以下に、各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、実施形態に係る照明装置を模式的に表すブロック図である。
図1に表したように、照明装置10は、照明負荷12と、点灯回路14と、を備える。照明負荷12は、例えば、発光ダイオード(Light-emitting diode:LED)などの照明光源16を有する。照明光源16は、例えば、有機発光ダイオード(Organic light-emitting diode:OLED)などでもよい。照明光源16には、例えば、順方向降下電圧を有する発光素子が用いられる。照明負荷12は、点灯回路14からの出力電圧の印加及び出力電流の供給により、照明光源16を点灯させる。出力電圧及び出力電流の値は、照明光源16に応じて規定される。
点灯回路14は、交流電源2及び調光器3と接続されている。なお、本願明細書において、「接続」とは、電気的な接続を意味し、物理的に接続されていない場合や他の要素を介して接続されている場合も含むものとする。また、トランスなどを介して磁気的に結合している場合も、「接続」に含むものとする。
交流電源2は、例えば、商用電源である。調光器3は、交流電源2の交流の電源電圧VINから導通角制御した交流電圧VCTを生成する。点灯回路14は、調光器3から供給される交流電圧VCTを直流電圧に変換して照明負荷12に出力することにより、照明光源16を点灯させる。また、点灯回路14は、導通角制御された交流電圧VCTに同期して、照明光源16の調光を行う。なお、調光器3は、必要に応じて設けられ、省略可能である。調光器3が設けられていない場合には、交流電源2の電源電圧VINが、点灯回路14に供給される。
調光器3の導通角制御には、例えば、交流電圧のゼロクロスから交流電圧の絶対値が最大値となる期間において導通する位相を制御する位相制御(leading edge)の方式と、交流電圧の絶対値が最大値となってから交流電圧がゼロクロスする期間において遮断する位相を制御する逆位相制御(trailing edge)の方式とがある。
位相制御する調光器3は、回路構成が簡単であり、比較的大きな電力負荷を扱うことができる。しかし、トライアックが使用されている場合は、軽負荷動作が困難で、電源電圧が一時的に低下するいわゆる電源ディップが発生すると不安定動作に陥りやすい。また、容量性負荷を接続した場合は、突入電流が発生するため容量性負荷との相性が悪いなどの特徴がある。
一方、逆位相制御する調光器3は、軽負荷でも動作可能であり、容量性負荷を接続しても突入電流が発生せず、また電源ディップが発生しても動作が安定である。しかし、回路構成が複雑であり、温度が上昇し易いため、重負荷に向かない。また、誘導性負荷を接続した場合は、サージが発生するなどの特徴がある。
本実施形態では、調光器3として、電源電圧VINを供給する一対の電源ラインの一方の端子4、6間に直列に挿入された構成を例示している。すなわち、この例では、いわゆる2線式の調光器3を示している。調光器3は、これに限ることなく、他の構成でもよい。調光器3は、例えば、3線式や4線式などでもよい。
点灯回路14は、電力変換部20と、制御部22と、制御用電源部23と、電流調整部24と、フィードバック回路25と、を含む。電力変換部20は、AC−DCコンバータ20aと、DC−DCコンバータ20bと、を含む。AC−DCコンバータ20aは、第1電源供給経路26aを介して調光器3に接続される。AC−DCコンバータ20aは、第1電源供給経路26aを介して供給される交流電圧VCTを第1直流電圧VDC1に変換する。
DC−DCコンバータ20bは、第2電源供給経路26bを介してAC−DCコンバータ20aと接続される。DC−DCコンバータ20bは、第2電源供給経路26bから供給される第1直流電圧VDC1を照明負荷12に応じた所定の電圧値の第2直流電圧VDC2に変換して照明負荷12に供給する。第2直流電圧VDC2の絶対値は、第1直流電圧VDC1の絶対値と異なる。第2直流電圧VDC2の絶対値は、例えば、第1直流電圧VDC1の絶対値よりも低い。この例において、DC−DCコンバータ20bは、降圧型のコンバータである。第2直流電圧VDC2の供給により、照明負荷12の照明光源16が点灯する。このように、電力変換部20は、調光器3及び照明負荷12に接続され、調光器3から供給された位相制御された交流電力を直流電力に変換して照明負荷12に供給する。
制御用電源部23は、第1電源供給経路26aに接続された配線部27を有する。配線部27は、入力端子4に接続された配線27aと、入力端子5に接続された配線27bと、を含む。制御用電源部23は、配線部27を介して入力される交流電圧VCTを制御部22に応じた直流の駆動電圧VDDに変換して、その駆動電圧VDDを制御部22に供給する。配線部27は、例えば、第2電源供給経路26bに接続してもよい。
電流調整部24は、第1電源供給経路26aに電気的に接続された分岐経路28を有し、第1電源供給経路26aを流れる電流の一部を分岐経路28に流す導通状態と、流さない非導通状態と、を切り替え可能である。これにより、電流調整部24は、例えば、第1電源供給経路26aに流れる電流を調整する。この例では、電流調整部24の分岐経路28が、制御用電源部23を介して第1電源供給経路26aに接続されている。分岐経路28は、制御用電源部23を介することなく、第1電源供給経路26aに直接接続してもよい。なお、非導通状態には、動作に影響のない微小な電流が分岐経路28に流れる場合も含む。非導通状態は、例えば、分岐経路28に流れる電流が、導通状態よりも小さい状態である。分岐経路28は、例えば、第2電源供給経路26bに接続してもよい。
制御部22は、交流電圧VCTの導通角を検出する。換言すれば、制御部22は、調光器3の調光度を検出する。制御部22は、検出した調光度(導通角)に対応する調光信号DMSを生成し、その調光信号DMSをフィードバック回路25に入力する。これにより、制御部22は、検出した調光度に応じて、電力変換部20による電力の変換を制御する。すなわち、制御部22は、検出した調光度に応じて、照明負荷12を調光する。
また、制御部22は、検出した導通角に応じて制御信号CGSを生成し、その制御信号CGSを電流調整部24に入力することにより、電流調整部24の導通状態と非導通状態との間の切り替えを制御する。このように、制御部22は、検出した導通角に応じて電流調整部24とフィードバック回路25とを制御することにより、調光器3の導通角制御に同期して、照明光源16を調光する。制御部22には、例えば、マイクロプロセッサが用いられる。
フィードバック回路25は、点灯回路14の低電位側の出力端子8に接続される。すなわち、フィードバック回路25は、照明負荷12の低電位側の端部に接続される。フィードバック回路25は、照明負荷12(照明光源16)に流れる電流を検出する。フィードバック回路25は、制御部22から入力された調光信号DMSと検出した電流とを基に、DC−DCコンバータ20bをフィードバック制御する。例えば、照明光源16に過電流が流れている場合に、電流を小さくするようにDC−DCコンバータ20bをフィードバック制御する。これにより、フィードバック回路25は、照明光源16に過電流が流れることを抑制する。
図2は、実施形態に係る点灯回路を模式的に表す回路図である。
図2に表したように、AC−DCコンバータ20aは、整流回路30と、平滑コンデンサ32と、インダクタ34と、フィルタコンデンサ36と、を有する。
整流回路30は、例えば、ダイオードブリッジである。整流回路30の入力端子30a、30bは、一対の入力端子4、5に接続されている。整流回路30の入力端子30a、30bには、調光器3を介して位相制御または逆位相制御された交流電圧VCTが入力される。整流回路30は、例えば、交流電圧VCTを全波整流し、全波整流後の脈流電圧を高電位端子30cと低電位端子30dとの間に生じさせる。
平滑コンデンサ32は、整流回路30の高電位端子30cと低電位端子30dとの間に接続されている。平滑コンデンサ32は、整流回路30によって整流された脈流電圧を平滑化する。これにより、平滑コンデンサ32の両端には、第1直流電圧VDC1が現れる。
インダクタ34は、入力端子4に直列に接続されている。インダクタ34は、例えば、第1電源供給経路26aに対して直列に接続される。フィルタコンデンサ36は、入力端子4、5の間に接続されている。フィルタコンデンサ36は、例えば、第1電源供給経路26aに対して並列に接続される。インダクタ34及びフィルタコンデンサ36は、例えば、交流電圧VCTに含まれるノイズを除去する。
DC−DCコンバータ20bは、平滑コンデンサ32の両端に接続される。これにより、第1直流電圧VDC1が、DC−DCコンバータ20bに入力される。DC−DCコンバータ20bは、第1直流電圧VDC1を絶対値の異なる第2直流電圧VDC2に変換し、その第2直流電圧VDC2を点灯回路14の出力端子7、8に出力する。照明負荷12は、出力端子7、8に接続されている。照明負荷12は、点灯回路14から供給された第2直流電圧VDC2により、照明光源16を点灯させる。
DC−DCコンバータ20bは、例えば、出力素子40、電流制御素子41、整流素子42、インダクタ43、出力素子40を駆動する帰還巻き線(駆動素子)44、結合コンデンサ45、分圧抵抗46、47、出力コンデンサ48、バイアス抵抗49を有している。
出力素子40及び電流制御素子41は、例えば電界効果トランジスタ(FET)であり、例えば高電子移動度トランジスタ(High Electron Mobility Transistor:HEMT)であり、ノーマリオン形の素子である。
電流制御素子41のドレインは、出力素子40を介して第2電源供給経路26bに電気的に接続される。電流制御素子41のソースは、照明負荷12に電気的に接続される。電流制御素子41のゲートは、電流制御素子41のドレイン−ソース間に流れる電流を制御するための電極である。
電流制御素子41は、ドレインとソースとの間に電流が流れる第1状態と、ドレインとソースとの間に流れる電流が第1状態よりも小さい第2状態と、を有する。第1状態は、例えば、オン状態であり、第2状態は、例えば、オフ状態である。第1状態は、オン状態に限らない。第2状態は、オフ状態に限らない。第1状態は、第2状態よりも相対的に流れる電流が大きいような任意の状態でよい。第2状態は、第1状態よりも相対的に流れる電流が小さいような任意の状態でよい。
ノーマリオン形の素子である電流制御素子41では、ゲートの電位をソースの電位よりも低下させることで、第1状態から第2状態に変化する。例えば、電流制御素子41は、ゲートの電位をソースの電位に対して相対的に負電位にすることにより、オン状態からオフ状態に変化する。
出力素子40のドレインは、整流回路30の高電位端子30cに接続される。出力素子40のソースは、電流制御素子41のドレインに接続される。出力素子40のゲートは、結合コンデンサ45を介して、帰還巻き線44の一端に接続される。
電流制御素子41のソースは、インダクタ43の一端と帰還巻き線44の他端とに接続される。電流制御素子41のゲートには、電流制御素子41のソース電位を分圧抵抗46、47で分圧した電圧が入力される。出力素子40のゲートと電流制御素子41のゲートには、それぞれ保護ダイオードが接続される。
バイアス抵抗49は、出力素子40のドレインと電流制御素子41のソースとの間に接続され、分圧抵抗46、47に直流電圧を供給する。その結果、電流制御素子41のゲートには、ソースよりも低い電位が供給される。
インダクタ43と帰還巻き線44とは、インダクタ43の一端から他端に増加する電流が流れるとき、出力素子40のゲートに正極性の電圧が供給される極性で磁気結合している。
整流素子42は、電流制御素子41のソースと整流回路30の低電位端子30dとの間に、低電位端子30dから電流制御素子41の方向を順方向として接続されている。
この例では、整流素子42と電流制御素子41のソースとの間に、半導体素子50が設けられている。半導体素子50には、例えば、FETやGaN−HEMTなどが用いられる。半導体素子50は、例えば、ノーマリオン形である。半導体素子50のゲートは、整流回路30の低電位端子30dに接続される。これにより、半導体素子50は、オン状態で保持される。
インダクタ43の他端は、出力端子7に接続される。整流回路30の低電位端子30dは、出力端子8に接続される。出力コンデンサ48は、出力端子7と出力端子8との間に接続される。照明負荷12は、出力端子7と出力端子8との間に、出力コンデンサ48と並列に接続される。
制御用電源部23は、整流素子61〜63と、抵抗64と、コンデンサ65、66と、レギュレータ67と、ツェナーダイオード68と、半導体素子70と、を有している。
整流素子61、62は、例えば、ダイオードである。整流素子61のアノードは、配線27aを介して整流回路30の高電位端子30cに接続されている。整流素子42のアノードは、配線27bを介して整流回路30の低電位端子30dに接続されている。
半導体素子70には、例えば、FETやGaN−HEMTなどが用いられる。以下では、半導体素子70をFETとして説明を行う。この例において、半導体素子70は、エンハンスメント型のnチャネルFETである。半導体素子70は、ソースと、ドレインと、ゲートと、を有する。ドレインの電位は、ソースの電位よりも高く設定される。ゲートは、ソースとドレインとの間に電流の流れる第1状態と、ソースとドレインとの間に流れる電流が第1状態よりも小さい第2状態と、を切り替えるために用いられる。第2状態では、ソースとドレインとの間に実質的に電流が流れない。半導体素子70は、pチャネル形でもよいし、デプレッション型でもよい。例えば、半導体素子70をpチャネル形とする場合には、ソースの電位が、ドレインの電位よりも高く設定される。
半導体素子70のドレインは、整流素子61のカソード及び整流素子62のカソードに接続されている。すなわち、半導体素子70のドレインは、整流素子61、62を介して第1電源供給経路26aに接続されている。半導体素子70のソースは、整流素子63のアノードに接続されてる。半導体素子70のゲートは、ツェナーダイオード68のカソードに接続されている。また、半導体素子70のゲートは、抵抗64を介して整流回路30の高電位端子30cに接続されている。
整流素子63のカソードは、コンデンサ65の一端及びレギュレータ67の入力端子に接続されている。レギュレータ67の出力端子は、制御部22及びコンデンサ66の一端に接続されている。
交流電圧VCTの印加にともなう各極性の電流は、整流素子61を介して半導体素子70のドレインに流れる。これにより、半導体素子70のドレインには、交流電圧VCTを全波整流した脈流の電圧が印加される。
ツェナーダイオード68のカソードには、抵抗64及び整流素子61を介して、脈流の電圧が印加される。これにより、半導体素子70のゲートには、ツェナーダイオード68の降伏電圧に応じた実質的に一定の電圧が印加される。これにともない、半導体素子70のドレイン−ソース間に、実質的に一定の電流が流れる。半導体素子70は、例えば、定電流素子として機能する。半導体素子70は、配線部27に流れる電流を調整する。
コンデンサ65は、半導体素子70のソースから整流素子63を介して供給される脈流の電圧を平滑化し、脈流の電圧を直流電圧に変換する。レギュレータ67は、入力された直流電圧から実質的に一定の直流の駆動電圧VDDを生成し、制御部22に出力する。コンデンサ66は、例えば、駆動電圧VDDのノイズの除去などに用いられる。これにより、駆動電圧VDDが制御部22に供給される。
また、制御用電源部23には、抵抗71、72が、さらに設けられている。抵抗71の一端は、整流素子61、62のカソードに接続されている。抵抗71の他端は、抵抗72の一端に接続されている。抵抗72の他端は、整流回路30の低電位端子30dに接続されている。抵抗71、72の接続点は、制御部22に接続されている。これにより、抵抗71、72の分圧比に応じた電圧が、交流電圧VCTの絶対値を検出するための検出電圧として制御部22に入力される。
制御部22は、例えば、検出電圧を基に、交流電圧VCTの導通角の検出を行う。制御部22は、この検出結果に基づいて、調光信号DMSを生成し、その調光信号DMSをフィードバック回路25に入力する。制御部22は、例えば、検出した導通角に対応するPWM信号を調光信号DMSとしてフィードバック回路25に入力する。
電流調整部24は、抵抗75、76と、スイッチング素子78と、を有している。スイッチング素子78には、例えば、FETやGaN−HEMTなどが用いられる。以下では、スイッチング素子78をFETとして説明を行う。
抵抗75の一端は、半導体素子70のソースに接続されている。抵抗75の他端は、スイッチング素子78のドレインに接続されている。スイッチング素子78のゲートは、抵抗76を介して制御部22に接続されている。制御部22は、スイッチング素子78のゲートに制御信号CGSを入力する。スイッチング素子78には、例えば、ノーマリオフ形が用いられる。例えば、制御部22から入力される制御信号CGSをLoからHiに切り替えることで、スイッチング素子78が、オフ状態からオン状態に変化する。
スイッチング素子78をオン状態にすると、例えば、整流素子61、62、及び半導体素子70を介して、第1電源供給経路26aを流れる電流の一部が、分岐経路28に流れる。すなわち、スイッチング素子78をオン状態にすることによって、電流調整部24が導通状態となり、スイッチング素子78をオフ状態にすることによって、電流調整部24が非導通状態となる。
フィードバック回路25は、差動増幅回路80と、半導体素子100と、を有する。この例において、半導体素子100は、npnトランジスタである。半導体素子100は、ノーマリオフ形の素子である。半導体素子100は、pnpトランジスタやFETなどでもよい。半導体素子100は、ノーマリオン形でもよい。
差動増幅回路80は、例えば、オペアンプ81と、抵抗82と、コンデンサ83と、を有する。抵抗82は、オペアンプ81の出力端子と、オペアンプ81の反転入力端子と、の間に接続されている。コンデンサ83は、抵抗82に対して並列に接続されている。すなわち、差動増幅回路80は、負帰還を有する。
オペアンプ81の非反転入力端子は、抵抗84の一端に接続されている。抵抗84の他端は、抵抗85の一端、抵抗86の一端、及び、コンデンサ87の一端に接続されている。コンデンサ87の他端は、整流回路30の低電位端子30dに接続されている。抵抗85の他端は、出力端子7に接続されている。抵抗86の他端は、出力端子8及び抵抗88の一端に接続されている。抵抗88の他端は、整流回路30の低電位端子30dに接続されている。
これにより、オペアンプ81の非反転入力端子には、出力端子7、8の間に印加される第2直流電圧VDC2を抵抗85、86で分圧した直流の電圧が、検出電圧として入力される。すなわち、オペアンプ81の非反転入力端子は、照明負荷12の低電位側の端部に接続される。これにより、照明光源16に流れる電流を検出することができる。照明光源16にLEDなどの発光素子が用いられている場合、照明光源16の電圧は、順方向降下電圧に応じて実質的に一定である。従って、照明光源16にLEDなどの発光素子が用いられている場合には、照明負荷12の低電位側の端部に接続することで、照明光源16に流れる電流を適切に検出することができる。
オペアンプ81の反転入力端子は、抵抗90の一端に接続されている。抵抗90の他端は、抵抗91の一端、及び、コンデンサ92の一端に接続されている。コンデンサ92の他端は、整流回路30の低電位端子30dに接続されている。抵抗91の他端は、制御部22に接続されている。このように、オペアンプ81の反転入力端子は、抵抗90、91を介して制御部22に接続されている。これにより、オペアンプ81の反転入力端子には、制御部22からの調光信号DMSが入力される。
例えば、PWM信号をコンデンサ92で平滑化した直流の電圧が、調光信号DMSとしてオペアンプ81の反転入力端子に入力される。オペアンプ81の反転入力端子には、例えば、調光器3の調光度に応じた直流の電圧が、調光信号DMSとして入力される。調光信号DMSの電圧レベルは、非反転入力端子に入力される検出電圧の電圧レベルに対応して設定される。より詳しくは、例えば、所望の調光度に対応する調光信号DMSの電圧レベルが、その調光度に対応する輝度で照明光源16が発光した場合の検出電圧の電圧レベルと実質的に同じとなるように設定される。
このように、オペアンプ81の非反転入力端子には、照明光源16に流れる電流に対応する検出電圧が入力され、オペアンプ81の反転入力端子には、調光信号DMSが入力される。これにより、オペアンプ81の出力端子からは、検出電圧と調光信号DMSとの差分に対応した信号が出力される。検出電圧が調光信号DMSよりも大きくなるに従って、オペアンプ81の出力も大きくなる。すなわち、照明光源16に過電流が流れている場合に、オペアンプ81の出力が大きくなる。このように、この例においては、調光信号DMSが基準値として用いられる。なお、調光を行わない場合には、基準値となる実質的に一定の直流電圧を、オペアンプ81の反転入力端子に入力してもよい。
半導体素子100のコレクタは、分圧抵抗47の一端に接続されている。半導体素子100のコレクタは、分圧抵抗47を介して電流制御素子41のゲートに電気的に接続される。半導体素子100のエミッタは、抵抗101の一端に接続されている。抵抗101の他端は、整流回路30の低電位端子30dに接続されている。これにより、半導体素子100のエミッタは、電流制御素子41のソースの電位よりも低い電位に設定される。半導体素子100のベースは、オペアンプ81の出力端子に接続されている。これにより、半導体素子100のエミッタ−コレクタ間に流れる電流は、オペアンプ81からの出力によって制御される。
半導体素子100は、コレクタとエミッタとの間に電流が流れる第3状態と、コレクタとエミッタとの間に流れる電流が第3状態よりも小さい第4状態と、を有する。第3状態は、例えば、オン状態であり、第4状態は、例えば、オフ状態である。第3状態は、オン状態に限らない。第4状態は、オフ状態に限らない。第3状態は、第4状態よりも相対的に流れる電流が大きいような任意の状態でよい。第4状態は、第3状態よりも相対的に流れる電流が小さいような任意の状態でよい。
この例では、半導体素子100が、ノーマリオフ形であり、ベースの電位をエミッタの電位よりも高くすることによって、第4状態から第3状態に変化する。例えば、ベースの電位をエミッタの電位よりも高くすることによって、半導体素子100が、オフ状態からオン状態に変化する。
前述のように、検出電圧が調光信号DMSよりも大きい場合に、オペアンプ81の出力が大きくなる。従って、半導体素子100は、例えば、検出電圧が調光信号DMSよりも大きい場合に、オン状態となり、検出電圧が調光信号DMS以下の場合に、オフ状態となる。例えば、検出電圧が調光信号DMSよりも大きくなるに従って、半導体素子100のエミッタ−コレクタ間の電流が大きくなる。
また、半導体素子100のコレクタは、抵抗102の一端、及び、コンデンサ103の一端に、さらに接続されている。抵抗102の他端は、半導体素子100のベースに接続されている。コンデンサ103の他端は、整流回路30の低電位端子30dに接続されている。半導体素子100のベースは、抵抗104の一端に、さらに接続されている。抵抗104の他端は、整流回路30の低電位端子30dに接続されている。このように、フィードバック回路25の基準電位は、整流回路30の低電位端子30dの電位に設定される。すなわち、フィードバック回路25の基準電位は、DC−DCコンバータ20bの基準電位と共通である。フィードバック回路25の基準電位は、DC−DCコンバータ20bの基準電位と実質的に同じである。
点灯回路14は、温度検出部110をさらに含む。温度検出部110は、照明負荷12の点灯にともなって変化する温度を検出する。温度検出部110は、例えば、照明負荷12、点灯回路14、または、照明負荷12や点灯回路14の周辺の温度を検出する。温度検出部110の検出する温度は、例えば、点灯回路14などが設けられた基板の温度などでもよい。
温度検出部110は、例えば、照明負荷12の点灯時の温度変化の大きい部分の温度を検出する。換言すれば、温度検出部110は、例えば、照明負荷12の点灯にともなって高温になりやすい部分の温度を検出する。温度検出部110の検出する温度の位置は、上記に限ることなく、照明負荷12の点灯にともなって変化する任意の位置の温度でよい。
温度検出部110は、制御部22に接続されている。温度検出部110は、温度の検出結果を制御部22に入力する。例えば、複数の温度検出部110を設け、照明装置10の複数の位置の温度を検出してもよい。
温度検出部110は、例えば、感温素子112と、抵抗素子113と、コンデンサ114と、を含む。抵抗素子113の一端は、レギュレータ67の出力端子に接続されている。これにより、抵抗素子113の一端には、レギュレータ67から出力された駆動電圧VDDが入力される。
抵抗素子113の他端は、感温素子112の一端に接続されている。感温素子112の他端は、整流回路30の低電位端子30dに接続されている。コンデンサ114は、感温素子112に並列に接続されている。
感温素子112は、例えば、温度に応じて抵抗値を変化させる。感温素子112は、例えば、正の温度特性を有する。すなわち、感温素子112は、温度の上昇にともなって抵抗値を増加させる。感温素子112には、例えば、PTC(Positive Temperature Coefficient)サーミスタが用いられる。
感温素子112の温度特性は、負の温度特性でもよい。すなわち、感温素子112は、温度の上昇にともなって抵抗値を減少させてもよい。感温素子112は、例えば、NTC(Negative Temperature Coefficient)サーミスタでもよい。感温素子112は、PTCサーミスタやNTCサーミスタに限ることなく、温度に応じて特性を変化させる任意の素子でよい。温度に応じて変化する感温素子112の特性は、抵抗値に限ることなく、例えば、静電容量などでもよい。
制御部22は、感温素子112と抵抗素子113との間に接続されている。これにより、制御部22には、駆動電圧VDDを感温素子112と抵抗素子113とで分圧した電圧が、温度の検出結果として入力される。温度に応じて感温素子112の抵抗値が変化すると、抵抗素子113との分圧比が変化する。これにともなって、制御部22に入力される電圧の電圧値が変化する。これにより、制御部22は、温度検出部110の検出結果を基に、照明負荷12の点灯にともなって変化する温度の情報を取得する。温度検出部110の構成は、上記に限ることなく、照明負荷12の点灯にともなって変化する温度を検出可能な任意の構成でよい。
図3は、制御部の動作の一例を模式的に表すグラフ図である。
図3の横軸は、調光器3の調光度(%)である。換言すれば、交流電圧VCTの導通角である。
図3の縦軸は、点灯回路14の出力(%)である。
図3に表したように、制御部22は、調光器3の調光度と電力変換部20の出力とを関連付けた関数を有する。制御部22は、調光器3の調光度を検出した後、関数を基に電力変換部20の出力を決定する。そして、制御部22は、決定した出力に応じて、電力変換部20による電力の変換を制御する。出力の決定に用いられる関数は、例えば、一次関数状である。出力の決定に用いられる関数は、例えば、二次関数状でもよいし、指数関数状でもよい。この関数は、例えば、調光カーブと呼ばれる場合もある。
制御部22は、調光度が所定値以上の第1領域R1においては、調光度と温度検出部110で検出された温度とを基に、電力変換部20の出力を決定する。制御部22は、例えば、複数の関数を有し、第1領域R1においては、温度検出部110で検出された温度に応じて、関数を変化させる。これにより、制御部22は、第1領域R1においては、第1温度の時の出力を、第1温度よりも低い第2温度の時の出力よりも低下させる。例えば、検出温度60℃の時の調光度100%の出力は、検出温度25℃の時の調光度100%の出力よりも低い。
このように、比較的高い調光度においては、温度に応じて出力を低下させる。これにより、例えば、高温による照明装置10の故障などを抑制することができる。第1領域R1における出力は、温度に対して段階的に変化させてもよいし、連続的に変化させてもよい。
一方、制御部22は、調光度が所定値未満の第2領域R2においては、温度検出部110で検出された温度を用いずに、調光度を基に、電力変換部20の出力を決定する。第2領域R2においては、例えば、調光度のみで電力変換部20の出力を決定する。
この例では、調光度40%以上の領域を第1領域R1としている。第1領域R1と第2領域R2とを仕切る所定値は、これに限らない。所定値は、例えば、全光状態(出力100%)における装置の発熱量、装置の熱容量、装置に用いられる各種の部品の温度耐性などに応じて適宜設定すればよい。
また、制御部22は、第1領域R1において、調光度と温度とを基に出力を決定する制御の開始を、調光度に応じて変化させる。制御部22は、例えば、調光度が高い程、前記制御を開始する温度を低くする。例えば、調光度が40%の場合には、60℃から制御を開始する。一方、調光度が100%の場合には、25℃から制御を開始する。
さらに、制御部22は、第1領域R1において、所定の温度における出力の低下率を調光度に応じて変化させる。制御部22は、例えば、同じ温度における出力の低下率を、調光度が高い程大きくする。例えば、調光度100%の時の検出温度60℃の出力の低下率は、調光度70%の時の検出温度60℃の出力の低下率よりも大きい。
次に、点灯回路14の動作について説明する。
まず、調光器3の調光度がほぼ100%に設定され、入力される電源電圧VINがほぼそのまま伝達される場合、すなわちDC−DCコンバータ20bに最も高い第1直流電圧VDC1が入力される場合について説明する。
電源電圧VINが、点灯回路14に供給されるとき、出力素子40及び電流制御素子41は、ノーマリオン形の素子であるため、いずれもオンしている。そして、出力素子40、電流制御素子41、インダクタ43、出力コンデンサ48の経路で電流が流れ、出力コンデンサ48が充電される。出力コンデンサ48の両端の電圧、すなわち出力端子7、8の間の電圧は、第2直流電圧VDC2として、照明負荷12の照明光源16に供給される。なお、出力素子40及び電流制御素子41がオンしているため、整流素子42には、逆電圧が印加される。整流素子42には、電流は流れない。
第2直流電圧VDC2が所定電圧に達すると、照明光源16に電流が流れ、照明光源16が点灯する。このとき、出力素子40、電流制御素子41、インダクタ43、出力コンデンサ48及び照明光源16の経路で電流が流れる。例えば、照明光源16がLEDの場合、この所定電圧は、LEDの順方向降下電圧であり、照明光源16に応じて定まる。また、照明光源16が消灯した場合、電流が流れないため、出力コンデンサ48は、出力電圧の値を保持する。
DC−DCコンバータ20bに入力される第1直流電圧VDC1は、第2直流電圧VDC2と比較して十分に高い。すなわち、入出力間の電位差ΔVは、十分に大きい。このため、インダクタ43を流れる電流は増加していく。帰還巻き線44は、インダクタ43と磁気結合しているため、帰還巻き線44には、結合コンデンサ45側を高電位とする極性の起電力が誘起される。そのため、出力素子40のゲートには、結合コンデンサ45を介してソースに対して正の電位が供給され、出力素子40はオンの状態を維持する。
電流制御素子41を流れる電流が上限値を超えると、電流制御素子41のドレイン−ソース間電圧は、急激に上昇する。そのため、出力素子40のゲート−ソース間電圧がしきい値電圧よりも低くなり、出力素子40はオフする。上限値は、電流制御素子41の飽和電流値であり、電流制御素子41のゲートに入力される電位により規定される。電流制御素子41のゲート電位は、バイアス抵抗49を介して分圧抵抗46、47に供給される直流電圧、照明光源16の電圧、分圧抵抗46、47の分圧比、及び、半導体素子100のエミッタ−コレクタ間の電流によって設定される。なお、上記のとおり、電流制御素子41のゲート電位は、ソースに対して負電位のため、飽和電流値を適正値に制限することができる。
インダクタ43は、整流素子42、出力コンデンサ48及び照明負荷12の経路で電流を流し続ける。このとき、インダクタ43は、エネルギーを放出するため、インダクタ43の電流は、減少していく。このため、帰還巻き線44には、結合コンデンサ45側を低電位とする極性の起電力が誘起される。出力素子40のゲートには、結合コンデンサ45を介してソースに対して負の電位が供給され、出力素子40はオフの状態を維持する。
インダクタ43に蓄積されていたエネルギーがゼロになると、インダクタ43を流れる電流はゼロになる。帰還巻き線44に誘起される起電力の方向が再び反転し、結合コンデンサ45側を高電位とする起電力が誘起される。これにより、出力素子40のゲートにソースよりも高い電位が供給され、出力素子40が再びオンする。これにより、上記の所定電圧に達した状態に戻る。
以後、上記の動作を繰り返す。これにより、出力素子40のオン及びオフへの切替が自動的に繰り返されて、照明光源16には電源電圧VINを降下した第2直流電圧VDC2が供給される。すなわち、点灯回路14においては、出力素子40のスイッチング周波数が、分圧抵抗46、47及びフィードバック回路25によって設定される。また、照明光源16に供給される電流は、電流制御素子41により上限値の制限された実質的に一定の電流となる。そのため、照明光源16を安定に点灯させることができる。
フィードバック回路25の差動増幅回路80は、照明光源16に流れる電流に対応する検出電圧と、調光信号DMSとの差に応じて、半導体素子100のベース電位を変化させる。差動増幅回路80は、例えば、照明光源16に過電流が流れ、調光信号DMSの電圧レベルに対して、検出電圧の電圧レベルが所定値以上高い場合に、半導体素子100のベースに高い電位を設定し、半導体素子100を実質的にオン状態とする。
半導体素子100がオン状態になると、電流制御素子41のゲート電位が、例えば、整流回路30の低電位端子30dに設定される。すなわち、電流制御素子41のゲート電位に負電位が設定され、電流制御素子41がオフ状態になる。これにより、照明光源16に流れる電流が小さくなり、照明光源16に過電流が流れることが抑制される。このように、この例では、フィードバック回路25が、検出電圧と調光信号DMSとを基に、DC−DCコンバータ20bをフィードバック制御する。
調光器3の調光度が100%よりも小さい値に設定され、入力される交流電圧VCTが導通角制御されて伝達される場合、すなわちDC−DCコンバータ20bに高い第1直流電圧VDC1が入力される場合についても、出力素子40が発振を継続できる場合は、上記と同様である。調光器3の調光度に応じて、DC−DCコンバータ20bに入力される第1直流電圧VDC1の値が変化して、出力電流の平均値を制御することができる。従って、調光度に応じて、照明負荷12の照明光源16を調光することができる。
また、調光器3の調光度がさらに小さい値に設定される場合、すなわちDC−DCコンバータ20bに入力される第1直流電圧VDC1がさらに低い場合には、出力素子40がオンしてもインダクタ43の両端の電位差が小さいため、インダクタ43を流れる電流が増加することができない。したがって、出力素子40は、オフの状態にならず、一定の直流電流を出力する。すなわち、点灯回路14は、調光器3の調光度が小さい場合、すなわち、入出力間の電位差ΔVが小さい場合、シリーズレギュレータのような動作をする。
このように、点灯回路14は、電位差ΔVが所定値よりも大きいとスイッチング動作し、電位差ΔVが小さいと、シリーズレギュレータのような動作をする。電位差ΔVが大きい場合は、電位差ΔVと電流との積が大きく、シリーズレギュレータの動作を行うと損失が大きくなる。したがって、電位差ΔVが大きい場合に、スイッチング動作をすることは、低消費電力化に適する。また、電位差ΔVが小さい場合は、損失は小さいため、シリーズレギュレータとして動作をすることは問題ない。
また、点灯回路14では、電位差ΔVが所定値よりも小さいときは、出力素子40はオフの状態にならずにオンの状態を継続したまま電流が振動して、電流の平均値で照明負荷12の照明光源16を点灯させる。また、電位差ΔVがさらに小さいときは、出力素子40は、オンの状態を継続したまま、直流電流を照明負荷12に出力して照明光源16を点灯させる。その結果、点灯回路14では、出力電流をゼロまで連続的に変化させることができる。例えば、照明装置10において、照明負荷12の照明光源16をスムーズに消灯させることができる。
点灯回路14では、電位差ΔVに応じて、出力素子40のスイッチング動作時における最大値から、出力素子40のオンの状態を継続したまま直流電流を出力する際の最小値まで出力電流を連続的に変化させることができる。例えば、照明装置10において、照明光源16を連続的に0〜100%の範囲で調光することができる。
点灯回路14では、フィードバック回路25を照明負荷12の低電位側の端部に接続し、照明光源16に流れる電流を検出し、その検出結果に応じてDC−DCコンバータ20bの動作をフィードバック制御している。照明光源16の電圧は、電源電圧VINや交流電圧VCTなどの入力電圧が歪んでも、ある程度安定する。従って、上記のように、フィードバック回路25を照明負荷12の低電位側の端部に接続して照明光源16に流れる電流を検出することにより、例えば、電流の検出精度を高めることができる。例えば、過電流が発生した場合に、照明光源16に流れる電流を即座に停止させることができる。さらには、ノーマリオン形の電流制御素子41のゲートに対して、負電位を容易に設定することもできる。これにより、点灯回路14では、より確実な電流制御及び過電流保護を行うことができる。
また、点灯回路14では、フィードバック回路25の基準電位が、DC−DCコンバータ20bの基準電位と共通である。これにより、例えば、出力電圧である第2直流電圧VDC2の変動を抑制することができる。
例えば、全ての調光度の領域において、調光度と温度とを基に出力を決定する点灯回路がある。このような点灯回路において、調光度を100%に設定し、温度によって出力が低下した状態から調光度を低下させる。この場合、出力の低下にともなって温度が低下し、意図せず出力が変化してしまう場合がある。こうした出力の変化は、照明負荷12の輝度の変化として表れる。例えば、出力の回復にともなって照明負荷12が次第に明るくなったり、関数の変化にともなって照明負荷12にチラツキが生じたりする。
これに対して、本実施形態に係る点灯回路14では、調光度が所定値未満の第2領域R2においては、温度検出部110で検出された温度を用いずに、調光度を基に、電力変換部20の出力を決定する。従って、例えば、調光度の高い状態から低い状態に遷移させた場合に、調光度に応じた実質的に一定の出力が照明負荷12に供給される。これにより、点灯回路14では、意図しない輝度の変化を抑制することができる。
また、点灯回路14では、制御部22が、第1領域R1において、調光度と温度とを基に出力を決定する制御の開始を、調光度に応じて変化させる。これにより、例えば、高温による装置の故障を抑制しつつ、意図しない輝度の変化をより適切に抑制することができる。
さらに、点灯回路14では、制御部22は、第1領域R1において、所定の温度における出力の低下率を調光度に応じて変化させる。これにより、例えば、高温時の出力低下を抑制することができる。
以上、具体例を参照しつつ実施形態について説明したが、それらに限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
例えば、出力素子40及び電流制御素子41はGaN系HEMTには限定されない。例えば、半導体基板に炭化珪素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)やダイヤモンドのようなワイドバンドギャップを有する半導体(ワイドバンドギャップ半導体)を用いて形成した半導体素子でもよい。ここで、ワイドバンドギャップ半導体とは、バンドギャップが約1.4eVのヒ化ガリウム(GaAs)よりもバンドギャップの広い半導体をいう。例えば、バンドギャップが1.5eV以上の半導体、リン化ガリウム(GaP、バンドギャップ約2.3eV)、窒化ガリウム(GaN、バンドギャップ約3.4eV)、ダイアモンド(C、バンドギャップ約5.27eV)、窒化アルミニウム(AlN、バンドギャップ約5.9eV)、炭化ケイ素(SiC)などが含まれる。このようなワイドバンドギャップ半導体素子は、耐圧を等しくする場合、シリコン半導体素子よりも小さくできるために寄生容量が小さく、高速動作が可能なため、スイッチング周期を短くすることができ、巻線部品やコンデンサなどの小形化が可能となる。
上記実施形態では、出力素子40と電流制御素子41とをカスコード接続し、出力素子40でスイッチングを行い、電流制御素子41で電流の制御を行っている。これに限ることなく、例えば、電流制御素子41のみで、スイッチングと電流の制御とを行ってもよい。
電力変換部20の構成は、上記に限ることなく、導通角制御された交流電力を直流電力に変更可能な任意の構成でよい。上記実施形態では、制御部22が、調光信号DMSをフィードバック回路25に入力することにより、電力変換部20による電力の変換を制御している。制御部22による電力変換部20の制御方法は、上記に限ることなく、電力変換部20の構成に応じた任意の方法でよい。例えば、電力変換部20がスイッチング素子を含むチョッパ回路である場合には、スイッチング素子のスイッチングを制御することにより、電力変換部20での電力の変換を制御すればよい。
なお、照明光源16はLEDに限らず、例えば、有機EL(Electro-Luminescence)やOLED(Organic light-emitting diode)などでもよい。照明負荷12には、複数の照明光源16が直列又は並列に接続されていてもよい。
本発明のいくつかの実施形態および実施例を説明したが、これらの実施形態または実施例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態または実施例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態または実施例やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。