JP2015198124A - 半導体発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い電流密度と高い光取り出し面積を両立することのできる、比較的大型の半導体発光素子を提供する。【解決手段】半導体発光素子は、p型半導体層31、p型半導体層の上層に形成された活性層33、及び活性層の上層に形成された、n型半導体層35を含む半導体層と、p型半導体層の下に形成されたp型電極23、n型半導体層と電気的に接続されたn型電極41、及び少なくともp型半導体層及び活性層を貫通してn型半導体層に達する凹部を有する。n型電極は、活性層、p型半導体層、及びp型電極との間の絶縁状態を保持した状態で凹部内に挿入して配置されている。半導体層の主面の一辺の長さをL、半導体層の主面の面積に対するn型電極の総面積の割合をAとし、1(A)の電流を注入した場合に下記の式が成立する。【選択図】図1

Description

本発明は半導体発光素子に関し、特にいわゆる「ビア構造」を有する半導体発光素子に関する。
従来の半導体発光素子として、例えば下記特許文献1には、図12に示す構造が開示されている。
図12は、特許文献1に開示された半導体発光素子の断面図を模式的に示したものである。従来の半導体発光素子100は、支持基板101上に、ボンディング層102、反射電極103、オーミック接触層104、電流遮断層105、アイソレーション層106、半導体層107及びn側電極108を備えて構成される。半導体層107は、支持基板101に近い側から、p型半導体層111、活性層112及びn型半導体層113が順に積層されて構成されている。
以下では、支持基板101の基板面に平行な平面をX−Y平面とし、この平面に垂直な方向をZ方向と規定する。なお、図12に示す半導体発光素子100は、紙面上向き(Z方向)に光が取り出される素子である。
ボンディング層102は、支持基板101と反射電極103を貼り合わせる際に、両者の密着性を高めるために設けられた導電性材料であり、例えばハンダ等で構成される。反射電極103は、高い反射率を有する金属又は合金で形成されており、活性層112から支持基板101側(紙面下向き)に射出された光を当該反射電極103上で反射させることで、n型半導体層113側に形成された光取り出し面に導く。これにより、光取り出し効率を高める効果が得られる。
電流遮断層105は、n側電極108に対してZ方向に対向する位置において、半導体層107の底面(支持基板101側の面)に接触するように形成されており、絶縁性材料又は半導体層107との間でショットキー接触を形成する材料で形成される。特許文献1によれば、この電流遮断層105としては、例えば、SiO、SiO、SiO、Si、Al、TiO、Ti、Al、Crのうちの少なくとも1つを含む構成であればよいという記述がされている。
アイソレーション層106は、隣接する半導体層107を素子単位で分離したときの、隣接素子間の絶縁性を確保する目的で設けられた絶縁層であり、例えば、SiO、SiN、又はAl等で形成される。
オーミック接触層104は、ITO等の光透過性を有した導電性酸化膜で構成される。オーミック接触層104は、反射電極103の上層に形成されており、上面の一部が半導体層107の底面に接触している。より詳細には、オーミック接触層104は、n側電極108に対してZ方向に対向する位置においては半導体層107と接触せずにアイソレーション層106又は電流遮断層105と接触しており、n側電極108に対してZ方向に対向しない領域の一部においては半導体層107と接触している。オーミック接触層104は、半導体層107と接触する箇所において、半導体層107との間でオーミック接触が形成されている。
特開2012−244158号公報
図12に示すように、半導体発光素子100は、n側電極108に対してZ方向に対向する位置において、反射電極103やオーミック接触層104よりも高抵抗を示す電流遮断層105又はアイソレーション層106を半導体層107の底面に接触させている。これによって、n側電極108に対してZ方向に対向する位置に形成された半導体層107内において、Z方向に電流が集中的に流れるのを緩和でき、活性層112内を流れる電流をXY平面に平行な方向に拡げて、活性層112内の広範囲で発光させて光出力を高める効果が得られる。
ところで、近年、半導体発光素子は従来よりも更に高い光出力が要求されるようになってきており、これに伴って、高い電流を供給しても安定的に高出力の光を発光する素子が求められている。
本発明者の鋭意研究により、従来の構成では、高い電流を注入した場合、電流供給線(ボンディングワイヤ等)が連結されるn側電極108上の箇所(以下、「電流供給部」と呼ぶ。)の付近に電流が集中し、温度が上昇することが分かった。そして、このような高電流注入を一定時間継続すると、電流供給部の近傍に形成されたn型半導体層113に対して、劣化、割れ又は溶融等が生じ、素子寿命が短くなることが分かった。この課題は、本発明者の鋭意研究によって見出されたものである。
図13は、図12に示す従来の半導体発光素子100を光取り出し面(n型半導体層113側)から見たときの模式図である。図14は、図13の構成を有する素子の光取り出し面側からの写真である。なお、図12は、図13におけるA−A線(X方向に平行な線)における模式的な断面図に相当する。
図13に示すように、電流供給部109はn側電極108の一部領域に相当する。なお、図13では、電流供給部109の配置位置がY方向に偏りを有している場合を想定している。また、図13において、オーミック接触層104は半導体層107よりも下にあるため、上面から見た場合には半導体層107に隠れて見えないが、理解のために破線によって表示している。
図15は、電流供給部109に対して500mA、1000mAを供給したときの半導体発光素子100の上面の温度分布を示す写真である。図15(a)に示すように、供給電流が500mA程度である場合には、電流供給部109近傍が他の箇所と比べて大きな温度差が生じるということはない。しかし、図15(b)に示すように、供給電流を1000mA(1A)という高電流にした場合、電流供給部109の近傍が白っぽくなっており、これは当該領域が極めて高温になっていることを示している。すなわち、図15(b)において、Y方向に関し、電流供給部109の近傍と、電流供給部109から離れた箇所との間には大きな温度差が生じていることが示されている。
図16は、素子上のY方向に係る位置に応じた光出力の分布を示すグラフであり、より詳細には、同一のY座標に関してX方向に光出力を積分して得られた値の分布として示したものである。図16では、素子中央の位置を基準として、+Y方向及び−Y方向に関する基準位置からの変位量をもって横軸としている。また、縦軸は光出力の相対値である。1000mAという高電流を供給した場合には、電流供給部109の近傍に比べて、電流供給部109から離れた箇所の光出力が70%程度に留まっており、電流供給部109近傍に高電流が集中していることが示唆される。
更に、図17は、従来の半導体発光素子100に対して、電流供給部109から1000mAの高い電流を20時間供給した後の上面の写真であり、走査電子顕微鏡によって撮影されたものである。n型半導体層113に割れ117や溶融118が生じていることが確認できる。
つまり、半導体発光素子の高出力化及び長寿命化を実現するためには、電流集中を抑制しながらチップサイズの大型化を図る必要がある。そこで、本出願人は、一方の電極を埋め込み型としたいわゆる「ビア型」構造の半導体発光素子の開発を行っている。「ビア型」構造の詳細な説明は、「発明を実施するための形態」の項で後述される。なお、以下では、図12に示す半導体発光素子100のような構造を、「ビア型」構造と区別して「縦型」構造と呼ぶ。
ビア型構造は、縦型構造と比較して、電極が基板の面に平行な方向に複数点在して配置される点が異なる。これは、縦型構造のように半導体層107上を占有する面積の大きい電流供給部109をなくし、当該電流供給部109近傍の電流集中を抑制すると共に、電極を点在させることで基板の面に平行な方向に電流をできるだけ拡げて活性層における発光領域を拡げることを狙いとしたものである。
ここで、更に電流集中を抑制するためには、電流注入時の電流密度ができるだけ小さいことが好ましい。ここで、電流密度は、注入電流を電極の総面積で除した値として定義されるため、電流密度を小さくするには、電極面積を大きくすることが考えられる。しかしながら、電極を構成する材料は通常光を透過しないため、半導体層上に形成される電極の面積を大きくすると、これに伴って光取り出し面積は低下してしまう。つまり、電流密度を小さくすることと、高い光取り出し面積を確保することは二律背反的ともいえる。
本発明者は、鋭意研究により、小さい電流密度と高い光取り出し面積を実現するという観点で、縦型構造を採用する方が好ましい半導体発光素子のサイズと、ビア型構造を採用する方が好ましい半導体発光素子のサイズが存在することを見出した。そして、半導体発光素子のサイズと半導体層の面積に対する電極面積の比率の間に所定の関係式が成立する場合には、ビア型構造を採用する方が好ましいことを突き止めた。
本発明は、小さい電流密度と高い光取り出し面積を両立することのできる、比較的大型の半導体発光素子を実現することを目的とする。
本発明は、p型又はn型のいずれか一方の導電型の第一半導体層、前記第一半導体層の上層に形成された活性層、及び前記活性層の上層に形成された、前記第一半導体層とは異なる導電型の第二半導体層を含む半導体層と、
前記第一半導体層の下に形成された第一電極と、
前記第二半導体層の下であって、前記活性層が形成されていない領域の少なくとも一部に形成され、前記第二半導体層と電気的に接続された第二電極とを有してなる半導体発光素子であって、
少なくとも前記第一半導体層及び前記活性層を貫通し、前記第二半導体層に達する凹部を有し、
前記第一電極は、前記凹部の少なくとも一部の外側面を取り囲むように形成され、
前記第二電極は、前記活性層、前記第一半導体層、及び前記第一電極との間の絶縁状態を保持した状態で前記凹部内に挿入して配置されてなり、
前記半導体層の主面の一辺の長さをL、前記第二電極の総面積をS、前記半導体層の主面の面積に対する前記第二電極の総面積の割合をAとし、1(A)の電流を注入した場合に下記の式が成立することを特徴とする。

また、本発明は、上記構成において、I(A)の電流を注入した場合に下記の式が成立することを特徴とする。

上記構成によれば、高い電流密度と高い光取り出し面積を両立することのできる、比較的大型の半導体発光素子を実現することができる。詳細は、「発明を実施するための形態」の項で後述される。
半導体発光素子の一実施形態の構造を模式的に示す図面である。 半導体発光素子の一実施形態の製造工程図の一部である。 半導体発光素子の一実施形態の製造工程図の一部である。 半導体発光素子の一実施形態の製造工程図の一部である。 半導体発光素子の一実施形態の製造工程図の一部である。 半導体発光素子の一実施形態の製造工程図の一部である。 半導体発光素子の一実施形態の製造工程図の一部である。 半導体発光素子の一実施形態の製造工程図の一部である。 半導体発光素子の一実施形態の製造工程図の一部である。 1Aの電流を半導体発光素子に注入したときの、半導体層のサイズと電流密度の関係をグラフ化したものである。 検証に用いた半導体発光素子の半導体層のサイズと電極及び電流供給部の数との関係を示す表である。 縦型の半導体発光素子を光取り出し面側から見たときの模式図である。 1Aの電流を半導体発光素子に注入したときの、半導体層のサイズと電極の面積占有率の関係をグラフ化したものである。 同サイズの縦型構造とビア型構造の半導体発光素子を評価した表である。 図7の表に評価式の値を導入したものである。 電流密度J及び電極の面積占有率Aの双方に関し、同サイズの縦型構造よりも優れるビア型構造の半導体発光素子の条件を示すグラフである。 注入電流を変更して同サイズの縦型構造とビア型構造の半導体発光素子を評価した結果を示すグラフである。 半導体発光素子の別実施形態の構造を模式的に示す図面である。 特許文献1に開示された半導体発光素子の断面図を模式的に示したものである。 特許文献1に開示された半導体発光素子の光取り出し面側から見たときの模式図である。 図13に示す構成を有する半導体発光素子を光取り出し面側から撮影した写真である。 図13に示す構成を有する半導体発光素子の電流供給部に対して500mA、1000mAを供給したときの素子上面の温度分布を示す写真である。 図13に示す構成を有する半導体発光素子の電流供給部に対して500mA、1000mAを供給したときの、素子上の位置における光出力の分布を示すグラフである。 図13に示す構成を有する半導体発光素子の電流供給部に対して高い電流を一定時間供給した後の上面の写真である。
まず、本発明の半導体発光素子の構造及びその製造方法について説明する。
〈構造〉
図1は、半導体発光素子の一実施形態の構造を模式的に示す図面であり、いわゆる「ビア構造」と呼ばれるタイプの素子に対応する。図1において、(a)は一方の主面(ここでは「上面」とする。)側から見たときの模式的な平面図であり、(b)は(a)内におけるA−A線で切断したときの模式的な断面図である。また、(c)は(a)とは反対側の主面(ここでは「底面」とする。)側から見たときの模式的な平面図である。
半導体発光素子1は、p型半導体層31、活性層33、及びn型半導体層35を含む半導体層30が基板11上に実装された構造である。本実施形態において、半導体発光素子1は基板11上に実装されているものとして説明するが、基板11上に実装する前段階の素子についても本発明の想定の範囲内である。
本実施形態においては、p型半導体層31が「第一半導体層」に対応し、n型半導体層35が第二半導体層に対応する。
活性層33はp型半導体層31の上層に形成され、n型半導体層35は活性層33の上層に形成されている。
半導体発光素子1は、半導体層30内において、一部領域にp型半導体層31及び活性層33を貫通してn型半導体層35に達する凹部が設けられており、当該凹部内を充填するようにn側電極41が形成されている。
n側電極41の下には、接合層43の材料(例えばハンダ材料)の拡散を防止するための保護層42が形成されており、保護層42の下には接合層43が形成されている。接合層43及び保護層42はいずれも導電性であり、基板11上に形成された実装パターンとn側電極41との間の電気的な接続が確保されている。
p型半導体層31の下には、p側電極23が形成されている。p側電極23の下には、接合層15の材料の拡散を防止するための保護層17が形成されており、保護層17の下には接合層15が形成されている。接合層15及び保護層17はいずれも導電性であり、基板11上に形成された実装パターンとp側電極23との間の電気的な接続が確保されている。
本実施形態において、p側電極23が「第一電極」に対応し、n側電極41が「第二電極」に対応する。
n側電極41の外側面には絶縁層54が形成されており、n側電極41とp側電極23との間の絶縁性が確保されている。
p側電極23は一部の箇所に中空の筒形状を有しており、p側電極23の内側を貫通するようにn側電極41が形成されている。当該箇所には、n側電極41の外側にp側電極23が位置している。
以下、各要素の詳細な構成の一例について説明する。
基板11は、例えばCuW、W、Mo等の導電性基板、又はSi等の半導体基板で構成される。なお、図1(b)に示すように、n側電極41と電気的に接続される領域と、p側電極23と電気的に接続される領域との間は、絶縁性が確保されている。この絶縁性の確保の方法は、パターニングによって実現することができる。
接合層15及び接合層43は、例えばAu−Sn、Au−In、Au−Cu−Sn、Cu−Sn、Pd−Sn、Sn等で構成される。この接合層15及び接合層43は、基板11と別の基板(後述する成長基板61)とを接合する際、両者の密着性を確保するための層として機能している。
保護層17は、例えばPt系の金属(TiとPtの合金)、W、Mo、Ni等で構成される。後述するように、接合層15を介した接合の際、接合層15を構成する材料がp側電極23に拡散して、これらの電極における反射率が落ちることによる光取り出し効率の低下を防止する機能を果たしている。なお、図1(b)では、接合層43を構成する材料がn側電極41に拡散するのを防止する目的で、保護層42も設けられている。
p型半導体層31は、例えばGaN、AlGaN等で構成され、Mg、Be、Zn、又はC等のp型不純物がドープされている。
活性層33は、例えばInGaNからなる発光層とAlGaNからなる障壁層が周期的に繰り返されて構成される。これらの層はアンドープでもp型又はn型にドープされていても構わない。
n型半導体層35は、例えばAlGaNで構成される層(電子供給層)とGaNで構成される層(保護層)を含む多層構造で構成される。少なくとも保護層には、Si、Ge、S、Se、Sn、又はTe等のn型不純物がドープされている。
なお、「AlGaN」という記述は、AlGa1−mN(0<m<1)という記述と同義であり、AlとGaの組成比の記述を単に省略して記載したものであって、AlとGaの組成比が1:1である場合に限定する趣旨ではない。「InGaN」という記述についても同様である。以下においても上記にならって記載される。
n側電極41は、例えばCr−Auで構成される。
p側電極23は、例えばAg系の金属(NiとAgの合金)、Al、又はRh等を含む金属材料で構成することができる。これらの材料は、活性層33から射出される光を反射させることのできる導電性の材料である。このように構成することで、活性層33から基板11の側に向かって放出された光を、p側電極23で反射させて、取り出し面があるn型半導体層35側へと導くことができるので、高い光取り出し効率が実現される。
なお、本実施形態の半導体発光素子1において、保護層17及び保護層42は必ずしも必須の要素ではなく、これらの一方又は双方が設けられていない構成とすることもできる。また、絶縁層54は、n側電極41とp側電極23の間の絶縁性を確保するために設けられたものであるが、両者間の絶縁性が確保されていれば絶縁層54は必ずしも設ける必要はない。
〈製造方法〉
次に、半導体発光素子1の製造方法の一例につき、図2A〜図2Iに示す模式的な製造工程図を参照して説明する。図2A〜図2Iの各図において、(a)は一方の主面(ここでは「上面」とする。)側から見たときの模式的な平面図であり、(b)が(a)の図面上のA−A線で切断したときの模式的な断面図であり、(c)は(a)とは反対側の主面(ここでは「底面」とする。)側から見たときの模式的な平面図である。
また、以下で説明する製造条件や膜厚等の寸法はあくまで一例であって、これらの数値に限定されるものではない。
(ステップS1)
まず、成長基板61を準備する。より具体的には、成長基板61としてc面サファイア基板を準備して、これに対してクリーニングを行う。このクリーニングは、より具体的には、例えばMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:有機金属化学気相蒸着)装置の処理炉内に成長基板61(c面サファイア基板)を配置し、処理炉内に流量が10slmの水素ガスを流しながら、炉内温度を例えば1150℃に昇温することにより行われる。
(ステップS2)
図2Aに示すように、成長基板61上にエピタキシャル層39を形成する。このステップS2は例えば以下の手順により行われる。
(アンドープ層36の形成)
成長基板61の表面に、GaNよりなる低温バッファ層を形成し、更にその上層にGaNよりなる下地層を形成する。これらの低温バッファ層及び下地層がアンドープ層36に対応する。
具体的なアンドープ層36の形成方法は、例えば以下の通りである。まず、МОCVD装置の炉内圧力を100kPa、炉内温度を480℃とする。そして、処理炉内にキャリアガスとして流量がそれぞれ5slmの窒素ガス及び水素ガスを流しながら、原料ガスとして、流量が50μmol/minのトリメチルガリウム(TMG)及び流量が250000μmol/minのアンモニアを処理炉内に68秒間供給する。これにより、成長基板61の表面に、厚みが20nmのGaNよりなる低温バッファ層を形成する。
次に、MOCVD装置の炉内温度を1150℃に昇温する。そして、処理炉内にキャリアガスとして流量が20slmの窒素ガス及び流量が15slmの水素ガスを流しながら、原料ガスとして、流量が100μmol/minのTMG及び流量が250000μmol/minのアンモニアを処理炉内に30分間供給する。これにより、低温バッファ層の表面に、厚みが1.7μmのGaNよりなる下地層を形成する。
(n型半導体層35の形成)
次に、アンドープ層36の上層にn型半導体層35を形成する。n型半導体層35の具体的な形成方法は、例えば以下の通りである。
まず、引き続き炉内温度を1150℃とした状態で、MOCVD装置の炉内圧力を30kPaとする。そして、処理炉内にキャリアガスとして流量が20slmの窒素ガス及び流量が15slmの水素ガスを流しながら、原料ガスとして、流量が94μmol/minのTMG、流量が6μmol/minのトリメチルアルミニウム(TMA)、流量が250000μmol/minのアンモニア及び流量が0.013μmol/minのテトラエチルシランを処理炉内に60分間供給する。これにより、例えばAl0.06Ga0.94Nの組成を有し、Si濃度が5×1019/cmで、厚みが2μmのn型半導体層35がアンドープ層36の上層に形成される。
なお、この後、TMAの供給を停止すると共に、それ以外の原料ガスを6秒間供給することにより、n型AlGaN層の上層に、厚みが5nm程度のn型GaNよりなる保護層を有するn型半導体層35を実現してもよい。
上記の説明では、n型半導体層35に含まれるn型不純物をSiとする場合について説明したが、n型不純物としては、Si以外にGe、S、Se、Sn又はTe等を用いることができる。
(活性層33の形成)
次に、n型半導体層35の上層に、例えばInGaNで構成される発光層及びn型AlGaNで構成される障壁層が周期的に繰り返されてなる活性層33を形成する。
具体的には、まずMOCVD装置の炉内圧力を100kPa、炉内温度を830℃とする。そして、処理炉内にキャリアガスとして流量が15slmの窒素ガス及び流量が1slmの水素ガスを流しながら、原料ガスとして、流量が10μmol/minのTMG、流量が12μmol/minのトリメチルインジウム(TMI)及び流量が300000μmol/minのアンモニアを処理炉内に48秒間供給するステップを行う。その後、流量が10μmol/minのTMG、流量が1.6μmol/minのTMA、0.002μmol/minのテトラエチルシラン及び流量が300000μmol/minのアンモニアを処理炉内に120秒間供給するステップを行う。以下、これらの2つのステップを繰り返すことにより、厚みが2nmのInGaNよりなる発光層及び厚みが7nmのn型AlGaNよりなる障壁層が15周期繰り返されてなる活性層33が、n型半導体層35の上層に形成される。
(p型半導体層31の形成)
次に、活性層33の上層に、例えばAlGaNで構成されるp型半導体層31を形成する。p型半導体層31の具体的な形成方法は例えば以下の通りである。
具体的には、MOCVD装置の炉内圧力を100kPaに維持し、処理炉内にキャリアガスとして流量が15slmの窒素ガス及び流量が25slmの水素ガスを流しながら、炉内温度を1025℃に昇温する。その後、原料ガスとして、流量が35μmol/minのTMG、流量が20μmol/minのTMA、流量が250000μmol/minのアンモニア及びp型不純物をドープするための流量が0.1μmol/minのビスシクロペンタジエニルマグネシウム(CpMg)を処理炉内に60秒間供給する。これにより、活性層33の表面に、厚みが20nmのAl0.3Ga0.7Nの組成を有する正孔供給層を形成する。その後、TMAの流量を4μmol/minに変更して原料ガスを360秒間供給することにより、厚みが120nmのAl0.13Ga0.87Nの組成を有する正孔供給層を形成する。これらの正孔供給層によりp型半導体層31が形成される。このp型半導体層31のp型不純物濃度は、例えば3×1019/cm程度である。
なお、その後、TMAの供給を停止すると共に、CpMgの流量を0.2μmol/minに変更して原料ガスを20秒間供給することにより、厚みが5nm程度で、p型不純物濃度が1×1020/cm程度のp型コンタクト層を形成してもよい。この場合、p型半導体層31にはこのp型コンタクト層も含まれる。
このようにして成長基板61上に、アンドープ層36、n型半導体層35、活性層33、及びp型半導体層31からなるエピタキシャル層39が形成される。
(ステップS3)
ステップS2で得られたウェハに対して活性化処理を行う。より具体的には、RTA(Rapid Thermal Anneal:急速加熱)装置を用いて、窒素雰囲気下中650℃で15分間の活性化処理を行う。
(ステップS4)
図2Bに示すように、p型半導体層31の上面の所定の箇所にp側電極23を形成する。具体的には、p型半導体層31の上面のうち、一以上の島状領域以外の領域に対して選択的にp側電極23を形成する。このステップS4を経たウェハは、p型半導体層31が島状に露出した領域と、p側電極23が露出した領域を上面に有する。p側電極23の具体的な形成方法は、例えば以下の通りである。
まず、p側電極23を形成しない領域に対応したp型半導体層31の上面の領域に、パターニングによってレジストを塗布する。このレジストを塗布する領域は、後にn側電極41を形成する領域及びn側電極41に近くて電流が集中しやすい領域に対応する。その後、レジストの上面を含む全面に、例えばスパッタ装置にて膜厚150nmのAg及び膜厚30nmのNiを成膜する。なお、この材料膜として、p型半導体層31との密着性を高めるために、Ag層の下に膜厚1.5nm程度のNiを成膜しても構わない。
次に、レジストをリフトオフした後、RTA装置等を用いてドライエア又は不活性ガス雰囲気中で400℃〜550℃(例えば400℃)、60秒〜300秒間のコンタクトアニール処理を行って、p側電極23を形成する。不活性ガス雰囲気でアニールをした場合、マイグレーションによるp型半導体層31側へのAgの拡散を少なくすることができるため、ドライエア雰囲気の場合よりも更にショットキー効果を高めることができる。
(ステップS5)
図2Cに示すように、ステップS4を経て露出しているp型半導体層31の面に対してエッチングを行ってn型半導体層35の上面を露出させる。
具体的には、ステップS4の時点で形成されたp側電極23の上面に対して、パターニングによってレジスト51を塗布する。その後、このレジスト51をマスクとして、n型半導体層35の一部上面が露出するまで、p型半導体層31及び活性層33を、ICP装置を用いたドライエッチングによって除去する。なお、本ステップS5において、n型半導体層35についても一部エッチング除去しても構わない。本ステップS5によって、溝部(凹部)52が形成される。
(ステップS6)
まず、ステップS5において形成されていたレジスト51をリフトオフする。その後、図2Dに示すように、溝部52の底面の中央部及びp側電極23の上面に、パターニングによってレジスト53を形成する。すなわち、溝部52の底面においてレジスト53の外周にn型半導体層35の上面を露出させた状態とする。その後、全面に絶縁層54を形成する(図2D参照)。絶縁層54としてはSiO2、SiN、Zr、AlN、Al等を用いることができる。
その後、図2Eに示すようにレジスト53をリフトオフする。このとき、溝部52の内側面及びp側電極25の上面に絶縁層54が形成される。
(ステップS7)
p側電極23の上面にパターニングによってレジスト55を形成する。その後、溝部52を充填するように、導電性材料を形成してn側電極41を形成する(図2F参照)。n側電極41の形成方法の一例としては、膜厚100nmのCrと膜厚0.5〜3μmのAuを蒸着した後、窒素雰囲気中で250℃、1分間程度のアニール処理を行う。その後、レジスト55をリフトオフする(図2G参照)。
ステップS6及びステップS7によって、溝部52内にp側電極23と電気的に絶縁した状態でn側電極41が形成される。
(ステップS8)
露出しているp側電極23の上面に保護層17を形成し、露出しているn側電極41の上層に保護層42を形成する。その後、保護層17の上面に接合層15を形成し、保護層42の上面に接合層43を形成する。
より詳細には、電子線蒸着装置(EB装置)にて、膜厚100nmのTiと膜厚200nmのPtを3周期成膜することで保護層17及び保護層42を形成する。更にその後、保護層17の上面(Pt表面)に、膜厚10nmのTiを蒸着させた後、Au80%Sn20%で構成されるAu−Snハンダを膜厚3〜6μm蒸着させることで接合層15を形成する。同様に、保護層42の上面(Pt表面)に、膜厚10nmのTiを蒸着させた後、Au80%Sn20%で構成されるAu−Snハンダを膜厚3〜6μm蒸着させることで接合層43を形成する。
(ステップS9)
次に、成長基板61とは別に準備された基板11を、接合層15及び接合層43を介して成長基板61に接合する(図2H参照)。一例としては、280℃の温度、0.2MPaの圧力下で成長基板61と基板11とを接合する。なお、基板11の上層にも接合層(15,43)の材料の拡散防止のための保護層を予め形成しておき、この保護層と接合層15及び接合層43とを接触させて接合するものとしても構わない。基板11としては、上述したようにCuW、W、Mo等の導電性基板、又はSi等の半導体基板を利用することができる。
(ステップS10)
次に、成長基板61を剥離する。より具体的な一例としては、成長基板61を上に、基板11を下に向けた状態で、成長基板61側からKrFエキシマレーザを照射して、成長基板61とエピタキシャル層の界面を分解させることで成長基板61の剥離を行う。その後、ウェハ上に残存しているGaN(アンドープ層36)を、塩酸等を用いたウェットエッチング、又はICP装置を用いたドライエッチングによって除去し、n型半導体層35を露出させる。なお、本ステップS10においてアンドープ層36が除去される(図1参照)。
〈検証〉
次に、上述したビア型の半導体発光素子1と、図12に示す縦型の半導体発光素子100とで、性能を評価した。
図3は、半導体層(30,107)のサイズを変更しながら、各半導体発光素子(1,100)を作成し、1Aの電流を注入したときの、半導体層(30,107)のサイズLと電流密度Jの関係をグラフ化したものである。ここでは、半導体層(30,107)は上面視で正方形状であると規定し、辺Lの長さを変更することで半導体層(30,107)のサイズを変更している。
なお、半導体層(30,107)への電流の拡がり程度を各サイズ間で均一化するために、半導体発光素子1においてはn側電極41の本数、半導体発光素子100においては、光取り出し面、すなわち半導体層107(より詳細にはn型半導体層113)を仕切るn側電極108(以下、「仕切り配線121」と呼ぶ。)のライン数及び電流供給部109の数を図4のように設定した。なお、半導体発光素子1において、隣接するn側電極41間の間隔δ=250μmで固定している。
ここで、光取り出し面を仕切るn側電極108のライン数につき、図5を参照して説明する。図5は、半導体発光素子100を光取り出し面側から見た図を模式的に示したものである。図5において、ハッチングが付されている領域がn側電極108に対応し、そのうち、符号121が付されているn側電極108が光取り出し面を仕切るn側電極108であり、これが上記「仕切り配線121」に対応する。
図5(a)は、図13及び図14に示す図面に対応している。図5(a)に示すように、現在市販されているL=1000μmの縦型の半導体発光素子100では、2個の電流供給部109と、2本の仕切り配線121とを有して構成されている。つまり、L=1000μmのサイズの縦型の半導体発光素子100においては、n側電極108が333μm間隔で設けられている。よって、電流拡がりの程度をこの素子と同程度とするために、500μm前後の間隔で仕切り配線121を設ける設定とした。
具体的には、L=2000μmのサイズにおいては、図5(b)に示すように、仕切り配線121を6本とし、電流供給部109の数を8個とした(図4の表も併せて参照)。また、同様の理由により、L=3000μmのサイズでは仕切り配線121を10本とし、電流供給部109の数を12個とした(図4参照)。なお、図5に示すように、電流供給部109は、仕切り配線121と比較して幅が大きいため、半導体層107の上面の中央付近に配置すると光の進行の妨げになることから、半導体層107の上面の外周付近に配置している。
なお、縦型の半導体発光素子100においては、n側電極108の線幅を10μmとし、電流供給部109のサイズを130μm□の正方形状としている。
また、ビア型構造の半導体発光素子についても、図1に示す半導体発光素子1と全く同一の構造ではないが、市販されているものがある。この市販されているビア型の半導体発光素子によれば、L=1500μmのサイズで5×5本の貫通電極(すなわち、図1に示すn側電極41に対応する。)が250μm間隔で配置されている。そこで、半導体発光素子1においては、n側電極41の間隔を250μmで固定した上で、サイズに応じてn側電極41の本数をほぼ比例関係となるように調整して配置した(図4参照)。
ビア型の半導体発光素子1では、n側電極41の直径を30μm、50μm、60μm、及び80μmの4パターンについて、上記のようにサイズLに応じて本数を変更させた状態で素子を作成し、電流密度を評価している。なお、電流密度は、注入電流(ここでは1A)を、基板(11,101)の面に平行な方向に係る電極の占有面積の合計(以下、「電極占有面積」と呼ぶ。)で除することで算出している。
電極占有面積は、縦型の半導体発光素子100においては、n側電極108の総面積及び電流供給部109の総面積の和に対応する。n側電極108の面積はn側電極108の本数に比例し、電流供給部109の面積は電流供給部109の配置個数に比例する。また、電極占有面積は、ビア型の半導体発光素子1においては、貫通電極を構成するn側電極41の総面積に対応し、n側電極41の本数に比例する。
図3によれば、L<800μm程度においては、縦型の半導体発光素子100がビア型の半導体発光素子1よりも電流密度Jの値が低い。しかし、L=1000μmでは、n側電極41の直径が50μm、60μm、及び80μmを示す各ビア型の半導体発光素子1の方が、縦型の半導体発光素子100よりも低い電流密度を示している。そして、サイズLが大きくなるに連れ、概ねビア型の半導体発光素子1の方が、縦型の半導体発光素子100よりも低い電流密度が実現されていることが示されている。
図6は、1Aの電流を半導体発光素子に注入したときの、半導体層のサイズLと電極の面積占有率Aの関係をグラフ化したものである。電極の面積占有率Aとは、半導体層(30,107)の主面の面積に対する電極占有面積の割合に対応する。
上述したように、電極の面積占有率Aが低いほど、半導体層(30,107)の主面の面積が同一の場合における光取り出し部の面積を大きくできるので、光取り出し効率を高くする観点からは好ましい。
図6によれば、サイズL<1000μmの範囲内においては、ビア型の半導体発光素子1の方が、縦型の半導体発光素子100よりも電極の面積占有率Aを低く抑えられている。一方、サイズLが大きくなるに連れ、縦型の半導体発光素子100は電極の面積占有率Aを低下させている。そして、同一のサイズLにおいても、n側電極41の直径の値によっては、ビア型の半導体発光素子1の方が縦型の半導体発光素子100よりも電極の面積占有率Aが低い領域が存在する。
ここで、本発明者は、図3及び図6の結果を踏まえ、電流密度J及び電極の面積占有率Aの双方に関して、縦型の半導体発光素子100よりもビア型の半導体発光素子1の方が低くなる条件が存在するのではないかと考察した。そして、検証を重ねた結果、1Aの電流を半導体発光素子(1,100)に注入したときの、電流密度J、電極の面積占有率A、及び半導体層30の主面の一辺の長さLが、以下の数1の関係を満たすときに、ビア型の半導体発光素子1は、縦型の半導体発光素子100よりも低い電流密度と低い面積占有率を実現することを見出した。なお、半導体層30の主面の一辺の長さLとは、半導体層30のサイズであり半導体発光素子1のチップサイズを想定した数値である。
(数1)
図6によれば、電極の面積占有率Aは、半導体層30のサイズLが大きくなるほど、すなわち半導体発光素子1のサイズが大きくなるほど、変化の割合が小さくなっていることが分かる。一方、図3によれば、電流密度Jは、半導体層30のサイズが大きくなるほど、すなわち半導体発光素子1のサイズが大きくなるほど、その値は減少しているが、変化の割合は電極の面積占有率Aよりも大きい。更に、図6のグラフの縦軸が線形表示であるのに対し、図3のグラフの縦軸は指数表示である。このことから、数1では、電流密度Jに対数演算を行なったものに、電極の面積占有率Aを乗じている。
ここで、電流密度Jは、注入電流Iをn側電極41の総面積(すなわち電極占有面積)で除することで算出されるため、数1は下記数2に変形される。
(数2)
上記数2は、数3に変形される。
(数3)
ここで、注入電流I=1(A)の場合には、log(I)=0であるため、数3は更に数4に変形される。
(数4)
ここで、説明の都合上、上記数4において不等号で挟まれている式が、A、S、及びLの関数であることを明示するために、f(A,S,L)と規定する。すなわち、以下の数5のように規定する。
(数5)
このとき、上記数4は、下記数6のように書き換えられる。
(数6)
−0.003≦f(A,S,L)≦0.129
一例として、半導体層30の一辺L=1000μm、n側電極41の直径D=50μm、隣接するn側電極41の間隔δ=167μmである半導体発光素子1について検討する。
この場合、n側電極41の本数Nは、
N={(L/δ)−1}=25(本)
と算定される。
そして、半導体層30上におけるn側電極41の占有面積Sは、
S=N・πD/4=4.9087×10−4(cm
と算定される。
そして、この半導体発光素子1の電極の面積占有率Aは、
A=S/L=0.049
と算定される。
そして、Lの値、並びに上記の演算によって得られたA及びSの値を上記数5に代入すると、f(A,S,L)=0.029と算定される。この値は、数6を満たすため、数1を満たすことになる。よって、半導体層30の一辺L=1mm、n側電極41の直径D=50μm、隣接するn側電極41の間隔δ=167μmである半導体発光素子1は、同サイズの縦型構造の半導体発光素子100よりも、電流密度Jが低く、電極の面積占有率Aが低い素子として実現できると結論付けられる。
なお、上記の結論は、図3において、サイズL=1000μmの下での電流密度Jは、直径50μmのビア型構造の素子の方が縦型構造の素子よりも低く、図6において、サイズL=1000μmの下での電極の面積占有率Aは、直径50μmのビア型構造の素子の方が縦型構造の素子の電流密度よりも低くなっている結果と整合している。
図7は、隣接するn側電極41の間隔δ、n側電極41の直径D、及び半導体層30の一辺Lを適宜変更して半導体発光素子1を作成し、同サイズの縦型の半導体発光素子100と、電流密度J及び電極の面積占有率Aを比較して評価した結果を示す表である。
図7において、評価「a」とあるのは、同サイズの縦型の半導体発光素子100に対して、電流密度J及び電極の面積占有率Aの双方が共に低い(すなわち優れている)結果であったことを示している。また、評価「b」とあるのは、同サイズの縦型構造の半導体発光素子100と比較して、電流密度J及び電極の面積占有率Aの値のうちの一方が低くて他方が高い結果であったか又は両者がほぼ同等の値を示しており、且つその結果からは同等程度の性能であると判断されたことを示している。また、評価「c」とあるのは、同サイズの縦型構造の半導体発光素子100と比較して、電流密度J及び電極の面積占有率Aの双方が高い(すなわち劣っている)か、一方が低くて、他方は高い結果であるが、その結果からは縦型構造の半導体発光素子100の方が優れていると判断されたことを示している。
なお、上述したように、電流密度Jについて、ビア型の半導体発光素子1においては、注入電流Iを、n側電極41の占有面積Sで除することで算定した値を用いており、この面積Sは、半導体層30の一辺L、n側電極41の直径D、及び隣接するn側電極41の間隔δを用いて算定される。また、電流密度Jについて、縦型構造の半導体発光素子100においては、注入電流Iを、n側電極108及び電流供給部109の面積の合計(すなわち電極占有面積)で除することで算定した値を用いており、電極占有面積は、半導体層30の一辺Lに応じて図4に示す表の値から特定される電流供給部109の数及びn側電極108の数から算定される。
図8は、図7に示す表に記載の各数値から、電極の面積占有率A及び電極占有面積Sを算定し、半導体層30のサイズLと共に上記数5に代入して、f(A,S,L)の値を記載したものである。これらの値が数6の関係を満たす領域を、図8において白塗りで示している。図8によれば、この白塗りで表示されているエリアが図7の表における「a評価」のエリアに完全に対応していることが分かる。
図9は、図7及び図8で説明したのと同様の方法により検証した結果をグラフ化したものである。すなわち、半導体層30の一辺L及び当該Lの値に応じて図4の条件下で決定されるn側電極41の数を変更した上で、n側電極41の直径Dを適宜変更して種々のビア型の半導体発光素子1と、この半導体発光素子1と同じサイズLを示す縦型の半導体発光素子100の性能を比較し、その評価結果をグラフ化したものである。n側電極41の直径Dを変更することは、n側電極41の占有面積S(電極占有面積)を変更することになり、このSの値を変更することは電極の面積占有率Aを変更することになる。
図9では、評価a及びbについて「○」と表記し、評価cを「×」と表記している。すなわち、図9においては、電流密度及び電極の面積占有率に関し、同サイズの縦型の半導体発光素子100と比べてビア型の半導体発光素子1が同等以上の性能を示すものを「○」で表記し、縦型の半導体発光素子100よりも性能が劣っているものを「×」で表記している。そして、この「○」又は「×」の結果を、当該評価の対象となったビア型の半導体発光素子1のL、S、及びAの各値に基づいて数5によって導出されるf(A,S,L)の値に対応した図9のグラフ上の位置に記載している。
驚くべきことに、図9によれば、数5に記載されているf(A,S,L)の関数に、電極の面積占有率A、電極占有面積S、及び半導体層30の一辺Lの値を代入して得られた値が、−0.003以上0.129以下である領域α内に入るように設計されたビア型の半導体発光素子1は全て、電流密度と電極の面積占有率に関し、同サイズの縦型の半導体発光素子100と同等以上の性能を示している。つまり、この結果を踏まえると、数5に記載されているf(A,S,L)の関数に、電極の面積占有率A、電極占有面積S、及び半導体層30の一辺Lの値を代入して得られた値が、−0.003以上0.129以下である領域α内に入るようにビア型の半導体発光素子1を設計することで、同サイズの縦型の半導体発光素子100と比較して、電流密度と電極の面積占有率に関して性能が同等以上を示す素子が実現できる。
図10は、注入電流を変更して、図7及び図8に示す条件の半導体発光素子に対して電流を注入し、図7と同様の評価を行い、グラフにプロットしたものである。なお、図10においても、図9と同様に、評価a及びbについて「○」と表記し、評価cを「×」と表記している。具体的には、注入電流Iを1(A)、3(A)、5(A)、及び10(A)の4パターンで変更して各素子の評価を行った。
ここで、上記数3によって不等号で挟まれている式が、I、A、S、及びLの関数であることを明示するために、g(A,S,L,I)と規定する。すなわち、以下の数7のように規定する。
(数7)
図10の結果を得るに際し、ビア型の半導体発光素子1としては、半導体層30のサイズLを800μm〜4000μmの範囲内、n側電極41の直径を20μm〜100μmの範囲内で設計変更しながら種々作製したものを用いた。そして、電流密度及び電極の面積占有率の優劣につき、これらのビア型の各半導体発光素子1と、同サイズの縦型の半導体発光素子100とを比較して、評価した結果を図10に表示している。
上述したように、図10においては、電流密度及び電極の面積占有率に関し、同サイズの縦型の半導体発光素子100と比べてビア型の半導体発光素子1が同等以上の性能を示すものを「○」で表記し、縦型の半導体発光素子100よりも性能が劣っているものを「×」で表記している。そして、この「○」又は「×」の結果を、当該評価の対象となったビア型の半導体発光素子1のL、S、及びAの各値、並びに注入電流Iに基づいて数7によって導出されるg(A,S,L,I)の値に対応した図10のグラフ上の位置に記載している。
図10において、1(A)注入時における結果は、図9に示されている結果に対応している。図9を参照して説明したように、1(A)注入時においては、数5に規定されるf(A,S,L)の値が−0.003以上0.129以下となるような電極の面積占有率A、電極占有面積S、及び半導体層30の一辺Lを有するビア型の半導体発光素子1によって、同サイズの縦型の半導体発光素子100よりも電流密度と電極の面積占有率の双方の値が低い優れた素子が実現される。
そして、図10によれば、同サイズの縦型の半導体発光素子100と比べて同等以上の性能を示すビア型の半導体発光素子1が得られた領域αは、注入電流Iを1(A)から増加させていくと、やや右肩上がりの帯状を示すことが分かる。つまり、注入電流がI(A)の場合には、g(A,S,L,I)の下限値と上限値については、Iの値に応じて変化するもののIの値に応じて一意に決定できると結論付けられる。
本発明者は、注入電流がI(A)の場合には、g(A,S,L,I)が下記数8を実現するときに、ビア型の半導体発光素子1によって、同サイズの縦型の半導体発光素子100よりも電流密度と電極の面積占有率の双方の値が低い優れた素子が実現されることを見出した。
(数8)


なお、この数8は、数4の各項にA・log(I)を加算して得られる式に一致する。すなわち、この数8によれば、I=1(A)の場合には、log(I)=0であることから数6が導かれる。
図10は、半導体発光素子1に対する注入電流量が1(A)のときに数6に基づいて評価を行えば、注入電流量が変化してもその評価結果は変わらないことを示唆するものである。つまり、1(A)の電流を注入した際に、数6を満たすような電極の面積占有率A、電極占有面積S、及び半導体層30の一辺Lを有するビア型の半導体発光素子1によれば、仮に1(A)より大きな電流を注入した場合であっても、同サイズの縦型の半導体発光素子100と比べて優れた性能を示すことが結論付けられる。
[別実施形態]
図11に示す半導体発光素子1のように、p側電極23が、第一p側電極23a及び第二p側電極23bを備える構成としても構わない。ここで、第二p側電極23bは、p型半導体層31との界面における接触抵抗が、第一p側電極23aよりも高くなるように形成されている。なお、第二p側電極23bと第一p側電極23aとで、p型半導体層31との界面における接触抵抗を異ならせる方法としては、アニール時の温度を変更する方法や、電極を構成する材料のうちの所定の材料の膜厚を変更する方法等、種々の方法が採用可能である。
第二p側電極23bは中空の筒形状を有しており、第二p側電極23bの内側を貫通するようにn側電極41が形成されている。つまり、n側電極41の外側に第二p側電極23bが形成されている。そして、この第二p側電極23bの更に外側に第一p側電極23aが形成されている。つまり、第二p側電極23bが、第一p側電極23aよりもn側電極41に近い位置に配置されている。
このため、n側電極41から離れた位置に形成された第一p側電極23aから、半導体層30を経由してn側電極41に達する電流が流れやすくなり、n側電極41に近い箇所での電流集中が緩和される。この結果、半導体発光素子1が高出力デバイスとして利用される場合、すなわち高電流が供給される場合においても、基板11の主面に平行な方向に関し、活性層33内の広い範囲に電流を流すことができるので、発光効率及び光取り出し効率を向上させることができる。また、この構成によれば、半導体層30内の所定の箇所に電流が集中して高温になることが防止されるので、従来に比べて長寿命の素子が実現される。
そして、かかるビア型の半導体発光素子においても、上記数3又は数4が成立する範囲内において、同等のサイズの縦型の半導体発光素子100と比較して、電流密度が低く、且つ電極の面積占有率が低い素子が実現できる。
11 : 基板
15 : 接合層
17 : 保護層
23 : p側電極
23a : 第一p側電極
23b : 第二p側電極
30 : 半導体層
31 : p型半導体層
33 : 活性層
35 : n型半導体層
36 : アンドープ層
39 : エピタキシャル層
41 : n側電極
42 : 保護層
43 : 接合層
51 : レジスト
52 : 溝部
53 : レジスト
54 : 絶縁層
61 : 成長基板
100 : 従来の半導体発光素子
101 : 支持基板
102 : ボンディング層
103 : 反射電極
104 : オーミック接触層
105 : 電流遮断層
106 : アイソレーション層
107 : 半導体層
108 : n側電極
109 : 電流供給部
111 : p型半導体層
112 : 活性層
113 : n型半導体層
117 : n型半導体層の割れ
118 : n型半導体層の溶融
121 : 仕切り配線

Claims (2)

  1. p型又はn型のいずれか一方の導電型の第一半導体層、前記第一半導体層の上層に形成された活性層、及び前記活性層の上層に形成された、前記第一半導体層とは異なる導電型の第二半導体層を含む半導体層と、
    前記第一半導体層の下に形成された第一電極と、
    前記第二半導体層の下であって、前記活性層が形成されていない領域の少なくとも一部に形成され、前記第二半導体層と電気的に接続された第二電極とを有してなる半導体発光素子であって、
    少なくとも前記第一半導体層及び前記活性層を貫通し、前記第二半導体層に達する凹部を有し、
    前記第一電極は、前記凹部の少なくとも一部の外側面を取り囲むように形成され、
    前記第二電極は、前記活性層、前記第一半導体層、及び前記第一電極との間の絶縁状態を保持した状態で前記凹部内に挿入して配置されてなり、
    前記半導体層の主面の一辺の長さをL、前記第二電極の総面積をS、前記半導体層の主面の面積に対する前記第二電極の総面積の割合をAとし、1(A)の電流を注入した場合に下記の式が成立することを特徴とする半導体発光素子。
  2. I(A)の電流を注入した場合に下記の式が成立することを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子。

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