JP2015202997A - 基板、基板製造システム、剥離装置、基板製造方法および剥離方法 - Google Patents

基板、基板製造システム、剥離装置、基板製造方法および剥離方法 Download PDF

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啓史 佐藤
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厚 城山
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嘉孝 中谷
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佑輔 似内
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Abstract

【課題】ステージの基板に対する真空吸着力を保ちつつ、ステージから容易に剥離することが可能であって、且つステージから剥離する際に剥離帯電が発生しにくい基板を提供する。
【解決手段】第一の面510と、第一の面510の反対側の第二の面520とを有する矩形の基板であって、第一の面510の中央部の算術平均表面粗さが、少なくとも第一の面510の一つの辺E1に沿う一つの縁部の算術平均表面粗さよりも小さい基板500。
【選択図】図1

Description

本発明は、基板、基板製造システム、剥離装置、基板製造方法および剥離方法に関するものである。
フラットパネルディスプレイ等の製造プロセスは、基板の割れや欠けを防ぐために鋭利な角部を研削する面取り工程や、薄膜トランジスタや透明電極といった電子部材を基板に形成する工程を含む。これらの工程は、基板の一方の面(以下、「第一の面」という。)を、真空吸着によりステージに固定した状態で行われる(例えば、特許文献1参照)。
基板が載置されるステージ上の面(以下、「載置面」という。)は、金属やセラミックで形成される。第一の面が平滑であると、基板はステージに貼り付きやすくなる。したがって、基板をステージから剥離しようとすると、基板が破損するおそれ、あるいは基板の剥離帯電が発生するおそれが高くなる。基板の破損、あるいは基板の剥離帯電の発生を防ぐために、第一の面に反応ガスを吹き付けてエッチングを行い、第一の面を粗面化する。これにより、基板とステージの接触面積が減少し、基板を破損することなくステージから剥離しやすくなる(例えば、特許文献2参照)。
特開2011−207739号公報 国際公開第2010/128673号
しかしながら、第一の面全面を均一に粗面化すると、第一の面と載置面との接触面積が減少するため、ステージの真空吸着力が弱くなる。このため、上記の工程を行う際に、基板が所望の固定位置からずれてしまうという問題が生じる。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであって、ステージの基板に対する真空吸着力を保ちつつ、ステージから容易に剥離することが可能であって、且つステージから剥離する際に剥離帯電が発生しにくい基板、基板製造システム、剥離装置、基板製造方法および剥離方法を提供することを目的とする。
本発明の第一の態様に係る基板は、第一の面と、前記第一の面と反対側の第二の面とを有する基板であって、前記第一の面の中央部の算術平均表面粗さが、少なくとも前記第一の面の一つの辺に沿う一つの縁部の算術平均表面粗さよりも小さい。
本発明の第一の態様に係る基板は、前記第一の面の前記中央部の算術平均表面粗さが、前記第一の面の四つの辺にそれぞれ沿う四つの縁部の算術平均表面粗さのいずれよりも小さいものであってもよい。
本発明の第一の態様に係る基板においては、前記第一の面は、吸着ステージに接する側となる面であり、前記第二の面は、電子部材が形成される面であってもよい。
本発明の第一の態様に係る基板製造システムは、基板を搬送する搬送装置と、前記搬送装置によって搬送される前記基板の第一の面に反応ガスを吹き付けて前記第一の面を粗面化するノズルと、前記基板と前記ノズルとの相対位置に応じて向きが変化する気流を前記ノズルと前記基板との間の隙間に向けて流入させる気流制御手段と、を含む。
本発明の第一の態様に係る基板製造システムにおいては、前記気流制御手段は、第一の気流生成装置を含み、前記第一の気流生成装置は、前記ノズルの基板搬送方向下流側に設けられ、前記ノズルによって反応ガスが吹き付けられている前記基板の前記第一の面に第一の気流を作用させるものであってもよい。
本発明の第一の態様に係る基板製造システムにおいては、前記気流制御手段は、第二の気流生成装置と、第三の気流生成装置と、を含み、前記第二の気流生成装置は、前記ノズルの基板搬送方向上流側に設けられ、前記ノズルによって前記反応ガスが吹き付けられている前記基板の前記第一の面と反対側の第二の面に第二の気流を作用させ、前記第三の気流生成装置は、前記ノズルの基板搬送方向下流側で且つ前記第一の気流生成装置の基板搬送方向上流側に設けられ、前記第二の気流と同じ向きの第三の気流を発生させるものであってもよい。
本発明の第一の態様に係る基板製造システムにおいては、第二の気流生成装置と、第三の気流生成装置と、を含み、前記第二の気流生成装置は、前記ノズルの基板搬送方向上流側に設けられ、前記ノズルによって前記反応ガスが吹き付けられている前記基板の前記第一の面と反対側の第二の面に第二の気流を作用させ、前記第三の気流生成装置は、前記ノズルの基板搬送方向下流側に設けられ、前記基板の搬送経路を挟んで前記搬送経路の一方側から他方側に向かう第三の気流を発生させるものであってもよい。
本発明の第一の態様に係る基板製造システムは、前記ノズルが内部に設けられたエッチング槽と、前記エッチング槽の基板搬送方向上流側に接続され、前記第二の気流生成装置によって内部に前記第二の気流が生成される第一のバッファ槽と、前記エッチング槽の基板搬送方向下流側に接続され、前記第三の気流生成装置によって内部に前記第三の気流が生成される第二のバッファ槽と、を含み、前記エッチング槽、前記第一のバッファ槽および前記第二のバッファ槽の各々は、前記搬送装置によって前記基板が搬入される基板搬入口と、前記搬送装置によって前記基板が搬出される基板搬出口と、を含み、前記第一のバッファ槽の前記基板搬入口から前記ノズルまでの基板搬送方向の長さは、前記基板の基板搬送方向の長さ以下であるものであってもよい。
本発明の第一の態様に係る剥離装置は、ステージに吸着された板状体を前記ステージから剥離する剥離手段を含み、前記板状体は、前記ステージに吸着された第一の面の中央部の算術平均表面粗さが、少なくとも前記第一の面の一つの辺に沿う一つの縁部の算術平均表面粗さよりも小さく、前記剥離手段は、前記ステージと前記一つの縁部とが重畳する重畳部分から前記板状体を剥離し始める。
本発明の第一の態様に係る基板製造方法は、前記第一の態様に係る基板製造システムを用いて前記基板の前記第一の面に粗面化処理を施す基板製造方法であって、前記搬送装置によって前記基板を搬送する搬送ステップと、前記搬送装置によって搬送される前記基板の前記第一の面に前記ノズルから反応ガスを吹き付けて前記第一の面を粗面化する粗面化ステップと、前記基板と前記ノズルとの相対位置に応じて向きが変化する気流を前記ノズルと前記基板との間の隙間に向けて流入させる気流制御ステップと、を含む。
本発明の第一の態様に係る剥離方法は、ステージに吸着された板状体を前記ステージから剥離する剥離ステップを含み、前記板状体は、前記ステージに吸着された第一の面の中央部の算術平均表面粗さが、少なくとも前記第一の面の一つの辺に沿う一つの縁部の算術平均表面粗さよりも小さく、前記剥離ステップでは、前記ステージと前記一つの縁部とが重畳する重畳部分から前記板状体を剥離し始める。
本発明によれば、ステージの基板に対する真空吸着力を保ちつつ、ステージから容易に剥離することが可能であって、且つステージから剥離する際に剥離帯電が発生しにくい基板、基板製造システム、剥離装置、基板製造方法および剥離方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係る基板を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る基板の中央部および縁部の定義、および各領域での平均表面粗さを説明する上視図である。 本発明の実施形態に係る基板の上視図である。 本発明の実施形態に係る基板の算術平均表面粗さの分布を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る基板製造システムの一部を示す側面図である。 第一の気流発生機構を説明する図である。 第二の気流発生機構を説明する図である。 第二の気流発生機構を説明する図である。 基板の搬送速度を制御しつつ粗面化処理を行う方法を示す側面図である。 反応ガスの吹き出し量を制御しつつ粗面化処理を行う方法を示す側面図である。 本発明の実施形態に係る基板製造システムの上視図である。 本発明の実施形態に係る基板製造システムの側面図である。 ノズルのガス吹き出し口上に、マスク材を挿入可能な基板製造システムの、ノズル近傍の上視図および側面図である。 本発明の実施形態に係る剥離方法の第一の例を示す図である。 本発明の実施形態に係る剥離方法の第二の例を示す図である。
[基板]
本発明の一実施の形態に係る基板500について、図1ないし図4を用いて説明する。図1は、基板500を示す斜視図である。図2は、基板500の中央部511および縁部512の定義、および各領域での平均表面粗さを説明する上視図である。図3および図4は、基板500の上視図、および算術平均表面粗さの分布を示す模式図である。
図1に示すように、基板500は、2つの主表面である第一の面510と第一の面510の反対側の第二の面520とを有する。基板500は、例えば、フラットパネルディスプレイ等の基板として用いられる矩形のガラス基板である。基板500は、例えば、第一の面510を真空吸着によりステージに固定した状態で、基板500の端部および角部を研削する面取り工程や、薄膜トランジスタや透明電極といった電子部材を第二の面520に形成する工程などに供される。
第一の面510の中央部511の算術平均表面粗さは、少なくとも第一の面510の一つの辺に沿う一つの縁部の算術平均表面粗さよりも小さい。第一の面510に粗度(算術平均表面粗さの大きさ)の分布を持たせることで、基板500をステージに吸着する際に、吸着しやすい部分(粗度の小さい部分)と吸着しにくい部分(粗度の大きい部分)を形成することができる。ステージに吸着しにくい部分(粗度の大きい部分)から基板500を剥離すれば、基板500の剥離が容易になり、基板500の割れなどが抑制される。
以下、第一の面510に形成される粗度の分布の一例を具体的に説明する。
図1に示すように、第一の面510は、例えば、第一の辺E1、第二の辺E2、第三の辺E3、および第四の辺E4を有する。第一の辺E1と第二の辺E2とは対向し、第三の辺E3と第四の辺E4とは対向する。以下、第四の辺E4に沿って第二の辺E2から第一の辺E1に向かう方向をX方向といい、第二の辺E2に沿って第四の辺E4から第三の辺E3に向かう方向をY方向という。第一の辺E1および第二の辺E2の長さをL、第三の辺E3および第四の辺E4の長さをLと記す。
第一の面510の中央部511は、例えば、第一の面510の中心点501を中心とし、X方向に平行な長さL/3の二辺、およびY方向に平行な長さL/3の二辺で囲まれる矩形領域として規定される。
図2および図3に示すように、第一の面510は、第一の辺E1に沿う第一の縁部512と、第二の辺E2に沿う第二の縁部513と、第三の辺E3に沿う第三の縁部514と、第四の辺E4に沿う第四の縁部515と、を含む。第一の縁部512、第二の縁部513、第三の縁部514および第四の縁部515は、例えば、第一の辺E1、第二の辺E2、第三の辺E3および第四の辺E4から一定の距離dだけ内側に及ぶ第一の面510内の矩形の領域としてそれぞれ規定される。第一の縁部512、第二の縁部513、第三の縁部514および第四の縁部515は、中央部511よりも外側の領域であるため、L/3>dかつL/3>dである。
後述するように、ステージから基板500を剥離する場合には、基板500の縁部から剥離が開始される。第一の縁部512、第二の縁部513、第三の縁部514および第四の縁部515のうち、少なくとも一つの縁部の粗度が大きくなっていれば、その縁部から剥離を開始すればよい。よって、上記四つの縁部のうちの少なくともいずれか一つの縁部の算術平均表面粗さが、中央部511の算術平均表面粗さよりも大きければよい。
粗度が大きく設定される領域の大きさ(dの大きさ)は、基板500とステージの載置面との相対的な大きさによって決められる。例えば、dの大きさは、基板500をステージに載置したとき、第一の面510がステージの載置面と接触する部分に上記四つの縁部のうちの少なくともいずれか一つの縁部が重畳するような値とする。吸着パッド等を用いてステージから基板500を剥離する際の便宜のため、粗度が大きく設定される領域の面積は十分広くとることが望ましい。具体的には、d≧200mmとすることが望ましい。
本実施形態の基板500は、中央部511の算術平均表面粗さが少なくも一つの縁部の算術平均表面粗さよりも小さいものとして規定される。算術平均表面粗さは、JIS B0601―2013に準拠する。算術平均表面粗さの値は、原子間力顕微鏡(製品名:SPI−3800N、セイコーインスツル社製)を用いて測定される。具体的には、原子間力顕微鏡により基板500の表面形状(表面プロファイル)を測定し、その表面形状の三次元情報から基板500の算術平均表面粗さを計算により求める。計算ソフトは、原子間力顕微鏡に付属のソフト(ソフト名:SPA−400)を用いる。
中央部511の算術平均表面粗さRa0は、中央部511の1点以上の測定点の算術平均表面粗さの平均値として規定される。好ましくは、中心点501および選択した中央部511の任意の2点以上の測定点の算術平均表面粗さを各々測定し、各値の平均値を中央部511の算術平均表面粗さとして規定する。この場合、測定点の選び方によって中央部511の算術平均表面粗さの値が変わるため、本実施形態では、例えば、代表的な測定点である中心点501の算術平均表面粗さの値を中央部511の算術平均表面粗さの値として定義する。
中心点501は、第一の辺E1および第二の辺E2から等距離(L/2)にあり、且つ、第三の辺E3および第四の辺E4から等距離(L/2)にある点である。中心点501を測定点とし、この測定点を中央に有する測定領域の表面プロファイルを、原子間力顕微鏡を用いて測定する。測定領域は、測定点を中心として、X方向に平行な二辺およびY方向に平行な二辺を有するサイズ5μm×5μmの矩形領域である。測定は、スキャンエリア5μm×5μmに対し、ダイナミック・フォース・モードを用いて(カンチレバー:SI−DF40P2)、スキャンレート1Hzで行う(エリア内データ数:256×256)。原子間力顕微鏡による測定結果から、計算ソフトを用いて測定領域の算術平均表面粗さRaを求める。この値を中央部511の算術平均表面粗さRa0と定義する。
縁部の算術平均表面粗さは、縁部の1点以上の測定点の算術平均表面粗さの平均値として規定される。好ましくは、縁部の中心点および選択した縁部の任意の2点以上の測定点の算術平均表面粗さを各々測定し、各値の平均値を縁部の算術平均表面粗さとして規定する。この場合、測定点の選び方によって縁部の算術平均表面粗さの値が変わるため、本実施形態では、例えば、以下の方法で縁部の算術平均表面粗さを定義する。以下、図2を用いて第一の縁部512の算術平均表面粗さの定義を説明するが、第二の縁部513、第三の縁部514および第四の縁部515の定義も同様である。
まず、図2に示すように、第一の面510の第一の辺E1に沿う三つの点を第一の測定点502、第二の測定点503、および第三の測定点504として設定する。X方向に関しては、3つの測定点502ないし504は、第一の辺E1からd/2mmだけ内側の位置にとる。Y方向に関しては、第一の測定点502は、第四の辺E4から、d/2mmだけ内側の位置にとる。第二の測定点503は、第三の辺E3および第四の辺E4から等距離(L/2)の位置にとる。第三の測定点504は、第三の辺E3からd/2mmだけ内側の位置にとる。
そして、第一の測定点502を中央に有する第一の測定領域の表面プロファイルと、第二の測定点503を中央に有する第二の測定領域の表面プロファイルと、第三の測定点504を中央に有する第三の測定領域の表面プロファイルと、を原子間力顕微鏡を用いて測定する。第一の測定領域、第二の測定領域および第三の測定領域は、それぞれ第一の測定点、第二の測定点および第三の測定点を中心として、X方向に平行な二辺およびY方向に平行な二辺を有するサイズ5μm×5μmの矩形領域である。測定は、スキャンエリア5μm×5μmに対し、ダイナミック・フォース・モードを用いて(カンチレバー:SI−DF40P2)、スキャンレート1Hzで行う(エリア内データ数:256×256)。原子間力顕微鏡による測定結果から、計算ソフトを用いて第一の測定領域の第一の測定点502、第二の測定点503および第三の測定点504それぞれの算術平均表面粗さRa1、第二の測定領域の算術平均表面粗さRa2および第三の測定領域の算術平均表面粗さRa3を求める。そして、これら三つの算術平均表面粗さの平均値<Ra>を算出する(<Ra>=(Ra1+Ra2+Ra3)/3)。この値<Ra>を第一の縁部512における算術平均表面粗さRa512と定義する。その他の縁部513、514、515についても算術平均表面粗さを算出し、それぞれRa513、Ra514、Ra515と定義する。
この場合、dの値(縁部の幅)によって測定点の位置が変わり、それに応じて縁部の算術平均表面粗さの値も変わることとなる。そのため、本実施形態では、例えば、dの値を200mmとし、第一の辺E1から100mmだけ内側に位置する3つの測定点の算術平均表面粗さの平均値を第一の縁部512の算術平均表面粗さとして定義する。
図4(a)は、基板500の第一の面510のうち図3に示すA−Bを結ぶ線上における、算術平均表面粗さの分布の一例を示す模式図である。A−Bを結ぶ線は、X方向に平行であり、中心点501を含む。図4(b)は、基板500の第一の面510のうち図3に示すC−Dを結ぶ線上における、算術平均表面粗さの分布の一例を示す模式図である。C−Dを結ぶ線は、Y方向に平行であり、中心点501を含む。
図4(a)および図4(b)の例では、第一の面510の中央部511の算術平均表面粗さRa0が、第一の面510の四つの辺E1ないしE4にそれぞれ沿う四つの縁部512ないし514の算術平均表面粗さのいずれよりも小さい。この構成によれば、基板500の四つの縁部512ないし515のどこから基板500を剥離しても、基板500の剥離を容易に行うことができる。また、四つの縁部512ないし515から同時に基板500を剥離し始めることもできる。この場合、剥離作業を短時間で効率的に行うことができる。
[剥離装置]
図14および図15は、ステージ200から基板500を剥離する方法を説明する図である。図14は、剥離方法の第一の例を示す図であり、図15は、剥離方法の第二の例を示す図である。図14および図15では、基板500の第一の面510において、中央部511よりも粗度の大きくなっている部分(大粗度領域)にハッチングを施している。図14および図15の例では、第一の縁部512と第二の縁部513が大粗度領域となっている。
なお、以下では単一の基板500がステージ200から剥離される場合を説明するが、剥離装置が剥離する対象は、単一の基板に限られない。例えば、複数の基板を接着層を介して積層した積層体や、複数の基板を機能性材料を介して積層した機能性部材など、板状の形状を有する部材(以下、「板状体」という。)であればどのようなものでもよい。積層体の例としては、例えば、特許第5200538号公報に記載された薄板ガラス積層体などが挙げられる。機能性部材としては、2枚のガラス基板を液晶層、有機EL素子層または電気泳動素子層などを挟んで接着した光学パネルなどが挙げられる。単一の基板を用いる場合には、その主表面に配線などの回路部が形成されていてもよい。
図14(a)は、基板500がステージ200に吸着された状態を示す。ステージ200は、複数の吸着孔210を含む。図14(a)では、便宜上、2つの吸着孔210a、210bのみが示されているが、実際には、3つ以上の吸着孔210がステージの全面に設けられている。基板500の第一の面510がステージ200の上に載置された状態で、吸着孔210内部の気体を真空吸引することにより、基板500はステージ200に真空吸着される。
第一の面510の中央部511は、算術平均表面粗さが比較的小さい。このため、第一の面510の中央部511はステージ200と接触する面積が大きくなり、ステージに貼り付きやすくなる。大粗度領域(第一の縁部512および第二の縁部513)は、算術平均表面粗さが比較的大きい。このため、大粗度領域は、ステージ200と接触する面積が小さくなり、中央部511に比べてステージに対する吸着力は弱くなる。この構成では、大粗度領域が設けられた基板500の縁部において吸着力が弱くなるが、基板中央部の広い領域で吸着力が良好に保たれるため、基板500はステージ200に強固に固定される。
図14(b)および図14(c)に示すように、ステージ200から基板500を剥離する際には、ステージ200と大粗度領域(中央部511よりも算術平均表面粗さが大きくなっている基板500の縁部)とが重畳する重畳部分から基板500を剥離し始めるようにする。大粗度領域ではステージに対する吸着力が弱くなっているため、大粗度領域とステージ200との重畳部分から剥離を行うと、比較的小さい力で剥離を行うことができる。したがって、基板500のステージ200からの剥離は容易となる。
中央部511の算術平均表面粗さは好ましくは0.3nm未満、より好ましくは0.2nm未満である。縁部の算術平均表面粗さは0.3〜1.5nmであることが好ましい。中央部511の算術平均表面粗さが0.3nm未満であれば、中央部511で吸着力が良好に保たれる。中央部511の算術平均表面粗さが0.2nm未満であれば、中央部511で吸着力がより良好に保たれる。縁部の算術平均表面粗さが0.3nm以上であれば、基板500をステージから剥離することが容易となり、さらに剥離帯電が発生しにくくなる。縁部の算術平均表面粗さが1.5nm以下であれば、粗面化処理に時間がかかることもなく、基板500の面内強度が不十分となるおそれもない。
基板500のステージ200からの剥離は、剥離手段300を含む剥離装置400を用いて行う。
基板500をステージ200に吸着しやすくするため、ステージ200は、載置面上に吸着部材を備えることができる。あるいは、基板500が傷付くことを防止するため、ステージ200は、載置面上に傷付き防止部材を備えていてもよい。
図14(b)および図14(c)に、剥離装置400の第一の例400aを示す。剥離装置400aにおいて、剥離手段300は、複数の吸着部材を含む。図14(b)および図14(c)では、便宜上、基板500の縁部を吸着する二つの吸着部材310a、310bのみを示すが、実際には、3つ以上の吸着部材が基板500の第二の520面全体を吸着するようになっている。
吸着部材310aおよび吸着部材310bは、支持部材311aおよび支持部材311bにそれぞれ接続される。図14(b)に示すように、吸着部材310aおよび吸着部材310bは、基板500の第二の面520において、基板500の第一の面510の縁部が重畳する重畳部分の裏側の領域に吸着される。
基板500を剥離する際は、図14(c)に示すように、吸着部材310aおよび吸着部材310bが第二の面520に吸着した状態で、支持部材311aおよび支持部材311bを引き上げる。複数の吸着部材のうち、重畳部分と対向する位置に配置された吸着部材310aおよび吸着部材310bを最初に引き上げる。これにより、基板500の大粗度領域(第一の縁部512および第二の縁部513)は、吸着部材310aおよび吸着部材310bとともに持ち上げられる。大粗度領域は粗度が大きくなるよう粗面化されているため、ステージ200との吸着力が比較的弱い。そのため、比較的容易に基板500をステージ200から剥離することができる。
図15に、剥離装置400の第二の例400bを示す。剥離装置400bにおいて、剥離手段300は、複数のリフトピンを含む。図15(a)および図15(b)では、便宜上、ステージ200の縁部に配置された二つのリフトピン320a、320bのみを示すが、実際には、3つ以上のリフトピンがステージ200の載置面の全面に設けられている。
リフトピンは、ステージ200に設けられた貫通孔220の内部に没入可能に設けられる。図15(a)および図15(b)では、便宜上、ステージ200の縁部に配置された二つの貫通孔220a、220bのみを示すが、実際には、3つ以上の貫通孔がステージ200の載置面の全面に設けられている。リフトピン320aおよびリフトピン320bは、貫通孔220aおよび貫通孔220bから突出して、ステージ200に載置された基板500を押し上げることができる。
図15(a)に示すように、基板500がステージ200に載置されたとき、貫通孔220aおよび貫通孔220bは、それぞれ大粗度領域(第一の縁部513および第二の縁部512)の直下に位置する。すなわち、リフトピン310aおよびリフトピン320bは、ステージ200と大粗度領域(第一の縁部513および第二の縁部512)とが重畳する重畳部分に配置されている。
複数のリフトピンのうち、重畳部分と対向する位置に配置されたリフトピン310aおよびリフトピン320bを最初にステージ200から突出させて基板500を押し上げる。これにより、基板500は大粗度領域とステージ200との重畳部分から剥離される。大粗度領域は強く粗面化されているため、ステージ200との吸着力が比較的弱い。そのため、比較的容易に基板500をステージ200から剥離することができる。
なお、剥離装置の実施形態において、基板500の縁部の一部がステージ200から食み出ているが、これに限定されず、縁部の一部がステージ200から食み出なくてもよい。
[基板製造システム−1]
以下、図5を用いて、本発明の第一の実施の形態に係る基板製造システム1000について説明する。図5は、基板製造システム1000の一部を示す側面図である。図5において、第一の面510の右端(基板500の搬送方向下流側)は、図1に示した第一の辺E1に対応する。図5において、第一の面510の左端(基板500の搬送方向上流側)は、図1に示した第二の辺E2に対応する。以下、基板500の搬送方向を「基板搬送方向」という。
基板製造システム1000は、第一洗浄槽1010と、第一のバッファ槽1020と、エッチング槽1030と、第二のバッファ槽1040と、第二洗浄槽1050と、搬送装置1070と、を含む。
搬送装置1070は、基板500を図示左側から図示右側に向けて搬送する。搬送装置1070は、例えば、複数のローラー1071からなるローラーコンベアである。複数のローラー1071により、第一洗浄槽1010の上流側から、第一洗浄槽1010、第一のバッファ槽1020、エッチング槽1030、第二のバッファ槽1040、および第二洗浄槽1050を順次通過し、第二洗浄槽1050の下流側に向かう搬送経路が形成される。
複数のローラー1071は、例えば、基板500の第一の面510を支持しながら基板500を搬送する。第一の面510は、例えば、薄膜トランジスタや透明電極などの電子部材が形成される面(第二の面520)とは反対側の面である。第二の面520は、ローラー1071に接触しない。このため、ローラー1071起因の傷は第二の面520に付かない。
複数のローラー1071は、駆動制御機構(図示略)によって、同期して回転する。複数のローラー1071が同期して同じ向き(図5では時計回り)に回転することにより、基板500は水平に搬送される。なお、搬送装置1070はローラーコンベアに限られず、例えばベルトコンベアや、ロボットアームといった手段によっても実現可能である。
図示は省略したが、第一洗浄槽1010の上流側には、例えば基板500の成形や研磨が行われる装置が設けられる。第二洗浄槽1050の下流側には、例えば基板500の乾燥や検査が行われる装置が設けられる。
第一洗浄槽1010、第一のバッファ槽1020、第二のバッファ槽1040、および第二洗浄槽1050は、それぞれ搬送装置1070によって基板500が搬入される基板搬入口と、搬送装置1070によって基板500が搬出される基板搬出口と、を含む。各槽の基板搬入口および基板搬出口は、エッチング槽1030の基板搬入口1031および基板搬出口1032と同じ高さに、同じ大きさで設けられている。各槽の基板搬出口は、基板搬送方向の下流側に隣接する槽の基板搬入口に、順次接続されている。各槽の基板搬入口および基板搬出口は、例えば、基板500を第一洗浄槽1010の上流側から第二洗浄槽1050の下流側に搬送する間、常時開放されている。
以下、図5を用いて、基板500の製造プロセスを説明する。
基板500は、例えば、フロート法によりリボン状に成形された後、所望サイズの基板500に切断する切断工程、基板500の端面を面取りする面取り工程、および基板500表面(例えば、第二の面520)を研磨する研磨工程を経て、第一洗浄槽1010に搬送される。研磨方法としては、例えばスラリーを基板に供給して研磨する方法が用いられる。スラリーは、研磨砥粒を、水や有機溶媒といった液体に分散させた分散液である。研磨砥粒としては、例えば酸化セリウムが用いられる。
研磨された基板500は搬送装置1070によって第一洗浄槽1010に搬送される。第一洗浄槽1010では、基板500の表面から研磨砥粒を除去する。第一洗浄槽1010では、例えば、まず基板500をシャワー洗浄し、水で基板500の表面の研磨砥粒を洗い流す。その後に、基板500をスラリー洗浄する。スラリー洗浄は、シャワー洗浄で除去できなかった研磨砥粒を、洗浄用のスラリーをノズルから基板に吹き付けながらディスクブラシ等の洗浄手段を用いて除去する洗浄方法である。洗浄用のスラリーとしては、例えば、酸化セリウム、炭酸カルシウム、または炭酸マグネシウムを、水や有機溶媒といった液体に分散させた分散液が用いられる。
基板500は、搬送装置1070によって第一洗浄槽1010から搬出され、第一のバッファ槽1020に搬入される。第一のバッファ槽1020は、基板搬入口1031から反応ガスが第一洗浄槽1010に漏れてしまうことを防止するために設けられる。これにより、第一洗浄槽1010で行われる洗浄ステップは、反応ガスで汚染されなくなる。
第一のバッファ槽1020は、例えば、天井にファンフィルターユニットFFU1を有し、床面に排気口EXH1を有する。ファンフィルターユニットFFU1は、外気を濾過して第一のバッファ槽1020の内部に導入して、第一のバッファ槽1020の内部を正圧の状態にする。ファンフィルターユニットFFU1で導入された外気は、第一のバッファ槽1020の内部の塵埃やガスとともに、排気口EXH1から相対的に圧力の低い第一のバッファ槽1020の外部へ排出される。
基板500は、搬送装置1070によって第一のバッファ槽1020から搬出され、エッチング槽1030に搬入される。エッチング槽1030の内部には、搬送装置1070によって搬送される基板500の第一の面510に反応ガスを吹き付けるノズル1080が設けられている。ノズル1080は、例えば、基板500の搬送経路の鉛直方向下方側に設けられる。ノズル1080は、搬送装置1070によって搬送される基板500に対し、基板500の搬送経路の鉛直方向下側(鉛直方向一方側)から鉛直方向上側(鉛直方向他方側)に向けて反応ガスを吹き付ける。これにより、基板500の鉛直方向下側(鉛直方向一方側)の面である第一の面510を粗面化する。
ノズル1080は、例えば、ガス供給路(図示略)と、ガス吸引路(図示略)と、を含む。ノズル1080の上端は平面状になっている。ノズル1080の上端には、ガス供給路のガス吹き出し口1081aと、ガス吸引路のガス吸引口(図示略)と、が設けられている。ガス吸引口は、ガス吹き出し口1081aと基板搬入口1031との間およびガス吹き出し口1081aと基板搬出口1032との間に設けられる。ガス供給路は、図5の紙面と直交する方向に一様な断面を有する。ガス吹き出し口1081aは、基板搬送方向と直交する水平方向に延びるスリット状になっている(図13(a)参照)。ガス吹き出し口1081aの幅(基板搬送方向と直交する水平方向の長さ)は、基板500の第一の面510全面にわたって粗面化が行えるよう、基板500の幅より若干大きくなっている(図13(a)参照)。
ガス供給路は、エッチング槽1030の外部に設けられた原料ガス供給装置(図示略)と接続される。原料ガス供給装置は、反応ガスの原料である、原料ガスを供給する。原料ガスは、例えば、フッ素系原料ガスと、キャリアガスとを含む。
フッ素系原料ガスは、基板500の表面と反応するフッ素系反応成分を生成するために用いられる。フッ素系反応成分は、フッ素系原料ガスをプラズマ化(分解、冷気、活性化、イオン化等を含む)することにより生成できる。キャリアガスは、フッ素系原料ガスの搬送および希釈や、プラズマ放電を行うために用いられる。本実施形態では、フッ素系原料ガスとしてCFが、キャリアガスとしてアルゴンが用いられる。また、以下ではフッ素系反応成分の例としてフッ化水素(HF)を用いて説明する。なお、フッ素系原料ガスはこれに限られず、C、Cといったその他のパーフルオロカーボン、CHF、CH、CHFといったハイドロフルオロカーボン、SF、NF、XeFといったその他のフッ素含有化合物を用いてもよい。また、キャリアガスはこれに限られず、ヘリウム、ネオン、キセノンといったその他の不活性ガスを用いてもよい。
原料ガスは、例えば、水蒸気を含む。原料ガス供給装置は、本実施形態では、フッ化水素およびアルゴンに水を添加する水添加部を含む。水添加部は、例えば、液体の水を飽和水蒸気として供給する加湿器である。水の添加量は、加湿器の温度調節によって調節可能である。水の添加量を調節することによって、原料ガス内の水蒸気分圧を設定できる。これにより、プラズマ化で生成するフッ素系反応成分および水蒸気の凝縮温度(すなわち、基板と反応を起こすフッ化水素酸が生成される温度)を変えることができる。
原料ガス供給装置からガス吹き出し口1081aに至る、原料ガスが供給される通路のいずれかの部分には、プラズマ生成部(図示略)が設けられる。プラズマ生成部は、一対の電極を含む。一対の電極は、原料ガスが供給される通路を挟んで配置される。一対の電極の一方は電源に接続され、他方は接地される。電源から高電圧が印加されることにより、一対の電極間で電場が発生し放電が行われる。これにより、一対の電極間で、原料ガスがプラズマ化され、基板500の表面と反応するフッ化水素が生成される。原料ガスはプラズマ化されて反応ガスとなる。反応ガスは、ガス吹き出し口1081aから基板500の第一の面510に吹き付けられる。
基板500の搬送経路を挟んでノズル1080と対向する位置には、天板1082が設けられている。天板は、ノズル1080の上端に対向して、ノズル1080の上方に水平に設けられている。基板500は、基板搬入口から搬入された後、ノズル1080の上端と天板1082の下面との間を通過し、基板搬出口1032から搬出される。
基板500がノズル1080の上端を通過する間、ガス吹き出し口1081aから吹き出された反応ガスは、基板500の第一の面510とノズル130との間の隙間1081に充満する。第一の面510が反応ガスに曝される間、反応ガスは第一の面510上で凝縮し、フッ化水素酸が生成される。これにより、第一の面510は粗面化される。
天板1082の下面には、温度調節自在なプレート状のヒーター(図示略)が設けられている。このヒーターにより、基板500の第一の面510と第二の面520の、天板1082の直下に位置する領域を加温することができる。ヒーターの幅(基板搬送方向と直交する水平方向の長さ)は、基板500の第二の面520全面を加温できるよう、基板500の幅より若干大きくなっている。
フッ化水素と水蒸気の前記凝縮温度に合わせて、基板500がエッチング槽1030に搬入されるときの温度、および天板1082のヒーターの温度を適切に設定する。これにより、基板500がノズル1080の上を通過する間、第一の面510の温度は前記凝縮温度以下、第二の面520の温度は前記凝縮温度以上にすることができる。このため、フッ化水素と水蒸気は第一の面510のみで凝縮し、フッ化水素酸を形成する。これにより、吹き出し口1081aから吹き出された反応ガスの一部が、天板1082と第二の面520との隙間に入り込んだとしても、基板500のエッチングを第一の面510のみに対して選択的に行うことができる。したがって、第二の面520は、粗面化せずに平滑に保つことができる。
粗面化された基板500は、搬送装置1070によってエッチング槽1030から搬出され、第二のバッファ槽1040に搬入される。第二のバッファ槽1040は、基板搬出口1032から反応ガスが第二洗浄槽1050に漏れてしまうことを防止するために設けられる。これにより、第二洗浄槽1050で行われる洗浄ステップは、反応ガスで汚染されなくなる。
第二のバッファ槽1040は、例えば、天井にファンフィルターユニットFFU2を有し、床面に排気口EXH2を有する。ファンフィルターユニットFFU2は、外気を濾過して第二のバッファ槽1040の内部に導入して、第二のバッファ槽1040の内部を正圧の状態にする。ファンフィルターユニットFFU2で導入された外気は、第二のバッファ槽1040の内部の塵埃やガスとともに、排気口EXH2から相対的に圧力の低い第二のバッファ槽1040の外部へ排出される。
基板500は、搬送装置1070によって第二のバッファ槽1040から搬出され、第二洗浄槽1050に搬入される。第二洗浄槽1050は、高圧シャワー1051を含む。第二洗浄槽1050では、基板500の両面を洗浄して、粗面化によって発生したガラスカレットやエッチング副生成物等を除去する。洗浄方法は特に限定されず、例えば、高圧シャワー洗浄、ブラッシング洗浄、超音波洗浄、またはそれらを組み合わせたもの等が挙げられる。洗浄の終わった基板500は、第二洗浄槽1050から搬送装置1070によって搬出され、乾燥工程や検査工程に供される。
上に述べたように、第一のバッファ槽1020および第二のバッファ槽1040は、第一のバッファ槽1020および第二のバッファ槽1040の前後に設けられた槽が互いに干渉することを防ぐために設けられる。この目的を確実に達成するために、通常は、第一のバッファ槽1020および第二のバッファ槽1040の基板搬送方向の長さは十分長く設定される。具体的には、第一のバッファ槽1020および第二のバッファ槽1040の基板搬送方向の長さは、基板500の基板搬送方向の長さよりも長く設定される。
これに対し、本実施形態に係る基板製造システム1000においては、第一のバッファ槽1020および第二のバッファ槽1040の基板搬送方向の長さを基板500の基板搬送方向の長さよりも短く設定する。これにより、例えば、第二洗浄槽1050の内部に発生した気流を基板500を介してノズル1080の近傍に伝えたり、第一のバッファ槽1020および第二のバッファ槽1040の内部の圧力変動をノズル1080の近傍に伝えたりする。これにより、ノズル1080の近傍に気流が発生し、ノズル1080から吹き出す反応ガスの流れが変化する。
ノズル1080の近傍に発生する気流の向きや強さは、基板500とノズル1080との相対位置に応じて変化する。これにより、基板500の第一の面510の粗度が基板500の位置によって変化し、例えば、第一の面510の中央部511の算術平均表面粗さを、第一の縁部512、第二の縁部513、第三の縁部514および第四の縁部515の算術平均表面粗さよりも小さくすることが可能となる。
以下、図6ないし図8を用いて、ノズル1080の近傍に気流が発生する機構について説明する。図6は、第一の気流発生機構を説明する図であり、図7および図8は、第二の気流発生機構を説明する図である。
[第一の気流発生機構]
まず、図6を用いて、第一の気流発生機構を説明する。図6は、エッチング槽1030の下流側の構成を示す側面図である。
図6に示すように、第二のバッファ槽1040の基板搬送方向の長さを短くして、エッチング槽1030と第二洗浄槽1050との間に基板500が跨るようにすると、基板500の先端部(基板搬送方向下流側)では洗浄処理が行われ、基板500の後端部(基板搬送方向上流側)では粗面化処理が行われるという状況が生じる。第二洗浄槽1050では、基板500の鉛直方向下側に設けられた高圧シャワー1051が基板500の第一の面510に向けて高圧の洗浄水を吹き付ける。これにより、基板500の鉛直方向下側には、鉛直方向下側から鉛直方向上側に向かう第一の気流FL1が発生する。ノズル1080の基板搬送方向下流側に設けられた高圧シャワー1051は、ノズル1080によって反応ガスが吹き付けられている基板500に対し、搬送経路の鉛直方向下側から鉛直方向上側に向かう第一の気流FL1を作用させる第一の気流生成装置として機能する。
図6に示した基板製造システム1000では、基板500が搬送装置1070によってノズル1080が設置された位置まで搬送されると、ノズル1080から基板500の第一の面510に向けて反応ガスが吹き付けられる。基板500は、反応ガスによって第一の面510を粗面化されつつ、搬送装置1070によって高圧シャワー1051が設置された位置まで搬送される。
基板500が、高圧シャワー1051が設置された位置まで搬送されると、高圧シャワー1051によって生成された第一の気流FL1が基板500の第一の面510に作用する。第一の気流FL1に乗って基板500に到達した気体(第二洗浄槽1050の内部の空気)は、基板500の第一の面510を伝わってノズル1080と基板500との間の隙間1081に流れ込む。このときノズル1080では、基板500の基板搬送方向上流側の第二の辺E2に沿う第二の縁部513の粗面化が行われている。
ノズル1080から吹き出された反応ガスは、基板500に吹き付けられた後、基板500とともに基板搬送方向に流れる。第一の面510を伝わって基板搬送方向下流側からノズル1080に向けて流れてくる気体によって反応ガスの流れが乱され、ノズル1080の近傍に反応ガスが滞留する。これにより、第一の気流FL1が作用した後の基板500の第一の面510は、第一の気流FL1が作用する前よりも粗度が大きくなる。その結果、第一の面510の中央部の算術平均表面粗さが、第一の面510の基板搬送方向上流側の第二の辺E2に沿う第二の縁部513の算術平均表面粗さよりも小さくなる。
以上が、第一の気流発生機構である。以上説明したように、基板製造システム1000においては、第一の気流発生機構によって、第一の面510の中央部の算術平均表面粗さが、第一の面510の基板搬送方向上流側の第二の辺E2に沿う第二の縁部513の算術平均表面粗さよりも小さくなる。そのため、例えば、図14に示したように、ステージ200に基板500を吸着させると、基板500の中央部511において吸着力が大きくなり、少なくとも基板500の第二の縁部513において吸着力が小さくなる。よって、例えば、第二の縁部513から基板500を剥離すれば、基板500の剥離が容易になり、基板500の割れなどが抑制される。
[第二の気流発生機構]
次に、図7および図8を用いて、第二の気流発生機構を説明する。図7は、第一のバッファ槽1020から第二のバッファ槽1040までの構成を示す側面図である。図8は、ノズル1080を基板搬入口1031側から見たときのノズル1080の正面図であり、ノズル1080の上側を基板500が通過するときの、ノズル1080の近傍の反応ガスの流れを示す。
図7(a)に示すように、第一のバッファ槽1020の基板搬送方向の長さを短くして、エッチング槽1030と第一洗浄槽との間に基板500が跨るようにすると、基板500の先端部で粗面化処理が行われている最中に、基板500の後端部が第一のバッファ槽1020の内部の空間を上下に分断するような状況が生じる。ファンフィルターユニットFFU1およびファンフィルターユニットFFU2は、基板500が第一洗浄槽から第二洗浄槽に搬送される間、常に稼働している。そのため、ノズル1080の基板搬送方向上流側に設けられたファンフィルターユニットFFU1は、ノズル1080によって反応ガスが吹き付けられている基板500に対し、搬送経路の鉛直方向上側から鉛直方向下側に向かう第二の気流FL2を作用させる第二の気流生成装置として機能する。ノズル1080の基板搬送方向下流側に設けられたファンフィルターユニットFFU2は、搬送経路の鉛直方向上側から鉛直方向下側に向かう第三の気流FL3を発生させる第三の気流生成装置として機能する。
例えば、図7(a)に示すように、基板500の先端部がノズル1080の近傍まで到達すると、第一のバッファ槽1020は、基板500によって、上下の空間に分断される。このとき、ファンフィルターユニットFFU1が外気を導入することによって、第一のバッファ槽1020の上側の空間は正圧となる。導入された外気は、基板500によって遮断されるため、第一のバッファ槽1020の下側の空間は相対的に負圧となる。他方、第二のバッファ槽1040は、ファンフィルターユニットFFU2が外気を導入することによって、全空間が正圧となる。エッチング槽1030は、基板搬入口1031とノズル1080との間の空間が基板500で区切られる。基板500の下側の空間は、第一のバッファ槽1020の下側の空間と基板搬入口1031を介して繋がっているため、負圧になる。他方、ノズル1080と基板搬出口1032と間の空間は、第二のバッファ槽1040の全空間と基板搬出口1032を介して繋がっているため、正圧になる。この結果、エッチング槽1030内部に、基板搬出口1032から基板搬入口1031に向かう気流が生じる。
図7(c)に示すように、基板500の後端部がノズル1080の近傍まで搬送されると、第一のバッファ槽1020には、基板500が存在しないため、ファンフィルターユニットFFU1が外気を導入することによって、第一のバッファ槽1020の全空間が正圧となる。他方、第二のバッファ槽1040は、基板500によって、上下の空間に分断される。このとき、ファンフィルターユニットFFU2が外気を導入することによって、第二のバッファ槽1040の上側の空間は正圧となる。導入された外気は、基板500によって遮断されるため、第二のバッファ槽1040の下側の空間は相対的に負圧となる。エッチング槽1030は、ノズル1080と基板搬出口1032との間の空間が、基板500で区切られる。基板500の下側の空間は、第二のバッファ槽1040の下側の空間と基板搬出口1032を介して繋がっているため、負圧になる。他方、ノズル1080と基板搬入口1031との間の空間は、第一のバッファ槽1020の全空間と基板搬入口1031を介して繋がっているため、正圧になる。この結果、エッチング槽1030内部に、基板搬入口1031から基板搬出口1032に向かう気流が生じる。
なお、図7(b)に示すように、基板500が基板搬入口1031から基板搬出口1032へ搬送される途中の段階では、第一のバッファ槽1020および第二のバッファ槽1040の空間を基板500が分断するか否かに応じて、様々な気圧の分布が実現される。
以上説明したように、基板500とノズル1080との相対位置に応じて、ノズル1080の前後で異なる圧力分布が生じる。基板搬入口1031および基板搬出口1032を通って、複数の基板500が順次連続的に搬送されるため、ノズル1080の前後での圧力差は時間とともに変動する。このような圧力差は、第一のバッファ槽1020の基板搬入口1021からノズル1080までの基板搬送方向の長さが、基板500の基板搬送方向の長さ以下である場合に大きくなる。
特に、図7(a)に示すように基板500の先端部がノズル1080の近傍まで到達したときは、基板搬送方向下流側から基板搬送方向上流側に向かう気流が生じる。このとき、ノズル1080は、第一の面510の基板搬送方向下流側の第一の辺E1に沿う第一の縁部512(図3を参照)を粗面化している。ノズル1080から吹き出された反応ガスは、基板500に吹き付けられた後、基板500とともに基板搬送方向に流れる。しかし、ノズル1080の近傍に発生した基板搬送方向下流側から基板搬送方向上流側に向かう気流によって反応ガスの流れが乱され、ノズル1080の近傍に反応ガスが滞留する。これにより、第一の面510の中央部511の算術平均表面粗さが、少なくとも第一の面510の基板搬送方向下流側の第一の辺E1に沿う第一の縁部512の算術平均表面粗さよりも小さくなる。
また、図8に示すように、ノズル1080の上側を基板500が通過するときは、反応ガスがノズル1080から第一の面510に吹き付けられる。基板500とノズル1080との間の隙間1081における反応ガスは、図8の黒い矢印で示すように、第一の面510に沿って基板500の側面の側へと流れようとする。
他方、ノズル1080の上側を基板500が通過するときは、基板500の第二の面520の側で相対的に正圧、第一の面510の側で相対的に負圧の状態が生ずる(図7(a)を参照)。このとき、基板搬送方向に垂直な面内でノズル1080の近傍の気体の流れをみると、図8の白い矢印で示すように、基板500の両側面において、第二の面520の側から第一の面510の側に回り込む気流が発生している。
この気流は、基板500の側面の側へと流れようとしていた反応ガスを押し戻す。その結果、反応ガスは基板500の側面の付近で滞留する。これにより、第一の面510の中央部の算術平均表面粗さは、第一の510の基板搬送方向に平行な第三の辺E3に沿う第三の縁部514(図3参照)、および第四の辺E4に沿う第四の縁部515(図3参照)の算術平均表面粗さよりも小さくなる。
以上が、第二の気流発生機構である。以上説明したように、基板製造システム1000においては、第二の気流発生機構によって、第一の面510の中央部の算術平均表面粗さが、第一の面510の基板搬送方向下流側の第一の辺E1に沿う第一の縁部512の算術平均表面粗さよりも小さくなる。また、第一の面510の中央部の算術平均表面粗さが、第一の面510の基板搬送方向に平行な第三の辺E3に沿う第三の縁部514、および第四の辺E4に沿う第四の縁部515の算術平均表面粗さよりも小さくなる。そのため、例えば、図14に示したように、ステージ200に基板500を吸着させると、基板500の中央部511において吸着力が大きくなり、少なくとも基板500の第一の縁部512、第三の縁部514、第四の縁部515において吸着力が小さくなる。
第一の気流発生機構と第二の気流発生機構との相乗効果により、基板製造システム1000においては、第一の面510の中央部の算術平均表面粗さは、第一の面510の四つの辺E1ないしE4にそれぞれ沿う四つの縁部512ないし515の算術平均表面粗さのいずれよりも小さくなる。よって、基板500の四つの縁部のどこから基板500を剥離しても、基板500の剥離を容易に行うことができる。また、四つの縁部から同時に基板500を剥離し始めることもできる。この場合、剥離作業を短時間で効率的に行うことができる。
以上のように、本実施形態の基板製造システム1000では、ファンフィルターユニットFFU1、ファンフィルターユニットFFU2および高圧シャワー1051が、基板500とノズル1080との間の気流を制御する気流制御手段として機能する。気流制御手段は、基板500とノズル1080との相対位置に応じて向きが変化する気流をノズル1080と基板500との間の隙間1081に向けて流入させる。気流制御手段によって生成された気流がノズル1080と基板500との間の隙間1081に流入することにより、ノズル1081の近傍の反応ガスの流れが乱され、例えば、第一の面510の中央部511の算術平均表面粗さが、少なくとも第一の面510の一つの辺に沿う一つの縁部の算術平均表面粗さよりも小さくなる。そのため、基板製造システム1000によって製造された基板500をステージに吸着させると、基板500の中央部511において吸着力が大きくなり、少なくとも基板500の一つの縁部において吸着力が小さくなる。よって、例えば、吸着力が小さくなった一つの縁部から基板500を剥離すれば、基板500の剥離が容易になり、基板500の割れなどが抑制される。
以上、基板製造システムの第一の実施の形態を説明したが、基板製造システムの構成は上記のものに限定されない。上記の基板製造システム1000では、ノズル1080を基板500の搬送経路の鉛直方向下側に配置し、基板500の鉛直方向下側の面を粗面化する構成とした。しかし、ノズル1080を基板500の搬送経路の鉛直方向上側に配置し、基板500の鉛直方向上側の面を粗面化する構成としてもよい。この場合でも、少なくとも第一の気流発生機構によって、基板500の縁部が基板500の中央部511よりも粗度が大きくなるようにすることができる。また、ファンフィルターユニットFFU1およびファンフィルターユニットFFU2の代わりに、第一のバッファ槽1020と第二のバッファ槽1040に、それぞれ搬送経路の鉛直方向下側から鉛直方向上側に向かう気流を発生させる気流生成装置を設けることで、基板500の縁部が基板500の中央部511よりも粗度が大きくなるようにすることができる。
また、上記の基板製造システム1000では、第一の気流発生機構と第二の気流発生機構とを用いて基板500の粗面化処理を行っているが、第一の気流発生機構と第二の気流発生機構のいずれか一方のみを用いて基板500を粗面化処理するものとしてもよい。
[基板製造システム−2]
以下、図9を用いて、本発明の第二の実施の形態に係る基板製造システム1100について説明する。図9は、基板の搬送速度を制御しつつ粗面化処理を行う方法を示す側面図である。図9において、第一の実施の形態に係る基板製造システム1000と共通する構成要素については、同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。図9の太い矢印の長さは、基板500の搬送速度を表しており、矢印の長さが長いときは搬送速度が速いことを示している。
基板製造システム1100は、搬送装置1070と、ノズル1080と、エッチング槽1030と、制御装置1110と、を含む。搬送装置1070、ノズル1080およびエッチング槽1030の構成は、第一の実施の形態に係る基板製造システム1000と同じである。
基板500の第一の面510における粗度は、基板500の第一の面510が曝される反応ガスの濃度、および反応ガスに曝される累積時間の、2つの要因によって決まる。累積時間は主に、基板500の搬送速度で決まる。反応ガスの濃度を変えない場合、基板500の第一の面510における粗度は、基板500の搬送速度が基板搬送方向に増大するにつれて減少する。
制御装置1110は、搬送装置1070によって搬送される基板500の搬送速度を制御する。制御装置1110は、例えば、基板500のノズル1080に対する相対位置の情報を取得する。制御装置1110は、例えば、取得した相対位置の情報に基づいて、適切な搬送速度を算出する。制御装置1110は、例えば、算出した搬送速度を、搬送装置1070が含む駆動制御機構に送信して、搬送速度を変化させる。
例えば、図9(a)に示すように、基板500の先端部(例えば、第一の辺E1に沿う第一の縁部512。図3参照)がノズル1080で粗面化されるときは、搬送速度を遅くする。図9(b)に示すように、基板500の中央がノズル1080で粗面化されるときは、搬送速度を速くする。図9(c)に示すように、基板500の後端部(例えば、第二の辺E2に沿う第二の縁部513。図3参照)がノズル1080で粗面化されるときは、再び搬送速度を遅くする。以上により、第一の面510の中央部の算術平均表面粗さを、第一の面510の搬送装置1070による基板搬送方向と直交する第一の辺E1に沿う第一の縁部512の算術平均表面粗さ、および第二の辺E2に沿う第二の縁部513の算術平均表面粗さよりも小さくすることができる。
[基板製造システム−3]
以下、図10を用いて、本発明の第三の実施の形態に係る基板製造システム1200について説明する。図10は、反応ガスの吹き出し量を制御しつつ粗面化処理を行う方法を示す側面図である。図10において、第一の実施の形態に係る基板製造システム1000と共通する構成要素については、同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。図10の太い矢印の幅は、反応ガスの吹き出し量を表しており、矢印の幅が広いときは吹き出し量が多いことを示している。
基板製造システム1200は、搬送装置1070と、ノズル1080と、エッチング槽1030と、制御装置1210と、を含む。搬送装置1070、ノズル1080およびエッチング槽1030の構成は、第一の実施の形態に係る基板製造システム1000と同じである。
基板500の第一の面510における粗度は、基板500の第一の面510が曝される反応ガスの濃度、および反応ガスに曝される累積時間の、2つの要因によって決まる。累積時間は主に、基板500の搬送速度で決まる。基板500の搬送速度を変えない場合、基板500の第一の面510における粗度は、反応ガスの濃度が高くなるにつれて増大する。
制御装置1210は、搬送装置1070によって搬送される基板500の搬送速度を制御する。制御装置1210は、例えば、基板500のノズル1080に対する相対位置の情報を取得する。制御装置1210は、例えば、取得した相対位置の情報に基づいて、適切な反応ガスの吹き出し量を算出する。制御装置は、例えば、算出した吹き出し量を、ノズル1080に接続された図示略の原料ガス供給装置に送信して、原料ガスの供給量を変化させる。
例えば、図10(a)に示すように、基板500の先端部(第一の辺E1に沿う第一の縁部512。図3参照)がノズル1080で粗面化されるときは、反応ガスの吹き出し量を多くする。図10(b)に示すように、基板500の中央がノズル1080で粗面化されるときは、反応ガスの吹き出し量を少なくする。図10(c)に示すように、基板500の後端部(第二の辺E2に沿う第二の縁部513。図3参照)がノズル1080で粗面化されるときは、再び反応ガスの吹き出し量を多くする。以上により、第一の面510の中央部の算術平均表面粗さを、第一の面510の搬送装置1070による基板搬送方向と直交する第一の辺E1に沿う第一の縁部512の算術平均表面粗さ、および第二の辺E2に沿う第二の縁部513の算術平均表面粗さよりも小さくすることができる。
本実施形態の基板製造システム1200では、反応ガスの噴き出し量のみを制御して、基板500の第一の面510に粗度の分布を形成した。しかし、この制御と併用して、第三の実施の形態に係る基板製造システム1100のように基板500の搬送速度を制御して基板500の第一の面510に粗度の分布を形成することもできる。すなわち、制御装置1210は、基板500とノズル1080との相対位置に応じて、ノズル1080から吹き出される反応ガスの吹き出し量と搬送装置1070によって搬送される基板500の搬送速度とのうちの少なくとも一方を制御することにより、第一の面510の中央部の算術平均表面粗さが、少なくとも第一の面510の搬送装置1070による基板搬送方向と直交する一つの辺に沿う一つの縁部の算術平均表面粗さよりも小さくなるようにすることができる。
[基板製造システム−4]
以下、図11を用いて、本発明の第四の実施の形態に係る基板製造システム1300について説明する。図11は、基板製造システム1300の上視図である。図11において、第一の実施の形態に係る基板製造システム1000と共通する構成要素については、同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
基板製造システム1300は、第一粗面化処理部1310と、第二粗面化処理部1320と、回転装置1330と、を含む。
第一粗面化処理部1310は、第一のノズル(図示略)と、第一の搬送装置1340と、第一の制御装置(図示略)と、を含む。第二粗面化処理部1320は、第二のノズル(図示略)と、第二の搬送装置1350と、第二の制御装置(図示略)と、を含む。
第一粗面化処理部1310と第二粗面化処理部1320は、第三の実施の形態に係る基板製造システム1200と同じ構成を有する。すなわち、第一のノズルおよび第二のノズルは、第一の実施の形態に係る基板製造システム100のノズル1080と同じ構成を有する。第一の搬送装置1340と第二の搬送装置1350は、第一の実施の形態に係る基板製造システム100の搬送装置1070と同じ構成を有する。第一の制御装置と第二の制御装置は、第三の実施の形態に係る基板製造システム1200の制御装置1210と同じ構成を有する。
第一の搬送装置1340の搬送方向は、例えば、第二の搬送装置1350の搬送方向と同じ向きに設けられる。第一の搬送装置1340と第二の搬送装置1350との間には、回転装置1330が設けられる。回転装置1330は、例えば、基板500の載置面内で任意の角度に回転可能な、ターンテーブルである。
基板500は、例えば、第一の搬送装置1340により、例えば、第一の辺E1および第二の辺E2(図3を参照)が第一の搬送装置1340の基板搬送方向と直交するような配置500aで搬送される。そして、第一粗面化処理部1310において第一の面510が第一のノズルから吹き出す反応ガスによって粗面化された後、回転装置1330に搬送される。第一のノズル(第一粗面化処理部1310)の基板搬送方向下流側に設けられた回転装置1330は、第一のノズルが吹き出す反応ガスによって粗面化が行われた基板500の向きを、例えば基板500上側からみて反時計方向に角度90度だけ回転させる。基板500は、第二の搬送装置1350により、第三の辺E3および第四の辺E4(図3を参照)が第二の搬送装置1350の基板搬送方向と直交するような配置500bで搬送される。
第一の制御装置は、第一のノズルから吹き出される反応ガスの吹き出し量と第一の搬送装置1340によって搬送される基板500の搬送速度とのうちの少なくとも一方を制御する(図9、図10を参照)。したがって、第一粗面化処理部1310は、第一の面510の中央部511の算術平均表面粗さを、第一の面510の第一の搬送装置1340による基板搬送方向と直交する第一の辺E1に沿う第一の縁部512の算術平均表面粗さ、および第二の辺E2に沿う第二の縁部513の算術平均表面粗さよりも小さくすることができる(図3を参照)。
第二の制御装置は、第二のノズルから吹き出される反応ガスの吹き出し量と第二の搬送装置1350によって搬送される基板500の搬送速度とのうちの少なくとも一方を制御する(図9、図10を参照)。したがって、第二粗面化処理部1320は、第一の面510の中央部511の算術平均表面粗さを、第一の面510の第二の搬送装置1350による基板搬送方向と直交する第三の辺E3に沿う第三の縁部514の算術平均表面粗さ、および第四の辺E4に沿う第四の縁部515の算術平均表面粗さよりも小さくすることができる(図3を参照)。
以上説明したように、基板製造システム1300によれば、基板500の中央部511において粗度を小さくし、基板500の四つの縁部512ないし515において粗度を大きくすることができる(図3を参照)。そのため、ステージに基板500を吸着させると、基板500の中央部511において吸着力が大きくなり、基板500の四つの縁部512ないし515において吸着力が小さくなる。よって、基板500の四つの縁部512ないし515のどこから基板500を剥離しても、基板500の剥離を容易に行うことができる。また、四つの縁部512ないし515から同時に基板500を剥離し始めることもできる。この場合、剥離作業を短時間で効率的に行うことができる。
[基板製造システム−5]
以下、図12を用いて、本発明の第五の実施の形態に係る基板製造システム1400について説明する。図12は、基板製造システム1400の側面図である。図12において、第一の実施の形態に係る基板製造システム1000と共通する構成要素については、同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
基板製造システム1400は、搬送装置1070と、ノズル1080と、エッチング槽1030と、を含む。搬送装置1070、ノズル1080およびエッチング槽1030の構成は、第一の実施の形態に係る基板製造システム1000と同じである。
基板製造システム1400では、搬送される基板500の第一の面510にマスク材1410を設ける。マスク材1410は、例えば、フォトレジストと同様、スピンコート等の方法により有機薄膜を第一の面510に形成することにより設けられる。マスク材1410は、第一の面510の中央部511を覆い、かつ、第一の縁部512ないし第四の縁部515を覆わないような範囲(図3を参照)に形成する。
なお、ノズル1080におけるプラズマ処理の過程で、有機物であるマスク材1410は次第に除去されることがありうる。この場合でも、マスク材1410が形成された箇所では、そうでない箇所に比べて、より少ない量の反応ガスに曝されることに変わりはない。
基板500の第一の面510の、搬送方向下流側の一辺を第一の辺E1、基板搬送方向上流側の一辺を第二の辺E2、基板搬送方向に平行な二辺を第三の辺E3および第四の辺E4とする(図3を参照)。第一の辺E1に沿う第一の縁部512は、マスク材1410で覆われていない。このため、図12(a)に示すように、基板500の基板搬送方向下流側がノズル1080を通過するときは、第一の縁部512はノズル1080から吹き出す量の反応ガスに曝されて粗面化される。
中央部511はマスク材1410で覆われている。他方、第三の辺E3に沿う第三の縁部514、第四の辺E4に沿う第四の縁部515は、マスク材1410で覆われていない。このため、図12(b)に示すように、基板500の中間の領域がノズル1080を通過するときは、第三の縁部514および第四の縁部515はノズル1080から吹き出す量の反応ガスに曝されて粗面化される。他方、中央部511は、ノズル1080から吹き出す量よりも少ない量の反応ガスに曝されて粗面化される。
第二の辺E2に沿う第二の縁部513は、マスク材1410で覆われていない。このため、図12(c)に示すように、基板500の基板搬送方向上流側がノズル1080を通過するときは、第二の縁部縁部513はノズル1080から吹き出す量の反応ガスに曝されて粗面化される。
基板500がエッチング槽1030から搬出され終わった後、基板500上に形成されたマスク材1410を除去する。除去は、例えば基板500を有機溶剤に浸してマスク材1410を溶解させるといった方法で行える。
以上より、基板製造システム1400に、マスク材1410を形成した基板500を搬送すると、基板500の第一の面510の中央部511が実際に曝される反応ガスの量は、第一の縁部512ないし第四の縁部515が曝される反応ガスの量に比べて少なくなる。その結果、基板500の中央部511において粗度が小さくなり、基板500の四つの縁部512ないし515において粗度が大きくなる。
[基板製造システム−6]
以下、図13を用いて、本発明の第六の実施の形態に係る基板製造システム1500について説明する。図13は、ノズル1080のガス吹き出し口1081a上に、マスク材2000を挿入可能な基板製造システム1500の、ノズル1080近傍の上視図および側面図である。図13において、第一の実施の形態に係る基板製造システム1000と共通する構成要素については、同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
基板製造システム1500は、ノズル1080を含む。図13(a)、(c)、(e)は、ノズル1080の上を基板500が通過している状態の上視図であり、図13(b)、(d)、(f)は図13(a)、(c)、(e)に対応する側面図である。図13(a)および図13(b)は、基板500の基板搬送方向下流側がノズル1080を通過する状態である。図13(c)および図13(d)は、基板500の中間の領域がノズル1080を通過する状態である。図13(e)および図13(f)は、基板500の基板搬送方向上流側がノズル1080を通過する状態である。
図13(a)、(c)、(e)に示すように、ノズル1080は、基板500の幅(基板搬送方向と直交する水平方向の長さ)方向に伸びるスリット状のガス吹き出し口1081aを有する。ガス吹き出し口1081aの幅は、基板500の第一の面510の幅方向全域にわたって反応ガスが及ぶように、基板500の幅よりも若干長く設定される。
基板製造システム1700においては、図13(c)および図13(d)に示すように、マスク材1510が、ノズル1080と第一の面510との間に設けられる。マスク材1510は、板状の部材である。マスク材1510は、ノズル1080と第一の面510との隙間1081の距離よりも短い厚さを有する。マスク材1510は、第一の面510の中央部511が曝される反応ガスの量を減らすために、隙間1081に挿入される。基板500の基板搬送方向に平行な二つの縁部が反応ガスに曝されるように、マスク材1510の幅は基板500の幅よりも短い。第一の面510の中央部511も弱く粗面化されるようにするために、マスク材1510には、例えば網目状に複数の小孔を設けてもよい。マスク材1510の表面は、反応ガスに耐性を有する材料で形成される。
基板500の第一の面510の、基板搬送方向下流側の一辺を第一のE1、基板搬送方向上流側の一辺を第二の辺E2、基板搬送方向に平行な二辺を第三の辺E3および第四の辺E4とする(図3を参照)。図13(a)および図13(b)に示すように、基板500の基板搬送方向下流側がノズル1080を通過するときは、マスク材1510を隙間1081に挿入しない。これにより、第一の辺E1に沿う第一の縁部512(図3を参照)は、ノズル1080から吹き出す量の反応ガスに曝されて粗面化される。
図13(c)および図13(d)に示すように、基板500の中間の領域がノズル1080を通過するとき、すなわち、第一の辺E1に沿う第一の縁部512(図3を参照)がノズル1080を通過し終わって後、かつ、第二の辺E2に沿う第二の縁部513(図3を参照)がノズル1080を通過する前は、マスク材1510を隙間1081に挿入する。マスク材1510の挿入は、例えば水平方向に稼働可能なロボットアームにより行う。マスク材1510は、中央部511(図3を参照)を反応ガスから保護する。他方、第三の縁部514および第四の縁部515(図3を参照)は、マスク材1510で保護されない。このため、第三の縁部514および第四の縁部515はノズル1080から吹き出す量の反応ガスに曝されて粗面化される。他方、中央部511は、ノズル1080から吹き出す量よりも少ない量の反応ガスに曝されて粗面化される。
図13(e)および図13(f)に示すように、基板500の基板搬送方向上流側がノズル1080を通過するときは、マスク材1510を隙間1081に挿入しない。これにより、第二の辺E2に沿う第二の縁部513(図3を参照)は、ノズル1080から吹き出す量の反応ガスに曝されて粗面化される。
以上より、基板製造システム1500において、基板500の第一の面510の中央部511が実際に曝される反応ガスの量は、第一の縁部512ないし第四の縁部515が曝される反応ガスの量に比べて少なくなる。その結果、基板500の中央部511において粗度が小さくなり、基板500の四つの縁部512ないし515において粗度が大きくなる。
以下、表1を用いて、本発明の実施例について説明する。表1は、本発明の実施例に係る基板製造システム(図5を参照)を用いて粗面化された基板における算術平均表面粗さRaの面内分布を、原子間力顕微鏡で測定した結果を示す。基板の作成条件は、以下のとおりである。エッチング槽サイズ:850mm、基板:無アルカリガラス(製品名:AN100、旭硝子社製)、基板サイズ:幅2880mm×基板搬送方向長さ3130mm、基板搬送速度:10m/min、反応ガスの組成:CF、N、水蒸気、ノズル部の反応ガス吐出流速:0.07m/sec。
測定点は、基板の幅方向に3行、基板搬送方向に3列の、合計9点である。測定点の列は、基板の幅方向に沿って、最左端から500mm、中央部、最右端から500mmの位置に、順に並んでいる(以下、「第1列」、「第2列」、「第3列」という。)。測定点の行は、基板搬送方向に沿って、最前端から500mm、中央部、最後端から500mmの位置に、順に並んでいる(以下、「第1行」、「第2行」、「第3行」という。)。
測定は、以下の方法で行った。まず、粗面化された基板から各測定点を含む幅5mm×長さ5mmの試料を切り出した。次に、各試料の粗面化された表面の形状を、原子間力顕微鏡(製品名:SPI−3800N、セイコーインスツル社製)を用いて測定した。測定は、スキャンエリア5μm×5μmに対し、ダイナミック・フォース・モードを用いて(カンチレバー:SI−DF40P2)、スキャンレート1Hzで行った(エリア内データ数:256×256)。この観察に基づき、各測定点での平均表面粗さRaを算出した。
表1では、各測定点での算術平均表面粗さRa(単位:nm)を、行列形式で示している。表1の各列は、左から順に、測定点の第1列、第2列、第3列に対応する。表1の各行は、上から順に、測定点の第1行、第2行、第3行に対応する。
Figure 2015202997
表1に示すように、第2行第2列での算術平均表面粗さRaは、その他の値に比べて低かった。このことは、粗面化された面の中央部の算術平均表面粗さが、四つの辺にそれぞれ沿う四つの縁部の算術平均表面粗さのいずれよりも小さいことを示唆している。本実施例で示されるとおり、本発明によって、ステージに基板を吸着させたとき、基板の中央部において吸着力を大きくし、基板の四つの縁部において吸着力を小さくすることができる。その結果、基板の四つの縁部のどこから基板を剥離しても、基板の剥離を容易に行うことができる。また、四つの縁部から同時に基板を剥離し始めることもできる。この場合、剥離作業を短時間で効率的に行うことができる。
500…基板、510…第一の面、520…第二の面、511…中央部、E1…第一の辺、E2…第二の辺、E3…第三の辺、E4…第四の辺、512…第一の縁部、513…第二の縁部、514…第三の縁部、515…第四の縁部、1000…基板製造システム、1070…搬送装置、1080…ノズル、1051…高圧シャワー(第一の気流生成装置)、FFU1…ファンフィルターユニット(第二の気流生成装置)、FFU2…ファンフィルターユニット(第三の気流生成装置)、1030…エッチング槽、1020…第一のバッファ槽、1040…第二のバッファ槽、1330…回転装置、1510…マスク材、200…ステージ、300…剥離手段、400…剥離装置、310a、310b…吸着部材、320a、320b…リフトピン

Claims (11)

  1. 第一の面と、前記第一の面と反対側の第二の面とを有する基板であって、
    前記第一の面の中央部の算術平均表面粗さが、少なくとも前記第一の面の一つの辺に沿う一つの縁部の算術平均表面粗さよりも小さい
    基板。
  2. 前記第一の面の前記中央部の算術平均表面粗さが、前記第一の面の四つの辺にそれぞれ沿う四つの縁部の算術平均表面粗さのいずれよりも小さい
    請求項1に記載の基板。
  3. 前記第一の面は、吸着ステージに接する側となる面であり、
    前記第二の面は、電子部材が形成される面である
    請求項1または2に記載の基板。
  4. 基板を搬送する搬送装置と、
    前記搬送装置によって搬送される前記基板の第一の面に反応ガスを吹き付けて前記第一の面を粗面化するノズルと、
    前記基板と前記ノズルとの相対位置に応じて向きが変化する気流を前記ノズルと前記基板との間の隙間に向けて流入させる気流制御手段と、
    を含む基板製造システム。
  5. 前記気流制御手段は、第一の気流生成装置を含み、
    前記第一の気流生成装置は、前記ノズルの基板搬送方向下流側に設けられ、前記ノズルによって反応ガスが吹き付けられている前記基板の前記第一の面に第一の気流を作用させる
    請求項4に記載の基板製造システム。
  6. 前記気流制御手段は、第二の気流生成装置と、第三の気流生成装置と、を含み、
    前記第二の気流生成装置は、前記ノズルの基板搬送方向上流側に設けられ、前記ノズルによって前記反応ガスが吹き付けられている前記基板の前記第一の面と反対側の第二の面に第二の気流を作用させ、
    前記第三の気流生成装置は、前記ノズルの基板搬送方向下流側で且つ前記第一の気流生成装置の基板搬送方向上流側に設けられ、前記第二の気流と同じ向きの第三の気流を発生させる
    請求項5に記載の基板製造システム。
  7. 前記気流制御手段は、第二の気流生成装置と、第三の気流生成装置と、を含み、
    前記第二の気流生成装置は、前記ノズルの基板搬送方向上流側に設けられ、前記ノズルによって前記反応ガスが吹き付けられている前記基板の前記第一の面と反対側の第二の面に第二の気流を作用させ、
    前記第三の気流生成装置は、前記ノズルの基板搬送方向下流側に設けられ、前記基板の搬送経路を挟んで前記搬送経路の一方側から他方側に向かう第三の気流を発生させる
    請求項4に記載の基板製造システム。
  8. 前記ノズルが内部に設けられたエッチング槽と、
    前記エッチング槽の基板搬送方向上流側に接続され、前記第二の気流生成装置によって内部に前記第二の気流が生成される第一のバッファ槽と、
    前記エッチング槽の基板搬送方向下流側に接続され、前記第三の気流生成装置によって内部に前記第三の気流が生成される第二のバッファ槽と、
    を含み、
    前記エッチング槽、前記第一のバッファ槽および前記第二のバッファ槽の各々は、前記搬送装置によって前記基板が搬入される基板搬入口と、前記搬送装置によって前記基板が搬出される基板搬出口と、を含み、
    前記第一のバッファ槽の前記基板搬入口から前記ノズルまでの基板搬送方向の長さは、前記基板の基板搬送方向の長さ以下である
    請求項6または7に記載の基板製造システム。
  9. ステージに吸着された板状体を前記ステージから剥離する剥離手段を含み、
    前記板状体は、前記ステージに吸着された第一の面の中央部の算術平均表面粗さが、少なくとも前記第一の面の一つの辺に沿う一つの縁部の算術平均表面粗さよりも小さく、
    前記剥離手段は、前記ステージと前記一つの縁部とが重畳する重畳部分から前記板状体を剥離し始める
    剥離装置。
  10. 請求項4ないし8のいずれか1項に記載の基板製造システムを用いて、前記基板の前記第一の面に粗面化処理を施す基板製造方法であって、
    前記搬送装置によって前記基板を搬送する搬送ステップと、
    前記搬送装置によって搬送される前記基板の前記第一の面に前記ノズルから反応ガスを吹き付けて前記第一の面を粗面化する粗面化ステップと、
    前記基板と前記ノズルとの相対位置に応じて向きが変化する気流を前記ノズルと前記基板との間の隙間に向けて流入させる気流制御ステップと、
    を含む基板製造方法。
  11. ステージに吸着された板状体を前記ステージから剥離する剥離ステップを含み、
    前記板状体は、前記ステージに吸着された第一の面の中央部の算術平均表面粗さが、少なくとも前記第一の面の一つの辺に沿う一つの縁部の算術平均表面粗さよりも小さく、
    前記剥離ステップでは、前記ステージと前記一つの縁部とが重畳する重畳部分から前記板状体を剥離し始める
    剥離方法。
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