JP2015214703A - 硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の硬化物、硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を用いた接着体、硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を用いた接着体の製造方法、並びにその使用 - Google Patents
硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の硬化物、硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を用いた接着体、硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を用いた接着体の製造方法、並びにその使用 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】速硬化性に優れた硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を用いて得られ、透明性に優れる硬化物を提供すること。【解決手段】(A)分子中に2個以上のアルケニル基を含有するアルケニル基含有ポリオルガノシロキサン;(B)ケイ素原子に結合した水素原子を、分子中に2個以上有するポリオルガノハイドロジェンシロキサン;及び(C)白金系触媒を含み、(A)のアルケニル基の個数ViAに対する、(B)のケイ素原子に結合した水素原子の個数HBの比が0.5〜100であり、(C)が、白金系金属原子として、0.5〜1000ppmである、硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の硬化物であって、硬化前の組成物が、(B)を含む部分、(B)及び(A)を含む部分、(C)を含む部分、並びに(C)及び(A)を含む部分からなる群より選択される2以上の部分を含む、硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の硬化物である。【選択図】なし
Description
本発明は、硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の硬化物、硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を用いた接着体、硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を用いた接着体の製造方法に関する。
液晶モジュールなどの表示部品を備えている携帯電話等の表示装置において、表示装置の保護やデザイン性向上の目的のために、表示装置の前面にガラス製又は樹脂製のスクリーンが設置される。しかし、スクリーン及び表示装置の間には空気層が存在するため、外光の反射で表示画面が見にくくなる問題がある。そのため、空気層をスクリーンの屈折率にあわせた透明な接着剤などで貼り合わせることが行われる。そこで使用される接着剤としては、紫外線硬化型が一般的に用いられており、貼り合わせを行う対向する部材の片側へ塗布し、部材同士を貼り合わせた後、紫外線にて硬化させている。
近年、デザインの多様性などによりスクリーン素材へ紫外線が透過しにくいプラスチック樹脂を使用したり、スクリーン周辺部を着色した額縁印刷を設けたりする例などでは、紫外線が透過せず硬化し難い場合が増えてきている。これに対して、特許文献1には、1分子中に加水分解性シリル基を平均して少なくとも一個有する化合物、及び、1分子中に重合性の炭素−炭素二重結合を平均して少なくとも一個有する化合物を含有する硬化性組成物が開示されている。特許文献1に記載された組成物は、光によって速硬化可能で、かつ光の当らない部分についても大気中の湿気と反応して硬化する硬化性組成物である。また、特許文献2には、加熱により硬化する2成分系の付加反応型シリコーンゲルが開示されている。
特許文献1に開示されている組成物では、塗布装置内で硬化が発生するため、塗布装置の詰まりを生じる問題や、そもそも湿気との反応時間が長く、貼り合せ後の硬化反応が非常に遅いという問題があった。
特許文献2に開示されている熱硬化型の組成物を表示装置及び保護板に介在させ熱硬化させた際に、硬化時間が長く、保護板がずれるという問題があった。保護板のずれ防止として、高い温度をかけて短時間で硬化させる方法も考えられるが、貼り合わせる部材の耐熱性のために、硬化のために十分な熱を与えることができないという問題があった。
以上のように、硬化反応において放射線や加熱装置など特別な装置を用いる必要がなく、紫外線が透過しない部材や耐熱性の乏しい部材でも貼り合わせることができ、かつ湿気など外部環境の影響を受けずに硬化反応が可能であり、接着剤の各成分を貼り合わせる基材にそれぞれ塗布して、基材同士を貼り合せて、接着剤成分同士が接触したときに硬化反応が開始する接着方法に適し、優れた透明性を有する硬化物を与える、新たな硬化性ポリオルガノシロキサン組成物に対する要望が高まっている。
本発明は、速硬化性に優れた硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を用いて得られ、優れた透明性を有する硬化物を提供することを目的とする。
本発明及びその好適な態様としては、以下が挙げられる。
[1](A)分子中に2個以上のアルケニル基を含有するアルケニル基含有ポリオルガノシロキサン;
(B)ケイ素原子に結合した水素原子を、分子中に2個以上有するポリオルガノハイドロジェンシロキサン;及び
(C)白金系触媒
を含み、
(A)のアルケニル基の個数ViAに対する、(B)のケイ素原子に結合した水素原子の個数HBの比が0.5〜100であり、
(C)が、白金系金属原子として、0.5〜1000ppmである、
硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の硬化物であって、
硬化前の組成物が、
(B)を含む部分、
(B)及び(A)を含む部分、
(C)を含む部分、並びに
(C)及び(A)を含む部分
からなる群より選択される2以上の部分を含む、
硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の硬化物。
[2]硬化前の組成物が
(B)を含む層、
(B)及び(A)を含む層、
(C)を含む層、並びに
(C)及び(A)を含む層
からなる群より選択される2以上の層を含む積層体である、
[1]の硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の硬化物。
[3]硬化前の組成物が、(B)を含む層、
(B)及び(A)を含む層、
(C)を含む層、並びに
(C)及び(A)を含む層
からなる群より選択される3層以上を含む積層体である、[1]又は[2]の硬化物。
[4]硬化前の組成物が、(B)及び(A)を含む層と、(C)を含む層とが交互に積層されている積層体である、[1]〜[3]のいずれかの硬化物。
[5]硬化前の組成物が、両端に(C)を含む層を有する積層体である、[1]〜[4]のいずれかの硬化物。
[6]硬化前の組成物が、両端に(B)及び(A)を含む層を有する積層体である、[1]〜[4]のいずれかの硬化物。
[7]1つの基材の上に、[1]〜[6]のいずれかの硬化物を有する、硬化物付き基材。
[8][1]〜[6]のいずれかの硬化物を介して2つの基材が接着されている、2つの基材を含む接着体。
[9](A)分子中に2個以上のアルケニル基を含有するアルケニル基含有ポリオルガノシロキサン;
(B)ケイ素原子に結合した水素原子を、分子中に2個以上有するポリオルガノハイドロジェンシロキサン;及び
(C)白金系触媒
を含み、
(A)のアルケニル基の個数ViAに対する、(B)のケイ素原子に結合した水素原子の個数HBの比が0.5〜100であり、
(C)が、白金系金属原子として、0.5〜1000ppmである、
硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を用いた二つの基材を含む接着体の製造方法であって、
工程1A:一方の基材の被接着面に、(B)を含む部分、(B)及び(A)を含む部分、(C)を含む部分、並びに(C)及び(A)を含む部分からなる群より選ばれる2以上の部分を形成して、硬化前の硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を形成する工程、及び
工程2A:もう一方の基材を積層して、硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を介して、基材同士を貼り合わせる工程
を含む、二つの基材を含む接着体の製造方法。
[10]工程1Aが、工程1A−1:一方の基材の被接着面に、(B)を含む層、(B)及び(A)を含む層、(C)を含む層、並びに(C)及び(A)を含む層からなる群より選ばれる2層以上を積層して、硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の積層体を形成する工程である、[9]の製造方法。
[11]工程1Aが、工程1A−2:一方の基材の被接着面に、(C)を含む層、(B)及び(A)を含む層、並びに(C)を含む層の3層をこの順で積層して、硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の積層体を形成する工程である、[9]の製造方法。
[12]工程1Aが、工程1A−3:一方の基材の被接着面に、(B)及び(A)を含む層、(C)を含む層、並びに(B)及び(A)を含む層の3層をこの順で積層して、硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の積層体を形成工程である、[9]の製造方法。
[13](A)分子中に2個以上のアルケニル基を含有するアルケニル基含有ポリオルガノシロキサン;
(B)ケイ素原子に結合した水素原子を、分子中に2個以上有するポリオルガノハイドロジェンシロキサン;及び
(C)白金系触媒
を含み、
(A)のアルケニル基の個数ViAに対する、(B)のケイ素原子に結合した水素原子の個数HBの比が0.5〜100であり、
(C)が、白金系金属原子として、0.5〜1000ppmである、
硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を用いた二つの基材を含む接着体の製造方法であって、
工程1B:一方の基材の被接着面に、(B)を含む部分、(B)及び(A)を含む部分、(C)を含む部分、並びに(C)及び(A)を含む部分からなる群より選ばれる2以上の部分を形成する工程、
工程2B:もう一方の基材の被接着面に、(B)を含む部分、(B)及び(A)を含む部分、(C)を含む部分、並びに(C)及び(A)を含む部分からなる群より選ばれる1以上の部分を形成する工程、並びに
工程3B:工程1Bで得られる2以上の部分及び工程2Bで得られる1以上の部分を介して、工程1B及び工程2Bで得られる基材同士を、貼り合わせる工程
を含み、工程1Bで得られる部分及び工程2Bで得られる部分をあわせた部分の組成が、硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の組成である、二つの基材を含む接着体の製造方法。
[14]工程1Bが、工程1B−1:一方の基材の被接着面に、(B)を含む層、(B)及び(A)を含む層、(C)を含む層、並びに(C)及び(A)を含む層からなる群より選ばれる2以上の層を形成して、積層体を形成する工程であり、
工程2Bが、工程2B−1:もう一方の基材の被接着面に、(B)を含む層、(B)及び(A)を含む層、(C)を含む層、並びに(C)及び(A)を含む層からなる群より選ばれる1以上の層を形成して、積層体を形成する工程である、
[13]の製造方法。
[15]工程1Bが、工程1B−2:一方の基材の被接着面に、(C)を含む層を積層し、次いで(B)及び(A)を含む層を積層して、積層体を得る工程であり、
工程2Bが、工程2B−2:もう一方の基材の被接着面に、(C)を含む層を積層して積層体を得る工程である、
[13]又は[14]の製造方法。
[16]工程1Bが、工程1B−3:一方の基材の被接着面に、(B)及び(A)を含む層を積層し、次いで(C)を含む層を積層して、積層体を得る工程であり、
工程2Bが、工程2B−3:もう一方の基材の被接着面に、(B)及び(A)を含む層を積層して積層体を得る工程である、
[13]又は[14]の製造方法。
[17]一方の基材が、画像表示装置の画像表示部を有する基部であり、もう一方の基材が、画像表示装置の透光性の保護部であり、接着体が、画像表示装置である、[9]〜[16]のいずれかの製造方法。
[1](A)分子中に2個以上のアルケニル基を含有するアルケニル基含有ポリオルガノシロキサン;
(B)ケイ素原子に結合した水素原子を、分子中に2個以上有するポリオルガノハイドロジェンシロキサン;及び
(C)白金系触媒
を含み、
(A)のアルケニル基の個数ViAに対する、(B)のケイ素原子に結合した水素原子の個数HBの比が0.5〜100であり、
(C)が、白金系金属原子として、0.5〜1000ppmである、
硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の硬化物であって、
硬化前の組成物が、
(B)を含む部分、
(B)及び(A)を含む部分、
(C)を含む部分、並びに
(C)及び(A)を含む部分
からなる群より選択される2以上の部分を含む、
硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の硬化物。
[2]硬化前の組成物が
(B)を含む層、
(B)及び(A)を含む層、
(C)を含む層、並びに
(C)及び(A)を含む層
からなる群より選択される2以上の層を含む積層体である、
[1]の硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の硬化物。
[3]硬化前の組成物が、(B)を含む層、
(B)及び(A)を含む層、
(C)を含む層、並びに
(C)及び(A)を含む層
からなる群より選択される3層以上を含む積層体である、[1]又は[2]の硬化物。
[4]硬化前の組成物が、(B)及び(A)を含む層と、(C)を含む層とが交互に積層されている積層体である、[1]〜[3]のいずれかの硬化物。
[5]硬化前の組成物が、両端に(C)を含む層を有する積層体である、[1]〜[4]のいずれかの硬化物。
[6]硬化前の組成物が、両端に(B)及び(A)を含む層を有する積層体である、[1]〜[4]のいずれかの硬化物。
[7]1つの基材の上に、[1]〜[6]のいずれかの硬化物を有する、硬化物付き基材。
[8][1]〜[6]のいずれかの硬化物を介して2つの基材が接着されている、2つの基材を含む接着体。
[9](A)分子中に2個以上のアルケニル基を含有するアルケニル基含有ポリオルガノシロキサン;
(B)ケイ素原子に結合した水素原子を、分子中に2個以上有するポリオルガノハイドロジェンシロキサン;及び
(C)白金系触媒
を含み、
(A)のアルケニル基の個数ViAに対する、(B)のケイ素原子に結合した水素原子の個数HBの比が0.5〜100であり、
(C)が、白金系金属原子として、0.5〜1000ppmである、
硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を用いた二つの基材を含む接着体の製造方法であって、
工程1A:一方の基材の被接着面に、(B)を含む部分、(B)及び(A)を含む部分、(C)を含む部分、並びに(C)及び(A)を含む部分からなる群より選ばれる2以上の部分を形成して、硬化前の硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を形成する工程、及び
工程2A:もう一方の基材を積層して、硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を介して、基材同士を貼り合わせる工程
を含む、二つの基材を含む接着体の製造方法。
[10]工程1Aが、工程1A−1:一方の基材の被接着面に、(B)を含む層、(B)及び(A)を含む層、(C)を含む層、並びに(C)及び(A)を含む層からなる群より選ばれる2層以上を積層して、硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の積層体を形成する工程である、[9]の製造方法。
[11]工程1Aが、工程1A−2:一方の基材の被接着面に、(C)を含む層、(B)及び(A)を含む層、並びに(C)を含む層の3層をこの順で積層して、硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の積層体を形成する工程である、[9]の製造方法。
[12]工程1Aが、工程1A−3:一方の基材の被接着面に、(B)及び(A)を含む層、(C)を含む層、並びに(B)及び(A)を含む層の3層をこの順で積層して、硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の積層体を形成工程である、[9]の製造方法。
[13](A)分子中に2個以上のアルケニル基を含有するアルケニル基含有ポリオルガノシロキサン;
(B)ケイ素原子に結合した水素原子を、分子中に2個以上有するポリオルガノハイドロジェンシロキサン;及び
(C)白金系触媒
を含み、
(A)のアルケニル基の個数ViAに対する、(B)のケイ素原子に結合した水素原子の個数HBの比が0.5〜100であり、
(C)が、白金系金属原子として、0.5〜1000ppmである、
硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を用いた二つの基材を含む接着体の製造方法であって、
工程1B:一方の基材の被接着面に、(B)を含む部分、(B)及び(A)を含む部分、(C)を含む部分、並びに(C)及び(A)を含む部分からなる群より選ばれる2以上の部分を形成する工程、
工程2B:もう一方の基材の被接着面に、(B)を含む部分、(B)及び(A)を含む部分、(C)を含む部分、並びに(C)及び(A)を含む部分からなる群より選ばれる1以上の部分を形成する工程、並びに
工程3B:工程1Bで得られる2以上の部分及び工程2Bで得られる1以上の部分を介して、工程1B及び工程2Bで得られる基材同士を、貼り合わせる工程
を含み、工程1Bで得られる部分及び工程2Bで得られる部分をあわせた部分の組成が、硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の組成である、二つの基材を含む接着体の製造方法。
[14]工程1Bが、工程1B−1:一方の基材の被接着面に、(B)を含む層、(B)及び(A)を含む層、(C)を含む層、並びに(C)及び(A)を含む層からなる群より選ばれる2以上の層を形成して、積層体を形成する工程であり、
工程2Bが、工程2B−1:もう一方の基材の被接着面に、(B)を含む層、(B)及び(A)を含む層、(C)を含む層、並びに(C)及び(A)を含む層からなる群より選ばれる1以上の層を形成して、積層体を形成する工程である、
[13]の製造方法。
[15]工程1Bが、工程1B−2:一方の基材の被接着面に、(C)を含む層を積層し、次いで(B)及び(A)を含む層を積層して、積層体を得る工程であり、
工程2Bが、工程2B−2:もう一方の基材の被接着面に、(C)を含む層を積層して積層体を得る工程である、
[13]又は[14]の製造方法。
[16]工程1Bが、工程1B−3:一方の基材の被接着面に、(B)及び(A)を含む層を積層し、次いで(C)を含む層を積層して、積層体を得る工程であり、
工程2Bが、工程2B−3:もう一方の基材の被接着面に、(B)及び(A)を含む層を積層して積層体を得る工程である、
[13]又は[14]の製造方法。
[17]一方の基材が、画像表示装置の画像表示部を有する基部であり、もう一方の基材が、画像表示装置の透光性の保護部であり、接着体が、画像表示装置である、[9]〜[16]のいずれかの製造方法。
本発明によれば、速硬化性に優れた硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を用いて得られ、優れた透明性を有する硬化物が提供される。
<硬化性ポリオルガノシロキサン組成物>
硬化性ポリオルガノシロキサン組成物(以下、単に「組成物」ともいう。)に含まれる各成分について説明する。
硬化性ポリオルガノシロキサン組成物(以下、単に「組成物」ともいう。)に含まれる各成分について説明する。
(A)アルケニル基含有ポリオルガノシロキサンは、組成物において、ベースポリマーとなる成分である。(A)を配合することによって、硬化時に架橋反応による安定した3次元構造を確保し、硬化収縮を制御し、良好な視認性を確保することができる。(A)は、ケイ素原子に結合したアルケニル基を一分子中に平均で2個以上有し、(B)のSi−H結合との付加反応により、網状構造を形成することができるものであれば、特に限定されない。代表的には、一般式(I):
(Ra)n1(Rb)n2SiO(4−n1−n2)/2 (I)
(式中、
Raは、C2−C6アルケニル基(例えば、ビニル、アリル、3−ブテニル、5−ヘキセニル)であり;
Rbは、C1−C6アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル)又はフェニルであり;
n1は、1又は2であり;
n2は、0〜2の整数であり、ただし、n1+n2は1〜3である)
で示されるアルケニル基含有シロキサン単位を、分子中に少なくとも平均で2個有するアルケニル基含有ポリオルガノシロキサンである。(A)におけるケイ素原子に結合したアルケニル基の数は、一分子中、平均で2〜100個であるのが好ましく、2〜50個であるのがより好ましい。
(Ra)n1(Rb)n2SiO(4−n1−n2)/2 (I)
(式中、
Raは、C2−C6アルケニル基(例えば、ビニル、アリル、3−ブテニル、5−ヘキセニル)であり;
Rbは、C1−C6アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル)又はフェニルであり;
n1は、1又は2であり;
n2は、0〜2の整数であり、ただし、n1+n2は1〜3である)
で示されるアルケニル基含有シロキサン単位を、分子中に少なくとも平均で2個有するアルケニル基含有ポリオルガノシロキサンである。(A)におけるケイ素原子に結合したアルケニル基の数は、一分子中、平均で2〜100個であるのが好ましく、2〜50個であるのがより好ましい。
(A)のシロキサン骨格は、直鎖状でも分岐状でもよい。合成及び平均重合度の制御が容易なことから、(A)は、直鎖状のものが好ましい。また、これらの混合物を用いてもよい。
Raは、合成が容易で、また硬化前の流動性や、硬化物の耐熱性を損ねないという点から、ビニル基が好ましい。Raは、(A)のポリオルガノシロキサン分子鎖の末端又は途中のいずれに存在してもよく、その両方に存在してもよいが、硬化後の組成物に優れた機械的性質を与えるためには、少なくともその両末端に存在していることが好ましい。
Rbは、合成が容易で、流動性や硬化後の機械的強度等のバランスが優れているという点から、メチル基が特に好ましい。
n1は、合成が容易なことから、1が好ましい。
(A)は、作業性の観点から、23℃における粘度が、1〜100,000cPであるのが好ましく、1〜50,000cPであるのがより好ましく、1〜15,000cPであるのが特に好ましい。これらの粘度範囲になるように、(A)の重量平均分子量を調整することが好ましい。また、これらの粘度範囲になるように、粘度の高い(A)と粘度の低い(A)を併用することがより好ましい。本明細書において、粘度は、回転粘度計を用いて、23℃において測定した値である。
よって、(A)としては、式(Ia):
(式中、
Raは、独立して、C2−C6アルケニル基(例えば、ビニル、アリル、3−ブテニル、5−ヘキセニル、好ましくはビニル)であり、
Rbは、独立して、C1−C6アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、好ましくはメチル)又はフェニル基であり、
m1は、(A)の23℃における粘度を1〜100,000cP(好ましくは1〜50,000cP、より好ましくは1〜15,000cP)にする数である)で示されるアルケニル基含有直鎖状ポリオルガノシロキサンが好ましい。
(式中、
Raは、独立して、C2−C6アルケニル基(例えば、ビニル、アリル、3−ブテニル、5−ヘキセニル、好ましくはビニル)であり、
Rbは、独立して、C1−C6アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、好ましくはメチル)又はフェニル基であり、
m1は、(A)の23℃における粘度を1〜100,000cP(好ましくは1〜50,000cP、より好ましくは1〜15,000cP)にする数である)で示されるアルケニル基含有直鎖状ポリオルガノシロキサンが好ましい。
さらに、(A)としては、両末端がジメチルビニルシロキサン単位で閉塞され、中間単位がジメチルシロキサン単位からなるポリメチルビニルシロキサンであって、23℃における粘度が1〜100,000cP(好ましくは5〜50,000cP、より好ましくは10〜15,000cP)である、アルケニル基含有直鎖状ポリオルガノシロキサンがより好ましい。
(B)ポリオルガノハイドロジェンシロキサンは、分子中に含まれるヒドロシリル基が、(A)のRaとの間で付加反応することにより、(A)の架橋剤として機能するものである。硬化物を網状化するために、該付加反応に関与するケイ素原子に結合した水素原子を、一分子中に平均で2個以上有しているものであれば、特に限定されない。このようなポリオルガノハイドロジェンシロキサンは、代表的には、一般式(II):
(Rc)n3(Rd)n4SiO(4−n3−n4)/2 (II)
(式中、
Rcは、水素原子であり、
Rdは、C1−C6アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、好ましくはメチル)又はフェニル基であり;
n3は、1又は2であり;
n4は、0〜2の整数であり、ただし、n3+n4は1〜3である)
で示される単位を分子中に2個以上有する。
(Rc)n3(Rd)n4SiO(4−n3−n4)/2 (II)
(式中、
Rcは、水素原子であり、
Rdは、C1−C6アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、好ましくはメチル)又はフェニル基であり;
n3は、1又は2であり;
n4は、0〜2の整数であり、ただし、n3+n4は1〜3である)
で示される単位を分子中に2個以上有する。
Rdは、好ましいものも含め、前述の(A)におけるRbと同様のものが例示される。また、合成が容易なことから、n3は1が好ましい。
(B)におけるシロキサン骨格は、直鎖状、分岐状又は環状のいずれであってもよく、直鎖状又は環状が好ましい。また、これらの混合物を用いてもよい。
(B)は、23℃における粘度が1〜10,000cPであるのが好ましく、1〜1,000cPであるのがより好ましく、1〜200cPであるのがさらに好ましく、1〜50cPであるのが特に好ましい。
(B)が環状の場合、(B1)Re 2HSiO1/2単位(式中、Reは水素原子又はC1−C6アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、好ましくはメチル)である)及びSiO4/2単位からなり、一分子中に、ケイ素原子に結合した水素原子を2個以上有する、環状ポリオルガノハイドロジェンシロキサンが挙げられる。
(B1)は、Re 2HSiO1/2単位及びSiO4/2単位からなり、一分子中に、ケイ素原子に結合した水素原子を2個以上有する、環状ポリオルガノハイドロジェンシロキサンである。(B1)における水素原子は、一分子中、3〜100個であることが好ましく、3〜50個であるのがより好ましい。C1−C6アルキル基としてのReは、合成の容易さ等の点から、メチルが好ましい。
(B1)としては、Re 2HSiO1/2単位とSiO4/2単位の比率が、SiO4/2単位1モルに対してRe 2HSiO1/2単位1.5〜2.2モルが好ましく、1.8〜2.1モルがさらに好ましい。典型的には、[Re 2HSiO1/2]8[SiO4/2]4又は[Re 2HSiO1/2]10[SiO4/2]5のように、3〜5個のSiO4/2単位が環状シロキサン骨格を形成し、各SiO4/2単位に2個のRe 2HSiO1/2単位が結合しているものが、好ましく、特に好ましくは、各SiO4/2単位に2個の(CH3)2HSiO1/2単位が結合しているものである。
(B1)の粘度は、1〜100cPが好ましく、1〜50cPがより好ましい。
(B)が直鎖状の場合、両末端が、それぞれ独立して、R3SiO1/2単位で閉塞され、中間単位がR2SiO2/2単位からなり(式中、Rは、水素原子、C1−C6アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルであり、好ましくはメチルである)又はフェニル基であるが、ただし、Rのうち、少なくとも2つは水素原子である)、23℃における粘度が1〜10,000cP(好ましくは1〜5,000cP、より好ましくは1〜1,000cP)である、直鎖状ポリオルガノハイドロジェンシロキサンである。ケイ素原子に結合する水素原子は、末端に存在していても、中間単位に存在していてもよい。
例えば、(B2)式(III):
(式中、
Rcは、水素原子であり、
Rdは、独立して、C1−C6アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、好ましくはメチル)又はフェニル基であり、
m2は、(B2)の23℃における粘度を1〜10,000cP(好ましくは1〜5,000cP、より好ましくは1〜1,000cP)とする数である)で示される、直鎖状ポリオルガノハイドロジェンシロキサン;
(B3)両末端がRd 3SiO1/2単位で閉塞され、中間単位がRcRdSiO2/2単位及びRd 2SiO2/2単位(式中、Rcは、水素原子であり、Rdは、独立して、C1−C6アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、好ましくはメチル)又はフェニル基である)からなり、23℃における粘度が1〜10,000cP(好ましくは1〜5,000cP、より好ましくは1〜1,000cP)である、直鎖状ポリオルガノハイドロジェンシロキサン;及び
(B4)両末端がRcRd 2SiO1/2単位で閉塞され、中間単位がRcRdSiO2/2単位及びRd 2SiO2/2単位(式中、Rcは、水素原子であり、Rdは、独立して、C1−C6アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、好ましくはメチル)又はフェニル基である)からなり、23℃における粘度が1〜10,000cP(好ましくは1〜5,000cP、より好ましくは1〜1,000cP)とする数である)である、直鎖状ポリオルガノハイドロジェンシロキサンが挙げられる。
(式中、
Rcは、水素原子であり、
Rdは、独立して、C1−C6アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、好ましくはメチル)又はフェニル基であり、
m2は、(B2)の23℃における粘度を1〜10,000cP(好ましくは1〜5,000cP、より好ましくは1〜1,000cP)とする数である)で示される、直鎖状ポリオルガノハイドロジェンシロキサン;
(B3)両末端がRd 3SiO1/2単位で閉塞され、中間単位がRcRdSiO2/2単位及びRd 2SiO2/2単位(式中、Rcは、水素原子であり、Rdは、独立して、C1−C6アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、好ましくはメチル)又はフェニル基である)からなり、23℃における粘度が1〜10,000cP(好ましくは1〜5,000cP、より好ましくは1〜1,000cP)である、直鎖状ポリオルガノハイドロジェンシロキサン;及び
(B4)両末端がRcRd 2SiO1/2単位で閉塞され、中間単位がRcRdSiO2/2単位及びRd 2SiO2/2単位(式中、Rcは、水素原子であり、Rdは、独立して、C1−C6アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、好ましくはメチル)又はフェニル基である)からなり、23℃における粘度が1〜10,000cP(好ましくは1〜5,000cP、より好ましくは1〜1,000cP)とする数である)である、直鎖状ポリオルガノハイドロジェンシロキサンが挙げられる。
(B2)は、式(III)で示される、直鎖状ポリオルガノハイドロジェンシロキサンである。
(B2)におけるRdとしては、合成が容易で、機械的強度及び硬化前の流動性などの特性のバランスが優れているという点から、メチル基が好ましい。
(B2)としては、両末端がジメチルハイドロジェンシロキサン単位で閉塞され、中間単位がジメチルシロキサン単位からなるポリメチルハイドロジェンシロキサンが好ましい。
(B2)の粘度は、1〜10,000cPであり、1〜5,000cPがより好ましく、1〜1,000cPがさらに好ましい。
(B3)は、両末端がRd 3SiO1/2単位で閉塞され、中間単位がRcRdSiO2/2単位、及び、Rd 2SiO2/2単位からなるポリオルガノハイドロジェンシロキサンである。(B3)におけるRcは、一分子中、2〜5,000個であることが好ましく、3〜5,000個であることがより好ましく、20〜1,000個であることがさらに好ましい。(B3)におけるRdとしては、合成が容易で、機械的強度及び硬化前の流動性などの特性のバランスが優れているという点から、メチル基が好ましい。
(B3)としては、RcRdSiO2/2単位とRd 2SiO2/2単位の比率が、Rd 2SiO2/2単位1モルに対して、RcRdSiO2/2単位が0.1〜2.0モルであるものが好ましく、0.5〜1.5モルであるものがさらに好ましい。よって、(B3)として、両末端がトリメチルシロキサン単位で閉塞され、中間単位がジメチルシロキサン単位及びメチルハイドロジェンシロキサン単位からなり、ジメチルシロキサン単位1モルに対して、メチルハイドロジェンシロキサン単位が0.1〜2.0モルであるポリメチルハイドロジェンシロキサンが好ましい。
(B3)の粘度は、1〜10,000cPであり、1〜5,000cPがより好ましく、1〜1,000cPがさらに好ましい。
(B4)は、両末端がRcRd 2SiO1/2単位で閉塞され、中間単位がRcRdSiO2/2単位及びRd 2SiO2/2単位からなるポリオルガノハイドロジェンシロキサンである。(B4)におけるRcは、一分子中、2〜5,000個であることが好ましく、より好ましくは3〜5,000個であり、さらに好ましくは3〜1,000個である。(B4)におけるRdとしては、合成が容易で、機械的強度及び硬化前の流動性などの特性のバランスが優れているという点から、メチル基が好ましい。
(B4)としては、RcRdSiO2/2単位とRd 2SiO2/2単位の比率が、Rd 2SiO2/2単位1モルに対して、RcRdSiO2/2単位が0.1〜2.0モルであるものが好ましく、0.5〜1.5モルがさらに好ましい。よって、(B4)として、両末端がジメチルハイドロジェンシロキサン単位で閉塞され、中間単位がジメチルシロキサン単位及びメチルハイドロジェンシロキサン単位からなり、ジメチルシロキサン単位1モルに対して、メチルハイドロジェンシロキサン単位が0.1〜2.0モルであるポリメチルハイドロジェンシロキサンが好ましい。
(B4)の粘度は、1〜10,000cPであり、1〜5,000cPがより好ましく、1〜1,000cPがさらに好ましい。
(B)は、分岐状ポリオルガノハイドロジェンシロキサンであってもよく、例えば、R2HSiO1/2単位(式中、Rは、水素原子、C1−C6アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、好ましくはメチル)又はフェニル基を表す)及びSiO4/2単位からなり、一分子中に、ケイ素原子に結合した水素原子を3個以上有するポリアルキルハイドロジェンシロキサンが挙げられる。また、R3SiO1/2単位、R2SiO単位及びRSiO3/2単位(式中、Rは、水素原子、C1−C6アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、好ましくはメチル)又はフェニル基を表す)からなり、一分子中に、ケイ素原子に結合した水素原子を2個以上有するポリアルキルハイドロジェンシロキサンが挙げられる。分岐状ポリオルガノハイドロジェンシロキサンの23℃における粘度は、1〜10,000cPであり、1〜5,000cPがより好ましく、1〜1,000cPがさらに好ましい。
(B)は、単独でも、2種以上を併用してもよい。(B1)、(B2)、(B3)及び(B4)は、単独で用いることも、組み合わせて用いることもできる。硬化性を高くするという観点から、(B1)を使用することが好ましい。(B)として、(B1)及び(B2)の併用、(B1)及び(B4)の併用、(B3)及び(B2)の併用が好ましく、(B1)及び(B2)の併用がより好ましい。(B)として、(B1)及び(B2)を併用するとき、硬化物の衝撃に対する応力緩和の観点から(B1)及び(B2)の水素の総量に対する(B1)の水素の量(HB1/(HB1+HB2))が、0.05〜0.60であるのが好ましく、0.10〜0.50であるのがより好ましい。
適切な硬化速度の確保の観点から、(A)のケイ素原子に結合したアルケニル基の個数ViAの合計に対する、(B)におけるケイ素原子に結合した水素原子の個数HBの合計との比(HB/ViA)が、0.5〜100であり、0.5〜50.0であるのが好ましい。(HB/ViA)が、0.5未満であると、硬化に十分な架橋剤が拡散できないために硬化せず、100超であると、架橋点が少なく硬化しない。
組成物に含まれる(C)は、(A)のアルケニル基と、(B)のSi−H基との間の付加反応を促進するための触媒である。触媒活性が良好な観点から、白金、ロジウム、パラジウムのような白金系金属(白金族元素)の化合物が好適に用いられ、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコールの反応生成物、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体、白金−ケトン錯体、白金−ホスフィン錯体のような白金化合物、ロジウム−ホスフィン錯体、ロジウム−スルフィド錯体のようなロジウム化合物、パラジウム−ホスフィン錯体のようなパラジウム化合物が好ましく、白金化合物がより好ましく、白金−ビニルシロキサン錯体がさらに好ましい。
(C)は、硬化物の透明性の確保及び適切な硬化速度の確保の観点から、(A)〜(C)の合計重量に対して、白金系金属原子換算で、0.5〜1,000ppmであり、0.5〜500ppmであるのが好ましく、0.5〜200ppmであるのがより好ましい。(C)の量が0.5ppm未満であると、硬化が遅い。(C)の量が1,000ppm超であると、透明性が著しく低下することに加えて、硬化物の変色が顕著になり、硬化物が黒色になる。また、(C)は、(A)〜(C)の合計重量に対して、白金系金属原子換算で、5ppm超1,000ppm以下であってもよく、200ppm超1,000ppm以下であってもよく、0.5ppm以上5ppm未満かつ200ppm超1,000ppm以下であってもよい。
組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、(D)窒素原子を有する安定化剤、(E)希釈剤、(F)接着付与剤、(G)無機質充填剤等を含むことができる。なお、組成物は、(D)成分を含まないのが好ましい。
組成物は、(D)窒素原子を有する安定化剤を含んでいてもよい。(D)は、(C)白金系触媒を安定化することができる。(D)としては、例えば、一般式:(R1)2N−R3−N(R2)2(式中、R1は、それぞれ独立して、C1−C6アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル)であり、R2はR1と同一の意味を有するか、又は水素原子であり、R3は、C2−C4アルキレン基(例えば、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン)である。)で示されるアミン化合物が挙げられる。
(D)として、具体的には、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、N,N−ジブチルエチレンジアミン、N,N−ジブチル−1,3‐プロパンジアミン、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチルエチレンジアミン、N,N−ジブチル−1,4−ブタンジアミンが挙げられ、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンが好ましい。(D)は、単独又は2種以上を併用することができる。
(D)の配合量は、(C)の白金系金属原子1molに対して0.001〜0.5molの範囲であるのが好ましく、0.01〜0.1molであるのがより好ましい。このような範囲であれば、得られる触媒の経時的な外観不良を防止し、変色が抑えられるとともに、(C)の触媒活性を極端に低下させずに、所望の時間での硬化が達成できる。
組成物は、(E)希釈剤を含んでいてもよい。組成物が(E)を含むことにより、粘度が調整される。(E)は、硬化反応に関与するアルケニル基を含有しないシリコーンオイルであり、両末端がトリメチルシロキサン単位で閉塞され、中間単位がジメチルシロキサン単位からなるポリメチルシロキサンが好ましい。(E)は、23℃における粘度が、1〜5,000cPであるのが好ましく、5〜1,000cPであるのがより好ましい。(E)の配合量は、組成物における(A)〜(C)の合計100重量部に対して、50重量部以下であるのが好ましく、30重量部以下であるのがより好ましく、20重量部以下であるのがさらに好ましい。
組成物は、(F)接着付与剤を含んでいてもよい。(F)接着付与剤として、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシランのようなジ、トリ、テトラアルコキシシラン類;3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピル(メチル)ジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピル(メチル)ジエトキシシランのような3−グリシドキシプロピル基含有アルコキシシラン類;2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル(メチル)ジメトキシシランのような2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基含有アルコキシシラン類;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、メチルビニルジメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、メチルアリルジメトキシシランのようなアルケニルアルコキシシラン類;3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピル(メチル)ジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピル(メチル)ジメトキシシランのような(メタ)アクリロキシプロピルアルコキシシラン類;1,1,3,5,7−ペンタメチルシクロテトラシロキサンと3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランとの反応生成物などの有機ケイ素化合物が挙げられる。
有機ケイ素化合物として、例えば、具体的には、下記式:
(式中、Q1及びQ2は、互いに独立して、アルキレン基、好ましくはC1−C4アルキレン基を表し、R3は、C1−C4アルキル基を表す)で示される側鎖を有する有機ケイ素化合物が挙げられる。
(式中、Q1及びQ2は、互いに独立して、アルキレン基、好ましくはC1−C4アルキレン基を表し、R3は、C1−C4アルキル基を表す)で示される側鎖を有する有機ケイ素化合物が挙げられる。
組成物は、(G)無機質充填剤を含んでいてもよい。(G)無機質充填剤としては、煙霧質シリカ、アークシリカのような乾式微粉末シリカが例示され、煙霧質シリカが好ましい。また、このようなシリカの表面を、ヘキサメチルジシラザン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザンのようなシラザン化合物;オクタメチルシクロテトラシロキサンのようなポリオルガノシロキサン等で処理したものであってもよい。
<硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の硬化物>
硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の硬化物(以下、単に「硬化物」ともいう。)は、硬化前の硬化性ポリオルガノシロキサン組成物(以下、単に「硬化前の組成物」ともいう。)が、(B)を含む部分、(B)及び(A)を含む部分、(C)を含む部分、並びに(C)及び(A)を含む部分(以下、これらを「4つの硬化性部分」ともいう。)からなる群より選択される2以上の硬化性部分を含む。
ここで、(C)を含む部分、並びに(C)及び(A)を含む部分は、硬化性ポリオルガノシロキサン組成物における硬化剤成分に相当する。(C)を含む部分、並びに、(C)及び(A)を含む部分を、まとめて「第1成分」ともいう。(B)を含む部分、並びに(B)及び(A)を含む部分は、硬化性ポリオルガノシロキサン組成物における主剤成分に相当する。(B)を含む部分、並びに、(B)及び(A)を含む部分を、まとめて「第2成分」ともいう。
硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の硬化物(以下、単に「硬化物」ともいう。)は、硬化前の硬化性ポリオルガノシロキサン組成物(以下、単に「硬化前の組成物」ともいう。)が、(B)を含む部分、(B)及び(A)を含む部分、(C)を含む部分、並びに(C)及び(A)を含む部分(以下、これらを「4つの硬化性部分」ともいう。)からなる群より選択される2以上の硬化性部分を含む。
ここで、(C)を含む部分、並びに(C)及び(A)を含む部分は、硬化性ポリオルガノシロキサン組成物における硬化剤成分に相当する。(C)を含む部分、並びに、(C)及び(A)を含む部分を、まとめて「第1成分」ともいう。(B)を含む部分、並びに(B)及び(A)を含む部分は、硬化性ポリオルガノシロキサン組成物における主剤成分に相当する。(B)を含む部分、並びに、(B)及び(A)を含む部分を、まとめて「第2成分」ともいう。
(B)を含む部分、(B)及び(A)を含む部分、(C)を含む部分、(C)及び(A)を含む部分は、硬化前の組成物に含まれる硬化性部分である。硬化性部分は単独では硬化しないが、各部分に含まれる(B)及び(C)が、硬化時のみに接触し、架橋反応が進行する。本発明において、硬化性部分は、各成分の存在により区別できる。例えば、(B)及び(A)を含む部分と(B)を含む部分とは、(A)の存在によって区別することができる。また、(B)及び(A)を含む部分と(C)及び(A)を含む部分とは、(B)及び(C)の存在によって区別することができる。
硬化前の組成物は、少なくとも1つの(B)を含む部分又は(B)及び(A)を含む部分が、少なくとも1つの(C)を含む部分又は(C)及び(A)を含む部分に接している。硬化前の組成物は、第2成分と、第1成分とが別々に保存されており、基材に適用する前に混合してから接着剤として用いる二剤型の硬化性組成物とは異なる。
硬化性部分の数及びその種類は、硬化前の組成物に含まれる硬化性部分を合わせた組成が、上記した硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の組成であれば、特に限定されない。例えば、硬化前の組成物が2つの硬化性部分からなるときは、硬化前の組成物は(B)を含む部分と(C)及び(A)を含む部分とからなるか、(B)及び(A)を含む部分と(C)を含む部分とからなるか、(B)及び(A)を含む部分と(C)及び(A)を含む部分とからなる。
硬化前の組成物が、4つの硬化性部分からなる群より選択される3以上の硬化性部分を含むのが好ましい。また、硬化前の組成物が(C)を含む部分、(B)及び(A)を含む部分、並びに、(C)を含む部分の3つの硬化性部分からなるのがより好ましい。
硬化前の組成物が、(C)及び(A)を含む部分を複数含む場合、架橋反応を均一に進行させるために、各(C)及び(A)を含む部分に含まれる(A)は同じであるのが好ましい。同じ理由により、硬化前の組成物が、(B)及び(A)を含む部分を複数含む場合、各(B)及び(A)を含む部分に含まれる(A)は同じであるのが好ましい。
硬化性部分は、上記した(D)〜(F)を含むことができる。(C)を含む部分、並びに、(C)及び(A)を含む部分は、速硬化性の観点、及び、得られる硬化物の変色(特に、黄変)を低減する観点から、(E)をさらに含むのが好ましく、(E)及び(D)をさらに含むのがより好ましい。また、(B)を含む部分、並びに、(B)及び(A)を含む部分は、接着性の観点から、(F)をさらに含むのが好ましい。
硬化性部分の各部分の形状は特に限定されず、線状、柱状、円状、球状及び層状であることができる。これらは、塗布装置及び組成物の粘度に応じて適宜選択することができる。
硬化性部分は層状であるのが好ましい。すなわち、硬化前の組成物が、(B)を含む層、(B)及び(A)を含む層、(C)を含む層、並びに(C)及び(A)を含む層(以下、これらを「4つの硬化性層」ともいう)からなる群より選択される2以上の層を含む積層体であるのが好ましい。また、本発明において、硬化前の組成物が、(C)を含む層、(B)及び(A)を含む層、並びに、(C)を含む層の3つの硬化性層を含むのがより好ましい。
(B)を含む層、(B)及び(A)を含む層、(C)を含む層、(C)及び(A)を含む層は、硬化前の組成物に含まれる硬化性層である。硬化前の組成物は、(B)及び(A)を含む層と(C)を含む層とが交互に積層されている積層体であるのがより好ましい。(A)及び(B)が共存し、(A)及び(C)が共存しないことで、(C)が、(B)成分を含む部分に移動しやすく、また硬化反応が進行しやすい。また、硬化前の組成物は、両端に(C)を含む層又は(B)及び(A)を含む層を有する積層体であるのがより好ましく、両端に(C)を含む層を有する積層体であるのが特に好ましい。硬化前の組成物が、両端に(C)を含む層を有する積層体である場合、両端からより多くの(C)が、積層体の内側に存在する(B)成分を含む部分に移動し、両端から組成物の硬化反応がより進行しやすい。
積層体の総厚みは、特に限定されないが、2〜2,000μmであるのが好ましく、2〜1,000μmであるのがより好ましく、10〜500μmであるのが特に好ましい。
また、積層体における各層の厚みは、硬化性層の種類に応じて以下のとおりであるのが好ましい。(B)を含む層の厚みは、10〜1000μmであるのが好ましく、20〜500μmであるのがより好ましい。(B)及び(A)を含む層の厚みは、1〜500μmであるのが好ましく、10〜300μmであるのがより好ましい。(C)を含む層の厚みは、0.1〜1000μmであるのが好ましく、0.1〜300μmであるのがより好ましい。(C)及び(A)を含む層の厚みは、0.1〜50μmであるのが好ましく、0.5〜30μmであるのがより好ましい。なお、積層体が同じ硬化性層を複数含む場合は、上記の厚みは、各硬化性層の厚みである。
(C)及び(A)を含む部分と(B)及び(A)を含む部分とが複数含まれる場合、組成物について規定するHB/ViA比を満足する限り、(C)及び(A)を含む部分と(B)及び(A)を含む部分に含まれる(A)の含有量比は特に限定されない。(B)及び(A)を含む部分における(A)100重量部に対して、(C)及び(A)を含む部分における(A)の量は、0.1〜300重量部であるのが好ましく、0.1〜200重量部であるのがより好ましい。
硬化前の組成物における、第1成分及び第2成分の含有量は、第1成分の合計100重量部に対して、第2成分の合計が200〜100,000重量部であるのが好ましく、200〜50,000重量部であるのがより好ましく、200〜10,000重量部であるのがさらに好ましく、200〜5,000重量部であるのが特に好ましい。仮固定時間の速さの観点からは、第2成分の合計は、200〜10,000重量部であるのが好ましく、200〜5,000重量部であるのがより好ましい。
硬化前の組成物において、第1成分は、23℃における粘度が、1〜100,000cPであるのが好ましく、1〜10,000cPであるのがより好ましく、1〜5,000cPであるのがさらに好ましく、1〜1,000cPであるのが特に好ましく、1〜500cPであるのがより特に好ましい。このような範囲であれば、硬化前の組成物を形成する際の作業性が向上し、第1成分及び第2成分に含まれる各成分が混合しやすく反応性が向上し、硬化時間がさらに短縮される。また、(A)と(B)との付加反応において、(C)が、(B)と(B)及び(A)との領域に浸透しやすくなり、これにより硬化時間がさらに短縮されることから、ポリオルガノシロキサン分子鎖の小さいもの、すなわち粘度の低い(A)が存在しているのが好ましい。このような第1成分を得る観点からは、第1成分が(A)として粘度の低い(例えば、23℃における粘度が、1〜500cP)ポリオルガノシロキサンを含むのが好ましい。また、上記の粘度を有する第1成分を得る観点から、第1成分がさらに(E)を含むか、第1成分がさらに(F)を含むのが好ましい。または、第1成分が、(C)を含む部分であり、さらに(E)又は(F)を含むか、第1成分が(A)及び(C)を含む部分であり、(A)として例えば、23℃における粘度が、1〜500cPであるポリオルガノシロキサンを含むのが好ましい。
第2成分は、23℃における粘度が、1〜100,000cPであるのが好ましく、100〜100,000cPであるのがより好ましく、500〜50,000cPであるのがさらに好ましく、1,000〜50,000cPであるのが特に好ましく、3,000〜20,000cPであるのがより特に好ましい。このような範囲であれば、作業性が向上し、塗布時の展延性が良好であり、貼り合せ時に第1成分及び第2成分に含まれる各成分が混合しやすく反応性が向上し、硬化時間がさらに短縮される。また、(A)と(B)との付加反応において、少ない反応点で大きな架橋構造が形成され、これにより硬化時間がさらに短縮されることから、ポリオルガノシロキサン分子鎖の大きいもの、すなわち粘度の高い(A)を含むのが好ましい。このような第2成分を得る観点からは、(A)として粘度の高い(例えば、23℃における粘度が、30,000〜100,000cP)ポリオルガノシロキサンと粘度の低い(例えば、23℃における粘度が、50〜1,000cP)ポリオルガノシロキサンの混合物を含むのが好ましい。粘度の高いポリオルガノシロキサンと粘度の低いポリオルガノシロキサンの混合物において、粘度の低いポリオルガノシロキサンの量は、上記の粘度を満足すれば特に限定されず、例えば、粘度の高いポリオルガノシロキサン100重量部に対して、0.1〜100重量部とすることができる。
23℃における粘度が1,000〜100,000cPであるポリオルガノシロキサンと、23℃における粘度が50〜500cPであるポリオルガノシロキサンとの混合物において、粘度が50〜500cPであるポリオルガノシロキサンの量は、上記の粘度を満足すれば特に限定されず、例えば、粘度が1,000〜100,000cPであるポリオルガノシロキサン100重量部に対して、0.1〜1,000重量部とすることができる。同様にして、粘度が5,000〜100,000cPであるポリオルガノシロキサン及び23℃における粘度が50〜1,000cPであるポリオルガノシロキサンとの混合物において、粘度が50〜1,000cPであるポリオルガノシロキサンの量は、粘度が5,000〜100,000cPであるポリオルガノシロキサン100重量部に対して、0.1〜1,000重量部とすることができる。
第1成分と第2成分とが接触することにより組成物の硬化物が得られる。組成物の硬化物は、優れた透明性を有する。透明性の指標は、組成物の硬化物の透過率が50%以上であることが挙げられる。組成物の硬化物の透過率は、80〜100%であるのが好ましく、90〜100%であるのがより好ましい。透過率は400nmで、試料厚み180μmで測定した値である。一般に、硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の硬化物において、可視光の波長領域(主に、400〜800nm)における、組成物の硬化物の透過率は、400nmでの透過率が最小値となる。また、一般に、硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の硬化物において、黄変、白濁等が発生すると、より短い波長の光に対する透過率が低下する。よって、組成物の硬化物の400nmでの透過率が50%以上である場合、組成物の硬化物の可視光の波長領域の透過率は50%以上となり、組成物の硬化物は優れた透明性を有している。そのため、組成物を用いて、画像表示装置の画像表示部を有する基部と透光性の保護部とを接着させた場合、視認性の点においても良好である。また、組成物の硬化物の変色の度合いであるイエローインデックスは、特に限定されないが、0.01〜15であるのが好ましく、0.01〜5.0であるのがより好ましい。イエローインデックスが15以下である場合、組成物の硬化物は変色が少ないといえる。そのため、イエローインデックスが15以下であり、優れた透明性を有する硬化物を与える組成物を用いて、画像表示装置の画像表示部を有する基部と透光性の保護部とを接着させた場合、視認性がより向上する。
硬化前の組成物は、後述する接着体の製造方法における工程1A、工程1B及び工程2Bによりより得られるのが好ましい。
(硬化物付き基材及び接着体)
本発明は、1つの基材の上に組成物の硬化物が積層されている、硬化物付き基材にも関する。また、本発明は、組成物の硬化物を介して2つの基材が接着されている2つの基材を含む接着体にも関する。
本発明は、1つの基材の上に組成物の硬化物が積層されている、硬化物付き基材にも関する。また、本発明は、組成物の硬化物を介して2つの基材が接着されている2つの基材を含む接着体にも関する。
硬化前の組成物において、硬化性部分は、硬化性部分が適用される基材の面に対して垂直方向(縦方向)に各硬化性部分が形成されていてもよく、硬化性部分が適用される基材の面に対して平行方向(横方向)に各硬化性部分が形成されていてもよい。基材に対して平行方向に硬化性部分が形成されていたとしても、硬化前の組成物に含まれる(B)及び(C)が接触することにより、硬化反応は進行する。また、硬化性部分が積層体である場合、硬化性層が適用される基材の面に対して垂直方向(縦方向)に層が積層されていてもよく、硬化性層が適用される基材の面に対して平行方向(横方向)に層が積層されていてもよいことを意味する。硬化性層が適用される基材の面と平行に硬化性層が積層されていたとしても、硬化前の組成物に含まれる(B)及び(C)が接触することにより、硬化反応は進行する。
硬化物において、硬化前の組成物が、硬化性部分が適用される基材の面に対して垂直方向に積層された積層体である場合、基材と接触する硬化物の層は上記した硬化前の積層体の両端の一方に相当する。よって、本発明の硬化物付き基材は、硬化前の組成物が、両端の一方が(B)及び(A)を含む層であるか、(C)を含む層である積層体であるのが好ましく、両端が(B)及び(A)を含む層であるか、(C)を含む層である積層体であるのがより好ましく、両端が(C)を含む層である積層体であるのが特に好ましい。
基材として、アルミニウム、鉄、亜鉛、銅、マグネシウム合金等の金属、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ABS、PA、PBT、PC、PPS、SPS等のプラスチック、及びガラスが挙げられ、ブラウン管、液晶、プラズマ、有機EL等の画像表示装置の画像表示部の基部と透光性の保護部であるのが好ましい。
硬化物付き基材における硬化物の厚み、及び、2つの基材を含む接着体における組成物の硬化物の厚みは、特に限定されないが、2〜2,000μmであるのが好ましく、2〜1,000μmであるのがより好ましく、10〜500μmであるのが特に好ましい。
硬化物付き基材において、組成物の硬化物は基材と接着している。また、硬化物付き基材における組成物の硬化物は、好ましくはダム材として用いられる。ダム材は、例えば、画像表示部を封止するときに、封止剤の流出を防ぐための枠として用いられる。
また、接着体は、好ましくは後述するものとして用いられる。
また、接着体は、好ましくは後述するものとして用いられる。
硬化物付き基材は、後述する硬化物付き基材の製造方法により得られるのが好ましい。また、接着体は、後述する接着体の製造方法により得られるのが好ましい。
<硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を用いた二つの基材を含む接着体の製造方法>
硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を用いた二つの基材を含む接着体の製造方法は、一方の基材に、本発明の硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を適用して、もう一方の基材を貼り合わせることを含む第1の製造方法、及び、両方の基材に本発明の硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の一部を適用して、両方の基材を貼り合わせることを含む第2の製造方法を含む。
硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を用いた二つの基材を含む接着体の製造方法は、一方の基材に、本発明の硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を適用して、もう一方の基材を貼り合わせることを含む第1の製造方法、及び、両方の基材に本発明の硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の一部を適用して、両方の基材を貼り合わせることを含む第2の製造方法を含む。
(第1の製造方法)
第1の製造方法は、上記工程1A〜2Aを含む。
工程1Aは、一方の基材の被接着面に、(B)を含む部分、(B)及び(A)を含む部分、(C)を含む部分、並びに(C)及び(A)を含む部分からなる群より選ばれる2以上の部分を形成して、硬化前の硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を形成する工程である。
第1の製造方法は、上記工程1A〜2Aを含む。
工程1Aは、一方の基材の被接着面に、(B)を含む部分、(B)及び(A)を含む部分、(C)を含む部分、並びに(C)及び(A)を含む部分からなる群より選ばれる2以上の部分を形成して、硬化前の硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を形成する工程である。
2以上の部分は、工程2Aにおいて、硬化性部分の(B)及び(C)が接触して、硬化反応が進行し、接着体が得られるのであれば、その形状は特に限定されず、上記した硬化前の組成物において述べたとおりである。また、基材における各部分の形成領域は、工程2Aにおいて、硬化性部分における(B)及び(C)が接触して、硬化反応が進行し、接着体が得られるのであれば特に限定されず、基材の一部に形成しても、基材の接着面全面に形成してもよい。
工程1Aにおいて、各部分の形成手段は特に限定されないが、硬化性部分の塗布により形成することができる。塗布方法は、対象とする被接着面の位置に精度よく塗布でき、かつ接着体全体に組成物を形成できる方法であれば特に限定されず、ディスペンサー及びスロットダイコーターによる方法が挙げられる。
基材への塗布は、硬化性部分を基材の接着面の一部又は全面に塗布することができる。例えば、基材の一部の領域に対して、第1成分を形成して、同一の基材の第1成分が形成されていない領域に対して、第2成分を形成することもできる。
工程1Aにおいて、各部分の形成量は、好ましいものも含め、上記の硬化前の組成物における第1成分及び第2成分について述べた通りである。
工程1Aにおいて、第1成分は、23℃における粘度が、1〜100,000cPであるのが好ましく、1〜10,000cPであるのがより好ましく、1〜1,000cPであるのがさらに好ましく、1〜500cPであるのが特に好ましい。また、第2成分は、23℃における粘度が、1〜100,000cPであるのが好ましく、100〜100,000cPであるのがより好ましく、1,000〜50,000cPであるのがさらに好ましく、3,000〜20,000cPであるのが特に好ましい。このような第1成分及び第2成分の粘度であれば、作業性が向上し、塗布時の展延性が良好であり、貼り合せ時に第1成分及び第2成分に含まれる各成分が混合しやすく反応性が向上し、硬化時間がさらに短縮される。
第1成分の合計及び第2成分の合計の含有量は、仮固定時間の速さの点から、第1成分の合計:第2成分の合計の重量割合で、1:1,000〜1,000:1とすることができ、1:500〜500:1であるのが好ましく、1:200〜200:1であるのがより好ましく、1:2〜1:100であるのがさらに好ましく、1:2〜1:50であるのが特に好ましい。
工程1Aとして、工程1A−1:一方の基材の被接着面に、(B)を含む層、(B)及び(A)を含む層、(C)を含む層、並びに(C)及び(A)を含む層からなる群より選ばれる2層以上を積層して、硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の積層体を形成する工程が好ましい。また、工程1Aとして、工程1A−2:一方の基材の被接着面に、(C)を含む層、(B)及び(A)を含む層、並びに(C)を含む層の3層をこの順で積層して、硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の積層体を形成する工程、及び1A−3:一方の基材の被接着面に、(B)及び(A)を含む層、(C)を含む層、並びに(B)及び(A)を含む層の3層をこの順で積層して、硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の積層体を形成する工程がより好ましい。工程1Aとして、1A−2が特に好ましい。
第1成分及び第2成分の塗布厚みは、特に限定されないが、それぞれ1〜1,000μmであるのが好ましく、仮固定時間の速さの点から、1〜500μmであるのがより好ましい。作業性の観点からは、第1成分の塗布厚みは1〜50μmであるのが好ましく、2〜30μmであるのがより好ましい。同様に、第2成分の塗布厚みは、10〜300μmであるのが好ましく、20〜200μmであるのがより好ましい。
なお、第1成分及び第2成分を複数形成する場合は、上記の塗布厚みは各部分の層厚みである。例えば、工程1A−2において、(C)を含む層、(B)及び(A)を含む層、並びに(C)を含む層の3層をこの順で形成する場合、2つの(C)を含む層の塗布厚みは、互いに独立に、1〜50μmであるのが好ましく、2〜30μmであるのがより好ましく、(B)及び(A)を含む層の塗布厚みは、1〜500μmであるのが好ましく、10〜300μmであるのがより好ましい。
なお、第1成分及び第2成分を複数形成する場合は、上記の塗布厚みは各部分の層厚みである。例えば、工程1A−2において、(C)を含む層、(B)及び(A)を含む層、並びに(C)を含む層の3層をこの順で形成する場合、2つの(C)を含む層の塗布厚みは、互いに独立に、1〜50μmであるのが好ましく、2〜30μmであるのがより好ましく、(B)及び(A)を含む層の塗布厚みは、1〜500μmであるのが好ましく、10〜300μmであるのがより好ましい。
第1成分の塗布厚みと第2成分の塗布厚みとの比は、特に限定されないが、1:1,000〜1,000:1であるのが好ましく、1:500〜500:1であるのがより好ましく、1:200〜200:1であるのがさらに好ましく、1:2〜1:100であるのが特に好ましく、1:2〜1:50であるのがより特に好ましい。
第1成分及び第2成分の塗布厚みの合計は、透明性の点から、2〜2000μmであるのが好ましく、2〜1000μmであるのがより好ましく、10〜500μmであるのが特に好ましい。
(C)を含む部分並びに(C)及び(A)を含む部分は、(C)及びさらに必要に応じて配合される他の成分を、万能混練機、ニーダーなどの混合手段によって均一に混練して調製することができる。また、(B)を含む部分並びに(B)及び(A)を含む部分は、(B)及びさらに必要に応じて配合される他の成分を用いて、第1成分と同様にして調製することができる。
工程2Aは、もう一方の基材を積層して、硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を介して、基材同士を貼り合わせる工程である。工程2Aにより、第1の製造方法により製造される接着体が得られる。
基材同士を貼り合せる方法は、特に限定されないが、真空下で貼り合せる方法及び大気圧下で貼り合せる方法が挙げられる。なお、本発明においては、第1成分に存在する(C)と第2成分に存在する(B)とが接触した後、1秒〜30分で硬化して、接着力を発揮することができる。硬化時間は、1秒〜20分であるのが好ましく、1秒〜15分であるのがより好ましい。そのため、工程2Aは、工程1Aから、1秒〜30分以内に行う必要があるが、工程1A及び工程2Aは、連続工程で行うことができる。
(第2の製造方法)
本発明の第2の製造方法は、工程1B〜3Bを含む。
工程1Bは、一方の基材の被接着面に、(B)を含む部分、(B)及び(A)を含む部分、(C)を含む部分、並びに(C)及び(A)を含む部分からなる群より選ばれる2以上の部分を形成する工程である。
工程1Bで得られる2以上の部分は、工程1Bで得られる2以上の部分と工程2Bで得られる1以上の部分と合わせた部分の組成が、本発明の硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の組成であれば、特に限定されない。また、工程1Bで得られる2以上の部分の組成が本発明の硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の組成であってもよい。
本発明の第2の製造方法は、工程1B〜3Bを含む。
工程1Bは、一方の基材の被接着面に、(B)を含む部分、(B)及び(A)を含む部分、(C)を含む部分、並びに(C)及び(A)を含む部分からなる群より選ばれる2以上の部分を形成する工程である。
工程1Bで得られる2以上の部分は、工程1Bで得られる2以上の部分と工程2Bで得られる1以上の部分と合わせた部分の組成が、本発明の硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の組成であれば、特に限定されない。また、工程1Bで得られる2以上の部分の組成が本発明の硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の組成であってもよい。
工程1Bにおいて、形成される部分は好ましいものも含め、工程1Aで述べたとおりである。工程1Bにおいて、各部分は層で形成されるのが好ましい。よって、工程1Bが工程1B−1:一方の基材の被接着面に、(B)を含む層、(B)及び(A)を含む層、(C)を含む層、並びに(C)及び(A)を含む層からなる群より選ばれる2以上の層を形成して、積層体を形成する工程であるのが好ましい。
工程2Bは、もう一方の基材の被接着面に、(B)を含む部分、(B)及び(A)を含む部分、(C)を含む部分、並びに(C)及び(A)を含む部分からなる群より選ばれる1以上の部分を形成する工程である。
工程2Bにおいて、形成される部分については、好ましいものを含め、工程1Aで述べたとおりである。
工程2Bにおいて、各部分は層で形成されるのが好ましい。よって、工程2Bが工程2B−1:もう一方の基材の被接着面に、(B)を含む層、(B)及び(A)を含む層、(C)を含む層、並びに(C)及び(A)を含む層からなる群より選ばれる1以上の層を形成して、積層体を形成する工程であるのが好ましい。
工程2Bにおいて、形成される部分については、好ましいものを含め、工程1Aで述べたとおりである。
工程2Bにおいて、各部分は層で形成されるのが好ましい。よって、工程2Bが工程2B−1:もう一方の基材の被接着面に、(B)を含む層、(B)及び(A)を含む層、(C)を含む層、並びに(C)及び(A)を含む層からなる群より選ばれる1以上の層を形成して、積層体を形成する工程であるのが好ましい。
第2の製造方法において、貼り合わせ時に(C)と(B)が接触するものが、速硬化の点で好ましいことから、工程1Bにおいて一方の基材の接着面に形成される部分と、工程2Bにおいてもう一方の基材の接着面に形成される部分との組が、(C)を含む部分と(B)及び(A)を含む部分との組、(C)及び(A)を含む部分と(B)を含む部分との組、並びに(C)及び(A)を含む部分と(B)及び(A)を含む部分との組であるのが好ましい。すなわち、工程1Bで最後に形成される部分及び工程2Bで最後に形成される部分の組が、前記した組であるのが好ましい。
さらに、第2の製造方法において、少ない工程で所望の接着体が得られることから、工程1B及び工程2Bが、工程1B−2及び工程2B−2、並びに、工程1B−3及び工程2B−3であるのが好ましい。ここで、工程1B−2は、一方の基材の被接着面に、(C)を含む層を積層し、次いで(B)及び(A)を含む層を積層して、積層体を得る工程である。工程2B−2は、もう一方の基材の被接着面に、(C)を含む層を積層して積層体を得る工程である。工程1B−3は、一方の基材の被接着面に、(B)及び(A)を含む層を積層し、次いで(C)を含む層を積層して、積層体を得る工程である。工程2B−3は、もう一方の基材の被接着面に、(B)及び(A)を含む層を積層して積層体を得る工程である。
例えば、工程2B−2において、(C)を含む層を積層し、次いで(B)及び(A)を含む層を積層する場合、(C)を含む層の塗布厚みは0.1〜50μmであるのが好ましく、0.1〜30μmであるのがより好ましく、(B)及び(A)を含む層の塗布厚みは、1〜500μmであるのが好ましく、10〜300μmであるのがより好ましい。また、工程2B−2:もう一方の基材の被接着面に、(C)を含む層を積層する場合、(C)を含む層の塗布厚みは、0.1〜50μmであるのが好ましく、0.1〜30μmであるのがより好ましい。
工程3Bは、工程1Bで得られる2以上の部分及び工程2Bで得られる1以上の部分を介して、工程1B及び工程2Bで得られる基材同士を、貼り合わせる工程である。工程3Bにより、本発明の第2の製造方法により製造される接着体が得られる。
工程3Bにおける基材同士を貼り合わせる工程は、好ましいものも含め、工程2Aで述べたとおりである。
工程3Bにおける基材同士を貼り合わせる工程は、好ましいものも含め、工程2Aで述べたとおりである。
第1及び第2の製造方法において、基材同士を貼り合わせて硬化、接着させる工程の後に、場合により50〜80℃の温度で加熱する工程を含んでいてもよい。これにより、硬化がより促進されて、接着力がより高くなる。加熱時間は、適宜設定することができるが、例えば、0.1分〜3時間とすることができる。
第1及び第2の製造方法は、画像表示装置の製造方法に有用である。すなわち、第1及び第2の製造方法において、一方の基材が、画像表示装置の画像表示部を有する基部であり、もう一方の基材が、画像表示装置の透光性の保護部であり、接着体が画像表示装置であるのが好ましい。なお、上述した好ましい製造方法において、画像表示部の基部には、必要に応じて外周縁部に組成物の流出を妨げるための段差を設けてもよい。
本発明の製造方法により得られる画像表示装置として、具体的には、画像表示装置が大型(50〜100インチ)のプラズマパネルディスプレイ等や、画像表示装置が小型(1〜50インチ未満)の携帯電話等が挙げられる。また、これらの画像表示装置は、タッチセンサーを含んでいてもよい。
<硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を用いた硬化物付き基材の製造方法>
本発明は硬化物付き基材の製造方法にも関する。本発明の硬化物付き基材の製造方法は、工程1C:基材上に、(B)を含む部分、(B)及び(A)を含む部分、(C)を含む部分、並びに(C)及び(A)を含む部分からなる群より選ばれる2以上の部分を形成して、硬化前の硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を形成する工程を含む。
工程1Cにより得られる、硬化前の硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を硬化させることにより、硬化物付き基材が得られる。なお、工程1Cにおける条件は、工程1Aで述べたとおりである。
本発明は硬化物付き基材の製造方法にも関する。本発明の硬化物付き基材の製造方法は、工程1C:基材上に、(B)を含む部分、(B)及び(A)を含む部分、(C)を含む部分、並びに(C)及び(A)を含む部分からなる群より選ばれる2以上の部分を形成して、硬化前の硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を形成する工程を含む。
工程1Cにより得られる、硬化前の硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を硬化させることにより、硬化物付き基材が得られる。なお、工程1Cにおける条件は、工程1Aで述べたとおりである。
なお、第1及び第2の製造方法において、硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を被接着面の一部に用いて接着体を製造することができる。また、硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を被接着面の一部に用いて、残りの部分をこの組成物とは組成が異なる接着剤(例えば、反応性が低い一剤型のポリオルガノシロキサン組成物である接着剤)を用いて接着体を製造してもよい。得られる硬化物の光学特性や接着性等の性質の均一性の観点から、本発明の硬化性ポリオルガノシロキサン組成物に含まれる(A)及び(B)と、この組成物とは組成が異なる接着剤に含まれるアルケニル基含有ポリオルガノシロキサン及びポリオルガノハイドロジェンシロキサンとは、前者の(A)と後者のアルケニル基含有ポリオルガノシロキサンが同一であり、前者の(B)と後者のポリオルガノハイドロジェンシロキサンが同じであることが好ましい。
なお、本発明は、上記した製造方法のために用いられる組成物にも関する。具体的には、本発明の組成物は、二つの基材を貼り合せるための接着剤であって、上記工程1A〜2Aを含む二つの基材を貼り合せるための接着剤として用いることができる。ここで、工程1A及び工程2Aとしては、好ましいものも含め上記のとおりである。また、本発明の組成物は、二つの基材を貼り合せるための接着剤であって、上記工程1B〜3Bを含む二つの基材を貼り合せるための接着剤として用いることができる。ここで、工程1B〜3Bとしては、好ましいものも含め上記のとおりである。このように、本発明の組成物は、各種基材を貼り合わせるための接着剤として用いることができる。本発明の組成物は、ブラウン管、液晶、プラズマ、有機EL等の画像表示装置の画像表示部の基部と透光性の保護部とを貼り合わせるための接着剤であるのが好ましい。
組成物において、第1成分に存在する(C)と第2成分に存在する(B)は接触した後、室温(例えば、20〜25℃)で硬化して、接着力を発揮する。すなわち、組成物は、第1成分及び第2成分を、それぞれ異なる容器中でそのまま貯蔵し、使用時にこれらを接触させることによってはじめて硬化させることができる。なお、組成物は(A)を含むことから、第1成分と第2成分との組として、第1成分が(C)を含む部分であり、第2成分が(B)を含む部分であるときを除く。
次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。表1〜表3に示す組成で、各成分を、混合することにより、実施例及び比較例の第1成分及び第2成分からなる組成物を調製した。
使用した各成分は、以下のとおりである。
A1:両末端がジメチルビニルシロキサン単位で閉塞され、中間単位がジメチルシロキサン単位からなるポリメチルビニルシロキサン(23℃での粘度82,000cP)
A2:両末端がジメチルビニルシロキサン単位で閉塞され、中間単位がジメチルシロキサン単位からなるポリメチルビニルシロキサン(23℃での粘度420cP)
A3:両末端がジメチルビニルシロキサン単位で閉塞され、中間単位がジメチルシロキサン単位からなるポリメチルビニルシロキサン(23℃での粘度15cP)
B1:平均単位式が[H(CH3)2SiO1/2]8[SiO4/2]4(水素量1.05重量%)
B2:両末端がジメチルハイドロジェンシロキサン単位で閉塞され、中間単位がジメチルシロキサン単位からなるポリメチルハイドロジェンシロキサン(23℃での粘度20cP)
C:塩化白金酸を1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンとモル比1:4で加熱することによって得られ、白金含有量が4.91重量%である錯体。
E1:両末端がトリメチルシロキサン単位で閉塞され、中間単位がジメチルシロキサン単位からなるポリメチルシロキサン(23℃での粘度100cP)
F1:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
使用した各成分は、以下のとおりである。
A1:両末端がジメチルビニルシロキサン単位で閉塞され、中間単位がジメチルシロキサン単位からなるポリメチルビニルシロキサン(23℃での粘度82,000cP)
A2:両末端がジメチルビニルシロキサン単位で閉塞され、中間単位がジメチルシロキサン単位からなるポリメチルビニルシロキサン(23℃での粘度420cP)
A3:両末端がジメチルビニルシロキサン単位で閉塞され、中間単位がジメチルシロキサン単位からなるポリメチルビニルシロキサン(23℃での粘度15cP)
B1:平均単位式が[H(CH3)2SiO1/2]8[SiO4/2]4(水素量1.05重量%)
B2:両末端がジメチルハイドロジェンシロキサン単位で閉塞され、中間単位がジメチルシロキサン単位からなるポリメチルハイドロジェンシロキサン(23℃での粘度20cP)
C:塩化白金酸を1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンとモル比1:4で加熱することによって得られ、白金含有量が4.91重量%である錯体。
E1:両末端がトリメチルシロキサン単位で閉塞され、中間単位がジメチルシロキサン単位からなるポリメチルシロキサン(23℃での粘度100cP)
F1:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
<実施例1〜14、比較例1〜4>
物性の評価は、下記のようにして行った。
(1)粘度
回転粘度計(ビスメトロン VDA−L)(芝浦システム株式会社製)を用いて、23℃における粘度を測定した。
物性の評価は、下記のようにして行った。
(1)粘度
回転粘度計(ビスメトロン VDA−L)(芝浦システム株式会社製)を用いて、23℃における粘度を測定した。
(2)仮固定時間
(実施例1〜12、比較例1〜4)
基材として、2枚のパラレルプレート(厚み1mm、直径25mm、アルミニウム製)を用いた。第1基材の全面に、第1成分を第1成分塗布厚になる量で塗布し、第2基材の全面に、第1成分を第1成分塗布厚になる量で塗布した。次いで、第1成分を塗布した第2基材上に、第2成分を第2成分塗布厚になる量で塗布した。第2成分を第2基材上に塗布した直後に、第1基材と第2基材とを第1成分及び第2成分を介して、第1成分及び第2成分の合計厚みが180μmになるように貼り合せて、第1基材及び第2基材の貼り合せ体を得た。貼り合せ体を得た直後に、仮固定時間の測定を開始した。
仮固定時間の測定は、25℃において、周波数10Hz、歪2%で粘弾性測定装置(ティー・エイ・インスツルメントジャパン株式会社製ARES)を用いて行った。貯蔵弾性率が150Paに到達した時間を仮固定時間とした。
(実施例13〜14)
基材として、2枚のパラレルプレート(厚み1mm、直径25mm、アルミニウム製)を用いた。第1基材の全面に、第1成分を第1成分塗布厚になる量で塗布し、第2基材の全面に、第2成分を第2成分塗布厚になる量で塗布した。第1基材と第2基材とを第1成分及び第2成分を介して、第1成分及び第2成分の合計厚みが180μmになるように貼り合せて、第1基材及び第2基材の貼り合せ体を得た。貼り合せ体を得た直後に、仮固定時間の測定を開始した。仮固定時間の測定は、上記と同じである。
(実施例1〜12、比較例1〜4)
基材として、2枚のパラレルプレート(厚み1mm、直径25mm、アルミニウム製)を用いた。第1基材の全面に、第1成分を第1成分塗布厚になる量で塗布し、第2基材の全面に、第1成分を第1成分塗布厚になる量で塗布した。次いで、第1成分を塗布した第2基材上に、第2成分を第2成分塗布厚になる量で塗布した。第2成分を第2基材上に塗布した直後に、第1基材と第2基材とを第1成分及び第2成分を介して、第1成分及び第2成分の合計厚みが180μmになるように貼り合せて、第1基材及び第2基材の貼り合せ体を得た。貼り合せ体を得た直後に、仮固定時間の測定を開始した。
仮固定時間の測定は、25℃において、周波数10Hz、歪2%で粘弾性測定装置(ティー・エイ・インスツルメントジャパン株式会社製ARES)を用いて行った。貯蔵弾性率が150Paに到達した時間を仮固定時間とした。
(実施例13〜14)
基材として、2枚のパラレルプレート(厚み1mm、直径25mm、アルミニウム製)を用いた。第1基材の全面に、第1成分を第1成分塗布厚になる量で塗布し、第2基材の全面に、第2成分を第2成分塗布厚になる量で塗布した。第1基材と第2基材とを第1成分及び第2成分を介して、第1成分及び第2成分の合計厚みが180μmになるように貼り合せて、第1基材及び第2基材の貼り合せ体を得た。貼り合せ体を得た直後に、仮固定時間の測定を開始した。仮固定時間の測定は、上記と同じである。
(3)イエローインデックス
(実施例1〜12、比較例1〜4)
基材として、ガラス板2枚(5cm×5cm×1mm厚)を使用した。第1成分を、第1基材の全面、及び、第2基材の全面に、第1成分塗布厚みとなる量で塗布した。次いで、第1成分を塗布した第1基材上に、第2成分を第2成分塗布厚みとなる量で塗布した。第2成分を第1基材上に塗布した直後に、25℃において、第1基材と第2基材とを、予め基材に配置したスペーサーによって、第1成分及び第2成分の合計厚みが180μmになるようにして、第1成分及び第2成分を介して貼り合わせて、第1基材及び第2基材の貼り合せ体を得た。貼り合せ体を、25℃において30分、70℃において30分熱処理して、第1成分及び第2成分の硬化物を介して、第1基材及び第2基材が接着されている接着体を得た。接着体を25℃の状態に戻した後に、変色の度合いの指標であるイエローインデックスを測定した。イエローインデックスの測定は、分光測式計((株)ミノルタ製CM−3500d)を用いて行なった。
(実施例13〜14)
基材として、ガラス板2枚(5cm×5cm×1mm厚)を使用した。第1成分を、第1基材の全面に、第1成分塗布厚となる量で塗布し、第2成分を、第2基材の全面に、第2成分塗布厚となる量で塗布した。25℃において、予め基材に配置したスペーサーによって、第1成分及び第2成分の合計厚みが180μmになるようにして、第1基材の上に第2基材を貼り合わせて第1基材及び第2基材の貼り合せ体を得た。貼り合せ体を、25℃において30分、70℃において30分熱処理して、第1成分及び第2成分の硬化物を介して、第1基材及び第2基材が接着されている接着体を得た。接着体を25℃の状態に戻した後に、イエローインデックスを測定した。イエローインデックスの測定は、上記と同じである。
(実施例1〜12、比較例1〜4)
基材として、ガラス板2枚(5cm×5cm×1mm厚)を使用した。第1成分を、第1基材の全面、及び、第2基材の全面に、第1成分塗布厚みとなる量で塗布した。次いで、第1成分を塗布した第1基材上に、第2成分を第2成分塗布厚みとなる量で塗布した。第2成分を第1基材上に塗布した直後に、25℃において、第1基材と第2基材とを、予め基材に配置したスペーサーによって、第1成分及び第2成分の合計厚みが180μmになるようにして、第1成分及び第2成分を介して貼り合わせて、第1基材及び第2基材の貼り合せ体を得た。貼り合せ体を、25℃において30分、70℃において30分熱処理して、第1成分及び第2成分の硬化物を介して、第1基材及び第2基材が接着されている接着体を得た。接着体を25℃の状態に戻した後に、変色の度合いの指標であるイエローインデックスを測定した。イエローインデックスの測定は、分光測式計((株)ミノルタ製CM−3500d)を用いて行なった。
(実施例13〜14)
基材として、ガラス板2枚(5cm×5cm×1mm厚)を使用した。第1成分を、第1基材の全面に、第1成分塗布厚となる量で塗布し、第2成分を、第2基材の全面に、第2成分塗布厚となる量で塗布した。25℃において、予め基材に配置したスペーサーによって、第1成分及び第2成分の合計厚みが180μmになるようにして、第1基材の上に第2基材を貼り合わせて第1基材及び第2基材の貼り合せ体を得た。貼り合せ体を、25℃において30分、70℃において30分熱処理して、第1成分及び第2成分の硬化物を介して、第1基材及び第2基材が接着されている接着体を得た。接着体を25℃の状態に戻した後に、イエローインデックスを測定した。イエローインデックスの測定は、上記と同じである。
(4)透過率
実施例1〜14及び比較例1〜4について上記「(3)イエローインデックス」と同じ方法で接着体を作成した。接着体について、透明の度合いの指標である、波長400nmでの透過率を、分光測式計((株)ミノルタ製CM−3500d)を用いて測定した。
実施例1〜14及び比較例1〜4について上記「(3)イエローインデックス」と同じ方法で接着体を作成した。接着体について、透明の度合いの指標である、波長400nmでの透過率を、分光測式計((株)ミノルタ製CM−3500d)を用いて測定した。
*ViAは、A1〜A3(実施例1〜実施例14及び比較例1〜比較例3)、又は、A1(比較例4)に含まれるケイ素原子に結合したビニル基の合計
*HBは、B1及びB2に含まれるケイ素原子に結合した水素原子の合計
*HB1は、B1に含まれるケイ素原子に結合した水素原子の合計
*HB2は、B2に含まれるケイ素原子に結合した水素原子の合計
*仮固定時間における「30分以上」は、30分経過した後であっても貯蔵弾性率が150Paに到達しないことを示す
実施例において、第1成分及び第2成分を接触させると、いずれも優れた速硬化性を示した。これらから、本発明によれば、硬化反応において放射線や加熱装置など特別な装置を用いる必要がなく、紫外線が透過しない部材や耐熱性の乏しい部材でも貼り合わせることができ、かつ湿気など外部環境の影響を受けずに硬化反応が可能であり、二つの基材を含む接着体を製造できることがわかる。一方、比較例は、硬化性ポリオルガノシロキサン組成物が本発明の規定を満たさないものである。比較例2の硬化物は、透過率が低く、透明性に劣っていた。加えて、比較例2の硬化物は、イエローインデックスが高く、変色が著しかった。また、比較例1、3及び4は、硬化性及び接着性を発揮するまで30分以上経過した。
本発明の硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の硬化物、及び硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を用いた接着体の製造方法は、各種基材の接着、特にブラウン管、液晶、プラズマ、有機EL等の画像表示装置の画像表示部を有する基部と透光性の保護部との接着において有用である。
Claims (17)
- (A)分子中に2個以上のアルケニル基を含有するアルケニル基含有ポリオルガノシロキサン;
(B)ケイ素原子に結合した水素原子を、分子中に2個以上有するポリオルガノハイドロジェンシロキサン;及び
(C)白金系触媒
を含み、
(A)のアルケニル基の個数ViAに対する、(B)のケイ素原子に結合した水素原子の個数HBの比が0.5〜100であり、
(C)が、白金系金属原子として、0.5〜1,000ppmである、
硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の硬化物であって、
硬化前の組成物が、
(B)を含む部分、
(B)及び(A)を含む部分、
(C)を含む部分、並びに
(C)及び(A)を含む部分
からなる群より選択される2以上の部分を含む、
硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の硬化物。 - 硬化前の組成物が
(B)を含む層、
(B)及び(A)を含む層、
(C)を含む層、並びに
(C)及び(A)を含む層
からなる群より選択される2以上の層を含む積層体である、
請求項1記載の硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の硬化物。 - 硬化前の組成物が、(B)を含む層、
(B)及び(A)を含む層、
(C)を含む層、並びに
(C)及び(A)を含む層
からなる群より選択される3層以上を含む積層体である、請求項1又は2記載の硬化物。 - 硬化前の組成物が、(B)及び(A)を含む層と、(C)を含む層とが交互に積層されている積層体である、請求項1〜3いずれか1項記載の硬化物。
- 硬化前の組成物が、両端に(C)を含む層を有する積層体である、請求項1〜4いずれか1項記載の硬化物。
- 硬化前の組成物が、両端に(B)及び(A)を含む層を有する積層体である、請求項1〜4いずれか1項記載の硬化物。
- 1つの基材の上に、請求項1〜6のいずれか1項記載の硬化物を有する、硬化物付き基材。
- 請求項1〜6のいずれか1項記載の硬化物を介して2つの基材が接着されている、2つの基材を含む接着体。
- (A)分子中に2個以上のアルケニル基を含有するアルケニル基含有ポリオルガノシロキサン;
(B)ケイ素原子に結合した水素原子を、分子中に2個以上有するポリオルガノハイドロジェンシロキサン;及び
(C)白金系触媒
を含み、
(A)のアルケニル基の個数ViAに対する、(B)のケイ素原子に結合した水素原子の個数HBの比が0.5〜100であり、
(C)が、白金系金属原子として、0.5〜1000ppmである、
硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を用いた二つの基材を含む接着体の製造方法であって、
工程1A:一方の基材の被接着面に、(B)を含む部分、(B)及び(A)を含む部分、(C)を含む部分、並びに(C)及び(A)を含む部分からなる群より選ばれる2以上の部分を形成して、硬化前の硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を形成する工程、及び
工程2A:もう一方の基材を積層して、硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を介して、基材同士を貼り合わせる工程
を含む、二つの基材を含む接着体の製造方法。 - 工程1Aが、工程1A−1:一方の基材の被接着面に、(B)を含む層、(B)及び(A)を含む層、(C)を含む層、並びに(C)及び(A)を含む層からなる群より選ばれる2層以上を積層して、硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の積層体を形成する工程である、請求項9記載の製造方法。
- 工程1Aが、工程1A−2:一方の基材の被接着面に、(C)を含む層、(B)及び(A)を含む層、並びに(C)を含む層の3層をこの順で積層して、硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の積層体を形成する工程である、請求項9記載の製造方法。
- 工程1Aが、工程1A−3:一方の基材の被接着面に、(B)及び(A)を含む層、(C)を含む層、並びに(B)及び(A)を含む層の3層をこの順で積層して、硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の積層体を形成工程である、請求項9記載の製造方法。
- (A)分子中に2個以上のアルケニル基を含有するアルケニル基含有ポリオルガノシロキサン;
(B)ケイ素原子に結合した水素原子を、分子中に2個以上有するポリオルガノハイドロジェンシロキサン;及び
(C)白金系触媒
を含み、
(A)のアルケニル基の個数ViAに対する、(B)のケイ素原子に結合した水素原子の個数HBの比が0.5〜100であり、
(C)が、白金系金属原子として、0.5〜1000ppmである、
硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を用いた二つの基材を含む接着体の製造方法であって、
工程1B:一方の基材の被接着面に、(B)を含む部分、(B)及び(A)を含む部分、(C)を含む部分、並びに(C)及び(A)を含む部分からなる群より選ばれる2以上の部分を形成する工程、
工程2B:もう一方の基材の被接着面に、(B)を含む部分、(B)及び(A)を含む部分、(C)を含む部分、並びに(C)及び(A)を含む部分からなる群より選ばれる1以上の部分を形成する工程、並びに
工程3B:工程1Bで得られる2以上の部分及び工程2Bで得られる1以上の部分を介して、工程1B及び工程2Bで得られる基材同士を、貼り合わせる工程
を含み、工程1Bで得られる部分及び工程2Bで得られる部分をあわせた部分の組成が、硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の組成である、二つの基材を含む接着体の製造方法。 - 工程1Bが、工程1B−1:一方の基材の被接着面に、(B)を含む層、(B)及び(A)を含む層、(C)を含む層、並びに(C)及び(A)を含む層からなる群より選ばれる2以上の層を形成して、積層体を形成する工程であり、
工程2Bが、工程2B−1:もう一方の基材の被接着面に、(B)を含む層、(B)及び(A)を含む層、(C)を含む層、並びに(C)及び(A)を含む層からなる群より選ばれる1以上の層を形成して、積層体を形成する工程である、
請求項13記載の製造方法。 - 工程1Bが、工程1B−2:一方の基材の被接着面に、(C)を含む層を積層し、次いで(B)及び(A)を含む層を積層して、積層体を得る工程であり、
工程2Bが、工程2B−2:もう一方の基材の被接着面に、(C)を含む層を積層して積層体を得る工程である、
請求項13又は14記載の製造方法。 - 工程1Bが、工程1B−3:一方の基材の被接着面に、(B)及び(A)を含む層を積層し、次いで(C)を含む層を積層して、積層体を得る工程であり、
工程2Bが、工程2B−3:もう一方の基材の被接着面に、(B)及び(A)を含む層を積層して積層体を得る工程である、
請求項13又は14記載の製造方法。 - 一方の基材が、画像表示装置の画像表示部を有する基部であり、もう一方の基材が、画像表示装置の透光性の保護部であり、接着体が、画像表示装置である、請求項9〜16いずれか1項記載の製造方法。
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