JP2015197601A - 吸音材 - Google Patents

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Abstract

【課題】中綿の飛散を完全に抑制した吸音材で、かつ軽量で高い吸音性能及び断熱性能を有する吸音材を提供する。【解決手段】袋状の表皮材の内部に中綿を内包してなる吸音材であって、前記袋状の表皮材が、繊維の密度が1.5g/cm3以下、平均繊維直径が0.1〜5μmである極細有機繊維からなり、前記表皮材の嵩密度が0.1〜1.0g/cm3であることを特徴とする吸音材とする。【選択図】なし

Description

本発明は、軽量でありながら優れた吸音性能を持つ吸音材に関し、さらには、車輌、電気製品、建築材などのスペースを有効利用する必要のある分野おいて好適な吸音材に関するものである。
従来より、鉄道車両や自動車等に用いられる車両用部品から掃除機等の電化製品まで幅広い分野において吸音材が用いられてきた。中でも自動車等の車両に用いられる吸音材は、軽量性・厚み低減・吸音性・取扱い性・環境性等が要求されている。
従来用いられているウレタン等の発泡樹脂体を芯材にして、その両面に補強用の面材を積層及び接合した吸音材は(特許文献1)、ウレタン自身環境性の点で問題となりやすいため、最近では脱ウレタンの要求がある。また、ガラス繊維のニードルパンチマットを芯材にして、その表面に補強用の面材を積層及び接合した吸音材がある(特許文献2)。しかしながら、基材にガラス繊維を使用する場合、ガラス繊維の飛散によって皮膚が刺激されたり、目や呼吸器が危険にさらされる問題がある。樹脂を塗工することにより飛散を抑制しているが、本対応だけでは不十分である。また、樹脂を塗工することにより吸音性が低下する懸念がある。さらに、無機繊維の基材は繊維の密度が高いため重量が重く、軽量化を図るためには無機繊維の使用量を減らす必要があるが、その場合吸音性能が低下する問題が発生する。従って、無機繊維の量を減らすと同時に吸音性能を維持させる改良が必要となる。
吸音性能を向上させる様々な方法が提案されているが、中でも繊維構造体からなる基材に繊維構造体からなる表皮材を積層した吸音材は良好な吸音性能を示す。この吸音材において、表皮材の流れ抵抗と吸音性能は密接な関係があるため、より高い吸音性能が得るには、適切な流れ抵抗をどのように調整するかが重要な鍵になる。流れ抵抗が小さ過ぎれば容易に空気が動き、流れ抵抗が大き過ぎれば、空気が動きにくくなり、入射音響エネルギーから熱エネルギーへの変換効率が落ち、高い吸音性能は得られない。
また、表皮材の繊維径が細い方が、比表面積が大きくなることに起因して、高周波領域の吸音性が向上することが知られている。これはつまり、目付、厚み、繊維径などを適切に制御することにより吸音性能を制御できることを意味する。
基材と表皮材を積層した吸音材の一例として、目付が150〜800g/m、嵩密度が0.01〜0.2g/cmの不織布と通気量が50cc/cm・secのスパンボンド不織布からなる表皮材を積層した構造の吸音材を提案されている(特許文献3)。
しかし、この吸音材において、無機繊維を使用した吸音材については記載がない。また表皮材に使用しているスパンボンド不織布では一般的に繊維径が大きく、細化が困難であるため、高周波数領域の吸音性能の改良が見込めない。
吸音性能を向上させるため、メルトブローン法で作製した極細繊維を使用した吸音材の検討がなされている。極細繊維であるメルトブローン繊維を使用した吸音材は、面密度に対し相対的な繊維本数が増加し、侵入する音エネルギーを効率良く空気の摩擦エネルギーに変えることができるため、高い吸音特性が得られる。
特許文献4には、メルトブローン不織布とポリエステル不織布とをニードルパンチ法により積層一体化した吸音材の片面に、表皮材として難燃ポリエステルからなる長繊維不織布を積層した吸音材が記載されている。特許文献5には、ポリエステル系繊維不織布の片面に、メルトブローン極細繊維不織布が積層された自動車用吸音材が記載されている。
上述の吸音材において、他の吸音材の上に積層させて使用するメルトブローン繊維層は、それ自体でも吸音性を示す場合もあるが、むしろ吸音材の音源側表面に配置することで、吸音材全体の通気抵抗を高い値に保持する通気抵抗調整層としての役割を担うことができることを特徴とする。しかし、基材に無機繊維を使用した場合の吸音性能については記載がなく、また、基材に無機繊維を使用した場合、表面に表皮材を積層させただけでは、ガラス繊維の飛散防止対策としては不十分である。ガラス繊維等の無機繊維は、一般的に繊維が固く、体に繊維の先が刺さる等の問題があるため、それを抑制するため対策をすることが望ましい。
特開平7−1636号公報 特開平6−183303号公報 特許第4054826号公報 特開2002−161465号公報 特開2003−49351号公報
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、中綿の飛散を完全に抑制した吸音材で、かつ軽量で高い吸音性能及び断熱性能を有する吸音材を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために、中綿と表皮材なる吸音材を鋭意検討した結果、次の構成の有する吸音材としたとき、中綿繊維の飛散を完全に抑制し、かつ軽量で高い吸音性能を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、袋状の表皮材の内部に中綿を内包してなる吸音材であって、前記袋状の表皮材が、繊維の密度が1.5g/cm以下、平均繊維直径が0.1〜5μmである極細有機繊維からなり、前記表皮材の嵩密度が0.1〜1.0g/cmであることを特徴とする吸音材が提供される。
本発明の吸音材は、中綿を極細有機繊維からなる袋状の表皮材で覆われ包含されているため、無機繊維等の中綿の飛散を完全に抑制できる。吸音材の取り付けもしくは廃棄時に無機繊維等の中綿繊維の飛散が起こり、人体に悪影響を与える懸念を払拭できるとともに、クッション型であるため、自動車の各パーツへの取り付けが極めて容易である。
また、本発明の吸音材のより好ましい形態としては、無機繊維のような密度の高い繊維からなる中綿を、密度の低い有機繊維からなる袋状の表皮材を内包している形態である。音波の伝わりやすさは、表皮材を構成する繊維の硬さおよび密度に依存するため、密度の異なる繊維を複合化することにより、幅広い周波数の音波の振動エネルギーを効率良く繊維全体に分散させそのエネルギーを低減させるとともに、音波の振動エネルギーを熱エネルギーに変化する効率を増加させることができる。特に音波が入射する表皮材に密度が低い極細有機繊維を用いているため、音波の反射効果を抑制し、効率良く音波を中綿層内に伝播させることができる。
さらに、前記吸音材は、表皮材で中綿は覆われているため、中綿内部の空気が対流しにくくなるため断熱性能が向上する。結果、中綿と極細有機繊維からなる表皮材とを組み合わせたクッション型吸音材は、内部の中綿の飛散を完全に抑制するとともに、軽量でかつ断熱性及び吸音性能の優れる特徴を有することになる。
本発明を以下の好適例により説明するが、これらに限定されるものではない。本発明の吸音材は、以下の構成を有することが肝要である。
すなわち、本発明に吸音材は、袋状の表皮材の内部に中綿を内包してなる吸音材であって、前記袋状の表皮材が、繊維の密度が1.5g/cm以下、平均繊維直径が0.1〜5μmである極細有機繊維からなり、前記表皮材の嵩密度が0.1〜1.0g/cmであることを特徴とする吸音材である。
上記の吸音材とすることによって、中綿を、極細有機繊維からなる袋状の表皮材で覆い包含するため、中綿の飛散を完全に抑制できる。また、吸音材の取り付けもしくは廃棄時に無機繊維等の中綿繊維の飛散が起こり、人体に悪影響を与えるといった問題もなくなる。さらに、本発明の吸音材はクッション型であるため、自動車、天井材、電子機器等への各パーツへの取り付けが極めて容易である。特に、中綿が後述するように無機繊維である場合は、飛散等による問題を払拭できるため、その効果が極めて高い。
本発明においては、前記のように表皮材を構成する繊維の密度は1.5g/cm以下であり、好ましくは1.4g/cm以下であるが、一方、中綿を構成する繊維の密度は好ましくは2.0g/cm以上であり、より好ましくは2.1g/cm以上である。かかる中綿の繊維としては無機繊維であることが好ましい。
上記のような組みわせとすることによって、繊維の密度が高い、無機繊維等からなる中綿に、繊維の密度が低い有機繊維からなる表皮材で覆った吸音材において、幅広い音波の振動エネルギーを効率良く繊維全体に分散させそのエネルギーを低減させるとともに、音波の振動エネルギーを熱エネルギーに変化する効率を増加させることにより、吸音性が向上することがわかった。
中綿は、短繊維からなる中綿、長繊維からなる中綿のいずれであってもよい。中綿の目付は、好ましくは100〜1500g/m、より好ましくは100〜1000g/mであり、これにより優れた吸音性等を付与することができる。中綿の目付が小さすぎると製造時の取扱性が悪くなり、中綿の形態保持性が不良となる傾向にある。目付が大きすぎると、吸音材の軽量化が図れない傾向にある。
また、中綿の嵩密度は0.01〜0.1g/cmの範囲にすることにより、優れた吸音性を付与することができ好ましい。嵩密度が小さすぎると、断熱性及び吸音性が低下する傾向にあり、大きすぎると軽量化が図れないのみならず耐摩耗性及び加工性が低下する傾向にある。中綿の嵩密度はより好ましくは0.02〜0.07g/cm、さらに好ましくは0.03〜0.06g/cmの範囲である。このように、中綿の嵩密度を制御することによって、中綿中の空気の割合が一定範囲内に制御されることで、中綿に優れた断熱性及び吸音性がさらに付与される。
表皮材の目付は、好ましくは10〜100g/mの範囲が好ましく、優れた吸音性等を付与することができる。特に、表皮材の目付が15〜50g/mであることが好ましい。目付が小さすぎると製造時の剥離不良が発生する傾向にある。一方、目付が大きすぎると、吸音材の軽量化が図れない傾向にある。
本発明においては、表皮材の嵩密度を0.1〜1.0g/cmの範囲にすることにより、優れた吸音性を付与することができる。嵩密度がこの範囲から外れると流れ抵抗が適正でなくなり、吸音性能は低下する。好ましくは0.15〜0.7g/cm、特に好ましくは0.2〜0.5g/cmの範囲である。
本発明においては、表皮材を構成する極細有機繊維は、溶融紡糸または溶液紡糸技術により製造される。ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィンなどの熱可塑性樹脂に該当するポリマーは溶融温度が低いため、メルトブローン法等の溶融紡糸が可能である。また、湿式抄紙技術により作製した湿式不織布を用いて良い。
一方で、アラミド等の耐熱性ポリマーは、加熱しても溶融しないため、一般的な溶融紡糸による不織布の製造が困難である。そこで、アラミド等の耐熱性ポリマーの表皮材の製造法は、特開2005−200779号公報のエレクトロスピニング法や、メルトブローン法を改良した、効果的に細繊化する技術(US6013223)が、本発明で使用する表皮材を製造するのに適用できる。また、これらの方法を用いることにより、表皮材を構成する繊維の平均繊維直径を細化できる。本発明においては、表皮材を構成する繊維の平均繊維直径は0.1〜5μmであり、好ましくは0.3〜4μm、より好ましくは0.4〜3μm、さらに好ましくは0.6〜3μmである。平均繊維直径が0.1μm未満の場合は、得られる表皮材の強力が小さく、破損し易くなる。一方、平均繊維直径が5μmを超える場合は、表皮材を構成する繊維の比表面積が小さくなり、目的とする吸音性能が得られなくなってしまう。なお、本発明で用いる表皮材を構成する繊維の平均繊維直径は、不織布の電子顕微鏡写真で確認することのできる繊維の直径を意味し、具体的には100本の繊維の巾を計測して得ることができる。
本発明で用いる表皮材を構成する極細有機繊維の融点または熱分解温度は好ましくは200℃以上であり、より好ましくは300℃以上、さらに好ましくは350℃以上である。これは、車両エンジンルームやモーターなどの発熱体に近接あるいは接触する用途での使用する際は、150〜200℃にもなる高温環境であり、その部位で用いられる部材は高い耐熱性が要求される。不織布を構成する繊維の融点または熱分解温度が200℃以上であれば、高温で高摩擦を受ける過酷な使用環境においても、繊維屑や溶融劣化物等異物の発生が極めて少なく、有用な吸音材となりえる。また、単一の耐熱性不織布のみで吸音材を構成することができるため、他成分との偏在がない、均一な不織布となって、安定した吸音性能を有するという利点もある。
なお、本発明における「融点または熱分解温度」とは、JIS K 7121、または、JIS K 7120に準じ、示差走査熱量測定により得られるDSC曲線の融解ピークの頂点の温度、もしくは、熱重量測定より得られるTG曲線にて、試料の重量減少が始まる温度から求めた。
本発明に使用する表皮材の200℃での乾熱収縮率は、好ましくは10%以下、より好ましくは2%以下、さらに好ましくは1.75%以下、特に好ましくは1.5%以下である。これは、乾熱収縮率が2%より大きいと、高温で使用される環境下においてもシワの発生が起こり易く、吸音材として用いた場合、吸音性能が低下する傾向にある。
本発明に用いる有機繊維としては、アラミド繊維、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリアリレート繊維、ポリベンズオキサゾール(PBO)繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、全芳香族ポリエステル繊維、アクリル繊維、塩化ビニル繊維、ポリケトン繊維、セルロース繊維、パルプ繊維等の有機繊維等を挙げることができ、これらの一種を、又は二種以上を組み合わせて使用することができる。なかでも、メタ型アラミド繊維であるポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維や、パラ型アラミド繊維であるポリパラフェニレンテレフタラミドやコポリパラフェニレン・3,4’オキシジフェニレン・テレフタラミド等は、高強力で高い耐熱性を有するので好ましい。
本発明においては、上記中綿を構成する無機繊維は、特に限定されるものではないが、ガラス繊維、セラミック繊維、ロックウール、アスベスト繊維等の無機繊維等を挙げることができ、これらの一種を、又は二種以上を組み合わせて使用することができる。なかでも、安価で大量生産可能なガラス繊維は好ましい。
本発明においては、中綿を表皮材に内包する方法としては、中綿より大きいサイズの表皮材を中綿の両面に積層させた後、表皮材の淵を熱処理、超音波処理、加圧加熱処理などで接着させることにより中綿を表皮材で内包したクッション型の吸音材を作製できる。また、同方法で中綿と表皮材とを積層させる際、表皮材の淵の一方の面に接着剤を塗布しておき、これらを接着させてもよい。
上記接着剤は、特に限定されるものではないが、アクリル系樹脂系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤、エポキシ樹脂エマルジョン接着剤、酢酸ビニル樹脂エマルジョン接着剤、シリコーン系接着剤、などの有機系接着剤でもよく、シリカ系接着剤などの無機系接着剤が挙げられる。
以上により得られる吸音材は、無機繊維の飛散を完全に抑制した吸音材で、かつ軽量で高い吸音性能を有する吸音材を提供することができる。また、表皮材に耐熱性ポリマーを使用した場合、自動車のエンジンルーム周辺等の高温環境下でも、吸音性能が低下することなく使用することが可能になる。
以下実施例により、本発明を具体的に説明する。しかしながら本発明はこれによって限定されるものではない。なお以下の実施例などの評価および特性値は、以下の測定法により求めた。
[繊維径(μm)]
吸音材として使用される不織布を走査型電子顕微鏡JSM6330F(JEOL社製)にて観察し、繊維100本を任意に選出して測長した。なお、観察は1000倍で行った。
[目付(g/m)]
JIS L 1906の単位面積当りの重量試験方法に準じて測定を行った。
[厚さ(mm)]
小野測器 デジタルリニアゲージDG−925(測定端子部の直径1cm)を用い、任意に選択した20箇所において厚さを測定し、平均値を求めた。
[不織布の嵩密度(g/cm)]
(目付)/(厚み)から算出し、単位容積あたりの重量を求めた。
[吸音性能]
JIS A 1405に準じて、垂直の入射法の測定器で50〜6300Hzの周波数におけるそれぞれの吸音率を測定し、6300Hzで吸音率80%以上のものを○、80%未満のものを×とした。
[断熱性]
京都電子工業株式会社製、迅速熱伝導率計「QTM−500」を使用して、細線加熱法(ホットワイヤ法)により測定した。
[実施例1、2]
ポリエチレンテレフタレート樹脂(帝人製)を、メルトブローン法により、紡糸温度300℃で捕集ネットに向けて押し出した。メルトブローンノズルから長繊維ウェブまでの距離は100mmとし、単孔吐出量0.3g/min、空気流量1000Nm/hr/mの条件で紡糸し、ベルトの搬送速度を変えることにより20g/mおよび、60g/mの目付の未処理の不織布を得た。得られた未処理の不織布を金属製カレンダーロールにて温度50℃、設定線圧50kg/cmで熱処理し、上下ロール間のクリアランスを設けることによって、任意に線圧を調整し、表1記載の密度の不織布1層のみからなる表皮材を得た。
中綿は、マグ・イゾベール社製のガラスマット(ホワイトロール)を、表1記載の目付、密度になるようにカットし作製した。中綿を表皮材に内包する方法としては、中綿より大きいサイズの表皮材の淵にエポキシ樹脂エマルジョン接着剤を塗布し、中綿の両面に表皮材を積層して強固に接着し、袋状表皮材内に中綿が内包した吸音材を得た。結果を表1に示す。
[実施例3]
帝人製の0.1dtexの延伸ポリエチレンテレフタレート短繊維60%と、0.2dtexの未延伸ポリエチレンテレフタレート短繊維40%をチェスト内で水中に十分分散させて、繊維濃度0.05%の水性スラリーを調整し、これを傾斜金網抄紙機に送り、不織布を抄造した。得られた未処理の不織布を金属製カレンダーロールにて温度200℃、設定線圧50kg/cmで熱処理し、上下ロール間のクリアランスを設けることによって、任意に線圧を調整し、表1記載の密度の不織布1層のみからなる表皮材を得た。
中綿は、マグ・イゾベール社製のガラスマット(ホワイトロール)を、表1記載の目付、密度になるようにカットし作製した。さらに、実施例1と同様にして、袋状表皮材内に中綿が内包した吸音材を得た。結果を表1に示す。
[実施例4、5]
特公昭47−10863号公報記載の方法に準じた界面重合法により製造した固有粘度(IV)=1.35のポリメタフェニレンイソフタルアミド粉末(帝人製、比重1.38g/cm)20重量部を、0℃に冷却したジメチルアセトアミド(DMAc)80重量部中に投入し、スラリー状にした後、45℃まで昇温して溶解させ、ポリマー溶液を得た。
上記のポリマー溶液を、ギアポンプを使ってUS6013223の紡糸装置に120g/minで供給し、紡糸温度40℃とし、10m/minで圧空を供給して紡糸を行った。ここで、US6013223の紡糸装置は、ポリマー溶液吐出孔の孔径が0.3mmで、ポリマー溶液吐出ノズルが、100×5列の配列で500本が、5mmピッチで等間隔となるように配置されたものを使用した。
凝固液供給装置は、ウェブの搬送方向の反対側(上流側)と、ウェブの搬送方向側(下流側)の両方に、ポリマー溶液吐出孔から下方向に50mm、紡糸線から50mmの位置に対となるように設置し、凝固液供給スプレーは二流体スプレーノズル(株式会社いけうち製、VEシリーズ)を用い、吐出後のポリマー溶液に、ポリマー溶液吐出孔から紡糸線上の下方200mmの地点で、細化された糸条と凝固液が接触するようにスプレーノズルの噴射角度を調整した。
凝固液として温度を30℃に温調された水を使用し、一対の二流体スプレーノズルに供給した水は5L/minで、供給した圧縮空気圧は0.5MPaとした。
ギアポンプによりポリマー溶液吐出孔から吐出された糸条は、直ちに周囲の圧空と凝固液と共に、紡糸線上の下方向に捕集面に向かって流下させながら細化と凝固を行い、紡糸装置の下方500mmに設置された捕集ベルト上に、繊維を堆積しながらベルトの搬送速度を2.5m/minとし、未処理の不織布を得た。
得られた未処理の不織布を金属製カレンダーロールにて温度230℃、設定線圧50kg/cmで熱処理し、上下ロール間のクリアランスを設けることによって、任意に線圧を調整し、表1記載の密度の不織布1層のみからなる表皮材を得た。
中綿は、マグ・イゾベール社製のガラスマット(ホワイトロール)を、表1記載の目付、密度になるようにカットし作製した。さらに、実施例1と同様にして、袋状表皮材内に中綿が内包した吸音材を得た。結果を表1に示す。
[実施例6、7]
紡糸条件におけるベルトの搬送速度を0.83m/minに変えた以外は、実施例4と同様の方法で紡糸および熱処理を行い、表1記載の表皮材を得た。中綿は、マグ・イゾベール社製のガラスマット(ホワイトロール)を、表1記載の目付、密度になるようにカットし作製した。さらに、実施例1と同様にして、袋状表皮材内に中綿が内包した吸音材を得た。結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例4と同様の方法で紡糸および熱処理を行い、表1記載の表皮材を得た。中綿は、マグ・イゾベール社製のガラスマット(ホワイトロール)を、表1記載の目付、密度になるようにカットし作製した。さらに、実施例1と同様にして、袋状表皮材内に中綿が内包した吸音材を得た。結果を表1に示す。
Figure 2015197601
本発明の吸音材は、薄く軽量であるにも関わらず吸音性能が高いため、スペースを有効利用する必要のある車両、電気製品、建築材などの吸音材として用いるのに適している。また耐熱性ポリマーを使用した場合、車両エンジンルームやモーターなどの発熱体に近接あるいは接触する用途での使用することもできる。特に、繊維として、メタ型アラミド繊維を用いる場合には、耐薬品性も兼ね備えているため、酸性、アルカリ条件下でも使用することができ、その工業的価値は極めて大きい。

Claims (8)

  1. 袋状の表皮材の内部に中綿を内包してなる吸音材であって、前記袋状の表皮材が、繊維の密度が1.5g/cm以下、平均繊維直径が0.1〜5μmである極細有機繊維からなり、前記表皮材の嵩密度が0.1〜1.0g/cmであることを特徴とする吸音材。
  2. 前記中綿を構成する繊維の密度が2.0g/cm以上の無機繊維からなる請求項1に記載の吸音材。
  3. 前記中綿の嵩密度が0.01〜0.1g/cmである請求項1または2に記載の吸音材。
  4. 前記極細有機繊維の融点もしくは熱分解温度が200℃以上であり、かつ前記表皮材の200℃での乾熱収縮率が10%以下である請求項1〜3のいずれかに記載の吸音材。
  5. 前記極細有機繊維の融点もしくは熱分解温度が300℃以上であり、かつ前記表皮材の200℃での乾熱収縮率が2%以下である請求項1〜3のいずれかに記載の吸音材。
  6. 前記極細有機繊維がポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維である請求項1〜4のいずれかに記載の吸音材。
  7. 前記極細有機繊維がポリパラフェニレンテレフタラアミド繊維、またはコポリパラフェニレン3,4’−オキシジフェニレンテレフタラアミド繊維である請求項1〜4のいずれかに記載の吸音材。
  8. 前記中綿を構成する繊維が、ガラス繊維、セラミック繊維、ロックウール、アスベスト繊維の少なくとも1種である請求項2〜6のいずれかに記載の吸音材。
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