JP6057512B2 - クランクケースヒータを備えた空気調和機 - Google Patents

クランクケースヒータを備えた空気調和機 Download PDF

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本発明は、圧縮機を加熱するためのクランクケースヒータを備えた空気調和機に関するものである。
空気調和機を長時間停止しておくと、冷媒が液状態となって圧縮機内に溜り込んで油に溶け込む。この状態で圧縮機を起動すると、液圧縮を引き起こすとともに、必要な油膜を形成できなくなることから、圧縮機が損傷する可能性がある。かかる現象は油温が低い場合に発生し易くなることから、寒冷地向けの空気調和機では、圧縮機にクランクケースヒータ(以下、CHと略称する。)を付設し、空気調和機を運転する前にCHに通電して圧縮機を加熱することにより、液冷媒を追い出すようにしている。
CHに対しては、圧縮機を起動する一定時間前に通電すればよいが、ユーザーが空気調和機を何時運転するか判らないことから、一般に空気調和機の電源がONされている状態においては、圧縮機が停止期間中は常にCHをONするようにしている。ところで、上記の如く、圧縮機が停止中、常に通電されるCHを備えた空気調和機であっても、非通電状態から通電状態に復帰されたとき、直ちに圧縮機を起動すると、液冷媒が油に溶け込んだ状態で圧縮機が起動される場合がある。このため、非通電状態からの復帰時には、CHに通電し、所定時間経過後に圧縮機を起動可能とすることで、一定の時間、圧縮機の起動を禁止するようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−105051号公報
しかしながら、特許文献1に記載のように、非通電状態からの復帰時、一定の時間だけ圧縮機の起動を禁止してしまうと、停電等による一時的な非通電状態からの復帰時においても、圧縮機を起動することができなくなってしまう。この場合、油温が高く、液冷媒が油に溶け込んでいるような状況ではないにも拘らず、圧縮機を起動して空調運転を行うことができない等の事態が発生する。また、電力事情により停電が頻発した場合には、停電の都度、かかる事態が発生してしまう等の課題があった。
一時的な非通電状態の検知は、圧縮機のドーム下(ハウジングの下方部)に温度センサを設置している空気調和機では、その検出温度に基づいて非通電状態が長時間に亘っているのか否かを判断することは比較的容易である。しかし、ドーム下温度センサを備えていない空気調和機にあっては、それを検知する術がなく、このため、温度センサ等を新たに追加設置することなく、一時的な非通電状態からの復帰か否かを簡易に判断し、圧縮機を起動制御することができる空気調和機の提供が求められていた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、既存の温度センサを利用することにより、その検出温度に基づいて、停電等による一時的な非通電状態からの復帰か否かを判定し、圧縮機を起動制御することができるクランクケースヒータを備えた空気調和機を提供することを目的とする。
上記した課題を解決するために、本発明のクランクケースヒータを備えた空気調和機は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかるクランクケースヒータを備えた空気調和機は、圧縮機にクランクケースヒータが設けられ、電源投入時に前記クランクケースヒータに通電し、所定時間が経過後に前記圧縮機を起動する起動制御部を備えている空気調和機において、非通電状態からの復帰時、吐出管温度センサで検出された吐出管温度Tdと外気温度センサで検出された外気温度Toutとの温度差(Td−Tout)が、5deg以上の場合、油温が前記外気温度よりも高く、かつ、停電等による一時的な非通電状態からの復帰と判定し、前記起動制御部による前記圧縮機の起動禁止を解除する起動禁止解除手段が設けられていることを特徴とする。
空気調和機が運転中に停電等により停止した場合、圧縮機も停止し、その吐出管温度および油温も徐々に低下する。この際、油の方が銅管からなる吐出管よりも熱容量が大きいことから、油温の方が吐出管温度よりも緩やかに低下し、或る時間が経過すると、その温度差が0degとなり、外気温と同一温度となる。本発明は、この点に着目し、既設の吐出管温度センサおよび外気温度センサで検出された吐出管温度Tdと外気温度Toutとの温度差(Td−Tout)を算出し、その温度差に基づいて、該温度差が設定温度以上の場合、停電等による一時的な非通電状態からの復帰と判定し、起動制御部による圧縮機の起動禁止を解除する起動禁止解除手段を設けた構成としているため、非通電状態から通電状態への復帰時、吐出管温度センサおよび外気温度センサで検出された吐出管温度Tdと外気温度Toutとの温度差(Td−Tout)に基づいて、非通電時間が長いか否かを判断し、温度差が設定温度以上の場合、停電等による一時的な非通電状態からの復帰であると判定して起動制御部による圧縮機の起動禁止を解除し、直ちに圧縮機を起動することができる。従って、停電等による一時的な非通電状態を検知し、停電復帰後の圧縮機起動禁止を回避して空気調和機を正常に運転することができる。また、吐出管温度センサおよび外気温度センサについては、既設のセンサをそのまま利用できることから、新たにセンサ類を追加する必要がなく、簡易に一時的な非通電状態か否かを判断し、圧縮機を起動制御することができる。
また、本発明によれば、温度差(Td−Tout)が、5deg以上の場合、停電等による一時的な非通電状態からの復帰であると判定し、起動禁止解除手段によって起動制御部による圧縮機の起動禁止を解除するようにしているため、吐出管温度Tdと外気温度Toutとの温度差(Td−Tout)の閾値を5degとすることにより、通常使われている温度センサ(サーミスタ)の誤差を吸収するとともに、圧縮機の起動禁止解除判定までの時間を可及的に長く確保し、かつ油温が確実で高い状態で判別できることから、通電状態への復帰が停電等による一時的な非通電状態からの復帰であることを確実に判別することができる。従って、圧縮機の起動禁止を解除する手段の信頼性を確保し、誤動作が生じないように圧縮機を確実に起動制御することができる。
本発明によると、非通電状態から通電状態への復帰時、吐出管温度センサおよび外気温度センサで検出された吐出管温度Tdと外気温度Toutとの温度差(Td−Tout)に基づいて、非通電時間が長いか否かを判断し、温度差が設定温度以上の場合、停電等による一時的な非通電状態からの復帰であると判定して起動制御部による圧縮機の起動禁止を解除し、直ちに圧縮機を起動することができるため、停電等による一時的な非通電状態を検知し、停電復帰後の圧縮機起動禁止を回避して空気調和機を正常に運転することができる。また、吐出管温度センサおよび外気温度センサについては、既設のセンサをそのまま利用できることから、新たにセンサ類を追加する必要がなく、簡易に一時的な非通電状態か否かを判断し、圧縮機を起動制御することができる。
本発明の一実施形態に係るマルチ空気調和機の概略構成図である。 図1に示すマルチ空気調和機の運転停止時の吐出管温度、油温および外気温の変化状態の説明図である。 圧縮機停止時(A)における吐出管温度センサ(ThoD1)および油温の計測データ(B),(C)の一例を示すものである。
以下に、本発明の一実施形態について、図1ないし図3を参照して説明する。
図1には、本発明の一実施形態に係るマルチ空気調和機の概略構成図が示され、図2には、その運転停止時の吐出管温度、油温、外気温の変化状態の説明図が示されている。
マルチタイプの空気調和機(以下、単に空気調和機と称する場合もある。)1は、1台の室外機2に対して、複数台の室内機3A,3Bが室外機2から導出されるガス側配管4および液側配管5の間に分岐器6を介して互いに並列に接続されたものである。
室外機2は、冷媒を圧縮するインバータ駆動の圧縮機10と、冷媒ガス中から油を分離する油分離器11と、冷媒の循環方向を切換える四方切換弁12と、冷媒と外気とを熱交換させる室外熱交換器13と、室外熱交換器13と一体的に構成されている過冷却コイル14と、室外側膨張弁(EEVH)15と、液冷媒を貯留するレシーバ16と、液冷媒に過冷却を与える過冷却熱交換器17と、過冷却熱交換器17に分流される冷媒量を制御する過冷却用膨張弁(EEVSC)18と、圧縮機10に吸入される冷媒ガスから液分を分離し、ガス分のみを圧縮機10側に吸入させるアキュームレータ19と、ガス側操作弁20および液側操作弁21と、を備えている。
室外機2側の上記各機器は、冷媒配管22を介して公知の如く接続され、室外側冷媒回路23を構成している。また、室外機2には、室外熱交換器13に対して外気を通風するための室外ファン24が設けられているとともに、油分離器11と圧縮機10の吸入配管との間に、油分離器11内で吐出冷媒ガスから分離された潤滑油を所定量ずつ圧縮機10側に戻すための油戻し回路25が設けられている。
ガス側配管4および液側配管5は、室外機2のガス側操作弁20および液側操作弁21に接続される冷媒配管であり、現場での据え付け施工時に、室外機2とそれに接続される複数台の室内機3A,3Bとの間の距離に応じて、その配管長が設定されるようになっている。ガス側配管4および液側配管5の途中には、適宜数の分岐器6が設けられ、該分岐器6を介して適宜台数の室内機3A,3Bが接続されている。これによって、密閉された1系統の冷凍サイクル(冷媒回路)7が構成されている。
室内機3A,3Bは、室内空気を冷媒と熱交換させて室内の空調に供する室内熱交換器30と、室内側膨張弁(EEVC)31と、室内熱交換器30に対して室内空気を循環させる室内ファン32とを備えており、室内側の分岐ガス側配管4A,4Bおよび分岐液側配管5A,5Bを介して分岐器6に接続されている。
上記の空気調和機1において、冷房運転は、以下のように行われる。
圧縮機10で圧縮され、吐出された高温高圧の冷媒ガスは、油分離器11で冷媒中に含まれている油が分離される。その後、冷媒ガスは、四方切換弁12により室外熱交換器13側に循環され、室外熱交換器13で室外ファン24により送風される外気と熱交換して凝縮液化される。この液冷媒は、過冷却コイル14で更に冷却された後、室外側膨張弁15を通過し、レシーバ16内にいったん貯留される。
レシーバ16で循環量が調整された液冷媒は、過冷却熱交換器17を経て液冷媒配管側を流通される過程で、液冷媒配管から分流され、過冷却用膨張弁(EEVSC)18で断熱膨張された一部の冷媒と熱交換されて過冷却度が付与される。この液冷媒は、液側操作弁21を経て室外機2から液側配管5へと導出される。更に液側配管5に導出された液冷媒は、分岐器6を介して各室内機3A,3Bの分岐液側配管5A,5Bへと分流される。
分岐液側配管5A,5Bに分流された液冷媒は、各室内機3A,3Bに流入し、室内側膨張弁(EEVC)31で断熱膨張され、気液二相流となって室内熱交換器30に流入される。室内熱交換器30では、室内ファン32により循環される室内空気と冷媒とが熱交換され、室内空気は冷却されて室内の冷房に供される。一方、冷媒はガス化され、分岐ガス側配管4A,4Bを経て分岐器6に至り、他の室内機からの冷媒ガスとガス側配管4で合流される。
ガス側配管4で合流された冷媒ガスは、再び室外機2に戻り、ガス側操作弁20、四方切換弁12を経て、過冷却熱交換器17からの冷媒ガスと合流された後、アキュームレータ19に導入される。アキュームレータ19では、冷媒ガス中に含まれている液分が分離され、ガス分のみが圧縮機10に吸入される。この冷媒は、圧縮機10において再び圧縮され、以上のサイクルを繰り返すことによって冷房運転が行われる。
一方、暖房運転は、以下のように行われる。
圧縮機10により圧縮され、吐出された高温高圧の冷媒ガスは、油分離器11で冷媒中に含まれている油が分離された後、四方切換弁12を介してガス側操作弁20側に循環される。ガス側操作弁20側に循環された冷媒は、ガス側配管4を介して室外機2から導出され、分岐器6、室内側の分岐ガス側配管4A,4Bを経て複数台の室内機3A,3Bに導入される。
室内機3A,3Bに導入された高温高圧の冷媒ガスは、室内熱交換器30で室内ファン32を介して循環される室内空気と熱交換され、室内空気は加熱されて室内の暖房に供される。室内熱交換器30で凝縮された液冷媒は、室内側膨張弁(EEVC)31、分岐液側配管5A,5Bを経て分岐器6に至り、他の室内機からの冷媒と合流された後、液側配管5を経て室外機2側に戻される。なお、暖房時、室内機3A,3Bでは、凝縮器として機能する室内熱交換器30の冷媒出口温度(以下、熱交出口温度という。)または冷媒過冷却度が目標値となるように、室内側膨張弁(EEVC)31の開度が制御されるようになっている。
室外機2側に戻った冷媒は、液側操作弁21を経て過冷却熱交換器17に至り、冷房時の場合と同様に過冷却が付与された後、レシーバ16に流入され、いったん貯留されることにより循環量が調整される。この液冷媒は、室外側膨張弁(EEVH)15に供給されて断熱膨張された後、過冷却コイル14を経て室外熱交換器13に流入される。
室外熱交換器13においては、室外ファン24を介して送風される外気と冷媒とが熱交換され、冷媒は外気から吸熱して蒸発ガス化される。該冷媒は、室外熱交換器13から四方切換弁12を経て、過冷却熱交換器17からの冷媒ガスと合流された後、アキュームレータ19に導入される。アキュームレータ19では、冷媒ガス中に含まれている液分が分離されてガス分のみが圧縮機10に吸入され、圧縮機10において再び圧縮される。以上のサイクルを繰り返すことによって暖房運転が行われる。
さらに、上記空気調和機1において、圧縮機10には、図1に示されるように、ハウジング10Aの外周下部にクランクケースヒータ(以下、CHと略称する。)40が付設されている。このCH40は、圧縮機10が停止期間中に、圧縮機10内に冷媒が液状態となって溜り込んで油に溶け込み、圧縮機10を起動する際に、液圧縮を起こしたり、必要な油膜を形成できなかったりすることによって圧縮機10が損傷するのを防止するためのものであり、空気調和機1を運転する前にCH40に通電して圧縮機10を加熱し、液冷媒を圧縮機10から追出すことにより、圧縮機10を保護する役割を担っている。
室外コントローラ41には、空気調和機1の電源がON状態(通電状態)とされているときは、圧縮機10が停止期間中、常にCH40をON状態とし、空気調和機1の電源がOFF状態(非通電状態)からON状態(通電状態)とされたときは、CH40をON状態とするとともに、圧縮機10の起動を一定の時間禁止し、一定の時間が経過後に圧縮機10を起動可能とする起動制御部42が設けられている。
また、室外コントローラ41には、起動制御部42による圧縮機10の起動制御およびCH40のON/OFF制御にかかわらず、停電等による一時的な電源OFF状態からON状態への復帰であるか否かを判定し、停電等による一時的なOFF状態からの復帰であると判定されたとき、起動制御部42による圧縮機10の起動禁止を解除し、直ちに圧縮機10を起動する起動禁止解除手段43が設けられている。
この起動禁止解除手段43は、電源がOFF状態からON状態への復帰時、圧縮機10の吐出管22Aに設置されている吐出管温度センサ(サーミスタ)44および室外ファン24の外気吸込み側に設置されている外気温度センサ(サーミスタ)45の検出値を取り込み、その温度差、すなわち吐出管温度センサ44で検出された吐出管温度Tdと、外気温度センサ45で検出された外気温度Toutとの差(Td−Tout)を算出し、その温度差に基づいて、該温度差が設定温度以上の場合、停電等による一時的なOFF状態からの復帰と判定し、起動制御部42による圧縮機10の起動禁止を解除する機能を有するものである。
ここで、電源がOFF状態からON状態への復帰時、吐出管温度Tdと外気温度Toutとの温度差(Td−Tout)が、設定温度以上の場合に「停電等による一時的なOFF状態からの復帰」と判定できる理由について、図2および図3を用いて説明する。
空気調和機1が長時間停止した状態において、吐出管温度Tdおよび圧縮機10の油温Toilは、外気温度Toutと等しく、それらの温度差は0degである。一方、空気調和機1が運転すると、吐出管温度Tdは、80−90℃程度まで上昇し、油温Toilもそれに伴って上昇する。
この状態で、電源がOFFとなり、空気調和機1(圧縮機10)が停止すると、図2に示されるように、吐出管温度Tdおよび油温Toilは、徐々に低下する。この際、油の方が銅管からなる吐出管22Aよりも熱容量が大きいことから、油温Toilの方が吐出管温度Tdよりも緩やかに低下し、或る時間経過すると、吐出管温度Tdの方が油温Toilよりも低くなり、b時間後に吐出管温度Tdと外気温度Toutとが等しく、その温度差が0degとなる。この段階で、油温Toilは、吐出管温度Tdよりも高い状態を維持しており、更に遅れたc時間後に外気温度Toutと等しく、その温度差が0degとなる。
この吐出管温度Tdおよび油温Toilの変化状態は、図3に示される実測データからも明らかである。図3は、(A)に示されるように、圧縮機停止タイムtで圧縮機駆動周波数(Hz)を0として圧縮機10を停止したときの吐出管温度センサ(ThoD1)44の検出値と油温Toilの検出値の時間経過に対する変化状態を表したものである。
以上のように、油よりも吐出管22Aの方が、熱容量が小さいため、吐出管温度Tdと外気温度Toutとの温度差が0degになっても、油温Toilは高い状態を保つ。しかし、温度差を0degとして制御した場合、図2に示すbからcまでの時間では、油温Toilが外気温度Toutよりも確実に高いか否かを判別することができなくする。
そこで、本実施形態においては、2つの吐出管温度センサ44および外気温度センサ45の誤差を加味する(吸収する)とともに、圧縮機10の起動禁止解除判定までの時間aを可及的に長く確保し、かつ油温が確実に高い状態で判別できるようにするため、温度差5degを閾値としている。従って、電源がOFF状態からON状態への復帰時、吐出管温度Tdと外気温度Toutとの温度差(Td−Tout)が5deg以上の場合、確実に「停電等による一時的なOFF状態からの復帰」と判定してもよいことになる。
斯くして、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
空気調和機1が運転中に停電等により停止した場合、圧縮機10も停止し、図2,図3に示されるように、吐出管温度Tdおよび油温Toilも徐々に低下する。この際、油の方が銅管からなる吐出管22Aよりも熱容量が大きいことから、油温Toilの方が吐出管温度Tdよりも緩やかに低下し、或る時間cが経過した時点で、その温度差が0degとなり、外気温Toutと同一温度となる。
本実施形態においては、この吐出管温度Tdおよび油温Toilの変化と外気温Toutとの関係に着目し、電源がOFF状態からON状態への復帰時、如何なる空気調和機1にも必ず設置されている吐出管温度センサ44および外気温度センサ45によって検出された吐出管温度Tdと外気温度Toutとの温度差(Td−Tout)を算出し、その温度差に基づいて、該温度差が設定温度(5deg)以上の場合、停電等による一時的な非通電状態からの復帰と判定するようにしている。
そして、この判定結果に基づいて、空気調和機1の電源がOFF状態(非通電状態)からON状態(通電状態)とされたとき、CH40をON状態とするとともに、圧縮機10の起動を一定時間禁止し、一定時間経過後に圧縮機10を起動するようにしている起動制御部42を介して起動が禁止されている圧縮機10の起動禁止を、起動禁止解除手段43を介して解除し、直ちに圧縮機10を起動することができるようにしている。
つまり、通常、電源がOFF状態(非通電状態)からON状態(通電状態)とされたときは、空気調和機1が停止状態だったため、圧縮機10および油が外気温と同温度まで冷やされ、油中に液冷媒が溶け込んでいる可能性が高い。この状態で直ぐに圧縮機10を起動すると、液圧縮の発生や必要な油膜の不形成により圧縮機が損傷する虞がある。この問題を解消するため、電源がOFF状態(非通電状態)からの復帰時、起動制御部42によりCH40をON状態とするとともに、圧縮機10の起動を一定の時間禁止している。
しかるに、停電等による一時的なOFF状態(非通電状態)からの復帰の場合、油中に液冷媒が溶け込んだ状態となることはなく、液圧縮の発生や必要な油膜が形成できずに圧縮機が損傷する心配がないことから、圧縮機10を直ちに起動しても問題はない。本実施形態では、起動禁止解除手段43が、吐出管温度Tdと外気温度Toutとの温度差(Td−Tout)に基づいて、非通電時間が長かったか否かを判定する。そして、その温度差が5deg以上の場合、電源の復帰が停電等による一時的な非通電状態からの復帰であると判定し、起動制御部42による圧縮機10の起動禁止を解除して、直ちに圧縮機10を起動可能としている。
従って、停電等による一時的な非通電状態を検知し、停電復帰後の起動制御部42による圧縮機起動禁止を回避して空気調和機1を正常に運転することができる。また、吐出管温度センサ44および外気温度センサ45については、既設のセンサをそのまま利用することができることから、新たにセンサ類を追加する必要がなく、簡易に一時的な非通電状態か否かを判断し、圧縮機10を起動制御することができる。
さらに、吐出管温度Tdと外気温度Toutとの温度差(Td−Tout)の閾値を5degとすることにより、通常使われている温度センサ44,45(サーミスタ)の誤差を吸収するとともに、圧縮機10の起動禁止解除判定までの時間をより長く確保し、かつ油温Toilが確実で高い状態で判別できることから、通電状態への復帰が停電等による一時的な非通電状態からの復帰であることを確実に判別することができる。従って、圧縮機10の起動禁止を解除する起動禁止解除手段43の信頼性を確保し、誤動作が生じないように圧縮機10を確実に起動制御することができる。
なお、本発明は、上記実施形態にかかる発明に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、適宜変形が可能である。例えば、上記実施形態では、マルチ空気調和機1に適用した例について説明したが、室外機2に対して1台の室内機が接続されたシングルタイプの空気調和機にも同様に適用できることは云うまでもない。また、上記実施形態では、±2℃程度の誤差が見込まれるサーミスタを2個使って温度差(Td−Tout)を算出するようにしていることから、有意な温度を検出するための閾値を5degとしているが、高精度の温度センサであれば、閾値を更に小さくすることにより、判定時間をより長くすることが可能とかる。
1 空気調和機
10 圧縮機
40 クランクケースヒータ(CH)
41 室外コントローラ
42 起動制御部
43 起動禁止解除手段
44 吐出管温度センサ
45 外気温度センサ

Claims (1)

  1. 圧縮機にクランクケースヒータが設けられ、電源投入時に前記クランクケースヒータに通電し、所定時間が経過後に前記圧縮機を起動する起動制御部を備えている空気調和機において、
    非通電状態からの復帰時、吐出管温度センサで検出された吐出管温度Tdと外気温度センサで検出された外気温度Toutとの温度差(Td−Tout)が、5deg以上の場合、油温が前記外気温度よりも高く、かつ、停電等による一時的な非通電状態からの復帰と判定し、前記起動制御部による前記圧縮機の起動禁止を解除する起動禁止解除手段が設けられていることを特徴とするクランクケースヒータを備えた空気調和機。
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