JP2015206509A - 冷温熱機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガスセンサなどの、高価なセンサを用いなくても、冷媒の漏洩を早期に検知して、漏洩区間を特定できる冷温熱機器を提供する。【解決手段】圧縮機2、凝縮器4、膨張弁5、蒸発器6を含んでなる冷凍サイクルと、前記冷凍サイクル上のそれぞれ離間した位置に設けられた少なくとも3つ以上のセンサ51、52、53と、前記センサから入力された値に基づいて冷媒が漏洩している区間を判定する制御装置50と、を備えることを特徴とする、冷温熱機器1である。【選択図】図1

Description

本発明は、冷温熱機器に関する。
従来、炭化水素などの冷媒や、R32などの冷媒を空気調和機に用いる場合、万が一冷媒が室内側に漏洩すると、可燃濃度に達するおそれがある。
このため、万が一冷媒が漏洩した場合には、漏洩区間を正しく検知して、漏洩区間に応じた応急処置を施し、速やかに復旧させることが望まれる。
漏洩した冷媒の検知に関しては、例えば特許文献1や特許文献2に示されるように、冷媒センサ(ガスセンサ)を用いたり、温度センサや圧力センサにより冷媒の状態を検知して、漏れを判断する方法が提案されている。
特開2013−108641号公報 特開2000−081258号公報
特許文献1では、冷媒ガスを直接検知するガスセンサあるいは気体中の酸素を検出する酸素センサにより間接的に漏洩を検知するもので、確実に漏洩した冷媒を検知できるが、この種のセンサは、高価であるだけでなく、汚れの付着や経年劣化により検出精度が低下してしまう。
また、特許文献2では、液冷媒が溜まる箇所に設けた温度センサによって検出された温度によって冷媒の漏洩有無を判断するもので、専用のガスセンサを用いることなく漏洩を検知できるが、漏洩区間を特定することはできない。
本発明は、前記の問題点に鑑みてなされたものであり、漏洩区間を特定できる冷温熱機器を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、圧縮機、凝縮器、膨張弁、蒸発器を含んでなる冷凍サイクルと、前記冷凍サイクル上のそれぞれ離間した位置に設けられた少なくとも3つ以上のセンサと、前記センサから入力された値に基づいて冷媒が漏洩している区間を判定する制御装置と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、漏洩区間を特定できる冷温熱機器を提供することができる。
第1実施形態に係る空気調和機の、冷凍サイクルの構成図である。 室外側で冷媒漏洩が発生した際の、冷媒温度検出手段における温度の経時変化を、漏洩区間ごとに示したグラフである。 室内側で冷媒漏洩が発生した際の、冷媒温度検出手段における温度の経時変化を、漏洩区間ごとに示したグラフである。 第1実施形態に係る空気調和機の、冷媒の漏洩判定および警報に関する制御機構の構成図である。 第1実施形態に係る空気調和機の制御装置が行う漏洩判定のフローチャートである。
以下、本発明の実施形態に係る冷温熱機器について、図を参照しながら詳細に説明する。
以下、本実施形態でいう冷媒とは、冷却/加熱両方で利用されるものとする。同様にして、以下で特に断りなく冷凍サイクルと言った場合、冷却または加熱、もしくはその両方で使用可能な冷凍サイクルを指すものとする。
また、本発明の実施形態に係る冷温熱機器を、空気調和機を例に挙げて説明するが、これに限らない。本発明は、冷凍サイクルを有する全ての装置に適用できる。また、冷房運転からの停止状態時における冷媒漏洩を例に挙げて説明するが、暖房運転からの停止状態時における冷媒漏洩を、冷房運転からの時と同様にして、考察することができる。
また、説明の便宜上、各図面で共通する部材には同一の符号を付して、重複する説明を省略する場合がある。前後上下左右の方向軸については、各図の記載によるものとする。
なお、本発明の実施形態で説明する空気調和機は、圧縮機、室外熱交換器、室外送風機、四方弁、膨張弁を備え、屋外に設置される室外機と、室内に取り付けられる室内機とを、冷媒用の接続配管を介して接続することで、室内の空調を可能にするものである。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る空気調和機の、冷凍サイクルの構成図である。
空気調和機1は、圧縮機2、流路切換弁3、第1熱交換器4、膨張弁5、冷媒流路のうちの液相側ストップバルブ(サービスバルブ)8(以下、「液側ストップバルブ8」という)、第2熱交換器6、冷媒流路のうちの気相側ストップバルブ(サービスバルブ)9(以下、「ガス側ストップバルブ9」という)、をこの順で環状に接続した冷媒回路10を含む形で、公知の冷凍サイクルを構成している。
ここで、室外機1aは圧縮機2、流路切換弁(例えば四方弁)3、第1熱交換器4、膨張弁5を含んでなり、室内機1bは第2熱交換器6を含んでなる。また、室外機1aと室内機1bは接続配管1c,1cでそれぞれ接続されている。また、実線矢印は冷房運転時の冷媒の流れる方向を、破線矢印は暖房運転時の冷媒の流れる方向を表している。
圧縮機2は、例えばコンプレッサであり、吸込側から流入した冷媒を圧縮して、吐出側から吐出すものである。圧縮機2では、冷媒が圧縮されるので、圧力損失が生じている。
なお、圧縮機2の入口側の経路には、サクションタンク(Sタンク)20が配置される。Sタンク20は、圧縮機2の入口側に設置される。圧縮機2は、主にガスを圧縮するものであるため、冷媒の液滴が圧縮機2に混入しないように、バッファのタンクとしてSタンク20を設置する。なお、ここでは圧力損失は発生しない。
第1熱交換器4は室外機1a内に設けられた熱交換器で、凝縮器とも呼ばれる。圧縮機2で圧縮されて高温高圧となった気相冷媒と、送風機7aによって通気される外気と、が第1熱交換器4で熱交換され、冷媒が凝縮されて相転移し、低温高圧の液相冷媒となる。
なお、第1熱交換器4は、熱交換を促進するために、細い冷媒配管が幾重にも折り重ねられた構造となっている。このため、冷媒が第1熱交換器4を通過すると、圧力損失が生じる。
膨張弁5は、低温高圧状態の液相冷媒を減圧させて断熱膨張させる弁である。減圧過程であるので、冷媒が膨張弁5を通過する際には、圧力損失が発生する。また、断熱膨張過程では、温度が下がる。これにより、冷媒は低温低圧の冷えた冷媒となって、室内機1bに供給される。
第2熱交換器6は、室内機1b内に設けられた熱交換器であり、蒸発器とも呼ばれる。第2熱交換器6は、熱交換を促進するために、細い冷媒配管が幾重にも折り重ねられた構造となっている。ゆえに、冷媒が膨張弁5を通過する際には、圧力損失が発生する。
なお、第2熱交換器6では、膨張弁5を通過した低温低圧の冷えた液相冷媒と、送風機7bによって通気される室内の空気とが熱交換される。
この際、暖かい室内の空気は、冷えた冷媒の熱を吸熱して、冷気となり、室内に供給される(冷房運転)。また、冷たい冷媒は、暖かい室内の空気の熱を吸熱して気化し、蒸発する(相転移)。
気化して気相となった高温低圧の冷媒は、流路切換弁3を介して再び圧縮機2の入口側、すなわち吸込側、に供給される。
ここで、流路切換弁3には、例えば四方弁を用いる。流路切換弁3は、例えば冷暖房の運転切換えに伴って、冷媒の流れる方向を逆転させる必要があるが、この際に、圧縮機2まわり(流路切換弁3から圧縮機2の吸込側、および流路切換弁3から圧縮機2の吐出側)の冷媒流れの方向は変えずに、冷媒回路10内の冷媒流れの方向のみを変更するために設置される。
なお、流路切換弁3は、冷媒の流れを漏れなく完全に変える構造のため、内部で流路径が異なっている箇所がある。このため、他の配管径に比べると流路抵抗が大きく異なる。ゆえに、この部分を冷媒が通過する際には、圧力損失が発生する。
また、図1においては、流路切換弁3は冷房運転時の接続経路を実線で示しているが、暖房運転時には、破線で示される経路を接続するようにすればよい。
液側ストップバルブ8と、ガス側ストップバルブ9は、空気調和機1の設置時に、室内機1bが設置されるよりも前に、予め室外機1aの冷媒回路10へ、冷媒を全量封入しておくためのバルブである。ゆえに、室外機1aと接続配管1cと、の接続口と、略同じ位置の室外機1a側に設置されている。また、機器設置後は、移設や撤去時以外では、バルブは常に全開状態となっている。
なお、この液側・ガス側の各ストップバルブ8,9は、冷媒を漏れなく完全に止めることができる構造のため、内部で流路が狭くなる箇所がある。このため、バルブが全開であっても他の配管に比べ流路抵抗が大きくなっている。ゆえに、液側・ガス側の各ストップバルブ8,9を冷媒が通過する際は、圧力損失、すなわち断熱圧縮が発生する。
また、空気調和機1の運転および冷媒漏洩の検知を制御するために、空気調和機1には、制御装置50(詳細後記)と、冷媒温度検出手段51〜53と、が備えられている。
なお、制御線や通信線は、図の煩雑を避けるために適宜省略されている。
制御装置50は、空気調和機1が運転している場合、各冷媒温度検出手段51〜53により冷媒温度を検知して、各制御要素に指令を送り、冷凍サイクルの運転制御を行う。また、運転停止時においては、所定時間間隔で冷媒温度検出手段51〜53により冷媒温度を検知して、冷媒の漏洩有無を判断する。
冷媒温度検出手段51〜53は、例えばサーミスタなどの温度センサを機器表面や配管表面に接触等させたものを使用すればよい。
冷媒温度検出手段51は、例えば圧縮機2の上部に設置されている。なお、前記冷媒温度温度検出手段51を圧縮機2の吐出配管に設置してもよい。冷媒温度検出手段51は、圧縮機2の温度、すなわち、流路切換弁3〜Sタンク20〜圧縮機2の入口の経路の冷媒温度と、圧縮機2の出口〜流路切換弁3までの経路の冷媒温度と、が合わさった情報を収集するものである。
冷媒温度検出手段52は、例えば、第1熱交換器4と膨張弁5と、の間の配管に設置される。なお、前記冷媒温度検出手段52を第1熱交換器4に設置してもよい。
温度検出手段53は、例えば、第2熱交換器6の出口側に設置される。なお、前記温度検出手段53を、第2熱交換器6と高圧側ストップバルブ9と、の間の配管に設置してもよい。
送風機7aは第1熱交換器4の冷媒配管中を流れる冷媒と空気と、を熱交換するための送風機であり、例えば、プロペラファンなどが用いられる。また、送風機7bは第2熱交換器6の冷媒配管中を流れる冷媒と空気とを熱交換するための送風機であり、例えば、貫流ファンなどが用いられる。
以上により、本実施形態において、圧力損失の発生する箇所を改めてまとめると、以下のようになる。すなわち、冷房運転時の冷媒循環の方向で、順に液側ストップバルブ8,第2熱交換器6,ガス側ストップバルブ9,流路切換弁3,圧縮機2,流路切換弁3,第1熱交換器4,膨張弁5で、圧力損失が発生する。これらを経て、最初の液側ストップバルブ8に戻る。以下ではこれら圧力損失が発生する箇所を、「要素」と呼ぶ場合がある。
また、以下では室内側と室外側とを区切る境界線を、視覚的な観点ではなく、圧力損失の生ずる箇所という観点で区分けして考える。なぜならば、冷媒温度検出手段51〜53を用いて、温度変化を捕捉し、その結果を元に漏洩箇所が室内側かまたは室外側かを判断したいためである。
具体的には、圧力損失が生じる要素のうち、液側ストップバルブ8、およびガス側ストップバルブ9を結んだ線が、視覚的に見た場合の室内・室外の区分けに最も近くなっているので、この線を室内外の境界として考えることとする(図1参照)。
次に、表1を参照しながら、例えば空気調和機1の冷房運転の停止状態時に、室外側のガス側ストップバルブ9から流路切換弁3に至る間で冷媒漏洩が発生した場合に、冷媒温度検出手段51〜53において、温度差が生じる仕組みを説明する(区間C−1)。
Figure 2015206509
なお、本実施形態では説明を分かりやすくするために、例えば、冷房運転停止状態になってから充分長い所定時間経過後に、例えば、ガス側ストップバルブ9から流路切換弁3に至る間で、冷媒漏洩が発生した場合を考える。
ここで、停止後充分長い所定時間というのは、配管内の冷媒の温度分布が、配管の場所に拠らずに平衡値で均一になるのに必要な充分長い時間、という意味である。すなわち、配管の温度が、当該配管が置かれる環境の温度に概ね対応した温度になるのに要する時間、という意味でもある。また、冷媒の位置に関する分布に関しても、説明を分かりやすくするために、充分長い時間によって、場所に拠らず均一な分布状態になる場合で説明する。
ちなみに、本実施形態において、漏洩区間の判定を冷房運転停止直後に適用するためには、例えば、以下のような補正演算を行えばよい。つまり、冷媒温度検出手段51〜53で計測した冷媒漏洩開始時刻における温度の値が、所定値で一致するように、冷媒温度検出手段51〜53それぞれに対して補正値を算出し、以後同一の冷媒温度検出手段51〜53で計測した値に関しては、最初の補正値と同じ、毎回同一の補正値を加減する演算を施す。
説明に戻る。一般に、配管の経年劣化や外力により、一部の配管の継ぎ目や曲がり部で管が破損し、冷媒が漏洩すると、破損部位周辺の管内圧力が低下し、冷媒が減圧膨張して温度が低下する。
また、管内冷媒は破損部位に向かって流れを生じ、流路断面積や曲がりが急激に変化する部分では、圧力損失が生じ、流れの上流と下流と、で温度差が生じる。なお、ここでいう上流、下流とは、破損箇所へ向かう冷媒流れから見た上流、下流を意味し、冷暖房運転中の冷媒流れの向きとは異なっている。
さらに詳しい説明を続ける。例えば、ガス側ストップバルブ9から流路切換弁3に至る間において、配管の継ぎ目や曲がり部で配管が破損し、冷媒が漏洩したとする。このとき、冷媒が漏洩箇所から噴出して減圧膨張し、温度が低下する。さらに管内に残留している冷媒は漏洩箇所に向かって流れを生じる。
つまり、例えば、漏洩箇所から見て上流側直近の要素にあたるガス側ストップバルブ9では、バルブの内部構造上、流路断面積や曲がりが急激に変化する場所があるため、冷媒流れに圧力損失が生じ、漏洩箇所に近い、下流側にあたる流路切換弁3の側が、より低圧となる。
ここで、冷媒の飽和蒸気圧と温度は比例するので、ガス側ストップバルブ9の上流側に比べて低圧となる下流側、換言すると漏洩箇所側では、圧力の低下に伴って温度も低くなる。
つまり、冷媒の漏洩箇所直近が最も温度が低くなり、漏洩箇所から次第に遠ざかり、離れるに従って、また、圧力損失を有する要素をまたげばまたぐほど、温度の低下が少なくなっていくのである。
同様に考えて、圧力損失を有する流路切換弁3の上流・下流においても、漏洩箇所に近い下流側、すなわちガス側ストップバルブ9がある側のほうが、上流側、すなわち圧縮機2のある側よりも低圧となり、温度が低下する。なお、液側ストップバルブ8、ガス側ストップバルブ9は、常時全開状態となっているのは、前記した通りである。
図2のC−1に、このときの冷媒温度検出手段51、52、53で検出する温度の時間変化のグラフを示す。なお、図2は、室外側で冷媒漏洩が発生した際の、冷媒温度検出手段における温度の経時変化を、漏洩区間ごとにグラフ化して示したものである。なお、冷媒温度検出手段51、52、53で検出する温度を、それぞれT51,T52,T53と表記するものとする。
冷房運転で停止後、冷媒温度検出手段51〜53で検出する温度が平衡状態(すなわち、T51=T52=T53)に達した状態で、冷媒漏洩が発生すると、配管外に噴出した冷媒の減圧膨張や管内冷媒の圧力低下により、管内冷媒の冷媒温度は低下する。すなわち、冷媒温度検出手段51,52,53で検出されるT51、T52,T53は、ともに低下する。
時間が徐々に経過するにしたがって、漏洩箇所からの冷媒噴出に伴う圧力低下と、漏洩箇所に向かう冷媒流れに伴い、(圧力損失を有する)各要素の、それぞれ上下流で生じる圧力損失と、が合わさって、圧力差が生じていく。
すなわち、漏洩箇所から、各冷媒温度検出手段51〜53が設置されている場所に至るまでの経路の中で、圧力損失を生ずる要素を複数通過すればするほど、温度の低下率は小さくなる。すなわち、温度は下がりづらくなる。
具体的には、表1のC−1、すなわち、要素9−3間で漏洩が生じた場合で考えると、漏洩箇所から、冷媒温度検出手段51までの要素は、図1に示されるように、流路切換弁3のみで要素数は1つである。なお、流路切換弁3が冷房運転の位置で停止しているとすると、漏洩箇所から冷媒温度検出手段51までの間には、流路切換弁3の他に、Sタンク20も存在するが、前記のようにSタンク20では圧力損失を生じないので、要素数は流路切換弁3のみの1つである。一方、漏洩箇所から冷媒温度検出手段52までの要素は、例えばガス側ストップバルブ9,第2熱交換器6,液側ストップバルブ8,膨張弁5で要素数は4つである。漏洩箇所から冷媒温度検出手段53までの要素は、ガス側ストップバルブ9のみで要素数は1つである。ゆえに、T53=T51<T52の温度傾向となる(表1も併せて参照)。
ちなみに、漏洩箇所から冷媒温度検出手段52までの要素数の数え方は、前記以外にもう一つ挙げられる。すなわち、漏洩箇所から時計回りに、流路切換弁3、Sタンク20、圧縮機2、流路切換弁3、第1熱交換器4という数え方である。この数え方の場合、前記のようにSタンク20には圧力損失がないので、この場合も要素数は4となる。どちらにしても、漏洩箇所と冷媒温度検出手段51までの要素数よりも、また、漏洩箇所と冷媒温度検出手段53までの要素数よりも、漏洩箇所と冷媒温度検出手段52までの要素数の方が多い。なお、冷媒は、圧力損失が少ない方に多く流れるので、冷媒温度検出手段52の位置での冷媒の流れは、圧力損失が少ない方向に向かう流れとなる。
いずれにしても、検出温度がT53=T51<T52となる場合は、ガス側ストップバルブ9から、流路切換弁3に至る間のうち、どこで冷媒が漏洩したとしても、同様の温度関係となると考えられる。ゆえに、T53=T51<T52となった場合は、ガス側ストップバルブ9、流路切換弁3、および両者間を繋ぐ配管部分の漏洩のみを集中的に調べて、修理などの応急処置を講ずればよい。なお、等号は完全一致の場合と、概ね一致の場合を含むようにしてもよい。
なお、漏洩開始時刻から充分長い時間が経過すると、管内に残存していた冷媒が全て気化してしまう。このため、漏洩終端時刻(t→∞)においては、再び温度が平衡状態に近づく(T51=T52=T53)。
よって、このように、漏洩終端時刻(t→∞)で再び温度が平衡状態となってしまうと、冷媒温度検出手段51〜53の温度T51〜T53に差異がなくなってしまうので、漏洩区間を特定すること、すなわち、漏洩箇所の絞り込みが難しくなる。
ゆえに、漏洩終端時刻(t→∞)となる前までに、本発明の漏洩区間の絞り込み判定(詳細は図5で後記)を行うことが望ましい。
このように漏洩区間の絞り込みを行うことで、冷媒漏洩後の復旧作業を圧倒的に迅速に行うことができる。
次に、同様にして、表1のC−2、すなわち、流路切換弁3から圧縮機2の入口までの間で冷媒漏洩が発生した場合を説明する。
この場合、漏洩箇所から、冷媒温度検出手段51までは、要素をひとつもまたぐことがないので、要素数は0(ゼロ)である。漏洩箇所から、冷媒温度検出手段52までの要素は、圧縮機2,流路切換弁3,第1熱交換器4で要素数は3つである。漏洩箇所から、冷媒温度検出手段53までの要素は、流路切換弁3,ガス側ストップバルブ9で要素数は2つである。ゆえに、T51<T53<T52の温度傾向となる(図2のグラフC−2も併せて参照)。
また、同様にして、表1のC−3、すなわち、圧縮機2の出口から流路切換弁3までの間で冷媒漏洩が発生した場合を説明する。
この場合、漏洩箇所から、冷媒温度検出手段51までは、要素をひとつもまたぐことがないので、要素数は0(ゼロ)である。漏洩箇所から、冷媒温度検出手段52までの要素は、流路切換弁3,第1熱交換器4で要素数は2つである。漏洩箇所から、冷媒温度検出手段53までの要素は、圧縮機2,流路切換弁3,ガス側ストップバルブ9で要素数は3つである。ゆえに、T51<T52<T53の温度傾向となる(図2のグラフC−3も併せて参照)。
また、同様にして、表1のC−4、すなわち、流路切換弁3から第1熱交換器4までの間で冷媒漏洩が発生した場合を説明する。
この場合、漏洩箇所から、冷媒温度検出手段51までの要素は、流路切換弁3のみであり、要素数は1つである。漏洩箇所から、冷媒温度検出手段52までの要素は、第1熱交換器4のみであり、要素数は1つである。漏洩箇所から、冷媒温度検出手段53までの要素は、例えば、第1熱交換器4,膨張弁5,液側ストップバルブ8,第2熱交換器6で要素数は4つである。ゆえに、T52=T51<T53の温度傾向となる(図2のグラフC−4も併せて参照)。
また、同様にして、表1のC−5、すなわち、第1熱交換器4から膨張弁5までの間で冷媒漏洩が発生した場合を説明する。
この場合、漏洩箇所から、冷媒温度検出手段51までの要素は、第1熱交換器4,流路切換弁3であり、要素数は2つである。漏洩箇所から、冷媒温度検出手段52までは、要素をひとつもまたぐことがないので、要素数は0(ゼロ)である。漏洩箇所から、冷媒温度検出手段53までの要素は、膨張弁5,液側ストップバルブ8,第2熱交換器6で要素数は3つである。ゆえに、T52<T51<T53の温度傾向となる(図2のグラフC−5も併せて参照)。
また、同様にして、表1のC−6、すなわち、膨張弁5から液側ストップバルブ8までの間で冷媒漏洩が発生した場合を説明する。
この場合、漏洩箇所から、冷媒温度検出手段51までの要素は、例えば膨張弁5,第1熱交換器4,流路切換弁3で、要素数は3つである。漏洩箇所から、冷媒温度検出手段52までの要素は、膨張弁5のみで、要素数は1つである。漏洩箇所から、冷媒温度検出手段53までの要素は、液側ストップバルブ8,第2熱交換器6で要素数は2つである。ゆえに、T52<T53<T51の温度傾向となる(図2のグラフC−6も併せて参照)。
なお、以上のC−1〜C−6は、いずれも室外側で冷媒漏洩が発生した場合の事例である。次に、表1と図3を参照しながら、室内側で冷媒漏洩が発生した事例について、C−7とC−8を説明する。図3は、室内側で冷媒漏洩が発生した際の、冷媒温度検出手段における温度の経時変化を、漏洩区間ごとにグラフ化して示したものである。
まず、表1のC−7、すなわち、液側ストップバルブ8から第2熱交換器6までの間で冷媒漏洩が発生した場合を説明する。
この場合、漏洩箇所から、冷媒温度検出手段51までの要素は、例えば第2熱交換器6,ガス側ストップバルブ9,流路切換弁3で、要素数は3つである。漏洩箇所から、冷媒温度検出手段52までの要素は、液側ストップバルブ8,膨張弁5で要素数は2つである。漏洩箇所から、冷媒温度検出手段53までの要素は、第2熱交換器6のみで要素数は1つである。ゆえに、T53<T52<T51の温度傾向となる(図3のグラフC−7も併せて参照)。
最後に、表1のC−8、すなわち、第2熱交換器6からガス側ストップバルブ9までの間で冷媒漏洩が発生した場合を説明する。
この場合、漏洩箇所から、冷媒温度検出手段51までの要素は、ガス側ストップバルブ9,流路切換弁3で、要素数は2つである。漏洩箇所から、冷媒温度検出手段52までの要素は、例えば、第2熱交換器6,液側ストップバルブ8,膨張弁5で要素数は3つである。漏洩箇所から、冷媒温度検出手段53までは、要素を一つもまたぐことがないので、要素数は0(ゼロ)である。ゆえに、T53<T51<T52の温度傾向となる(図3のグラフC−8も併せて参照)。
以上で説明したように、漏洩区間と、3つの冷媒温度検出手段51〜53の計測値T51〜T53の大小関係と、の間には、1対1の対応関係があることが分かる。ゆえに、検出した温度の値を比較して、温度の関係式を導けば、漏洩区間を割り出すこと、すなわち、冷媒流路10のうち、具体的な漏洩区間の絞り込みを行うことが可能になる。
但し、例えば、C−1やC−4に示すような、ある温度とある温度が等しいことが判定条件に含まれる場合は、計測値の厳密な一致を求めると、成立するケースが稀となり、誤判定が増える可能性がある。特に、室内外で気温差のある場所に設置されている冷媒温度検出手段同士の温度を比較する場合、例えば、室内側のT53と、室外側のT51を比較する場合などは、誤判定が増える可能性がある。
ゆえに、そのような場合には、例えば、両者の差分が所定値未満の場合に、一致したとみなすなど、適宜の補正を行って判断するようにしてもよい。
次に、図4を参照して、第1実施形態に係る空気調和機の、冷媒の漏洩判定および警報に関する制御機構の構成図を説明する。
図4は、第1実施形態に係る空気調和機の、冷媒漏洩検知に関わる制御機構の構成図である。
本実施形態において、制御装置50は漏洩検知部60と、漏洩警報部70を含んで構成される。
漏洩検知部60には、冷媒温度検出手段51〜53からの、温度に関する検出信号T51〜T53が入力される。
つまり、制御装置50からみて、入力側にあたる冷媒温度検出手段51〜53は、温度検出手段を構成する。
この際、漏洩検知部60が、入力された信号、すなわちT51,T52,T53、を解析して、冷媒が漏洩していると判断すると、T51,T52,T53の大小関係を判定して、漏洩区間を割り出すフローを実行する(詳細は図5で後記)。
また、漏洩警報部70は、漏洩検知部60で冷媒漏洩を検知すると、有線・無線のネットワークNWKを介して、例えば、保守管理サービスセンタ80の端末装置81、外出先ユーザ90の携帯端末装置91、親類などの所定の登録先100の携帯端末装置101などに、冷媒の漏洩情報を通報・通知する。
なお、この際に通知される情報は、冷媒漏洩の事実のみを通知するものであってもよいし、同時に、漏洩検知部60が演算して割り出した漏洩区間情報を含んでいてもよい。
また、漏洩警報部70は、室内機1bに備えられたサイレンやブザー110を用いて、音による異常発生の周知を行うとともに、運転ランプ120を所定の発光パタンで点滅させたり、緊急事態が発生した際に用いる所定の色を事前に決めておき、その色に切替えるなど、光による異常発生の周知を行うこともできる。
つまり、制御装置50からみて出力側にあたる、ネットワークNWKを介した保守管理サービスセンタ80、外出先のユーザ90、所定の登録先100や、サイレンブザー110、運転ランプ120は、冷媒漏洩警報手段を構成している。
(変形例)
また、図4の変形例として、制御装置50の出力側に、冷媒漏洩警報手段に加えて、さらに、公知の冷凍サイクルに付属の送風機7a,7bを利用して、漏洩した冷媒の可燃濃度軽減手段として、これらを制御する構成を備えるようにしてもよい。
この制御は、漏洩した冷媒が集積して可燃濃度に到達しないように、拡散させる目的で行うものである。例えば、漏洩検知部60による漏洩区間の判定が室外側か室内側かによって、室外側であれば送風機7a、室内側であれば送風機7bというように、漏洩した側の送風機をONにして運転することで、拡散させる構成とすることができる。
次に、図5のフローチャートを参照しながら、本実施形態に係る空気調和機1の、漏洩の存否と、漏洩がある場合は漏洩区間と、を判定するための制御フローを説明する(適宜、表1の温度関係式も参照のこと)。
なお、以後は説明の便宜上、この「漏洩の存否、漏洩がある場合は漏洩区間」に関する判定を、単に「漏洩判定」と呼ぶ。
例えば、冷房運転から運転を停止させると、圧縮機2は停止状態となり、冷媒の漏洩監視モードとなる(ステップS100)。このとき、流路切換弁3は冷房運転を行う位置にあり、膨張弁5は全開または直前の運転時の開度になっている。
次に、ステップS101に進み、制御装置50の漏洩検知部60は、T52−T53=0が成立するか否かを判定する。これは、全漏洩区間を網羅するC−1〜C−8において、T52−T53が0と等しくなっている例がないことから、この条件式を、漏洩判断のメルクマールとして利用しようとするものである。
ステップS101でYesの場合は、ステップS102において漏洩検知部60は、全区間で漏洩なしと判断し、ステップS103に進む。
ステップS103において、漏洩検知部60は、所定時間T待機して、再びステップS101の漏洩判断ステップにリターンする。この際、所定時間Tは、漏洩検知部60に内蔵もしくは外部に接続された図示しないタイマで計測するようにしてもよい。また、図示しない記憶装置から、予め記憶された所定時間Tをロードする構成としてもよいし、図示しないリモコンなどの入力装置から、ユーザの選択した所定時間Tを受け付ける構成としてもよい。
このようにして、漏洩検知部60は、所定時間Tの時間間隔を空けて、常時冷媒の漏洩監視を行う構成となっている。
ステップS101でNo、すなわち、T52≠T53である場合は、漏洩検知部60は、全区間C−1〜C−8のうち、いずれかで漏洩している箇所があると判断し、ステップS104に進む。ステップS104以降は、漏洩区間を特定するための、漏洩割り出しステップである。
ステップS104において、漏洩検知部60は、T51,T52,T53の最小値がT53で、かつT53≠T51が成立するか否かを判定する。
これは、漏洩箇所が室内側、すなわち、C−7またはC−8なのか、あるいは、室外側、すなわち、C−1〜C−6なのか、を絞り込むためのステップである。
ステップS104においてYesとなった場合は、漏洩検知部60は、室内側の漏洩であると判断し、ステップS105に進む。
ステップS105において、漏洩検知部60は、T52<T51が成立するか否かを判定する。これは、C−7と、C−8とを区別するためのステップである。
ステップS105においてYesの場合は、T53<T52<T51となるので、この場合はC−7であると判定されて本フローを終了する。すなわち、漏洩区間が液側ストップバルブ8から第2熱交換器6までの間であると特定される。
一方、ステップS105においてNoの場合は、T53<T51<T52となるので、この場合はC−8であると判定されて本フローを終了する。すなわち、漏洩区間が第2熱交換器6からガス側ストップバルブ9までの間であると特定される。
次に、ステップS104でNoの場合は、漏洩検知部60は、漏洩区間が室外側、すなわち、C−1〜C−6のいずれかであると判断し、ステップS106に進む。
ステップS106において、漏洩検知部60は、T51,T52,T53の最小値がT51か否かを判定する。このステップは、漏洩区間がC−1〜C−3なのか、それともC−4〜C−6なのかを判定するためのステップである。
ステップS106においてYesと判断された場合は、C−1〜C−3で漏洩が発生した場合にあたる。このため、漏洩検知部60は、ステップS107でT51=T53が成立するか否かを判定し、C−1かそうでないかを判定する。
ステップS107でYesの場合は、T51=T53<T52となるので、C−1であると判定されて本フローを終了する。すなわち、漏洩区間がガス側ストップバルブ9から、流路切換弁3までの間であると特定される。
ステップS107でNoの場合は、ステップS108に進み、漏洩検知部60は、T53<T52が成立するか否かを判定する。これは、漏洩区間がC−2なのか、それともC−3なのかを判定するためのステップである。
ステップS108でYesの場合は、T51<T53<T52となるので、C−2であると判定されて本フローを終了する。すなわち、漏洩区間が流路切換弁3から、圧縮機2の入口までの間であると特定される。
一方、ステップS108でNoの場合は、T51<T52<T53となるので、C−3であると判定されて本フローを終了する。すなわち、漏洩区間が圧縮機2の出口から、流路切換弁3までの間であると特定される。
また、ステップS106においてNoと判断された場合は、T51,T52,T53のうちの最小値がT52の場合であるので、C−4〜C−6で漏洩が発生した場合にあたる。このため、漏洩検知部60は、ステップS109でT52=T51が成立するか否かを判定し、まずC−4かそうでないか、を判定する。
ステップS109でYesの場合は、T51=T52<T53となるので、C−4であると判定されて本フローを終了する。すなわち、漏洩区間が、流路切換弁3から、第1熱交換器4までの間であると特定される。
ステップS109でNoの場合は、ステップS110に進み、漏洩検知部60は、T51<T53が成立するか否かを判定する。これは、漏洩区間がC−5なのか、それともC−6なのかを判定するためのステップである。
ステップS110でYesの場合は、T52<T51<T53となるので、C−5であると判定されて本フローを終了する。すなわち、漏洩区間が第1熱交換器4から,膨張弁5までの間であると特定される。
一方、ステップS110でNoの場合は、消去法によりC−6であると判定されて本フローを終了する。すなわち、漏洩区間が膨張弁5から、液側ストップバルブ8までの間であると特定される。
このようにして、制御装置は、冷媒が漏洩している区間は、少なくとも3つ以上の温度センサのうち、温度が低い2つの温度センサのうちの、一方の温度センサが属している区間から、他方の温度センサが属している区間までの間の区間(両端の区間を含む区間)のいずれかで漏洩していると判定していく。
なお、ステップS103における所定時間Tの待機時間は、封入する冷媒の物性値である可燃下限濃度によって決めるようにしてもよい。ここで、冷媒の可燃下限濃度とは、可燃濃度の下限値のことである。
例えば、R290(可燃下限濃度2.2%)やR600a(可燃下限濃度1.8%)のように可燃下限濃度が小さい場合は、噴出後の冷媒が機外へ漏れた後、可燃濃度の空間が生じやすいので、検出タイミングを短くして、可燃濃度に達する前までに、漏洩区間を判定して通報する本制御フローを実行するようにする。
また、R32(可燃下限濃度13.8%)やR1234yf(可燃下限濃度12.3%)のように可燃下限濃度が大きい場合は、噴出後の冷媒が機外へ漏れ、可燃濃度の空間に至るまでに時間がかかるため、検出タイミングを長くして、漏洩監視フロー実行中のセンシングによる消費電力が最小になるように最適化すると、より好適である。
このようにすることで、本発明の空気調和機1は、冷媒の可燃下限濃度の値を問わず、使用することができる。
以上により、運転を停止している際に、専用のガスセンサを用いなくても、漏洩区間を検知できる空気調和機を提供できる。
(作用・効果)
本実施形態の作用・効果を改めてまとめると、以下のようになる。
本発明を適用すると、冷凍サイクルを圧力損失の観点で全8区間に分割し、冷媒温度検出手段である温度センサによって、8区間全てに温度センサを設けなくても、最低限3箇所のセンシングのみで、どの区間で冷媒漏洩が発生しているかを特定することができる。
これにより、システム構成を簡略化することができ、コスト低減を図ることができる。
また、漏洩検知センサに、高価でかつ1年程度の間隔で定期的なメンテナンスが望まれるガスセンサではなくて、冷媒温度検出手段51〜53、すなわち温度センサを用いることにより、製造コストやメンテナンスコストをさらに一層引き下げることができる。
また、冷媒漏洩を検知すると、漏洩終端時刻に至る前までに、自動で漏洩区間の判定が開始され、その判定結果を含めた情報を漏洩情報として、警報・周知することができるので、公知の装置に比べて、復旧作業を圧倒的に早く行うことができる。
また、冷媒漏洩のセンシングの頻度は、使用冷媒の可燃下限濃度の値が高いほど少なくなるように設定できるので、消費電力の低減を図ることができる。
また、このように構成することで、冷媒漏洩時の安全性の向上が図られる。このため、使用する冷媒は、例えば、R32やR1234yfなどの単一冷媒、またはそれらを主成分とする混合冷媒を用いてもよい。また、R290やR600aなどの単一冷媒、またはそれらを主成分とする混合冷媒を用いてもよい。
(第2実施形態)
第1実施形態では、冷媒温度検出手段51〜53には、温度センサが用いられ、それぞれで計測した値T51〜T53が、制御装置50の漏洩検知部60に入力される構成となっていた。
これに対し、本実施形態では、冷媒温度検出手段の代わりに、冷媒温度検出手段と同じ位置の配管内部に、漏洩検知センサとして、圧力センサ(構成は図1や図4と同じなので不図示)が備えられた構成となっている。
それ以外の点については、第1実施形態と同様である。なお、第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
この場合の圧力センサは、冷媒が漏洩すると、漏洩箇所を中心に管内圧力が急激に低下するので、直接この圧力をセンシングするものである。
漏洩箇所から漏洩検知センサである各圧力センサの位置まで、損失のある要素を複数またげばまたぐほど、圧力が下がりにくくなる仕組みは第1実施形態と同様なので、詳しい説明を省略する。
このように構成しても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。また、さらにこれに加えて、例えば、室外機1a内部に空気温度検出手段54を、室内機1b内部に空気温度検出手段55を備えるようにしてもよい(いずれも不図示)。
この場合、漏洩検知センサとしては冷媒温度検出手段51〜53と同じ、温度センサを用いることができる。
この場合の空気温度検出手段54は、例えば、第1熱交換器4付近の空気温度を検知するようにしてもよい。また、空気温度検出手段55は、例えば、第2熱交換器6付近の空気温度を検知するようにしてもよい。
このようにすることで、例えば、漏洩箇所が室内側か、室外側かを判定するステップS104(図5を参照)において、漏洩冷媒の噴出に伴う空気の温度低下が検出されたかをダブルチェックで確認するようにして、誤判定を防ぐ構成とすることができる。
また、冷媒温度検出手段51〜53の温度T51〜T53を比較する際に、空気温度検出手段54,55で検出した室外機1a、室内機1bの内部の空気温度を参考にして、室内外の気温差による影響を補正してから比較させるようにしてもよい。このようにすることで、さらに誤判定を減らすことができる。
さらに、予算制約がなければ、冷媒温度検出手段を4つ以上、すなわち多数設ける構成としてもよいことは言うまでもない。
なぜならば、厳密には、全ての圧力損失が生じる要素では、例外なくその上下流で温度差が生じている。このため、その前後で温度を検出して比較すれば、漏洩箇所をより詳細に推定することが可能となるからである。
そのような設置場所の候補としては、例えば、圧縮機2の入口と出口、膨張弁5の上下流、流路切換弁3の上下流などが挙げられる。
上記した実施形態は本発明を分かりやすくするために詳細に説明したものであり、必ずしも、説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
例えば、図4では、制御装置50の中に漏洩検知部60、漏洩警報部70を備える構成で説明したが、これらは別体で構成され、図示しない通信線によって相互に接続された構成であってもよい。
つまり、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、必ずしもすべての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に、他の実施形態の構成の一部もしくは全てを加えることも可能である。
具体的には、例えば、第1実施形態において、冷媒温度検出手段に加えて、第2実施形態で説明した、空気温度検出手段を併用する構成としたものであってもよい。
また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
具体的には、第1実施形態および第2実施形態ともに、冷房運転からの停止状態で説明したが、暖房運転からの停止状態であっても、本発明をそのまま適用することができる。
なぜならば、暖房運転は図1でいうところの冷媒流れの方向が破線矢印の方向になって、流路切換弁3の接続が破線で示される経路に切り替えられる、すなわち置き換えられる構成である。つまり、冷暖房の違いでは、表1で示す各要素の並び順が変更になるわけではないために、漏洩箇所から、それぞれの冷媒温度検出手段までの要素数は変わらないからである。
1 空気調和機(冷温熱機器)
1a 室外機
1b 室内機
2 圧縮機
3 流路切換弁
4 第1熱交換器(凝縮器)
5 膨張弁
6 第2熱交換器(蒸発器)
7a,7b 送風機
8,9 ストップバルブ
10 冷媒回路
20 サクションタンク(Sタンク)
50 制御装置
51,52,53,54,55 温度検出手段(センサ)
60 漏洩検知部(制御装置)
70 漏洩警報部(警報手段)
80 保守管理サービスセンタ
81 端末装置
90 外出先のユーザ
91 携帯端末装置
100 所定の登録先
101 携帯端末装置
110 サイレンブザー
120 運転ランプ
NWK ネットワーク
C−1,C−2,C−3,C−4,C−5,C−6,C−7,C−8 区間
T 所定時間
t 経過時間

Claims (6)

  1. 圧縮機、凝縮器、膨張弁、蒸発器を含んでなる冷凍サイクルと、
    前記冷凍サイクル上のそれぞれ離間した位置に設けられた少なくとも3つ以上のセンサと、
    前記センサから入力された値に基づいて冷媒が漏洩している区間を判定する制御装置と、
    を備えることを特徴とする、冷温熱機器。
  2. 前記冷温熱機器は空気調和機であり、
    前記センサは温度センサであり、
    前記制御装置は、前記判定を温度の高低に着目して行う
    ことを特徴とする、請求項1に記載の冷温熱機器。
  3. 前記区間は、圧力損失が発生する要素で区切られた区間である
    ことを特徴とする、請求項1または2に記載の冷温熱機器。
  4. 前記冷凍サイクルの運転停止中に前記冷媒が漏洩した時に、前記制御装置は、前記冷媒が漏洩している区間は、少なくとも3つ以上の前記温度センサのうち、温度が低い2つの前記温度センサの間、または、温度が低い2つの前記温度センサの一方が設置されている区間から他方が設置されている区間までの間、であると判定する
    ことを特徴とする、請求項2に記載の冷温熱機器。
  5. 圧縮機、凝縮器、膨張弁、蒸発器を含んでなる冷凍サイクルと、
    前記冷凍サイクル上のそれぞれ離間した位置に設けられた少なくとも3つ以上の温度センサと、
    前記冷凍サイクルの運転停止中に冷媒が漏洩した時に、前記温度センサからの値に基づいて前記冷媒が漏洩している区間に関する情報を通知する警報手段と、
    を備えることを特徴とする、冷温熱機器。
  6. 前記冷媒は、単一冷媒であるR32、R1234yf、R290、R600a、またはこれらを主成分とする混合冷媒である
    ことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の冷温熱機器。
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