JP2015191224A - 延伸積層体の製造方法および延伸積層体、ならびに偏光膜の製造方法および偏光膜 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の延伸積層体の製造方法は、長尺状の熱可塑性樹脂基材上にポリビニルアルコール系樹脂層を形成して積層体を作製する工程と;積層体を長手方向に搬送しながら、空中延伸して延伸積層体を作製する工程と;を含む。延伸積層体におけるポリビニルアルコール系樹脂層の厚みは15μm以下であり、ポリビニルアルコール系樹脂層の正面方向の複屈折Δnxyの幅方向における最大値と最小値との差は0.6×10−3以下である。
【選択図】図3
Description
1つの実施形態においては、上記空中延伸は熱ロール間の周速差により延伸する熱ロール延伸工程を含み、該熱ロールの幅方向の温度のばらつきは3℃以下である。
1つの実施形態においては、上記熱ロールの温度は120℃以上である。
1つの実施形態においては、上記熱ロールの加熱は、該熱ロール内の配管に熱媒を通すことにより行われ、ロールの外周部に内接して配置されたらせん状の配管に熱媒を通すことを含む。
1つの実施形態においては、熱ロール中の熱媒体積と熱媒の流量との比は、2倍/分以上である。
本発明の別の局面によれば、延伸積層体が提供される。この延伸積層体は、上記製造方法により製造される。
本発明のさらに別の局面によれば、偏光膜の製造方法が提供される。この偏光膜の製造方法は、上記延伸積層体を染色する工程を含む。
1つの実施形態においては、上記偏光膜の製造方法は、上記染色工程の後、上記延伸積層体をホウ酸水溶液中で延伸する工程をさらに含む。
本発明のさらに別の局面によれば、偏光膜が提供される。この偏光膜は、上記製造方法により製造され、その厚みが10μm以下である。
A.延伸積層体の製造方法
本発明の延伸積層体の製造方法は、長尺状の熱可塑性樹脂基材上にポリビニルアルコール系樹脂層を形成して積層体を作製する工程と、該積層体を長手方向に搬送しながら、空中延伸して延伸積層体を作製する工程と、を含む。以下、各々の工程について説明する。
図1は、本発明の1つの実施形態による延伸積層体の製造方法に用いられ得る積層体の部分断面図である。積層体10は、熱可塑性樹脂基材11とポリビニルアルコール(PVA)系樹脂層12とを有する。積層体10は、長尺状の熱可塑性樹脂基材にPVA系樹脂層12を形成することにより作製される。PVA系樹脂層12の形成方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。好ましくは、PVA系樹脂基材11上に、PVA系樹脂を含む塗布液を塗布し、乾燥することにより、PVA系樹脂層12を形成する。
空中延伸工程は、上記積層体をその長手方向に搬送しながら、熱ロール間の周速差により延伸する熱ロール延伸工程を含む。空中延伸工程は、代表的には、ゾーン延伸工程と熱ロール延伸工程とを含む。なお、ゾーン延伸工程と熱ロール延伸工程の順序は限定されず、ゾーン延伸工程が先に行われてもよく、熱ロール延伸工程が先に行われてもよい。ゾーン延伸工程は省略されてもよい。1つの実施形態においては、ゾーン延伸工程および熱ロール延伸工程がこの順に行われる。以下、この実施形態におけるゾーン延伸工程および熱ロール延伸工程を説明し、次いで、空中延伸工程全体における特徴的な部分について説明する。
ゾーン延伸工程では、離間して2つのロールを配置し、該2つのロールの間に加熱ゾーンを設けて、当該加熱ゾーン内で積層体を延伸する。図2は、ゾーン延伸工程の一例を示す概略図であり、(a)は正面から見た図であり、(b)は上から見た図である。図示例では、積層体の搬送方向(MD)に所定の間隔をあけて、ロール対1,1とロール対2,2とが設けられており、それぞれのロール対により積層体10は挟持されている。ロール1とロール2とは異なる周速で回転しており、下流側のロール2は上流側のロール1よりも周速が大きく設定されている。
熱ロール延伸工程では、積層体10の搬送方向に沿って直列に配置された、それぞれが温度制御可能な複数(代表的には少なくとも3つ)の熱ロールを用いる。複数の熱ロールの回転により熱ロールに接した積層体10を搬送させながら、複数の熱ロールの周速差により積層体10を延伸する。図3は、熱ロール延伸工程の一例を示す概略図である。図示例では、それぞれが温度制御可能な第1のロールR1から第7のロールR7が搬送方向に沿って所定の間隔をあけて設けられている。ロールR1〜R7の表面は、例えば、積層体が貼り付くのを防止することを目的として、表面処理(例えば、メッキ処理)が施されている。図示例では、積層体10は、その一方の面(例えば、PVA系樹脂層12側)が奇数番号のロール(第1のロールR1、第3のロールR3、第5のロールR5および第7のロールR7)と接触し、もう一方の面(例えば、熱可塑性樹脂基材11側)が偶数番号のロール(第2のロールR2、第4のロールR4および第6のロールR6)と接触して搬送されている。第1のロールR1から第5のロールR5は、それぞれ、所定の温度に加熱されて熱ロールとされており、積層体10は上側からも下側からも加熱される。
空中延伸(熱ロール延伸およびゾーン延伸)による延伸倍率は、積層体の元長に対して、好ましくは1.5倍〜4.0倍であり、より好ましくは1.8倍〜3.0倍である。空中延伸による延伸倍率は、ゾーン延伸による延伸倍率と熱ロール延伸による延伸倍率との積である。空中延伸が熱ロール延伸のみである場合、熱ロール延伸の延伸倍率が上記のような範囲となる。
表示ムラは、液晶表示装置の輝度のばらつきに起因して認識される。逆に言えば、輝度のばらつきが所定値以下であれば、表示ムラは、視認者には認識されない。ここで、輝度のばらつきΔL*をx、表示ムラをyとすると、その関係は下記式(1)の1次関数に近似できることが知られている(東京工業大学、2000年度博士論文、甲第4798号、「視覚を基準としたガラス品質の評価手法に関する研究」、楜澤信)。
y=2.75x−1.54 ・・・(1)
式(1)から、x(すなわち、ΔL*)を0.56未満とすればy=0となり、表示ムラが視認されなくなるといえる。ここで、液晶表示装置の輝度L*は、偏光板2枚を互いの吸収軸が平行となるよう配置した時のL* //で表され、偏光板の特性は、単体透過率(偏光板1枚での透過率)Y値:Tsで表される。偏光板の単体透過率を広範囲に変化させてL* //とTsとの相関関係を調べたところ、輝度のばらつきΔL* //と単体透過率のばらつきΔTsとは、式(2)の1次関数で表されることが確認された。
ΔL* //=1.289×ΔTs ・・・(2)
式(2)より、輝度のばらつきL* //(L*に対応する)を表示ムラが視認されなくなる閾値である0.56未満とするためには、ΔTsは0.43未満とすればよいことがわかる。
一方、本発明者らは、薄型(例えば、10μm以下)の偏光膜を作製するための延伸積層体において、PVA系樹脂層の複屈折に起因して偏光膜の透過率が変化し得ることを発見し、実験による試行錯誤の結果、PVA系樹脂層の複屈折Δnxyのばらつきと単体透過率のばらつきΔTsとの間に下記式(3)で表される相関関係があることを確認した。
ΔTs=9.53×10−5×(Δnxyのばらつき)2+117×(Δnxyのばらつき)・・・(3)
式(3)より、得られる延伸積層体におけるPVA系樹脂層の複屈折Δnxyのばらつきが0.6×10−3以下となるように空中延伸を行うことにより、ΔTsを0.43以下とすることができ、その結果、表示ムラが視認されなくなるようにすることができる。
(熱ロールの幅方向の温度のばらつき)
=2770×{1000×(Δnxyのばらつき)2+(Δnxyのばらつき)}・・・(4)
式(4)を用いれば、得られる延伸積層体におけるPVA系樹脂層の複屈折Δnxyのばらつきが0.6×10−3以下となるように熱ロールの幅方向の温度のばらつきを制御することができる。具体的には、熱ロールの幅方向の温度のばらつきは、好ましくは3℃以下であり、より好ましくは2℃以下であり、さらに好ましくは1.5℃以下であり、特に好ましくは1℃以下であり、最も好ましくは0.5℃以下である。
本発明の実施形態による延伸積層体は、上記A項に記載の製造方法により得られる。延伸積層体は、上記A−2−2項で空中延伸の延伸倍率について説明したとおり、積層体の元長に対して好ましくは1.5倍〜4.0倍であり、より好ましくは1.8倍〜3.0倍に延伸されている。上記A項に記載の製造方法により得られる延伸積層体を用いることにより、例えば、空中延伸しない積層体を後述の水中延伸のみで延伸するよりも、最終的により高い延伸倍率を達成することができる。具体的には、延伸積層体の熱可塑性樹脂基材は、配向を抑制しながら延伸されている。配向性が高いほど延伸張力が大きくなり、安定的な延伸が困難となったり、樹脂基材が破断したりするが、配向が抑制されていることで、最終的により高い延伸倍率を達成することができる。その結果、優れた光学特性(例えば、偏光度)を有する偏光膜を作製することができる。
0.6×10−3以下であり、好ましくは0.4×10−3以下であり、より好ましくは0.2×10−3以下である。複屈折Δnxyのばらつきの下限は、例えば0.1×10−3である。複屈折のばらつきがこのような範囲であれば、上記のとおり、延伸積層体を用いて得られる偏光膜の透過率(代表的には、単体透過率)のばらつきを顕著に抑制することができる。
上記B項に記載の延伸積層体は、代表的には、偏光膜の製造に供される。具体的には、当該延伸積層体は、そのPVA系樹脂層を偏光膜とするための処理が、適宜施される。偏光膜とするための処理としては、例えば、延伸処理、染色処理、不溶化処理、架橋処理、洗浄処理、乾燥処理等が挙げられる。なお、これらの処理の回数、順序等は、特に限定されない。
好ましい実施形態においては、上記延伸積層体を水中延伸(ホウ酸水中延伸)する。具体的には、上記積層体の延伸方向と平行な方向に水中延伸する。水中延伸によれば、上記樹脂基材やPVA系樹脂層のガラス転移温度(代表的には、80℃程度)よりも低い温度で延伸し得、PVA系樹脂層を、その結晶化を抑えながら、高倍率に延伸することができる。その結果、優れた光学特性(例えば、偏光度)を有する偏光膜を作製することができる。なお、本明細書において「平行な方向」とは、0°±5.0°である場合を包含し、好ましくは0°±3.0°、さらに好ましくは0°±1.0°である。
上記染色処理は、代表的には、PVA系樹脂層を二色性物質で染色する処理である。好ましくは、PVA系樹脂層に二色性物質を吸着させることにより行う。当該吸着方法としては、例えば、二色性物質を含む染色液にPVA系樹脂層(延伸積層体)を浸漬する方法、PVA系樹脂層に当該染色液を塗工する方法、当該染色液をPVA系樹脂層に噴霧する方法等が挙げられる。好ましくは、二色性物質を含む染色液に延伸積層体を浸漬する方法である。二色性物質が良好に吸着し得るからである。
上述のとおり、本発明の延伸積層体に上記各処理を施すことにより上記樹脂基材上に偏光膜が形成される。この偏光膜は、実質的には、二色性物質が吸着配向されたPVA系樹脂膜である。偏光膜の厚みは、好ましくは10μm以下であり、より好ましくは7μm以下、さらに好ましくは5μm以下である。一方、偏光膜の厚みは、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1.5μm以上である。偏光膜は、好ましくは、波長380nm〜780nmのいずれかの波長で吸収二色性を示す。偏光膜の単体透過率は、好ましくは40.0%以上、より好ましくは41.0%以上、さらに好ましくは42.0%以上である。偏光膜の偏光度は、好ましくは99.8%以上、より好ましくは99.9%以上、さらに好ましくは99.95%以上である。
上記偏光膜は、光学フィルム積層体および/または光学機能フィルム積層体に用いられ得る。図6(a)は、偏光膜が用いられ得る光学フィルム積層体の概略断面図であり、図6(b)は、偏光膜が用いられ得る光学機能フィルム積層体の概略断面図である。光学フィルム積層体100は、樹脂基材11’と偏光膜12’と粘着剤層13とセパレータ14とをこの順で有する。光学機能フィルム積層体200は、樹脂基材11’と偏光膜12’と接着剤層15と光学機能フィルム16と粘着剤層13とセパレータ14とをこの順で有する。これらの実施形態では、上記樹脂基材を得られた偏光膜12’から剥離せずに、そのまま光学部材として用いている。樹脂基材11’は、例えば、偏光膜12’の保護フィルムとして機能し得る。
(1)厚み
積層体については、デジタルマイクロメーター(アンリツ社製、製品名「KC−351C」)を用いて測定した。延伸積層体のPVA系樹脂層については、延伸積層体の幅方向に沿って100mm間隔で、干渉膜厚計(大塚電子社製、製品名「MCPD3000」を用いて測定した。
(2)ガラス転移温度(Tg)
JIS K 7121に準じて測定した。
(3)ロール温度のばらつき
ロールの幅方向に沿って100mm間隔で、接触式温度計を用いて測定した。測定値の最大値と最小値との差をばらつきとした。
(4)複屈折のばらつき
PVA系樹脂層の上記(1)で厚みを測定した部分を、位相差を有しない粘着剤付のガラスに転写し、王子計測機器社製、KOBRA−WPRを用いて正面位相差を測定した。得られた正面位相差値を上記(1)で得られたPVA系樹脂層の厚みで割って、複屈折を算出した。算出した複屈折の最大値と最小値との差をばらつきとした。
(5)単体透過率のばらつき
偏光膜の幅方向に沿って100mm間隔で、紫外可視分光光度計(日本分光社製、製品名「V7100」)を用いて、実施例および比較例で得られた偏光板の単体透過率Tsを測定した。測定値の最大値と最小値との差をばらつきとした。なお、単体透過率Tsは、JIS Z 8701の2度視野(C光源)により測定し、視感度補正を行ったY値である。
(6)表示ムラ
実施例および比較例で得られた偏光板を200mm×300mmのサイズで2枚切り出した。2枚の偏光板の吸収軸が互いに平行となる状態および互いに直交する状態で重ね合わせ、重ねた偏光板をそれぞれ、バックライト(5000cd)上に配置し、目視により表示ムラを確認した。平行状態および直交状態のいずれにおいても表示ムラが視認されなかった場合を○、平行状態および直交状態の少なくとも1つで表示ムラが視認された場合を×として評価した。
熱可塑性樹脂基材として、長尺状で、吸水率0.75%、Tg75℃の非晶質のイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート(IPA共重合PET)フィルム(厚み:100μm)を用いた。
熱可塑性樹脂基材の片面に、コロナ処理(処理条件:55W・min/m2)を施し、このコロナ処理面に、ポリビニルアルコール(重合度4200、ケン化度99.2モル%)90重量部およびアセトアセチル変性PVA(重合度1200、アセトアセチル変性度4.6%、ケン化度99.0モル%以上、日本合成化学工業社製、商品名「ゴーセファイマーZ200」)10重量部を含む水溶液を60℃で塗布および乾燥して、厚み11μmのPVA系樹脂層を形成し、積層体を作製した。
次いで、延伸積層体を、液温30℃の染色浴に、得られる偏光膜の透過率が42.6%となるように、ヨウ素濃度および浸漬時間を調整して浸漬した。本実施例では、染色浴として水100重量部に対して、ヨウ素を0.2重量部配合し、ヨウ化カリウムを1.0重量部配合して得られたヨウ素水溶液を用い、当該染色浴に延伸積層体を60秒間浸漬させた(染色処理)。
次いで、延伸積層体を、液温30℃の架橋浴(水100重量部に対して、ヨウ化カリウムを3重量部配合し、ホウ酸を3重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に30秒間浸漬させた(架橋処理)。
その後、延伸積層体を、液温70℃のホウ酸水溶液(水100重量部に対して、ヨウ化カリウムを5重量部配合し、ホウ酸を4重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に浸漬させながら、周速の異なるロール間で縦方向(長手方向)に総延伸倍率が5.5倍となるように一軸延伸を行った(水中延伸)。
その後、延伸積層体を液温30℃の洗浄浴(水100重量部に対して、ヨウ化カリウムを4重量部配合して得られた水溶液)に浸漬させた(洗浄処理)。
このようにして、熱可塑性樹脂基材上に厚み5μmの偏光膜を形成した。
空中延伸工程において熱ロール中の熱媒体積と熱媒流量との比を5倍/分としたこと以外は実施例1と同様にして延伸積層体を作製した。ロールの幅方向の温度のばらつきは1.4℃であり、得られた延伸積層体のPVA系樹脂層の複屈折Δnxyのばらつきは0.36×10−3であった。この延伸積層体を用いたこと以外は実施例1と同様にして偏光板を作製した。得られた偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
空中延伸工程において熱ロール中の熱媒体積と熱媒流量との比を2.5倍/分としたこと以外は実施例1と同様にして延伸積層体を作製した。ロールの幅方向の温度のばらつきは2.7℃であり、得られた延伸積層体のPVA系樹脂層の複屈折Δnxyのばらつきは0.58×10−3であった。この延伸積層体を用いたこと以外は実施例1と同様にして偏光板を作製した。得られた偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
空中延伸工程において熱ロール中の熱媒体積と熱媒流量との比を0.5倍/分としたこと以外は実施例1と同様にして延伸積層体を作製した。ロールの幅方向の温度のばらつきは4.5℃であり、得られた延伸積層体のPVA系樹脂層の複屈折Δnxyのばらつきは1.0×10−3であった。この延伸積層体を用いたこと以外は実施例1と同様にして偏光板を作製した。得られた偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
空中延伸工程において図4Aに示すような直線状の配管を設け、当該配管に熱媒を流すことによりロールを加熱したこと、および、熱ロール中の熱媒体積と熱媒流量との比を0.5倍/分としたこと以外は実施例1と同様にして延伸積層体を作製した。ロールの幅方向の温度のばらつきは3.9℃であり、得られた延伸積層体のPVA系樹脂層の複屈折Δnxyのばらつきは0.80×10−3であった。この延伸積層体を用いたこと以外は実施例1と同様にして偏光板を作製した。得られた偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
表1から明らかなように、延伸積層体のPVA系樹脂層の複屈折Δnxyのばらつきを小さくすることにより、得られる偏光板の単体透過率のばらつきを小さくすることができる。その結果、表示ムラを小さくすることができる。さらに、表1から明らかなように、複屈折のばらつきは、空中延伸における熱ロール延伸の熱ロール温度のばらつきを調整することにより制御できることがわかる。
R1〜R7 ロール
9 オーブン
10 積層体
10’ 延伸積層体
11 熱可塑性樹脂基材
12 PVA系樹脂層
Claims (9)
- 長尺状の熱可塑性樹脂基材上にポリビニルアルコール系樹脂層を形成して積層体を作製する工程と、
該積層体を長手方向に搬送しながら、空中延伸して延伸積層体を作製する工程と、を含み、
該延伸積層体におけるポリビニルアルコール系樹脂層の厚みが15μm以下であり、該ポリビニルアルコール系樹脂層の正面方向の複屈折Δnxyの幅方向における最大値と最小値との差が0.6×10−3以下である、
延伸積層体の製造方法。 - 前記空中延伸が熱ロール間の周速差により延伸する熱ロール延伸工程を含み、該熱ロールの幅方向の温度のばらつきが3℃以下である、請求項1に記載の延伸積層体の製造方法。
- 前記熱ロールの温度が120℃以上である、請求項2に記載の延伸積層体の製造方法。
- 前記熱ロールの加熱が、該熱ロール内の配管に熱媒を通すことにより行われ、ロールの外周部に内接して配置されたらせん状の配管に熱媒を通すことを含む、請求項2または3に記載の延伸積層体の製造方法。
- 熱ロール中の熱媒体積と熱媒の流量との比が、2倍/分以上である、請求項4に記載の延伸積層体の製造方法。
- 請求項1から5のいずれかに記載の製造方法により製造される、延伸積層体。
- 請求項6に記載の延伸積層体を染色する工程を含む、偏光膜の製造方法。
- 前記染色工程の後、前記延伸積層体をホウ酸水溶液中で延伸する工程をさらに含む、請求項7に記載の偏光膜の製造方法。
- 請求項7または8に記載の製造方法により製造される、厚みが10μm以下である、偏光膜。
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