JP2015208297A - 脂肪代替用組成物およびそれを含有する食品 - Google Patents

脂肪代替用組成物およびそれを含有する食品 Download PDF

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口 徳 寿 濱
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Fumi Kageshima
嶋 富 美 影
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野 あけみ 柿
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Hirokazu Hirai
井 宏 和 平
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Toshihisa Taguchi
口 俊 久 田
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田 正 保 高
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Abstract

【課題】新たな脂肪代替用組成物および当該脂肪代替用組成物を含有する食品の提供。
【解決手段】DE70〜100の澱粉分解物を加熱縮合させて得られた糖縮合物からなる難消化性グルカンまたはその還元処理物を含んでなる、脂肪代替用組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、難消化性グルカンを含有する脂肪代替用組成物および前記脂肪代替用組成物を含有する食品に関する。
近年、消費者の健康志向が高まる中、低カロリー・低脂肪な飲食品への需要が高まっており、様々な低カロリー食品や低脂肪食品が開発されている。低脂肪食品においては、食品から脂肪を除去することや脂肪含有原料の添加量を削減することで食品中の脂肪分を削減する必要がある。しかし、単純に脂肪を低減しただけでは脂肪由来のコク、風味、テクスチャー、ボディ感が食品から失われてしまうため、食品の価値が大きく損なわれその利用用途も限られてしまう。そこで、脂肪分を削減した食品には、脂肪様の風味や香味を食品に付与するために脂肪代替物が添加されている。
上記背景をもとに、脂肪代替物として種々の素材が開発・報告されている。例えば、特許文献1にはクリーム状イヌリン組成物を脂肪代替物として利用する技術が記載されている。特許文献2には酸化澱粉を脂肪代替物として利用する技術が記載されている。特許文献3には脱分枝処理した澱粉加水分解物を脂肪代替物として利用する技術が記載されている。特許文献4にはポリデキストロースを脂肪代替物として利用する技術が記載されている。
しかしながら、イヌリンはキクイモやチコリ等の植物から抽出するかスクロースにイヌリン合成酵素を作用させて製造する必要があるため、コスト面で難点がある。脱分枝処理澱粉加水分解物も特殊な酵素で澱粉を処理する必要があるため、イヌリンと同様にコストが実用化を妨げている。また、酸化澱粉に関しては、食品のテクスチャーが異なるという課題を有している。さらに、ポリデキストロースは安価に製造可能でありコスト面では優れているが、原料にクエン酸やソルビトールを使用しているため、味質の面ではわずかな酸味や雑味、渋味を有しており、飲食品自体の風味を阻害してしまう場合があり、飲食品に多用することが難しかった。
このように食品に脂肪特有のコクやテクスチャーを付与可能であり、さらに食品自体の風味を害さない新たな脂肪代替物の開発が望まれており、脂肪代替物の選択肢を広げる意味においても新たな素材の開発が必要である。
特開2008−173115号公報 特開平6−189699号公報 特表2005−527214号公報 特開平2−242656号公報
本発明は、新たな脂肪代替用組成物および当該脂肪代替用組成物を含有する食品を提供することを目的とする。
本発明者らは、DE70〜100の澱粉分解物を加熱縮合させて得られた糖縮合物からなる難消化性グルカンを脂肪代替物として各種食品に添加すると食品の風味等を損なうことなく脂肪を削減可能であることを見出した。本発明はこの知見に基づくものである。
本発明によれば以下の発明が提供される。
(1)DE70〜100の澱粉分解物を加熱縮合させて得られた糖縮合物からなる難消化性グルカンまたはその還元処理物を含んでなる、脂肪代替用組成物。
(2)難消化性グルカンが、活性炭を添加して加熱縮合させて得られた糖縮合物であることを特徴とする、上記(1)に記載の脂肪代替用組成物。
(3)上記(1)または(2)に記載の脂肪代替用組成物を2〜50質量%含有することを特徴とする食品。
(4)食品が乳脂肪含有食品である、上記(3)に記載の食品。
(5)DE70〜100の澱粉分解物を加熱縮合させて得られた糖縮合物からなる難消化性グルカンまたはその還元処理物を脂肪代替物として添加することを特徴とする、低脂肪または無脂肪食品の製造方法。
本発明によれば、脂肪代替物として難消化性グルカンを食品に添加することで、食品に粘度やボディ感、コク味などの低減した脂肪感を補完する食感を付与することができることから、風味・味質を害することなく、脂肪を削減できる点で有利である。特に、乳脂肪含有食品においては、乳脂肪特有のコクや風味を脂肪代替物で代替するのが困難であり、既存の脂肪代替物ではその効果が不十分で満足のいく品質は得られていなかったが、本発明によれば、脂肪代替物として難消化性グルカンを添加することで、脂肪削減により低下した無脂肪あるいは低脂肪の乳脂肪含有食品の風味を向上させることができる点で有利である。また、本発明によれば、水溶性食物繊維である難消化性グルカンを食品に添加することで食物繊維の強調表示が可能となり、食品の価値をより一層高めることができる点で有利である。すなわち、本発明によれば、消費者の健康志向に対応した食品素材とそれを用いた食品を提供することができる。
発明の具体的な説明
本発明において「難消化性グルカン」とは、難消化性のグルカン(グルコースポリマー)を意味し、具体的には、DE70〜100の澱粉分解物の加熱縮合産物、すなわち、DE70〜100の澱粉分解物を加熱処理により縮合反応させて得られた糖縮合物である。本発明で脂肪代替に用いられる難消化性グルカンは水溶性食物繊維を豊富に含有しており、その水溶性食物繊維含量が70%以上のものを用いることができ、好ましくは水溶性食物繊維含量が80%以上のもの、より好ましくは水溶性食物繊維含量が90%以上のものを用いることができる。ここで、水溶性食物繊維含量(%)は高速液体クロマトグラフ法(酵素−HPLC法)により測定されたものとする。
難消化性グルカンの原料となる澱粉分解物としては、DEが70〜100である澱粉分解物を使用することができる。ここで、「DE(Dextrose Equivalent)」とは、澱粉分解物の分解度合いの指標であり、試料中の還元糖をブドウ糖として固形分に対する百分率で示した値である。難消化性グルカンの水溶性を高め、難消化性グルカン中の難消化性成分含量を高める観点から、難消化性グルカンに澱粉由来の構造が残存しないようにすることが好ましく、この観点からDEは70以上が望ましく、好ましくは75以上、より好ましくは80以上である。すなわち、澱粉分解物のDEは75〜100であることが好ましく、より好ましくは80〜100である。
本発明の難消化性グルカンの製造に用いられる「DE70〜100の澱粉分解物」は、DEが所定の範囲を満たす澱粉分解物であれば特に限定されず、例えば、マルトオリゴ糖、水飴、粉飴、グルコース等が挙げられる。その性状も特に制限はなく、結晶品(無水ぶどう糖結晶、含水ぶどう糖結晶等)、液状品(液状ぶどう糖、水飴等)、非結晶粉末品(粉飴等)のいずれでもよいが、ハンドリングや製造コストを考慮すると液状品を用いることが好ましい。特に、グルコースの精製工程で生じる副産物である「ハイドロール」と呼ばれるグルコースシラップの使用は、リサイクルや原料コスト削減の観点から極めて有利である。
本発明において「加熱縮合」は、澱粉分解物を加熱条件下において縮合させることをいい、加熱縮合方法は当業者に周知である。加熱縮合における加熱条件は、縮合反応により水溶性食物繊維が豊富な難消化性グルカン(糖縮合物)が得られれば特に制限はなく、当業者であれば加熱条件を適宜決定することができるが、得られる難消化性グルカン(糖縮合物)の食物繊維含量が70%以上となるように加熱することが好ましく、例えば、100℃〜300℃で1〜180分間、より好ましくは、150℃〜250℃で1〜180分間加熱処理することができる。
本発明において「加熱縮合」は、無触媒条件下で行ってもよいが、縮合反応の反応効率の点から触媒存在下で行うことが好ましい。前記触媒としては糖縮合反応を触媒するものであれば特に制限はないが、無機酸(塩酸、リン酸、硫酸、硝酸等)、有機酸(クエン酸、フマル酸、酒石酸、コハク酸、酢酸等)、鉱物性物質(珪藻土、活性白土、酸性白土、ベントナイト、カオリナイト、タルク等)および活性炭(水蒸気炭、塩化亜鉛炭、スルホン化活性炭、酸化活性炭)を用いることができる。得られる水溶性食物繊維素材の着色や安全性、更には味・臭いを考慮すると、触媒として活性炭を用いることが好ましい。また、前記各触媒は2種以上を組み合わせて使用することもできる。
本発明では、上記手法で得られた難消化性グルカンをそのまま脂肪代替物として用いてもよいが、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、グルコアミラーゼ(アミログルコシダーゼ)、イソアミラーゼ、プルラナーゼ、α−グルコシダーゼ、シクロデキストリングルカノトランスフェラーゼ、β−グルコシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、β−マンノシダーゼ、β−フルクトシダーゼ、セロビアーゼ、ゲンチオビアーゼなどの糖質分解酵素で酵素処理して得られる酵素分解物、膜分離、ゲルろ過クロマトグラフィー、カーボン−セライトカラムクロマトグラフィー、強酸性陽イオン交換カラムクロマトグラフィー、エタノール沈殿、溶媒沈殿などの分画処理によって特定重合度の糖質を除去した分画処理物、更には還元処理(水素添加反応)によって糖の還元末端のグルコシル基のアルデヒド基を水酸基に還元した還元処理物を脂肪代替物として用いてもよい。
本発明において「脂肪代替用組成物」は、難消化性グルカンを含有することを特徴としているが、本発明の効果を妨げない範囲でさらに別の成分を含んでいてもよい。例えば、難消化性グルカン以外の脂肪代替素材(イヌリン、ポリデキストロース等)、糖類、甘味料(高甘味度甘味料を含む)、着色料、乳化剤、香料、保存料、増粘多糖類等を挙げることができる。脂肪代替用組成物中の難消化性グルカンの含量は特に制限は無いが、本発明の効果や他の成分の存在を考慮すると、固形分当り2〜99質量%とすることができる。
本発明の脂肪代替用組成物を添加する食品は脂肪代替が必要とされている限り特に制限はなく、広く飲料を含む食品全般に添加することで様々な低脂肪食品を得ることができる。
後述の実施例から明らかなように、本発明の脂肪代替用組成物は乳脂肪代替効果が顕著であるため、乳脂肪含有食品に添加することが好ましい。その添加量は特に制限は無いが、難消化性グルカンが食品当たり2〜50質量%含まれるように配合することができる。乳脂肪含有食品としては、ヨーグルト、アイスクリーム、生クリーム、ホイップクリーム、バタークリーム、カスタードクリーム、バター、チーズ、乳飲料、プリン、ムース、ババロア等を挙げることができ、アイスクリーム、バタークリームが特に好ましい。
本発明によればDE70〜100の澱粉分解物を加熱縮合させて得られた糖縮合物からなる難消化性グルカンまたはその還元処理物を脂肪代替物として添加することを特徴とする、低脂肪または無脂肪食品の製造方法が提供される。本発明の製造方法によれば難消化性グルカンまたはその還元処理物を脂肪代替物として食品原料に添加することで食品の風味や香味を悪化させずに脂肪含量を低減させることができる。すなわち、製造対象食品が乳脂肪含有食品のときは、牛乳の替わりに脱脂粉乳や無脂肪乳を原料として使用することができる。
本発明の製造方法では、本発明の効果を妨げない範囲で難消化性グルカンまたはその還元処理物に加えて別の成分を添加してもよい。そのような成分としては、例えば、難消化性グルカン以外の脂肪代替素材(イヌリン、ポリデキストロース等)、糖類、甘味料(高甘味度甘味料を含む)、着色料、乳化剤、香料、保存料、増粘多糖類等が挙げられる。添加の時期は難消化性グルカンまたはその還元処理物の添加と同時であっても別々であってもよい。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。なお、実施例中の割合(%)は特に断りがない限り質量%を表す。
製造例1:難消化性グルカンの製造
特開2013−76044号公報の記載に従って、糖縮合反応の触媒として活性炭を添加し、加熱反応することで水溶性食物繊維である難消化性グルカンを得た。具体的には以下の手順で難消化性グルカンを調製した。
固形分当り100kgの水あめ(DE87、日本食品化工社製)に2%(固形分当たり)の活性炭(水蒸気炭;フタムラ化学社製)を添加混合後、二軸加熱反応機に投入し、200±30℃で加熱して糖縮合物組成物サンプルを得た。得られたサンプルを固形分当たり30%水溶液とした後、活性炭を濾過で完全に除去し、可溶性糖質(糖質画分)を得た。得られた糖質画分を活性炭による脱色濾過、イオン交換樹脂による脱色を行った後、濃縮・乾燥した。このようにして得られた試料を以下の例において単に「難消化性グルカン」と表記する。
なお、得られた難消化性グルカンの食物繊維含量を、平成11年4月26日衛新第13号(栄養表示基準における栄養成分等の分析方法等について)に記載されている高速液体クロマトグラフ法(酵素−HPLC法)により測定したところ、81.6%であった。
製造例2:高純度難消化性グルカンの製造
製造例1で得られた難消化性グルカンをα−アミラーゼ及びα−グルコシダーゼで消化性画分を分解した後、2糖以下の画分を疑似移動床法の樹脂分画装置により除去した。このようにして得られた試料を以下の例において単に「高純度難消化性グルカン」と表記する。
なお、得られた高純度難消化性グルカンの食物繊維含量を、平成11年4月26日衛新第13号(栄養表示基準における栄養成分等の分析方法等について)に記載されている高速液体クロマトグラフ法(酵素−HPLC法)により測定したところ、99.7%であった。
製造例3:還元難消化性グルカンの製造
製造例1で得られた難消化性グルカンにラネーニッケル触媒を用いて水素添加処理した。このようにして得られた試料を以下の例において単に「還元難消化性グルカン」と表記する。
なお、得られた還元難消化性グルカンの食物繊維含量を、平成11年4月26日衛新第13号(栄養表示基準における栄養成分等の分析方法等について)に記載されている高速液体クロマトグラフ法(酵素−HPLC法)により測定したところ、85.5%であった。
実施例1:脂肪代替したヨーグルトの製造
表1の配合により、脂肪代替したヨーグルトを製造した。具体的には、水に、生乳、脱脂粉乳、グラニュー糖、スクラロース、アセスファムK、ゼラチンの各材料を表1の配合に従ってそれぞれ加え、加熱溶解した。次いで、ホモジナイザーで乳化し容器に充填し、これを加熱殺菌後、40℃に調温し、スターターを添加した。45℃保温庫内で4時間発酵させ、発酵終了後、比較例1−2は増粘多糖類を、実施例1−1は難消化性グルカンを、実施例1−2は高純度難消化性グルカンを、実施例1−3は還元難消化性グルカンを、それぞれ混合し、製品とした。
ヨーグルトのコク(濃厚感)、滑らかさ、ボディ感について官能評価を実施した。官能評価は4点満点で評価した。具体的には以下の基準で評価を行った。「感じる」=4点、「やや感じる」=3点、「僅かに感じる」=2点、「感じない」=1点。官能評価は8名のパネラーで実施し、評価点の平均点を算出した。平均点に応じて3段階の評価を設けた。
平均点1.0以上〜2.0未満:×
平均点2.0以上〜3.0未満:△
平均点3.0以上〜4.0以下:○
結果は以下の通りであった。
Figure 2015208297
実施例1−1、実施例1−2および実施例1−3の配合で製造した各種難消化性グルカンで脂肪代替したヨーグルトは、脂肪含有対照配合品と比べて脂肪のコク(濃厚感)やヨーグルトの滑らかさ、ボディ感について遜色ない品質が得られた。比較例1−1は、脂肪の濃厚感が不足しただけでなく、ボディ感に乏しく、離水が認められた。比較例1−2は離水が無かったものの、脂肪のコク(濃厚感)に乏しい食味であった。
実施例2:脂肪代替ファットスプレッドの製造
表2の配合により、脂肪代替したファットスプレッドを製造した。具体的には、マーガリンを量り取り、ケンウッドミキサーにて一定の比重(0.80)になるまでエアレーションした。得られたクリームに水飴及び加糖練乳、水、各種難消化性グルカンを混合した水溶液を少しずつ加えて1分間撹拌し、最終比重0.84〜0.86のファットスプレットを得た。
ファットスプレッドの保形性、口溶け感、コクについて官能評価を実施した。官能評価は4点満点で評価した。具体的には以下の基準で評価を行った。「保形性良い」「口溶け良い」「コク感じる」=4点、「保形性やや良い」「口溶けやや良い」「コクやや感じる」=3点、「保形性僅かに良い」「口溶け僅かに良い」「コク僅かに感じる」=2点、「保形性悪い」「口溶け悪い」「コク感じない」=1点。官能評価は8名のパネラーで実施し、評価点の平均点を算出した。平均点に応じて3段階の評価を設けた。
平均点1.0以上〜2.0未満:×
平均点2.0以上〜3.0未満:△
平均点3.0以上〜4.0以下:○
結果は以下の通りであった。
Figure 2015208297
実施例2の配合で製造した各種難消化性グルカンで脂肪代替したファットスプレッドは、脂肪含有対照配合品に比較し、保型性、口溶け、コクについて遜色ない品質が得られた。実施例2−3は僅かにコクが低下するものの、大きな差は無く、実施例2−2と実施例2−3も大凡同等の品質が得られた。
実施例3:脂肪代替したホイップクリームの製造
表3の配合により、脂肪代替したホイップクリームを製造した。具体的には、室温を約20℃に調整し、ケンウッドミキサーを使用してエアレーションを行った。クリームをミキサーボールに計りとり、甘味料および脱脂粉乳を加え、分散させた。水に増粘多糖類と乳化剤と各種難消化性グルカンを溶解させた脂肪代替用組成物を加え、中速で2分30秒撹拌した後に、高速撹拌し、クリームの角立ちが良好となるまでエアレーションを行い、ホイップクリームを調製した。
ホイップクリームの口溶け感、コクについて官能評価を実施した。官能評価は4点満点で評価した。具体的には以下の基準で評価を行った。「口溶け良い」「コク感じる」=4点、「口溶けやや良い」「コクやや感じる」=3点、「口溶け僅かに良い」「コク僅かに感じる」=2点、「口溶け悪い」「コク感じない」=1点。官能評価は8名のパネラーで実施し、評価点の平均点を算出した。平均点に応じて3段階の評価を設けた。
平均点1.0以上〜2.0未満:×
平均点2.0以上〜3.0未満:△
平均点3.0以上〜4.0以下:○
結果は以下の通りであった。
Figure 2015208297
実施例3−1の配合で製造した難消化性グルカンで脂肪代替したホイップクリームは、脂肪含有対照配合品に遜色ない口溶け感やコクのある品質が得られた。実施例3−2で用いた高純度難消化性グルカンにおいては、僅かに口溶けが低下し、実施例3−3で用いた還元難消化性グルカンは、僅かにコク味が劣ったが、大きな差では無かった。表中のクリームは、植物性、動物性、混合品の何れ種類においても難消化性グルカンで脂肪代替したクリームの製造が可能であった。
実施例4:脂肪代替したフラワーペーストの製造
表4の配合により、脂肪代替したフラワーペーストを製造した。具体的には、脱脂粉乳、全脂粉乳、乳性蛋白を水に分散させ、撹拌溶解した。さらに予め混合した食塩、クエン酸、増粘多糖類を入れ、ホイッパーで撹拌溶解した後、加糖卵黄と卵白を加えた。さらに砂糖、エリスリトール、水飴、加工澱粉、菜種油を入れホモジナイザーで乳化させた。鍋にホモジナイズした液を移し、90℃達温にて、各種難消化性グルカンを添加し、歩留まり90%まで煮上げた。
フラワーペーストの滑らかさ、コク(濃厚感)について官能評価を実施した。官能評価は4点満点で評価した。具体的には以下の基準で評価を行った。「滑らかである」「コク感じる」=4点、「やや滑らか」「ややコク感じる」=3点、「僅かに滑らか」「僅かにコク感じる」=2点、「滑らかさが無い」「コク感じない」=1点。官能評価は8名のパネラーで実施し、評価点の平均点を算出した。平均点に応じて3段階の評価を設けた。
平均点1.0以上〜2.0未満:×
平均点2.0以上〜3.0未満:△
平均点3.0以上〜4.0以下:○
結果は以下の通りであった。
Figure 2015208297
実施例4−1の配合で製造した難消化性グルカンで脂肪代替したフラワーペーストは、脂肪含有対照配合品に遜色ない滑らかさとコクのある品質が得られた。その効果は、実施例4−2、実施例4−3も同様であった。実施例4−3は僅かにコクが劣っていたものの、大きな差では無かった。
実施例5:脂肪代替したホワイトソースの製造
表5の配合により、脂肪代替したホワイトソースを製造した。具体的には、牛乳、無脂肪乳にルー、澱粉、食塩を分散させ、加熱撹拌した。90℃達温にて、各種難消化性グルカンを添加し、歩留まり90%まで煮上げた。
ホワイトソースの滑らかさ、コク(濃厚感)について官能評価を実施した。官能評価は4点満点で評価した。具体的には以下の基準で評価を行った。4点満点:「滑らかである」「コク感じる」=4点、「やや滑らか」「コクやや感じる」=3点、「僅かに滑らか」「コク僅かに感じる」=2点、「滑らかさが無い」「コク感じない」=1点。官能評価は8名のパネラーで実施し、評価点の平均点を算出した。平均点に応じて3段階の評価を設けた。
平均点1.0以上〜2.0未満:×
平均点2.0以上〜3.0未満:△
平均点3.0以上〜4.0以下:○
結果は以下の通りであった。
Figure 2015208297
実施例5−1の配合で製造した難消化性グルカンで脂肪代替したホワイトソースは、脂肪含有対照配合品に遜色ない滑らかさとコクのある品質が得られた。その効果は、実施例5−2、実施例5−3も同様であった。実施例5−3は僅かにコクが劣っていたものの、大きな差では無かった。
実施例6:脂肪代替したカスタードプリンの製造
表6の配合により、脂肪代替したカスタードプリンを製造した。具体的には、牛乳、無脂肪乳に全卵、甘味料、各種難消化性グルカン、香料を混合した。こし器でこした後にカップに充填した。蒸気加熱で85℃達温後、5分間加熱してカスタードプリンを調製した。
カスタードプリンの滑らかさ、コク(濃厚感)、について官能評価を実施した。官能評価は4点満点で評価した。具体的には以下の基準で評価を行った。4点満点:「滑らかさ感じる」「コク感じる」=4点、「滑らかさやや感じる」「やや感じる」=3点、「滑らかさ僅かに感じる」「僅かに感じる」=2点、「滑らかさ感じない」「感じない」=1点。官能評価は8名のパネラーで実施し、評価点の平均点を算出した。平均点に応じて3段階の評価を設けた。
平均点1.0以上〜2.0未満:×
平均点2.0以上〜3.0未満:△
平均点3.0以上〜4.0以下:○
結果は以下の通りであった。
Figure 2015208297
実施例6−1の配合で製造した難消化性グルカンで脂肪代替したカスタードプリンは、コク(濃厚感)について脂肪含有対照配合品に遜色ない品質が得られた。一方、比較例6−1は、カスタードプリンのコク(濃厚感)が低下し、好ましくなかった。滑らかさは、難消化性グルカン配合品の方がとろける食感が得られ、好ましかった。その効果は、実施例6−2、実施例6−3も同様であった。実施例6−3は僅かにコクが劣っていたものの、大きな差では無かった。
実施例7:脂肪代替したソーセージの製造
表7の配合により、脂肪代替したソーセージを製造した。具体的には、豚ウデ肉を直径4.8mmでチョッピングし、硝精#10、食塩、砂糖、リン酸塩を均一にまぶして一晩冷蔵した。漬け込み肉に、氷冷水、調味料ミックス(酵母エキス、グルタミン酸Na、スパイス)、カゼインNa、くん液を入れ、混捏した。4.8mmにチョッピングした脂肪、各種難消化性グルカンと増粘多糖類を水に溶解して調製した脂肪代替用組成物、澱粉を添加し混捏した。コラーゲンケーシングに充填し、芯温75℃まで加熱してソーセージを調製した。
ソーセージのジューシー感やコク(濃厚感)について官能評価を実施した。官能評価は4点満点で評価した。具体的には以下の基準で評価を行った。4点満点:「感じる」=4点、「やや感じる」=3点、「僅かに感じる」=2点、「感じない」=1点。官能評価は8名のパネラーで実施し、評価点の平均点を算出した。平均点に応じて3段階の評価を設けた。
平均点1.0以上〜2.0未満:×
平均点2.0以上〜3.0未満:△
平均点3.0以上〜4.0以下:○
結果は以下の通りであった。
Figure 2015208297
実施例7−1の配合で製造した難消化性グルカンで油脂代替したソーセージは、脂肪含有配合のものに比べ、僅かにジューシー感が劣るものの、大きな差が無く遜色ない食味であった。実施例7−2で用いた高純度難消化性グルカン、実施例7−3で用いた還元難消化性グルカンも同様であった。
実施例8:脂肪代替したパウンドケーキの製造
表8の配合により、脂肪代替したパウンドケーキを製造した。具体的には、塩、油脂、上白糖を用いて低速で30秒撹拌し、高速で3分撹拌し、比重を0.7とした。全卵、各種難消化性グルカン、水の混合液を、高速で5分程度を目安に撹拌しながら分けながら投入した。薄力粉とベーキングパウダーを加え低速で撹拌した。型に分注し、180℃のオーブンにて45分焼成し、パウンドケーキを調製した。
パウンドケーキのしっとり感やコク(濃厚感)について官能評価を実施した。官能評価は4点満点で評価した。具体的には以下の基準で評価を行った。4点満点:「感じる」=4点、「やや感じる」=3点、「僅かに感じる」=2点、「感じない」=1点。官能評価は8名のパネラーで実施し、評価点の平均点を算出した。平均点に応じて3段階の評価を設けた。
平均点1.0以上〜2.0未満:×
平均点2.0以上〜3.0未満:△
平均点3.0以上〜4.0以下:○
結果は以下の通りであった。
Figure 2015208297
実施例8−1の配合で製造した難消化性グルカンで油脂代替したパウンドケーキは、脂肪含有配合のものに比べ、しっとり感、コク共に大きな差が無く、遜色ない食味であった。実施例8−2で用いた高純度難消化性グルカン、実施例8−3で用いた還元難消化性グルカンも同様であった。
実施例9:脂肪代替したマヨネーズ風調味料の製造
表9の配合により、脂肪代替したマヨネーズ風調味料を製造した。具体的には、全卵に冷水を加えてフードカッターにかけ、混合した。粉混合品(食塩、上白糖、増粘多糖類、グルタミン酸Na)を添加し、均一化した。α化澱粉を加えて混合後、1分30秒撹拌しながら油を少量ずつ加え、乳化させた。さらに穀物酢を2分30秒かけて投入し、最後に各種難消化性グルカンを混合して脂肪代替したマヨネーズ風調味料を得た。
マヨネーズ風調味料のコク(濃厚感)について官能評価を実施した。官能評価は4点満点で評価した。具体的には以下の基準で評価を行った。4点満点:「感じる」=4点、「やや感じる」=3点、「僅かに感じる」=2点、「感じない」=1点。官能評価は8名のパネラーで実施し、評価点の平均点を算出した。平均点に応じて3段階の評価を設けた。
平均点1.0以上〜2.0未満:×
平均点2.0以上〜3.0未満:△
平均点3.0以上〜4.0以下:○
結果は以下の通りであった。
Figure 2015208297
実施例9−1の配合で製造した難消化性グルカンで脂肪代替したマヨネーズ風調味料は、脂肪含有配合のものに比べ、遜色ない食味を示した。また、実施例9−2で用いた高純度難消化性グルカンも同様の品質が得られた。実施例9−3で用いた還元難消化性グルカンは僅かにコクが劣るものの、大きな差では無かった。

Claims (5)

  1. DE70〜100の澱粉分解物を加熱縮合させて得られた糖縮合物からなる難消化性グルカンまたはその還元処理物を含んでなる、脂肪代替用組成物。
  2. 難消化性グルカンが、活性炭を添加して加熱縮合させて得られた糖縮合物であることを特徴とする、請求項1に記載の脂肪代替用組成物。
  3. 請求項1または2に記載の脂肪代替用組成物を2〜50質量%含有することを特徴とする食品。
  4. 食品が乳脂肪含有食品である、請求項3に記載の食品。
  5. DE70〜100の澱粉分解物を加熱縮合させて得られた糖縮合物からなる難消化性グルカンまたはその還元処理物を脂肪代替物として添加することを特徴とする、低脂肪または無脂肪食品の製造方法。
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