では、これらのパスについては、S305のように平均の補正情報を用いてディレイ時間を決定する。これにより、これらのパスにおいて印刷される画像の、搬送方向における上流側に隣接する領域Jm+1に印刷される画像との継ぎ目となる部分でのインクの着弾位置の理想的な着弾位置に対する着弾位置ずれ量と、下流側に隣接する領域Jm-1に印刷される画像との継ぎ目となる部分でのインクの着弾位置の理想的な着弾位置に対する着弾位置ずれ量とを均等にし、且つ、極力小さくすることができる。これにより、印刷される画像の画質の低下を極力抑えることができる。
そして、以上のようにしてディレイ時間を決定して印刷を行うと、上流側補正情報を用いてディレイ時間を決定した場合の上流側ノズル10aから噴射されたインクの着弾位置ずれ量が0であれば、図13(a)に示すように、領域J1印刷される画像と、領域J2に印刷される画像との継ぎ目部分におけるずれ量がZ4となる。これに対して、最初のパスについても平均の補正情報を用いてディレイ時間を決定して印刷を行うと、図13(b)に示すように、領域J1に印刷される画像と、領域J2に印刷される画像との継ぎ目部分におけるずれ量がZ3+Z4となる。これらのことから、上流側補正情報を用いて最初のパスについてのディレイ時間を決定すれば、平均の補正情報を用いて最初のパスについてのディレイ時間を決定するよりも、領域J1に印刷される画像と、領域J2に印刷される画像との継ぎ目部分におけるずれ量を小さくすることができる。
また、以上のようにしてディレイ時間を決定して印刷を行うと、下流側補正情報を用いてディレイ時間を決定した場合の下流側ノズル10bから噴射されたインクの着弾位置ずれ量が0であれば、図13(c)に示すように、領域JN-1に印刷される画像と、領域JNに印刷される画像との継ぎ目部分におけるずれ量がZ3となる。これに対して、最初のパスについても平均の補正情報を用いてディレイ時間を決定して印刷を行うと、図13(d)に示すように、領域JN-1印刷される画像と、領域JNに印刷される画像との継ぎ目部分におけるずれ量がZ3+Z4となる。これらのことから、下流側補正情報を用いて最後のパスについてのディレイ時間を決定すれば、平均の補正情報を用いて最後のパスについてのディレイ時間を決定するよりも、領域JN-1に印刷される画像と、領域JNに印刷される画像との継ぎ目部分におけるずれ量を小さくすることができる。
そして、これらのことから、印刷される画像全体における画質を向上させることができる。
(ギャップとディレイ時間との関係)
次に、ギャップとディレイ時間との関係について説明する。ここで、横軸を走査方向の位置、縦軸をギャップとした平面(以下、ギャップ平面とする)上に、走査方向の位置と、上流側ノズル10aと記録用紙Pとのギャップとの関係を示す波形V1を描くと、波形V1は、例えば、図14(a)に示すように、振幅がA1、平均のギャップがB1の波形となる。そのため、上述の基準タイミングでノズル10からインクを噴射して印刷を行うと、走査方向におけるインクの着弾位置の間隔にばらつきが生じ、画質の低下につながる。
そこで、このような場合には、横軸を走査方向の位置、縦軸をディレイ時間とした平面(以下、ディレイ平面とする)上に、走査方向の位置と上流側ノズル10aについてのディレイ時間との位置関係を示す波形W1を描いたときに、波形W1が、例えば、図15(a)に示すような、振幅がC1、平均のディレイ時間がD1であり、波形V1に対して位相が反転した波形となるように、上流側ノズル10aについてのディレイ時間を決める。これにより、走査方向におけるインクの着弾位置の間隔を均一にすることができる。
一方、上記ギャップ平面上に、走査方向の位置と、下流側ノズル10bと記録用紙Pとのギャップとの関係を示す波形V2を描くと、上述したように、コルゲート拍車18、19は、コルゲートプレート15よりも記録用紙Pを押さえる力が弱いことから、波形V2は、例えば、図14(b)に示すように、振幅がA2(<A1)、平均のギャップがB2(<B1)の波形となる。
この場合、振幅A1とA2との比、及び、平均のギャップB1とB2との差のみを考慮して、下流側ノズル10bについてのディレイ時間を決定することが考えられる。この場合には、上記ディレイ平面上に走査方向の位置と下流側ノズルについてのディレイ時間との関係を示す波形W2を描いたときに、波形W2が、例えば、図15(b)に示すような、振幅がC2(<C1)、平均のディレイ時間がD2(>D1)であり、波形V2に対して位相が反転した波形となる。そして、このように下流側ノズル10bについてのディレイ時間を決定すれば、下流側ノズル10bから噴射されるインクの、走査方向におけるインクの着弾位置の間隔を均一にすることができる。
また、この場合には、走査方向の位置をxとし、上流側ノズル10aについてのディレイ時間をxの関数g1(x)とし、下流側ノズル10bについてのディレイ時間をxの関数g2(x)としたときに、関数g2(x)が、a、bを定数として、関数g1(x)を用いて、g2(x)=a・g1(x)+bの形で表すことのできる関数となる。ここで、定数aの値は、振幅A1とA2との比によって決まり、定数bの値は、平均のギャップB1とB2との差によって決まる。
ただし、この場合には、図14(a)と図14(b)とを比較すればわかるように、波形状となった記録用紙Pは、振幅A2が振幅A1に対して小さくなっている分、下流側ノズル10bと対向する部分が、上流側ノズル10aと対向する部分に対して走査方向に広がっており、下流側ノズル10bと対向する部分の走査方向の長さM2が、上流側ノズル10aと対向する部分の走査方向の長さM1よりも長くなっている。また、図12(b)では、記録用紙Pの、下流側ノズル10bと対向する部分が、上流側ノズル10aと対向する部分に対して走査方向の両側に均等に広がっている場合を示しているが、例えば、図12(c)に示すように、記録用紙Pの、下流側ノズル10bと対向する部分が、上流側ノズル10aと対向する部分に対して走査方向における片側(図では右側)に偏って広がることもある。
そのため、上述したように、関数g2(x)がg2(x)=a・g1(x)+bの形で表すことのできる関数となるように下流側ノズル10bについてのディレイ時間を決定した場合、図16(a)〜(c)に示すように、上流側ノズル10aから噴射されたインクI1の着弾位置の間隔K1、及び、下流側ノズル10bから噴射されたインクI2の着弾位置の間隔K2は、それぞれ等間隔になるものの、間隔K2が間隔K1よりも小さくなってしまう。また、このとき、記録用紙Pの下流側ノズル10bと対向する部分が上流側ノズル10aと対向する部分に対して走査方向の両側に均等に広がった場合には、下流側ノズル10bから噴射されたインクI2は、例えば、図16(a)に示すような位置に着弾する。これに対して、記録用紙Pの下流側ノズル10bと対向する部分が、上流側ノズル10aと対向する部分に対して走査方向の左側に偏って広がった場合には、下流側ノズル10bから噴射されたインクI2は、図16(b)に示すように、図16(a)に示す着弾位置から左側にずれて着弾する。一方、記録用紙Pの下流側ノズル10bと対向する部分が、上流側ノズル10aと対向する部分に対して走査方向の右側に偏って広がった場合には、下流側ノズル10bから噴射されたインクI2は、図16(c)に示すように、図16(a)に示す着弾位置から右側にずれて着弾する。
そこで、このような場合には、下流側ノズル10bについてのディレイ時間を、波形W2で示されるディレイ時間に、xの値が大きくなるのに比例して長くなるような時間を付加した時間をディレイ時間とする。この場合には、上記ディレイ平面上に走査方向の位置と下流側ノズルについてのディレイ時間との関係を示す波形W3を描くと、波形W3は、例えば、図15(c)に示すような波形となる。また、この場合には、関数g2(x)が、cを定数として、g2(x)=a・g1(x)+c・x+bの形で表すことのできる関数となる。ここで、定数cの値は、上記長さM1とM2との比によって決まり、cの値を大きくするほど間隔K2が大きくなる。また、長さM1とM2との比は、振幅A1とA2との比率と、山部分Pm及び谷部分Pvの数とによって決まる。また、この場合の定数bの値は、平均のギャップB1とB2との差と、記録用紙Pの下流側ノズル10bと対向する部分が、上流側ノズル10aと対向する部分に対して、走査方向のどちら側にどれだけ偏って広がっているかによって決まる。そして、bの値が大きいほど、インクI2の着弾位置が間隔K2を維持したまま走査方向に大きくずれる。そして、下流側ノズル10bについてのディレイ時間をこのように決定すれば、上述の間隔K2を間隔K1に近づけるとともに、インクI2の着弾位置の走査方向の位置を、インクI1の着弾位置に合わせることができる。
ここで、上記平均のディレイ時間をxの関数f1(x)とし、上流側ノズル10aについてのディレイ時間をxの関数f2(x)とすると、関数f1(x)、f2(x)は、関数g1(x)、g2(x)を用いて、f1(x)=[g1(x)+g2(x)]/2、f2(x)=g1(x)のように表すことができる。
そして、関数g2(x)が、関数g1(x)を用いてg2(x)=a・g1(x)+bあるいはg2(x)=a・g1(x)+c・x+bの形で表すことのできる関数である場合には、関数f2(x)が、関数f1(x)を用いて、f2(x)=(2−a)f1(x)−bあるいはf2(x)=(2−a)f1(x)−cx−bの関係が成り立つ。(2−a)、−c、−bは、定数であるので、(2−a)をa、−cをc、−bをbと置き直せば、f2(x)=a・f1(x)+bあるいはf2(x)=a・f1(x)+c・x+bの関係が成り立つことがわかる。
また、関数g2(x)が、関数g1(x)を用いてg2(x)=a・g1(x)+bあるいはg2(x)=a・g1(x)+c・x+bの形で表すことのできる関数である場合には、上記ディレイ平面上に描いた、走査方向の位置と下流側ノズル10bについてのディレイ時間との関係を示す波形が、走査方向の位置と上流側ノズル10aについてのディレイ時間との関係を示す波形を、伸縮又は平行移動させたものとなる。なお、ここでいう伸縮には、波形W1を波形W2のように変形させることのほか、例えば、波形W1を波形W3のように変形させるようなものも含まれる。
そして、このような場合には、上流側補正情報、下流側補正情報、及び、平均の補正情報のうち、いずれか1つの情報から残り2つの情報を取得することができる。すなわち、このような場合には、上記3つの情報のうち1つの情報をEEPROM54に記憶させておけばよく、必ずしも、上記3つの関係のうち2つの情報をEEPROM54に記憶させておく必要はない。
しかしながら、下流側ノズル10bと記録用紙Pとのギャップの、上流側ノズル10aと記録用紙Pとのギャップとの関係は、上述したような関係になるとは限らない。例えば、コルゲート拍車18、19は、コルゲートプレート15よりも記録用紙Pを押さえる力が弱いことから、記録用紙Pの下流側ノズル10bと対向する部分においては、記録用紙Pに本来生成されるべき山部分Pm及び谷部分Pvのうちいずれかが消失し、上記ギャップ平面上に、走査方向の位置と、下流側ノズル10bと記録用紙Pとのギャップとの関係を示す波形V4を描いたときに、波形V4が、図14(d)に示すような波形となることがある。
この場合には、波形V4によって示されるようなギャップに対して、例えば、振幅や平均のギャップを考慮して、走査方向におけるインクの着弾位置の間隔が一定となるようにディレイ時間を決めたときに、上記ディレイ平面上に、走査方向の位置とディレイ時間との関係を示す波形W4を描くと、波形W4は、例えば、図15(d)に示すような、極大値の数及び極小値の数が、波形W1とは異なる波形となる。そして、この場合には、関数g2(x)が、g2(x)=a・g1(x)+b及びg2(x)=a・g1(x)+c・x+bのいずれの形によっても表すことのできない関数となる。したがって、関数f2(x)も、f2(x)=a・f1(x)+b及びf2(x)=a・f1(x)+c・x+bのいずれの形によっても表すことのできない関数となる。また、波形W4は、波形W1を伸縮又は平行移動したものとはならない。
また、複数のコルゲート拍車18間や複数のコルゲート拍車19間での、記録用紙Pを押さえる力のばらつきなどから、上記ギャップ平面上に、走査方向の位置と、下流側ノズル10bと記録用紙Pとのギャップとの関係を示す波形V5を描いたときに、波形V5が、図14(e)に示すように、波形V1に対して、振幅が大きくばらついた波形となることもある。
この場合には、波形V5によって示されるようなギャップに対して、例えば、振幅や平均のギャップを考慮して、走査方向におけるインクの着弾位置の間隔が一定となるようにディレイ時間を決めたときに、上記ディレイ平面上に、走査方向の位置とディレイ時間との関係を示す波形W5を描くと、波形W5は、図15(e)に示すような、極大値及び極小値の数は波形W1と同じであるが、振幅のばらつき方が波形W1と異なる波形となる。そして、この場合にも、関数g2(x)が、g2(x)=a・g1(x)+b及びg2(x)=a・g1(x)+c・x+bのいずれの形によっても表すことのできない関数となる。したがって、関数f2(x)も、f2(x)=a・f1(x)+b及びf2(x)=a・f1(x)+c・x+bのいずれの形によっても表すことのできない関数となる。また、波形W5は、波形W1を伸縮又は平行移動したものとはならない。
したがって、このような場合には、上流側補正情報、下流側補正情報及び平均の補正情報のうち、1つの情報のみからでは、残り2つの情報を取得することはできない。
また、上流側ノズル10aと記録用紙Pとのギャップと、下流側ノズル10bと記録用紙Pとのギャップとの関係が、波形V1と波形V2、V3のような関係になるか、波形V1と波形V4、V5のような関係になるかは、コルゲートプレート15、コルゲート拍車18、19の寸法誤差や、これらのインクジェットプリンタ1への組み付け誤差などによって、インクジェットプリンタ1毎に異なってくることがある。
そこで、本実施の形態では、上述したように、EEPROM54に、予め、第1基本補正情報(平均の補正情報)と第2基本補正情報(上流側補正情報)とを記憶させている。したがって、上流側ノズル10aと記録用紙Pとのギャップと、下流側ノズル10bと記録用紙Pとのギャップとの関係によらず、EEPROM54に記憶された第1、第2基本補正情報から、上流側補正情報、下流側補正情報及び平均の補正情報を取得することができる。これにより、関数f2(x)が関数f1(x)を用いて、f2(x)=a・f1(x)+b又はf2(x)=a・f1(x)+c・x+bの形で表すことのできる関数であるか否かによらず、上述のS301〜S305のようにして決定されたディレイ時間は、インク噴射面12aと記録用紙Pとのギャップに応じた適切なものとなる。
次に、本実施の形態に種々の変更を加えた変形例について説明する。
上述の実施の形態では、第2基本補正情報(上流側補正情報)を用いて、最初のパスにおけるディレイ時間を決定し、下流側補正情報を用いて、最後のパスにおけるディレイ時間を決定したが、これには限られない。例えば、最初のパス及び最後のパスのうち、一方のパスについては、第1基本補正情報(平均の補正情報)を用いてディレイ時間を決定してもよい。
また、上述の実施の形態では、第2基本補正情報(上流側補正情報)のみを用いて最初のパスにおけるディレイ時間を決定し、下流側補正情報のみを用いて最後のパスにおけるディレイ時間を決定したが、これには限られない。例えば、上流側補正情報に基づいて決定されるディレイ時間と、下流側補正情報に基づいて決定されるディレイ時間とを、上流側補正情報に基づいて決定されるディレイ時間に対する重み付けを大きくして、重み付け平均することによって得られたディレイ時間を、最初のパスにおけるディレイ時間としてもよい。また、上流側補正情報に基づいて決定されるディレイ時間と、下流側補正情報に基づいて決定されるディレイ時間とを、下流側補正情報に基づいて決定されるディレイ時間に対する重み付けを大きくして、重み付け平均することによって得られたディレイ時間を、最後のパスにおけるディレイ時間としてもよい。
また、上述の実施の形態では、最初のパスと最後のパス以外のパスについては、全て第1基本補正情報(平均の補正情報)を用いてディレイ時間を決定したが、これには限られない。
上述の実施の形態の場合、最初と最後のパス以外のパスのうち、2番目及び最後から2番目のパス以外のパスについては、直前のパス及び直後のパスの両方において、平均の補正情報を用いてディレイ時間が決定される。これに対して、2番目のパスについては、直前のパス(最初のパス)において上流側補正情報を用いてディレイ時間が決定され、直後のパス(3番目のパス)において平均の補正情報を用いてディレイ時間が決定される。また、最後から2番目のパスについては、直前のパス(最後から3番目のパス)において平均の補正情報を用いてディレイ時間が決定され、直後のパス(最後のパス)において下流側補正情報を用いてディレイ時間が決定される。そこで、例えば、2番目のパスについては、平均の補正情報と上流側補正情報とを用いてディレイ時間を決定してもよい。また、最後から2番目のパスについては、平均の補正情報と下流側補正情報とを用いて、ディレイ時間を決定してもよい。
また、上述の実施の形態では、最初のパスについてのみ、上流側補正情報を用いてディレイ時間を決定したが、これには限られない。例えば、記録用紙Pの、最初及び最後のパス以外のあるパスによって画像が記録される領域の、上流側に隣接する領域に画像が印刷され、且つ、下流側に隣接する領域に画像が印刷されない場合には、上流側補正情報を用いてこのパスにおけるディレイ時間を決定してもよい。具体的に説明すると、例えば、図17(a)に示すように、4番目のパスによって画像が印刷される領域J4の、搬送方向の上流側に隣接する領域J5(5番目のパスによって画像が印刷される領域J5)に画像が印刷され、且つ、下流側の領域J3(3番目のパスによって画像が印刷される領域J3)に画像が印刷されない場合に、第2基本補正情報(上流側補正情報)を用いて4番目のパスにおけるディレイ時間を決定してもよい。なお、図17(a)では、画像が印刷される領域Jmにハッチングを付している。
また、上述の実施の形態では、最後のパスについてのみ、下流側補正情報を用いてディレイ時間を決定したが、これには限られない。例えば、記録用紙Pの、最初及び最後のパス以外のあるパスによって画像が記録される領域の、下流側に隣接する領域に画像が印刷され、且つ、上流側に隣接する領域に画像が印刷されない場合には、下流側補正情報を用いてこのパスにおけるディレイ時間を決定してもよい。具体的に説明すると、例えば、図17(b)に示すように、4番目のパスによって画像が印刷される領域J4の、搬送方向の下流側に隣接する領域J3(3番目のパスによって画像が印刷される領域J3)に画像が印刷され、且つ、上流側に隣接する領域J5(5番目のパスによって画像が印刷される領域J5)に画像が印刷されない場合に、下流側補正情報を用いて4番目のパスにおけるディレイ時間を決定してもよい。なお、図17(b)では、画像が印刷される領域Jmにハッチングを付している。
また、上述の実施の形態では、山頂部分Pt及び谷底部分Pbにおける、ノズル列9を構成する複数のノズル10のうち上流側n個のノズル10についての着弾位置ずれ量の情報と、山頂部分Pt及び谷底部分Pbにおける、下流側n個のノズル10についての着弾位置ずれ量の情報とを取得し、これらの情報に基づいて山頂部分Pt及び谷底部分Pbにおけるディレイ時間を決定したが、これには限られない。
例えば、ノズル列9を構成する複数のノズル10と記録用紙Pとのギャップを個別に取得することができるのであれば、山部分Pm及び谷部分Pvにおける、ノズル列9を構成する複数のノズル10のうち、搬送方向における上流側の1つのノズル10(例えば、最上流のノズル、上流側から2番目のノズルなど)と記録用紙Pとのギャップの情報と、山部分Pm及び谷部分Pvにおける、搬送方向における下流側の1つのノズル(例えば、最下流のノズル、下流側から2番目のノズルなど)と記録用紙Pとのギャップの情報とを取得し、これらの情報に基づいて山頂部分Pt及び谷底部分Pbにおけるディレイ時間を決定してもよい。
あるいは、可能であれば、山頂部分Pt及び谷底部分Pbにおける、インク噴射面12aの搬送方向における上流側の部分のうち、ノズル10が形成されていない部分と記録用紙Pとのギャップの情報と、山頂部分Pt及び谷底部分Pbにおける、インク噴射面12aの搬送方向における下流側の部分のうち、ノズル10が形成されていない部分と記録用紙Pとのギャップの情報とを取得し、これらの情報を用いて山頂部分Pt及び谷底部分Pbについてのディレイ時間を決定してもよい。
また、第1基本補正情報及び第2基本補正情報は、上述の実施の形態のものには限られない。例えば、第1基本補正情報と第2基本補正情報とが、上流側補正情報、下流側補正情報及び平均の補正情報のうち、上述の実施の形態とは異なる2つの情報であってもよい。
さらには、第1基本補正情報及び第2基本補正情報は、上流側補正情報及び下流側補正情報を生成可能な情報であることにも限られない。
例えば、第1基本補正情報を、記録用紙Pが、コルゲートプレート15及びコルゲート拍車18、19の両方に押さえられている状態(例えば、図8(c)の状態)での、走査方向の位置とディレイ時間との関係を示す情報とし、第2基本補正情報を、記録用紙Pがコルゲートプレート15及びコルゲート拍車18、19のうち、コルゲート拍車18、19のみによって押さえられている状態(例えば、図8(d)の状態)での、走査方向の位置とディレイ時間との関係を示す情報としてもよい。そして、記録用紙Pの後端Prがコルゲートプレート15を抜けるまでは、第1基本補正情報を用いてディレイ時間を決定し、記録用紙Pの後端Prがコルゲートプレート15を抜けた後は、第2基本補正情報を用いてディレイ時間を決定してもよい。
本実施の形態では、上述の通り、コルゲートプレート15がコルゲート拍車18、19よりも強く記録用紙Pを押さえているため、搬送される記録用紙Pが、コルゲートプレート15に押さえられている状態から押さえられない状態に切り替わるときに(図8(c)の状態から図8(d)の状態に切り替わるとき)に、波形状が大きく変動する。そのため、例えば、ギャップ平面上に描いた、図8(c)の状態における、走査方向の位置と、インク噴射面12aと記録用紙Pとのギャップの関係を示す波形と、図8(d)の状態における、走査方向の位置と、インク噴射面12aと記録用紙Pとのギャップとの関係を示す波形とが、例えば、波形V1(図12(a)参照)と波形V4(図12(d)参照)のような関係、あるいは、波形V1と波形V5(図12(e)参照)のような関係になることがある。そして、この場合には、ディレイ平面上に描いた、図8(c)の状態における、走査方向の位置とディレイ時間との関係を示す波形と、図8(d)の状態における、走査方向の位置とディレイ時間との関係を示す波形とが、波形W1(図15(a)参照)と波形W4(図15(d)参照)のような関係、あるいは、波形W1と波形W5(図15(e)参照)のような関係になることがある。そして、これらの場合には、第1、第2基本補正情報を上述したような情報としたときに、第2基本補正情報が示すディレイ時間の走査方向の位置xについての関数f2(x)が、第1基本補正情報が示すディレイ時間の走査方向の位置xについての関数f1(x)を用いて、f2(x)=a・f1(x)+b及びf2(x)=a・f1(x)+c・x+bのいずれの形でも表すことのできない関数となる。
一方、コルゲートプレート15、コルゲート拍車18、19の構造や、インクジェットプリンタ1への組み付け状態によっては、搬送される記録用紙Pが、コルゲートプレート15に押さえられている状態から押さえられない状態に切り替わるときに、記録用紙Pの波形状が大きく変動しても、ギャップ平面上に描いた、図8(c)の状態における、走査方向の位置と、インク噴射面12aと記録用紙Pとのギャップの関係を示す波形と、図8(d)の状態における、走査方向の位置と、インク噴射面12aと記録用紙Pとのギャップとの関係を示す波形とが、例えば、波形V1(図12(a)参照)と波形V2(図12(b)参照)のような関係、あるいは、波形V1と波形V3(図12(c)参照)のような関係になることがある。そして、この場合には、ディレイ平面上に描いた、図8(c)の状態における、走査方向の位置とディレイ時間との関係を示す波形と、図8(d)の状態における、走査方向の位置とディレイ時間との関係を示す波形とが、波形W1(図15(a)参照)と波形W2(図15(b)参照)のような関係、あるいは、波形W1と波形W3(図15(c)参照)のような関係になることがある。そして、これらの場合には、第1、第2基本補正情報を上述したような情報としたときに、関数f2(x)が関数f1(x)を用いて、f2(x)=a・f1(x)+b、あるいは、f2(x)=a・f1(x)+c・x+bの形で表すことのできる関数となる。
また、記録用紙Pが、コルゲートプレート15に押さえられている状態から押さえられない状態に切り替わるときに、記録用紙Pの波形状がどのように変動するかは、コルゲートプレート15、コルゲート拍車18、19などの寸法誤差や、インクジェットプリンタ1への組み付け誤差などによって、インクジェットプリンタ1毎に異なってくることがある。
そこで、上述したように、第1基本補正情報と第2基本補正情報とを、予めEEPROM54に記憶させておき、記録用紙Pの後端Prがコルゲートプレート15を抜けるまでと抜けた後とで、第1基本補正情報と第2基本情報とを使い分けて、ディレイ時間を決定する。これにより、記録用紙Pがコルゲートプレート15に押さえられている状態から押さえられない状態に切り替わるときに、記録用紙Pの波形状がどのように変動するかによらず、各パスにおけるディレイ時間を適切に決定することができる。
また、この場合には、記録用紙Pの後端Prがコルゲートプレート15を抜けるまでの間に、第1基本補正情報を、搬送方向における記録用紙Pの位置に応じて変更することによって得られる情報を用いてディレイ時間を決定してもよい。
具体的に説明すると、例えば、記録用紙Pの後端Prがコルゲートプレート15を抜けるまでの間には、上述の通り、記録用紙Pの状態が、図8(a)、(b)、(c)の順に切り替わる。図8(a)の状態では、記録用紙Pが排紙ローラ17及びコルゲート拍車18、19に押さえられていないため、図8(b)の状態と比較して、例えば、平均のギャップが小さくなる。また、図8(b)の状態では、記録用紙Pをニップする給紙ローラ13が、記録用紙Pが波形状になるのを抑制する。これに対して、図8(c)の状態では、給紙ローラ13は、記録用紙Pをニップしておらず、記録用紙Pが波形状になるのを抑制することはない。したがって、図8(c)の状態では、図8(b)の状態と比較して、例えば、ノズル10と記録用紙Pとのギャップの振幅が大きくなり、平均のギャップが小さくなる。そこで、上述したようなことを考慮して、例えば、記録用紙Pが図8(b)の位置に位置している状態では、第1基本補正情報をそのまま用いてディレイ時間を決定するのに対して、記録用紙Pが図8(a)、(c)の位置に位置している状態では、第1基本補正情報が示す山頂部分Pt及び谷底部分Pbにおけるディレイ時間を、上記振幅や平均のギャップの違いに応じて変更することによって得られる情報を用いてディレイ時間を決定してもよい。なお、このとき、ディレイ時間を走査方向の位置xについての関数で表すと、a・f1(x)+c・x+bの形で表すことのできる関数となる。
また、第1基本補正情報を、走査方向の位置とブラックインクを噴射するノズル10についてのディレイ時間との関係を示す情報とし、第2基本補正情報を、走査方向の位置とカラーインクを噴射するノズルについてのディレイ時間との関係を示す情報としてもよい。そして、モノクロ印刷を行うときには、第1基本補正情報を用いてディレイ時間を決定し、カラー印刷を行うときには、第2基本補正情報を用いてディレイ時間を決定してもよい。
ブラックインクを噴射するノズル10(最も右側のノズル列9を構成するノズル10)と、カラーインクを噴射するノズル10(左側3列のノズル列9を構成するノズル10)とは、走査方向の位置が異なっている。そのため、エンコーダ20によって検出される位置が同じであるときの、ブラックインクを噴射するノズル10についてのディレイ時間と、カラーインクを噴射するノズル10についてのディレイ時間とを同じ時間にすると、ブラックインクを噴射するノズル10及びカラーインクを噴射するノズル10のうち少なくとも一方のノズル10については、ディレイ時間が記録用紙Pとのギャップに応じた適切なものとはならない虞がある。
そこで、上述したように、第1基本補正情報及び第2基本補正情報を、予めEEPROM54に記憶させておく。そして、上述したように、モノクロ印刷を行うかカラー印刷を行うかによって、第1基本補正情報と第2基本補正情報とを使い分けて、ディレイ時間を決定する。これにより、ブラックインクを噴射するノズル10及びカラーインクを噴射するノズル10のいずれにおいても、記録用紙Pとのギャップに応じて適切にディレイ時間を決定することができる。
また、上述の実施の形態では、ノズル10からのインクの噴射タイミングを基準タイミングに対して遅らせることによって、ノズル10からのインクの噴射タイミングを補正したが、これには限られない。可能であれば、ノズル10からのインクの噴射タイミングを基準タイミングに対して早めることによって、ノズル10からのインクの噴射タイミングを補正してもよい。
また、上述の実施の形態では、コルゲートプレート15及びコルゲート拍車18、19により、記録用紙Pを押さえることで、記録用紙Pに走査方向に沿った波形状を生じさせたが、これには限られない。例えば、プラテン14の、走査方向に隣接するリブ16の間の部分に、記録用紙Pを吸引するための吸引口を設け、吸引口において記録用紙Pを吸引することによって、記録用紙Pに走査方向に沿った波形状を生じさせるなど、別の構成によって、記録用紙Pに走査方向に沿った波形状を生じさせてもよい。
さらには、インク噴射面12aと記録用紙Pとのギャップの走査方向に沿った変動は、記録用紙Pに走査方向に沿った波形状を生じさせたことによって生じるものには限られない。例えば、コルゲートプレート15やコルゲート拍車18、19がなく、プラテン14の上面14aにリブ16が配置されていない場合には、記録用紙Pに走査方向に沿った波形状は生じない。しかしながら、プラテン14が大型のものである場合には、上面14aの平面度を高くすることが難しい。そのため、このような場合には、プラテン14の上面14aの走査方向に沿った高さのばらつきにより、プラテン14の上面14aに配置された記録用紙Pの高さが走査方向に沿って変動する。したがって、インク噴射面12aと記録用紙Pとのギャップに走査方向に沿った変動が生じる。また、この場合には、プラテン14の上面14aの搬送方向に沿った高さのばらつきや、プラテン14が揺動軸14bを中心に揺動することによる。上面14aの傾きなどにより、上流側ノズル10aと記録用紙Pとのギャップの走査方向に沿った変動と、上流側ノズル10aと記録用紙Pとのギャップの走査方向に沿った変動とに差が生じる。そこで、このような場合でも、上述の実施の形態と同様、第1基本補正情報と第2基本補正情報とを予めEEPROM54に記憶させておき、これらの情報を用いて各パスにおけるディレイ時間を決定する。これにより、各パスにおいて適切なタイミングでインクを噴射させることができる。
1 インクジェットプリンタ
11 キャリッジ
12 インクジェットヘッド
12a インク噴射面
13 給紙ローラ
15 コルゲートプレート
17 排紙ローラ
18、19 コルゲート拍車
50 制御装置
54 EEPROM

Claims (9)

  1. インクを選択的に噴射する複数のノズルが形成されたインク噴射面を有するインクジェットヘッドと、
    前記インクジェットヘッドを被記録媒体に対向させて前記インク噴射面と平行な走査方向に移動させるヘッド走査機構と、
    前記被記録媒体を、前記インク噴射面と平行で且つ前記走査方向と交差する搬送方向に搬送する搬送機構と、
    前記インク噴射面と前記被記録媒体とのギャップの前記走査方向に沿った変動に基づいて決定される、前記走査方向の位置と前記ノズルからのインクの噴射タイミングの補正値との関係を示す、第1基本補正情報及び第2基本補正情報を記憶する記憶部と、
    前記インクジェットヘッド、前記ヘッド走査機構、及び、前記搬送機構の動作を制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、
    前記ヘッド走査機構に前記インクジェットヘッドを前記走査方向に移動させるパスと、前記搬送機構に前記被記録媒体を所定距離だけ前記搬送方向に搬送させる搬送動作とを繰り返し行わせ、前記パスにおいて前記インクジェットヘッドに前記ノズルからインクを噴射させることによって、前記被記録媒体への印刷を行わせ、
    前記第1基本補正情報及び前記第2基本補正情報のうち少なくとも一方の基本補正情報を用いて、各パスにおける前記補正値を決定し、
    前記第1基本補正情報及び前記第2基本補正情報のうち、どの基本補正情報を用いて前記補正値を決定するかを使い分けて、1枚の被記録媒体への印刷のために行わせる複数の前記パスにおける前記補正値を決定することを特徴とするインクジェットプリンタ。
  2. 前記走査方向の位置をxとし、
    前記第1基本補正情報によって表される前記補正値をxの関数f1(x)とし、
    前記第2基本補正情報によって表される前記補正値をxの関数f2(x)とした場合に、
    関数f2(x)が、a、bを定数として、関数f1(x)を用いて、f2(x)=a・f1(x)+bの形で表すことのできない関数であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
  3. 関数f2(x)が、cを定数として、関数f1(x)を用いて、f2(x)=a・f1(x)+c・x+bの形で表すことのできない関数であることを特徴とする請求項2に記載のインクジェットプリンタ。
  4. 関数f1(x)と関数f2(x)とで、極大値の数及び極小値の数のうち、少なくとも一方の数が異なっていることを特徴とする請求項2又は3に記載のインクジェットプリンタ。
  5. 前記複数のノズルは、前記搬送方向に配列されることによってノズル列を形成し、
    前記第1基本補正情報及び前記第2基本補正情報が、
    前記ノズル列を構成するノズルのうち前記搬送方向における上流側のノズルと前記被記録媒体とのギャップの前記走査方向に沿った変動に基づいて決定される、前記走査方向の位置と前記補正値との関係に関する上流側補正情報と、
    前記ノズル列を構成するノズルのうち前記搬送方向における下流側のノズルと前記被記録媒体とのギャップの前記走査方向に沿った変動に基づいて決定される、前記走査方向の位置と前記補正値との関係に関する下流側補正情報と、を生成可能な情報であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェットプリンタ。
  6. 前記制御装置は、
    前記パスにおける前記補正値を決定する際に、
    前記被記録媒体の、あるパスによって画像が印刷される領域の、前記搬送方向における上流側に隣接する領域に画像が印刷され、且つ、下流側に隣接する領域に画像が印刷されない場合に、前記上流側補正情報を用いて当該パスにおける前記補正値を決定する第1決定処理、及び、
    前記被記録媒体の、あるパスによって画像が印刷される領域の、前記搬送方向における下流側に隣接する領域に画像が印刷され、且つ、上流側に隣接する領域に画像が印刷されない場合に、前記下流側補正情報を用いて当該パスにおける前記補正値を決定する第2決定処理のうち、少なくとも一方の決定処理を実行することを特徴とする請求項5に記載のインクジェットプリンタ。
  7. 前記制御装置は、
    前記パスにおける前記補正値を決定する際に、
    前記被記録媒体の、あるパスによって画像が印刷される領域の、前記搬送方向における上流側に隣接する領域及び下流側に隣接する領域の両方に画像が印刷される場合に、前記上流側補正情報を用いて決定される前記補正値と、前記下流側補正情報を用いて決定される前記補正値との平均値を、当該パスにおける前記補正値に決定する第3決定処理を実行することを特徴とする請求項6に記載のインクジェットプリンタ。
  8. 前記搬送方向において前記インクジェットヘッドよりも上流側に配置され、前記被記録媒体に前記走査方向に沿った波形状を生じさせる上流側波形状生成部材と、
    前記搬送方向において前記インクジェットヘッドよりも下流側に配置され、前記被記録媒体に前記走査方向に沿った波形状を生じさせる下流側波形状生成部材と、をさらに備え、
    前記上流側波形状生成部材は、前記被記録媒体を押さえることによって、前記被記録媒体に前記波形状を生じさせるものであり、
    前記第1基本補正情報は、前記搬送方向に搬送される前記被記録媒体が、前記上流側波形状生成部材に押さえられている状態での、前記インク噴射面と前記被記録媒体とのギャップの前記走査方向に沿った変動に基づいて決定される、前記走査方向の位置と前記補正値との関係を示す情報であり、
    前記第2基本補正情報は、前記搬送方向に搬送される前記被記録媒体が、前記上流側波形状生成部材に押さえられていない状態での、前記インク噴射面と前記被記録媒体とのギャップの前記走査方向に沿った変動に基づいて決定される、前記走査方向の位置と前記補正値との関係を示す情報であり、
    前記制御装置は、
    前記搬送機構に搬送される前記被記録媒体が、前記上流側波形状生成部材に押さえられている間は、前記第1基本補正情報及び前記第2基本補正情報のうち、前記第1基本補正情報のみを用いて前記補正値を決定し、
    前記搬送機構に搬送される前記被記録媒体が、前記上流側波形状生成部材に押さえられなくなった後は、前記第2基本補正情報を用いて前記補正値を決定することを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のインクジェットプリンタ。
  9. 前記搬送方向において前記インクジェットヘッドよりも上流側に配置され、前記被記録媒体に前記走査方向に沿った波形状を生じさせる上流側波形状生成部材と、
    前記搬送方向において前記インクジェットヘッドよりも下流側に配置され、前記被記録媒体に前記走査方向に沿った波形状を生じさせる下流側波形状生成部材と、をさらに備えていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のインクジェットプリンタ。
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