JP2014047449A - 吸音材 - Google Patents

吸音材 Download PDF

Info

Publication number
JP2014047449A
JP2014047449A JP2012193175A JP2012193175A JP2014047449A JP 2014047449 A JP2014047449 A JP 2014047449A JP 2012193175 A JP2012193175 A JP 2012193175A JP 2012193175 A JP2012193175 A JP 2012193175A JP 2014047449 A JP2014047449 A JP 2014047449A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nonwoven fabric
fiber
sound
absorbing material
fibers
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012193175A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Sugimoto
健二 杉本
Takeya Dei
丈也 出井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Priority to JP2012193175A priority Critical patent/JP2014047449A/ja
Publication of JP2014047449A publication Critical patent/JP2014047449A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Vehicle Interior And Exterior Ornaments, Soundproofing, And Insulation (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Nonwoven Fabrics (AREA)
  • Soundproofing, Sound Blocking, And Sound Damping (AREA)

Abstract

【課題】薄くて軽量であり、優れた吸音性能を有する吸音材を提供する。
【解決手段】不織布を含む吸音材であって、該不織布が、連続繊維で構成され、かつ下記要件を全て満足することを特徴とする吸音材とする。
(a)不織布の表面粗さRaが20μm以下
(b)不織布を構成する連続繊維の平均繊維直径が0.1〜5μm
(c)不織布の平均見掛け密度が0.13〜1.24g/cm
(d)不織布の空隙率が10〜90%
【選択図】なし

Description

本発明は、薄くて軽量でありながら優れた吸音性能を持つ吸音材に関し、さらには、車輌、電気製品、建築材などのスペースを有効利用する必要のある分野おいて好適な吸音材に関するものである。
現在、車両、電気製品、建築材などの吸音材において、軽量性・厚み低減・吸音性・成形性・環境性等が要求されている。従来用いられているウレタン等の発泡樹脂体を芯材にして、その両面に補強用の面材を積層及び接合した吸音材がある(特許文献1)。しかし、ポリウレタンを燃焼すると猛毒のシアンガスが発生し、ウレタン自身環境性の点で問題となりやすいため、最近では脱ウレタンの要求がある。また、ガラス繊維のニードルパンチマットを芯材にして、その両面に補強用の面材を積層及び接合した吸音材がある(特許文献2、3)。しかしながら、ガラス繊維は有機繊維と比較して比重が高いためガラス繊維のみから成る吸音材を利用することは、軽量化の観点から望ましくない。そこで近年では、より軽量な有機繊維構造体を用いた種々の吸音材が提案されている。
このような繊維構造体による吸音現象は、気体の通過する連続孔の形状による吸収や繊維自体による振動の吸収などが複雑に絡み合ったものであると説明されている。一般に、繊維構造体においては、繊維の種類が同じであればその径が細い方が、比表面積が大きくなることに起因して吸音性が向上することが知られており、このような繊維構造体を比較的容易に製造できる方法として、熱可塑性溶融ポリマーをオリフィスから吐出し、その近傍より噴出する高温高速気体によって細化繊維化し、これを金網等のベルトコンベアー上に捕集して不織布を得る、いわゆるメルトブロー法で得られた各種ポリオレフィン、ポリエステル不織布や、分割繊維などの極細繊維用いる方法が提案されている。
例えば、断面直径が6μm以下の極細繊維を含有する目付が30〜200g/mの不織布と、断面直径が7〜40μmで目付が50〜2000g/mの短繊維不織布とがこれらの繊維の交絡により一体化されていることを特徴とする吸音材(特許文献4)や繊度1.0〜10dtexで面密度100〜500g/mのニードルパンチ有機繊維不織布の片側一面に、主に繊度1.0dtex以下で面密度20〜100g/mのメルトブロー熱可塑性繊維不織布が積層され、さらにニードルパンチされて、積層体全体の厚みが2〜30mmであることを特徴とする吸音材(特許文献5)が提案されている。これらの吸音材は、2種以上の不織布を積層するのにニードルパンチ処理を施している。一般的に十分にニードルパンチをした場合、ヘタリによる厚みの減少が問題になるのに加え、ニードルの針孔による吸音性能の低下も懸念される。
特開平7−1636号公報 特開平6−183303号公報 特開平4−308264号公報 特開2001−279567号公報 特開2002−200687号公報
本発明は、上記従来技術を背景になされたもので、薄くて軽量であり、優れた吸音性能を有する吸音材を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、特定の繊維直径、平均見掛け密度、空隙率を有する不織布とし、さらに表面粗さが吸音性に影響しこれを特定範囲とした不織布を用いたとき、従来にない薄い形状としても、極めて高い吸音性能を発揮することを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば、不織布を含む吸音材であって、該不織布が、連続繊維で構成され、かつ下記要件を全て満足することを特徴とする吸音材が提供される。
(a)不織布の表面粗さRaが20μm以下
(b)不織布を構成する連続繊維の平均繊維直径が0.1〜5μm
(c)不織布の平均見掛け密度が0.14〜1.24g/cm
(d)不織布の空隙率が10〜90%
本発明の吸音材は、これを構成する不織布が、カレンダーなどの加工によりその表面粗さが低減されていることによって、不織布表面での音波の乱反射を抑制する一方、反射せずに透過する音波の割合を高め、効果的に音を不織布内に閉じ込め音を減衰させる。また、用いる不織布を構成する連続繊維の平均繊維直径が特定の範囲にあり、表面粗さをさらに低減できるとともに、比表面積が増大することに起因して吸音性が向上する。これらの効果により、薄くてかつ軽量な形態であるにも関わらず高い吸音性能を発揮することができる。
本発明を以下の好適例により説明するが、これらに限定されるものではない。
本発明の吸音材は、不織布を含む吸音材であって、該不織布が、連続繊維で構成され、かつ下記要件を全て満足している必要がある。
(a)不織布の表面粗さRaが20μm以下
(b)不織布を構成する連続繊維の平均繊維直径が0.1〜5μm
(c)不織布の平均見掛け密度が0.14〜1.24g/cm
(d)不織布の空隙率が10〜90%
以下、(a)〜(d)の各要件について詳述する。本発明においては、(a)不織布の表面粗さRaが20μm以下であり、好ましくは15μm以下、より好ましくは10μm以下であることが肝要である。本発明は、不織布の表面粗さRaを20μm以下とすることで、不織布表面での音波の乱反射を抑制する一方、反射せずに透過する音波の割合を高め、効果的に音を不織布内に閉じ込め音を減衰させることができ、高い吸音性の実現できることを見出したものである。よって、該表面粗さRaが20μmより大きいと吸音性能が低下し好ましくない。一方、表面粗さRaはあまり低すぎても、気体の通過する連続孔の量が低減し、吸音性能が低下するため、好ましくは1μm以上、より好ましくは2μ以上、さらに好ましくは3μ以上である。
また、本発明においては、(b)不織布を構成する連続繊維の平均繊維直径が0.1〜5μmであり、好ましくは0.3〜4μm、より好ましくは0.4〜3μm、さらに好ましくは0.6〜3μmである。平均繊維直径が0.1μm未満の場合は、得られる不織布の強力が小さく、破損し易くなる。一方、平均繊維直径が5μmを超える場合は、不織布を構成する繊維の比表面積が小さくなり、目的とする吸音性能が得られなくなってしまう。また、本発明においては、平均繊維直径を上記範囲とし、不織布にカレンダー加工等を行い、表面粗さを前記のようにコントロールすることが容易になる。これにより、表面粗さの適正化により音を封じ込める効果と繊維の比表面積が向上していることの効果が相まって、高い吸音特性を発揮することができる。なお、本発明の不織布を構成する繊維の平均繊維直径は、不織布の電子顕微鏡写真で確認することのできる繊維の直径を意味し、具体的には100本の繊維の巾を計測して得ることができる。
本発明においては、(c)不織布の見かけ密度が0.14〜1.24g/cmであり、好ましくは0.21〜1.1g/cm、より好ましくは0.27〜0.97g/cmである。不織布の見掛け密度が0.14g/cm未満では、外圧がかかった時に、厚みの低下し易い傾向にあり、取扱い性が悪い。一方、不織布の見掛け密度が1.24g/cmを越えると、所望の厚みを得るのに、繊維集積量を多くする必要があり、硬くなって、吸音材を設置するときの柔軟性に欠け、また、不経済である。
(d)不織布の空隙率は10〜90%であり、好ましくは20〜85%、より好ましくは30〜80%である。該不織布においては、不織布中に多くの空気が含まれていることで、この空気の粘性抵抗により音波が熱エネルギーに変換されて、音が吸収され易くなる。よって、不織布の空隙率が10%より小さいと、期待する吸音効果が得られない。一方、不織布の空隙率が90%より大きいと、外圧がかかった時に、厚みの低下や形体が変形し易い傾向にあり、取扱い性が悪い。
本発明で用いる不織布を構成する連続繊維の融点または熱分解温度は300℃以上であることが好ましい。これは、車両エンジンルームやモーターなどの発熱体に近接あるいは接触する用途での使用する際は、150〜200℃にもなる高温環境であり、その部位で用いられる部材は高い耐熱性が要求される。不織布を構成する連続繊維の融点または熱分解温度が300℃以上であれば、高温で高摩擦を受ける過酷な使用環境においても、繊維屑や溶融劣化物等異物の発生が極めて少なく、有用な吸音材となりえる。また、単一の耐熱性不織布のみで吸音材を構成することができるため、他成分との偏在がない、均一な不織布となって、安定した吸音性能を有するという利点もある。不織布を構成する連続繊維の融点または熱分解温度は、より好ましくは350℃以上、さらに好ましくは400℃以上である。
なお、本発明における「融点または熱分解温度」とは、JIS K 7121、または、JIS K 7120に準じ、示差走査熱量測定により得られるDSC曲線の融解ピークの頂点の温度、もしくは、熱重量測定より得られるTG曲線にて、試料の重量減少が始まる温度から求めた。
本発明に使用する不織布の200℃での乾熱収縮率は、好ましくは2%以下、より好ましくは1.75%以下、さらに好ましくは1.5%以下である。これは、乾熱収縮率が2%より大きいと、高温で使用される環境下においてもシワの発生が起こり易く、吸音材として用いた場合、吸音性能が低下する傾向にある。
本発明に用いる連続繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維等の無機繊維、アラミド繊維、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリアリレート繊維、ポリベンズオキサゾール(PBO)繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、全芳香族ポリエステル繊維、アクリル繊維、塩化ビニル繊維、ポリケトン繊維、セルロース繊維、パルプ繊維等の有機繊維等を挙げることができ、これらの一種を、又は二種以上を組み合わせて使用することができる。なかでも、メタ型アラミド繊維であるポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維や、パラ型アラミド繊維であるポリパラフェニレンテレフタラミドやコポリパラフェニレン・3,4’オキシジフェニレン・テレフタラミド等は、高強力で高い耐熱性を有するので好ましい。
本発明に用いる不織布は、目付が、好ましくは300g/m以下、より好ましくは200g/m以下、さらに好ましくは180g/m以下、厚みが、好ましくは10mm以下、好ましくは5mm以下、さらに好ましくは1mm以下、特に好ましくは0.5mm以下の吸音材としたときその性能を顕著に発揮し、かかる薄い吸音材であるにも関わらず、高い吸音特性を達成することができる。但し、不織布が薄すぎても十分な空隙率を確保することができないため吸音性能が低下し、かつ取扱い性も悪くなる傾向にあり、不織布の目付は、好ましくは5g/m以上、より好ましくは10g/m以上、さらに好ましくは5g/m以上であり、厚みは、好ましくは0.010mm以上、より好ましくは0.050mm以上、さらに好ましくは0.10mm以上である。
本発明の吸音材として使用される不織布の製造方法については、例えば有機繊維を用いる場合、メルトブローン法、そのポリマー溶液の紡糸によって得ることができる。その好適な製造方法としては、メルトブロー法、有機ポリマー溶液をバーストさせ細繊化する爆裂紡糸技術(WO02/052070記載)や、特開2005−200779号公報のエレクトロスピニング法などが挙げられる。また、アラミドなどの耐熱性ポリマーを使用する場合、溶融性ポリマーで行われているメルトブローン技術を改良した、効果的に細繊化する技術(US6013223)が、本発明の不織布を製造するのに適用できる。本製造方法によれば、ポリマー溶液を吐出させる紡糸装置のノズルの同心円上に設置された圧空吐出孔から圧空を吐出させて、ポリマー溶液を伸張し細化させるが、このノズルの孔径を変更することにより、構成する繊維の繊維径を調整することができる。上記方法では、爆裂紡糸技術等のように吐出ポリマーをバーストさせ切断させることなく、安定して均一な繊維径の連続繊維を成形し、さらにこれを捕集して不織布とすることができる。また、吐出ポリマーは、空気などの気体と接触させるか、凝固液と接触させて固化させることができる。凝固液としては、水、水とアミド系極性溶媒の混合液、水とアルコール類との混合液、アルコール類などを挙げることができる。特に、この方法で得られるアラミド繊維からなる不織布は、耐熱性を有しながら、後述するカレンダー加工などにより、容易に前記の平滑な表面を有する不織布とすることができる。
このようにして吸音材に用いる不織布を製造できるが、前記表面粗さに調整する場合、さらに得られた不織布をその軟化温度よりも10〜20℃程度低い温度でカレンダー処理を行うことが好ましい。これにより不織布がカレンダーロールに接触時、凸部位が優先的にロールと接触すると同時に接触した凸部位が適度に収縮し平面性が向上する。なお、カレンダー温度が軟化点温度より高すぎると、熱収縮が顕著になり望みの形状を維持することが難しくなる傾向にある。一方で、カレンダー処理における圧力は、表面凹凸のバラツキの程度、所望の見掛密度によって異なるため、上記温度で、圧力実験を数回繰り返すことによって、適正条件を見つけて適宜設定することができる。
例えば、アラミド連続繊維不織布、特に前記のアラミドポリマー溶液を吐出孔から吐出させて、これに気流(圧空等)を吹き付けてポリマー溶液を伸張し細化させ、これを固化してなる連続繊維からなるアラミド不織布の場合は、好ましくはカレンダー温度を200〜260℃、より好ましくは200〜240℃とし、ポリエステルメルトブローン不織布ではカレンダー温度を好ましくは30〜80℃、より好ましくは30〜70℃とし、ポリオレフィンメルトブローン不織布ではカレンダー温度を好ましくは30〜70℃、より好ましくは30〜60℃として、線圧を好ましくは30〜300kg/cm、より好ましくは30〜200kg/cmの範囲で設定すればよい。
本発明の吸音材は、以上に説明した不織布からなる単一素材による単層(1層)構造でも使用できるが、さらに取扱い性を向上させたり、厚みを増す目的で、2種以上の素材からなる多層構造であっても良い。つまり、前記不織布からなる層と、織物、編物、または前記不織布とは異なる不織布のいずれか、あるいはこれらの組合せからなる繊維構造体からなる層の、少なくとも2層が積層されてなる吸音材をとすることができる。
本発明においては、上記繊維構造体を構成する繊維は、特に限定されるものではないが、炭素繊維、ガラス繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維等の無機繊維、アラミド繊維、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリアリレート繊維、ポリベンズオキサゾール(PBO)繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、全芳香族ポリエステル繊維、アクリル繊維、塩化ビニル繊維、ポリケトン繊維、セルロース繊維、パルプ繊維等の有機繊維等を挙げることができ、これらの一種を、又は二種以上を組み合わせて使用することができる。なかでも、ガラス繊維、セラミック繊維、メタ型アラミド繊維であるポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維や、パラ型アラミド繊維であるポリパラフェニレンテレフタラミドやコポリパラフェニレン・3,4’オキシジフェニレン・テレフタラミド等は、高強力で高い耐熱性を有するので好ましい。
本発明においては、上記のような2層以上の構造とする方法としては、不織布と繊維構造体とを積層させた後、熱処理、加圧加熱処理などを施すことにより、これらを強固に接着させることができる。また、不織布と繊維構造体とを積層させる際、不織布を積層させる繊維構造体の一方の面に接着剤を塗布しておき、これらをより強固に接着させてもよい。かかる接着加工を施すことにより、不織布と繊維構造体の密着性が向上し、より加工性、取扱い性に優れた吸音複合体を得ることができる。
上記接着剤は、特に限定されるものではないが、アクリル系樹脂系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤、エポキシ樹脂エマルジョン接着剤、酢酸ビニル樹脂エマルジョン接着剤、シリコーン系接着剤、などの有機系接着剤でもよく、シリカ系接着剤などの無機系接着剤が挙げられる。
上記熱処理方法は、特に限定されるものではないが、スルーエアー加工などの熱処理、カレンダー加工などの加圧加熱処理などが挙げられる。該加圧加熱処理では、加工条件として、温度30〜350℃、線圧30〜300kg/cmを好ましく採用することができる。カレンダー温度に関しては、ポリマーの熱耐性により適宜調整する必要がある。
本発明の吸音材は、不織布および繊維構造体をそれぞれ複数層積層したものであってもよい。さらに、繊維構造体層上に積層した不織布層の上に、さらに繊維構造体層を設け、不織布層を繊維構造体層で挟んだ構造としてもよい。
本発明の吸音材においては、例えば、上記のように不織布層と繊維構造体層とからなる場合でも、吸音材全体の、目付は、好ましくは300g/m以下、より好ましくは280g/m以下、さらに好ましくは250g/m以下、厚みは、好ましくは10mm以下、より好ましくは5mm以下、さらに好ましくは1mm以下とするのが望ましい。
以上により得られる吸音材は、薄く軽量でありながら高い吸音性能を有しており、吸音材の素材として耐熱性ポリマーを使用した場合は、耐熱性、難燃性に優れ、高温雰囲気下においても使用が可能である。
以下実施例により、本発明を具体的に説明する。しかしながら本発明はこれによって限定されるものではない。なお以下の実施例などの評価および特性値は、以下の測定法により求めた。
(1)繊維径(μm)
吸音材として使用される不織布を走査型電子顕微鏡JSM6330F(JEOL社製)にて観察し、繊維100本を任意に選出して測長した。なお、観察は1000倍で行った。
(2)目付(g/m
JIS L 1906の単位面積当りの重量試験方法に準じて測定を行った。
(3)厚さ(mm)
小野測器 デジタルリニアゲージDG−925(測定端子部の直径1cm)を用い、任意に選択した20箇所において厚さを測定し、平均値を求めた。
(4)見掛け密度(g/cm
(目付)/(厚み)から算出し、単位容積あたりの重量を求めた。
(5)空隙率(%)
不織布の目付および厚みから不織布の密度を求め、「{1−(不織布の密度/不織布を構成する繊維自体の密度)}×100(%)」で不織布の空隙率を求めた。
(6)表面粗さRa
本発明における不織布を、カラー3Dレーザー顕微鏡VK−9700(キーエンス社製)を用いて観察した。表面粗さRaはJIS B0601(2001)に準じ、測定した全データを平均した高さの平面を基準面として定義し、基準面から測定曲面までの偏差の絶対値を合計後、平均することにより算出した。なお、観察は1000倍で行った。
(7)取扱い性
打ち抜き加工機を使用して、吸音材を裁断しても、型崩れすることなく、形状を維持するものを○、型崩れし、形状を維持できないものを×とした。
(8)吸音性能
JIS A 1405に準じて、垂直の入射法の測定器で50〜6300Hzの周波数におけるそれぞれの吸音率を測定し、6300Hzで吸音率50%以上のものを○、50%未満のものを×とした。
[実施例1]
特公昭47−10863号公報記載の方法に準じた界面重合法により製造した固有粘度(IV)=1.35のポリメタフェニレンイソフタルアミド粉末(帝人テクノプロダクツ製、比重1.38g/cm)20重量部を、0℃に冷却したジメチルアセトアミド(DMAc)80重量部中に投入し、スラリー状にした後、45℃まで昇温して溶解させ、ポリマー溶液を得た。
上記のポリマー溶液を、ギアポンプを使ってUS6013223の紡糸装置に120g/minで供給し、紡糸温度40℃とし、10m/minで圧空を供給して紡糸を行った。ここで、US6013223の紡糸装置は、ポリマー溶液吐出孔の孔径が0.3mmで、ポリマー溶液吐出ノズルが、100×5列の配列で500本が、5mmピッチで等間隔となるように配置されたものを使用した。
凝固液供給装置は、ウェブの搬送方向の反対側(上流側)と、ウェブの搬送方向側(下流側)の両方に、ポリマー溶液吐出孔から下方向に50mm、紡糸線から50mmの位置に対となるように設置し、凝固液供給スプレーは二流体スプレーノズル(株式会社いけうち製、VEシリーズ)を用い、吐出後のポリマー溶液に、ポリマー溶液吐出孔から紡糸線上の下方200mmの地点で、細化された糸条と凝固液が接触するようにスプレーノズルの噴射角度を調整した。
凝固液として温度を30℃に温調された水を使用し、一対の二流体スプレーノズルに供給した水は5L/minで、供給した圧縮空気圧は0.5MPaとした。
ギアポンプによりポリマー溶液吐出孔から吐出された糸条は、直ちに周囲の圧空と凝固液と共に、紡糸線上の下方向に捕集面に向かって流下させながら細化と凝固を行い、紡糸装置の下方500mmに設置された捕集ベルト上に、連続繊維を堆積しながらベルトの搬送速度を0.5m/minとし、未処理の不織布を得た。
得られた未処理の不織布を金属製カレンダーロールにて温度230℃、設定線圧50kg/cmで熱処理し、上下ロール間のクリアランスを設けることによって、任意に線圧を調整し、表1記載の厚みの不織布1層のみからなる吸音材を得た。結果を表1に示す。
[実施例2]
繊維長51mm、繊維径14μmのポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維からなる短繊維をカードで紡出し、目付10g/mのウェブとし、これを5枚積層したあと針密度150本/cmのニードルパンチ加工処理をし、厚み5mm、目付40g/mの不織布である繊維構造体を得た。次に、実施例1において得られた不織布の一方の表面にエポキシ樹脂エマルジョン接着剤を塗布し、これを上記繊維構造体に積層して強固に接着し、不織布層と繊維構造体層の2層からなる吸音材を得た。結果を表1に示す。
[実施例3、4]
ポリエチレンテレフタレート樹脂(帝人ファイバー製)を、メルトブローン法により、紡糸温度300℃で捕集ネットに向けて押し出した。メルトブローンノズルから連続長繊維ウェブまでの距離は100mmとし、単孔吐出量0.3g/min、空気流量1000Nm/hr/mの条件で紡糸し、それぞれ100g/m(実施例3)、150g/m(実施例4)の目付の未処理の不織布を得た。得られた未処理の不織布を金属製カレンダーロールにて温度60℃、設定線圧50kg/cmで熱処理し、上下ロール間のクリアランスを設けることによって、任意に線圧を調整し、表1記載の厚みの不織布1層のみからなる吸音材を得た。結果を表1に示す。
[実施例5]
実施例3において得られた不織布の一方の表面にエポキシ樹脂エマルジョン接着剤を塗布し、これを実施例2で作製したポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維からなる厚み5mm、目付40g/mの繊維構造体に積層して強固に接着し、不織布層と繊維構造体層の2層からなる吸音材を得た。結果を表1に示す。
[実施例6]
ポリプロピレン樹脂(日本ポリプロ製、ノバテックPP SA3A)をメルトブローン法により、紡糸温度280℃で捕集ネットに向けて押し出した。メルトブローンノズルから連続長繊維ウェブまでの距離は100mmとし、単孔吐出量0.3g/min、空気流量400Nm/hr/mの条件で紡糸し、未処理の不織布を得た。得られた未処理の不織布を金属製カレンダーロールにて温度50℃、設定線圧50kg/cmで熱処理し、上下ロール間のクリアランスを設けることによって、任意に線圧を調整し、表1記載の厚みの不織布1層のみからなる吸音材を得た。結果を表1に示す。
[実施例7]
実施例5において得られた不織布の一方の表面にエポキシ樹脂エマルジョン接着剤を塗布し、これを実施例2で作製したポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維からなる厚み5mm、目付40g/mの繊維構造体に積層して強固に接着し、不織布層と繊維構造体層の2層からなる吸音材を得た。結果を表1に示す。
[比較例1]
ポリメタフェニレンイソフタルアミドからなる未処理の不織布に、金属製カレンダーロールにて温度30℃、設定線圧10kg/cmで熱処理を行った以外は、実施例1と同様にして不織布1層のみからなる吸音材を得た。結果を表1に示す。
[比較例2]
ポリエチレンテレフタレートからなる未処理の不織布に、金属製カレンダーロールにて温度30℃、設定線圧10kg/cmで熱処理を行った以外は、実施例3と同様にして不織布1層のみからなる吸音材を得た。結果を表1に示す。
[比較例3]
ポリプロピレンからなる未処理の不織布に、金属製カレンダーロールにて温度30℃、設定線圧10kg/cmで熱処理を行った以外は、実施例6と同様にして不織布1層のみからなる吸音材を得た。結果を表1に示す。
[比較例4]
実施例3において得られた不織布を、表1記載の厚みになるよう手で揉み解し厚みを調整した。結果を表1に示す。
[比較例5]
繊維長51mm、繊維径14μmのポリエチレンテレフタレートからなる短繊維をカードで紡出し、目付10g/mのウェブを12枚積層したあと針密度150本/cmのニードルパンチ加工処理をし、目付100g/mの未処理の不織布を得た。得られた未処理の不織布を金属製カレンダーロールにて温度60℃、設定線圧50kg/cmで熱処理し、上下ロール間のクリアランスを設けることによって、任意に線圧を調整し、表1記載の厚みの不織布1層のみからなる吸音材を得た。結果を表1に示す。
本発明の実施例1〜7の吸音材は、薄くて軽量であるにも関わらず吸音性能に優れることが認められた。
Figure 2014047449
本発明の吸音材は、薄く軽量であるにも関わらず吸音性能が高いため、スペースを有効利用する必要のある車両、電気製品、建築材などの吸音材として用いるのに適している。また耐熱性ポリマーを使用した場合、車両エンジンルームやモーターなどの発熱体に近接あるいは接触する用途での使用することもできる。特に、繊維として、メタ型アラミド繊維を用いる場合には、耐薬品性も兼ね備えているため、酸性、アルカリ条件下でも使用することができ、その工業的価値は極めて大きい。

Claims (6)

  1. 不織布を含む吸音材であって、該不織布が、連続繊維で構成され、かつ下記要件を全て満足することを特徴とする吸音材。
    (a)不織布の表面粗さRaが20μm以下
    (b)不織布を構成する連続繊維の平均繊維直径が0.1〜5μm
    (c)不織布の平均見掛け密度が0.13〜1.24g/cm
    (d)不織布の空隙率が10〜90%
  2. 前記連続繊維の融点もしくは熱分解温度が300℃以上であり、かつ不織布の200℃での乾熱収縮率が2%以下である請求項1に記載の吸音材。
  3. 前記連続繊維がポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維である請求項1または2に記載の吸音材。
  4. 前記連続繊維がポリパラフェニレンテレフタラアミド繊維、またはコポリパラフェニレン3,4’−オキシジフェニレンテレフタラアミド繊維である請求項1または2に記載の吸音材。
  5. 前記吸音材が、前記不織布からなる層と、織物、編物、または前記不織布とは異なる不織布のいずれか、あるいはこれらの組合せからなる繊維構造体からなる層の、少なくとも2層が積層されてなる請求項1〜4のいずれかに記載の吸音材。
  6. 前記繊維構造体が、ポリパラフェニレンテレフタラアミド繊維、コポリパラフェニレン3,4’−オキシジフェニレンテレフタラアミド繊維、ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維、ガラス繊維、セラミック繊維の少なくとも1種からなる請求項5記載の吸音材。
JP2012193175A 2012-09-03 2012-09-03 吸音材 Pending JP2014047449A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012193175A JP2014047449A (ja) 2012-09-03 2012-09-03 吸音材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012193175A JP2014047449A (ja) 2012-09-03 2012-09-03 吸音材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014047449A true JP2014047449A (ja) 2014-03-17

Family

ID=50607421

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012193175A Pending JP2014047449A (ja) 2012-09-03 2012-09-03 吸音材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014047449A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017133133A (ja) * 2016-01-29 2017-08-03 東レ株式会社 基材用不織布およびその製造方法
WO2017170686A1 (ja) * 2016-03-31 2017-10-05 東レ株式会社 積層体

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005335279A (ja) * 2004-05-28 2005-12-08 Du Pont Toray Co Ltd 易成形性吸音材
JP2006138935A (ja) * 2004-11-10 2006-06-01 Takayasu Co Ltd 耐熱性吸音材
JP2008146001A (ja) * 2006-11-14 2008-06-26 Du Pont Toray Co Ltd 吸音材およびその製造方法
JP2009184296A (ja) * 2008-02-08 2009-08-20 Kurashiki Seni Kako Kk 吸音材およびその製造方法
JP2010248666A (ja) * 2009-04-17 2010-11-04 Teijin Techno Products Ltd 吸音材および吸音複合材
JP2010535295A (ja) * 2007-07-30 2010-11-18 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 多孔質仕上げ材、音響減衰複合材、並びにそれらの製造方法及び使用法
JP2011073571A (ja) * 2009-09-30 2011-04-14 Teijin Techno Products Ltd 吸音材

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005335279A (ja) * 2004-05-28 2005-12-08 Du Pont Toray Co Ltd 易成形性吸音材
JP2006138935A (ja) * 2004-11-10 2006-06-01 Takayasu Co Ltd 耐熱性吸音材
JP2008146001A (ja) * 2006-11-14 2008-06-26 Du Pont Toray Co Ltd 吸音材およびその製造方法
JP2010535295A (ja) * 2007-07-30 2010-11-18 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 多孔質仕上げ材、音響減衰複合材、並びにそれらの製造方法及び使用法
JP2009184296A (ja) * 2008-02-08 2009-08-20 Kurashiki Seni Kako Kk 吸音材およびその製造方法
JP2010248666A (ja) * 2009-04-17 2010-11-04 Teijin Techno Products Ltd 吸音材および吸音複合材
JP2011073571A (ja) * 2009-09-30 2011-04-14 Teijin Techno Products Ltd 吸音材

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017133133A (ja) * 2016-01-29 2017-08-03 東レ株式会社 基材用不織布およびその製造方法
WO2017170686A1 (ja) * 2016-03-31 2017-10-05 東レ株式会社 積層体
JPWO2017170686A1 (ja) * 2016-03-31 2019-02-14 東レ株式会社 積層体
US10854185B2 (en) 2016-03-31 2020-12-01 Toray Industries, Inc. Laminate

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6185277B2 (ja) 吸音材
JP6095647B2 (ja) 不織繊維シート及びその製造方法並びにフィルター
EP3730285A1 (en) Multilayer sound absorbing material
JP6113953B2 (ja) フィルター材およびフィルター複合材
JP6936615B2 (ja) ポリフェニレンサルファイド不織布
JP6219601B2 (ja) 吸音材
JP2015028230A (ja) 不織布製吸音材
JP6349019B1 (ja) メルトブローン不織布及びその用途ならびにその製造方法
JP2014047449A (ja) 吸音材
KR102592387B1 (ko) 내열성 섬유 구조체
JP6004846B2 (ja) 吸音材
JP2010089456A (ja) 多層繊維構造体およびそれからなるフィルター
JP2015196933A (ja) 吸音材構造物
JP6774042B2 (ja) 積層吸音材
KR101298662B1 (ko) 높은 내열성 및 높은 벌키성을 갖는 복합 부직포 및 그의 제조방법
CN112119453B (zh) 层叠吸音材料
JP6108715B2 (ja) フィルターおよびその製造方法
JP4433295B2 (ja) 消音材用基布に適したスパンボンド不織布及び消音材
KR20110133179A (ko) 기계적 강도가 우수한 유흡착제 장섬유 폴리프로필렌 니들펀칭 부직포 및 그 제조방법
JP2013136856A (ja) 吸油シートおよび吸油複合シート
JP2013136855A (ja) 吸音材および吸音複合材
JP7468255B2 (ja) 吸音材用不織布、吸音材、および吸音材用不織布の製造方法
JP2015197601A (ja) 吸音材
JPH05331753A (ja) 耐炎繊維不織布およびその製造方法
JP2018168516A (ja) ポリフェニレンサルファイド不織布

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150612

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160616

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160621

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160819

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20161101