JP2013139655A - 極細径繊維不織布およびその製造方法 - Google Patents

極細径繊維不織布およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】力学特性が良好であり取扱い性に優れ、電池やキャパシタのセパレータ、フィルターなど用途にも好適に用いることができる極細径繊維不織布およびその製造方法を提供する。
【解決手段】極細径繊維からなる不織布であって、該極細径繊維の平均繊維直径が0.01〜5μmであり、該不織布が下記(a)〜(c)を全て満足することを特徴とする極細径繊維不織布とする。
(a)不織布の平均見掛け密度が0.05〜1.5g/cm
(b)不織布の平均空隙径が0.5〜10μm、最大空隙径が50μm以下
(c)不織布の一方の引張強度と該方向と垂直方向の引張強度の比が1.5〜15
【選択図】なし

Description

本発明は、極細径繊維不織布およびその製造方法に関する。さらに詳細には、電池用セパレータやフィルターなどとして優れた性能を発揮する取扱い性に優れた極細径繊維不織布、および、ポリマー溶液を、細径を有する吐出孔より吐出し、伸張または細径化させた後、これを固化させた繊維からなる、強度に優れた極細径繊維不織布の製造方法に関するものである。
極細径繊維の製造方法としては、一般にメルトブロー法、海島型混合紡糸法、フラッシュ紡糸法、エレクトロスピニング法、爆裂紡糸法などが知られている。
メルトブロー法、海島型混合紡糸法は、溶融紡糸が可能なポリマーに対して適応される方法である。
また、フラッシュ紡糸法は、ポリマー溶液に対して適応される方法であり、高密度ポリエチレンやポリプロピレンと低沸点の溶剤(塩化フッ化炭化水素など)の混合溶液を紡糸孔から吐出する前に相分離させてから吐出するもので、低沸点の溶剤は急激にガス化膨張し、ポリマーは延伸されながら固化し、フィブリル化した極細の繊維からなる網状の連続繊維となり、これを拡げて集積しウェブを形成する方法である。ただし、この紡糸法が適用されるポリマーの種類は限られている。
エレクトロスピニング法は、ポリマー溶液の紡糸が可能であり、アラミドポリマー等にも適用されている(特許文献1〜2)が、一般にその生産性はメルトブロー法等に比べて低い。
これらの方法以外に、爆裂紡糸技術によるポリマー溶液からの糸の製造方法が知られている(特許文献3)。これは、ラバル管によって高速に加速された気流によって促進されるポリマー溶液の爆裂によって紡糸を行う方法であり、その生産性はエレクトロスピニング法に比べて一般に高い。
また、熱可塑性ポリマーをポリマー吐出孔から吐出させ、その吐出孔の外周から溶融したポリマーと並行に空気を随伴させ、さらに、ノズル端面から離れたエアスロットから噴射した高速の冷空気を吐出後のポリマーに作用させることによって、ポリマーを細径化させる装置が示されている(特許文献4)。
しかし、上記方法において製造される繊維は、繊維直径が細いだけでなく、延伸が不充分なため、繊維の強度が低く、得られる不織布シートの強力があまり高くないという欠点がある。このため、不織布を形成後に繊維中の溶剤除去のための水洗工程や、不織布中の水分除去の為の乾燥工程、および巻き取り工程で、不織布に少しでも張力がかかると、破断したり、形体が変形したりする問題があり、製造時の調整が非常に困難である。
特開2005−200779号公報 特開2006−336173号公報 US2004/0099981A1 US6013223
本発明の目的は、上記問題点に鑑みなされたもので、力学特性が良好であり取扱い性に優れ、電池やキャパシタのセパレータ、フィルターなど用途にも好適に用いることができる極細径繊維不織布およびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、ポリマー溶液を、細径を有する吐出孔より吐出し、伸張または細径化させ、固化させて、極細径繊維からなる不織布を形成する際、該固化から不織布として捕集する工程で特定の方法を採用したとき、力学特性が良好であり取扱い性に優れた不織布が得られ、さらに該不織布が、フィルターや、電池、キャパシタ用のセパレータなどに適していることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、極細径繊維からなる不織布であって、該極細径繊維の平均繊維直径が0.01〜5μmであり、該不織布が下記(a)〜(c)を全て満足することを特徴とする極細径繊維不織布が提供される。
(a)不織布の平均見掛け密度が0.05〜1.5g/cm
(b)不織布の平均空隙径が0.5〜10μm、最大空隙径が50μm以下
(c)不織布の一方の引張強度と該方向と垂直方向の引張強度の比が1.5〜15
また、ポリマー溶液から不織布を製造する方法であって、
(1)ポリマー溶液を、細径を有する吐出孔より吐出し、
(2)吐出孔の外側から噴出した気流を作用させて、該吐出したポリマー溶液を伸張または細径化させ、
(3)平均液滴径が1000μm以下の凝固液を噴霧させて、該吐出したポリマー溶液を固化して、平均繊維直径が0.01〜5μmの繊維とし、
(4)該繊維の走行方向に従って流路が拡大しない流体整流板を通過させた後、
(5)該繊維を捕集して不織布とすることを特徴とする極細径繊維不織布の製造方法が提供される。
本発明によれば、特定の方法で紡糸を行うことにより、極細の繊維径を有する繊維からなる極めて均質な不織布を提供することができる。また、本発明によれば、糸切れによる繊維の飛散を抑制できるため、工程ロスを抑え効率よく工業的に、上記の均質な極細径繊維不織布の製造を行うことができる。
本発明の極細径繊維の製造方法に用いられる紡糸ノズルおよび凝固設備の断面の概略図である。 本発明の極細径繊維の製造方法に用いられる紡糸ノズルの下面の概略図である。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の極細径繊維不織布は、極細径繊維で構成された不織布からなり、該極細径繊維が、平均繊維直径が0.01〜5μmであり、該不織布が後述する(a)〜(c)を満足することを特徴とし、これにより、不織布の均質な構造となり、フィルターや、電池、キャパシタ用のセパレータなどとして、優れた性能を発揮することができる。以下、平均繊維直径、(a)〜(c)の要件について詳述する。
本発明において、上記のように、極細径繊維の平均繊維直径は0.01〜5μmである。平均繊維直径が5μmより大きいと、不織布中の繊維構成本数が減少して、不織布の密度が減少するばかりでなく、不織布中に含まれる空間が大きくなり、フィルターとした場合は微細なダストを捕集できず捕集効率が低くなり、セパレータとした場合は薄くしかつ短絡防止性も向上させることが難しくなる。一方、平均繊維直径が0.01μmより小さいと、得られる強力が著しく低下し物理的な衝撃で破損し易くなる。平均繊維直径は好ましくは0.1〜4μm、より好ましくは0.5〜4μm、さらに好ましくは0.6〜3μmである。
なお、本発明の不織布を構成する繊維の平均繊維直径は、不織布表面の電子顕微鏡写真で確認することのできる繊維の直径を意味し、任意に100本の繊維を選びその巾を計測して平均することにより平均繊維直径を求めることができる。
本発明の目付ならびに厚みは、特に限定されるものではないが、目付は1g/m以上、厚みは2μm以上であることが好ましい。目付が1g/mより小さく、厚みが2μmより小さいと、不織布に含まれる空間が小さく、後述する所望の平均見掛け密度や平均空隙径が得られにくくなる傾向にある。一方、セパレータの場合は、1g/m以上、厚みは2μm以上であることが好ましい。フィルターの場合は、捕集性能の面から、目付は5g/m以上、厚みは10μm以上であることがより好ましい。
(a)不織布の平均見かけ密度は0.05〜1.5g/cmである。不織布の見掛け密度が0.05g/cm未満であると、フィルターの場合、ダストの捕集効率が低下し、セパレータの場合、内部短絡が発生し易くなるため好ましくない。また、外圧がかかった時に、厚みの低下し易い傾向にあり、取扱い性が悪い。一方、不織布の見掛け密度が1.5g/cmを越えると、フィルターの場合、圧力損失が大きくなるため、目詰まりが早くなり、フィルターの寿命性能が短くなり、セパレータの場合、電解液保液性が低下する傾向にあり、好ましくない。また、所望の厚みを得るのに、繊維集積量を多くする必要があり、不経済である。不織布の平均見かけ密度は、好ましくは、0.075〜0.75g/cm、より好ましくは、0.1〜0.5g/cmである。
(b)不織布の平均空隙径は0.5〜10μm、最大空隙径は20μm以下である。平均空隙径が10μmより大きいか、または、最大空隙径が20μmより大きいと、フィルターの場合、微細なダストに対する捕集性能が劣り、セパレータの場合、内部短絡が発生し易くなるため好ましくない。一方、平均空隙径が0.5μm未満になると、フィルターの場合、圧力損失が大きくなるため、目詰まりが早く、フィルターの寿命性能が短くなり、セパレータの場合、電解液吸液性が低下する傾向にあり、好ましくない。不織布の平均空隙径は、好ましくは0.75〜7.5μm、より好ましくは1〜5μmであり、不織布の最大空隙径は、好ましくは15μm、より好ましくは10μm以下である。
(c)不織布の一方の引張強度と該方向と垂直方向の引張強度の比が1.5〜15である。上記の比が1.5未満では、不織布の巻き取りや、不織布をセパレータとして電池やキャパシタに加工する際、またはフィルターなど各種用途に応じた形状に加工する際、不織布が破断したり、変形したりし、好ましくない。一方、上記の比が15未満では、他方の強度が低くなりすぎ、不織布が裂けたりして好ましくない。上記の比は、好ましくは1.5〜10であり、より好ましくは1.5〜5であり、さらに好ましくは1.5〜3である。
本発明においては、極細径繊維として、炭素繊維、ガラス繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維等の無機繊維、アラミド繊維、ビニロン繊維、ポリアリレート繊維、ポリベンズオキサゾール(PBO)繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、脂肪族ポリエステル繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリオレフィン繊維、アクリル繊維、塩化ビニル繊維、ポリケトン繊維、セルロース繊維、パルプ繊維等の有機繊維等を挙げることができ、これらの一種を、または二種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明においては、極細径繊維の融点または熱分解温度は、好ましくは300℃以上、の融点または熱分解温度は、より好ましくは350℃以上、さらに好ましくは400℃以上である。該融点または熱分解温度は、JIS K 7121に準じて、示差熱分析により得られる示差熱分析曲線から求めることができる。上記極細径繊維としては、具体的には、前記繊維からこれを満たすものを選べばよいが、なかでも、アラミド繊維は、強力、耐性、難燃性、耐薬品性、絶縁性に優れており、フィルターやセパレータなどとしても高い性能を発揮し、特に好ましい。
上記アラミド繊維を構成するアラミドポリマーは、1種又は2種以上の2価の芳香族基が直接アミド結合により連結されているポリマーであって、該芳香族基は2個の芳香環が酸素、硫黄又はアルキレン基で結合されたものであってもよい。また、これらの2価の芳香族基には、メチル基やエチル基などの低級アルキル基、メトキシ基、クロル基などのハロゲン基等が含まれていてもよい。さらには、これらアミド結合は限定されず、パラ型、メタ型のどちらでもよい。
かかるアラミドポリマーとしては、ポリパラフェニレンテレフタルアミド、コポリパラフェニレン−3,4’オキシジフェニレン−テレフタルアミド、ポリメタフェニレンテレフタルアミド、ポリメタフェニレンイソフタルアミドなどが好ましく選択される。
本発明おいては、前記の融点または熱分解温度を有する極細径繊維や、アラミドポリマーからなる極細径繊維を用いることにより、フィルターでは、ゴミ焼却炉、石炭ボイラー、あるいは金属溶鉱炉などから排出される排ガスは、150〜200℃にもなり、これに耐えうる高い耐熱性を発揮できる。また、セパレータでは、例えばリチウムイオン電池用セパレータとして用いた場合、異常発熱によって電池内部温度が200℃以上の高温になっても、セパレータが収縮することなく、セパレータ収縮による電極間ショートを防止することができる。さらに電気二重層キャパシタ用等、活性炭中の水分乾燥が重要な用途に用いた場合、素子乾燥温度を上げることができるため、効率良く乾燥することができる。
本発明においては、不織布の200℃での乾熱収縮率は2%以下であることが好ましい。これにより、フィルターの場合、高温で使用される環境下において、フィルターが収縮し捕集したダストを拘束し払い落とし性が低下したり、圧力損失が大きくなったりすることがなく、フィルター寿命を長くできる。また、セパレータの場合は、セパレータの収縮による電極間ショートを防止することができる。不織布の200℃での乾熱収縮率は好ましくは、1.75%以下、より好ましくは1.5%以下である。
本発明においては、上記極細径繊維が、例えば、後で詳述する方法によって得られる、ポリマー溶液を、細径を有する吐出孔より吐出し、伸張または細径化させた後、これを固化してなる繊維であることが好ましい。また、ポリマー溶液を、吐出孔よりバーストさせずに吐出するものであることが、均質な不織布となり好ましい。
以上に説明した不織布の製造方法としては、ポリマー溶液をバーストさせ細繊化する爆裂紡糸技術(WO02/052070記載)や、一般に溶融性ポリマーで行われているメルトブロー技術を改良し、効果的に細繊化する技術(US6013223)や、特開2005−200779号公報のエレクトロスピニング法などが挙げられる。
本発明は、その中でも、溶融性ポリマーで行われているメルトブロー技術を用い、細繊化する技術(US6013223)を応用し、さらにこれを改良することによって、上記不織布を容易に製造できることを見出したものである。かかる方法では、ポリマー溶液をバーストさせることなく、連続した均一な繊維径を有する繊維とし易く、均質な不織布を得やすい。
すなわち、本発明は、ポリマー溶液から不織布を製造する方法であって、
(1)ポリマー溶液を、細径を有する吐出孔より吐出し、
(2)吐出孔の外側から噴出した気流を作用させて、該吐出したポリマー溶液を伸張または細径化させ、
(3)平均液滴径が1000μm以下の凝固液を噴霧させて、該吐出したポリマー溶液を固化して、平均繊維直径が0.01〜5μmの繊維とし、
(4)該繊維の走行方向に従って流路が拡大しない流体整流板を通過させた後、
(5)該繊維を捕集して不織布とすることを特徴とする極細径繊維不織布の製造方法である。
例えば、アラミドポリマーのポリマー溶液を用いる場合、アラミドを溶解する溶媒は、例えばN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、およびジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルイミダゾリジノン、アルコキシ−N−イソプロピル−プロピオンアミドなどのアミド系極性溶媒を挙げることができる。ジメチルスルホキシド(DMSO)もまた、溶媒として使用される。ポリマーの溶解性を大きく損なわない程度に、上記溶媒以外のトルエン、アセトン等の溶媒を添加しても良い。中でもNMP、DMAcが、アラミドポリマー溶液の安定性の観点から好ましい。
また、曳糸性向上のために無機塩を添加しても良い。本方法で使用できる無機塩としては、カルシウム、リチウム、マグネシウムおよびアルミニウムよりなる群から選択されるカチオンを有する塩化物または臭化物等のハロゲン化物が挙げられ、特に塩化カルシウムまたは塩化リチウムが好ましい。これらの塩の混合物を使用することも可能である。
このような無機塩は必要に応じて添加することもあるが、溶液調製プロセス(例えば重合体製造プロセス)で必然的に生成するものであってもかまわない。無機塩の含有量は、アラミドポリマーを基準として45重量%以下、好ましくは20重量%以下、より好ましくは10重量%以下である。
なお、上記のポリマー溶液には、本発明の目的を阻害しない範囲で水を含んでいても良い。ここで、水の含有量は、アラミドポリマーの重量を基準として70重量%以下であり、好ましくは50重量%以下、より好ましくは15重量%以下である。
次に、前記の製造工程を図により詳細に説明するがこれに限定されるものではない。
図1に示すように、ダイ1によって適切な温度に温調されたキャビティー2に付属した紡糸ノズル3にポリマー溶液を供給する。こうしてノズル内管9を通ったポリマー溶液10は、吐出孔の外側に設置されたガス吐出口7から噴出したガス気流によって、効果的に加速され、伸張または細化される。
ここで、ポリマー溶液10の吐出量、ポリマー溶液を伸張または細径化させる圧空吐出量は、得ようとする不織布の繊維径など不織布形体により適宜選択できる。すなわち、不織布を構成する繊維の繊維径を小さくしたり、不織布の空隙径を小さくしたり、密度を大きくしたりする場合は、ポリマー溶液の吐出量を少なくし、または圧空吐出量を多くし、一方、不織布を構成する繊維の繊維径を大きくしたり、不織布の空隙径を大きくしたり、密度を小さくする場合は、ポリマー溶液の吐出量を多くし、または圧空吐出量を少なくする。このように、ポリマー溶液の吐出量と圧空吐出量を調整することで、前記の、平均繊維直径、平均見掛け密度、平均空隙径、最大空隙径を有する不織布を容易に得ることができる。
前記凝固液としては、アラミドポリマーの場合、該ポリマーに対する貧溶媒が用いられ、水、水/アミド系極性溶媒の混合液、水/アルコール類の混合液、アルコール類等が挙げられる。水/アミド系極性溶媒の混合液に含まれるアミド系極性溶媒としては、アラミドポリマーを溶解し、水と良好に混和するものであれば任意のものを使用することができるが、特にNMP、DMAc、DMFを好適に用いることができる。なかでも、溶媒の回収等を考慮すると、紡糸用ポリマー溶液中のアミド系極性溶媒と同種のものが好ましい。上記凝固液の中でも、水、水/NMP混合溶媒もしくは水/DMAc混合溶媒が好ましい。
本発明においては、ポリマー溶液10を吐出孔から吐出後、これに平均液滴径が1000μm以下の凝固液を噴霧させて、該吐出したポリマー溶液を固化して、前記平均繊維直径の繊維とすることが重要である。上記平均液滴径が1000μmより大きいと、液滴の重量が重すぎて、後述する流体整流板での気流の制御ができず、不織布を構成する繊維の配向を調整できなくなる。より好ましくは、凝固液の平均液滴径は500μm以下、さらに好ましくは250μm以下である。ここで、平均液滴径は、面積基準の平均液滴径はレーザー散乱/回折法(堀場製作所製LA−910等で測定可能)により測定できる。
本発明においては、上記の圧縮空気による凝固液の噴霧を、吐出孔から繊維として捕集される間の吐出ポリマー溶液の直線軸(以下、紡糸軸と称することがある)に対し、相対して、同じ位置、同じ噴射角度となるように配された少なくとも一対のスプレーノズルなどの凝固液供給装置により行うことが好ましい。なお、吐出孔から繊維として捕集される間の吐出ポリマー溶液が固化し繊維束となっている状態を以下、糸条と称することがある。また、不織布形状としてなった繊維の捕集を搬送ベルト等の搬送手段で連続的に行う場合、スプレーノズルは、該手段の搬送方向の反対側(川上側)と搬送方向側(川下側)に配置することが好ましい。スプレーノズルが、いずれか一方の側のみに設置されたり、もしくは、少なくとも一対で配置されても設置位置高さや凝固液噴射角度が異なったりすると、圧力空気と凝固液がスプレーノズルから吐出された際、糸条の流れ方向が乱され、糸切れが発生したり、得られる不織布の目付プロファイルを悪化させる原因となるため好ましくない。
本発明では凝固液供給装置としてスプレーノズルを用いることができるが、具体的には、フルコーンスプレー、ホロコーンスプレー、フラットスプレー等の一流体スプレーや二流体スプレーが挙げられるが、少量の凝固液を糸条に均一に噴射でき、凝固液と同時に噴射される圧縮空気によって紡糸線上の気流の流れを乱すことなく、糸条に凝固液を接触させることが可能な二流体スプレーを使用するのが好ましい。
上記凝固液供給装置は、ポリマー溶液の吐出孔から下方300mmの間の位置に設置するのが好ましい。この位置が吐出孔より上にある場合は、凝固液供給装置より噴霧された凝固液が、ポリマー溶液吐出孔にも付着することがあり、該吐出孔からポリマー溶液が吐出した時点で、凝固、固化してしまい、ポリマー溶液の吐出不良が起きてしまうことがある。一方、凝固液供給装置がポリマー溶液の吐出孔の下方300mmを越える位置に設置されると、紡糸線上での各繊維相互間の結着が顕著になり、不織布中にロープ状の繊維束が増加し、得られる不織布は不均質なものとなりやすい。
前記凝固液供給装置は、ポリマー溶液の吐出孔から吐出され、周囲から吐出される気流で細化され捕集されるまでの紡糸線に対して直角から平行となる間の適当な噴射角度にて、均一に噴霧できるように1個、または複数個設置されるが、これはポリマー溶液の吐出孔の配列数、すなわち紡糸幅、凝固液供給装置の種類、性能等により適宜決められる。
凝固液供給装置、例えばスプレーノズル先端から紡糸線までの距離は5〜300mmで設置するのが望ましい。上記距離が5mm未満では、凝固液供給装置から噴霧された圧縮空気が、紡糸線上を流れている糸条に強く接触して干渉し、糸切れが起きたり、得られる不織布の目付プロファイルを悪化させるため好ましくない。逆に、上記距離が300mmを越えて遠くなると、噴霧された凝固液は紡糸線上の広範囲に噴霧されることとなり好ましくない。すなわち、糸条の凝固を効率よく行うためには、糸条の細化が十分に行われた直後に液体と空気を送り込み糸条と接触させことが好ましいが、凝固液供給装置の紡糸線からの距離が300mmを越える場合、ノズルから噴霧された水溶液が紡糸線上の広範囲にわたって噴霧されるので、糸条を効率的に凝固させることが困難になるため、使用する凝固液量を多くする必要があり好ましくない。
凝固液供給装置としてスプレーノズル、特に二流体スプレーノズルを用いる場合、該スプレーノズルから噴射される圧縮空気の圧力は、0.1〜1.0MPaの範囲が好ましい。圧縮空気圧が0.1MPa未満では、凝固液を細かい粒子の霧状にするのが難しくなり、繊維表面に均一に凝固液を接触させられない傾向にあり好ましくない。逆に、圧縮空気圧が1.0MPaを越えると、圧縮空気が紡糸線上の糸条に強く接触して干渉し、得られる不織布の目付プロファイルを悪化させるとともに、空気によって細化中の極細繊維の相互間が結着し、ロープ欠点を形成し易くなるため好ましくない。スプレーノズルから噴霧される凝固液の量は、ポリマー溶液吐出孔から吐出されるポリマー溶液量、必要とする凝固の程度等により適宜調整することができる。
本発明においては、前記のように凝固液を噴霧させて、該吐出したポリマー溶液を固化して繊維とした後、該繊維の走行方向に従って流路が拡大しない流体整流板を通過させることが重要である。これによって、繊維を一方の方向に配向させ、該方向において強度が向上した不織布とすることができる。このとき、繊維の捕集を搬送ベルト等の搬送手段で連続的に行う場合、これを連続した不織布として巻き取ったり、その後、巻き出して各用途で必要な形状に加工したりすることなどを考慮し、不織布の長さ方向、すなわち搬送ベルトの走行方向に繊維が配向し、強度が高くなっていることが好ましい。
流体整流板は、吐出孔から繊維として捕集される間の吐出ポリマー溶液の直線軸(紡糸軸)に対し、相対して、同じ位置、同じ角度となるように一対に配することが好ましい。また、不織布の長さ方向に繊維を配向させ、かつ上記のように繊維の捕集を搬送ベルト等の搬送手段で連続的に行う場合、気体整流板は、該手段の搬送方向の反対側(川上側)と搬送方向側(川下側)に配置することが好ましい。流体整流板が搬送方向の上流側または下流側のいずれか一方のみに設置されたり、もしくは、搬送方向の上流側と下流側の両方に設置されたとしても、設置位置が異なったり、設置角度が異なったりすると、ノズルから吐出された糸条の流れ方向が乱され糸切れが発生したり、得られる不織布の目付プロファイルを悪化させる原因となり易く、好ましくない。
流体整流板は、凝固液供給装置であるスプレーノズル等より下で、かつ、不織布を捕集する捕集面から100mm以上、上に設置することが好ましい。流体整流板が凝固液装置であるスプレーノズル等より上にあると、一方に繊維が配向した不織布とするのが難しい。一方、捕集面からからの距離が100mmに満たない場合、捕集された不織布の一部が流体整流板に接触することがあり、得られる不織布は不均質なものとなりやすい。
また、本発明においては、流体整流板を、該吐出したポリマー溶液を固化して繊維とする、該繊維の走行方向に従って流路が拡大しない流体整流板を通過させることが重要である。具体的には、吐出孔から繊維として捕集される間の吐出ポリマー溶液の直線軸(紡糸軸)に対し、流体整流板を、該紡糸軸に対して平行(すなわち、紡糸軸と流体整流板との角度が0°)となるか、該紡糸軸に対して繊維の走行方向に従って次第に狭くなる(紡糸軸と流体整流板との角度が0°より大きく90°未満)となるように、走行する繊維の外側に設置することが好ましい。なお、図1には、後者のように繊維の走行方向に従って次第に狭くなる態様を模式図で示した。流体整流板は、平板または湾曲したものを用いてもよく、後者のように流路の狭める場合、その狭め方としては直線状に狭めても良いし、流体の乱れが必要以上に大きくならないように緩やかなカーブを設けて狭めるようにしてもよい。上記のように、流路を紡糸線と平行、もしくは、次第に狭めることにより、気流の周囲へのランダムな拡散が抑制されるので、極細径繊維は不織布の一方向、すなわち、捕集された繊維不織布の搬送方向に配向しやすくなる。紡糸軸と流体整流板との角度は、より好ましくは0°〜45°、より好ましくは0°〜30°である。
流体整流板の紡糸線からの距離は50〜300mmの範囲で設置されるのが望ましい。紡糸線からの距離が50mm未満では、気体整流板に糸条が接触してしまうため好ましくない。逆に、紡糸線からの距離が300mmを越えて遠くなると、紡糸線周辺の気流の整流ができなくなり、不織布を構成する繊維の配向を調整できなくなる。
また、該気体整流板の素材は、金属、プラスチック、木、紙など特に限定されないが、極希にではあるが繊維が付着して、これにより紐状物を発生させることがあるため、表面にテトラフルオロエチレンなとのシートを貼りつけたり表面にコートするなどの処理を行うことが好ましい。
上記極細径繊維は、例えば、固定した捕集支持体や走行する搬送ベルト上に捕捉することによって、均質な不織布を得ることができる。その際、シート状基材の上に直接補足し、基材との積層体とすることもできる。このようにして得られた積層体をいったん巻き取り、再度この巻き取った積層体に該極細径繊維を捕捉し、三層構造にすることもできる。
吐出孔から捕集面までの距離(紡糸距離ということがある)は、100〜800mmの範囲が好ましい。紡糸距離が100mm未満では、スプレーノズルの配置が難しくなる、一方、紡糸距離が800mmを超えると、紡糸線上での各繊維相互間の結着が顕著になり、不織布中にロープ状の繊維束が増加するとともに、捕集面に達する際の糸条と糸条に随伴する圧空の速度が低下し、得られる不織布の強度が弱いものとなってしまう。紡糸距離は、より好ましくは200〜700mm、さらに好ましくは300〜600mmである。
本発明において、不織布の目付は、ノズルからのポリマー溶液吐出量と捕集面の移動速度(ベルト速度)によって決定され、使用する目的によって適宜調整することができる。
得られた繊維およびそれらによって構成される不織布は洗浄しても良い。繊維もしくは不織布を洗浄する方法としては、繊維から溶媒および塩を除去するあらゆる手段または機器を使用しても良く、例えば、洗浄浴に浸漬する方法、洗浄液もしくはスチーム等を吹き付ける方法、乾燥機にて乾燥除去する方法等が挙げられる。中でも、洗浄浴に浸漬する方法は洗浄効率が高く好ましい。
次いで、必要に応じて乾燥し、水分並びに残留溶媒を除去する。乾燥された繊維もしくは不織布は、引き続いて熱処理工程にて100〜500℃の温度で熱処理しても良い。この際の熱処理は、熱板上、乾熱雰囲気下もしくは蒸気雰囲気下のいずれの条件で行っても良い。蒸気雰囲気を使用する場合、該蒸気中には水以外にアミド系極性溶媒が含まれていてもよい。
ここで、熱処理温度は、100〜500℃で実施するのが好ましい。500℃を超える場合には、得られる繊維は激しく劣化・着色し、場合によっては断糸する場合がある。一方、100℃未満の場合には、繊維が十分に弛緩されない場合がある。なお、熱板にて熱処理する場合には、好ましくは200〜400℃、さらに好ましくは250〜350℃で実施するのが好ましい。また、乾熱雰囲気下の熱処理の場合には、250〜500℃で実施するのが好ましい。蒸気雰囲気下の熱処理の場合に、100〜400℃で実施するのが好ましい。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、以下の実施例は、本発明を限定するものではない。なお、実施例中における各物性値は、下記の方法で測定した。
<繊維径(μm)>
不織布を走査型電子顕微鏡JSM6330F(JEOL社製)にて観察し、繊維100本を任意に選出して繊維径を測定し、平均繊維径を算出した。なお、観察は3000倍で行った。
<目付(g/m)>
JIS L 1906の単位面積当りの重量試験方法に準じて測定を行った。
<厚さ(mm)>
小野測器 デジタルリニアゲージDG−925(測定端子部の直径1cm)を用い、任意に選択した20箇所において厚さを測定し、平均値を求めた。
<見掛け密度(g/cm)>
(目付)/(厚み)から算出し、単位容積あたりの重量を求めた。
<空隙径(μm)、最大空隙径(μm)>
不織布の空隙径は、STM−F−316記載のバブルポイント法およびミーンフロー法により、平均空隙径、最大空隙径を求めた。単位はそれぞれμmである。
<融点もしくは熱分解温度(℃)>
JIS K 7121、または、JIS K 7120に準じ、示差走査熱量測定により得られるDSC曲線の融解ピークの頂点の温度、もしくは、熱重量測定より得られるTG曲線にて、試料の重量減少が始まる温度から求めた。
<熱収縮率(%)>
JIS L 1906に準じて、無緊張の状態で、200℃×15分熱処理後の不織布の乾熱収縮率を求めた。
<不織布の引張強力(%)>
不織布の引張強度はJIS P8113に準拠して、不織布の経方向および横方向に、それぞれ試験巾10mm、試験長100mmで試験サンプルを採取し、引張速度100mm/minで不織布の経方向の引張強力と横方向の引張強力を測定し、それらの比、すなわち(経方向の引張強力/横方向の引張強力)の値を求めた。
<平均液滴径(μm)>
面積基準の平均液滴径を、レーザー散乱/回折法により測定した。
[実施例1]
特公昭47−10863号公報記載の方法に準じた界面重合法により製造した固有粘度(IV)=1.35のポリメタフェニレンイソフタルアミド粉末(帝人テクノプロダクツ製、1.38g/cm)20重量部を、0℃に冷却したジメチルアセトアミド(DMAc)80重量部中に投入し、スラリー状にした後、40℃まで昇温して溶解させ、ポリマー溶液を得た。
上記のポリマー溶液を、ギアポンプを使ってUS6013223の紡糸装置に120g/minで供給し、紡糸温度40℃とし、10m/minで圧空を供給して紡糸を行った。ここで、US6013223の紡糸装置は、ポリマー溶液吐出孔の孔径が0.3mmで、ポリマー溶液吐出ノズルが、100×5列の配列で500本が、5mmピッチで等間隔となるように配置されたものを使用した。
圧縮空気を用いた凝固液供給装置であるスプレーノズルとして、平均液滴径が250μmであるスプレーノズル(株式会社いけうち製、VVPシリーズ)を用い、これを後述する不織布のベルトの搬送方向の反対側(上流側)と搬送方向側(下流側)の両方に、ポリマー溶液吐出孔から下方向に50mm、紡糸線から50mmの位置に一対となるように設置し、吐出後のポリマー溶液に、ポリマー溶液吐出孔から紡糸線上の下方150mmの地点で、細化された糸条と凝固液が接触するようにスプレーノズルの噴射角度を調整した。スプレーノズルから噴射させた凝固液の平均液滴径は250μmであった。
凝固液として水を使用し、一対のスプレーノズルに供給した水は5L/minで、供給した圧縮空気圧は0.5MPaとした。
ギアポンプによりポリマー溶液吐出孔から吐出された糸条は、直ちに周囲の圧空と凝固液と共に、紡糸線上の下方向に捕集面に向かって流下させながら細化と凝固を行い、紡糸装置の下方700mmに設置されたベルト上に、搬送速度を3.5m/minとして、連続繊維を積層し、表1記載の繊維構成、目付の不織布を得た。
また、流体整流板は、ベルトの搬送方向の反対側(上流側)と、ベルトの搬送方向側(下流側)の両方に、凝固液供給スプレーの直下に紡糸線と平行(紡糸線に対して0度)となるように、巾500×長さ550×厚さ7mmのものを取り付けた。
得られた不織布を金属製カレンダーロールにて温度250℃、設定線圧50kg/cmで熱処理し、上下ロール間のクリアランスを設けることによって、任意に線圧を調整し、表1記載の厚みの不織布を得た。評価結果を表1に示す。
[実施例2]
凝固液供給装置であるスプレーノズルを、平均液滴径が500μmであるスプレーノズル(株式会社いけうち製、VVシリーズ)に変えた以外は、実施例1と同様にして、表1記載の繊維構成、目付の不織布を得た。評価結果を表1に示す。
[実施例3]
流体整流板の角度を、紡糸線に対して20度に変更した以外は、実施例1と同様にして、表1記載の繊維構成、目付の不織布を得た。評価結果を表1に示す。
[比較例1]
流体整流板を取付けない以外は、実施例1と同様にして、表1記載の繊維構成、目付の不織布を得た。評価結果を表1に示す。
[比較例2]
固液供給装置であるスプレーノズルを、平均液滴径が1100μmであるスプレーノズル(株式会社いけうち製、Vシリーズ)に変えた以外は、実施例1と同様の方法で紡糸を行い、表1記載の繊維構成、目付の不織布を得た。評価結果を表1に示す。
[比較例3]
固液供給装置であるスプレーノズルを、平均液滴径が1100μmであるスプレーノズル(株式会社いけうち製、Vシリーズ)に変えた以外は、実施例3と同様の方法で紡糸を行い、表1記載の繊維構成、目付の不織布を得た。評価結果を表1に示す。
[比較例4]
流体整流板を、繊維の走行方向に従い20度で広がるもの(紡糸線に対して−20度)に変更した以外は、実施例1と同様にして、表1記載の繊維構成、目付の不織布を得た。評価結果を表1に示す。
Figure 2013139655
表1から明らかなように、本発明によれば、吐出孔の外側から噴出した気流を作用させて、該吐出したポリマー溶液を細径化させ、さらに本発明で規定するように、所定の平均液滴径の凝固液を噴射させ、その後、気流を整流することにより、両方の効果により、不織布を構成する繊維の配向を制御することができ、一方向に強度が高い不織布を得ることができる。
本発明の極細径繊維不織布は、一定方向で、巻き取りや、それを巻き出して加工を行う際に、該方向における力学特性に優れ、かつ、平均見掛け密度や平均空隙径等においても、電池用セパレータ、キャパシタ用セパレータ、並びコンデンサ用セパレータ、エアフィルター、液体フィルターなどの各種フィルター用素材として極めて有用な特性を備えている。また、吸音材、吸油材、各種クリーナー、絶縁材、透湿防水膜、遮熱材など幅広い用途に利用できる。さらに、本発明の製造方法は上記の極細径繊維不織布を容易に製造することができる。
1:ダイ
2:キャビティー
3:紡糸ノズル
4:紡糸口金
5:ガスキャビティー
6:吸気口
7:ガス吐出口
8:ガスの流れ
9:ノズル内管(吐出孔)
10:ポリマー溶液
11:凝固液供給装置(凝固液供給ノズル)
12:凝固液
14:大気
15:ポリマー
16:プレート
17:気流整流板
18:繊維と気流整流板との角度

Claims (18)

  1. 極細径繊維からなる不織布であって、該極細径繊維の平均繊維直径が0.01〜5μmであり、該不織布が下記(a)〜(c)を全て満足することを特徴とする極細径繊維不織布。
    (a)不織布の平均見掛け密度が0.05〜1.5g/cm
    (b)不織布の平均空隙径が0.5〜10μm、最大空隙径が50μm以下
    (c)不織布の一方の引張強度と該方向と垂直方向の引張強度の比が1.5〜15
  2. 極細径繊維の融点もしくは熱分解温度が300℃以上である請求項1記載の不織布。
  3. 極細径繊維がポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維である請求項1または2に記載の不織布。
  4. 極細径繊維がポリパラフェニレンテレフタラアミド繊維、またはコポリパラフェニレン3,4’−オキシジフェニレンテレフタラアミド繊維である請求項1または2に記載の不織布。
  5. 不織布の200℃での乾熱収縮率が2%以下である請求項1〜4のいずれかに記載の不織布。
  6. 極細径繊維が、ポリマー溶液を、細径を有する吐出孔より吐出し、伸張または細径化させた後、これを固化してなる繊維である請求項1〜5のいずれかに記載の不織布。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の極細径繊維不織布を用いたフィルター。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の極細径繊維不織布をセパレータに用いた電池。
  9. 請求項1〜6のいずれかに記載の極細径繊維不織布をセパレータに用いたキャパシタ。
  10. 請求項1〜6のいずれかに記載の極細径繊維不織布をセパレータに用いたコンデンサ。
  11. 請求項1〜6のいずれかに記載の極細径繊維不織布を用いた吸音材。
  12. 請求項1〜6のいずれかに記載の極細径繊維不織布を用いた吸油材。
  13. 請求項1〜6のいずれかに記載の極細径繊維不織布を用いたクリーナー。
  14. 請求項1〜6のいずれかに記載の極細径繊維不織布を用いた絶縁材。
  15. 請求項1〜6のいずれかに記載の極細径繊維不織布を用いた透湿防水膜。
  16. 請求項1〜6のいずれかに記載の極細径繊維不織布を用いた遮熱材。
  17. ポリマー溶液から不織布を製造する方法であって、
    (1)ポリマー溶液を、細径を有する吐出孔より吐出し、
    (2)吐出孔の外側から噴出した気流を作用させて、該吐出したポリマー溶液を伸張または細径化させ、
    (3)平均液滴径が1000μmの凝固液を噴霧させて、該吐出したポリマー溶液を固化して、平均繊維直径が0.01〜50μmの繊維とし、
    (4)該繊維の走行方向に従って流路が拡大しない流体整流板を通過させた後、
    (5)該繊維を捕集して不織布とすることを特徴とする極細径繊維不織布の製造方法。
  18. 吐出孔から繊維として捕集される間の吐出ポリマー溶液の直線軸に対し、相対して、同じ位置、同じ角度となるように一対に気体整流板を配する請求項17に記載の極細径繊維不織布の製造方法。
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