JP2015213958A - 熱間プレス成形品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明に係る熱間プレス成形品の製造方法は、Zn-Niめっき層が素地鋼板の表面に形成された表面処理鋼板に熱間プレスを施して熱間プレス成形品を製造する熱間プレス成形品の製造方法であって、Ac3変態点以上で1000℃以下の温度域に加熱した前記表面処理鋼板を、金型で挟んで100℃/s以上の冷却速度で550℃以下400℃以上の温度まで冷却する冷却工程と、前記表面処理鋼板の温度が550℃以下400℃以上となったときにプレス成形を行うプレス成形工程と、前記表面処理鋼板を金型で挟んだまま保持して前記表面処理鋼板を焼入れる焼入れ工程とを備えたことを特徴とするものである。
【選択図】 図1
Description
このような問題を解決するものとして、高温に加熱した素材鋼板を、金型を用いて所望の形状に熱間プレス成形しつつ金型内で抜熱して焼入れし、熱間プレス成形後の部品を高硬度化する技術が知られている。
例えば、特許文献1には900℃前後のオーステナイト単相域まで加熱したブランク板(鋼板)に熱間プレスを施して所定形状の部品を製造するに際し、熱間プレス成形と同時に金型内で焼入れを行うことで、部品の高強度化を図る技術が提案されている。
しかしながら、熱間プレス成形部材の表面には、上記のマクロクラックではなく、めっき層-地鉄界面から地鉄内部方向への深さが約30μm以下であって、割れ部の界面にはZnが検出されない微小割れが発生することが知られている。この微小割れはマイクロクラックと称され、めっき層-地鉄界面を貫通して地鉄(素地鋼板)の内部にまで至り、熱間プレス成形部材の諸特性(耐疲労特性等)に悪影響を及ぼす。
マクロクラックは、例えば、ハット断面部材をプレス成形する際に、ダイ肩R部のパンチ接触側のような引張り歪のみが生ずる部分でも発生するが、一方、マイクロクラックはそのような部分では発生せず、縦壁部のダイ接触側のような(曲げ)圧縮の後、(曲げ戻し)引張り歪を受けるところで発生するものであり、両者ではその発生のメカニズムが異なると推察される。
また、特許文献3で提案された技術では、表面処理鋼板全体をめっき層の凝固点以下の温度まで冷却した状態でプレス成形するとしており、プレス成形を開始する温度の下限値が示されておらず、成形温度の低下によりプレス成形時の鋼板の強度上昇が起こり、形状凍結性(スプリングバック等がわずかでプレス下死点での形状が維持される性質)が低下するという問題もある。
マイクロクラックの生成メカニズムについては明確になっていないが、Zn系のめっき鋼板を高温でプレス成形することによりめっき鋼板の表面に微小割れが発生し、Zn-Niめっきにおいても同様に起こる。この微小割れは、めっき層-地鉄(鋼板素地)界面からの深さが30μm程度の微小な割れであり、めっき層-地鉄(鋼板素地)界面を貫通して素地鋼板内部に至る。このような問題に対し、本発明者らが種々の検討を行った結果、熱間プレス成形時の温度を低くすることによりマイクロクラックが抑制されることを明らかにした。更に、上記のようなプレス成形時の温度低下により、従来の熱間プレス用めっき鋼板で問題となっている金型へのめっき付着量も大幅に低減する効果が得られた。
そこで、本発明者らは、プレス時にマイクロクラックが発生するような加工を受ける部分のみ冷却した後、熱間プレス成形することに到達した。本発明者らは、加工歪みがマイクロクラックの発生に及ぼす影響を種々検討した結果、単なる引張り、圧縮変形や曲げ変形のみではマイクロクラックは発生せず、一旦曲げられた部分が再度伸ばされる、曲げ-曲げ戻し変形を受ける部分でマイクロクラックが発生することを明らかにした。
本発明は、上記のような知見に基づいてなされたものであり、具体的には以下の構成を備えてなるものである。
以下、熱間プレス成形部材の素材、冷却工程(S1)、プレス成形工程(S2)、焼入れ工程(S3)について詳細に説明する。
熱間プレス成形部材の素材としては、素地鋼板の表面にZn-Niめっき層が設けられたものを用いる。鋼板表面にZn-Niめっき層を設けることにより、熱間プレス成形後の部材の耐食性を確保することができる。
素地鋼板表面にZn-Niめっき層を形成する方法は特に限定されず、溶融めっき、電気めっきなどいずれの方法でもよい。めっきの付着量は、片面あたり10g/m2以上90g/m2以下とすることが好ましい。
冷却工程(S1)は、加熱した表面処理鋼板1を金型で挟んで100℃/s以上の冷却速度で550℃以下400℃以上の温度まで冷却する工程である。
加熱した表面処理鋼板1を金型で挟むタイミングとしては、Zn-Niめっき層が金型に付着する危険性から800℃以下とすることが好ましく、熱間プレス成形後の強度確保の点から670℃以上とすることが好ましい。
この点をさらに詳細に説明する。
図2は金属組織と温度、冷却時間との関係を示す模式図である。図2(a)は成形開始温度が高い場合を示しており、成形開始後、金型への抜熱によって急冷され、マルテンサイト単相組織となる。
他方、図2(b)に示すように、成形開始温度が低い場合には、成形開始前にフェライトやベイナイトが生成し、プレス成形後の部材強度が低下する。
本発明では、プレス成形開始温度を下げているため、図2(b)の形態となるが、それをプレス開始前に金型で挟むという急冷が可能な冷却工程を採用することで、図3の破線の曲線で示すように、成形開始温度を低くしながらも、マルテンサイト単相組織とすることができる。
素材は板厚1.6mmで、Zn-12%Niのめっきを片面あたり60g/m2の付着量で両面に施したZn-Niめっき鋼板を用いた。加熱温度:900℃、金型冷却開始温度:約700℃、しわ押え力(BHF):10tonf、下死点保持時間:15sとした。
金型で鋼板を挟むことによる鋼板の温度変化については、図6に示す鋼板9に0.5φのシース熱電対を挿入して鋼板9の温度を2回に亘って測定した。
図7はその結果を示すグラフであり、縦軸が温度(℃)、横軸が時間(s)を示している。また、図8は図7における破線で囲んだ部分の横軸を拡大して示すグラフである。
金型冷却による温度変化は、図8に示すように、約190℃/sであり急冷が可能であることが分かる。
図12(a)はブランクホルダ5の待機位置をパンチ7上面よりも上側に設定し、ダイ3とブランクホルダ5で表面処理鋼板1を挟んだ後、パンチ7に接触するまでのスライドの移動時に冷却を行う。このとき、スライドの移動速度により表面処理鋼板1の冷却時間は制御可能となる。プレス成形が開始してからは、生産性や表面処理鋼板1の温度低下に伴うプレス成形性の低下などを防ぐためにスライドの移動速度は速い方が好ましく、必要に応じてプレス成形前とプレス成形中のスライドの移動速度を変えることが望ましい。ただし、プレス機によっては上記のようなスライドの移動速度を自由に変えることが困難な場合もあり、プレス成形前の移動速度に対してプレス成形中のスライドの移動速度が同じかそれ以下となっても、スライドの移動時に金型による冷却効果が得られるため、本発明の効果を損なうものではない。また、プレス成形前の金型での冷却を停止してプレス成形を開始するプレス成形開始温度は、通常、冷却時間で制御されるが、金型の表面に熱電対などの測温素子を設置し、表面処理鋼板1の温度を直接測定して鋼板の表面温度を制御することも可能である。さらに、連続プレス時において金型の温度上昇を抑え冷却速度のばらつきを低減するために、ダイ3やブランクホルダー5内に水冷配管を設けて金型の冷却を行ったり、ダイ3やブランクホルダー5の表面に熱伝導率の高い材質のものを用いることも可能である。
さらに、図12(c)のようにブランクホルダ5の待機位置をパンチ7上面よりも上側に設定し、ダイ3とブランクホルダ5で表面処理鋼板1を挟んで一定時間停止した後、スライドを移動させ、成形を行ってもよい。この場合は、停止時間と表面処理鋼板1とパンチ7が接触するまでのスライドの移動時間がプレス成形前の表面処理鋼板1の冷却時間となる。
また、図12(d)はパッド10を活用した例となるが、非加工部については早く冷却を開始することが好ましく、パッド10を活用してプレス成形前に非加工部分にパッド10を当接させて冷却を開始してもよい。
なお、図12(d)は、図12(a)に対してパッド10を活用した例となっているが、図12(b)および図12(c)の例についても同様にパッド10を活用することができる。
なお、使用するプレス機については特に限定されないが、図12(a)でスライドの移動速度を変化させる場合や、図12(b)および図12(c)のようにスライドを一旦停止させるような制御を行う場合はサーボプレス機の使用が必要となる。
焼入れ工程は、表面処理鋼板1を金型で挟んだまま保持して表面処理鋼板1を焼入れる工程である。プレス成形後に金型により表面処理鋼板1を焼入れるためには、プレス成形後に下死点においてスライドを停止することが好ましい。停止時間は金型による抜熱量により異なるが3秒以上とすることが好ましい。
なお、金型内に所定時間保持して素地鋼板を焼入れ組織とするには、例えば、質量%で、C:0.15%以上0.50%以下、Si:0.05%以上2.00%以下、Mn:0.50%以上3.00%以下、P:0.10%以下、S:0.050%以下、Al:0.10%以下、N:0.010%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有する熱延鋼板や冷延鋼板を用いることができる。各成分の限定理由を以下に説明する。ここで、成分の含有量を示す「%」は特に断らない限り「質量%」を意味する。
Cは鋼の強度を向上させる元素であり、熱間プレス部材の高強度化のためにはその量を0.15%以上とすることが好ましい。一方、C量が0.50%を超えると、熱間プレス成形部材の溶接性や素材(素地鋼板)のブランキング性が著しく低下する。したがって、C含有量は0.15%以上0.50%以下とすることが好ましく、0.20%以上0.40%以下とすることがより好ましい。
SiはCと同様に鋼の強度を向上させる元素であり、熱間プレス部材の高強度化のためにはその量を0.05%以上とすることが好ましい。一方、Si量が2.00%を超えると、素地鋼板を製造する際、熱間圧延時に赤スケールと呼ばれる表面欠陥の発生が著しく増大する。したがって、Si含有量は0.05%以上2.00%以下とすることが好ましく、0.10%以上1.50%以下とすることがより好ましい。
Mnは鋼の焼入れ性を高める元素であり、熱間プレス成形後の冷却過程で素地鋼板のフェライト変態を抑制して焼き入れ性を向上させるのに効果的な元素である。また、MnはAc3変態点を低下させる作用を有するため、熱間プレス前の表面処理鋼板1の加熱温度を低温下するのに有効な元素である。このような効果の発現のためには、Mn含有量を0.50%以上とすることが好ましい。一方、Mn量が3.00%を超えると、Mnが偏析して素地鋼板および熱間プレス成形部材の特性の均一性が低下する。したがってMn含有量は0.50%以上3.00%以下とすることが好ましく、0.75%以上2.50%以下とすることがより好ましい。
P含有量が0.10%を超えると、Pが粒界に偏析して素地鋼板および熱間プレス成形部材の低温靭性が低下する。したがって、P含有量は0.10%以下とすることが好ましく、0.01%以下とすることがより好ましい。
SはMnと結合して粗大な硫化物を形成し、鋼の延性低下を招く元素である。そのため、S含有量は極力低減することが好ましいが、0.050%までは許容できる。したがって、S含有量は0.050%以下とすることが好ましく、0.010%以下とすることがより好ましい。
Al含有量が0.10%を超えると酸化物系介在物の増加を招き、鋼の延性が低下する。したがって、Al含有量は0.10%以下とすることが好ましく、0.07%以下とすることがより好ましい。但し、Alは脱酸材としての作用を有し、鋼の清浄度向上の観点からは、その含有量を0.01%以上とすることが好ましい。
N含有量が0.010%を超えると、素地鋼板中にAlN等の窒化物が形成され、熱間プレス時の成形性の低下を招く。したがって、N含有量は0.010%以下とすることが好ましく、0.005%以下とすることがより好ましい。
Cr:0.01%以上0.50%以下、V:0.01%以上0.50%以下、Mo:0.01%以上0.50%以下、Ni:0.01以上0.50%以下のうちの少なくとも1種以上。
Cr、V、Mo、Niはいずれも鋼の焼き入れ性を向上させるのに有効な元素である。この効果は、いずれの元素の場合も含有量を0.01%以上とすることにより得られる。しかし、Cr、V、Mo、Niはいずれも含有量が0.50%を超えると上記効果は飽和し、コストアップの要因となる。したがって、Cr、V、Mo、Niのいずれか1種以上を含有する場合には、それぞれ含有量を0.01%以上0.50%以下とすることが好ましく、0.10%以上0.40%以下とすることがより好ましい。
Tiは鋼の強化に有効である。Tiによる強度上昇効果は、その含有量を0.01%以上とすることで得られ、本発明で規定した範囲内であれば、鋼の強化に使用して差し支えない。しかし、含有量が0.20%を超えるとその効果は飽和し、コストアップの要因となる。従って、Tiを含有する場合には0.01%以上0.20%以下とすることが好ましく、0.01%以上0.05%以下とすることがより好ましい。
Nbも鋼の強化に有効である。Nbによる強度上昇効果は、その含有量を0.01%以上とすることで得られ、本発明で規定した範囲内であれば、鋼の強化に使用して差し支えない。しかし、含有量が0.10%を超えるとその効果は飽和し、コストアップの要因となる。従って、Nbを含有する場合には0.01%以上0.10%以下とすることが好ましく、0.01%以上0.05%以下とすることがより好ましい。
Bは鋼の焼入れ性を高める元素であり、熱間プレス成形後に素地鋼板が冷却される際、オーステナイト粒界からのフェライトの生成を抑制して焼入れ組織を得るのに有効な元素である。その効果はB含有量を0.0002%以上で得られるが、0.0050%を超えるとその効果は飽和し、コストアップの要因となる。したがって、Bを含有する場合には、その含有量を0.0002%以上0.0050%以下とすることが好ましい。より好ましくは0.0005%以上0.0030%以下である。
Sbは熱間プレス成形前に鋼板を加熱してから熱間プレス成形の一連の処理によって鋼板を冷却するまでの間に、素地鋼板表層部に生じる脱炭層を抑制する効果を有する。このような効果の発現のためには、Sb含有量を0.003%以上とすることが好ましい。しかし、Sb含有量が0.030%を超えると素地鋼板製造時に圧延荷重の増大を招き、生産性の低下が懸念される。したがって、Sbを含有する場合には、その含有量を0.003%以上0.030%以下とすることが好ましく、0.005%以上0.010%以下とすることがより好ましい。
素地鋼板の表面に、Zn-Niめっき層を形成して表面処理鋼板1とする際の条件も、特に限定されない。素地鋼板として熱延鋼板(酸洗鋼板)を用いる場合には、熱延鋼板(酸洗鋼板)にZn-Niめっき処理を施すことにより、表面処理鋼板1とすることができる。
表1に示す成分を有する鋼を溶製して鋳片として、該鋳片を1200℃に加熱し、870℃の仕上げ圧延終了温度で熱間圧延を施した後、600℃で巻き取り、熱延鋼板とした。
Ac3(℃)=910-203√[C]+44.7×[Si]-30×[Mn]+700×[P]+400×[Al] ・・・(1)
なお、(1)式において、[C]、[Si]、[Mn]、[P]、[Al]は、各元素(C、Si、Mn、P、Al)の含有量(質量%)である。
以上のようにして得られた冷延鋼板を素地鋼板とし、素地鋼板の表面に、純Znめっき層、Zn-Feめっき層、Zn-Niめっき層の各めっき層を形成して表面処理鋼板1とした。各めっき層は、以下の条件で形成した。
冷延鋼板を連続溶融亜鉛めっきラインに通板し、10℃/sの昇温速度で800℃以上900℃以下の温度域まで加熱し、該温度域に10s以上120s以下滞留させた後、15℃/sの冷却速度で460℃以上500℃以下の温度域まで冷却し、450℃の亜鉛めっき浴に浸漬することにより、Znめっき層を形成した。Znめっき層の付着量は、ガスワイピング法により所定の付着量に調整した。
冷延鋼板を連続溶融亜鉛めっきラインに通板し、10℃/sの昇温速度で800℃以上900℃以下の温度域まで加熱し、該温度域に10s以上120s以下滞留させた後、15℃/sの冷却速度で460℃以上500℃以下の温度域まで冷却し、450℃の亜鉛めっき浴に浸漬することにより、Znめっき層を形成した。Znめっき層の付着量は、ガスワイピング法により所定の付着量に調整した。ガスワイピング法により所定の付着量に調整した後、直ちに合金化炉で500〜550℃に加熱して5〜60s保持することにより、Zn-Feめっき層を形成した。めっき層中のFe含有量は、合金化炉での加熱温度や該加熱温度での滞留時間を上記の範囲内で変更することにより、所定の含有量とした。
冷延鋼板を連続焼鈍ラインに通板し、10℃/sの昇温速度で800℃以上900℃以下の温度域まで加熱し、該温度域に10s以上120s以下滞留させた後、15℃/sの冷却速度で500℃以下の温度域まで冷却した。次いで、脱脂、酸洗した後、200g/Lの硫酸ニッケル六水和物、10〜300g/Lの硫酸亜鉛七水和物を含有するpH1.3、浴温50℃のめっき浴中、30〜100A/dm2の電流密度で10〜100s通電する電気めっき処理を行うことにより、Zn-Niめっき層を形成した。めっき層中のNi含有量は、硫酸亜鉛七水和物の濃度や電流密度を上記の範囲内で適宜調整することにより、所定の含有量とした。また、Zn-Niめっき層の付着量は、通電時間を上記の範囲内で適宜調整することにより、所定の付着量とした。
また、得られたプレス成形部材の形状精度について図16に示すハット部材の離型後の成形品幅Wと金型形状での成形品幅W0の差(W−W0)を口開き量として評価した。その結果も併せて表2に示してある。
比較例3、4をみると、マイクロクラックは発生していないが、口開き量が8mm〜10mmである。これにより、冷却時間が長すぎて、鋼板の成形開始温度が400℃未満となった場合には、鋼板の強度が上昇するため、形状凍結性の低下が起こることが実証された。
さらに、比較例6、7ではガス冷却である程度まで緩冷却しプレスした後での焼入れとなったため、プレス後サンプルの硬度が低下している。
3 ダイ
5 ブランクホルダ
7 パンチ
9 鋼板
10 パッド
11 マイクロクラック
13 めっき層
15 素地鋼板
16 熱電対
Claims (6)
- Zn-Niめっき層が素地鋼板の表面に形成された表面処理鋼板に熱間プレスを施して熱間プレス成形品を製造する熱間プレス成形品の製造方法であって、
Ac3変態点以上で1000℃以下の温度域に加熱した前記表面処理鋼板を、金型で挟んで100℃/s以上の冷却速度で550℃以下400℃以上の温度まで冷却する冷却工程と、前記表面処理鋼板の温度が550℃以下400℃以上となったときにプレス成形を行うプレス成形工程と、前記表面処理鋼板を金型で挟んだまま保持して前記表面処理鋼板を焼入れる焼入れ工程とを備えたことを特徴とする熱間プレス成形品の製造方法。 - 前記冷却工程はダイとブランクホルダで前記表面処理鋼板を挟み、ダイの移動を停止又は移動速度を前記プレス成形工程の移動速度よりも遅くして行うことを特徴とする請求項1に記載の熱間プレス成形品の製造方法。
- 前記冷却工程はダイとブランクホルダで前記表面処理鋼板を挟み、前記プレス成形工程は前記ブランクホルダを前記表面処理鋼板から離してしわ押さえなしでフォーム成形することを特徴とする請求項1又は2に記載の熱間プレス成形品の製造方法。
- 前記冷却工程はダイとブランクホルダで前記表面処理鋼板を挟み、前記プレス成形工程は前記ダイとブランクホルダで前記表面処理鋼板を挟んだ状態でドロー成形することを特徴とする請求項1又は2に記載の熱間プレス成形品の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の方法により製造されたことを特徴とする熱間プレス成形品。
- 前記表面処理鋼板におけるZn-Niめっき層中のNi含有量が質量%で9%以上25%以下であることを特徴とする請求項5に記載の熱間プレス成形品。
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